JP4076999B2 - インクジェット記録用水系インク - Google Patents

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Description

本発明はインクジェット記録用水系インクに関する。
インクジェット記録方式は、非常に微細なノズルからインク液滴を記録部材に直接吐出し、付着させて、文字や画像を得る記録方式である。この方式は、フルカラー化が容易で、かつ安価であり、記録部材として普通紙が使用可能、被印字物に対して非接触、という多くの利点があるため普及が著しい。
その中でも、近年は印字物の耐候性や耐水性の観点から、着色剤に顔料系インクを用いるものが主流となってきている(例えば、特許文献1参照)。
また、特許文献2には、保存安定性を改善し、印字時の濃度むらと印字後の定着性を改善することを目的として、分散状態での数平均粒子径が10〜100nmの範囲にある水不溶性色材、特定の溶解性パラメータを有する水溶性の高分子分散剤などを含有するインクジェット記録用インクが開示されている。
しかし、上記の水系インクでは、近年の写真画像に求められる高いレベルの耐擦過性を満足しうるものではない。
国際公開第00/39226号パンフレット 特開平11−140356号公報
本発明は、写真用紙などの専用紙に印字した際の耐擦過性に優れたインクジェット記録用水系インクを提供することを課題とする。
本発明者らは、顔料を含有する水不溶性ポリマー粒子が特定の平均粒子径を有し、かつ水不溶性ポリマー粒子のうち粗大粒子の数を特定個数以下とすることで上記課題を解決しうることを見出した。
即ち、本発明は、次の(1)〜(3)に関するものである。
(1)顔料を含有する水不溶性ポリマー粒子を含む、水系インクであって、該水不溶性ポリマー粒子の平均粒子径が0.03〜0.25μmであり、該水不溶性ポリマー粒子のうち0.57μm以上の粒子径を有するポリマー粒子の個数が1.2×107個/ml以下であるインクジェット記録用水系インク。
(2)顔料を含有する水不溶性ポリマー粒子を含む、水系インクであって、顔料と水不溶性ポリマーの含有比率[(顔料/水不溶性ポリマー)重量比]が75/25〜10/90で、該水不溶性ポリマー粒子の平均粒子径が0.03〜0.25μmであり、かつ該水不溶性ポリマー粒子のうち0.57μm以上の粒子径を有するポリマー粒子の個数が10×107個/ml以下であるインクジェット記録用水系インク。
(3) 上記(1)または(2)に記載の水系インクの製造方法であって、下記工程(1)及び(2)を含む分散体を製造する工程を有するインクジェット記録用水系インクの製造方法。
工程(1):水不溶性ポリマー、有機溶媒、顔料、及び水を含有する混合物を分散メディアを用いた分散機で湿式粉砕する工程
工程(2):工程(1)で得られた分散体から前記有機溶媒を除去する工程
本発明によれば、写真用紙などの専用紙に印字した際の耐擦過性に優れたインクジェット記録用水系インクを得ることができる。
本発明は、上述のような(1)〜(3)の各々に記載のインクジェット記録用水系インク及びその製造方法に関するものである。以下、本発明について説明する。
[顔料を含有する水不溶性ポリマー粒子]
本発明において、水不溶性ポリマー粒子は、顔料を含有し、用紙などに印字した際の顔料の耐擦過性を向上させるなどの目的のために用いられるものである。
水不溶性ポリマー
水不溶性ポリマー粒子を構成するポリマーは、顔料を含有しやすくするために、水不溶性ポリマーを用いる。ここで、水不溶性ポリマーとは、ポリマーを105℃で2時間乾燥させた後、25℃の水100gに溶解させたときに、その溶解量が10g以下、好ましくは5g以下、更に好ましくは1g以下であるポリマーをいう。該溶解量は、ポリマーが塩生成基を有する場合は、その種類に応じて、ポリマーの塩生成基を酢酸、水酸化ナトリウムなどで100%中和した時の溶解量である。
水不溶性ポリマーとしては、水不溶性ビニルポリマー、水不溶性エステル系ポリマー、水不溶性ウレタン系ポリマー等が挙げられる。これらの中では、水分散体の分散安定性の観点から水不溶性ビニルポリマーが好ましい。
水不溶性ビニルポリマーは、ビニル単量体(ビニル化合物、ビニリデン化合物、ビニレン化合物等)の付加重合により得られるポリマーである。
水不溶性ビニルポリマーとしては、(a)塩生成基含有モノマー(以下「(a)成分」ということがある)と、(b)マクロマー(以下「(b)成分」ということがある)及び/又は(c)疎水性モノマー(以下「(c)成分」ということがある)とを含有するモノマー混合物(以下、単に「モノマー混合物」ということがある)を共重合させてなる水不溶性ビニルポリマーが好ましい。この水不溶性ビニルポリマーは、(a)成分由来の構成単位と、(b)成分由来の構成単位及び/又は(c)成分由来の構成単位とを有する。
(a)塩生成基含有モノマーは、得られる分散体の分散安定性を高める観点から用いられる。塩生成基としては、カルボキシ基、スルホン酸基、リン酸基、アミノ基、アンモニウム基等が挙げられる。
塩生成基含有モノマーとしては、カチオン性モノマー、アニオン性モノマー等が挙げられる。その例としては、特開平9−286939号公報5頁7欄24行〜8欄29行に記載されているもの等が挙げられる。
上記カチオン性モノマーの代表例としては、不飽和アミン含有モノマー、不飽和アンモニウム塩含有モノマー等が挙げられる。これらの中では、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N−(N',N'−ジメチルアミノプロピル)(メタ)アクリルアミド及びビニルピロリドンが好ましい。
上記アニオン性モノマーの代表例としては、不飽和カルボン酸モノマー、不飽和スルホン酸モノマー、不飽和リン酸モノマー等が挙げられる。
不飽和カルボン酸モノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、2−メタクリロイルオキシメチルコハク酸等が挙げられる。不飽和スルホン酸モノマーとしては、スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、3−スルホプロピル(メタ)アクリレート、ビス−(3−スルホプロピル)−イタコン酸エステル等が挙げられる。不飽和リン酸モノマーとしては、ビニルホスホン酸、ビニルホスフェート、ビス(メタクリロキシエチル)ホスフェート、ジフェニル−2−アクリロイロキシエチルホスフェート、ジフェニル−2−メタクリロイロキシエチルホスフェート、ジブチル−2−アクリロイロキシエチルホスフェート等が挙げられる。
上記アニオン性モノマーの中では、分散安定性の観点から、不飽和カルボン酸モノマーが好ましく、アクリル酸及びメタクリル酸がより好ましい。
(b)マクロマーは、特にポリマー粒子が顔料を含有した場合に、ポリマー粒子の分散安定性、耐擦過性等を高める観点から用いられる。マクロマーとしては、数平均分子量が好ましくは500〜100,000、更に好ましくは1,000〜10,000の重合可能な不飽和基を有するモノマーであるマクロマーが挙げられる。なお、(b)マクロマーの数平均分子量は、溶媒として1mmol/Lのドデシルジメチルアミン含有クロロホルムを用いたゲルクロマトグラフィー法により、標準物質としてポリスチレンを用いて測定することができる。
(b)マクロマーの中では、ポリマー粒子の分散安定性、耐擦過性等の観点から、片末端に重合性官能基を有する、スチレン系マクロマー及び芳香族基含有(メタ)アクリレート系マクロマーが好ましい。
スチレン系マクロマーとしては、スチレン系モノマー単独重合体、又はスチレン系モノマーと他のモノマーとの共重合体が挙げられる。スチレン系モノマー(b−1)としては、スチレン、2−メチルスチレン、ビニルトルエン、エチルビニルベンゼン、ビニルナフタレン、クロロスチレン等が挙げられる。
芳香族基含有(メタ)アクリレート系マクロマーとしては、芳香族基含有(メタ)アクリレートの単独重合体又はそれと他のモノマーとの共重合体が挙げられる。芳香族基含有(メタ)アクリレート(b−2)としては、ヘテロ原子を含む置換基を有していてもよい、炭素数6〜22、好ましくは炭素数6〜18、更に好ましくは炭素数6〜12のアリールアルキル基、又は、ヘテロ原子を含む置換基を有していてもよい、炭素数6〜22、好ましくは炭素数6〜18、更に好ましくは炭素数6〜12のアリール基を有する(メタ)アクリレート等が挙げられる。ヘテロ原子を含む置換基としては、ハロゲン原子、エステル基、エーテル基、ヒドロキシ基等が挙げられる。上記芳香族基含有(メタ)アクリレートとしては、例えばベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、2−メタクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシプロピルフタレート等が挙げられ、特にベンジル(メタ)アクリレートが好ましい。
また、それらのマクロマーの片末端に存在する重合性官能基としては、アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基が好ましく、共重合される他のモノマーとしては、アクリロニトリル等が好ましい。
スチレン系マクロマー中におけるスチレン系モノマー(b−1)、又は芳香族基含有(メタ)アクリレート系マクロマー中における芳香族基含有(メタ)アクリレート(b−2)の含有量は、顔料との親和性を高める観点から、好ましくは50重量%以上、より好ましくは70重量%以上である。
(b)マクロマーは、オルガノポリシロキサン等の他の構成単位からなる側鎖を有するものであってもよい。この側鎖は、例えば下記式(1)で表される片末端に重合性官能基を有するシリコーン系マクロマーを共重合することにより得ることができる。
CH2=C(CH3)−COOC36−〔Si(CH32O〕t−Si(CH33 (1)
(式中、tは8〜40の数を示す。)
(b)成分として商業的に入手しうるスチレン系マクロマーとしては、例えば、東亜合成株式会社の商品名、AS−6(S)、AN−6(S)、HS−6(S)等が挙げられる。
(c)疎水性モノマーは、印字濃度、耐擦過性の向上の観点から用いられる。疎水性モノマーとしては、アルキル(メタ)アクリレート(c−1)、芳香族基含有モノマー(c−2)等が挙げられる。
アルキル(メタ)アクリレート(c−1)としては、炭素数1〜22、好ましくは炭素数6〜18のアルキル基を有するものが好ましく、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、(イソ)プロピル(メタ)アクリレート、(イソ又はターシャリー)ブチル(メタ)アクリレート、(イソ)アミル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、(イソ)オクチル(メタ)アクリレート、(イソ)デシル(メタ)アクリレート、(イソ)ドデシル(メタ)アクリレート、(イソ)ステアリル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
なお、本明細書において、「(イソ又はターシャリー)」及び「(イソ)」は、これらの基が存在する場合としない場合の双方を意味し、これらの基が存在しない場合には、ノルマルを示す。また、「(メタ)アクリレート」は、アクリレート又はメタクリレートを示す。
芳香族基含有モノマー(c−2)としては、ヘテロ原子を含む置換基を有していてもよい、炭素数6〜22、好ましくは炭素数6〜12の芳香族基を有するビニルモノマーが好ましく、例えば、前記のスチレン系モノマー(b−1)、前記の芳香族基含有(メタ)アクリレート(b−2)が挙げられる。ヘテロ原子を含む置換基としては、前記(b−2)成分におけると同様のものが挙げられる。
スチレン系モノマー(b−1)としては、特にスチレン及び2−メチルスチレンが好ましい。(c)疎水性モノマー中の(b−1)成分の含有量は、耐擦過性向上の観点から、好ましくは10〜100重量%、より好ましくは20〜80重量%である。
また、芳香族基含有(メタ)アクリレート(b−2)としては、特にベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート等が好ましい。(c)疎水性モノマー中の(b−2)成分の含有量は、耐擦過性向上の観点から、好ましくは10〜100重量%、より好ましくは20〜80重量%である。また、(b−1)成分と(b−2)成分を併用することも好ましい。
モノマー混合物には、更に、(d)水酸基含有モノマー(以下「(d)成分」ということがある)が含有されていてもよい。(d)水酸基含有モノマーは、水系インクの分散安定性を高めるという優れた効果を有する。
(d)成分としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(n=2〜30、nはオキシアルキレン基の平均付加モル数を示す。以下同じ。)(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(n=2〜30)(メタ)アクリレート、ポリ(エチレングリコール(n=1〜15)・プロピレングリコール(n=1〜15))(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの中では、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノメタクリレート、ポリプロピレングリコールメタクリレートが好ましい。
モノマー混合物には、更に、(e)下記式(2)で表されるモノマー(以下「(e)成分」ということがある)が含有されていてもよい。
CH2=C(R1)COO(R2O)p3 (2)
(式中、R1は、水素原子又は炭素数1〜5の低級アルキル基、R2は、ヘテロ原子を有していてもよい炭素数1〜30の2価の炭化水素基、R3は、ヘテロ原子を有していてもよい炭素数1〜30の1価の炭化水素基、pは、平均付加モル数を意味し、1〜60の数、好ましくは1〜30の数を示す。)
(e)成分は、水系インクの分散安定性向上するという優れた効果を有する。
式(2)において、R2、R3が有してもよいヘテロ原子としては、例えば、窒素原子、酸素原子、ハロゲン原子及び硫黄原子が挙げられる。
1基としては、メチル基、エチル基、(イソ)プロピル基等が挙げられる。
2O基としては、オキシエチレン基、オキシ(イソ)プロピレン基、オキシテトラメチレン基、オキシヘプタメチレン基、オキシヘキサメチレン基及びこれらオキシアルキレンの1種以上の組合せからなる炭素数2〜7のオキシアルキレン基等が挙げられる。
3基としては、炭素数1〜30、好ましくは炭素数1〜20の脂肪族アルキル基、芳香族環を有する炭素数7〜30のアルキル基及びヘテロ環を有する炭素数4〜30のアルキル基等が挙げられる。
(e)成分の具体例としては、メトキシポリエチレングリコール(1〜30:式(2)中のpの値を示す。以下、同じ)(メタ)アクリレート、メトキシポリテトラメチレングリコール(1〜30)(メタ)アクリレート、エトキシポリエチレングリコール(1〜30)(メタ)アクリレート、オクトキシポリエチレングリコール(1〜30)(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(1〜30)(メタ)アクリレート2−エチルヘキシルエーテル、(イソ)プロポキシポリエチレングリコール(1〜30)(メタ)アクリレート、ブトキシポリエチレングリコール(1〜30)(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(1〜30)(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(1〜30)(メタ)アクリレート、フェノキシポリプロピレングリコール(1〜30)(メタ)アクリレート、メトキシ(エチレングリコール・プロピレングリコール共重合)(1〜30、その中のエチレングリコール:1〜29)(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの中では、オクトキシポリエチレングリコール(1〜30)(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(1〜30)(メタ)アクリレート2−エチルヘキシルエーテル、フェノキシポリプロピレングリコール(1〜30)ポリエチレングリコール(1〜30)(メタ)アクリレート、が好ましい。
商業的に入手しうる(d)、(e)成分の具体例としては、新中村化学工業株式会社の多官能性アクリレートモノマー(NKエステル)M−40G、同90G、同230G、日本油脂株式会社のブレンマーシリーズ、PE−90、同200、同350、PME−100、同200、同400、同1000、PP−500、同800、同1000、AP−150、同400、同550、同800、50PEP−300、50POEP−800C等が挙げられる。
上記(a)〜(e)成分は、それぞれ単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
水不溶性ビニルポリマー製造時における、上記(a)〜(e)成分のモノマー混合物中における含有量(未中和量としての含有量。以下同じ。)又は水不溶性ポリマー中における(a)〜(e)成分に由来する構成単位の含有量は、次のとおりであることが好ましい。
(a)成分の含有量は、得られる分散体の分散安定性の観点から、好ましくは3〜30重量%、より好ましくは4〜20重量%である。
(b)成分の含有量は、特に顔料を含有したポリマー粒子の分散安定性、耐擦過性の観点から、好ましくは1〜25重量%、より好ましくは5〜20重量%である。
(c)成分の含有量は、印字濃度、耐擦過性の観点から、好ましくは10〜70重量%、より好ましくは15〜60重量%である。
(d)成分の含有量は、分散安定性の観点から、好ましくは5〜40重量%、より好ましくは7〜20重量%である。
(e)成分の含有量は、分散安定性の観点から、好ましくは5〜50重量%、より好ましくは10〜40重量%である。
モノマー混合物中における、〔(a)成分+(d)成分〕の合計含有量は、水中での分散安定性の観点から、好ましくは6〜60重量%、より好ましくは10〜50重量%である。〔(a)成分+(e)成分〕の合計含有量は、水中での分散安定性の観点から、好ましくは6〜75重量%、より好ましくは13〜50重量%である。〔(a)成分+(d)成分+(e)成分〕の合計含有量は、水中での分散安定性の観点から、好ましくは6〜60重量%、より好ましくは7〜50重量%である。
また、〔(a)成分/[(b)成分+(c)成分]〕の重量比は、得られる分散安定性、の観点から、好ましくは0.01〜1、より好ましくは0.02〜0.67、更に好ましくは0.03〜0.50である。
本発明で用いられる水不溶性ポリマーは、塊状重合法、溶液重合法、懸濁重合法、乳化重合法等の公知の重合法により、モノマー混合物を共重合させることによって製造することができる。これらの重合法の中では、溶液重合法が好ましい。
溶液重合法で用いる溶媒としては、特に限定されないが、極性有機溶媒が好ましい。極性有機溶媒が水混和性を有する場合には、水と混合して用いることもできる。極性有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール等の炭素数1〜3の脂肪族アルコール;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;酢酸エチル等のエステル類等が挙げられる。これらの中では、メタノール、エタノール、アセトン、メチルエチルケトン又はこれらの1種以上と水との混合溶媒が好ましい。
重合の際には、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ化合物や、t−ブチルペルオキシオクトエート、ジベンゾイルオキシド等の有機過酸化物等の公知のラジカル重合開始剤を用いることができる。
ラジカル重合開始剤の使用量は、モノマー混合物1モルあたり、好ましくは0.001〜5モル、より好ましくは0.01〜2モルである。
重合の際には、さらに、オクチルメルカプタン、2−メルカプトエタノール等のメルカプタン類、チウラムジスルフィド類等の公知の重合連鎖移動剤を添加してもよい。
モノマー混合物の重合条件は、使用するラジカル重合開始剤、モノマー、溶媒の種類等によって異なるので一概には決定することができないが、通常、重合温度は、好ましくは30〜100℃、より好ましくは50〜80℃であり、重合時間は、好ましくは1〜20時間である。また、重合雰囲気は、窒素ガス雰囲気、アルゴン等の不活性ガス雰囲気であることが好ましい。
重合反応の終了後、反応溶液から再沈澱、溶媒留去等の公知の方法により、生成したポリマーを単離することができる。また、得られたポリマーは、再沈澱を繰り返したり、膜分離、クロマトグラフ法、抽出法等により、未反応のモノマー等を除去して精製することができる。
本発明に用いられる水不溶性ポリマーの重量平均分子量は、顔料の分散安定性の観点から5,000〜500,000が好ましく、10,000〜400,000がさらに好ましく、10,000〜300,000が特に好ましい。
なお、水不溶性ポリマーの重量平均分子量は、溶媒として60mmol/Lのリン酸及び50mmol/Lのリチウムブロマイド含有ジメチルホルムアミドを用いたゲルクロマトグラフィー法により、標準物質としてポリスチレンを用いて測定される。
本発明で用いられるビニルポリマーは、(a)塩生成基含有モノマー由来の塩生成基を有している場合は中和剤により中和して用いる。中和剤としては、ポリマー中の塩生成基の種類に応じて、酸又は塩基を使用することができる。例えば、塩酸、酢酸、プロピオン酸、リン酸、硫酸、乳酸、コハク酸、グリコール酸、グルコン酸、グリセリン酸等の酸、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリメチルアミン、トリエタノールアミン、トリブチルアミン等の塩基が挙げられる。
塩生成基の中和度は、10〜200%であることが好ましく、さらに20〜150%、特に50〜150%であることが好ましい。
ここで中和度は、塩生成基がアニオン性基である場合、下記式によって求めることができる。
{[中和剤の重量(g)/中和剤の当量]/[ポリマーの酸価 (KOHmg/g)×ポリマーの重量(g)/(56×1000)]}×100
一方、塩生成基がカチオン性基である場合は、下記式によって求めることができる。
{[中和剤の重量(g)/中和剤の当量]/[ポリマーのアミン価 (HCLmg/g)×ポリマーの重量(g)/(36.5×1000)]}×100
酸価やアミン価は、ポリマーの構成単位から、計算で算出することができる。または、適当な溶剤(例えばメチルエチルケトン)にポリマーを溶解して、滴定する方法でも求めることができる。
顔料
顔料は、無機顔料及び有機顔料のいずれであってもよい。また、必要に応じて、それらと体質顔料を併用することもできる。
無機顔料としては、例えば、カーボンブラック、金属酸化物、金属硫化物、金属塩化物等が挙げられる。これらの中では、特に黒色水系インクにおいては、カーボンブラックが好ましい。カーボンブラックとしては、ファーネスブラック、サーマルランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等が挙げられる。
有機顔料としては、例えば、アゾ顔料、ジアゾ顔料、フタロシアニン顔料、キナクリドン顔料、イソインドリノン顔料、ジオキサジン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、チオインジゴ顔料、アンソラキノン顔料、キノフタロン顔料等が挙げられる。
好ましい有機顔料の具体例としては、C.I.ピグメント・イエロー、C.I.ピグメント・レッド、C.I.ピグメント・バイオレット、C.I.ピグメント・ブルー、C.I.ピグメント・グリーン等の各品番製品が挙げられる。
好ましい有機顔料の具体例としては、C.I.ピグメント・イエロー13, 17, 74, 83,
97, 109, 110, 120, 128, 139, 151, 154, 155, 174, 180; C.I.ピグメント・レッ
ド 48, 57:1, 122, 146, 176, 184, 185, 188, 202; C.I.ピグメント・バイオレッ
ト19, 23; C.I.ピグメントブルー15, 15:1, 15:2, 15:3, 15:4, 16, 60; C.I.
ピグメント・グリーン7, 36等の各品番製品が挙げられる。
体質顔料としては、シリカ、炭酸カルシウム、タルク等が挙げられる。
上記の顔料は、単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
顔料の平均一次粒子径は、顔料の分散性、印字濃度、耐擦過性の観点から、好ましくは10〜100nm、更に好ましくは20〜90nm、特に好ましくは30〜80nmである。顔料の平均一次粒子径は、透過電子顕微鏡を用いて測定することができ、具体的には、日本電子株式会社の透過電子顕微鏡の画像解析で500個測定し、平均を算出した、数平均粒子径を用いることができる。なお、顔料に長径と短径がある場合は、長径を用いて算出する。
水不溶性ポリマー粒子
得られる水系インク中における、顔料を含有する水不溶性ポリマー粒子の平均粒子径は、プリンターのノズルの目詰まり防止及び耐擦過性の観点から、好ましくは0.03〜0.25μm、より好ましくは0.05〜0.2μm、特に好ましくは0.07〜0.15μmである。なお、平均粒子径は、レーザー光を用いた光散乱法を用いて測定することができ、具体的には、大塚電子株式会社のレーザー粒子解析システムELS−8000(キュムラント解析)で下記条件で測定することができる。
温度: 25℃
入射光と検出器との角度: 90°
積算回数: 100回
分散溶媒の屈折率: 水の屈折率(1.333) を入力
測定濃度: 通常5×10-3重量%程度
顔料の平均一次粒子径に対する顔料を含有する水不溶性ポリマー粒子の平均粒子径の比(顔料を含有するポリマー粒子の平均粒子径/顔料の平均一次粒子径)は、耐擦過性、光沢性などの観点から、1.001〜4が好ましく、1.01〜3が更に好ましい。
[水分散体/水系インク]
本発明の水系インク中の各成分の含有量及びそれらの割合は次のとおりである。
顔料を含有する水不溶性ポリマー粒子の含有量は、分散安定性、印字濃度の観点から、好ましくは2〜25重量%、より好ましくは3〜17重量%、特に好ましくは4〜12重量%である。
水不溶性ポリマーの含有量は、印字濃度、耐擦過性の観点から、好ましくは0.2〜15重量%、より好ましくは0.7〜10重量%、特に好ましくは1〜8重量%である。
顔料の含有量は、分散安定性、印字濃度を高める等の点から、1〜20重量%が好ましく、2〜15重量%が更に好ましく、3〜10重量%が特に好ましい。
本発明の水系インクの第一の態様は、顔料を含有する水不溶性ポリマー粒子の平均粒子径が0.03〜0.25μmであり、該水不溶性ポリマー粒子のうち0.57μm以上の粒子径を有するポリマー粒子の個数が1.2×107個/ml以下である水系インクに関する。ここにおける、水系インク中の顔料を含有する水不溶性ポリマー粒子のうち、0.57μm以上の粒子径を有するポリマー粒子の個数は、耐擦過性の観点から、1.2×107個/ml以下、好ましくは1.0×107個/ml以下、更に好ましくは0.8×107個/ml以下である。
0.57μm以上の粒子径を有するポリマー粒子の個数は、単一粒子光学検知法(SPOS)を用いて測定することができ、具体的には、PARTICLE SIZING SYSTEMS社製ACCUSIZERを用いて測定できる。測定方法は、インク0.5mlを純水で5mlに希釈したものを使用し、測定温度25℃でインク中に含まれる粒子径0.57μm以上の粒子の数を測定した。
上記本発明の第一の態様において、顔料を含有する水不溶性ポリマー粒子における、顔料と水不溶性ポリマーとの含有比率は、耐擦過性、分散安定性を高める観点から、[(顔料/水不溶性ポリマー)重量比]が、90/10〜10/90であることが好ましく、85/15〜55/45であることが更に好ましく、耐擦過性、分散安定性に加えて、光沢性を高める観点からは、85/15〜70/30が好ましく、80/20〜70/30が更に好ましい。
本発明の第二の態様は、顔料と水不溶性ポリマーの含有比率[(顔料/水不溶性ポリマー)重量比]が75/25〜10/90で、顔料を含有する水不溶性ポリマー粒子の平均粒子径が0.03〜0.25μmであり、かつ該水不溶性ポリマー粒子のうち0.57μm以上の粒子径を有するポリマー粒子の個数が10×107個/ml以下である水系インクに関する。顔料と水不溶性ポリマーの含有比率が第二の態様に記載の範囲内であれば、0.57μm以上の粒子径を有する該水不溶性ポリマー粒子の個数が第一の態様よりも多い場合でも、高いレベルの耐擦過性を満足することができる。
ここにおける、水系インク中の顔料を含有する水不溶性ポリマー粒子の0.57μm以上の粒子径を有するポリマー粒子の個数は、耐擦過性の観点から、10.0×107個/ml以下、好ましくは9.0×107個/ml以下、更に好ましくは8.5×107個/ml以下である。測定方法は上記と同じである。
上記本発明の第二の態様において、顔料を含有する水不溶性ポリマー粒子における、顔料と水不溶性ポリマーとの含有比率[(顔料/水不溶性ポリマー)重量比]は、特に優れた耐擦過性、分散安定性の観点から75/25〜10/90であり、75/25〜50/50であることが好ましく、70/30〜50/50が更に好ましい。
本発明において、水系インクとは、水を主溶媒として用いたインクを指すが、本発明の水系インク中の水の含有量は、好ましくは30〜90重量%、より好ましくは40〜80重量%である。
本発明の水系インクの表面張力(20℃)は、好ましくは25〜50mN/mであり、更に好ましくは27〜45mN/mである。
本発明の水系インクの粘度(20℃)は、良好な吐出性を維持するために、2〜12mPa・sが好ましく、2.5〜10mPa・sが更に好ましい。
[水系インクの製造方法]
本発明のインクジェット記録用水系インクに用いられる水分散体の製造工程については、特に限定はなく、例えば、下記工程(1)及び(2)を含む方法により、好適に製造することができる。
工程(1):水不溶性ポリマー、有機溶媒、顔料、及び水を含有する混合物を分散処理する工程
工程(2):工程(1)で得られた分散体から前記有機溶媒を除去する工程
工程(1)では、まず、前記水不溶性ポリマーを有機溶媒に溶解させ、次に着色剤、水、、及び必要に応じて中和剤、界面活性剤等を、前記有機溶媒に加えて混合し、水中油型の分散体を得る。混合物中、顔料の含有量としては5〜50重量%が好ましく、7〜30重量%が更に好ましく、有機溶媒の含有量としては、5〜70重量%が好ましく、8〜30重量%が更に好ましく、水不溶性ポリマーの含有量としては、1〜40重量%が好ましく、2〜15重量%が更に好ましく、水の含有量としては、10〜80重量%が好ましく、20〜70重量%が更に好ましい。
水不溶性ポリマーが塩生成基を有する場合、中和剤を用いることが好ましいが、中和度には特に限定はない。通常、最終的に得られる水分散体の液性が中性、例えば、pHが4.5〜10であることが好ましい。前記水不溶性ポリマーの望まれる中和度により、pHを決めることもできる。中和剤としては、前記のものが挙げられる。混合する水不溶性ポリマーを予め中和剤で、適宜中和したものを用いてもよい。
有機溶媒としては、エタノール、イソプロパノール、イソブタノール等のアルコール系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン等のケトン系溶媒及びジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒が挙げられる。好ましくは、水に対する溶解度が20℃において、50重量%以下でかつ10重量%以上のものであり、特に、メチルエチルケトンが好ましい。
前記工程(1)における混合物の分散方法については特に制限はない。従って、本分散だけでポリマー粒子の平均粒子径を所望の粒子径となるまで微粒化することもできるが、予備分散させた後、さらに剪断応力を加えて本分散を行い、ポリマー粒子の平均粒子径を所望の値とするよう制御することが好ましい。
本分散の剪断応力を与える手段としては、例えば、ロールミル、ニーダー、エクストルーダ等の混練機、サンドミル、ビーズミル等の分散機、チャンバー式の高圧ホモジナイザー等が挙げられる。これらの中では、水系インク中の顔料を含有する水不溶性ポリマー粒子のうち0.57μm以上の粒子径を有するポリマー粒子の個数を減少させる観点から、分散メディアを用いた分散機により湿式粉砕する方法が好ましい。さらに必要に応じて湿式粉砕した後、高圧ホモジナイザーで分散する方法を採ることもできる。
分散メディアの材質は、硬度等の観点から、チタニア(TiO2)、ジルコニア(ZrO2)、ジルコン(ZrSiO4)アルミナ(Al23)等のセラミックビーズが好ましく、特にチタニア(TiO2)、ジルコニア(ZrO2)が好ましい。
分散メディアの粒径は、0.57μm以上の粒子径を有するポリマー粒子の個数を効率よく減少させる観点から、通常50〜500μmであり、好ましくは80〜400μmである。
湿式粉砕分散における、分散メディア/分散液(有機顔料、ポリマー、水、有機溶媒等全ての分散体を含む)の重量比は、0.57μm以上の粒子径を有するポリマー粒子の個数を減少させる観点から、通常10/1〜4/6であり、好ましくは10/1〜5/5である。
分散メディアを使用する分散機の周速については、攪拌羽根を有する場合は、攪拌羽根の外周の速度であり、本発明においては、好ましくは3〜30m/sec、更に好ましくは5〜25m/secである。攪拌羽根を有しない場合は、容器の回転速度であり、本発明においては、好ましくは0.1〜1m/secの速度である。
また、分散時間は、0.57μm以上の粒子径を有するポリマー粒子の個数を減少させる観点から、1〜15時間が好ましく、2〜10時間が更に好ましい。分散時の温度は、同様の点から、0〜60℃が好ましく、5〜30℃が更に好ましい。
工程(2)では、得られた分散体から、公知の方法で有機溶媒を留去して水系にすることで、着色剤を含有するポリマー粒子の水分散体を得ることができる。得られたポリマー粒子を含む水分散体中の有機溶媒は実質的に除去されており、有機溶媒の量は、通常0.1重量%以下、好ましくは0.01重量%以下である。更に、水系インク中の顔料を含有する水不溶性ポリマー粒子のうち0.57μm以上の粒子径を有するポリマー粒子の個数を減少させる観点から、該水分散体を遠心分離を行い、分別することもできる。
本発明においては、顔料を含有する水不溶性ポリマー粒子の水分散体とは、顔料を含有するポリマーの固体分が水を主溶媒とする溶媒中に分散しているものを指す。ここで、水不溶性ポリマー粒子の形態は特に制限はなく、少なくとも顔料と水不溶性ポリマーにより粒子が形成されていればよい。例えば、ポリマーに顔料が内包された粒子形態、ポリマー中に顔料が均一に分散された粒子形態、ポリマー粒子表面に顔料が露出された粒子形態等がいずれも含まれる。
上記ポリマー粒子の水分散体はそのまま水系インクとして用いてもよいが、インクジェット記録用水系インクに通常用いられる湿潤剤、浸透剤、分散剤、粘度調整剤、消泡剤、防黴剤、防錆剤等を添加して水系インクとして用いてもよい。
以下の製造例、実施例及び比較例において、「部」及び「%」は特記しない限り「重量部」及び「重量%」の意味である。
製造例1
反応容器内に、メチルエチルケトン20部及び重合連鎖移動剤(2−メルカプトエタノール)0.03部、表1に示すモノマー混合物の200部のうちその10%を入れて混合し、窒素ガス置換を十分に行い、混合溶液を得た。
一方、滴下ロートに、表1に示すモノマー混合物の残りの90%を仕込み、前記重合連鎖移動剤0.27部、メチルエチルケトン60部及びラジカル重合開始剤(2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル))1.2部を入れて混合し、十分に窒素ガス置換を行い、混合溶液を得た。
窒素雰囲気下、反応容器内の混合溶液を攪拌しながら65℃まで昇温し、滴下ロート中の混合溶液を3時間かけて徐々に滴下した。滴下終了から65℃で2時間経過後、前記ラジカル重合開始剤0.3部をメチルエチルケトン5部に溶解した溶液を加え、更に65℃で2時間、70℃で2時間熟成させ、ポリマー溶液を得た。
得られたポリマーの重量平均分子量を前記方法により測定した。その結果を表1に示す。
なお、表1に示す化合物の詳細は、以下のとおりである。
・スチレンマクロマー:東亜合成株式会社製、商品名:AS−6(S)(50%トルエン溶液、固形分15部)数平均分子量:6000、重合性官能基:メタクリロイルオキシ基
・ポリエチレングリコールモノメタクリレート(エチレンオキシド平均付加モル数=9):新中村化学工業株式会社製、商品名:NKエステルM−90G
・ポリプロピレングリコールモノメタクリレート(プロピレンオキシド平均付加モル数=9):日本油脂株式会社製、商品名:ブレンマーPP−500
Figure 0004076999
実施例1
製造例1で得られたポリマー溶液を減圧乾燥させて得られたポリマー25部をメチルエチルケトン70部に溶かし、その中に中和剤(5N水酸化ナトリウム水溶液)4.1部(中和度75%)及びイオン交換水230部加えて塩生成基を中和し、これに更にジアゾ顔料(イエロー:Y)(C.I.ピグメント・イエロー74〔P.Y.74〕、平均一次粒子径
40nm、山陽色素株式会社製、商品名:FY7413)75部を加え、浅田鉄工(株)ピコミル(分散メディア:ジルコニア、温度:20℃、分散メディア/分散液重量比:8/2)を用いて周速15m/sにて2時間分散処理を施した。得られた混合物をマイクロフルイダイザー(Microfluidics 社製、商品名)で200MPaの圧力で10パス分散処理した。
得られた分散液に、イオン交換水250部を加え、攪拌した後、減圧下で60℃でメチルエチルケトンを除去し、更に一部の水を除去し、5μmのフィルター(アセチルセルロース膜、外径:2.5cm、富士写真フイルム株式会社製)を取り付けた容量25mLの針なしシリンジ(テルモ株式会社製)で濾過し、粗大粒子を除去することにより、固形分濃度が20%の顔料含有水不溶性ポリマー粒子の水分散体を得た。
この顔料含有水不溶性ポリマー粒子の水分散体40部に、グリセリン10部、トリエチレングリコールモノブチルエーテル7部、サーフィノール465(日信化学工業(株)製) 1部、プロキセルXL2(アビシア(株)製)0.3部及びイオン交換水41.7部を混合し、得られた混合液を1.2μmのフィルター(アセチルセルロース膜、外径:2.5cm、富士写真フイルム株式会社製)を取り付けた容量25mLの針なしシリンジで濾過し、粗大粒子を除去することにより、水系インク1を得た。
実施例2
実施例1において浅田鉄工(株)ピコミルの処理条件を周速8m/s、処理時間12.5時間に変更する以外は同様にして水系インク2を得た。
実施例3
製造例1で得られたポリマー溶液を減圧乾燥させて得られたポリマー35部をメチルエチルケトン100部に溶かし、その中に中和剤(5N水酸化ナトリウム水溶液)5.8部(中和度75%)及びイオン交換水300部加えて塩生成基を中和し、更にジアゾ顔料(イエロー:Y)(C.I.ピグメント・イエロー74〔P.Y.74〕、平均一次粒子径40nm、山陽色素株式会社製、商品名:FY7413)65部を加え、浅田鉄工(株)ピコミルを用いて周速10m/sにて4時間分散処理を施した。得られた混合物をマイクロフルイダイザー(Microfluidics 社製、商品名)で200MPaの圧力で10パス分散処理した。その後は実施例1と同様にして水系インク3を得た。
実施例4
実施例1においてジアゾ顔料に代えて無置換キナクリドン顔料(C.I.ピグメント・バイオレット19、クラリアントジャパン(株)製、商品名:Hostaperm Red E5B02)を使用した以外は実施例1と同様にして水系インク4を得た。
比較例1
実施例1において浅田鉄工(株)ピコミルでの処理条件を、周速12m/s、処理時間2時間に変更した以外は同様にして水系インク5を得た。
比較例2
実施例1において浅田鉄工(株)ピコミルでの処理条件を、周速8m/s、処理時間3時間に変更した以外は同様にして水系インク6を得た。
比較例3
実施例1において浅田鉄工(株)ピコミルでの処理条件を、周速12m/s、処理時間1時間に変更した以外は同様にして水系インク7を得た。
比較例4
実施例3において分散機をビーズミルから3本ロールミルに変更し1時間混練した以外は全く同様にして水系インク8を得た。
上記のようにして得られた水系インク1〜8の各々について、ポリマー粒子の平均粒子径、0.57μm以上の粒子径を有するポリマー粒子の数、及び耐擦過性を、以下の方法で測定した。結果を表2に示す。
(1)平均粒子径:大塚電子(株)製ELS-8000を用い、キュムラント解析で求めた。測定条件は、温度25℃、入射光と検出器との角度90°、積算回数100 回であり、分散溶媒である水の屈折率(1.333)を入力した。
(2)0.57μm以上の粒子径を有するポリマー粒子の数:0.57μm以上の個数は、PARTICLE SIZING SYSTEMS社製ACCUSIZERを用いて測定した。測定方法は、インク0.5mlを純水で5mlに薄めたものを使用し、インク中に含まれる0.57μm以上の粒子数を測定した(測定温度25℃)。
(3)耐擦過性:インクジェットプリンター(エプソン(株)製、型番:EM−930C)を用いて、専用紙(写真用紙<光沢>(60°光沢度が41)、エプソン(株)製、商品名:KA450PSK)にベタ印字し〔印字条件:用紙種類;フォトプリント紙、モード設定;フォト〕、25℃で24時間乾燥させた後、指でかるく印字面を3回擦った。その時の印字面の乱れ具合を各回ごとに以下の評価基準に基づいて評価し、平均化し耐擦過性の数値化を行った。平均値で4.0以上が写真用として実用的である。
〔評価基準〕
5:見る角度によらず画像の乱れが全く見られない
4:見る角度によってはわずかに擦った跡に乱れが見られる
3:擦った跡に乱れが見られる
2:擦った跡がはっきりと認識でき、画像の乱れがひどい
1:明らかに画像に傷が見られる
Figure 0004076999
上記の結果から、実施例のものは、写真画像に求められる高いレベルの耐擦過性を満足するものである。また、実施例1,2及び4の各々は、前記耐擦過性試験と同種の専用紙に同条件でベタ印字し、25℃で24時間放置後、光沢計(日本電色(株)製、商品名:HANDY GLOSSMETER 、品番:PG-1)で測定した60°光沢にも優れたものであった。

Claims (11)

  1. 顔料と水不溶性ポリマーとを混合し、分散メディアを用いた分散機での湿式粉砕で分散処理して得られる、顔料を含有する水不溶性ポリマー粒子を含む、水系インクであって、該水不溶性ポリマー粒子の平均粒子径が0.03〜0.25μmであり、該水不溶性ポリマー粒子のうち0.57μm以上の粒子径を有するポリマー粒子の個数が1.2×107個/ml以下であり、かつ顔料を含有する水不溶性ポリマー粒子中、顔料と水不溶性ポリマーの含有比率[(顔料/水不溶性ポリマー)重量比]が、90/10〜10/90である、インクジェット記録用水系インク。
  2. 顔料と水不溶性ポリマーの含有比率[(顔料/水不溶性ポリマー)重量比]が、85/15〜70/30である、請求項1記載のインクジェット記録用水系インク。
  3. 顔料と水不溶性ポリマーとを混合し、分散メディアを用いた分散機での湿式粉砕で分散処理して得られる、顔料を含有する水不溶性ポリマー粒子を含む、水系インクであって、顔料と水不溶性ポリマーの含有比率[(顔料/水不溶性ポリマー)重量比]が70/30〜50/50で、該水不溶性ポリマー粒子の平均粒子径が0.03〜0.25μmであり、かつ該水不溶性ポリマー粒子のうち0.57μm以上の粒子径を有するポリマー粒子の個数が10×107個/ml以下であるインクジェット記録用水系インク。
  4. 顔料の平均一次粒子径が、10〜100nmである、請求項1〜3のいずれかに記載のインクジェット記録用水系インク。
  5. 顔料を含有する水不溶性ポリマーを2〜25重量%含有する、請求項1〜4のいずれかに記載のインクジェット記録用水系インク。
  6. 顔料を1〜20重量%含有する、請求項1〜5のいずれかに記載のインクジェット記録用水系インク。
  7. 顔料の平均一次粒子径に対する顔料を含有する水不溶性ポリマー粒子の平均粒子径の比(顔料を含有する水不溶性ポリマー粒子の平均粒子径/顔料の平均一次粒子径)が、1.001〜4である、請求項1〜6のいずれかに記載のインクジェット記録用水系インク。
  8. 水不溶性ポリマーが、3〜30重量%の塩生成基含有モノマーと、10〜70重量%の疎水性モノマー及び/又は5〜50重量%のマクロマーとを含む混合物を共重合してなる水不溶性ポリマーである、請求項1〜7のいずれかに記載のインクジェット記録用水系インク。
  9. 請求項1〜のいずれかに記載の水系インクの製造方法であって、下記工程(1)及び(2)を含む分散体を製造する工程を有するインクジェット記録用水系インクの製造方法。
    工程(1):水不溶性ポリマー、有機溶媒、顔料、及び水を含有する混合物を分散メディアを用いた分散機で湿式粉砕する工程
    工程(2):工程(1)で得られた分散体から前記有機溶媒を除去する工程
  10. 工程(1)において、分散メディアを用いた分散機で湿式粉砕した後、高圧ホモジナイザーで分散処理を行う、請求項9記載のインクジェット記録用水系インクの製造方法。
  11. 工程(1)における分散メディアを用いた分散機による湿式粉砕を、周速3〜30m/secで、1〜15時間行う、請求項9又は10に記載のインクジェット記録用水系インクの製造方法。
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