JP5911057B2 - 色素組成物、水性分散液、水性インク組成物及び記録方法 - Google Patents

色素組成物、水性分散液、水性インク組成物及び記録方法 Download PDF

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Description

本発明は、色素組成物、これを水に分散した水性分散液、この水性分散液を含有する水性インク組成物、及び該水性インク組成物を用いるインクジェット記録方法に関する。
近年、インクジェットによる無製版印刷を行なう記録方法が提案され、布の捺染においてもインクジェット記録方法が用いられている。従来のスクリーン印刷等を用いる捺染方法と比較して、インクジェット記録方法による捺染は、無製版であること;省資源であること;省エネルギーであること;及び高精細な表現が容易であること;等、様々な利点がある。
ポリエステル繊維等の疎水性繊維布は、一般に水に不溶性の色材により染色される。従って、インクジェット記録方法により疎水性繊維を捺染するための水性インクとしては、一般に水不溶性色材を水中に分散し、分散安定性等の性能が良好な分散インクを用いる必要がある。
捺染・印捺に用いられる前記の水性分散インクは、記録画像の耐水性が要求される場合;疎水性繊維をインクジェット記録方法により直接染色(ダイレクト捺染等と呼称される)する場合;または、紙等の中間媒体にインクジェット記録を行った後、この中間媒体に記録された画像を、熱により、疎水性繊維又は樹脂フィルム等の目的物に昇華転写して着色する場合;等に使用されることが多い。
しかしながら、従来の方法により得られる水性分散液及び/又はこれを含有するインク組成物は、液をろ過するときのろ過性;長期保存時における平均粒子径、粘度、沈降性、液又はインクの層分離等の物性値の変化(保存安定性);等の各種の性能を満たしていない。
このため、従来のインク組成物等をインクジェット記録に用いた場合、ノズル、流路及びフィルターの閉塞や目詰りが発生することも多く、市場の要求を未だ満たしていない。
ロジンやロジン誘導体は、サイズ剤等としての用途が知られている。また、インクジェット記録を目的とし、水不溶性色材とロジン誘導体等を含有する水性分散液、及び水性インク組成物等は、例えば下記の特許文献1乃至12等に開示されている。
特開平8−34941号公報 特開平10−158555号公報 特開2011−241359号公報 特開2008−150528号公報 特開2008−150529号公報 特開2008−150530号公報 特開2003−138170号公報 特開2009−249578号公報 特開2011−213747号公報 特開平9−217032号公報 特開平11−1627号公報 特開2011−241359号公報
本発明は、ろ過性が良く、平均粒子径、粘度、沈降性といった保存時の物性変化が極めて少ない保存安定性と、層分離を生じない分離安定性に優れた水性分散液、これを含有するインク組成物及びこのインク組成物を用いたインクジェット記録方法を提供することである。
本発明者等は前記課題を解決すべく鋭意検討した結果、水不溶性色材と、特定のロジンから調製される固体の色素組成物を色材として用い、水性分散液、及び水性インク組成物を調製することにより、前記の課題を解決できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明は、下記の1)乃至13)に関する。
1)
水不溶性色材、及び、重合ロジンを水溶性有機溶剤に溶解して溶液とし、この溶液に水を加えて色素組成物の固体を析出させて、該固体をろ過分離することにより得られる色素組成物であって、
前記の水溶性有機溶剤に溶解するときの、水不溶性色材に対する重合ロジンの量が、質量基準で2%〜80%である色素組成物。
2)
水不溶性色材が、分散染料、及び油溶性染料よりなる群から選ばれる少なくとも1種類の色材である、前記1)に記載の色素組成物。
3)
少なくとも前記1)又は2)に記載の色素組成物、及び分散剤を含有し、残部が水である水性分散液。
4)
水性分散液の総質量に対して、いずれも質量基準で、色素組成物が10〜60%、及び分散剤が1〜36%である、前記3)に記載の水性分散液。
5)
少なくとも前記3)又は4)に記載の水性分散液、及び水溶性有機溶剤を含有し、残部が水である水性インク組成物。
6)
水性インク組成物の総質量に対して、いずれも質量基準で、水性分散液が2〜35%、水溶性有機溶剤が10〜50%である、前記5)に記載の水性インク組成物。
7)
水性インク組成物中の色素組成物の平均粒子径が、D50として50nm〜150nm、また、D90として160nm〜350nmの両者を満たす範囲である、前記5)又は6)に記載の水性インク組成物。
8)
前記5)乃至7)のいずれか1項に記載の水性インク組成物の液滴を記録信号に応じて吐出させ、被記録物に付着させることにより記録を行うインクジェット記録方法。
9)
前記8)に記載のインクジェット記録方法により得られた記録物。
10)
前記5)乃至7)のいずれか1項に記載の水性インク組成物の液滴を記録信号に応じて吐出させ、疎水性繊維に付着させて記録物を得た後、該記録物に対してスチーミング又はベーキングを行って、該記録物に記録された画像を染着させる、疎水性繊維の染色方法。
11)
前記10)に記載の染色方法により得られる染色された疎水性繊維。
12)
前記5)乃至7)のいずれか一項に記載の水性インク組成物の液滴を記録信号に応じて吐出させ、中間記録媒体に付着させて記録物を得た後、該記録物に記録された画像を、熱により疎水性材料に転写させる、疎水性材料の着色方法。
13)
前記12)に記載の着色方法により得られる着色された疎水性材料。
本発明により、ろ過性が良く、平均粒子径、粘度といった保存時の物性変化が極めて少ない保存安定性と、層分離を生じない分離安定性に優れた水性分散液、これを含有するインク組成物及びこのインク組成物を用いたインクジェット記録方法を提供することができた。
以下、本発明について詳細に説明する。
[色素組成物]
前記の色素組成物は、以下のようにして調製される。
すなわち、水不溶性色材と、重合ロジンを水溶性有機溶剤に溶解して溶液とし、この溶液に水を加えて色素組成物の固体を析出させて、この固体をろ過分離することにより得られる。
水不溶性色材と、重合ロジンとを水溶性有機溶剤に溶解するときの、水不溶性色材に対する重合ロジンの量は、質量基準で通常2%〜80%、好ましくは2%〜60%、より好ましくは2%〜40%、さらに好ましくは2%〜20%、特に好ましくは3%〜10%である。
色素組成物の調製方法としては、公知の再結晶・再沈殿の方法;晶析方法;超臨界二酸化炭素処理法;超臨界水処理法;等が適宜使用でき、特に限定されない。
[水不溶性色材]
色素組成物の調製に用いる水不溶性色材としては、公知の分散染料及び油溶性染料等を挙げることができる。これらの中でも水溶性有機溶剤に室温で、又は加熱時に溶解するものが好ましい。
分散染料の具体例としては、以下のものが挙げられる。
黄色系の分散染料としては、C.I.ディスパースイエロー3、4、5、7、8、9、13、23、24、30、33、34、39、42、44、49、50、51、54、56、58、60、63、64、66、68、71、74、76、79、82、83、85、86、88、90、91、93、98、99、100、104、114、116、118、119、122、124、126、135、140、141、149、160、162、163、164、165、179、180、182、183、186、192、198、199、200、202、204、210、211、215、216、218、224、237等が挙げられる。
オレンジ色系の分散染料としては、C.I.ディスパースオレンジ1、1:1、3、5、7、11、13、17、20、21、23、25、29、30、31、32、33、37、38、42、43、44、45、47、48、49、50、53、54、55、56、57、58、59、61、66、71、73、76、78、80、86、89、90、91、93、96、97、118、119、127、130、139、142等が挙げられる。
赤色系の分散染料としては、C.I.ディスパースレッド1、4、5、7、11、12、13、15、17、27、43、44、50、52、53、54、55、55:1、56、58、59、60、65、70、72、73、74、75、76、78、81、82、86、88、90、91、92、93、96、103、105、106、107、108、110、111、113、117、118、121、122、126、127、128、131、132、134、135、137、143、145、146、151、152、153、154、157、158、159、164、167、169、177、179、181、183、184、185、188、189、190、191、192、200、201、202、203、205、206、207、210、221、224、225、227、229、239、240、257、258、277、278、279、281、283、288、298、302、303、310、311、312、320、323、324、328、359等が挙げられる。
紫色系の分散染料としては、C.I.ディスパースバイオレット1、4、8、11、17、23、26、27、28、29、31、33、35、36、38、40、43、46、48、50、51、52、56、57、59、61、63、69、77,97等が挙げられる。
緑色系の分散染料としては、C.I.ディスパースグリーン9等が挙げられる。
茶色系の分散染料としては、C.I.ディスパースブラウン1、2、4、9、13、19等が挙げられる。
青色系の分散染料としては、C.I.ディスパースブルー3、5、7、9、14、16、19、20、26、26:1、27、35、43、44、54、55、56、58、60、62、64、64:1、71、72、72:1、73、75、77、79、79:1、82、83、87、91、93、94、95、64:1、96、102、106、108、112、113、115、118、120、122、125、128、130、131、139、141、142、143、145、146、148、149、153、154、158、165、165:1、165:2、167、171、173、174、176、181、183、185、186、187、189、197、198、200、201、205、207、211、214、224、225、257、259、266、267、270、281、284、285、287、288、291、293、295、297、301、315、330、333、341、353、354、358、364、365、368等が挙げられる。
黒色系の分散染料としては、C.I.ディスパースブラック1、3、10、24等が挙げられる。
油溶染料の具体例としては、以下のものが挙げられる。
黄色系としてはC.I.ソルベントイエロー114;オレンジ系としてはC.I.ソルベントオレンジ67;赤色系としてはC.I.ソルベントレッド146;青色系としてはC.I.ソルベントブルー36、63、83、105、111;等がそれぞれ挙げられる。
前記の水不溶性色材は単独で使用しても良いし、又は望みの色調を得る目的等により、2種類以上を併用(配合)しても良い。
例えば、ブラックインクの調製においては、ブルー染料を主体にオレンジ染料、及びレッド染料を適宜配合してブラック色に調色し、これをブラック染料として用いることができる。また、例えばブルー、オレンジ、レッド、バイオレット、又はブラック等の色調を、より好みの色調に微調製する目的で複数の染料を配合しても良い。
前記の水不溶性色材は、粉末状;塊状;ウェットケーキ;又はスラリー;等、どのような状態であっても良い。色素組成物を調製する際;又は、色素組成物を調製した後;等に、固体で得られる色素組成物の凝集を抑える目的で、界面活性剤等の分散剤が添加されたものであっても良い。市販の水不溶性色材は、工業染色用、樹脂着色用、インキ用、トナー用、インクジェット用などの各種のグレードがあり、製造方法、純度、分散粒径等がそれぞれ異なる。
前記の色素組成物を調製する際は、水不溶性色材を水溶性有機溶剤に溶解するため、水不溶性色材としては粉末状、又は塊状のものが好ましい。
水不溶性色材は、水性分散液としたときの各種の安定性;水性インク組成物としたときの吐出精度;等への悪影響を少なくする目的で、無機不純物の含有量の少ないものが好ましい。
無機不純物としては、金属陽イオンの塩化物、例えば塩化ナトリウム;硫酸塩、例えば硫酸ナトリウム;等が挙げられる。
水不溶性色材から無機不純物を除去する方法としては、逆浸透膜による方法;水不溶性色材の乾燥品あるいはウェットケーキ等を、アセトン、メタノール、ジメチルスルホキシド等の水溶性有機溶剤、又は含水したこれらの水溶性有機溶剤中に加え、懸濁精製又は晶析する方法;等が挙げられる。
[重合ロジン]
前記の重合ロジンは、市販品として入手することができる。例えば、荒川化学工業株式会社製として、アラダイムRTMシリーズ(R−140、R−95等)、中国重合ロジン等が挙げられる。これらはいずれも好ましいが、アラダイムRTMR−140がより好ましく挙げられる。
なお、本明細書において上付きの「RTM」は、登録商標を表す。
[水溶性有機溶剤]
色素組成物の調製に用いる水溶性有機溶剤としては、水不溶性色材、及び重合ロジンが室温、又は加熱時に溶解し得るものであれば、特に限定されない。水不溶性色材の溶解性等に応じて、適宜、選択することができる。
具体例としては、例えばメタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、第二ブタノール、第三ブタノール等のC1−C4アルコール;N,N−ジメチルホルムアミド又はN,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類;2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、ヒドロキシエチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチルイミダゾリジン−2−オン又は1,3−ジメチルヘキサヒドロピリミド−2−オン等の複素環式ケトン;アセトン、メチルエチルケトン、2−メチル−2−ヒドロキシペンタン−4−オン、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン等のケトン又はケトアルコール;テトラヒドロフラン、ジオキサン等の環状エーテル;エチレングリコール、1,2−又は1,3−プロピレングリコール、1,2−又は1,4−ブチレングリコール、1,6−ヘキシレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、又はチオジグリコール等のC2−C6アルキレン単位を有するモノ、オリゴ又はポリアルキレングリコール又はチオグリコール;トリメチロールプロパン、グリセリン、ヘキサン−1,2,6−トリオール等のポリオール(好ましくはトリオール);エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールのC1−C4モノアルキルエーテル;γ−ブチロラクトン;又はジメチルスルホキシド;等が挙げられる。
これらの中ではジメチルスルホキシドが好ましい。
色素組成物の固体をろ過分離する方法としては、公知のいずれかの方法を、適宜用いることができる。
例えば、ガラスろ紙GC−50(保留径子径0.5μm、アドバンテック製)、ガラスろ紙GA−100(保留粒子径1.0μm、アドバンテック製)といったろ紙を使用し、吸引ろ過をすること等により、色素組成物の固体をろ過分離することができる。
これらのガラスろ紙は、単独で使用しても良い。また、ろ過の効率を上げる目的等により、2枚のろ紙を重ねる形で併用しても良い。
前記の水性分散液は、少なくとも前記の色素組成物、及び分散剤を含有し、残部として水を含有する。
[分散剤]
分散剤としては、公知の分散剤、界面活性剤、樹脂分散剤等を用いることができる。
また、分散剤と界面活性剤は単に呼称が違う場合もあり、具体的に同じ物質を指すこともある。分散剤の種類としては、アニオン系、ノニオン系、カチオン、両性系等が挙げられる。これらの中では、アニオン系、すなわちアニオン分散剤が好ましい。
アニオン分散剤としては、例えば、脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルキルリン酸エステル塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩、及びこれらの置換誘導体等が挙げられる。また、好ましい市販品としては、ラベリンRTMシリーズ(W、AN等、第一工業製薬株式会社製)
ノニオン分散剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、グリセリン脂肪酸エステル、オキシエチレンオキシプロピレンブロックポリマー、及びこれらの置換誘導体等が挙げられる。
カチオン分散剤としては、例えば、脂肪族アミン塩、脂肪族4級アンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩等が挙げられる。
両性分散剤としては、例えば、カルボキシベタイン型、スルホベタイン型、アミノカルボン酸塩、イミダゾリニウムベタイン等が挙げられる。
樹脂分散剤としては、スチレン及びその誘導体、ビニルナフタレン及びその誘導体、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸の脂肪族アルコールエステル等、アクリル酸及びその誘導体、マレイン酸及びその誘導体、イタコン酸及びその誘導体、フマール酸及びその誘導体、酢酸ビニル、ビニルアルコール、ビニルピロリドン、アクリルアミド、及びその誘導体等から選ばれた少なくとも2つの単量体(このうち少なくとも1つは親水性単量体)からなるブロック共重合体、ランダム共重合体及びグラフト共重合体、並びにこれらの塩等を挙げることができる。
また、ブロック共重合体、ランダム共重合体及びグラフト共重合体、並びにこれらの塩等は併用することも可能である。また、好ましい市販品としては、ジョンクリルRTMシリーズ(678等、BASF製)が挙げられる。
[水性分散液]
前記の水性分散液を調製する方法としては、サンドミル(ビーズミル)、ロールミル、ボールミル、ペイントシェーカー、超音波分散機、マイクロフルイダイザー等を用いて撹拌混合するといった、公知の方法等を挙げることができる。これらの中でもサンドミル(ビーズミル)が好ましい。
またサンドミル(ビーズミル)における色素組成物の粉砕においては、径の小さいビーズを使用し、ビーズの充填率を大きくすること等により粉砕効率を高めた条件で分散処理することが好ましい。
さらに粉砕処理後に濾過、遠心分離などで分散化に用いたビーズや、色素組成物の粗粒子等を除去することが好ましい。
また分散剤の中には発泡性を有するものもあるので、色素組成物等の粉砕効率を高める目的で、粉砕時の泡立ちを抑えた粉砕条件とするのが好ましい。この目的のため、場合によってはシリコーン系;アセチレンアルコール系;等の消泡剤等を、顔料粉砕時に添加しても良い。但し、消泡剤には分散・微粒子化を阻害するものもあるため、微粒子化や分散後の安定性に影響を及ぼさないものを使用するのが好ましい。好ましい消泡剤としては、例えばオルフィンRTMシリーズ(SK−14等、日信化学工業株式会社製)、サーフィノールRTMシリーズ(DF−110D等、エアープロダクツジャパン株式会社製)等が挙げられる。
なお、水性分散液及び後記する水性インク組成物の調製に使用する水;及び、残部として含有する水;としては、イオン交換水又は蒸留水等の不純物が少ないものが好ましい。
前記の水性分散液中に含有する色素組成物の平均粒子径は、D50としては通常50nm〜150nm、好ましくは60nm〜150nm、より好ましくは70nm〜150nm、さらに好ましくは80nm〜150nm程度である。また、D90としては通常160nm〜350nm、好ましくは160nm〜300nm、より好ましくは160nm〜250nm、さらに好ましくは160nm〜200nm程度である。
水性分散液中に含有する色素組成物の含有量としては、水性分散液の総質量に対して、いずれも質量基準(質量%)で通常10〜60%、好ましくは20〜50%、より好ましくは20〜40%である。また、同様に分散剤の含有量は通常1〜36%、好ましくは5〜30%、より好ましくは5〜20%、さらに好ましくは5〜15%である。
[水性インク組成物]
前記の水性インク組成物は、前記の水性分散液、前記の水溶性有機溶剤を含有し、残部が水の組成物である。前記の水性インク組成物は、これらの各成分を適宜、撹拌、ホモジナイザーなどを用いて混合する等の公知の方法で混合することによって調製することができる。
また、必要に応じて各種のインク調製剤、例えば前記の分散剤、浸透剤、防腐防黴剤、及びpH調整剤等を、本発明の効果を阻害しない範囲で添加しても良い。
水性インク組成物に含有する水溶性有機溶剤としては、前記と同じものが挙げられる。
また場合により、水性インク組成物に含有する水溶性有機溶剤としては、ノズルでの目詰まり防止の目的で湿潤効果のあるものが好ましい。このようなものとしては多価アルコール類、ピロリドン類等を挙げることができる。
多価アルコール類としては、例えばアルコール性水酸基を2〜3個有するC2〜C8多価アルコール及び、ジ又はトリC2〜C3アルキレングリコール若しくは繰り返し単位が4以上で、分子量20,000程度以下のポリC2〜C3アルキレングリコール、好ましくは液状のポリアルキレングリコール等が挙げられる。具体例としてはエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−及び/又は1,3−プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン、トリメチロールプロパン、1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等の多価アルコール類、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、γ−ブチロラクトンなどが挙げられる。
また、水に溶解して湿潤剤としての役割をする化合物等は、仮に室温では固体であっても便宜上、水溶性有機溶剤に含めるものとする。それらとしては例えば尿素、エチレン尿素及び糖類等が挙げられる。保存安定性を考慮すると、分散染料や油溶性染料の溶解度が低い溶剤が好ましい。
好ましい具体例としては、グリセリン、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル等が挙げられる。
が好ましい。
浸透剤としては、水性インクの表面張力を下げ、インクジェットヘッドから吐出されたインク液滴が被記録媒体に着弾した後の被記録媒体中へのインク浸透を調整できるものであれば、特に限定されない。例えば、界面活性剤や有機溶剤系浸透剤が使用できる。
浸透剤として使用できる界面活性剤としては、アニオン系、ノニオン系、カチオン系、両性系等が挙げられる。これらの中では、ノニオン系およびアニオン系界面活性剤が好ましく、ノニオン系界面活性剤がより好ましい。
ノニオン系界面活性剤として、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン2級アルコールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル(例えば、エマルゲン911)、ポリオキシエチレンステロールエーテル、ポリオキシエチレンラノリン誘導体、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル(例えば、ニューポールPE−62)、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油、硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、脂肪酸モノグリセリド、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、脂肪酸アルカノールアミド、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、ポリオキシエチレンアルキルアミン、アルキルアミンオキサイド、アセチレングリコール、アセチレンアルコール等が挙げられる。また、好ましい市販品としては、オルフィンRTMシリーズ(E1004、E1010等、日信化学工業株式会社製)、サーフィノールRTMシリーズ(440、465等、エアープロダクツジャパン株式会社製)、ソフタノールRTMシリーズ(EP5035等、株式会社日本触媒製)、エマルゲンRTMシリーズ(A−60等、花王株式会社製)等が挙げられる。
アニオン系界面活性剤としては、脂肪酸石鹸、N−アシル−N−メチルグリシン塩、N−アシル−N−メチル−β−アラニン塩、N−アシルグルタミン酸塩、アルキルエーテルカルボン酸塩、アシル化ペプチド、アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ジアルキルスルホ琥珀酸エステル塩、アルキルスルホ酢酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、N−アシルメチルタウリン、硫酸化油、高級アルコール硫酸エステル塩、第2級高級アルコール硫酸エステル塩、アルキルエーテル硫酸塩、第2級高級アルコールエトキシサルフェート、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、モノグリサルフェート、脂肪酸アルキロールアミド硫酸エステル塩、アルキルエーテルリン酸エステル塩、アルキルリン酸エステル塩等が挙げられる。また、好ましい市販品としては、アデカコールRTMシリーズ(EC−8600等、株式会社アデカ製)、ハイテノールRTMシリーズ(NE−15等、第一工業製薬株式会社製)、ペレックスRTMシリーズ(OT−P等、花王株式会社)等が挙げられる。
有機溶剤系浸透剤としては、前記の水溶性有機溶剤と同じ物を使用することもできる。中でも好ましいものとしては、前記の水溶性有機溶剤のうちC1−C4アルコール;アミド類;ケトン又はケトアルコール;環状エーテルが挙げられる。他の好ましいものとしては、1,2−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール等の4〜9個の炭素原子を含むジオール類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングルコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテル類;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等の多価アルコールのエステル類が挙げられる。
前記浸透剤のうち1種類を用いてもまた2種類以上を併用しても良い。布の種類や用途に合わせて組み合わせることも好ましく行われる。
また、浸透剤は前記の水性インク組成物中に含有するのが好ましい。
防腐防黴剤としては例えばデヒドロ酢酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、ソジウムピリジンチオン−1−オキサイド、ジンクピリジンチオン−1−オキサイド、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、1−ベンズイソチアゾリン−3−オンのアミン塩等が挙げられる。
pH調整剤としては例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等の水酸化アルカリ類、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン等の3級アミン類などが挙げられる。
前記の水性インク組成物を調製する方法としては、例えば、前記の水性分散液、水溶性有機溶剤、及び必要に応じてインク調製剤等を加えて混合する方法等が挙げられる。これらを混合する順番は特に制限されない。
水性インク組成物中に含有する水性分散液の含有量としては、水性インク組成物の総質量に対して、いずれも質量基準で通常2〜35%、好ましくは3〜30%、より好ましくは5〜30%である。また、同様に水性有機溶剤の含有量は通常10〜50%、好ましくは15〜50%、より好ましくは20〜50%、さらに好ましくは30〜50%である。
水性インク組成物が必要に応じてインク調製剤をさらに含有するときは、インク調製剤の含有量としては、水性インク組成物の総質量に対して、いずれも質量基準で通常0.01〜25%、好ましくは0.01〜20%程度である。例えば、浸透剤の含有量としては同様に、通常0.1〜15%、好ましくは1〜15%、より好ましくは3〜10%である。
水性インク組成物中に含有する色素組成物の平均粒子径は、D50としては通常50nm〜150nm、好ましくは60nm〜150nm、より好ましくは70nm〜150nm、さらに好ましくは80nm〜150nm程度である。また、D90としては通常160nm〜350nm、好ましくは160nm〜300nm、より好ましくは160nm〜250nm、さらに好ましくは160nm〜200nm程度である
本発明のインクジェット記録用水性インク組成物は、高速での吐出応答性の点より25℃における粘度はE型粘度計にて測定したときに通常2〜15mPa・s程度であるのが好ましい。また表面張力は、プレート法にて測定したときに通常20〜45mN/mの範囲が好ましい。なお、実際には、使用するプリンタの吐出量、応答速度、インク液滴飛行特性などを考慮し適切な物性値に調整することが好ましい。
前記の水性インク組成物は、インクジェット記録における吐出応答性を向上させる目的等により、必要に応じてポリシロキサン系化合物を添加しても良い。ポリシロキサン系化合物としては、例えばポリエーテル変性シロキサン、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサンが挙げられ、BYK−347(ビックケミー社製、ポリエーテル変性シロキサン)、BYK−348(同、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン)、BYK−349(同、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン)等の市販品として入手することができる。また、これらの化合物はインクの表面張力の調整にも利用できることが知られている。
[インクジェット記録方法]
前記のインクジェット記録方法は、前記の水性インク組成物の液滴を記録信号に応じて吐出させ、被記録材に付着させることにより、文字、絵柄等の画像情報を被記録物に記録する記録方法である。
被記録物としては、公知のインクジェット記録装置(インクジェットプリンタ等と呼称される)により記録できる材料であれば特に制限はない。具体例としては、例えば、普通紙、樹脂コート紙、インクジェット専用紙、フィルム、電子写真共用紙、布帛等の構造物を含む繊維、ガラス、金属、陶磁器等が挙げられる。なお、後記する[疎水性材料の着色方法]に用いる中間記録媒体も、被記録物である。
前記のインクジェット記録方法により、記録が行われたこれらの被記録物が、前記の記録物である。換言すると、記録物とは、前記のインクジェット記録方法により、着色された被記録物を意味する。
[疎水性繊維の染色方法]
前記の疎水性繊維の染色方法は、少なくとも以下2つの工程を含む。この染色方法は、ダイレクトプリント、ダイレクト捺染等と呼称される。
[工程1]
前記の水性インク組成物の液滴を記録信号に応じて吐出させ、疎水性繊維に付着させるインクジェット記録方法により記録物を得る工程。
[工程2]
工程1により得られた記録物に対してスチーミング又はベーキングを行って、記録物に記録された文字、絵柄等の画像情報を、疎水性繊維に染着させる工程。
スチーミング又はベーキングの方法としては、いずれも公知の方法が使用できる。
スチーミングとしては、例えば高温スチーマーで通常170〜180℃、通常10分程度;また、高圧スチーマーで通常120〜130℃、通常20分程度;それぞれ疎水性繊維を処理する方法により、記録された画像を染着させることができる(湿熱固着とも呼称される)。
ベーキング(サーモゾル)としては、例えば通常190℃〜210℃、通常60秒〜120秒程度、疎水性繊維を処理する方法により、記録された画像を染着させることができる(乾熱固着とも呼称される)。
また、いずれの方法においても染着後、例えばアルカリ還元洗浄やソーピング処理等の公知の方法で、繊維に残存する未染着の色素成分を洗い落とすことが、繊維の堅牢性の点からは好ましい。この様にして、前記の染色された疎水性繊維が得られる。
疎水性繊維の具体例としては、例えばポリエステル繊維、ナイロン繊維、トリアセテート繊維、ジアセテート繊維、ポリアミド繊維、及びこれらの繊維を2種類以上用いた混紡繊維等が挙げられる。また、これらとレーヨン等の再生繊維あるいは木綿、絹、羊毛等の天然繊維との混紡繊維であってもよい。
これらの疎水性繊維にインク受容層(滲み防止層)を有するものも知られており、インク受容層を有する疎水性繊維が好ましい。インク受容層の形成方法は一般に公知公用の技術であり、このインク受容層を有する繊維は市販品としても自由に入手が可能である。インク受容層の材質や構造等は、特に限定されるものではなく、目的等に応じて適宜使用することができる。
[疎水性材料の着色方法]
前記の疎水性繊維の着色方法は、少なくとも以下2つの工程を含む。この着色方法は、昇華転写プリント、昇華転写捺染等と呼称される。
[工程1]
前記の水性インク組成物の液滴を記録信号に応じて吐出させ、中間記録媒体に付着させるインクジェット記録方法により記録物を得る工程。
[工程2]
工程1により得られた記録物に記録された文字、絵柄等の画像情報を、熱により疎水性材料に転写する工程。
中間記録媒体としては、付着した水性インク組成物が水分蒸発等により乾燥する過程で、該記録媒体表面で色素成分が凝集せず、かつ転写時に色素成分の昇華を妨害しないものが好ましい。例えば、シリカ等の無機微粒子でインク受容層が表面に形成されている紙が好ましく、インクジェット用の専用紙等を中間媒体として用いることができる。
前記の工程2に記載した、記録物(中間記録媒体)に記録された画像情報を、疎水性材料に転写する方法としては、公知の方法が挙げられる。一例としては、記録物の記録面(画像情報が記録されている面)と、疎水性材料とを重ね合わせて、通常190〜200℃程度で乾熱処理することにより、中間記録媒体から疎水性材料へ画像情報を転写染着させることができる。
この場合の疎水性材料としては、前記の疎水性繊維の他に疎水性樹脂からなるフィルム、疎水性樹脂がコーティングされた布帛、ガラス、金属、陶磁器等が挙げられる。
本発明により、ろ過性が良く、平均粒子径、粘度といった保存時の物性変化が極めて少ない保存安定性と、層分離を生じない分離安定性に優れた水性分散液、これを含有するインク組成物及びこのインク組成物を用いたインクジェット記録方法を提供することができた。
また、本インクにより記録された染色物または着色物は、染着後の洗浄がなくても、発色性が高く、特に彩度の高い記録物が得られ、ダイレクト昇華及びダイレクト捺染に適している。
水不溶性色材を、疎水性繊維または疎水性材料に適したものを適宜選択することで、用いた水不溶性色材の色相、堅牢度などの諸性質を損なうことなく、本発明のインクジェット記録方法を応用して、染色物または着色物が得られる。
以下実施例により本発明を更に詳細に説明するが、これらの実施例により本発明が限定されるものではない。実施例において特に断りがない限り、「部」は質量部を、「%」は質量%をそれぞれ意味する。
反応等の際に「rpm」で攪拌速度を記載したものは、特に断りのない限りスリーワンモーターを用いて攪拌を行った。
また、反応温度等については反応系内の内温を測定して記載した。
なお、特に断りのない限り、色素組成物をろ過分離する際には、ガラスろ紙GC−50とガラスろ紙GA−100を単独で又は併用して適宜用い、吸引ろ過を行った。
実施例中で使用した略号・記号は、以下の意味を表す。
DR60:C.I.ディスパースレッド60(日本化薬株式会社製、カヤセット レッド B)。
DY54:C.I.ディスパースイエロー54(日本化薬株式会社製、カヤセット イエロー A−G)。
DB72:C.I.ディスパースブルー72(日本化薬株式会社製、カヤセット ブルー A−2R)。
DB359:C.I.ディスパースブルー359(リアルコ社製、リアスプラス ブルー 3GL−TPM)。
アラダイムRTMR−140:荒川化学工業株式会社製、重合ロジン。
DMSO:ジメチルスルホキシド。
[(A)色素組成物の調製]
[実施例1]
DR60(50部)、アラダイムRTMR−140(5部)、DMSO(195部)を冷却管を取付けた四口フラスコに加え、150rpmで攪拌しながら90℃に昇温し、溶液とした。得られた液にイオン交換水(300部)を加えて固体を析出させ、これをろ過分離してウェットケーキを得た。得られたウェットケーキをイオン交換水で洗浄した後、70℃のオーブンにて乾燥し、赤色の色素組成物1(52.3部)得た。
[実施例2]
アラダイムRTMR−140を2.5部、DMSOを197.5部に変更した以外は実施例1と同様にして、赤色の色素組成物2(50.9部)を得た。
[実施例3]
アラダイムRTMR−140を1.5部、DMSOを198.5部に変更した以外は実施例1と同様にして、赤色の色素組成物3(50部)を得た。
[実施例4]
DR60(50部)の代わりにDY54(50部)を用いた以外は実施例2と同様にして、黄色の色素組成物4(51.5部)を得た。
[実施例5]
DR60(50部)の代わりにDB72(50部)を用いた以外は実施例2と同様にして、青色の色素組成物5(50.9部)を得た。
[実施例6]
DR60(50部)の代わりにDB359(50部)を用いた以外は実施例2と同様にして、青色の色素組成物6(51.5部)を得た。
[(B)比較用の色素組成物等の調製]
[調製例1]
アラダイムRTMR−140を0.5部、DMSOを199.5部に変更した以外は実施例1と同様にして、比較用の赤色の色素組成物7(49.5部)を得た。
[調製例2]
アラダイムRTMR−140を使用せず、DMSOを200部に変更した以外は実施例1と同様にして、DMSO中で精製を行った比較用の赤色の精製色素8(49部)を得た。
[調製例3]
アラダイムRTMR−140を使用せず、ジメチルスルホキシドDMSOを200部に変更した以外は実施例5と同様にして、DMSO中で精製を行った比較用の青色の精製色素9(49部)を得た。
前記「(A)色素組成物の調製」にて得た各実施例及び調製例の色素組成物等における、水溶性有機溶剤に溶解するときの、水不溶性色材に対するロジンの量を下記表1に示した。
Figure 0005911057
(C)分散剤溶液の調製
[調製例4]
ジョンクリル678(25部)、水酸化ナトリウム(3.1部)、イオン交換水(71.9部)を、冷却管を取付けた3口フラスコに加え、150rpmで攪拌しながら90℃に昇温し、ジョンクリル678を25%含有する水溶液を得た。
下記表2及び表3中の「ジョンクリル678」は、このジョンクリル678を25%含有する水溶液を使用した。
(D)水性分散液の調製
[実施例7〜12]
実施例1〜6で得た色素組成物1〜6を用い、下記表2の組成に従い各成分を混合した。得られた混合液に対して、サンドグラインダー(アイメックス製)を用いて2000rpmで20時間分散処理を行った。その後、イオン交換水で倍量に希釈して色素組成物の濃度が15%である実施例7〜12の各水性分散液を得た。
[比較例1〜3]
調製例1〜3で得た色素組成物7又は精製色素を用い、下記表3の組成に従い各成分を混合した。得られた混合液に対して、サンドグラインダー(アイメックス製)にて2000rpmで20時間分散処理を行った。その後、イオン交換水で倍量に希釈して色素組成物又は精製色素の濃度が15%である比較例1〜3の水性分散液を得た。
[比較例4〜7]
市販品として購入した各色素に対して精製等の処理を一切行わず、調製例1〜3で得た色素組成物7又は精製色素の代わりに用いる以外は比較例1〜3と同様にして、下記表3の組成に従って水性分散液を得た。表3中、DR60、DY54、DB72、及びDB359と記載したものが、前記の精製等の処理を一切行わずに用いた市販品として購入した色素である。また、略号の意味は前記と同じである。
下記表2及び表3中、成分の量を示す数値はいずれも質量%であり、「−」を記載したものは、その成分を含まないことを意味する。
また、「水」はイオン交換水を使用した。
なお、以下において「色素成分」と記載したとき、色素成分とは、各実施例又は比較例の水性分散液(若しくは後記する水性インク組成物)に含有する色素組成物、精製色素、又は市販品として購入し、精製等の処理を一切行わずに用いた色素を意味する。
Figure 0005911057
Figure 0005911057
[水性分散液の物性値の測定]
前記の実施例7〜12及び比較例1〜7の水性分散液の物性値として、平均粒子径、及び粘度の測定を行った。
(E)平均粒子径の測定
実施例及び比較例にて得た各水性分散液の調製直後と、密閉容器中60℃で5日間保存した後、の2種類ずつのサンプルについて、色素成分の濃度が0.02%となるように水性分散液をイオン交換水にて希釈し、実施例及び比較例の各被検液を調製した。得られた各被検液について、D50及びD90を測定した。D50及びD90の測定には、動的光散乱式粒度分布測定装置LB−500(株式会社堀場製作所製)を用いた。
(F)粘度の測定
実施例及び比較例にて得た各水性分散液について、水性分散液の調製直後と、密閉容器中60℃で5日間保存した後の、25℃における粘度をそれぞれ測定した。
粘度の測定には、E型粘度計RE105L(東機産業株式会社製)を用いた。
[水性分散液の評価試験]
前記の実施例7〜12及び比較例1〜7の各水性分散液について、以下(G)〜(I)の評価試験を行った。試験結果を下記表4に示した。
(G)ろ過性試験
水性分散液100gをガラスろ紙GC−50及びガラスろ紙GA−100にてろ過を行い、ろ過の状態を目視観察し、以下A〜Cの3段階で評価した。
A:GC−50、GA−100共に目詰り無くろ過できる。
B:GC−50では目詰りが発生するが、GA−100では目詰り無くろ過できる。
C:GC−50、GA−100共に目詰りが発生してろ過できない。
(H)保存安定性試験
前記(E)及び(F)で測定した平均粒子径D50、D90、及び粘度について、調製直後と5日間保存後の各測定値の変化率を下記式にて算出し、下記A〜Dの4段階でそれぞれ評価した。
調製直後と5日間保存後の各測定値の間に乖離が少ないものほど安定性が良いことを意味し、保存安定性に優れることを示す。また、保存安定性の総合判定としては、最も評価の低い指標を用いた。
物性値の変化率=
(5日間保存後の測定値−調製直後の測定値)/(調製直後の測定値)×100%
A:変化率が±7%未満
B:変化率が±7%以上、±10%未満
C:変化率が±10%以上、±15%未満
D:変化率が±15%以上
(I)分離安定性試験
前記の各実施例及び比較例で得た水性分散液を密閉容器に入れ、70℃の恒温機中に5日間静置させた後、液に生じた層分離の有無を目視観察し、下記A〜Cの3段階で評価した。なお、少量であっても層分離が認められる水性分散液は、実質的には、インクの調製等に用いることが極めて困難である。従って、本試験においては評価Aのみが実質的な合格基準である。
A:層分離は認められない。
B:少量(おおよそ全量の1/10以内程度)の層分離が認められる。
C:明らかに(おおよそ全量の1/10以上)層分離が認められる。
Figure 0005911057
表4の結果から、実施例の中では実施例2におけるD50の変化が大きく、保存安定性の総合判定が「C」となった。また、実施例1におけるD90と粘度の変化が比較的大きく、総合判定が「B」となった。しかしながら、これを除いて各実施例はろ過性、分離安定性共にいずれも「A」であり、良好な結果を示した。
一方、比較例の中では比較例4、比較例5、及び比較例7が保存安定性の総合判定がそれぞれ「B」、「B」、及び「C」であり、比較的良好な結果であった。しかしながら、これ以外の比較例は総合判定がいずれも「D」であり、保存安定性が極めて劣ることが判明した。
また、比較例5については分離安定性が「B」であり、実質的にはインク組成物の調製等に使用することは極めて困難であることが判明した。
[(J)水性インク組成物の調製]
下記表5又は表6の組成に従い各成分を混合し、水性インク組成物を得た。得られた水性インク組成物をガラスろ紙GC−50が下、及びガラスろ紙GA−100が上となるように重ねて併用し、ろ過することにより、試験用の実施例13〜18及び比較例8〜14の水性インク組成物を得た。
下記表5及び表6中、成分の量を示す数値はいずれも質量%であり、「−」を記載したものは、その成分を含まないことを意味する。
また、「水」はイオン交換水を使用した。
なお、表5及び表6中で使用した略号・記号は、以下の意味を表す。
Dex7〜Dex12:実施例7〜実施例12で得た、各水性分散液
(一例として、Dex10は、実施例10で得た水性分散液を意味する)。
1,3−PG:1,3−プロピレングリコール
TEGMM:トリエチレングリコールモノメチルエーテル。
Cex1〜7:比較例1〜7で得た、比較用の各水性分散液。
Figure 0005911057
Figure 0005911057
[水性インク組成物の物性値の測定]
前記の実施例13〜18及び比較例8〜14の水性インク組成物の物性値として、平均粒子径、及び粘度の測定を行った。
各物性値の測定方法は、前記(E)平均粒子径の測定、及び(F)粘度の測定と同様である。すなわち、前記(E)及び(F)の測定について、「水性分散液」を「水性インク組成物」と読み替え、また、「5日間保存」を「10日間保存」と延長した以外は同じ方法で測定した。
[水性インク組成物の評価試験]
前記の実施例13〜18及び比較例8〜14の各水性インク組成物について、前記(H)保存安定性試験と同様にして評価試験を行った。
なお、(H)の試験については前記の通り、「5日間保存」を「10日間保存」と延長して行った。
調製直後と10日間保存後の各測定値の変化率の算出式、及び、算出結果をA〜Dの4段階で評価する方法は、前記と同じである。また、保存安定性の総合判定としては、最も評価の低い指標を用いることも前記と同じである。試験結果を下記表7に示した。
なお、各実施例及び比較例の水性インク組成物は、前記(G)ろ過性試験、及び(I)分離安定性試験について、いずれも良好な結果を示した。
Figure 0005911057
表7から明らかなように、各実施例の水性インク組成物は、総合判定がいずれも「A」又は「B」であり、保存安定性に優れることが判明した。
一方、各比較例は、粘度こそ良好であるものの、D50及び/又はD90の変化率が顕著に大きく、いずれも総合判定が「D」となった。特に、比較例11及び比較例14は、水性分散液としては比較的良好な保存安定性を示した比較例4及び比較例7の水性分散液を用いて調製した水性インク組成物であるが、水性インク組成物としたときには良好な保存安定性を得ることができず、意外にも各実施例とは全く異なる結果となった。
保存安定性が良好であることは、長期間に渡りインクジェット記録に適したインクとしての品質の低下がなく、インク中の成分の凝集及び沈降によるノズル、流路及びフィルターの目詰まりが発生しないことを意味する。
本発明により、ろ過性が良く、平均粒子径、粘度といった保存時の物性変化が極めて少ない保存安定性と、層分離を生じない分離安定性に優れた水性分散液、これを含有するインク組成物及びこのインク組成物を用いたインクジェット記録方法を提供することができ、紙や繊維への記録用途として極めて有益である。

Claims (10)

  1. 水不溶性色材、及び、重合ロジンを水溶性有機溶剤に溶解して溶液とし、この溶液に水を加えて色素組成物の固体を析出させて、該固体をろ過分離することにより得られる色素組成物であって、
    前記の水溶性有機溶剤に溶解するときの、水不溶性色材に対する重合ロジンの量が、質量基準で2%〜80%である色素組成物。
  2. 水不溶性色材が、分散染料、及び油溶性染料よりなる群から選ばれる少なくとも1種類の色材である、請求項1に記載の色素組成物。
  3. 少なくとも請求項1又は2に記載の色素組成物、及び分散剤を含有し、残部が水である水性分散液。
  4. 水性分散液の総質量に対して、いずれも質量基準で、色素組成物が10〜60%、及び分散剤が1〜36%である、請求項3に記載の水性分散液。
  5. 少なくとも請求項3又は4に記載の水性分散液、及び水溶性有機溶剤を含有し、残部が水である水性インク組成物。
  6. 水性インク組成物の総質量に対して、いずれも質量基準で、水性分散液が2〜35%、水溶性有機溶剤が10〜50%である、請求項5に記載の水性インク組成物。
  7. 水性インク組成物中の色素組成物の平均粒子径が、D50として50nm〜150nm、また、D90として160nm〜350nmの両者を満たす範囲である、請求項5又は6に記載の水性インク組成物。
  8. 請求項5乃至7のいずれか1項に記載の水性インク組成物の液滴を記録信号に応じて吐出させ、被記録物に付着させることにより記録を行うインクジェット記録方法。
  9. 請求項5乃至7のいずれか1項に記載の水性インク組成物の液滴を記録信号に応じて吐出させ、疎水性繊維に付着させて記録物を得た後、該記録物に対してスチーミング又はベーキングを行って、該記録物に記録された画像を染着させる、疎水性繊維の染色方法。
  10. 請求項5乃至7のいずれか一項に記載の水性インク組成物の液滴を記録信号に応じて吐出させ、中間記録媒体に付着させて記録物を得た後、該記録物に記録された画像を、熱により疎水性材料に転写させる、疎水性材料の着色方法。
JP2012020958A 2012-02-02 2012-02-02 色素組成物、水性分散液、水性インク組成物及び記録方法 Active JP5911057B2 (ja)

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