JP2001115069A - インクジェット記録用インクセット - Google Patents

インクジェット記録用インクセット

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JP2001115069A
JP2001115069A JP29661399A JP29661399A JP2001115069A JP 2001115069 A JP2001115069 A JP 2001115069A JP 29661399 A JP29661399 A JP 29661399A JP 29661399 A JP29661399 A JP 29661399A JP 2001115069 A JP2001115069 A JP 2001115069A
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希世文 永井
Akiko Konishi
昭子 小西
Hitoshi Arita
均 有田
Masayuki Koyano
正行 小谷野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 いわゆる普通紙において2次色の彩度及び発
色濃度が高く、しかも色再現性の優れたインクジェット
記録用インクセットを提供すること。 【解決手段】 カラー画像を形成するために複数の異な
る色相のインクを重ねて画像を形成するインクジェット
記録方法に用いるインクセットにおいて、該インクセッ
トの少なくとも一つの色相のインクが極性の異なる化合
物を同時に含有し、このインクを含む第1の色相のイン
クと他の色相のインクが混合されることにより構造粘性
を示すか、または着色剤及び/もしくは他のインク成分
が析出するインクセットであること。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェット記
録用のインクセット、特に、いわゆる普通紙に対して高
画質のカラー画像を形成することができるインクセット
に関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェットプリンターは、低騒音、
低ランニングコストといった利点からめざましく普及
し、普通紙に印字可能なカラープリンターも市場に盛ん
に投入されるようになった。しかしながら、画像の色再
現性、耐久性、耐光性、画像の乾燥性、画像にじみ、吐
出安定性など要求されるすべての特性を満足することは
非常に難しい。特にカラープリンターの場合、イエロ
ー、マゼンタ、シアンの単色印字部での画質劣化がなく
ても、レッド、グリーン、ブルーの2色重ね部分で画質
の劣化が発生し易い。特に定着装置を用いないで乾燥を
行う場合、特開昭55−29546号公報等のように浸
透性を高めることにより乾燥性を向上させているため紙
により著しいにじみが起こる。
【0003】また特公昭60−23793号公報には界
面活性剤としてジアルキルスルホコハク酸が乾燥性を向
上させ画質劣化が少ないとされているが、紙により画素
径が著しく異なり画像濃度の低下も著しいといった問題
や、アルカリ側では活性剤が分解し、保存時に活性効果
が無くなるといった問題がある。
【0004】また特開昭56−57862号公報には強
塩基性物質を添加したインクが開示されているが、ロジ
ンサイズされた酸性紙では効果があるもののアルキルケ
テンダイマーやアルケニルスルホコハク酸をサイズ剤と
した紙には効果がない。また酸性紙でも2色重ね部分で
は効果がない。
【0005】また特開平1−203483号公報には多
価アルコール誘導体及びペクチンを含有する記録液が開
示されているが、これは増粘剤としてペクチンを添加
し、にじみを防止するものであるが、ペクチンは水酸基
を親水基とする非イオン性の物質であるため印字休止後
の吐出安定性に欠けるといった問題がある。
【0006】また特開平6−128514号公報には、
インクの色ごとのpHを異ならせ、2色が混合した際に
インクの組成物の少なくとも一部が析出もしくは粘度上
昇することによって、境界にじみを軽減するインクセッ
ト及び記録方法が開示されている。しかしながら、ヘッ
ド部材との接液による劣化を抑えたり保存安定性を確保
するには問題があった。
【0007】さらに特開平6−151346号公報に
は、1色のインクにはアニオン性またはカチオン性の界
面活性剤が含まれ、異なるインクには両性高分子を含む
ことによって普通紙適性を改良したインクセット及び記
録方法が開示されている。しかしながら、この組み合わ
せでは紙種によっては境界にじみが抑えられなかった。
さらにまた特開平9−151347号公報には、1色の
インク中に高分子物質が含まれ、異なる色のインクに両
性イオン化合物が含まれるインクセット及び記録方法が
開示されているが、十分な普通紙適性が得られなかっ
た。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】以上のことからカラー
画像を形成する際、マルチパス印字を行なって浸透量を
抑えることにより発色性を向上させて対応しているのが
現状であるが、より高速の印字を行うためには、浸透性
が高いインクであっても2次色での紙の厚さ方向への浸
透が抑えられるかが問題となっている。
【0009】本発明は上記問題点に鑑みてなされたもの
で、高速カラー画像形成用のインクジェット記録用イン
クセットとして、特に普通紙において2次色の彩度及び
発色濃度が高く、しかも色再現性の優れたインクセット
を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題に
ついて鋭意検討した結果、重ね印字を行う間でのインク
の反応を用い、展色剤成分が紙にしみ込み、色材成分が
表面に残り易くすることにより、普通紙の高速印字にお
いて、浸透性の高いインクを用いても発色濃度が高く、
しかも裏抜けの少ない画像が得られることを見出し本発
明に至った。すなわち、本発明によれば、第一に、カラ
ー画像を形成するために複数の異なる色相のインクを重
ねて画像を形成するインクジェット記録方法に用いるイ
ンクセットにおいて、該インクセットの少なくとも一つ
の色相のインクが極性の異なる化合物を同時に含有し、
このインクを含む第1の色相のインクと他の色相のイン
クが混合されることにより構造粘性を示すか、または着
色剤及び/もしくは他のインク成分が析出することを特
徴とするインクジェット記録用インクセットが提供され
る。上記構成において、第1の色相のインクと他の色相
のインクを混合するに当たり、第1の色相のインクに、
カルボキシル基を導入した染料・顔料または親水性高分
子化合物を含有することにより系全体がアニオン性を帯
び、これに対して他の色相の第2のインクに、カチオン
界面活性剤、2価以上のカチオン性化合物または多価金
属イオンとアニオン性界面活性剤とを同時に含有させて
バランスをとることによりカチオン性を示すインクとな
し、このような両者を混合することによりイオン架橋構
造が形成される。これによりインクが構造粘性を帯び、
あるいは着色剤が取り込まれて析出することにより、2
色印字部での裏抜けが改良され、また従来の浸透性イン
クに比して発色性も改良される。ここでいう構造粘性と
は、ずり速度に対して粘性変化がある非ニュートン特性
を示すものである。
【0011】第二に、上記第一に記載したインクジェッ
ト記録用インクセットにおいて、第1の色相のインクが
イエローインクであって、カルボキシル基を有する染
料、カルボキシル基が導入された顔料、またはカルボキ
シル基を有する親水性高分子化合物を含有し、他の色相
のインクがカチオン界面活性剤、2価以上のカチオン性
化合物、または多価金属イオンとアニオン性界面活性剤
を含有することを特徴とするインクジェット記録用イン
クセットが提供される。
【0012】第三に、上記第一に記載したインクジェッ
ト記録用インクセットにおいて、第1の色相のインクが
イエローインクであって、カチオン界面活性剤、2価以
上のカチオン性化合物、または多価金属イオンとアニオ
ン性界面活性剤を含有し、他の色相のインクがカルボキ
シル基を有する染料、カルボキシル基が導入された顔
料、またはカルボキシル基を有する親水性高分子化合物
を含有することを特徴とするインクジェット記録用イン
クセットが提供される。
【0013】第四に、上記第一に記載したインクジェッ
ト記録用インクセットにおいて、第1の色相のインクが
マゼンタインクであって、カルボキシル基を有する染
料、カルボキシル基が導入された顔料、またはカルボキ
シル基を有する親水性高分子化合物を含有し、他の色相
のインクがカチオン界面活性剤、2価以上のカチオン性
化合物、または多価金属イオンとアニオン性界面活性剤
を含有することを特徴とするインクジェット記録用イン
クセットが提供される。
【0014】第五に、上記第一に記載したインクジェッ
ト記録用インクセットにおいて、第1の色相のインクが
マゼンタインクであって、カチオン界面活性剤、2価以
上のカチオン性化合物、または多価金属イオンとアニオ
ン性界面活性剤を含有し、他の色相のインクがカルボキ
シル基を有する染料、カルボキシル基が導入された顔
料、またはカルボキシル基を有する親水性高分子化合物
を含有することを特徴とするインクジェット記録用イン
クセットが提供される。
【0015】第六に、上記第一に記載したインクジェッ
ト記録用インクセットにおいて、第1の色相のインクが
シアンインクであって、カルボキシル基を有する染料、
カルボキシル基が導入された顔料、またはカルボキシル
基を有する親水性高分子化合物を含有し、他の色相のイ
ンクがカチオン界面活性剤、2価以上のカチオン性化合
物、または多価金属イオンとアニオン性界面活性剤を含
有することを特徴とするインクジェット記録用インクセ
ットが提供される。
【0016】第七に、上記第一に記載したインクジェッ
ト記録用インクセットにおいて、第1の色相のインクが
シアンインクであって、カチオン界面活性剤、2価以上
のカチオン性化合物、または多価金属イオンとアニオン
性界面活性剤を含有し、他の色相のインクがカルボキシ
ル基を有する染料、カルボキシル基が導入された顔料、
またはカルボキシル基を有する親水性高分子化合物を含
有することを特徴とするインクジェット記録用インクセ
ットが提供される。
【0017】
【発明の実施の形態】以下に本発明を詳細に説明する。
まず本発明で使用されるカルボキシル基を有する染料と
しては、ゼネカ社製のプロジェットファストブラック
2、プロジェットファストマゼンタ2、プロジェットフ
ァストイエロー2、プロジェットファストシアン2等の
染料を用いることができる。また、下記構造式(A)、
(B)、(C)、(D)で示される染料を用いることが
できる。
【0018】
【化1】
【0019】
【化2】
【0020】
【化3】
【0021】
【化4】
【0022】また、本発明で使用されるカルボキシル基
が導入された顔料としては、有機顔料としてアゾ系、フ
タロシアニン系、アントラキノン系、ジオキサジン系、
インジゴ系、チオインジゴ系、ペリレン系、イソインド
レノン系、アニリンブラック、アゾメチン系、ローダミ
ンBレーキ顔料、カーボンブラック等が挙げられる。こ
の中で特に本発明のカラー画像形成に好ましいものとし
て、黒インクには次亜塩素酸処理された酸化カーボンや
アゾ基置換アリールカルボン酸導入のカーボン等の自己
分散型のカーボンが用いられる。また市販のキャボット
社製キャボジェットTM200、300が、イエローイ
ンクにはアゾ系のC.I.ピグメントイエロー13、1
7、93、97、174、180、185等、マゼンタ
インクにはキナクリドン系のピグメントレッド122、
アゾ系のピグメントレッド184、シアンインクには銅
フタロシアニン・無金属フタロシアニンにプラズマ親水
処理されたカルボキシル基を導入されたもの等が用いら
れる。また、これら顔料の粒子径は0.01μmから
0.1μmの範囲で用いることが好ましく、0.01μ
m以下では隠蔽力が低下して濃度が低く、また耐光性が
低下する。場合によっては親水基導入の顔料を併用する
ことも可能である。
【0023】これら顔料を分散する親水性部分と疎水性
部分を有する顔料分散剤としては、親水性高分子とし
て、アラビアガム、トラガンガム、グーアガム、カラヤ
ガム、ローカストビーンガム、アラビノガラクトン、ペ
クチン、クインスシードデンプン等の植物性高分子、ア
ルギン酸、カラギーナン、寒天等の海藻系高分子、ゼラ
チン、カゼイン、アルブミン、コラーゲン等の動物系高
分子、キサンテンガム、デキストラン等の微生物高分
子、半合成系では、メチルセルロース、エチルセルロー
ス、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピル
セルロース、カルボキシメチルセルロース等の繊維素系
高分子、デンプングリコール酸ナトリウム、デンプンリ
ン酸エステルナトリウム等のデンプン系高分子、アルギ
ン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエス
テル等の海藻系高分子、純合成系では、ポリビニルアル
コール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルメチルエー
テル等のビニル系高分子、非架橋ポリアクリルアミド、
ポリアクリル酸及びそのアルカリ金属塩、水溶性スチレ
ンアクリル樹脂等のアクリル系樹脂、水溶性スチレンマ
レイン酸樹脂、水溶性ビニルナフタレンアクリル樹脂、
水溶性ビニルナフタレンマレイン酸樹脂、ポリビニルピ
ロリドン、ポリビニルアルコール、β−ナフタレンスル
ホン酸ホルマリン縮合物のアルカリ金属塩、四級アンモ
ニウムやアミノ基等のカチオン性官能基の塩を測鎖に有
する高分子化合物、セラック等の天然高分子化合物等が
挙げられる。
【0024】また、本発明のインクセットに用いるカル
ボキシル基を導入した親水性高分子としては、アルギン
酸ナトリウム、ペクチン酸ナトリウム、ジェランガム等
が好適に用いられる。
【0025】本発明のインクセットには、界面活性剤を
用いることによりインクに浸透性を付与すると共にイン
クとしての信頼性を確保できることが分かった。用いる
界面活性剤としては、下記一般式(I)で示されるポリ
オキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩または下記一般
式(II)で示されるジアルキルスルホコハク酸塩が好ま
しい。また、これらを併用してもよい。
【0026】
【化5】 式中、R1は炭素数6〜14の分岐してもよいアルキル
基、mは3〜12の整数、Mはアルカリ金属イオン、第
4級アンモニウム塩、第4級ホスホニウム、またはアル
カノールアミンを表わす。
【0027】
【化6】 式中、R2は炭素数5〜7の分岐したアルキル基、Mは
アルカリ金属イオン、第4級アンモニウム、第4級ホス
ホニウム、またはアルカノールアミンを表わす。
【0028】さらに上記染料及び界面活性剤の対イオン
としてリチウムイオン及び下記一般式(III)で示され
る第4級アンモニウムまたは第4級ホスホニウムを用い
ることにより優れた溶解安定性を示すことが分かった。
【0029】
【化7】 式中、Xは窒素またはリン、R3〜R6は水素、炭素数1
〜4のアルキル基、ヒドロキシアルキル基またはハロゲ
ン化アルキル基を表わす。
【0030】また、本発明では非イオン性の界面活性剤
として、下記一般式(IV)で示されるポリオキシエチレ
ンアルキルフェニルエーテル、一般式(V)で示される
アセチレングリコール系界面活性剤、一般式(VI)で示
されるポリオキシエチレンアルキルエーテルまたは一般
式(VII)で示されるポリオキシエチレンポリオキシプ
ロピレンアルキルエーテルを添加することにより表面張
力を50mN/m以下に低下させ、インクと紙表面と
の濡れ性を向上させ、紙への浸透速度を高め、画像劣化
が極めて少なくなることが分かった。
【0031】
【化8】 式中、Rは分岐してもよい6〜14の炭素鎖、kは5〜
12の整数を表わす。
【0032】
【化9】 式中、m、nは0〜20の整数を表わす。
【0033】
【化10】 式中、Rは分岐してもよい炭素数6〜14の炭素鎖、n
は20以下の整数を表わす。
【0034】
【化11】 式中、R′は炭素数6〜14の炭素鎖、m、nは20以
下の整数を表わす。
【0035】上記界面活性剤(IV)、(V)、(VI)、
(VII)に加え、尿素及びヒドロキシエチル尿素、ジヒ
ドロキシエチル尿素等の尿素誘導体を添加すると染料等
着色剤と非イオン活性剤間の相互作用を弱め、染料の会
合を緩和することにより浸透性を向上させたり、吐出安
定性や長期保存性を改良できることが分かった。これら
尿素誘導体の添加量は0.1%から5%の間で用いるこ
とが好ましい。0.1%以下では効果がなく、5%以上
では水分蒸発時の粘度変化に影響を及ぼすことがある。
【0036】このようにして調製したインクを20〜6
0μmの微細な吐出口より吐出し、重量が3ng〜16
0ngの液滴として5〜20m/sで飛翔させ、ステキ
ヒトサイズ度が3秒以上の、いわゆる普通紙に記録する
ことにより高画質、高解像度の記録画像を形成すること
ができる。このときの紙面上のインク付着量は2.5g
/m2から100g/m2であることがカール、波打ちと
いった紙の吸水による変形と画像濃度を確保する点から
好ましい。ただし、pHが9以上では保存時に上記一般
式(II)の界面活性剤では分解による物性変化が起こり
易いため、一般式(II)の界面活性剤を用いる場合はp
H6〜9とすることが好ましい。
【0037】上記一般式(I)、(II)で示される化合
物の添加量は、0.05〜10重量%の間でプリンター
システムにより要求されるインク特性に対し所望の浸透
性を与えることが可能である。0.05重量%以下では
いずれの場合も2色重ね部の境界でのにじみが発生し、
10重量%以上添加する場合は化合物自体が低温で析出
し易かったり、着色剤の析出等も発生することがあり、
信頼性が悪くなる。
【0038】次に示す構造式(I−1)から(II−4)
は上記一般式(I)、(II)で示す界面活性剤を具体的
に遊離酸型で示したものである。
【0039】
【化12】
【0040】
【化13】
【0041】
【化14】
【0042】
【化15】
【0043】
【化16】
【0044】
【化17】
【0045】
【化18】
【0046】
【化19】
【0047】
【化20】
【0048】
【化21】
【0049】上記水溶性染料や界面活性剤は、保存時の
溶解安定性を得る目的や、熱エネルギーを与えることに
より吐出を行う記録方式での信頼性を向上させる目的か
ら対イオンをリチウム、ナトリウム、第4級アンモニウ
ム、第4級ホスホニウム、またはアルカノールアミンイ
オンとする。例えばリチウム塩の場合は水酸化リチウム
を添加することにより行ない、一般式(III)の第4級
アンモニウム、第4級ホスホニウム、アルカノールアミ
ン陽イオンに関しては、具体的には以下に示す水酸化物
を添加することにより行われる。
【0050】
【化22】
【0051】
【化23】
【0052】
【化24】
【0053】
【化25】
【0054】
【化26】
【0055】
【化27】
【0056】
【化28】
【0057】
【化29】
【0058】
【化30】
【0059】本発明において活性剤の対イオンはすべて
ナトリウム、リチウム及び/または上記一般式(III)
の化合物である必要はなく、他のアルカリイオンと混合
することもできる。ナトリウム、リチウム及び/または
上記一般式(III)の化合物によるイオンの量として
は、染料及び活性剤のモル数に対して30%以上、より
好ましくは50%以上となるように添加されることが好
ましい。
【0060】本発明のインクは水を液媒体として使用す
るものであるが、インクを所望の物性にするため、また
インクの乾燥を防止するため、また、本発明の化合物の
溶解安定性を向上させるため等の目的から下記水溶性有
機溶媒を使用することができる。エチレングリコール、
ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリ
エチレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,
5−ペンタンジオール、1,5−ヘキサンジオール、グ
リセロール、1,2,6−ヘキサントリオール、1,
2,4−ブタントリオール、1,2,3−ブタントリオ
ール、ペトリオール等の多価アルコール類、エチレング
リコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノ
ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエー
テル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエ
チレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレン
グリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコール
モノエチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテ
ル類、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチ
レングリコールモノベンジルエーテル等の多価アルコー
ルアリールエーテル類、N−メチル−2−ピロリドン、
N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン、2−ピロリド
ン、1,3−ジメチルイミダゾリジノン、ε−カプロラ
クタム等の含窒素複素環化合物、ホルミアミド、N−メ
チルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等の
アミド類、モノエタノールアミン、ジエタノールアミ
ン、トリエタノールアミン、モノエチルアミン、ジエチ
ルアミン、トリエチルアミン等のアミン類、ジメチルス
ルホキシド、スルホラン、チオジエタノール等の含硫黄
化合物類、プロピレンカーボネート、炭酸エチレン、γ
−ブチロラクトンである。これらの溶媒は水と共に単独
もしくは複数混合して用いられる。
【0061】これらの中で特に好ましいものは、ジエチ
レングリコール、チオジエタノール、ポリエチレングリ
コール200〜600、トリエチレングリコール、グリ
セロール、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,
4−ブタントリオール、ペトリオール、1,5−ペンタ
ンジオール、N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロ
キシエチルピロリドン、2−ピロリドン、1,3−ジメ
チルイミダゾリジノンであり、これらを用いることによ
り本化合物の高い溶解性と水分蒸発により噴射特性不良
の防止に対して優れた効果が得られる。特に本発明にお
いて化合物(I)の分散安定性を得る野に好ましい溶剤
としてN−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン等のピロ
リドン誘導体が挙げられる。
【0062】また、上記活性剤(I)、(II)、(I
V)、(V)、(VI)、(VII)以外で表面張力を調整す
る目的で添加される浸透剤としてはジエチレングリコー
ルモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノフェ
ニルエーテル、エチレングリコールモノアリルエーテ
ル、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエ
チレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリ
コールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコール
クロロフェニルエーテル等の多価アルコールのアルキル
及びアリールエーテル類、ポリオキシエチレンポリオキ
シプロピレンブロック共重合体、フッ素系界面活性剤、
エタノール、2−プロパノール等の低級アルコール類、
エチルヒドロキシ−プロパンジオール、2−エチル1,
3−ヘキサンジオール等の2価アルコールが挙げられる
が、特に好ましいのはジエチレングリコールモノブチル
エーテルと2−エチル1,3−ヘキサンジオールであ
る。
【0063】本発明における表面張力とは、紙への浸透
性を示す指標であり、特に表面形成されて1秒以下の短
い時間での動的表面張力を示し、飽和時間で測定される
静的表面張力とは異なる。測定法としては特開昭63−
31237号公報等に記載の方法で1秒以下の動的な表
面張力で測定できる方法であれば、いずれも使用できる
が、本発明ではWilhelmy式の吊り板式表面張力
計を用いて測定した。表面張力の値は50mN/m2
下が好ましく、より好ましくは40mN/m2以下とす
ると優れた乾燥性が得られる。
【0064】本発明の着色剤としては必要に応じて他の
着色剤と混合して用いることができる。用いられる水溶
性染料としては、カラーインデックスにおいて酸性染
料、直接染料、反応性染料、食用染料に分類される染料
で、耐水、耐光性が優れたものが挙げられる。これらは
効果が阻害されない範囲で添加される。これら染料を具
体的に挙げれば、酸性染料及び食用染料として、 C.I.アシッドイエロー17、23、42、44、7
9、142 C.I.アシッドレッド1、8、13、14、18、2
6、27、35、37、42、52、82、87、8
9、92、97、106、111、114、115、1
34、186、249、254、289 C.I.アシッドブルー9、29、45、92、249 C.I.アシッドブラック1、2 直接染料として C.I.ダイレクトイエロー1、12、24、26、3
3、44、50、86、120、132、142、14
4 C.I.ダイレクトレッド1、4、9、13、17、2
0、28、31、39、80、81、83、89、22
5、227 C.I.ダイレクトオレンジ26、29、62、102 C.I.ダイレクトブルー1、2、6、15、22、2
5、71、76、79、86、87、90、98、16
3、165、199、202 C.I.ダイレクトブラック19、22、32、38、
51、56、71、74、75、77、154、16
8、171 反応染料として C.I.リアクティブブラック3、4、7、11、1
2、17 C.I.リアクティブイエロー1、5、11、13、1
4、20、21、22、25、40、47、51、5
5、65、67 C.I.リアクティブレッド1、14、17、25、2
6、32、37、44、46、55、60、66、7
4、79、96、97 C.I.リアクティブブルー1、2、7、14、15、
23、32、35、38、41、63、80、95 等が使用できる。特に酸性染料及び直接染料が好ましく
用いることができる。
【0065】次に本発明において好ましく用いられるカ
チオン有機物質は、ポリプロポキシ第4級アンモニウム
硝酸塩または塩化物塩、塩化ステアリルペンタエトキシ
アンモニウム、塩化ステアリルトリエトキシアンモニウ
ム等カチオン活性剤、ポリアリルアミン、ポリエチレン
イミン等のポリカチオン高分子が用いられる。これらの
インク中の陰イオン量にバランスして用いられるカチオ
ン活性剤の添加量としては、0.5%〜5%、ポリカチ
オン高分子は分子量により異なるが、0.1〜1%で用
いられる。
【0066】多価金属イオンとしては、水溶性の硝酸カ
ルシウム等のカルシウム塩、硝酸マグネシウム等のマグ
ネシウム塩、硝酸ランタン等のランタノイド塩が用いら
れる。これらの添加量は0.05〜1%で用いられる。
【0067】これらのカチオン有機物質の量とアニオン
性界面活性剤の量のモル比率は1:10から10:1
で、その他イオン性物質とのバランスにより含有量をコ
ントロールすることで、インクのイオン性の安定性を適
正化する。
【0068】本発明のインクには上記着色剤、溶媒のほ
かに従来より知られている添加剤を加えることができ
る。例えば防腐防黴剤としてはデヒドロ酢酸ナトリウ
ム、ソルビン酸ナトリウム、2−ピリジンチオール−1
−オキサイドナトリウム、イソチアゾリン系化合物、安
息香酸ナトリウム、ペンタクロロフェノールナトリウム
等が使用できる。
【0069】pH調整剤としては、調合されるインクに
悪影響を及ぼさずにpHを6以上に調整できるものであ
れば、任意の物質を用いることができる。例えば、ジエ
タノールアミン、トリエタノールアミン等のアミン、水
酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の
アルカリ金属元素の水酸化物、水酸化アンモニウム、第
4級アンモニウム水酸化物、第4級ホスホニウム水酸化
物、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の
アルカリ金属の炭酸塩等が挙げられる。
【0070】キレート試薬としては、例えば、エチレン
ジアミン四酢酸ナトリウム、ニトリロ酸酢酸ナトリウ
ム、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸ナトリウ
ム、ジエチレントリアミン五酢酸ナトリウム、ウラミル
二酢酸ナトリウム等がある。
【0071】防錆剤としては、例えば、酸性亜硫酸塩、
チオ硫酸ナトリウム、チオジグリコール酸アンモン、ジ
イソプロピルアンモニウムニトライト、四硝酸ペンタエ
リスリトール、ジシクロヘキシルアンモニウムニトライ
ト等がある。
【0072】その他目的に応じて水溶性紫外線吸収剤、
水溶性赤外線吸収剤、界面活性剤を添加することができ
る。
【0073】
【実施例】以下に本発明を実施例により説明する。な
お、以下で示す部及び%は重量基準である。 実施例1
【0074】《インクセット1》下記組成物をpHが
9.5になるように水酸化リチウム10%水溶液にて調
整し、これを0.8μmのテフロン(登録商標)フィル
ターにてろ過し黒インク1を作製した。 黒インク1 キャボジェット300(キャボット社製カルボキシル基導入顔料) 5% ジエチレングリコール 10% グリセロール 10% N−ヒドロキシエチルピロリドン 2% 2−エチル1,3−ヘキサンジオール 1% 具体例(I−1)の界面活性剤 0.2% デヒドロ酢酸ナトリウム 0.2% イオン交換水 残量
【0075】次に下記組成物を用いてpHを水酸化ナト
リウムで7.2に調整してイエローインク1を調製し
た。 イエローインク1 C.I.ピグメントイエロー17 1.2% C.I.アシッドイエロー23 0.6% 塩化ステアリルペンタエトキシ アンモニウム(カチオン有機物) 2% 1,2,6−ヘキサントリオール 4% 1,5−ペンタンジオール 8% N−メチル−2−ピロリドン 8% 具体例(II−1)の界面活性剤(アニオン性界面活性剤) 1.2% 一般式(V)の界面活性剤(m,n=10) 1.0% 具体例(III−1)の化合物の25%水溶液 0.8% 尿素 5% 2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム 0.2% イオン交換水 残量
【0076】次に下記組成物を用いてpHを水酸化リチ
ウムで8.5にしてマゼンタインク1を調製した。 マゼンタインク1 C.I.ピグメントレッド122 1% 構造式(B)のカルボキシル基が導入された染料 0.5% ジエチレングリコール 5% グリセロール 5% N−ヒドロキシエチルピロリドン 10% スチレンアクリル酸共重合体(カルボキシル基含有高分子) 0.5% 一般式(IV)の界面活性剤(R:C919、k:12) 2% 具体例(III−3)の化合物の25%水溶液 2% デヒドロ酢酸ナトリウム 0.2% イオン交換水 残量
【0077】次に下記組成物を用いてpHを水酸化リチ
ウムで9.5にしてシアンインク1を調製した。 シアンインク1 銅フタロシアニン 1.0% 構造式(C)のカルボキシル基が導入された染料 1.2% エチレングリコール 5% グリセロール 2% 1,5−ペンタンジオール 8% 2−ピロリドン 2% ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロック共重合体 1% 一般式(VII)の 界面活性剤(R′:C37、m,n=20) 0.8% 具体例(III−4)の化合物の25%水溶液 2% 尿素 5% 安息香酸ナトリウム 0.2% イオン交換水 残量
【0078】実施例2 《インクセット2》下記組成物を用いて、pHを水酸化
ナトリウムで7.8にして黒インク2を調製した。 黒インク2 構造式(D)のカルボキシル基を導入した染料 2.2% C.I.ダイレクトブラック154 4.5% トリエチレングリコール 5% ペトリオール 10% N−メチル−2−ピロリドン 5% 一般式(VI)の界面活性剤 (R:(C6122CH−、n=12) 2% 具体例(III−2)の化合物の25%水溶液 1.5% ヒドロキシエチル尿素 5% 2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム 0.2% イオン交換水 残量
【0079】下記組成物を用いて、pHを水酸化リチウ
ムで8に調整し、イエローインクを調製した。 イエローインク2 ダイレクトイエロー132 1.5% アシッドイエロー23 1.5% 2−ピロリドン 8% グリセロール 7% 一般式(V)の界面活性剤(m,n=20) 1% 一般式(V)の界面活性剤(m,n=10) 1% 具体例(III−7)の化合物の25%水溶液 1.5% アルギン酸ナトリウム 0.1% ヒドロキシエチル尿素 5% デヒドロ酢酸ナトリウム 0.2% イオン交換水 残量
【0080】下記組成物を用いてpHを水酸化リチウム
で6.8にしてマゼンタインクを調製した。 マゼンタインク2 C.I.ピグメントレッド122 2.8% C.I.アシッドレッド52 0.5% N−メチル−2−ピロリドン 8% 1,5−ペンタンジオール 8% 具体例(I−1)の界面活性剤 1% 一般式(VII)の界面活性剤 (R′:ラウリル基、m=18,n=6) 2% 安息香酸ナトリウム 0.5% 硝酸マグネシウム(多価金属イオン) 0.5% イオン交換水 残量
【0081】下記組成物を用いてpHを水酸化ナトリウ
ムで9.5にしてシアンインク2を調製した。 シアンインク2 銅フタロシアニン 1.0% 構造式(C)のカルボキシル基を導入した染料 1.2% エチレングリコール 5% グリセロール 2% 2−エチル1,3−ヘキサンジオール 2% 2−ピロリドン 2% ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロック共重合体 1% 一般式(VII)の界面活性剤 (R′:C37、m,n=20) 0.8% 具体例(III−4)の化合物の25%水溶液 2% 尿素 5% 安息香酸ナトリウム 0.2% イオン交換水 残量
【0082】比較例1 実施例1のインクセットにおいて、イエローインク1の
カチオン有機化合物を除いた以外は実施例1と同様にし
てインクセット3を調製した。
【0083】比較例2 実施例2のインクセット2において、マゼンタインク2
の硝酸マグネシウム(多価金属イオン)を除いた以外は
実施例2と同様にしてインクセット4を調製した。
【0084】次に上記により得られた実施例1及び2並
びに比較例1及び2のインクセットについて、下記試験
を行った。試験結果を表1に示す。 (1)画像の鮮明性 サーマルインクジェット方式のノズル径30μm、30
0dpiピッチで128のノズルを有するインクジェッ
トプリンター及び積層PZTを液室流路の加圧に使用し
たノズル径33μm、128のノズルを有するインクジ
ェットプリンターにて印字を行ない、2色重ね部境界の
にじみ、画像にじみ、裏抜け及び彩度について検討し
た。また、写真画像を印字した際の画像再現性について
も評価した。印字用紙は市販の再生紙、上質紙、ボンド
紙の3紙を用いた。いずれの紙においても良好なものを
○、少なくとも1紙では良好なものを△、いずれの紙で
も問題のあるものを×とした。 (2)画像の耐水性 画像サンプルを30℃の水に1分間浸漬し、処理前後の
画像濃度の変化をマクベス濃度計で測定し、下記式にて
耐水性(褪色率%)を求めた。
【0085】
【数1】 褪色率(%)=[1−(処理後の画像濃度/処理前の画像濃度)×100] いずれの紙でも10%以下となったものを○、30%未
満を△、30%以上を×とした。 (3)画像の耐光性 画像サンプルをキセノンフェードメーターにてブラック
パネル温度63度で3時間照射し、処理前後の画像濃度
の変化をマクベス濃度計で測定し、下記式にて耐光性
(褪色率%)を求めた。
【0086】
【数2】 褪色率(%)=[1−(処理後の画像濃度/処理前の画像濃度)×100] いずれの紙でも5%以下となったものを○、30%未満
を△、30%以上を×とした。 (4)画像の乾燥性 印字後の画像に一定条件で濾紙を押し付け、インクが濾
紙に転写しなくなるまでの時間を測定した。いずれの紙
でも10秒以内で乾燥した場合に○と判定した。それ以
上を×とした。 (5)保存安定性(インクの保存性) 各インクをポリエチレン容器に入れ、−20℃、5℃、
20℃、70℃でそれぞれの条件下で3ヶ月保存し、保
存後の表面張力、粘度及び沈殿物析出の有無を調べた。
どの条件で保存しても物性等の変化がないものを○とし
た。 (6)印字休止時信頼性(噴射信頼性) ノズル径30μm、128のノズルを有するPZTで駆
動するヘッドを有するプリンターを使用し、動作中にキ
ャップ、クリーニング等が行われないでどれだけ印字休
止しても復帰できるかを調べ、600秒以内でどれだけ
の時間で噴射方向がずれるか、あるいは吐出液滴の重量
が変化するかで、その信頼性を評価した。特に問題なし
を○、液滴重量の変化小、噴射曲り小を△、顕著な目詰
まり発生を×とした。
【0087】
【表1】
【0088】
【発明の効果】以上のように請求項1の発明は、インク
セットの少なくとも一つの色相のインクが極性の異なる
化合物を同時に含有し、このインクを含む第1の色相の
インクと他の色相のインクを混合することにより構造粘
性を示すか、インク構成成分の析出が起こるインクセッ
トであり、このインクセットによれば、従来のものより
着色剤のトラップ効果が大となり、浸透性のインクであ
っても普通紙にいて2次色の裏抜けを低減するなど画像
の鮮明性に優れると共に、画像の耐水性、乾燥性、噴射
信頼性など高速印字によっても高画質を得ることができ
る。
【0089】請求項2、4、6の発明は、請求項1の構
成において、第1の色相のインクが、カルボキシル基を
有する染料、カルボキシル基が導入された顔料、または
カルボキシル基を有する親水性高分子化合物を含有し、
他の色相のインクがカチオン界面活性剤、2価以上のカ
チオン性化合物、または多価金属イオンとアニオン性界
面活性剤をインクがカチオン性となるように含有し、両
者でイオン反応を起こすインクセットとするものであ
り、これによれば普通紙における2次色の裏抜けの少な
い画像が得られるなど上述の効果を効果的に得ることが
できる。
【0090】請求項3、5、7の発明は、請求項1の構
成において、第1の色相のインクが、カチオン界面活性
剤、2価以上のカチオン性化合物、または多価金属イオ
ンとアニオン性界面活性剤をインクがカチオン性となる
ように含有し、他の色相のインクがカルボキシル基を有
する染料、カルボキシル基が導入された顔料、またはカ
ルボキシル基を有する親水性高分子化合物を含有し、両
者でイオン反応を起こすインクセットとするものであ
り、これによれば上記と同様、普通紙における裏抜けの
少ない画像が得られるなど上述の効果を効果的に得るこ
とができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 有田 均 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 小谷野 正行 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 Fターム(参考) 2C056 EA01 EA09 EA21 FC02 2H086 BA55 BA56 BA59 4J039 AB01 AE07 BA29 BC07 BC09 BC12 BC13 BC17 BC19 BC20 BC31 BC33 BC39 BC52 BC54 BC56 BC60 BC66 BC68 BC73 BC77 BC79 BE01 BE02 BE22 BE23 CA03 CA06 EA10 EA15 EA16 EA17 EA38 EA42 GA24

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カラー画像を形成するために複数の異な
    る色相のインクを重ねて画像を形成するインクジェット
    記録方法に用いるインクセットにおいて、該インクセッ
    トの少なくとも一つの色相のインクが極性の異なる化合
    物を同時に含有し、このインクを含む第1の色相のイン
    クと他の色相のインクが混合されることにより構造粘性
    を示すか、または着色剤及び/もしくは他のインク成分
    が析出することを特徴とするインクジェット記録用イン
    クセット。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のインクジェット記録用イ
    ンクセットにおいて、第1の色相のインクがイエローイ
    ンクであって、カルボキシル基を有する染料、カルボキ
    シル基が導入された顔料、またはカルボキシル基を有す
    る親水性高分子化合物を含有し、他の色相のインクがカ
    チオン界面活性剤、2価以上のカチオン性化合物、また
    は多価金属イオンとアニオン性界面活性剤を含有するこ
    とを特徴とするインクジェット記録用インクセット。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のインクジェット記録用イ
    ンクセットにおいて、第1の色相のインクがイエローイ
    ンクであって、カチオン界面活性剤、2価以上のカチオ
    ン性化合物、または多価金属イオンとアニオン性界面活
    性剤を含有し、他の色相のインクがカルボキシル基を有
    する染料、カルボキシル基が導入された顔料、またはカ
    ルボキシル基を有する親水性高分子化合物を含有するこ
    とを特徴とするインクジェット記録用インクセット。
  4. 【請求項4】 請求項1記載のインクジェット記録用イ
    ンクセットにおいて、第1の色相のインクがマゼンタイ
    ンクであって、カルボキシル基を有する染料、カルボキ
    シル基が導入された顔料、またはカルボキシル基を有す
    る親水性高分子化合物を含有し、他の色相のインクがカ
    チオン界面活性剤、2価以上のカチオン性化合物、また
    は多価金属イオンとアニオン性界面活性剤を含有するこ
    とを特徴とするインクジェット記録用インクセット。
  5. 【請求項5】 請求項1記載のインクジェット記録用イ
    ンクセットにおいて、第1の色相のインクがマゼンタイ
    ンクであって、カチオン界面活性剤、2価以上のカチオ
    ン性化合物、または多価金属イオンとアニオン性界面活
    性剤を含有し、他の色相のインクがカルボキシル基を有
    する染料、カルボキシル基が導入された顔料、またはカ
    ルボキシル基を有する親水性高分子化合物を含有するこ
    とを特徴とするインクジェット記録用インクセット。
  6. 【請求項6】 請求項1記載のインクジェット記録用イ
    ンクセットにおいて、第1の色相のインクがシアンイン
    クであって、カルボキシル基を有する染料、カルボキシ
    ル基が導入された顔料、またはカルボキシル基を有する
    親水性高分子化合物を含有し、他の色相のインクがカチ
    オン界面活性剤、2価以上のカチオン性化合物、または
    多価金属イオンとアニオン性界面活性剤を含有すること
    を特徴とするインクジェット記録用インクセット。
  7. 【請求項7】 請求項1記載のインクジェット記録用イ
    ンクセットにおいて、第1の色相のインクがシアンイン
    クであって、カチオン界面活性剤、2価以上のカチオン
    性化合物、または多価金属イオンとアニオン性界面活性
    剤を含有し、他の色相のインクがカルボキシル基を有す
    る染料、カルボキシル基が導入された顔料、またはカル
    ボキシル基を有する親水性高分子化合物を含有すること
    を特徴とするインクジェット記録用インクセット。
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