JP3982030B2 - インクジェット記録用インクおよびインクジェット記録方法 - Google Patents

インクジェット記録用インクおよびインクジェット記録方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規なインクジェット記録用インクに関する。さらに、詳しくは、顔料の分散安定性に優れ、長期間にわたり、濃度むらなく印字することができ、定着強度に優れるインクジェット記録用インクに関する。また、そのインクジェット記録用インクを用いたインクジェット記録方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット記録方式の原理は、ノズル、スリットあるいは多孔質フィルム等から液体インクあるいは溶融固体インクを吐出し、紙、布、フィルム等に記録を行うものである。かかるインクジェット記録方式においては、記録装置の小型化、低価格化を図ることができ、記録時の騒音も少ない等の利点があり、特に、黒色の単色記録の場合には、レポート用紙、コピー用紙等のいわゆる普通紙上に、良好な印字品質が得られることから、インクジェット記録方式を用いたプリンターが汎用されている。
【0003】
かかるインクジェット記録方式に使用するインクには、一般に、
(1)紙上で滲み、かぶりのない、高解像度、高濃度で均一な画像が得られること、
(2)ノズル先端でのインク乾燥による目詰まりが発生せず、常に、吐出応答性、吐出安定性が良好であること、
(3)紙上においてインクの速乾性が良いこと、
(4)画像の堅ろう性が良いこと、
(5)長期保存安定性が良いこと、
という5つの性能が要求される。
【0004】
また、安全性の高さから水を主溶媒とする水性インクジェット記録用インクには、各種の水溶性染料を水と水溶性有機溶媒からなる液状媒体に溶解させた水性染料インクと、各種の水溶性顔料を水と水溶性有機溶媒からなる液状媒体に分散させた水性顔料インクとがあるが、水溶性染料を溶解した水性染料インクが、インクジェット記録用インクの主流となっている。
しかしながら、着色剤として水溶性染料を用いた水性染料インクの場合は、染料が水溶性ゆえに、印字画像の耐水性、耐光性が悪いという問題があり、画像の保存安定性に関しては、必ずしも満足されていない。
【0005】
そこで、印字画像の耐水性、耐光性に優れるインクジェット記録用インクとして、色材に顔料を用いた水性顔料インクが見直されている。水性顔料インクは、顔料が水不溶性であるとともに、耐光性に優れるため、耐水性、耐光性に優れる印字画像を得ることができる。その一方、水性顔料インクは、溶媒に不溶の顔料を色材として溶媒中に分散するものであるため、分散安定性が悪いという欠点を有している。
【0006】
これらの欠点を改善するために、例えば、米国特許5085698号明細書には、AB型あるいはBAB型のブロックコポリマーを分散剤として配合したインクが提案されている。また、米国特許5172133号明細書には、特定の顔料を、水溶性樹脂、溶媒と組合せ、分散性に優れる配合としたインクが提案されている。
しかしながら、これらのインクには、記録媒体上に印字した場合に、顔料であるカーボンブラックの凝集に起因すると思われる濃度むらが発生するという問題がある。また、長期保存や高温保管において顔料が凝集しやすく、保存安定性に劣るという問題がある。
【0007】
また、特開平1−204979号公報、特開平7−331147号公報、特開平8−151546号公報、特開平7−331141号公報等では、粒径の大きな粒子の割合を少なくし、粒度分布の狭い顔料を用いたインクが提案されている。これらのインクにおいては、顔料の粒度分布や粒径を制限することで、ある程度の分散安定性を得ることができる。
しかしながら、長期保存や高温保管においては、まだ、満足のゆく分散安定性は得られておらず、長期保管後のインクで印字した場合に、濃度むらを発生し、定着強度が低下するという問題がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、インクジェット記録用の顔料インクにおいて、保存安定性を改善し、ひいては、印字時の濃度むらと印字後の定着性を改善することを目的としている。また、本発明の他の目的は、普通紙上に画像を鮮明かつ安定に再現し得るインクジェット記録用インクおよびインクジェット記録方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、インク中の顔料の分散性に影響を与える種々の要因について鋭意検討した結果、顔料の粒度分布や粒径を制限することに加え、分散剤と溶媒の溶解性とを制御することで、長期保存や高温保管においても、分散安定性が維持できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
すなわち、本発明は、水不溶性色材、高分子分散剤、水溶性有機溶媒、および水を含有するインクジェット記録用インクにおいて、前記水不溶性色材が、分散状態での数平均粒子径が10〜100nmの範囲にあり、かつ、該数平均粒径と体積平均粒径の比が2.5以下であり、かつ、1μl中に存在する0.5μm以上の粒子数が7.5×104個以下である粒子からなる色材であり、
前記高分子分散剤が、スチレン/メタクリル酸共重合体ナトリウム塩、スチレン/メタクリル酸共重合体カリウム塩、スチレン/アクリル酸共重合体ナトリウム塩、スチレン/アクリル酸共重合体カリウム塩、n−ブチルメタクリレート/アクリル酸共重合体カリウム塩、及びスチレン/メチルメタクリレート/メタクリル酸共重合体ナトリウム塩からなる群から選択され、かつ、10以上13以下の溶解性パラメータを有し、
前記水溶性有機溶媒が、前記高分子分散剤の溶解性パラメータ−0.5以上の溶解性パラメータを有し、かつ、前記高分子分散剤の溶解性パラメータ±0.5以内の溶解性パラメータを有する水溶性有機溶媒の全インク重量に対する含有量が5重量%以下であり、かつ、前記高分子分散剤の溶解性パラメータ+0.5を超える溶解性パラメータを有する水溶性有機溶媒の全インク重量に対する含有量が1〜30重量%であり、
インク中の、Si、Fe、Ca、Mgの濃度の合計が、30ppm以下であることを特徴とするインクジェット記録用インクである。
【0011】
顔料分散インクを印字した際に「濃度むら」が発生するか否か、および印字後に紙やペンのこすれによって顔料が脱落し易くなる「定着性の低下」は、インクの分散安定性と密接な関係がある。すなわち、「濃度むら」は、インク保管時の凝集による粗粒が紙上に残り、濃淡を強調し、むらとなる。また、同様に紙上に残った粗粒は、印字後、紙、指、ペン等の接触による力学的ストレスで容易に紙より脱離し、印字部の定着性を悪化させている。従って、「濃度むら」、「定着性の低下」を改善するためには、分散安定性を制御する必要がある。
【0012】
本発明のインクジェット記録用インクは、普通紙上でむらのない画質が得られ、かつ、長期保管、高温保管において、凝集や0.5μm以上粒子の増加が抑えられる。この効果に関しては必ずしも明確とは言えないが、おおよそ次のようなものと推測される。即ち、むらは普通紙上で、顔料が凝集するため発生すると考えられる。特に、この凝集は粗大粒子(0.5μm以上粒子)が核となり、凝集が促進していると考えられる。また、保存安定性に関しても、同様に均一な分布をもった分散粒子と粗大粒子を少なくすることで、凝集の核が少なくなり長期保存や高温保存において凝集の発生が抑えられると考えられる。
本発明のインクジェット記録用インクによれば、インク中の顔料の粒度分布や粒径を制限することに加え、分散剤と溶媒の溶解性とを制御することで、長期保存や高温保管においても、分散安定性が維持でき、「濃度むら」および「定着性の低下」の課題を改善することができる。
従って、本発明のインクジェット記録用インクは、レポート用紙、コピー用紙、ボンド紙、上質紙等の普通紙上において鮮明で高解像度の高耐水性カラー画像を形成することができ、熱インクジェット方式、或いはピエゾ方式、超音波、電界等を利用したインクジェット記録のためのインクとして好適である。特に、普通紙上に高耐水性フルカラー画像を鮮明かつ安定に再現し得るインクとして好適である。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
【0014】
(水不溶性色材)
本発明の水不溶性色材は、水に不溶の色材であれば特に制限はなく、例えば、無機顔料、有機顔料、マグネタイト、磁性体や超常磁性体、その他、プラスチックピグメントや金属光沢顔料等の色材を使用することができる。この中でも、ハンドリング、入手性、選択性の点で、無機顔料もしくは有機顔料が好ましく用いられる。
本発明の水不溶性色材としては、亜鉛華、チタン白、酸化クロム、酸化鉄、アルミナホワイト、カドミウム黄、硫化亜鉛、ジンククロメート、黄鉛、硫酸バリウム、塩基性硫酸鉛、炭酸カルシウム、鉛白、群青、珪酸カルシウム、マンガン紫、コバルト紫、紺青、カーボンブラック等の無機顔料、マダレーキ、コチニールレーキ、ナフトールグリーンB、ナフトールグリーンY、ナフトールイエローS、パーマネントレッド4R、ハンザイエロー、ベンジジンイエロー、リソールレッド、レーキレッドC、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、ボルドー10B、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、スカイブルー、ローダミンレーキ、メチルバイオレットレーキ、キノリンイエローレーキ、ピーコックブルーレーキ、チオインジゴマルーン、アリザリンレーキ、キナクリドンレッド、ペリレンレッド、アニリンブラック、ジオキサジンバイオレット、有機蛍光顔料、イソインドリノンイエロー等の有機顔料、酸化コバルト、γ−酸化鉄、金属鉄粉、バリウムフェライト等のマグネタイト、フェライト等の磁性体や超常磁性体、その他プラスチックピグメントや金属光沢顔料等、上記記載に限定なく、何れの顔料でも良く、使用する色相に合わせて選択することができる。また、顔料の他に公知の染料を1種類以上混ぜて使用してもよい。
【0015】
4色のフルカラーの印字画像を得る場合の顔料を商品名及びC.I.ピグメント番号で例示すると、以下となるが、これらに限定されるものではない。また、本発明のために、新たに合成した顔料でも良い。
【0016】
黒顔料は、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック顔料で、例えばRaven7000,Raven5750,Raven5250,Raven5000ULTRA,Raven3500,Raven2000,Raven1500,Raven1250,Raven1200,Raven1190ULTRA,Raven1170,Raven1255,Raven1080 (以上コロンビア社製)、Regal400R,Regal330R,Regal660R,Mogul L,Black Pearls L,Black Pearls 1300,Monarch 700,Monarch 800,Monarch 880,Monarch 900,Monarch 1000,Monarch 1100,Monarch 1300,Monarch 1400(以上キャボット社製)、Color Black FW1,Color Black FW2,Color Black FW2V,Color Black 18,Color Black FW200,Color Black S150,Color Black S160,Color Black S170,Printex35,PrintexU,PrintexV,rintex140U,Printex140V,Special Black 6,Special Black 5,Special Black 4A,Special Black4(以上デグッサ社製)、No.25,No.33,No.40,No.47,No.52,No.900,No.2300,MCF-88,MA600,MA7,MA8,MA100 (以上三菱化学社製)等を使用することが出来るが、これらに限定されるものではない。
【0017】
シアン顔料は、C.I.Pigment Blue-1,C.I.Pigment Blue-2,C.I.Pigmet Blue-3,C.I.Pigment Blue-15:3,C.I.Pigment Blue-15:34,C.I.Pigment Blue-16,C.I.Pigment Blue-22,C.I.Pigment Blue-60等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0018】
マゼンタ顔料は、C.I.Pigment Red 5,C.I.Pigment Red 7,C.I.Pigment Red 12,C.I.Pigment Red 48,C.I.Pigment Red 48:1,C.I.Pigment Red 57,C.I.Pigment Red 112,C.I.Pigment Red 122,C.I.Pigment Red 123,C.I.Pigment Red 146,C.I.Pigment Red 168,C.I.Pigment Red 184,C.I.Pigment Red 202等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0019】
イエロー顔料は、C.I.Pigment Yellow-1,C.I.Pigment Yellow-2,C.I.Pigment Yellow-3,C.I.Pigment Yellow-12,C.I.Pigment Yellow-13,C.I.Pigment Yellow-14,C.I.Pigment Yellow-16,C.I.Pigment Yellow-17,C.I.Pigment Yellow-73,C.I.Pigment Yellow-74,C.I.Pigment Yellow-75,C.I.Pigment Yellow-83,C.I.Pigment Yellow-93,C.I.Pigment Yellow-95,C.I.Pigment Yellow-97,C.I.Pigment Yellow-98,C.I.Pigment Yellow-114,C.I.Pigment Yellow-128,C.I.Pigment Yellow-129,C.I.Pigment Yellow-151,C.I.Pigment Yellow-154等が上げられるが、これらに限定されるものではない。
【0020】
粒子の粗さは、粒子の分散安定性に影響を与え、ひいては、濃度むらや定着性を悪化させる要因となる。従って、本発明の水不溶性色材としては、色材を構成する粒子の分散状態での数平均粒子径が10〜100nmの範囲にあり、かつ、数平均粒径と体積平均粒径の比が2.5以下であり、かつ、1μl中に存在する0.5μm以上の粒子数が7.5×104 個以下になる色材を使用する。
【0021】
分散状態での数平均粒子径とは、インクの分散粒子の平均粒子径であり、10〜100nmの範囲にあることが必要とされる。好ましくは20nm〜80nmの範囲である。分散安定化のためには、従来、顔料インクに用いられていた顔料粒子よりも数平均粒子径が小さい顔料粒子を用いることが重要である。特に、分散粒子の数平均粒子径が100nmを越えると、粒子が大きいため表面から脱落し易くなり、定着の力学的強度が低下する。また、粒子が平均的に大きいため、粒子全体として長期保管時に凝集の核となり易く、記録媒体上や高温保管時に粗粒子が増加し、濃度ムラや定着不良を生じてしまう。一方、数平均粒子径が、10nm未満では、分散にエネルギーを要し、実質的に分散させることが困難となる。
本発明の分散状態での数平均粒子径は、動的光散乱法を利用したマイクロトラック社製の粒径測定装置「USA9340」により測定した値である。
なお、粒径には、一次粒径と分散粒径とがあり、一次粒径は静置した状態で電子顕微鏡やガスまたは溶質による吸着法、空気流通法、X線小角散乱法などで測定した粒径であり、分散粒径は一般市販の遠心沈降方式、レーザー回折方式(光散乱方式)、ESA方式、キャピラリー方式、電子顕微鏡方式などで測定した分散状態での粒径である。
【0022】
分散状態での体積平均粒径とは、インクの全分散粒子の体積で重み付けされた平均値であり、前記数平均粒径と体積平均粒径の比は、粒度分布の不均一性を表している。従って、前記数平均粒径と体積平均粒径の比が小さいことは、粒度分布がシャープであることを意味し、一方、その比が大きいことは、粒度分布が広く、粗粒子が多くなることを意味する。
本発明においては、前記数平均粒径と体積平均粒径の比が2.5以下であることが必要とされる。好ましくは2.0以下である。この比が2.5を越えると、長期保管時の凝集の核となる粒子が多くなり、長期保管において安定性が損なわれる。
本発明の分散状態での体積平均粒径は、数平均粒径と同様に、動的光散乱法を利用したマイクロトラック社製の粒径測定装置「USA9340」により測定した値である。
【0023】
インク液1μl中に存在する0.5μm以上の色材粒子の粒子数は、7.5×104 個以下であり、好ましくは5.0×104 個以下、さらに好ましくは2.5×104 個以下である。濃度むらや定着性を悪化させる粗粒は、0.5μm以上の粒子数による大きく影響される。従って、0.5μm以上の粒子が7.5×104 個/μl以上になると、顕著に紙上に粒子が残ることになり、濃度むらを生じるばかりか、、粒子が大きいため表面から脱落し易くなり、定着の力学的強度が大きく低下する。
本発明のインク液1μl中に存在する0.5μm以上の色材粒子の粒子数とは、インク2μlを50mlの水に希釈して米国PARTICLE SIZING SYSTEMS社製の粒径測定装置「Accusizer」で粒子数を測定した時の0.5μm以上の粒子の総数を意味する。
【0024】
本発明の水不溶性色材の含有量は、全インク量に対して0.3〜20重量%の範囲が好ましく、0.5〜8重量%がより好ましい。0.3重量%未満であると、十分な光学濃度が得られにくく、20重量%を超えると、色材同士の衝突確率が増加し、凝集し易くなってしまう。
【0025】
本発明の水不溶性色材の表面処理を事前に行うこともできる。例えば、エタルール、プロパノール等のアルコール類による表面処理、界面活性剤処理、酸性基や塩基性基を置換する顔料誘導体処理、顔料表面を他物質で被覆する顔料被覆反応処理、縮合反応やグラフト反応により置換基を導入する表面化学反応処理、シラン系カップリング剤、チタネート系カップリング剤、ジルコネート系カップリング剤、アルミネート系カップリング剤等で表面処理をするカップリング反応処理、プラズマ反応処理、CVD処理等を行うことができる。
【0026】
また、本発明の水不溶性色材は、必要に応じて、洗浄、精製を行ってから使用してもよい。市販の顔料は、有機、無機の不純物を多量に含有しており、それら不純物の中でも、特に、水不溶性または水難溶性、難分散性の多価金属カチオン、Si系、P系等の不純物はインクのノズル目詰まり、コゲーション、保管安定性、記録信頼性等に悪影響を及ぼすため、これらを除去するために、顔料の洗浄、精製をして用いるのが好ましい。洗浄方法・精製方法としては、炉過、遠心沈降、分離膜法、イオン交換樹脂処理法、逆浸透法、活性炭法、ゼオライト法、水洗、溶剤抽出等がある。
【0027】
(高分子分散剤)
上記の様に達成した分散粒径や粗粒は、遠心沈降や濾過により一時的に達成することができても、各種ストレス条件下において元に戻ってしまう。インクとして長期間の保存を可能とするためには、各種ストレス条件においても達成した分散粒径や粗粒を維持し続けなければならない。分散安定性を疎外するストレスに、夏場長期保管の様な高温保管が挙げられる。分散インクを高温化に置くと、熱エネルギーにより分散粒子は活発に運動し互いに衝突する確率が高まり、凝集し易くなる。特に、このような高温保管ストレス条件下で分散安定性を維持するためには、使用する分散剤及び溶媒が重要である。
【0028】
本発明の高分子分散剤は、疎水部と親水部とからなり、該親水部にカルボン酸基またはその塩を有する重合体である。親水部にカルボン酸基またはその塩を有していると、若干酸性を示す普通紙等の記録媒体上で、色材を取り巻く高分子分散剤のカルボン酸基が酸型となり水に溶解しにくくなる。このため、印字後、色材の再溶解を防止することができ、多色印字する場合にはインク間の滲みを防止でき、単色印字する場合には定着性が改善される。
【0029】
本発明の高分子分散剤としては、疎水部とCOOH基を有する親水部からなる親水性モノマー成分の単独重合体またはその塩、疎水性モノマー成分とCOOH基を有する親水性モノマー成分との共重合体またはその塩、さらに、その他の成分を必要に応じて共重合させた共重合体を用いることができる。共重合体はランダム、グラフト、ブロック等何れの構造であっても良く、また、これらの塩はアルカリ金属塩の他、モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミントリエタノールアミン塩等のアルコールアミン塩、アンモニウムイオン、スルフォニウムイオン、オキソニウムイオン、スチボニウムイオン、スタンノニウム、ヨードニウム等のオニウム塩であっても良いが、これらに限定されるものではない。
【0030】
COOH基を有する親水性モノマー成分としては、α、β−エチレン性不飽和カルボン酸及びその脂肪族アルコールエステル、アクリル酸、アクリル酸誘導体、メタクリル酸、メタクリル酸誘導体、マレイン酸、マレイン酸誘導体、イタコン酸、イタコン酸誘導体、フマル酸、フマル酸誘導体等が挙げられ、好ましい親水モノマー成分としては、アクリル酸、アクリル酸誘導体、メタクリル酸、メタクリル酸誘導体が挙げられる。
COOH基またはその塩を有するモノマー成分は、重合体中に0.1モル%以上100モル%未満の範囲で含まれていることが好ましく、30モル%以上100モル%未満の範囲がより好ましい。また、これに対応する酸価は、100〜800、好ましくは150〜800の範囲である。
【0031】
疎水性モノマー成分としては、スチレン、スチレン誘導体、ビニルトルエン、ビニルトルエン誘導体、ビニルナフタレン、ビニルナフタレン誘導体、ブタジエン、ブタジエン誘導体、イソプレン、イソプレン誘導体、エチレン、エチレン誘導体、プロピレン、プロピレン誘導体、アクリル酸のアルキルエステル、メタクリル酸のアルキルエステル等である。好ましい疎水モノマー成分としては、スチレン、スチレン誘導体、アルキルアクリレート、アルキルメタクリレートである。アルキル基の炭素数は1〜10の範囲、好ましくは1〜6の範囲である。
【0032】
その他の成分として、アクリルアミド、アクリルアミド誘導体、ジメチルアミノエチルメタクリレート、エトキシエチルメタクリレート、ブトキシエチルメタクリレート、エトキシトリエチレンメタクリレート、ビニルピロリドン、ビニルピリジン、アルキルエーテルやメトキシポリエチレングリコールメタクリレート、ポリエチレングリコールメタクリレート等のポリオキシエチレンを含む成分、ヒドロキシメチルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ビニルアルコール等の水酸基を含む成分等である。
【0033】
上記以外に、不飽和カルボン酸とアルコール類やグリコール類との縮合重合体(ポリエステル系縮合重合体)を疎水成分として親水性モノマー成分を付加重合し高分子分散剤とすることもできる。その他、カルボン酸基変性ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース等の水溶性ポリマーを使用することができ、上記記載に限定されるものではない。
【0034】
本発明の高分子分散剤の溶解性パラメータは、10cal/cm3 以上13cal/cm3 以下の範囲である。また、より好ましくは11cal/cm3 以上12.5cal/cm3 以下の範囲である。
分散剤の溶解性パラメータとは、分散剤の親水性、疎水性を表す指標であり、分散剤の溶解性パラメータが10未満であると、疎水性が強過ぎて、分散剤自体が主溶媒である水に溶解しにくくなる。一方、分散剤の溶解性パラメータが13を超えると、親水性が高過ぎ、顔料への吸着が弱くなり、分散できなくなる。
本発明の溶解性パラメータ(δ)は、化学構造の原子又は原子団の蒸発エネルギー(Δei)とモル体積(Δvi)から、下記のFedorsの計算式により算出した値である。また、分散剤の溶解性パラメータは、未中和のフリーの酸の状態で計算した値である。
[δ=(ΣΔei/ΣΔvi)1/2] Fedorsの計算式
なお、溶解性パラメータは、上記の通り、化学組成から計算で求める他、蒸発熱からの計算、屈折率からの計算、カウリブタノール価からの計算、表面張力からの計算等の実測値からも求めることができる。
【0035】
本発明の高分子分散剤の分子量は重量平均で3,000以上20,000以下が好ましい。重量平均分子量が3,000未満であると、分散安定性、印字後の定着性、光学濃度が低下し易い。一方、重量平均分子量が20,000を超えると、分散粒度の増大、ノズルの目詰まりが生じ易くなる。
の重量平均分子量である。重量平均分子量の測定方法は、光散乱法、X線小角散乱法、沈降平衡法、拡散法、超遠心法や各種クロマトグラフィーにより測定することができるが、本発明の重量平均分子量はGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)法で測定したポリエチレングリコール換算の値である。
【0036】
本発明の高分子分散剤の含有量は、インク全量に対し0.002%〜10重量%の範囲が好ましく、0.003〜8重量%の範囲がより好ましい。
また、本発明の高分子分散剤の不溶性色材に対する好ましい比率は、顔料の粒径、比表面積、表面構造等によって異なるが、概ね、顔料と分散剤との重量比が10:8〜10:0.5の範囲にあることが必要である。
【0037】
(水溶性有機溶媒)
本発明の水溶性有機溶媒としては、前記高分子分散剤の溶解性パラメータ−0.5以上の溶解性パラメータを有するものを使用し、かつ、前記高分子分散剤の溶解性パラメータ±0.5以内の溶解性パラメータを有する水溶性有機溶媒の全インク重量に対する含有量が5重量%以下であり、かつ、前記高分子分散剤の溶解性パラメータ+0.5を超える溶解性パラメータを有する水溶性有機溶媒の全インク重量に対する含有量が1〜30重量%でなければならない。前記水不溶性色材および前記高分子分散剤と、これらの条件を具備する水溶性有機溶媒との組合せにより初めて、初期から長期保管まで、印字むらがなく定着性が優れたインクを得ることが可能になる。
【0038】
水溶性有機溶媒として、前記高分子分散剤の溶解性パラメータ−0.5以上の溶解性パラメータを有するものを使用するのは、使用溶媒の溶解性パラメータが、前記高分子分散剤の溶解性パラメータ−0.5未満では、前記高分子分散剤の溶解性低下よりも水溶性有機溶媒の顔料への吸着が問題になる。すなわち、分散剤より低い溶解性パラメータでは、分散剤の代わりに水溶性有機溶媒が顔料へ吸着してしまう。この結果、顔料が分散できなくなり、凝集する。この現象は特に、高温下のストレス条件で進行する。このため、溶媒の溶解性パラメータは、高分子分散剤の溶解性パラメータよりも高い方が好ましく、少なくとも、高分子分散剤の溶解性パラメータ−0.5以上の溶解性パラメータを有することが必要である。
ここで、本発明の水溶性有機溶媒の溶解性パラメータは、高分子分散剤の溶解性パラメータと同様、前記の化学構造の原子又は原子団の蒸発エネルギーとモル体積より求めるFedorsの計算式により算出した値である。
【0039】
この様な水溶性有機溶媒としては、インク固化を防止するものとして、多価アルコール類及びそのアルキルエーテル類等の誘導体類が好適に使用できる。例えば、グリセリン、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ジエチレングリコール、2−(2−ブトキシエトキシ)エタノール、ジエチレングリコールフェニルエーテル、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ブチレングリコール、トリエチレングリコール、チオジグリコール、ヘキシレングリコール、エチレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエーテル、ペンタンジオール、ヘキサントリオール、トリメチロールプロパン等の多価アルコール類およびアルキルエーテル類等の多価アルコール誘導体類が使用できる。
【0040】
その他、メチルアルコール、エチルアルコール、n-プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n-ブチルアルコール、ヘキシルアルコール、ベンジルアルコール等のアルコール類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類、アセトン、ジアセトンアルコール等のケトン、ケトアルコール類、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、ピロリドン、N-メチル-2-ピロリドン、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン等の高沸点含窒素溶媒、ジメチルスルフォキシド、ジエチルスルフォキシド、スルフォラン、チオジエタノール等の含硫黄溶媒、グルコース、マルトース、アミロース(デキストリン)、セルロース、アルギン酸ナトリウム等の糖類及びその誘導体、アラビアゴム等が使用できる。
以上の溶媒は例示であり、これらに限定されるわけではない。また、これらを単独でもあるいは2種以上混合して用いてもよい。
【0041】
前記高分子分散剤の溶解性パラメータ±0.5以内の溶解性パラメータを有する水溶性有機溶媒の全インク重量に対する含有量を5重量%以下としたのは、溶媒の溶解性パラメータは、高分子分散剤の溶解性パラメータよりも高い方が好ましいが、溶媒量が微量であれば影響は小さいためであり、含有量が5重量%を超えると、水溶性有機溶媒が分散剤に替わって顔料に吸着する等の逆転現象を生じ、高温保管時に色剤が凝集するようになる。
【0042】
前記高分子分散剤の溶解性パラメータ+0.5を超える溶解性パラメータを有する水溶性有機溶媒の全インク重量に対する含有量が1〜30重量%としたのは、1重量%未満では、保湿作用、浸透作用、粒度調整作用が不十分となり易く、30重量%を超えると、増粘性が大きくなったり、画質劣化が生じ易くなる。
【0043】
(水)
本発明で用いる水は、不純物の混入がない点で、イオン交換水、超純水、蒸留水、限外濾過水等の精製された水を使用することが好ましい。
【0044】
(その他の成分)
本発明のインクジェット記録用インクは、水不溶性色材、高分子分散剤、水溶性有機溶媒、および水を必須成分とするが、必要に応じて界面活性剤、ハイドロトロピー剤、キレート化剤、包接化合物、pH調整剤、樹脂エマルション、酸化剤、酸化防止剤、還元剤、酵素、殺菌剤、消泡剤、研磨剤、その他添加剤を添加することができる。
【0045】
本発明に用いる界面活性剤は、ノニオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、あるいは両性界面活性剤の何れでもよいが、導電率を低く押さえることができる点で、ノニオン界面活性剤が特に好ましい。
【0046】
ノニオン界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレンブロック共重合体、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸アルキロールアミド、アセチレングリコール誘導体(例えば、日信化学社製;商品名「サーフィノール」)等が挙げられる。
【0047】
アニオン界面活性剤としては、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキルナフタリンスルホン酸塩のホルマリン縮合物、高級脂肪酸塩、高級脂肪酸エステルの硫酸エステル塩、高級脂肪酸エステルのスルホン酸塩、高級アルコールエーテルの硫酸エステル塩及びスルホン酸塩、高級アルキルスルホンアミドのアルキルカルボン酸塩、スルホコハク酸塩、そのエステル塩、アルキル亜リン酸塩、アルキルリン酸塩、アルキルホスホン酸塩及びエステル、高級アルコールリン酸エステル塩等が挙げられる。
【0048】
カチオン界面活性剤としては、第一、第二、または第三級のアミン塩、第四級アンモニウム塩等、また、両性界面活性剤としては、ベタイン、スルホベタイン、サルフェートベタイン等が挙げられる。その他、ポリシロキサンポリオキシエチレン付加物等のシリコーン系界面活性剤、パーフルオロアルキルカルボン酸、パーフルオロアルキルスルホン酸、オキシエチレンパーフルオロアルキルエーテル等のフッ素系界面活性剤、天然もしくはバイオサーファクタント類のレシチン、スピクリスポール酸、ラムノリピド、サポニン、コール酸塩等が挙げられる。
【0049】
これらの界面活性剤は、単独であるいは2種以上混合して用いてもよい。これらの界面活性剤の含有量は、インク総量に対して0.001〜7重量%の範囲が好ましく、0.005〜2重量%の範囲がより好ましく、0.005〜1重量%の範囲がさらに好ましい。
【0050】
本発明に用いるハイドロトロピー剤としては、酪酸ナトリウム、サリチル酸ナトリウム等のカルボン酸塩、トルエンスルホン酸ナトリウム等の芳香族スルホン酸塩、エチルアルコール等の低級アルコール、尿素、アセトアミド等が挙げられる。
【0051】
本発明に用いるキレート化剤としては、エチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)、イミノ二酢酸(IDA)、エチレンジアミン−ジ(o−ヒドロキシフェニル酢酸)(EDDHA)、ニトリロ三酢酸(NTA)、ジヒドロキシエチルグリシン(DHEG)、trans-1,2-シクロヘキサンジアミン四酢酸(CyDTA)、ジエチレントリアミン-N,N,N',N'',N'',-五酢酸(DTPA)、グリコールエーテルジアミン-N,N,N',N'−四酢酸(GEDTA)等が挙げられる。
【0052】
本発明に用いる包接化合物としては、尿素、チオ尿素、デスオキシコール酸、ビス−(N,N'−テトラメチレンベンジジン)、シクロファン、シクロデキストリン等が挙げられるが、この中でも、尿素、シクロデキストリンが好ましい。
【0053】
また、必要に応じてpH調整を行うこともできる。インクのpHは、7〜10が好ましい。pH10を越えると記録ヘッド材料の腐蝕や溶解、剥離等の悪影響がある。pH調整剤としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、硫酸ナトリウム、酢酸塩、乳酸塩、安息香酸塩、トリエタノールアミン、アンモニア、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール(AMP)、リン酸アンモニウム、リン酸ナトリウム、リン酸リチウム等のアルカリや、酢酸、塩酸、硝酸、硫酸、リン酸、プロピオン酸、p−トルエンスルホン酸等の有機酸または無機酸がある。また、その他に、一般のpHバッファ類、グッドバッファ類も使用できる。なお、pH調整剤は、これらに限定するものではない。
【0054】
また、必要に応じて樹脂エマルションを添加しても良い。例えば、アクリル系樹脂エマルション、酢酸ビニル系樹脂エマルション、ウレタン系樹脂エマルション、アクリル−スチレン系樹脂エマルション、ブタジエン系樹脂エマルション、スチレン系樹脂エマルション、ポリエステル系樹脂エマルション、シリコン系樹脂エマルション、フッ素系樹脂エマルション、アクリルシリコン系樹脂エマルション等が用いられる。
【0055】
本発明において、インクの表面張力は、20℃で20〜65dyn/cmの範囲にあるのが好ましく、35〜55dyn/cmの範囲がより好ましい。また、インクの粘度は20℃で1〜8cPの範囲が適当である。より好ましくは2〜4cPの範囲である。8cPより大きいと吐出が不安定になり望ましくない。
【0056】
本発明において、インク導電率は、0.5S/m以下であることが好ましく、0.005〜0.4S/mの範囲がより好ましい。ただし、写真画像対応の淡色インクにおいては、インクを希釈しているため、インク導電率は低くてもよい。好ましくは0.005〜0.2S/mである。
顔料を分散するための高分子分散剤は親水基が塩類になっている。インク導電率が0.5S/mを超えると、親水基の塩類に悪影響を与え、インク中での分散剤の親水基の広がりが圧縮されて、分散安定性を損なう。これにより、インク中の色材粒子が凝集し粗粒子が増加する。このため、インク導電率は0.5S/m以下である必要が有り、0.4S/m以下であると、より分散が安定するので、好ましい。
【0057】
本発明において、インク中の、Si、Fe、Ca、Mgの濃度の合計が、30ppm以下であることが好ましく、20ppm以下がより好ましく、15ppm以下がさらに好ましい。
Si、Fe、Ca、Mg等の金属はインク中でイオン化し、多価のカチオンとして存在する。分散剤はアニオンとして水溶化しているため、Si、Fe、Ca、Mgの濃度の合計が、30ppmを超えると、これら微量のカチオンにより分散剤のCOOH基の一部分が中和し、溶解性が低下する。この結果、数平均粒径と体積平均粒径の比が大きくなり、すなわち粒度分布が拡がり、分散安定性が低下する。特に、Si、Feの濃度が、各々5ppm以下であることが好ましい。Si、Feは、上記粒度分布に与える影響が大きく、それぞれ5ppm以下とするのが好ましい。
これらインク中のカチオン濃度は原子吸光法や誘導プラズマ発光分析法で測定することができる。
【0058】
本発明のインクジェット記録用インクは、公知のインク配合物と同様に、原料を混合後、分散機にて分散させて、製造することができる。
また、使用する分散機としては、Si、Fe、Ca、Mg等の金属は、顔料だけでなく、分散メディアからも混入してくるため、分散メディアを使用しないメディアフリーの分散機が好ましい。例えば、マイクロフルイダイザーや超音波ホモジナイザーである。特に、流路構造を持たない超音波ホモジナイザーは流路詰まりが発生しないため好適である。さらに、分散効果が高めるため、分散に使用する水溶液を脱気、脱泡するのが好ましい。
【0059】
(インクジェット記録方法)
本発明のインクジェット記録方法は、インクとして本発明のインクジェット記録用インクを用いるかぎり特に制限はなく、それ自体公知の記録方式を採用することができる。前記インクジェット記録方法は、一般に、記録信号に応じてオリフィスから吐出させたインク液滴を記録媒体に浸透させることにより記録を行う方法である。
本発明のインクジェット記録方法に用いられる記録方式としては、特に制限はないが例えば、静電誘引力を利用してインクを吐出させるいわゆる電荷制御方式、ピエゾ素子の振動圧力を利用してインクを吐出させるいわゆるドロップオンデマンド方式(圧力パルス方式)、およびインクを加熱した気泡を形成、成長させることにより生じる圧力を利用してインク液滴を形成するいわゆる熱インクジェット方式などが挙げられる。
本発明においては、これらの記録方式の中でも熱インクジェット方式が好ましい。インク液滴が、加熱手段からインクジェット記録用インクに熱エネルギーを作用させることにより形成される場合には、吐出安定性が良好となる。
【0060】
以下、図1〜3を参照しながら、熱インクジェット方式による本発明のインクジェット記録方法の好適な一例について説明する。
図1〜3は、熱インクジェット方式に用いられる記録ヘッドの概略図であり、図1は、該記録ヘッドの正面図であり、図2は、該記録ヘッドの平面図であり、図3は図1および図2における点線abに反った該記録ヘッドの断面図である。なお、図1において、矢印A方向は、該記録ヘッドの高さ方向を、矢印B方向は、該記録ヘッドの奥行き方向を、矢印C方向は、該記録ヘッドの長さ方向をそれぞれ示す。
【0061】
記録ヘッド10は、シリコンで形成された直方体状の本体12を備えている。この本体12には、高さ方向(矢印A方向)と平行であり、かつ上面12Aから本体12の高さ方向の略中央まで達する第1流路14が形成されている。
本体12には、奥行き方向(矢印B方向)と平行であり、かつ正面12Bから第1流通路14の手前まで達する直方体状の切欠き12Cが形成され、切欠き12Cの奥行き側には、奥行き方向(矢印B方向)と平行であり、かつ切欠き12Cと第1流通路14とを連通するための連通路16が形成されている。
また、本体12には、奥行き方向(矢印B方向)と平行であり、切欠き12Cと連続する位置に、第2流路18が形成されている。この第2流路18の正面形状は三角形となっており、第2流路18の奥行き方向の長さは、切欠き12Cの奥行き方向の長さよりも若干短く形成されている。
さらに、本体12には、高さ方向(矢印A方向)と平行とされ、かつ連通路16の正面12C側と第2流路18の正面12Cとは反対側とを連通する連通路20が形成されている。
【0062】
切欠き12Cには、ポリイミド樹脂で形成された直方体状のはめ込み部22がはめ込まれ、エポキシ樹脂により固定されている。このはめ込み部22には、第2流路18の下方、かつはめ込み部22の奥行き方向の略中央部の位置に直方体状の切欠き22Aが形成されており、切欠き22A内には図示しないコントローラに接続された加熱手段としての発熱体24が配置されている。即ち、この記録ヘッド10においては、加熱手段としての発熱体24の周囲がポリイミド系樹脂で形成されている。このように、加熱手段の周囲がポリイミド系樹脂で形成されていると、該樹脂がインクジェット記録用インクに含まれる成分に対して、十分な化学耐性を有するため、該加熱手段の周囲の劣化を抑制することができる。
ここで、「加熱手段の周囲」とは、発熱体によって200 ℃以上に加熱される部分であって、インク流路に接する部分をいう。
【0063】
この記録ヘッド10では、第1流路14、連通路16および20、並びに、第2流路18がインク流路を形成しており、第2流路18の正面12B側が吐出口26となっている。そして、インク流路を流れるインクは、第2流路18の下方に配置された発熱体24に加熱され、これによりインク液滴が形成されて、吐出口26より吐出される。
発熱体24の加熱は、記録信号に応じて図示しないコントローラから複数のエネルギーパルスが作用(印加)されることにより行われる。複数のエネルギーパルスの作用を受ける場合には、長期間使用しても、初期の印字品質を保つことができる。
【0064】
また、本発明のインクジェット記録方法は、記録を行う記録工程の外、他の工程を含んでいても良く、例えば、目詰まりを防止する目的のために、記録を行わないときにインク液滴を予備吐出させる予備吐出工程を含んでいることが好ましい。また、印字定着を促進する目的のために、印字または印字前後に被記録用紙及びインクを加熱する加熱工程を含んでいることが好ましい。
さらに、本発明のインクジェット記録方法は、普通紙、光沢紙、特殊紙、布、フィルム、OHP等を記録媒体として、これらに直接印字する方法として使用する他に、中間体ドラムやベルト等に印字し、中間体上でインク画像を整えてから用紙、布、フィルム等の記録媒体に転写記録する方法として使用しても良い。
【0065】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づき、詳細に説明する。
(顔料の洗浄)
カーボンブラック(キャボット社製;商品名「Black Pearls L」)30重量部にイオン交換水210重量部を加え、超音波ホモジナイザーにて10分間超音波をかけた。これを、遠心分離装置で、遠心分離をし(7000rpm10分)、上澄み液を取り除いた。上記操作を繰り返すことにより、カーボンブラックを洗浄した。
カーボンブラック(コロンビアン社製;商品名「Raven780」)についても、同様の方法で洗浄を行った。
【0066】
(インク調製用分散液の作製)
まず、水不溶性色材、高分子分散剤、および水からなるインク調製用分散液を作製した。水不溶性色材としては、顔料であるカーボンブラックを使用した。
各分散液の顔料であるカーボンブラックの種類・一次粒径、高分子分散剤の種類・分子量・溶解性パラメータ(SP)、分散方法、得られたインク調製用分散液のpH値を表1に示す。
また、高分子分散剤の重量平均分子量は、GPC法で測定した。
【0067】
【表1】
Figure 0003982030
【0068】
〔インク調製用分散液1,6,7,13の作製〕
顔料30重量部に高分子分散剤を3重量部加え、更に、イオン交換水を加えて、総量を300重量部とした。この液を超音波ホモジナイザーを用いて15分間分散した後10分室温まで冷却した。更に、分散を15分間続けた。この液を遠心分離装置で、遠心分離を実施(8000rpm15分)した後、1μmのフィルターを通過させインク調製用分散液を得た。
【0069】
〔インク調製用分散液5,11,14の作製〕
顔料30重量部に高分子分散剤を3重量部加え、更に、イオン交換水を加えて、総量を300重量部とした。この液を前記超音波ホモジナイザーを用いて10分間分散した時点で、pH調製を10%NaOH水溶液で行った。更に、分散を20分間続けた。この液を前記遠心分離装置で、遠心分離を実施(8000rpm15分)した後、前記の1μmのフィルターを通過させインク調製用分散液を得た。
【0070】
〔インク調製用分散液2−1の作製〕
顔料30重量部に高分子分散剤を9重量部加え、更に、イオン交換水を加えて、総量を300重量部とした。この液を前記超音波ホモジナイザーを用いて15分間分散した後10分室温まで冷却した。更に、分散を15分間続けた。この液を前記遠心分離装置で、遠心分離を実施(8000rpm15分)した後、前記の1μmのフィルターを通過させインク調製用分散液2−1を得た。
【0071】
〔インク調製用分散液2−2の作製〕
遠心分離の実施条件を、6000rpm15分とした以外は、インク調製用分散液2−1と同様にして、インク調製用分散液2−2を得た。
【0072】
〔インク調製用分散液3の作製〕
顔料30重量部に高分子分散剤を3重量部加え、更に、イオン交換水を加えて、総量を300重量部とした。この液を前記超音波ホモジナイザーを用いて10分間分散した時点で、pH調製を10%KOH水溶液で行った。更に、分散を20分間続けた。この液を前記遠心分離装置で、遠心分離を実施(8000rpm15分)した後、前記の1μmのフィルターを通過させインク調製用分散液を得た。
【0073】
〔インク調製用分散液4の作製〕
分散装置を超音波ホモジナイザーからガラスビーズおよびボールミルでの分散に変更し、未洗浄カーボンブラック(Black Pearls L, キャボット社)30重量部に、高分子分散剤としてスチレン−アクリル酸共重合体Na塩分散剤を3重量部加え、更に、イオン交換水を加えて、総量を300重量部とし、ボールミルで15時間分散した。分散後10%NaOH水溶液でpH調製を行った。更に、この液を前記遠心分離装置で、遠心分離を実施(8000rpm15分)した後、前記の1μmのフィルターを通過させインク調製用分散液を得た。
【0074】
〔インク調製用分散液9の作製〕
分散装置を超音波ホモジナイザーから前記ガラスビーズ/ボールミル分散に変更し、洗浄カーボンブラック(Black Pearls L, キャボット社)30重量部にスチレン/メトキシトリエチレングリコールメタクリレート/メタクリル酸共重合体K塩分散剤を3重量部加え、更に、イオン交換水を加えて、総量を300重量部とし、ボールミルで15時間分散した。分散後10%KOH水溶液でpH調製を行った。更に、この液を前記遠心分離装置で、遠心分離を実施(8000rpm15分)した後、前記の1μmのフィルターを通過させインク調製用分散液を得た。
【0075】
〔インク調製用分散液10の作製〕
顔料30重量部に高分子分散剤を3重量部加え、更に、イオン交換水を加えて、総量を300重量部とした。この液を前記超音波ホモジナイザーを用いて10分間分散した時点で、pH調製を10%KOH水溶液で行った。更に、分散を20分間続けた。この液を前記遠心分離装置で、遠心分離を実施(8000rpm15分)した後、前記の1μmのフィルターを通過させインク調製用分散液を得た。
【0076】
〔インク調製用分散液8,12の作製〕
顔料30重量部に高分子分散剤を3重量部加え、更に、イオン交換水を加えて、総量を300重量部とした。マイクロフルイダイザーで10000psi/30path分散した。分散後10%NaOH水溶液でpH調整を行った。更に、この液を前記遠心分離装置で、遠心分離を実施(8000rpm15分)した後、前記の1μmのフィルターを通過させインク調製用分散液を得た。
【0077】
(実施例1)
得られたインク調製用分散液(1)50重量部に、水溶性有機溶媒であるジエチレングリコール(SP値15.0)15重量部、イソプロピルアルコール(SP値11.6)4重量部を加え、さらにイオン交換水を加えて、総量を100重量部とし、30分間、混合・分散した後、1μmフィルターを通過させて目的のインクジェット記録用インクを得た。
【0078】
(実施例2)
得られたインク調製用分散液(3)50重量部に、水溶性有機溶媒であるチオジエタノール(SP値15.2)15重量部、エタノール(SP値12.6)4重量部を加え、さらにイオン交換水を加えて、総量を100重量部とし、実施例1と同様にして目的のインクジェット記録用インクを得た。
【0079】
(実施例3)
得られたインク調製用分散液(6)50重量部に、水溶性有機溶媒であるグリセリン(SP値20.2)15重量部、イソプロピルアルコール(SP値11.6)4重量部と、アニオン性界面活性剤であるスリーエム社製の「フロラードFC170C」0.01重量部とを加え、さらにイオン交換水を加えて、総量を100重量部とし、実施例1と同様にして目的のインクジェット記録用インクを得た。
【0080】
(実施例4)
得られたインク調製用分散液(10)50重量部に、水溶性有機溶媒であるグリセリン(SP値20.2)15重量部、イソプロピルアルコール(SP値11.6)4重量部と、ノニオン界面活性剤であるポリオキシエチレンアルキルエーテル(ライオン社製;商品名「ドバノックス25N」)0.1重量部とを加え、さらにイオン交換水を加えて、総量を100重量部とし、実施例1と同様にして目的のインクジェット記録用インクを得た。
【0081】
(実施例5)
得られたインク調製用分散液(11)50重量部に、水溶性有機溶媒であるエチレングリコール(SP値17.8)15重量部、エタノール(SP値12.6)4重量部と、ラウリル硫酸エステルナトリウム塩(松本油脂製薬社製;商品名「アクチノールSL−3」)0.1重量部とを加え、さらにイオン交換水を加えて、総量を100重量部とし、実施例1と同様にして目的のインクジェット記録用インクを得た。
【0082】
(実施例6)
得られたインク調製用分散液(8)50重量部に、水溶性有機溶媒であるジエチレングリコール(SP値15.0)15重量部と、ノニオン界面活性剤(日信化学社製;商品名「サーフィノール465」)3重量部とを加え、さらにイオン交換水を加えて、総量を100重量部とし、実施例1と同様にして目的のインクジェット記録用インクを得た。
【0083】
(実施例7)
得られたインク調製用分散液(12)50重量部に、水溶性有機溶媒であるエチレングリコール(SP値17.8)15重量部、イソプロピルアルコール(SP値11.6)4重量部と、ノニオン界面活性剤(BASF社製;商品名「プルロニックPE6400」)3重量部とを加え、さらにイオン交換水を加えて、総量を100重量部とし、実施例1と同様にして目的のインクジェット記録用インクを得た。
【0084】
(実施例8)
得られたインク調製用分散液(6)50重量部に、水溶性有機溶媒であるチオジエタノール(SP値15.2)15重量部、イソプロピルアルコール(SP値11.6)4重量部、2−(2−エトキシエトキシ)エタノール(SP値10.9)3重量部と、ノニオン界面活性剤であるポリオキシエチレンアルキルエーテル(ライオン社製;商品名「ドバノックス25N」)0.1重量部とを加え、さらにイオン交換水を加えて、総量を100重量部とし、実施例1と同様にして目的のインクジェット記録用インクを得た。
【0085】
(実施例9)
得られたインク調製用分散液(6)50重量部に、水溶性有機溶媒であるグリセリン(SP値20.2)15重量部、イソプロピルアルコール(SP値11.6)4重量部、ポリプロピレングリコール(SP値10.3;Mw400)3重量部と、アニオン界面活性剤であるラウリル硫酸エステルナトリウム塩(松本油脂製薬社製;商品名「アクチノールSL−3」)0.1重量部とを加え、さらにイオン交換水を加えて、総量を100重量部とし、実施例1と同様にして目的のインクジェット記録用インクを得た。
【0086】
(実施例10)
得られたインク調製用分散液(2)50重量部に、水溶性有機溶媒であるグリセリン(SP値20.2)15重量部、エタノール(SP値12.6)4重量部を加え、さらにイオン交換水を加えて、総量を100重量部とし、実施例1と同様にして目的のインクジェット記録用インクを得た。
【0087】
(実施例11)
得られたインク調製用分散液(1)50重量部に、水溶性有機溶媒であるグリセリン(SP値20.2)15重量部、イソプロピルアルコール(SP値11.6)4重量部と、尿素5重量部、ノニオン界面活性剤(日信化学社製;商品名「サーフィノール465」)0.05重量部とを加え、さらにイオン交換水を加えて、総量を100重量部とし、実施例1と同様にして目的のインクジェット記録用インクを得た。
【0088】
(実施例12)
得られたインク調製用分散液(6)50重量部に、水溶性有機溶媒であるグリセリン(SP値20.2)15重量部、イソプロピルアルコール(SP値11.6)4重量部と、アクリル系樹脂エマルション2重量部と、ノニオン界面活性剤であるポリオキシエチレンアルキルエーテル(ライオン社製;商品名「ドバノックス25N」)0.03重量部とを加え、さらにイオン交換水を加えて、総量を100重量部とし、実施例1と同様にして目的のインクジェット記録用インクを得た。
【0089】
(実施例13)
得られたインク調製用分散液(5)50重量部に、水溶性有機溶媒であるチオジエタノール(SP値15.2)15重量部、エタノール(SP値12.6)4重量部を加え、さらにイオン交換水を加えて、総量を100重量部とし、実施例1と同様にして目的のインクジェット記録用インクを得た。
【0090】
(実施例14)
得られたインク調製用分散液(2)50重量部に、水溶性有機溶媒である2−ピロリドン(SP値13.1)12重量部、エタノール(SP値12.6)3重量部と、尿素2重量部とを加え、さらにイオン交換水を加えて、総量を100重量部とし、実施例1と同様にして目的のインクジェット記録用インクを得た。
【0091】
(比較例1)
得られたインク調製用分散液(4)50重量部に、水溶性有機溶媒であるチオジエタノール(SP値15.2)15重量部、エタノール(SP値12.6)4重量部とを加え、さらにイオン交換水を加えて、総量を100重量部とし、実施例1と同様にして目的のインクジェット記録用インクを得た。
【0092】
(比較例2)
得られたインク調製用分散液(9)50重量部に、水溶性有機溶媒であるチオジエタノール(SP値15.2)15重量部、イソプロピルアルコール(SP値11.6)4重量部とを加え、さらにイオン交換水を加えて、総量を100重量部とし、実施例1と同様にして目的のインクジェット記録用インクを得た。
【0093】
(比較例3)
得られたインク調製用分散液(2−1)50重量部に、水溶性有機溶媒であるジエチレングリコール(SP値15.0)15重量部、エタノール(SP値12.6)3重量部と、ノニオン界面活性剤であるポリオキシエチレンアルキルエーテル(ライオン社製;商品名「ドバノックス25N」)0.1重量部と、pH緩衝剤であるN,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−2−アミノエタンスルホン酸適量と、水酸化ナトリウム適量とを加え、さらにイオン交換水を加えて、総量を100重量部とし、実施例1と同様にして目的のインクジェット記録用インクを得た。
【0094】
(比較例4)
得られたインク調製用分散液(2−2)50重量部に、水溶性有機溶媒であるジエチレングリコール(SP値15.0)15重量部、エタノール(SP値12.6)4重量部と、アニオン界面活性剤であるラウリル硫酸エステルナトリウム塩(松本油脂製薬社製;商品名「アクチノールSL−3」)0.1重量部とを加え、さらにイオン交換水を加えて、総量を100重量部とし、実施例1と同様にして目的のインクジェット記録用インクを得た。
【0095】
(比較例5)
得られたインク調製用分散液(7)50重量部に、水溶性有機溶媒であるエチレングリコール(SP値17.8)15重量部、エタノール(SP値12.6)4重量部と、ノニオン界面活性剤であるポリオキシエチレンアルキルエーテル(ライオン社製;商品名「ドバノックス25N」)0.03重量部とを加え、さらにイオン交換水を加えて、総量を100重量部とし、実施例1と同様にして目的のインクジェット記録用インクを得た。
【0096】
(比較例6)
得られたインク調製用分散液(6)50重量部に、水溶性有機溶媒であるグリセリン(SP値20.2)5重量部、エタノール(SP値12.6)4重量部、2−(2−エトキシエトキシ)エタノール(SP値10.9)10重量部と、ノニオン界面活性剤(日信化学社製;商品名「サーフィノール465」)0.03重量部とを加え、さらにイオン交換水を加えて、総量を100重量部とし、実施例1と同様にして目的のインクジェット記録用インクを得た。
【0097】
(比較例7)
得られたインク調製用分散液(13)50重量部に、水溶性有機溶媒であるエチレングリコール(SP値17.8)10重量部と、ノニオン界面活性剤であるポリオキシエチレンアルキルエーテル(ライオン社製;商品名「ドバノックス25N」)0.03重量部とを加え、さらにイオン交換水を加えて、総量を100重量部とし、実施例1と同様にして目的のインクジェット記録用インクを得た。
【0098】
(比較例8)
得られたインク調製用分散液(14)50重量部に、水溶性有機溶媒であるエチレングリコール(SP値17.8)15重量部、イソプロピルアルコール(SP値11.6)4重量部と、ノニオン界面活性剤であるポリオキシエチレンアルキルエーテル(ライオン社製;商品名「ドバノックス25N」)0.1重量部とを加え、さらにイオン交換水を加えて、総量を100重量部とし、実施例1と同様にして目的のインクジェット記録用インクを得た。
【0099】
(比較例9)
得られたインク調製用分散液(11)50重量部に、水溶性有機溶媒であるエチレングリコール(SP値17.8)15重量部、ポリプロピレングリコール(Mw400、SP値10.3)3重量部とを加え、さらにイオン交換水を加えて、総量を100重量部とし、実施例1と同様にして目的のインクジェット記録用インクを得た。
【0100】
以下、上記の各実施例及び比較例で得られたインクジェット記録用インクについて、作製直後のインクの特性(インク中の色材の数平均粒子径、体積平均粒径、1μl中に存在する0.5μm以上の粒子数、導電率、無機イオン濃度)と60℃300時間保管後のインク1μl中に存在する0.5μm以上の粒子数とを測定した。測定結果を表2に示す。
また、インク液1μl中に存在する0.5μm以上の色材粒子の粒子数は、米国PARTICLE SIZING SYSTEMS社製の粒径測定装置「Accusizer」で粒子数を測定
した。測定は、インク2μlを50mlの水に希釈して行い、得られた測定結果から0.5μm以上の粒子の総数を計算した。
【0101】
次に、得られたインクジェット記録用インクについて、作製直後と60℃300時間保管後とにおいて、下記の画像品質テストと保存安定性評価とを行った。評価結果を表2に示す。
【0102】
【表2】
Figure 0003982030
【0103】
(画像品質テスト)
実施例及び比較例で作製したインクジェット記録用インクは、富士ゼロックス社で試作したフルカラーインクジェットプリンター(600spi)により、代表的な普通紙であるFX−L紙(富士ゼロックス社製)上に印字を行い、得られた画像について、ソリッド画像の均一性(濃度むら)及びライン画像定着性を評価した。
ソリッド画像の均一性は、得られた画像内の濃度差を測定し、次の基準で序列を付けた。
○・・・・・画像濃度差が0.03以下
△・・・・・画像濃度差が0.03を超えて0.05以下
×・・・・・画像濃度差が0.05を超える
ライン画像定着性は、水性顔料マーカペン(ゼブラ社製;商品名「ZEBRA蛍光OPTEX」)でラインをなぞり、ラインの滲みを10人の官能検査により序列をつけた。評価は次の基準で行った。
○・・・・・良好、△・・・・・受容できる、×・・・・・不良
【0104】
(保存安定性評価)
60℃で300時間保管後のインク1μl中に存在する0.5μm以上の粒子数により以下の基準で判定した。
○・・・・7.5×104 個以下
△・・・・7.5〜8.5×104 個未満
×・・・・8.5×104 個以上
【0105】
以上の実施例から、本発明のインクジェット記録用インクを用いれば、濃度むらがなく、定着性が良好な画像を形成することができ、60℃で300時間という高温長期保管後においても、色剤の凝集がなく、その特性を維持でき、保存安定性に優れていることが分かる。
【0106】
一方、数平均粒径と体積平均粒径の比が2.5を超えると、60℃で300時間保管後のインクにおいて、粗粒子が増加し、濃度むらを生じ、定着性が低下することが分かる(比較例1、2)。インク作製時に1μl中に存在する0.5μm以上の粒子数が7.5×104 個を超えていると、インク作製直後に使用した場合でも濃度むらを生じ、定着性が低下することが分かる(比較例3、4)。インク作製時に数平均粒子径が100nmを超えていると、インク作製直後に使用した場合でも濃度むらを生じ、定着性が低下することが分かる(比較例5)。高分子分散剤の溶解性パラメータ±0.5以内の溶解性パラメータを有する水溶性有機溶媒の全インク重量に対する含有量が5重量%を超えていると、60℃で300時間保管後のインクにおいて、粗粒子が増加し、濃度むらを生じ、定着性が低下することが分かる(比較例6)。高分子分散剤の溶解性パラメータが10〜13の範囲に無いと、60℃で300時間保管後のインクにおいて、粗粒子が増加し、濃度むらを生じ、定着性が低下することが分かる(比較例7)。高分子分散剤が、親水部にCOOH基以外のSO3 H基等を有するものであると、インク作製直後に使用した場合でも濃度むらを生じ、定着性が低下することが分かる(比較例8)。高分子分散剤の溶解性パラメータ−0.5未満の溶解性パラメータを有する水溶性有機溶媒を用いた場合は、60℃で300時間保管後のインクにおいて、粗粒子が増加し、濃度むらを生じ、定着性が低下することが分かる(比較例9)。
【0107】
また、本実施例のインクジェット記録用インクは、画像濃度が高く、フェザリング、耐目詰まり性にも優れていた。
【0108】
【発明の効果】
本発明のインクジェット記録用インクは、水性顔料インクの濃度均一性と保存安定性の課題を達成することができる。
従って、本発明のインクジェット記録用インクは、レポート用紙、コピー用紙、ボンド紙、上質紙等の普通紙上において鮮明で高解像度の高耐水性カラー画像を形成することができ、熱インクジェット方式、或いはピエゾ方式、超音波、電界等を利用したインクジェット記録のためのインクとして好適である。特に、普通紙上に高耐水性フルカラー画像を鮮明にかつ安定に再現し得るインクとして好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、熱インクジェット方式のインクジェット記録装置に用いられる記録ヘッドの一例を説明するための正面図である。
【図2】図2は、熱インクジェット方式のインクジェット記録装置に用いられる記録ヘッドの一例を説明するための平面図である。
【図3】図3は、熱インクジェット方式のインクジェット記録装置に用いられる記録ヘッドの一例であって、図1及び図2に示す記録ヘッドにおける点線ab(奥行き方向)に沿って切断したときの断面図である。
【符号の説明】
10 記録ヘッド
12 本体
12A 上面
12B 正面
12C 切欠き
14 第1流路
16 連通路
18 第2流路
20 連通路
22 はめ込み部
22A 切欠き
24 発熱体
26 吐出口

Claims (22)

  1. 水不溶性色材、高分子分散剤、水溶性有機溶媒、および水を含有するインクジェット記録用インクにおいて、
    前記水不溶性色材が、分散状態での数平均粒子径が10〜100nmの範囲にあり、かつ、該数平均粒径と体積平均粒径の比が2.5以下であり、かつ、1μl中に存在する0.5μm以上の粒子数が7.5×104個以下である粒子からなる色材であり、
    前記高分子分散剤が、スチレン/メタクリル酸共重合体ナトリウム塩、スチレン/メタクリル酸共重合体カリウム塩、スチレン/アクリル酸共重合体ナトリウム塩、スチレン/アクリル酸共重合体カリウム塩、n−ブチルメタクリレート/アクリル酸共重合体カリウム塩、及びスチレン/メチルメタクリレート/メタクリル酸共重合体ナトリウム塩からなる群から選択され、かつ、10以上13以下の溶解性パラメータを有し、
    前記水溶性有機溶媒が、前記高分子分散剤の溶解性パラメータ−0.5以上の溶解性パラメータを有し、かつ、前記高分子分散剤の溶解性パラメータ±0.5以内の溶解性パラメータを有する水溶性有機溶媒の全インク重量に対する含有量が5重量%以下であり、かつ、前記高分子分散剤の溶解性パラメータ+0.5を超える溶解性パラメータを有する水溶性有機溶媒の全インク重量に対する含有量が1〜30重量%であり、
    インク中の、Si、Fe、Ca、Mgの濃度の合計が、30ppm以下である、
    ことを特徴とするインクジェット記録用インク。
  2. インク中の、Si、Fe、Ca、Mgの濃度の合計が、20ppm以下である請求項1に記載のインクジェット記録用インク。
  3. インク中の、Si、Fe、Ca、Mgの濃度の合計が、15ppm以下である請求項1に記載のインクジェット記録用インク。
  4. インク中の、Si、Feの濃度が、各々5ppm以下である請求項1から3までのいずれか一項に記載のインクジェット記録用インク。
  5. 前記水溶性有機溶媒が、ジエチレングリコール、イソプロピルアルコール、チオジエタノール、エタノール、グリセリン、エチレングリコール、2−(2−エトキシエトキシ)エタノール、ポリプロピレングリコール、及び2−ピロリドンからなる群から選択される請求項1から3までのいずれか一項に記載のインクジェット記録用インク。
  6. 前記水不溶性色材が顔料である請求項1から5までのいずれか一項に記載のインクジェット記録用インク。
  7. 電気伝導率が、0.5S/m以下である請求項1から6までのいずれか一項に記載のインクジェット記録用インク。
  8. 電気伝導率が、0.05〜0.4S/mの範囲にある請求項1から6までのいずれか一項に記載のインクジェット記録用インク。
  9. 前記水不溶性色材が、全インク重量に対して0.3〜20重量%含有されてなる請求項1から8までのいずれか一項に記載のインクジェット記録用インク。
  10. 前記水不溶性色材が、全インク重量に対して0.5〜8重量%含有されてなる請求項1から8までのいずれか一項に記載のインクジェット記録用インク。
  11. インク中に含有される前記高分子分散剤が一種類である請求項1から10までのいずれか一項に記載のインクジェット記録用インク。
  12. 前記高分子分散剤が、前記水不溶性色材100重量部に対して0.1〜100重量部含有されてなる請求項1から11までのいずれか一項に記載のインクジェット記録用インク。
  13. 前記高分子分散剤が、重量平均分子量が3,000〜20,000の重合体である請求項1から12までのいずれか一項に記載のインクジェット記録用インク。
  14. 前記高分子分散剤が、前記水不溶性色材100重量部に対して5〜80重量部含有されてなる請求項12に記載のインクジェット記録用インク。
  15. 界面活性剤をさらに含有する請求項1から14までのいずれか一項 に記載のインクジェット記録用インク。
  16. 前記界面活性剤が、全インク重量に対して0.001〜7重量%含有されてなる請求項15に記載のインクジェット記録用インク。
  17. インクのpHが7〜10の範囲にある請求項1から16までのいずれか一項に記載のインクジェット記録用インク。
  18. インクの粘度が1mPa・s以上8mPa・s以下である請求項1から16までのいずれか一項に記載のインクジェット記録用インク。
  19. 前記水不溶性色材の一次粒径が16nm〜28nmである請求項1から18までのいずれか一項に記載のインクジェット記録用インク。
  20. 記録用インク滴を記録信号に応じてオリフィスから吐出させて記録を行うインクジェット記録方法において、
    該記録用インクとして、請求項1から19までのいずれか一項に記載のインクジェット記録用インクを用いることを特徴とするインクジェット記録方法。
  21. 加熱方式を用いてインクを吐出させる請求項20に記載のインクジェット記録方法。
  22. インク吐出時に、複数のパルス印加を行い、液滴を形成して吐出させる請求項20に記載のインクジェット記録方法。
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