JP2003313466A - インクジェット用インク - Google Patents

インクジェット用インク

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JP2003313466A
JP2003313466A JP2002117926A JP2002117926A JP2003313466A JP 2003313466 A JP2003313466 A JP 2003313466A JP 2002117926 A JP2002117926 A JP 2002117926A JP 2002117926 A JP2002117926 A JP 2002117926A JP 2003313466 A JP2003313466 A JP 2003313466A
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Shin Hasegawa
慎 長谷川
Minoru Hakiri
稔 羽切
Tsutomu Matsuda
勉 松田
Keiji Taniguchi
圭司 谷口
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐水性とペーパーフリー特性とを両立させる
ことができるうえ、保存安定性にも優れたインクジェッ
ト用インクを提供する。 【解決手段】 本発明のインクでは少なくとも色材、
水、水溶性有機溶剤および、ガラス転移点が0℃以上、
100℃以下の樹脂の微粒子が分散している樹脂エマル
ジョンを含み、前記樹脂微粒子が当該インク中において
微粒子として存在している。前記樹脂エマルジョンは最
低造膜温度が25℃以下であることが好ましい。また、
この樹脂エマルジョンにおいて樹脂微粒子は、(1)ス
チレン−アクリル系共重合体であること、(2)重量平
均分子量が1万以上、20万以下であること、(3)平
均粒径が200nm以下であること、(4)この樹脂微
粒子の含有量が1重量%以上、20重量%以下であるこ
とが、それぞれ好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、画像の耐水性に優
れたインクジェット用水性インク(水系インク)、該イ
ンクを収容したインクカートリッジ、該インクを吐出さ
せて記録を行なうインクジェット記録装置、該記録装置
による画像形成方法および、該方法で作成された画像形
成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、パーソナルコンピュータを始めと
するOA機器用のプリンタとして、下記の特徴すなわ
ち、(1)直接記録であるためプロセスが簡単、(2)
無騒音、(3)カラー化が容易、(4)高速記録が可
能、(5)普通紙が使用できるため、低ランニングコス
トが可能、(6)微小インクを用いるため、高解像度の
記録が可能、を有するインクジェットプリンタが製品化
されている。しかし、プリンタ製品としては、まだ成長
期の入口に足を踏み入れた段階であり、解決しなければ
ならない技術的課題も多いのが現実である。
【0003】インクジェット記録方式には、安全性・記
録適性の点から主に水系インクが使用され、ノズルから
記録シート(記録媒体)に向けてインク小滴を飛翔させ
ることにより記録が行なわれる。このため記録シートに
は、速やかにインクを吸収することが要求される。逆に
いえば、インク吸収性の低い記録シートでは、インク小
滴を受けた後も、インクがシート中に吸収されることな
く長時間、記録シートの表面に残る。その結果、記録シ
ートが記録装置や取扱い者と接触したとき、あるいは記
録シートの重ね合わせ時に、未吸収インクの移行現象が
起こりやすく、記録部分が汚れることが多い。また、高
密度画像部では、供給されたインクが吸収されないまま
残り、多種類のインクが流れて互いに混合し、解像度の
低い、すなわち不鮮明な画像となることがある。
【0004】非吸収性記録媒体に印刷する場合でも、水
性インク組成物を用いた記録方式によれば、安全面・環
境面・使用の便宜などの点から好ましいものといえる。
しかし、非吸収性記録媒体への印刷においては、水性イ
ンク組成物の着色成分が記録媒体表面に強固に固着する
ことが要求される。この要求を満足するためには、固着
までの時間、すなわち乾燥時間が短いことが必要であ
る。着色剤の記録媒体への固着性を改善するために、水
性インク組成物に樹脂エマルジョンを添加する提案がな
されている。この樹脂エマルジョンは、結着剤として着
色剤を記録媒体上に固着させる作用を有するものである
と考えられる。
【0005】樹脂エマルジョンを含んだインク組成物と
しては、例えば特公昭62−1426号公報に、顔料と
樹脂エマルジョンとを水に分散されたものが、特開昭5
5−157668号公報に、水不溶の樹脂エマルジョン
分散液中に顔料を分散させたものが、特開平1−217
088号公報に、特定の造膜温度を有するエマルジョン
を使用したものが、特開平3−60068号公報および
特開平4−18462号公報に、同じく樹脂エマルジョ
ンを用いたものが、それぞれ提案されている。また、特
開昭56−147859号公報や特開昭56−1478
60号公報、特公平4−5703号公報には、高分子分
散剤と水溶性有機溶剤とを用いた水性分散系顔料インク
が提案されている。しかしながら従来の技術では、耐水
性とペーパーフリー特性とを充分に両立させた染料系イ
ンクは見当たらない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記問題点に
鑑みなされたもので、その第1の目的は、耐水性とペー
パーフリー特性とを充分に両立させた染料系のインクジ
ェット用インク(インクジェット記録用水系インク組成
物)を提供することにある。本発明の第2の目的は、高
温保存特性に優れたインクジェット用インクを提供する
ことである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意検討し
た結果、特定の樹脂エマルジョンを配合することによ
り、耐水性とペーパーフリー特性を両立させたインクジ
ェット用インクが得られることを見出し、本発明を完成
させた。
【0008】請求項1に係る発明は、少なくとも色材、
水、水溶性有機溶剤および、ガラス転移点が0℃以上、
100℃以下の樹脂の微粒子が分散している樹脂エマル
ジョンを含み、前記樹脂微粒子(ポリマー微粒子)が当
該インク中において微粒子として存在していることを特
徴とするインクジェット用インクである。請求項2に係
る発明は、樹脂エマルジョンを形成する樹脂がスチレン
−アクリル系共重合体であることを特徴とする請求項1
に記載のインクジェット用インクである。請求項3に係
る発明は、樹脂エマルジョンの最低造膜温度が25℃以
下であることを特徴とする請求項1または2に記載のイ
ンクジェット用インクである。
【0009】請求項1ないし3のインクジェット用イン
クを吐出させて画像を形成することにより、水に接触し
ても容易に画像のにじみが生じたり、画像の流出が発生
したりしない、耐水性の良い画像を形成することができ
る。
【0010】請求項4に係る発明は、樹脂エマルジョン
を形成する樹脂の重量平均分子量が1万以上、20万以
下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記
載のインクジェット用インクである。本発明によれば、
粘度上昇やインクジェットプリンタのノズル目詰まりが
ない、吐出安定性にも優れたインクジェット用インクが
提供される。
【0011】請求項5に係る発明は、樹脂エマルジョン
を形成する樹脂微粒子の平均粒径が200nm以下であ
ることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のイ
ンクジェット用インクである。本発明によれば、形成画
像が耐水性に優れるうえ、インクジェットプリンタのノ
ズル目詰まりがない、吐出安定性にも優れたインクジェ
ット用インクが提供される。
【0012】請求項6に係る発明は、樹脂エマルジョン
を形成する樹脂微粒子の含有量が1重量%以上、20重
量%以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれ
かに記載のインクジェット用インクである。本発明によ
れば、形成画像の耐水性に優れるうえ、インクジェット
プリンタのノズルの目詰まりがなく、吐出安定性にも優
れたインクジェット用インクが提供される。
【0013】請求項7に係る発明は、色材が水溶性染料
であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載
のインクジェット用インクである。本発明によれば、形
成画像の耐水性に優れるうえ、色材として水溶性染料を
含有するため、形成画像の彩度が向上し、鮮明な画像形
成が可能なインクジェット用インクが提供される。
【0014】請求項8に係る発明は、水溶性染料の含有
量が1重量%以上、20重量%以下であることを特徴と
する請求項7に記載のインクジェット用インクである。
本発明によれば、形成画像の彩度が向上し、鮮明な画像
形成が可能なインクジェット用インクが提供される。
【0015】請求項9に係る発明は、水溶性有機溶剤の
含有量が10重量%以上、50重量%以下であることを
特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のインクジェ
ット用インクである。本発明によれば、形成画像の耐水
性が更に向上したインクジェット用インクが提供され
る。
【0016】請求項10に係る発明は、樹脂エマルジョ
ンの樹脂微粒子は、当該インク中で平均粒径が250n
m以下の微粒子となっていることを特徴とする請求項1
〜9のいずれかに記載のインクジェット用インクであ
る。本発明によれば、形成画像の彩度が向上し、鮮明な
画像形成が可能なインクジェット用インクが提供され
る。
【0017】請求項11に係る発明は、当該インクを7
0℃で3週間、密閉状態で保存した後の樹脂微粒子の粒
径変化率が10%以下であることを特徴とする請求項1
〜10のいずれかに記載のインクジェット用インクであ
る。本発明によれば、形成画像の耐水性に優れるうえ、
安定した画像品位が可能なインクジェット用インクが提
供される。
【0018】請求項12に係る発明は、当該インクのp
Hが4以上、12以下であることを特徴とする請求項1
〜11のいずれかに記載のインクジェット用インクであ
る。本発明によれば、インクがゲル化を生じず、形成画
像の彩度が向上し、鮮明な画像形成が可能なインクジェ
ット用インクが提供される。
【0019】請求項13に係る発明は、当該インクを7
0℃で3週間、密閉状態で保存した後のpH変化率が1
0%以下であることを特徴とする請求項1〜12のいず
れかに記載のインクジェット用インクである。本発明に
よれば形成画像の耐水性に優れるうえ、安定した画像品
位が可能なインクジェット用インクが提供される。
【0020】請求項14に係る発明は、当該インクの表
面張力が20mN/m以上、50mN/m以下であるこ
とを特徴とする請求項1〜13のいずれかに記載のイン
クジェット用インクである。本発明によれば、紙表面の
インク濡れ性が向上し、紙ヘの浸透速度が高まり、形成
画像の彩度が向上し、鮮明な画像形成が可能なインクジ
ェット用インクが提供される。
【0021】請求項15に係る発明は、当該インクを7
0℃で3週間、密閉状態で保存した後の表面張力変化率
が10%以下であることを特徴とする請求項1〜14の
いずれかに記載のインクジェット用インクである。本発
明によれば、形成画像の耐水性に優れるうえ、安定した
画像品位が可能なインクジェット用インクが提供され
る。
【0022】請求項16に係る発明は、当該インクの粘
度が10mPa・s以下であることを特徴とする請求項
1〜15のいずれかに記載のインクジェット用インクで
ある。本発明によれば、インクジェットプリンタのノズ
ル目詰まりがなく、吐出安定性にも優れたインクジェッ
ト用インクが提供される。
【0023】請求項17に係る発明は、当該インクを7
0℃で3週間、密閉状態で保存した後の粘度変化率が1
0%以下であることを特徴とする請求項1ないし16記
載のインクジェット記録用インクである。本発明によれ
ば、形成画像の耐水性に優れるうえ、安定した画像品位
が可能なインクジェット用インクが提供される。
【0024】請求項18に係る発明は、さらに酸アンモ
ニウム塩を含有することを特徴とする請求項1〜17の
いずれかに記載のインクジェット用インクである。請求
項19に係る発明は、酸アンモニウム塩として、炭酸ア
ンモニウム、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、リ
ン酸水素二アンモニウム、リン酸水素三アンモニウムお
よび酢酸アンモニウムからなる群より任意に選ばれる少
なくとも一種を含有していることを特徴とする請求項1
8に記載のインクジェット用インクである。。請求項1
8、請求項19の発明によれば、形成画像の耐水性が更
に向上したインクジェット用インクが提供される。ま
た、酸アンモニウム塩としてリン酸水素二アンモニウム
を配合することで、特に優れた耐水性が得られる。
【0025】請求項20に係る発明は、酸アンモニウム
塩の添加量が0.1重量%以上、10重量%以下である
ことを特徴とする請求項18または19に記載のインク
ジェット用インクである。本発明によれば、形成画像の
耐水性が更に向上したインクジェット用インクが提供さ
れる。
【0026】請求項21に係る発明は、請求項1〜20
のいずれかに記載のインクジェット用インクを収容した
ことを特徴とするインクカートリッジである。請求項2
2に係る発明は、請求項1〜20のいずれかに記載のイ
ンクジェット用インクを吐出させて記録を行なう方式の
ヘッドを備えたことを特徴とするインクジェット記録装
置である。請求項23に係る発明は、請求項22に記載
のインクジェット記録装置を用いて印字することを特徴
とする画像形成方法である。
【0027】請求項21〜23の発明によれば、請求項
1〜20のいずれかに記載のインクジェット用インクの
特性を生かした、耐水性に優れた形成画像を形成するこ
とができる。
【0028】請求項24に係る発明は、請求項23に記
載の画像形成方法で印字されたことを特徴とする画像形
成物である。請求項25に係る発明は、画像支持体が紙
であることを特徴とする請求項24に記載の画像形成物
である。請求項24,25の発明によれば、耐水性に優
れた形成画像が形成された画像形成物を提供することが
できる。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、本発明を更に詳しく説明す
る。本発明のインクジェット用インク(インクジェット
記録用インク組成物)は、少なくとも色材、水、水溶性
有機溶剤および樹脂エマルジョンを含み、前記樹脂エマ
ルジョンを形成する微粒子状樹脂のガラス転移点が0℃
〜100℃であることを特徴とするものである。
【0030】従来のインクジェット用インクが紙面上に
着弾し、紙面上及び/又は紙中において乾燥してできる
画像部においては、紙面上のみならず、紙面中の紙繊維
間の空隙にも水溶性染料等の色材及び/又は水溶性染料
等の色材と、非揮発性の水溶性有機溶剤等との混合物が
存在している。
【0031】上記画像部に水が付着した場合、紙繊維が
膨潤することによって、紙繊維間の空隙が広がり、水が
紙内部にまで容易に浸透し、水溶性染料等の色材及び/
又は水溶性染料等の色材と、非揮発性の水溶性有機溶剤
等の混合物を溶出させ、画像の流出や画像のにじみを発
生させる。
【0032】ところが、本発明のように、ガラス転移点
が0℃〜100℃である樹脂微粒子よりなる樹脂エマル
ジョンをインクジェット用インク中に含有させた場合、
該インクが紙面上及び/又は紙中において乾燥するにあ
たり、上記樹脂微粒子がお互いに接触・成膜する際、紙
の繊維同士を結着させる。このようにしてできた画像部
に水が接触し、紙繊維が膨潤しようとしても容易に膨潤
できず、また紙繊維同士が結着しているので、紙繊維間
の空隙が広がらないことから、画像の流出や画像のにじ
みが発生しにくくなるものと考えられる。
【0033】樹脂微粒子のガラス転移点が0℃〜100
℃の範囲が好ましいのは、上記紙繊維同士の結着が強固
になるからである。ガラス転移点が0℃未満では樹脂微
粒子が容易に変形する。一方、ガラス転移点が100℃
を超えると、樹脂エマルジョンが膜を造りにくくなる。
これらの特徴を持つ樹脂エマルジョンをインク中に配合
することで、インクがシート中に吸収されにくい非吸収
性記録媒体でも、インク小滴を受けた後に水性インク組
成物の着色成分が記録媒体表面に強固に固着すること
で、画像の流出や画像のにじみが発生しにくくなるもの
と考えられる。また、上記ガラス転移点は10℃〜40
℃が更に好ましい。その理由は、より室温に近いガラス
転移点で操作することで、インクが紙面上及び/又は紙
中において乾燥する速度を上げる効果があることに基づ
く。
【0034】上記ガラス転移点はDSC(示差走査熱量
計)、TMA(熱機械分析)のいずれかの測定法による
ものである。また、本発明において樹脂エマルジョンと
は、連続相が水で、分散相が次のような樹脂微粒子であ
るエマルジョンをいう。
【0035】分散相の樹脂成分としては、アクリル系樹
脂、酢酸ビニル系樹脂、スチレン−ブタジエン系樹脂、
塩化ビニル系樹脂、アクリル−スチレン系樹脂、ブタジ
エン系樹脂、スチレン系樹脂、架橋アクリル樹脂、架橋
スチレン系樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、フェノール樹
脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン系樹脂、
パラフィン系樹脂、フッ素系樹脂等が挙げられる。これ
らのうち、スチレン−アクリル系樹脂が形成画像の耐水
性および、インクジェット用インクに含有させた際の保
存安定性に優れていることから、特に好ましく用いられ
る。
【0036】本発明の樹脂エマルジョンは、最低造膜温
度が室温以下であることが好ましく、より好ましくは1
0℃以下である。樹脂エマルジョンの膜形成を室温以
下、特に10℃以下で行なうことができれば、画像形成
された記録媒体を加熱又は乾燥等の処理を行なうことな
く、上記紙繊維の結着が自動的に進行する。
【0037】ここで、「最低造膜温度」とは、樹脂微粒
子を水に分散させて得られた水性樹脂エマルジョンをア
ルミニウム等の金属板の上に薄く流延し、温度を上げて
いった時に透明な連続フィルムが形成される最低の温度
をいう。最低造膜温度以下の温度領域では白色粉末状と
なる。また、「造膜性」とは、樹脂微粒子を水に分散さ
せて樹脂エマルジョンの形態とした場合において、この
樹脂エマルジョンの連続層である水成分を蒸発させてい
くときに、樹脂の皮膜が形成されることを意味する。上
記樹脂微粒子が添加されたインクジェット用インクは、
水または水性有機溶媒がその樹脂微粒子の周囲から除去
される結果、樹脂皮膜を形成する。この樹脂皮膜は、イ
ンク組成物中の染料を記録媒体表面に強固に固着する役
割を担う。これによって耐水性および、耐擦性(記録媒
体上の画像を擦ったときの、画像の乱れが少ないものを
耐擦性が高いという。)に優れた画像が実現できるもの
と考えられる。
【0038】樹脂微粒子の重量平均分子量は1万以上、
20万以下が好ましく、より好ましくは10万以上、2
0万以下である。樹脂微粒子の重量平均分子量が1万未
満であると臭気トラブルが起きやすく、20万を超える
と粘度上昇・不揮発分低下より、インクジェットプリン
タのノズル目詰まりが発生しやすくなり、インクの吐出
安定性に問題が生じる。
【0039】樹脂微粒子の平均粒径は200nm以下で
あることが好ましく、より好ましくは80nm以下であ
る。平均粒径が200nmを超えると、紙中の均一な浸
透が困難となり、紙繊維同士の結着が均質に行なわれ
ず、結果的に画像の耐水性が劣るうえ、インクジェット
プリンタのノズル目詰まりが起こりやすくなる。なお、
上記平均粒径は、23℃・55%RHの環境において、
日機装製マイクロトラックUPAで測定した値である。
【0040】本発明のインク組成物では、樹脂エマルジ
ョン粒子の添加量は1重量%以上、20重量%以下が好
ましく、より好ましくは5重量%以上、15重量%以下
である。添加量が1重量%未満であると画像の耐水性が
不充分であり、20重量%より多いと、インクジェット
プリンタのノズル目詰まりが起こりやすくなる。
【0041】本発明のインク組成物に使用される色材と
しては、従来より知られている染料や顔料の多くが有効
である。色材として用いられる水溶性染料としては、カ
ラーインデックスにおいて酸性染料、直接性染料、塩基
性染料、反応性染料、食用染料に分類される染料が挙げ
られる。これら染料は複数の種類を混合して用いても良
いし、或いは必要に応じて顔料等の他の色素と混合して
用いても良い。これら色材は、本発明の効果を妨げない
範囲で添加される。
【0042】これら染料の具体例を挙げれば、以下のと
おりである。 (1)酸性染料及び食用染料としては、C.I.アシッ
ド・イエロー 17,19,23,25,29,38,
39,40,42,44,49,50,61,79,1
10,142,174および218;C.I.アシッド
・レッド 1,8,13,14,18,26,27,3
5,37,42,52,82,87,89,92,9
7,106,111,114,115,118,13
4,158,186,249,254,256,28
9;C.I.アシッド・ブルー 9,25,29,4
0,41,45,62,72,76,80,92,10
6,112,120,205,230,249,271
および280;C.I.アシッド・バイオレット 5,
34,43,47,48,90および103;C.I.
アシッド・ブラック 1,2,7,24,26,29,
48および94;C.I.フード・イエロー 2,3,
4;C.I.フード・レッド 7,9,14;C.I.
フード・ブラック 1,2である。
【0043】(2)直接性染料としては、C.I.ダイ
レクト・イエロー 1,8,9,11,12,24,2
6,27,28,29,33,35,39,41,4
4,50,53,59,68,86,87,93,9
5,96,98,100,106,108,109,1
10,120,130,132,142,144,16
1および163;C.I.ダイレクト・レッド 1,
4,9,13,17,20,28,31,39,80,
81,83,89,225,227;C.I.ダイレク
ト・オレンジ 26,29,62,102;C.I.ダ
イレクト・ブルー 1,2,6,10,15,22,2
5,55,67,68,71,76,77,78,7
9,80,84,86,87,90,98,106,1
63,165,199,201,202,244,25
1および288;C.I.ダイレクト・ブラック 9,
17,19,22,32,38,51,56,62,6
9,71,74,75,77,80,91,94,9
7,108,112,113,114,117,11
8,121,122,125,132,146,15
4,166,168,171,173および199;
C.I.ダイレクト・バイオレット 7,9,47,4
8,51,66,90,93,94,95,98,10
0および101である。
【0044】(3)塩基性染料としては、C.I.ベー
シック・イエロー 1,2,11,13,14,15,
19,21,23,24,25,28,29,32,3
6,40,41,45,49,51,53,63,6
5,67,70,73,77,87および91;C.
I.ベーシック・レッド 2,12,13,14,1
5,18,22,23,24,27,29,35,3
6,38,39,46,49,51,52,54,5
9,68,69,70,73,78,82,102,1
04,109および112;C.I.ベーシック・ブル
ー 1,3,5,7,9,21,22,26,35,4
1,45,47,54,62,65,66,67,6
9,75,77,78,89,92,93,105,1
17,120,122,124,129,137,14
1,147および155;C.I.ベーシック・ブラッ
ク 2,8;
【0045】(4)反応性染料としては、C.I.リア
クティブ・ブラック 3,4,7,11,12および1
7;C.I.リアクテイブ・イエロー 1,5,11,
13,14,20,21,22,25,40,47,5
1,55,65および67;C.I.リアクティブ・レ
ッド 1,14,17,25,26,32,37,4
4,46,55,60,66,74,79,96および
97;C.I.リアクティブ・ブルー 1,2,7,1
4,15,23,32,35,38,41,63,80
および95が、それぞれ挙げられる。
【0046】本発明のインク組成物に使用される色材の
具体例は上記のとおりであるが、これらに限定されるわ
けではない。染料としては、特に酸性染料および直接性
染料が好ましく、本発明のインク組成物の溶解安定性の
向上や、色調・耐水性・耐光性で優れた効果が得られ
る。また、色材として染料を含有するインクジェット用
インクによれば、鮮明性に優れた画像が得られる。
【0047】本発明のインク組成物は、染料濃度が1重
量%以上、20重量%下が好ましく、より好ましくは5
%以上、10%以下である。染料濃度が1%未満である
と印字した際の着色力が不充分であり、染料濃度が20
重量%より多いと保存安定性が低下するばかりでなく、
乾燥後の粘度も高くなる傾向となる。
【0048】本発明のインク組成物では、水溶性有機溶
剤の添加量が10重量%以上、50重量%以下であるこ
とが好ましく、より好ましくは15重量%以上、35重
量%以下である。添加量が10%未満であると、インク
ジェットプリンタのノズル目詰まりが起こりやすくな
り、50重量%より多いと画像の耐水性が充分でなくな
る。本発明で上記水溶性有機溶剤とは、沸点が180℃
以上のものをいう。
【0049】水溶性有機溶剤がインク組成物中に含有さ
れていると、該インク組成物の保水性および湿潤性を確
保することができ、その結果、これを長期間保存しても
インク粘度の上昇や色材の凝集がなく、優れた保存安定
性を実現できる。また、インクジェットプリンタのノズ
ル先端等でインクが大気に接触した状態に放置されて
も、乾燥物の流動性を長時間維持することができる。さ
らに、印字中または印字中断後の再起動時にノズル目詰
まりが発生することもなく、高いインク吐出安定性が得
られる。
【0050】本発明のインク組成物に用いられる水溶性
有機溶剤としては以下のものが例示されるが、これらに
限定されるものではない。エチレングリコール、ジエチ
レングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレ
ングリコール、ポリプロピレングリコール、1,5−ぺ
ンタンジオール、1,6−へキサンジオール、グリセリ
ン、1,2,6−へキサントリオール、2−エチル−
1,3−ヘキサンジオール、エチル1,2,4−ブタン
トリオール、1,2,3−ブタントリオール、ぺトリオ
ール等の多価アルコール類;エチレングリコールモノエ
チルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテ
ル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチ
レングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコ
ールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモ
ノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエ
ーテル等の多価アルコールアルキルエーテル類;エチレ
ングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコー
ルモノべンジルエーテル等の多価アルコールアリールエ
ーテル類;2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリド
ン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン、1,3−
ジメチルイミダゾリジノン、ε−カプロラクタム、γ−
ブチロラクトン等の含窒素複素環化合物;ホルムアミ
ド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルム
アミド等のアミド類;モノエタノールアミン、ジエタノ
ールアミン、トリエタノールアミン、モノエチルアミ
ン、ジエチルアミン、トリエチルアミン等のアミン類;
ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオジエタノール
等の含硫黄化合物類;プロピレンカーボネート、炭酸エ
チレン等である。これらの水溶性有機溶媒は、単独でま
たは2種類以上を混合して使用することができる。
【0051】これらの水溶性有機溶剤の中でも、特にジ
エチレングリコール、トリエチレングリコール及び/又
はグリセリンを含むことで、インクの乾燥によるノズル
目詰まり、すなわち水分蒸発による噴射特性不良の防止
効果が高まるとともに、インクの保存安定性が向上す
る。
【0052】本発明のインクジェット用インク中の樹脂
微粒子の平均粒径は250nm以下であることが好まし
い。平均粒径が250nmを超えると、インクの保存安
定性が低下する傾向が見られる。
【0053】上記したインクジェット用インク中の樹脂
微粒子の平均粒径は、インク組成物を形成する前の樹脂
エマルジョン中の樹脂微粒子の平均粒径とは、厳密には
異なるものである。本発明のインクジェット用インクは
色材、水、水溶性有機溶剤、樹脂エマルジョンを含有す
るしている。樹脂微粒子の粒径は、インク組成物中では
物質同士の相互作用によって、インク組成物を形成する
前に比べて大きくなる場合もあるし、小さくなる場合も
ある。つまり必ずしも、インクジェット用インク中の樹
脂微粒子(インク調合後)の平均粒径=インク調合前の
樹脂微粒子(初期添加、原料)の平均粒径とはならな
い。
【0054】本発明のインクジェット用インクでは、こ
れを密封状態で70℃・3週間保存した後の粒径変化率
が10%以下であることが好ましい。この保存条件は、
室温で約2年間保存した場合に相当する。つまり、長期
間保存後の粒径変化率を、短時間保存後の粒径変化率で
代替試験するものである。上記粒径変化率が10%より
大きいと、形成画像の耐水性が不十分となり、安定した
画像品位が得られなくなるばかりでなく、インクジェッ
トプリンタのノズル目詰まりが起こりやすくなる。な
お、インクジェット記録用インク中の樹脂エマルジョン
の平均粒径は、23℃・55%RHの環境において、日
機装製マイクロトラックUPAで測定した値を示す。
【0055】本発明のインクジェット用インクのpHは
4以上、12以下が好ましく、より好ましくは6以上、
11以下である。pHが4未満の場合および、12より
大きい場合のいずれも、インクが凝集しやすくなるう
え、形成画像の彩度が劣り、鮮明な画像形成を得るのが
難しくなる。
【0056】本発明のインクジェット用インクでは、こ
れを密封状態で70℃・3週間保存した後のpH変化率
が10%以下であることが好ましい。このpH変化率が
10%より大きいと形成画像の耐水性が不十分となり、
安定した画像品位が得られなくなるばかりでなく、イン
クジェットプリンタのノズル目詰まりが起こりやすくな
る。なお、上記pHは、23℃・55%RHの環境下
で、東亜電波工業HM−50V型で測定した値である。
【0057】本発明のインクジェット用インクの表面張
力は20mN/m以上、50mN/m以下が好ましく、
より好ましくは25mN/m以上、45mN/m以下で
ある。表面張力が20mN/m未満か、あるいは50m
N/mより大きいと紙表面へのインク濡れ性、紙へのイ
ンク浸透速度が低下するばかりでなく、形成画像の彩度
が劣り、鮮明な画像の形成が難しくなる。
【0058】本発明のインクジェット用インクでは、こ
れを密閉状態で70℃・3週間保存した後の表面張力変
化率が10%以下であることが好ましい。表面張力変化
率が10%より大きいと形成画像の耐水性が不十分で、
安定した画像品位を得るのが難しくなるばかりでなく、
インクジェットプリンタのノズルの目詰まりが起こりや
すくなる。なお、上記表面張力は、23℃・55%RH
環境下で、KRUSS社製の表面張力測定装置:K−1
0ST型で測定した値である。
【0059】本発明のインクジェット用インクの粘度は
10mPa・s以下が好ましく、より好ましくは8mP
a・s以下である。粘度が10mPa・sより大きい
と、吐出エネルギーが小さいインクジェットプリンタで
は、印字が困難になるばかりでなく、乾燥後のインク粘
度が上昇しやすくなる傾向が見られる。
【0060】本発明のインクジェット用インクでは、こ
れを密閉状態で70℃・3週間保存した後の粘度変化率
が10%以下であることが好ましい。粘度変化率が10
%より大きいと形成画像の耐水性が不十分となり、安定
した画像品位を得るのが難しくなるだけでなく、インク
ジェットプリンタのノズル目詰まりが起こりやすくな
る。なお、上記粘度は、23℃・55%RHの環境下
で、東機産業社製の粘度計:RE−80L型で測定した
値である。
【0061】本発明ではさらに、インクジェット用イン
ク中に酸アンモニウム塩、特に好ましくは炭酸アンモニ
ウム塩、塩化アンモニウム塩、硫酸アンモニウム塩、リ
ン酸水素二アンモニウム塩、リン酸三アンモニウム塩、
酢酸アンモニウム塩を含有させることが好ましい。その
理由は今のところ明らかではないが、酸アンモニウム塩
を含有させることにより、画像の耐水性が更に向上す
る。
【0062】本発明のインクジェット用インクでは、酸
アンモニウム塩の含有量が0.1重量%以上、10重量
%以下が好ましく、より好ましくは2重量%以上、7重
量%以下である。含有量が0.1重量%未満では耐水性
向上の効果が不充分となり、10重量%よりも多いと、
インクの高温保存時の安定性が低下する。また、酸アン
モニウム塩の中ではリン酸水素二アンモニウム塩が、耐
水性向上効果が大きいため特に好ましい。
【0063】酸アンモニウム塩としては、有機または無
機のアンモニウム塩が挙げられる。ここでいうアンモニ
ウム塩は、アンモニウムイオンNH4 および、その
水素を各種の置換基(アルキル基、アリール基など)で
置換したものを含む。
【0064】無機強酸のアンモニウム塩の例としては、
塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、硫酸水素アンモ
ニウム、亜硫酸アンモニウム、チオ硫酸アンモニウム、
硝酸アンモニウム、臭化アンモニウム、フッ化アンモニ
ウム、ヨウ化アンモニウムなどが挙げられる。無機弱酸
のアンモニウム塩の例としては、リン酸二水素一アンモ
ニウム、リン酸水素二アンモニウム、リン酸水素三アン
モニウム、ジ亜リン酸アンモニウム、炭酸アンモニウ
ム、重炭酸アンモニウム、硫化アンモニウム、ホウ酸ア
ンモニウム、ホウフッ化アンモニウム等が挙げられる。
【0065】有機強酸のアンモニウムの例としては、ギ
酸アンモニウム、モノフルオロ酢酸アンモニウム、トリ
フルオロ酢酸アンモニウム、トリクロロ酢酸アンモニウ
ム等が挙げられる。有機弱酸のアンモニウム塩の例とし
ては、酢酸アンモニウム、、シュウ酸二アンモニウム、
シュウ酸水素アンモニウム、安息香酸アンモニウム、ク
エン酸一アンモニウム、クエン酸二アンモニウム、クエ
ン酸三アンモニウム、乳酸アンモニウム、フタル酸アン
モニウム、コハク酸アンモニウム、酒石酸一アンモニウ
ム、酒石酸二アンモニウム等が挙げられる。
【0066】本発明では、上記した各種態様のインクジ
ェット用インクを収容したインクカートリッジを構成す
ることができる。また、このインクカートリッジを収容
したインクジェット装置で、本発明のインクを記録信号
に応じてノズルから吐出させ、記録媒体(被記録材)に
画像形成を行って画像形成物を得ることができる。
【0067】なお、本発明のインクジェット用インクを
用いて印字する手段としては、連続噴射型またはオンデ
マンド型の記録ヘッドを有するインクジェット方式のプ
リンタ(インクジェットプリンタ)が挙げられる。オン
デマンド型としては、ピエゾ方式、サーマルインクジェ
ット方式、静電方式等が例示される。これらインクカー
トリッジの構成、インクジェット装置の構成、画像形成
方法は、例えば特開2000−198958号公報に開
示されたものなど、本発明の技術分野に関する公知技術
を適宜採用することで、実現するすることが可能であ
る。
【0068】また、上記記録媒体としては紙など、イン
ク組成物に対して吸収性を有するもの、インク組成物に
対して実質的に非吸収性のもののいずれであっても好適
に用いられる。本発明によるインクジェット記録方法が
適用可能な記録媒体の具体例としては、(1)ポリエチ
レンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリプロピレ
ン、ポリエチレン、ポリサルフォン、ABS樹脂、ポリ
塩化ビニル等を基材とするプラスチックシート、プラス
チックフィルム、(2)黄銅、鉄、アルミニウム、ステ
ンレス鋼(SUS)、銅等の金属表面、(3)非金属基
材の表面に蒸着等の手法により金属コーティング処理を
した記録媒体、(4)紙を基材として撥水処理などが施
された記録媒体、(5)無機質の材料を高温で焼成し
た、いわゆるセラミックス材料からなる記録媒体などが
挙げられる。これらのうちでは紙が経済性と、画像の自
然さの点で最も好ましい。
【0069】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて更に詳細に
説明するが、本発明の技術的範囲は、これらの実施例に
よってなんら限定されるものではない。また、本発明の
効果を明らかにするため、参考例および比較例について
も説明する。なお、下記において「部」は重量部を表
す。
【0070】下記表1、表2に示す実施例1〜5、参考
例1〜9および比較例1〜3の処方により混合液を調製
し、これを1時間攪拌した後、孔径0.8μmのメンブ
ランフィルタでろ過し、インクジェット用インクa〜q
を得た。なお、実施例5にのみ、関東化学社製のアンモ
ニウム塩(リン酸水素二アンモニウム)を2部添加し
た。また、各実施例、各参考例および各比較例では、残
量を蒸留水とし、全体つまりインク組成物として100
部となるようにした。さらに、これらの表において、グ
リセリンをGly,ジエチレングリコールをDEG、2
−エチル−1,3−ヘキサンジオールをEHD,プロキ
セルLV(S)20重量%溶液(防腐剤)はLVと、そ
れぞれ略記した。
【0071】
【表1】
【0072】
【表2】
【0073】また上記表1,2において、水溶性染料α
〜δおよび、樹脂エマルジョンA〜Iのスペックは、以
下のとおりである。 (1)水溶性染料α: ダイワ化成社製のAcid Red 289
(水溶性マゼンタ染料)と、ダイワ化成社製のAcid Red
254(水溶性マゼンタ染料)との混合物 (2)水溶性染料β: ダイワ化成社製のDirect Yellow
132 (水溶性イエロー染料) (3)水溶性染料γ: 日本化薬社製のDirect Blue 199
(水溶性シアン染料) (4)水溶性染料δ: アビシア社製のDirect Black 168
(水溶性ブラック染料)
【0074】(11)樹脂エマルジョンA:樹脂はスチ
レン−アクリル系ポリマーで、最低造膜温度は5℃以
下、固形分濃度は43重量%である。また、ガラス転移
点16℃、重量平均分子量10万〜20万、平均粒径8
0nmである。 (12)樹脂エマルジョンB:樹脂はスチレン−アクリ
ル系ポリマーで、最低造膜温度は5℃以下であり、固形
分濃度は42重量%である。また、ガラス転移点16
℃、重量平均分子量10万〜20万、平均粒径60nm
である。 (13)樹脂エマルジョンC:樹脂はスチレン−アクリ
ル系ポリマーで、最低造膜温度は5℃以下であり、固形
分濃度は42重量%である。また、ガラス転移点30
℃、重量平均分子量10万〜20万、平均粒径80nm
である。 (14)樹脂エマルジョンD:樹脂はSBR 系クロスレン
で、最低造膜温度20℃以下、固形分濃度47重量%で
ある。また、ガラス転移点−22℃、重量平均分子量1
万〜10万、平均粒径90nmである。 (15)樹脂エマルジョンE:樹脂はスチレン−アクリ
ル系ポリマーで、最低造膜温度5℃以下、固形分濃度9
8重量%以上である。また、ガラス転移点102℃、重
量平均分子量1万〜2万、平均粒径60nmである。 (16)樹脂エマルジョンF:樹脂はアクリル系で、最
低造膜温度30℃、固形分濃度51重量%である。ま
た、ガラス転移点9℃、重量平均分子量1万〜10万、
平均粒径100nmである。 (17)樹脂エマルジョンG:樹脂はベンゾフェノン系
で、最低造膜温度0℃以下、固形分濃度30重量%であ
る。また、ガラス転移点27℃、重量平均分子量100
万以上、平均粒径80nm以下である。 (18)樹脂エマルジョンH:樹脂は高結晶ポリエチレ
ン系で、最低造膜温度20℃以下、固形分濃度35重量
%である。また、ガラス転移点20℃、重量平均分子量
5000、平均粒径80nmである。 (19)樹脂エマルジョンI:樹脂はスチレン−アクリ
ル系ポリマーで、最低造膜温度5℃以下、固形分濃度3
2重量%である。また、ガラス転移点53℃、重量平均
分子量2万以上、平均粒径300nmである。
【0075】上記インクa〜qを密閉状態で70℃・3
週間保存した後のインクのpH、表面張力および粘度な
らびに、樹脂微粒子の粒径を測定した。また、インクa
〜qをEPSON 社製のインクジェットプリンタ:EM-930C
の黒カートリッジに充填後、真空脱気し、このインクジ
ェットプリンタで印字した。その後、カートリッジを備
え付けたまま常温で1週間放置してから再印字し、イン
クの吐出安定性を評価した。その際、記録媒体として以
下のP1〜P10を採用した。なお、下記サイズ度と
は、JIS P−8122−76に示された「紙のステ
キヒト・サイズ度試験方法」で測定されたものを意味
し、透気度とは、JIS P−8177−98に示され
た「紙及び板紙−透気度試験法−ガーレー試験機法」で
測定されたものをいう。
【0076】P1:ゼロックス社製のゼロックスペーパ
ーR(サイズ度8s、透気度20ss) P2:AUSTRALIAN PAPER社製の REFLEX(サイズ度25
s、透気度4s) P3:NBS リコー社製のNBS 複写印刷用紙90K(サイ
ズ度60s、透気度68s) P4:キャノン社製のPB用紙(サイズ度21s、透気度
8s) P5:NBS リコー社製のNBS 複写印刷用紙45K(サイ
ズ度11s、透気度45s) P6:本州製紙社製の「やまゆり」(サイズ度12s、
透気度21s) P7:リコー社製の紙源PPC 用紙タイプ-f S (サイズ度22s、透気度13s)P8:ゼロックス社
製のP 紙(サイズ度24s、透気度19s) P9:ゼロックス社製のマルチエース(サイズ度25
s、透気度17s) P10:ゼロックス社製の Xerox 4024 紙(サイズ度3
2s、透気度21s)
【0077】インク使用初期、および3週間保存した後
(下記表3において「初期」、「3W.後」)に、イン
クジェット用インクのpH、表面張力および粘度の値、
ならびに樹脂微粒子のD50粒径を測定した。さらに、
これらをもとに、インクのpH変化率、表面張力変化
率、粘度変化率および、樹脂微粒子のD50粒径変化率
を求めた。さらに、インクの耐水性(耐水OD保持率お
よび滲み)についても試験した。これらの結果を下記表
3、表4に示す。なお、変化率(%)は、使用初期の測
定値と3週間保存後の測定値との差の絶対値を、使用初
期の測定値で割って得た値に100を掛けたものであ
る。
【0078】
【表3】
【0079】
【表4】
【0080】上記表4における○、△、×の評価基準は
以下のとおりである。pH変化率、表面張力変化率、粘
度変化率、粒径変化率のいずれについても、10%以内
の場合を○、10%を超える場合を×とした。インクの
吐出安定性については、評価するべきインクで印刷を行
った後、プリンタヘッドにキャップを取り付けた状態で
プリンタを40℃の環境下で1ヶ月間放置し、放置後の
プリンタのインク吐出状態が初期の吐出状態に回復する
のに要するクリーニング回数を測定した。評価基準はつ
ぎのとおりである。 ○:1回のクリーニングで回復 △:2回〜3回のクリーニングで回復 ×:4回以上のクリーニングでも回復せず
【0081】インクの耐水性については、イエロー、マ
ゼンタ、シアン、およびブラックの各色インクのベタ画
像および英数文字を記録媒体に記録し、これを24時間
放置した後、水温20℃の蒸留水中に5分間浸漬した。
その後記録媒体を取り出し、ろ紙を軽く押し当てて画像
の表面の水分を取り、これをそのまま風乾させた後、目
視にて印字物の滲み(にじみ)を調べた。評価基準はつ
ぎのとおりである。 ○:余白部分へのインクの流出がなく、地肌汚れが殆ど
見られず、しかも英数文字の滲みも殆どなし △:余白部分へのインクの流出が少し発生し、英数文字
がやや滲んではいるが実用上問題なし ×:余白部分へのインクの流出および地肌汚れが著し
く、しかも英数文字の滲みもひどい
【0082】インクの耐水性については、さらに上記蒸
留水への浸漬前後のベタ印字部分の光学濃度(OD)を
X−rite社製のX−rite 938濃度計で測定
し、 耐水OD保持率(%)=(浸漬後のOD値/浸漬前のO
D値)×100 とした。
【0083】つぎに、上記表4の評価結果について検討
する。 (1)実施例1〜5(インクa〜e)では、すべての評
価項目において優れた結果が得られた。また、参考例1
〜9および比較例1〜3のインクでは、少なくとも一つ
の評価項目において劣るものであった。 (2)参考例1〜9(インクf〜n): ・参考例1(インクf)では耐水性が低い。この原因
は、樹脂エマルジョンの最低造膜温度が25℃を超える
ため、この樹脂エマルジョンが紙繊維に強固に結着でき
ないからであると考えられる。 ・参考例2(インクg)では耐水性が低い。この原因
は、樹脂の平均分子量が20万を超えるため、インク粘
度上昇、不揮発分低下により、安定した印字画像を得る
ことができないからであると考えられる。 ・参考例3(インクh)では耐水性が低い。この原因
は、樹脂の平均分子量が1万未満であるため、臭気トラ
ブルで、安定した印字画像を得ることができないからで
あると考えられる。 ・参考例4(インクi)では耐水性が低い。この原因
は、樹脂エマルジョンの樹脂微粒子の平均粒径が200
nmを超えるため、紙中の均一な浸透が困難となり、紙
繊維同士の結着が均一に行われないためであると考えら
れる。 ・参考例5(インクj)では耐水性が低い。この原因
は、樹脂エマルジョンの樹脂微粒子の含有量が1重量%
未満であるため、印字画像を膜で覆うのが不充分になる
ためであると考えられる。 ・参考例6(インクk)では耐水性が低い。この原因
は、樹脂エマルジョンの樹脂微粒子の含有量が20重量
%を超えるため、ノズル目詰まりが起こりやすく、安定
した印字画像を得ることができないからであると考えら
れる。 ・参考例7(インクl)では耐水性が低い。この原因
は、水溶性染料の含有量が20重量%を超えるため、ノ
ズル目詰まりが起こりやすく、安定した印字画像を得る
ことができないからであると考えられる。 ・参考例8(インクm)では耐水性が低い。この原因
は、水溶性有機溶剤の添加量が10重量%未満であるた
め、ノズル目詰まりが起こりやすく、安定した印字画像
を得ることができないからであると考えられる。 ・参考例9(インクn)では耐水性が低い。この原因
は、水溶性有機溶剤の添加量が50重量%を超えるた
め、水に溶け出す物質の比率が上がり、画像の耐水性が
充分でなくなるからであると考えられる。 (3)比較例1〜3(インクo〜q): ・比較例1(インクo)では耐水性が低い。この原因
は、樹脂エマルジョン無添加のためであると考えられ
る。 ・比較例2(インクp)では耐水性が低い。この原因
は、樹脂エマルジョンのガラス転移点が0℃よりも低い
ため、樹脂微粒子が容易に変形するからであると考えら
れる。 ・比較例3(インクq)では耐水性が低い。この原因
は、樹脂エマルジョンのガラス転移点が100℃よりも
高いため、樹脂エマルジョンが膜を造りにくくなるから
であると考えられる。
【0084】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明に
よれば記録画像の耐水性が良好で、画像に水が接触して
も容易に画像のにじみや、流出が発生したりすることが
ない耐水性にぐれた記録画像を得ることができるうえ、
保存安定性にも優れたインクジェット用インクを提供す
ることができる。このように本発明によれば、耐水性と
ペーパーフリー特性とを充分に両立させたインクジェッ
ト用インクが提供される。また本発明によれば、本発明
の水性インク組成物を適用するインクカートリッジ、イ
ンクジェットプリント装置および画像形成方法により、
それぞれ耐水性に優れた画像形成物を提供することがで
きる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松田 勉 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 谷口 圭司 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 Fターム(参考) 2C056 EA13 FC02 2H086 BA53 BA56 BA59 BA60 BA61 4J039 AD03 AD09 BA10 BA16 BA18 BA19 BE01 BE02 BE06 BE12

Claims (25)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも色材、水、水溶性有機溶剤お
    よび、ガラス転移点が0℃以上、100℃以下の樹脂の
    微粒子が分散している樹脂エマルジョンを含み、前記樹
    脂微粒子が当該インク中において微粒子として存在して
    いることを特徴とするインクジェット用インク。
  2. 【請求項2】 樹脂エマルジョンを形成する樹脂がスチ
    レン−アクリル系共重合体であることを特徴とする請求
    項1に記載のインクジェット用インク。
  3. 【請求項3】 樹脂エマルジョンの最低造膜温度が25
    ℃以下であることを特徴とする請求項1または2に記載
    のインクジェット用インク。
  4. 【請求項4】 樹脂エマルジョンを形成する樹脂の重量
    平均分子量が1万以上、20万以下であることを特徴と
    する請求項1〜3のいずれかに記載のインクジェット用
    インク。
  5. 【請求項5】 樹脂エマルジョンを形成する樹脂微粒子
    の平均粒径が200nm以下であることを特徴とする請
    求項1〜4のいずれかに記載のインクジェット用イン
    ク。
  6. 【請求項6】 樹脂エマルジョンを形成する樹脂微粒子
    の含有量が1重量%以上、20重量%以下であることを
    特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のインクジェ
    ット用インク。
  7. 【請求項7】 色材が水溶性染料であることを特徴とす
    る請求項1〜6のいずれかに記載のインクジェット用イ
    ンク。
  8. 【請求項8】 水溶性染料の含有量が1重量%以上、2
    0重量%以下であることを特徴とする請求項7に記載の
    インクジェット用インク。
  9. 【請求項9】 水溶性有機溶剤の含有量が10重量%以
    上、50重量%以下であることを特徴とする請求項1〜
    8のいずれかに記載のインクジェット用インク。
  10. 【請求項10】 樹脂エマルジョンの樹脂微粒子は、当
    該インク中で平均粒径が250nm以下の微粒子となっ
    ていることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載
    のインクジェット用インク。
  11. 【請求項11】 当該インクを70℃で3週間、密閉状
    態で保存した後の樹脂微粒子の粒径変化率が10%以下
    であることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記
    載のインクジェット用インク。
  12. 【請求項12】 当該インクのpHが4以上、12以下
    であることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記
    載のインクジェット用インク。
  13. 【請求項13】 当該インクを70℃で3週間、密閉状
    態で保存した後のpH変化率が10%以下であることを
    特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載のインクジ
    ェット用インク。
  14. 【請求項14】 当該インクの表面張力が20mN/m
    以上、50mN/m以下であることを特徴とする請求項
    1〜13のいずれかに記載のインクジェット用インク。
  15. 【請求項15】 当該インクを70℃で3週間、密閉状
    態で保存した後の表面張力変化率が10%以下であるこ
    とを特徴とする請求項1〜14のいずれかに記載のイン
    クジェット用インク。
  16. 【請求項16】 当該インクの粘度が10mPa・s以
    下であることを特徴とする請求項1〜15のいずれかに
    記載のインクジェット用インク。
  17. 【請求項17】 当該インクを70℃で3週間、密閉状
    態で保存した後の粘度変化率が10%以下であることを
    特徴とする請求項1ないし16記載のインクジェット記
    録用インク。
  18. 【請求項18】 さらに酸アンモニウム塩を含有するこ
    とを特徴とする請求項1〜17のいずれかに記載のイン
    クジェット用インク。
  19. 【請求項19】 酸アンモニウム塩として、炭酸アンモ
    ニウム、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、リン酸
    水素二アンモニウム、リン酸水素三アンモニウムおよび
    酢酸アンモニウムからなる群より任意に選ばれる少なく
    とも一種を含有していることを特徴とする請求項18に
    記載のインクジェット用インク。。
  20. 【請求項20】 酸アンモニウム塩の添加量が0.1重
    量%以上、10重量%以下であることを特徴とする請求
    項18または19に記載のインクジェット用インク。
  21. 【請求項21】 請求項1〜20のいずれかに記載のイ
    ンクジェット用インクを収容したことを特徴とするイン
    クカートリッジ。
  22. 【請求項22】 請求項1〜20のいずれかに記載のイ
    ンクジェット用インクを吐出させて記録を行なう方式の
    ヘッドを備えたことを特徴とするインクジェット記録装
    置。
  23. 【請求項23】 請求項22に記載のインクジェット記
    録装置を用いて印字することを特徴とする画像形成方
    法。
  24. 【請求項24】 請求項23に記載の画像形成方法で印
    字されたことを特徴とする画像形成物。
  25. 【請求項25】 画像支持体が紙であることを特徴とす
    る請求項24に記載の画像形成物。
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