JP5072141B2 - インクセット、インクジェット記録方法、記録ユニット、インクジェット記録装置及びブリード緩和方法 - Google Patents

インクセット、インクジェット記録方法、記録ユニット、インクジェット記録装置及びブリード緩和方法 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクセット、インクジェット記録方法、記録ユニット、インクジェット記録装置、及びマルチカラー画像の異色画像隣接領域におけるブリード緩和方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット記録方式は、高電圧印加による静電吸引方式、圧電素子を用いてインクに機械的振動または変位を与える方式、インクを加熱して発泡させその圧力を利用する方式(所謂バブルジェット方式)等の種々のインク吐出方式により、インクの小滴を発生させ、これを飛翔させて紙等の被記録材に付着させて記録を行うものであり、騒音の発生が少なく、高速印字、多色印字が行える記録方式である。
【0003】
しかしながら、上記した従来のインクジェット記録方式では、コピー用紙やボンド紙等の被記録媒体等にカラー画像を得ようとした場合には、複数の色のインクが先に記録したインクが定着する以前に次々と重ねられるため、異色の画像の境界部分では色が滲んだり、インクが不均一に混じり合って(以下、ブリードという)しばしば満足すべき画像が得られなかった。
【0004】
このような問題を解決する手段として、特開昭55−65269号公報には、インク中に界面活性剤等の浸透性を高める化合物を添加したインクを用いること、さらに特開平6−57192号公報には、ブラックインク中に少なくとも1種のアニオン染料を有し、イエローインク中に、少なくとも1種のカチオン染料と多価沈澱剤とを含むブリーディングを防止し得るインクジェット記録用のインクセットが記載されている。
【0005】
しかしながら、特開昭55−65269号公報に開示のインク中に、界面活性剤等の浸透性を高める化合物を添加した場合には、インクの被記録材への浸透性が向上し、ブリーディングについてはある程度抑制されるものの、インクが着色剤と共に、被記録材の奥深くまで浸透してしまうため、画像濃度が低下したりする等の不都合があった。また、被記録材表面に対する濡れ性が向上するために、被記録材表面上でインクが広がり易く、解像度の低下をきたしたり、滲みが発生して印字品位が低下することがあった。また、前記特開平6−57192号公報に記載されているような、ブラックインクの色材には少なくとも1つのアニオン染料を含み、イエローインクには少なくとも1つのカチオン染料と多価沈澱剤を含むインクジェットインクセットの場合には、ブラックインクとイエローインクの間のブリーディングはかなり抑えられるものの、シアンインクとマゼンタインクの間、シアンインクとブラックインクの間及びマゼンタインクとブラックインクの間のブリードが解決されない場合があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は上記したような従来の問題を解決し、被記録材、特に被記録媒体の記録において、カラー画像におけるブリーディングを軽減し、かつ鮮明で印字物の印字品位の向上も図れる4色以上のインクからなるインクセット、これを用いたインクジェット記録方法、記録ユニット及びインクジェット記録装置を提供することにある。本発明の他の目的は、4色以上のインクを用いて形成された、異なる色の画像が隣接している領域を有するマルチカラー画像を形成する際におけるこの隣接領域におけるブリードを緩和する方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的は以下の本発明によって達成される。
【0013】
上記の目的を達成することのできる本発明の一実施態様にかかるインクセットは、
4色以上のインクを用いてカラー画像を被記録材に記録するために用いるインクセットであって、
(1)表面にカチオン性の親水基が直接もしくは他の原子団を介して結合している自己分散型カーボンブラックを溶媒中に含んでいる第1インクと、
(2)溶媒中に、第1のアニオン染料と1価のアルコール化合物とを含み、該第1のアニオン染料が、C.I.ダイレクトブルー 307C.I.ダイレクトバイオレット 107C.I.ダイレクトイエロー 173及び後述する例示化合物1〜27からなる群より選ばれる少なくとも一つの化合物である第2インクと、
(3)溶媒中に、第2のアニオン染料と多価金属塩とを含み、該第2のアニオン染料が、C.I.ダイレクトブルー−1,−2,−6,−8,−22,−34,−70,−71,−76,−78,−86,−142,−199,−200,−201,−202,−203,−207,−218,−236,−287、C.I.ダイレクトレッド−1,−2,−4,−8,−9,−11,−13,−15,−20,−28,−31,−33,−37,−39,−51,−59,−62,−63,−73,−75,−80,−81,−83,−87,−90,−94,−95,−99,−101,−110,−189,−225,−227、C.I.ダイレクトイエロー−1,−2,−4,−8,−11,−12,−26,−27,−28,−33,−34,−41,−44,−48,−86,−87,−88,−132,−135,−142,−144、C.I.アシッドブルー−1,−7,−9,−15,−22,−23,−27,−29,−40,−43,−55,−59,−62,−78,−80,−81,−90,−102,−104,−111,−185,−254、C.I.アシッドレッド−1,−4,−8,−13,−14,−15,−18,−21,−26,−35,−37,−52,−249,−257,−289、C.I.アシッドイエロー−1,−3,−4,−7.−11,−12,−13,−14,−19,−23,−25,−34,−38,−41,−42,−44,−53,−55,−61,−71,−76,−79、C.I.リアクアティブブルー−1,−2,−3,−4,−5,−7,−8,−9,−13,−14,−15,−17,−18,−19,−20,−21,−25,−26,−27,−28,−29,−31,−32,−33,−34,−37,−38,−39,−40,−41,−43,−44,−46、C.I.リアクティブレッド−1,−2,−3,−4,−5,−6,−7,−8,−11,−12,−13,−15,−16,−17,19,−20,−21,−22,−23,−24,−28,−29,−31,−32,−33,−34,−35,−36,−37,−38,−39,−40,−41,−42,−43,−45,−46,−49,−50,−58,−59,−63,−64,−180及びC.I.リアクティブイエロー−1,−2,−3,−4,−6,−7,−11,−12,−13,−14,−15,−16,−17,−18,−22,−23,−24,−25,−26,−27,−37,−42からなる群より選ばれる少なくとも一つの化合物である第3インクと、
(4)溶媒中に、顔料と分散剤、もしくはカチオン染料を含んでいる第4インクと、
を具備し、
前記第1インクが黒インクであり、前記第2〜第4インクが他の3色を構成している
ことを特徴とするものである。
【0014】
また、上記の目的を達成することのできる本発明の他の実施態様にかかるインクセットは、
4色以上のインクを用いてカラー画像を被記録材に記録するためのインクセットであって、
(1)表面にカチオン性の親水基が直接もしくは他の原子団を介して結合している自己分散型カーボンブラックを溶媒中に含んでいる第1インクと、
(2)溶媒中に、第1のアニオン染料を含み、該第1のアニオン染料が、C.I.ダイレクトブルー 307C.I.ダイレクトバイオレット 107C.I.ダイレクトイエロー 173、及び後述する例示化合物1〜27からなる群より選ばれる少なくとも一つの化合物である第2インクと、
(3)溶媒中に、第2のアニオン染料と多価金属塩とを含み、該第2のアニオン染料が、C.I.ダイレクトブルー−1,−2,−6,−8,−22,−34,−70,−71,−76,−78,−86,−142,−199,−200,−201,−202,−203,−207,−218,−236,−287、C.I.ダイレクトレッド−1,−2,−4,−8,−9,−11,−13,−15,−20,−28,−31,−33,−37,−39,−51,−59,−62,−63,−73,−75,−80,−81,−83,−87,−90,−94,−95,−99,−101,−110,−189,−225,−227、C.I.ダイレクトイエロー−1,−2,−4,−8,−11,−12,−26,−27,−28,−33,−34,−41,−44,−48,−86,−87,−88,−132,−135,−142,−144、C.I.アシッドブルー−1,−7,−9,−15,−22,−23,−27,−29,−40,−43,−55,−59,−62,−78,−80,−81,−90,−102,−104,−111,−185,−254、C.I.アシッドレッド−1,−4,−8,−13,−14,−15,−18,−21,−26,−35,−37,−52,−249,−257,−289、C.I.アシッドイエロー−1,−3,−4,−7.−11,−12,−13,−14,−19,−23,−25,−34,−38,−41,−42,−44,−53,−55,−61,−71,−76,−79、C.I.リアクアティブブルー−1,−2,−3,−4,−5,−7,−8,−9,−13,−14,−15,−17,−18,−19,−20,−21,−25,−26,−27,−28,−29,−31,−32,−33,−34,−37,−38,−39,−40,−41,−43,−44,−46、C.I.リアクティブレッド−1,−2,−3,−4,−5,−6,−7,−8,−11,−12,−13,−15,−16,−17,19,−20,−21,−22,−23,−24,−28,−29,−31,−32,−33,−34,−35,−36,−37,−38,−39,−40,−41,−42,−43,−45,−46,−49,−50,−58,−59,−63,−64,−180及びC.I.リアクティブイエロー−1,−2,−3,−4,−6,−7,−11,−12,−13,−14,−15,−16,−17,−18,−22,−23,−24,−25,−26,−27,−37,−42からなる群より選ばれる少なくとも一つの化合物である第3インクと、
(4)溶媒中に1価のアルコール化合物と、カチオン染料とを含んでいる第4インクと、
を具備し、
前記第1インクが黒インクであり、前記第2〜第4インクが他の3色を構成していることを特徴とするものである。
【0015】
また、上記の目的を達成することのできる本発明の他の実施態様にかかるインクジェット記録方法は、4色のインクの各々をインクジェット法で吐出する工程を有するマルチカラー画像を形成する方法であって、該4色のインクが、上記の少なくとも4色からなるインクセットを構成する第1〜第4インクの各々に対応していることを特徴とするものである。
【0016】
また、上記の目的を達成することのできる本発明の他の実施態様にかかる記録ユニットは、上記の少なくとも4色からなるインクセットを構成する各インク、各インクをそれぞれ個々に収容するインク収容部と、各々のインク収容部に収容されているインクを吐出する為のインクジェットヘッドとを具備していることを特徴とするものである。
【0017】
また、上記の目的を達成することのできる本発明の他の実施態様にかかるインクジェット記録装置は、上記の少なくとも4色からなるインクセットを構成する各インクをそれぞれ個々に収容するインク収容部と、各々のインク収容部に収容されているインクを吐出する為のインクジェットヘッドとを具備していることを特徴とするものである。
【0018】
また、上記の目的を達成することのできる本発明の他の実施態様にかかるブリード緩和方法は、少なくとも4色のインクのうちの少なくとも2色のインクを用いて形成された、異なる色の画像が隣接している領域を有しているマルチカラー画像の、該領域におけるブリードを緩和する方法であって、
該4色のインクが、上記の黒インクを含む4色のインクを有するインクセットを構成する第1〜4インクの各々に対応しているインクであることを特徴とするものである。
【0019】
本発明によれば、ブリード滲みがほとんどなく、かつ鮮明で印字物の印字品位も良好なカラー画像を提供することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
次に実施の態様を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。
【0021】
本発明にかかるインクセットは、少なくとも4色のインクを備えているものであり、具体的には、例えば、
A)4色以上のインクを用いてカラー画像を被記録材に記録するために用いるインクセットであって、
(1)表面にカチオン性の親水基が直接もしくは他の原子団を介して結合している自己分散型カーボンブラックを溶媒中に含んでいる第1インクと、
(2)溶媒中に、第1のアニオン染料と1価のアルコール化合物とを含み、該第1のアニオン染料が多価金属塩の存在下で凝集するものである第2インクと、
(3)溶媒中に、第2のアニオン染料と多価金属塩とを含み、該第2のアニオン染料が該多価金属塩の存在下でも凝集しないものである第3インクと、
(4)溶媒中に、顔料と分散剤、もしくはカチオン染料を含んでいる第4インクと、を具備するインクセット、及び
B)4色以上のインクを用いてカラー画像を被記録材に記録するために用いるインクセットであって、
(1)表面にカチオン性の親水基が直接もしくは他の原子団を介して結合している自己分散型カーボンブラックを溶媒中に含んでいる第1インクと、
(2)溶媒中に、第1のアニオン染料を含み、該第1のアニオン染料が多価金属塩の存在下で凝集するものである第2インクと、
(3)溶媒中に、第2のアニオン染料と多価金属塩とを含み、該第2のアニオン染料が該多価金属塩の存在下でも凝集しないものである第3インクと、
(4)溶媒中に1価のアルコール化合物と、カチオン染料とを含んでいる第4インクと、を具備するインクセット、
の2つの態様を挙げることができる。
【0023】
本発明者らは上記したようなインクセットを使用することによって、非常に効果的に全色間のブリードが軽減されることを知見して本発明に至った。
【0024】
上記態様A)のインクセットについて見ると、第1インクに含有される色材であるカチオン性基の親水基が直接もしくは他の原子団を介して結合している自己分散型カーボンブラックは、第2のインク及び第3のインクに含有されるアニオン染料及び第4のインクに含有されるアニオン性分散剤と逆極性であるので、互いに接触するとイオン的に凝集する。
【0025】
また、第2インクと第3インクとが互いに接触すると、第3インク中の多価金属塩の作用によって第2インク中のアニオン染料が凝集する。
【0026】
また、第3インクと第4インクとが互いに接触すると、多価金属塩の作用によって、第4インク中の顔料の分散破壊が生じ、顔料が凝集する。
【0027】
更に、第2インクと第4インクとが互いに接触すると、第2インク中の1価アルコールの脱水作用によって、第4インク中の顔料の分散破壊が生じ、凝集を生じる。このように、態様A)のインクセットを用いることで、全色間でのブリードの軽減を図ることが可能となる。
【0028】
また、上記態様B)のインクセットについて見ると、第1のインクに含有されるカチオン性自己分散型カーボンブラックは、第2インク及び第3インク中のアニオン性染料と逆極性であるので、互いに接触するとイオン的に凝集する。第1インクと第4インクとが互いに接触すると、第4インク中の1価アルコールの脱水作用によって自己分散型カーボンブラックの分散状態が破壊され、凝集を生じる。即ち、自己分散型カーボンブラックは、水性媒体中で所謂親水コロイドを形成していると考えられる。このようなインク中に脱水剤としての一価アルコールが混合されると、自己分散型カーボンブラックの分散性を支えている周囲の水分子が除去される結果,分散性を失い、凝集するものである。
【0029】
次に、第2インクと第3インクとが互いに接触すると、第3インク中の多価金属イオンによって第2インク中のアニオン染料が凝集を生じる。また、第2インクと第3インク、及び第3インクと第4インクとが互いに接触すると、アニオンーカチオン間のイオン反応によって色材の凝集が生じる。このように、上記態様B)のインクセットを用いることでも、全色間でのブリードの軽減を図ることができる。
【0030】
このように本発明にかかるインクセットは、異なる種類のインクが接触した際、該インクの色材が全ての組合わせにおいてそれぞれ化学反応により凝集するので、異なる種類のインクが不均一に混じり合うことなく、被記録媒体に記録した際にブリードの発生が抑制できる。さらに、本発明のインクセットを使用することによりブリードが軽減されるだけでなく、被記録媒体に記録した際に、被記録媒体に浸透しきる前に化学反応により凝集するので画像濃度が高く、印字品位が良好なカラー画像が得られる。また、インク液滴が被記録媒体上で着弾した後、インク液滴が広がりにくいので、解像度の低下を起こさず、被記録媒体上でも階調が良好なカラー画像が得られる。
【0031】
以下、本発明にかかるインクセットの態様A)及びB)における各インクについて説明する。
【0032】
(第1インク)
第1インクに含有されるカーボンブラックの表面における少なくとも一種のカチオン性の親水性基としては、下記一般式から選択されるものであることが好ましい。
【0033】
【化2】
Figure 0005072141
(但し、式中のRは炭素原子数1〜12のアルキル基、置換基を有してもよいフェニル基または置換基を有してもよいナフチル基を表す。)
また、他の原子団としては、例えば、炭素原子数1〜12のアルキル基、置換基を有してもよいフェニル基または置換記を有してもよいナフチル基が挙げられる。上記した親水性基が他の原子団を介してカーボンブラックの表面に結合する場合の具体例としては、例えば、−CH2NH3 +、−C24+(CH33、−C310NH3 +、−PhNH3 +等が挙げられるが、勿論、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0034】
上記のカーボンブラックは、1種に限定されるものではなく、2種以上を混合して使用して色調を調整してよい。また、インク中におけるカーボンブラックの添加量としては、インク全質量に対して、好ましくは0.1〜15質量%、より好ましくは1〜10質量%の範囲とする。さらに、本発明においては、自己分散型カーボンブラックに加えてカチオン染料を使用してインクの色調を調整してもよい。
【0035】
(第2インク)
以下に、第2インクに含有される多価金属塩と接触すると凝集する第1のアニオン染料について述べる。
【0036】
(多価金属塩との接触によって凝集するアニオン染料)
本発明では、多価金属塩と接触すると凝集するアニオン染料として、以下に挙げる構造式を有するものや、プロジェットファストシアン2(商品名:Zeneca社)(C.I.ダイレクトブルー 307)、プロジェットファストマゼンタ2(商品名:Zeneca社)(C.I.ダイレクトバイオレット 107)、プロジェットファストイエロー2(商品名:Zeneca社)(C.I.ダイレクトイエロー 173が用いられる。
【0037】
例示化合物1
【0038】
【化3】
Figure 0005072141
例示化合物2
【0039】
【化4】
Figure 0005072141
例示化合物3
【0040】
【化5】
Figure 0005072141
例示化合物4
【0041】
【化6】
Figure 0005072141
例示化合物5
【0042】
【化7】
Figure 0005072141
例示化合物6
【0043】
【化8】
Figure 0005072141
例示化合物7
【0044】
【化9】
Figure 0005072141
例示化合物8
【0045】
【化10】
Figure 0005072141
例示化合物9
【0046】
【化11】
Figure 0005072141
例示化合物10
【0047】
【化12】
Figure 0005072141
例示化合物11
【0048】
【化13】
Figure 0005072141
例示化合物12
【0049】
【化14】
Figure 0005072141
例示化合物13
【0050】
【化15】
Figure 0005072141
例示化合物14
【0051】
【化16】
Figure 0005072141
例示化合物15
【0052】
【化17】
Figure 0005072141
例示化合物16
【0053】
【化18】
Figure 0005072141
例示化合物17
【0054】
【化19】
Figure 0005072141
例示化合物18
【0055】
【化20】
Figure 0005072141
例示化合物19
【0056】
【化21】
Figure 0005072141
例示化合物20
【0057】
【化22】
Figure 0005072141
例示化合物21
【0058】
【化23】
Figure 0005072141
例示化合物22
【0059】
【化24】
Figure 0005072141
例示化合物23
【0060】
【化25】
Figure 0005072141
例示化合物24
【0061】
【化26】
Figure 0005072141
例示化合物25
【0062】
【化27】
Figure 0005072141
例示化合物26
【0063】
【化28】
Figure 0005072141
例示化合物27
【0064】
【化29】
Figure 0005072141
(第3インクの染料:多価金属塩との接触によっても凝集しないアニオン性染料)
次に、第3のインクに含有される第2のアニオン染料について述べる。このアニオン染料としては、既存のものでも、新規に合成したものでも、適度な色調と濃度を有し、多価金属塩と化学反応により凝集しないものであれば使用することができる。
【0065】
本発明では、アニオン染料として、C.I.ダイレクトブルー−1,−2,−6,−8,−22,−34,−70,−71,−76,−78,−86,−142,−199,−200,−201,−202,−203,−207,−218,−236,−287、C.I.ダイレクトレッド−1,−2,−4,−8,−9,−11,−13,−15,−20,−28,−31,−33,−37,−39,−51,−59,−62,−63,−73,−75,−80,−81,−83,−87,−90,−94,−95,−99,−101,−110,−189,−225,−227、 C.I.ダイレクトイエロー−1,−2,−4,−8,−11,−12,−26,−27,−28,−33,−34,−41,−44,−48,−86,−87,−88,−132,−135,−142,−144、C.I.アシッドブルー−1,−7,−9,−15,−22,−23,−27,−29,−40,−43,−55,−59,−62,−78,−80,−81,−90,−102,−104,−111,−185,−254、C.I.アシッドレッド−1,−4,−8,−13,−14,−15,−18,−21,−26,−35,−37,−52,−249,−257,−289、C.I.アシッドイエロー−1,−3,−4,−7.−11,−12,−13,−14,−19,−23,−25,−34,−38,−41,−42,−44,−53,−55,−61,−71,−76,−79、C.I.リアクアティブブルー−1,−2,−3,−4,−5,−7,−8,−9,−13,−14,−15,−17,−18,−19,−20,−21,−25,−26,−27,−28,−29,−31,−32,−33,−34,−37,−38,−39,−40,−41,−43,−44,−46、C.I.リアクティブレッド−1,−2,−3,−4,−5,−6,−7,−8,−11,−12,−13,−15,−16,−17,19,−20,−21,−22,−23,−24,−28,−29,−31,−32,−33,−34,−35,−36,−37,−38,−39,−40,−41,−42,−43,−45,−46,−49,−50,−58,−59,−63,−64,−180、C.I.リアクティブイエロー−1,−2,−3,−4,−6,−7,−11,−12,−13,−14,−15,−16,−17,−18,−22,−23,−24,−25,−26,−27,−37,−42、等が用いられる。上記アニオン染料は、1種に限定されるものではなく、2種以上を混合して使用して色調を調整してもよい。
また、インク中におけるアニオンの添加量としては、インク全量に対して、好ましくは0.1〜15質量%、より好ましくは1〜10質量%の範囲とする。
(第3インクの多価金属塩)
次に、第3のインクに含有される多価金属塩について述べる。多価金属塩として例えば、硝酸マグネシウム、硝酸カルシウム、硝酸アルミニウム、塩化マグネシウム。塩化カルシウム、酢酸マグネシウム、酢酸カルシウム、酢酸鉄(II)、酢酸銅(II)等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。上記多価金属塩は、1種に限定されるものではなく、2種以上を混合して使用して色調を調整してもよい。また、インク中における多価金属塩の添加量としては、インク全質量に対して、好ましくは0.1〜15質量%、より好ましくは1〜10質量%の範囲とする。
【0066】
(第4インクの組成)
(態様A)
(顔料)
先に述べた態様A)にかかるインクセットの、第4インクが含有している顔料について述べる。顔料としては、既存のものでも、新規に合成したものでも、適度な色調と濃度を有するものであれば使用することができる。
【0067】
具体的には、
C.I.ピグメントイエロー−1,−2,−3,−12,−13,−14,−16,−17,−73,−74,−75,−83,−93,−95,−97,−98,−114,−128,−129,−151,−154,−195、
C.I.ピグメントレッド−5,−7,−12,−48,(Ca),−48(Mn),−57(Ca),57:1,57(Sr),112,122,123、168,184,202、
C.I.ピグメントブルー−1,−2,−3,−15:3,−15:34,−16,−22,−60、
C.I.ヴァットブルー−4,−6
等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0068】
上記顔料は、1種に限定されるものではなく、2種以上を混合使用して色調を調整してもよい。また、インク中における顔料の添加量は、インク全質量に対して、好ましくは0.1〜20質量%、より好ましくは1〜15質量%の範囲とする。
【0069】
(第4のインク中の顔料分散剤)
第4インクに含有される分散剤について述べる。顔料をインク中で安定に分散させるために分散剤が使用される。該分散剤としては、例えばアニオン性分散剤やカチオン性分散剤が挙げられる。アニオン性の分散剤としては、具体的には、例えば高分子分散剤や界面活性剤系分散剤等が挙げられる。
【0070】
高分子分散剤の具体例としては、ポリアクリル酸塩、スチレン−アクリル酸共重合物塩、スチレン−メタクリル酸共重合物塩、スチレン−アクリル酸−アクリル酸エステル共重合物塩、スチレン−マレイン酸共重合物塩、アクリル酸エステル−マレイン酸共重合物塩、スチレン−メタクリルスルホン酸共重合物塩、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合物塩、β−ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物塩、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール等が挙げられる。一般的重量平均分子量は1000〜30000の範囲であり、酸価は100〜430の範囲が好ましい。界面活性剤系分散剤としてはラウリルベンゼンスルホン酸塩、ラウリルスルホン酸塩、ラウリルベンゼンカルボン酸塩、ラウリルナフタレンスルホン酸塩、脂肪族アミン塩、ポリエチレンオキサイド縮合物等が挙げられる。これらの分散剤の使用量は、顔料の質量:分散剤の質量=10:5〜10:0.5の範囲であることが好ましい。
【0071】
カチオン性の分散剤として、例えばビニルモノマーの重合によって得られるものであって、得られる重合体の少なくとも一部を構成するカチオン性モノマーとしては、例えば第3級アミンモノマーの塩及びこれらの4級化された化合物が挙げられる。そのような化合物としては例えばN,N-ジメチルアミノエチルメタクリレート〔CH2=C(CH3)-COO-C2H4N(CH3)2〕、N,N-ジメチルアミノエチルアクリレート〔CH2=CH-COO-C2H4N(CH3)2〕、N,N-ジメチルアミノプロピルメタクリレート〔CH2=C(CH3)-COO-C3H6N(CH3)2〕、N,N-ジメチルアミノプロピルアクリレート〔CH2=CH-COO-C3H6N(CH3)2〕、N,N-ジメチルアクリルアミド〔CH2=CH-CON(CH3)2〕、N,N-ジメチルメタクリルアミド〔CH2=C(CH3)-CON(CH3)2〕、N,N-ジメチルアミノエチルアクリルアミド〔CH2=CH-CONHC2H4N(CH3)2〕、N,N-ジメチルアミノエチルメタクリルアミド〔CH2=C(CH3)-CONHC2H4N(CH3)2〕、N,N-ジメチルアミノプロピルアクリルアミド〔CH2=CH-CONH-C3H6N(CH3)2〕、N,N-ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド〔CH2=C(CH3)-CONH-C3H6N(CH3)2〕等が挙げられる。
【0072】
また、第3級アミンの場合において、塩を形成する為の化合物としては、塩酸、硫酸、酢酸等が挙げられ、4級化に用いられる化合物としては、塩化メチル、ジメチル硫酸、ベンジルクロライド、エピクロロヒドリン等が挙げられる。この中で塩化メチル、ジメチル硫酸等が本発明で使用する分散剤を調製する上で好ましい。以上の様な第3級アミンの塩、或いは第4級アンモニウム化合物は水中ではカチオンとして振る舞い、中和された条件では酸性が安定溶解領域である。これらモノマーの共重合体中での含有率は20〜60質量%の範囲が好ましい。
【0073】
上記カチオン性高分子分散剤の構成に用いられるその他のモノマーとしては、例えば、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、長鎖のエチレンオキシド鎖を側鎖に有するアクリル酸エステル等のヒドロキシ基を有するアクリル酸エステル、スチレン系モノマー等の疎水性モノマー類、及びpH7近傍の水に溶解可能な水溶性モノマーとして、アクリルアミド類、ビニルエーテル類、ビニルピロリドン類、ビニルピリジン類、ビニルオキサゾリン類が挙げられる。疎水性モノマーとしては、スチレン、スチレン誘導体、ビニルナフタレン、ビニルナフタレン誘導体、(メタ)アクリル酸のアルキルエステル、アクリロニトリル等の疎水性モノマーが用いられる。共重合によって得られる高分子分散剤中において水溶性モノマーは、共重合体を水溶液中で安定に存在させる為に15〜35質量%の範囲で用い、且つ疎水性モノマーは、共重合体の顔料に対する分散効果を高める為に20〜40質量%の範囲で用いることが好ましい。
【0074】
(態様B)
先に挙げた態様B)にかかるインクセットの、第4のインクが含有しているカチオン性染料について述べる。カチオン染料としては、既存のものでも、新規に合成したものでも、適度な色調と濃度を有するものであれば使用することができる。
【0075】
カチオン染料として例えば、
C.I.ベーシックイエロー1,2,11,13,14,19,21,25,32,33,36,51、
C.I.ベーシックオレンジ2,15,21,22、
C.I.ベシックレッド1,2,9,12,13,37,38,39,92、
C.I.ベーシックバイオレット1,3,7,10,14、
C.I.ベーシックブルー1,3,5,7,9,19,24,25,26,28,29,45,54,65、
C.I.ベーシックグリーン1,4、
C.I.ベーシックブラウン1,12、
C.I.ベーシックブラック2,8、
等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0076】
上記カチオン染料は、1種に限定されるものではなく、2種以上を混合使用して色調を調整してもよい。また、インク中におけるカチオン染料の添加量としては、インク全質量に対して、好ましくは0.1〜15質量%、より好ましくは1〜10質量%の範囲とする。
【0077】
(態様A)の第2インクまたは態様B)の第4インクの一価のアルコール化合物)
先に挙げた態様A)にかかるインクセットの、第2インク、及び態様B)にかかるインクセットの第4インクが含有するアルコール化合物は、態様A)においては第4のインク中の顔料の分散性を支える分散剤を顔料表面から排除する機能を有するもの、又、態様B)においては第1インクと混合されたときに、第1インク中の自己分散型カーボンブラックの分散性を支える、自己分散型カーボンブラック周囲の水分子を排除する脱水剤として機能するものである。このアルコール化合物としては一価のアルコール化合物(アルコール性水酸基を1つ有する化合物)が用いられる。このようなアルコール化合物は上記の作用を有し、かつインクの成分としての特性を有するものであれば特に限定されるものではなく、例えば、水溶性の高いメチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、イソブチルアルコール等が挙げられる。また、インク中における一価のアルコール化合物の添加量としては、インク全質量に対して、好ましくは1〜15質量%、より好ましくは2〜10質量%の範囲とする。
【0078】
(第1インク〜第4インクの溶媒)
第1〜第4インクの溶媒について説明する。溶媒としては、水と水溶性有機溶剤とを併用することが好ましい。
【0079】
本発明に使用する水は、種々のイオンを含有する一般の水ではなく、脱イオン水を使用することが望ましい。また、水の含有量としては、水性顔料インク全量に対して、好ましくは35〜96質量%の範囲である。
【0080】
水溶性有機溶剤は、インクの粘度を使用上好ましい適当な粘度に調整するためと、インクの乾燥速度を遅らせたり、色材の溶解性を高め記録ヘッドのノズルの目詰まりを防止するために使用される。具体的には、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、n−ペンタノール等の炭素数1〜5のアルキルアルコール類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類;アセトン、ジアセトンアルコール等のケトンまたはケトアルコール類;テトラヒロフラン、ジオキサン等のエーテル類;ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のオキシエチレンまたはオキシプロピレン共重合体;エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2,6−ヘキサントリオール、ヘキシレングリコール等のアルキレン基が2〜6個の炭素原子を含むアルキレングリコール類;グリセリン;トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン;エチレングリコールモノメチル(またはエチル)エーテル、ジエチレングリコールモノメチル(またはエチル)エーテル、トリエチレングリコールモノメチル(またはエチル)エーテル等の低級アルキルエーテル類;トリエチレングリコールジメチル(またはエチル)エーテル、テトラエチレングリコールジメチル(またはエチル)エーテル等の多価アルコールの低級ジアルキルエーテル類;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン類;スルホラン、N−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等が挙げられる。上記のごとき水溶性有機溶剤は、単独でもあるいは混合物としても使用することができる。尚、これらの溶媒のうち一価のアルコール化合物は本発明の効果を損なうことのない範囲で使用することが好ましいことは言うまでもない。
【0081】
また、本発明にかかる第一乃至第四のインクのpH値を一定にしてインク中における染料の溶解性及びカーボンブラックの分散性を安定化させるために、インク中にpH調整剤を含有させてもよい。pH調整剤として具体的には、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム及び水酸化アンモニウム等の水酸化物、硫酸、塩酸、酢酸等の酸類、硫酸リチウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム及び硫酸アンモニウム等の硫酸塩、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウムカリウム、炭酸アンモニウム及び炭酸水素アンモニウム等の炭酸塩、リン酸リチウム、リン酸一ナトリウム、リン酸二ナトリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸一カリウム、リン酸二カリウム、リン酸三カリウム、リン酸一アンモニウム、リン酸二アンモニウム、リン酸三アンモニウム等のリン酸塩、酢酸リチウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム及び酢酸アンモニウム等の酢酸塩等が挙げられる。
【0082】
これらの塩は、単独でインク中に添加させて使用してもよいが、これらのうちの2種類以上の塩を併用するのがさらに好ましい。また、これらの塩の総添加量は、好ましくは0.1〜10質量%、さらに好ましくは1〜8質量%である。このような範囲とすることで、インクのpHを一定に保つことができ、またインク中に含まれている水性染料の溶解安定性を維持することができる。またこれらの塩の結晶が析出してノズルの目詰まり等を引き起こすこともない。
【0083】
さらに、本発明において用いるインクには、上記の成分の他に必要に応じて、従来公知の一般的な各種添加剤、例えば、粘度調整剤、防かび剤、防腐剤、酸化防止剤、消泡剤、界面活性剤、尿素等のノズル乾燥防止剤を適宜併用することができる。
【0084】
また、本発明において用いるインクの物性として好適な範囲は、25℃付近でpHが好ましくは2〜12、より好ましくは3〜10、表面張力が好ましくは10〜60mN/m(dyn/cm)、より好ましくは15〜50mN/m(dyn/cm)、粘度が好ましくは1〜30mPa・s(cps)、より好ましくは1〜10mPa・s(cps)の範囲である。
【0085】
本発明におけるインクセットは、上記の第1〜第4インクを少なくとも用い、必要に応じて1色以上のインクを更に追加して構成することができる。この追加されるインクは、上記の第1〜第4のインクの特性を有するものであっても良いし、公知のインクの特性を有するものであっても良い。
【0086】
(参考例)
上記4色以上のインクを用いた場合から、第1のインクを除いた残りの第2〜第4インクを用いて参考例としてのインクセットを構成することができる。
【0087】
例えば、前記態様B)の第1インクを除き、第2〜第4インクから少なくとも3色のインクを構成することで、少なくとも3色のインクからなるインクセットを構成することもできる。この場合、第2インク〜第4インクの3色のインクを重ねて被記録媒体上に吐出することにより、各色インク間でのブリードが軽減された画像を記録することが可能である。
【0088】
また、前記態様A)の第1インクを除き、第2〜第4インクからなる少なくとも3色のインクを構成することで、少なくとも3色のインクからなるインクセットを構成することもできる。このインクセットを用いることでも各色間でブリードの軽減されたマルチカラー画像を形成できる。
【0089】
後者のインク即ち、このインクセットは、第1インクとして多価金属イオンを含む液体との接触によって凝集するアニオン染料と1価のアルコール化合物を含み、第2インクとして多価金属イオンを含む液体との接触によっても凝集しないアニオン性染料を含み、第3インクとして顔料とそれを液体に分散させる分散剤を含んでいるものである。
【0090】
このインクセットにおける第1インク及び第2インクは、前記した本発明にかかるインクセットの態様A)を構成する第2インク及び第3インクと同様に組成することができる。
【0091】
そして、本参考例にかかる第3インクに用い得る顔料もまた、本発明にかかるインクセットのうち、態様A)として説明したインクセットにおける第4インクに用い得る顔料と同様のものを用いることができる。
【0092】
そしてこの顔料を液体に分散させる為の分散剤としては、先に本発明にかかるインクセットで挙げたアニオン性の分散剤やカチオン性の分散剤が使用できる。
【0093】
本発明の記録方法は、3つ以上のインクを使用し、インクジェット方式により画像を形成するものであるが、本発明の記録方法に適用されるインクジェット方式としては、従来公知の方式をいずれも使用することができる。即ち、インクに熱エネルギーを加えてインクの発泡により液滴を吐出させるインクジェット記録方法、及びインクにピエゾ素子の機械的振動を利用して液滴を吐出させるインクジェット記録方法があり、それらのインクジェット記録方法に本発明のインクセットは好適である。
【0094】
次に、上記した本発明のインクセットを用いて記録を行うのに好適な本発明のインクジェット記録装置の一例を以下に説明する。
【0095】
まず、熱エネルギーを利用したインクジェット記録装置の主要部であるヘッド構成の一例を図1及び図2に示す。図1は、インク流路に沿ったヘッド13の断面図であり、図2は図1のA−B線での切断面図である。ヘッド13はガラス、セラミック、シリコン、ポリサルホンまたはプラスチック板等からなりインクを通す流路(ノズル)14と発熱素子基板15とを有する。発熱素子基板15は酸化シリコン、窒化シリコン、炭化シリコン等で形成される保護層16−1、白金等の金属または白金の酸化物等の金属の酸化物で形成される最表面保護層16−2、アルミニウム、金、アルミニウム−銅合金等で形成される電極17−1及び17−2、ハフニウムボライド、窒化タンタル、タンタルアルミニウム等の高融点材料から形成される発熱抵抗体層18、酸化シリコン、酸化アルミニウム等で形成される蓄熱層19、シリコン、アルミニウム、窒化アルミニウム等の放熱性のよい材料で形成される基板20よりなっている。
【0096】
図12は本発明にかかるインクジェット記録装置のヘッド部における発熱抵抗体を有する電気熱変換体が基板上に形成された基体のインク流路に沿った部分断面図である。すなわち、図12における電極配線を構成する電極層2005の2つの対向する端部間に位置する発熱抵抗体層2004の電極層で覆われていない部分が発熱抵抗体を形成する。
【0097】
上記ヘッド13の電極17−1及び17−2にパルス状の電気信号が印加されると、発熱素子基板15のnで示される領域(ヒーター)が急速に発熱し、この表面に接しているインク21に気泡が発生し、その圧力でメニスカス23が突出し、インク21がヘッドのノズル14を通して吐出し、吐出オリフィス22よりインク小滴24となり、被記録材25に向かって飛翔する。図3には、図1に示したヘッドを多数並べたマルチヘッドの一例の外観図を示す。このマルチヘッドは、マルチノズル26を有するポリサルホン27と、図1に説明したものと同じような発熱ヘッド28を接着して作られている。
【0098】
図12において、2001はシリコン基板、2002は熱酸化膜からなる蓄熱層を示すものであり、2003は、蓄熱を兼ねるSiO膜、SiN膜等からなる層間膜、2004は発熱抵抗体層、2005はAl、Al−Si、Al−Cu等の金属材料からなる配線としての電極層、2006はSiO膜、SiN膜等からなる絶縁層としても機能する保護層を示す。2007は、発熱抵抗体の発熱に伴う化学的、物理的衝撃から保護膜2006を守るための上部保護層である。また、2008は発熱抵抗体層2004の発熱抵抗体で発生した熱がインクに作用する熱作用部である。
【0099】
図4に、このヘッドを組み込んだインクジェット記録装置の一例を示す。図4において、61はワイピング部材としてのブレードであり、その一端はブレード保持部材によって保持固定されており、カンチレバーの形態をなす。ブレード61は記録ヘッド65による記録領域に隣接した位置に配置され、また、本例の場合、記録ヘッド65の移動経路中に突出した形態で保持される。
【0100】
62は記録ヘッド65の突出口面のキャップであり、ブレード61に隣接するホームポジションに配置され、記録ヘッド65の移動方向と垂直な方向に移動して、インク吐出口面と当接し、キャッピングを行う構成を備える。さらに、63はブレード61に隣接して設けられるインク吸収体であり、ブレード61と同様、記録ヘッド65の移動経路中に突出した形態で保持される。上記ブレード61、キャップ62及びインク吸収体63によって吐出回復部64が構成され、ブレード61及びインク吸収体63によって吐出口面に水分、塵埃等の除去が行われる。
【0101】
65は、吐出エネルギー発生手段を有し、吐出口を配した吐出口面に対向する被記録材にインクを吐出して記録を行う記録ヘッド、66は記録ヘッド65を搭載して記録ヘッド65の移動を行うためのキャリッジである。キャリッジ66はガイド軸67と摺動可能に係合し、キャリッジ66の一部はモーター68によって駆動されるベルト69と接続(不図示)している。これによりキャリッジ66はガイド軸67に沿って移動が可能となり、記録ヘッド65による記録領域及びその隣接した領域の移動が可能となる。
【0102】
51は被記録材を挿入するための給紙部、52は不図示のモーターにより駆動される紙送りローラーである。これらの構成により記録ヘッド65の吐出口面と対向する位置へ被記録材が給紙され、記録の進行につれて排紙ローラー53を配した排紙部へ排紙される。以上の構成において記録ヘッド65が記録終了してホームポジションへ戻る際、吐出回復部64のキャップ62は記録ヘッド65の移動経路から退避しているが、ブレード61は移動経路中に突出している。その結果、記録ヘッド65の吐出口がワイピングされる。
【0103】
なお、キャップ62が記録ヘッド65の吐出口面に当接してキャッピングを行う場合、キャップ62は記録ヘッドの移動経路中に突出するように移動する。記録ヘッド65がホームポジションから記録開始位置へ移動する場合、キャップ62及びブレード61は上記したワイピングのときの位置と同一の位置にある。この結果、この移動においても記録ヘッド65の吐出口面はワイピングされる。
【0104】
前記の記録ヘッド65のホームポジションへの移動は、記録終了時や吐出回復時ばかりではなく、記録ヘッド65が記録のために記録領域を移動する間に所定の間隔で記録領域に隣接したホームポジションへ移動し、この移動に伴って上記ワイピングが行われる。
【0105】
図5は、ヘッドのインク供給部材、例えば、チューブを介して供給されるインクを収容したインクカートリッジ45の一例を示す図である。ここで40は供給用インクを収容したインク収容部、例えば、インク袋であり、その先端にはゴム製の栓42が設けられている。この栓42に針(図示せず)を挿入することにより、インク袋40中のインクをヘッドに供給可能ならしめる。44は廃インクを受容するインク吸収体である。
【0106】
インク収容部としては、インクとの接液面がポリオレフィン、特にポリエチレンで形成されているものが好ましい。
【0107】
本発明で使用されるインクジェット記録装置としては、前記の如きヘッドとインクカートリッジが別体となったものに限らず、図6に示す如きそれらが一体となったものも好適に用いられる。
【0108】
図6において、70は記録ユニットであり、この中にはインクを収容したインク収容部、例えば、インク吸収体が収納されており、かかるインク吸収体中のインクが複数オリフィスを有するヘッド部71からインク滴として吐出される構成になっている。インク吸収体の材料としてポリウレタンを用いることが本発明にとって好ましい。
【0109】
また、インク吸収体を用いず、インク収容部が内部にバネ等を仕込んだインク袋であるような構造でもよい。
【0110】
72はカートリッジ内部を大気に連通させるための大気連通口である。この記録ユニット70は図4に示す記録ヘッド65に換えて用いられるものであって、キャリッジ66に対して着脱自在になっている。
【0111】
その他の実施例としては、複数のノズルを有するノズル形成基板と、ノズルに対向して配置される圧電材料と導電材料からなる圧力発生素子と、この圧力発生素子の周囲を満たすインクを備え、印加電圧により圧力発生素子を変位させ、インクの小液滴をノズルから吐出させるオンデマンドインクジェット記録ヘッドを挙げることができる。その記録装置の主要部である記録ヘッドの構成の一例を図7に示す。
【0112】
ヘッドは、インク室(不図示)に連通したインク流路80と、所望の体積のインク滴を吐出するためのオリフィスプレート81と、インクに直接圧力を作用させる振動板82と、この振動板82に接合され、電気信号により変位する圧電素子83と、オリフィスプレート81、振動板82等を指示固定するための基板84とから構成されている。
【0113】
図7において、インク流路80は、感光性樹脂等で形成され、オリフィスプレート81は、ステンレス、ニッケル等の金属を電鋳やプレス加工による穴あけ等により吐出口85が形成され、振動板82はステンレス、ニッケル、チタン等の金属フィルム及び高弾性樹脂フィルム等で形成され、圧電素子83は、チタン酸バリウム、PZT等の誘電体材料で形成される。
【0114】
以上のような構成の記録ヘッドは、圧電素子83にパルス状の電圧を与え、歪み応力を発生させ、そのエネルギーが圧電素子83に接合された振動板を変形させ、インク流路80内のインクを垂直に加圧しインク滴(不図示)をオリフィスプレート81の吐出口85より吐出して記録を行うように動作する。
【0115】
このような記録ヘッドは、図4に示したものと同様なインクジェット記録装置に組み込んで使用される。インクジェット記録装置の細部の動作は、前述と同様に行うもので差し支えない。
【0116】
本発明の画像形成方法によってカラー画像を形成する場合には、例えば、図3に示した4個の記録ヘッドをキャリッジ43上に並べた記録装置を使用する。図8はその一例である。91,92,93,94は、それぞれ第一インク、第二インク、第三インク及び第四インクのインクを吐出するための記録ヘッドである。該ヘッドは前記した記録装置に配置され、記録信号において、各色のインクを吐出する。
【0117】
図8で4個の記録ヘッドを使用した例を示したが、これに限定されるものではなく、図9に示したように1つの記録ヘッドで第一インク、第二インク、第三インク及び第四インクを液流路を分けて行う場合も好ましい。
【0118】
本発明で好適に使用されるインクジェット記録ヘッドの配置の具体的な構成例としては、図10および11に示したような2種が挙げられる。
【0119】
図10,11において、Y,M,C及びBkはそれぞれイエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの各色のインクを吐出するための記録ヘッドである。各記録ヘッドは、図7で示したと同様にキャリッジ上に並べられる(構成例によって異なる)。各記録ヘッドは前記したような記録装置に配置され、記録信号に応じて、各色のインクを吐出する。なお、各記録ヘッドは矢印(1)の方向にキャリッジによって移動し、被記録材は矢印(2)方向に給紙ローラー等によって移動する。
【0120】
まず、図10の第1の構成例では、Bk,Y,M,C用の記録ヘッドが並列にキャリッジ上に配置されている。図11の第2の構成例は、ブラックインク用の記録ヘッドと、この記録ヘッドとは並列で、且つ互いに直列に配置されたY,M,C用の記録ヘッドとからなる。
【0121】
また、図10においてキャリッジを固定し、被記録材を矢印(2)方向に給紙ローラー等によって移動させるようにして、所謂ラインプリンタに適用してもよい。
【0122】
【実施例】
次に、実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、下記実施例により限定されるものではない。なお、文中「部」及び「%」とあるのは、特に断りのない限り質量基準である。
カーボンブラック1:
表面積が230m2 /gでDBP吸油量が70ml/100gのカーボンブラック10gと3−アミノ−N−エチルピリジニウムブロマイド3.06gを水72gによく混合した後、これに硝酸1.62gを滴下して70℃で攪拌した。数分後、水5gに1.07gの亜硝酸ナトリウムを溶かした溶液を加え、さらに1時間攪拌した。得られたスラリーを東洋濾紙No.2(アドバンティス社製)で濾過し、顔料粒子を充分に水洗し、110℃のオーブンで乾燥させ、さらに、この顔料に水を足して顔料濃度10質量%の顔料水溶液を作製した。以上の方法により、下記式で表した親水性基が、表面に直接結合したカチオン性のカーボンブラックの顔料分散液1を得た。
【0123】
【化30】
Figure 0005072141
実施例1〜6及び比較例1〜3
ブラックインク及びイエロー、マゼンタ、シアンのカラーインクを組合わせて実施例1〜6及び比較例1〜4のインクセットを作製した。
【0124】
各々のインクは、下記に挙げる成分を用いた。作製方法としては、まず、下記の成分を溶解した後、さらに、実施例1〜6及び比較例1〜3のインクセットのブラックインク、実施例4のマゼンタインク、実施例5のイエローインクについてポアサイズが3μmのミクロフィルター(富士写真フィルム(株)製)を用いて加圧濾過し、その他のインクについてはポアサイズが0.2μmのミクロフィルター(富士写真フィルム(株)製)を用いて加圧濾過し、それぞれのインクを調製した。
実施例1のインクセット(態様B):
ブラックインク(本発明のインクセットの第一のインク)
・上記カーボンブラック1 4部
・グリセリン 8部
・トリメチロールプロパン 5部
・ヘキシレングリコール 4部
・水 79部
イエローインク(本発明のインクセットの第二のインク)
・プロジェット・ファスト・イエロー2(Zeneca社) 2.5部
・グリセリン 5部
・ジエチレングリコール 5部
・2−プロパノール 5部
・尿素 5部
・水酸化リチウム 0.2部
・水 77.3部
マゼンタインク(本発明のインクセットの第四のインク)
・C.I.ベーシック・レッド92 2部
・グリセリン 8部
・ジエチレングリコール 5部
・2−プロパノール 4部
・水 81部
シアンインク(本発明のインクセットの第三のインク)
・C.I.ダイレクト・ブルー 199 2部
・グリセリン 8部
・ジエチレングリコール 5部
・2−プロパノール 4部
・硝酸マグネシウム(6水和物) 7部
・水 74部
実施例2のインクセット(態様B):
ブラックインク(本発明のインクセットの第一のインク)
・上記カーボンブラック1 4部
・グリセリン 5部
・ジエチレングリコール 5部
・2−ピロリドン 5部
・アセチレノールEH(川研ファインケミカル製) 0.3部
・水 80.7部
イエローインク(本発明のインクセットの第四のインク)
・C.I.ベーシックイエロー92 2.5部
・ジエチレングリコール 10部
・エチレングリコール 5部
・エタノール 4部
・水 78.5部
マゼンタインク(本発明のインクセットの第三のインク)
・C.I.アシッド・レッド289 2部
・グリセリン 5部
・チオジグリコール 5部
・トリメチロールプロパン 5部
・エタノール 4部
・硝酸マグネシウム(6水和物) 2部
・水 77部
シアンインク(本発明のインクセットの第二のインク)
・プロジェット・ファスト・シアン2(Zeneca社) 3部
・グリセリン 8部
・ジエチレングリコール 5部
・エタノール 4部
・水酸化ナトリウム 0.2部
・水 79.8部
実施例3のインクセット(態様B):
ブラックインク(本発明のインクセットの第一のインク)
・上記カーボンブラック1 3部
・トリメチロールプロパン 5部
・ジエチレングリコール 10部
・2−ピロリドン 5部
・アセチレノールEH(川研ファインケミカル製) 0.2部
・水 76.8部
イエローインク(本発明のインクセットの第三のインク)
・C.I.アシッド・イエロー23 2部
・ジエチレングリコール 10部
・エチレングリコール 5部
・トリメチロールプロパン 3部
・アセチレノールEH(川研ファインケミカル製) 0.3部
・硝酸カルシウム(4水和物) 5部
・水 74.7部
マゼンタインク(本発明のインクセットの第四のインク)
・C.I.ベーシック・レッド92 2部
・グリセリン 8部
・ジエチレングリコール 5部
・エタノール 5部
・水 80部
シアンインク(本発明のインクセットの第二のインク)
・プロジェット・ファスト・シアン2(Zeneca社) 3部
・グリセリン 10部
・ジエチレングリコール 5部
・アセチレノールEH(川研ファインケミカル製) 0.3部
・水酸化ナトリウム 0.2部
・水 81.5部
実施例4のインクセット(態様A):
ブラックインク(本発明のインクセットの第一のインク)
・上記カーボンブラック1 3部
・トリメチロールプロパン 5部
・ジエチレングリコール 10部
・グリセリン 5部
・アセチレノールEH(川研ファインケミカル製) 0.2部
・水 76.8部
イエローインク(本発明のインクセットの第三のインク)
・C.I.アシッド・イエロー23 2部
・ジエチレングリコール 10部
・エチレングリコール 5部
・トリメチロールプロパン 3部
・アセチレノールEH(川研ファインケミカル製) 0.3部
・硝酸カルシウム(4水和物) 5部
・水 74.7部
マゼンタインク(本発明のインクセットの第四のインク)
(顔料分散液の調整)
スチレン−アクリル酸共重合体 5.5部
(酸価200、平均分子量7000)
モノエタノールアミン 1.0部
イオン交換水 67.5部
ジエチレングリコール 5.0部
上記成分を混合し、ウォーターバスで70℃に加温し、樹脂分を完全に溶解させた。
【0125】
この溶液にC.I.Pigment Red 122を20部、イソプロピルアルコールを1.0部加え、30分間プレミキシングを行った後、下記の条件で分散処理を行った。
【0126】
分散機 :サンドグラインダー
粉砕メディア :ガラスビーズ 1mm径
粉砕メディア充填率 :50%(体積)
粉砕時間 :3時間
さらに遠心分離処理(12000rpm、20分間)を行い、粗大粒子を除去して分散液とした。
【0127】
(インクの調整)
・上記顔料分散液 20部
・グリセリン 15部
・ジエチレングリコール 10部
・アセチレノールEH(川研ファインケミカル製) 0.3部
・水 54.7部
シアンインク(本発明のインクセットの第二のインク)
・プロジェット・ファスト・シアン2(Zeneca社) 3部
・グリセリン 10部
・ジエチレングリコール 5部
・アセチレノールEH(川研ファインケミカル製) 0.3部
・水酸化ナトリウム 0.2部
・水 81.5部
実施例5のインクセット(態様A):
ブラックインク(本発明のインクセットの第一のインク)
・上記カーボンブラック1 4部
・グリセリン 5部
・チオジグリコール 5部
・2−ピロリドン 5部
・アセチレノールEH(川研ファインケミカル製) 0.3部
・水 80.7部
イエローインク(本発明のインクセットの第四のインク)
(顔料分散液の調整)
スチレン−アクリル酸共重合体 5.5部
(酸価200、平均分子量7000)
モノエタノールアミン 1.0部
イオン交換水 67.5部
ジエチレングリコール 5.0部
上記成分を混合し、ウォーターバスで70℃に加温し、樹脂分を完全に溶解させた。
【0128】
この溶液にC.I.Pigment Yellow 93を20部、イソプロピルアルコールを1.0部加え、30分間プレミキシングを行った後、下記の条件で分散処理を行った。
【0129】
分散機 :サンドグラインダー
粉砕メディア :ガラスビーズ 1mm径
粉砕メディア充填率 :50%(体積)
粉砕時間 :3時間
さらに遠心分離処理(12000rpm、20分間)を行い、粗大粒子を除去して分散液とした。
【0130】
(インクの調整)
・上記顔料分散液 20部
・グリセリン 15部
・ジエチレングリコール 10部
・アセチレノールEH(川研ファインケミカル製) 0.3部
・水 54.7部
マゼンタインク(本発明のインクセットの第三のインク)
・C.I.アシッド・レッド 289 2部
・グリセリン 5部
・チオジグリコール 5部
・トリメチロールプロパン 5部
・エタノール 4部
・硝酸マグネシウム(6水和物) 2部
・水 77部
シアンインク(本発明インクセットの第二のインク)
・プロジェット・ファスト・シアン2(Zeneca社) 3部
・グリセリン 8部
・ジエチレングリコール 5部
・エタノール 4部
・水酸化ナトリウム 0.2部
・水 79.8部
実施例6のインクセット(態様A):
ブラックインク(本発明のインクセットの第一のインク)
・上記カーボンブラック1 3部
・トリメチロールプロパン 5部
・ジエチレングリコール 10部
・2−ピロリドン 5部
・アセチレノールEH(川研ファインケミカル製) 0.2部
・水 76.8部
イエローインク(本発明インクセットの第三のインク)
・C.I.アシッド・イエロー23 2部
・ジエチレングリコール 10部
・エチレングリコール 5部
・トリメチロールプロパン 3部
・アセチレノールEH(川研ファインケミカル製) 0.3部
・硝酸カルシウム(4水和物) 5部
・水 74.7部
マゼンタインク(本発明インクセットの第二のインク)
・プロジェット・ファスト・マゼンタ2(Zeneca社) 2.5部
・グリセリン 5部
・ジエチレングリコール 10部
・2−プロパノール 5部
・尿素 5部
・水酸化ナトリウム 0.1部
・硫酸ナトリウム 0.1部
・水 72.3部
シアンインク(本発明のインクセットの第四のインク)
(顔料分散液の調整)
スチレン−アクリル酸共重合体 5.5部
(酸価200、平均分子量7000)
モノエタノールアミン 1.0部
イオン交換水 67.5部
ジエチレングリコール 5.0部
上記成分を混合し、ウォーターバスで70℃に加温し、樹脂分を完全に溶解させた。
【0131】
この溶液にC.I.Pigment Blue 15:3を20部、イソプロピルアルコールを1.0部加え、30分間プレミキシングを行った後、下記の条件で分散処理を行った。
【0132】
分散機 :サンドグラインダー
粉砕メディア :ガラスビーズ 1mm径
粉砕メディア充填率 :50%(体積)
粉砕時間 :3時間
さらに遠心分離処理(12000rpm、20分間)を行い、粗大粒子を除去して分散液とした。
【0133】
(インクの調整)
・上記顔料分散液 20部
・グリセリン 15部
・ジエチレングリコール 10部
・アセチレノールEH(川研ファインケミカル製) 0.3部
・水 54.7部
比較例1のインクセット:
ブラックインク
・上記カーボンブラック1 4部
・グリセリン 8部
・トリメチロールプロパン 5部
・1,5−ペンタンジオール 5部
・水 78部
イエローインク
・プロジェット・ファスト・イエロー2 2.5部
・グリセリン 5部
・ジエチレングリコール 5部
・2−プロパノール 5部
・尿素 5部
・水酸化リチウム 0.2部
・水 77.3部
マゼンタインク
・C.I.アシッド・レッド289 2部
・グリセリン 8部
・ジエチレングリコール 5部
・2−プロパノール 4部
・水 81部
シアンインク
・C.I.ダイレクト・ブルー199 2部
・グリセリン 8部
・ジエチレングリコール 5部
・2−プロパノール 4部
・硝酸マグネシウム(6水和物) 7部
・水 74部
比較例2のインクセット:
ブラックインク
(顔料分散液の作製)
スチレン−アクリル酸共重合体 5.0部
(平均分子量7000)
モノエタノールアミン 1.0部
イオン交換水 68.0部
ジエチレングリコール 5.0部
成分を混合し、ウォーターバスで70℃に加温し、樹脂分を完全に溶解させた。この溶液にカーボンブラック(MCF88 三菱化成社製)を20部、イソプロピルアルコールを1.0部加え、30分間プレミキシングを行った後、下記の条件で分散処理を行った。
【0134】
分散機 :サンドグラインダー
粉砕メディア :ジルコニウムビーズ 1mm径
粉砕メディア充填率 :50%(体積)
粉砕時間 :3時間
さらに遠心分離処理(12000rpm、20分間)を行い、粗大粒子を除去して分散液とした。
【0135】
(インクの作製)
インクの作製は上記の分散液に以下の成分を加えることにより、以下の各成分をビーカーで5℃にて3時間攪拌した。この混合物をポアサイズ3.0μmのメンブランフィルター(富士写真フィルム社製)で加圧濾過して比較例2のインクセットのブラックインクを得た。
【0136】
・上記分散液 15部
・グリセリン 5部
・ジエチレングリコール 15部
・30%スチレン−アクリル酸共重合体水溶液 50部
(平均分子量7000、モノエタノールアミン中和、中和率110%)
・アセチレノールEH(川研ファインケミカル製) 0.2部
・水 14.8部
イエローインク
・C.I.アシッド・イエロー23 2部
・グリセリン 5部
・エチレングリコール 10部
・2−プロパノール 4部
・硝酸カルシウム(4水和物) 4部
・水 75部
マゼンタインク
・C.I.アシッド・レッド289 2部
・グリセリン 8部
・ジエチレングリコール 5部
・2−プロパノール 4部
・硝酸マグネシウム(6水和物) 6部
・水 75部
シアンインク
・C.I.ダイレクト・ブルー199 2部
・グリセリン 8部
・ジエチレングリコール 5部
・2−プロパノール 4部
・硝酸マグネシウム(6水和物) 7部
・水 74部
比較例3のインクセット:
ブラックインク
比較例2のブラックインクと同じ
イエローインク
・C.I.アシッド・イエロー23 2部
・グリセリン 5部
・エチレングリコール 10部
・アセチレノールEH(川研ファインケミカル製) 2部
・硝酸カルシウム(4水和物) 4部
・水 77部
マゼンタインク
・C.I.アシッド・レッド289 2部
・グリセリン 8部
・ジエチレングリコール 5部
・アセチレノールEH(川研ファインケミカル製) 2部
・硝酸マグネシウム(6水和物) 6部
・水 77部
シアンインク
・C.I.ダイレクト・ブルー199 2部
・グリセリン 8部
・ジエチレングリコール 5部
・アセチレノールEH(川研ファインケミカル製) 2部
・硝酸マグネシウム(6水和物) 7部
・水 76部
評価方法及び評価基準
上記で得られた本発明の実施例1〜6、及び比較例1〜3のインクセットの各インクを記録信号に応じた熱エネルギーをインクに付与することによりインクを吐出させるオンデマンド型マルチ記録ヘッドを有するインクジェット記録装置であるカラーインクジェットプリンター(BJC−600J:キャノン(株)製)にそれぞれ搭載し、以下の(1)〜(10)について評価を行った。(1)〜(6)はブリードの評価、(7)〜(10)は印字品位の評価である。評価試験の用紙には、キャノン製コピー用紙(商品名:PB PAPER)と、ゼロックス製コピー用紙(商品名:4024 PAPER)の被記録媒体2紙を用いた。また、得られた結果を後記の表1に示す。
【0137】
(1)〜(6)ブリードの評価:
(1)ブラックインクとイエローインクとの間のブリード
上記の被記録媒体2紙のブラックインクでベタ部を印刷し、その直後にブラックインクと隣接するようにイエローインクのベタ部を印刷した。得られたベタ部の境界部分を目視で観察し、下記基準でブリード評価を行った。
【0138】
A:境界部の滲みがない。
【0139】
B:境界部の滲みが若干見られる。
【0140】
C:境界部の滲みが顕著に見られる。
【0141】
(2)ブラックインクとマゼンタインクとの間のブリード
ブラックインクとマゼンタインクとの間のブリード評価を(1)と同様の評価方法、評価基準で行った。
【0142】
(3)ブラックインクとシアンインクとの間のブリード
ブラックインクとシアンインクとの間のブリード評価を(1)と同様の評価方法、評価基準で行った。
【0143】
(4)イエローインクとマゼンタインクとの間のブリード
イエローインクとマゼンタインクとの間のブリード評価を(1)と同様の評価方法、評価基準で行った。
【0144】
(5)イエローインクとシアンインクとの間のブリード
イエローインクとシアンインクとの間のブリード評価を(1)と同様の評価方法、評価基準で行った。
【0145】
(6)マゼンタインクとシアンインクとの間のブリード
マゼンタインクとシアンインクとの間のブリード評価を(1)と同様の評価方法、評価基準で行った。
【0146】
(7)〜(10)印字品位:
上記の被記録媒体2紙に各インクを単独で英数文字を印刷し、得られた英数文字部を目視及び顕微鏡で観察し、下記基準で印字品位の評価を行った。なお、(7)はブラックインク、(8)はイエローインク、(9)はマゼンタインク、(10)はシアンインクの評価である。
【0147】
プリンターで英数文字を印字し、1時間以上放置した後、顕微鏡及び目視で文字のシャープさや文字より発生するヒゲ状の滲みの度合いを評価した。
【0148】
A:文字のエッジ部分がシャープでヒゲ状の滲みもない
B:文字のエッジ部分にヒゲ状の滲みが若干発生
C:文字のエッジ部分にヒゲ状の滲みが多い
【0149】
【表1】
Figure 0005072141
上記表1に示した様に、本発明によれば、各インクセットを構成する各々のインク間でのブリードが防止、若しくは極めて有効に緩和されること、そして各々のインク単独による画像の品位も優れていることが分かる。
【0150】
また、比較例3のインクセットに関しては、イエロー、マゼンタ及びシアンインクは、各々、アセチレノールEHの添加によって被記録材に対する浸透性を大幅に向上している。その為、各カラーインク間でのブリードは、緩和されている。しかし、印字品位に関しては、その高い浸透性ゆえに、十分な結果が得られなかった。
【0151】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、被記録媒体として被記録媒体を用いた場合においても、ブリード滲みがほとんどなく、かつ鮮明で印字物の印字品位も良好なカラー画像が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】インクジェット記録装置のヘッドの一例を示す縦断面図である。
【図2】インクジェット記録装置のヘッドの一例を示す横断面図である。
【図3】図1に示したヘッドをマルチ化したヘッドの外観斜視図である。
【図4】インクジェット記録装置の一例を示す概略斜視図である。
【図5】インクカートリッジの一例を示す縦断面図である。
【図6】記録ユニットの一例を示す斜視図である。
【図7】力学的エネルギーを利用したインクジェット記録ヘッドの構成の一例を示す概略断面図である。
【図8】複数の記録ヘッドが配列した記録部を示した斜視図である。
【図9】本発明に使用する別の記録ヘッドの斜視図である。
【図10】記録ヘッドの第1の構成例を示す図である。
【図11】記録ヘッドの第2の構成例を示す図である。
【図12】記録ヘッドの基体のインク流路に沿った部分断面図である。
【符号の説明】
13 ヘッド
14 インク溝(ノズル)
15 発熱素子基板
16−1 保護層
16−2 最表面保護層
17−1,17−2 電極
18 発熱抵抗体層
19 蓄熱層
20 基板
21 インク
22 吐出オリフィス(微細孔)
23 メニスカス
24 インク小滴
25 被記録材
26 マルチ溝(ノズル)
27
28 発熱ヘッド
40 インク袋
42 栓
43 キャリッジ
44 インク吸収体
45 インクカートリッジ
51 給紙部
52 紙送りローラー
53 排紙ローラー
61 ブレード
62 キャップ
63 インク吸収体
64 吐出回復部

Claims (8)

  1. 4色以上のインクを用いてカラー画像を被記録材に記録するために用いるインクセットであって、
    (1)表面にカチオン性の親水基が直接もしくは他の原子団を介して結合している自己分散型カーボンブラックを溶媒中に含んでいる第1インクと、
    (2)溶媒中に、第1のアニオン染料と1価のアルコール化合物とを含み、該第1のアニオン染料が、C.I.ダイレクトブルー 307C.I.ダイレクトバイオレット 107C.I.ダイレクトイエロー 173及び下記例示化合物1〜27からなる群より選ばれる少なくとも一つの化合物である第2インクと、
    Figure 0005072141
    Figure 0005072141
    Figure 0005072141
    Figure 0005072141
    Figure 0005072141
    Figure 0005072141
    Figure 0005072141
    Figure 0005072141
    Figure 0005072141
    Figure 0005072141
    Figure 0005072141
    Figure 0005072141
    Figure 0005072141
    Figure 0005072141
    Figure 0005072141
    Figure 0005072141
    Figure 0005072141
    Figure 0005072141
    Figure 0005072141
    Figure 0005072141
    Figure 0005072141
    Figure 0005072141
    Figure 0005072141
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    (3)溶媒中に、第2のアニオン染料と多価金属塩とを含み、該第2のアニオン染料が、C.I.ダイレクトブルー−1,−2,−6,−8,−22,−34,−70,−71,−76,−78,−86,−142,−199,−200,−201,−202,−203,−207,−218,−236,−287、C.I.ダイレクトレッド−1,−2,−4,−8,−9,−11,−13,−15,−20,−28,−31,−33,−37,−39,−51,−59,−62,−63,−73,−75,−80,−81,−83,−87,−90,−94,−95,−99,−101,−110,−189,−225,−227、C.I.ダイレクトイエロー−1,−2,−4,−8,−11,−12,−26,−27,−28,−33,−34,−41,−44,−48,−86,−87,−88,−132,−135,−142,−144、C.I.アシッドブルー−1,−7,−9,−15,−22,−23,−27,−29,−40,−43,−55,−59,−62,−78,−80,−81,−90,−102,−104,−111,−185,−254、C.I.アシッドレッド−1,−4,−8,−13,−14,−15,−18,−21,−26,−35,−37,−52,−249,−257,−289、C.I.アシッドイエロー−1,−3,−4,−7.−11,−12,−13,−14,−19,−23,−25,−34,−38,−41,−42,−44,−53,−55,−61,−71,−76,−79、C.I.リアクアティブブルー−1,−2,−3,−4,−5,−7,−8,−9,−13,−14,−15,−17,−18,−19,−20,−21,−25,−26,−27,−28,−29,−31,−32,−33,−34,−37,−38,−39,−40,−41,−43,−44,−46、C.I.リアクティブレッド−1,−2,−3,−4,−5,−6,−7,−8,−11,−12,−13,−15,−16,−17,19,−20,−21,−22,−23,−24,−28,−29,−31,−32,−33,−34,−35,−36,−37,−38,−39,−40,−41,−42,−43,−45,−46,−49,−50,−58,−59,−63,−64,−180及びC.I.リアクティブイエロー−1,−2,−3,−4,−6,−7,−11,−12,−13,−14,−15,−16,−17,−18,−22,−23,−24,−25,−26,−27,−37,−42からなる群より選ばれる少なくとも一つの化合物である第3インクと、
    (4)溶媒中に、顔料と分散剤、もしくはカチオン染料を含んでいる第4インクと、
    を具備し、
    前記第1インクが黒インクであり、前記第2〜第4インクが他の3色を構成している
    ことを特徴とするインクセット。
  2. 4色以上のインクを用いてカラー画像を被記録材に記録するためのインクセットであって、
    (1)表面にカチオン性の親水基が直接もしくは他の原子団を介して結合している自己分散型カーボンブラックを溶媒中に含んでいる第1インクと、
    (2)溶媒中に、第1のアニオン染料を含み、該第1のアニオン染料が、C.I.ダイレクトブルー 307C.I.ダイレクトバイオレット 107C.I.ダイレクトイエロー 173及び下記例示化合物1〜27からなる群より選ばれる少なくとも一つの化合物である第2インクと、
    Figure 0005072141
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    (3)溶媒中に、第2のアニオン染料と多価金属塩とを含み、該第2のアニオン染料が、C.I.ダイレクトブルー−1,−2,−6,−8,−22,−34,−70,−71,−76,−78,−86,−142,−199,−200,−201,−202,−203,−207,−218,−236,−287、C.I.ダイレクトレッド−1,−2,−4,−8,−9,−11,−13,−15,−20,−28,−31,−33,−37,−39,−51,−59,−62,−63,−73,−75,−80,−81,−83,−87,−90,−94,−95,−99,−101,−110,−189,−225,−227、C.I.ダイレクトイエロー−1,−2,−4,−8,−11,−12,−26,−27,−28,−33,−34,−41,−44,−48,−86,−87,−88,−132,−135,−142,−144、C.I.アシッドブルー−1,−7,−9,−15,−22,−23,−27,−29,−40,−43,−55,−59,−62,−78,−80,−81,−90,−102,−104,−111,−185,−254、C.I.アシッドレッド−1,−4,−8,−13,−14,−15,−18,−21,−26,−35,−37,−52,−249,−257,−289、C.I.アシッドイエロー−1,−3,−4,−7.−11,−12,−13,−14,−19,−23,−25,−34,−38,−41,−42,−44,−53,−55,−61,−71,−76,−79、C.I.リアクアティブブルー−1,−2,−3,−4,−5,−7,−8,−9,−13,−14,−15,−17,−18,−19,−20,−21,−25,−26,−27,−28,−29,−31,−32,−33,−34,−37,−38,−39,−40,−41,−43,−44,−46、C.I.リアクティブレッド−1,−2,−3,−4,−5,−6,−7,−8,−11,−12,−13,−15,−16,−17,19,−20,−21,−22,−23,−24,−28,−29,−31,−32,−33,−34,−35,−36,−37,−38,−39,−40,−41,−42,−43,−45,−46,−49,−50,−58,−59,−63,−64,−180及びC.I.リアクティブイエロー−1,−2,−3,−4,−6,−7,−11,−12,−13,−14,−15,−16,−17,−18,−22,−23,−24,−25,−26,−27,−37,−42からなる群より選ばれる少なくとも一つの化合物である第3インクと、
    (4)溶媒中に1価のアルコール化合物と、カチオン染料とを含んでいる第4インクと、
    を具備し、
    前記第1インクが黒インクであり、前記第2〜第4インクが他の3色を構成していることを特徴とするインクセット。
  3. 前記第1インクにおける前記カチオン性の親水性基が下記式から選択される少なくとも1種である請求項1または2に記載のインクセット。
    Figure 0005072141
    (但し、式中のRは炭素原子数1〜12のアルキル基、置換基を有してもよいフェニル基または置換基を有してもよいナフチル基を表す。)
  4. 前記他の原子団が炭素数1〜12のアルキル基、置換基を有してもよいフェニレン基または置換基を有してもよいナフチレン基である請求項1または2に記載のインクセット。
  5. 少なくとも4色のインクの各々をインクジェット法で吐出する工程を有するマルチカラー画像を形成する方法であって、該4色のインクが、請求項1または2に記載のインクセットを構成する第1インク、第2インク、第3インク及び第4インクの各々に対応していることを特徴とするマルチカラー画像のインクジェット記録方法。
  6. 請求項1または2に記載のインクセットを構成する各インクをそれぞれ個々に収容するインク収容部と、各々のインク収容部に収容されているインクを吐出する為のインクジェットヘッドと、を具備していることを特徴とする記録ユニット。
  7. 請求項1または2に記載のインクセットの有する各インクをそれぞれ個々に収容するインク収容部と、各々のインク収容部に収容されているインクを吐出する為のインクジェットヘッドと、を具備していることを特徴とするインクジェット記録装置。
  8. 少なくとも4色のインクのうちの少なくとも2色のインクを用いて形成された、異なる色の画像が隣接している領域を有しているマルチカラー画像の、該領域におけるブリードを緩和する方法であって、
    該4色のインクが、請求項1または2に記載のインクセットを構成する第1〜第4インクの各々に対応していることを特徴とするマルチカラー画像の、異色画像隣接領域のブリード緩和方法。
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