JP4393748B2 - インクジェット用インク - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像の耐水性に優れたインクジェット用水性インク(水系インク)、該インクを収容したインクカートリッジ、該インクを吐出させて記録を行なうインクジェット記録装置、該記録装置による画像形成方法および、該方法で作成された画像形成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、パーソナルコンピュータを始めとするOA機器用のプリンタとして、下記の特徴すなわち、
(1)直接記録であるためプロセスが簡単、(2)無騒音、(3)カラー化が容易、(4)高速記録が可能、(5)普通紙が使用できるため、低ランニングコストが可能、(6)微小インクを用いるため、高解像度の記録が可能、
を有するインクジェットプリンタが製品化されている。しかし、プリンタ製品としては、まだ成長期の入口に足を踏み入れた段階であり、解決しなければならない技術的課題も多いのが現実である。
【0003】
インクジェット記録方式には、安全性・記録適性の点から主に水系インクが使用され、ノズルから記録シート(記録媒体)に向けてインク小滴を飛翔させることにより記録が行なわれる。このため記録シートには、速やかにインクを吸収することが要求される。逆にいえば、インク吸収性の低い記録シートでは、インク小滴を受けた後も、インクがシート中に吸収されることなく長時間、記録シートの表面に残る。その結果、記録シートが記録装置や取扱い者と接触したとき、あるいは記録シートの重ね合わせ時に、未吸収インクの移行現象が起こりやすく、記録部分が汚れることが多い。また、高密度画像部では、供給されたインクが吸収されないまま残り、多種類のインクが流れて互いに混合し、解像度の低い、すなわち不鮮明な画像となることがある。
【0004】
非吸収性記録媒体に印刷する場合でも、水性インク組成物を用いた記録方式によれば、安全面・環境面・使用の便宜などの点から好ましいものといえる。しかし、非吸収性記録媒体への印刷においては、水性インク組成物の着色成分が記録媒体表面に強固に固着することが要求される。この要求を満足するためには、固着までの時間、すなわち乾燥時間が短いことが必要である。着色剤の記録媒体への固着性を改善するために、水性インク組成物に樹脂エマルジョンを添加する提案がなされている。この樹脂エマルジョンは、結着剤として着色剤を記録媒体上に固着させる作用を有するものであると考えられる。
【0005】
樹脂エマルジョンを含んだインク組成物としては、例えば特公昭62−1426号公報に、顔料と樹脂エマルジョンとを水に分散されたものが、特開昭55−157668号公報に、水不溶の樹脂エマルジョン分散液中に顔料を分散させたものが、特開平1−217088号公報に、特定の造膜温度を有するエマルジョンを使用したものが、特開平3−60068号公報および特開平4−18462号公報に、同じく樹脂エマルジョンを用いたものが、それぞれ提案されている。また、特開昭56−147859号公報や特開昭56−147860号公報、特公平4−5703号公報には、高分子分散剤と水溶性有機溶剤とを用いた水性分散系顔料インクが提案されている。しかしながら従来の技術では、耐水性とペーパーフリー特性とを充分に両立させた染料系インクは見当たらない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記問題点に鑑みなされたもので、その第1の目的は、耐水性とペーパーフリー特性とを充分に両立させた染料系のインクジェット用インク(インクジェット記録用水系インク組成物)を提供することにある。本発明の第2の目的は、高温保存特性に優れたインクジェット用インクを提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは鋭意検討した結果、特定の樹脂エマルジョンを配合することにより、耐水性とペーパーフリー特性を両立させたインクジェット用インクが得られることを見出し、本発明を完成させた。
【0008】
請求項1に係る発明は、少なくとも水溶性染料、水、水溶性有機溶剤、ガラス転移点が0℃以上、100℃以下の樹脂の微粒子が分散したスチレン−アクリル系共重合体エマルジョン、及びリン酸水素二アンモニウムを含むことを特徴とするインクジェット用インクである。請求項2に係る発明は、スチレン−アクリル系共重合体エマルジョンの最低造膜温度が25℃以下であることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット用インクである。
【0009】
請求項1ないし2のインクジェット用インクを吐出させて画像を形成することにより、水に接触しても容易に画像のにじみが生じたり、画像の流出が発生したりしない、耐水性の良い画像を形成することができる。また、本発明によれば、形成画像の耐水性に優れるうえ、色材として水溶性染料を含有するため、形成画像の彩度が向上し、鮮明な画像形成が可能なインクジェット用インクが提供される。さらに、無機アンモニウム塩を含有することで、形成画像の耐水性が更に向上したインクジェット用インクが提供される。
【0010】
請求項3に係る発明は、スチレン−アクリル系共重合体エマルジョンを形成する該スチレン−アクリル系共重合体の重量平均分子量が1万以上、20万以下であることを特徴とする請求項1または2に記載のインクジェット用インクである。本発明によれば、粘度上昇やインクジェットプリンタのノズル目詰まりがない、吐出安定性にも優れたインクジェット用インクが提供される。
【0011】
請求項4に係る発明は、スチレン−アクリル系共重合体エマルジョン中における樹脂微粒子の平均粒径が200nm以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のインクジェット用インクである。本発明によれば、形成画像が耐水性に優れるうえ、インクジェットプリンタのノズル目詰まりがない、吐出安定性にも優れたインクジェット用インクが提供される。
【0012】
請求項5に係る発明は、インク中における樹脂微粒子の含有量が1重量%以上、20重量%以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のインクジェット用インクである。本発明によれば、形成画像の耐水性に優れるうえ、インクジェットプリンタのノズルの目詰まりがなく、吐出安定性にも優れたインクジェット用インクが提供される。
【0014】
請求項6に係る発明は、水溶性染料の含有量が1重量%以上、20重量%以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のインクジェット用インクである。本発明によれば、形成画像の彩度が向上し、鮮明な画像形成が可能なインクジェット用インクが提供される。
【0015】
請求項7に係る発明は、水溶性有機溶剤の含有量が10重量%以上、50重量%以下であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のインクジェット用インクである。本発明によれば、形成画像の耐水性が更に向上したインクジェット用インクが提供される。
【0016】
請求項8に係る発明は、インク中における樹脂微粒子は、当該インク中で平均粒径が250nm以下の微粒子となっていることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のインクジェット用インクである。本発明によれば、形成画像の彩度が向上し、鮮明な画像形成が可能なインクジェット用インクが提供される。
【0017】
請求項9に係る発明は、当該インクを70℃で3週間、密閉状態で保存した後の樹脂微粒子の粒径変化率が10%以下であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のインクジェット用インクである。本発明によれば、形成画像の耐水性に優れるうえ、安定した画像品位が可能なインクジェット用インクが提供される。
【0018】
請求項10に係る発明は、当該インクのpHが4以上、12以下であることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載のインクジェット用インクである。本発明によれば、インクがゲル化を生じず、形成画像の彩度が向上し、鮮明な画像形成が可能なインクジェット用インクが提供される。
【0019】
請求項11に係る発明は、当該インクを70℃で3週間、密閉状態で保存した後のpH変化率が10%以下であることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載のインクジェット用インクである。本発明によれば形成画像の耐水性に優れるうえ、安定した画像品位が可能なインクジェット用インクが提供される。
【0020】
請求項12に係る発明は、当該インクの表面張力が20mN/m以上、50mN/m以下であることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載のインクジェット用インクである。本発明によれば、紙表面のインク濡れ性が向上し、紙ヘの浸透速度が高まり、形成画像の彩度が向上し、鮮明な画像形成が可能なインクジェット用インクが提供される。
【0021】
請求項13に係る発明は、当該インクを70℃で3週間、密閉状態で保存した後の表面張力変化率が10%以下であることを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載のインクジェット用インクである。本発明によれば、形成画像の耐水性に優れるうえ、安定した画像品位が可能なインクジェット用インクが提供される。
【0022】
請求項14に係る発明は、当該インクの粘度が10mPa・s以下であることを特徴とする請求項1〜13のいずれかに記載のインクジェット用インクである。本発明によれば、インクジェットプリンタのノズル目詰まりがなく、吐出安定性にも優れたインクジェット用インクが提供される。
【0023】
請求項15に係る発明は、当該インクを70℃で3週間、密閉状態で保存した後の粘度変化率が10%以下であることを特徴とする請求項1ないし14のいずれかに記載のインクジェット記録用インクである。本発明によれば、形成画像の耐水性に優れるうえ、安定した画像品位が可能なインクジェット用インクが提供される。
【0025】
請求項16に係る発明は、リン酸水素二アンモニウムの添加量が0.1重量%以上、10重量%以下であることを特徴とする請求項1〜15のいずれかに記載のインクジェット用インクである。本発明によれば、形成画像の耐水性が更に向上したインクジェット用インクが提供される。
【0026】
請求項17に係る発明は、請求項1〜16のいずれかに記載のインクジェット用インクを収容したことを特徴とするインクカートリッジである。請求項18に係る発明は、請求項1〜16のいずれかに記載のインクジェット用インクを吐出させて記録を行なう方式のヘッドを備えたことを特徴とするインクジェット記録装置である。請求項19に係る発明は、請求項18に記載のインクジェット記録装置を用いて印字することを特徴とする画像形成方法である。
【0027】
請求項17〜19の発明によれば、請求項1〜16のいずれかに記載のインクジェット用インクの特性を生かした、耐水性に優れた形成画像を形成することができる。
【0028】
請求項20に係る発明は、請求項19に記載の画像形成方法で印字されたことを特徴とする画像形成物である。請求項21に係る発明は、画像支持体が紙であることを特徴とする請求項20に記載の画像形成物である。請求項20、21の発明によれば、耐水性に優れた形成画像が形成された画像形成物を提供することができる。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を更に詳しく説明する。
本発明のインクジェット用インク(インクジェット記録用インク組成物)は、少なくとも色材、水、水溶性有機溶剤、ガラス転移点が0℃以上、100℃以下の樹脂の微粒子が分散した樹脂エマルジョン、および無機アンモニウム塩(リン酸水素二アンモニウム)を含み、前記色材が水溶性染料であり、前記樹脂エマルジョンを形成する樹脂がスチレン−アクリル系共重合体であることを特徴とするものである。
【0030】
従来のインクジェット用インクが紙面上に着弾し、紙面上及び/又は紙中において乾燥してできる画像部においては、紙面上のみならず、紙面中の紙繊維間の空隙にも水溶性染料等の色材及び/又は水溶性染料等の色材と、非揮発性の水溶性有機溶剤等との混合物が存在している。
【0031】
上記画像部に水が付着した場合、紙繊維が膨潤することによって、紙繊維間の空隙が広がり、水が紙内部にまで容易に浸透し、水溶性染料等の色材及び/又は水溶性染料等の色材と、非揮発性の水溶性有機溶剤等の混合物を溶出させ、画像の流出や画像のにじみを発生させる。
【0032】
ところが、本発明のように、ガラス転移点が0℃〜100℃である樹脂微粒子よりなる樹脂エマルジョンをインクジェット用インク中に含有させた場合、該インクが紙面上及び/又は紙中において乾燥するにあたり、上記樹脂微粒子がお互いに接触・成膜する際、紙の繊維同士を結着させる。このようにしてできた画像部に水が接触し、紙繊維が膨潤しようとしても容易に膨潤できず、また紙繊維同士が結着しているので、紙繊維間の空隙が広がらないことから、画像の流出や画像のにじみが発生しにくくなるものと考えられる。
【0033】
樹脂微粒子のガラス転移点が0℃〜100℃の範囲が好ましいのは、上記紙繊維同士の結着が強固になるからである。ガラス転移点が0℃未満では樹脂微粒子が容易に変形する。一方、ガラス転移点が100℃を超えると、樹脂エマルジョンが膜を造りにくくなる。これらの特徴を持つ樹脂エマルジョンをインク中に配合することで、インクがシート中に吸収されにくい非吸収性記録媒体でも、インク小滴を受けた後に水性インク組成物の着色成分が記録媒体表面に強固に固着することで、画像の流出や画像のにじみが発生しにくくなるものと考えられる。
また、上記ガラス転移点は10℃〜40℃が更に好ましい。その理由は、より室温に近いガラス転移点で操作することで、インクが紙面上及び/又は紙中において乾燥する速度を上げる効果があることに基づく。
【0034】
上記ガラス転移点はDSC(示差走査熱量計)、TMA(熱機械分析)のいずれかの測定法によるものである。また、本発明において樹脂エマルジョンとは、連続相が水で、分散相が次のような樹脂微粒子であるエマルジョンをいう。
【0035】
分散相の樹脂成分としては、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、スチレン−ブタジエン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、アクリル−スチレン系樹脂、ブタジエン系樹脂、スチレン系樹脂、架橋アクリル樹脂、架橋スチレン系樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン系樹脂、パラフィン系樹脂、フッ素系樹脂等が挙げられる。これらのうち、スチレン−アクリル系樹脂が形成画像の耐水性および、インクジェット用インクに含有させた際の保存安定性に優れていることから、特に好ましく用いられる。
【0036】
本発明の樹脂エマルジョンは、最低造膜温度が室温以下であることが好ましく、より好ましくは10℃以下である。樹脂エマルジョンの膜形成を室温以下、特に10℃以下で行なうことができれば、画像形成された記録媒体を加熱又は乾燥等の処理を行なうことなく、上記紙繊維の結着が自動的に進行する。
【0037】
ここで、「最低造膜温度」とは、樹脂微粒子を水に分散させて得られた水性樹脂エマルジョンをアルミニウム等の金属板の上に薄く流延し、温度を上げていった時に透明な連続フィルムが形成される最低の温度をいう。最低造膜温度以下の温度領域では白色粉末状となる。また、「造膜性」とは、樹脂微粒子を水に分散させて樹脂エマルジョンの形態とした場合において、この樹脂エマルジョンの連続層である水成分を蒸発させていくときに、樹脂の皮膜が形成されることを意味する。上記樹脂微粒子が添加されたインクジェット用インクは、水または水性有機溶媒がその樹脂微粒子の周囲から除去される結果、樹脂皮膜を形成する。この樹脂皮膜は、インク組成物中の染料を記録媒体表面に強固に固着する役割を担う。これによって耐水性および、耐擦性(記録媒体上の画像を擦ったときの、画像の乱れが少ないものを耐擦性が高いという。)に優れた画像が実現できるものと考えられる。
【0038】
樹脂微粒子の重量平均分子量は1万以上、20万以下が好ましく、より好ましくは10万以上、20万以下である。樹脂微粒子の重量平均分子量が1万未満であると臭気トラブルが起きやすく、20万を超えると粘度上昇・不揮発分低下より、インクジェットプリンタのノズル目詰まりが発生しやすくなり、インクの吐出安定性に問題が生じる。
【0039】
樹脂微粒子の平均粒径は200nm以下であることが好ましく、より好ましくは80nm以下である。平均粒径が200nmを超えると、紙中の均一な浸透が困難となり、紙繊維同士の結着が均質に行なわれず、結果的に画像の耐水性が劣るうえ、インクジェットプリンタのノズル目詰まりが起こりやすくなる。なお、上記平均粒径は、23℃・55%RHの環境において、日機装製マイクロトラックUPAで測定した値である。
【0040】
本発明のインク組成物では、樹脂エマルジョン粒子の添加量は1重量%以上、20重量%以下が好ましく、より好ましくは5重量%以上、15重量%以下である。添加量が1重量%未満であると画像の耐水性が不充分であり、20重量%より多いと、インクジェットプリンタのノズル目詰まりが起こりやすくなる。
【0041】
本発明のインク組成物に使用される色材としては、従来より知られている染料や顔料の多くが有効である。色材として用いられる水溶性染料としては、カラーインデックスにおいて酸性染料、直接性染料、塩基性染料、反応性染料、食用染料に分類される染料が挙げられる。これら染料は複数の種類を混合して用いても良いし、或いは必要に応じて顔料等の他の色素と混合して用いても良い。これら色材は、本発明の効果を妨げない範囲で添加される。
【0042】
これら染料の具体例を挙げれば、以下のとおりである。
(1)酸性染料及び食用染料としては、
C.I.アシッド・イエロー 17,19,23,25,29,38,39,40,42,44,49,50,61,79,110,142,174および218;
C.I.アシッド・レッド 1,8,13,14,18,26,27,35,37,42,52,82,87,89,92,97,106,111,114,115,118,134,158,186,249,254,256,289;C.I.アシッド・ブルー 9,25,29,40,41,45,62,72,76,80,92,106,112,120,205,230,249,271および280;
C.I.アシッド・バイオレット 5,34,43,47,48,90および103;
C.I.アシッド・ブラック 1,2,7,24,26,29,48および94;
C.I.フード・イエロー 2,3,4;
C.I.フード・レッド 7,9,14;
C.I.フード・ブラック 1,2である。
【0043】
(2)直接性染料としては、
C.I.ダイレクト・イエロー 1,8,9,11,12,24,26,27,28,29,33,35,39,41,44,50,53,59,68,86,87,93,95,96,98,100,106,108,109,110,120,130,132,142,144,161および163;
C.I.ダイレクト・レッド 1,4,9,13,17,20,28,31,39,80,81,83,89,225,227;
C.I.ダイレクト・オレンジ 26,29,62,102;
C.I.ダイレクト・ブルー 1,2,6,10,15,22,25,55,67,68,71,76,77,78,79,80,84,86,87,90,98,106,163,165,199,201,202,244,251および288;
C.I.ダイレクト・ブラック 9,17,19,22,32,38,51,56,62,69,71,74,75,77,80,91,94,97,108,112,113,114,117,118,121,122,125,132,146,154,166,168,171,173および199;
C.I.ダイレクト・バイオレット 7,9,47,48,51,66,90,93,94,95,98,100および101である。
【0044】
(3)塩基性染料としては、
C.I.ベーシック・イエロー 1,2,11,13,14,15,19,21,23,24,25,28,29,32,36,40,41,45,49,51,53,63,65,67,70,73,77,87および91;
C.I.ベーシック・レッド 2,12,13,14,15,18,22,23,24,27,29,35,36,38,39,46,49,51,52,54,59,68,69,70,73,78,82,102,104,109および112;
C.I.ベーシック・ブルー 1,3,5,7,9,21,22,26,35,41,45,47,54,62,65,66,67,69,75,77,78,89,92,93,105,117,120,122,124,129,137,141,147および155;
C.I.ベーシック・ブラック 2,8;
【0045】
(4)反応性染料としては、
C.I.リアクティブ・ブラック 3,4,7,11,12および17;
C.I.リアクテイブ・イエロー 1,5,11,13,14,20,21,22,25,40,47,51,55,65および67;
C.I.リアクティブ・レッド 1,14,17,25,26,32,37,44,46,55,60,66,74,79,96および97;
C.I.リアクティブ・ブルー 1,2,7,14,15,23,32,35,38,41,63,80および95が、それぞれ挙げられる。
【0046】
本発明のインク組成物に使用される色材の具体例は上記のとおりであるが、これらに限定されるわけではない。染料としては、特に酸性染料および直接性染料が好ましく、本発明のインク組成物の溶解安定性の向上や、色調・耐水性・耐光性で優れた効果が得られる。また、色材として染料を含有するインクジェット用インクによれば、鮮明性に優れた画像が得られる。
【0047】
本発明のインク組成物は、染料濃度が1重量%以上、20重量%下が好ましく、より好ましくは5%以上、10%以下である。染料濃度が1%未満であると印字した際の着色力が不充分であり、染料濃度が20重量%より多いと保存安定性が低下するばかりでなく、乾燥後の粘度も高くなる傾向となる。
【0048】
本発明のインク組成物では、水溶性有機溶剤の添加量が10重量%以上、50重量%以下であることが好ましく、より好ましくは15重量%以上、35重量%以下である。添加量が10%未満であると、インクジェットプリンタのノズル目詰まりが起こりやすくなり、50重量%より多いと画像の耐水性が充分でなくなる。本発明で上記水溶性有機溶剤とは、沸点が180℃以上のものをいう。
【0049】
水溶性有機溶剤がインク組成物中に含有されていると、該インク組成物の保水性および湿潤性を確保することができ、その結果、これを長期間保存してもインク粘度の上昇や色材の凝集がなく、優れた保存安定性を実現できる。また、インクジェットプリンタのノズル先端等でインクが大気に接触した状態に放置されても、乾燥物の流動性を長時間維持することができる。さらに、印字中または印字中断後の再起動時にノズル目詰まりが発生することもなく、高いインク吐出安定性が得られる。
【0050】
本発明のインク組成物に用いられる水溶性有機溶剤としては以下のものが例示されるが、これらに限定されるものではない。
エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,5−ぺンタンジオール、1,6−へキサンジオール、グリセリン、1,2,6−へキサントリオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、エチル1,2,4−ブタントリオール、1,2,3−ブタントリオール、ぺトリオール等の多価アルコール類;
エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル類;
エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノべンジルエーテル等の多価アルコールアリールエーテル類;
2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチルイミダゾリジノン、ε−カプロラクタム、γ−ブチロラクトン等の含窒素複素環化合物;
ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類;
モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン等のアミン類;
ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオジエタノール等の含硫黄化合物類;
プロピレンカーボネート、炭酸エチレン等である。
これらの水溶性有機溶媒は、単独でまたは2種類以上を混合して使用することができる。
【0051】
これらの水溶性有機溶剤の中でも、特にジエチレングリコール、トリエチレングリコール及び/又はグリセリンを含むことで、インクの乾燥によるノズル目詰まり、すなわち水分蒸発による噴射特性不良の防止効果が高まるとともに、インクの保存安定性が向上する。
【0052】
本発明のインクジェット用インク中の樹脂微粒子の平均粒径は250nm以下であることが好ましい。平均粒径が250nmを超えると、インクの保存安定性が低下する傾向が見られる。
【0053】
上記したインクジェット用インク中の樹脂微粒子の平均粒径は、インク組成物を形成する前の樹脂エマルジョン中の樹脂微粒子の平均粒径とは、厳密には異なるものである。本発明のインクジェット用インクは色材、水、水溶性有機溶剤、樹脂エマルジョンを含有するしている。樹脂微粒子の粒径は、インク組成物中では物質同士の相互作用によって、インク組成物を形成する前に比べて大きくなる場合もあるし、小さくなる場合もある。つまり必ずしも、インクジェット用インク中の樹脂微粒子(インク調合後)の平均粒径=インク調合前の樹脂微粒子(初期添加、原料)の平均粒径とはならない。
【0054】
本発明のインクジェット用インクでは、これを密封状態で70℃・3週間保存した後の粒径変化率が10%以下であることが好ましい。この保存条件は、室温で約2年間保存した場合に相当する。つまり、長期間保存後の粒径変化率を、短時間保存後の粒径変化率で代替試験するものである。上記粒径変化率が10%より大きいと、形成画像の耐水性が不十分となり、安定した画像品位が得られなくなるばかりでなく、インクジェットプリンタのノズル目詰まりが起こりやすくなる。なお、インクジェット記録用インク中の樹脂エマルジョンの平均粒径は、23℃・55%RHの環境において、日機装製マイクロトラックUPAで測定した値を示す。
【0055】
本発明のインクジェット用インクのpHは4以上、12以下が好ましく、より好ましくは6以上、11以下である。pHが4未満の場合および、12より大きい場合のいずれも、インクが凝集しやすくなるうえ、形成画像の彩度が劣り、鮮明な画像形成を得るのが難しくなる。
【0056】
本発明のインクジェット用インクでは、これを密封状態で70℃・3週間保存した後のpH変化率が10%以下であることが好ましい。このpH変化率が10%より大きいと形成画像の耐水性が不十分となり、安定した画像品位が得られなくなるばかりでなく、インクジェットプリンタのノズル目詰まりが起こりやすくなる。なお、上記pHは、23℃・55%RHの環境下で、東亜電波工業HM−50V型で測定した値である。
【0057】
本発明のインクジェット用インクの表面張力は20mN/m以上、50mN/m以下が好ましく、より好ましくは25mN/m以上、45mN/m以下である。表面張力が20mN/m未満か、あるいは50mN/mより大きいと紙表面へのインク濡れ性、紙へのインク浸透速度が低下するばかりでなく、形成画像の彩度が劣り、鮮明な画像の形成が難しくなる。
【0058】
本発明のインクジェット用インクでは、これを密閉状態で70℃・3週間保存した後の表面張力変化率が10%以下であることが好ましい。表面張力変化率が10%より大きいと形成画像の耐水性が不十分で、安定した画像品位を得るのが難しくなるばかりでなく、インクジェットプリンタのノズルの目詰まりが起こりやすくなる。なお、上記表面張力は、23℃・55%RH環境下で、KRUSS社製の表面張力測定装置:K−10ST型で測定した値である。
【0059】
本発明のインクジェット用インクの粘度は10mPa・s以下が好ましく、より好ましくは8mPa・s以下である。粘度が10mPa・sより大きいと、吐出エネルギーが小さいインクジェットプリンタでは、印字が困難になるばかりでなく、乾燥後のインク粘度が上昇しやすくなる傾向が見られる。
【0060】
本発明のインクジェット用インクでは、これを密閉状態で70℃・3週間保存した後の粘度変化率が10%以下であることが好ましい。粘度変化率が10%より大きいと形成画像の耐水性が不十分となり、安定した画像品位を得るのが難しくなるだけでなく、インクジェットプリンタのノズル目詰まりが起こりやすくなる。なお、上記粘度は、23℃・55%RHの環境下で、東機産業社製の粘度計:RE−80L型で測定した値である。
【0061】
本発明では、インクジェット用インク中に酸アンモニウム塩(リン酸水素二アンモニウム塩)を含有させる。その理由は今のところ明らかではないが、酸アンモニウム塩を含有させることにより、画像の耐水性が更に向上する。
【0062】
本発明のインクジェット用インクでは、酸アンモニウム塩の含有量が0.1重量%以上、10重量%以下が好ましく、より好ましくは2重量%以上、7重量%以下である。含有量が0.1重量%未満では耐水性向上の効果が不充分となり、10重量%よりも多いと、インクの高温保存時の安定性が低下する。また、酸アンモニウム塩の中ではリン酸水素二アンモニウム塩が、耐水性向上効果が大きいため特に好ましい。
【0063】
酸アンモニウム塩としては、有機または無機のアンモニウム塩が挙げられる。ここでいうアンモニウム塩は、アンモニウムイオンNH4 + および、その水素を各種の置換基(アルキル基、アリール基など)で置換したものを含む。
【0064】
無機強酸のアンモニウム塩の例としては、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、硫酸水素アンモニウム、亜硫酸アンモニウム、チオ硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、臭化アンモニウム、フッ化アンモニウム、ヨウ化アンモニウムなどが挙げられる。無機弱酸のアンモニウム塩の例としては、リン酸二水素一アンモニウム、リン酸水素二アンモニウム、リン酸水素三アンモニウム、ジ亜リン酸アンモニウム、炭酸アンモニウム、重炭酸アンモニウム、硫化アンモニウム、ホウ酸アンモニウム、ホウフッ化アンモニウム等が挙げられる。
【0065】
有機強酸のアンモニウムの例としては、ギ酸アンモニウム、モノフルオロ酢酸アンモニウム、トリフルオロ酢酸アンモニウム、トリクロロ酢酸アンモニウム等が挙げられる。有機弱酸のアンモニウム塩の例としては、酢酸アンモニウム、、シュウ酸二アンモニウム、シュウ酸水素アンモニウム、安息香酸アンモニウム、クエン酸一アンモニウム、クエン酸二アンモニウム、クエン酸三アンモニウム、乳酸アンモニウム、フタル酸アンモニウム、コハク酸アンモニウム、酒石酸一アンモニウム、酒石酸二アンモニウム等が挙げられる。
【0066】
本発明では、上記した各種態様のインクジェット用インクを収容したインクカートリッジを構成することができる。また、このインクカートリッジを収容したインクジェット装置で、本発明のインクを記録信号に応じてノズルから吐出させ、記録媒体(被記録材)に画像形成を行って画像形成物を得ることができる。
【0067】
なお、本発明のインクジェット用インクを用いて印字する手段としては、連続噴射型またはオンデマンド型の記録ヘッドを有するインクジェット方式のプリンタ(インクジェットプリンタ)が挙げられる。オンデマンド型としては、ピエゾ方式、サーマルインクジェット方式、静電方式等が例示される。これらインクカートリッジの構成、インクジェット装置の構成、画像形成方法は、例えば特開2000−198958号公報に開示されたものなど、本発明の技術分野に関する公知技術を適宜採用することで、実現することが可能である。
【0068】
また、上記記録媒体としては紙など、インク組成物に対して吸収性を有するもの、インク組成物に対して実質的に非吸収性のもののいずれであっても好適に用いられる。本発明によるインクジェット記録方法が適用可能な記録媒体の具体例としては、(1)ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリサルフォン、ABS樹脂、ポリ塩化ビニル等を基材とするプラスチックシート、プラスチックフィルム、(2)黄銅、鉄、アルミニウム、ステンレス鋼(SUS)、銅等の金属表面、(3)非金属基材の表面に蒸着等の手法により金属コーティング処理をした記録媒体、(4)紙を基材として撥水処理などが施された記録媒体、(5)無機質の材料を高温で焼成した、いわゆるセラミックス材料からなる記録媒体などが挙げられる。これらのうちでは紙が経済性と、画像の自然さの点で最も好ましい。
【0069】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づいて更に詳細に説明するが、本発明の技術的範囲は、これらの実施例によってなんら限定されるものではない。また、本発明の効果を明らかにするため、参考例および比較例についても説明する。なお、下記において「部」は重量部を表す。
【0070】
下記表1、表2に示す実施例1、参考例A〜D、参考例1〜9および比較例1〜3の処方により混合液を調製し、これを1時間攪拌した後、孔径0.8μmのメンブランフィルタでろ過し、インクジェット用インクa〜qを得た。なお、実施例1にのみ、関東化学社製のアンモニウム塩(リン酸水素二アンモニウム)を2部添加した。また、各実施例、各参考例および各比較例では、残量を蒸留水とし、全体つまりインク組成物として100部となるようにした。さらに、これらの表において、グリセリンをGly,ジエチレングリコールをDEG、2−エチル−1,3−ヘキサンジオールをEHD,プロキセルLV(S)20重量%溶液(防腐剤)はLVと、それぞれ略記した。
【0071】
【表1】
【0072】
【表2】
【0073】
また上記表1,2において、水溶性染料α〜δおよび、樹脂エマルジョンA〜Iのスペックは、以下のとおりである。
(1)水溶性染料α: ダイワ化成社製のAcid Red 289(水溶性マゼンタ染料)と、ダイワ化成社製のAcid Red 254(水溶性マゼンタ染料)との混合物
(2)水溶性染料β: ダイワ化成社製のDirect Yellow 132 (水溶性イエロー染料)
(3)水溶性染料γ: 日本化薬社製のDirect Blue 199 (水溶性シアン染料)
(4)水溶性染料δ: アビシア社製のDirect Black 168(水溶性ブラック染料)
【0074】
(11)樹脂エマルジョンA:樹脂はスチレン−アクリル系ポリマーで、最低造膜温度は5℃以下、固形分濃度は43重量%である。また、ガラス転移点16℃、重量平均分子量10万〜20万、平均粒径80nmである。
(12)樹脂エマルジョンB:樹脂はスチレン−アクリル系ポリマーで、最低造膜温度は5℃以下であり、固形分濃度は42重量%である。また、ガラス転移点16℃、重量平均分子量10万〜20万、平均粒径60nmである。
(13)樹脂エマルジョンC:樹脂はスチレン−アクリル系ポリマーで、最低造膜温度は5℃以下であり、固形分濃度は42重量%である。また、ガラス転移点30℃、重量平均分子量10万〜20万、平均粒径80nmである。
(14)樹脂エマルジョンD:樹脂はSBR 系クロスレンで、最低造膜温度20℃以下、固形分濃度47重量%である。また、ガラス転移点−22℃、重量平均分子量1万〜10万、平均粒径90nmである。
(15)樹脂エマルジョンE:樹脂はスチレン−アクリル系ポリマーで、最低造膜温度5℃以下、固形分濃度98重量%以上である。また、ガラス転移点102℃、重量平均分子量1万〜2万、平均粒径60nmである。
(16)樹脂エマルジョンF:樹脂はアクリル系で、最低造膜温度30℃、固形分濃度51重量%である。また、ガラス転移点9℃、重量平均分子量1万〜10万、平均粒径100nmである。
(17)樹脂エマルジョンG:樹脂はベンゾフェノン系で、最低造膜温度0℃以下、固形分濃度30重量%である。また、ガラス転移点27℃、重量平均分子量100万以上、平均粒径80nm以下である。
(18)樹脂エマルジョンH:樹脂は高結晶ポリエチレン系で、最低造膜温度20℃以下、固形分濃度35重量%である。また、ガラス転移点20℃、重量平均分子量5000、平均粒径80nmである。
(19)樹脂エマルジョンI:樹脂はスチレン−アクリル系ポリマーで、最低造膜温度5℃以下、固形分濃度32重量%である。また、ガラス転移点53℃、重量平均分子量2万以上、平均粒径300nmである。
【0075】
上記インクa〜qを密閉状態で70℃・3週間保存した後のインクのpH、表面張力および粘度ならびに、樹脂微粒子の粒径を測定した。また、インクa〜qをEPSON 社製のインクジェットプリンタ:EM-930C の黒カートリッジに充填後、真空脱気し、このインクジェットプリンタで印字した。その後、カートリッジを備え付けたまま常温で1週間放置してから再印字し、インクの吐出安定性を評価した。その際、記録媒体として以下のP1〜P10を採用した。なお、下記サイズ度とは、JIS P−8122−76に示された「紙のステキヒト・サイズ度試験方法」で測定されたものを意味し、透気度とは、JIS P−8177−98に示された「紙及び板紙−透気度試験法−ガーレー試験機法」で測定されたものをいう。
【0076】
P1:ゼロックス社製のゼロックスペーパーR
(サイズ度8s、透気度20ss)
P2:AUSTRALIAN PAPER社製の REFLEX
(サイズ度25s、透気度4s)
P3:NBS リコー社製のNBS 複写印刷用紙90K
(サイズ度60s、透気度68s)
P4:キャノン社製のPB用紙
(サイズ度21s、透気度8s)
P5:NBS リコー社製のNBS 複写印刷用紙45K
(サイズ度11s、透気度45s)
P6:本州製紙社製の「やまゆり」
(サイズ度12s、透気度21s)
P7:リコー社製の紙源PPC 用紙タイプ-f S
(サイズ度22s、透気度13s)
P8:ゼロックス社製のP 紙
(サイズ度24s、透気度19s)
P9:ゼロックス社製のマルチエース
(サイズ度25s、透気度17s)
P10:ゼロックス社製の Xerox 4024 紙
(サイズ度32s、透気度21s)
【0077】
インク使用初期、および3週間保存した後(下記表3において「初期」、「3W.後」)に、インクジェット用インクのpH、表面張力および粘度の値、ならびに樹脂微粒子のD50粒径を測定した。さらに、これらをもとに、インクのpH変化率、表面張力変化率、粘度変化率および、樹脂微粒子のD50粒径変化率を求めた。さらに、インクの耐水性(耐水OD保持率および滲み)についても試験した。これらの結果を下記表3、表4に示す。なお、変化率(%)は、使用初期の測定値と3週間保存後の測定値との差の絶対値を、使用初期の測定値で割って得た値に100を掛けたものである。
【0078】
【表3】
【0079】
【表4】
【0080】
上記表4における○、△、×の評価基準は以下のとおりである。
pH変化率、表面張力変化率、粘度変化率、粒径変化率のいずれについても、10%以内の場合を○、10%を超える場合を×とした。インクの吐出安定性については、評価するべきインクで印刷を行った後、プリンタヘッドにキャップを取り付けた状態でプリンタを40℃の環境下で1ヶ月間放置し、放置後のプリンタのインク吐出状態が初期の吐出状態に回復するのに要するクリーニング回数を測定した。評価基準はつぎのとおりである。
○:1回のクリーニングで回復
△:2回〜3回のクリーニングで回復
×:4回以上のクリーニングでも回復せず
【0081】
インクの耐水性については、イエロー、マゼンタ、シアン、およびブラックの各色インクのベタ画像および英数文字を記録媒体に記録し、これを24時間放置した後、水温20℃の蒸留水中に5分間浸漬した。その後記録媒体を取り出し、ろ紙を軽く押し当てて画像の表面の水分を取り、これをそのまま風乾させた後、目視にて印字物の滲み(にじみ)を調べた。評価基準はつぎのとおりである。
○:余白部分へのインクの流出がなく、地肌汚れが殆ど見られず、しかも英数文字の滲みも殆どなし
△:余白部分へのインクの流出が少し発生し、英数文字がやや滲んではいるが実用上問題なし
×:余白部分へのインクの流出および地肌汚れが著しく、しかも英数文字の滲みもひどい
【0082】
インクの耐水性については、さらに上記蒸留水への浸漬前後のベタ印字部分の光学濃度(OD)をX−rite社製のX−rite 938濃度計で測定し、
耐水OD保持率(%)=(浸漬後のOD値/浸漬前のOD値)×100
とした。
【0083】
つぎに、上記表4の評価結果について検討する。
(1)実施例1(インクe)および参考例A〜D(インクa〜d)では、すべての評価項目において優れた結果が得られた。また、参考例1〜9および比較例1〜3のインクでは、少なくとも一つの評価項目において劣るものであった。
(2)参考例1〜9(インクf〜n):・参考例1(インクf)では耐水性が低い。この原因は、樹脂エマルジョンの最低造膜温度が25℃を超えるため、この樹脂エマルジョンが紙繊維に強固に結着できないからであると考えられる。
・参考例2(インクg)では耐水性が低い。この原因は、樹脂の平均分子量が20万を超えるため、インク粘度上昇、不揮発分低下により、安定した印字画像を得ることができないからであると考えられる。
・参考例3(インクh)では耐水性が低い。この原因は、樹脂の平均分子量が1万未満であるため、臭気トラブルで、安定した印字画像を得ることができないからであると考えられる。
・参考例4(インクi)では耐水性が低い。この原因は、樹脂エマルジョンの樹脂微粒子の平均粒径が200nmを超えるため、紙中の均一な浸透が困難となり、紙繊維同士の結着が均一に行われないためであると考えられる。
・参考例5(インクj)では耐水性が低い。この原因は、樹脂エマルジョンの樹脂微粒子の含有量が1重量%未満であるため、印字画像を膜で覆うのが不充分になるためであると考えられる。
・参考例6(インクk)では耐水性が低い。この原因は、樹脂エマルジョンの樹脂微粒子の含有量が20重量%を超えるため、ノズル目詰まりが起こりやすく、安定した印字画像を得ることができないからであると考えられる。
・参考例7(インクl)では耐水性が低い。この原因は、水溶性染料の含有量が20重量%を超えるため、ノズル目詰まりが起こりやすく、安定した印字画像を得ることができないからであると考えられる。
・参考例8(インクm)では耐水性が低い。この原因は、水溶性有機溶剤の添加量が10重量%未満であるため、ノズル目詰まりが起こりやすく、安定した印字画像を得ることができないからであると考えられる。
・参考例9(インクn)では耐水性が低い。この原因は、水溶性有機溶剤の添加量が50重量%を超えるため、水に溶け出す物質の比率が上がり、画像の耐水性が充分でなくなるからであると考えられる。
(3)比較例1〜3(インクo〜q):・比較例1(インクo)では耐水性が低い。この原因は、樹脂エマルジョン無添加のためであると考えられる。
・比較例2(インクp)では耐水性が低い。この原因は、樹脂エマルジョンのガラス転移点が0℃よりも低いため、樹脂微粒子が容易に変形するからであると考えられる。
・比較例3(インクq)では耐水性が低い。この原因は、樹脂エマルジョンのガラス転移点が100℃よりも高いため、樹脂エマルジョンが膜を造りにくくなるからであると考えられる。
【0084】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように、本発明によれば記録画像の耐水性が良好で、画像に水が接触しても容易に画像のにじみや、流出が発生したりすることがない耐水性にぐれた記録画像を得ることができるうえ、保存安定性にも優れたインクジェット用インクを提供することができる。このように本発明によれば、耐水性とペーパーフリー特性とを充分に両立させたインクジェット用インクが提供される。また本発明によれば、本発明の水性インク組成物を適用するインクカートリッジ、インクジェットプリント装置および画像形成方法により、それぞれ耐水性に優れた画像形成物を提供することができる。
Claims (21)
- 少なくとも水溶性染料、水、水溶性有機溶剤、ガラス転移点が0℃以上、100℃以下の樹脂の微粒子が分散したスチレン−アクリル系共重合体エマルジョン、及びリン酸水素二アンモニウムを含むことを特徴とするインクジェット用インク。
- スチレン−アクリル系共重合体エマルジョンの最低造膜温度が25℃以下であることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット用インク。
- スチレン−アクリル系共重合体エマルジョンを形成する該スチレン−アクリル系共重合体の重量平均分子量が1万以上、20万以下であることを特徴とする請求項1または2に記載のインクジェット用インク。
- スチレン−アクリル系共重合体エマルジョン中における樹脂微粒子の平均粒径が200nm以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のインクジェット用インク。
- インク中における樹脂微粒子の含有量が1重量%以上、20重量%以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のインクジェット用インク。
- 水溶性染料の含有量が1重量%以上、20重量%以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のインクジェット用インク。
- 水溶性有機溶剤の含有量が10重量%以上、50重量%以下であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のインクジェット用インク。
- インク中における樹脂微粒子の平均粒径が250nm以下であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のインクジェット用インク。
- 当該インクを70℃で3週間、密閉状態で保存した後の樹脂微粒子の粒径変化率が10%以下であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のインクジェット用インク。
- 当該インクのpHが4以上、12以下であることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載のインクジェット用インク。
- 当該インクを70℃で3週間、密閉状態で保存した後のpH変化率が10%以下であることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載のインクジェット用インク。
- 当該インクの表面張力が20mN/m以上、50mN/m以下であることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載のインクジェット用インク。
- 当該インクを70℃で3週間、密閉状態で保存した後の表面張力変化率が10%以下であることを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載のインクジェット用インク。
- 当該インクの粘度が10mPa・s以下であることを特徴とする請求項1〜13のいずれかに記載のインクジェット用インク。
- 当該インクを70℃で3週間、密閉状態で保存した後の粘度変化率が10%以下であることを特徴とする請求項1ないし14記載のインクジェット記録用インク。
- リン酸水素二アンモニウムの添加量が0.1重量%以上、10重量%以下であることを特徴とする請求項1〜15のいずれかに記載のインクジェット用インク。
- 請求項1〜16のいずれかに記載のインクジェット用インクを収容したことを特徴とするインクカートリッジ。
- 請求項1〜16のいずれかに記載のインクジェット用インクを吐出させて記録を行なう方式のヘッドを備えたことを特徴とするインクジェット記録装置。
- 請求項18に記載のインクジェット記録装置を用いて印字することを特徴とする画像形成方法。
- 請求項19に記載の画像形成方法で印字されたことを特徴とする画像形成物。
- 画像支持体が紙であることを特徴とする請求項20に記載の画像形成物。
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