JP4965846B2 - インクジェット記録用水系インク - Google Patents
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Description
特に近年は、印字物の耐候性や耐水性の観点から、着色剤に顔料系インクを用いるものが主流となってきており、例えば特許文献1には、ビニルポリマーに顔料を含有させた水系インクであって、高印字濃度を付与するために、ビニルポリマーとしてマクロマーを用いたグラフトポリマーが開示され、また特許文献2には、顔料及び顔料誘導体からなり、ポリマーを使用しない水性顔料分散体が開示されている。
しかし、上記顔料系の水系インクでは、いずれも印字濃度が未だ十分でなく、また、時間差を経て印字される他色のインクとの境などにおけるにじみ(ブリード)の発生などの点でも充分ではなかった。
即ち、本発明は、着色剤を含有する水不溶性ポリマー粒子の水分散体であって、前記水分散体中、水不溶性ポリマーの含有量が1〜7重量%であり、かつ前記水分散体の表面張力が20℃で60mN/m以上であるインクジェット記録用水分散体、及び該水分散体を含有するインクジェット記録用水系インクを提供する。
また、下記工程(1)〜(4)を有するインクジェット記録用水分散体の製造方法を提供する。
(1)溶液重合によって水不溶性ポリマーを合成する工程
(2)前記(1)で得られた水不溶性ポリマーを、溶媒で洗浄する工程
(3)少なくとも、前記(2)で得られた水不溶性ポリマー、着色剤、有機溶媒及び水を混合し、分散処理して、着色剤を含有する水不溶性ポリマーの分散体を得る工程、及び
(4)前記(3)で得られた分散体から有機溶媒を除去する工程
(水不溶性ポリマー)
本発明において、水不溶性ポリマー粒子を構成する水不溶性ポリマーとしては、水不溶性ビニルポリマー、水不溶性エステル系ポリマー、水不溶性ウレタン系ポリマー等が挙げられる。これらの中では、分散安定性や合成の容易性から、水不溶性ビニルポリマーが好ましい。本発明において、水不溶性ポリマーとは、105℃で2時間乾燥させた後、25℃の水100gに溶解させたときに、その溶解量が10g以下、好ましくは5g以下、更に好ましくは1g以下であるポリマーをいう。上記溶解量は、水不溶性ポリマーが塩生成基を有する場合は、その種類に応じて、水不溶性ポリマーの塩生成基を酢酸又は水酸化ナトリウムで100%中和した時の溶解量をいう。
このような水不溶性グラフトポリマーとしては、(a)塩生成基含有モノマー(以下「(a)成分」ということがある)、(b)マクロマー(以下「(b)成分」ということがある)及び(c)疎水性モノマー(以下「(c)成分」ということがある)を含むモノマー混合物(以下「モノマー混合物」ということがある)を共重合してなる水不溶性ビニルポリマーが好ましい。
アニオン性モノマーの代表例としては、不飽和カルボン酸モノマー、不飽和スルホン酸モノマー、不飽和リン酸モノマー等が挙げられる。
上記不飽和カルボン酸モノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、2−メタクリロイルオキシメチルコハク酸等が挙げられる。不飽和スルホン酸モノマーとしては、スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、3−スルホプロピル(メタ)アクリレート、ビス−(3−スルホプロピル)−イタコネート等が挙げられる。不飽和リン酸モノマーとしては、ビニルホスホン酸、ビニルホスフェート、ビス(メタクリロキシエチル)ホスフェート、ジフェニル−2−アクリロイロキシエチルホスフェート、ジフェニル−2−メタクリロイロキシエチルホスフェート、ジブチル−2−アクリロイロキシエチルホスフェート等が挙げられる。上記アニオン性モノマーの中では、分散安定性、吐出性等の観点から、不飽和カルボン酸モノマーが好ましく、アクリル酸又はメタクリル酸がより好ましい。
上記(a)成分は、それぞれ単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
スチレン系マクロマーとは、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等のスチレン系モノマー(b−1 モノマーという)を有するマクロマーを意味する。スチレン系モノマーの中ではスチレンが好ましい。
スチレン系マクロマーは、例えば、片末端に重合性官能基を有するスチレン単独重合体、及び片末端に重合性官能基を有する、スチレンと他のモノマーとの共重合体が挙げられる。片末端に存在する重合性官能基は、アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基が好ましく、これらを共重合させることで、スチレン系マクロマー由来の構成単位を有する水不溶性グラフトポリマーを得ることができる。
他のモノマーとしては、例えば、(1)アクリロニトリル、後述の(2)(メタ)アクリル酸エステル類(b−2 モノマー)、及び(3)スチレン以外の芳香環含有(メタ)アクリレート系モノマー(b−3 モノマー)等が挙げられる。
スチレン系マクロマー中、スチレン系モノマー由来の構成単位の含有量は、耐擦過性の観点から、好ましくは60重量%以上、より好ましくは70重量%以上、特に好ましくは90重量%以上である。
商業的に入手しうるスチレン系マクロマーとしては、例えば、東亜合成株式会社の商品名、AS−6、AS−6S、AN−6、AN−6S、HS−6、HS−6S等が挙げられる。
アルキル(メタ)アクリレート系マクロマーとは、ヒドロキシ基を有していてもよい、炭素数1〜22、好ましくは炭素数1〜18のアルキル基を有する、(メタ)アクリル酸エステル(b−2 モノマーという)を有するマクロマーを意味する。
(メタ)アクリル酸エステルとしては、具体的には、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、(イソ)プロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、(イソ又はターシャリー)ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、(イソ)オクチル(メタ)アクリレート、(イソ)デシル(メタ)アクリレート、(イソ)ステアリル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
ヒドロキシ基を有していてもよい、炭素数1〜22の(メタ)アクリル酸エステル由来の構成単位を含む側鎖は、片末端に重合性官能基を有するアルキル(メタ)アクリレート系マクロマーを共重合することにより得られ、例えば、メチルメタクリレート系マクロマー、ブチルアクリレート系マクロマー、イソブチルメタクリレート系マクロマー、ラウリルメタクリレート系マクロマー等が挙げられる。
アルキル(メタ)アクリレート系マクロマーは、片末端に重合性官能基を有するアルキル(メタ)アクリレートの単独重合体、及び片末端に重合性官能基を有する、アルキル(メタ)アクリレートと他のモノマーとの共重合体が挙げられ、重合性官能基は、アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基が好ましい。他のモノマーとしては、前記の(1)スチレン系モノマー(b−1 モノマー)、後記の(3)スチレン以外の芳香環含有(メタ)アクリレート系モノマー(b−3 モノマー)等が挙げられる。
アルキル(メタ)アクリレート系マクロマー中、(メタ)アクリル酸エステル由来の構成単位の含有量は、最も多く、耐擦過性の観点から、好ましくは60重量%以上、より好ましくは70重量%以上、特に好ましくは90重量%以上である。
芳香環含有(メタ)アクリレート系マクロマーとは、芳香環含有(メタ)アクリレート(b−3 モノマーという)を有するマクロマーを意味する。
芳香環含有(メタ)アクリレートとしては、削除、例えば、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2−メタクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシプロピルフタレート等が挙げられる。これらの中では、ベンジル(メタ)アクリレートが好ましい。
芳香環含有(メタ)アクリレート系マクロマーは、片末端に重合性官能基を有する芳香環含有(メタ)アクリレートの単独重合体、及び片末端に重合性官能基を有する、芳香環含有(メタ)アクリレートと他のモノマーとの共重合体が挙げられ、重合性官能基は、アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基が好ましい。他のモノマーとしては、前記の(1)スチレン系モノマー(b−1 モノマー)、(2)(メタ)アクリル酸エステル(b−2 モノマー)等が挙げられる。
芳香環含有(メタ)アクリレート系マクロマー中、芳香環含有(メタ)アクリレート由来の構成単位の含有量は、最も多く、好ましくは60重量%以上、より好ましくは70重量%以上、特に好ましくは90重量%以上である。
本発明で用いられる水不溶性グラフトポリマーは、オルガノポリシロキサン鎖を側鎖として有していてもよい。この側鎖は、例えば、好ましくは下記式(1)で表される、片末端に重合性官能基を有するシリコーン系マクロマー、を共重合することで得ることができる。
CH2=C(CH3)−COOC3H6−〔Si(CH3)2−O〕t−Si(CH3)3 (1)
(式中、tは8〜40の数を示す)
本発明に用いられるポリマーが、水不溶性グラフトポリマーである場合、主鎖と側鎖との重量比[主鎖/側鎖]は、耐ブリード性、保存安定性等を向上させるために、1/1〜20/1であることが好ましく、3/2〜15/1が更に好ましく、2/1〜10/1が特に好ましい(重合性官能基は側鎖に含有されるものとして計算する。以下同じ)。
上記の中では、片末端に重合性官能基を有するスチレン系マクロマーが着色剤との親和性が高く、保存安定性を向上させる観点から好ましい。
なお、(b)成分の上記数平均分子量は、標準物質としてポリスチレンを用い、溶媒として50ミリモル/Lの酢酸を含有するテトラヒドロフランを用いたゲルパーミエーションクロマトグラフィーによって測定することができる。
上記(b)成分は、着色剤を含有した水不溶性ポリマー微粒子の分散安定性を高める等の観点から用いられ、数平均分子量500〜100,000、好ましくは1,000〜10,000の重合可能な不飽和基を有するモノマーであるマクロマーが挙げられる。
アルキル(メタ)アクリレートとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、(イソ)プロピル(メタ)アクリレート、(イソ又はターシャリー)ブチル(メタ)アクリレート、(イソ)アミル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、(イソ)オクチル(メタ)アクリレート、(イソ)デシル(メタ)アクリレート、(イソ)ドデシル(メタ)アクリレート、(イソ)ステアリル(メタ)アクリレート等の炭素数1〜22のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルが挙げられる。
アルキル(メタ)アクリルアミドとしては、ジメチル(メタ)アクリルアミド、ジエチル(メタ)アクリルアミド、ジブチル(メタ)アクリルアミド、t-ブチル(メタ)アクリルアミド、オクチル(メタ)アクリルアミド、ドデシル(メタ)アクリルアミドなどの、炭素数1〜22のアルキル基を有する(メタ)アクリルアミドが挙げられる。
芳香環含有モノマーとしては、スチレン、2−メチルスチレン、ビニルトルエン、エチルビニルベンゼン、4−ビニルビフェニル、1,1−ジフェニルエチレン、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ビニルナフタレン、クロロスチレン等の炭素数6〜22の芳香族炭化水素基を有するビニルモノマーが好ましく挙げられる。
なお、本明細書にいう「(イソ又はターシャリー)」及び「(イソ)」は、これらの基が存在している場合とそうでない場合の双方を含むことを意味し、これらの基が存在していない場合には、ノルマルであることを示す。また、「(メタ)アクリレート」は、アクリレートとメタクリレートの双方の場合を含むことを示す。(c)成分としては、耐水性、耐ブリード性の向上等の観点からアルキル(メタ)アクリレート、脂環式(メタ)アクリレート、及び芳香環含有モノマーからなる群から選ばれる一種以上が好ましく、脂環式(メタ)アクリレート、及び芳香環含有モノマーからなる群から選ばれる一種以上が更に好ましい。
また、(c)成分としては、水系インクの光沢性向上等の観点から、(メタ)アクリル酸のアリールエステル(c−2)成分が好ましく、炭素数7〜22、好ましくは炭素数7〜18、更に好ましくは炭素数7〜12のアリールアルキル基を有する(メタ)アクリレート、又は、炭素数6〜22、好ましくは炭素数6〜18、更に好ましくは炭素数6〜12のアリール基を有する(メタ)アクリレートが挙げられる。このようなモノマーとしては、具体的には、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート等が好ましく挙げられる。(c)成分中の(c−2)成分の含有量は、光沢性の向上等の観点から、好ましくは10〜100重量%、より好ましくは20〜80重量%である。
上記(c)成分は、それぞれ単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができ、(c−1)成分と(c−2)成分を併用することも好ましい。
(d)成分は、分散安定性を高め、また印字した際に短時間で耐マーカー性を向上させるという優れた効果等を発現させるものであり、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(n=2〜30、nはオキシアルキレン基の平均付加モル数を示す。以下同じ。)(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(n=2〜30)(メタ)アクリレート、ポリ(エチレングリコール(n=1〜15)・プロピレングリコール(n=1〜15))(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの中では、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノメタクリレート、ポリプロピレングリコールメタクリレートが好ましい。
CH2=C(R1)COO(R2O)pR3 (2)
(式中、R1は水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基、R2はヘテロ原子を有していてもよい炭素数1〜30の2価の炭化水素基、R3はヘテロ原子を有していてもよい炭素数1〜30の1価の炭化水素基、pは平均付加モル数を示し、1〜60、好ましくは1〜30の数である。)
(e)成分は、水性インクの吐出安定性を高め、連続印字してもヨレの発生を抑制する等の優れた効果を発現するものである。
式(2)において、R2又はR3が有してもよいヘテロ原子としては、例えば、窒素原子、酸素原子、ハロゲン原子又は硫黄原子が挙げられる。
R2又はR3で示される基の代表例としては、炭素数6〜30の芳香族基、炭素数3〜30のヘテロ環基、炭素数1〜30のアルキレン基等が挙げられ、これらは置換基を有していてもよい。これらの基は2種以上を組合わせたものであってもよい。置換基としては、芳香族基、ヘテロ環基、アルキル基、ハロゲン原子、アミノ基等が挙げられる。
R3としては、フェニル基、炭素数1〜30、好ましくは分岐鎖を有していても良い炭素数1〜20の脂肪族アルキル基、芳香族環を有する炭素数7〜30のアルキル基又はヘテロ環を有する炭素数4〜30のアルキル基が好ましく挙げられる。R3のより好ましい例としては、メチル基、エチル基、(イソ)プロピル基、(イソ)ブチル基、(イソ)ペンチル基、(イソ)ヘキシル基等の炭素数1〜12のアルキル基、フェニル基等が挙げられる。
上記(d)成分及び(e)成分は、それぞれ単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
(a)成分の含有量は、得られる分散体の分散安定性等の観点から、好ましくは1〜50重量%、より好ましくは2〜40重量%、特に好ましくは2〜20重量%である。
(b)成分の含有量は、着色剤を含有した水不溶性ポリマー微粒子の分散安定性等の観点から、好ましくは1〜50重量%、より好ましくは5〜40重量%、特に好ましくは5〜20重量%である。
(c)成分の含有量は、耐水性、耐ブリード性等の観点から、好ましくは5〜98重量%、より好ましくは10〜80重量%、特に好ましくは10〜60重量%である。
(a)成分の含有量と、(b)成分と(c)成分の合計含有量との重量比((a)/[(b)+(c)])は、得られる水系インクの長期保存安定性、吐出性等の観点から、好ましくは0.01〜1、より好ましくは0.02〜0.67、更に好ましくは0.03〜0.50である。
(e)成分の含有量は、吐出性、分散安定性等の観点から、好ましくは5〜50重量%、より好ましくは10〜40重量%である。
(a)成分と(d)成分との合計含有量は、水中での安定性、耐水性等の観点から、好ましくは6〜60重量%、より好ましくは10〜50重量%である。
また、(a)成分と(e)成分の合計含有量は、水中での分散安定性、吐出性等の観点から、好ましくは6〜75重量%、より好ましくは13〜50重量%である。
(a)成分と(d)成分と(e)成分との合計含有量は、水中での分散安定性及び吐出性の観点から、好ましくは6〜60重量%、より好ましくは7〜50重量%である。
溶液重合法で用いる溶媒としては、水不溶性ポリマーと親和性の高い極性の有機溶媒が好ましく、水に対する溶解度が20℃において、50重量%以下のものが好ましく、5重量%以上のものが好ましい。極性有機溶媒としては、例えば、ブトキシエタノール等の脂肪族アルコール;トルエン、キシレン等の芳香族類;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類;酢酸エチル等のエステル類等が挙げられる。これらの中では、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、トルエン、キシレン、ブトキシエタノール、又はこれらの1種以上と水との混合溶媒が好ましい。
重合開始剤の量は、モノマー混合物1モルあたり、好ましくは0.001〜5モル、より好ましくは0.01〜2モルである。
重合の際には、さらに、オクチルメルカプタン、2−メルカプトエタノール等のメルカプタン類、チウラムジスルフィド類等の公知の重合連鎖移動剤を添加することができる。
重合反応の終了後、反応溶液から再沈澱、溶媒留去等の公知の方法により、生成したポリマーを単離することができる。
得られるポリマーの重量平均分子量は、着色剤の分散安定性、耐水性、吐出性等の観点から5,000〜500,000が好ましく、10,000〜400,000がさらに好ましく、10,000〜300,000が特に好ましい。
なお、ポリマーの重量平均分子量は、溶媒として60ミリモル/Lのリン酸及び50ミリモル/Lのリチウムブロマイド含有ジメチルホルムアミドを用いたゲルクロマトグラフィー法により、標準物質としてポリスチレンを用いて測定される。
{[中和剤の重量(g)/中和剤の当量]/[ポリマーの酸価 (KOHmg/g)×ポリマーの重量(g)/(56×1000)]}×100
また、塩生成基がカチオン性基である場合は、下記式によって求めることができる。
{[中和剤の重量(g)/中和剤の当量]/[ポリマーのアミン価 (HCLmg/g)×ポリマーの重量(g)/(36.5×1000)]}×100
酸価やアミン価は、ポリマーの構成単位から算出することができるが、適当な溶剤(例えばメチルエチルケトン)にポリマーを溶解して滴定する方法を用いて求めることもできる。
本発明の水分散体に用いられる着色剤は、耐水性の観点から、顔料及び疎水性染料が好ましい。中でも、近年要求が強い高耐候性等を発現させるため、顔料を用いることが好ましい。
顔料及び疎水性染料は、水系インクに使用する場合には、界面活性剤、水不溶性ポリマーを用いて、インク中で安定な微粒子にすることが好ましい。特に、耐滲み性、耐水性等の観点から、ポリマー粒子中に顔料及び疎水性染料を含有させることが好ましい。
無機顔料としては、例えば、カーボンブラック、金属酸化物、金属硫化物、金属塩化物等が挙げられる。これらの中では、特に黒色水系インクにおいては、カーボンブラックが好ましい。カーボンブラックとしては、ファーネスブラック、サーマルランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等が挙げられる。
有機顔料としては、例えば、アゾ顔料、ジスアゾ顔料、フタロシアニン顔料、キナクリドン顔料、イソインドリノン顔料、ジオキサジン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、チオインジゴ顔料、アンソラキノン顔料、キノフタロン顔料等が挙げられる。
好ましい有機顔料の具体例としては、C.I.ピグメント・イエロー13, 17, 74, 83, 97, 109, 110, 120, 128, 139, 151, 154, 155, 174, 180、C.I.ピグメント・レッド48, 57:1, 122, 146, 176, 184, 185, 188, 202、C.I.ピグメント・バイオレット19, 23、C.I.ピグメント・ブルー15, 15:1, 15:2, 15:3, 15:4, 16, 60、C.I.ピグメント・グリーン7, 36等の各品番製品が挙げられる。
体質顔料としては、シリカ、炭酸カルシウム、タルク等が挙げられる。
疎水性染料としては、油溶性染料、分散染料等が挙げられ、これらの中では油溶性染料が好ましい。
油溶性染料としては、例えば、C.I.ソルベント・ブラック3, 7, 27, 29, 34,45、C.I.ソルベント・イエロー14, 16, 29, 56, 82,83:1、C.I.ソルベント・レッド1, 3, 8, 18, 24, 27, 43, 49,51, 72, 73、C.I.ソルベント・バイオレット3、C.I.ソルベント・ブルー2,4, 11, 44, 64, 70、C.I.ソルベント・グリーン3, 7、C.I.ソルベント・オレンジ2等の各品番製品が挙げられる。
分散染料としては、例えば、C.I.ディスパーズ・イエロー5, 42, 54, 64, 79, 82, 83, 93, 99, 100, 119, 122, 124, 126, 160, 184:1, 186, 198, 199, 204, 224, 237、C.I.ディスパーズ・オレンジ13, 29, 31:1, 33, 49, 54, 55, 66, 73, 118, 119, 163、C.I.ディスパーズ・レッド54, 60, 72, 73, 86, 88, 91, 93, 111, 126, 127, 134, 135, 143, 145, 152, 153, 154, 159, 164, 167:1, 177, 181, 204, 206, 207, 221, 239, 240, 258, 277, 278, 283, 311, 323, 343, 348, 356, 362、C.I.ディスパーズ・バイオレット33、C.I.ディスパーズ・ブルー56, 60, 73, 87, 113, 128, 143, 148, 154, 158, 165, 165:1, 165:2, 176, 183, 185, 197, 198, 201, 214, 224, 225, 257, 266, 267, 287, 354, 358, 365, 368、C.I.ディスパーズ・グリーン6:1, 9等の各品番製品が挙げられる。
これらの中では、イエローとしてC.I.ソルベント・イエロー29及び30、シアンとしてC.I.ソルベント・ブルー70、マゼンタとしてC.I.ソルベント・レッド18及び49、ブラックとしてC.I.ソルベント・ブラック3及び7、及びニグロシン系の黒色染料が好ましい。
上記の着色剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明に用いられるポリマーと着色剤の量比については、印字濃度を高める等の観点から、着色剤/ポリマー固形分重量比で95/5〜40/60、更に85/15〜50/50であることが好ましい。
本発明のインクジェット記録用水分散体は、次の工程(1)〜(4)を含む工程により製造することができる。
(1)溶液重合によって水不溶性ポリマーを合成する工程
(2)前記(1)で得られた水不溶性ポリマーを、溶媒を用いた洗浄工程
(3)少なくとも、前記(2)で得られた水不溶性ポリマー、着色剤、有機溶媒及び水を混合し、分散処理して、着色剤を含有する水不溶性ポリマーの分散体を得る工程、及び
(4)前記工程(3)で得られた分散体から有機溶媒を除去する工程
工程(2)において、洗浄に用いる溶媒としては、極性の高い成分を除去する観点から、極性の高い溶媒が好ましい。具体例としては、溶解性パラメータ(SP値)で表したとき、4.5MPa1/2以上であるものが好ましく、5.5MPa1/2以上であるものがより好ましく、6MPa1/2以上であるものが更に好ましい。溶解性パラメータの上限値については特に制限はないが、通常、水以上の溶解性パラメータを有する溶剤は入手性が著しく困難であるため、現実的には12MPa1/2以下であるといえる。また、水100gに対する溶解量が20℃において、80g以上のものが好ましく、100g以上のものが更に好ましい。
具体的には、アセトン(溶解性パラメータ:4.75MPa1/2、以下単位省略)、イソプロピルアルコール(5.62)、アセトニトリル、(5.77)、エタノール(6.30)、メタノール(7.09)、水(11.43)等が挙げられ、その中でもアセトン、イソプロピルアルコール、エタノール、水等が好ましく、特に、エタノール、水が最も好ましい。これらの溶媒は2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記工程(2)においては、好ましくは、上記洗浄に用いる溶媒を攪拌しながら、これに水不溶性ポリマー(ポリマーの溶液重合時の溶媒を含んだ溶液であってもよい)を徐々に添加した後、好ましくは5〜60℃、さらに好ましくは10〜50℃、最も好ましくは20〜40℃で、10分〜2時間程度、好ましくは30分〜1時間攪拌を継続し、水不溶性ポリマーから表面張力を低下させる界面活性成分等を溶媒に抽出する方法である。
次いで、水不溶性ポリマーを溶媒と分離後、溶媒層を除去することによって洗浄を行うことができる。分離するための静置時間としては、1〜24時間程度が好ましく、2〜12時間がより好ましく、3〜12時間が最も好ましい。
この操作を、1回乃至例えば3回繰り返しおこなってもよい。添加順序は逆であってもよく、水不溶性ポリマーに、上記洗浄に用いる溶媒を添加してもよい。本発明においては、洗浄の方法として、上記再沈殿による方法が例示されるが、これに限定されるものではない。
上記アルコール系溶媒としては、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、第3級ブタノール、イソブタノール、ジアセトンアルコール等が挙げられ、ケトン系溶媒としては、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン等が挙げられ、エーテル系溶媒としては、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等が挙げられる。これらの溶媒の中では、イソプロパノール、アセトン又はメチルエチルケトンが好ましく、特に、メチルエチルケトンが好ましい。
着色剤としては、前記着色剤の欄で述べたものを用いることができる。
中和剤としては、水不溶性ポリマー中の塩生成基の種類に応じて、酸又は塩基を使用することができ、前述の中和剤を用いることができる。
混合物を予備分散させる際には、アンカー翼等の一般に用いられている混合撹拌装置を用いることができる。混合撹拌装置の中では、ウルトラディスパー〔浅田鉄鋼株式会社、商品名〕、エバラマイルダー〔荏原製作所株式会社、商品名〕、TKホモミクサー、TKパイプラインミクサー、TKホモジェッター、TKホモミックラインフロー、フィルミックス〔以上、特殊機化工業株式会社、商品名〕、クリアミックス〔エム・テクニック株式会社、商品名〕、ケイディーミル〔キネティック・ディスパージョン社、商品名〕等の高速攪拌混合装置が好ましい。
本分散において剪断応力を与える手段としては、例えば、ロールミル、ビーズミル、ニーダー、エクストルーダ等の混練機、高圧ホモゲナイザー〔株式会社イズミフードマシナリ、商品名〕、ミニラボ8.3H型〔Rannie社、商品名〕に代表されるホモバルブ式の高圧ホモジナイザー、マイクロフルイダイザー〔Microfluidics 社、商品名〕、ナノマイザー〔ナノマイザー株式会社、商品名〕、アルティマイザー〔スギノマシン株式会社、商品名〕、ジーナスPY〔白水化学株式会社、商品名〕、DeBEE2000 〔日本ビーイーイー株式会社、商品名〕等のチャンバー式の高圧ホモジナイザー等が挙げられる。これらの中では、混合物に含まれている顔料の小粒径化の観点から、高圧ホモジナイザーが好ましい。
着色剤を含有する水不溶性ポリマー粒子の水分散体は、着色剤を含有する水不溶性ポリマーの固体分が水を主溶媒とする中に分散しているものである。ここで、着色剤を含む水不溶性ポリマー粒子の形態は特に制限はなく、少なくとも着色剤と水不溶性ポリマーにより粒子が形成されていればよく、例えば、水不溶性ポリマーに着色剤が内包された粒子形態、水不溶性ポリマー中に着色剤が均一に分散された粒子形態、水不溶性ポリマー粒子表面に着色剤が露出された粒子形態等が含まれる。
本発明の水分散体又は水系インクにおける、水不溶性ポリマー粒子の平均粒径は、プリンターのノズルの目詰まり防止、分散安定性等の観点から、好ましくは0.01〜0.5μm、より好ましくは0.03〜0.3μm、特に好ましくは0.05〜0.2μmである。なお、平均粒径は、例えば大塚電子株式会社のレーザー粒子解析システムELS−8000(キュムラント解析)を用いて、下記条件で測定することができる。
温度: 25℃
入射光と検出器との角度: 90°
積算回数: 100回
分散溶媒の屈折率: 水の屈折率(1.333)
測定濃度: 5×10-3重量%程度
水分散体中における、水不溶性ポリマーの含有量(固形分量)は、印字濃度、耐ブリード性等を向上させる等の観点から1〜7重量%、好ましくは2〜6重量%、特に好ましくは3〜5重量%である。
水系インク中における、水不溶性ポリマーの含有量(固形分量)は、印字濃度、耐ブリード性等を向上させる等の観点から0.05〜7重量%、好ましくは0.2〜6重量%、特に好ましくは0.5〜5重量%である。
本発明の水分散体には、予めインクジェット用水系インクに通常用いられる湿潤剤、浸透剤、分散剤、粘度調整剤、消泡剤、防黴剤、防錆剤等の任意の添加剤を含有していても良い。すなわち本発明の水分散体は、水不溶性ビニルポリマーと着色剤及び水以外に、上記のような任意の添加剤を含有していても、20℃での表面張力が60mN/m以上であればよい。
上記表面張力の値を達成する方法については、特に制限はないが、本発明においては、水不溶性ポリマーを溶媒で洗浄する方法が経済的な観点等から好ましく用いられる。また、前記(1)、(3)、(4)の工程を行った後、着色剤を含有する水不溶性ポリマー粒子の水分散体を限外濾過、透析等の方法で、水分散体中の表面張力を低下させる界面活性成分を除去することで本発明を達成することもできる。
本発明のインクジェット記録用水分散体及び該水分散体を含有するインクジェット記録用水系インクによれば、高い印字濃度が得られるとともに、優れた耐ブリード性が得られる。
製造例1
反応容器内に、メチルエチルケトン20重量部及び重合連鎖移動剤(n−ドデシルメルカプタン)0.6重量部、下記各モノマー及びマクロマーを各々の量仕込み混合し、窒素ガス置換を十分に行ない、混合溶液を得た。
モノマー及びマクロマー
スチレン 10重量部
2−エチルヘキシルアクリレート 17重量部
2−ヒドロキシエチルメタクリレート 10重量部
スチレンマクロマー溶液(東亜合成(株)製、商品名:AS−6S)純分50%
4重量部
メタクリル酸 2重量部
一方、滴下ロートに、下記モノマー、マクロマー、前記重合連鎖移動剤2.4重量部、メチルエチルケトン60重量部及び2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル 和光純薬工業(株)製 V−65)1.2重量部を入れ、十分に窒素置換を行なった。
モノマー及びマクロマー
スチレン 10重量部
2−エチルヘキシルアクリレート 25重量部
2−ヒドロキシエチルメタクリレート 10重量部
スチレンマクロマー溶液(東亜合成(株)製、商品名:AS−6S)純分50%
16重量部
メタクリル酸 2重量部
得られた共重合体溶液の一部を、減圧下、105℃で2時間乾燥させ、完全に溶媒を除去することによって水不溶性ビニルポリマーを単離した。
前述の方法で測定した重量平均分子量は10,000であった。
製造例1で得られた水不溶性ビニルポリマーをメチルエチルケトンに溶解し、固形分が10重量%になるように調製し、滴下ロートにいれる。これを重量比で4倍の、エタノール水溶液(エタノール:水重量比=1:1)を満たしたビーカーに徐々に滴下する(20℃)。攪拌モーター(100回転/分)で約2時間攪拌した後、得られた沈殿物をろ別し、沈殿物からエタノール水溶液を留去して水不溶性ビニルポリマーを得た。製造例1と同様にして測定した重量平均分子量は10,000であった。
製造例3
製造例2で得られた水不溶性ビニルポリマーをメチルエチルケトンに溶解し、固形分が10重量%になるように調製し、滴下ロートにいれる。これを重量比で4倍の、エタノール水溶液(エタノール:水重量比=1:1)を満たしたビーカーに徐々に滴下する(20℃)。攪拌モーター(100回転/分)で約2時間攪拌した後、得られた沈殿物をろ別し、沈殿物からエタノール水溶液を留去して水不溶性ビニルポリマーを得た。製造例1と同様にして測定した重量平均分子量は10,000であった。
製造例2で得られた水不溶性ビニルポリマー5重量部、メチルエチルケトン25重量部、着色剤としてカーボンブラック(キヤボットスペシャリティケミカルス社製Monarch880)15重量部、水酸化ナトリウム水溶液(5N)0.6重量部、イオン交換水300重量部を混合し、さらにマイクロフルイダイザー(マイクロフルイディクス社製)を用いて、200MP、10パスで高圧分散処理し、着色剤を内包する水不溶性ビニルポリマー粒子を得た。
得られた着色剤を内包する水不溶性ビニルポリマーを、減圧下、60℃でメチルエチルケトンを完全に除去し、更に水を除去することにより濃縮し、固形分濃度が20重量%の着色剤を内包する水不溶性ビニルポリマーの水分散体を得た。
得られた水分散体における水不溶性ビニルポリマーの含有量は固形分で5重量%であった。また、表面張力測定器として協和界面科学(株)社製CBVP−Zを用いて20℃で測定した表面張力は65mN/mであった。
実施例2
製造例2で得られた水不溶性ビニルポリマー5重量部の代わりに製造例3で得られた水不溶性ビニルポリマー5重量部を用いた他は実施例1と同様にして、着色剤を内包する水不溶性ビニルポリマーの水分散体を得た。
得られた水分散体における水不溶性ビニルポリマーの含有量は5重量%であった。また、実施例1と同様に20℃で測定した表面張力は67mN/mであった。
製造例2で得られた水不溶性ビニルポリマー5重量部に代えて、製造例1で得られた減圧乾燥後の水不溶性ビニルポリマー5重量部を用いる他は、実施例1と同様にして、着色剤を内包する水不溶性ビニルポリマーの水分散体を得た。
得られた水分散体における水不溶性ビニルポリマーの含有量は5重量%であった。また、実施例1と同様に20℃で測定した表面張力は55mN/mであった。
実施例1で得られた水不溶性ビニルポリマーの水分散体20重量部、グリセリン8重量部、ポリエチレングリコール(分子量:800)5重量部、アセチレングリコール・ポリエチレンオキサイド付加物(川研ファインケミカル(株)製、商品名:アセチレノールEH)0.2重量部及びイオン交換水66.8重量部を混合し、得られた混合液を1.2μmのフィルター〔アセチルセルロース膜、外径:2.5cm、富士写真フイルム(株)製〕を取り付けた容量25mLの針なしシリンジ〔テルモ(株)製〕で濾過し、粗大粒子を除去して水系インクを得た。
実施例4
実施例1で得られた水不溶性ビニルポリマーの水分散体20重量部の代わりに実施例2で得られた水不溶性ビニルポリマーの水分散体20重量部を用いる他は、実施例3と同様にして水系インクを得た。
実施例1で得られた水不溶性ビニルポリマーの水分散体20重量部の代わりに比較例1で得られた水不溶性ビニルポリマーの水分散体20重量部を用いる他は、実施例3と同様にして水系インクを得た。
実施例3,4及び比較例2の各々で得られた水系インクについて、以下の基準で印字濃度及び耐ブリード性を評価した。結果を表1に示す。
市販のキヤノン社製のインクジェトプリンター(型番:sateraBIJ1300)を用い、市販のコピー用紙(ZEROX社製普通紙4024)にベタ印字し、25℃で1時間放置後、印字濃度をマクベス濃度計(グレタグマクベス社製、品番:RD914)で測定し、以下の評価基準で評価した。
〔評価基準〕
◎: 印字濃度1.2以上
〇: 印字濃度1.1以上1.2未満
△: 印字濃度1.0以上1.1未満
×: 印字濃度1.0未満
5×5cmの正方形二個が隣接するような印字パターンを準備し、一方の正方形をブラックのベタ印字、他方を上記プリンタ純正のシアン、マゼンタ、イエローの各インクでベタ印字し、直後の境界部分の状態を目視で観察し、以下の評価基準で評価した。
○:2色間の境界線が鮮明で、境界部ににじみが見られない。
△:2色間の境界線が存在することが明らかであるが、境界部に多少のにじみが見られる。
×:2色間の境界線が識別困難である。
Claims (8)
- 下記工程(1)〜(4)を有するインクジェット記録用水分散体の製造方法であって、前記水分散体が着色剤を内包する水不溶性ポリマー粒子の水分散体であり、前記水分散体中、水不溶性ポリマーの含有量が1〜7重量%であり、かつ前記水分散体の表面張力が20℃で60mN/m以上であるインクジェット記録用水分散体の製造方法。
(1)溶液重合によって水不溶性ポリマーを合成する工程
(2)前記(1)で得られた水不溶性ポリマーを、4.5MPa 1/2 以上の溶解性パラメータを有する溶媒で洗浄する工程
(3)少なくとも、前記(2)で得られた水不溶性ポリマー、着色剤、有機溶媒及び水を混合し、分散処理して、着色剤を内包する水不溶性ポリマーの分散体を得る工程、及び
(4)前記(3)で得られた分散体から有機溶媒を除去する工程 - 水不溶性ポリマーが、(a)塩生成基含有モノマー由来の構成単位、(b)マクロマー由来の構成単位及び(c)疎水性モノマー由来の構成単位を含む、水不溶性グラフトポリマーである請求項1に記載のインクジェット記録用水分散体の製造方法。
- (c)疎水性モノマーが、スチレン系モノマー及び/又は(メタ)アクリル酸のアリールエステルである請求項2に記載のインクジェット記録用水分散体の製造方法。
- 着色剤が顔料である請求項1〜3のいずれかに記載のインクジェット記録用水分散体の製造方法。
- 工程(2)で使用される溶媒の水100gに対する溶解量が、20℃において80g以上である請求項1〜4のいずれかに記載のインクジェット記録用水分散体の製造方法。
- 工程(2)で使用される溶媒の量が、洗浄する水不溶性ポリマーの重量の5〜200倍重量である請求項1〜5のいずれかに記載のインクジェット記録用水分散体の製造方法。
- 上記工程(2)が、工程(2)で使用される溶媒を攪拌しながら、前記工程(1)で得られた水不溶性ポリマーを添加した後、5〜60℃で、10分〜2時間攪拌する方法である請求項1〜6のいずれかに記載のインクジェット記録用水分散体の製造方法。
- 請求項1〜7のいずれかに記載の製造方法で得られたインクジェット記録用水分散体を含有するインクジェット記録用水系インク。
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