JPH10298478A - インクジェット記録用インク - Google Patents

インクジェット記録用インク

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JPH10298478A
JPH10298478A JP11319897A JP11319897A JPH10298478A JP H10298478 A JPH10298478 A JP H10298478A JP 11319897 A JP11319897 A JP 11319897A JP 11319897 A JP11319897 A JP 11319897A JP H10298478 A JPH10298478 A JP H10298478A
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JP
Japan
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ink
jet recording
water
weight
ink jet
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Application number
JP11319897A
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English (en)
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Masukame Ishii
万寿亀 石井
Yoshiaki Tsujii
善明 辻井
Shoichi Suzuki
祥一 鈴木
Shigemi Wakabayashi
繁美 若林
Atsushi Suzuki
敦 鈴木
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Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 長期保存安定性や環境安定性に優れたインク
ジェット記録用インクを提供すること。 【解決手段】 水不溶性または水難溶性色材、分散剤お
よび水溶性媒体を含有してなるインクジェット記録用イ
ンクにおいて、上記分散剤として、多核芳香族化合物を
含む芳香族化合物類をスルホン化して得られたスルホン
化物をホルマリン縮合した後、中和して得られた高分子
分散剤を用いることを特徴とするインクジェット記録用
インク。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はインクジェット記録
用インクに関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】インク
ジェット記録方式に用いられるインクとしては、種々の
色材を含有するインクが用いられている。斯かるインク
のうち、色材が液媒体中に分散されてなるインク、例え
ば顔料分散系インクや油溶性染料の水系インク、分散染
料の水系インクにおいては、色材の低分散性に起因し
て、長期保存安定性(ここでいう長期保存安定性とは従
来用いられている分散安定性試験環境である60℃はも
とより80℃の高温環境下でも色材の沈降現象やインク
の増粘現象が起こらないことをいう)や、過酷な保存環
境下での安定性(即ち、凍結−解凍−高温環境サイクル
の保存環境下でも色材の沈降現象やインクの増粘現象が
起こらないこと。以下、「環境安定性」という)が低い
という問題があった。
【0003】上記問題の解決を目的として、例えば特開
平8−291266号公報においては、インクジェット
記録用インクの分散剤として芳香族多価アニオン分散剤
を用いることが提案されており、また、特開平8−33
3531号公報においては、分散剤として2−ナフタレ
ンスルホン酸とホルムアルデヒドとの縮合生成物を用い
ることが提案されている。
【0004】しかし、上記公報記載のインクジェット記
録用インクには以下に述べるような欠点があった。即
ち、特開平8−291266号公報に記載のインクジェ
ット記録用インクは、インクジェットによる布帛の捺染
における滲みの防止を目的としており、インクの長期保
存安定性や環境安定性の向上、更にはプラスチックシー
ト等の非浸透性被記録部材に対するインクの定着性の向
上や印字像の耐擦過性の向上に関しては何ら検討されて
いない。また、特開平8−333531号公報に記載の
インクジェット記録用インクを用いても、インクの長期
保存安定性や環境安定性の向上、プラスチックシート等
の非浸透性被記録部材に対するインクの定着性や印字像
の耐擦過性の向上、印字像の低滲み性や印字濃度の向上
等は未だ不十分であった。
【0005】従って、本発明の目的は、長期保存安定性
や環境安定性に優れたインクジェット記録用インクを提
供することにある。また、本発明の目的は、特に非浸透
性被記録部材に対する定着性に優れ、耐擦過性の高い印
字像を得ることのできるインクジェット記録用インクを
提供することにある。更に、本発明の目的は、低滲み性
で且つ高印字濃度の印字像を得ることのできるインクジ
ェット記録用インクを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意検討し
た結果、特定の芳香族化合物類から特定の方法により製
造された高分子分散剤を用いることにより、上記目的を
達成し得るインクジェット記録用インクが得られること
を知見した。
【0007】本発明は、上記知見に基づきなされたもの
で、水不溶性または水難溶性色材、分散剤および水溶性
媒体を含有してなるインクジェット記録用インクにおい
て、上記分散剤として、多核芳香族化合物を含む芳香族
化合物類をスルホン化して得られたスルホン化物をホル
マリン縮合した後、中和して得られた高分子分散剤を用
いることを特徴とするインクジェット記録用インクを提
供することにより上記目的を達成したものである。
【0008】また、本発明は、上記インクジェット記録
用インクを、インク液滴としてノズルから被記録部材に
吐出させて記録を行うことを特徴とするインクジェット
記録方法を提供するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明のインクジェット記録用イ
ンクは、水不溶性または水難溶性色材、分散剤および水
溶性媒体を含有してなるものである。そして、本発明の
インクジェット記録用インクは、上記分散剤として多核
芳香族化合物を含む芳香族化合物類をスルホン化して得
られたスルホン化物をホルマリン縮合した後、中和して
得られた高分子分散剤を用いることを特徴とするもので
ある。
【0010】上記高分子分散剤について詳述すると、該
高分子分散剤の原料となる芳香族化合物類は多核芳香族
化合物を含んでいる。本明細書において、「多核芳香族
化合物」とは、イ)二個またはそれ以上の芳香族環また
は複素環が二個またはそれ以上の炭素原子を共有して縮
合環を形成している化合物およびその誘導体、ならびに
ロ)二個またはそれ以上の芳香族環または複素環が直接
結合またはアルキレン基を介して結合している化合物お
よびその誘導体を意味するが、ナフタレンは除外され
る。
【0011】上記多核芳香族化合物の例としては、上記
イ)の化合物として、アントラセン、フェナンスレン、
ピレン、アセナフテン、インデン、フルオランセン、ク
リセン、ベンゾフルオランセン、ベンゾピレン、ペリレ
ン及びベンゾペリレン並びにそれらのモノ、ジ又はトリ
アルキル置換体や、モノ又はジアルキルナフタレン等が
挙げられる。また、上記ロ)の化合物として、フルオレ
ン、ジフェニル及びジベンゾフラン等が挙げられる。
【0012】上記多核芳香族化合物として好ましく用い
られる化合物としては、アントラセン、フェナンスレ
ン、ピレン、アセナフテン及びフルオレンから選ばれる
少なくとも一種が挙げられる。
【0013】また、多核芳香族化合物として、a)アン
トラセン、フェナンスレン、ピレン、アセナフテン及び
フルオレンから選ばれる少なくとも一種の化合物ならび
にb)モノ及び/又はジアルキルナフタレンを用いるこ
ともできる。この場合、a)の化合物は、上記芳香族化
合物類の全量に対して50〜90重量%用いられること
が好ましく、b)の化合物は、上記芳香族化合物類の全
量に対して10〜50重量%用いられることが好まし
い。
【0014】上記芳香族化合物類は、上記多核芳香族化
合物のみから成っていてもよく、或いは該多核芳香族化
合物と及び単核芳香族化合物とから成っていてもよい。
後者の場合、該単核芳香族化合物は、上記芳香族化合物
類の全量に対して20〜40重量%用いられることが好
ましい。該単核芳香族化合物の例としては、ベンゼン、
トルエン、キシレン、フェノール、クレゾール等の低級
モノアルキルフェノール、キシレノール等の低級ジアル
キルフェノール及びテトラリン等が挙げられる。
【0015】上記芳香族化合物類が上記単核芳香族化合
物を含む場合、該芳香族化合物類は、a)アントラセ
ン、フェナンスレン、ピレン、アセナフテン及びフルオ
レンから選ばれる少なくとも一種の化合物、b)モノ及
び/又はジアルキルナフタレン並びにc)フェノール、
アルキルフェノール及び/又はジアルキルフェノールを
含むことが好ましい。この場合、上記芳香族化合物類の
全量に対して、a)の化合物は30〜70重量%用いら
れることが好ましく、b)の化合物は10〜30重量%
用いられることが好ましく、c)の化合物は1〜20重
量%用いられることが好ましい。
【0016】上記高分子分散剤を調製するには、まず、
上記芳香族化合物類をスルホン化剤、例えば濃硫酸や発
煙硫酸等によってスルホン化してスルホン化物を得る。
スルホン化は公知の方法により行うことができ、例えば
スルホン化剤として濃硫酸を用いる場合には、上記芳香
族化合物類を攪拌機付き反応器に仕込み、110〜20
0℃、好ましくは150〜170℃の温度で徐々に濃硫
酸を添加し、0.5〜10時間、好ましくは1〜2時間
で反応を終了させてスルホン化を行うことができる。
【0017】次いで、上記スルホン化物を、ホルマリン
を用いてホルマリン縮合してホルマリン縮合物となす。
ホルマリン縮合は公知の方法により行うことができ、例
えば、上記スルホン化物を100℃まで冷却し、37%
ホルマリン水溶液を徐々に滴下して、1〜20時間、好
ましくは7〜10時間かけて縮合させてホルマリン縮合
を行うことができる。上記ホルマリン縮合物の縮合度の
調整は、例えば上記スルホン化物とホルマリンとの仕込
比を調整することにより行うことができる。
【0018】ホルマリン縮合により得られた上記ホルマ
リン縮合物は、次いで所定の中和剤により中和され、こ
れによって上記高分子分散剤が得られる。中和には、例
えば、ライミングソデーションとして公知の方法が用い
られる。すなわち水酸化カルシウムまたは炭酸カルシウ
ムを添加して中和し、生じた硫酸カルシウムを濾過分別
し、濾液に炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウム、炭酸カ
リウム等を加えて中和物を得る方法等が用いられる。従
って、上記中和によって得られる上記高分子分散剤は、
上記ホルマリン縮合物のナトリウム塩、アンモニウム
塩、カリウム塩等となる。
【0019】このようにして得られた上記高分子分散剤
は、その重量平均分子量が2000〜50000である
ことが、インクの粘性及び耐熱保存性の点で好ましい。
尚、上記重量平均分子量は、上記ホルマリン縮合物の縮
合度を調整することによりコントロールすることができ
る(上記ホルマリン縮合物の縮合度の調整方法は上述し
た通りである)。
【0020】上記高分子分散剤としては、市販品を用い
ることもできる。そのような市販品としては、花王
(株)製のデモールC(商品名)等が挙げられる。
【0021】上記高分子分散剤を用いることにより、上
記色材の分散性が極めて向上し、該色材が微粒子化する
と共に凝集やそれに伴う沈降が効果的に防止される。ま
た、該色材が微粒子化することによって、該色材の被記
録部材への付着力(定着性)が向上する。本発明のイン
クジェット記録用インクにおける微粒子化の程度は、ポ
アサイズ5μmのメンブレンフィルタで200gのイン
クを定圧濾過(3.5kg/cm 2 )するに当たり全く
濾過速度が変化せず、かつポアサイズ1.2μmのメン
ブレンフィルタで200gのインクを定圧濾過(3.5
kg/cm2 )するに当たり濾過速度の低下があっても
その全量が通過するような極めて高い微粒子化の程度で
ある。
【0022】上記高分子分散剤は、本発明のインクジェ
ット記録用インクに好ましくは0.5〜10重量%配合
され、更に好ましくは0.8〜7重量%配合され、一層
好ましくは1.2〜5重量%配合される。上記高分子分
散剤の配合量が0.5重量%に満たないと、色材の種類
にもよるが、インクの調製段階で調製不能となったり、
或いは調製出来たとしても、そのインクには目的とする
長期保存安定性、環境安定性、耐擦過性が発現しないこ
とがあり、10重量%を超えると、特に、分散剤の色材
への吸着が阻害されることがあるので上記範囲内とする
ことがより好ましい。
【0023】次に、本発明のインクジェット記録用イン
クにおける上記高分子分散剤以外の必須成分である色材
及び水溶性媒体について説明する。本発明のインクジェ
ット記録用インクに配合される色材としては、水不溶性
または水難溶性色材が用いられる。ここで、該水不溶性
または水難溶性色材とは、各種顔料、分散染料、油溶性
染料等を意味するものである。尚、本明細書において、
「顔料」とは、水及び有機溶媒に不溶ないし難溶のもの
をいい、「分散染料」とは、水に不溶または難溶であっ
て、コロイドに近い水分散状態で溶解している染料をい
い、「油溶性染料」とは、水溶性がなく、鉱油、油脂な
どに可溶の染料をいう(化学大辞典、共立出版株式会社
編)。
【0024】上記顔料としては、例えば、アゾレーキ、
不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料等の
アゾ顔料や、フタロシアニン顔料、ペリレン及びペリノ
ン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオ
キサジン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔
料、キノフタロニ顔料等の多環式顔料や、塩基性染料型
レーキ、酸性染料型レーキ等の染料レーキや、ニトロ顔
料、ニトロソ顔料、アニリンブラック、昼光蛍光顔料等
の有機顔料、酸化チタン、酸化鉄系、カーボンブラック
系等の無機顔料等を用いることができる。また、カラー
インデックスに記載されていない顔料であっても水相に
分散可能なら、いずれも使用できる。更に、上記顔料を
界面活性剤や高分子分散剤等で表面処理したものや、グ
ラフトカーボン等も勿論使用可能である。上記顔料のう
ち、特に、アゾ顔料、フタロシアニン顔料、アントラキ
ノン顔料、カーボンブラック系顔料を用いることが好ま
しい。
【0025】上記分散染料としては、例えば、C.I.
ディスパーズ・イエロー5、42、54、64、79、
82、83、93、99、100、119、122、1
24、126、160、184:1、186、198、
199、201、204、224及び237;C.I.
ディスパーズ・オレンジ13、29、31:1、33、
49、54、55、66、73、118、119及び1
63;C.I.ディスパーズ・レッド54、60、7
2、73、86、88、91、92、93、111、1
26、127、134、135、143、145、15
2、153、154、159、164、167:1、1
77、181、204、206、207、221、23
9、240、258、277、278、283、31
1、323、343、348、356及び362;C.
I.ディスパーズ・バイオレッド31、33;C.I.
ディスパーズ・ブルー36、56、60、73、87、
113、128、143、148、154、158、1
65、165:1、165:2、176、183、18
5、197、198、201、214、224、22
5、257、266、267、287、354、35
8、365及び368;並びにC.I.ディスパーズ・
グリーン6:1及び9等を用いることができる。
【0026】上記油溶性染料としては、例えば、C.
I.ソルベント・ブラック3、7、27、29及び3
4;C.I.ソルベント・イエロー14、16、19、
21、25、29、30、56、82、93及び16
2;C.I.ソルベント・レッド1、3、8、18、1
9、24、27、43、49、51、72、73、8
3、109、112、117、122、132、138
及び218;C.I.ソルベント・バイオレット3;
C.I.ソルベント・ブルー2、11、25、35、3
8、63、67、70、95及び117;C.I.ソル
ベント・グリーン3及び7;並びにC.I.ソルベント
・オレンジ2等を用いることができる。
【0027】上記水不溶性または水難溶性色材として顔
料を用いる場合、該顔料の平均一次粒径は、目的とする
長期保存安定性、環境安定性、耐擦過性及び調製段階で
の濾過性の点から10〜150nmであることが好まし
い。特に、上記顔料としてカーボンブラックを用いる場
合には、カーボンに特有なストラクチャ構造の点から、
その一次粒子の平均粒径が10〜100nmであること
が好ましく、10〜80nmであることが更に好まし
く、10〜60nmであることが一層好ましい。
【0028】特に、上記カーボンブラックは、そのBE
T比表面積が20〜500m2 /gであることが好まし
く、50〜500m2 /gであることが更に好ましい。
該カーボンブラックとして、例えば、COLUMBIA
N R3500、R1100、R1080、R104
0、R1255、R780、R450、R14、RH2
0や、BLACK PEARLIS880、280、1
30、480、LやREGAL250、500Rや、C
olor Black FW18、S170、S16
0、FW1や、Printex U、V、60、40
(デクサ製)や、#2650、#1000、#970、
MA77、MA100、M230等を用いることができ
る。
【0029】上記水不溶性または水難溶性色材は、本発
明のインクジェット記録用インク中に好ましくは2〜1
0重量%配合され、更に好ましくは2〜7重量%配合さ
れ、一層好ましくは3〜5重量%配合される。上記水不
溶性または水難溶性色材の配合量が2重量%に満たない
と、インクの調製段階で良好な分散液を得られないばか
りか、印刷濃度が低く、しかもインクの調製段階での効
率が悪くなることがあり、10重量%を超えると印刷濃
度の点で効果が飽和するので上記範囲内とすることが好
ましい。
【0030】また、上記水不溶性または水難溶性色材の
配合量は、上記高分子分散剤の配合量との関係におい
て、該色材と該高分子分散剤との重量比(前者/後者)
が100/200〜100/4(特に、100/100
〜100/10、とりわけ100/80〜100/4
0)であることが、インクとしての長期保存安定性や環
境安定性の点から好ましい。
【0031】本発明のインクジェット記録用インクに配
合される水溶性媒体は、液媒体として用いられるもので
あり、その例としては水(望ましくは精製水)又は水溶
性溶剤等が挙げられる。上記水溶性溶剤としては、湿潤
剤ないし保湿剤としての機能を有するものであればその
種類に特に制限は無く、例えばエチレングリコール、プ
ロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチ
レングリコール及びテトラエチレングリコール等のグリ
コール類;グリセリン;ジエチレングリコールジエチル
エーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、
エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリ
コールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブ
チルエーテル、メチルカルビトール、エチルカルビトー
ル、ブチルカルビトール、エチルカルビトールアセテー
ト、ジエチルカルビトール、トリエチレングリコールモ
ノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチル
エーテル、及びプロピレングリコールモノメチルエーテ
ル等の多価アルコールのエーテル類;アセテート類;チ
オジグリコール;N−メチル−2−ピロリドン、1,3
−ジメチルイミダゾリジノン、ホルムアミド、ジメチル
ホルムアミド等の含窒素化合物類;ジメチルスルホキシ
ドの一種又は二種以上を使用することができる。これら
の水溶性溶剤は、本発明のインク中に3〜30重量%配
合されることが好ましく、5〜10重量%配合されるこ
とが更に好ましい。上記水溶性媒体の配合量(水および
水溶性溶剤等の全量)は、分散効率の点で、好ましくは
80〜97.5重量%であり、更に好ましくは80〜9
7.3重量%であり、一層好ましくは90〜95.8重
量%である。
【0032】本発明のインクジェット記録用インクに
は、上記必須成分に加えて必要に応じて任意成分が更に
含有されていてもよい。斯かる任意成分としては、例え
ば、一次粒子の平均粒径が好ましくは5〜600nm、
更に好ましくは10〜100nmである微粒子が挙げら
れる。斯かる微粒子を含有させることによって、インク
の印字濃度が向上するので好ましい。上記微粒子として
は、特に制限されるものでないが、例えば、酸化珪素、
酸化チタン及び酸化アルミニウム等の無機物や、シリコ
ン系樹脂、ポリアミド系樹脂およびフッ素系樹脂等の水
不溶性ポリマーなどが挙げられ、より好ましくは酸化珪
素、酸化チタン及び酸化アルミニウムから選ばれる少な
くとも一種、特に好ましくは酸化珪素が挙げられる。こ
れらの微粒子は単独で又は二種以上を組み合わせて用い
ることができる。上記微粒子は、本発明のインクジェッ
ト記録用インク中に好ましくは0.2〜10重量%配合
され、更に好ましくは0.5〜7重量%配合される。上
記微粒子の一次粒子の平均粒径は、(株)セントラル科
学貿易のCPS Disc Centrifuge(商
品名)によって測定することができる。尚、上記微粒子
を取り扱い易くするために、インクの調整に際して、イ
ンクの特性に悪影響を及ぼさないような分散剤を併用し
てもよい。
【0033】上記酸化珪素の微粒子としては、親水性お
よび疎水性いずれの表面を有するものでも用いることが
できるが、配合のし易さの点で、親水性の表面を有する
ものがより好ましい。例えば、日本エアロジル(株)製
のエアロジル50,130,200,200V,200
CF,200FAD,300,300CF,380(以
上、親水性),R972,R972CF,R974,R
X200,RY200,R202,R805,R812
(以上、疎水性),OX50,TT600,MOX8
0,MOX170及びCOK84(以上、親水性)(何
れも商品名)や、日産化学製のスノーテックスXS、
O、OL、XS、30、20L、C、UP、YL、Z
L、O−40(何れも商品名)等を用いることができ
る。上記酸化チタンの微粒子としては、親水性および疎
水性いずれの表面を有するものでも用いることができる
が、配合のし易さの点で、親水性の表面を有するものが
より好ましい。例えば、日本エアロジル(株)製のエア
ロジルT805(疎水性)、P25(親水性)(何れも
商品名)等を用いることができる。上記酸化アルミニウ
ムの微粒子としては、親水性および疎水性いずれの表面
を有するものでも用いることができるが、配合のし易さ
の点で、親水性の表面を有するものがより好ましい。例
えば、日本エアロジル(株)製のエアロジルAl2O3
C(親水性)(商品名)等を用いることができる。その
他の無機物としては、例えば、多木化学(株)製のコロ
イダルアルミナポリアロール#10、#25、酸化チタ
ンゾル、日本触媒化学(株)製のシリカ微粒子、ジルコ
ニアコロイダルゾル、ジルコニア粉末、NS−O、NS
−3Y、NS−8Y、信越化学工業(株)製のSILF
IX(何れも商品名)等も用いることができる。
【0034】上記水不溶性ポリマー粒子を構成するポリ
マーとしては、特に制限されないが、水や水溶性有機溶
剤によって膨潤しないか或いは膨潤したとしても膨潤後
の粒径が膨潤前の粒径に対して1〜1.2倍であるよう
なポリマーを用いることが好ましい。斯かるポリマーと
しては特に限定されないが例えば、ベンゾグアナミン、
ベンゾグアナミン・メラミンのようなメラミン系樹脂お
よびメタクリレート系樹脂や、上述したシリコン系樹
脂、フッ素系樹脂およびポリアミド系樹脂等が挙げられ
る。上記フッ素系樹脂としては、例えば、ダイキン工業
(株)製のネオフロンFEP、ND−1、ND−2、N
D−4、ルブロンLDW−40、ダイエルGL−15
2、GL−252、GLS−213、GLS−223、
GLS−213D、大日本インキ化学工業(株)製のデ
ィックガードF−52S、F−70、F−18、F−9
0、F−90N、FS−90H、FS−1、F−40
0、CP、CP−2、旭硝子(株)製のフルオンディス
パージョンAD1、AD639、AD936、アサヒガ
ードAG−422、AG−423、AG−490、AG
−460X、AG−710、LS−317、AG−41
5、AG−930、AG−970、LS−6015、A
G−780、AG−850、AG−530、AG−55
0、三井・デュポンフロロケミカル(株)製のフッ素樹
脂ディスパージョン30−J、3443−J、41−
J、42−J、3170−J、K20−J、120−J
等を用いることができる。上記シリコン系樹脂として
は、例えば、ダウコーニングアジア(株)製のDC8
4、DC85、東芝シリコーン(株)製のTEX10
0、TEX101、TEX102、TEX103、TE
X104、YMR7212、TSW831、TEX15
0、TEX151、TEX152、TEX153、TE
X171、TEX172、UM−110、UM−12
0、トスパール105、120、130、145、24
0、信越化学工業(株)製のPolon MR、MG、
MWS、MF−16、MK−206、MF−5、MF−
7、MF−17、MF−14、MF−14EC、MF−
14D、MF−11B、MF−18、MF−20、MF
−23、MN、MNS、MF−2A、MF−10、MF
−22、MF−33A、MF−40、C、MF−28、
ソフナーシル10等を用いることができる。
【0035】また、本発明のインクジェット記録用イン
クには、ポリエチレングリコール(PEG)が含有され
ていることも好ましい。ポリエチレングリコールを配合
することによって、インクの間欠吐出性が向上するので
好ましい。ポリエチレングリコールは、インクの間欠吐
出性の一層の向上の点から分子量が200〜6000で
あることが好ましく、200〜4000であることが一
層好ましい。ポリエチレングリコールは、本発明のイン
クジェット記録用インク中に好ましくは3〜10重量%
配合され、更に好ましくは3〜5重量%配合される。
【0036】また、本発明のインクジェット記録用イン
クには、ノニオン及びアニオン界面活性剤から選ばれる
少なくとも一種の界面活性剤が含有されていることも好
ましい。斯かる界面活性剤を配合することによって、イ
ンク中の非色材微粒子(例えば上述の無機微粒子や水不
溶性ポリマー微粒子等)の安定化を図ることができ、ま
たインクの表面張力を制御できるので好ましい。斯かる
界面活性剤は、本発明のインクジェット記録用インク中
に好ましくは0.01〜3重量%配合され、更に好まし
くは0.05〜1重量%配合される。上記ノニオン界面
活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテ
ル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ソ
ルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタ
ン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂
肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシ
エチレン脂肪酸エステル及びアルキル(ポリ)グリコシ
ドよりなる群から選ばれる界面活性剤等が挙げられる。
好ましく用いられるノニオン界面活性剤は、ポリオキシ
エチレンアルキルエーテル及びポリオキシエチレンアル
キルアリールエーテルより選ばれる界面活性剤等であ
る。これらは単独で又は二種以上を組み合わせて用いる
ことができる。上記アニオン界面活性剤としては、例え
ばアルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸
塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルカン又はオ
レフィンスルホン酸塩、アルキル硫酸エステル塩、ポリ
オキシエチレンアルキル又はアルキルアリールエーテル
硫酸エステル塩、アルキルリン酸塩、アルキルジフェニ
ルエーテルジスルホン酸塩、エーテルカルボキシレー
ト、アルキルスルホコハク酸塩、α−スルホ脂肪酸エス
テル、及び脂肪酸塩よりなる群から選ばれる界面活性剤
や、高級脂肪酸とアミノ酸の縮合物、ナフテン酸塩等を
用いることができる。好ましく用いられるアニオン界面
活性剤は、アルキルベンゼンスルホン酸塩(とりわけ直
鎖アルキルのもの)、アルカン又はオレフィンスルホン
酸塩(とりわけ第2級アルカンスルホン酸塩、α−オレ
フィンスルホン酸塩)、アルキル硫酸エステル塩、ポリ
オキシエチレンアルキル又はアルキルアリールエーテル
硫酸エステル塩(とりわけポリオキシエチレンアルキル
エーテル硫酸エステル塩)、アルキルリン酸塩(とりわ
けモノアルキルのもの)、エーテルカルボキシレート、
アルキルスルホコハク酸塩、α−スルホ脂肪酸エステ
ル、及び脂肪酸塩よりなる群から選ばれる界面活性剤で
あり、より好ましくは、アルキルスルホン酸塩、アルキ
ルベンゼンスルホン酸塩(とりわけ直鎖アルキルのも
の)、ポリオキシエチレンアルキル又はアルキルアリー
ルエーテル硫酸エステル塩(とりわけポリオキシエチレ
ンアルキルエーテル硫酸エステル塩)、アルキル硫酸エ
ステル塩およびアルキルスルホコハク酸塩等が挙げられ
る。就中、ポリオキシエチレンアルキル又はアルキルア
リールエーテル硫酸エステル塩及びアルキルスルホコハ
ク酸塩が好ましい。これらは単独で又は二種以上を組み
合わせて用いることができる。
【0037】また、本発明のインクジェット記録用イン
クには、エーテル化合物が含有されていることも好まし
い。斯かるエーテル化合物を配合することによって、イ
ンクの吐出安定性が向上するので好ましい。斯かるエー
テル化合物としては、下記式(I)で表されるものを用
いることが吐出安定性の一層の向上の点から好ましい。
【0038】
【化1】
【0039】上記エーテル化合物は、本発明のインクジ
ェット記録用インク中に好ましくは0.1〜10重量%
配合され、更に好ましくは1〜5重量%配合される。
【0040】更に、本発明のインクジェット記録用イン
クには、上記色材の分散性を一層高めうる各種界面活性
剤(カチオン、両性イオン界面活性剤)や、シリコーン
系化合物等の消泡剤、クロロメチルフェノール系化合物
等の防黴剤、EDTA等のキレート剤、亜硫酸塩等の酸
素吸収剤、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、
ヒドロキシベンゾエート系、サルシレート系及びシアノ
アクリレート系等の紫外線吸収剤等が含有されていても
よい。これらの任意成分は、本発明のインクジェット記
録用インク中に好ましくは1〜5重量%(特に2〜3重
量%)配合される。
【0041】本発明のインクジェット記録用インクの調
製方法に特に制限はないが、好ましくは以下に述べる方
法によって調製される。即ち、まず、(1)上記水不溶
性または水難溶性色材、上記高分子分散剤および上記水
溶性媒体ならびに必要に応じて上記微粒子等の任意成分
をディゾルバーで撹拌し予備分散液を調製し、次いで、
(2)該予備分散液を、ダイノミル等の湿式媒体ミルで
分散させることにより、色材分散液を得、(3)該色材
分散液を少なくとも水、望ましくは精製水(イオン交換
水)で希釈することにより、上記インクが得られる。
【0042】上記調製方法について詳述すると、上記
(1)の工程においては、高速かつ高剪断力のディゾル
バーを用いることが、上記色材(特に、顔料)と上記高
分子分散剤との十分な混合・分散の点から好ましく、具
体的には回転数500〜6000rpmの条件下で攪拌
することが好ましい。また、上記(2)の工程において
は、上記色材(特に、顔料)と上記高分子分散剤との一
層十分な混合・分散の点から、10〜80℃(特に25
〜60℃)において、上記予備分散液1kg当たり0.
5〜5時間(特に、1.5〜5時間)分散させることが
好ましい。また、上記調製方法においては、上記(1)
の工程と上記(2)の工程とを所定の回数繰り返して行
う循環操作法を用いてもよい。このようにして得られた
色材分散液における各成分の好ましい濃度は、上記色材
の濃度が5〜40重量%であり、上記高分子分散剤の濃
度が2〜40重量%であり、上記水溶性媒体の濃度が2
0〜93重量%である。次いで、上記(3)の工程にお
いて、ディゾルバー等を用いて、各成分の濃度が最終濃
度となるように上記色材分散液を攪拌・希釈する。上記
色材分散液の希釈後には、メンブレンフィルター等を用
いて粗大粒子(好ましくは2μm以上、更に好ましくは
1μm以上)を除去することが好ましい。これによっ
て、目詰まりの起きないインクが得られるので好まし
い。
【0043】斯くして得られたインクジェット記録用イ
ンク中における各成分の濃度の好ましい範囲は、上述し
たように下記の通りである。 上記色材:2〜10重量%、特に3〜5重量% 上記高分子分散剤:0.5〜10重量%、特に1.2〜
5重量% 水:80〜97.5重量%、特に90〜95.8重量%
【0044】本発明のインクジェット記録用インクは、
インクジェット記録方式、即ち、インクをインク液滴と
してノズルから被記録部材に吐出させて記録を行う記録
方式を用いたプリンターであれば、如何なるプリンター
においても用いることができる。例えば、プリンターヘ
ッドに配設された発熱抵抗素子のヒーター等による熱エ
ネルギーを用いて記録を行う熱ジェット記録方式のプリ
ンター、及びプリンターヘッドに配設された圧電素子を
用いて記録を行う圧電素子記録方式のプリンターの何れ
にも使用することができる。
【0045】上記被記録部材としては、普通紙やOHP
シートとして広く用いられているベーマイト含有透明プ
ラスチックシート等が用いられる。本発明のインクジェ
ット記録用インクは、特に、定着性を高めることが従来
困難であったプラスチックシート等の非浸透性被記録部
材を用いた場合にも、上記高分子分散剤の作用によって
上記色材が微粒子化し、極めて高い定着性を発現するこ
とができ、耐擦過性の高い印字像を得ることができる。
また、上記被記録部材として普通紙を用いた場合には、
印字後の印字像上にポリエステルエマルジョン、アクリ
ル、シリコンエマルジョン、PVA等の水溶液を塗布す
ることにより、印字像の耐擦過性を一層高めることがで
きる。
【0046】
【実施例】以下、実施例により本発明のインクジェット
記録用インク及びインクジェット記録方法の有効性を例
証する。しかしながら、本発明の範囲は斯かる実施例に
制限されるものではない。尚、以下の例中、特に断らな
い限り、「部」及び「%」はそれぞれ「重量部」及び
「重量%」を意味する。
【0047】〔実施例1〕下記の成分を下記に示す配合
比で精製水と混合し、ディゾルバー(高速/高剪断力デ
ィゾルバー、シンマルエンタープライゼス製)を用いて
攪拌し(温度:30℃、時間:15分、回転数:600
0rpm)、固形分濃度が20%である予備分散液を調
製した。 ・カーボンブラック(酸性) 100部 (BET比表面積:260m2 /g、一次粒子の平均粒径:15nm) ・アントラセンスルホン酸塩のホルマリン縮合物 60部 (高分子分散剤、重量平均分子量:15000) ・ポリエチレングリコール(分子量:1540) 100部 ・二酸化珪素 20部 〔日本エアロジル(株)製のエアロジル200CF(商品名)、一次粒子の平均 粒径:12nm〕 ・ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム 10部 〔アニオン界面活性剤、花王(株)製のペレックスOT−P(商品名)〕 次いで、上記予備分散液を下記の分散条件により分散し
た。 ・ミル:ダイノミル ・ビーズ:イットリア安定化ジルコニアビーズ(0.5
mmφ) ・分散時間:2hr/kg(予備分散液1kgあたり2
時間の分散) ・分散温度:60℃±5℃ 分散により得られた色材分散液を再び上記ディゾルバー
へ戻し、攪拌した後、再び上記ダイノミルで分散させる
循環操作法を用いて、色材分散液を調製した。次いで、
カーボンブラックの濃度が5%になるように精製水を上
記色材分散液に加え、ディゾルバーを用いて該色材分散
液を攪拌・希釈した。更に、1.2ミクロンのフィルタ
で濾過して、インクジェット記録用インクを調製した。
【0048】〔実施例2〕実施例1で用いたアントラセ
ンスルホン酸塩のホルマリン縮合物に代えてフェナンス
レンスルホン酸塩のホルマリン縮合物(重量平均分子
量:14000)を用い、二酸化珪素に代えて二酸化チ
タン〔日本エアロジル(株)製のエアロジルP25(商
品名)、一次粒子の平均粒径:21nm〕を用いる以外
は実施例1と同様にしてインクジェット記録用インクを
調製した。
【0049】〔実施例3〕実施例1で用いたアントラセ
ンスルホン酸塩のホルマリン縮合物に代えてピレンスル
ホン酸塩のホルマリン縮合物(重量平均分子量:150
00)を用い、二酸化珪素に代えて酸化アルミニウム
〔日本エアロジル(株)製のエアロジルAl2O3C
(商品名)、一次粒子の平均粒径:13nm〕を用いる
以外は実施例1と同様にしてインクジェット記録用イン
クを調製した。
【0050】〔実施例4〕実施例1で用いたアントラセ
ンスルホン酸塩のホルマリン縮合物に代えてアセナフテ
ンスルホン酸塩のホルマリン縮合物(重量平均分子量:
16000)を用い、二酸化珪素に代えてポリマー微粒
子〔メラミン樹脂微粒子、(株)日本触媒製のエポスタ
ーS(商品名)〕、一次粒子の平均粒径:200nm〕
を用いる以外は実施例1と同様にしてインクジェット記
録用インクを調製した。
【0051】〔実施例5〕実施例1で用いたアントラセ
ンスルホン酸塩のホルマリン縮合物に代えてフルオレン
スルホン酸塩のホルマリン縮合物(重量平均分子量:1
7000)を用いる以外は実施例1と同様にしてインク
ジェット記録用インクを調製した。
【0052】〔実施例6〕実施例1で用いたアントラセ
ンスルホン酸塩のホルマリン縮合物に代えて〔アントラ
セン及びジメチルナフタレン〕スルホン酸塩のホルマリ
ン縮合物〔重量平均分子量:13000、アントラセン
とジメチルナフタレンとの重量比(前者:後者)=6
0:40〕を用いる以外は実施例1と同様にしてインク
ジェット記録用インクを調製した。
【0053】〔実施例7〕実施例1で用いたアントラセ
ンスルホン酸塩のホルマリン縮合物に代えて〔アントラ
セン、ジメチルナフタレン及びキシレノール〕スルホン
酸塩のホルマリン縮合物〔重量平均分子量:1500
0、アントラセンとジメチルナフタレンとキシレノール
との重量比(前者:中者:後者)=60:30:10〕
を用いる以外は実施例1と同様にしてインクジェット記
録用インクを調製した。
【0054】〔実施例8〕実施例1で用いたアントラセ
ンスルホン酸塩のホルマリン縮合物に代えて、花王
(株)のデモールC(商品名)を用いる以外は実施例1
と同様にしてインクジェット記録用インクを調製した。
【0055】〔比較例1〕実施例1で用いたアントラセ
ンスルホン酸塩のホルマリン縮合物に代えて、特開平8
−291266号公報の実施例2(同公報の第7欄25
〜26行参照)で用いられている〔フェノール及びナフ
タレン〕スルホン酸ナトリウムのホルマリン縮合物〔重
量平均分子量:13000、フェノールとナフタレンと
の重量比(前者:後者)=50:50〕を用いる以外は
実施例1と同様にしてインクジェット記録用インクを調
製した。
【0056】〔比較例2〕実施例1で用いたアントラセ
ンスルホン酸塩のホルマリン縮合物に代えて、特開平8
−333531号公報の実施例1(同公報の第13欄3
5〜36行参照)で用いられているナフタレンスルホン
酸ナトリウムのホルマリン縮合物(重量平均分子量:2
600)を用い、二酸化珪素に代えて酸化アルミニウム
〔日本エアロジル(株)製のエアロジルAl2O3C
(商品名)、一次粒子の平均粒径:13nm〕を用いる
以外は実施例1と同様にしてインクジェット記録用イン
クを調製した。
【0057】〔比較例3〕比較例2において酸化アルミ
ニウムを用いない以外は比較例2と同様にしてインクジ
ェット記録用インクを調製した。
【0058】〔比較例4〕実施例1で用いたアントラセ
ンスルホン酸塩のホルマリン縮合物に代えて、(スチレ
ン−アクリル酸)共重合体(重量平均分子量:1800
0)を用い且つアニオン界面活性剤(ジアルキルスルホ
コハク酸ナトリウム)及び二酸化珪素を用いない以外は
実施例1と同様にしてインクジェット記録用インクを調
製した。
【0059】〔性能評価〕実施例および比較例で得られ
たインクの性能を評価するため、下記の方法で長期保存
安定性、環境安定性、滲み、耐水性、耐擦過性および印
字濃度を測定した。その結果を表1に示す。
【0060】<長期保存安定性>調製直後および80℃
で120時間保存した後のインクについて、下記の測定
方法に従い粘度を測定し、下記の評価基準で粘度変化に
基づく長期保存安定性を評価した。
【0061】粘度測定 ELD型粘度測定機(トキメック製)を用いて20℃で
測定した。測定は、予備回転の1分後に10rpm又は
50rpmで行った。
【0062】評価基準 ・粘度上昇が1cP以下 ・・・・・・・・・・・・ ○ ・粘度上昇が1cPを超えて2cP以下 ・・・・・ △ ・粘度上昇が2cPを超える ・・・・・・・・・・ ×
【0063】<環境安定性>得られたインクを、下記の
保存条件を1サイクルとして10サイクル繰り返し保存
後、上記長期保存安定性の場合と同様の基準で粘度変化
に基づく環境安定性を評価した。保存条件(1サイクル) 〔常温(25℃)、2時間〕・・・〔60℃、5時間〕
・・・〔常温(25℃)、2時間〕・・・〔凍結(−1
0℃)、5時間〕・・・〔常温(25℃)、2時間〕
【0064】<滲み>PPC用再生紙〔日本加工製紙
(株)社製〕に英数文字を印字し、1時間以上放置した
後、顕微鏡及び目視で文字のシャープさや文字より発生
するヒゲ状のにじみの度合を下記の基準で評価した。 ・文字がシャープでヒゲ状のにじみもない ・・・○ ・文字がシャープさがなく、にじみも少し発生 ・・・△ ・文字がシャープさがなく、にじみも多い ・・・×
【0065】<耐水性>PPC用再生紙〔日本加工製紙
(株)社製〕にベタ印字し、1時間以上放置した後、静
水中に垂直に10秒間浸漬し、そのまま垂直に引き上げ
た。室内にて自然乾燥させた後、印字されていない白色
部の光学濃度をマクベス濃度計RD918(マクベス社
製)で測定し、下記の基準で耐水性を評価した。 ・光学濃度変化が0.1以下 ・・・・・・・・・・・・ ○ ・光学濃度変化が0.1を超えて0.5未満 ・・・・・ △ ・光学濃度変化が0.5以上 ・・・・・・・・・・ ×
【0066】<耐擦過性>普通紙及び市販OHPシート
において広く用いられているベーマイト含有OHPシー
ト(ベーマイト系OHPシート)に印字し、印字像の耐
擦過性を下記の基準で評価した。 ・印字像を爪でこすっても印字像の欠落がなく、 かつ印字像の周囲を汚すことがない ・・・・・・・・・・ ○ ・印字像を爪でこすっても印字像の欠落はない が、印字像の周囲を汚すことがある ・・・・・・・・・・ △ ・印字像を爪でこすると印字像の欠落が生ずる ・・・・・・ ×
【0067】<印字濃度>印字は、PPC用再生紙〔日
本加工製紙(株)社製〕を用いてベタ印字を行い、室内
にて24時間自然乾燥させた後、その光学濃度をマクベ
ス濃度計RD918(マクベス社製)で測定し、下記の
基準で評価した。 ・光学濃度が1.3以上 ・・・・・・・・・・・・ ○ ・光学濃度が1.3未満1.1以上 ・・・・・・・ △ ・光学濃度が1.1未満 ・・・・・・・・・・・・ ×
【0068】
【表1】
【0069】表1に示す結果から明らかな通り、特定の
高分子分散剤が配合された本発明のインクジェット記録
用インク(実施例1〜8)は、比較例1〜4のインクに
比して長期保存安定性および環境安定性に優れているこ
とが分かる。また、本発明のインクジェット記録用イン
ク(実施例1〜8)は、インクジェット用インクに要求
される滲みの低さ、耐水性および耐擦過性に優れ且つ印
字濃度が高いことが分かる。
【0070】
【発明の効果】本発明によれば、長期保存安定性や環境
安定性に優れたインクジェット記録用インクが得られ
る。また、本発明によれば、特に非浸透性被記録部材に
対する定着性に優れ、耐擦過性の高い印字物を得ること
のできるインクジェット記録用インクが得られる。更
に、本発明によれば、低滲み性で且つ高印字濃度の印字
物を得ることのできるインクジェット記録用インクが得
られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 若林 繁美 栃木県芳賀郡市貝町赤羽2606 花王株式会 社研究所内 (72)発明者 鈴木 敦 栃木県芳賀郡市貝町赤羽2606 花王株式会 社研究所内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水不溶性または水難溶性色材、分散剤お
    よび水溶性媒体を含有してなるインクジェット記録用イ
    ンクにおいて、 上記分散剤として、多核芳香族化合物を含む芳香族化合
    物類をスルホン化して得られたスルホン化物をホルマリ
    ン縮合した後、中和して得られた高分子分散剤を用いる
    ことを特徴とするインクジェット記録用インク。
  2. 【請求項2】 上記多核芳香族化合物が、アントラセ
    ン、フェナンスレン、ピレン、アセナフテン及びフルオ
    レンから選ばれる少なくとも一種である、請求項1記載
    のインクジェット記録用インク。
  3. 【請求項3】 上記色材の濃度が2〜10重量%であ
    り、上記高分子分散剤の濃度が0.5〜10重量%であ
    り、上記水溶性媒体の濃度が80〜97.5重量%であ
    る、請求項1又は2記載のインクジェット記録用イン
    ク。
  4. 【請求項4】 一次粒子の平均粒径が5〜600nmで
    ある微粒子を更に含有する、請求項1〜3の何れかに記
    載にインクジェット記録用インク。
  5. 【請求項5】 上記微粒子が、酸化珪素、酸化チタン及
    び酸化アルミニウムから選ばれる少なくとも一種の微粒
    子である、請求項4記載のインクジェット記録用イン
    ク。
  6. 【請求項6】 ポリエチレングリコールを更に含有す
    る、請求項1〜5の何れかに記載のインクジェット記録
    用インク。
  7. 【請求項7】 ノニオン及びアニオン界面活性剤から選
    ばれる少なくとも一種の界面活性剤を更に含有する、請
    求項1〜6の何れかに記載のインクジェット記録用イン
    ク。
  8. 【請求項8】 請求項1記載のインクジェット記録用イ
    ンクを、インク液滴としてノズルから被記録部材に吐出
    させて記録を行うことを特徴とするインクジェット記録
    方法。
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Cited By (4)

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