JP6781668B2 - インクセット及びインクジェット記録方法。 - Google Patents
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Description
インクジェット記録に用いられる着色剤としては、例えば、水溶性の染料と、水不溶性の顔料・分散染料等が知られている。一般に、前者を使用すると記録画像の画質が良好となり、後者を使用すると各種の堅牢性が良好になると言われている。
また、画像が記録される記録メディアは紙、フィルム等に限られず、繊維も用いられている。
一方、インクジェット記録方法を用いた繊維の捺染(インクジェット捺染)は、通常は着色剤としてイエロー、マゼンタ、及びシアンの3色、若しくは、これにブラックを加えた4色のインクセットで行われる。このため、色糊を用いる従来の捺染方法と比較して、色再現範囲が狭いという欠点が指摘されている。このため、インクジェット捺染における色再現範囲の拡大は、極めて大きな課題となっている。特に、イエローインクとシアンインクの混色として得られるグリーン領域において、発色性(印字濃度)と彩度の両方が高く、且つ、光による変色が少ない耐光性が良好な画像が得られるインクセットは、知られていない。また、人の視感度は、レッド領域よりもグリーン領域が高いことが知られている。このため、前記の性能を有するイエローとシアンのインクセットが強く要望されている。
1)
それぞれ水不溶性の着色剤と、水又は有機溶剤から選択される液媒体と、を含有するシアンインク及びイエローインクを有するインクセットであって、
前記シアンインクが含有する水不溶性の着色剤が、下記式(1)で表される化合物であるインクセット。
2)
前記式(1)において、Xが酸素原子である前記1)に記載のインクセット。
3)
イエローインクが含有する水不溶性の着色剤が、380nm〜480nmの範囲に最大吸収波長を有する着色剤である前記1)に記載のインクセット。
4)
イエローインクが含有する水不溶性の着色剤が、380nm〜450nmの範囲に最大吸収波長を有する着色剤である前記1)に記載のインクセット。
5)
イエローインクが含有する水不溶性の着色剤が、C.I.Disperse Yellow、C.I.Disperse Orange、C.I.Solvent Yellow、及び、C.I.Solvent Orangeから選択される染料である、請求項1、3及び4のいずれか一項に記載のインクセット。
6)
イエローインクが含有する水不溶性の着色剤が、C.I.Disperse Yellow、及び、C.I.Disperse Orangeから選択される染料である、前記1)、3)及び4)のいずれか一項に記載のインクセット。
7)
イエローインクが含有する水不溶性の着色剤が、C.I.Disperse Yellowである前記1)、3)及び4)のいずれか一項に記載のインクセット。
8)
前記1)〜7)のいずれか一項に記載のインクセットのうち、1種類以上のインクの液滴を、インクジェットプリンタを用いて吐出させ、記録メディアに付着させることにより記録を行うインクジェット記録方法。
9)
前記1)〜7)のいずれか一項に記載のインクセットのうち、1種類以上のインクの液滴を、インクジェットプリンタを用いて吐出させ、中間記録媒体に付着させることにより、中間記録媒体に記録画像を形成させる工程、及び、
中間記録媒体に形成させた記録画像と、記録メディアとを接触させた後、中間記録媒体又は記録メディアの少なくとも一方に対して熱処理を行うことにより、記録画像を中間記録媒体から記録メディアに熱転写する工程、により記録メディアに記録を行うインクジェット記録方法。
10)
前記の記録メディアが繊維である、前記8)又は9)に記載のインクジェット記録方法。
11)
前記の繊維が、糊材、アルカリ性物質、還元防止剤、及びヒドロトロピー剤から選択される1種類以上を含有する液により前処理された繊維である、前記10)に記載のインクジェット記録方法。
また、単に「インク」と記載したときは、特に断りの無い限り、前記シアンインクとイエローインクの両方を意味することとする。
その具体例としては、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチルの直鎖アルキル基;イソプロピル、イソブチル、sec−ブチル、t−ブチルの分岐鎖アルキル基;シクロプロピル、シクロブチルの環状アルキル基が挙げられる。
R1、R2及びR3の炭素数の合計は通常4〜12、好ましくは4〜8、より好ましくは4〜6、さらに好ましくは4又は5、特に好ましくは4である。炭素数の合計が小さくなると、昇華転写性が良好になる傾向が有る。
昇華転写性に着目すると、R1、R2及びR3の少なくとも2つがC1−C4アルキル基であり、R1、R2及びR3の炭素数の合計は4又は5が好ましく、4がより好ましい。また、R1、R2及びR3のいずれか2つがC1−C4アルキル基であり、残りの1つが水素原子がより好ましい。それらの中でもR1、R2及びR3のいずれか2つがエチルであり、残りの1つが水素原子がさらに好ましい。式(1)で表される化合物は、昇華転写性を有する方が好ましい。
一例としては、下記式(2)で表される化合物、及び下記式(3)で表されるアミン化合物を有機溶剤(例えばスルホラン)中で加え、70℃〜220℃、好ましくは120℃〜180℃で反応させることにより、前記式(1)で表される化合物を得ることができる。この反応は常圧で行うことができる。また、オートクレーブ等を使用して反応を加圧下で行うと、反応が促進されるため好ましい。
この範囲に最大吸収波長を有する着色剤の色相は、通常イエロー〜オレンジであり、好ましくはイエローである。
そのような着色剤としては、C.I.Disperse、及び、C.I.Solventから選択される染料が好ましく、C.I.Disperseから選択される染料がより好ましい。その具体例としては、例えば、C.I.Disperse Yellow 3、7、8、23、51、54、60、64、67、71、86、134、137、149、159、160、175、192、197、206;C.I.Solvent Yellow 33、112、113、114、136、155、157、176、199;C.I.Disperse Orange 20、25;C.I.Solvent Orange 60が挙げられる。これらは1種類を用いることができる。また、2種類以上を併用することもできる。
これらの中ではColour Index Onlineにおいて、Chemical ClassがQuinolineであるC.I.Disperse、及び、C.I.Solventから選択される染料が好ましい。本明細書において、「Chemical ClassがQuinolineである」とは、染料分子の部分構造として、キノリン若しくはその互変異生体を有する染料を意味する。そのような染料としては、前記のうちC.I.Disperse Yellow 54、64、67、134、137、149、159、160、175、192、197、206;C.I.Solvent Yellow 33、112、113、114、136、155、157、176、199が挙げられる。これらの中ではC.I.Disperse Yellow 54、及びC.I.Solvent Yellow 114から選択される染料が好ましい。
それらの具体例としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール等のジオール;グリセリン、トリメチロールプロパン等のアルコール性水酸基を2つ〜3つ有するC2−C6アルコール;ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のジ又はトリC2−C3アルキレングリコール;2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン等の複素環式ケトンが挙げられる。
また、水に溶解して湿潤剤としての役割をする化合物等も、便宜上本発明では水溶性有機溶剤に含めるものとし、例えば尿素、エチレン尿素及び糖類等が挙げられる。
前記インクが溶剤インクのとき、水不溶性の着色剤、及び、必要に応じてインク中に添加する、後記のインク調製剤以外の残部は有機溶剤である。
これらの中では水系インクが好ましい。
分散剤は1種類を使用することも、2種類以上を併用することもできる。また、式(1)で表される化合物の一部又は全てを分散剤で被覆することもできる。
分散剤としては、ノニオン分散剤、アニオン分散剤、及び高分子分散剤が挙げられ、目的に応じて適宜選択することができる。
分散剤の使用量は固形分換算で、式(1)で表される化合物の総質量に対して通常1%〜100%、好ましくは5%〜90%、より好ましくは10%〜80%である。
本明細書において「フィトステロール類」と記載したときは、フィトステロール及び/又は水添フィトステロールの両者を含む意味である。例えばフィトステロール類のエチレンオキサイド付加物としては、フィトステロールのエチレンオキサイド付加物及び/又は水添フィトステロールのエチレンオキサイド付加物が挙げられる。
コレスタノール類のアルキレンオキサイド付加物としては、コレスタノール類のC2‐C4アルキレンオキサイド付加物が好ましく、エチレンオキサイド付加物がより好ましい。
本明細書において「コレスタノール類」と記載したときは、コレスタノール類及び/又は水添コレスタノール類の両者を含む意味である。例えばコレスタノール類のエチレンオキサイド付加物としてはコレスタノールのエチレンオキサイド付加物及び/又は水添コレスタノールのエチレンオキサイド付加物が挙げられる。
フィトステロール類又はコレスタノール類1モル当たりのアルキレンオキサイド(好ましくはC2‐C4アルキレンオキサイド、より好ましくはエチレンオキサイド)の付加量は、10〜50モル程度で、HLBが13〜20程度のものが好ましい。
これらの具体例としては、例えば、NIKKOL BPS‐20、NIKKOL BPS‐30(フィトステロールのエチレンオキサイド付加物);NIKKOL BPSH‐25(水素添加フィトステロールのエチレンオキサイド付加物);及び、NIKKOL DHC‐30(コレスタノールのエチレンオキサイド付加物)等が挙げられる。
以下、特に断りの無い限り「スルホン酸のホルマリン縮合物」と記載したときは、「スルホン酸のホルマリン縮合物又はその塩、若しくはそれらの混合物」を意味する。
芳香族スルホン酸のホルマリン縮合物としては、例えば、クレオソート油スルホン酸;クレゾールスルホン酸;フェノールスルホン酸;β−ナフタレンスルホン酸;β−ナフトールスルホン酸;ベンゼンスルホン酸;クレゾールスルホン酸と2−ナフトール−6−スルホン酸;リグニンスルホン酸;等のホルマリン縮合物が挙げられる。これらの中では、クレオソート油スルホン酸;β−ナフタレンスルホン酸;リグニンスルホン酸の、各ホルマリン縮合物が好ましい。これらは単独で用いることができる。また、これらの1種類以上を併用することもできる。
このようなアニオン分散剤は、例えば、デモール N、デモール C、デモールSN−B(花王株式会社製);ラベリン Wシリーズ、ラベリン ANシリーズ(第一工業製薬株式会社製);バニレックス N、バニレックス RN、バニレックス G、パールレックス DP(日本製紙株式会社製)等として入手することができる。
これらの中では、スチレン及びその誘導体、及び(メタ)アクリル酸及びその誘導体からそれぞれ1種類以上が選択される、少なくとも2種類以上の単量体からなる共重合体が好ましい。そのような分散剤の具体例としては、例えば、BASF社製のジョンクリルシリーズが好ましい。
ジョンクリルシリーズとしては、例えば、ジョンクリル 67、68、586、611、678、680、682、683、690等が挙げられる。
分散処理を行った後に、濾過及び/又は遠心分離等により、ビーズ及び夾雑物等の除去を行う。このとき、目的とする平均粒径よりも巨大な粒子を除去することも好ましく行われる。このような粒子を除去することにより、プリンタヘッドの目詰まりを防止することができる。
分散液の調製中に泡立ちが生じるときは、公知のシリコーン系、アセチレングリコール系等の消泡剤を極微量加えることができる。
消泡剤としては、例えば、日信化学工業株式会社製のオルフィンシリーズ(SK−14等);エアープロダクツジャパン株式会社製のサーフィノールシリーズ(104、DF−110D等)等が挙げられる。
インク調製剤としては界面活性剤、防腐防黴剤、及びpH調整剤等が挙げられる。インク調製剤は、本発明の効果を阻害しない範囲で添加することができる。インク調製剤の含有量は合計で、インクの総質量に対して通常0〜25%程度、好ましくは0.01〜20%程度である。
ノニオン界面活性剤は、三洋化成工業株式会社製のニューポールシリーズ(PE−62等)、日信化学工業株式会社製のオルフィンシリーズ(E1004、E1010等)、エアープロダクツジャパン株式会社製のサーフィノールシリーズ(420、440、465等)、株式会社日本触媒製のソフタノールシリーズ(EP5035等)、花王株式会社製のエマルゲンシリーズ(911、A−60等)等として入手できる。
記録メディアとしては、例えば、紙、フィルム、繊維(ポリエステル、セルロース、ナイロン、羊毛等)、皮革、カラーフィルター用基材等が挙げられる。これらの中では繊維が好ましい。なお、繊維は、その構造物である布等も含む。
記録メディアが繊維のとき、繊維としては疎水性繊維が好ましい。疎水性繊維としては、例えばポリエステル繊維、ナイロン繊維、トリアセテート繊維、ジアセテート繊維、ポリアミド繊維、及びこれらの繊維を2種類以上用いた混紡繊維等が挙げられる。また、これらとレーヨン等の再生繊維、木綿、絹、羊毛等の天然繊維との混紡繊維も、それらの混紡繊維が疎水性繊維を含有する限り、本明細書においては疎水性繊維に含まれる。
これらの疎水性繊維としては、インク受容層(滲み防止層)を有するものも知られており、そのような疎水性繊維も同様に、本明細書における疎水性繊維に含まれる。インク受容層の形成方法は公知であり、インク受容層を有する繊維も市販品として入手できる。インク受容層の材質や構造等は、特に限定されず、目的等に応じて適宜選択することができる。
1つ目の方法は、ダイレクトプリント等と呼称される方法である。この方法は、前記9)に記載の記録方法において、記録メディアが繊維である記録方法である。
繊維に付着したインクの液滴中の着色剤は、例えば、公知のスチーミング又はベーキングによって繊維に固着できる。
スチーミングとしては、例えば高温スチーマーで通常170〜180℃で10分程度;また、高圧スチーマーで通常120〜130℃で20分程度の各条件で繊維を処理する方法が挙げられる。
ベーキング(サーモゾル)としては、例えば通常190℃〜210℃で60秒〜120秒程度の条件で繊維を処理する方法が挙げられる。
前記のようにして得られる捺染された繊維を温水、及び必要に応じて水で洗浄することにより、繊維に固着していない染料を洗浄できる。洗浄に使用する温水や水は、界面活性剤を含んでもよい。
洗浄後の繊維を、通常50〜120℃で、5〜30分乾燥することも好ましく行われる。
中間記録媒体としては、中間記録媒体に付着したインク中の着色剤が、その表面で凝集せず、且つ記録メディアへ記録画像の転写を行うときに、着色剤の昇華を妨害しないものが好ましい。
そのような中間記録媒体の一例としては、インク受容層を有する紙が挙げられ、インクジェット専用紙等を用いることができる。
中間記録媒体から記録メディアへ記録画像を転写するときの熱処理としては、通常170〜200℃程度での乾熱処理が挙げられる。
糊剤としては、グアー、ローカストビーン等の天然ガム類、澱粉類、アルギン酸ソーダ、ふのり等の海藻類、ペクチン酸等の植物皮類、メチル繊維素、エチル繊維素、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等の繊維素誘導体、カルボキシメチル澱粉等の加工澱粉、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸エステル等の合成糊等が挙げられる。
アルカリ性物質としては、例えば無機酸又は有機酸のアルカリ金属塩;アルカリ土類金属の塩;及び、加熱した際にアルカリを遊離する化合物から選択される物質が挙げられる。その具体例としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム等のアルカリ金属の水酸化物;炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸ナトリウム等の無機化合物のアルカリ金属塩;蟻酸ナトリウム、トリクロル酢酸ナトリウム等の有機化合物のアルカリ金属塩等が挙げられる。
還元防止剤としては、メタニトロベンゼンスルホン酸ナトリウム等が挙げられる。
前記ヒドロトロピー剤としては、尿素、ジメチル尿素等の尿素類等が挙げられる。
前記の糊剤、アルカリ性物質、還元防止剤、及びヒドロトロピー剤は、いずれも単一の化合物を使用することができる。また、それぞれ複数の化合物を併用することもできる。
前処理液の総質量に対する前処理剤の含有量は、例えば、糊剤が0.5%〜5%、アルカリ性物質が0.5%〜5%、還元防止剤が0%〜5%、ヒドロトロピー剤が1%〜20%、残部が水である。
前処理は、糊剤、アルカリ性物質、還元防止剤、及びヒドロトロピー剤等の前処理剤を含有する液を前処理液とし、繊維に含浸、塗布、及びインクジェット記録等から選択される方法で付与するのが好ましい。具体例としては、例えば、パディング法が挙げられる。パディングの絞り率は40〜90%程度が好ましく、より好ましくは60〜80%程度である。
実施例で使用した水は、特に断りのない限りイオン交換水である。
スルホラン75部中に、1,4−ジアミノ−2,3−アンスラキノンジカルボキシイミド3部、3−アミノペンタン25部を加えて液を得た。得られた液をオートクレーブ中で140℃に加熱し、6時間反応させた後、室温まで冷却して液を得た。得られた液から析出した固体を濾過分離し、メタノール100部、水200部で洗浄した後、乾燥することにより、下記式(4)で表される化合物3.1部を得た。
スルホラン75部中に、1,4−ジアミノ−2,3−アンスラキノンジカルボキシイミド3.0部、1−アミノブタン25部を加えて液を得た。得られた液をオートクレーブ中で140℃に加熱し、6時間反応させた後、室温まで冷却して液を得た。得られた液から析出した固体を濾過分離し、メタノール100部、水200部で洗浄した後、乾燥することにより、下記式(5)で表される化合物2.9部を得た。
イエローインクが含有する水不溶性着色剤のλmaxは、着色剤の希釈倍率(ミリリットル/g)が下記表2になるように、着色剤をアセトンに溶解させてサンプルを調製し、株式会社島津製作所製のUV−2700を用いて測定した。下記表2中の「Abs.」は、吸光度を意味する。
48%水酸化ナトリウム水溶液(3.1部)、イオン交換水(96.9部)、及びプロピレングリコール(60部)の混合液にジョンクリル678(40部)を加え、90℃に加熱して5時間撹拌することにより、分散剤の溶液を得た。下記表3中の「JC678」は、この分散剤の溶液を意味する。
下記表3に記載の各成分をサンドミルに入れ、0.3mmのジルコニアビーズを加えて、水冷下、1500rpm、15時間の条件で分散処理を行って液を得た。得られた液にイオン交換水を加えて希釈することにより、液中の着色剤の含有量を15%に調整した。この液をガラス繊維ろ紙GC−50(ADVANTEC社製)で濾過することにより、着色剤の含有量が15%の分散液Dp1〜Dp4をそれぞれ得た。
式(4):前記式(4)で表される化合物。
式(5):前記式(5)で表される化合物。
DB60:C.I.Disperse Blue 60。
DY54:C.I.Disperse Yellow 54。
SF104:サーフィノール 104PG50。
GXL:プロキセル GXL。
下記表4に記載の各成分を混合してインクを得た。得られたインクを、5μmのメンブレンフィルターで濾過することにより、試験用のインク1〜4をそれぞれ得た。各インク中の着色剤の総含有量は、4.8%に調整した。
Dp1〜Dp4:前記表3に記載の分散液Dp1〜Dp4。
Gly:グリセリン。
PG:プロピレングリコール。
EC8600:アデカコール EC−8600。
GXL:プロキセル GXL。
TEA:トリエタノールアミン。
前記のインクを下記表5のとおりに組み合わせて、実施例と比較例のインクセットとした。得られたインクセットをそれぞれ使用し、中間記録媒体である昇華転写紙(転写紙JC95g−89、ミマキエンジニアリング株式会社製)に対して、インクジェットプリンタPX−205(セイコーエプソン社製)にて、シアンインク及びイエローインクの割合が50/50となるように各インクを吐出したベタ柄を記録した。得られた転写紙のインクの付与面を10cm×10cmに裁断し、同じ大きさのポリエステル布(トロピカル、帝人株式会社製)と重ね合わせた。この状態の転写紙/ポリエステル布を、熱プレス機(AF−65 TEN、アサヒ繊維機械株式会社製)を用いて200℃×60秒の条件にて熱処理することにより、転写紙からポリエステル布へ昇華転写を行い、グリーンに染色された各染布を得た。得られた各染布を試験染布とし、下記する評価試験を行った。
スガ試験機株式会社製の低温キセノンウェザオメーター XL75を用い、50W/m2(300〜400nm)、湿度60%RH、温度24℃、ブラックパネル温度63℃の条件下に、各試験染布に58時間照射した。
GRETAG−MACBETH社製の測色機、SpectroEyeを用いて各染布を測色し、ODC値、及びODY値を測定した。ODC値、ODY値は、大きい方が発色濃度が高いことを示し、画像品質として優れる。耐光性ΔEは試験前後の各染布を測色し、(試験前後Lab)式で求めた。ΔEは、小さいほど変色の度合いが低いことを示し、優れた結果であることを意味する。結果を下記表6に示す。
Claims (11)
- 前記式(1)において、Xが酸素原子である請求項1に記載のインクセット。
- イエローインクが含有する水不溶性の着色剤が、380nm〜480nmの範囲に最大吸収波長を有する着色剤である請求項1に記載のインクセット。
- イエローインクが含有する水不溶性の着色剤が、380nm〜450nmの範囲に最大吸収波長を有する着色剤である請求項1に記載のインクセット。
- イエローインクが含有する水不溶性の着色剤が、C.I.Disperse Yellow、C.I.Disperse Orange、C.I.Solvent Yellow、及び、C.I.Solvent Orangeから選択される染料である、請求項1、3及び4のいずれか一項に記載のインクセット。
- イエローインクが含有する水不溶性の着色剤が、C.I.Disperse Yellow、及び、C.I.Disperse Orangeから選択される染料である、請求項1、3及び4のいずれか一項に記載のインクセット。
- イエローインクが含有する水不溶性の着色剤が、C.I.Disperse Yellowである請求項1、3及び4のいずれか一項に記載のインクセット。
- 請求項1〜7のいずれか一項に記載のインクセットのうち、1種類以上のインクの液滴を、インクジェットプリンタを用いて吐出させ、記録メディアに付着させることにより記録を行うインクジェット記録方法。
- 請求項1〜7のいずれか一項に記載のインクセットのうち、1種類以上のインクの液滴を、インクジェットプリンタを用いて吐出させ、中間記録媒体に付着させることにより、中間記録媒体に記録画像を形成させる工程、及び、
中間記録媒体に形成させた記録画像と、記録メディアとを接触させた後、中間記録媒体又は記録メディアの少なくとも一方に対して熱処理を行うことにより、記録画像を中間記録媒体から記録メディアに熱転写する工程、により記録メディアに記録を行うインクジェット記録方法。 - 前記の記録メディアが繊維である、請求項8又は9に記載のインクジェット記録方法。
- 前記の繊維が、糊材、アルカリ性物質、還元防止剤、及びヒドロトロピー剤から選択される1種類以上を含有する液により前処理された繊維である、請求項10に記載のインクジェット記録方法。
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