JP4886498B2 - インクジェット記録用水系インク - Google Patents

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Description

本発明は、インクジェット記録用水系インク、そのインクに用いられるポリマー粒子、水分散体及び水分散体の製造方法に関する。
インクジェット記録方式は、非常に微細なノズルからインク液滴を記録部材に直接吐出し、付着させて、文字や画像を得る記録方式である。この方式は、フルカラー化が容易で、かつ安価であり、記録部材として普通紙が使用可能、被印字物に対して非接触、という数多くの利点があるため普及が著しい。
特に印字物の耐候性や耐水性の観点から、着色剤に顔料系インクを用いるものが主流となってきている(例えば、特許文献1〜5参照)。
特許文献1には、水性液体中に有機顔料の分散体とロジンエマルジョンとを含有させた記録液が開示されている。この特許文献1には、水性樹脂を混合しうることは記載されているが、着色剤を含有するポリマー粒子についての記載はない。
特許文献2には、着色剤、ポリアミド樹脂(皮膜形成性樹脂)、ロジンエステル等の粘着付与剤樹脂、有機溶剤を含有するインクが開示されている。このインクは非水系であり、また着色剤を樹脂で包含する形態のものではない。
特許文献3には、有機顔料、ロジン変性水溶性アクリル樹脂、及び水を含有する水系インクが開示され、特許文献4には、塩基性基を有する顔料誘導体、ロジン骨格を有するエチレン性不飽和単量体を重合成分として含む重合体、及び顔料を含む顔料組成物が開示されている。特許文献3及び4で用いられている樹脂は水溶性であり、着色剤を含有するポリマー粒子についての記載はない。
特許文献5には、顔料を水不溶性ポリマーで包含して水に分散可能にした分散体、ロジン等を含む樹脂微粒子、保湿剤、浸透剤、及び水を含む水性インクが開示されている。この顔料を包含するポリマーはアクリル系のランダム共重合ポリマーであり、その中には、ロジン等は含まれていない。
上記の非水系又は水系インクは物性がある程度改善されているが、高印字濃度における色ムラの低減が不十分である。
特開平9−217032号公報 特開平10−140060号公報 特開2003−138170号公報 特開2004−204103号公報 特開2004−277448号公報
本発明は、色ムラを満足しつつ、印字濃度が高いインクジェット記録用水系インク、そのインクに用いられるポリマー粒子、水分散体及び水分散体の製造方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、着色剤を含有するポリマー粒子のポリマーとして、ロジンとビニルポリマーを含む混合物を用いることにより、水系インクが記録媒体の厚み方向に浸透することを抑制し、着色剤を記録媒体の表層に留めて分散させることができる結果、色ムラを満足しつつ高印字濃度を達成することを見出した。
すなわち、本発明は次の(1)〜(4)を提供する。
(1)着色剤を含有するポリマー粒子であって、該ポリマーが、(A)ロジン及び(B)ビニルポリマーを含む混合物である、インクジェット記録用ポリマー粒子。
(2)前記(1)のポリマー粒子を含有するインクジェット記録用水分散体。
(3)前記(2)の水分散体を含有する、インクジェット記録用水系インク。
(4)下記工程I及びIIを有する、前記(2)の水分散体の製造方法。
工程I:(A)ロジン、(B)ビニルポリマー、着色剤、有機溶媒、及び水を含有する混合物を分散して、着色剤を含有するポリマー粒子の分散体を得る工程
工程II:工程Iで得られた分散体から有機溶媒を除去する工程

本発明のインクジェット記録用ポリマー粒子及び水分散体を含有する水系インクによれば、色ムラを満足しつつ、印字濃度が高い印刷物を得ることができる。
本発明の製造方法によれば、インクジェット記録用水分散体を効率的に製造することができる。
本発明のインクジェット記録用水分散体、水系インクには、色ムラを満足しつつ、印字濃度が高くする観点から、着色剤を含有するポリマー粒子であって、該ポリマーが、(A)ロジン、及び(B)ビニルポリマーを含む混合物であるポリマー粒子を用いる。以下、本発明に用いる各成分について説明する。
なお、着色剤を含有するポリマー粒子を、単に「着色剤含有ポリマー粒子」ということがある、
(着色剤)
着色剤としては特に制限はなく、顔料、疎水性染料、水溶性染料(酸性染料、反応染料、直接染料等)等を用いることができるが、耐水性、分散安定性及び耐擦過性の観点から、顔料及び疎水性染料が好ましい。中でも、近年要求が強い高耐候性を発現させるためには、顔料を用いることが好ましい。
顔料及び疎水性染料は、水系インクに使用する場合には、界面活性剤、ポリマーを用いて、インク中で安定な微粒子にする必要がある。特に、耐滲み性、耐水性等の観点から、ポリマーの粒子中に顔料及び/又は疎水性染料を含有させることが好ましい。
顔料は、無機顔料及び有機顔料のいずれであってもよい。また、必要に応じて、それらと体質顔料を併用することもできる。
無機顔料としては、例えば、カーボンブラック、金属酸化物、金属硫化物、金属塩化物等が挙げられる。これらの中では、特に黒色水系インクにおいては、カーボンブラックが好ましい。カーボンブラックとしては、ファーネスブラック、サーマルランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等が挙げられる。
有機顔料としては、例えば、アゾ顔料、ジアゾ顔料、フタロシアニン顔料、キナクリドン顔料、イソインドリノン顔料、ジオキサジン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、チオインジゴ顔料、アンソラキノン顔料、キノフタロン顔料等が挙げられる。
有機顔料の好適例としては、C.I.ピグメント・イエロー、C.I.ピグメント・レッド、C.I.ピグメント・バイオレット、C.I.ピグメント・ブルー、及びC.I.ピグメント・グリーンからなる群から選ばれる1種以上の各品番製品が挙げられ、またそれらの固溶体も挙げられる。例えば、マゼンタ顔料の固溶体としてはC.I.ピグメント・バイオレットとC.I.ピグメント・レッドの固溶体が好ましく、更にC.I.ピグメント・バイオレット19とC.I.ピグメント・レッド202の固溶体が好ましい。
体質顔料としては、シリカ、炭酸カルシウム、タルク等が挙げられる。
疎水性染料は、ポリマー粒子中に含有させることができるものであればよく、その種類には特に制限がない。疎水性染料は、ポリマー中に効率よく染料を含有させる観点から、ポリマーの製造時に使用する有機溶媒(好ましくはメチルエチルケトン(MEK))に対して、2g/L以上、好ましくは20〜500g/L(25℃)溶解するものが望ましい。
疎水性染料としては、油溶性染料、分散染料等が挙げられ、これらの中では油溶性染料が好ましい。油溶性染料としては、例えば、C.I.ソルベント・ブラック、C.I.ソルベント・イエロー、C.I.ソルベント・レッド、C.I.ソルベント・バイオレット、C.I.ソルベント・ブルー、C.I.ソルベント・グリーン、及びC.I.ソルベント・オレンジからなる群から選ばれる1種以上の各品番製品が挙げられ、オリエント化学株式会社、BASF社等から市販されている。
上記の着色剤は、単独で又は2種以上を任意の割合で混合して用いることができる。
((A)ロジン)
(A)ロジンは(B)ビニルポリマーと相まって、水系インクが記録媒体の厚み方向に浸透することを抑制し、着色剤を記録媒体の表層に留めて高濃度で均一に分散させる結果、高印字濃度で色ムラが低減すると考えられる。
本発明に用いられるロジンは、(1)天然ロジン、(2)変性ロジン、(3)重合ロジンを含む。
(1)天然ロジンとは、マツ科植物から採取される樹脂酸の混合物であり、生産方法によりガムロジン、ウッドロジン、トール油ロジン等に分けることができる。該樹脂酸の主成分は、3つの環構造、共役2重結合、カルボキシ基を有するアビエチン酸であり、更にネオアビエチン酸、デヒドロアビエチン酸、パラストリン酸、ピマール酸、イソピマール酸、サンダラコピマール酸、レボピマール酸等が含まれる。これらの樹脂酸成分の各含有割合は、生産方法により異なる。
(2)変性ロジンとしては、ロジンの水素化物である、ジヒドロアビエチン酸、テトラヒドロアビエチン酸等の水素化ロジン;ロジンの不均化物である、デヒドロアビエチン酸、ジヒドロアビエチン酸等の不均化ロジン;マレオピマール酸等のアクリル酸変性ロジン、フマロピマール酸等のマレイン酸変性ロジン、アクリロピマール酸等のフマル酸変性ロジン等の酸変性ロジン;グリセリン、ペンタエリスリトール等の多価アルコールと天然ロジンとのエステル化物である天然ロジンエステル、該多価アルコールと水素化ロジン、不均化ロジン又は酸変性ロジン等の変性ロジンとのエステル化物である変性ロジンエステル、あるいは該多価アルコールと重合ロジン(特に重合天然ロジン)とのエステル化物である重合ロジンエステル等のロジンエステルが挙げられる。
ロジンエステルは、架橋剤により架橋した架橋ロジンエステルであってもよい。架橋剤はイソシアネート基を分子中に2個有し、ロジンエステルの水酸基とイソシアネート基とがウレタン結合するものが好ましい。好ましくは架橋変性ロジンエステル、架橋重合ロジンエステルである。
(3)重合ロジンとしては、前記天然ロジン(特にアビエチン酸)、又は前記変性ロジンの2量化物、3量化物が挙げられる。
(A)ロジンの市販品としては、荒川化学工業株式会社製、特殊ロジンエステル、商品名:スーパーエステルL、同A−18、同A−75、同A−100、同A−115、同A−125、同T−125;同社製、ロジン変性フェノール樹脂、商品名:タマノル135、同145、同340、同350、同351、同352、同353、同354、同359、同361、同362、同366、同374、同379、同380、同381、同384、同387、同388、同392、同394、同395、同396、同405、同406、同409、同410、同414、同415;同社製、ロジンエステル系樹脂、商品名:ロンヂスR、同K−25、同K−80、同K−18;同社製、ロジン誘導体、商品名:エステルガムAAG、同AAL、同A、同AAV、同105、同HS、同AT、同H、同HP、同HD、ペンセルA、同AD、同AZ、同C、同D−125、同D−135、同D−160、同KK;同社製、超淡色系ロジン誘導体、商品名:パインクリスタルKR−85、同KR−612、同KR−614、同KE−100、同KE−311、同KE−359、同KE−604、同30PX、同D−6011、同D−6154、同D−6240、同KM−1500、同KM−1550;ヤスハラケミカル株式会社製、ロジン系樹脂、商品名:ハイロジン、ガムロジン、トールロジン;ハリマ化成株式会社製、重合ロジングリセリンエステル、商品名:ハリエスターDS−816;同社製、重合ロジンペンタエリスリトールエステル、商品名:ハリエスターDS−822、同社製、重合ロジンペンタエリスリトールエステルのイソシアネート架橋体、例えば実施例記載のKSU005等が挙げられる。
上記のロジンの中では、印字濃度の観点から、変性ロジン又は重合ロジンが好ましく、天然ロジンエステル、変性ロジンエステル、重合ロジンエステル及び架橋重合ロジンエステルからなる群から選ばれる1種以上であるロジンエステルが更に好ましく、重合ロジンエステル又は架橋重合ロジンエステルが最も好ましい。
特に印字濃度の観点から、ロジンは下記物性(i)〜(vi)を有するものが好ましい。
(i)JISK−5902−1969(ロジン)による軟化点:300〜600K、好ましくは350〜500K、より好ましくは400〜500K
(ii)重量平均分子量(Mw):500〜20,000、好ましくは1,000〜18,000、より好ましくは1,500〜15,000
なお、重量平均分子量は、Shodex社製のゲルクロマトグラフ装置「System−21」(充填剤:スチレンジビニルベンゼン共重合体、カラム流量1.0ml/min、温度:40℃)、溶離液としてテトラヒドロフラン、標準物質としてポリスチレンを用いて測定することができる。
(iii)数平均分子量(Mn):500〜2,000、好ましくは800〜1,800
(iv)酸価:1〜30mgKOH/g、好ましくは1〜20mgKOH/g、より好ましくは1〜18mgKOH/g
(v)水酸基価:1〜50mgKOH/g、好ましくは1〜30mgKOH/g、より好ましくは1〜10mgKOH/g
なお、酸価及び水酸基価は構造から算出することができる。また、適当な溶剤(例えばMEK)に溶解して、滴定する方法でも求めることができる。
(ビニルポリマー)
本発明には、その分散安定性の観点から、ビニル単量体(ビニル化合物、ビニリデン化合物、ビニレン化合物)の付加重合により得られるビニルポリマーを用いる。
本発明に用いられるビニルポリマーとしては、ロジンとの親和性の観点から、ポリマーを105℃で2時間乾燥させた後、25℃の水100gに溶解させたときに、その溶解量が好ましくは10g以下、より好ましくは5g以下、更に好ましくは1g以下である水不溶性ビニルポリマーが好ましい。溶解量は、ポリマーが塩生成基の種類に応じて、ポリマーの塩生成基を酢酸又は水酸化ナトリウムで100%中和した時の溶解量である。
ビニルポリマーとしては、(a)塩生成基含有モノマー(以下「(a)成分」ということがある)と、(b)マクロマー(以下「(b)成分」ということがある)及び/又は(c)疎水性モノマー(以下「(c)成分」ということがある)とを含むモノマー混合物(以下「モノマー混合物」ということがある)を共重合させてなるポリマーが好ましい。このポリマーは、(a)成分由来の構成単位と、(b)成分由来の構成単位及び/又は(c)成分由来の構成単位を有する。より好適なビニルポリマーは、(a)成分由来の構成単位、又は(a)成分由来の構成単位及び(c)成分由来の構成単位を主鎖に有し、(b)成分由来の構成単位を側鎖に有するグラフトポリマーである。
(a)塩生成基含有モノマーは、得られる水分散体の分散安定性を高める観点から用いられる。塩生成基としては、カルボキシ基、スルホン酸基、リン酸基、アミノ基、アンモニウム基等が挙げられるが、特にカルボキシ基が好ましい。
塩生成基含有モノマーとしては、特開平9−286939号公報段落〔0022〕等に記載されているカチオン性モノマー、アニオン性モノマー等が挙げられる。
カチオン性モノマーの代表例としては、不飽和アミン含有モノマー、不飽和アンモニウム塩含有モノマー等が挙げられる。これらの中では、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N−(N',N'−ジメチルアミノプロピル)(メタ)アクリルアミド及びビニルピロリドンが好ましい。
アニオン性モノマーの代表例としては、不飽和カルボン酸モノマー、不飽和スルホン酸モノマー、不飽和リン酸モノマー等が挙げられる。
不飽和カルボン酸モノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、2−メタクリロイルオキシメチルコハク酸等が挙げられる。不飽和スルホン酸モノマーとしては、スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、3−スルホプロピル(メタ)アクリレート、ビス−(3−スルホプロピル)−イタコン酸エステル等が挙げられる。不飽和リン酸モノマーとしては、ビニルホスホン酸、ビニルホスフェート、ビス(メタクリロキシエチル)ホスフェート、ジフェニル−2−アクリロイロキシエチルホスフェート、ジフェニル−2−メタクリロイロキシエチルホスフェート、ジブチル−2−アクリロイロキシエチルホスフェート等が挙げられる。
上記アニオン性モノマーの中では、分散安定性、吐出安定性の観点から、不飽和カルボン酸モノマーが好ましく、アクリル酸及びメタクリル酸がより好ましい。
(b)マクロマーは、着色剤含有ポリマー粒子の分散安定性を高める観点から用いられる。マクロマーとしては、数平均分子量500〜100,000、好ましくは1,000〜10,000の重合可能な不飽和基を有するモノマーであるマクロマーが挙げられる。なお、(b)マクロマーの数平均分子量は、溶媒として1mmol/Lのドデシルジメチルアミンを含有するクロロホルムを用いたゲルクロマトグラフィー法により、標準物質としてポリスチレンを用いて測定される。
(b)マクロマーの中では、着色剤含有ポリマー粒子の分散安定性等の観点から、片末端に重合性官能基を有する、スチレン系マクロマー及び芳香族基含有(メタ)アクリレート系マクロマーが好ましい。
スチレン系マクロマーとしては、スチレン系モノマー単独重合体、又はスチレン系モノマーと他のモノマーとの共重合体が挙げられる。スチレン系モノマーとしては、スチレン、2−メチルスチレン、ビニルトルエン、エチルビニルベンゼン、ビニルナフタレン、クロロスチレン等が挙げられる。
芳香族基含有(メタ)アクリレート系マクロマーとしては、芳香族基含有(メタ)アクリレートの単独重合体又はそれと他のモノマーとの共重合体が挙げられる。芳香族基含有(メタ)アクリレートとしては、ヘテロ原子を含む置換基を有していてもよい、炭素数7〜22、好ましくは炭素数7〜18、更に好ましくは炭素数7〜12のアリールアルキル基、又は、ヘテロ原子を含む置換基を有していてもよい、炭素数6〜22、好ましくは炭素数6〜18、更に好ましくは炭素数6〜12のアリール基を有する(メタ)アクリレートであり、ヘテロ原子を含む置換基としては、ハロゲン原子、エステル基、エーテル基、ヒドロキシ基等が挙げられる。例えばベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、2−メタクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシプロピルフタレート等が挙げられ、特にベンジル(メタ)アクリレートが好ましい。
また、それらのマクロマーの片末端に存在する重合性官能基としては、アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基が好ましく、共重合される他のモノマーとしては、アクリロニトリル等が好ましい。
スチレン系マクロマー中におけるスチレン系モノマー、又は芳香族基含有(メタ)アクリレート系マクロマー中における芳香族基含有(メタ)アクリレートの含有量は、顔料との親和性を高める観点から、好ましくは50重量%以上、より好ましくは70重量%以上である。
(b)マクロマーは、オルガノポリシロキサン等の他の構成単位からなる側鎖を有するものであってもよい。この側鎖は、例えば下記式(1)で表される片末端に重合性官能基を有するシリコーン系マクロマーを共重合することにより得ることができる。
CH2=C(CH3)−COOC36−〔Si(CH32O〕t−Si(CH33 (1)
(式中、tは8〜40の数を示す。)。
(b)成分として商業的に入手しうるスチレン系マクロマーとしては、例えば、東亜合成株式会社の商品名、AS−6(S)、AN−6(S)、HS−6(S)等が挙げられる。
(c)疎水性モノマーは、印字濃度の向上の観点から用いられる。疎水性モノマーとしては、アルキル(メタ)アクリレート、芳香族基含有モノマー等が挙げられる。
アルキル(メタ)アクリレートとしては、炭素数1〜22、好ましくは炭素数6〜18のアルキル基を有するものが好ましく、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、(イソ)プロピル(メタ)アクリレート、(イソ又はターシャリー)ブチル(メタ)アクリレート、(イソ)アミル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、(イソ)オクチル(メタ)アクリレート、(イソ)デシル(メタ)アクリレート、(イソ)ドデシル(メタ)アクリレート、(イソ)ステアリル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
なお、本明細書において、「(イソ又はターシャリー)」及び「(イソ)」は、これらの基が存在する場合としない場合の双方を意味し、これらの基が存在しない場合には、ノルマルを示す。また、「(メタ)アクリレート」は、アクリレート、メタクリレート又はそれらの両方を示す。
芳香族基含有モノマーとしては、ヘテロ原子を含む置換基を有していてもよい、炭素数6〜22、好ましくは炭素数6〜18、更に好ましくは炭素数6〜12の芳香族基を有するビニルモノマーが好ましく、例えば、前記のスチレン系モノマー(c−1成分)、前記の芳香族基含有(メタ)アクリレート(c−2成分)が挙げられる。ヘテロ原子を含む置換基としては、前記のものが挙げられる。
(c)成分の中では、印字濃度向上の観点から、スチレン系モノマー(c−1成分)が好ましく、スチレン系モノマー(c−1成分)としては特にスチレン及び2−メチルスチレンが好ましい。(c)成分中の(c−1)成分の含有量は、印字濃度向上の観点から、好ましくは10〜100重量%、より好ましくは20〜80重量%である。
また、芳香族基含有(メタ)アクリレート(c−2)成分としては、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート等が好ましい。(c)成分中の(c−2)成分の含有量は、印字濃度及び光沢性の向上の観点から、好ましくは10〜100重量%、より好ましくは20〜80重量%である。
また、(c−1)成分と(c−2)成分を併用することも好ましい。
モノマー混合物には、更に、(d)水酸基含有モノマー(以下「(d)成分」ということがある)が含有されていてもよい。(d)水酸基含有モノマーは、分散安定性を高めるという優れた効果を発現させるものである。
(d)成分としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(n=2〜30、nはオキシアルキレン基の平均付加モル数を示す。以下同じ。)(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(n=2〜30)(メタ)アクリレート、ポリ(エチレングリコール(n=1〜15)・プロピレングリコール(n=1〜15))(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの中では、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノメタクリレート、ポリプロピレングリコールメタクリレートが好ましい。
モノマー混合物には、更に、(e)下記式(2)で表されるモノマー(以下「(e)成分」ということがある)が含有されていてもよい。
CH2=C(R1)COO(R2O)q3 (2)
(式中、R1は、水素原子又は炭素数1〜5の低級アルキル基、R2は、ヘテロ原子を有していてもよい炭素数1〜30の2価の炭化水素基、R3は、ヘテロ原子を有していてもよい炭素数1〜30の1価の炭化水素基、qは、平均付加モル数を意味し、1〜60の数、好ましくは1〜30の数を示す。)
(e)成分は、吐出性を向上するという優れた効果を発現する。
式(2)において、ヘテロ原子としては、例えば、窒素原子、酸素原子、ハロゲン原子及び硫黄原子が挙げられる。
1の好適例としては、メチル基、エチル基、(イソ)プロピル基等が挙げられる。
2O基の好適例としては、オキシエチレン基、オキシトリメチレン墓、オキシプロパン−1,2−ジイル基、オキシテトラメチレン基、オキシヘプタメチレン基、オキシヘキサメチレン基及びこれらの2種以上の組合せからなる炭素数2〜7のオキシアルカンジイル基(オキシアルキレン基)が挙げられる。
3の好適例としては、炭素数1〜30、好ましくは炭素数1〜20の脂肪族アルキル基、芳香族環を有する炭素数7〜30のアルキル基及びヘテロ環を有する炭素数4〜30のアルキル基が挙げられる。
(e)成分の具体例としては、メトキシポリエチレングリコール(1〜30:式(2)中のqの値を示す。以下、同じ)(メタ)アクリレート、メトキシポリテトラメチレングリコール(1〜30)(メタ)アクリレート、エトキシポリエチレングリコール(1〜30)(メタ)アクリレート、オクトキシポリエチレングリコール(1〜30)(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(1〜30)(メタ)アクリレート2−エチルヘキシルエーテル、(イソ)プロポキシポリエチレングリコール(1〜30)(メタ)アクリレート、ブトキシポリエチレングリコール(1〜30)(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(1〜30)(メタ)アクリレート、メトキシ(エチレングリコール・プロピレングリコール共重合)(1〜30、その中のエチレングリコール:1〜29)(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの中では、オクトキシポリエチレングリコール(1〜30)(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(1〜30)(メタ)アクリレート2−エチルヘキシルエーテルが好ましい。
商業的に入手しうる(d)、(e)成分の具体例としては、新中村化学工業株式会社の多官能性アクリレートモノマー(NKエステル)M−40G、同90G、同230G、日本油脂株式会社のブレンマーシリーズ、PE−90、同200、同350、PME−100、同200、同400、同1000、PP−500、同800、同1000、AP−150、同400、同550、同800、50PEP−300、50POEP−800B、43PAPE600B等が挙げられる。
上記(a)〜(e)成分は、それぞれ単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
ビニルポリマーの製造時における、上記(a)〜(e)成分のモノマー混合物中における含有量(未中和量としての含有量。以下同じ)又は該ポリマー中における(a)〜(e)成分に由来する構成単位の含有量は、次のとおりである。
(a)成分の含有量は、得られる分散体の分散安定性の観点から、好ましくは2〜40重量%、より好ましくは2〜30重量%、特に好ましくは3〜20重量%である。
(b)成分の含有量は、特に着色剤との相互作用を高める観点から、好ましくは1〜25重量%、より好ましくは5〜20重量%である。
(c)成分の含有量は、印字濃度向上の観点から、好ましくは5〜98重量%、より好ましくは10〜60重量%である。
(d)成分の含有量は、得られる分散体の分散安定性の観点から、好ましくは5〜40重量%、より好ましくは7〜20重量%である。
(e)成分の含有量は、吐出性向上の観点から、好ましくは5〜50重量%、より好ましくは10〜40重量%である。
モノマー混合物中における〔(a)成分+(d)成分〕の合計含有量は、得られる分散体の分散安定性の観点から、好ましくは6〜60重量%、より好ましくは10〜50重量%である。〔(a)成分+(e)成分〕の合計含有量は、得られる分散体の分散安定性及び吐出性の観点から、好ましくは6〜75重量%、より好ましくは13〜50重量%である。また、〔(a)成分+(d)成分+(e)成分〕の合計含有量は、得られる分散体の分散安定性及び吐出性の観点から、好ましくは6〜60重量%、より好ましくは7〜50重量%である。
また、〔(a)成分/[(b)成分+(c)成分]〕の重量比は、得られる分散体の分散安定性及び印字濃度の観点から、好ましくは0.01〜1、より好ましくは0.02〜0.67、更に好ましくは0.03〜0.50である。
(ビニルポリマーの製造)
ビニルポリマーは、塊状重合法、溶液重合法、懸濁重合法、乳化重合法等の公知の重合法により、モノマー混合物を共重合させることによって製造される。これらの重合法の中では、溶液重合法が好ましい。
溶液重合法で用いる溶媒としては、特に限定されないが、極性有機溶媒が好ましい。極性有機溶媒が水混和性を有する場合には、水と混合して用いることもできる。極性有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール等の炭素数1〜3の脂肪族アルコール;アセトン、MEK、メチルイソブチルケトン(MIBK)等のケトン類;酢酸エチル等のエステル類等が挙げられる。これらの中では、メタノール、エタノール、アセトン、MEK、MIBK又はこれらの1種以上と水との混合溶媒が好ましい。
重合の際には、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ化合物や、t−ブチルペルオキシオクトエート、ジベンゾイルオキシド等の有機過酸化物等の公知のラジカル重合開始剤を用いることができる。
ラジカル重合開始剤の量は、モノマー混合物1モルあたり、好ましくは0.001〜5モル、より好ましくは0.01〜2モルである。
重合の際には、さらに、オクチルメルカプタン、2−メルカプトエタノール等のメルカプタン類、チウラムジスルフィド類等の公知の重合連鎖移動剤を添加してもよい。
モノマー混合物の重合条件は、使用するラジカル重合開始剤、モノマー、溶媒の種類等によって異なるので一概には決定することができない。通常、重合温度は、好ましくは30〜100℃、より好ましくは50〜80℃であり、重合時間は、好ましくは1〜20時間である。また、重合雰囲気は、窒素ガス雰囲気、アルゴン等の不活性ガス雰囲気であることが好ましい。
重合反応の終了後、反応溶液から再沈澱、溶媒留去等の公知の方法により、生成したポリマーを単離することができる。また、得られたポリマーは、再沈澱を繰り返したり、膜分離、クロマトグラフ法、抽出法等により、未反応のモノマー等を除去して精製することができる。
本発明で用いられるビニルポリマーの重量平均分子量は、印字濃度、光沢性及び着色剤の分散安定性の観点から、5,000〜50万が好ましく、1万〜40万がより好ましく、1万〜30万が更に好ましく、2万〜30万が特に好ましい。なお、ビニルポリマーの重量平均分子量は、実施例で示す方法により測定する。
本発明で用いられるビニルポリマーは、(a)塩生成基含有モノマー由来の塩生成基を有している場合は中和剤により中和して用いる。中和剤としては、ポリマー中の塩生成基の種類に応じて、酸又は塩基を使用することができる。例えば、塩酸、酢酸、プロピオン酸、リン酸、硫酸、乳酸、コハク酸、グリコール酸、グルコン酸、グリセリン酸等の酸、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、トリブチルアミン等の塩基が挙げられる。
塩生成基の中和度は、10〜200%であることが好ましく、さらに20〜150%、特に50〜150%であることが好ましい。
ここで中和度は、塩生成基がアニオン性基である場合、下記式(3)、(4)によって求めることができる。
{[中和剤の重量(g)/中和剤の当量]/[ポリマーの酸価 (KOHmg/g)×ポリマーの重量(g)/(56×1000)]}×100 (3)
塩生成基がカチオン性基である場合は、下記式によって求めることができる。
{[中和剤の重量(g)/中和剤の当量]/[ポリマーのアミン価 (HCLmg/g)×ポリマーの重量(g)/(36.5×1000)]}×100 (4)
酸価やアミン価は、ポリマーの構成単位から、計算で算出することができる。または、適当な溶剤(例えばMEK)にポリマーを溶解して、滴定する方法でも求めることができる。
(着色剤を含有するポリマー粒子の水分散体の製造)
着色剤を含有するポリマー粒子の水分散体の製造方法は特に限定されないが、下記工程I及びIIを有する方法によれば効率的に製造することができる。
工程I:(A)ロジン、(B)ビニルポリマー、着色剤、有機溶媒、及び水を含有する混合物を分散して、着色剤を含有するポリマー粒子の分散体を得る工程
工程II:工程Iで得られた分散体から有機溶媒を除去する工程
工程Iでは、まず、(A)ロジン及び(B)ビニルポリマーを有機溶媒に溶解させることが好ましい。予め(A)ロジンだけ有機溶媒に溶解させておいてもよい。次に中和剤を用いた際のロジンの加水分解を抑制し、着色剤との親和性を向上させる観点から、得られた有機溶媒溶液に、着色剤を添加した後、水を添加し、更に必要に応じて中和剤、界面活性剤等を加えて混合し、水中油型の分散体を得る方法が好ましい。混合物中、印字濃度及び色ムラの低減の観点から、着色剤は、5〜50重量%が好ましく、10〜40重量%が更に好ましく、有機溶媒は、10〜70重量%が好ましく、10〜50重量%が更に好ましく、(A)ロジンと(B)ビニルポリマーの合計量は、2〜40重量%が好ましく、3〜20重量%が更に好ましく、水は、10〜70重量%が好ましく、20〜70重量%が更に好ましい。
(B)ビニルポリマーが塩生成基を有する場合、中和剤を用いることが好ましいが、中和度には、特に限定がない。通常、最終的に得られる水分散体の液性が中性、例えば、pHが4.5〜10であることが好ましい。前記水不溶性ポリマーの望まれる中和度により、pHを決めることもできる。中和剤としては、前記のものが挙げられる。また、(B)ビニルポリマーを予め中和しておいてもよい。
有機溶媒としては、エタノール、イソプロパノール、イソブタノール等のアルコール系溶媒、アセトン、MEK、MIBK、ジエチルケトン等のケトン系溶媒及びジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒が挙げられる。有機溶媒は、水100gに対する溶解量が20℃において、5g以上のものが好ましく、10g以上のものが更に好ましく、より具体的には5〜80gのものが好ましく、10〜50gのものが更に好ましい。特に、MEK、MIBKが好ましい。ロジンの溶解させ易さの観点から、有機溶媒は、用いるロジンが20g/L(25℃)以上溶解するものが好ましい。
次に、工程Iにおける混合物の分散方法に特に制限はない。本分散だけでポリマー粒子の平均粒径を所望の粒径となるまで微粒化することもできるが、予備分散させた後、さらに剪断応力を加えて本分散を行い、ポリマー粒子の平均粒径を所望の粒径とするよう制御することが好ましい。また、本分散の際には、後述する本分散の手段を2つ以上併用してもよい。工程Iの分散温度は、5〜50℃が好ましく、10〜35℃が更に好ましい。
混合物を予備分散させる際には、アンカー翼等の一般に用いられている混合撹拌装置を用いることができる。混合撹拌装置の中では、ウルトラディスパー〔浅田鉄鋼株式会社、商品名〕、エバラマイルダー〔株式会社荏原製作所、商品名〕、TKホモミクサー、TKパイプラインミクサー、TKホモジェッター、TKホモミックラインフロー、フィルミックス〔以上、特殊機化工業株式会社、商品名〕、クリアミックス〔エム・テクニック株式会社、商品名〕、ケイディーミル〔キネティック・ディスパージョン社、商品名〕等の高速攪拌混合装置が好ましい。
本分散の剪断応力を与える手段としては、例えば、ロールミル、ビーズミル、ニーダー、エクストルーダ等の混練機、高圧ホモゲナイザー〔株式会社イズミフードマシナリ、商品名〕、ミニラボ8.3H型〔Rannie社、商品名〕に代表されるホモバルブ式の高圧ホモジナイザー、マイクロフルイダイザー〔Microfluidics 社、商品名〕、ナノマイザー〔ナノマイザー株式会社、商品名〕、アルティマイザー〔スギノマシン株式会社、商品名〕、ジーナスPY〔白水化学株式会社、商品名〕、DeBEE2000 〔日本ビーイーイー株式会社、商品名〕等のチャンバー式の高圧ホモジナイザー等が挙げられる。これらの中では、顔料を用いる場合に、顔料の小粒子径化の観点から、ロールミル、ビーズミル、ニーダー及び高圧ホモジナイザーが好ましい。これらの装置は複数を組み合わせることもできる。
工程IIでは、得られた分散体から、公知の方法で有機溶媒を留去して水系にすることで、着色剤を含有するポリマー粒子の水分散体を得ることができる。得られたポリマー粒子を含む水分散体中の有機溶媒は実質的に除去される。残留有機溶媒の量は0.1重量%以下が好ましく、0.01重量%以下であることがより好ましい。
得られた着色剤含有ポリマー粒子の水分散体は、着色剤を含有するポリマーの固体分が水を主媒体とする中に分散しているものである。ここで、ポリマー粒子の形態は特に制限はなく、少なくとも着色剤と(A)ロジン及び(B)ビニルポリマーを含む混合物により粒子が形成されていればよい。例えば、(A)ロジン及び(B)ビニルポリマーを含む混合物に着色剤が内包された粒子形態、(A)ロジン及び(B)ビニルポリマーを含む混合物中に着色剤が均一に分散された粒子形態、(A)ロジン及び(B)ビニルポリマーを含む混合物のポリマー粒子表面に着色剤が露出された粒子形態等が含まれる。ここで、(A)ロジン及び(B)ビニルポリマーを含む混合物とは、均一に混合している必要はなく、両者が一体化してさえいれば、片寄った分布を有していもよく、例えば(A)ロジンが、着色剤含有ポリマー粒子の表面上により多く存在していてもよい。本発明を損なわない限り、他のポリマーが混合物中に含まれていてもよい。
着色剤を含有するポリマー粒子のポリマー中、〔(A)ロジン/(B)ビニルポリマー〕の重量比は、好ましくは0.02〜10、更に好ましくは0.05〜5、特に好ましくは0.1〜3、最も好ましくは0.1〜1である。
着色剤と(A)ロジンと(B)ビニルポリマーとの合計重量比[((A)ロジン+(B)ビニルポリマー)/着色剤]は、ポリマー粒子の分散安定性の観点から、5/95〜90/10であることが好ましく、10/90〜75/25であることが更に好ましく、15/85〜50/50が特に好ましい。
着色剤と(A)ロジンとの重量比[(A)ロジン/着色剤]は、1/40〜1/1が好ましく、1/30〜1/3が更に好ましく、着色剤と(B)ビニルポリマーとの重量比[(B)ビニルポリマー/着色剤]は、1/20〜2/1が好ましく、1/10〜1/1が更に好ましい。
(インクジェット記録用水分散体及び水系インク)
本発明の水系インクは、本発明の水分散体を含有し、必要により、湿潤剤、分散剤、消泡剤、防黴剤、キレート剤等の添加剤を添加することができる。これらの添加剤の混合方法に特に制限はない。
インクジェット記録用水分散体中における、各成分の含有量は、印字濃度及び色ムラの低減の観点から次のとおりである。
着色剤の含有量は、安定性の観点から、好ましくは3〜40重量%、更に好ましくは5〜30重量%である。(A)ロジンの含有量(純分換算)は、好ましくは0.1〜20重量%、更に好ましくは0.1〜15重量%、特に好ましくは0.1〜10重量%であり、(B)ビニルポリマーの含有量(固形分量)は、好ましくは0.5〜20重量%、更に好ましくは0.5〜15重量%、特に好ましくは1〜10重量%である。
インクジェット記録用水系インク中における、各成分の含有量は、印字濃度及び色ムラの低減の観点から次のとおりである。
着色剤の含有量は、好ましくは0.5〜20重量%、更に好ましくは1〜15重量%である。(A)ロジンの含有量(純分換算)は、好ましくは0.05〜15重量%、更に好ましくは0.08〜10重量%、特に好ましくは0.1〜10重量%であり、(B)ビニルポリマーの含有量(固形分量)は、好ましくは0.3〜20重量%、更に好ましくは0.5〜15重量%、特に好ましくは0.8〜10重量%である。
インクジェット記録用水分散体及び水系インク中、〔(A)ロジン/(B)ビニルポリマー〕の重量比は、好ましくは0.02〜10、更に好ましくは0.05〜5、特に好ましくは0.1〜3、最も好ましくは0.1〜1であり、水の含有量は、好ましくは30〜90重量%、更に好ましくは40〜80重量%である。
水分散体及び水系インクにおける着色剤を含有するポリマー粒子の平均粒径は、色ムラの低減及び分散安定性の観点から、好ましくは40〜400nm、より好ましくは50〜300nm、特に好ましくは60〜200nmである。なお、平均粒子径の測定は、実施例記載の方法で行う。
水分散体の固形分20重量%における粘度(20℃)は、水系インクとした時に良好な粘度とするために、2〜6mPa・sが好ましく、2〜5mPa・sが更に好ましい。また、水系インクの粘度(20℃)は、良好な吐出性を維持するために、2〜12mPa・sが好ましく、2.5〜10mPa・sが更に好ましい。なお、水分散体及び水系インクの粘度の測定は、実施例記載の方法で行う。
本発明の水分散体及び水系インクの好ましい表面張力(20℃)は、水分散体としては、好ましくは30〜70mN/m、更に好ましくは35〜68mN/mであり、水系インクとしては、好ましくは25〜50mN/m、更に好ましくは25〜45mN/mである。また、水系インクのpHは4〜10が好ましい。
以下の製造例、実施例及び比較例において、「部」及び「%」は特記しない限り「重量部」及び「重量%」である。なお、重量平均分子量、粘度、平均粒径の測定方法は以下のとおりである。
(1)ポリマーの重量平均分子量
溶媒として60ミリモル/Lのリン酸及び50ミリモル/Lのリチウムブロマイドを溶解したN,N−ジメチルホルムアミドを用いたゲルクロマトグラフィー法により、標準物質としてポリスチレンを用いて測定した。使用カラムは東ソー株式会社製、HLC−8120GPCを用いた。
(2)粘度の測定
E型粘度計により、標準ローター(1°34′×R24)を使用し、測定温度20℃、測定時間1分、回転数100rpmの条件で測定した。
(3)着色剤含有ポリマー粒子の平均粒径の測定
大塚電子株式会社のレーザー粒子解析システムELS−8000(キュムラント解析)を用いて測定した。測定条件は、温度25℃、入射光と検出器との角度90°、積算回数100回であり、分散溶媒の屈折率として水の屈折率(1.333)を入力する。測定濃度は、通常5×10-3重量%程度で行った。
製造例1
反応容器内に、MEK20部及び重合連鎖移動剤(2−メルカプトエタノール)0.03部、表1に示すモノマー混合物200部のうち10%を入れて混合し、窒素ガス置換を十分に行い、混合溶液を得た。
一方、滴下ロートに、表1に示すモノマー混合物の残りの90%を仕込み、前記重合連鎖移動剤0.27部、MEK60部及びラジカル重合開始剤(2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル))1.2部を入れて混合し、十分に窒素ガス置換を行い、混合溶液を得た。
窒素雰囲気下、反応容器内の混合溶液を攪拌しながら65℃まで昇温し、滴下ロート中の混合溶液を3時間かけて徐々に滴下した。滴下終了から65℃で2時間経過後、前記ラジカル重合開始剤0.3部をMEK5部に溶解した溶液を加え、更に65℃で2時間、70℃で2時間熟成させ、ポリマー溶液を得た。このポリマーの重量平均分子量は20万であった。
なお、表1に示すモノマーの詳細は、以下のとおりである。
・スチレンマクロマー:東亜合成株式会社製、商品名:AS−6S、数平均分子量:6000、重合性官能基:メタクロイルオキシ基
・ポリエチレングリコールモノメタクリレート(エチレンオキシド平均付加モル数=9):新中村化学工業株式会社製、商品名:NKエステルM−90G
・ポリプロピレングリコールモノメタクリレート(プロピレンオキシド平均付加モル数=9):日本油脂株式会社製、商品名:ブレンマーPP−500
Figure 0004886498
実施例1
ロジン「DS816」〔重合(2量化)ロジングリセリンエステル、Mn:1000、Mw:2000、水酸基価29、酸価11.5、ハリマ化成株式会社製〕10.6部(50%MEK溶液、純分換算値5.3部)と製造例1で得られたポリマー溶液を減圧乾燥させて得られたポリマー25部をMEK50部と混合し、その中にキナクリドン顔料(C.I.ピグメント・バイオレット19、クラリアントジャパン株式会社製、商品名:Hostaperm Red E5B02)100部を加えよく混合し、更に5N水酸化ナトリウム水溶液と25%アンモニア水溶液を各々4.6部と2.2部(中和度75%)を加え、ロールミルで20℃で30分間混連した。得られた混連物をイオン交換水にて20%水溶液になるように希釈し、それをマイクロフルイダイザー(Microfluidics 社製、商品名)で200MPaの圧力で10パス分散処理した。
得られた分散液に、イオン交換水250部を加え、攪拌した後、減圧下で60℃でMEKを完全に除去し、更に一部の水を除去し、5μmのフィルター(アセチルセルロース膜、外径:2.5cm、富士写真フイルム株式会社製)を取り付けた容量25mLの針なしシリンジ(テルモ株式会社製)で濾過し、粗大粒子を除去することにより、固形分濃度が20%の顔料含有ビニルポリマー粒子の水分散体を得た。前述の測定方法により測定した顔料含有ビニルポリマー粒子の平均粒径は115nmであった。
得られた顔料含有ビニルポリマー粒子の水分散体40部に、トリエチレングリコールモノブチルエーテル7部、サーフィノール465(日信化学工業株式会社製)1部、プロキセルXL2(アビシア株式会社製)0.3部及びイオン交換水36部を混合し、20℃の粘度が4mPa・sとなるようにグリセリンと水を添加して合計が100部になるように調整を行った。得られた混合液を1.2μmのフィルター(アセチルセルロース膜、外径:2.5cm、富士写真フイルム株式会社製)を取り付けた容量25mLの針なしシリンジで濾過し、粗大粒子を除去することにより、水系インクを得た。
比較例1
実施例1のロジンを使用しなかった以外は実施例1と同様にして、水系インクを得た。顔料含有ビニルポリマー粒子の平均粒径は110nmであった。
実施例2
実施例1で用いたロジン「DS816」に代えて、ロジン「DS822」〔重合(2量化)ロジンペンタエリスリトールエステル、Mn:974、Mw:4201、水酸基価29、酸価11.5、ハリマ化成株式会社製〕10.6部(50%MEK溶液、純分換算値5.3部)を使用した以外は実施例1と同様にして、水系インクを得た。顔料含有ビニルポリマー粒子の平均粒径は119nmであった。
実施例3
実施例1のDS816に代えて、ロジン「KSU005」〔重合(2量化)ロジンペンタエリスリトールエステルのイソシアネート基を有する架橋剤による架橋体、Mn:1314、Mw:13611、水酸基価11.5、酸価13.2、ハリマ化成株式会社製〕10.6部(50%MIBK溶液、純分換算値5.3部)を使用した以外は実施例1と同様にして、水系インクを得た。顔料含有ビニルポリマー粒子の平均粒径は127nmであった。
実施例4
製造例1で得られたポリマー溶液を減圧乾燥させて得られたポリマー18.9部をMEK50部に溶かし、その中に5N水酸化ナトリウム水溶液と25%アンモニア水溶液各々2.3部と1.1部(中和度75%)、更に前記ロジン「DS816」10.6部を加えた以外は実施例1と同様にして、固形分濃度が20%の顔料含有ビニルポリマー粒子の水分散体を得た。
得られた顔料含有ビニルポリマー粒子の水分散体35部に、トリエチレングリコールモノブチルエーテル7部、サーフィノール465(日信化学工業株式会社製)1部、プロキセルXL2(アビシア株式会社製)0.3部及びイオン交換水36部を混合し、20℃の粘度が4mPa・sとなるようにグリセリンと水を添加して合計が100部になるように調整を行った。得られた混合液を1.2μmのフィルター(アセチルセルロース膜、外径:2.5cm、富士写真フイルム株式会社製)を取り付けた容量25mLの針なしシリンジで濾過し、粗大粒子を除去することにより、水系インクを得た。顔料含有ビニルポリマー粒子の平均粒径は120nmであった。
実施例5
実施例3のキナクリドン顔料に代えて、キナクリドン固溶体顔料(C.I.ピグメント・バイオレット19とC.I.ピグメント・レッド202の固溶体、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製、商品名:CROMOPHTAL Jet Magenta 2BC)を使用した以外は実施例1と同様にして、水系インクを得た。顔料含有ビニルポリマー粒子の平均粒径は120nmであった。
比較例2
実施例5のロジンを使用しなかった以外は実施例5と同様にして、水系インクを得た。顔料含有ビニルポリマー粒子の平均粒径は117nmであった。
実施例6
実施例1のDS816に代えて、KSU009P〔重合(2量化)ロジンペンタエリスリトールエステル、Mn:724、Mw:2188、水酸基価3、酸価14.5、ハリマ化成株式会社製〕50.1部(50%MIBK溶液、純分換算値25部)を使用した以外は実施例1と同様にして、水系インクを得た。顔料含有ビニルポリマー粒子の平均粒径は126nmであった。
実施例7
実施例3のキナクリドン顔料に代えて、シアン顔料(C.I.ピグメント・ブルー15:4、大日精化工業株式会社製)を使用した以外は実施例1と同様にして、水系インクを得た。顔料含有ビニルポリマー粒子の平均粒径は104nmであった。
比較例3
実施例5のロジンを使用しなかった以外は実施例5と同様にして、水系インクを得た。顔料含有ビニルポリマー粒子の平均粒径は115nmであった。
実施例8
実施例3のキナクリドン顔料に代えて、イエロー顔料(C.I.ピグメントイエロー74、山陽色素株式会社製)を使用した以外は実施例1と同様にして、水系インクを得た。顔料含有ビニルポリマー粒子の平均粒径は120nmであった。
比較例4
実施例6のロジンを使用しなかった以外は実施例6と同様にして、水系インクを得た。顔料含有ビニルポリマー粒子の平均粒径は110nmであった。
次に、各実施例及び各比較例で得られたインクについて、印字濃度及び色ムラを以下の方法により評価した。結果を表2に示す。
(1)印字濃度
セイコーエプソン株式会社製プリンター(型番:EM−930C)を用いて、市販の上質普通紙(ゼロックス株式会社製、商品名: XEROX4024)にベタ印字〔印字条件=用紙種類:普通紙、モード設定:ファイン〕し、25℃で24時間放置後、印字濃度をマクベス濃度計(グレタグマクベス社製、品番:スペクトロアイ)で印字物(5.1cm×8.0cm)の中心及び四隅の計5点を測定し、その平均値を求めた。
なお、モード設定がファインであり、インクの重ね打ちをしないことから、印字濃度はマゼンタ顔料の場合が0.92以上、シアン顔料及びイエロー顔料の場合が0.95以上が好ましい。
(2)色ムラ
色ムラとは印字濃度のムラ(不均一性)をいい、その評価方法は前記印字物のベタ印字部における色ムラを目視で、下記の評価基準により評価した。
○:色ムラがない。
△:気にならない程度の色ムラがある。
×:気になる程の明らかな色ムラがある。
Figure 0004886498
表2から、実施例1〜8の水系インクは、モード設定がファインモードといった普通紙への顔料の浸透が起こり易く、印字濃度の向上が難しいモードであるにも関わらず、比較例1〜3の水系インクに比べて、印字濃度が向上し、また色ムラも気にならないことが分かる。印字濃度の0.01の差は、目視で確認することができる十分な差である。

Claims (7)

  1. 下記工程I及びIIを有する、インクジェット記録用水分散体の製造方法。
    工程I:(A)ロジン、(B)ビニルポリマー、着色剤、有機溶媒、及び水を含有する混合物を分散して、着色剤を含有するポリマー粒子の分散体を得る工程
    工程II:工程Iで得られた分散体から有機溶媒を除去する工程
  2. 〔(A)ロジン/(B)ビニルポリマー〕の重量比が0.02〜10である、請求項1に記載のインクジェット記録用水分散体の製造方法
  3. (A)ロジンが、変性ロジン又は重合ロジンである、請求項1又は2に記載のインクジェット記録用水分散体の製造方法
  4. JISK−5902−1969によるロジンの軟化点が300〜600Kである、請求項1〜3のいずれかに記載のインクジェット記録用水分散体の製造方法
  5. (A)ロジンの重量平均分子量が500〜20,000である、請求項1〜4のいずれかに記載のインクジェット記録用水分散体の製造方法
  6. 着色剤が顔料である、請求項1〜5のいずれかに記載のインクジェット記録用水分散体の製造方法
  7. (B)ビニルポリマーが、塩生成基含有モノマー(a)由来の構成単位及び疎水性モノマー(c)由来の構成単位を主鎖に有し、マクロマー(b)由来の構成単位を側鎖に有するグラフトポリマーである、請求項1〜6のいずれかに記載のインクジェット記録用水分散体の製造方法
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