JP2000169769A - インクジェット用記録液およびそれを用いたインクジェット記録方法 - Google Patents

インクジェット用記録液およびそれを用いたインクジェット記録方法

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JP2000169769A
JP2000169769A JP34630098A JP34630098A JP2000169769A JP 2000169769 A JP2000169769 A JP 2000169769A JP 34630098 A JP34630098 A JP 34630098A JP 34630098 A JP34630098 A JP 34630098A JP 2000169769 A JP2000169769 A JP 2000169769A
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pigment
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anhydride
copolymer
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Yoshichika Ueno
嘉睦 上野
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Toyo Ink Mfg Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】分散安定性、ノズルにおける吐出安定性に優
れ、顔料が記録紙の繊維内部にしみ込まず、記録紙上で
の光学濃度が高い水性インクジェット用記録液、および
それを用いたインクジェット記録方法の提供。 【解決手段】水性媒体中に、自己分散型顔料およびアク
リル酸とマレイン酸またはその無水物との共重合体を分
散または溶解してなるインクジェット用記録液、および
ベック平滑度20〜80秒の普通紙に、上記インクジェ
ット用記録液を用いて記録することを特徴とするインク
ジェット記録方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェット用
記録液に関する。さらに詳しくは、分散安定性及び印字
特性に優れた、顔料分散型の水性インクジェット用記録
液、およびそれを用いた普通紙へのインクジェット記録
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、水性媒体に顔料を分散した記
録液としては、特開昭64−6074号公報、特開昭6
4−31881号公報、特開平3−134073号公報
などに開示されているように、顔料を界面活性剤や水溶
性樹脂を使用して水系媒体中に分散させたものが使用さ
れる。また、特開平8−3498号公報に開示されてい
るように、表面を酸化処理したカーボンブラックを分散
剤なしで水系媒体中に自己分散させた記録液も同様に使
用される。
【0003】しかしながら、顔料を使用した記録液は、
粒子を液体中に分散しているため、染料を使用した記録
液と比較してプリンターヘッドにおける目詰まりを発生
し易く、吐出安定性を確保するのが難しい。また、一般
に顔料の粒度分布は広いため、低粘度の記録液を調製し
た場合、保存中に粗大粒子を沈降することや、粗大粒子
の影響により吐出安定性が低下することが多かった。さ
らに、自己分散性がない顔料を界面活性剤や水溶性樹脂
などの分散剤を使用して分散する場合、比較的多量の分
散剤が必要になる。このような分散体を使用して得られ
た記録液を非塗工紙などのいわゆる普通紙に印字した場
合、記録液中に存在する過剰な分散剤の影響で顔料粒子
が記録紙の繊維内部に浸透してしまい、満足な光学濃度
の印字物が得られない場合が多い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
従来技術の問題点を解決し、分散安定性、ノズルにおけ
る吐出安定性に優れ、顔料が記録紙の繊維内部にしみ込
まず、記録紙上での光学濃度が高い水性インクジェット
用記録液、およびそれを用いたインクジェット記録方法
を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、水性媒体
中に自己分散型顔料を分散させてなるインクジェット用
記録液に、アクリル酸とマレイン酸またはその無水物と
の共重合体を含有させることにより、印字物の光学濃度
を向上しうることを見出した。また、ある程度以上の分
散粒径を有し、粗大粒子を含まない記録液を使用した場
合に、吐出安定性が良好で、かつ普通紙上での光学濃度
が高い印字物が得られることを見出し、本発明に至っ
た。
【0006】すなわち、本発明は、水性媒体中に、自己
分散型顔料およびアクリル酸とマレイン酸またはその無
水物との共重合体を分散または溶解してなるインクジェ
ット用記録液に関する。また、本発明は、自己分散型顔
料が、顔料表面にカルボキシル基またはスルホン基を有
するカーボンブラックまたは有機顔料である上記インク
ジェット用記録液に関する。また、本発明は、自己分散
型顔料及び水のみからなる、顔料濃度20重量%とした
ときの表面張力が60mN/m以上である顔料分散体
に、水性媒体およびアクリル酸とマレイン酸またはその
無水物との共重合体を添加してなり、上記自己分散型顔
料の、レーザーによる動的光散乱法の粒度分布計で測定
した体積累計50%粒子径が80nm以上、体積累計9
9%粒子径が400nm以下である上記インクジェット
用記録液に関する。
【0007】また、本発明は、アクリル酸とマレイン酸
またはその無水物との共重合体の数平均分子量が100
0〜100000である上記インクジェット用記録液に
関する。また、本発明は、アクリル酸とマレイン酸また
はその無水物との共重合体が、アクリル酸とマレイン酸
またはその無水物とを5/1〜1/1のモル比で重合し
て得られる共重合体である上記インクジェット用記録液
に関する。また、本発明は、アクリル酸とマレイン酸ま
たはその無水物との共重合体及びカーボンブラック顔料
表面のカルボキシル基またはスルホン基の中和剤を含む
上記インクジェット用記録液に関する。
【0008】また、本発明は、アクリル酸とマレイン酸
またはその無水物との共重合体の記録液中の含有量が
0.01〜1重量%である上記インクジェット用記録液
に関する。また、本発明は、自己分散型顔料の平均一次
粒子径が10〜150nmである上記インクジェット用
記録液に関する。さらに、本発明は、ベック平滑度20
〜80秒の普通紙に、上記インクジェット用記録液を用
いて記録するインクジェット記録方法に関する。
【0009】
【発明の実施の形態】自己分散型顔料は、分散剤などを
使用しないでも水に容易に分散しうる顔料であり、自己
分散型顔料としては、顔料表面にカルボキシル基、スル
ホン基などの酸性官能基、またはそれらの塩を有するカ
ーボンブラックまたは有機顔料が好適に使用される。な
お、自己分散性がない顔料は、界面活性剤や水溶性樹脂
などの分散剤を多量に使用しなければ水性媒体中に分散
することができず、記録液を調整した際に、過剰な分散
剤の影響で、顔料の記録紙繊維内部への浸透が促進され
ることがあり、印字物の光学濃度が低下するため、本願
発明には不適当である。
【0010】顔料表面にカルボキシル基やスルホン基を
有する自己分散型顔料は、顔料に酸化処理、スルホン化
処理等の表面処理を施すことにより得られる。顔料表面
の酸化処理は、水性媒体中で、硝酸、硫酸、過硫酸カリ
ウム、過マンガン酸カリウム、次亜ハロゲン酸塩などの
酸化剤と共に顔料を加熱処理したのち、水洗する方法に
より行うことができる。また、顔料表面のスルホン化処
理は、スルホン化ピリジン塩、アミド硫酸、フルオロ硫
酸、クロロ硫酸、三酸化硫黄、発煙硫酸、硫酸等のスル
ホン化剤と共に顔料を加熱処理したのち、水洗する方法
により行うことができる。
【0011】自己分散型顔料の原料となるカーボンブラ
ックは、チャネルブラック法、ファーネスブラック法、
アセチレンブラック法等の種々の方法によって製造され
る顔料で、酸性カーボン、中性カーボン、塩基性カーボ
ンのいずれもが使用できる。カーボンブラックとして具
体的には、三菱化学社製のMA−7、MA−8、MA−
100、#2200B、#2600、MCF88、N
o.10B、No.33、No.40、No.4000
B、No.52、CF−9、キャボット社製のRega
l 400R、660R、330R、MOGUL L、
デグサ社製のColor Black FW1、FW1
8、S170、S150、Printex U、35、
コロンビアカーボン社製のREVEN 1255等を例
示できる。
【0012】自己分散型顔料の原料となる有機顔料とし
ては、トルイジンレッド、トルイジンマルーン、ハンザ
エロー、ベンジジンエロー、ピラゾロンレッドなどの不
溶性アゾ系顔料、リトールレッド、ヘリオボルドー、ピ
グメントスカーレット、パーマネントレッド2Bなどの
溶性アゾ系顔料、アリザリン、インダントロン、チオイ
ンジゴマルーンなどの建染染料からの誘導体、フタロシ
アニンブルー、フタロシアニングリーンなどのフタロシ
アニン系顔料、キナクリドンレッド、キナクリドンマゼ
ンタなどのキナクリドン系顔料、ペリレンレッド、ペリ
レンスカーレットなどのペリレン系顔料、イソインドリ
ノンエロー、イソインドリノンオレンジなどのイソイン
ドリノン系顔料、イソインドリン系顔料、ピランスロン
レッド、ピランスロンオレンジなどのピランスロン系顔
料、チオインジゴ系顔料、縮合アゾ系顔料、ベンズイミ
ダゾロン系顔料、フラバンスロンエロー、アシルアミド
エロー、キノフタロンエロー、ニッケルアゾエロー、銅
アゾメチンエロー、ペリノンオレンジ、アンスロンオレ
ンジ、ジアンスラキノニルレッド、ジオキサジンバイオ
レット等が例示できる。 なかでも、キナクリドン系顔
料、フタロシアニン系顔料、ベンズイミダゾロン系顔
料、イソインドリノン系顔料およびキノフタロン系顔料
からなる群より選ばれる少なくとも1種の有機顔料を用
いることが耐光性等の点から好ましい。
【0013】上記自己分散型顔料は、平均一次粒子径が
10〜150nmであることが好ましい。顔料の平均一
次粒子径が150nmを越える場合、インクジェット用
記録液のような低粘度の系では、保存中に顔料の沈降を
発生する場合が多い。また、顔料の平均一次粒子径が1
0nm未満の場合、粒子間の凝集が激しく、同様に安定
に分散することが難しい。顔料の一次粒子が上記の大き
さである場合、記録液中での沈降が防止され、分散安定
性の良好な記録液が得られる。
【0014】また、本発明のインクジェット用記録液
は、上記自己分散型顔料及び水のみからなる、顔料濃度
20重量%としたときの表面張力が60mN/m以上、
特に好ましくは65mN/m以上、75mN/m以下で
ある顔料分散体に、水性の液体およびアクリル酸とマレ
イン酸またはその無水物との共重合体を添加してなるも
のであることが好ましい。上記顔料分散体の表面張力が
60mN/m未満である場合、不純物や自己分散型顔料
を調製する際の副生成物である水溶性物質が多量に含ま
れている可能性があり、記録液の分散安定性が損なわれ
るとともに印字物の光学濃度も低下する。
【0015】さらに、本発明のインクジェット用記録液
中の自己分散型顔料の粒度分布は、レーザーによる動的
光散乱法の粒度分布計で測定した体積累計50%粒子径
が80nm以上、特に好ましくは100nm以上であ
り、体積累計99%粒子径が400nm以下、特に好ま
しくは350nm以下であることが好ましい。体積累計
50%粒子径が80nm未満の場合、顔料が記録紙繊維
内部へしみ込み易くなり、印字物の光学濃度が低下す
る。また、体積累計99%粒子径が400nmを越える
場合、粗大粒子の影響で保存安定性及びノズルでの吐出
安定性が低下し、記録液として満足な品質が得られな
い。
【0016】本発明において、アクリル酸とマレイン酸
またはその無水物との共重合体は、印字物の光学濃度を
向上するために添加する。この共重合体は、ごく少量の
添加で記録液の光学濃度を向上する効果があり、記録液
中の含有量が0.01〜1重量%であることが好まし
い。含有量が0.01重量%未満の場合、印字物の光学
濃度を向上する効果が低い。また、1重量%を超える場
合、分散安定性が低下し、顔料粒子の凝集を発生するた
め、ノズルにおける吐出安定性が低下するとともに印字
物の光学濃度が低下する。
【0017】アクリル酸とマレイン酸またはその無水物
との共重合体は、通常、溶液重合、懸濁重合、塊状重合
等の方法によりラジカル重合で合成される。得られる共
重合体の数平均分子量は1000〜100000、特に
1000〜50000であることが好ましい。また、共
重合体中のアクリル酸とマレイン酸またはその無水物の
モル比は5/1〜1/1であることが好ましい。共重合
体が上記の組成である場合、顔料の分散安定性、ノズル
における吐出安定性、印字物の光学濃度の点で好まし
い。
【0018】さらに、本発明のインクジェット用記録液
は、アクリル酸とマレイン酸またはその無水物との共重
合体及び顔料表面のカルボキシル基またはスルホン基の
中和剤を含むことが好ましい。中和剤を含まない場合、
顔料表面の酸性官能基が解離しにくいため、水性媒体中
で顔料粒子間に十分な電荷反発が発生せず、分散安定性
が低下する。また同様に、アクリル酸とマレイン酸また
はその無水物との共重合体のカルボキシル基が解離しに
くいため、水性媒体に溶解しにくくなる。中和剤として
は、水酸化ナトリウムや水酸化カリウムなどのアルカリ
金属の水酸化物やアンモニア、トリエチルアミンやトリ
エタノールアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン
などの各種有機アミンなどが好適に使用される。
【0019】本発明の記録液を構成する水性媒体は、水
および必要に応じて水性溶剤を含む水性の液体である。
水としては、金属イオン等を除去したイオン交換水、蒸
留水または精製水を、記録液の49〜95重量%の範囲
で用いる。水性溶剤には、記録液のノズル部分での乾
燥、記録液の固化を防止し、安定に記録液の噴射を行わ
せ、ノズルの経時での乾燥を防止するための保湿剤とし
て働く水性溶剤と、記録液の被印刷体が紙のような浸透
性のある材料のときに、紙への記録液の浸透をはやめ見
掛けの乾燥性を早くする浸透剤として働く水性溶剤と、
記録液の紙での乾燥を速めるための乾燥促進剤として働
く水性溶剤とがある。
【0020】保湿剤として働く水性溶剤としては、1,
3−プロパンジオール、1,2−ヘキサンジオール、ジ
エチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラ
エチレングリコール、ポリエチレングリコール、ジプロ
ピレングリコール、2,4,6−ヘキサントリオール、
グリセリン、テトラフルフリルアルコール、ケトンアル
コール、N−メチル−2−ピロリドン、置換ピロリド
ン、4−メトキシ−4−メチルペンタノン等が例示でき
る。これらの水性溶剤は、単独ないし混合して記録液の
1〜50重量%、好ましくは2〜25重量%の範囲で用
いられる。
【0021】浸透剤として働く水性溶剤としては、ジエ
チレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコ
ールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノエチ
ルエーテル等、ポリエチレングリコールモノラウリルエ
ーテルのグリコールエーテル、エチレングリコール、プ
ロピレングリコール等のアルキレングリコールが例示で
きる。これらの水性溶剤は、単独ないし混合して記録液
の0〜5重量%、好ましくは1〜5重量%の範囲で用い
られる。浸透剤として働く水性溶剤は、上記使用量で十
分な効果があり、これよりも多いと印字の滲み、紙抜け
(プリントスルー)を起こし好ましくなくなる。
【0022】乾燥促進剤として働く水性溶剤としては、
メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等の
低級アルコール類が例示できる。これらの水性溶剤は、
単独ないし混合して記録液の0.1〜20重量%、好ま
しくは1〜10重量%の範囲で用いられる。本発明のイ
ンクジェット記録液には、防黴剤、キレート剤をはじめ
とする種々の添加剤を添加することができる。本発明の
インクジェット用記録液には、上記自己分散型顔料、ア
クリル酸とマレイン酸またはその無水物との共重合体、
中和剤、水性媒体の他に、他の水性樹脂、防腐剤、染料
等の着色補助剤、キレート剤、pH調製剤、消泡剤、尿
素、ジメチル尿素などの添加剤を添加することができ
る。
【0023】他の水性樹脂としては、印字物の耐水性、
定着性を更に向上するために、水溶性または水分散性の
樹脂を単独で、または混合して使用することができる。
水溶性樹脂として具体的には、アクリル系樹脂、ポリエ
ステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹
脂、ポリビニルアルコール、セルロースエステル類、ポ
リビニルピロリドンなどが挙げられ、これらは記録液の
0〜1重量%の範囲で用いられる。また、水分散性樹脂
として具体的には、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹
脂、ポリウレタン系樹脂などが挙げられ、これらは記録
液の0〜5重量%の範囲で用いられる。
【0024】防腐剤は、記録液の腐敗、黴の発生を防止
するものであり、デヒドロ酢酸ナトリウム、安息香酸ナ
トリウム、ソジウムビリジンチオン−1−オキサイド、
ジンクピリジンチオン−1−オキサイド、1,2−ベン
ズイソチアゾリン−3−オン、1−ベンズイソチアゾリ
ン−3−オンのアミン塩、2,2−ジブロモ−2−ニト
ロエタノール等が用いられる。これらは、記録液の0.
05〜1.0重量%の範囲で用いられる。
【0025】キレート剤は、記録液中の金属イオンを封
鎖し、ノズル部での金属の析出や記録液中で不溶解性物
の析出等を防止するものであり、エチレンジアミンテト
ラアセティックアシド、エチレンジアミンテトラアセテ
ィックアシドのナトリウム塩、エチレンジアミンテトラ
アセティックアシドのジアンモニウム塩、エチレンジア
ミンテトラアセティックアシドのテトラアンモニウム塩
等が用いられる。これらは、記録液の0.005〜0.
5重量%の範囲で用いられる。
【0026】また、色相の調整、濃度の付与等を目的と
して、耐水性、耐光性に問題の無いような形で、染料を
用いることができる。また、記録液のpHを調整し、記
録液の安定ないし記録装置中の記録液配管との安定性を
得るため、アミン、無機塩、アンモニア等のpH調整
剤、リン酸等の緩衝液を用いることができる。また、記
録液の循環、移動、あるいは記録液製造時の泡の発生を
防止するため、消泡剤を添加することもできる。
【0027】本発明のインクジェット用記録液は、通
常、水性媒体中に上記自己分散型顔料を分散して顔料分
10〜50重量%の水性顔料分散体とした後、該水性顔
料分散体に水性媒体、アクリル酸とマレイン酸またはそ
の無水物との共重合体、および必要に応じて他の水性樹
脂、中和剤及びその他の添加剤を加え、ディスパー等で
混合攪拌することにより製造できる。なお、水性顔料分
散体の製造は、ディスパー、サンドミル、ホモジナイザ
ー等を用いて行うことができる。上記水性顔料分散体
は、必要に応じて遠心分離を行い、粗大粒子を除去す
る。
【0028】水性顔料分散体は、希釈の前または後に、
孔径1.0μm以下のフィルター、孔径0.65μm以
下のフィルター、さらには孔径0.45μm以下のフィ
ルターで十分濾過することが好ましい。孔径1.0μm
以下のフィルターで濾過して粗粒子を除去することによ
り、ノズルにおける吐出安定性の良好なインクジェット
用記録液が得られる。フィルター濾過に先立ち遠心分離
による濾過を行うこともでき,これにより、フィルター
濾過における目詰まりを少なくし,フィルター交換を少
なくできる。
【0029】記録液の粘度は、記録装置の方式にもよる
が、25℃において0.8〜20mPa・sであること
が好ましい。粘度が20mPa・sを越える場合、記録
液の吐出安定性を低下させる可能性がある。記録液の表
面張力は25〜60mN/mであることが好ましく、p
Hは、特に制約されないが4〜12の範囲、好ましくは
7〜9の弱アルカリ性である。本発明のインクジェット
用記録液は、ベック平滑度20〜80秒の普通紙に記録
した場合にも、記録液中の顔料粒子が普通紙の内部に沈
み込まず、発色性の良好な記録物が得られる。
【0030】
【実施例】以下、実施例に基づき、本発明をさらに詳細
に説明するが、本発明は実施例に特に限定されるもので
はない。実施例中、部及び%は、それぞれ重量部及び重
量%を表す。
【0031】(実施例1)アクリル酸と無水マレイン酸
を5/1のモル比で重合し、数平均分子量5000の共
重合体Aを得た。顔料表面にカルボキシル基を有するカ
ーボンブラック(自己分散型顔料)の水分散体(キャボ
ット・スペシャルティ・ケミカルズ・インク社製「CA
B−O−JET 300」、固形分15%、顔料濃度2
0%としたときの表面張力73mN/m)25.0部と
下記の原料を混合、攪拌した後、孔径1.0μmのニト
ロセルロース製メンブランフィルターで減圧濾過し、記
録液を調製した。 共重合体A 1.0部 グリセリン 6.0部 アクリル樹脂エマルジョン 2.3部 (日本ポリマー株式会社製「F−157」、固形分40%) 精製水 65.7部
【0032】(実施例2)アクリル酸と無水マレイン酸
を3/1のモル比で重合して数平均分子量10000の
共重合体Bを得て、実施例1と同様にして下記組成の記
録液を調製した。 顔料表面にカルボキシル基を有するカーボンブラックの水分散体 (キャボット・スペシャルティ・ケミカルズ・インク社製 「CAB−O−JET 300」,固形分15%) 25.0部 共重合体B 0.5部 グリセリン 6.0部 アクリル樹脂エマルジョン 2.3部 (日本ポリマー株式会社製「F−157」、固形分40%) 精製水 66.2部
【0033】(実施例3)アクリル酸と無水マレイン酸
を2/1のモル比で重合して数平均分子量50000の
共重合体Cを得て、実施例1と同様にして下記組成の記
録液を調製した。 顔料表面にカルボキシル基を有するカーボンブラックの水分散体 (キャボット・スペシャルティ・ケミカルズ・インク社製 「CAB−O−JET 300」,固形分15%) 25.0部 共重合体C 0.1部 グリセリン 6.0部 アクリル樹脂エマルジョン 2.3部 (日本ポリマー株式会社製「F−157」、固形分40%) 精製水 66.6部
【0034】(実施例4)実施例1と同様にして下記組
成の記録液を調製した。 顔料表面にカルボキシル基を有するカーボンブラックの水分散体 (キャボット・スペシャルティ・ケミカルズ・インク社製 「CAB−O−JET 300」,固形分15%) 25.0部 共重合体A(実施例1で得たもの) 0.005部 グリセリン 6.0部 アクリル樹脂エマルジョン 2.3部 (日本ポリマー株式会社製「F−157」、固形分40%) 精製水 66.695部
【0035】(実施例5)実施例1と同様にして下記組
成の記録液を調製した。 顔料表面にカルボキシル基を有するカーボンブラックの水分散体 (キャボット・スペシャルティ・ケミカルズ・インク社製 「CAB−O−JET 300」,固形分15%) 25.0部 共重合体B(実施例2で得たもの) 2.0部 グリセリン 6.0部 アクリル樹脂エマルジョン 2.3部 (日本ポリマー株式会社製「F−157」、固形分40%) 精製水 64.7部
【0036】(実施例6)アクリル酸と無水マレイン酸
を10/1のモル比で重合して数平均分子量5000の
共重合体Dを得て、実施例1と同様にして下記組成の記
録液を調製した。 顔料表面にカルボキシル基を有するカーボンブラックの水分散体 (キャボット・スペシャルティ・ケミカルズ・インク社製 「CAB−O−JET 300」,固形分15%) 25.0部 共重合体D 1.0部 グリセリン 6.0部 アクリル樹脂エマルジョン 2.3部 (日本ポリマー株式会社製「F−157」、固形分40%) 精製水 65.7部
【0037】(実施例7)アクリル酸と無水マレイン酸
を5/1のモル比で重合して数平均分子量120000
の共重合体Eを得て、実施例1と同様にして下記組成の
記録液を調製した。 顔料表面にカルボキシル基を有するカーボンブラックの水分散体 (キャボット・スペシャルティ・ケミカルズ・インク社製 「CAB−O−JET 300」,固形分15%) 25.0部 共重合体E 1.0部 グリセリン 6.0部 アクリル樹脂エマルジョン 2.3部 (日本ポリマー株式会社製「F−157」、固形分40%) 精製水 65.7部
【0038】(比較例1)実施例1と同様にして下記組
成の記録液を調製した。 顔料表面にカルボキシル基を有するカーボンブラックの水分散体 (キャボット・スペシャルティ・ケミカルズ・インク社製 「CAB−O−JET 300」,固形分15%) 25.0部 グリセリン 6.0部 アクリル樹脂エマルジョン 2.3部 (日本ポリマー株式会社製「F−157」、固形分40%) 精製水 66.7部
【0039】(比較例2)非自己分散型カーボンブラッ
ク(デグサ社製「プリンテックス 55」)15.0
部、アクリル樹脂系顔料分散剤(ジョンソンポリマー株
式会社製「PDX−6101」)7.0部、精製水8
2.0部を混合し、サンドミルにより分散して、水性顔
料分散体を調製した。得られた水性顔料分散体25.0
部と下記の原料を混合、攪拌した後、孔径1.0μmの
ニトロセルロース製メンブランフィルターで減圧濾過
し、記録液を調製した。 共重合体A(実施例1で得たもの) 1.0部 グリセリン 6.0部 アクリル樹脂エマルジョン 2.3部 (日本ポリマー株式会社製「F−157」、固形分40%) 精製水 65.7部
【0040】実施例及び比較例で調製した記録液につい
て、粘度、分散粒子径、吐出安定性、耐光性、保存安定
性を評価した。評価結果を表1に示す。評価は以下の方
法に従って行った。
【0041】[粘度]B型粘度計(株式会社東京計器
製)を使用して、60rpmにおける粘度を25℃で測
定した。 [分散粒子径]記録液の粒度分布を、レーザーによる動
的光散乱法の粒度分布計(日機装株式会社製「マイクロ
トラック UPA モデル9230」)により測定し
た。各記録液につき3回の測定を行い、それらの平均値
を算出して体積累計50%粒子径及び体積累計99%粒
子径を求めた。
【0042】[吐出安定性]記録液をインクジェットプ
リンター(ヒューレットパッカード社製「DeskJe
t560J」)のカートリッジに充填して、ゼロックス
社製「4024紙」に印字し、記録物の印字状態を目視
で評価した。 ○:ドット抜け、方向の乱れ無し △:わずかにドット抜け、方向の乱れあり ×:ドット抜け、方向の乱れが著しい [光学濃度]ゼロックス社製「4024紙」への印字物
の光学濃度を反射濃度計(マクベス社製「RD91
8」)で測定した。
【0043】[保存安定性]記録液を60℃で4週間経
時促進し、促進前後の記録液の分散粒子径と粘度を比較
し、保存安定性の評価を行った。 (分散粒子径) ○:促進後の記録液の体積累計50%粒子径が、促進前
の記録液の体積累計50%粒子径+10nm未満 △:促進後の記録液の体積累計50%粒子径が、促進前
の記録液の体積累計50%粒子径+10nm〜+50n
m ×:促進後の記録液の体積累計50%粒子径が、促進前
の記録液の体積累計50%粒子径+50nmより大きい (粘度変化) ○:促進後の記録液の粘度が、促進前の記録液の粘度+
0.2mPa・s以下 △:促進後の記録液の粘度が、促進前の記録液の粘度+
0.2mPa・sより大きく、+0.5mPa・s以下 ×:促進後の記録液の粘度が、促進前の記録液の粘度+
0.5mPa・sより大きい
【0044】
【表1】
【0045】
【発明の効果】本発明により、分散安定性に優れたイン
クジェット用記録液が得られるようになった。また、本
発明により得られた顔料分散型記録液を使用した印字物
は、染料を使用した記録液を使用した印字物と比較し
て、耐光性に優れる。さらに、自己分散型顔料を使用
し、記録液中にアクリル酸とマレイン酸またはその無水
物との共重合体を含有させることにより、記録紙上での
反射濃度が高い印字物が得られるようになった。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水性媒体中に、自己分散型顔料およびアク
    リル酸とマレイン酸またはその無水物との共重合体を分
    散または溶解してなるインクジェット用記録液。
  2. 【請求項2】自己分散型顔料が、顔料表面にカルボキシ
    ル基またはスルホン基を有するカーボンブラックまたは
    有機顔料である請求項1記載のインクジェット用記録
    液。
  3. 【請求項3】自己分散型顔料及び水のみからなる、顔料
    濃度20重量%としたときの表面張力が60mN/m以
    上である顔料分散体に、水性媒体およびアクリル酸とマ
    レイン酸またはその無水物との共重合体を添加してな
    り、上記自己分散型顔料の、レーザーによる動的光散乱
    法の粒度分布計で測定した体積累計50%粒子径が80
    nm以上、体積累計99%粒子径が400nm以下であ
    ることを特徴とする請求項1または2いずれか1項に記
    載のインクジェット用記録液。
  4. 【請求項4】アクリル酸とマレイン酸またはその無水物
    との共重合体の数平均分子量が1000〜100000
    である請求項1ないし3いずれか1項に記載のインクジ
    ェット用記録液。
  5. 【請求項5】アクリル酸とマレイン酸またはその無水物
    との共重合体が、アクリル酸とマレイン酸またはその無
    水物とを5/1〜1/1のモル比で重合して得られる共
    重合体であることを特徴とする請求項1ないし4いずれ
    か1項に記載のインクジェット用記録液。
  6. 【請求項6】アクリル酸とマレイン酸またはその無水物
    との共重合体及び顔料表面のカルボキシル基またはスル
    ホン基の中和剤を含むことを特徴とする請求項2ないし
    5いずれか1項に記載のインクジェット用記録液。
  7. 【請求項7】アクリル酸とマレイン酸またはその無水物
    との共重合体の記録液中の含有量が0.01〜1重量%
    である請求項1ないし6いずれか1項に記載のインクジ
    ェット用記録液。
  8. 【請求項8】自己分散型顔料の平均一次粒子径が10〜
    150nmである請求項1ないし7いずれか1項に記載
    のインクジェット用記録液。
  9. 【請求項9】ベック平滑度20〜80秒の普通紙に、請
    求項1記載のインクジェット用記録液を用いて記録する
    ことを特徴とするインクジェット記録方法。
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