JP5095971B2 - インクジェット記録用水系インク - Google Patents

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Description

本発明はインクジェット記録用水系インク、及び該インクに用いる水分散体に関する。
インクジェット記録方式は、非常に微細なノズルからインク液滴を記録部材に直接吐出し、付着させて文字や画像を得る記録方式である。この方式は、フルカラー化が容易でかつ安価であり、記録部材として普通紙が使用可能で、被印字物に対して非接触、という数多くの利点があるため普及が著しい。
特許文献1には、保存安定性、特に長期保存安定性と印字画像の耐水性を同時に満足することを目的として、顔料、水溶性有機溶剤、及び50〜90重量%のスチレンモノマーと酸基を有するモノマー成分からなる共重合樹脂を含有し,顔料に対して0.01〜10重量%の無機酸化物微粒子を含有する水性顔料分散液が開示されている。
また、特許文献2には、鮮明性が良好で、且つ高品位な印字が可能であり、印字記録物が十分な耐水性および耐光性を有するものとして、顔料およびコロイダルシリカを含む水性インクジェット用記録液が開示されている。
更に、特許文献3には、記録ヘッドからの吐出安定性に優れ、また得られた耐擦性に優れた画像を得ることを目的として、顔料、無機酸化物コロイド、アルカリ金属水酸化物、および水性溶媒を含有するインクジェット記録用インク組成物が開示されている。また、特許文献4には、染料や顔料を基体に固定し、高い耐水性、耐久性、耐熱性等を備えた着色シリカ被膜形成用のコーティング組成物として、自己造膜性を有する板状シリカ微粒子及び着色剤を用いることが開示されている。
しかし、上記特許文献に開示された水系インクでは、普通紙に印字した際の印字濃度が未だ十分ではなかった。
特開2004−91590号公報 特開平9-227812号公報 特開平11−12516号公報 特開2005−272494号公報
本発明は、普通紙等に印字した際に、印字濃度に優れたインクジェット記録用水系インク、そのインクに用いられる水分散体、及びその水系インクを用いる印字濃度向上方法に関する
本発明者らは、特定の粒径、形状および表面性状を有する金属酸化物微粒子を着色剤に対して特定の割合で用いることで、本発明の課題を達成しうることを見出した。
すなわち、本発明は、
(1)着色剤、平均粒径が110〜400nmの金属酸化物微粒子、及び水不溶性ポリマー粒子を含有してなり、該金属酸化物微粒子と着色剤の含有比率[(金属酸化物微粒子/着色剤)重量比]が0.15〜10である、インクジェット記録用水分散体、
(2)平均粒径が400nm以下の金属酸化物微粒子と、着色剤含有水不溶性ポリマー粒子とを含有してなり、該金属酸化物微粒子と着色剤の含有比率[(金属酸化物微粒子/着色剤)重量比]が0.15〜10である、インクジェット記録用水分散体、
(3)板状の金属酸化物微粒子と、着色剤含有水不溶性ポリマー粒子とを含有する、インクジェット記録用水分散体、
(4)前記(1)〜(3)のいずれか記載の水分散体を含有する、インクジェット記録用水系インク、及び
(5)前記(4)の水系インクを、インクジェット記録に用いる印字濃度向上方法、
に関する。
本発明のインクジェット記録用水分散体を含有する水系インクにより、普通紙等に印字する際に、高い印字濃度を達成することができる。
(金属酸化物微粒子)
本発明において、金属酸化物微粒子は、印字濃度を向上させる観点から用いられる。金属酸化物微粒子を構成する元素は、周期律表(長周期型)の2A族、2B族、3A族、3B族、4A族、4B族、5A族、6A族、7A族又は8族に由来のものである。金属は、半金属であってもよい。金属酸化物の具体例としては、酸化珪素(以下、シリカという)、酸化アルミニウム(以下、アルミナという)、酸化マンガン、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化セリウム、酸化ジルコニウム等、又はこれら酸化物の表面を官能基で修飾あるいは表面改質したもの、あるいは界面活性剤で複合粒子化したもの等が挙げられ、本発明においては、印字濃度および分散性の観点からシリカ粒子が好ましい。金属酸化物微粒子は、これら金属酸化物を一種以上含有することができる。
(1) 金属酸化物微粒子は、分散性の観点から、コロイダル粒子が好ましく、コロイダルシリカ、コロイダルチタニア、コロイダルセリア、及びコロイダルアルミナからなる群から選ばれる1種以上が更に好ましく、中でも、ケイ酸水溶液から生成させる製法により得られるコロイダルシリカが特に好ましい。更に、分散性の観点から、分散媒体は水が好ましい。
(2)金属酸化物微粒子は、印字濃度向上の観点から、粒子表面の少なくとも一部が疎水化した、疎水性粒子であることが好ましく、疎水性シリカ粒子であることが更に好ましい。
粒子表面が疎水化されているかどうかは、該粒子1gが10gのメチルエチルケトン中に安定分散(25℃、1週間)しうるか否かにより目視で判断することができる。
シリカ粒子表面を疎水化する方法としては、(イ)シリカ粒子の表面のシラノール基を好ましくは炭素数1〜12のアルキルシリル基(例えば、メチルシリル基、ヘキシルシリル基等)などの疎水基により修飾する方法、(ロ)疎水性樹脂によりシリカ粒子表面を被覆する方法等が挙げられる。
シリカ粒子表面を疎水化するための疎水化処理剤としてはオルガノクロロシラン、オルガノアルコキシシラン、オルガノジシラザン、環状オルガノポリシラザン、線状オルガノポリシロキサン等が例示される。
シリカの表面のシラノール基をアルキルシリル基等の疎水基で修飾する方法としては、例えば、水分散シリカコロイドにアルキルシラノールアルカリ金属塩を反応させる方法(特公平7−33250号公報等参照);水分散シリカコロイドに有機溶剤、カチオン性界面活性剤、アルキルトリアルコキシシランを添加した後、共沸脱水し、更に加熱還流する方法(特開平6−73389号公報参照);湿式シリカ又は乾式シリカにアルキルトリアルコキシシラン、有機ハロゲン化ケイ素化合物等の反応させる方法(特開平6−206720号公報、特開平7−187647号公報等参照)等が挙げられる。
シリカ粒子表面のシラノール基が疎水基により修飾されたシリカ粒子において、シリカ粒子表面のシラノール基は、好ましくはその5モル%以上、より好ましくは10モル%以上、更に好ましくは20モル%以上が疎水基により修飾されている。シラノール基を修飾するアルキルシリル基としては、炭素数1〜12の直鎖又は分岐鎖のアルキル基が好ましく、具体的には、メチルシリル基、エチルシリル基、n−プロピルシリル基、i−プロピルシリル基、n−ブチルシリル基、t−ブチルシリル基、i−ブチルシリル基、ペンチルシリル基、ヘキシルシリル基、2−エチルヘキシルシリル基、オクチルシリル基、ドデシルシリル基等が好ましく挙げられる。
(3)金属酸化物微粒子は、印字濃度向上の観点から、板状粒子であることが好ましく、板状シリカ粒子であることが更に好ましい。この板状粒子は、球形粒子に比べ効率良く普通紙内で顔料の沈み込みを抑制する効果が大きく、印字濃度が向上すると考えられる。
板状シリカ粒子は、特開2005−272494号公報に記載の方法により、得ることができる。
本発明に用いられる板状シリカ粒子のアスペクト比(板状粒子の長径/板状粒子の厚み)は、印字濃度向上の観点から、好ましくは10〜500、更に好ましくは10〜300、特に好ましくは20〜100であることが好ましい。アスペクト比は、透過型電子顕微鏡を用いて板状シリカ粒子の長径と厚みを100個測定した各々の数平均から求めることができる。
比表面積は、好ましくは30〜500m2/g、より好ましくは30〜300m2/g、さらに好ましくは30〜200m2/g、特に好ましくは50〜200m2/gである。
板状粒子の好ましい平均粒径は下記のとおりであり、後述する光散乱法を用いて求めた値を用いる。
これらの観点から、金属酸化物微粒子は、コロイダル粒子、疎水性粒子及び板状粒子からなる群から選ばれる1種以上の粒子が好ましく、コロイダルシリカ、疎水性シリカ粒子及び板状シリカ粒子からなる群から選ばれる1種以上のシリカ粒子が更に好ましい。
金属酸化物微粒子(コロイド粒子、疎水性粒子、板状粒子を含む)の平均粒径は、印字濃度向上の観点から、下記小粒径側と大粒径側の各々とに好ましい粒径が存在する。
(1)小粒径側:金属酸化物微粒子の平均粒径は、1〜10nmが好ましく、2〜8nmが更に好ましい。この範囲内の金属酸化物微粒子は、凝集性が高いため、ノズルから吐出した水系インクに含まれる金属酸化物微粒子が、紙上又は紙内部で凝集することで、(2)の大粒径と同じような効果を有するものと考えられる。
(2)大粒径側:印字濃度向上の観点から、好ましくは20nm以上、更に好ましくは50nm以上、より好ましくは80nm以上、特に好ましくは110nm以上、より特に好ましくは140nm以上、更に特に好ましくは160nm以上、最も好ましくは170nm以上であり、分散安定性、吐出性等の観点から、好ましくは400nm以下、更に好ましくは350nm以下、特に好ましくは300nm以下であり、印字濃度、分散安定性、吐出性等の観点から、好ましくは20〜400nm、更に好ましくは50〜400nm、より好ましくは80〜400nm、更により好ましくは110〜400nmであり、特に好ましくは140〜350nm、更に特に好ましくは160〜350nm、最も好ましくは170〜300nmである。この範囲内の平均粒径の金属酸化物微粒子を用いることで、インクジェット記録用ノズルから吐出した水系インクに含まれる金属酸化物微粒子が、着色剤より比重が大きいため、普通紙内に先に沈み込み、着色剤の沈みこみを抑制することなどにより、印字濃度が向上すると考えられる。
本発明で用いられる金属酸化物微粒子は、後述する標準試験方法による顔料の平均浸透深度(顔料の沈み込み)を、印字濃度の観点から、好ましくは65μm以下、更に好ましくは60μm以下とする化合物であり、耐擦過性の観点から、好ましくは10μm以上、更に好ましくは20μm以上とする化合物であることが望まれる。これらの観点から、顔料の平均浸透深度は、10〜65μmが好ましく、20〜60μmが更に好ましい。
コロイド粒子及び板状粒子の金属酸化物微粒子の平均粒径は、実施例記載の光散乱法を用いて測定する。また、金属酸化物微粒子が粉体の場合には、金属酸化物微粒子1重量部に対して約0.1重量部のポリアクリル酸塩(例えば、ポイズ530A、花王(株)製)で水に分散させた水分散体を、同じく光散乱法により、測定することができる。但し、平均粒径20nm未満の金属酸化物微粒子及び疎水性粒子の平均粒径は、前記測定方法で用いる希釈水による凝集性が高いため、後述する顔料と同じ測定方法により測定する。
金属酸化物微粒子の粒径分布としては、印字濃度向上の観点、光沢向上及び写像性向上の観点から、D90/D50の値で、好ましくは1〜3、より好ましくは1〜2、更に好ましくは1〜1.5である。尚、D90とは、透過型電子顕微鏡(好適には3000〜100000倍)で500個の粒径を測定した画像を使い、一次粒子の小粒径側からの積算粒径分布(個数基準)が90%となる粒径をいい、D50とは、同条件で測定した画像を使い、一次粒子の小粒径側からの積算粒径分布(個数基準)が50%となる粒径をいう。
金属酸化物微粒子の水分散体及び水系インク中での凝集を抑制する観点から、水分散体及び水系インク中での前記金属酸化物微粒子のゼータ電位(25℃)が、好ましくはpH4.5〜10、より好ましくはpH5〜10、更に好ましくはpH7〜10において、前記金属酸化物微粒子が等電点を有しないことが好ましい。尚、ゼータ電位は一般の測定方法で求めることができる。
(着色剤)
本発明の水分散体に用いられる着色剤としては、耐水性の観点から、顔料及び疎水性染料が好ましい。中でも、近年要求が強い高耐候性等を発現させるため、顔料を用いることが好ましい。
顔料及び疎水性染料は、水系インクに使用する場合には、界面活性剤、水不溶性ポリマーを用いて、インク中で安定な微粒子にすることが好ましい。特に、耐滲み性、耐水性等の観点から、本発明においては水不溶性ポリマー粒子中に顔料及び疎水性染料を含有させることが好ましい。
顔料は、無機顔料及び有機顔料のいずれも使用できる。また、必要に応じて、それらと体質顔料を併用することもできる。
無機顔料としては、例えば、カーボンブラック、金属硫化物、金属塩化物等が挙げられる。これらの中では、特に黒色水系インクにおいては、カーボンブラックが好ましい。カーボンブラックとしては、ファーネスブラック、サーマルランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等が挙げられる。
有機顔料としては、例えば、アゾ顔料、ジスアゾ顔料、フタロシアニン顔料、キナクリドン顔料、イソインドリノン顔料、ジオキサジン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、チオインジゴ顔料、アンソラキノン顔料、キノフタロン顔料等が挙げられる。
色相は特に限定されるものではなく、赤色有機顔料、黄色有機顔料、青色有機顔料、オレンジ有機顔料、グリーンオレンジ有機顔料等の有彩色顔料を用いることができる。
好ましい有機顔料の具体例としては、C.I.ピグメント・イエロー13, 17, 74, 83, 97, 109, 110, 120, 128, 139, 151, 154, 155, 174, 180; C.I.ピグメント・レッド 48, 57:1, 122, 146, 176, 184, 185, 188, 202; C.I.ピグメント・バイオレット19, 23; C.I.ピグメントブルー15, 15:1, 15:2, 15:3, 15:4, 16, 60;及びC.I.ピグメント・グリーン7, 36からなる群から選ばれる1種以上の各品番製品が挙げられる。
体質顔料としては、炭酸カルシウム、タルク等が挙げられる。
疎水性染料は、水不溶性ポリマー粒子中に含有させることができるものであればよく、その種類には特に制限はない。疎水性染料としては、水不溶性ポリマー中に効率よく染料を含有させる観点から、水不溶性ポリマーの製造時に使用する有機溶媒に対して、2g/L以上、好ましくは20〜500g/L(25℃)溶解するものが望ましい。
疎水性染料としては、油溶性染料、分散染料等が挙げられ、これらの中では油溶性染料が好ましい。
油溶性染料としては、C.I.ソルベント・ブラック、C.I.ソルベント・イエロー、C.I.ソルベント・レッド、C.I.ソルベント・バイオレット、C.I.ソルベント・ブルー、C.I.ソルベント・グリーン、及びC.I.ソルベント・オレンジからなる群から選ばれる1種以上の各品番製品が挙げられる。
分散染料としては、C.I.ディスパーズ・イエロー、C.I.ディスパーズ・オレンジ、C.I.ディスパーズ・レッド、C.I.ディスパーズ・バイオレット、C.I.ディスパーズ・ブルー、及びC.I.ディスパーズ・グリーンからなる群から選ばれる1種以上の各品番製品が挙げられる。
これらの中では、イエローとしてC.I.ソルベント・イエロー29及び30、シアンとしてC.I.ソルベント・ブルー70、マゼンタとしてC.I.ソルベント・レッド18及び49、ブラックとしてC.I.ソルベント・ブラック3及び7、及びニグロシン系の黒色染料が好ましい。
顔料は、自己分散型顔料であってもよい。自己分散型顔料とは、アニオン性又はカチオン性の親水基の1種以上を直接又は他の原子団を介して顔料の表面に結合することで、界面活性剤や樹脂を用いることなく水系媒体に分散可能である顔料を意味する。
上記の着色剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
着色剤が顔料である場合、顔料の平均一次粒径は、顔料の分散性、印字濃度、プリンターのノズルの目詰まり防止の観点から、40〜180nmが好ましく、50〜170nmが更に好ましく、70〜140nmが特に好ましい。
顔料の平均一次粒径は、透過電子顕微鏡を用いて測定することができ、具体的には日本電子株式会社の透過電子顕微鏡の画像解析で500個測定し、平均を算出した数平均粒径である。なお、着色剤に長径と短径がある場合は、長径を用いて算出する。
(水不溶性ポリマー)
水不溶性ポリマー粒子を構成する水不溶性ポリマーとしては、水不溶性ビニルポリマー、水不溶性エステル系ポリマー、水不溶性ウレタン系ポリマー等が挙げられる。これらの中では、水分散体の安定性の観点から、水不溶性ビニルポリマーが好ましい。本発明において、水不溶性ポリマーとは、105℃で2時間乾燥させた後、25℃の水100gに溶解させたときに、その溶解量が10g以下、好ましくは5g以下、更に好ましくは1g以下であるポリマーをいう。上記溶解量は、水不溶性ポリマーが塩生成基を有する場合は、その種類に応じて、水不溶性ポリマーの塩生成基を酢酸又は水酸化ナトリウムで100%
中和した時の溶解量をいう。
水不溶性ポリマーは、十分な印字濃度を発現させる観点から、マクロマー(c)由来の構成単位を含む水不溶性グラフトポリマーであることが好ましい。特に、水不溶性ポリマーは、塩生成基含有モノマー(a)由来の構成単位と、疎水性モノマー(b)由来の構成単位を含むポリマーを主鎖に有し、マクロマー(c)由来の構成単位を含むポリマーを側鎖に有する、水不溶性グラフトポリマーであることが好ましい。
このような水不溶性グラフトポリマーとしては、塩生成基含有モノマー(a)(以下「(a)成分」ということがある)、疎水性モノマー(b)(以下「(b)成分」ということがある)、及びマクロマー(c)(以下「(c)成分」ということがある)を含むモノマー混合物(以下「モノマー混合物」ということがある)を共重合してなる水不溶性ビニルポリマーが好ましい。
上記(a)成分は、得られる分散体の分散安定性を高める等の観点から用いられるものであり、カチオン性モノマー、アニオン性モノマー等が挙げられる。具体的には、特開平9-286939号公報第5頁第7欄24行〜同頁第8欄29行に記載されているもの等を用いることができる。塩生成基としては、カルボキシ基、スルホン酸基、リン酸基、アミノ基、アンモニウム基等が挙げられる。
カチオン性モノマーの代表例としては、不飽和アミン含有モノマー、不飽和アンモニウム塩含有モノマー等が挙げられ、これらの中では、N,N-ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N-(N',N'-ジメチルアミノプロピル)(メタ)アクリルアミドが好ましい。
アニオン性モノマーの代表例としては、不飽和カルボン酸モノマー、不飽和スルホン酸モノマー、不飽和リン酸モノマー等が挙げられる。
不飽和カルボン酸モノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、2-メタクリロイルオキシメチルコハク酸等が挙げられる。
不飽和スルホン酸モノマーとしては、スチレンスルホン酸、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、3-スルホプロピル(メタ)アクリレート、ビス-(3-スルホプロピル)-イタコネート等が挙げられる。
不飽和リン酸モノマーとしては、ビニルホスホン酸、ビニルホスフェート、ビス(メタクリロキシエチル)ホスフェート、ジフェニル-2-アクリロイロキシエチルホスフェート、ジフェニル-2-メタクリロイロキシエチルホスフェート、ジブチル-2-アクリロイロキシエチルホスフェート等が挙げられる。
上記アニオン性モノマーの中では、分散安定性、吐出性等の観点から、不飽和カルボン酸モノマーが好ましく、アクリル酸又はメタクリル酸がより好ましい。
上記(a)成分は、それぞれ単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記(b)成分の疎水性モノマーは、耐水性、耐擦過性、印字濃度の向上等の観点から用いられ、アルキル(メタ)アクリレート、アルキル(メタ)アクリルアミド、芳香環含有モノマー等が挙げられる。
アルキル(メタ)アクリレートとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、(イソ)プロピル(メタ)アクリレート、(イソ又はターシャリー)ブチル(メタ)アクリレート、(イソ)アミル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、(イソ)オクチル(メタ)アクリレート、(イソ)デシル(メタ)アクリレート、(イソ)ドデシル(メタ)アクリレート、(イソ)ステアリル(メタ)アクリレート等の炭素数1〜22のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルが挙げられる。
アルキル(メタ)アクリルアミドとしては、(メタ)アクリルアミド、ジメチル(メタ)アクリルアミド、ジエチル(メタ)アクリルアミド、ジブチル(メタ)アクリルアミド、t-ブチル(メタ)アクリルアミド、オクチル(メタ)アクリルアミド、ドデシル(メタ)アクリルアミドなどの、炭素数1〜22のアルキル基を有する(メタ)アクリルアミドが挙げられる。
芳香環含有モノマーとしては、スチレン、2-メチルスチレン、ビニルトルエン等のスチレン系モノマー、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸のアリールエステル、エチルビニルベンゼン、4-ビニルビフェニル、1,1-ジフェニルエチレン、ビニルナフタレン、クロロスチレン等の炭素数6〜22の芳香族炭化水素基を有するビニルモノマーが好ましく挙げられる。
なお、本明細書にいう「(イソ又はターシャリー)」及び「(イソ)」は、これらの基が存在している場合とそうでない場合の双方を含むことを意味し、これらの基が存在していない場合には、ノルマルであることを示す。また、「(メタ)アクリレート」は、アクリレートとメタクリレートの双方の場合を含むことを示す。
(b)成分としては、印字濃度向上の観点から、芳香環含有モノマーが好ましく、中でもスチレン系モノマー(b-1)成分が好ましく、スチレン及び2-メチルスチレンが更に好ましい。(b)成分中における(b-1)成分の含有量は、印字濃度、耐マーカー性向上等の観点から、好ましくは10〜100重量%、より好ましくは20〜80重量%である。
また、(b)成分としては、水系インクの光沢性向上等の観点から、芳香環含有モノマーが好ましく、中でも(メタ)アクリル酸のアリールエステル(b-2)成分が好ましく、炭素数7〜22、好ましくは炭素数7〜18、更に好ましくは炭素数7〜12のアリールアルキル基を有する(メタ)アクリレート、又は、炭素数6〜22、好ましくは炭素数6〜18、更に好ましくは炭素数6〜12のアリール基を有する(メタ)アクリレートが好ましい。このようなモノマーとしては、具体的には、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート等が好ましく挙げられる。(b)成分中の(b-2)成分の含有量は、光沢性の向上等の観点から、好ましくは10〜100重量%、より好ましくは20〜80重量%である。
上記(b)成分は、それぞれ単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができ、(b-1)成分と(b-2)成分を併用することも好ましい。
上記(c)成分は、着色剤を含有した水不溶性ポリマー微粒子の分散安定性を高める等の観点から用いられ、数平均分子量が500〜100,000、好ましくは1,000〜10,000で、片末端に不飽和基等の重合性官能基を有するモノマーであるマクロマーが挙げられる。
なお、(c)成分の数平均分子量は、標準物質としてポリスチレンを用い、溶媒として50ミリモル/Lの酢酸を含有するテトラヒドロフランを用いたゲルパーミエーションクロマトグラフィーによって測定することができる。
(c)成分のマクロマーとしては、具体的には、下記(c-1)スチレン系マクロマー、(c-2)アルキル(メタ)アクリレート系マクロマー、(c-3)芳香環含有(メタ)アクリレート系マクロマー、(c-4)シリコーン系マクロマー等が挙げられる。
(c-1)スチレン系マクロマー
スチレン系マクロマーとは、スチレン、α-メチルスチレン、ビニルトルエン等のスチレン系モノマー(c-1 モノマーという)を有するマクロマーを意味する。スチレン系モノマーの中ではスチレンが好ましい。
スチレン系マクロマーは、例えば、片末端に重合性官能基を有するスチレン単独重合体、及び片末端に重合性官能基を有する、スチレンと他のモノマーとの共重合体が挙げられる。片末端に存在する重合性官能基は、アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基が好ましく、これらを共重合させることで、スチレン系マクロマー由来の構成単位を有する水不溶性グラフトポリマーを得ることができる。
他のモノマーとしては、例えば、(1)アクリロニトリル、後述の(2)(メタ)アクリル酸エステル類(c-2 モノマー)、及び(3)スチレン以外の芳香環含有(メタ)アクリレート系モノマー(c-3 モノマー)等が挙げられる。
側鎖中、又はスチレン系マクロマー中、スチレン系モノマー由来の構成単位の含有量は、耐擦過性の観点から、好ましくは60重量%以上、より好ましくは70重量%以上、特に好ましくは90重量%以上である。
商業的に入手しうるスチレン系マクロマーとしては、例えば、東亜合成株式会社の商品名、AS−6(S)、AN−6(S)、HS−6(S)等が挙げられる。
(c-2)アルキル(メタ)アクリレート系マクロマー
アルキル(メタ)アクリレート系マクロマーとは、ヒドロキシ基を有していてもよい、炭素数1〜22、好ましくは炭素数1〜18のアルキル基を有する、(メタ)アクリル酸エステル(c-2 モノマー)を有するマクロマーを意味する。
(メタ)アクリル酸エステルとしては、具体的には、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、(イソ)プロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、(イソ又はターシャリー)ブチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、(イソ)オクチル(メタ)アクリレート、(イソ)デシル(メタ)アクリレート、(イソ)ステアリル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
c-2 モノマー由来の構成単位を含む側鎖は、片末端に重合性官能基を有するアルキル(メタ)アクリレート系マクロマーを共重合することにより得られ、例えば、メチルメタクリレート系マクロマー、ブチルアクリレート系マクロマー、イソブチルメタクリレート系マクロマー、ラウリルメタクリレート系マクロマー等が挙げられる。
アルキル(メタ)アクリレート系マクロマーとしては、片末端に重合性官能基を有するアルキル(メタ)アクリレートの単独重合体、及び片末端に重合性官能基を有する、アルキル(メタ)アクリレートと他のモノマーとの共重合体が挙げられ、重合性官能基としては、アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基が好ましい。他のモノマーとしては、前記の(1)スチレン系モノマー(c-1 モノマー)、後述の(3)スチレン以外の芳香環含有(メタ)アクリレート系モノマー(c-3 モノマー)等が挙げられる。
側鎖中、又はアルキル(メタ)アクリレート系マクロマー中、(メタ)アクリル酸エステル由来の構成単位の含有量は、最も多く、耐擦過性の観点から、好ましくは60重量%以上、より好ましくは70重量%以上、特に好ましくは90重量%以上である。
(c-3)芳香環含有(メタ)アクリレート系マクロマー
芳香環含有(メタ)アクリレート系マクロマーとは、芳香環含有(メタ)アクリレート(c-3 モノマー)を有するマクロマーを意味する。芳香環含有(メタ)アクリレートとしては、下記式(1)で表されるモノマーが好ましい。
CH2=CR1COOR2 (1)
(式中、R1は水素原子又はメチル基を示し、R2は、置換基を有していてもよい、炭素数7〜22のアリールアルキル基又は炭素数6〜22のアリール基を示す。)
具体的には、ベンジル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、2-フェニルエチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、1-ナフチルアクリレート、2-ナフチル(メタ)アクリレート、フタルイミドメチル(メタ)アクリレート、p-ニトロフェニル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2-メタクリロイロキシエチル-2-ヒドロキシプロピルフタレート、2-アクリロイロキシエチルフタレート等が挙げられる。これらの中では、特にベンジル(メタ)アクリレートが好ましい。これらは、それぞれ単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
芳香環含有(メタ)アクリレート由来の構成単位を含む側鎖は、片末端に重合性官能基を有する芳香環含有(メタ)アクリレート系マクロマーを共重合することにより得ることができる。
芳香環含有(メタ)アクリレート系マクロマーは、片末端に重合性官能基を有する芳香環含有(メタ)アクリレートの単独重合体、及び片末端に重合性官能基を有する、芳香環含有(メタ)アクリレートと他のモノマーとの共重合体が挙げられ、重合性官能基は、アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基が好ましい。他のモノマーとしては、前記の(1)スチレン系モノマー(c-1 モノマー)、(2)(メタ)アクリル酸エステル(c-2 モノマー)等が挙げられる。
側鎖中、又は芳香環含有(メタ)アクリレート系マクロマー中、芳香環含有(メタ)アクリレート由来の構成単位の含有量は、最も多い。
(c-4)シリコン系マクロマー
本発明で用いられる水不溶性グラフトポリマーは、オルガノポリシロキサン鎖を側鎖として有していてもよい。この側鎖は、例えば、好ましくは下記式(2)で表される、片末端に重合性官能基を有するシリコーン系マクロマーを共重合することにより得ることができる。
CH2=C(CH3)-COOC3H6-〔Si(CH3)2-O〕t-Si(CH3)3 (2)
(式中、tは8〜40の数を示す)
上記マクロマーの中では、片末端に重合性官能基を有するスチレン系マクロマーが着色剤との親和性が高く、保存安定性を向上させる観点から好ましい。
本発明においては、上記マクロマーは1種で用いてもよいが、2種以上組み合わせて用いてもよい。
本発明に用いられるポリマーが、水不溶性グラフトポリマーである場合、[主鎖/側鎖]の重量比は、耐擦過性及び保存安定性を向上させる観点から、1/1〜20/1であることが好ましく、3/2〜15/1が更に好ましく、2/1〜10/1が特に好ましい。なお、重合性官能基は側鎖に含有されるものとして計算する。
本発明においては、上記(a)、(b)、(c)各成分を含むモノマー混合物は、さらに、水酸基含有モノマー(d)(以下「(d)成分」ということがある)を含有することが好ましい。
(d)成分は、水分散体の分散安定性を高めるものである。(d)成分としては、例えば、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(n=2〜30、nはオキシアルキレン基の平均付加モル数を示す。以下同じ。)(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(n=2〜30)(メタ)アクリレート、ポリ(エチレングリコール(n=1〜15)・プロピレングリコール(n=1〜15))(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの中では、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノメタクリレート、ポリプロピレングリコールメタクリレートが好ましい。
上記モノマー混合物は、さらに、下記式(3)で表されるモノマー(e)(以下「(e)成分」ということがある)を含有することができる。
CH2=C(R3)COO(R4O)p5 (3)
(式中、R3は水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基を示し、R4はヘテロ原子を有していてもよい炭素数1〜30の2価の炭化水素基を示し、R5はヘテロ原子を有していてもよい炭素数1〜30の1価の炭化水素基を示すが、pは平均付加モル数を示し、1〜60、好ましくは1〜30の数である。)
(e)成分は、水性インクの吐出安定性を高め、連続印字してもヨレの発生を抑制する等の優れた効果を発現するものである。
式(3)において、R4又はR5が有してもよいヘテロ原子としては、例えば、窒素原子、酸素原子、ハロゲン原子又は硫黄原子が挙げられる。
4又はR5で示される基の代表例としては、炭素数6〜30の芳香族基、炭素数3〜30のヘテロ環基、炭素数1〜30のアルキレン基等が挙げられ、これらは置換基を有していてもよい。これらの基は2種以上を組合わせたものであってもよい。置換基としては、芳香族基、ヘテロ環基、アルキル基、ハロゲン原子、アミノ基等が挙げられる。
上記R4としては、炭素数1〜24の置換基を有していてもよいフェニレン基、炭素数1〜30、好ましくは炭素数1〜20の脂肪族アルキレン基、芳香族環を有する炭素数7〜30のアルキレン基及びヘテロ環を有する炭素数4〜30のアルキレン基が好ましく挙げられる。R4O基の特に好ましい具体例としては、オキシエチレン基、オキシ(イソ)プロピレン基、オキシテトラメチレン基、オキシヘプタメチレン基、オキシヘキサメチレン基又はこれらオキシアルキレンの1種以上からなる炭素数2〜7のオキシアルキレン基やオキシフェニレン基が挙げられる。
5としては、フェニル基、炭素数1〜30、好ましくは分岐鎖を有していても良い炭素数1〜20の脂肪族アルキル基、芳香族環を有する炭素数7〜30のアルキル基又はヘテロ環を有する炭素数4〜30のアルキル基が好ましく挙げられる。R5のより好ましい例としては、メチル基、エチル基、(イソ)プロピル基、(イソ)ブチル基、(イソ)ペンチル基、(イソ)ヘキシル基等の炭素数1〜12のアルキル基、フェニル基等が挙げられる。
(e)成分の具体例としては、メトキシポリエチレングリコール(上記式(3)におけるpが1〜30)(メタ)アクリレート、メトキシポリテトラメチレングリコール(p=1〜30)(メタ)アクリレート、エトキシポリエチレングリコール(p=1〜30)(メタ)アクリレート、(イソ)プロポキシポリエチレングリコール(p=1〜30)(メタ)アクリレート、ブトキシポリエチレングリコール(p=1〜30)(メタ)アクリレート、オクトキシポリエチレングリコール(p=1〜30)、メトキシポリプロピレングリコール(p=1〜30)(メタ)アクリレート、メトキシ(エチレングリコール・プロピレングリコール共重合)(p=1〜30、その中のエチレングリコール部分は1〜29)(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの中では、メトキシポリエチレングリコ
ール(p=1〜30)(メタ)アクリレートが好ましい。
商業的に入手しうる(d)、(e)成分の具体例としては、新中村化学工業株式会社の多官能性アクリレートモノマー(NKエステル)M-40G, 90G, 230G, 日本油脂株式会社のブレンマーシリーズ、 PE-90, 200, 350, PME-100, 200, 400, 1000、PP-1000, PP-500,PP-800, AP-150, AP-400, AP-550, AP-800, 50PEP-300, 50POEP-800B等が挙げられる。
上記(d)成分及び(e)成分は、それぞれ単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記(a)〜(e)成分のモノマー混合物中における含有量は次のとおりであることが好ましい。
(a)成分の含有量は、得られる分散体の分散安定性等の観点から、好ましくは3〜30重量%、より好ましくは4〜20重量%である。
(b)成分の含有量は、耐水性、耐擦過性、印字濃度の観点から、好ましくは10〜70重量%、より好ましくは15〜60重量%である。
(c)成分の含有量は、着色剤を含有した水不溶性ポリマー微粒子の分散安定性等の観点から、好ましくは1〜25重量%、より好ましくは5〜20重量%である。
(a)成分の含有量と、(b)成分と(c)成分の合計含有量との重量比((a)/[(b)+(c)])は、得られる水系インクの長期保存安定性、吐出性等の観点から、好ましくは0.01〜1、より好ましくは0.02〜0.67、更に好ましくは0.03〜0.50である。
(d)成分の含有量は、吐出性、印字濃度の観点から、好ましくは5〜40重量%、より好ましくは7〜20重量%である。
(e)成分の含有量は、吐出性、分散安定性等の観点から、好ましくは5〜50重量%、より好ましくは10〜40重量%である。
(a)成分と(d)成分との合計含有量は、水中での安定性、印字濃度の観点から、好ましくは6〜60重量%、より好ましくは10〜50重量%である。
また、(a)成分と(e)成分の合計含有量は、水中での分散安定性、吐出性等の観点から、好ましくは6〜75重量%、より好ましくは13〜50重量%である。
(a)成分と(d)成分と(e)成分との合計含有量は、水中での分散安定性、印字濃度及び吐出性の観点から、好ましくは6〜60重量%、より好ましくは7〜50重量%である。
上記(a)〜(e)の各成分に由来する構成成分の水不溶性ポリマー中の含有量も、上記各成分含有量と同様である。
本発明の水不溶性ポリマー粒子を構成する水不溶性ポリマーは、塊状重合法、溶液重合法、懸濁重合法、乳化重合法等の公知の重合法により、前記モノマー混合物を共重合させることによって製造されるが、これらの重合法の中では、溶液重合法の場合に、特に高印字濃度や高耐ブリード性等の効果が好適に得られる。
溶液重合法で用いる溶媒としては、水不溶性ポリマーと親和性の高い極性有機溶媒が好ましく、水に対する溶解度が20℃において、50重量%以下のものが好ましく、5重量%以上のものが好ましい。極性有機溶媒としては、例えば、ブトキシエタノール等の脂肪族アルコール;トルエン、キシレン等の芳香族類;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類;酢酸エチル等のエステル類等が挙げられる。これらの中では、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、トルエン、キシレン、ブトキシエタノール、又はこれらの1種以上と水との混合溶媒が好ましい。
重合の際には、2,2'-アゾビスイソブチロニトリル、2,2'-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)等のアゾ化合物や、tert-ブチルペルオキシオクトエート、ジベンゾイルオキシド等の有機過酸化物等の公知の重合開始剤を用いることができる。
重合開始剤の量は、モノマー混合物1モルあたり、好ましくは0.001〜5モル、より好ましくは0.01〜2モルである。
重合の際には、さらに、オクチルメルカプタン、2-メルカプトエタノール等のメルカプタン類、チウラムジスルフィド類等の公知の重合連鎖移動剤を添加することができる。
モノマー混合物の重合条件は、使用する重合開始剤、モノマー、溶媒の種類等によって異なるが、通常、重合温度は30〜100℃、好ましくは50〜80℃であり、重合時間は1〜20時間である。また、重合雰囲気は、窒素ガス雰囲気、アルゴン等の不活性ガス雰囲気であることが好ましい。
重合反応の終了後、反応溶液から再沈澱、溶媒留去等の公知の方法により、生成したポリマーを単離することができる。
得られる水不溶性ポリマーの重量平均分子量は、着色剤の分散安定性、耐水性、吐出性等の観点から5,000〜500,000が好ましく、10,000〜400,000がさらに好ましく、10,000〜300,000が特に好ましい。
なお、ポリマーの重量平均分子量は、溶媒として60ミリモル/Lのリン酸及び50ミリモル/Lのリチウムブロマイドを溶解したN,N−ジメチルホルムアミドを用いたゲルクロマトグラフィー法により、標準物質としてポリスチレンを用いて測定される。
上記水不溶性ポリマーは、塩生成基含有モノマー(a)由来の塩生成基を有している場合は、中和剤により中和して用いる。中和剤としては、ポリマー中の塩生成基の種類に応じて、酸又は塩基を使用することができ、例えば、塩酸、酢酸、プロピオン酸、リン酸、硫酸、乳酸、コハク酸、グリコール酸、グルコン酸、グリセリン酸等の等の酸、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、トリブチルアミン等の塩基が挙げられる。
塩生成基の中和度は、10〜200%であることが好ましく、さらに20〜150%、特に50〜150%であることが好ましい。ここで中和度は、塩生成基がアニオン性基である場合は、下記式によって求めることができる。
{[中和剤の重量(g)/中和剤の当量]/[ポリマーの酸価 (KOHmg/g)×ポリマーの重量(g)/(56×1000)]}×100
一方、塩生成基がカチオン性基である場合、下記式によって求めることができる。
[[中和剤の重量(g)/中和剤の当量]/[ポリマーのアミン価 (HCLmg/g)×ポリマーの重量(g)/(36.5×1000)]]×100
酸価やアミン価は、ポリマーの構成単位から算出することができるが、適当な溶剤(例えばメチルエチルケトン)にポリマーを溶解して滴定する方法を用いて求めることもできる。
(水不溶性ポリマー粒子)
水不溶性ポリマー粒子は、耐水性、耐擦過性を向上させる。着色剤が顔料又は疎水性染料の場合は、着色剤を含有する水不溶性ポリマー粒子(以下、「着色剤含有水不溶性ポリマー粒子」という)として用いることで、着色剤の分散安定性が向上すると共に、金属酸化物微粒子が相対的に普通紙内に沈み込み易くなるため、印字濃度が向上し、好ましい。着色剤含有水不溶性ポリマー粒子の製法例を、以下に示す。
工程(1):水不溶性ポリマー、有機溶媒、着色剤、水及び必要により中和剤を含有する混合物を、分散処理する工程
工程(2):前記有機溶媒を除去する工程
前記工程(1)では、まず、前記水不溶性ポリマーを有機溶媒に溶解させ、次に着色剤、水、及び必要に応じて中和剤、界面活性剤等を、前記有機溶媒に加えて混合し、水中油型の分散体を得ることが好ましい。混合物中、着色剤は5〜50重量%が好ましく、有機溶媒は10〜70重量%が好ましく、水不溶性ポリマーは2〜40重量%が好ましく、水は10〜70重量%が好ましい。水不溶性ポリマーが塩生成基を有する場合、中和剤を用いることが好ましいが、水不溶性ポリマーを予め中和剤で中和しておいてもよい。中和度には、特に限定がない。通常、最終的に得られる水分散体の液性が中性、例えば、pHが4.5〜10であることが好ましい。前記水不溶性ビニルポリマーの望まれる中和度により、pHを決めることもできる。
有機溶媒としては、アルコール系溶媒、ケトン系溶媒及びエーテル系溶媒が好ましく挙げられ、水に対する溶解度が20℃において、50重量%以下で10重量%以上のものが好ましい。
アルコール系溶媒としては、エタノール、イソプロパノール、n-ブタノール、第3級ブタノール、イソブタノール、ジアセトンアルコール等が挙げられる。ケトン系溶媒としては、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン等が挙げられる。エーテル系溶媒としては、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等が挙げられる。これらの溶媒の中では、イソプロパノール、アセトン及びメチルエチルケトンが好ましく、特に、メチルエチルケトンが好ましい。これらの溶媒は、それぞれ単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
中和剤としては、水不溶性ポリマー中の塩生成基の種類に応じて、酸又は塩基を使用することができ、例えば、塩酸、酢酸、プロピオン酸、リン酸、硫酸、乳酸、コハク酸、グリコール酸、グルコン酸、グリセリン酸等の酸、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン等の塩基が挙げられる。
前記工程(1)における混合物の分散方法に特に制限はない。好ましくは予備分散させた後、さらに剪断応力を加えて本分散を行うことが好ましい。工程(1)で、所望の平均粒径の水不溶性ポリマー粒子が得られるように微粒化させる。
混合物を予備分散させる際には、アンカー翼等の一般に用いられている混合撹拌装置を用いることができる。混合撹拌装置の中では、ウルトラディスパー〔浅田鉄鋼株式会社、商品名〕、エバラマイルダー〔荏原製作所株式会社、商品名〕、TKホモミクサー、TKパイプラインミクサー、TKホモジェッター、TKホモミックラインフロー、フィルミックス〔以上、特殊機化工業株式会社、商品名〕、クリアミックス〔エム・テクニック株式会社、商品名〕、ケイディーミル〔キネティック・ディスパージョン社、商品名〕等の高速攪拌混合装置が好ましい。
本分散の剪断応力を与える手段としては、例えば、ロールミル、ビーズミル、ニーダー、エクストルーダ等の混練機、高圧ホモゲナイザー〔株式会社イズミフードマシナリ、商品名〕、ミニラボ8.3H型〔Rannie社、商品名〕に代表されるホモバルブ式の高圧ホモジナイザー、マイクロフルイダイザー〔Microfluidics 社、商品名〕、ナノマイザー〔ナノマイザー株式会社、商品名〕、アルティマイザー〔スギノマシン株式会社、商品名〕、ジーナスPY〔白水化学株式会社、商品名〕、DeBEE2000 〔日本ビーイーイー株式会社、商品名〕等のチャンバー式の高圧ホモジナイザー等が挙げられる。これらの中では、混合物に含まれている顔料の小粒径化の観点から、高圧ホモジナイザーが好ましい。
前記工程(2)では、前記工程(1)で得られた分散体から有機溶媒を留去して水系にすることで、所望の平均粒径を有する着色剤含有水不溶性ポリマー粒子の水分散体を得る。水分散体に含まれる有機溶媒の除去は、減圧蒸留等による一般的な方法により行うことができる。得られた水不溶性ポリマー粒子の水分散体中の有機溶媒は実質的に除去されており、有機溶媒の量は、好ましくは0.1重量%以下、更に好ましくは0.01重量%以下である。
更に、所望の粒径を有する、着色剤含有水不溶性ポリマー粒子を得るために、該水分散体を遠心分離を行い、分別することもできる。また、得られた水不溶性ポリマー粒子を含む水分散体をろ過することで、粗大粒子を除去することが好ましい。着色剤含有水不溶性ポリマー粒子の水分散体は、着色剤を含有する水不溶性ポリマーの固体分が水を主溶媒とする中に分散しているものである。ここで、着色剤含有水不溶性ポリマー粒子の形態は特に制限はなく、少なくとも着色剤と水不溶性ポリマーにより粒子が形成されていればよい。例えば、水不溶性ポリマーに着色剤が内包された粒子形態、水不溶性ポリマー中に着色剤が均一に分散された粒子形態、水不溶性ポリマー粒子表面に着色剤が露出された粒子形態等がいずれも含まれる。
水不溶性ポリマー粒子及び着色剤含有水不溶性ポリマー粒子の平均粒径は、実施例記載の光散乱法を用いて測定した値であり、プリンターのノズルの目詰まり防止及び印字濃度の観点から、好ましくは50〜200nm、より好ましくは50〜150nm、更に好ましくは60〜150nm、特に好ましくは80〜150nmである。着色剤を含有しない水不溶性ポリマー粒子は、前記の工程(1)と(2)により、着色剤を除くこと以外は同様に製造することができる。
(水分散体/水系インク)
本発明の第一の態様は、着色剤、平均粒径が110〜400nmの金属酸化物微粒子、及び水不溶性ポリマー粒子を含有してなり、該金属酸化物微粒子と着色剤の含有比率[(金属酸化物微粒子/着色剤)重量比]が0.15〜10である、インクジェット記録用水分散体である。
本発明の第二の態様は、平均粒径が400nm以下の金属酸化物微粒子と、着色剤含有水不溶性ポリマー粒子とを含有してなり、該金属酸化物微粒子と着色剤の含有比率[(金属酸化物微粒子/着色剤)重量比]が0.15〜10である、インクジェット記録用水分散体である。着色剤を水不溶性ポリマー粒子に含有させることにより、比較的小粒径の金属酸化物微粒子を用いた場合であっても、前述の効果により、印字濃度が向上すると考えられる。
本発明の第三の態様は、板状の金属酸化物微粒子と、着色剤含有水不溶性ポリマー粒子とを含有してなる、インクジェット記録用水分散体である。板状の金属酸化物微粒子は、少ない含有量で印字濃度を向上する効果を有しており、分散安定性もよい。
着色剤と金属酸化物微粒子と水不溶性ポリマー粒子とを含有してなる、本発明の水分散体の製造においては、前記各成分はいかなる順序で混合してもよい。着色剤含有水不溶性ポリマー粒子を用いる場合は、該水不溶性ポリマー粒子と金属酸化物微粒子とを混合すればよい。
本発明のインクジェット記録用水分散体及び水系インク中の各成分の含有量は以下のとおりである。
金属酸化物微粒子の含有量は、印字濃度を高め、良好な分散安定性を付与する観点から、好ましくは1〜30重量%、より好ましくは2〜20重量%、更に好ましくは3〜15重量%である。
着色剤の含有量は、印字濃度を高める観点及び分散安定性の観点から、好ましくは1〜10重量%、より好ましくは2〜10重量%、更に好ましくは3〜10重量%、更に好ましくは4〜8重量である。
金属酸化物微粒子と着色剤の含有比率[(金属酸化物微粒子/着色剤)重量比]は、金属酸化物微粒子による印字濃度向上効果を発揮させ、水分散体、水系インク中での良好な分散安定性を得るために、好ましくは0.15〜10であり、より好ましくは0.2〜8、更に好ましくは0.2〜5、更に好ましくは0.5〜5、更に好ましくは0.8〜5、更に好ましくは0.95〜5、更に好ましくは1.05〜5であり、特に好ましくは1.2〜5である。
水不溶性ポリマー粒子(着色剤を除く)の含有量は、耐擦過性と着色剤の分散安定性の観点から、好ましくは2〜10重量%、より好ましくは2〜8重量%、更に好ましくは4〜8重量%である。
着色剤と水不溶性ポリマーの含有比率については、印字濃度、耐擦過性を高める観点から、〔(着色剤/水不溶性ポリマー)重量比〕で50/50〜90/10であることが好ましく、更に50/50〜80/20であることが更に好ましい。
着色剤が水不溶性ポリマー粒子に含有される場合、金属酸化物微粒子の平均粒径と着色剤含有水不溶性ポリマー粒子の平均粒径の比(金属酸化物粒子の平均粒径/着色剤含有水不溶性ポリマー粒子の平均粒径)は、金属酸化物微粒子による印字濃度効果を発揮する観点から、好ましくは0.005〜8であり、金属酸化物微粒子として前述する小粒子側を用いた場合は、好ましくは0.005〜0.2、更に好ましくは0.01〜0.1であり、金属酸化物微粒子として前述する大粒子側を用いた場合は、好ましくは0.2〜8であり、より好ましくは0.5〜7、更に好ましくは1〜5、特に好ましくは1.5〜3、最も好ましくは1.8〜3である。
この範囲の平均粒径の金属酸化物微粒子を用いることで、普通紙内に先に沈み込んだ金属酸化物微粒子が、着色剤含有水不溶性ポリマー粒子の沈みこみを効率よく抑制することにより、印字濃度が向上すると考えられる。着色剤が水不溶性ポリマー粒子に含有されない場合、金属酸化物微粒子の平均粒径と着色剤の平均粒径の比(金属酸化物粒子の平均粒径/着色剤の平均粒径)の好ましい値は、前記金属酸化物微粒子の平均粒径と着色剤含有水不溶性ポリマー粒子の平均粒径の比と同じである。
本発明の水分散体は、そのまま水を主溶媒とする水系インクとして用いてもよいが、インクジェット記録用水系インクに通常用いられる湿潤剤、浸透剤、分散剤、粘度調整剤、消泡剤、防黴剤、防錆剤等を添加してもよい。
また、水分散体中、着色剤と水不溶性ポリマー粒子の合計含有量、即ち着色剤含有水不溶性ポリマー粒子の含有量(固形分)は、通常、印字濃度及び吐出安定性の観点から、好ましくは0.5〜30重量%、更に好ましくは5〜25重量%、水系インク中では、好ましくは1〜15重量%、更に好ましくは3〜12重量%となるように調整することが望ましい。
本発明の水分散体及び水系インク中の水の含有量は、好ましくは30〜90重量%,より好ましくは40〜80重量%である。
本発明の水分散体及び水系インクの好ましい表面張力(20℃)は、水分散体としては30〜65mN/m、さらに好ましくは35〜60mN/mであり、水系インクとしては、23〜50mN/mであり、好ましくは23〜45mN/m、より好ましくは23〜40mN/m、更に好ましくは23〜30mN/mである。
本発明の水分散体の20重量%(固形分)の粘度(20℃)は、水系インクとした際に好ましい粘度とするために、1〜12mPa・sが好ましく、1〜9mPa・sが更に好ましく、2〜6mPa・sがより好ましく、2〜5mPa・sが特に好ましい。
本発明の水系インクの粘度(20℃)は、良好な吐出性を維持するために、2〜12mPa・sが好ましく、2.5〜10mPa・sが更に好ましく、2.5〜6mPa・sが特に好ましい。
(印字濃度向上方法)
本発明の印字濃度向上方法においては、本発明の水系インクをインクジェット記録に用いることにより、印字物の印字濃度を向上することができる。その際、被印字体は限定されず、一般に入手可能な普通紙、専用紙をいずれも使用できるが、金属酸化物微粒子による本発明の効果を発揮させる観点から、普通紙を用いることが好ましい。
本発明の印字濃度向上方法は、本発明の水系インクを用いるものであれば、いずれのインクジェット記録方法にも適用できるが、特に本発明の水系インクを普通紙で、高印字速度のプリンターに用いる場合に適しており、例えば、好ましくは3〜30枚/分、更に好ましくは5〜30枚/分、特に好ましくは10〜30枚/分の印字速度で印刷する場合に好適である。尚、前記印字速度は電子情報技術産業協会(JEITA)が提供する標準パターン(J6)(A4サイズ)を使用し、プリンターの印字モードを高速(ファイン)で印字した場合とする。
以下の製造例、実施例、参考例及び比較例において、「部」及び「%」は特記しない限り「重量部」及び「重量%」である。
製造例1
反応容器内に、メチルエチルケトン20部及び重合連鎖移動剤(2−メルカプトエタノール)0.03部、表1に示すモノマー混合物200部のうち10%を入れて混合し、窒素ガス置換を十分に行い、混合溶液を得た。
一方、滴下ロートに、表1に示すモノマー混合物の残りの90%を仕込み、前記重合連鎖移動剤0.27部、メチルエチルケトン60部及びラジカル重合開始剤(2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル))1.2部を入れて混合し、十分に窒素ガス置換を行い、混合溶液を得た。
窒素雰囲気下、反応容器内の混合溶液を攪拌しながら65℃まで昇温し、滴下ロート中の混合溶液を3時間かけて徐々に滴下した。滴下終了から65℃で2時間経過後、前記ラジカル重合開始剤0.3部をメチルエチルケトン5部に溶解した溶液を加え、更に65℃で2時間、70℃で2時間熟成させ、ポリマー溶液を得た。
なお、表1に示す化合物の詳細は、以下のとおりである。
・スチレンマクロマー:東亜合成株式会社製、商品名:AS−6S、数平均分子量:6000、重合性官能基:メタクロイルオキシ基
・ポリエチレングリコールモノメタクリレート(エチレンオキシド平均付加モル数=9):新中村化学工業株式会社製、商品名:NKエステルM−90G
ポリプロピレングリコールモノメタクリレート(プロピレンオキシド平均付加モル数=9):日本油脂株式会社製、商品名:ブレンマーPP−500
Figure 0005095971
参考例1
製造例1で得られたポリマー溶液を減圧乾燥させて得られたポリマー25部をメチルエチルケトン70部に溶かし、その中に中和剤(5N水酸化ナトリウム水溶液)4.1部(中和度75%)及びイオン交換水230部加えて塩生成基を中和し、更にキナクリドン顔料(C.I.ピグメント・バイオレット19、クラリアントジャパン株式会社製、商品名:Hostaperm Red E5B02)75部を加え、ディスパー翼で20℃で1時間混合した。得られた混合物をマイクロフルイダイザー(Microfluidics 社製、商品名)で200MPaの圧力で10パス分散処理した。
得られた分散液に、イオン交換水250部を加え、攪拌した後、減圧下で60℃でメチルエチルケトンを除去し、更に一部の水を除去し、5μmのフィルター(アセチルセルロース膜、外径:2.5cm、富士写真フイルム株式会社製)を取り付けた容量25mLの針なしシリンジ(テルモ株式会社製)で濾過し、粗大粒子を除去することにより、固形分濃度が20%の顔料含有ビニルポリマー粒子の水分散体を得た。後述の測定方法により測定した顔料含有ビニルポリマー粒子の平均粒径は110nm、D10(小粒径側からの積算粒径分布(個数基準)が10%となる粒径)は70nm、D90(小粒径側からの積算粒径分布(個数基準)が90%となる粒径)は171nmであった。
得られた顔料含有ビニルポリマー粒子の水分散体40部に、トリエチレングリコールモノブチルエーテル7部、サーフィノール465(日信化学工業(株)製)1部、プロキセルXL2(アビシア(株)製)0.3部、コロイダルシリカ(MP−1040、平均粒径131nm、日産化学工業株式会社製)16.75部(純分換算値6.7部)を混合し、E型粘度(粘度計:RE80、東機産業株式会社製)が4mPa・sとなるようにグリセリンと水を添加して合計が100部になるように調整を行った。尚、E型粘度の測定条件は、測定温度が20℃、測定時間が1分、ならびに回転数100rpmとし、ローターは標準ローター(1°34‘×R24)を用いた。得られた混合液を1.2μmのフィルター(アセチルセルロース膜、外径:2.5cm、富士写真フイルム株式会社製)を取り付けた容量25mLの針なしシリンジで濾過し、粗大粒子を除去することにより、水系インクを得た。
実施例2
参考例1のコロイダルシリカ(MP−1040)に代えて、コロイダルシリカ(MP−2040、平均粒径210nm、日産化学工業株式会社製)を使用した以外は参考例1と同様にして、水系インクを得た。
参考例3
参考例1のコロイダルシリカ(MP−1040)に代えて、コロイダルシリカ(MP−3040、平均粒径366nm、日産化学工業株式会社製)を使用した以外は参考例1と同様にして、水系インクを得た。
参考例4
参考例1のコロイダルシリカ(MP−1040)16.75部に代えて、コロイダルシリカ(MP−2040、平均粒径210nm、日産化学工業株式会社製)6.75部(純分換算値2.7部)を使用し、その分イオン交換水量を調整した以外は参考例1と同様にして、水系インクを得た。
実施例5
参考例1のコロイダルシリカ(MP−1040)16.75部に代えて、コロイダルシリカ(MP−2040、平均粒径210nm、日産化学工業株式会社製)6.75部(純分換算値4.4部)を使用し、その分イオン交換水量を調整した以外は参考例1と同様にして、水系インクを得た。
参考例6
製造例1で得られたポリマー溶液を減圧乾燥させて得られたポリマー25部をメチルエチルケトン70部に溶かし、その中に中和剤(5N水酸化ナトリウム水溶液)4.1部(中和度75%)及びイオン交換水230部加えて塩生成基を中和し、更にキナクリドン顔料(C.I.ピグメント・バイオレット19、クラリアントジャパン株式会社製、商品名:Hostaperm Red E5B02)75部を加えたものを、6連サンドミル装置(五十嵐機械製造株式会社製、model No.6TSG-1/4)に、ジルコニアビーズ(粒径:100μm)1000部とともに充填し、周速10m/s、温度10℃で3時間分散を行った。得られた混合物をマイクロフルイダイザー(Microfluidics 社製、商品名)で200MPaの圧力で、顔料含有ビニルポリマー粒子の平均粒径が84nmになるまで分散処理した。
コロイダルシリカ(MP−1040)に代えて、コロイダルシリカ(MP−3040、平均粒径366nm、日産化学工業株式会社製)を使用した以外は、得られた分散液を参考例1と同様に処理して、水系インクを得た。
参考例7
参考例1のキナクリドン顔料に代えて、シアン顔料(C.I.ピグメント・ブルー15:4、大日精化工業株式会社製)を使用して、顔料含有ビニルポリマー粒子の平均粒径が100nmになるまで分散処理し、得られた顔料含有ビニルポリマー粒子の水分散体26.7部(固形分20%)、コロイダルシリカ(MP−2040、平均粒径210nm、日産化学工業株式会社製)41.5部(純分換算値16.6部)を使用し、その分イオン交換水量を調整した以外は参考例1と同様にして、水系インクを得た。
実施例8
参考例1のキナクリドン顔料に代えて、イエロー顔料(ピグメントイエロー74、山陽色素株式会社製)を使用し、また参考例1のコロイダルシリカ(MP−1040)16.75部に代えて、コロイダルシリカ(MP−2040、平均粒径210nm、日産化学工業株式会社製)25部(純分換算値10部)を使用し、その分イオン交換水量を調整した以外は参考例1と同様にして、水系インクを得た。
参考例9
参考例1のコロイダルシリカ(MP−1040)16.75部に代えて、コロイダルシリカ(カタロイドSI―50、平均粒径30nm、触媒化成工業株式会社製)22.3部(純分換算値6.7部)を使用し、その分イオン交換水量を調整した以外は参考例1と同様にして、水系インクを得た。
参考例10
参考例1のコロイダルシリカ(MP−1040)に代えて、コロイダルシリカ(カタロイドSI―45P、平均粒径60nm、触媒化成工業株式会社製)を使用した以外は参考例1と同様にして、水系インクを得た。
参考例11
参考例1のコロイダルシリカ(MP−1040)に代えて、コロイダルシリカ(ST−XS、平均粒径5nm、日産化学工業株式会社製)を使用した以外は参考例1と同様にして、水系インクを得た。
参考例12
参考例1のコロイダルシリカ(MP−1040)に代えて、疎水性シリカ(MEK―ST−XL、平均粒径200nm、日産化学工業株式会社製)を使用し、水系インクの凝集を抑制する観点から、グリセリンと水を添加して粘度を調整する直前に、疎水性シリカを添加した以外は参考例1と同様にして、水系インクを得た。
実施例13
参考例1のコロイダルシリカ(MP−1040)に代えて、板状シリカ(サンラブリーPN―010、平均粒径256nm、アスペクト比=30、洞海化学工業株式会社製(旭硝子エスアイテック株式会社))を使用し、また1.2μmのフィルター(アセチルセルロース膜、外径:2.5cm、富士写真フイルム株式会社製)を5μmのフィルター(アセチルセルロース膜、外径:2.5cm、富士写真フイルム株式会社製)に変更した以外は参考例1と同様にして、水系インクを得た。
比較例1
参考例1のコロイダルシリカ16.75部に代えて、イオン交換水16.75部使用した以外は参考例1と同様にして、水系インクを得た。
比較例2
参考例1のコロイダルシリカ(MP−1040)に代えて、コロイダルシリカ(MP−4540M、平均粒径467nm、日産化学工業株式会社製)を使用した以外は参考例1と同様にして、水系インクを得た。
比較例3
参考例1のコロイダルシリカ(MP−1040)16.75部に代えて、コロイダルシリカ(MP−2040、平均粒径210nm、日産化学工業株式会社製)1.25部(純分換算値0.5部)を使用し、その分イオン交換水量を調整した以外は参考例1と同様にして、水系インクを得た。
次に、各実施例、各参考例及び各比較例で得られたインクについて、印字濃度、分散性、及び着色剤含有水不溶性ポリマー粒子とシリカの平均粒径を以下のようにして評価した。結果を表2−1及び表2−2に示す。
印字濃度
セイコーエプソン株式会社製プリンター(型番:EM−930C)を用いて、市販の上質普通紙(ゼロックス株式会社製、商品名: XEROX 4024)にベタ印字〔印字条件=用紙種類:普通紙、モード設定:ファイン(1パス)〕し、25℃で24時間放置後、印字濃度をマクベス濃度計(グレタグマクベス社製、品番:RD914)で印字物(5.1cm×8.0cm)の中心及び四隅の計5点を測定し、その平均値を求めた。なお、印字濃度の測定は、測定色毎に所定の校正板で校正を行った後、行った。モード設定がファインであり、インクの重ね打ちをしないことから、印字濃度は0.88以上が好ましい。
分散安定性
20mLのスクリュー管に前記調整したインクを10mL入れて、70℃で1ヶ月間静置し、インクの分散安定性を下記基準により目視評価した。
(評価基準)
○:インク中に沈降物が全く存在しない
△:インク中に沈降物がほとんど存在しない。
×: インク中に沈降物が存在する
着色剤含有水不溶性ポリマー粒子及びシリカの平均粒径、D10、D90の測定方法
平均粒径、D10(小粒径側からの積算粒径分布(個数基準)が10%となる粒径)、D90(小粒径側からの積算粒径分布(個数基準)が90%となる粒径)は、大塚電子株式会社のレーザー粒子解析システムELS−8000(キュムラント解析)で測定した。測定条件は、温度25℃、入射光と検出器との角度90°、積算回数100回であり、分散溶媒の屈折率として水の屈折率(1.333) を入力する。測定濃度は、通常5×10-3重量%程度で行った。
標準試験と平均浸透深度の測定法
下記標準インクをセイコーエプソン(株)社製プリンター〔商品名:EM−930C(ノズル径φ38μm、解像度360dpi、吐出周波数14.4kHz、ファインモード、印刷速度9.2ppm、液滴量40pl)〕で普通紙(XEROX(株)製、商品名:4024)にベタ印刷(100%Dutyの塗りつぶし印刷)〔印字条件=用紙種類:普通紙、モード設定:ファイン(1パス)〕する。25℃で24時間放置後、ベタ印刷部をカッターで切断し、切断面の任意の10箇所で、超深度形状測定顕微鏡(VK−8500、(株)キーエンス製)で観察して顔料の浸透深度を測定し、平均値を平均浸透深度とした。
標準インク
下記の配合組成のインクを標準インクとした。尚、配合の数値は、純分換算値である。
参考例1で得られる平均粒径110nm(D10:70nm、D90:171nm)のキナクリドン顔料含有ビニルポリマー粒子(平均粒径110nm、ポリマー25部/顔料75部、ポリマー組成:メタクリル酸/スチレンマクロマー/ベンジルメタクリレート/スチレンモノマー/ポリエチレングリコールモノメタクリレート/ポリプロピレングリコールメタクリレート=10/15/40/10/5/20、水酸化ナトリウムで75%中和品)7.47重量部、2−ピロリドン10重量部、サーフィノール465(日信化学工業(株)製)1重量部、及び金属酸化物微粒子10重量部を混合し、E型粘度(粘度計:RE80、東機産業株式会社製)で4mPa・s(20℃)となるようにグリセリンと水を添加して合計100重量部にした。その後1.2μmのフィルター(アセチルセルロース膜、外径:2.5cm、富士写真フイルム株式会社製)を取り付けた容量25mLの針なしシリンジで濾過し、粗大粒子を除去した。
(平均浸透深度の測定結果)
金属酸化物微粒子としてコロイダルシリカ(MP−2040、平均粒径210nm、日産化学工業株式会社製))を用いた場合、顔料の平均浸透深度は50μmであった。一方、金属酸化物微粒子を用いずに、その分イオン交換水に替えた対照インクでは、顔料の平均浸透深度は77μmであった。
Figure 0005095971
Figure 0005095971

Claims (7)

  1. 平均粒径が210〜400nmの金属酸化物微粒子と、着色剤含有水不溶性ポリマー粒子とを含有してなり、該金属酸化物微粒子と着色剤の含有比率[(金属酸化物微粒子/着色剤)重量比]が0.15〜10であり、金属酸化物微粒子の含有量が3〜15重量%であり、金属酸化物微粒子の平均粒径と着色剤含有水不溶性ポリマー粒子の平均粒径の比(金属酸化物粒子の平均粒径/着色剤含有水不溶性ポリマー粒子の平均粒径)が1.8〜3である、インクジェット記録用水分散体。
  2. 金属酸化物微粒子が、コロイダル粒子、疎水性粒子及び板状粒子からなる群から選ばれる1種以上の粒子である、請求項1に記載の水分散体。
  3. 金属酸化物微粒子が、シリカ微粒子である、請求項1又は2に記載の水分散体。
  4. 着色剤が顔料である、請求項1〜のいずれかに記載の水分散体。
  5. 水不溶性ポリマーが、塩生成基含有モノマー(a)由来の構成単位と、疎水性モノマー(b)由来の構成単位とを含むポリマーを主鎖に有し、マクロマー(c)由来の構成単位を含むポリマーを側鎖に有する水不溶性グラフトポリマーである、請求項1〜のいずれかに記載の水分散体。
  6. 請求項1〜のいずれかに記載の水分散体を含有する、インクジェット記録用水系インク。
  7. 請求項記載の水系インクをインクジェット記録に用いる印字濃度向上方法。
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