JP2001294791A - インク、インクジェット記録ヘッドのヒータへのコゲ付着低減方法、インクジェット記録方法、インクジェット記録装置、記録ユニット及び記録へッドの長寿命化方法 - Google Patents
インク、インクジェット記録ヘッドのヒータへのコゲ付着低減方法、インクジェット記録方法、インクジェット記録装置、記録ユニット及び記録へッドの長寿命化方法Info
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- JP2001294791A JP2001294791A JP2001029606A JP2001029606A JP2001294791A JP 2001294791 A JP2001294791 A JP 2001294791A JP 2001029606 A JP2001029606 A JP 2001029606A JP 2001029606 A JP2001029606 A JP 2001029606A JP 2001294791 A JP2001294791 A JP 2001294791A
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Abstract
インクを記録ヘッドから吐出させるためのヒータ表面へ
のコゲの付着を低減でき、高品質な印刷を可能とし、記
録へッドのより一層の長寿命化を達成できるインク、コ
ゲ付着低減方法、インクジェット記録方法・装置、記録
ヘッドの長寿命化方法の提供。 【解決手段】 (a)色材(b)液媒体(c)ジグリコール酸と
その塩から選ばれる化合物を含むインク、それを用いた
インクジェット記録ヘッドのヒータへのコゲ付着低減方
法、インクジェット記録方法、同記録装置、記録ヘッド
の長寿命化方法、並びに、(a)色材(b)液媒体(c)イミノ
二酢酸とその塩から選ばれる化合物を含むインクジェッ
ト用インクを用いる記録ヘッドのヒータへのコゲ付着低
減方法、インクジェット記録方法、同記録装置、記録ヘ
ッドの長寿命化方法。
Description
ギーを印加するためのヒーター表面へのコゲの付着を低
減することのできるインク、及びコゲ付着防止方法、イ
ンクジェット記録方法、インクジェット記録装置、記録
ユニット、及びインクジェット記録ヘッドの長寿命化方
法に関する。
印刷には様々な方式が案出されているが、その中でも、
例えば、特開昭54−51837号公報等に記載されて
いるインクを熱エネルギーの作用によりインク滴として
吐出させるインクジェット方法(所謂、バブルジェット
(登録商標)法)は、高密度マルチノズルが非常に簡単
であるため、高画質の画像が、高速で且つ非常に安いコ
ストで得られ、しかも、特別なコート層等を有しない普
通紙にも印刷できるという特徴を有している。この方法
では、記録へッドのヒーターが急速に加熱されることに
よりヒーター上の液体が気泡を発生し、急激な体積の増
大を引き起こし、この急激な体積の増大に基づく作用力
によって記録へッド部先端のノズルよりインク液滴が吐
出、飛翔して、被記録材に付着して印刷が行われる。
出させる度に記録ヘッドのヒーターが繰返し加熱される
ので、大量の印刷を行うと、ヒーター面にインクの分解
物(所謂、コゲ)が堆積することがある。このようなコ
ゲが堆積すると、ヒーターからインクに熱エネルギーが
有効に伝わらず、吐出する液滴量や吐出する液滴の速度
が初期と比べて減少することが起こり、それが画像品質
に影響を及ぼしてしまうといった問題が生じることがあ
る。この場合、高い品質の印刷物を続けて得ようとする
と、記録へッドを交換する必要が生じる。このような状
況は、ユーザにとってトータルでの印刷コストの上昇に
繋がる。
のあるヒータ上へのコゲの付着をより一層減少させ、記
録へッドのより一層の長寿命化を図ることは、バブルジ
ェット法においては、常に、より一層の改善を目指すべ
き重要な技術課題の一つとなっている。例えば、特開平
3−160070号公報には、オキソ陰イオンを含むイ
ンクが提案されている。そして、オキソ陰イオンとし
て、例えば、リン酸塩、ポリリン酸塩、リン酸エステ
ル、ヒ酸塩、モリブデン酸塩、硫酸塩、亜硫酸塩、シュ
ウ酸塩等が挙げられている。
な背景技術に鑑みなされたものであり、本発明の目的
は、記録ヘッド内のインクに対して熱エネルギーを印加
して、該インクを記録ヘッドから吐出させるためのヒー
タ表面へのコゲの付着をより一層低減し得るインクを提
供することにある。又、本発明は、記録ヘッド内のイン
クに対して熱エネルギーを印加して、該インクを記録ヘ
ッドから吐出させるためのヒータ表面へのコゲの付着を
より一層低減し得る方法を提供することを目的とする。
質な印刷を可能とし、更に、本発明の目的は、記録へッ
ドのより一層の長寿命化を達成することのできるインク
ジェット記録装置を提供することにある。又、本発明の
他の目的は、より長期間に亘って高品質な印刷を行なう
ことのできる記録ユニットを提供することにある。更
に、本発明の他の目的は、優れた品質の印刷を、より一
層の低コスト化で達成し得る記録ヘッドの長寿命化方法
を提供することにある。
明によって達成される。即ち、本発明は、(a)色材、
(b)液媒体及び(c)ジグリコール酸及びジグリコー
ル酸の塩から選択される少なくとも1つ以上の化合物を
含むことを特徴とするもの(第1の態様のインク)であ
る。又、上記の目的を達成することのできるヒーター表
面へのコゲの付着低減方法は、インクに熱エネルギーを
印加してオリフィスから該インクを吐出させるためのヒ
ータを備えた記録ヘッドを有するインクジェットプリン
タにおける該ヒータ表面へのコゲの付着低減方法であっ
て、該ヒータが、金属及び/又は金属酸化物を含む最表
面保護層を備え、且つ、該インクが、(a)色材、
(b)液媒体及び(c)ジグリコール酸及びジグリコー
ル酸の塩から選択される少なくとも1つ以上の化合物を
含むインクジェット用インクであることを特徴とするも
のである。
表面保護層へのコゲの付着を極めて有効に低減させるこ
とが可能となる。上記構成のインクを用いることで、こ
のような効果が得られる理由は明らかでないが、インク
中のジグリコール酸が、ヒータの最表面保護層を構成し
ている金属及び/又は金属酸化物と相互作用し、これに
より、コゲの付着の防止、或いはコゲの分解、コゲのヒ
ータ表面からの剥離を促進するものと考えられる。
ヒータの最表面保護層に含まれる金属及び/又は金属酸
化物を、タンタル及び/又はタンタルの酸化物とした場
合に、その効果はより顕著なものとなることがわかっ
た。更に、該ヒータに対して投入するエネルギー量をE
op、インクを吐出させるために最低限必要な該ヒータへ
の投入エネルギー量をEthとしたときに、Eop/Ethの
値が下記の関係を満たす様に該ヒータへのエネルギー投
入量を適宜に設定することで、本発明のコゲ防止効果を
より一層優れたものとできると共に、吐出耐久性にも優
れたものとできることもわかった。 1.10≦Eop/Eth≦1.80
ンクジェット記録方法の一実施態様は、インクを熱エネ
ルギーの作用によりオリフィスから吐出させる工程を含
むインクジェット記録方法において、使用するインク
が、(a)色材、(b)液媒体及び(c)ジグリコール
酸及びジグリコール酸の塩から選択される少なくとも1
つ以上の化合物を含むインクジェット用インクであるこ
とを特徴とする。
ンクジェット記録装置の一実施態様は、インクを収容し
ているインク収容部、該インク収容部から導かれたイン
ク流路内のインクに熱エネルギーを付与するヒータを有
するインクジェット記録用ヘッド、及び、記録情報に応
じて上記ヒータにパルス状の電気信号を印加する手段を
具備しているインクジェット記録装置であって、上記ヒ
ータは、金属及び/又は金属酸化物を含む最表面保護層
を具備し、又、インクが、(a)色材、(b)液媒体及
び(c)ジグリコール酸及びジグリコール酸の塩から選
択される少なくとも1つ以上の化合物を含むインクジェ
ット用インクであることを特徴とする。
録ユニットの一実施態様は、インクを収容しているイン
ク収容部と、該インクを熱エネルギーの作用によりオリ
フィスから吐出させるためのインクジェット記録用へッ
ド部とを有する記録ユニットであって、該インクジェッ
ト記録用ヘッドは、インクに熱エネルギーを印加するた
めの金属及び/又は金属酸化物の最表面保護層を備えた
ヒータを具備し、且つ、インクが、(a)色材、(b)
液媒体及び(c)ジグリコール酸及びジグリコール酸の
塩から選択される少なくとも1つ以上の化合物を含むイ
ンクジェット用インクであることを特徴とする。
録へッドの長寿命化方法の一実施態様は、インクに熱エ
ネルギーを印加してオリフィスからインクを吐出させる
工程を含むインクジェット記録方法に用いられる、イン
クに熱エネルギーを付与するためのヒータを具備してい
る記録へッドの長寿命化方法であって、上記ヒータに、
金属及び金属酸化物の少なくとも一方を含む最表面保護
層を設けると共に、インクに、(a)色材、(b)液媒
体及び(c)ジグリコール酸及びジグリコール酸の塩か
ら選択される少なくとも1つ以上の化合物を含むインク
ジェット用インクを使用することを特徴とする。
本発明の他の態様にかかるインクジェット記録ヘッドの
ヒーターへのコゲ付着低減方法は、インクに熱エネルギ
ーを印加してオリフィスから該インクを吐出させるため
のヒータを備えた記録ヘッドを有するインクジェットプ
リンタにおける該ヒータ表面へのコゲの付着低減方法で
あって、該ヒータが、金属及び/又は金属酸化物を含む
最表面保護層を備え、且つ、該インクが、(a)色材、
(b)液媒体及び(c)イミノ二酢酸及びイミノ二酢酸
の塩から選択される少なくとも1つ以上の化合物を含む
インクジェット用インク(第2の態様のインク)である
ことを特徴とするものである。
ータの最表面保護層へのコゲの付着が極めて有効に低減
させることが可能となる。上記構成のインクを用いるこ
とで、このような効果が得られる理由は明らかでない
が、インク中のイミノ二酢酸が、ヒータの最表面保護層
を構成している金属及び/又は金属酸化物と相互作用
し、これにより、コゲの付着の防止、或いはコゲの分
解、コゲのヒータ表面からの剥離を促進するものと考え
られる。
ば、特に、ヒータの最表面保護層に含まれる金属をタン
タルとした場合、又は、金属酸化物をタンタルの酸化物
とした場合に、その効果はより顕著なものとなることが
わかった。更に、該ヒータに対して投入するエネルギー
量をEop、インクを吐出させるために最低限必要な該ヒ
ータへの投入エネルギー量をEthとしたときに、Eop/
Ethの値が下記の関係を満たす様に該ヒータへのエネル
ギー投入量を適宜に設定することで、本発明のコゲ防止
効果をより一層優れたものとできると共に、吐出耐久性
にも優れたものとできることもわかった。 1.10≦Eop/Eth≦1.70
ンクジェット記録装置の一実施態様は、インクを収容し
ているインク収容部、該インク収容部から導かれたイン
ク流路内のインクに熱エネルギーを付与するヒータを有
するインクジェット記録用ヘッド、及び、記録情報に応
じて上記ヒータにパルス状の電気信号を印加する手段を
具備しているインクジェット記録装置であって、上記ヒ
ータは、金属及び/又は金属酸化物を含む最表面保護層
を具備し、又、インクが、(a)色材、(b)液媒体及
び(c)イミノ二酢酸及びイミノ二酢酸の塩から選択さ
れる少なくとも1つ以上の化合物を含むインクジェット
用インクであることを特徴とする。
録ユニットの一実施態様は、インクを収容しているイン
ク収容部と、該インクを熱エネルギーの作用によりオリ
フィスから吐出させるためのインクジェット記録用へッ
ド部とを有する記録ユニットであって、該インクジェッ
ト記録用ヘッドは、インクに熱エネルギーを印加するた
めの金属及び/又は金属酸化物の最表面保護層を備えた
ヒータを具備し、且つ、インクが、(a)色材、(b)
液媒体及び(c)イミノ二酢酸及びイミノ二酢酸の塩か
ら選択される少なくとも1つ以上の化合物を含むインク
ジェット用インクであることを特徴とする。
録へッドの長寿命化方法の一実施態様は、インクに熱エ
ネルギーを印加してオリフィスからインクを吐出させる
工程を含むインクジェット記録方法に用いられる、イン
クに熱エネルギーを付与するためのヒータを具備してい
る記録へッドの長寿命化方法であって、上記ヒータに、
金属及び金属酸化物の少なくとも一方を含む最表面保護
層を設けると共に、インクに、(a)色材、(b)液媒
体及び(c)イミノ二酢酸及びイミノ二酢酸の塩から選
択される少なくとも1つ以上の化合物を含むインクジェ
ット用インクを使用することを特徴とする。
て、本発明をより詳細に説明する。先ず、本発明で使用
するインクの構成成分について説明する。 [第1の態様]本発明の第1の態様は、少なくとも
(a)色材、(b)液媒体及び(c)ジグリコール酸及
びジグリコール酸の塩から選択される少なくとも1つ以
上の化合物を含むインクを使用する点に1つの特徴を有
している。 (ジグリコール酸及びジグリコール酸の塩)本発明で使
用するジグリコール酸及びジグリコール酸の塩について
述べる。本発明者らは、インクを熱エネルギーの作用に
よりインク滴として吐出させるインクジェット記録方法
において、該インクジェット記録用へッドのヒーター上
に付着するコゲを低減する方法について鋭意検討した結
果、使用するインクに、下記式で示されるジグリコール
酸を含ませることにより、非常に効果的にコゲの発生を
低減することができることを知見して本発明に至った。
ンクは、適宜なpHに調整して使用されるが、ジグリコ
ール酸を含むインクの場合には、その際に、アルカリで
pH調整して使用することが好ましい。この際に使用で
きるアルカリとしては、例えば、水酸化リチウム、水酸
化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、
有機アミン(例えば、トリエタノールアミン、ジエタノ
ールアミン、モノエタノールアミン、トリイソプロパノ
ールアミン等)が挙げられる。また、ジグリコール酸の
塩としては、例えば、ジグリコール酸リチウム、ジグリ
コール酸ナトリウム、ジグリコール酸カリウム、ジグリ
コール酸アンモニウム等が挙げられる。ジグリコール酸
及びジグリコール酸の塩のインク中における総含有量
は、インク全量に対して0.005〜20重量%とする
ことが好ましく、更には、インク全量に対して0.05
〜12重量%であることが好ましい。この範囲内であれ
ば、初期のコゲ低減効果が発現し、又、ノズル詰まりを
起こす可能性も殆どない。
コール酸の塩と共に、本発明で使用するインクを構成す
る色材について説明する。色材としては、染料又は顔料
を用いるのが好ましい。
料、酸性染料、塩基性染料、分散染料等、あらゆる染料
を用いることができる。具体的には、例えば、C.I.
ダイレクトブラック−4、−9、−11、−17、−1
9、−22、−32、−80、−151、−154、−
168、−171、−194、−195、C.I.ダイ
レクトブルー−1、−2、−6、−8、−22、−3
4、−70、−71、−76、−78、−86、−14
2、−199、−200、−201、−202、−20
3、−207、−218、−236、−287、C.
I.ダイレクトレッド−1、−2、−4、−8、−9、
−11、−13、−15、−20、−28、−31、−
33、−371−39、−51、−59、−62、−6
3、−73、−75、−80、−81、−83、−8
7、−90、−94、−95、−99、−101、−1
10、−189、−225、−227、C.I.ダイレ
クトイエロー−1、−2、−4、−8、−11、−1
2、−26−27、−28、−33、−34、−41、
−44、−48、−86、−87、−88、−132、
−135、−142、−144、
I.アシッドブラック−1、−2、−7、−16、−2
4、−26、−28、−31、−48、−52、−6
3、−107、−112、−118、−119、−12
1、−172、−194、−208、C.I.アシッド
ブルー−1、−7、−9、−15、−22、−23、−
27、−29、−40、−43、−55、−59、−6
2、−78、−80、−81、−90、−102、−1
04、−111、−185、−254、C.I.アシッ
ドレッド−1、−4、−8、−13、−14、−15、
−18、−21、−26、−35、−37、−52、−
249、−257、−289、C.I.アシッドイエロ
ー−1、−3、−4、−7、−11、−12、−13、
−14、−19、−23、−25、−34、−38、−
41、−42、−44、−53、−55、−61、−7
1、−76、−79、
−3、−4、−5、−7、−8、−9、−13、−1
4、−15、−17、−18、−19、−20、−2
1、−25、−26、−27、−28、−29、−3
1、−32、−33、−34、−37、−38、−3
9、−40、−41、−43、−44、−46、C.
I.リアクティブレッド−1、−2、−3、−4、−
5、−6、−7、−8−11、−12、−13、−1
5、−16、−17、19、−20、−21、−22、
−23、−24、−28、−29、−31、−32、−
33、−34、−35、−36、−37、−38、−3
9、−40、−41、−42、−43、−45、−4
6、−49、−50、−58、−59、−63、−6
4、−180、C.I.リアクテイブイエロー−1、−
2、−3、−4、−6、−7、−11、−12、−1
3、−14、−15、−16、−17、−18、−2
2、−23、−24、−25、−26、−27、−3
7、−42、C.I.リアクティブブラック−1、−
3、−4、−5、−6、−8、−9、−10、−12、
−13、−14、−18、プロジェットファストシアン
2(Zeneca社)、プロジェットファストマゼンタ
2(Zeneca社)、プロジェットファストイエロー
2(Zeneca社)、プロジェットファストブラック
2(Zeneca社)等が挙げられるが、これらに限定
されるものではない。
や有機顔料等あらゆる顔料を用いることができる。具体
的には、カーボンブラック、C.I.ピグメントイエロ
ー−1、−2、−3、−12、−13、−14、−16
−17、−73、−74、−75、−83、−93、−
95、−97、−98、−114、−128、−12
9、−151、−154、−195、C.I.ピグメン
トレッド−5、−7、−12、−48(Ca)、−48
(Mn)、−57(Ca)、57:1、57(Sr)、
112、122、123、168、184、202、
C.I.ピグメントブルー−1、−2、−3、−15:
3、−15:34、−16、−22、−60、C.I.
ヴァットブルー−4、−6等が挙げられる。
クの色材として使用する場合には、顔料をインク中に安
定に分散させるために分散剤を併用することが好まし
い。その場合には、予め顔料分散液を作製し、これを色
材として用い、液媒体に分散させて使用する。この際に
使用する分散剤としては、高分子分散剤や界面活性剤系
分散剤等を用いることができる。高分子分散剤の具体例
としては、例えば、ポリアクリル酸塩、スチレン−アク
リル酸共重合物塩、スチレン−メタクリル酸共重合物
塩、スチレン−アクリル酸−アクリル酸エステル共重合
物塩、スチレン−マレイン酸共重合物塩、アクリル酸エ
ステル−マレイン酸共重合物塩、スチレン−メタクリル
スルホン酸共重合物塩、ビニルナフタレン−マレイン酸
共重含物塩、β−ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合
物塩、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコー
ル、ポリビニルアルコール等が挙げられる。中でも、そ
の重量平均分子量が1,000〜30,000であっ
て、酸価が100〜430の範囲のものを使用すること
が好ましい。
ウリルベンゼンスルホン酸塩、ラウリルスルホン酸塩、
ラウリルベンゼンカルボン酸塩、ラウリルナフタレンス
ルホン酸塩、脂肪族アミン塩、ポリエチレンオキサイド
縮合物等が挙げられ、これらをいずれも使用することが
できる。これらの分散剤の使用量としては、顔料の使用
重量:分散剤の使用重量=10:5〜10:0.5の範
囲とすることが好ましい。
おいては、例えば、特開平5−186704号公報や特
開平8−3498号公報に記載されているような、カー
ボンブラックの表面に親水性基を導入することにより自
己分散が可能になったカーボンブラック顔料を、色材と
して使用することもできる。このような自己分散が可能
なカーボンブラックを使用すれば、上記に挙げたような
分散剤を必ずしも使用する必要がなくなる。
料や顔料は、1種類で用いてもよいし、又は、調色のた
めに2種以上を組合わせて用いてもよい。又、これら染
料及び顔料の濃度は特に限定されないが、通常は、イン
ク全量に対して0.1〜20重量%の範囲から適宜に選
択される。
クを構成する液媒体について説明する。本発明において
は、インクの液媒体として、水と水溶性有機溶剤との混
合溶媒を用いることが好ましい。本発明に使用する水
は、種々のイオンを含有する一般の水ではなく、脱イオ
ン水を使用することが望ましい。又、水の含有量として
は、インク全量に対して、好ましくは35〜96重量%
の範囲とすることが好ましい。水と混合して用いる水溶
性有機溶剤としては、下記に挙げるような水溶性有機溶
剤の中から、目的に併せて適宜に選択して使用すればよ
い。水溶性有機溶剤は、例えば、インクの粘度を使用上
好ましい適当な粘度に調整するため、インクの乾燥速度
を遅らせるため、色材の溶解性を高め、記録ヘッドのノ
ズルの目詰まりを防止するため等、種々の目的で用いら
れる。
えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロ
ピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチル
アルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブ
チルアルコール、イソブチルアルコール、n−ペンタノ
ール等の炭素数1〜5のアルキルアルコール類;ジメチ
ルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類;
アセトン、ジアセトンアルコール等のケトン又はケトア
ルコール類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエー
テル類;ジエチレングリコール、トリエチレングリコー
ル、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコー
ル、トリプロピレングリコール、ポリエチレングリコー
ル、ポリプロピレングリコール等のオキシエチレン又は
オキシプロピレン共重合体;エチレングリコール、プロ
ピレングリコール、トリメチレングリコール、トリエチ
レングリコール、1,2,6−へキサントリオール等の
アルキレン基が2〜6個の炭素原子を含むアルキレング
リコール類;グリセリン;トリメチロールエタン、トリ
メチロールプロパン:エチレングリコールモノメチル
(又はエチル)エーテル、ジエチレングリコールモノメ
チル(又はエチル)エーテル、トリエチレングリコール
モノメチル(又はエチル)エーテル等の低級アルキルエ
ーテル類;トリエチレングリコールジメチル(又はエチ
ル)エーテル、テトラエチレングリコールジメチル(又
はエチル)エーテル等の多価アルコールの低級ジアルキ
ルエーテル類;モノエタノールアミン、ジエタノールア
ミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン
類;スルホラン、N−メチル−2−ピロリドン、2−ピ
ロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等
が挙げられる。上記の如き水溶性有機溶剤は、単独でも
或いは混合物としても使用することができる。
pH値を一定にして、インク中における染料の溶解性及
び顔料の分散性を安定化させるために、インク中にpH
調整剤を含有させてもよい。pH調整剤としては、具体
的には、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、
水酸化カリウム及び水酸化アンモニウム等の水酸化物、
硫酸リチウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム及び硫酸
アンモニウム等の硫酸塩、炭酸リチウム、炭酸ナトリウ
ム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリ
ウム、炭酸ナトリウムカリウム、炭酸アンモニウム及び
炭酸水素アンモニウム等の炭酸塩、リン酸リチウム、リ
ン酸一ナトリウム、リン酸二ナトリウム、リン酸三ナト
リウム、リン酸一カリウム、リン酸二カリウム、リン酸
三カリウム、リン酸一アンモニウム、リン酸二アンモニ
ウム、リン酸三アンモニウム等のリン酸塩、酢酸リチウ
ム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム及び酢酸アンモニウ
ム等の酢酸塩等が挙げられる。
て使用してもよいが、これらのうちの2種類以上の塩を
併用するのが更に好ましい。又、これらの塩の総添加量
は、好ましくは0.1〜10重量%、更に好ましくは1
〜8重量%である。該添加量が0.1重量%より少ない
とインクのpHを一定に保つことが困難であり、インク
中に含まれている水性染料の溶解安定性に効果が少な
い。一方、10重量%より多いと、これらの塩の結晶が
析出してノズルの目詰まり等を引き起こすため、かえっ
て好ましくない。
他に必要に応じて、従来公知の一般的な各種添加剤であ
る、例えば、粘度調整剤、防かび剤、防腐剤、酸化防止
剤、消泡剤、界面活性剤、尿素等のノズル乾燥防止剤を
適宜併用することができる。
する本発明のインクの物性として好適な範囲は、インク
ジェット記録に特に好適な、25℃付近におけるpH値
が、好ましくは3〜12、より好ましくは4〜10、表
面張力が、好ましくは10〜60mN/m(dyn/c
m)、より好ましくは15〜50mN/m(dyn/c
m)、粘度が、好ましくは1〜30cps、より好まし
くは1〜10cpsの範囲である。
を行うのに好適な記録方法は、記録へッドの室内のイン
クに記録信号に対応した熱エネルギーを与え、該エネル
ギーにより液滴を発生させるインクジェット記録方法で
あるが、以下に、上記の様にして構成されたインクを好
適に使用できる記録装置について図を用いて以下に説明
する。先ず、熱エネルギーを利用したインクジェット記
録装置の主要部であるヘッド構成の一例を、図1及び図
2に示した。図1は、インク流路に沿ったヘッド13の
断面図であり、図2は図1のA−B線での切断面図であ
る。ヘッド13は、インクを通す流路(ノズル)14を
有するガラス、セラミック、シリコン、ポリサルホン又
はプラスチック板等と発熱素子基板15とを接着して得
られる。発熱素子基板15は、酸化シリコン、窒化シリ
コン、炭化シリコン等で形成される保護層16−1、白
金等の金属又は白金の酸化物等の金属の酸化物、好まし
くは、タンタル又はタンタルの酸化物等で形成される最
表面保護層16−2、アルミニウム、金、アルミニウム
−銅合金等で形成される電極17−1及び17−2、ハ
フニウムボライド、窒化タンタル、タンタルアルミニウ
ム等の高融点材料から形成される発熱抵抗体層18、酸
化シリコン、酸化アルミニウム等で形成される蓄熱層1
9、シリコン、アルミニウム、窒化アルミニウム等の放
熱性のよい材料で形成される基板20よりなっている。
2にパルス状の電気信号が印加されると、発熱素子基板
15のnで示される領域(ヒーター)が急速に発熱し、
この表面に接しているインク21に気泡が発生し、その
圧力でメニスカス23が突出し、インク21がへッドの
ノズル14を通して吐出し、吐出オリフィス22よりイ
ンク小滴24となり、被記録材25に向かって飛翔す
る。図3には、図1に示したヘッドを多数並べたマルチ
ヘッドの一例の外観図を示す。このマルチヘッドは、マ
ルチノズル26を有するガラス板27と、図1に説明し
たものと同じような発熱ヘッド28を接着して作られて
いる。
γ値について説明する。γ値とは、バブルジェットヘッ
ドがぎりぎり吐出可能な臨界エネルギーに対する実際に
投入するエネルギーの比を表わす因子である。即ち、バ
ブルジェットヘッドに印加するパルスの幅をPとし(複
数のパルスを分割して与える時はその合計幅)、印加す
る電圧をV、ヒーターの抵抗をRとする時、投入エネル
ギーEは、下記式(A)と表わすことができる。 E=P×V2/R (A) この時、バブルジェットヘッドがぎりぎり吐出できるエ
ネルギーをEthとし、実際に駆動を行う時の投入エネル
ギーをEopとすれば、γ値は、下記式(B)で与えられ
る。 γ=Eop/Eth (B) そして、バブルジェットヘッドの駆動条件からγ値を求
める方法としては、例えば、以下の二つの方法で行うこ
とが可能である。
吐出する適当な電圧を見つけて駆動する。次に、徐々に
電圧を下げてゆき、吐出が止まる電圧を見つける。この
電圧の直前の吐出可能な最小電圧をVthとする。実際に
駆動で使用されている電圧をVopとすれば、γ値は、下
記式(C)で求められる。 γ=(Vop/Vth)2 (C)
する適当なパルス幅を見つけて駆動する。次に、徐々に
パルス幅を短くしてゆき、吐出が止まるパルス幅を見つ
ける。このパルス幅の直前の吐出可能な最小パルス幅を
Pthとする。実際に駆動で使用されているパルス幅をP
opとすれば、γ値は、下記式(D)で求められる。 γ=Pop/Pth (D)
させるためにヒーター部に実際にかかる電圧である。へ
ッドの外部から投入した電圧は、接点や配線抵抗等で電
圧降下することがあるが、へッドの外部からVthとVop
の測定を行う場合、これらの電圧変動分が両方の値に含
めて測定されるので、電圧変動分が大きくない限り、こ
れらの値を直接用いてγ値を計算しても誤差は少なく、
これによる値をγ値として用いることに何ら支障はな
い。又、実際のプリンターで記録を行っている際には、
複数のヒーターが駆動されるために1つのヒーターに対
する電圧がこの影響を受けて変動する可能性があること
に注意する必要がある。
γ値においては、Vの2乗とPは反比例するように見え
るが、実際には、パルス波形が矩形にならない等の電気
的問題、パルス波形が異なるとヒーター周辺の熱拡散が
異なる等の熱的問題、電圧が異なるとヒーターからイン
クへの熱流束が異なり発泡状態が変化する等のバブルジ
ェット特有の問題等があって、Vの2乗とPは単純な関
係にはない。従って、上記(1)及び(2)で述べた方
法は、夫々独立して扱われなければならず、一方の値か
ら計算で他方の値に変換することは誤差を生じる原因と
なることに注意しなければならない。本発明では、特に
断らない限り、上記(1)の方法で求めた値をγ値とし
て用いることとする。
1.12〜1.96程度で駆動するのが一般的である。
しかし、ジグリコール酸を含むインクに熱エネルギーを
印加して記録ヘッドから吐出させる場合、γ値を所定の
範囲、具体的には、1.10〜1.80で駆動すること
がヒータへのコゲの付着を防止し、ひいては記録ヘッド
のより一層の長寿命化を図ることができ、好ましいもの
である。この範囲でコゲの付着が特に有効に防止でき、
又、記録へッドの長寿命化を図れる理由は明らかでない
が、ヒーターに過大にエネルギーが供給されることによ
ってヒーター表面温度が過大に高くなることがなく、ジ
グリコール酸による金属の侵食が過度に起こることがな
いためであると考えられる。
様に用い得るインクジェット記録装置の一例を示す。図
4において、61はワイピング部材としてのブレードで
あり、その一端はブレード保持部材によって保持固定さ
れており、カンチレバーの形態をなす。ブレード61は
記録ヘッド65による記録領域に隣接した位置に配置さ
れ、又、本例の場合、記録ヘッド65の移動経路中に突
出した形態で保持される。62は記録へッド65の突出
口面のキャップであり、ブレード61に隣接するホーム
ポジションに配置され、記録へッド65の移動方向と垂
直な方向に移動して、インク吐出口面と当接し、キャッ
ピングを行う構成を備える。更に、63はブレード61
に隣接して設けられるインク吸収体であり、ブレード6
1と同様、記録ヘッド65の移動経路中に突出した形態
で保持される。上記ブレード61、キャップ62及びイ
ンク吸収体63によって吐出回復部64が構成され、ブ
レード61及びインク吸収体63によって吐出口面に水
分、塵埃等の除去が行われる。
吐出口を配した吐出口面に対向する被記録材にインクを
吐出して記録を行う記録へッド、66は記録へッド65
を搭載して記録へッド65の移動を行うためのキャリッ
ジである。キャリッジ66はガイド軸67と摺動可能に
係合し、キャリッジ66の一部はモーター68によって
駆動されるベルト69と接続(不図示)している。これ
によりキヤリッジ66はガイド軸67に沿った移動が可
能となり、記録ヘッド65による記録領域及びその隣接
した領域の移動が可能となる。
52は不図示のモーターにより駆動される紙送りローラ
ーである。これらの構成により記録ヘッド65の吐出口
面と対向する位置へ被記録材が給紙され、記録が進行に
つれて排紙ローラー53を配した排紙部へ排紙される。
以上の構成において記録ヘッド65が記録終了してホー
ムポジションヘ戻る際、吐出回復部64のキャップ62
は記録ヘッド65の移動経路から退避しているが、ブレ
ード61は移動経路中に突出している。その結果、記録
ヘッド65の吐出口がワイピングされる。
面に当接してキャッピングを行う場合、キャップ62は
記録ヘッドの移動経路中に突出するように移動する。記
録ヘッド65がホームポジションから記録開始位置へ移
動する場合、キャップ62及びブレード61は上記した
ワイピングの時の位置と同一の位置にある。この結果、
この移動においても記録ヘッド65の吐出口面はワイピ
ングされる。上述の記録ヘッドのホームボジションへの
移動は、記録終了時や吐出回復時ばかりでなく、記録ヘ
ッドが記録のために記録領域を移動する間に所定の間隔
で記録領域に隣接したホームポジションヘ移動し、この
移動に伴って上記ワイピングが行われる。
えば、チューブを介して供給されるインクを収容したイ
ンクカートリッジの一例を示す図である。ここで40は
供給用インクを収容したインク収容部、例えば、インク
袋であり、その先端にはゴム製の栓42が設けられてい
る。この栓42に針(不図示)を挿入することにより、
インク袋40中のインクをヘッドに供給可能にする。4
4は廃インクを受容するインク吸収体である。インク収
容部としてはインクとの接液面がポリオレフィン、特に
ポリエチレンで形成されているものが好ましい。
置としては、上述のようにヘッドとインクカートリッジ
とが別体となったものに限らず、図6に示すようなそれ
らが一体になったものにも好適に用いられる。図6にお
いて、70は記録ユニットであり、この中にはインクを
収容したインク収容部、例えば、インク吸収体が収納さ
れており、かかるインク吸収体中のインクが複数オリフ
ィスを有するヘッド部71からインク滴として吐出され
る構成になっている。インク吸収体の材料としてはポリ
ウレタンを用いることが木発明にとって好ましい。又、
インク吸収体を用いず、インク収容部が内部にバネ等を
仕込んだインク袋であるような構造でもよい。72はカ
ートリッジ内部を大気に連通させるための大気連通口で
ある。この記録ユニット70は図4に示す記録ヘッド6
5に換えて用いられるものであって、キャリッジ66に
対して着脱自在になっている。
態様は、少なくとも(a)色材、(b)液媒体及び
(c)イミノ二酢酸及びイミノ二酢酸の塩から選択され
る少なくとも1つ以上の化合物を含むインクを使用する
点に一つの特徴を有する。 (イミノ二酢酸及びイミノ二酢酸の塩)本態様で使用す
るイミノ二酢酸及びイミノ二酢酸の塩について述べる。
本発明者らは、インクを熱エネルギーの作用によりイン
ク滴として吐出させるインクジェット記録方法におい
て、該インクジェット記録用へッドのヒーター上に付着
するコゲを低減する方法について鋭意検討した結果、使
用するインクに、下記式で示されるイミノ二酢酸を含ま
せることにより、非常に効果的にコゲの発生を低減する
ことができることを知見して本発明に至った。
ンクは、適宜なpHに調整して使用されるが、イミノ二
酢酸を含むインクの場合には、その際に、アルカリでp
H調整して使用することが好ましい。この際に使用でき
るアルカリとしては、例えば、水酸化リチウム、水酸化
ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、有
機アミン(例えば、トリエタノールアミン、ジエタノー
ルアミン、モノエタノールアミン、トリイソプロパノー
ルアミン等)が挙げられる。また、イミノ二酢酸の塩と
しては、例えば、イミノ二酢酸リチウム、イミノ二酢酸
ナトリウム、イミノ二酢酸カリウム、イミノ二酢酸アン
モニウム等が挙げられる。イミノ二酢酸及びイミノ二酢
酸の塩のインク中における総含有量は、インク全量に対
して0.005〜20重量%とすることが好ましく、更
には、インク全量に対して0.05〜12重量%である
ことが好ましい。上記の範囲内とすることで、コゲの低
減効果を十分に享受することができる。又、ノズル詰ま
りを起こす可能性を低減させることもできる。
材、液媒体及びその他の添加剤等については、前述し
た、第1の態様にかかるインクに用いることができるも
のを同様に用いることができる。又、第2の態様にかか
るインクの物性もまた、第1の態様にかかるインクのそ
れと同様とすることが好ましい。更に、本態様にかかる
インクを用いた記録方法や記録装置もまた、第1の態様
にかかるものと同様の方法並びに装置を用いることがで
きる。
の好ましい印加エネルギー量の範囲は、第1の態様のそ
れとは異ならせることが好ましい。即ち、イミノ二酢酸
を含むインクを用いる本態様においては、γ値を1.1
0〜1.70の範囲内で駆動することが、ヒーターへの
コゲの付着を抑制、或いは防止し、ひいては記録ヘッド
のより一層の長寿命化を図ることができ、好ましいもの
である。この範囲でコゲの付着が特に有効に防止でき、
又、記録へッドの長寿命化を図れる理由は明らかでない
が、上記印加エネルギー量の範囲であれば、ヒーターに
過大にエネルギーが供給されることによってヒーター表
面温度が過大に高くなることがなく、イミノ二酢酸によ
る金属の過度の侵食を有効に抑制することができるため
であると考えられる。
り具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限
り、下記の実施例により何ら限定されるものではない。
尚、文中「部」及び「%」とあるのは、特に断りのない
限り重量基準である。又、各実施例及び比較例に記載の
インク組成は、特に断りない限り全量が100部となる
様に調製した。
し、充分撹拌して溶解させた後、ポアサイズ0.2μm
のミクロフィルター(富士写真フィルム(株)製)にて
加圧濾過して実施例1のインクを調製した。又、実施例
1のインクの組成より、ジグリコール酸とpH調整用の
1.6%の水酸化ナトリウムとを抜いた組成の比較例1
のインクを調製した。
て、記録信号に応じた熱エネルギーをインクに付与する
ことによりインクを吐出させるオンデマンド型マルチ記
録へッド(BC−02(キヤノン(株)製):ヒーター
上の最表面保護層は、タンタル及びタンタルの酸化物よ
り成る)を有するインクジェット記録装置で、下記の条
件でインクを吐出させて記録を行なって評価した。上記
インクジェット記録装置のインクの吐出条件は、実施例
1では、パルス幅1.1μs(On)+3.0μs(O
ff)+3.2μs(On)、駆動周波数6,250H
zで、Vth(吐出するぎりぎりの臨界電圧)を実測し、
γ値=1.39に相当するVop(駆動電圧)をかけてイ
ンクを吐出させた。そして、この条件でインクジェット
記録を行なった場合のインクジェット記録ヘッドにおけ
る吐出耐久性及びヒーターへのコゲ付着を下記の方法及
び基準で評価し、その結果を表1に示した。尚、上記V
op(駆動電圧)は、Vthの値から次式により算出した。 Vop=√γ×Vth
吐出を行い、1×106発おきに記録へッドから吐出さ
れる液滴を容器に収集して、電子天秤で秤量した。容器
の増加量より1×106発における平均の吐出液滴量を
算出した。尚、連続吐出は1×108発まで行い、下記
の基準で評価した。 A:9.9×107〜1×108発間の平均の吐出液滴量
が0〜1×106発後の平均の吐出液滴量と比べて90
%以上。 B:9.9×107〜1×108発間の平均の吐出液滴量
が0〜1×106発後の平均の吐出液滴量と比べて90
%未満〜70%。 C:9.9×107〜1×108発間の平均の吐出液滴量
が0〜1×106発後の平均の吐出液滴量と比べて70
%未満。 D:途中で吐出不能に陥った。
評価の終了した記録へッドを分解し、吐出耐久に使用し
たノズルのヒーター表面を光学顕微鏡(倍率400倍)
で目視して、コゲの付着量を下記の基準で評価した A:コゲの付着が殆ど見られない。 B:コゲの付着が僅かに見られる。 C:コゲの付着が多く見られる。 D:コゲの付着が非常に多く見られる。
用いて、γ値=1.10に相当するVop(駆動電圧)で
インクを吐出させたものを実施例2とし、同様に、γ値
=1.79に相当するVop(駆動電圧)でインクを吐出
させたものを実施例3とした。ジグリコール酸を含まな
い比較例1のインクを用いて、γ値=1.39に相当す
るVop(駆動電圧)でインクを吐出させたものも実施例
1と同様の方法及び基準で評価を行ない、その結果を表
1に示した。
合し、充分攪拌して溶解させた後、ポアサイズ0.2μ
mのミクロフィルター(富士写真フィルム(株)製)に
て加圧濾過して実施例4〜7の染料インクを調製した。
更に、下記に示す各成分を用いて顔料分散液を作製した
後、該分散液を含む下記に示すインク組成を混合したも
のを、ポアサイズ3.0μmのメンブレンフィルター
(住友電工(株)製)で加圧濾過して実施例8〜12の
顔料インクを調製した。
℃に加温し、樹脂成分を完全に溶解させる。この溶液に
カーボンブラック「MA−100」(pH3.5;三菱
化学(株)製)15部、2−プロパノール5部を加え、
30分間プレミキシングを行った後、下記の条件で分散
処理を行った。 分散機:サンドグラインダー(五十嵐機械製) 粉砕メディア:ジルコニウムビーズ1mm径 粉砕メディアの充填率:50%(体積) 粉砕時間:3時間 更に、遠心分散処理(12,000rpm、20分間)
を行い、粗大粒子を除去して顔料分散液1とした。
にて混合し、25℃にて3時間攪拌したものを本発明に
使用する実施例8のインクとした。 ・顔料分散液1 30部 ・ジエチレングリコール 10部 ・2−プロパノール 2部 ・ジグリコール酸 1部 ・水酸化ナトリウム 0.8部 ・水 56.2部
「MA77」(pH3;三菱化学(株)製)300gを
水1,000mlによく混合した後、これに次亜塩素酸
ソーダ(有効塩素濃度12%)450gを滴下して、1
00〜105℃で10時間攪拌した。得られたスラリー
を東洋ろ紙No2(アドバンティス社製)でろ過し、顔
料粒子を十分に水洗した。この顔料ウェットケーキを水
3,000mlに再分散し、電導度0.2μsまで逆浸
透膜で脱塩した。更に、この顔料分散液(pH=8〜1
0)を顔料濃度10重量%に濃縮し、顔料分散液2とし
た。上記の方法によりカーボンブラックの表面には−C
OONa基が導入され、この結果、自己分散性を有する
ものとなる。
にて混合し、25℃にて3時問攪拌した。この混合物を
ポアサイズ3.0μmのメンブランフィルター(住友電
工(株)製)で加圧ろ過したものを本発明に使用する実
施例9のインクとした。 ・顔料分散液2 30部 ・グリセリン 5部 ・トリメチロールプロパン 5部 ・アセチレングリコールエチレンオキサイド付加物 (商品名:アセチレノール EH、川研ファイン ケミカル製) 0.2部 ・ジグリコール酸 1部 ・水酸化ナトリウム 0.8部 ・水 58部
樹脂分を完全に溶解させた。この溶液にC.I.Pig
ment Yellow93を20部、イソプロピルア
ルコールを1.0部加え、30分間プレミキシングを行
った後、下記の条件で分散処理を行なった。 分散機:サンドグラインダー 粉砕メディア:ガラスビーズ1mm径 粉砕メディアの充填率:50%(体積) 粉砕時間:3時間 更に、遠心分離処理(12,000rpm、20分間)
を行い、粗大粒子を除去して顔料分散液3とした。
にて混合し、25℃にて3時間攪拌したものを本発明に
使用する実施例10のインクとした。 ・顔料分散液3 20部 ・グリセリン 15部 ・ジエチレングリコール 10部 ・アセチレノールEH(川研ファインケミカル製)0.
3部 ・ジグリコール酸 1部 ・水酸化ナトリウム 0.8部 ・水 52.9部
樹脂分を完全に溶解させた。この溶液にC.I.Pim
ent Red 122を20部、イソプロピルアルコ
ールを1.0部加え、30分間プレミキシングを行った
後、下記の条件で分散処理を行なった。 分散機:サンドグラインダー 粉砕メディア:ガラスビーズ1mm径 粉砕メディアの充填率:50%(体積) 粉砕時問:3時間 更に、遠心分離処理(12,000rpm、20分問)
を行い、組大粒子を除去して顔料分散液4とした。
にて混合し、25℃にて3時間攪拌したものを本発明に
使用する実施例11のインクとした。 ・顔料分散液4 20部 ・グリセリン 15部 ・ジエチレングリコール 10部 ・アセチレノールEH(川研ファインケミカル製)0.
3部 ・ジグリコール酸 1部 ・水酸化ナトリウム 0.8部 ・水 52.9部
樹脂分を完全に溶解させた。この溶液にC.I.Pig
ment Blue 15:3を20部、イソプロピル
アルコールを1.0部加え、30分問プレミキシングを
行った後、下記の条件で分散処理を行なった。 分散機:サンドグラインダー 粉砕メディア:ガラスビーズ1mm径 粉砕メディアの充填率:50%(体積) 粉砕時間:3時間 更に、遠心分離処理(12,000rpm、20分間)
を行い、粗大粒子を除去して顔料分散液5とした。
にて混合し、25℃にて3時間攪拌したものを本発明に
使用する実施例12のインクとした。 ・顔料分散液5 20部 ・グリセリン 15部 ・ジエチレングリコール 10部 ・アセチレノールEH(川研ファインケミカル製)0.
3部 ・ジグリコール酸 1部 ・水酸化ナトリウム 0.8部 ・水 52.9部
合し、充分攪拌して溶解させた後、ポアサイズ0.2μ
mのミクロフィルター(富士写真フィルム(株)製)に
て加圧濾過して比較例2〜5のインクを夫々調製した。
更に、実施例8〜12で調製した顔料分散液1〜5を用
い、下記に示すインク組成を混合したものを、ポアサイ
ズ3.0μmのメンブレンフィルター(住友電工(株)
製)で加圧濾過して比較例6〜10の顔料インクを調製
した。
攪拌したものを比較例6のインクとした。 ・顔料分散液1 30部 ・ジエチレングリコール 10部 ・2−プロパノール 2部 ・水 58部
攪拌した。この混合物をポアサイズ3.0μmのメンブ
ランフィルター(住友電工(株)製)で加圧ろ過したも
のを比較例7のインクとした。 ・顔料分散液2 30部 ・グリセリン 5部 ・トリメチロールプロパン 5部 ・アセチレングリコールエチレンオキサイド付加物 (商品名:アセチレノールEH、川研ファインケミ カル製) 0.2部 ・水 59.8部
攪拌したものを本発明に使用する比較例8のインクとし
た。 ・顔料分散液3 20部 ・グリセリン 15部 ・ジエチレングリコール 10部 ・アセチレノールEH(川研ファインケミカル製)0.
3部 ・水 54.7部
攪拌したものを比較例9のインクとした。 ・顔料分散液4 20部 ・グリセリン 15部 ・ジエチレングリコール 10部 ・アセチレノールEH(川研ファインケミカル製)0.
3部 ・水 54.7部
攪拌したものを比較例10のインクとした。 ・顔料分散液5 20部 ・グリセリン 15部 ・ジエチレングリコール 10部 ・アセチレノールEH(川研ファインケミカル製)0.
3部 ・水 54.7部
及び比較例2〜10のインクと、記録信号に応じた熱エ
ネルギーをインクに付与することによりインクを吐出さ
せるオンデマンド型マルチ記録へッド(BC−02(キ
ヤノン(株)製):ヒーター上の最表面保護層は、タン
タル及びタンタルの酸化物より成る)を有するインクジ
ェット記録装置を用い、下記の条件でインクを吐出させ
て記録を行なった。上記インクジェット記録装置のイン
クの吐出条件は、パルス幅1.1μs(On)+3.0
μs(Off)+3.2μs(On)、駆動周波数6,
250Hzで、Vth(吐出するぎりぎりの臨界電圧)を
実測し、γ値=1.39に相当するVop(駆動電圧)を
かけてインクを吐出させた。そして、この条件でインク
ジェット記録を行なった場合のインクジェット記録ヘッ
ドにおける吐出耐久性及びヒーターへのコゲ付着を下記
の方法及び基準で評価し、その結果を、表2に示した。
吐出を行い、1×106発おきに記録へッドから吐出さ
れる液滴を容器に収集して、電子天秤で秤量した。容器
の増加量より1×106発における平均の吐出液滴量を
算出した。尚、連続吐出は1×108発まで行い、下記
の基準で評価した。 A:9.9×107〜1×108発間の平均の吐出液滴量
が0〜1×106発後の平均の吐出液滴量と比べて90
%以上。 B:9.9×107〜1×108発間の平均の吐出液滴量
が0〜1×106発後の平均の吐出液滴量と比べて90
%未満〜70%。 C:9.9×107〜1×108発間の平均の吐出液滴量
が0〜1×106発後の平均の吐出液滴量と比べて70
%未満。 D:途中で吐出不能に陥った。
評価の終了した記録へッドを分解し、吐出耐久に使用し
たノズルのヒーター表面を光学顕微鏡(倍率400倍)
で観察して、コゲの付着量を下記の基準で評価した。 A:コゲの付着が殆ど見られない。 B:コゲの付着が僅かに見られる。 C:コゲの付着が多く見られる。 D:コゲの付着が非常に多く見られる。
記に示す各成分を混合し、充分撹拌して溶解させた後、
ポアサイズ0.2μmのミクロフィルター(富士写真フ
ィルム(株)製)にて加圧濾過して実施例13と、実施
例13のインク組成よりイミノ二酢酸とpH調整用の
0.6%の水酸化ナトリウムを抜いた比較例11のイン
クを調製した。
いて、前記実施例1〜3ならびに比較例1のインクの<
評価1>に記載の方法と同様にして[吐出耐久性]と
[コゲ付着量]の評価を行った。
を用いて、γ値=1.10に相当するVop(駆動電圧)
でインクを吐出させたものを実施例14とし、同様に、
γ値=1.69に相当するVop(駆動電圧)でインクを
吐出させたものを実施例15とした。又、実施例13の
インクを用いて、γ値=1.80に相当するVop(駆動
電圧)でインクを吐出させたものを参考例1、γ値=
1.96に相当するVop(駆動電圧)でインクを吐出さ
せたものを参考例2とした。更に、イミノ二酢酸を含ま
ない比較例11のインクを用いて、γ値=1.39に相
当するVop(駆動電圧)でインクを吐出させたものを、
実施例13と同様の方法及び基準で評価を行い、その結
果を表3に示した。
混合し、充分攪拌して溶解させた後、ポアサイズ0.2
μmのミクロフィルター(富士写真フィルム(株)製)
にて加圧濾過して実施例16〜19の染料インクを調製
した。更に、実施例8〜12で調製した顔料分散液1〜
5を用い、下記に示すインク組成を混合したものを、ポ
アサイズ3.0μmのメンブレンフィルター(住友電工
(株)製)で加圧濾過して実施例20〜24の顔料イン
クを調製した。
攪拌したものを本発明に使用する実施例20のインクと
した。 ・顔料分散液1 30部 ・ジエチレングリコール 10部 ・2−プロパノール 2部 ・イミノ二酢酸 1部 ・水酸化ナトリウム 0.3部 ・水 56.7部
攪拌した。この混合物をポアサイズ3.0μmのメンブ
ランフィルター(住友電工(株)製)で加圧ろ過したも
のを本発明に使用する実施例21のインクとした。 ・顔料分散液2 30部 ・グリセリン 5部 ・トリメチロールプロパン 5部 ・アセチレングリコールエチレンオキサイド付加物 (商品名:アセチレノールEH、川研ファインケミ カル製) 0.2部 ・イミノ二酢酸 1部 ・水酸化ナトリウム 0.3部 ・水 58.5部
攪拌したものを本発明に使用する実施例22のインクと
した。 ・顔料分散液3 20部 ・グリセリン 15部 ・ジエチレングリコール 10部 ・アセチレノールEH(川研ファインケミカル製)0.
3部 ・イミノ二酢酸 1部 ・水酸化ナトリウム 0.3部 ・水 53.4部
攪拌したものを本発明に使用する実施例23のインクと
した。 ・顔料分散液4 20部 ・グリセリン 15部 ・ジエチレングリコール 10部 ・アセチレノールEH(川研ファインケミカル製)0.
3部 ・イミノ二酢酸 1部 ・水酸化ナトリウム 0.3部 ・水 53.4部
攪拌したものを本発明に使用する実施例24のインクと
した。 ・顔料分散液5 20部 ・グリセリン 15部 ・ジエチレングリコール 10部 ・アセチレノールEH(川研ファインケミカル製)0.
3部 ・イミノ二酢酸 1部 ・水酸化ナトリウム 0.3部 ・水 53.4部
4のインクを、前記<評価2>と同様にして吐出耐久性
及びヒーターへのコゲ付着を評価し、その結果を、表4
に示した。
熱エネルギーを利用したインクジェット記録方式におい
て、記録へッドのヒーター上へのコゲ付着が有効に低減
され、更には、記録へッドの寿命を向上させることがで
きる、インクジェット記録ヘッドのヒータへのコゲ付着
低減方法、インクジェット記録方法、インクジェット記
録装置、記録ユニット及び記録へッドの長寿命化方法が
提供される。
の一例を示す縦断面図である。
の一例を示す横断面図である。
ルチ化したヘッドの外観斜視図である。
概略斜視図である。
図である。
Claims (33)
- 【請求項1】 (a)色材、(b)液媒体及び(c)ジ
グリコール酸及びジグリコール酸の塩から選択される少
なくとも1つ以上の化合物を含むことを特徴とするイン
ク。 - 【請求項2】 (c)ジグリコール酸及びジグリコール
酸の塩から選択される少なくとも1つ以上の化合物の総
含有量が、インク全量に対して0.005〜20重量%
である請求項1に記載のインク。 - 【請求項3】 (a)色材が、水溶性染料である請求項
1又は2に記載のインク。 - 【請求項4】 (a)色材が、顔料である請求項1又は
2に記載のインク。 - 【請求項5】 インク中の水の含有量が、インク全量に
対して35〜96重量%である請求項1〜4のいずれか
1項に記載のインク。 - 【請求項6】 インクがインクジェット用である請求項
1〜5のいずれか1項に記載のインク。 - 【請求項7】 インクに熱エネルギーを印加してオリフ
ィスから該インクを吐出させるためのヒータを備えた記
録ヘッドを有するインクジェットプリンタにおける該ヒ
ータ表面へのコゲの付着低減方法であって、該ヒータ
が、金属及び/又は金属酸化物を含む最表面保護層を備
え、且つ、上記インクが請求項6に記載のインクである
ことを特徴とするインクジェット記録ヘッドのヒータへ
のコゲ付着低減方法。 - 【請求項8】 金属及び/又は金属の酸化物が、タンタ
ル及び/又はタンタルの酸化物である請求項7に記載の
インクジェット記録ヘッドのヒータへのコゲ付着低減方
法。 - 【請求項9】 インクを吐出させるためにヒータに投入
するエネルギーをE opとし、記録ヘッドからインクを吐
出させるために最低限必要なヒータヘのエネルギー投入
量をEthとしたとき、Eop/Ethが下記の関係を満たす
請求項7又は8に記載のインクジェット記録ヘッドのヒ
ータへのコゲ付着低減方法。 1.10≦Eop/Eth≦1.80 - 【請求項10】 インクを熱エネルギーの作用によりオ
リフィスから吐出させる工程を含むインクジェット記録
方法において、該インクが請求項6に記載のインクであ
ることを特徴とするインクジェット記録方法。 - 【請求項11】 インクを収容しているインク収容部、
該インク収容部から導かれたインク流路内のインクに熱
エネルギーを付与するヒータを有するインクジェット記
録用ヘッド、及び、記録情報に応じて上記ヒータにパル
ス状の電気信号を印加する手段を具備しているインクジ
ェット記録装置であって、上記ヒータは、金属及び/又
は金属酸化物を含む最表面保護層を具備し、又、上記イ
ンクが請求項6に記載のインクであることを特徴とする
インクジェット記録装置。 - 【請求項12】 金属及び/又は金属の酸化物が、タン
タル及び/又はタンタルの酸化物である請求項11に記
載のインクジェット記録装置。 - 【請求項13】 ヒータにパルス状の電気信号を印加す
る手段によってヒータに投入されるエネルギーをEopと
し、記録ヘッドからインクを吐出させるために最低限必
要なヒータへのエネルギー投入量をEthとしたときに、
Eop/Ethが下記の関係を満たすものである請求項11
又は12に記載のインクジェット記録装置。 1.10≦Eop/Eth≦1.80 - 【請求項14】 インクを収容しているインク収容部
と、該インクを熱エネルギーの作用によりオリフィスか
ら吐出させるためのインクジェット記録用へッド部とを
有する記録ユニットであって、該インクジェット記録用
ヘッド部は、該インクに熱エネルギーを印加するための
金属及び/又は金属酸化物の最表面保護層を備えたヒー
タを具備し、且つ、上記インクが請求項6に記載のイン
クであることを特徴とする記録ユニット。 - 【請求項15】 金属及び/又は金属の酸化物が、タン
タル及び/又はタンタルの酸化物である請求項14に記
載の記録ユニット。 - 【請求項16】 インクに熱エネルギーを印加してオリ
フィスからインクを吐出させる工程を含むインクジェッ
ト記録方法に用いられ、インクに熱エネルギーを付与す
るためのヒータを具備している記録へッドの長寿命化方
法であって、上記ヒータに、金属及び金属酸化物の少な
くとも一方を含む最表面保護層を設けると共に、上記イ
ンクが請求項6に記載のインクであることを特徴とする
記録ヘッドの長寿命化方法。 - 【請求項17】 金属及び/又は金属の酸化物が、タン
タル及び/又はタンタルの酸化物である請求項16に記
載のヘッドの長寿命化方法。 - 【請求項18】 インクに印加する熱エネルギーを発生
させるためにヒータに投入するエネルギー量をEopと
し、記録へッドから該インクを吐出させるために最低限
必要な該ヒータへのエネルギー投入量をEthとしたとき
に、Eop/Ethが下記の関係を満たす請求項16又は1
7に記載の記録へッドの長寿命化方法。 1.10≦Eop/Eth≦1.80 - 【請求項19】 インクに熱エネルギーを印加してオリ
フィスから該インクを吐出させるためのヒータを備えた
記録ヘッドを有するインクジェットプリンタにおける該
ヒータ表面へのコゲの付着低減方法であって、該ヒータ
が、金属及び/又は金属酸化物を含む最表面保護層を備
え、且つ、該インクが、(a)色材、(b)液媒体及び
(c)イミノ二酢酸及びイミノ二酢酸の塩から選択され
る少なくとも1つ以上の化合物を含むインクジェット用
インクであることを特徴とするインクジェット記録ヘッ
ドのヒータへのコゲ付着低減方法。 - 【請求項20】 金属及び/又は金属の酸化物が、タン
タル及び/又はタンタルの酸化物である請求項19に記
載のインクジェット記録ヘッドのヒータへのコゲの付着
低減方法。 - 【請求項21】 インクを吐出させるためにヒータに投
入するエネルギーをEopとし、記録ヘッドからインクを
吐出させるために最低限必要なヒータヘのエネルギー投
入量をEthとしたとき、Eop/Ethが下記の関係を満た
す請求項19又は20に記載のインクジェット記録ヘッ
ドのヒータへのコゲ付着低減方法。 1.10≦Eop/Eth≦1.70 - 【請求項22】 (a)色材が、水溶性染料である請求
項19〜21のいずれか1項に記載のインクジェット記
録ヘッドのヒータへのコゲ付着低減方法。 - 【請求項23】 (a)色材が、顔料である請求項19
〜21のいずれか1項に記載のインクジェット記録ヘッ
ドのヒータへのコゲ付着低減方法。 - 【請求項24】 インク中の水の含有量が、インク全量
に対して35〜96重量%である請求項19〜23のい
ずれか1項に記載のインクジェット記録ヘッドのヒータ
へのコゲ付着低減方法。 - 【請求項25】 (c)イミノ二酢酸及びイミノ二酢酸
の塩から選択される少なくとも1つ以上の化合物の総含
有量が、インク全量に対して0.005〜20重量%で
ある請求項19〜24のいずれか1項に記載のインクジ
ェット記録ヘッドのヒータへのコゲ付着低減方法。 - 【請求項26】 インクを収容しているインク収容部、
該インク収容部から導かれたインク流路内のインクに熱
エネルギーを付与するヒータを有するインクジェット記
録用ヘッド、及び、記録情報に応じて上記ヒータにパル
ス状の電気信号を印加する手段を具備しているインクジ
ェット記録装置であって、上記ヒータは、金属及び/又
は金属酸化物を含む最表面保護層を具備し、又、該イン
クは、(a)色材、(b)液媒体及び(c)イミノ二酢
酸及びイミノ二酢酸の塩から選択される少なくとも1つ
以上の化合物を含むインクジェット用インクであること
を特徴とするインクジェット記録装置。 - 【請求項27】 金属及び/又は金属の酸化物が、タン
タル及び/又はタンタルの酸化物である請求項26に記
載のインクジェット記録装置。 - 【請求項28】 ヒータにパルス状の電気信号を印加す
る手段によってヒータに投入されるエネルギーをEopと
し、記録ヘッドからインクを吐出させるために最低限必
要なヒータへのエネルギー投入量をEthとしたときに、
Eop/Ethが下記の関係を満たすものである請求項26
又は27に記載のインクジェット記録装置。 1.10≦Eop/Eth≦1.70 - 【請求項29】 インクを収容しているインク収容部
と、該インクを熱エネルギーの作用によりオリフィスか
ら吐出させるためのインクジェット記録用へッド部とを
有する記録ユニットであって、該インクジェット記録用
ヘッド部は、該インクに熱エネルギーを印加するための
金属及び/又は金属酸化物の最表面保護層を備えたヒー
タを具備し、且つ、上記インクが、(a)色材、(b)
液媒体及び(c)イミノ二酢酸及びイミノ二酢酸の塩か
ら選択される少なくとも1つ以上の化合物を含むインク
ジェット用インクであることを特徴とする記録ユニッ
ト。 - 【請求項30】 金属及び/又は金属の酸化物が、タン
タル及び/又はタンタルの酸化物である請求項29に記
載の記録ユニット。 - 【請求項31】 インクに熱エネルギーを印加してオリ
フィスからインクを吐出させる工程を含むインクジェッ
ト記録方法に用いられ、インクに熱エネルギーを付与す
るためのヒータを具備している記録へッドの長寿命化方
法であって、上記ヒータに、金属及び金属酸化物の少な
くとも一方を含む最表面保護層を設けると共に、上記イ
ンクとして(a)色材、(b)液媒体及び(c)イミノ
二酢酸及びイミノ二酢酸の塩から選択される少なくとも
1つ以上の化合物を含むインクジェット用インクを使用
することを特徴とする記録ヘッドの長寿命化方法。 - 【請求項32】 金属及び/又は金属の酸化物が、タン
タル及び/又はタンタルの酸化物である請求項31に記
載の記録ヘッドの長寿命化方法。 - 【請求項33】 インクに印加する熱エネルギーを発生
させるためにヒータに投入するエネルギー量をEopと
し、記録へッドから該インクを吐出させるために最低限
必要な該ヒータへのエネルギー投入量をEthとしたとき
に、Eop/Ethが下記の関係を満たす請求項31又は3
2に記載の記録へッドの長寿命化方法。 1.10≦Eop/Eth≦1.70
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