JPH11293164A - 水性インク - Google Patents

水性インク

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JPH11293164A
JPH11293164A JP11275198A JP11275198A JPH11293164A JP H11293164 A JPH11293164 A JP H11293164A JP 11275198 A JP11275198 A JP 11275198A JP 11275198 A JP11275198 A JP 11275198A JP H11293164 A JPH11293164 A JP H11293164A
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JP
Japan
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water
dye
ink
aqueous ink
molecular weight
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Application number
JP11275198A
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English (en)
Inventor
Tetsuya Kaneko
哲也 金子
Kakuji Murakami
格二 村上
Akihiko Goto
明彦 後藤
Nobutaka Osada
延崇 長田
Tomoko Sekine
朋子 関根
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 発色性、耐水性に優れ、また分散安定性にも
優れた水性インク、特にインクジェット記録に適した水
性インクを提供する。 【解決手段】 水、水不溶性着色剤および分散剤を含有
する水性インクにおいて、分散剤として、色素骨格を少
なくとも1カ所に有し、且つ親水基を有する高分子量の
色素、特に水不溶性着色剤と親和性の高い色素骨格を少
なくとも1カ所に有し、且つ親水基を有する重合体部分
を有している高分子量の色素を用いる。また分散剤とし
て比較的疎水性の高い色素骨格に親水基が局所的に付加
された染料を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は良好な色調で高い耐
水性を示し、また分散安定性にも優れた水性インク、特
にインクジェット記録に適した水性インクに関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】インクジェットプリンターは、低騒音、
低ランニングコストといった利点から近年、著しく普及
し、普通紙に印字可能なカラープリンターも市場に投入
されるようになった。従来のインクジェット記録用のイ
ンクとしては、記録剤としての水溶性染料と液媒体を主
成分とするものが主であったが、その記録物は、染料の
特性上、耐水性および耐光性に乏しいものが多かった。
最近、それらを解決するために、着色材として顔料を分
散させたインクが開発されている。しかし、顔料を用い
たインクジェット記録用インクは黒がほとんどであり、
カラー印字に対応できるものは少ない。また、対応でき
たとしても、その色はかなりくすんでおり、色彩豊かな
染料系インクに比べて、かなり色再現範囲の狭いカラー
印字となることが多い。また、黒色インクで使用してい
る顔料は一般的にはカーボンブラックであるために、や
や赤茶けた色相にならざるを得ない。
【0003】特開平8−1239610号公報には、顔
料、着色樹脂、保湿剤および水を含有してなるインクジ
ェット記録用水性顔料インキ組成物であって、顔料と、
染料により染着された着色樹脂との配合割合(顔料/着
色樹脂)が重量比で1/20〜20/1であることを特
徴とするインクジェット記録用水性顔料インキ組成物が
開示されており、鮮やかなカラー印字を行うことができ
るとされている。しかしながら、この場合、水中に顔料
と着色樹脂を安定して分散させることは困難であり、分
散安定性に欠けるという不具合がある。また、特開平9
−151344号公報には、染料を吸着させた顔料を水
及び/または水溶性有機溶剤に分散させることを特徴と
するインクジェット記録用インク及びこれを用いたイン
クジェット記録装置が開示されているが、染料の顔料へ
の吸着が不十分でるるために、期待される耐水性は得ら
れなかった。また、異なる色の境界部分では、顔料への
吸着が不十分な染料成分による混色が生じるなどの不具
合があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明の課題は
このような問題点を解決し、発色性、耐水性に優れ、ま
た分散安定性にも優れた水性インク、特にインクジェッ
ト記録に適した水性インクを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、第一
に、水、水不溶性着色剤および分散剤を含有する水性イ
ンクにおいて、分散剤が色素骨格を少なくとも1カ所に
有し、且つ親水基を有する高分子量の色素であることを
特徴とする水性インクが提供される。
【0006】第二に、上記第一に記載した水性インクに
おいて、分散剤が水不溶性着色剤と親和性の高い色素骨
格を少なくとも1カ所に有し、且つ親水基を有する重合
体部分を有している高分子量の色素であることを特徴と
する水性インクが提供される。
【0007】第三に、水、水不溶性着色剤および分散剤
を含有する水性インクにおいて、分散剤が比較的疎水性
の高い色素骨格に親水基が局所的に付加された染料であ
ることを特徴とする水性インクが提供される。
【0008】第四に、上記第三に記載した水性インクに
おいて、分散剤が染料のアルキレンオキサイド付加物で
あることを特徴とする水性インクが提供される。
【0009】第五に、上記第一乃至第四のいずれかに記
載した水性インクにおいて、分散剤として更に高分子分
散剤を併用することを特徴とする水性インクが提供され
る。
【0010】第六に、上記第一または第二に記載した水
性インクにおいて、水不溶性着色剤としてカーボンブラ
ックを用い、高分子量の色素として青の色調を有するも
のを用いることを特徴とする黒色の水性インクが提供さ
れる。
【0011】第七に、上記第三または第四に記載した水
性インクにおいて、水不溶性着色剤としてカーボンブラ
ックを用い、染料として青の色調を有するものを用いる
ことを特徴とする黒色の水性インクが提供される。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明者らは、水、着色剤、分散
剤を含有する水性インクの発色性、耐水性および分散安
定性などについて検討を重ねたところ、水不溶性着色剤
を用い、分散剤として色素骨格を少なくとも1カ所に有
し、且つ親水基を有する高分子量の色素を用いることに
より、発色性、耐水性に優れ、かつ分散安定性にも優れ
た水性インクが得られることを見出し本発明に至った。
【0013】高分子量の色素の構成としては、特に水不
溶性着色剤との親和性の高い色素骨格を少なくとも1カ
所に有し、かつ水になじみやすくするために親水基を有
することが好ましく、これにより、高分子量の色素中の
色素骨格部分が水不溶性着色剤に吸着し、保護コロイド
層を形成するため、水不溶性着色剤を水中に安定して分
散させることができる。高分子量の色素における色素骨
格としては多種多様なものが可能であり、例えば、アゾ
系、トリフェニルメタン系、キサンテン系、アントラキ
ノン系、トリアジン系、フタロシアニン系、キナクリド
ン系などが挙げられる。必ずしも分散される着色剤と同
一の色素骨格を有する必要はない。
【0014】親水基としては、カルボキシル基、スルホ
ン酸基、アミノ基、エチレンオキサイド等のアルキレン
オキサイド基などが挙げられる。高分子量の色素中にこ
れらの親水基を有する重合体部分を含むことが好まし
い。親水基の種類および数は、所望の分散能を得るため
に適宜選択される。また、親水性モノマーと疎水性モノ
マーとの共重合体でもよく、親水性モノマーと疎水性モ
ノマーの比率も、所定の分散能を得るために適宜選択さ
れる。
【0015】また、高分子量の色素の分子量は、1千以
上100万以下であることが好ましい。1千未満では保
護コロイド効果が不十分であり、100万を越えると凝
集作用により分散安定性が低下するようになる。
【0016】高分子量の色素一分子に含まれる色素骨格
の数は1から20の範囲が好ましい。従来の高分子型分
散剤と比べ、色素骨格による水不溶性着色剤との親和性
が高いため色素骨格数が20を越えると架橋剤として働
き、かえって凝集を促進することになる。高分子量の色
素一分子に含まれる色素骨格の数は1から10の範囲が
特に好ましい。
【0017】また、高分子量の色素の色調については、
着色剤自体の色調や発色性を改善する目的に応じて適宜
選択することができる。プロセスカラーの色調を整える
様に選択することも可能であるし、あるいは全く異なる
色相の高分子量の色素と水不溶性着色剤とを混合して混
色インクとして利用することも可能である。
【0018】また、上記高分子量の色素と同様な効果を
有する分散剤として、比較的疎水性の高い色素骨格に親
水基が局所的に付加された染料を用いることができる。
より具体的には油溶染料や分散染料などにアルキレンオ
キサイドを付加したものが有効である。付加モル数とし
ては、5〜20モルが好ましい。構造的に親水部と疎水
部を遍在させることで安定した保護コロイドを形成する
ため、高い分散安定性が得られる。
【0019】さらに、本発明の水性インクにおいては、
必要に応じて通常の高分子分散剤、例えば下記のような
親水性高分子を併用してもよい。親水性高分子として
は、天然系では、アラビアガム、トラガンガム、グーア
ガム、カラヤガム、ローカストビーンガム、アラビノガ
ラクトン、ペクチン、クインスシードデンプン等の植物
性高分子、アルギン酸、カラギーナン、寒天等の海藻系
高分子、ゼラチン、カゼイン、アルブミン、コラーゲン
等の動物系高分子、キサンテンガム、デキストラン等の
微生物系高分子、半合成系では、メチルセルロース、エ
チルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロ
キシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース
等の繊維素系高分子、デンプングリコール酸ナトリウ
ム、デンプンリン酸エステルナトリウム等のデンプン系
高分子、
【0020】アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピ
レングリコールエステル等の海藻系高分子、純合成系で
は、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポ
リビニルメチルエーテル等のビニル系高分子、非架橋ポ
リアクリルアミド、ポリアクリル酸およびそのアルカリ
金属塩、水溶性スチレンアクリル樹脂等のアクリル系樹
脂、水溶性スチレンマレイン酸樹脂、水溶性ビニルナフ
タレンアクリル樹脂、水溶性ビニルナフタレンマレイン
酸樹脂、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコー
ル、β−ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物のアル
カリ金属塩、四級アンモニウムやアミノ基等のカチオン
性官能基の塩を側鎖に有する高分子化合物、セラック等
の天然高分子化合物などが挙げられる。
【0021】本発明の水性インクにおける水不溶性着色
剤としては、顔料もしくは水不溶性染料などが挙げられ
る。水溶性染料を添加することは耐水性を低下させるた
め好ましくない。顔料としては、アゾ系、フタロンアニ
ン系、アントラキノン系、キナクリドン系、ジオキサジ
ン系、インジゴ系、チオインジゴ系、ペリレン系、イソ
インドレノン系、アニリンブラック、アゾメチン系、ロ
ーダミンBレーキ顔料、カーボンブラック等の有機顔
料、および無機顔料が挙げられる。着色剤としてカーボ
ンブラックを用いた場合、通常赤みがかった色調にな
る。このとき青の色調を有する分散剤を利用すると、黒
の色調が改善され、かつ黒の画像濃度も向上する。水不
溶性染料としては、カラーインデックスにおいて分散染
料、油溶染料に分類される染料で、耐水性、耐光性の優
れたものが用いられる。
【0022】本発明の水性インクは水を液媒体として使
用するものであるが、水性インクを所望の物性にするた
め、あるいは水性インクの乾燥を防止するために、ま
た、溶解安定性を向上させるため等の目的で下記の水溶
性有機溶媒を使用することができる。すなわち、水溶性
有機溶媒としてはエチンングリコール、ジエチレングリ
コール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコ
ール、ポリプロピレングリコール、1,5ペンタンジオ
ール、1,6−へキサンジオール、グリセロール、1,
2,6−へキサントリオール、1,2,4−ブタントリ
オ−ル、1,2,3−ブタントリオール、ペトリオール
等の多価アルコール類、エチレングリコールモノエチル
エーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジ
エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレング
リコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモ
ノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチ
ルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル
等の多価アルコールアルキルエーテル類、エチレングリ
コールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノ
ベンジルエーテル等の多価アルコールアリールエーテル
類、N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチ
ル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、1,3−ジメチ
ルイミダゾリジノン、ε−カプロラクタム等の含窒素複
素環化合物、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、
N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類、モノエタ
ノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールア
ミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチル
アミン等のアミン類、ジメチルスルホキシド、スルホラ
ン、チオジエタノール等の含硫黄化合物類、プロピレン
カーボネート、炭酸エチレン、γ−ブチロラクトンなど
が挙げられる。これらの溶媒は、水とともに単独もしく
は複数混合して用いられる。
【0023】これらの中で特に好ましいものはジエチレ
ングリコール、チオジエタノール、ポリエチレングリコ
ール200〜600、トリエチレングリコール、グリセ
ロール、1,2,6−へキサントリオール、1,2,4
−ブタントリオール、ペトリオール、1,5−ペンタン
ジオール、N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキ
シエチルピロリドン、2−ピロリドン、1,3−ジメチ
ルイミダゾリジノンであり、これらを用いることにより
水分蒸発による噴射特性不良の防止に対して優れた効果
が得られる。
【0024】また、水性インクの表面張力を調整する目
的で浸透剤を添加することができ、浸透剤としてはジエ
チレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリ
コールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノ
アリルエーテル、ジエチレングリコールモノフェニルエ
ーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プ
ロピレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレ
ングリコールクロロフェニルエーテル等の多価アルコー
ルのアルキルおよびアリールエーテル類、フッ素系界面
活性剤、エタノール、2−プロパノール等の低級アルコ
ール類などが挙げられる。
【0025】さらに、本発明の水性インクには従来より
知られている添加剤を加えることができる。例えば、防
腐防黴剤としてはデヒドロ酢酸ナトリウム、ソルビン酸
ナトリウム、2−ピリジンチオール−1−オキサイドナ
トリウム、安息香酸ナトリウム、ペンタクロロフェノー
ルナトリウム等を用いることができる。pH調整剤とし
ては、調合される水性インクに悪影響を及ぼさずにpH
を7以上に調整できるものであれば、任意の物質を使用
することができる。その例としては、ジエタノールアミ
ン、トリエタノールアミン等のアミン、水酸化リチウ
ム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金
属元素の水酸化物、水酸化アンモニウム、第4級アンモ
ニウム水酸化物、第4級ホスホニウム水酸化物、炭酸リ
チウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金
属の炭酸塩等が挙げられる。
【0026】また、キレート試薬として、例えば、エチ
レンジアミン四酢酸ナトリウム、ニトリロ三酢酸ナトリ
ウム、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸ナトリ
ウム、ジエチレントリアミン五酢酸ナトリウム、ウラミ
ル二酢酸ナトリウム等を用いることができ、防錆剤とし
て、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウム、チオ
ジグリコール酸アンモン、ジイソプロピルアンモニイウ
ムニトライト、四硝酸ペンタエリスリトール、ジシクロ
ヘキシルアンモニウムニトライト等を用いることができ
る。その他目的に応じて水溶性紫外線吸収剤、水溶性赤
外線吸収剤、界面活性剤を添加することもできる。
【0027】
【実施例】以下に本発明の実施例および比較例を示す。
【0028】実施例1 下記処方の組成物をサンドミル(井上製作所社製)にて
分散し、遠心分離を行い、粗大粒子を取り除いたのち、
孔径が約1μmのメンブランフィルターに通して夾雑物
および遠心分離で取り除けなかったlμm以上の粗大粒
子を取り除き、マゼンタインク1を得た。 C.I.ビグメントレッド150 15重量% 下記構造式(1)の化合物 20重量%
【化1】 グリセロール 5重量% N−ヒドロキシエチルピロリドン 5重量% デヒドロ酢酸ナトリウム 0.2重量% イオン交換水 残量
【0029】実施例2 下記組成物を用いた以外は実施例1と同様にして、マゼ
ンタインク2を調製した。 C.I.ピグメントレッド122 15重量% 下記構造式(2)の化合物 20重量%
【化2】 1,2,6−へキサントリオール 4重量% 1,5−ペンタンジオール 8重量% 2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム 0.2重量% イオン交換水 残量
【0030】実施例3 下記組成物を用いた以外は実施例1と同様にして、イエ
ローインク3を調製した。 C.I.ソルベントイエロー16 4重量% 下記構造式(3)の化合物 8重量%
【化3】 ジエチレングリコール 5重量% グリセロール 5重量% デヒドロ酢酸ナトリウム 0.2重量% イオン交換水 残量
【0031】実施例4 下記組成物を用いた以外は実施例1と同様にして、シア
ンインク4を調製した。 C.I.ピグメントブルー15:3 20重量% 下記構造式(4)の化合物 10重量%
【化4】 (Pcはフタロシアニン骨格を示す。) ナフタレンスルホン酸Na塩のホルマリン縮合物 10重量% トリエチレングリコール 5重量% ペトリオール 10重量% 2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム 0.2重量% イオン交換水 残量
【0032】実施例5 下記組成物を用いた以外は実施例1と同様にして、ブラ
ックインク5を調製した。 カーボンブラック 15重量% 構造式(4)の化合物 20重量% エチレングリコール 5重量% グリセロール 2重量% 1,5−ペンタンジオール 10重量% 安息香酸ナトリウム 0.2重量% イオン交換水 残量
【0033】実施例6 下記組成物を用いた以外は実施例1と同様にして、マゼ
ンタインク6を調製した。 C.I.ピグメントレッド122 15重量% 下記構造式(5)の化合物 20重量%
【化5】 ジエチレングリコール 4重量% 1,5−ペンタンジオール 8重量% 2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム 0.2重量% イオン交換水 残量
【0034】実施例7 下記組成物を用いた以外は実施例1と同様にして、マゼ
ンタインク7を調製した。 C.I.ビグメントレッド150 15重量% 下記構造式(6)の化合物 20重量%
【化6】 プロピレングリコール 5重量% N−ヒドロキシエチルピロリドン 5重量% デヒドロ酢酸ナトリウム 0.2重量% イオン交換水 残量
【0035】比較例1 実施例1において構造式(1)の化合物を除いた以外は
実施例1と同様にしてインク8を調製した。
【0036】比較例2 実施例1において構造式(1)の化合物に代えてスチレ
ン−アクリル酸共重合体を用いた以外は実施例1と同様
にしてインク9を調製した。
【0037】比較例3 実施例2において構造式(2)の化合物のポリアクリル
酸ナトリウム重合体部分がポリエチレン重合体である化
合物を用いた以外は実施例2と同様にしてインク10を
調製した。
【0038】比較例4 実施例3において構造式(3)の化合物に代えてC.
I.アシッドイエロー23を用いた以外は実施例3と同
様にしてインク11を調製した。
【0039】比較例5 実施例5において構造式(4)の化合物の代わりにスチ
レン−マレイン酸共重合体の塩を用いた以外は実施例5
と同様にしてインク12を調製した。
【0040】次に上記実施例1〜7および比較例1〜5
で得られたインクについて下記の試験を行った。その結
果を表1に示す。 1)印字試験(吐出安定性、画質評価) 積層PZTを液室流路の加圧に使用したノズル径27μ
m、600dpiのノズルを有するインクジェットヘッ
ドを備えたプリンタにて印字を行い、ベタ画像の埋まり
具合および色調を目視により判断した。印字用紙は市販
の再生紙、上質紙とボンド紙の3種を用い、それぞれ1
00枚ずつ印字した。100枚目の印字物のベタ部が完
全に埋まり、且つ色調の良いものを○、ベタ部に一部埋
まっていない、或いはくすんだ色調であるものを△、ノ
ズルが目詰まりを起こし、印字できなかったものを×と
して表1に示した。
【0041】2)画像の耐水性 画像サンプルを30℃の水に1分間浸漬し、浸漬処理前
後の画像濃度の変化をマクベス濃度計で測定し、下記式
にて耐水性(退色率%)を求め、いづれの紙でも20%
未満となったものを○、20%以上30%未満となった
ものを△、30%以上となったものを×として表1に示
した。 耐水性(退色率%)=[1−(処理後の画像濃度/処理
前の画像濃度)]×100
【0042】3)保存安定性(分散安定性) 各インクをポリエチレン容器に入れ、50℃雰囲気中で
3カ月間保存した。3カ月間保存する前と後でのインク
の粘度および平均粒子径の変化率を求めた。いずれの変
化率も5%未満であるものを○、いずれの変化率も10
%未満で○以外であるものを△、少なくとも一方の変化
率が10%以上であるものを×として表1に示した。
【0043】4)印字休止時の信頼性 上記1)の印字試験に用いたインクジェットヘッドにイ
ンクを充填し、キャップをせずに20℃の雰囲気温度下
で3日間放置し、印字が可能となる条件から休止時信頼
性を評価した。吐出オリフィスのクリーニング0回で印
字可能である場合を○、5回以下のクリーニングで印字
可能である場合を△、何回クリーニングしても印字不可
能である場合を×として表1に示した。
【0044】
【表1】
【0045】表1から明らかなように、実施例のものは
吐出安定性や画質、耐水性に優れ、インクの保存安定性
(分散安定性)および休止時信頼性(噴射信頼性)も良
好である。これに対して比較例のものは、特に構造式
(1)の化合物を全く含まないインク8(比較例1)は
顔料の分散安定性が低く、通常のインクとしての使用に
耐えなかった。
【0046】構造式(1)の化合物または構造式(4)
の化合物に代えて通常の無色高分子分散剤を添加したイ
ンク9(比較例2)、インク12(比較例5)は保存安
定性や休止時信頼性は良好であったが、それぞれ顔料特
有のくすみのあるマゼンタ色調および画像濃度の低い赤
みがかった黒であった。また、構造式(2)の化合物の
ポリアクリル酸塩部分をポリエチレンに代えたものを用
いたインク10(比較例3)の場合は、すぐに著しい凝
集を生じてしまった。高分子量の色素である構造式
(3)の化合物に代えて、水溶性染料であるC.I.ア
シッドイエロー23を用いたインク11(比較例4)の
場合は、水溶性染料は充分溶解するものの、ソルベント
イエロー16が全く水系の液中に分散されず分離した。
【0047】
【発明の効果】本発明によれば、水不溶性着色剤を、色
素骨格を少なくとも1カ所に有し且つ親水基を有する高
分子量の色素により分散させることにより、分散安定性
に優れ、かつ良好な色調で耐水性にも優れた水性インク
が得られる。さらに、この水性インクは、インクジェッ
ト記録法に用いた場合、保存安定性、噴射安定性に優れ
ている。また、本発明によれば、耐水性、分散安定性に
優れるとともに、印字画像が赤っぽくなく、さらに高い
画像濃度となる黒色の水性インクが得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 長田 延崇 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 関根 朋子 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水、水不溶性着色剤および分散剤を含有
    する水性インクにおいて、分散剤が色素骨格を少なくと
    も1カ所に有し、且つ親水基を有する高分子量の色素で
    あることを特徴とする水性インク。
  2. 【請求項2】 分散剤が水不溶性着色剤と親和性の高い
    色素骨格を少なくとも1カ所に有し、且つ親水基を有す
    る重合体部分を有している高分子量の色素であることを
    特徴とする請求項1記載の水性インク。
  3. 【請求項3】 水、水不溶性着色剤および分散剤を含有
    する水性インクにおいて、分散剤が比較的疎水性の高い
    色素骨格に親水基が局所的に付加された染料であること
    を特徴とする水性インク。
  4. 【請求項4】 分散剤が染料のアルキレンオキサイド付
    加物であることを特徴とする請求項3記載の水性イン
    ク。
  5. 【請求項5】 分散剤として更に高分子分散剤を併用す
    ることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の
    水性インク。
  6. 【請求項6】 水不溶性着色剤としてカーボンブラック
    を用い、高分子量の色素として青の色調を有するものを
    用いることを特徴とする請求項1または2記載の黒色の
    水性インク。
  7. 【請求項7】 水不溶性着色剤としてカーボンブラック
    を用い、染料として青の色調を有するものを用いること
    を特徴とする請求項3または4記載の黒色の水性イン
    ク。
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