JP5704821B2 - インク、インクジェット記録方法、インクカートリッジ、及びインクジェット記録装置 - Google Patents

インク、インクジェット記録方法、インクカートリッジ、及びインクジェット記録装置 Download PDF

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Description

本発明は、キナクリドン顔料であるC.I.ピグメントレッド202とC.I.ピグメントバイオレット19との固溶体を含有するインク、該インクを用いたインクジェット記録方法、インクカートリッジ、及びインクジェット記録装置に関する。
フルカラーの画像を記録するためには、一般的に、減法混色の基本3原色のインク(イエロー、マゼンタ、及びシアン)と、ブラックインクとの4種のインクを組み合わせて使用する。また、インクジェット記録方法などにより得られる画像の堅牢性を向上するために、色材として顔料を含有するインク(顔料インク)が広く用いられている。
近年、インクジェット記録方法により得られる記録物の高画質化が進み、銀塩写真と同等レベルの優れた画質を有する記録物を出力することが要求されるようになっている。例えば、高い光沢性を有する記録媒体(以下、光沢紙と呼ぶ)に顔料インクで記録した画像では、光沢性の低下が生じ易いという傾向があり、この光沢性の低下を抑制しながら、より広い色再現範囲を達成することが強く要求されている。
特に、マゼンタインクにより記録される赤色領域の画像は人間の視覚に与える影響が非常に大きく、マゼンタインクにより記録される画像の発色性を高めることについての提案が数多くなされている。インクジェット用のマゼンタインクに用いられる顔料として、C.I.ピグメントレッド202及びC.I.ピグメントバイオレット19の固溶体に関する提案がある(特許文献1〜5参照)。
また、マゼンタインクに限らず、記録した画像の発色性を向上させるために、顔料の粒子径分布や、一次粒子径及び二次粒子径の比を規定することに関する提案もある(特許文献6及び7参照)。
特開平10−219166号公報 特開平11−029728号公報 特開2006−282802号公報 特開2006−282810号公報 特開2008−285522号公報 特開2004−175880号公報 特開2006−002141号公報
しかし、従来のマゼンタインクでは、光沢性の低下を抑制しながら、銀塩写真と同等の赤色領域の色再現範囲を有することと、インクの保存安定性とを、近年において求められる高いレベルで両立させることは、できていないのが現状である。
したがって、本発明の目的は、高いレベルで、インクの保存安定性が保たれ、光沢紙に記録した画像の光沢性にも優れ、かつ、赤色領域の色再現範囲を従来よりも広げることが可能となる優れたインクを提供することにある。また、本発明の別の目的は、銀塩写真と同等の赤色領域の色再現性を有し、かつ、光沢性にも優れる画像を安定して提供しうる、インクジェット記録方法、インクカートリッジ、及びインクジェット記録装置を提供することにある。
上記の目的は以下の本発明によって達成される。すなわち、本発明にかかるインクは、少なくとも、顔料を含有するインクであって、前記顔料が、C.I.ピグメントレッド202とC.I.ピグメントバイオレット19との固溶体であり、前記顔料の一次粒子径D(nm)と前記顔料の粒子径分布の50%累積値D50(nm)とが、D×0.95≦D50≦130の関係を満たし、かつ、前記顔料の粒子径分布の90%累積値D90(nm)と前記D50(nm)とが、1.5≦D90/D50≦2.2の関係を満たし、前記D(nm)が、50nm以上120nm以下であることを特徴とする。
本発明によれば、高いレベルで、インクの保存安定性が保たれ、光沢紙に記録した画像の光沢性にも優れ、かつ、赤色領域の色再現範囲を従来よりも広げることが可能となるインクが提供される。また、本発明によれば、銀塩写真と同等の赤色領域の色再現性を有し、かつ、光沢性にも優れる画像を安定して提供しうる、インクジェット記録方法、インクカートリッジ、及びインクジェット記録装置が提供される。
顔料の粉末X線回折図である。
以下、好適な実施の形態を挙げて本発明を詳細に説明する。なお、以下の記載において、複数の顔料の固溶体のことを単に「顔料」と呼ぶことがある。
本発明者らは、マゼンタインクにより記録した画像の彩度や光沢性を高めることを主たる目的として、インクジェット用のインクに使用する顔料として一般的なキナクリドン系の顔料や固溶体について、検討を行った。その結果、顔料としてC.I.ピグメントレッド202とC.I.ピグメントバイオレット19との2種の顔料の固溶体を用いることで、優れた彩度や光沢性を有する画像を得ることが可能となるという知見を得た。しかし、一般的な顔料と比較して、固溶体はその分散状態を安定に保つことが難しい場合がある。
そこで、本発明者らは、前記固溶体を含有するインクを長期間に渡って安定に保つ、つまり、インクの保存安定性を向上するために最適な分散条件についての検討を行った。その結果、インク中の顔料が、以下に挙げる2つの条件を満足した顔料構成となるようにすることで、インクの保存安定性が顕著に向上するだけでなく、記録画像の彩度や光沢性もが向上することを見出して、本発明に至った。
顔料として、C.I.ピグメントレッド202とC.I.ピグメントバイオレット19との固溶体(以下、単に顔料と呼ぶことがある)を含有するインクの場合の、上記効果を得るために必要となる1つ目の条件は、下記の通りである。すなわち、該顔料がインク中で存在する形態(二次粒子)の平均粒子径を小さくし、かつ、該顔料の一次粒子をできるだけ壊さないようにすることが必要である。具体的には、顔料(固溶体)を含有するインクにおける、該顔料の一次粒子径D(nm)と、該顔料の粒子径分布の50%累積値D50(nm)とが、D×0.95≦D50≦130の関係を満たすことが必要である。
上記効果を得るために必要となる2つ目の条件としては、上記に加えて、顔料(固溶体)を含有するインクにおける、該顔料の粒子径分布をより狭い状態とする、すなわち、顔料の粒子径をできるだけ揃えることである。具体的には、該顔料の粒子径分布の90%累積値D90(nm)と該顔料の粒子径分布の50%累積値D50(nm)とが、1.5≦D90/D50≦2.2の関係を満たすことが必要である。
本発明において、「平均粒子径」とはインク中で存在する形態(二次粒子)の顔料の粒子径を指し、本発明で規定する「一次粒子径」とは、この顔料粒子を形成する最小単位の顔料の粒子径のことを指すものとする。したがって、本発明で規定する「顔料の粒子径分布」とは、インク中に存在する形態の顔料としての粒子径分布を指すことになる。また、本発明においては、以下、顔料の粒子径分布の50%累積値D50(nm)及び顔料の粒子径分布の90%累積値D90(nm)を、それぞれD50及びD90と省略して呼ぶことがある。なお、インク中に存在する形態において、粒子径が小さい顔料粒子は、ひとつの一次粒子で形成されることもあり、この場合は一次粒子径が二次粒子径と同等となることもあり得る。
本発明で規定する上記の2つの条件を満たすことで、インク中において顔料が安定に分散され、インクの保存安定性が向上し、さらには画像の彩度や光沢性もが向上する理由を、本発明者らは以下のように推測している。
先ず、顔料の平均粒子径と顔料の一次粒子径の関係が、顔料の保存安定性や形成した画像の彩度や光沢性に大きく関係する理由について説明する。一般に、顔料の平均粒子径を小さくすると、記録画像の彩度や光沢性は向上することが知られている。実際、本発明者らも、顔料の平均粒子径D50を小さくすることで、記録媒体に記録した画像の光散乱が減少し、画像の彩度や光沢性が向上することを確認した。
しかし、本発明者らの検討の結果、顔料の平均粒子径を小さくした場合、インクの保存安定性を十分満足できない場合があることがわかったため、この要因についての解析を行った。その結果、以下のことがわかった。すなわち、顔料を微細化するために衝撃力やせん断力を加えることは、顔料の結晶構造にひずみを与えることになる。その結果、顔料粒子は不安定な状態となり、凝集を起こしやすくなり、この結果、長期間にわたってインクの保存安定性を満足することができなくなると考えられる。一方、顔料の一次粒子径に比べて、顔料の平均粒子径が極端に大きい場合、記録画像において光散乱による影響が大きくなるため、彩度や光沢性が得られなくなる。
以上のことから、顔料としてC.I.ピグメントレッド202とC.I.ピグメントバイオレット19との固溶体(顔料)を含有するインクの保存安定性を満足し、さらに、記録した画像の彩度や光沢性を向上させるためには、先ず、下記のことが要求される。すなわち、該顔料の一次粒子径D(nm)と該顔料の粒子径分布の50%累積値D50(nm)とが、D×0.95≦D50≦130の関係を満たすことが必要である。D50の値が130より大きいと、記録画像の彩度や光沢性が得られなくなり、D50の値がD×0.95の値より小さいと、インクの保存安定性が得られなくなる。また、顔料の平均粒子径には分布があり、小粒径側の分布状態の広がりがインクの保存安定性に影響を与える場合がある。したがって、インクの保存安定性をより向上するためには、D×1.55≦D50、さらにはD×1.9≦D50の関係を満たすことがより好ましい。>D50の値がD×1.55の値より小さいと、保存安定性が十分に得られず、特にサーマルタイプのインクジェット方式でインクを吐出する際に、安定な吐出を維持することが困難となる場合がある。
次に、顔料(C.I.ピグメントレッド202とC.I.ピグメントバイオレット19との固溶体)の粒子径分布と、記録画像における彩度や光沢性との関係について説明する。本発明者らは、前記の検討結果から、該顔料の一次粒子径D(nm)と前記顔料の粒子径分布の50%累積値D50(nm)とが、D×0.95≦D50≦130の関係を満たすように顔料を分散することについての検討を進めた。その過程で、顔料の一次粒子径と該顔料のD50との関係が同じ値であるにも関わらず、記録した画像の彩度や光沢性が異なる場合があるという知見を得た。具体的には、顔料の一次粒子径と顔料のD50の関係が同じ値であっても、粒子径分布が狭い顔料の方が、記録した画像の彩度や光沢性が向上することがわかった。この要因についての解析を行った結果、以下のことがわかった。すなわち、記録した画像の彩度や光沢性は、記録媒体に記録される顔料層の表面状態に大きく左右される。具体的には、より高い彩度や光沢性を有する画像とするためには、顔料層を平滑にする必要がある。本発明者らの検討によると、粒子径分布が広い顔料よりも、粒子径分布の狭い顔料の方がより密に積層するため、上記の顔料層がより平滑となることがわかった。その結果、同じ平均粒子径を有する顔料であっても、その粒子径分布によって顔料層の平滑性に差が生じ、記録した画像の彩度や光沢性にも差が生じたものと考えている。
以上のことから、前記顔料を含有するインクの保存安定性を満足し、さらに、記録した画像の彩度や光沢性を向上させるためには、上記の要件に加えて、さらに下記のことが要求される。すなわち、前記顔料の粒子径分布の90%累積値D90(nm)と、前記顔料の粒子径分布の50%累積値D50(nm)とが、少なくとも、D90/D50≦2.2の関係を満たすことが必要である。なお、本発明者らの検討によると、D90/D50の値を小さくするほど、画像の彩度や光沢性を向上させることはできるが、D90/D50を1.5より小さくすることは、顔料分散体の製造コストや工程数の観点であまり好ましくない。一方、D90/D50の値が2.2よりも大きいと、画像の彩度や光沢性が得られない。したがって、これらを勘案すると、本発明のインクにおいては、1.5≦D90/D50≦2.2の要件を満たす必要がある。
以上をまとめると、インクの保存安定性が保たれ、光沢紙に記録した画像の光沢性にも優れ、かつ、赤色領域の色再現範囲を従来よりも広げることが可能となるインクとするためには、インク中の顔料に下記の2点のいずれもが要求される。すなわち、インク中の顔料は、一次粒子径と分散粒子径が最適な関係性を有し、かつ、D90/D50で示される粒子径分布が狭いことが必要である。具体的には、先ず、固溶体からなる前記顔料を含有するインクにおいて、該顔料の一次粒子径D(nm)と該顔料の粒子径分布の50%累積値D50(nm)とが、D×0.95≦D50≦130の関係を満たすことが必要となる。さらに、該顔料の粒子径分布の90%累積値D90(nm)と該顔料の粒子径分布の50%累積値D50(nm)とが、1.5≦D90/D50≦2.2の関係を満たすことが重要である。
本発明において規定した顔料の一次粒子径D(nm)は、下記のようにして求めた値である。顔料分散体やインクを純水により適宜希釈した後、透過型電子顕微鏡や走査型電子顕微鏡を用いて観察した顔料粒子を形成する最小単位の粒子径について、必要に応じて画像処理を行い、100点以上を測定した一次粒子径の平均値である。より詳細には、ひとつの一次粒子について短軸径B(nm)及び長軸径L(nm)をそれぞれ測定し、(B+L)/2の値を該一次粒子の一次粒子径とし、このような方法によって求められた100点以上の平均値を一次粒子径とした。なお、上述の通り、ひとつの一次粒子で形成される顔料粒子の場合は、その粒子径が一次粒子径となる。後述する実施例においては、走査型電子顕微鏡として、日立超高性能分析走査電子顕微鏡SU−70(日立ハイテクノロジーズ製)を用いて観察を行い、一次粒子径Dの測定を行った。また、本発明における顔料の粒子径分布の50%累積値D50(nm)及び顔料の粒子径分布の90%累積値D90(nm)は、体積基準の粒子径の平均値、すなわち体積平均粒子径である。このようなD50及びD90は、例えば、動的光散乱方式の粒度分布測定装置を用いて測定することができる。勿論、本発明はこれに限られるものではない。後述する実施例においては、動的光散乱方式の粒度分布測定装置として、ナノトラックUPA150EX(日機装製)を用いてD50及びD90の測定を行った。
ここで、従来技術と、上記した構成を必須とする本発明との相違について説明する。従来技術の説明の際に挙げたように、本発明において使用するような複数の顔料の固溶体を色材とする顔料インクについての提案は数多くある(従来技術として挙げた特許文献1〜5参照)。しかし、過去に開示されているどの文献にも、本発明が規定しているような、顔料分散体における平均粒子径と、顔料の一次粒子径との関係に注目することについての記載はない。さらに、顔料の粒子径分布の90%累積値D90と50%累積値D50の関係についても記載されていない。
例えば、特許文献1及び2では、C.I.ピグメントレッド202とC.I.ピグメントバイオレット19との固溶体を色材とする顔料インクが記載されているものの、画像の発色性や光学濃度を向上させることを目的としている。このために、顔料の平均粒子径が小さくならないように分散を行っており、本発明で規定する顔料のD50及び一次粒子径の関係を満たさず、画像の彩度や光沢性が不十分である。
特許文献1及び2と同様に、特許文献3〜5にも、C.I.ピグメントレッド202とC.I.ピグメントバイオレット19との固溶体を含有するインクが記載されている。しかし、本発明者らの検討の結果、これらの特許文献に記載された分散方法では、顔料の平均粒子径を小さくすることはできても、D90/D50を2.2以下とすることは不可能であり、このため、画像の彩度や光沢性が不十分であることがわかった。
一方、上記特許文献6及び7で挙げられているように、顔料の種類によらず、顔料の平均粒子径や粒子径分布、平均一次粒子径と平均二次粒子径の比など、顔料の分散粒子径を制御する検討はこれまでにも行われてきた。
特許文献6においては、ある粒子径範囲内の粒子の割合を規定しているが、各顔料のもつ一次粒子径と分散して得られた粒子径との関連性については記載されていない。一次粒子径とは、通常の顔料粒子のうち、他と明確に区別できる最小単位の径のことであり、分散された際の粒子径がこの一次粒子径よりも小さいことは、顔料そのものの結晶を破壊することを意味する。そのため、顔料分散体の分散安定性が得られなくなるので、分散安定性の観点から、その顔料がもつ一次粒子径とのバランスが取れた分散粒子径とする必要がある。また、上記特許文献7では、平均一次粒子径と平均二次粒子径との比についての記載がある。二次粒子とは、顔料分散体中に存在している顔料の一次粒子が凝集した凝集物のことであり、一般に種々の測定機で得られる粒子径のことである。しかし、本発明者らの検討によれば、キナクリドン系の固溶体において、特許文献7に記載されているように平均一次粒子径を50nm以下にした場合には、一次粒子同士の相互作用が強くなるため、分散が難しくなり、顔料分散体の分散安定性が得られなくなる。
<インク>
以下、本発明のインクを構成する成分などについて詳細に説明する。
(顔料)
本発明のインクに使用する顔料はC.I.ピグメントレッド202とC.I.ピグメントバイオレット19との固溶体である。本発明における「固溶体」とは、2種以上の顔料分子の混晶体(混合状態で結晶化した状態)として存在する顔料のことを指し、2種以上の顔料を単純に混合したものとは異なる。固溶体の製造方法は、例えば、特開昭60−35055号公報や特開平2−38463号公報に開示されている。
2種以上の顔料が固溶体を形成しているかの検証は、X線回折分析などによって容易に行うことができる。2種以上の顔料を単純に混合したものである場合、各顔料のX線回折パターンの重ね合わせに相当するパターンが得られ、そのピーク強度は各顔料の配合比率に比例する。一方、2種以上の顔料が固溶体を形成している場合、各顔料のX線回折パターンとは異なるX線回折パターンを示す。
後述する実施例で使用している顔料A〜Gは、下記のようにして得られた固溶体であり、それぞれ一次粒子径が異なる。図1に、C.I.ピグメントレッド202(破線)、C.I.ピグメントバイオレット19(一点鎖線)、及び固溶体(実施例で使用の顔料A〜G;実線)の粉末X線回折図を示した。横軸は入射角(°)、縦軸は回折強度である。該固溶体は、C.I.ピグメントレッド202及びC.I.ピグメントバイオレット19のそれぞれのプレスケーキについて、先に挙げた特許文献などに記載されている通常の有機溶剤処理を行って得られたものである。図1から明らかなように、C.I.ピグメントレッド202及びC.I.ピグメントバイオレット19の粉末X線回折図と、これらの固溶体の粉末X線回折図とでは、それぞれピークの位置が異なる。このことから、図1に実線で示されているものは、顔料の混合物ではなく、固溶体を形成していることがわかる。
顔料の一次粒子径D(nm)は、50nm以上120nm以下であることが好ましい。一次粒子径Dが50nm未満であると、顔料そのものの耐光性が低いため、画像の耐光性も十分に得られない場合や、分散安定性を保つために多くの樹脂が必要となる場合があるので好ましくない。このように樹脂を多く含有すると記録画像の平滑性が損なわれ、彩度や光沢性が十分に得られない場合がある。一方、一次粒子径Dが120nmよりも大きいと、顔料の平均粒子径が非常に大きくなり、記録した画像の彩度や光沢性を十分に満足することができない場合があるので好ましくない。
また、本発明においては、インク中の顔料の含有量(質量%)が、インク全質量を基準として、0.1質量%以上10.0質量%以下、さらには0.5質量%以上5.0質量%以下であることが好ましい。顔料の含有量が上記の範囲内であると、記録画像の画像濃度と、インクジェット用のインクとしての吐出安定性と、をより高いレベルで両立することができる。
(樹脂)
本発明のインクは、顔料に加えて樹脂を含有してなるものであることが好ましく、前記した特定の顔料と樹脂とを含有してなる顔料分散体を用いて調製することができる。本発明においては、その技術課題から、特に、光沢紙に記録した画像の耐擦過性などを考慮し、樹脂により顔料が良好な状態に分散されてなる顔料分散体であることが好ましい。なお、本発明における「樹脂により分散された顔料」とは、顔料粒子の表面に樹脂が物理的に吸着してなる樹脂分散顔料は勿論のこと、その他にも以下のようなものが挙げられる。具体的には、高分子の構造を少なくとも有する有機基(樹脂)が顔料粒子の表面に化学的に結合してなる樹脂結合型自己分散顔料や、有機高分子などで顔料を被覆してなるマイクロカプセル顔料が挙げられる。本発明者らの検討の結果、樹脂分散顔料が最も好ましく、それ以外のものの中では、本発明の目的を達成するのに好ましい顔料分散体は、樹脂結合型自己分散顔料であることがわかった。これは、樹脂が顔料粒子の表面に化学的に結合しているため、樹脂がより安定に分散されるためであると考えられる。
顔料を分散するための樹脂としては、以下に挙げるようなモノマーを含んだ材料で重合されたものを用いることが好ましい。スチレン、α−メチルスチレン、n−ブチルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、ベンジルメタクリレートなどのカルボキシ基を有する疎水性のモノマー。アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、エタアクリル酸、プロピルアクリル酸、イソプロピルアクリル酸、イタコン酸、フマール酸などのカルボキシ基を有する親水性のモノマー。スチレンスルホン酸、スルホン酸−2−プロピルアクリルアミド、アクリル酸−2−スルホン酸エチル、メタクリル酸−2−スルホン酸エチル、ブチルアクリルアミドスルホン酸などのスルホン酸基を有する親水性のモノマー。メタクリル酸−2−ホスホン酸エチル、アクリル酸−2−ホスホン酸エチルなどのホスホン酸基を有する親水性のモノマー。
本発明で用いる固溶体のように、2種以上の顔料の固溶体は、一般的な顔料と比較して、分散状態を安定に保つことが難しい。本発明においては、このような固溶体を分散する樹脂として、耐加水分解性に優れ、分散安定性を向上することができるため、少なくともアクリル酸系モノマーを含んだ材料を重合した樹脂、すなわちアクリル酸系樹脂を用いることが好ましい。さらには、エチレンオキサイド基及びプロピレンオキサイド基、又はこれらの混合物などのノニオン性基を含んだ材料を重合した樹脂、すなわち、その構造中にノニオン性ユニットを有する樹脂を使用することが特に好ましい。このような樹脂により分散された顔料分散体を含有するインクを用いて光沢紙に画像を記録する場合、ノニオン性ユニットを有さない樹脂と比較して、顔料の凝集をより効果的に抑制することが可能となり、画像の光沢性を顕著に向上させることができるためである。
また、本発明においては、記録した画像の光沢性をより向上させるために、酸価が、50mgKOH/g以上300mgKOH/g以下である樹脂を用いることが好ましい。酸価が上記範囲内であると、記録画像の表面がより平滑となり、より光沢性が向上する。樹脂の酸価が50mgKOH/g未満であると、静電反発により顔料の分散安定性が低下する場合があるため、画像を記録する際にインクの粘度が上昇し、結果として記録画像の表面が荒れるようになり、彩度や光沢性が十分に得られない場合がある。一方、樹脂の酸価が300mgKOH/gを超えると、顔料粒子の表面に対する樹脂の吸着能が低下し、脱離した樹脂が記録媒体に浸透するため、記録画像の表面に存在する樹脂が少なくなり、光沢性が十分に得られない場合がある。また、重量平均分子量が、1,000以上30,000以下、さらには3,000以上15,000以下である樹脂を用いることが好ましい。
インク中の顔料の含有量は、インク中における樹脂の含有量に対して、質量比率で、0.30倍以上10.0倍以下であること、すなわち、顔料の含有量/樹脂の含有量=0.30以上10.0以下であることが好ましい。なお、この場合の樹脂及び顔料の含有量の値は、インク全質量を基準とした場合における各成分の含有量のことである。前記質量比率が0.30倍以上10.0倍以下の範囲内であれば、顔料の分散状態を特に安定に保つことができる。前記質量比率が0.30倍未満であると、顔料の量に対して樹脂の量が過剰となり、先にも述べた通り、記録画像の彩度や光沢性が十分に得られない場合がある。一方、前記質量比率が10.0倍を超えると、顔料の量に対する樹脂の量が不十分となるため、顔料分散体を製造する際に均一な分散体とならないことや、顔料分散体の製造が困難となることがあり、インクの保存安定性が十分に得られない場合がある。本発明においては、前記質量比率を2.0倍以上とすると、記録した画像の光沢性を顕著に向上させることができるため、特に好ましい。
(水性媒体、その他の成分)
本発明のインクは、顔料及び樹脂の他、水及び水溶性有機溶剤の混合溶媒である水性媒体を含有してなるものであることが好ましい。水としては、イオン交換水などの脱イオン水を用いることが好ましい。インク中の水の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、50.0質量%以上95.0質量%以下であることが好ましい。
インク中の水溶性有機溶剤の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、3.0質量%以上50.0質量%以下であることが好ましい。なお、この含有量の範囲は、後述する1,2−アルカンジオールの含有量を含むものである。水溶性有機溶剤としては、例えば、以下に挙げるようなものから選択される1種又は2種以上を用いることができる。ジエチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル、トリエチレングリコールモノエチル(又はブチル)エーテルなどのグリコールエーテル類。メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、イソブタノール、t−ブタノールなどの炭素数1乃至4のアルカノール類。N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドなどのカルボン酸アミド類。アセトン。メチルエチルケトン、2−メチル−2−ヒドロキシペンタン−4−オンなどのケトン類又はケトアルコール類。テトラヒドロフラン、ジオキサンなどの環状エーテル類。エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコールなどのグリコール類。平均分子量が200以上2,000以下、具体的には、平均分子量が200、400、600、1,000、及び2,000などのポリエチレングリコール類。アセチレングリコール誘導体など。グリセリン、1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,2,6−ヘキサントリオールなどの多価アルコール類。2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N−メチルモルホリンなどの複素環類。チオジグリコール、ジメチルスルホキシドなどの含硫黄化合物。
また、インクには、保湿性などの維持のために、上記した成分の他に、尿素、尿素誘導体、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタンなどの保湿性を有する常温で固体の化合物を含有させてもよい。上記の化合物のインク中の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、0.1質量%以上20.0質量%以下、さらには3.0質量%以上10.0質量%以下であることが好ましい。さらに、インクには、上記した成分以外にも必要に応じて、界面活性剤、pH調整剤、防錆剤、防腐剤、防黴剤、酸化防止剤、還元防止剤などの種々の添加剤を含有させてもよい。
画像品位をより向上させるために、インクジェット記録方法において近年多用される、いわゆる多パス記録では、得られる画像の光沢性が低下しやすいという課題がある。この多パス記録とは、記録ヘッドを主走査方向に2回以上走査させることによって単位領域の画像を記録する方法であり、記録媒体の単位領域に対して、記録ヘッドのn回の走査によって画像を記録する画像記録方法がnパス記録(nは1以上)である。上記の単位領域とは、解像度に対応した1画素や1回の記録ヘッドの走査で記録される画像の領域である1バンドなどのことであり、種々の領域として設定することができる。
上記の多パス記録を行う場合、先の記録パスで形成されたドットが記録媒体に定着し終わった後に、それに続く記録パスでドットが形成されることになり、これらのドットは、少なくともその端部が重なることが多い。このため、多パス記録を行う場合は、複数のドット間に段差が生じることで、ドット全体の平滑性がより低くなり、光沢性が低下しやすい。したがって、多パス記録を行うような場合にも、画像の光沢性を高いレベルで得るためには、先の記録パスで形成されたドットと、その上に形成されるドット、すなわち、後の記録パスで付与されるドットとの相溶性を考慮する必要がある。例えば、先に形成されたドット、つまり、記録媒体にほぼ定着しているようなドットの上に、後から付与されるインク滴が相溶性を有していれば、複数のドット間における段差を抑えることができ、平滑性が高くなるため、光沢性の向上が期待できる。
固溶体を含有し、上述のような粒子径分布の特性を満足するインクを用いて多パス記録を行う場合であっても記録画像の光沢性を特に向上させるためには、1,2−アルカンジオール及びポリオキシエチレンアルキルエーテルをインクに含有させることが好ましい。これらの化合物を使用することで、記録画像の光沢性が特に向上する理由を、本発明者らは以下のように推測している。
1,2−アルカンジオールは、記録ヘッドからインクが吐出され、液滴が形成された際に速やかに液滴の界面張力を低下させる作用を有する水溶性有機溶剤である。このため、1,2−アルカンジオールを使用することで、インクが記録媒体に付与され、ドットが形成される際に、記録媒体にインクが吸収される以前にドット径を速やかに大きくすることができる。これによりドットが平滑となることで、ある程度画像の光沢性を向上することができると考えられる。また、ポリオキシエチレンアルキルエーテルは、先に形成されたドットが記録媒体に定着するまでの時間を若干長くする作用を有する界面活性剤である。このため、ポリオキシエチレンアルキルエーテルを使用することで、先に形成されたドットと、その上に付与されるインクにより形成されるドットとの相溶性が高められることで、複数のドット間における段差が小さくすることができる。このようなメカニズムにより、ドットの平滑性が高くなり、また、複数のドット間における段差が小さくなり、記録画像の光沢性を顕著に向上させることができるものと考えている。
本発明のインクに好適に用いることができる1,2−アルカンジオールとしては、分子中の炭素数が5乃至8であるものが挙げられる。具体的には、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−ヘプタンジオール、及び1,2−オクタンジオールから選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。炭素数が5未満であると画像の光沢性を向上する効果が小さくなる場合があり、炭素数が8を超えるとほとんど水に溶解せず、水に溶解させるためには何らかの共溶媒が必要となる場合がある。インク中の1,2−アルカンジオールの含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、1.0質量%以上20.0質量%以下、さらには1.0質量%以上10.0質量%以下であることが好ましい。
また、ポリオキシエチレンアルキルエーテルは、R−O−(CH2CH2O)n−Hで表される構造を有する界面活性剤である。式中、Rはアルキル基、nは整数である。疎水部である式中のR(アルキル基)の炭素数は、界面活性能を有するような範囲、例えば、12乃至22であることが好ましい。具体的には、例えば、ラウリル基(12)、セチル基(16)、ステアリル基(18)、オレイル基(18)、ベヘニル基(22)などが挙げられる(括弧内の数値はアルキル基の炭素数である)。また、親水部である式中のn、すなわちエチレンオキサイド基の数は10以上40以下であることが好ましい。インク中のポリオキシエチレンアルキルエーテルの含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、0.1質量%以上5.0質量%以下、さらには0.1質量%以上3.0質量%以下であることが好ましい。
本発明においては、グリフィン法により求められるHLB値が13以上20以下であるポリオキシエチレンアルキルエーテルを用いることが好ましい。HLB値が13未満であると、ドットの相溶性を高める作用が小さくなり、光沢性をより向上させる効果が十分に得られない場合がある。HLB値の上限は後述する通り20であるので、本発明において好適に使用することができるポリオキシエチレンアルキルエーテルのHLB値の上限も20以下である。なお、グリフィン法によるHLB値は、界面活性剤の親水性や親油性の程度を示し、0以上20以下の値をとる。HLB値が低いほど界面活性剤の親油性すなわち疎水性が高くなり、HLB値が高いほど界面活性剤の親水性が高くなる。具体的には、グリフィン法によるHLB値は、界面活性剤の親水性基の式量と分子量から、下記式(1)に基づいて求めることができる。
Figure 0005704821
<インクジェット記録方法、インクカートリッジ、及びインクジェット記録装置>
本発明のインクジェット記録方法は、インクジェット方式の記録ヘッドにより上記で説明した本発明のインクを吐出して、記録媒体に画像を記録する方法である。また、本発明のインクジェット記録装置は、インクを収容してなるインク収容部と、インクを吐出するための記録ヘッドとを備え、前記インク収容部に収容されたインクが上記で説明した本発明のインクであることを特徴とする。特に、本発明のインクは、インクジェット方式の中でもバブルジェット(登録商標)方式の記録ヘッドやインクジェット記録装置において、優れた効果をもたらす。本発明のインクを用いること以外、インクジェット記録方法の工程やインクジェット記録装置の構成は公知のものとすればよい。なお、本発明における「記録」とは、光沢紙や普通紙などの記録媒体に対して本発明のインクを用いて記録する態様、ガラス、プラスチック、フィルムなどの非吸液性の基材に対して本発明のインクを用いてプリントを行う態様を含む。
また、本発明のインクカートリッジは、インクを収容するインク収容部を備えてなり、前記インク収容部に、上記で説明した本発明のインクが収容されてなるものである。インクカートリッジの構造としては、インク収容部が、液体のインクを収容するインク収容室で構成されるものが挙げられ、必要に応じて、負圧によりその内部にインクを保持する負圧発生部材を収容する負圧発生部材収容室を設けてもよい。又は、液体のインクを収容するインク収容室を持たずに収容量の全量を負圧発生部材により保持する構成のインク収容部であるインクカートリッジであってもよい。さらには、インク収容部と記録ヘッドとを有するように構成された形態のインクカートリッジとしてもよい。
<顔料分散体の製造方法>
以下、本発明のインクを調製する場合に用いることができる顔料分散体の製造方法について説明する。本発明においては、下記に述べるような顔料分散体の製造方法により得られた顔料分散体を使用してインクを調製することで、本発明で規定する粒子径の特性を有する特定の顔料を含有するインクを容易に得ることができる。
顔料分散体は、分散装置を用いて行われる分散方式や、分散時間、周速、必要に応じて使用するメディアの種類や粒径などの分散条件が適切に決定された製造方法により製造することができる。前記分散装置としては、例えば、ロールミル、ビーズミル、ペイントシェイカー、サンドミル、アジテーターミル、ナノマイザー(登録商標)、ホモジナイザー、マイクロフルイダイザー、アルチマイザー、超音波分散機などが挙げられる。
本発明者らの検討の結果、顔料の粒子径を揃える、すなわち、D90/D50の値を本発明で規定する範囲とするためには、顔料の予備分散体を得る工程において顔料分散体に十分なせん断力を与えることが効果的であるという知見を得た。具体的には、以下の第1工程〜第3工程を含む顔料分散体の製造方法とすることが好ましい。
(第1工程)
樹脂、中和剤、有機溶剤、及び水などを含有する乳化組成物と、顔料とを混合して、不揮発成分の含有量が30質量%以上50質量%以下で、25℃における粘度が50mPa・s以上1,000mPa・s以下である混合物を得る工程。
(第2工程)
前記第1工程で得られた混合物を用い、25℃における粘度が50mPa・s以上500mPa・s以下である予備分散体を得る工程。すなわち、第1工程で得られた混合物を、高圧ホモジナイザーなどのメディアレス分散機を用いて、混合物1kg当りに与えられる正味の積算動力が0.50kWh/kg以上10.00kWh/kg以下の範囲で処理を行って、上記予備分散体を得る。
(第3工程)
前記第2工程で得られた予備分散体を分散処理する工程。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、下記実施例により限定されるものではない。なお、以下の記載で、「部」及び「%」とあるものは特に断らない限り質量基準である。
実施例などにおける粘度は、B型粘度計(東機産業製)を用いて25℃において測定した値である。また、実施例などにおける顔料の一次粒子径D(nm)は、下記の方法で測定した100点以上の一次粒子径の平均値である。すなわち、顔料分散体を純水により希釈した後、日立超高性能分析走査電子顕微鏡SU−70(日立ハイテクノロジーズ製)を用いて観察した顔料粒子を形成する最小単位の粒子径について画像処理を行い、100点以上測定した一次粒子径の平均値である。また、顔料の粒子径分布の50%累積値D50(nm)及び顔料の粒子径分布の90%累積値D90(nm)は、ナノトラックUPA150EX(日機装製)を用いて測定した値である。この際の測定条件は、溶媒名:水、溶媒屈折率:1.333、溶媒粘度:1.002(20℃)及び0.7971(30℃)、粒子透過性:透過、粒子屈折率:1.51、粒子形状:非球形、とした。
<顔料分散体の製造>
(顔料分散体1)
顔料としては、下記のようにして得た一次粒子径Dが65nmの固溶体を顔料Aとして用いた。該顔料Aは、5部(固形分)のC.I.ピグメントレッド202のプレスケーキと、5部(固形分)のC.I.ピグメントバイオレット19のプレスケーキとを加えて摩砕し、常法により有機溶剤処理による顔料化を行って得た。また、樹脂(分散剤)には、スチレン50部、n−ブチルアクリレート39部、及びメタクリル酸30部を原料として常法により合成して得られた下記の樹脂Aを用いた。該樹脂Aは、上記原料で得た、酸価195mgKOH/g、重量平均分子量9,000のランダムポリマーを、酸価と当量の水酸化カリウム水溶液で中和して得られたものである。上記の顔料Aと樹脂Aとを用い、下記の第1〜3工程によって顔料分散体1を得た。なお、後述する他の顔料分散体の製造における第1〜3工程は、顔料分散体1の製造における各工程と基本的には同様のものを意味する。また、各顔料分散体の製造条件と、得られた各顔料分散体における顔料の特性を、表1−1〜1−4にまとめて示した。
〔第1工程〕
顔料A:180部、樹脂A:90部、イオン交換水:330部を、ホモミクサー(プライミクス製)を用いて混合し、粘度が200mPa・sのスラリー(混合物)を得た。
〔第2工程〕
前記第1工程で得られたスラリーを、循環式ホモジナイザー(製品名:クレアミックス(表中、CLMと略す);エム・テクニック製)を用いて1時間撹拌し、予備分散体を得た。スラリーに与えられた正味の積算動力は0.75kWh/kg、得られた予備分散体の粘度は100mPa・sであった。
〔第3工程〕
前記第2工程で得られた予備分散体を、循環式のビーズミル(表中、BMと略す)を用いて、0.1mm径のジルコニアビーズの充填率を85%、周速8m/秒の条件で115分間分散して、顔料分散体1を得た。ビーズミルには、MiniCer(製品名;アシザワ・ファインテック製)を用いた。得られた顔料分散体1は、Dの値が65nm、D50の値が103nm、D90の値が186nm、D90/D50の値が1.8であり、顔料の含有量が30.0%、樹脂の含有量が15.0%であった。
(顔料分散体2)
第3工程において使用したジルコニアビーズ径を0.2mm、分散時間を100分とした以外は顔料分散体1と同様にして、顔料分散体2を得た。得られた顔料分散体2は、Dの値が65nm、D50の値が130nm、D90の値が195nm、D90/D50の値が1.5であり、顔料の含有量が30.0%、樹脂の含有量が15.0%であった。
(顔料分散体3)
第3工程において使用したジルコニアビーズ径を0.1mm、分散時間を110分とした以外は顔料分散体1と同様にして、顔料分散体3を得た。得られた顔料分散体3は、Dの値が65nm、D50の値が104nm、D90の値が218nm、D90/D50の値が2.1であり、顔料の含有量が30.0%、樹脂の含有量が15.0%であった。
(顔料分散体4)
第2工程においてスラリーに与えられた正味の積算動力を1.50kWh/kgとし、第3工程において使用したジルコニアビーズ径を0.05mm、分散時間を130分とした以外は顔料分散体1と同様にして、顔料分散体4を得た。得られた顔料分散体4は、Dの値が65nm、D50の値が73nm、D90の値が111nm、D90/D50の値が1.5であり、顔料の含有量が30.0%、樹脂の含有量が15.0%であった。
(顔料分散体5)
第2工程においてスラリーに与えられた正味の積算動力を0.50kWh/kgとし、第3工程において使用したジルコニアビーズ径を0.2mm、ビーズミルの方式を多パス方式とした以外は顔料分散体1と同様にして、顔料分散体5を得た。得られた顔料分散体5は、Dの値が65nm、D50の値が130nm、D90の値が286nm、D90/D50の値が2.2であり、顔料の含有量が30.0%、樹脂の含有量が15.0%であった。
(顔料分散体6)
顔料分散体1の製造の際の第1工程において使用した顔料Aを、下記のようにして得た一次粒子径Dが30nmの顔料B(固溶体)に代えた。顔料Bは、5部(固形分)のC.I.ピグメントレッド202のプレスケーキと5部(固形分)のC.I.ピグメントバイオレット19のプレスケーキとを摩砕し、常法により有機溶剤処理による顔料化を行って得たものである。そして、顔料分散体1の製造の際の第3工程における分散時間を90分とした以外は顔料分散体1と同様にして、顔料分散体6を得た。得られた顔料分散体6は、Dの値が30nm、D50の値が100nm、D90の値が202nm、D90/D50の値が2.0であり、顔料の含有量が30.0%、樹脂の含有量が15.0%であった。
(顔料分散体7)
第1工程において使用した顔料Aを、下記のようにして得た一次粒子径Dが48nmの顔料C(固溶体)に代えた。顔料Cは、5部(固形分)のC.I.ピグメントレッド202のプレスケーキと5部(固形分)のC.I.ピグメントバイオレット19のプレスケーキとを摩砕し、常法により有機溶剤処理による顔料化を行って得たものである。そして、顔料分散体1の製造の際の第3工程における分散時間を115分とした以外は顔料分散体1と同様にして、顔料分散体7を得た。得られた顔料分散体7は、Dの値が48nm、D50の値が73nm、D90の値が148nm、D90/D50の値が2.0であり、顔料の含有量が30.0%、樹脂の含有量が15.0%であった。
(顔料分散体8)
第1工程において使用した顔料Aを、下記のようにして得た一次粒子径Dが50nmの顔料D(固溶体)に代えた。顔料Dは、5部(固形分)のC.I.ピグメントレッド202のプレスケーキと5部(固形分)のC.I.ピグメントバイオレット19のプレスケーキとを摩砕し、常法により有機溶剤処理による顔料化を行って得たものである。そして、顔料分散体1の製造の際の第3工程における分散時間を110分とした以外は顔料分散体1と同様にして、顔料分散体8を得た。得られた顔料分散体8は、Dの値が50nm、D50の値が74nm、D90の値が145nm、D90/D50の値が2.0であり、顔料の含有量が30.0%、樹脂の含有量が15.0%であった。
(顔料分散体9)
第1工程において使用した顔料Aを、下記のようにして得た一次粒子径Dが120nmの顔料E(固溶体)に代えた。顔料Eは、5部(固形分)のC.I.ピグメントレッド202のプレスケーキと5部(固形分)のC.I.ピグメントバイオレット19のプレスケーキとを摩砕し、常法により有機溶剤処理による顔料化を行って得たものである。そして、顔料分散体1の製造の際の第3工程における分散時間を175分とした以外は顔料分散体1と同様にして、顔料分散体9を得た。得られた顔料分散体9は、Dの値が120nm、D50の値が128nm、D90の値が243nm、D90/D50の値が1.9であり、顔料の含有量が30.0%、樹脂の含有量が15.0%であった。
(顔料分散体10)
第1工程において使用した顔料Aを、下記のようにして得た一次粒子径Dが123nmの顔料F(固溶体)に代えた。顔料Fは、5部(固形分)のC.I.ピグメントレッド202のプレスケーキと5部(固形分)のC.I.ピグメントバイオレット19のプレスケーキとを摩砕し、常法により有機溶剤処理による顔料化を行って得たものである。そして、顔料分散体1の製造の際の第3工程における分散時間を185分とした以外は顔料分散体1と同様にして、顔料分散体10を得た。得られた顔料分散体10は、Dの値が123nm、D50の値が128nm、D90の値が248nm、D90/D50の値が1.9であり、顔料の含有量が30.0%、樹脂の含有量が15.0%であった。
(顔料分散体11)
第1工程において使用した樹脂Aを樹脂Bに代え、第3工程において分散時間を100分とした以外は顔料分散体1と同様にして、顔料分散体11を得た。該樹脂Bには、スチレン40部、n−ブチルアクリレート53.9部、及びメタクリル酸6部を原料として常法により合成し、中和して得られたものを用いた。具体的には、上記で合成した、酸価40mgKOH/g、重量平均分子量8,800のランダムポリマーを酸価と当量の水酸化カリウム水溶液で中和して得られた樹脂Bを用いた。得られた顔料分散体11は、Dの値が65nm、D50の値が103nm、D90の値が217nm、D90/D50の値が2.1であり、顔料の含有量が30.0%、樹脂の含有量が15.0%であった。
(顔料分散体12)
第1工程において使用した樹脂Aを樹脂Cに代え、第3工程において分散時間を100分とした以外は顔料分散体1と同様にして、顔料分散体12を得た。該樹脂Cには、スチレン40部、n−ブチルアクリレート7部、及びメタクリル酸53部を原料として常法により合成し、中和して得られたものを用いた。具体的には、上記で合成した、酸価350mgKOH/g、重量平均分子量9,100のランダムポリマーを酸価と当量の水酸化カリウム水溶液で中和して得られた樹脂Cを用いた。得られた顔料分散体12は、Dの値が65nm、D50の値が102nm、D90の値が224nm、D90/D50の値が2.2であり、顔料の含有量が30.0%、樹脂の含有量が15.0%であった。
(顔料分散体13)
第1工程において使用した樹脂Aを樹脂Dに代え、第3工程において分散時間を100分とした以外は顔料分散体1と同様にして、顔料分散体13を得た。該樹脂Dには、スチレン40部、n−ブチルアクリレート52部、及びメタクリル酸8部を原料として常法により合成し、中和して得られたものを用いた。具体的には、上記で合成した、酸価50mgKOH/g、重量平均分子量8,800のランダムポリマーを酸価と当量の水酸化カリウム水溶液で中和して得られた樹脂Dを用いた。得られた顔料分散体13は、Dの値が65nm、D50の値が101nm、D90の値が212nm、D90/D50の値が2.1であり、顔料の含有量が30.0%、樹脂の含有量が15.0%であった。
(顔料分散体14)
第1工程において使用した樹脂Aを樹脂Eに代え、第3工程において分散時間を90分とした以外は顔料分散体1と同様にして、顔料分散体14を得た。該樹脂Eには、スチレン40部、n−ブチルアクリレート14部、及びメタクリル酸46部を原料として常法により合成し、中和して得られたものを用いた。具体的には、上記で合成した、酸価300mgKOH/g、重量平均分子量9,100のランダムポリマーを酸価と当量の水酸化カリウム水溶液で中和して得られた樹脂Eを用いた。得られた顔料分散体14は、Dの値が65nm、D50の値が103nm、D90の値が227nm、D90/D50の値が2.2であり、顔料の含有量が30.0%、樹脂の含有量が15.0%であった。
(顔料分散体15)
第1工程において使用した樹脂Aを樹脂Fに代え、第3工程において分散時間を90分とした以外は顔料分散体1と同様にして、顔料分散体15を得た。該樹脂Fには、スチレン40部、n−ブチルアクリレート15部、メタクリル酸25部、及びポリエチレングリコールモノメタクリレート20部を原料として常法により合成し、中和して得られたものを用いた。具体的には、上記で合成した、酸価160mgKOH/g、重量平均分子量8,600のランダムポリマーを酸価と当量の水酸化カリウム水溶液で中和して得られた樹脂Fを用いた。得られた顔料分散体15は、Dの値が65nm、D50の値が105nm、D90の値が200nm、D90/D50の値が1.9であり、顔料の含有量が30.0%、樹脂の含有量が15.0%であった。
(顔料分散体16)
第1工程において使用した成分を、樹脂Aを315部、顔料Aを90部、及びイオン交換水を195部として、粘度が250mPa・sのスラリーを得た。そして、このスラリーを用いて第2工程で粘度が150mPa・sの予備分散体を得たこと以外は顔料分散体1と同様にして、顔料分散体16を得た。得られた顔料分散体16は、Dの値が65nm、D50の値が101nm、D90の値が181nm、D90/D50の値が1.8であり、顔料の含有量が15.0%、樹脂の含有量が52.5%であった。
(顔料分散体17)
第1工程において使用した成分を、樹脂Aを18部、顔料Aを180部、及びイオン交換水を402部として、粘度が180mPa・sのスラリーを得たこと以外は顔料分散体1と同様にして、顔料分散体17を得た。得られた顔料分散体17は、Dの値が65nm、D50の値が104nm、D90の値が208nm、D90/D50の値が2.0であり、顔料の含有量が30.0%、樹脂の含有量が3.0%であった。
(顔料分散体18)
第1工程において使用した成分を、樹脂Aを17.4部、顔料Aを180部、及びイオン交換水を402.6部として、粘度が180mPa・sのスラリーを得たこと以外は顔料分散体1と同様にして、顔料分散体18を得た。得られた顔料分散体18は、Dの値が65nm、D50の値が106nm、D90の値が212nm、D90/D50の値が2.0であり、顔料の含有量が30.0%、樹脂の含有量が2.9%であった。
(顔料分散体19)
第1工程において使用した成分を、樹脂Aを270部、顔料Aを90部、及びイオン交換水を240部として、粘度が250mPa・sのスラリーを得た。そして、このスラリーを用いて第2工程で粘度が150mPa・sの予備分散体を得たこと以外は顔料分散体1と同様にして、顔料分散体19を得た。得られた顔料分散体19は、Dの値が65nm、D50の値が103nm、D90の値が186nm、D90/D50の値が1.8であり、顔料の含有量が15.0%、樹脂の含有量が45.0%であった。
(顔料分散体20)
顔料に、下記の方法で表面に樹脂を連結した改質顔料を用いた。具体的には、常法により合成した、スチレン/n−ブチルアクリレート/メタクリル酸共重合体からなる高分子鎖とが結合してなる末端にアミノフェニル基を有するポリマーを、予め4−アミノ安息香酸により改質した顔料Aにさらに連結して改質を行った。すなわち、先ず、4−アミノ安息香酸で改質した顔料Aを200部と、上記で得た結合ポリマーの5%水溶液1,000部とを反応器に投入し、55℃に保温し、回転数300rpmで20分間撹拌した。この後、25%の亜硝酸ナトリウム30部を15分間滴下し、さらにイオン交換水100部を加えた。この後、60℃に保温しながら、2時間反応させた。そしてさらに撹拌しながら、1.0規定の水酸化カリウム水溶液を添加し、pHを10〜11に調整し、その後、脱塩、精製、さらに、粗大粒子を除去して、2種類の原子団が化学的に結合してなる改質顔料Aを得た。得られた改質顔料Aを用い、樹脂を使用せず、表1−3に示した条件としたこと以外は顔料分散体1と同様にして顔料分散体20を得た。なお、表1−3中の、顔料分散体20についての配合量は、顔料100部に対する、顔料に結合した樹脂の割合のことを示す。得られた顔料分散体20は、Dの値が65nm、D50の値が103nm、D90の値が185nm、D90/D50の値は1.8であり、顔料の含有量が10.0%であった。
(顔料分散体21)
第1工程において使用した顔料Aを、下記のようにして得た一次粒子径Dが20nmの顔料G(固溶体)に代えた。顔料Gは、5部(固形分)のC.I.ピグメントレッド202のプレスケーキと5部(固形分)のC.I.ピグメントバイオレット19のプレスケーキとを摩砕し、常法により有機溶剤処理による顔料化を行って得たものである。そして、顔料分散体1の製造の際の第3工程における分散時間を200分とした以外は顔料分散体1と同様にして、顔料分散体21を得た。得られた顔料分散体21は、Dの値が20nm、D50の値が22nm、D90の値が33nm、D90/D50の値が1.5であり、顔料の含有量が30.0%、樹脂の含有量が15.0%であった。
(顔料分散体22)
顔料分散体1の製造の際の第1工程において使用した成分を、樹脂Aを30部、顔料Aを60部、及びイオン交換水を510部として、粘度が20mPa・sのスラリーとし、第2工程においてスラリーに与えられた正味の積算動力を0.30kWh/kgとした。そして、第2工程で、粘度が10mPa・sの予備分散体を得、さらに第3工程において使用したジルコニアビーズ径を0.2mm、ビーズミルの方式を多パス方式とした以外は顔料分散体1と同様にして、顔料分散体22を得た。得られた顔料分散体22は、Dの値が65nm、D50の値が140nm、D90の値が236nm、D90/D50の値が1.7であり、顔料の含有量が10.0%、樹脂の含有量が5.0%であった。
(顔料分散体23)
第3工程において使用したジルコニアビーズ径を0.1mmとした以外は顔料分散体22と同様にして、顔料分散体23を得た。得られた顔料分散体23は、Dの値が65nm、D50の値が87nm、D90の値が244nm、D90/D50の値が2.8であり、顔料の含有量が10.0%、樹脂の含有量が5.0%であった。
(顔料分散体24)
第3工程において使用したジルコニアビーズ径を0.05mmとした以外は顔料分散体22と同様にして、顔料分散体24を得た。得られた顔料分散体24は、Dの値が65nm、D50の値が60nm、D90の値が122nm、D90/D50の値が2.0であり、顔料の含有量が10.0%、樹脂の含有量が5.0%であった。
(顔料分散体25)
第3工程における分散時間を100分とした以外は顔料分散体5と同様にして、顔料分散体25を得た。得られた顔料分散体25は、Dの値が65nm、D50の値が130nm、D90の値が300nm、D90/D50の値が2.3であり、顔料の含有量が30.0%、樹脂の含有量が15.0%であった。
(顔料分散体26)
第1工程において使用した顔料Aを、顔料H(C.I.ピグメントレッド202:CINQUASIA MAGENTA RT−235−D;Ciba製)とした以外は顔料分散体1と同様にして、顔料分散体26を得た。得られた顔料分散体26は、Dの値が72nm、D50の値が105nm、D90の値が190nm、D90/D50の値が1.8であり、顔料の含有量が30.0%、樹脂の含有量が15.0%であった。
(顔料分散体27)
第1工程において使用した顔料Aを、顔料I(C.I.ピグメントバイオレット19:CINQUASIA RED B NRT−796−D;Ciba製)とした。また、第3工程における分散時間を160分とした以外は顔料分散体1と同様にして、顔料分散体27を得た。得られた顔料分散体27は、Dの値が119nm、D50の値が125nm、D90の値が238nm、D90/D50の値が1.9であり、顔料の含有量が30.0%、樹脂の含有量が15.0%であった。
(顔料分散体28)
顔料Aを用い、特開2003−128955号公報の実施例に記載された顔料分散体11の調製方法にしたがって、顔料分散体28を得た。得られた顔料分散体28は、Dの値が20nm、D50の値が20nm、D90の値が30nm、D90/D50の値が1.5であり、顔料の含有量が6.0%であった。
(顔料分散体29)
第1工程において使用した顔料Aを、顔料J(C.I.ピグメントレッド202及びC.I.ピグメントバイオレット19の固溶体:CROMOPHTAL JET MAGENTA 2BC;Ciba製)とした。また、第3工程を行わなかった以外は顔料分散体15と同様にして、顔料分散体29を得た。得られた顔料分散体29は、Dの値が110nm、D50の値が300nm、D90の値が1,000nm、D90/D50の値が3.3であり、顔料の含有量が30.0%、樹脂の含有量が15.0%であった。
上記で作製した固溶体である顔料A〜Gは、それぞれ一次粒子径D(nm)が異なるものであるが、上記の各製造方法で固溶体が生成したことは、粉末X線回折を行って確認した。具体的には、X線回折によって得られるブラッグ角(2θ+0.2°)が、5.9°、11.9°、13.6°、14.8°、24.6°、27.5°付近にそれぞれピークを有することにより確認できた。図1に、固溶体(顔料A〜G)の粉末X線回折図を示す。なお、上記の測定には、粉末X線回折装置D8 DISCOVER(Bruker製)を用いた。
上記で得られた各顔料分散体やその製造方法における構成を下記表1にまとめて示した。なお、インクに使用する水溶性有機溶剤や添加剤の成分には、顔料の粒子径を変化させ得るものがあるが、その変化の程度は無視できる程度のものである。このため、顔料分散体におけるDや、D50及びD90の各値はインクとした場合のインク中の顔料についてのDや、D50及びD90の各値と同等であった。
Figure 0005704821
Figure 0005704821
Figure 0005704821
Figure 0005704821
<インクの調製>
上記で得られた各顔料分散体を用い、下記表2に示す各成分を混合して十分に撹拌した後、ポアサイズ1.0μmのミクロフィルター(富士フイルム製)にて加圧ろ過することにより、各インクを調製した。
Figure 0005704821
Figure 0005704821
Figure 0005704821
Figure 0005704821
<評価>
上記で得られた各インクをそれぞれインクカートリッジに充填し、熱エネルギーの作用によりインクを吐出するインクジェット記録装置BJ F900(キヤノン製)に前記インクカートリッジを搭載した。そして、前記インクジェット記録装置を用いて、光沢性を有する記録媒体(スーパーフォトペーパーSP−101:キヤノン製)に、記録デューティを10%刻みで10%から200%まで変化させたベタ部分を含む記録物を作製した。この際のプリンタドライバは、プロフォトペーパーモードを選択した。プロフォトペーパーモードの設定は以下の通りである。
・用紙の種類:プロフォトペーパー
・印刷品質:きれい
・色調整:自動
(保存安定性)
上記で得られた各インクをそれぞれショット瓶に入れて密栓し、温度60℃のオーブンで2週間保存した。この保存前後のインクの粘度をそれぞれE型粘度計(RE80L;東洋精機製)を用いて測定し、保存前のインクの粘度と比較した粘度の変化率を求め、保存安定性の評価を行った。保存安定性の評価基準は下記の通りである。評価結果を表3に示す。本発明においては、下記の評価基準でB以上を許容できるレベル、Aが優れているレベル、AAが特に優れているレベルとし、Cを許容できないレベルとした。
AA:粘度の変化率が10%未満であった。
A:粘度の変化率が10%以上15%未満であった。
B:粘度の変化率が15%以上30%未満であった。
C:粘度の変化率が30%以上であった。
(彩度)
記録物を作製した1日後に、マゼンタの画像における彩度を、Spectrolino(Gretag Macbeth製)を用いて測定し、彩度の評価を行った。なお、彩度はc*={(a*2+(b*21/2の式により求めることができる。彩度の評価基準は下記の通りである。評価結果を表3に示す。本発明においては、下記の評価基準でB以上を許容できるレベル、Aが優れているレベル、AAが特に優れているレベルとし、Cを許容できないレベルとした。
AA:c*が83以上であった。
A:c*が82以上83未満であった。
B:c*が81以上82未満であった。
C:c*が81未満であった。
(光沢性)
上記で得られた記録物について、microhazemater(BYK Gardner製)を用いてGLOSS値(20°光沢性)を測定し、各記録デューティの画像における平均値を用いて光沢性の評価を行った。光沢性の評価基準は下記の通りである。評価結果を表3に示す。本発明においては、下記の評価基準でB以上を許容できるレベル、Aが優れているレベル、AAが特に優れているレベルとし、Cを許容できないレベルとした。
AA:GLOSS値(20°光沢性)が70以上であった。
A:GLOSS値(20°光沢性)が60以上70未満であった。
B:GLOSS値(20°光沢性)が50以上60未満であった。
C:GLOSS値(20°光沢性)が50未満であった。
Figure 0005704821
実施例16のインクにはノニオン性ユニットを有する樹脂が含まれているため、ノニオン性ユニットを有さない樹脂を用い、光沢性がAランクの他の実施例及び参考例と比較して、GLOSS値はやや高く、記録画像の光沢性の均一感にも優れていた。また、比較例8は分散により固溶体の結晶構造に変化が起こったために彩度が低くなった。

Claims (9)

  1. 少なくとも、顔料を含有するインクであって、
    前記顔料が、C.I.ピグメントレッド202とC.I.ピグメントバイオレット19との固溶体であり、
    前記顔料の一次粒子径D(nm)と前記顔料の粒子径分布の50%累積値D50(nm)とが、D×0.95≦D50≦130の関係を満たし、かつ、前記顔料の粒子径分布の90%累積値D90(nm)と前記D50(nm)とが、1.5≦D90/D50≦2.2の関係を満たし、前記D(nm)が、50nm以上120nm以下であることを特徴とするインク。
  2. さらに水を含有し、前記水の含有量(質量%)が、インク全質量を基準として、50.0質量%以上95.0質量%以下である請求項1に記載のインク。
  3. 前記インクがさらに樹脂を含有し、前記樹脂の酸価が、50mgKOH/g以上300mgKOH/g以下である請求項1又は2に記載のインク。
  4. 前記樹脂が、ノニオン性ユニットを有する請求項3に記載のインク。
  5. 前記インク中における、インク全質量を基準とした前記顔料の含有量(質量%)が、インク全質量を基準とした樹脂の含有量(質量%)に対して、0.30倍以上10.0倍以下である請求項3又は4に記載のインク。
  6. 前記インクがさらに1,2−アルカンジオール及びポリオキシエチレンアルキルエーテルを含有する請求項1乃至5のいずれか1項に記載のインク。
  7. インクをインクジェット方式で吐出して記録媒体に画像を記録するインクジェット記録方法であって、前記インクが、請求項1乃至6のいずれか1項に記載のインクであることを特徴とするインクジェット記録方法。
  8. インクを収容してなるインク収容部を備えたインクカートリッジであって、前記インクが、請求項1乃至6のいずれか1項に記載のインクであることを特徴とするインクカートリッジ。
  9. インクを収容してなるインク収容部と、インクを吐出するための記録ヘッドとを備えたインクジェット記録装置であって、前記インクが、請求項1乃至6のいずれか1項に記載のインクであることを特徴とするインクジェット記録装置。
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