JP3196946B2 - 水性インク及びこれを用いた記録方法 - Google Patents

水性インク及びこれを用いた記録方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はインクジェット記録用に
適した水性インク、特に所謂普通紙に対するカラーイン
クとして優れた特性を示す水性インク組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、インクジェットプリンターは低騒
音、低ランニングコストといった利点から普及し、普通
紙印字可能なカラープリンターも市場に投入されてい
る。しかしながら、画像の色再現性、耐水性、耐光性、
画像の乾燥性と画像滲みと吐出の信頼性のすべてを満足
することは難しい。特にカラープリンターの場合、イエ
ロー、マゼンタ、シアンの単色印字部で画質劣化がなく
とも、レッド、グリーン、ブルーの2色重ね部分で画質
の劣化が発生しやすい。特に定着装置を用いないで乾燥
を行う場合、特開昭55−29546号公報等のように
浸透性を高めることにより乾燥性を向上しているため紙
により著しく滲む。また、特公昭60−23793号公
報には界面活性剤としてジアルキルスルホコハク酸が乾
燥性向上し画質劣化が少ないとされているが、紙による
画素径が著しく異なり画像濃度の低下も著しいといった
問題やアルカリ側では活性剤が分解し、保存時に活性効
果がなくなるといった問題がある。また、特公昭58−
6752号公報にはアセチレン結合を有するエチレンオ
キサイド付加体を界面活性剤を用いることにより浸透性
を向上させることにより滲みの少ない速乾性インクが開
示されている。しかしながら、染料によって、例えばD
BK168等の直接性染料とは疎水性相互作用のため乾
燥速度が向上しないといった問題がある。
【0003】また、特開昭56−57862号公報等に
は強塩基性物質を添加するインクが開示されているが、
ロジンサイズされた酸性紙では効果があるもののアルキ
ルケテンダイマーやアルケニルスルホコハク酸をサイズ
剤とした紙には効果がない。また、酸性紙でも2色重ね
部分では効果がない。
【0004】また、特開平1−203483号公報には
多価アルコール誘導体及びペクチンを含有することを特
徴とした記録液が開示されているが、これは増粘剤とし
てペクチンを添加し、滲みを防止するものであるが、ペ
クチンは水酸基を親水基とする非イオン性であるため印
字休止後の吐出安定性に欠けるという問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の第1の目的は
インクジェットインクとして諸特性を満足し、乾燥性に
優れ、かつ画質の劣化の改良された水性インク記録組成
物を提供することにある。
【0006】本発明の別の目的は該インク組成物を用い
て良好に画像形成をするための記録方法を提供すること
にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、鋭意検討し
た結果、インク成分として特定のスルホン酸塩を使用す
ることにより、表面張力を50mJ/m2以下に低下さ
せてインクと紙表面との濡れ性を向上させることがで
き、しかも従来の知られる界面活性剤に比べて、画像劣
化が極めて少ないことを見出し、本発明に至った。
【0008】すなわち、本発明は、(1)水に分散また
は溶解する着色剤、水及び湿潤剤を含有し、さらに下記
構造式で表される化合物を含有する水性インク式(I)
及び(2)前記1に記載の化合物(I)を含有した水性
インクを用い、これを微細な吐出口より吐出させ液化し
て飛翔させステキヒトサイズ度が3秒以上の被記録材に
カラー画像形成する記録方法を要旨とするものである。
【0009】本発明の水性インクは、上記した特徴に加
え、インクジェット用のコート紙、所謂普通紙の如何に
関わらずほぼ一定の画素径となる。また染料の如何に関
わらず浸透速度もほぼ同等となる特徴を有している。従
来から知られる、ジオクチルスルホ琥珀酸ナトリウムや
ジ(2−エチルヘキシル)スルホ琥珀酸ナトリウムやジ
ヘキシルスルホ琥珀酸ナトリウムに比べ水に対する溶解
度が高いため保存安定性や吐出安定性に優れている。
【0010】本発明に使用する上記(I)で表わされる
化合物において対イオンとしてリチウムイオン、及び下
記一般式で示される第4級アンモニウム、第4級ホスホ
ニウムを用いた場合には低温での保存安定性、吐出安定
性等においてより信頼性の高いインクとすることができ
る。
【0011】
【化3】
【0012】(Y:窒素またはリン R3〜R6:水素、炭素数1〜4のアルキル基、ヒドロキ
シアルキル基、ハロゲン化アルキル基) また、本発明のインクのpHは6〜9とするのが好まし
い。この範囲内ではインクの保存安定性に優れており、
長期印字中止後や連続噴射時でも安定して吐出可能であ
る。pHが9を越えると保存時に活性剤の分解による物
性変化から起りやすい。オフィスで使用されているコピ
ー用紙や用箋等はpHが5〜6のものが多いが、これら
の記録紙にインクを30〜60μmの微細な吐出口より
吐出し重量が30ng〜160ngの液滴として6〜2
0m/sで飛翔させ、ステキヒトサイズ度が3秒以上の
所謂普通に記録することにより高画質、高解像の記録画
像を形成する記録方式を提供することができる。
【0013】本発明に用いることができる化合物(I)
の添加量は0.05〜10重量%の間でプリンターシス
テムにより要求されるインク特性に対し所望の浸透性を
あたえることが可能である。ここで0.05%未満では
いずれの場合も2色重ね部の境界でのにじみが発生し、
10重量%を越えて添加する場合は化合物(I)自体が
低温で析出しやすかったり、染料の析出等も発生するこ
とがあり信頼性が悪くなる。
【0014】また、本化合物(I)は粘着性固体である
ので、好ましくは脂肪族アルコールとの混合物として流
動性を与えたものをもちいる。この場合には、容易にイ
ンクを製造でき、また浸透性に優れたインク組成物を提
供できる。脂肪族アルコールの含有量は染料の溶解性を
妨げない範囲でインク中に0.1%から5重量%の範囲
で添加することができる。脂肪族アルコールの例として
エタノール、2−プロパノール、プロパノール、ブタノ
ール等が挙げられる。
【0015】前記した本発明の水性インクのpHの調整
は、上記化合物(I)を遊離酸の形態で添加した後、水
酸化ナトリウム、水酸化リチウム、あるいは下記式で表
わされる対イオンの水酸化物を添加することによるのが
好ましい。
【0016】
【化4】
【0017】(Y:窒素またはリン R3〜R6:炭素数1〜4のアルキル基、ヒドロキシアル
キル基、ハロゲン化アルキル基) 例えばリチウム塩の場合は水酸化リチウムを添加するこ
とにより行え、一般式(II)の第4級アンモニウム、ホ
スホニウム、アルカノールアミン陽イオンに関しては、
具体的には以下に示す水酸化物添加することにより行わ
れる。
【0018】
【化5】
【0019】(II−9)トリエタノールアミン陽イオン (C25OH)3N・H+ 尚、本発明において該化合物(I)の対イオンがすべて
がナトリウム、リチウムおよび/または上記の一般式
(II)の化合物である必要はなく、他のアルカリイオン
と混合することもできる。ナトリウム、リチウムおよび
/または上記一般式(II)の化合物によるイオンの量と
しては化合物(I)のモル数にたいして30%以上、よ
り好ましくは50%以上となるように添加されることが
好ましい。本発明のインクは水を液媒体として使用する
ものであるが、インクを所望の物性にするため、インク
の乾燥を防止するために、また、本発明の化合物の溶解
安定性を向上するため等の目的で下記の水溶性の乾燥を
防止するために、また、本発明の化合物の溶解安定性を
向上するため等の目的で下記の水溶性有機溶媒を使用す
ることができる。
【0020】エチレングリコール、ジエチレングリコー
ル、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコー
ル、ポリプロピレングリコール、1,5−ペンタンジオ
ール、1,6ヘキサンジオール、グリセロール、1,
2,6−ヘキサントリオール、1,2,4−ブタントリ
オール、1,2,3−ブタントリオール、ペトリオール
等の多価アルコール類、エチレングリコールモノエチル
エーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジ
エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレング
リコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモ
ノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチ
ルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル
等の多価アルコールアルキルエーテル類、エチレングリ
コールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノ
ベンジルエーテル等の多価アルコールアリールエーテル
類;N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチ
ル−2−ピロリドン、1,3−ジメチルイミイダゾリジ
ノン、ε−カプロラクタム、γ−ブチロラクトン等の含
窒素複素環化合物;ホルムアミド、N−メチルホルムア
ミド、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等
のアミド類;モノエタノールアミン、ジエタノールアミ
ン、トリエタノールアミン、モノエチルアミン、ジエチ
ルアミン、トリエチルアミン等のアミン類、ジメチルス
ルホキシド、スルホラン、チオジエタノール等の含硫黄
化合物類、プロピレンカーボネート、炭酸エチレン等で
ある。これらの溶媒は、水とともに単独もしくは、複数
混合ロピレンカーボネート、炭酸エチレン等である。こ
れらの溶媒は、水とともに単独もしくは、複数混合して
用いられる。
【0021】これらの中で特に好ましいものはジエチレ
ングリコール、チオジエタノール、ポリエチレングリコ
ール200〜600、トリエチレングリコール、グリセ
ロール、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,4
−ブタントリオール、ペトリオール、1,5−ペンタン
ジオール、N−メチル−2−ピロリドンであり、これら
を用いることにより本化合物の高い溶解性と水分蒸発に
よる噴射特性不良の防止に対して優れた効果が得られ
る。
【0022】また、本発明の化合物(I)以外で表面張
力を調整する目的で添加される浸透剤としてはジエチレ
ングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコー
ルモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノアリ
ルエーテル、ジエチレングリコールモノフェニルエーテ
ル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピ
レングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレング
リコールクロロフェニルエーテル等の多価アルコールの
アルキル及びアリールエーテル類、フッ素系界面活性
剤、エタノール、2−プロパノール等の低級アルコール
類が挙げられるが、特に好ましいのはジエチレングリコ
ールモノブチルエーテルである。
【0023】本発明明細書に言う表面張力は紙への浸透
性を示す指標であり特に表面形成されて1秒以下の短い
時間での動的表面張力を示し、飽和時間で測定される静
的表面張力とは異なる。測定法としては特開昭63−3
1237号公報等に記載の従来公知の方法で1秒以下の
動的な表面張力を測定できる方法であればいずれも使用
できるが本発明ではWilhelmy式の吊り板式表面
張力計を用いて測定した。表面張力の値は50mJ/m
2以下が好ましく、より好ましくは40mJ/m2以下と
すると優れた乾燥性が得られる。
【0024】着色材として用いられる水溶性染料として
は、カラーインデックスにおいて酸性染料、直接性染
料、塩基性染料、反応性染料、食用染料に分類される染
料で耐水、耐光性が優れたものが用いられる。
【0025】これらの染料を具体的に挙げれば、酸性染
料及び食用染料として C.I.アシッド.イエロー 17,23,42,4
4,79,142 C.I.アシッド.レッド 1,8,13,14,1
8,26,27,35,37,42,52,82,8
7,89,92 97,106,111,114,115,134,18
6,249,254,289 C.I.アシッド.ブルー 9,29,45,92,2
49 C.I.アシッド.ブラック 1,2,7,24,2
6,94 C.I.フード.イエロー 3,4 C.I.フード.レツド 7,9,14 C.I.フード.ブラック 1,2 直接性染料として、 C.I.ダイレクト.イエロー 1,12,24,2
6,33,44,50 120,132,142,144,86 C.I.ダイレクト.レッド 1,4,9,13,1
7,20,28,31,39,80,81,83,8
9,225,227 C.I.ダイレクト.オレンジ 26,29,62,1
02 C.I.ダイレクト.ブルー 1,2,6,15,2
2,25,71,76,79,86,87,90,9
8,163,165,199,202 C.I.ダイレクト.ブラック 19,22,32,3
8,51,56,71 74,75,77,154,168,171 塩基性染料として、 C.I.ベーシック.イエロー 1,2,11,13,
14,15,19,21,23,24,25,28,2
9,32,36,40,41,45,49,51,5
3,63,465,67,70,73,77,87,9
1, C.I.ベーシック.レッド 2,12,13,14,
15,18,22,23,24,27,29,35,3
6,38,39,46,49,51,52,54,5
9,68,69,70,73,78,82,102,1
04,109,112 C.I.ベーシック.ブルー 1,3,5,7,9,2
1,22,26,35,41,45,47,54,6
2,65,66,67,69,75,77,78,8
9,92,93,105,117,120,122,1
24,129,137,141,147,155 C.I.ベーシック.ブラック 2,8 反応性染料として C.I.リアクティブ.ブラック 3,4,7,11,
12,17 C.I.リアクティブ.イエロー 1,5,11,1
3,14,20,21,22,25,40,47,5
1,55,65,67 C.I.リアクティブ.レッド 1,14,17,2
5,26,32,37,44,46,55,60,6
6,74,79,96,97 C.I.リアクティブ.ブルー 1,2,7,14,1
5,23,32,35,38,41,63,80,95 等が使用できる。特に酸性染料及び直接性染料が好まし
く用いることができる。顔料としては、有機顔料として
アゾ系、フタロシアニン系、アントラキノン系、キナク
リドン系、ジオキサジン系、インジゴ系、チオインジゴ
系、ペリレン系、イソインドレノン系、アニリンブラッ
ク、アゾメチン系、ローダミンBレーキ顔料、カーボン
ブラック等が挙げられ、無機顔料として酸化鉄、酸化チ
タン、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニ
ウム、バリウムイエロー、紺青、カドミウムレッド、ク
ロムイエロー、金属粉が挙げられる。
【0026】顔料分散剤としては親水性高分子として、
天然系では、アラビアガム、トラガンガム、グーアガ
ム、カラヤガム、ローカストビーンガム、アラビノガラ
クトン、ペクチン、クインスシードデンプン等の植物性
高分子、アルギン酸、カラギーナン、寒天等の海藻系高
分子、ゼラチン、カゼイン、アルブミン、コラーゲン等
の動物系高分子、キサンテンガム、デキストラン等の微
生物系高分子、半合成系では、メチルセルロース、エチ
ルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキ
シプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース等
の繊維素系高分子、デンプングリコール酸ナトリウム、
デンプンリン酸エステルナトリウム等のデンプン系高分
子、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリ
コールエステル等の海藻系高分子、純合成系では、ポリ
ビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニル
メチルエーテル等のビニル系高分子、非架橋ポリアクリ
ルアミド、ポリアクリル酸及びそのアルカリ金属塩、水
溶性スチレンアクリル樹脂等のアクリル系樹脂、水溶性
スチレンマレイン酸樹脂、水溶性ビニルナフタレンアク
リル樹脂、水溶性ビニルナフタレンマレイン酸樹脂、ポ
リビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、β−ナフ
タレンスルホン酸ホルマリン縮合物のアルカリ金属塩、
四級アンモニウムやアミノ基等のカチオン性官能基の塩
を側鎖に有する高分子化合物、セラミックス等の天然高
分子化合物等が挙げられる。
【0027】本発明のインクには上記着色剤、溶媒の他
に従来より知られている添加剤を加えることができる。
【0028】例えば、防腐防黴剤としてはデヒドロ酢酸
ナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、2−ピリジンチオ
ール−1−オキサイドナトリウム、安息香酸ナトリウ
ム、ペンタクロロフェノールナトリウム等が本発明に使
用できる。
【0029】pH調整剤としては、調合されるインクに
悪影響をおよぼさずにpHを7以上に調整できるもので
あれば、任意の物質を使用することができる。
【0030】その例として、ジエタノールアミン、トリ
エタノールアミン等のアミン、水酸化リチウム、水酸化
ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属元素の水
酸化物、水酸化アンモニウム、第4級アンモニウム水酸
化物、第4級ホスホニウム水酸化物、炭酸リチウム、炭
酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属の炭酸塩
等が挙げられる。
【0031】キレート試薬としては、例えば、エチレン
ジアミン四酢酸ナトリウム、ニトリロ三酢酸ナトリウ
ム、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸ナトリウ
ム、ジエチレントリアミン五酢酸ナトリウム、ウラミル
二酢酸ナトリウム等がある。
【0032】防錆剤としては、例えば、酸性亜硫酸塩、
チオ硫酸ナトリウム、チオジグリコール酸アンモン、ジ
イソプロピルアンモニウムニトライト、四硝酸ペンタエ
リストリール、ジシクロヘキシルアンモニウムニトライ
ト等がある。
【0033】その他目的に応じて水溶性紫外線吸収剤、
水溶性赤外線吸収剤、界面活性剤を添加することもでき
る。
【0034】
【実施例】以下に本発明の実施例および比較例を示す。
【0035】実施例1 下記処方の組成物を60℃で撹拌溶解し、室温にて放冷
後、pHが7.5になるように水酸化リチウム10%水
溶液にて調整し、これを0.22μmのテフロンフィル
ターにて濾過しイエローインク1を作製した。
【0036】 C.I.アシッドイエロー23 1.2重量% グリセロール 5重量% ジエチレングリコール 5重量% 化合物(I)の遊離酸 0.8重量% デヒドロ酢酸ナトリウム 0.2重量% イオン交換水 残量 実施例2 下記組成物を用いる以外は実施例1と同様にし、pHを
水酸化ナトリウムで8.8にしてマゼンタインクを調整
した。
【0037】 C.I.アシッドレッド254 1.7重量% 1,2,6−ヘキサントリオール 8重量% 1,5−ペンタンジオール 8重量% 化合物(I)の遊離酸 1.2重量% 具体例(II−1)25%水溶液 0.8重量% 2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム 0.2重量% イオン交換水 残量 実施例3 下記組成物を用いる以外は実施例1と同様にして、pH
を水酸化リチウムで8.5にしてシアンインクを調整し
た。
【0038】 C.I.アシッドブルー249 1.9重量% N−メチル−2−ピロリドン 5重量% グリセロール 2重量% プロピレングリコールモノブチルエーテル 2重量% 化合物(I)の遊離酸 0.5重量% 具体例(II−3)25%水溶液 0.2重量% デヒドロ酢酸ナトリウム 0.2重量% イオン交換水 残量 実施例4 下記組成物を用いる以外は実施例1と同様にして、pH
を水酸化リチウムで7.5にしてブラックインクを調整
した。
【0039】 C.I.フードブラック2 3.2重量% エチレングリコール 5重量% グリセロール 2重量% 1,5−ペンタジオール 10重量% 化合物(I)の遊離酸 0.8重量% 具体例(II−4)25%水溶液 2重量% 安息香酸ナトリウム 0.2重量% イオン交換水 残量 実施例5 下記組成物を用いる以外は実施例1と同様にして、pH
を水酸化ナトリウムで7.8にしてイエローインク2を
調整した。
【0040】 ダイレクトイエロー120 1重量% トリエチレングリコール 5重量% ペトリオール 10重量% 化合物(I)の遊離酸 2重量% 具体例(II−2)25%水溶液 1.5重量% イオン交換水 残量 実施例6 下記組成物を用いる以外は実施例1と同様にして、pH
を水酸化リチウムで8にしてマゼンタインク2を調整し
た。
【0041】 ダイレクトレッド9 1.5重量% プロピレングリコール 8重量% グリセロール 7重量% 化合物(I)の遊離酸 2重量% 具体例(II−7)25%水溶液 1重量% イオン交換水 残量 実施例7 下記組成物を用いる以外は実施例1と同様にして、pH
を水酸化リチウムで8にしてシアンインク2を調整し
た。
【0042】 ダイレクトブルー199 1.8重量% N−メチル−2−ピロリドン 8重量% 1,5−ペンタジオール 8重量% 化合物(I)の遊離酸 0.8重量% 安息香酸ナトリウム 0.1重量% イオン交換水 残量 実施例8 下記組成物を用いる以外は実施例1と同様にして、pH
を水酸化ナトリウムで7.5にしてブラックインク2と
した。
【0043】 ダイレクトブラック168 2.8重量% チオジエタノール 5重量% グリセロール 10重量% 化合物(I)の遊離酸 1.5重量% 2−プロパノール 4重量% 安息香酸 0.1重量% イオン交換水 残量 実施例9 実施例8の化合物(I)にかえてエアロールOB70
[化合物(I)70%、2−プロパノール30%;東邦
化学製]を用いた以外は同様にしてブラックインク3と
した。
【0044】比較例1 実施例1において化合物(I)を除いた他は同様にして
イエローインク3とした。
【0045】比較例2 実施例2において化合物(I)をドデシルベンゼンスル
ホン酸に替えた以外は同様にしてマゼンタインク3とし
た。
【0046】比較例3 実施例3において化合物(I)をジ(2−エチルヘキシ
ル)スルホコハク酸ナトリウムをした以外は同様にして
シアンインク3とした。
【0047】比較例4 実施例4において具体例(II−4)25%水溶液を除
き、インクpHを4.5とした以外は同様にしてブラッ
クインク4とした。
【0048】比較例5 実施例5で化合物(I)に変えてノニオン系界面活性剤
BT7(ニッコーケミカルズ製)を使用した以外は同様
にしてイエローインク4とした。
【0049】比較例6 実施例6で具体例(II−7)25%水溶液を除き、水酸
化カリウムでpHを8に調整した以外は同様にしてマゼ
ンタインク4とした。
【0050】比較例7 実施例7で化合物(I)に変えドデシル硫酸を使用した
以外は同様にしてシアンインク4とした。
【0051】比較例8 実施例8でに(I)に替えてアセチレン結合有する非イ
オン性界面活性剤サーフィノール465(エアープロダ
クト社製)に変えた以外は同様にしてブラックインク5
とした。
【0052】つぎに上記実施例1〜8及び比較例1〜8
について下記の試験を行った。
【0053】1)画像の鮮明性 図1に示したサーマルインクジェット方式の300dp
iのノズルを有するインクジェットプリンター及び図2
に示した積層PZTを液室流路の加圧に使用した300
dpiのノズルを有するインクジェットプリンターにて
印字を行い、2色重ね部境界の滲み、画像滲み、色調、
濃度を目視により総合的に判断した。
【0054】印字用紙は市販の再生紙、上質紙とボンド
紙の3紙に印字した。
【0055】実施例3と比較例3の各紙での画素径の測
定結果を図3に示した。
【0056】2)画像の乾燥性 印字後の画像に一定条件で濾紙を押しつけインクが濾紙
に転写しなくなるまでの時間を測定した。いずれの紙で
も10秒以内で乾燥した場合に○と判定した。 3)保存安定性 各インクをポリエチレン容器に入れ、−20℃、5℃、
20℃、70℃でそれぞれの条件下で3カ月保存し、保
存後の表面張力、粘度、及び沈殿物析出の有無を調べ
た。どの条件で保存しても、物性等の変化がないものを
○とした。
【0057】4)印字休止時の信頼性 図2のヘッドを有するプリンター動作中にキャップ、ク
リーニング等が行われないでどれだけ印字休止しても復
帰できるかを調べ、どれだけの時間(秒)で噴射方向が
ずれるか、あるいは吐出液滴の重量が変化するかでその
信頼性を評価した結果を表に示す。
【0058】
【表1】
【0059】
【発明の効果】本発明によれば構造式(I)で示される
化合物を用いることにより紙表面に対する濡れ性を改良
し、インクジェットとして諸特性を満足し、乾燥性に優
れかつ画質の劣化の改良された水性インク組成物を提供
することができる。
【0060】本発明によれば構造式(I)で示される化
合物の対イオンを特定することにより、低温での保存安
定性、吐出安定性の信頼性に優れたインクジェット用水
性インク組成部を提供する事ができる。
【0061】また、本発明によればpHを6以上に調整
することにより長期印字休止後や連続噴射時でも安定し
て吐出可能な物性を与えるインクジェット用記録組成物
をあたえる。
【0062】本発明によれば構造式(I)で示される化
合物に脂肪族アルコールを混合して使用することで容易
に優れた特性を示すインク組成物が提供できる。
【0063】又本発明の記録方法によれば所謂普通紙と
インクジェット用コート紙のいずれに対しても良好な濡
れ性を示し、浸透速度が速く滲みが少ないカラー画像を
形成できる記録方法を与えることができる。
【0064】以上により本発明によれば高品位のカラー
画像を普通紙に安定して記録することが可能で、インク
ジェット式カラープリンターの普及を促す効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のインクの評価に使用したインクジェッ
トプリンターの概略図。
【図2】同別のインクジェットプリンターの概略図。
【図3】本発明(実施例3)と比較例3の画素径の測定
結果を示すグラフ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09D 11/00 B41J 2/01 B41M 5/00 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水に分散または溶解する着色剤、水及び
    湿潤剤を含有し、さらに下記構造式で表される化合物を
    含有することを特徴とした水性インク。 【化1】 M:アルカリ金属イオン、第4級アンモニウム、第4級
    ホスホニウム、アルカノールアミン
  2. 【請求項2】 請求項1の化合物(I)の対イオンがナ
    トリウム、リチウム及び/または下記一般式(II)で示
    される第4級アンモニウム、第4級ホスホニウム、アル
    カノールアミン陽イオンであることを特徴とした請求項
    1記載の水性インク。 【化2】 (Y:窒素またはリン R3〜R6:水素、炭素数1〜4のアルキル基、ヒドロキ
    シアルキル基、ハロゲン化アルキル基)
  3. 【請求項3】 請求項1記載の化合物(I)を遊離酸型
    で添加するとともに更に水酸化ナトリウム、水酸化リチ
    ウム、及び請求項2記載の対イオン(II)の水酸化物を
    添加することでpHが6から9に調整されたことを特徴
    とする請求項1記載の水性インク。
  4. 【請求項4】 化合物(I)を脂肪族アルコールを含有
    させた混合物としてインク中に添加したことを特徴とす
    る請求項1,2又は3記載のインク。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載の化合物(I)を含有し
    た水性インクを用い、これを微細な吐出口より吐出させ
    液化して飛翔させ、ステキヒトサイズ度が3秒以上の被
    記録材にカラー画像形成することを特徴とした記録方
    法。
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