JP3618010B2 - 水性インク及びそれを用いた記録方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は水性筆記用具、記録計、ペンプロッター用に用いることができる水性インク組成物、特にはインクジェット記録用に適した水性インクで特に吐出信頼性と印字後の耐水性に優れた特性を示す水性インク及び該インクを用いた記録方法に関する。
【0002】
【従来技術】
近年、インクジェットプリンターは低騒音、低ランニングコストといった利点から普及し、普通紙印字可能なカラープリンタ一も市場に投入されている。
しかしながら、画像の色再現性、耐水性、耐光性、画像の乾燥性、画像慘みと吐出の信頼性のすべてを満足することは難しい。特に水性インクとしての溶解性と、普通紙上での耐水性を両立するには染料そのものの改良が行われているが、耐水性を向上し、かつ信頼性の高い染料を得ることは難しい。例えば特開昭63−30567号公報に本出願人によるポリアリルアミンより誘導されたアゾ染料を側鎖に有する高分子染料が開示されているが染料としての耐水性の向上は見られるものの、必ずしも諸特性を満足せず、現状では更なる改良された染料が望まれる。また特開平6−263008号公報には、印刷基材の表面で変化を受けて、5から8員環ラクトンまたはラクタムを形成することで、水不溶性の重合体染料に変化させることのできる水溶性染料があるが、インクジェットインクとして印刷後の耐水堅牢性は示すものの、十分な吐出信頼性を満足してはいなかった。
さらに、特開平3−72501号公報には、キトサンにフタロシアニンの側鎖を導入した高分子化合物があるが、該化合物は優れた成型性、耐水洗性、脱臭能を有するものの、親水基の導入が少ないため、インクジェット用インクに十分な溶解性が得られないという問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の第1の目的はインクジェットインク等に用いる水性インクとして諸特性を満足し、特にインクジェット用インクとして用いたとき、吐出信頼性と高耐水性を兼ね備えたキトサン誘導体を用いた水性インクを提供することにある。 本発明の第2の目的はキサンテン系染料骨格を側鎖に持つキトサン誘導体を用いた、優れた特性を示す水性インクを提供することにある。
本発明の第3の目的はフタロシアニン系染料骨格を側鎖に持つキトサン誘導体を用いた、優れた特性を示す水性インクを提供することにある。
本発明の第4の目的はアゾ系染料骨格を側鎖に持つキトサン誘導体を用いた、優れた特性を示す水性インクを提供することにある。
本発明の第5の目的は上記アゾ系染料で特に優れたモノアゾ染料骨格を有するキトサン誘導体を用いた、優れた特性を示す水性インクを提供することにある。
本発明の第6の目的は上記アゾ系染料で特に優れたジスアゾ染料骨格を有するキトサン誘導体を用いた、優れた特性を示す水性インクを提供することにある。
本発明の第7の目的は該インクを用いて、惨みが少なく良好に画像形成を行なうインクジェット記録方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の課題を解決すべく従来より研究を重ねてきた結果、キトサンのアミノ基を利用し、従来の染料骨格が導入されたキトサン誘導体を含有させた水性インクが、優れた特性を見出すに至り、本発明を完成した。
すなわち本発明によれば、下記一般式(1)で表されるキトサン誘導体を含有させた水性インクが提供される。
【0005】
【化1】
【0006】
(式中、Dは染料骨格、lは任意の自然数を表す。)
また本発明によれば、前記一般式(1)においてDが、各々一般式(2)〜(6)で表される染料骨格のキトサン誘導体を含有させた水性インクが提供される。
【0007】
【化2】
【0008】
【化3】
【0009】
【化4】
【0010】
【化5】
【0011】
【化6】
【0012】
更に本発明によれば、上記水性インクの少なくとも1種を用いたインクジェット記録方法が提供される。
本発明の一般式におけるR1、R2のアルキル基として、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等を挙げることができ、ハロゲンとしてフッ素、塩素、臭素等を挙げることができるが、好適なものとして、メチル基を挙げることができる。
また、前記一般式におけるMのアルカリ金属としては、Na、Liを好適なものとして挙げることができ、第4級アンモニウム、第4級ホスホニウム、アルカノールアミンとしては、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルホスホニウム、トリエタノールアミンを好適なものとして挙げることができる。
また、前記一般式におけるAr1、Ar2の芳香環としてはフェニル基、ナフチル基を好適なものとして挙げることができ、その置換基としては、メチル基、エチル基等のアルキル基、水酸基、カルボン酸基、スルホン酸基、アミノ基またはそれらからの誘導体を好適なものとして挙げることができる。
以下に、本発明の一般式(1)で表されるキトサン誘導体において、Dで表される染料骨格の具体例を遊離酸型で示すが、これらに限定きれるものではない。
【0013】
【化7】
【0014】
【化8】
【0015】
【化9】
【0016】
前記一般式(2)、(3)、(4)のキトサン誘導体は、従来公知のキサンテン染料およびフタロシアニン染料から容易に合成できる。つまり、該染料骨格のカルボキシル基あるいはスルホン酸基と、キトサンのアミノ基の縮合反応により得ることができる。反応は酸ハロゲン化物を経由し、これに適当な塩基の存在下でキトサンと反応させることが一例として挙げられる。
前記一般式(5)および(6)のキトサン誘導体は、特開昭63−30567号公報に記載されているような公知の方法により合成することができる。つまりアゾ染料の原料骨格とキトサンの酸アミドの縮合反応を行い、その後にアゾ染料骨格をカップリング等の反応により合成できる。
このように、種々の染料骨格をキトサンの側鎖に導入し、様々なキトサン誘導体を合成することが可能である。
本発明のキトサン誘導体の原料であるキトサンは天然に存在するキチンをアルカリまたは酵素により、加水分解を伴う脱アセチル化による公知の方法にて得られる。また市販されているキトサンは粘度範囲による分類や水溶性のものなど様々な態様があるが、そのいずれも好適に用いることができる。
【0017】
本発明の誘導体を用いて水性インクを調製する場合、誘導体の使用量については、要求されるインク特性により異なるが、一般的にはインク全重量に対して 0.1〜15重量%の範囲が好適で、より好適には0.1〜10重量%である。
本発明のインクは水を液媒体として使用するものであるが、インクを所望の物性にするため、インクの乾燥を防止するために、また、本発明の化合物の溶解安定性を向上するため等の目的で下記の水溶性有機溶媒を使用することができる。
【0018】
エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−へキサンジオール、グリセロール、1,2,6−へキサントリオール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,3−ブタントリオール、ペトリオール等の多価アルコール類、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル類、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等の多価アルコールアリールエーテル類;N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、1,3−ジメチルイミダゾリジノン、ε−カプロラクタム等の含窒素複素環化合物;ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン等のアミン類、ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオジエタノール等の含硫黄化合物類、プロピレンカーボネート、炭酸エチレン、γ−ブチロラクトン等である。
これらの溶媒は、水とともに単独もしくは、複数混合して用いられる。
これらの中で特に好ましいものはジエチレングリコール、チオジエタノール、ポリエチレングリコール200〜600、トリエチレングリコール、グリセロール、1,2,6−へキサントリオール、1,2,4−ブタントリオール、ペトリオール、1,5−ペンタンジオール、N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチルピロリドン、2−ピロリドン、1,3−ジメチルイミダゾリジノンであり、これらを用いることにより本化合物の高い溶解性と水分蒸発による噴射特性不良の防止に対して優れた効果が得られる。
また、表面張力を調整する目的で添加される浸透剤としては下記の化合物を使用することができる。
【0019】
ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、炭素鎖が5〜7の分岐したアルキル鎖を有するジアルキルスルホ琥珀酸等のアニオン系界面活性剤、アセチレングリコール系、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル系等の非イオン系界面活性剤、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノアリルエーテル、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールクロロフェニルエーテル等の多価アルコールのアルキル及びアリールエーテル類、フッ素系界面活性剤、シリコン系界面活性剤、エタノール、2−プロパノール等の低級アルコール類が挙げられるが、特に好ましいのはポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、ジエチレングリコールモノブチルエーテルである。
【0020】
また着色剤としては、本発明の誘導体以外にも必要に応じて他の着色剤と混合して用いることができる。用いられる水溶性染料としては、カラーインデックスにおいて酸性染料、直接性染料、塩基性染料、反応性染料、食用染料に分類される染料で耐水、耐光性が優れたものが用いられる。
これらは効果が疎外されない範囲で添加することができる。
【0021】
これら染料を具体的に挙げれば、酸性染料及び食用染料としては
C.I.アシッド.イエロー17,23,42,44,79,142
C.I.アシッド.レッド1,8,13,14,18,26,27,35,37,42,52,82,87,89,92,97,106,111,114,115,134,186,249,254,289
C.I.アシッド.ブルー9,29,45,92,249
C.I.アシッド.ブラック1,2,7,24,26,94
C.I.フード.イエロー3,4
C.I.フード.レッド7,9,14
C.I.フード.ブラック1,2
直接性染料としては
C.I.ダイレクト.イエロー1,12,24,26,33,44,50,86,120,132,142,144
C.I.ダイレクト.レッド1,4,9,13,17,20,28,31,39,80,81,83,89,225,227
C.I.ダイレクト.オレンジ26,29,62,102
C.I.ダイレクト.ブルー1,2,6,15,22,25,71,76,79,86,87,90,98,163,165,199,202
C.I.ダイレクト.ブラック19,22,32,38,51,56,71,74,75,77,154,168,171
塩基性染料としては
C.I.ベーシック.イエロー1,2,11,13,14,15,19,21,23,24,25,28,29,32,36,40,41,45,49,51,53,63,64,65,67,70,73,77,87,91
C.I.ベーシック.レッド2,12,13,14,15,18.22,23,24,27,29,35,36,38,39,46,49,51,52,54,59,68,69,70,73,78,82,102,104,109,112
C.I.ベーシック.ブルー1,3,5,7,9,21,22,26,35,41,45,47,54,62,65,66,67,69,75,77,78,89,92,93,105,117,120,122,124,129,137,141,147,155
C.I.ベーシック.ブラック2,8
反応性染料としては
C.I.リアクテイブ.ブラック3,4,7,11,12,17
C.I.リアクテイブ.イエロー1,5,11,13,14,20,21,22,25,40,47,51,55,65,67
C.I.リアクテイブ.レッド1,14,17,25,26,32,37,44,46,55,60,66,74,79,96,97
C.I.リアクテイブ.ブルー1,2,7,14,15,23,32,35,38,41,63,80,95等が使用できる。
特に酸性染料及び直接性染料が好ましく用いることができる。
【0022】
顔料としては、有機顔料としてアゾ系、フタロシアニン系、アントラキノン系、キナクリドン系、ジオキサジン系、インジゴ系、チオインジゴ系、ペリレン系、イソインドレノン系、アニリンブラック、アゾメチン系、ローダミンBレーキ顔料、カーボンブラック等が挙げられ、無機顔料として酸化鉄、酸化チタン、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、バリウムイエロー、紺青、カドミウムレッド、クロムイエロー、金属粉が挙げられる。
【0023】
顔料分散剤としては親水性高分子として、天然系では、アラビアガム、トラガンガム、グーアガム、カラヤガム、ローカストビーンガム、アラビノガラクトン、ペクチン、クインスシードデンプン等の植物性高分子、アルギン酸、カラギーナン、寒天等の海藻系高分子、ゼラチン、カゼイン、アルブミン、コラーゲン等の動物系高分子、キサンテンガム、デキストラン等の微生物系高分子、半合成系では、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース等の繊維素系高分子、デンプングリコール酸ナトリウム、デンプンリン酸エステルナトリウム等のデンプン系高分子、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル等の海藻系高分子、純合成系では、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルメチルエーテル等のピニル系高分子、非架橋ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸及びそのアルカリ金属塩、水溶性スチレンアクリル樹脂等のアクリル系樹脂、水溶性スチレンマレイン酸樹脂、水溶性ビニルナフタレンアクリル樹脂、水溶性ビニルナフタレンマレイン酸樹脂、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、8−ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物のアルカリ金属塩、四級アンモニウムやアミノ基等のカチオン性官能基の塩を側鎖に有する高分子化合物、セラック等の天然高分子化合物等が挙げられる。
【0024】
本発明のインクには上記着色剤、溶媒の他に従来より知られている添加剤を加えることができる。
例えば、防腐防徴剤としてはデヒドロ酢酸ナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム、安息香酸ナトリウム、ペンタクロロフェノールナトリウム等が本発明に使用できる。
pH調整剤としては、調合されるインクに悪影響をおよぽさずにpHを7以上に調整できるものであれば、任意の物質を使用することができる。
その例として、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミン、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属元素の水酸化物、水酸化アンモニウム、第4級アンモニウム水酸化物、第4級ホスホニウム水酸化物、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属の炭酸塩等が挙げられる。
キレート試薬としては、例えば、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム、ニトリロ三酢酸ナトリウム、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸ナトリウム、ジエチレントリアミン五酢酸ナトリウム、ウラミル二酢酸ナトリウム等がある。
防錆剤としては、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウム、チオジグリコール酸アンモン、ジイソプロピルアンモニイウムニトライト、四硝酸ペンタエリスリトール、ジシクロヘキシルアンモニウムニトライト等がある。
【0025】
目語まり防止剤としては、例えば、尿素、ヒドロキシエチル尿素等の尿素誘導体等がある。その他目的に応じて水溶性紫外線吸収剤、水溶性赤外線吸収剤を添加することもできる。
【0026】
以下に本発明を実施例および比較例によりより具体的に説明するが,これらに限定されるものではない。
【0027】
〔実施例1〕
下記処方の組成物を60℃で撹拌溶解し、室温にて放冷後、pHが8.5になるように水酸化リチウム10%水溶液にて調整し、これを0.22μmのテフロンフィルターにて濾過しインク1を調製した。
具体例(2−1)をDとする一般式(1)の染料 1.5重量%
グリセロール 5重量%
N−ヒドロキシエチルビロリドン 5重量%
ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩 0.8重量%
デヒドロ酢酸ナトリウム 0.2重量%
イオン交換水 残量
【0028】
〔実施例2〕
下記組成物を用いる以外は実施例1と同様にし、pHを水酸化ナトリウムで 8.8にしてインク2を調製した。
具体例(3−1)をDとする一般式(1)の染料 1.5重量%
1,2,6−ヘキサントリオール 4重量%
1,5−ペンタンジオール 8重量%
ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩 1.2重量%
2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム 0.2重量%
イオン交換水 残量
【0029】
〔実施例3〕
下記組成物を用いる以外は実施例1と同様にして、pHを水酸化リチウムで8.5にしてインク3を調製した。
具体例(4−1)をDとする一般式(1)の染料 2重量%
N−メチル−2−ピロリドン 5重量%
グリセロール 5重量%
ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル 2重量%
デヒドロ酢酸ナトリウム 0.2重量%
イオン交換水 残量
【0030】
〔実施例4〕
下記組成物を用いる以外は実施例1と同様にして、pHを水酸化リチウムで7.5にしてインク4を調製した。
具体例(5−1)をDとする一般式(1)の染料 1.2重量%
エチレングリコール 5重量%
グリセロール 2重量%
1,5−ペンタンジオール 10重量%
アセチレングリコール 0.8重量%
安息香酸ナトリウム 0.2重量%
イオン交換水 残量
【0031】
〔実施例5〕
下記組成物を用いる以外は実施例1と同様にして、pHを水酸化ナトリウムで7.8にしてインク5を調製した。
具体例(6−1)をDとする一般式(1)の染料 1.2重量%
トリエチレングリコール 5重量%
ペトリオール 10重量%
ポリオキシエチレンアルキルエーテル 2重量%
2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム 0.2重量%
イオン交換水 残量
【0032】
〔比較例1〕
実施例1において具体例(2−1)をDする一般式(1)の染料に代えてC.I.アシッドレッド289を用いる以外は同様にして、インク6を調製した。
【0033】
〔比較例2〕
実施例2において具体例(3−1)をDする一般式(1)の染料に代えてC.I.ダイレクトブルー199を用いる以外は同様にして、インク7を調製した。
【0034】
〔比較例3〕
実施例4において具体例(5−1)をDする一般式(1)の染料に代えてC.I.アシッドイエロー23を用いる以外は同様にして、インク8を調製した。
【0035】
〔比較例4〕
実施例5において具体例(6−1)をDする一般式(1)の染料に代えてC.I.フードブラック2を用いる以外は同様にして、インク9を調製した。
【0036】
つぎに上記実施例1〜5及び比較例1〜4の各インクを用いて下記の試験を行った。
1)画像の鮮明性
サーマルインクジェット方式のノズル径45μm、300dpiのノズルを有するインクジェットプリン夕一及び積層PZTを液室流路の加圧に使用したノズル径33μm、300dpiのノズルを有するインクジェットプリン夕一にて印字を行い、2色重ね部境界の慘み、画像慘み、色調、濃度を目視により総合的に判断した。良いものから順に○、△、×として評価した。なお、印字用紙としては市販の再生紙、上質紙とボンド紙の3紙を用いた。
2)画碑の耐水性
画像サンプルを30℃の水に1分間浸潰し処理前後の画像濃度の変化をマクベス濃度計で測定し、下記の式にて耐水性(耐色率%)を求めた。
いづれの紙でも20%以下となったものを○、30%未満を△、30%以上×として評価した。
3)保存安定性
各インクをポリエチレン容器に入れ、−20℃、5℃、20℃、70℃でそれぞれの条件下で3カ月保存し、保存後の表面張力、粘度、及び沈澱物析出の有無を調べた。
どの条件で保存しても、物性等の変化がないものを○、あるものを×として評価した。
4)印字休止時の信頼性
上記のプリンター動作中にキャップ、クリーニング等が行われないでどれだけ印字休止しても復帰できるかを調べ、噴射方向のずれ、あるいは吐出液滴の重量の変化を総合的に評価した。信頼性のあるものから順に○、△、×として評価した。
以上の結果を表1に示す。
【0037】
【表1】
【0038】
【発明の効果】
第1項の本発明によれば側鎖に染料骨格を有するキトサン誘導体は水系溶媒中で優れた溶解性を示すためインクジェットインクとして優れた吐出信頼性を示し、かつ主鎖であるキトサン骨格はセルロースを主原料とする紙との親和性に優れるため、該誘導体を含有させた水性インクは普通紙等への記録後の耐水性が良好でにじみの少ない画像を与えることができる。
第2項の本発明によればキトサン骨格に特定のキサンテン染料が導入された誘導体を含有させることで優れたマゼンタ〜レッドの色調で吐出信頼性を示す水性インクを得られ、かつ耐水性の優れた画像を与えることができる。
第3項の本発明によれば、キトサン骨格に特定のフタロシアニン染料が導入された誘導体を含有させることで、優れたシアン〜ブルーの色調で吐出信頼性を示す水性インクを得られ、かつ耐水性の優れた画像を与えることができる。
第4項の本発明によれば、キトサン骨格にアゾ系染料を有する化合物が導入された誘導体を含有させることで、優れた色調で吐出信頼性を示す水性インクを得られ、かつ耐水性の優れた画像を与えることができる。
第5項の本発明によれば、キトサン骨格に特定のビラゾロン構造を有するモノアゾ染料が導入された誘導体を含有させることで、優れたイエローの色調で吐出信頼性を示す水性インクを得られ、かつ耐水性の優れた画像を与えることができる。
第6項の本発明によれば、キトサン骨格に特定のジスアゾ染料が導入された誘導体を含有させることで、優れたブラックの色調で吐出信頼性を示す水性インクを得られ、かつ耐水性の優れた画像を与えることができる。
第7項の本発明によれば、記録媒体と親和性の良いキトサン誘導体を含有させることで、惨みが少ない画像を形成でき、カラー画像の色再現性の高い記録方法を与えることができる。またOHPシートに印字した場合でも優れた色再現性を示す。
Claims (7)
- 前記一般式1においてDがアゾ系染料骨格を有することを特徴とする請求項1記載の水性インク。
- 記録信号に応じてインクを噴射して画像を得るインクジェット記録装置において、該インクの少なくとも1種が、請求項1ないし6のいずれかに記載のインクであることを特徴とするインクジェツト記録方法。
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1995
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