JP4794737B2 - インクジェット記録ヘッドのヒータへのコゲ付着低減方法 - Google Patents

インクジェット記録ヘッドのヒータへのコゲ付着低減方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4794737B2
JP4794737B2 JP2001029606A JP2001029606A JP4794737B2 JP 4794737 B2 JP4794737 B2 JP 4794737B2 JP 2001029606 A JP2001029606 A JP 2001029606A JP 2001029606 A JP2001029606 A JP 2001029606A JP 4794737 B2 JP4794737 B2 JP 4794737B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ink
parts
heater
recording head
kogation
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2001029606A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2001294791A (ja
Inventor
隆司 葛城
真 塩谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP2001029606A priority Critical patent/JP4794737B2/ja
Publication of JP2001294791A publication Critical patent/JP2001294791A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4794737B2 publication Critical patent/JP4794737B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Inks, Pencil-Leads, Or Crayons (AREA)
  • Ink Jet (AREA)
  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)
  • Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクに熱エネルギーを印加するためのヒータ表面へのコゲの付着を低減することのできるインクを用いたコゲ付着防止方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、インクジェット方法を用いた印刷には様々な方式が案出されているが、その中でも、例えば、特開昭54−51837号公報等に記載されているインクを熱エネルギーの作用によりインク滴として吐出させるインクジェット方法(所謂、バブルジェット法)は、高密度マルチノズルが非常に簡単であるため、高画質の画像が、高速で且つ非常に安いコストで得られ、しかも、特別なコート層等を有しない普通紙にも印刷できるという特徴を有している。この方法では、記録へッドのヒーターが急速に加熱されることによりヒーター上の液体が気泡を発生し、急激な体積の増大を引き起こし、この急激な体積の増大に基づく作用力によって記録へッド部先端のノズルよりインク液滴が吐出、飛翔して、被記録材に付着して印刷が行われる。
【0003】
しかしながら、この方法では、インクを吐出させる度に記録ヘッドのヒーターが繰返し加熱されるので、大量の印刷を行うと、ヒーター面にインクの分解物(所謂、コゲ)が堆積することがある。このようなコゲが堆積すると、ヒーターからインクに熱エネルギーが有効に伝わらず、吐出する液滴量や吐出する液滴の速度が初期と比べて減少することが起こり、それが画像品質に影響を及ぼしてしまうといった問題が生じることがある。この場合、高い品質の印刷物を続けて得ようとすると、記録へッドを交換する必要が生じる。このような状況は、ユーザにとってトータルでの印刷コストの上昇に繋がる。
【0004】
従って、このような状況をもたらす可能性のあるヒータ上へのコゲの付着をより一層減少させ、記録へッドのより一層の長寿命化を図ることは、バブルジェット法においては、常に、より一層の改善を目指すべき重要な技術課題の一つとなっている。例えば、特開平3−160070号公報には、オキソ陰イオンを含むインクが提案されている。そして、オキソ陰イオンとして、例えば、リン酸塩、ポリリン酸塩、リン酸エステル、ヒ酸塩、モリブデン酸塩、硫酸塩、亜硫酸塩、シュウ酸塩等が挙げられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記したような背景技術に鑑みなされたものであり、本発明は、記録ヘッド内のインクに対して熱エネルギーを印加して、該インクを記録ヘッドから吐出させるためのヒータ表面へのコゲの付着をより一層低減し得る方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、以下の本発明によって達成される。即ち、本発明は、インクに熱エネルギーを印加してオリフィスから該インクを吐出させるためのヒータを備えた記録ヘッドを有するインクジェットプリンタにおける該ヒータ表面へのコゲの付着低減方法であって、該ヒータが、金属及び/又は金属酸化物を含む最表面保護層を備え、且つ、前記インクが、(a)色材、(b)液媒体及び(c)ジグリコール酸を含むインクジェット用インクであることを特徴とするインクジェット記録ヘッドのヒータへのコゲ付着低減方法である。
【0008】
かかる本発明の構成によって、ヒータの最表面保護層へのコゲの付着を極めて有効に低減させることが可能となる。上記構成のインクを用いることで、このような効果が得られる理由は明らかでないが、インク中のジグリコール酸が、ヒータの最表面保護層を構成している金属及び/又は金属酸化物と相互作用し、これにより、コゲの付着の防止、或いはコゲの分解、コゲのヒータ表面からの剥離を促進するものと考えられる。
【0009】
本発明者らの詳細な検討によれば、特に、ヒータの最表面保護層に含まれる金属及び/又は金属酸化物を、タンタル及び/又はタンタルの酸化物とした場合に、その効果はより顕著なものとなることがわかった。更に、該ヒータに対して投入するエネルギー量をEop、インクを吐出させるために最低限必要な該ヒータへの投入エネルギー量をEthとしたときに、Eop/Ethの値が下記の関係を満たす様に該ヒータへのエネルギー投入量を適宜に設定することで、本発明のコゲ防止効果をより一層優れたものとできると共に、吐出耐久性にも優れたものとできることもわかった。
1.10≦Eop/Eth≦1.80
【0020】
【発明の実施の形態】
次に、好ましい実施の形態を挙げて、本発明をより詳細に説明する。先ず、本発明で使用するインクの構成成分について説明する。
[第1の態様]
本発明の第1の態様は、少なくとも(a)色材、(b)液媒体及び(c)ジグリコール酸及びジグリコール酸の塩から選択される少なくとも1つ以上の化合物を含むインクを使用する点に1つの特徴を有している。
(ジグリコール酸及びジグリコール酸の塩)
本発明で使用するジグリコール酸及びジグリコール酸の塩について述べる。
本発明者らは、インクを熱エネルギーの作用によりインク滴として吐出させるインクジェット記録方法において、該インクジェット記録用へッドのヒーター上に付着するコゲを低減する方法について鋭意検討した結果、使用するインクに、下記式で示されるジグリコール酸を含ませることにより、非常に効果的にコゲの発生を低減することができることを知見して本発明に至った。
Figure 0004794737
【0021】
更に、インクジェット記録方法に用いるインクは、適宜なpHに調整して使用されるが、ジグリコール酸を含むインクの場合には、その際に、アルカリでpH調整して使用することが好ましい。この際に使用できるアルカリとしては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、有機アミン(例えば、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン等)が挙げられる。
また、ジグリコール酸の塩としては、例えば、ジグリコール酸リチウム、ジグリコール酸ナトリウム、ジグリコール酸カリウム、ジグリコール酸アンモニウム等が挙げられる。
ジグリコール酸及びジグリコール酸の塩のインク中における総含有量は、インク全量に対して0.005〜20重量%とすることが好ましく、更には、インク全量に対して0.05〜12重量%であることが好ましい。この範囲内であれば、初期のコゲ低減効果が発現し、又、ノズル詰まりを起こす可能性も殆どない。
【0022】
(色材)
上記したジグリコール酸やジグリコール酸の塩と共に、本発明で使用するインクを構成する色材について説明する。色材としては、染料又は顔料を用いるのが好ましい。
【0023】
(染料)
染料としては、例えば、直接染料、酸性染料、塩基性染料、分散染料等、あらゆる染料を用いることができる。具体的には、例えば、
C.I.ダイレクトブラック−4、−9、−11、−17、−19、−22、−32、−80、−151、−154、−168、−171、−194、−195、
C.I.ダイレクトブルー−1、−2、−6、−8、−22、−34、−70、−71、−76、−78、−86、−142、−199、−200、−201、−202、−203、−207、−218、−236、−287、
C.I.ダイレクトレッド−1、−2、−4、−8、−9、−11、−13、−15、−20、−28、−31、−33、−371−39、−51、−59、−62、−63、−73、−75、−80、−81、−83、−87、−90、−94、−95、−99、−101、−110、−189、−225、−227、
C.I.ダイレクトイエロー−1、−2、−4、−8、−11、−12、−26−27、−28、−33、−34、−41、−44、−48、−86、−87、−88、−132、−135、−142、−144、
【0024】
C.I.フードブラック−1、−2、
C.I.アシッドブラック−1、−2、−7、−16、−24、−26、−28、−31、−48、−52、−63、−107、−112、−118、−119、−121、−172、−194、−208、
C.I.アシッドブルー−1、−7、−9、−15、−22、−23、−27、−29、−40、−43、−55、−59、−62、−78、−80、−81、−90、−102、−104、−111、−185、−254、
C.I.アシッドレッド−1、−4、−8、−13、−14、−15、−18、−21、−26、−35、−37、−52、−249、−257、−289、
C.I.アシッドイエロー−1、−3、−4、−7、−11、−12、−13、−14、−19、−23、−25、−34、−38、−41、−42、−44、−53、−55、−61、−71、−76、−79、
【0025】
C.I.リアクティブブルー−1、−2、−3、−4、−5、−7、−8、−9、−13、−14、−15、−17、−18、−19、−20、−21、−25、−26、−27、−28、−29、−31、−32、−33、−34、−37、−38、−39、−40、−41、−43、−44、−46、
C.I.リアクティブレッド−1、−2、−3、−4、−5、−6、−7、−8−11、−12、−13、−15、−16、−17、19、−20、−21、−22、−23、−24、−28、−29、−31、−32、−33、−34、−35、−36、−37、−38、−39、−40、−41、−42、−43、−45、−46、−49、−50、−58、−59、−63、−64、−180、
C.I.リアクテイブイエロー−1、−2、−3、−4、−6、−7、−11、−12、−13、−14、−15、−16、−17、−18、−22、−23、−24、−25、−26、−27、−37、−42、
C.I.リアクティブブラック−1、−3、−4、−5、−6、−8、−9、−10、−12、−13、−14、−18、
プロジェットファストシアン2(Zeneca社)、プロジェットファストマゼンタ2(Zeneca社)、プロジェットファストイエロー2(Zeneca社)、プロジェットファストブラック2(Zeneca社)等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0026】
(顔料)
顔料としては、例えば、無機顔料や有機顔料等あらゆる顔料を用いることができる。具体的には、カーボンブラック、
C.I.ピグメントイエロー−1、−2、−3、−12、−13、−14、−16−17、−73、−74、−75、−83、−93、−95、−97、−98、−114、−128、−129、−151、−154、−195、
C.I.ピグメントレッド−5、−7、−12、−48(Ca)、−48(Mn)、−57(Ca)、57:1、57(Sr)、112、122、123、168、184、202、
C.I.ピグメントブルー−1、−2、−3、−15:3、−15:34、−16、−22、−60、
C.I.ヴァットブルー−4、−6
等が挙げられる。
【0027】
(分散剤)
上記に挙げたような顔料をインクの色材として使用する場合には、顔料をインク中に安定に分散させるために分散剤を併用することが好ましい。その場合には、予め顔料分散液を作製し、これを色材として用い、液媒体に分散させて使用する。この際に使用する分散剤としては、高分子分散剤や界面活性剤系分散剤等を用いることができる。高分子分散剤の具体例としては、例えば、ポリアクリル酸塩、スチレン−アクリル酸共重合物塩、スチレン−メタクリル酸共重合物塩、スチレン−アクリル酸−アクリル酸エステル共重合物塩、スチレン−マレイン酸共重合物塩、アクリル酸エステル−マレイン酸共重合物塩、スチレン−メタクリルスルホン酸共重合物塩、ビニルナフタレン−マレイン酸共重含物塩、β−ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物塩、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール等が挙げられる。中でも、その重量平均分子量が1,000〜30,000であって、酸価が100〜430の範囲のものを使用することが好ましい。
【0028】
界面活性剤系分散剤としては、例えば、ラウリルベンゼンスルホン酸塩、ラウリルスルホン酸塩、ラウリルベンゼンカルボン酸塩、ラウリルナフタレンスルホン酸塩、脂肪族アミン塩、ポリエチレンオキサイド縮合物等が挙げられ、これらをいずれも使用することができる。これらの分散剤の使用量としては、顔料の使用重量:分散剤の使用重量=10:5〜10:0.5の範囲とすることが好ましい。
【0029】
(自己分散型カーボンブラック)
本発明においては、例えば、特開平5−186704号公報や特開平8−3498号公報に記載されているような、カーボンブラックの表面に親水性基を導入することにより自己分散が可能になったカーボンブラック顔料を、色材として使用することもできる。このような自己分散が可能なカーボンブラックを使用すれば、上記に挙げたような分散剤を必ずしも使用する必要がなくなる。
【0030】
インクの色材として用いる上記に挙げた染料や顔料は、1種類で用いてもよいし、又は、調色のために2種以上を組合わせて用いてもよい。又、これら染料及び顔料の濃度は特に限定されないが、通常は、インク全量に対して0.1〜20重量%の範囲から適宜に選択される。
【0031】
(液媒体)
次に、本発明に用いられるインクを構成する液媒体について説明する。本発明においては、インクの液媒体として、水と水溶性有機溶剤との混合溶媒を用いることが好ましい。
本発明に使用する水は、種々のイオンを含有する一般の水ではなく、脱イオン水を使用することが望ましい。又、水の含有量としては、インク全量に対して、好ましくは35〜96重量%の範囲とすることが好ましい。水と混合して用いる水溶性有機溶剤としては、下記に挙げるような水溶性有機溶剤の中から、目的に併せて適宜に選択して使用すればよい。水溶性有機溶剤は、例えば、インクの粘度を使用上好ましい適当な粘度に調整するため、インクの乾燥速度を遅らせるため、色材の溶解性を高め、記録ヘッドのノズルの目詰まりを防止するため等、種々の目的で用いられる。
【0032】
水溶性有機溶剤としては、具体的には、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、n−ペンタノール等の炭素数1〜5のアルキルアルコール類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類;アセトン、ジアセトンアルコール等のケトン又はケトアルコール類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のオキシエチレン又はオキシプロピレン共重合体;エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2,6−へキサントリオール等のアルキレン基が2〜6個の炭素原子を含むアルキレングリコール類;グリセリン;トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン:エチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル、ジエチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル、トリエチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル等の低級アルキルエーテル類;トリエチレングリコールジメチル(又はエチル)エーテル、テトラエチレングリコールジメチル(又はエチル)エーテル等の多価アルコールの低級ジアルキルエーテル類;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン類;スルホラン、N−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等が挙げられる。上記の如き水溶性有機溶剤は、単独でも或いは混合物としても使用することができる。
【0033】
(添加剤)
又、本発明で使用するインクのpH値を一定にして、インク中における染料の溶解性及び顔料の分散性を安定化させるために、インク中にpH調整剤を含有させてもよい。pH調整剤としては、具体的には、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム及び水酸化アンモニウム等の水酸化物、硫酸リチウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム及び硫酸アンモニウム等の硫酸塩、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウムカリウム、炭酸アンモニウム及び炭酸水素アンモニウム等の炭酸塩、リン酸リチウム、リン酸一ナトリウム、リン酸二ナトリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸一カリウム、リン酸二カリウム、リン酸三カリウム、リン酸一アンモニウム、リン酸二アンモニウム、リン酸三アンモニウム等のリン酸塩、酢酸リチウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム及び酢酸アンモニウム等の酢酸塩等が挙げられる。
【0034】
これらの塩は、単独でインク中に添加させて使用してもよいが、これらのうちの2種類以上の塩を併用するのが更に好ましい。又、これらの塩の総添加量は、好ましくは0.1〜10重量%、更に好ましくは1〜8重量%である。該添加量が0.1重量%より少ないとインクのpHを一定に保つことが困難であり、インク中に含まれている水性染料の溶解安定性に効果が少ない。一方、10重量%より多いと、これらの塩の結晶が析出してノズルの目詰まり等を引き起こすため、かえって好ましくない。
【0035】
更に、本発明のインクには、上記の成分の他に必要に応じて、従来公知の一般的な各種添加剤である、例えば、粘度調整剤、防かび剤、防腐剤、酸化防止剤、消泡剤、界面活性剤、尿素等のノズル乾燥防止剤を適宜併用することができる。
【0036】
(インク物性)
又、上記のような組成を有する本発明のインクの物性として好適な範囲は、インクジェット記録に特に好適な、25℃付近におけるpH値が、好ましくは3〜12、より好ましくは4〜10、表面張力が、好ましくは10〜60mN/m(dyn/cm)、より好ましくは15〜50mN/m(dyn/cm)、粘度が、好ましくは1〜30cps、より好ましくは1〜10cpsの範囲である。
【0037】
(記録方法)
本発明のインクを用いて記録を行うのに好適な記録方法は、記録へッドの室内のインクに記録信号に対応した熱エネルギーを与え、該エネルギーにより液滴を発生させるインクジェット記録方法であるが、以下に、上記の様にして構成されたインクを好適に使用できる記録装置について図を用いて以下に説明する。
先ず、熱エネルギーを利用したインクジェット記録装置の主要部であるヘッド構成の一例を、図1及び図2に示した。図1は、インク流路に沿ったヘッド13の断面図であり、図2は図1のA−B線での切断面図である。ヘッド13は、インクを通す流路(ノズル)14を有するガラス、セラミック、シリコン、ポリサルホン又はプラスチック板等と発熱素子基板15とを接着して得られる。発熱素子基板15は、酸化シリコン、窒化シリコン、炭化シリコン等で形成される保護層16−1、白金等の金属又は白金の酸化物等の金属の酸化物、好ましくは、タンタル又はタンタルの酸化物等で形成される最表面保護層16−2、アルミニウム、金、アルミニウム−銅合金等で形成される電極17−1及び17−2、ハフニウムボライド、窒化タンタル、タンタルアルミニウム等の高融点材料から形成される発熱抵抗体層18、酸化シリコン、酸化アルミニウム等で形成される蓄熱層19、シリコン、アルミニウム、窒化アルミニウム等の放熱性のよい材料で形成される基板20よりなっている。
【0038】
上記へッド13の電極17−1及び17−2にパルス状の電気信号が印加されると、発熱素子基板15のnで示される領域(ヒーター)が急速に発熱し、この表面に接しているインク21に気泡が発生し、その圧力でメニスカス23が突出し、インク21がへッドのノズル14を通して吐出し、吐出オリフィス22よりインク小滴24となり、被記録材25に向かって飛翔する。図3には、図1に示したヘッドを多数並べたマルチヘッドの一例の外観図を示す。このマルチヘッドは、マルチノズル26を有するガラス板27と、図1に説明したものと同じような発熱ヘッド28を接着して作られている。
【0039】
(ヒーターへの印加エネルギー量)
次に、γ値について説明する。γ値とは、バブルジェットヘッドがぎりぎり吐出可能な臨界エネルギーに対する実際に投入するエネルギーの比を表わす因子である。即ち、バブルジェットヘッドに印加するパルスの幅をPとし(複数のパルスを分割して与える時はその合計幅)、印加する電圧をV、ヒーターの抵抗をRとする時、投入エネルギーEは、下記式(A)と表わすことができる。
E=P×V2/R (A)
この時、バブルジェットヘッドがぎりぎり吐出できるエネルギーをEthとし、実際に駆動を行う時の投入エネルギーをEopとすれば、γ値は、下記式(B)で与えられる。
γ=Eop/Eth (B)
そして、バブルジェットヘッドの駆動条件からγ値を求める方法としては、例えば、以下の二つの方法で行うことが可能である。
【0040】
(1)パルス幅が固定している場合
先ず、与えられたパルス幅で、バブルジェットヘッドが吐出する適当な電圧を見つけて駆動する。次に、徐々に電圧を下げてゆき、吐出が止まる電圧を見つける。この電圧の直前の吐出可能な最小電圧をVthとする。実際に駆動で使用されている電圧をVopとすれば、γ値は、下記式(C)で求められる。
γ=(Vop/Vth)2 (C)
【0041】
(2)電圧が固定している場合
先ず、与えられた電圧で、バブルジェットヘッドが吐出する適当なパルス幅を見つけて駆動する。次に、徐々にパルス幅を短くしてゆき、吐出が止まるパルス幅を見つける。このパルス幅の直前の吐出可能な最小パルス幅をPthとする。実際に駆動で使用されているパルス幅をPopとすれば、γ値は、下記式(D)で求められる。
γ=Pop/Pth (D)
【0042】
尚、ここでの電圧値はBJヒーターを発熱させるためにヒーター部に実際にかかる電圧である。へッドの外部から投入した電圧は、接点や配線抵抗等で電圧降下することがあるが、へッドの外部からVthとVopの測定を行う場合、これらの電圧変動分が両方の値に含めて測定されるので、電圧変動分が大きくない限り、これらの値を直接用いてγ値を計算しても誤差は少なく、これによる値をγ値として用いることに何ら支障はない。
又、実際のプリンターで記録を行っている際には、複数のヒーターが駆動されるために1つのヒーターに対する電圧がこの影響を受けて変動する可能性があることに注意する必要がある。
【0043】
更に、前記式(A)と式(B)から、同一γ値においては、Vの2乗とPは反比例するように見えるが、実際には、パルス波形が矩形にならない等の電気的問題、パルス波形が異なるとヒーター周辺の熱拡散が異なる等の熱的問題、電圧が異なるとヒーターからインクへの熱流束が異なり発泡状態が変化する等のバブルジェット特有の問題等があって、Vの2乗とPは単純な関係にはない。従って、上記(1)及び(2)で述べた方法は、夫々独立して扱われなければならず、一方の値から計算で他方の値に変換することは誤差を生じる原因となることに注意しなければならない。本発明では、特に断らない限り、上記(1)の方法で求めた値をγ値として用いることとする。
【0044】
インクの安定的な吐出のためには、γ値を1.12〜1.96程度で駆動するのが一般的である。しかし、ジグリコール酸を含むインクに熱エネルギーを印加して記録ヘッドから吐出させる場合、γ値を所定の範囲、具体的には、1.10〜1.80で駆動することがヒータへのコゲの付着を防止し、ひいては記録ヘッドのより一層の長寿命化を図ることができ、好ましいものである。この範囲でコゲの付着が特に有効に防止でき、又、記録へッドの長寿命化を図れる理由は明らかでないが、ヒーターに過大にエネルギーが供給されることによってヒーター表面温度が過大に高くなることがなく、ジグリコール酸による金属の侵食が過度に起こることがないためであると考えられる。
【0045】
(インクジェット記録装置)
図4に、本態様に用い得るインクジェット記録装置の一例を示す。図4において、61はワイピング部材としてのブレードであり、その一端はブレード保持部材によって保持固定されており、カンチレバーの形態をなす。ブレード61は記録ヘッド65による記録領域に隣接した位置に配置され、又、本例の場合、記録ヘッド65の移動経路中に突出した形態で保持される。62は記録へッド65の突出口面のキャップであり、ブレード61に隣接するホームポジションに配置され、記録へッド65の移動方向と垂直な方向に移動して、インク吐出口面と当接し、キャッピングを行う構成を備える。更に、63はブレード61に隣接して設けられるインク吸収体であり、ブレード61と同様、記録ヘッド65の移動経路中に突出した形態で保持される。上記ブレード61、キャップ62及びインク吸収体63によって吐出回復部64が構成され、ブレード61及びインク吸収体63によって吐出口面に水分、塵埃等の除去が行われる。
【0046】
65は、吐出エネルギー発生手段を有し、吐出口を配した吐出口面に対向する被記録材にインクを吐出して記録を行う記録へッド、66は記録へッド65を搭載して記録へッド65の移動を行うためのキャリッジである。キャリッジ66はガイド軸67と摺動可能に係合し、キャリッジ66の一部はモーター68によって駆動されるベルト69と接続(不図示)している。これによりキヤリッジ66はガイド軸67に沿った移動が可能となり、記録ヘッド65による記録領域及びその隣接した領域の移動が可能となる。
【0047】
51は被記録材を挿入するための紙給部、52は不図示のモーターにより駆動される紙送りローラーである。これらの構成により記録ヘッド65の吐出口面と対向する位置へ被記録材が給紙され、記録が進行につれて排紙ローラー53を配した排紙部へ排紙される。以上の構成において記録ヘッド65が記録終了してホームポジションヘ戻る際、吐出回復部64のキャップ62は記録ヘッド65の移動経路から退避しているが、ブレード61は移動経路中に突出している。その結果、記録ヘッド65の吐出口がワイピングされる。
【0048】
尚、キャップ62が記録へッド65の吐出面に当接してキャッピングを行う場合、キャップ62は記録ヘッドの移動経路中に突出するように移動する。記録ヘッド65がホームポジションから記録開始位置へ移動する場合、キャップ62及びブレード61は上記したワイピングの時の位置と同一の位置にある。この結果、この移動においても記録ヘッド65の吐出口面はワイピングされる。上述の記録ヘッドのホームボジションへの移動は、記録終了時や吐出回復時ばかりでなく、記録ヘッドが記録のために記録領域を移動する間に所定の間隔で記録領域に隣接したホームポジションヘ移動し、この移動に伴って上記ワイピングが行われる。
【0049】
図5は、記録ヘッドにインク供給部材、例えば、チューブを介して供給されるインクを収容したインクカートリッジの一例を示す図である。ここで40は供給用インクを収容したインク収容部、例えば、インク袋であり、その先端にはゴム製の栓42が設けられている。この栓42に針(不図示)を挿入することにより、インク袋40中のインクをヘッドに供給可能にする。44は廃インクを受容するインク吸収体である。インク収容部としてはインクとの接液面がポリオレフィン、特にポリエチレンで形成されているものが好ましい。
【0050】
本発明で使用されるインクジェット記録装置としては、上述のようにヘッドとインクカートリッジとが別体となったものに限らず、図6に示すようなそれらが一体になったものにも好適に用いられる。図6において、70は記録ユニットであり、この中にはインクを収容したインク収容部、例えば、インク吸収体が収納されており、かかるインク吸収体中のインクが複数オリフィスを有するヘッド部71からインク滴として吐出される構成になっている。インク吸収体の材料としてはポリウレタンを用いることが木発明にとって好ましい。又、インク吸収体を用いず、インク収容部が内部にバネ等を仕込んだインク袋であるような構造でもよい。72はカートリッジ内部を大気に連通させるための大気連通口である。この記録ユニット70は図4に示す記録ヘッド65に換えて用いられるものであって、キャリッジ66に対して着脱自在になっている。
【0051】
[第2の態様]
本発明にかかる第2の実施態様は、少なくとも(a)色材、(b)液媒体及び(c)イミノ二酢酸及びイミノ二酢酸の塩から選択される少なくとも1つ以上の化合物を含むインクを使用する点に一つの特徴を有する。
(イミノ二酢酸及びイミノ二酢酸の塩)
本態様で使用するイミノ二酢酸及びイミノ二酢酸の塩について述べる。
本発明者らは、インクを熱エネルギーの作用によりインク滴として吐出させるインクジェット記録方法において、該インクジェット記録用へッドのヒーター上に付着するコゲを低減する方法について鋭意検討した結果、使用するインクに、下記式で示されるイミノ二酢酸を含ませることにより、非常に効果的にコゲの発生を低減することができることを知見して本発明に至った。
Figure 0004794737
【0052】
更に、インクジェット記録方法に用いるインクは、適宜なpHに調整して使用されるが、イミノ二酢酸を含むインクの場合には、その際に、アルカリでpH調整して使用することが好ましい。この際に使用できるアルカリとしては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、有機アミン(例えば、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン等)が挙げられる。
また、イミノ二酢酸の塩としては、例えば、イミノ二酢酸リチウム、イミノ二酢酸ナトリウム、イミノ二酢酸カリウム、イミノ二酢酸アンモニウム等が挙げられる。
イミノ二酢酸及びイミノ二酢酸の塩のインク中における総含有量は、インク全量に対して0.005〜20重量%とすることが好ましく、更には、インク全量に対して0.05〜12重量%であることが好ましい。上記の範囲内とすることで、コゲの低減効果を十分に享受することができる。又、ノズル詰まりを起こす可能性を低減させることもできる。
【0053】
第2の態様にかかるインクに用い得る色材、液媒体及びその他の添加剤等については、前述した、第1の態様にかかるインクに用いることができるものを同様に用いることができる。又、第2の態様にかかるインクの物性もまた、第1の態様にかかるインクのそれと同様とすることが好ましい。更に、本態様にかかるインクを用いた記録方法や記録装置もまた、第1の態様にかかるものと同様の方法並びに装置を用いることができる。
【0054】
一方、第2の態様においては、ヒーターへの好ましい印加エネルギー量の範囲は、第1の態様のそれとは異ならせることが好ましい。即ち、イミノ二酢酸を含むインクを用いる本態様においては、γ値を1.10〜1.70の範囲内で駆動することが、ヒーターへのコゲの付着を抑制、或いは防止し、ひいては記録ヘッドのより一層の長寿命化を図ることができ、好ましいものである。この範囲でコゲの付着が特に有効に防止でき、又、記録へッドの長寿命化を図れる理由は明らかでないが、上記印加エネルギー量の範囲であれば、ヒーターに過大にエネルギーが供給されることによってヒーター表面温度が過大に高くなることがなく、イミノ二酢酸による金属の過度の侵食を有効に抑制することができるためであると考えられる。
【0055】
【実施例】
次に、実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、下記の実施例により何ら限定されるものではない。尚、文中「部」及び「%」とあるのは、特に断りのない限り重量基準である。又、各実施例及び比較例に記載のインク組成は、特に断りない限り全量が100部となる様に調製した。
【0056】
[第1の実施態様]
<実施例1〜3及び比較例1>
下記に示す各成分を混合し、充分撹拌して溶解させた後、ポアサイズ0.2μmのミクロフィルター(富士写真フィルム(株)製)にて加圧濾過して実施例1のインクを調製した。又、実施例1のインクの組成より、ジグリコール酸とpH調整用の1.6%の水酸化ナトリウムとを抜いた組成の比較例1のインクを調製した。
【0057】
実施例1のインク組成
・プロジェットファストブラック2
(Zeneca社) 2部
・ジエチレングリコール 10部
・ジグリコール酸 2部
・水酸化ナトリウム 1.7部
・水 84.3部
【0058】
比較例1のインク組成
・プロジェットファストブラック2
(Zeneca社) 2部
・ジエチレングリコール 10部
・水酸化ナトリウム 0.1部
・水 87.9部
【0059】
<評価1>
上記の実施例1のインクを用いて、記録信号に応じた熱エネルギーをインクに付与することによりインクを吐出させるオンデマンド型マルチ記録へッド(BC−02(キヤノン(株)製):ヒーター上の最表面保護層は、タンタル及びタンタルの酸化物より成る)を有するインクジェット記録装置で、下記の条件でインクを吐出させて記録を行なって評価した。上記インクジェット記録装置のインクの吐出条件は、実施例1では、パルス幅1.1μs(On)+3.0μs(Off)+3.2μs(On)、駆動周波数6,250Hzで、Vth(吐出するぎりぎりの臨界電圧)を実測し、γ値=1.39に相当するVop(駆動電圧)をかけてインクを吐出させた。そして、この条件でインクジェット記録を行なった場合のインクジェット記録ヘッドにおける吐出耐久性及びヒーターへのコゲ付着を下記の方法及び基準で評価し、その結果を表1に示した。尚、上記Vop(駆動電圧)は、Vthの値から次式により算出した。
op=√γ×Vth
【0060】
(吐出耐久性)
前記装置と駆動条件で連続吐出を行い、1×106発おきに記録へッドから吐出される液滴を容器に収集して、電子天秤で秤量した。容器の増加量より1×106発における平均の吐出液滴量を算出した。尚、連続吐出は1×108発まで行い、下記の基準で評価した。
A:9.9×107〜1×108発間の平均の吐出液滴量が0〜1×106発後の平均の吐出液滴量と比べて90%以上。
B:9.9×107〜1×108発間の平均の吐出液滴量が0〜1×106発後の平均の吐出液滴量と比べて90%未満〜70%。
C:9.9×107〜1×108発間の平均の吐出液滴量が0〜1×106発後の平均の吐出液滴量と比べて70%未満。
D:途中で吐出不能に陥った。
【0061】
(コゲ付着量)
上記へッドの吐出耐久性で評価の終了した記録へッドを分解し、吐出耐久に使用したノズルのヒーター表面を光学顕微鏡(倍率400倍)で目視して、コゲの付着量を下記の基準で評価した
A:コゲの付着が殆ど見られない。
B:コゲの付着が僅かに見られる。
C:コゲの付着が多く見られる。
D:コゲの付着が非常に多く見られる。
【0062】
更に、上記で得られた実施例1のインクを用いて、γ値=1.10に相当するVop(駆動電圧)でインクを吐出させたものを実施例2とし、同様に、γ値=1.79に相当するVop(駆動電圧)でインクを吐出させたものを実施例3とした。ジグリコール酸を含まない比較例1のインクを用いて、γ値=1.39に相当するVop(駆動電圧)でインクを吐出させたものも実施例1と同様の方法及び基準で評価を行ない、その結果を表1に示した。
【0063】
Figure 0004794737
【0064】
<実施例4〜12>
下記に示す各成分を混合し、充分攪拌して溶解させた後、ポアサイズ0.2μmのミクロフィルター(富士写真フィルム(株)製)にて加圧濾過して実施例4〜7の染料インクを調製した。更に、下記に示す各成分を用いて顔料分散液を作製した後、該分散液を含む下記に示すインク組成を混合したものを、ポアサイズ3.0μmのメンブレンフィルター(住友電工(株)製)で加圧濾過して実施例8〜12の顔料インクを調製した。
【0065】
実施例4のインク組成
・プロジェットファストイエロー2
(Zeneca社) 3部
・ジエチレングリコール 10部
・ジグリコール酸 1部
・水酸化ナトリウム 0.8部
・水 85.2部
【0066】
実施例5のインク組成
・プロジェットファストマゼンタ2
(Zeneca社) 3部
・ジエチレングリコール 10部
・ジグリコール酸 1部
・水酸化ナトリウム 1.6部
・水 84.4部
【0067】
実施例6のインク組成
・プロジェットファストシアン2
(Zeneca社) 4部
・ジエチレングリコール 10部
・ジグリコール酸 2部
・水酸化ナトリウム 1.6部
・水 82.4部
【0068】
実施例7のインク組成
・プロジェットファストブラック2
(Zeneca社) 2部
・グリセリン 5部
・ジエチレングリコール 5部
・尿素 4部
・2−プロパノール 3.5部
・ジグリコール酸 5部
・水酸化ナトリウム 4部
・硫酸アンモニウム 0.1部
・水 71.4部
【0069】
実施例8のインクの作成
(顔料分散液1の調製)
・スチレン-アクリル酸-アクリル酸ブチル共重合体
(酸価116、平均分子量3,700) 5部
・トリエタノールアミン 0.5部
・ジエチレングリコール 5部
・水 69.5部
【0070】
上記成分を混合し、ウォーターバスで70℃に加温し、樹脂成分を完全に溶解させる。この溶液にカーボンブラック「MA−100」(pH3.5;三菱化学(株)製)15部、2−プロパノール5部を加え、30分間プレミキシングを行った後、下記の条件で分散処理を行った。
分散機:サンドグラインダー(五十嵐機械製)
粉砕メディア:ジルコニウムビーズ1mm径
粉砕メディアの充填率:50%(体積)
粉砕時間:3時間
更に、遠心分散処理(12,000rpm、20分間)を行い、粗大粒子を除去して顔料分散液1とした。
【0071】
(インクの調製)
以下の各成分をビーカーにて混合し、25℃にて3時間攪拌したものを本発明に使用する実施例8のインクとした。
・顔料分散液1 30部
・ジエチレングリコール 10部
・2−プロパノール 2部
・ジグリコール酸 1部
・水酸化ナトリウム 0.8部
・水 56.2部
【0072】
実施例9のインクの作成
(顔料分散液2の調製)
市販の酸性カーボンブラック「MA77」(pH3;三菱化学(株)製)300gを水1,000mlによく混合した後、これに次亜塩素酸ソーダ(有効塩素濃度12%)450gを滴下して、100〜105℃で10時間攪拌した。得られたスラリーを東洋ろ紙No2(アドバンティス社製)でろ過し、顔料粒子を十分に水洗した。この顔料ウェットケーキを水3,000mlに再分散し、電導度0.2μsまで逆浸透膜で脱塩した。更に、この顔料分散液(pH=8〜10)を顔料濃度10重量%に濃縮し、顔料分散液2とした。上記の方法によりカーボンブラックの表面には−COONa基が導入され、この結果、自己分散性を有するものとなる。
【0073】
(インクの調製)
以下の各成分をビーカーにて混合し、25℃にて3時問攪拌した。この混合物をポアサイズ3.0μmのメンブランフィルター(住友電工(株)製)で加圧ろ過したものを本発明に使用する実施例9のインクとした。
・顔料分散液2 30部
・グリセリン 5部
・トリメチロールプロパン 5部
・アセチレングリコールエチレンオキサイド付加物
(商品名:アセチレノール EH、川研ファイン
ケミカル製) 0.2部
・ジグリコール酸 1部
・水酸化ナトリウム 0.8部
・水 58部
【0074】
実施例10のインクの作成
(顔料分散液3の調製)
・スチレン−アクリル酸共重合体(酸価200、
平均分子量7,000) 5.5部
・モノエタノールアミン 1.0部
・イオン交換水 67.5部
・ジエチレングリコール 5.0部
上記成分を混合し、ウォーターバスで70℃に加温し、樹脂分を完全に溶解させた。この溶液にC.I.Pigment Yellow93を20部、イソプロピルアルコールを1.0部加え、30分間プレミキシングを行った後、下記の条件で分散処理を行なった。
分散機:サンドグラインダー
粉砕メディア:ガラスビーズ1mm径
粉砕メディアの充填率:50%(体積)
粉砕時間:3時間
更に、遠心分離処理(12,000rpm、20分間)を行い、粗大粒子を除去して顔料分散液3とした。
【0075】
(インクの調製)
以下の各成分をビーカーにて混合し、25℃にて3時間攪拌したものを本発明に使用する実施例10のインクとした。
・顔料分散液3 20部
・グリセリン 15部
・ジエチレングリコール 10部
・アセチレノールEH(川研ファインケミカル製)0.3部
・ジグリコール酸 1部
・水酸化ナトリウム 0.8部
・水 52.9部
【0076】
実施例11のインクの作成
(顔料分散液4の調製)
・スチレン−アクリル酸共重合体(酸価200、
平均分子量7,000) 5.5部
・モノエタノールアミン 1.0部
・イオン交換水 67.5部
・ジエチレングリコール 5.0部
上記成分を混合し、ウオーターバスで70℃に加温し、樹脂分を完全に溶解させた。この溶液にC.I.Piment Red 122を20部、イソプロピルアルコールを1.0部加え、30分間プレミキシングを行った後、下記の条件で分散処理を行なった。
分散機:サンドグラインダー
粉砕メディア:ガラスビーズ1mm径
粉砕メディアの充填率:50%(体積)
粉砕時問:3時間
更に、遠心分離処理(12,000rpm、20分問)を行い、組大粒子を除去して顔料分散液4とした。
【0077】
(インクの調製)
以下の各成分をビーカーにて混合し、25℃にて3時間攪拌したものを本発明に使用する実施例11のインクとした。
・顔料分散液4 20部
・グリセリン 15部
・ジエチレングリコール 10部
・アセチレノールEH(川研ファインケミカル製)0.3部
・ジグリコール酸 1部
・水酸化ナトリウム 0.8部
・水 52.9部
【0078】
実施例12のインクの作成
(顔料分散液5の調製)
・スチレン−アクリル酸共重合体(酸価200、
平均分子量7,000) 5.5部
・モノエタノールアミン 1.0部
・イオン交換水 67.5部
・ジエチレングリコール 5.0部
上記成分を混合し、ウオーターバスで70℃に加温し、樹脂分を完全に溶解させた。
この溶液にC.I.Pigment Blue 15:3を20部、イソプロピルアルコールを1.0部加え、30分問プレミキシングを行った後、下記の条件で分散処理を行なった。
分散機:サンドグラインダー
粉砕メディア:ガラスビーズ1mm径
粉砕メディアの充填率:50%(体積)
粉砕時間:3時間
更に、遠心分離処理(12,000rpm、20分間)を行い、粗大粒子を除去して顔料分散液5とした。
【0079】
(インクの調製)
以下の各成分をビーカーにて混合し、25℃にて3時間攪拌したものを本発明に使用する実施例12のインクとした。
・顔料分散液5 20部
・グリセリン 15部
・ジエチレングリコール 10部
・アセチレノールEH(川研ファインケミカル製)0.3部
・ジグリコール酸 1部
・水酸化ナトリウム 0.8部
・水 52.9部
【0080】
<比較例2〜10>
下記に示す各成分を混合し、充分攪拌して溶解させた後、ポアサイズ0.2μmのミクロフィルター(富士写真フィルム(株)製)にて加圧濾過して比較例2〜5のインクを夫々調製した。更に、実施例8〜12で調製した顔料分散液1〜5を用い、下記に示すインク組成を混合したものを、ポアサイズ3.0μmのメンブレンフィルター(住友電工(株)製)で加圧濾過して比較例6〜10の顔料インクを調製した。
【0081】
比較例2のインク組成
・プロジェットファストイエロー2
(Zeneca社) 3部
・ジエチレングリコール 10部
・水 87部
【0082】
比較例3のインク組成
・プロジェットファストマゼンタ2
(Zeneca社) 3部
・ジエチレングリコール 10部
・水 87部
【0083】
比較例4のインク組成
・プロジェットファストシアン2
(Zeneca社) 4部
・ジエチレングリコール 10部
・水 86部
【0084】
比較例5のインク組成
・プロジェットファストブラック2
(Zeneca社) 2部
・グリセリン 5部
・ジエチレングリコール 5部
・尿素 5部
・水酸化ナトリウム 0.1部
・硫酸アンモニウム 0.1部
・水 82.8部
【0085】
比較例6のインク組成
以下の各成分をビーカーにて混合し、25℃にて3時間攪拌したものを比較例6のインクとした。
・顔料分散液1 30部
・ジエチレングリコール 10部
・2−プロパノール 2部
・水 58部
【0086】
比較例7のインク組成
以下の各成分をビーカーにて混合し、25℃にて3時間攪拌した。この混合物をポアサイズ3.0μmのメンブランフィルター(住友電工(株)製)で加圧ろ過したものを比較例7のインクとした。
・顔料分散液2 30部
・グリセリン 5部
・トリメチロールプロパン 5部
・アセチレングリコールエチレンオキサイド付加物
(商品名:アセチレノールEH、川研ファインケミ
カル製) 0.2部
・水 59.8部
【0087】
比較例8のインクの組成
以下の各成分をビーカーにて混合し、25℃にて3時問攪拌したものを本発明に使用する比較例8のインクとした。
・顔料分散液3 20部
・グリセリン 15部
・ジエチレングリコール 10部
・アセチレノールEH(川研ファインケミカル製)0.3部
・水 54.7部
【0088】
比較例9のインクの組成
以下の各成分をビーカーにて混合し、25℃にて3時間攪拌したものを比較例9のインクとした。
・顔料分散液4 20部
・グリセリン 15部
・ジエチレングリコール 10部
・アセチレノールEH(川研ファインケミカル製)0.3部
・水 54.7部
【0089】
比較例10のインクの組成
以下の各成分をビーカーにて混含し、25℃にて3時間攪拌したものを比較例10のインクとした。
・顔料分散液5 20部
・グリセリン 15部
・ジエチレングリコール 10部
・アセチレノールEH(川研ファインケミカル製)0.3部
・水 54.7部
【0090】
<評価2>
上記で得られた実施例4〜12及び比較例2〜10のインクと、記録信号に応じた熱エネルギーをインクに付与することによりインクを吐出させるオンデマンド型マルチ記録へッド(BC−02(キヤノン(株)製):ヒーター上の最表面保護層は、タンタル及びタンタルの酸化物より成る)を有するインクジェット記録装置を用い、下記の条件でインクを吐出させて記録を行なった。上記インクジェット記録装置のインクの吐出条件は、パルス幅1.1μs(On)+3.0μs(Off)+3.2μs(On)、駆動周波数6,250Hzで、Vth(吐出するぎりぎりの臨界電圧)を実測し、γ値=1.39に相当するVop(駆動電圧)をかけてインクを吐出させた。そして、この条件でインクジェット記録を行なった場合のインクジェット記録ヘッドにおける吐出耐久性及びヒーターへのコゲ付着を下記の方法及び基準で評価し、その結果を、表2に示した。
【0091】
(吐出耐久性)
前記装置と駆動条件で連続吐出を行い、1×106発おきに記録へッドから吐出される液滴を容器に収集して、電子天秤で秤量した。容器の増加量より1×106発における平均の吐出液滴量を算出した。尚、連続吐出は1×108発まで行い、下記の基準で評価した。
A:9.9×107〜1×108発間の平均の吐出液滴量が0〜1×106発後の平均の吐出液滴量と比べて90%以上。
B:9.9×107〜1×108発間の平均の吐出液滴量が0〜1×106発後の平均の吐出液滴量と比べて90%未満〜70%。
C:9.9×107〜1×108発間の平均の吐出液滴量が0〜1×106発後の平均の吐出液滴量と比べて70%未満。
D:途中で吐出不能に陥った。
【0092】
(コゲ付着量)
上記へッドの吐出耐久性で評価の終了した記録へッドを分解し、吐出耐久に使用したノズルのヒーター表面を光学顕微鏡(倍率400倍)で観察して、コゲの付着量を下記の基準で評価した。
A:コゲの付着が殆ど見られない。
B:コゲの付着が僅かに見られる。
C:コゲの付着が多く見られる。
D:コゲの付着が非常に多く見られる。
【0093】
Figure 0004794737
【0094】
[第2の実施態様]
<参考例1〜及び比較例11>
下記に示す各成分を混合し、充分撹拌して溶解させた後、ポアサイズ0.2μmのミクロフィルター(富士写真フィルム(株)製)にて加圧濾過して参考例3と、参考例3のインク組成よりイミノ二酢酸とpH調整用の0.6%の水酸化ナトリウムを抜いた比較例11のインクを調製した。
【0095】
参考例3のインク組成
・プロジェットファストブラック2
(Zeneca社) 2部
・ジエチレングリコール 10部
・イミノ二酢酸 2部
・水酸化ナトリウム 0.7部
・水 85.3部
【0096】
比較例11のインク組成
・プロジェットファストブラック2
(Zeneca社) 2部
・ジエチレングリコール 10部
・水酸化ナトリウム 0.1部
・水 87.9部
【0097】
<評価3>
上記の参考例3のインクについて、前記実施例1〜3ならびに比較例1のインクの<評価1>に記載の方法と同様にして[吐出耐久性]と[コゲ付着量]の評価を行った。
【0098】
更に、上記で得られた参考例3のインクを用いて、γ値=1.10に相当するVop(駆動電圧)でインクを吐出させたものを参考例4とし、同様に、γ値=1.69に相当するVop(駆動電圧)でインクを吐出させたものを参考例5とした。又、参考例3のインクを用いて、γ値=1.80に相当するVop(駆動電圧)でインクを吐出させたものを参考例1、γ値=1.96に相当するVop(駆動電圧)でインクを吐出させたものを参考例2とした。更に、イミノ二酢酸を含まない比較例11のインクを用いて、γ値=1.39に相当するVop(駆動電圧)でインクを吐出させたものを、参考例3と同様の方法及び基準で評価を行い、その結果を表3に示した。
【0099】
Figure 0004794737
【0100】
参考例6〜14
下記に示す各成分を混合し、充分攪拌して溶解させた後、ポアサイズ0.2μmのミクロフィルター(富士写真フィルム(株)製)にて加圧濾過して参考例6〜9の染料インクを調製した。更に、実施例8〜12で調製した顔料分散液1〜5を用い、下記に示すインク組成を混合したものを、ポアサイズ3.0μmのメンブレンフィルター(住友電工(株)製)で加圧濾過して参考例10〜14の顔料インクを調製した。
【0101】
参考例6のインク組成
・プロジェットファストイエロー2
(Zeneca社) 3部
・ジエチレングリコール 10部
・イミノ二酢酸 0.5部
・水酸化ナトリウム 0.15部
・水 86.35部
【0102】
参考例7のインク組成
・プロジェットファストマゼンタ2
(Zeneca社) 3部
・ジエチレングリコール 10部
・イミノ二酢酸 2部
・水酸化ナトリウム 0.6部
・水 84.4部
【0103】
参考例8のインク組成
・プロジェットファストシアン2
(Zeneca社) 4部
・ジエチレングリコール 10部
・イミノ二酢酸 1部
・水酸化ナトリウム 0.3部
・水 84.7部
【0104】
参考例9のインク組成
・プロジェットファストブラック2
(Zeneca社) 2部
・グリセリン 5部
・ジエチレングリコール 5部
・尿素 4部
・2−プロパノール 3.5部
・イミノ二酢酸 5部
・水酸化ナトリウム 1.6部
・硫酸アンモニウム 0.1部
・水 73.8部
【0105】
参考例10のインク組成
以下の各成分をビーカーにて混合し、25℃にて3時間攪拌したものを本発明に使用する参考例10のインクとした。
・顔料分散液1 30部
・ジエチレングリコール 10部
・2−プロパノール 2部
・イミノ二酢酸 1部
・水酸化ナトリウム 0.3部
・水 56.7部
【0106】
参考例11のインク組成
以下の各成分をビーカーにて混合し、25℃にて3時問攪拌した。この混合物をポアサイズ3.0μmのメンブランフィルター(住友電工(株)製)で加圧ろ過したものを本発明に使用する参考例11のインクとした。
・顔料分散液2 30部
・グリセリン 5部
・トリメチロールプロパン 5部
・アセチレングリコールエチレンオキサイド付加物
(商品名:アセチレノールEH、川研ファインケミ
カル製) 0.2部
・イミノ二酢酸 1部
・水酸化ナトリウム 0.3部
・水 58.5部
【0107】
参考例12のインク組成
以下の各成分をビーカーにて混合し、25℃にて3時間攪拌したものを本発明に使用する参考例12のインクとした。
・顔料分散液3 20部
・グリセリン 15部
・ジエチレングリコール 10部
・アセチレノールEH(川研ファインケミカル製)
0.3部
・イミノ二酢酸 1部
・水酸化ナトリウム 0.3部
・水 53.4部
【0108】
参考例13のインク組成
以下の各成分をビーカーにて混合し、25℃にて3時間攪拌したものを本発明に使用する参考例13のインクとした。
・顔料分散液4 20部
・グリセリン 15部
・ジエチレングリコール 10部
・アセチレノールEH(川研ファインケミカル製)
0.3部
・イミノ二酢酸 1部
・水酸化ナトリウム 0.3部
・水 53.4部
【0109】
参考例14のインク組成
以下の各成分をビーカーにて混合し、25℃にて3時間攪拌したものを本発明に使用する参考例14のインクとした。
・顔料分散液5 20部
・グリセリン 15部
・ジエチレングリコール 10部
・アセチレノールEH(川研ファインケミカル製)
0.3部
・イミノ二酢酸 1部
・水酸化ナトリウム 0.3部
・水 53.4部
【0110】
<評価4>
上記で得られた参考例6〜14のインクを、前記<評価2>と同様にして吐出耐久性及びヒーターへのコゲ付着を評価し、その結果を、表4に示した。
【0111】
Figure 0004794737
【0112】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、熱エネルギーを利用したインクジェット記録方式において、記録へッドのヒータ上へのコゲ付着が有効に低減され、更には、記録へッドの寿命を向上させることができる、インクジェット記録ヘッドのヒータへのコゲ付着低減方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のインクジェット記録装置の記録ヘッドの一例を示す縦断面図である。
【図2】本発明のインクジェット記録装置の記録ヘッドの一例を示す横断面図である。
【図3】本発明で使用する図1に示した記録ヘッドをマルチ化したヘッドの外観斜視図である。
【図4】本発明のインクジェット記録装置の一例を示す概略斜視図である。
【図5】インクカートリッジの一例を示す内部構成斜視図である。
【図6】記録ユニットの一例を示す斜視図である。
【符号の説明】
13:記録ヘッド
14:インク溝
15:発熱ヘッド
16−1:保護膜
16−2:最表面保護膜
17−1、17−2:電極
18:発熱抵抗体層
19:蓄熱層
20:基板
21:インク
22:吐出オリフィス(微細孔)
23:メニスカス
24:インク小滴
25:被記録材
26:マルチ溝
27:ガラス板
28:発熱ヘッド
40:インク袋
42:栓
44:インク吸収体
45:インクカートリッジ
51:給紙部
52:紙送りローラー
53:排紙ローラー
61:ブレード
62:キャップ
63:インク吸収体
64:吐出回復部
65:記録ヘッド
66:キャリッジ
67:ガイド軸
68:モーター
69:ベルト
70:記録ユニット
71:ヘッド部
72:大気連通口

Claims (8)

  1. インクに熱エネルギーを印加してオリフィスから該インクを吐出させるためのヒータを備えた記録ヘッドを有するインクジェットプリンタにおける該ヒータ表面へのコゲの付着低減方法であって、
    該ヒータが、金属及び/又は金属酸化物を含む最表面保護層を備え、且つ、記インクが(a)色材、(b)液媒体及び(c)ジグリコール酸を含むインクジェット用インクであることを特徴とするインクジェット記録ヘッドのヒータへのコゲ付着低減方法。
  2. 前記金属及び/又は前記金属の酸化物が、タンタル及び/又はタンタルの酸化物である請求項に記載のインクジェット記録ヘッドのヒータへのコゲ付着低減方法。
  3. インクを吐出させるためにヒータに投入するエネルギーをEopとし、記録ヘッドからインクを吐出させるために最低限必要なヒータヘのエネルギー投入量をEthとしたとき、
    op/Ethが下記の関係を満たす請求項又はに記載のインクジェット記録ヘッドのヒータへのコゲ付着低減方法。
    1.10≦Eop/Eth≦1.80
  4. 前記(c)ジグリコール酸の総含有量が、インク全量に対して0.005〜20重量%である請求項1〜3のいずれか1項に記載のインクジェット記録ヘッドのヒータへのコゲ付着低減方法
  5. 前記(c)ジグリコール酸の総含有量が、インク全量に対して0.05〜12重量%である請求項1〜4のいずれか1項に記載のインクジェット記録ヘッドのヒータへのコゲ付着低減方法。
  6. 前記(a)色材が、水溶性染料である請求項1〜5のいずれか1項に記載のインクジェット記録ヘッドのヒータへのコゲ付着低減方法
  7. 前記(a)色材が、顔料である請求項1〜5のいずれか1項に記載のインクジェット記録ヘッドのヒータへのコゲ付着低減方法
  8. インク中の水の含有量が、インク全量に対して35〜96重量%である請求項1〜のいずれか1項に記載のインクジェット記録ヘッドのヒータへのコゲ付着低減方法
JP2001029606A 2000-02-10 2001-02-06 インクジェット記録ヘッドのヒータへのコゲ付着低減方法 Expired - Fee Related JP4794737B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001029606A JP4794737B2 (ja) 2000-02-10 2001-02-06 インクジェット記録ヘッドのヒータへのコゲ付着低減方法

Applications Claiming Priority (7)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000038237 2000-02-10
JP2000038237 2000-02-10
JP2000038238 2000-02-10
JP2000-38238 2000-02-10
JP2000038238 2000-02-10
JP2000-38237 2000-02-10
JP2001029606A JP4794737B2 (ja) 2000-02-10 2001-02-06 インクジェット記録ヘッドのヒータへのコゲ付着低減方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001294791A JP2001294791A (ja) 2001-10-23
JP4794737B2 true JP4794737B2 (ja) 2011-10-19

Family

ID=27342386

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001029606A Expired - Fee Related JP4794737B2 (ja) 2000-02-10 2001-02-06 インクジェット記録ヘッドのヒータへのコゲ付着低減方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4794737B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5006663B2 (ja) * 2006-03-08 2012-08-22 キヤノン株式会社 液体吐出ヘッド
US8328927B2 (en) 2010-01-29 2012-12-11 Brother Kogyo Kabushiki Kaisha Water-based ink for ink jet recording
JP5310582B2 (ja) * 2010-01-29 2013-10-09 ブラザー工業株式会社 インクジェット記録用水性インクおよびインクカートリッジ

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH041280A (ja) * 1990-04-18 1992-01-06 Nichiyu Giken Kogyo Kk インクジェットプリンタ用湿熱変色性インク組成物
JP3880074B2 (ja) * 1992-07-31 2007-02-14 キヤノン株式会社 インク、これを用いたインクジェット記録方法、係るインクを用いたインクジェット記録用機器及びヒーター表面へのコゲ付着低減方法
JPH09239964A (ja) * 1995-01-25 1997-09-16 Canon Inc 液体組成物、インクセット、これらを用いた画像形成方法及び画像形成装置
US5679143A (en) * 1995-12-06 1997-10-21 Hewlett-Packard Company Bleed alleviation in ink jet inks using acids containing a basic functional group
JPH1044425A (ja) * 1996-07-31 1998-02-17 Canon Inc 記録方法
JP3982030B2 (ja) * 1997-11-11 2007-09-26 富士ゼロックス株式会社 インクジェット記録用インクおよびインクジェット記録方法
JP2001187852A (ja) * 1999-12-28 2001-07-10 Kao Corp インクジェット記録用インク

Also Published As

Publication number Publication date
JP2001294791A (ja) 2001-10-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4533151B2 (ja) インク及び該インクを用いたインクジェット記録方法
KR100467000B1 (ko) 잉크, 잉크젯용 잉크, 잉크젯 기록 헤드의 히터의표면상의 코게이션을 감소시키는 방법, 잉크젯 기록 방법,잉크젯 기록 장치, 기록 유닛 및 잉크젯 기록 헤드의수명을 장기화하는 방법
JP3033069B2 (ja) インクジェット記録用インクおよびインクジェット記録方法
EP1125993B1 (en) Ink-jet ink, method for alleviating kogation on surface of heater of ink-jet recording head, method for ink-jet recording and ink-jet recording apparatus
US6644798B2 (en) Method of reducing kogation of heater of ink-jet recording head, ink-jet recording method, ink-jet recording apparatus, recording unit and method for prolonging service life of recording head
JPH08143802A (ja) バブルジェット用水系分散インク、これを用いるインクジェット記録方法および記録装置
JP4794737B2 (ja) インクジェット記録ヘッドのヒータへのコゲ付着低減方法
JP4794738B2 (ja) ヒータへのコゲ付着低減方法
JP4994610B2 (ja) インク、インクジェット記録ヘッドのヒータ表面へのコゲ付着低減方法、インクジェット記録方法、インクジェット記録装置、記録ユニット及び記録ヘッドの長寿命化方法
JP4497625B2 (ja) インクジェット用インク、インクジェット記録ヘッドのヒータへのコゲ付着低減方法、インクジェット記録方法、インクジェット記録装置、記録ユニット及び記録ヘッドの長寿命化方法
JP4497624B2 (ja) インクジェット記録ヘッドのヒータ表面へのコゲ付着低減方法、インクジェット記録方法、インクジェット記録装置、記録ユニット及び記録ヘッドの長寿命化方法
US6425659B1 (en) Method for alleviating kogation on surface of heater of ink-jet recording head, method for ink-jet recording, ink-jet recording apparatus, recording unit, and method for prolonging ink-jet recording head life
JP4803895B2 (ja) インク、インクジェット用インク、インクジェット記録ヘッドのヒータへのコゲ付着低減方法、インクジェット記録方法、インクジェット記録装置、記録ユニット及び記録ヘッドの長寿命化方法
JP4497623B2 (ja) インクジェット記録ヘッドのヒータへのコゲ付着低減方法、インクジェット記録方法、インクジェット記録装置、記録ユニット及び記録ヘッドの長寿命化方法
US6471350B2 (en) Method of protecting heater surface of ink-jet printer, ink-jet recording apparatus, recording unit and method of prolonging service life of ink-jet recording head
JP2001081380A (ja) インク、インクセット、画像記録装置及びインクジェット記録方法
JP5072141B2 (ja) インクセット、インクジェット記録方法、記録ユニット、インクジェット記録装置及びブリード緩和方法
JP5371324B2 (ja) インクジェット記録用液体組成物、インクジェット記録用インクセット、インクジェット記録方法
JP3969945B2 (ja) インクセット、これを用いるインクジェット記録方法、記録ユニット、インクカートリッジ、インクジェット記録装置及びブリーディング緩和方法
JP5361286B2 (ja) インクジェット記録用液体組成物、インクジェット記録用インクセット、インクジェット記録用インクカートリッジ、インクジェット記録方法
JP2001164161A (ja) インクセット、これを用いるインクジェット記録方法、インクジェット記録装置、インクカートリッジ、記録ユニット及びブリードの緩和方法
JP2004306403A (ja) カラーインクジェット記録用インクセット
JP2001310545A (ja) 液体組成物、インクジェット記録用インクセット、インクジェット記録方法、記録ユニット及びインクジェット記録装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080129

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110506

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110629

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110719

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110727

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140805

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees