JP2003138170A - インクジェット用水性インク - Google Patents

インクジェット用水性インク

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JP2003138170A
JP2003138170A JP2001334213A JP2001334213A JP2003138170A JP 2003138170 A JP2003138170 A JP 2003138170A JP 2001334213 A JP2001334213 A JP 2001334213A JP 2001334213 A JP2001334213 A JP 2001334213A JP 2003138170 A JP2003138170 A JP 2003138170A
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ink
pigment
rosin
inkjet
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Kazuo Itotani
一男 糸谷
Toyomi Hashizume
豊美 橋詰
Akio Takahashi
暁雄 高橋
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Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐水性および耐光性に優れ、高解像度、かつ
高濃度の均一な画像が得られ、吐出安定性および保存安
定性に優れたインクジェット用水性インクを提供するこ
と。 【解決手段】 インクジェット用水性インクに添加する
分散剤として、ロジン変性水溶性アクリル樹脂を使用す
ることにより、該インクの熱保存安定性を向上させると
ともに、界面活性剤を使用することなく微細な有機顔料
を安定に分散させた。繊維質の記録媒体に印刷した場合
であっても、滲みがなく、耐水性および耐光性に優れ、
隠蔽性の高い高濃度の画像が得られるインクジェット用
水性インクを提供した。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、耐水性および耐光
性に優れ、高解像度、かつ高濃度の均一な画像が得ら
れ、吐出安定性および保存安定性に優れたインクジェッ
ト用水性インクに関する。 【0002】 【従来の技術】近年、環境問題に対する意識が高まると
ともに有機溶剤の使用が敬遠されるようになり、インク
や塗料においても、従来の有機溶剤系から、水性系に変
わりつつある。インクジェット記録方式は、非接触記録
であり、しかも小型記録機器から超大型機器まで広い適
用範囲を持ち、さらにカラー化が比較的容易で、高品位
の印刷物が得られ、印刷時の騒音も少ないことから、個
人用途から産業用途まで広い範囲で用いられており、普
通紙印字可能な多種類のカラープリンターが市場に投入
されている。インクジェット用インクには、元来水性イ
ンクが多用されており、このこともインクジェット記録
方式が広く普及した要因の一つであるといえる。 【0003】インクジェット記録に用いられるインクに
は、ヘッドからの吐出が安定していること、記録媒体上
でのインクの滲みが少なく、乾燥性が高いこと、色再現
性が良好で、画像の耐水性、耐光性に優れること、高速
印字できることなどが要求される。従来、インクジェッ
ト用水性インクとしては、もっぱら染料系インクが用い
られてきた。染料系のインクは色再現性に優れ、彩度が
高く良好な画像が得られるが、耐水性、耐光性が低いと
いう欠点がある。 【0004】このような染料系インクの欠点を改良する
ため、染料に代えて、水系媒体に顔料を分散させた、顔
料分散型インクジェット用水性インクが開発されてい
る。一般に、顔料は染料と比較して、耐水性、耐光性、
熱安定性、酸化安定性に優れているが、反面新たな問題
点も生じる。たとえば、顔料分散型インクジェット用水
性インクにおいては、微粒子状の固体である顔料をイン
ク中に均一に分散させることが必要であり、かつその均
一分散状態を長期にわたって維持させなければならな
い。 【0005】さらに、インクジェットプリンターが高解
像度化するのに伴って、プリンターヘッドに設けられた
インク噴射ノズルの径が小さくなってきており、該ノズ
ルを目詰まりしないよう、顔料分散型インクジェット用
水性インクに使用する顔料の粒子径も、従来に増して微
細化することが要求されている。しかしながら、顔料を
微細化すると、顔料粒子の表面エネルギーが高くなるた
めに顔料が凝集しやすくなり、均一な分散状態を維持す
ることが困難となるほか、記録媒体が紙などの繊維質で
ある場合には、繊維の間に微細な顔料が入り込んでしま
い、顔料の隠蔽性が低下する結果、画像の鮮明性が得ら
れないという問題点を抱えている。 【0006】これら顔料分散型インクジェット用水性イ
ンクが抱える問題点を解決するために、種々の改良がな
されている。その中の一つとして、インクの耐水性、色
再現性改良を目的として、顔料との親和性が高く、粘着
性付与剤としての機能を有するロジン誘導体を使用する
試みがある。たとえば、特開平8−34941号公報に
は、疎水性着色剤と水溶性溶剤に可溶なロジン誘導体を
含有する水性インクジェット記録用インクが、吐出安定
性に優れ、堅牢な印刷物を与えることが記載されてい
る。また、特開平9−217032号公報には、有機顔
料の分散体とロジンのエマルジョンを含有するインクジ
ェット用記録液が、鮮明でかつ透明性に優れた印字物を
与え、かつ水性樹脂なしで良好に定着することが記載さ
れている。 【0007】しかし、上記発明においては、いずれも低
分子量のロジンを用いているため、インクの熱保存安定
性に劣るという欠点を有している。特にインクを高濃度
にした場合にこの傾向が顕著に現れる。さらに、前記特
開平8−34941号公報に記載された発明において
は、顔料の分散粒径が大きいため、高解像度印字には適
さない。一方、特開平9−217032号公報に記載さ
れた発明において、顔料の分散安定性を得るために、分
散剤として界面活性剤を使用した場合には、インクジェ
ット用記録液の表面張力を低下させ、記録紙内部への浸
透性を高め、乾燥性を向上させることはできるが、顔料
も記録紙内部へ深く浸透してしまうため印字濃度が低下
するという問題があった。さらに、記録紙に印字した際
に、フェザリングによる滲みの発生が顕著であった。そ
の他にも、界面活性剤を添加したインクジェット用記録
液は、発泡しやすく、吐出安定性に乏しく、印字信頼性
を著しく損ねるという問題点もあった。 【0008】特開平10−7968号公報には、酸化カ
ーボンブラックと水溶性樹脂を含む水性顔料インキ組成
物が開示されており、水溶性樹脂の一例としてロジン変
性アクリル樹脂が記載されている。該公報には、「この
水溶性樹脂は、一般に使用される顔料分散のための樹脂
と異なり、顔料を分散するための性能はあまり必要では
ない。酸化カーボンブラック自体が水性媒体中で良分散
性、再分散性を持つためである。」との記載がある。す
なわち、該公報に記載された発明は、水性顔料インキ組
成物で記録した後の記録物の耐水性改良を目的としてい
る。水性顔料インキ組成物中の酸化カーボンブラックの
分散性に関しては、酸化カーボンブラック自体の高分散
性に依存している。すなわち、該公報には、水性顔料イ
ンキ組成物中における顔料の分散安定性を改善するとい
う技術思想は全く示唆されていない。 【0009】有機顔料が親油性であるのに対して、酸化
カーボンブラックは親水性であることから、酸化カーボ
ンブラックと有機顔料とでは、顔料分散技術において大
きく異なる。一般に、顔料分散組成物における顔料の分
散は、顔料粒子表面のビヒクルによる「濡れ」、顔
料粒子表面への分散樹脂の吸着、分散の安定化、の過
程を経て安定な顔料分散組成物が得られるとされている
が、親油性の高い有機顔料の場合、、の効果におい
て顔料粒子表面に対して「濡れ」のよい疎水性置換基を
有する分散樹脂を用いると安定性良好な分散体が得られ
る。 【0010】一方、親水性の高い酸化カーボンブラック
の場合には、疎水性置換基よりも、静電的相互作用を示
すカルボキシル基などの極性基を有する分散樹脂を用い
た方が分散安定性に効果的である。自己水分散性の高い
酸化カーボンブラックの分散時、疎水性置換基を有する
分散樹脂を用いた場合は、該分散樹脂が酸化カーボンブ
ラック粒子表面に吸着されず、しばしば吐出性の悪化を
招く原因となる。 【0011】 【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、上記した従来の技術における問題点を解決
し、耐水性および耐光性に優れ、高解像度、かつ高濃度
の均一な画像が得られ、吐出安定性および保存安定性に
優れたインクジェット用水性インクを提供することにあ
る。 【0012】 【課題を解決するための手段】本発明者らは、インクジ
ェット用水性インクに添加する分散剤として、ロジン変
性水溶性アクリル樹脂を使用すると、有機顔料表面に対
する「濡れ」がよく、顔料の分散性能に優れたロジンが
水溶性樹脂に固定されているので、該インクの熱保存安
定性が向上するほか、界面活性剤を使用することなく微
細な顔料を分散させることができ、該インクを使用して
繊維質の記録媒体に印刷した場合であっても、滲みがな
く、耐水性および耐光性に優れ、隠蔽性の高い高濃度の
画像が得られることを見出した。すなわち、本発明は、
有機顔料、ロジン変性水溶性アクリル樹脂、および水を
含有するインクジェット用水性インクを提供することに
よって、上記課題を解決した。 【0013】 【発明の実施の形態】以下、本発明についてさらに詳細
に説明する。本発明のインクジェット用水性インクは、
有機顔料、ロジン変性水溶性アクリル樹脂、水、および
各種添加剤からなる。本発明において使用する有機顔料
としては、「カラーインデックス便覧」(最新顔料便覧
日本顔料技術協会編、1977年刊)、「最新顔料応用
技術」(CMC出版、1986年刊)、「印刷インク技
術」(CMC出版、1984年刊)等に記載されている
有機顔料、その他市販の有機顔料が挙げられる。具体的
には、たとえば、アントラキノン系顔料、ペリレン系顔
料、ジスアゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、イソイン
ドリン系顔料、ジオキサジン系顔料、キナクリドン系顔
料、ペリノン系顔料、ベンズイミダゾロン系顔料等が挙
げられる。これらを単独または混合して用いることがで
きる。 【0014】さらに、色の三原色である、シアン色、マ
ゼンタ色、およびイエロー色の代表的な有機顔料を、以
下に各色別に例示するが、本発明は、これらに限定され
るものではない。シアン色の顔料としては、たとえば、
C.I.ピグメント ブルー 1、C.I.ピグメント
ブルー 2、C.I.ピグメント ブルー 3、C.
I.ピグメント ブルー 15、C.I.ピグメント
ブルー 15:1、C.I.ピグメント ブルー 1
5:3、C.I.ピグメント ブルー 15:34、
C.I.ピグメント ブルー 16、C.I.ピグメン
ト ブルー 22、C.I.ピグメント ブルー 6
0、などが挙げられる。 【0015】また、マゼンタ色の顔料としては、たとえ
ば、C.I.ピグメント レッド5、C.I.ピグメン
ト レッド 7、C.I.ピグメント レッド 12、
C.I.ピグメント レッド 48、C.I.ピグメン
ト レッド 48:1、C.I.ピグメント レッド
57、C.I.ピグメント レッド 112、C.I.
ピグメント レッド 122、C.I.ピグメント レ
ッド 123、C.I.ピグメント レッド 146、
C.I.ピグメント レッド 168、C.I.ピグメ
ント レッド 184、C.I.ピグメント レッド
202、などが挙げられる。 【0016】また、イェロー色の顔料としては、たとえ
ば、C.I.ピグメント イェロー1、C.I.ピグメ
ント イェロー 2、C.I.ピグメント イェロー
3、C.I.ピグメント イェロー 12、C.I.ピ
グメント イェロー 13、C.I.ピグメント イェ
ロー 14、C.I.ピグメント イェロー 16、
C.I.ピグメント イェロー 17、C.I.ピグメ
ント イェロー 73、C.I.ピグメント イェロー
74、C.I.ピグメント イェロー 75、C.
I.ピグメント イェロー 83、C.I.ピグメント
イェロー 93、C.I.ピグメント イェロー 9
5、C.I.ピグメント イェロー 97、C.I.ピ
グメント イェロー 98、C.I.ピグメント イェ
ロー 114、C.I.ピグメント イェロー 12
8、C.I.ピグメント イェロー129、C.I.ピ
グメント イェロー 151、C.I.ピグメント イ
ェロー 154、などが挙げられる。上記3原色の有機
顔料の他、あらゆる色の有機顔料を使用することができ
る。 【0017】本発明のインクジェット用水性インクおけ
る有機顔料の使用量は、インクジェット用水性インクの
全質量を基準にして、0.5〜15質量%の範囲が好ま
しく、0.5〜10質量%の範囲が特に好ましい。有機
顔料の使用量が0.5質量%よりも少ない場合は、着色
が不十分であり、十分な画像濃度が得にくい傾向があ
る。有機顔料の使用量が15質量%よりも多い場合、イ
ンクジェット用水性インクの粘度が高くなりすぎる傾向
があり、また分散安定性が低下する傾向にあり、インク
噴射ノズルからのインク吐出の安定性が低下する。 【0018】有機顔料粒子径は、一次粒子径が1nm〜
500nmの範囲であるのが好ましく、さらに好ましい
のは20nm〜200nmの範囲である。また、インク
ジェット用水性インク中に分散後の粒子径は、10nm
〜300nmの範囲であるが好ましく、さらに好ましい
のは、50nm〜150nmの範囲である。一次粒子径
の測定は、電子顕微鏡や、ガスまたは溶質による吸着
法、空気流通法、X線小角散乱法などで行うことができ
る。分散後の粒子径の測定は、公知慣用の遠心沈降方
式、レーザー回折方式(光散乱方式)、ESA方式、キ
ャピラリー方式、電子顕微鏡方式などで行うことができ
る。好ましいのは、動的光散乱法を利用したマイクロト
ラックUPAによる測定である。 【0019】本発明のインクジェット用水性インクに
は、ロジン変性水溶性アクリル樹脂を使用する。一般に
ロジンとは、マツ科植物から得られる樹脂油のうち、精
油などの揮発性化合物を留去した後の残留樹脂のことを
言い、天然ロジン、精製ロジン等がある。天然ロジンと
してはウッドロジン、ガムロジン、トールロジンなどが
挙げられ、精製ロジンとしては、上記天然ロジンを加熱
変性することにより得られる不均化ロジンや、これらを
触媒の存在下水素添加することによって得られる水添ロ
ジンなどがある。ロジンは主に樹脂酸と中性成分からな
り、樹脂酸の主成分はアビエチン酸で、その他ジヒドロ
アビエチン酸、デヒドロアビエチン酸、ネオアビエチン
酸、ピマール酸、イソピマール酸、パラストリン酸など
が含まれている。以下、単に「ロジン」と記載した場合
は、ロジンが含有する樹脂酸を指すものとする。 【0020】本発明において分散剤として使用する、ロ
ジン変性水溶性アクリル樹脂は、側鎖としてロジン残基
を有する水溶性アクリル樹脂であり、次のような方法で
得られる。(1)(メタ)アクリロイル基を導入したロ
ジンと、塩を形成し得る酸性基もしくは塩基性基を有す
る単量体、必要に応じてこれらの単量体との共重合性を
有する他の単量体とを共重合させ、得られる共重合体が
有する酸性基もしくは塩基性基を中和する方法、(2)
カルボキシル基または酸無水物構造を有するアクリル樹
脂に、ロジンのグリシジルエステルを反応させ、残存す
るカルボキシル基を中和する方法、などがある。 【0021】ロジンの樹脂酸の中には水酸基を有するも
のもあり、この水酸基と無水マレイン酸とを反応させて
得られる、マレイン酸モノロジンエステルとアクリル系
単量体とを共重合させる方法、あるいは水酸基を有する
ロジンの樹脂酸を、無水マレイン酸系アクリル樹脂とを
反応させる方法によっても、側鎖としてロジン残基を有
する水溶性アクリル樹脂を得ることができ、上記(1)
または(2)の方法に限定されるものではない。 【0022】上記(1)の方法において、ロジンに(メ
タ)アクリロイル基を導入するには、ロジンが有するカ
ルボキシル基に、これと反応性を有する官能基をもった
単量体を公知の方法で反応させればよい。このような単
量体としては、たとえば、グリシジル(メタ)アクリル
酸エステル、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリル酸
エステルなどが挙げられる。 【0023】塩を形成し得る酸性基もしくは塩基性基を
有する単量体としては、(メタ)アクリル酸、無水マレ
イン酸、p−スチレンスルホン酸、エチレンスルホン
酸、2−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、
ビニルピリジンなどが挙げられる。酸性基を有する単量
体を使用した場合はアニオン性水溶性アクリル樹脂が、
塩基性基を有する単量体を使用した場合はカチオン性水
溶性アクリル樹脂が得られる。上記単量体との共重合性
を有する他の単量体としては、各種(メタ)アクリル酸
エステル類、スチレン、アルキルビニルエーテル、酢酸
ビニルなどのビニル系単量体など、公知のビニル重合性
単量体を挙げることができる。 【0024】上記単量体の重合には、塊状重合、溶液重
合、懸濁重合、あるいは乳化重合など、公知慣用の重合
方法を使用できる。これらはいずれも、ラジカル重合、
イオン重合、光重合などのいずれであってもよい。 【0025】一方、上記(2)の方法において、母体と
なるカルボキシル基または酸無水物構造を有する水溶性
アクリル樹脂の例としては、(メタ)アクリル酸の単独
重合体、または(メタ)アクリル酸と他の単量体との共
重合体、あるいはマレイン酸系アクリル樹脂が挙げられ
る。具体的には、たとえば、スチレン−(メタ)アクリ
ル酸共重合体、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル
酸エステル共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸−
(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−[α
−メチルスチレン]−(メタ)アクリル酸共重合体、ス
チレン−[α−メチルスチレン]−(メタ)アクリル酸
−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、ビニルナフタ
レン−(メタ)アクリル酸共重合体等の(メタ)アクリ
ル酸系樹脂や、ジイソブチレン−マレイン酸−(メタ)
アクリル酸共重合体、スチレン−マレイン酸−(メタ)
アクリル酸エステル共重合体、スチレン−無水マレイン
酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、ビニルナフ
タレン−マレイン酸−(メタ)アクリル酸エステル共重
合体等のマレイン酸系アクリル樹脂や、(メタ)アクリ
ル酸−スチレンスルホン酸共重合体等のスルホン酸系ア
クリル樹脂等があげられ、これらは、単独、あるいは二
種類以上を組み合わせて使用することができる。 【0026】本発明において使用するロジン変性水溶性
アクリル樹脂の分子量は、質量平均分子量で3000〜
50000の範囲内であることが好ましく、5000〜
20000の範囲が特に好ましい。ロジン変性水溶性ア
クリル樹脂の質量平均分子量が3000未満である場
合、分散安定性が低下する傾向にあり、また、分散剤の
質量平均分子量が50000を超える場合は、粘度が高
くなり、インクジェット記録時に、インク噴射ノズルか
らの該インクの吐出性が低下し、印字濃度の低下を招く
傾向にある。なお、上記の質量平均分子量は、GPC
(ゲル浸透クロマトグラフィー)法で測定される値であ
る。 【0027】アニオン性のロジン変性水性アクリル樹脂
を用いる場合、該樹脂の酸価は、50〜300mgKO
H/gの範囲にあることが好ましく、80〜250mg
KOH/gの範囲にあることが特に好ましい。分散剤の
酸価が50mgKOH/g未満の場合、水性媒体に対す
る溶解性が低下し、有機顔料の分散安定性が低下する傾
向にあり、また、分散剤の酸価が300mgKOH/g
を超える場合は、得られるインクジェット用水性インク
の吐出安定性が低下し、印刷されたインク皮膜の耐水性
も低下する。 【0028】ロジン変性水溶性アクリル樹脂を、本発明
のインクジェット用水性インクに使用する場合は、該樹
脂が有する酸性基あるいは塩基性基の少なくとも80モ
ル%が中和されたものであることが好ましい。中和剤と
して使用できる塩基性物質としては、たとえば、水酸化
ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化
物、2−ジメチルアミノエタノール、N−メチルジエタ
ノールアミン、トリエタノールアミン等の有機アミン、
アンモニア等が挙げられる。酸性物質としては、塩酸、
硫酸などの鉱酸のほか、スルホン酸やカルボン酸を使用
することができる。 【0029】本発明のインクジェット用水性インクの溶
媒には水を用いるが、乾燥抑止剤あるいは浸透剤とし
て、水溶性有機溶剤を添加してもよい。乾燥抑止剤は、
インクジェットプリンターヘッドのインク噴射ノズル口
におけるインクの乾燥を抑止する効果を与えるものであ
る。通常、水の沸点以上の沸点を有する水溶性有機溶剤
を使用する。 【0030】乾燥抑止剤として使用できる有機溶剤とし
ては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポ
リエチレングリコール、グリセリン等の多価アルコール
類、N−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン等の
ピロリドン類、アミド類、ジメチルスルホキシド、イミ
ダゾリジノン等を挙げることができる。乾燥抑止剤の使
用量は、種類によっても異なるが、通常は、水100部
に対して1〜150部の範囲で使用される。 【0031】浸透剤は、インクジェットプリンターヘッ
ドのインク噴射ノズルから噴射され、記録媒体に付着し
たインクジェット用水性インクが、該記録媒体へ浸透し
やすくするために使用される。具体的には、エタノー
ル、イソプロピルアルコール等の低級アルコール、ジエ
チレングリコール−N−ブチルエーテル等のグリコール
エーテル、プロピレングリコール誘導体等の水溶性有機
溶媒、などがあげられる。 【0032】本発明のインクジェット用水性インクは、
有機顔料の分散剤としてロジン変性水溶性アクリル樹脂
を使用しているので、さらに有機顔料の分散性を高める
目的で界面活性剤を添加する必要はないが、表面張力等
インクとしての物性を調整する目的で、必要に応じ、本
発明の効果を損なわない範囲で界面活性剤を添加しても
よい。 【0033】本発明のインクジェット記録用水性インク
に添加することができる界面活性剤としては、特に限定
はなく、アルキルベンゼンスルホン酸塩、高級脂肪酸塩
などのアニオン界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキ
ルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステルなどの
ノニオン界面活性剤、その他、カチオン界面活性剤、両
性界面活性剤など、公知慣用の界面活性剤から適宜選択
すればよい。これらの界面活性剤は、単独で用いること
もでき、また、二種類以上を混合して用いることもでき
る。 【0034】本発明のインクジェット用水性インクは、
上記の有機顔料、ロジン変性水溶性アクリル樹脂、水、
および各種添加剤を混合し、攪拌して顔料を分散させる
ことによって製造する。具体的な製造方法としては、た
とえば、 (1)ロジン変性水溶性アクリル樹脂水溶液に、有機顔
料を添加した後、各種の撹拌、分散装置を用いることに
よって、顔料分散組成物を調製し、これに必要に応じて
乾燥防止剤、浸透剤、またはその他の添加剤を添加して
インクジェット用水性インクを製造する方法、 【0035】(2)有機顔料と、中和前の酸性基あるい
は塩基性基を有するロジン変性アクリル樹脂とを、ニー
ダー、2本ロール、あるいは押出式混練機等を使用して
溶融混練した後、得られた混練物を粉砕する。粉砕した
混練物を、必要量の中和剤を含有する水中に投入し、撹
拌、分散装置を用いて顔料分散組成物を調製した後、必
要に応じて乾燥防止剤、浸透剤、またはその他の添加剤
を添加してインクジェット用水性インクを製造する方
法、 【0036】(3)メチルエチルケトン、テトラヒドロ
フランなどの、水との相溶性を有する有機溶剤に、中和
前の酸性基あるいは塩基性基を有するロジン変性アクリ
ル樹脂を溶解させた溶液中に、撹拌・分散装置を用いて
有機顔料を分散させた後、攪拌しながら、必要量の中和
剤を含有する水を加えて転相乳化させる。次いで減圧下
に前記有機溶剤を留去した後、必要に応じて乾燥防止
剤、浸透剤、またはその他の添加剤を添加してインクジ
ェット用水性インクを製造する方法、などが挙げられ
る。 【0037】攪拌・分散装置としては、たとえば、超音
波ホモジナイザー、高圧ホモジナイザー、ペイントシェ
ーカー、ボールミル、ロールミル、サンドミル、サンド
グラインダー、ダイノーミル、ディスパーマット、SC
ミル、ナノマイザーなど、公知慣用の各種分散機を使用
することができる。インクジェット用水性インク中に粗
大粒子が存在すると、インクジェットプリンターのイン
ク噴射ノズルが目詰まりする原因となるので、分散処理
後に遠心分離または濾過等により粗大粒子を除去するこ
とが好ましい。 【0038】このようにして得られる本発明のインクジ
ェット用水性インクは、保存安定性、およびインクジェ
ットプリンターヘッドのインク噴射ノズルからの吐出性
に優れ、該インクを使用して記録媒体上に形成されたイ
ンク被膜は、従来のインクを使用したものに比べて耐水
性および耐光性に優れており、高解像度で、かつ高濃度
の均一な画像を形成できる。本発明のインクジェット用
水性インクは上記のような優れた特長を有しているの
で、インクジェット用水性インク用途ばかりではなく、
水性ボールペンやマーカーペンなど、筆記用具用の水性
インクとして使用することもできる。 【0039】以下、実施例と比較例を用いて本発明をさ
らに詳細に説明する。なお、「部」および「%」は、特
に断らない限り、それぞれ「質量部」および「質量%」
を表す。 【0040】 【実施例】<ロジン変性水溶性アクリル樹脂水溶液
(A)の調製>メチルエチルケトン(以下、MEKと略
記する)100部を、窒素気流中80℃に保ち、攪拌し
ながら、スチレン52部、ロジンエポキシアクリレート
(荒川化学工業社製「ビームセット101」)25部、
アクリル酸10部、メタクリル酸13部、および重合開
始剤(和光純薬工業社製「V−59」)6部からなる混
合物を2時間かけて滴下した。滴下終了後、3時間ごと
に重合開始剤(和光純薬工業社製「V−59」)0.5
部を添加し、80℃で16時間攪拌した。このようにし
て、不揮発分53%のロジン変性アクリル樹脂MEK溶
液を得た。得られたロジン変性アクリル樹脂の質量平均
分子量は15000、酸価139mgKOH/gであっ
た。上記ロジン変性アクリル樹脂のMEK溶液100部
に、水酸化ナトリウムの2%水溶液255部を撹拌しな
がら徐々に加えた後、減圧下でMEKを留去し、水を加
えて不揮発分22%のロジン変性水溶性アクリル樹脂水
溶液(A)を得た。 【0041】<ロジン変性水溶性アクリル樹脂水溶液
(B)の調製>MEK75部を、窒素気流中80℃に保
ち、攪拌しながら、スチレン47.7部、アクリル酸1
4.3部、メタクリル酸13部、および重合開始剤(和
光純薬工業社製の「V−59」)4部からなる混合物を
2時間かけて滴下した。滴下終了後、3時間ごとに重合
開始剤(和光純薬工業社製「V−59」)0.5部を添
加し、80℃で16時間攪拌した。このようにして、不
揮発分52%のカルボキシル基を有するアクリル樹脂M
EK溶液を得た。得られたカルボキシル基を有するアク
リル樹脂の質量平均分子量は22000、酸価245m
gKOH/gであった。 【0042】上記のカルボキシル基を有するアクリル樹
脂MEK溶液155部に不均化ロジングリジルエステル
(荒川化学工業社製「KE−828」)25部と、アミ
ン系触媒として2−メチルイミダゾール0.25gを加
え、80℃で16時間攪拌し、不揮発分58%のロジン
変性アクリル樹脂MEK溶液を得た。得られたロジン変
性アクリル樹脂の酸価は、156mgKOH/gであっ
た。このロジン変性アクリル樹脂MEK溶液100部
に、撹拌しながら2.6%水酸化ナトリウム水溶液25
7部を徐々に加えた後、減圧下でMEKを留去し、水を
加えて不揮発分22%のロジン変性水溶性アクリル樹脂
水溶液(B)を得た。 【0043】<水溶性アクリル樹脂水溶液(C)の調製
>MEK100部を、窒素雰気流中80℃に保ち、攪拌
しながら、スチレン52部、メタクリル酸メチル25
部、アクリル酸10部、メタクリル酸13部および重合
開始剤(和光純薬工業社製「V−59」)6部からなる
混合物を2時間かけて滴下した。滴下終了後、3時間ご
とに重合開始剤(和光純薬工業社製「V−59」)0.
5部を添加し、80℃で16時間攪拌した。このように
して、不揮発分53%のアクリル樹脂MEK溶液を得
た。得られたアクリル樹脂の質量平均分子量は1500
0、酸価145mgKOH/gであった。このアクリル
樹脂MEK溶液100部に、水酸化ナトリウムの2%水
溶液255部を撹拌しながら徐々に加えた後、減圧下で
MEKを留去し、水を加えて不揮発分22%の水溶性ア
クリル樹脂水溶液(C)を得た。 【0044】 (実施例1) CIピグメントブルー15−3 (大日本インキ化学工業社製「FASTGEN BLUE TGR」 10部 ロジン変性水溶性アクリル樹脂水溶液(A) 5部 ジエチレングリコール 20部 水 30部 直径1.25mmのジルコニアビーズ400部ととも
に、上記混合物をペイントコンディショナーを使用して
4時間攪拌し、顔料分散組成物を得た。得られた顔料分
散組成物に、ジエチレングリコール、グリセリン、ポリ
オキシプロピレングリセリンエーテル(三洋化成社製
「サンニックスGP−600」)、水を加えて、下記組
成のインクジェット用水性インク(1)を得た。 【0045】 CIピグメントブルー15−3 1.5% ロジン変性水溶性アクリル樹脂水溶液(A) 0.8% ジエチレングリコール 10% グリセリン 5% ポリオキシプロピレングリセリンエーテル 5% 水 77.7% 【0046】 (実施例2) CIピグメントレッド202 (大日本インキ化学工業社製「FASTGEN SUPER MAGENTA RTS」 10部 ロジン変性水溶性アクリル樹脂水溶液(A) 3部 ジエチレングリコール 20部 水 25部 直径1.25mmのジルコニアビーズ400部ととも
に、上記混合物をペイントコンディショナーを使用して
4時間攪拌し、顔料分散組成物を得た。得られた顔料分
散組成物に、ジエチレングリコール、グリセリン、ポリ
オキシプロピレングリセリンエーテル(三洋化成社製
「サンニックスGP−600」)、水を加えて、下記組
成のインクジェット用水性インク(2)を得た。 【0047】 CIピグメントレッド202 2.5% ロジン変性水溶性アクリル樹脂水溶液(A) 0.8% ジエチレングリコール 10% グリセリン 5% ポリオキシプロピレングリセリンエーテル 5% 水 76.7% 【0048】 (実施例3) CIピグメントイエロー128 (チハ゛スヘ゜シャリティーケミカルス゛社製「IGRAPHOR YELLOW 8G-CF」) 10部 ロジン変性水溶性アクリル樹脂水溶液(A) 4部 ジエチレングリコール 20部 水 25部 直径1.25mmのジルコニアビーズ400部ととも
に、上記混合物をペイントコンディショナーを使用して
4時間攪拌し、顔料分散組成物を得た。得られた顔料分
散組成物に、ジエチレングリコール、グリセリン、ポリ
オキシプロピレングリセリンエーテル(三洋化成社製
「サンニックスGP−600」)、水を加えて、下記組
成のインクジェット用水性インク(3)を得た。 【0049】 CIピグメントイエロー128 2.5% ロジン変性水溶性アクリル樹脂水溶液(A) 1% ジエチレングリコール 10% グリセリン 5% ポリオキシプロピレングリセリンエーテル 5% 水 76.5% 【0050】(実施例4)実施例3におけるロジン変性
水溶性アクリル樹脂水溶液(A)4部の代わりに、ロジ
ン変性水溶性アクリル樹脂水溶液(B)4部を使用した
以外は、実施例3と同様にして、下記組成のインクジェ
ット用水性インク(4)を得た。 CIピグメントイエロー128 2.5% ロジン変性水溶性アクリル樹脂水溶液(B) 1% ジエチレングリコール 10% グリセリン 5% ポリオキシプロピレングリセリンエーテル 5% 水 76.5% 【0051】(比較例1)実施例3におけるロジン変性
水溶性アクリル樹脂水溶液(A)4部の代わりに、水溶
性アクリル樹脂水溶液(C)4部を使用した以外は、実
施例3と同様にして、下記組成のインクジェット用水性
インク(5)を得た。 CIピグメントイエロー128 2.5% 水溶性アクリル樹脂水溶液(C) 1% ジエチレングリコール 10% グリセリン 5% ポリオキシプロピレングリセリンエーテル 5% 水 76.5% 【0052】 (比較例2) カーボンブラック(三菱化学社製「#960」) 10部 水溶性アクリル樹脂水溶液(C) 3部 ジエチレングリコール 20部 水 35部 直径1.25mmのジルコニアビーズ400部ととも
に、上記混合物をペイントコンディショナーを使用して
4時間攪拌し、顔料分散組成物を得た。得られた顔料分
散組成物に、ジエチレングリコール、グリセリン、ポリ
オキシプロピレングリセリンエーテル(三洋化成社製
「サンニックスGP−600」)、水を加えて、下記組
成のインクジェット用水性インク(6)を得た。 【0053】 カーボンブラック 4% 水溶性アクリル樹脂水溶液(C) 1.2% ジエチレングリコール 10% グリセリン 5% ポリオキシプロピレングリセリンエーテル 5% 水 74.8% 【0054】 (比較例3) カーボンブラック(三菱化学社製「#960」) 10部 ロジン変性水溶性アクリル樹脂水溶液(A) 3部 ジエチレングリコール 20部 水 35部 直径1.25mmのジルコニアビーズ400部ととも
に、上記混合物をペイントコンディショナーを使用して
4時間攪拌し、顔料分散組成物を得た。得られた顔料分
散組成物に、ジエチレングリコール、グリセリン、ポリ
オキシプロピレングリセリンエーテル(三洋化成社製
「サンニックスGP−600」)、水を加えて、下記組
成のインクジェット用水性インク(7)を得た。 【0055】 カーボンブラック 4% ロジン変性水溶性アクリル樹脂水溶液(A) 1.2% ジエチレングリコール 10% グリセリン 5% ポリオキシプロピレングリセリンエーテル 5% 水 74.8% 【0056】(比較例4)比較例3におけるカーボンブ
ラック(三菱化学社製「#960」)10部の代わり
に、酸化カーボンブラック(オリエント化学工業社製#
CW1)10部を使用した以外は、比較例3と同様にし
て、下記組成のインクジェット用水性インク(8)を得
た。 酸化カーボンブラック 4% ロジン変性水溶性アクリル樹脂水溶液(A) 1.2% ジエチレングリコール 10% グリセリン 5% ポリオキシプロピレングリセリンエーテル 5% 水 74.8% 【0057】<インクジェット用水性インクの性能試験
および評価基準>実施例1〜4および比較例1〜4で得
られた、インクジェット用水性インク(1)〜(8)を
孔径6μmのフィルターで濾過し、それぞれ下記の性能
試験の試料インクとした。 【0058】(インクジェット用水性インク中の顔料粒
子径測定)試料インクに水を加えて1000倍に希釈し
た後、粒度分析計(リーズ・アンド・ノースラップ社製
「マイクロトラックUPA150」)を使用して、試料
インク中に分散している顔料の粒子径を測定し、初期粒
子径とした。 【0059】(インクジェット用水性インクの保存安定
性)顔料分散組成物に水を加えて、顔料濃度を12%に
調整した試料インクを、70℃で30日間静置した後、
前記粒度分析計を使用して、試料インク中に分散してい
る顔料の粒子径を測定した。測定値の初期粒子径に対す
る変化率が10%以下のものを「○」、10%を超える
ものを「×」で表した。 【0060】(インクジェット記録試験)インクジェッ
トプリンター(エンキャド社製「ノバ・ジェット70
0」)を使用して、普通紙(ゼロックス社製「マルチエ
ース」)上に試料インクで描画し、下記の性能試験を行
った。 【0061】a)インク噴出ノズルからのインクの吐出
性 幅1mmの線を描画し、線幅のフレが10%以下のもの
を「良好」、10%を超えるものを「不良」で表した。 【0062】b)画像濃度 インクジェットプリンターの印刷モード設定を、パス:
4、スピード:10に設定してベタ画像を印刷し、反射
濃度計(マクベス社製「RD918」)を使用してベタ
部の反射濃度を測定した。 【0063】c)画像部の耐水性 ベタ画像印字部を60℃の温水に1分間浸漬した後、画
像濃度の低下を前記反射濃度計を使用して測定し、イン
クの滲みを目視検査した。画像濃度の低下が5%以内
で、かつインクの滲みがないものを「○」、画像濃度の
低下が5%を超えるか、またはインクの滲みが観察され
た場合は「×」で表した。 【0064】d)画像の鮮明性 ベタ画像部を色差計(日本電色社性「SZ−Σ90」)
を使用して、Lh表色系におけるC(彩度)を
測定した。C値が高いほど画像の鮮明性が高いと評価
した。 【0065】上記インクジェット用水性インクの性能試
験結果、またはその評価をまとめて表1および表2に示
した。表1、表2において、「インクジェット用水性イ
ンク」欄の(1)〜(8)は、それぞれ実施例1〜4お
よび比較例1〜4で得られたインクジェット用水性イン
ク(1)〜(8)を表す。「分散樹脂」欄の(A)〜
(C)は、それぞれロジン変性水溶性アクリル樹脂水溶
液(A)、(B)、および水溶性アクリル樹脂水溶液
(C)を表す。 【0066】 【表1】 【0067】 【表2】【0068】表1に示した結果から、着色剤として有機
顔料を使用し、分散剤としてロジン変性水性アクリル樹
脂を使用したインクジェット用水性インクは、青(シア
ン)、赤(マゼンタ)、黄(イエロー)の各色インキに
おいて、分散した有機顔料の粒子径が好適な範囲内にあ
り、保存安定性、インクジェット印字におけるインクの
吐出性が良好であり、画像部の反射濃度が高く、耐水
性、鮮明性も良好であることが明らかである。 【0069】これに対し、比較例1に示すように、分散
剤として水溶性アクリル樹脂を用いた黄色インキでは、
有機顔料の粒子径が大きく、保存安定性が不良で、また
画像部の耐水性、鮮明性に劣る。また、無機顔料と水溶
性アクリル樹脂を使用した比較例2では、インクの吐出
性が不良であり、無機顔料を使用した比較例3および4
においては、分散剤としてロジン変性水性アクリル樹脂
を使用した場合であっても、インクの吐出性に劣る。 【0070】 【発明の効果】着色剤として有機顔料を使用し、分散剤
としてロジン変性水溶性アクリル樹脂を使用した、本発
明のインクジェット用水性インクは、保存安定性に優
れ、インクジェットプリンターによる印刷時には、イン
ク噴射ノズルからのインクの吐出性が良好であり、かつ
記録媒体上での滲みが少ないので、高解像度、かつ高濃
度の均一な画像形成が可能であり、さらには、得られた
画像は耐水性に優れている。また、着色剤に有機顔料を
使用しているため、従来の染料を使用したインクと比較
して耐光性にも優れている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2C056 FC01 2H086 BA01 BA55 BA59 4J039 AB08 AD01 AD02 AD03 AD09 BE01 CA06 EA15 EA16 EA17 EA21 EA35 EA38 EA41 EA42 EA44 EA46 GA24

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 有機顔料、ロジン変性水溶性アクリル樹
    脂、および水を含有することを特徴とするインクジェッ
    ト用水性インク。
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