JP4914088B2 - インクジェット記録用水系インク - Google Patents
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Description
その中でも、印刷物の耐候性や耐水性の観点から、着色剤に顔料系インクを用いるものが主流となってきているが、着色剤として顔料を用いた場合、印刷物の観測角度によって、反射光が顔料本来の色とは異なる色に観察されるブロンズ現象が生じることがある。例えば、シアンインクに含まれるフタロシアニン系顔料は、反射光が赤色に着色し、画質を著しく悪化させることがある。なお、ブロンズ現象に関しては、「色彩科学ハンドブック」(東京大学出版会)第777頁に詳細な解説がなされている。
このブロンズ現象を改善するために、ポリエーテル変性ポリシロキサンとスルホン基含有(共)重合体エマルジョンを含むインク組成物が提案されている(特許文献1参照)。また、多環芳香族ヘテロ共役系化合物を含むインクが開示されている(特許文献2参照)。
しかし、これらの方法は、そのいずれにおいても添加物や顔料変更による印刷画質への悪影響が懸念されている。
すなわち、本発明は、
(1)シリカ粒子を含有する水不溶性ポリマー粒子(イ)とシリカ粒子を除く顔料とを含む、インクジェット記録用水分散体、
(2)前記(1)の水分散体を含有する水系インク、及び
(3)下記工程1〜3を有する、インクジェット記録用水分散体の製造方法。
工程1:シリカ粒子、水不溶性ポリマー(イ’)、有機溶媒及び水の混合物を分散処理する工程
工程2:工程1で得られた分散体から上記有機溶媒を除去してシリカ粒子を含有する水不溶性ポリマー粒子(イ)の水分散体を得る工程
工程3:工程2で得られた、シリカ粒子を含有する水不溶性ポリマー粒子(イ)の水分散体とシリカ粒子を除く顔料とを混合する工程
に関する。
また、本発明の製造方法によれば、印刷物のブロンズ現象を低減するインクジェット記録用水分散体を効率的に製造することができる。
(シリカ粒子を除く顔料(以下、単に顔料ともいう))
本発明のインクジェット記録用水分散体においては、シリカ粒子を除く顔料が用いられ、ブロンズ現象を低減する観点から、好ましくは有機顔料が用いられる。
有機顔料としては、例えば、アゾ顔料、ジアゾ顔料、フタロシアニン顔料、キナクリドン顔料、イソインドリノン顔料、ジオキサジン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、チオインジゴ顔料、アンソラキノン顔料、キノフタロン顔料等が挙げられる。
好ましい有機顔料の具体例としては、C.I.ピグメント・イエロー、C.I.ピグメント・レッド、C.I.ピグメント・バイオレット、C.I.ピグメント・ブルー、及びC.I.ピグメント・グリーンからなる群から選ばれる1種以上の各品番製品が挙げられる。
本発明のインクジェット記録用水分散体は、シリカ粒子と顔料等を水不溶性ポリマーとともに分散処理してなるものであり、シリカ粒子が、顔料の近傍に存在することにより、該シリカ粒子は顔料の反射防止膜の作用効果を奏すると考えられ、これにより、顔料表面の正反射光を小さくすることで、ブロンズ現象を低減することができると考えられる。
シリカ粒子表面を疎水化するための疎水化処理剤としてはオルガノクロロシラン、オルガノアルコキシシラン、オルガノジシラザン、環状オルガノポリシラザン、線状オルガノポリシロキサン等が例示される。
シリカの表面のシラノール基をアルキルシリル基等の疎水基で修飾する方法は、例えば、水分散シリカコロイドにアルキルシラノールアルカリ金属塩を反応させる方法(特公平7−33250号公報等参照);水分散シリカコロイドに有機溶剤、カチオン性界面活性剤、アルキルトリアルコキシシランを添加した後、共沸脱水し、更に加熱還流する方法(特開平6−73389号公報参照);湿式シリカ又は乾式シリカにアルキルトリアルコキシシラン、有機ハロゲン化ケイ素化合物等の反応させる方法(特開平6−206720号公報、特開平7−187647号公報等参照)等が挙げられる。
シリカ粒子の平均粒径は、ブロンズ現象を低減する観点から、好ましくは3nm以上であり、100nm以下、より好ましくは50nm以下であり、より好ましくは30nm以下であり、更に好ましくは20nm以下であり、これらの観点から、3〜100nmが好ましく、3〜50nmがより好ましく、3〜30nmがより好ましく、3〜20nmが更に好ましい。平均粒径の測定は後述する方法で行うことができる。
シリカ粒子を含有する水不溶性ポリマー粒子(イ)(以下、「シリカ含有ポリマー粒子(イ)」ということがある)を構成する水不溶性ポリマー(イ’)としては、水不溶性ビニルポリマー、水不溶性エステル系ポリマー、水不溶性ウレタン系ポリマー等が挙げられる。これらの中では、水分散体の安定性の観点から、水不溶性ビニルポリマーが好ましい。本発明において、水不溶性ポリマーとは、105℃で2時間乾燥させた後、25℃の水100gに溶解させたときに、その溶解量が10g以下、好ましくは5g以下、更に好ましくは1g以下であるポリマーをいう。上記溶解量は、水不溶性ポリマーが塩生成基を有する場合は、その種類に応じて、水不溶性ポリマーの塩生成基を酢酸又は水酸化ナトリウムで100%中和した時の溶解量をいう。
このような水不溶性ポリマー(イ’)としては、塩生成基含有モノマー(a)(以下「(a)成分」ということがある)、疎水性モノマー(b)(以下「(b)成分」ということがある)、及び/又はマクロマー(c)(以下「(c)成分」ということがある)を含むモノマー混合物(以下「モノマー混合物」ということがある)を共重合してなる水不溶性ビニルポリマーが好ましい。
また、水不溶性ポリマー(イ’)は、シリカ粒子の分散安定化の観点から、マクロマー(c)由来の構成単位を含む水不溶性グラフトポリマーであることが好ましい。
カチオン性モノマーの代表例としては、不飽和アミン含有モノマー、不飽和アンモニウム塩含有モノマー等が挙げられ、これらの中では、N,N-ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N-(N',N'-ジメチルアミノプロピル)(メタ)アクリルアミドが好ましい。
不飽和カルボン酸モノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、2-メタクリロイルオキシメチルコハク酸等が挙げられる。
不飽和スルホン酸モノマーとしては、スチレンスルホン酸、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、3-スルホプロピル(メタ)アクリレート、ビス-(3-スルホプロピル)-イタコネート等が挙げられる。
上記アニオン性モノマーの中では、分散安定性、吐出性等の観点から、不飽和カルボン酸モノマーが好ましく、アクリル酸又はメタクリル酸がより好ましい。
上記(a)成分は、それぞれ単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
アルキル(メタ)アクリレートとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、(イソ)プロピル(メタ)アクリレート、(イソ又はターシャリー)ブチル(メタ)アクリレート、(イソ)アミル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、(イソ)オクチル(メタ)アクリレート、(イソ)デシル(メタ)アクリレート、(イソ)ドデシル(メタ)アクリレート、(イソ)ステアリル(メタ)アクリレート等の炭素数1〜22のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルが挙げられる。
アルキル(メタ)アクリルアミドとしては、ジメチル(メタ)アクリルアミド、ジエチル(メタ)アクリルアミド、ジブチル(メタ)アクリルアミド、t-ブチル(メタ)アクリルアミド、オクチル(メタ)アクリルアミド、ドデシル(メタ)アクリルアミドなどの、炭素数1〜22のアルキル基を有する(メタ)アクリルアミドが挙げられる。
なお、本明細書にいう「(イソ又はターシャリー)」及び「(イソ)」は、これらの基が存在している場合とそうでない場合の双方を含むことを意味し、これらの基が存在していない場合には、ノルマルであることを示す。また、「(メタ)アクリレート」は、アクリレートとメタクリレートの双方の場合を含むことを示す。
また、(b)成分としては、光沢性向上等の観点から、芳香環含有モノマーが好ましく、中でも(メタ)アクリル酸のアリールエステル(b-2)成分が好ましく、炭素数7〜22、好ましくは炭素数7〜18、更に好ましくは炭素数7〜12のアリールアルキル基を有する(メタ)アクリレート、又は、炭素数6〜22、好ましくは炭素数6〜18、更に好ましくは炭素数6〜12のアリール基を有する(メタ)アクリレートが好ましい。このようなモノマーとしては、具体的には、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート等が好ましく挙げられる。(b)成分中の(b-2)成分の含有量は、光沢性の向上等の観点から、好ましくは10〜100重量%、より好ましくは20〜80重量%である。
上記(b)成分は、それぞれ単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができ、(b-1)成分と(b-2)成分を併用することも好ましい。
なお、(c)成分の数平均分子量は、標準物質としてポリスチレンを用い、溶媒として50ミリモル/Lの酢酸を含有するテトラヒドロフランを用いたゲルパーミエーションクロマトグラフィーによって測定することができる。
(c)成分のマクロマーとしては、具体的には、下記(c-1)スチレン系マクロマー、(c-2)アルキル(メタ)アクリレート系マクロマー、(c-3)芳香環含有(メタ)アクリレート系マクロマー、(c-4)シリコン系マクロマー等が挙げられる。
スチレン系マクロマーとは、スチレン、α-メチルスチレン、ビニルトルエン等のスチレン系モノマー(c-1 モノマーという)を有するマクロマーを意味する。スチレン系モノマーの中ではスチレンが好ましい。
スチレン系マクロマーは、例えば、片末端に重合性官能基を有するスチレン単独重合体、及び片末端に重合性官能基を有する、スチレンと他のモノマーとの共重合体が挙げられる。片末端に存在する重合性官能基は、アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基が好ましく、これらを共重合させることで、スチレン系マクロマー由来の構成単位を有する水不溶性グラフトポリマーを得ることができる。
側鎖中、又はスチレン系マクロマー中、スチレン系モノマー由来の構成単位の含有量は、耐擦過性の観点から、好ましくは60重量%以上、より好ましくは70重量%以上、特に好ましくは90重量%以上である。
商業的に入手しうるスチレン系マクロマーとしては、例えば、東亜合成株式会社の商品名、AS−6(S)、AN−6(S)、HS−6(S)等が挙げられる。
アルキル(メタ)アクリレート系マクロマーとは、ヒドロキシ基を有していてもよい、炭素数1〜22、好ましくは炭素数1〜18のアルキル基を有する、(メタ)アクリル酸エステル(c-2 モノマー)を有するマクロマーを意味する。
(メタ)アクリル酸エステルとしては、具体的には、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、(イソ)プロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、(イソ又はターシャリー)ブチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、(イソ)オクチル(メタ)アクリレート、(イソ)デシル(メタ)アクリレート、(イソ)ステアリル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
c-2 モノマー由来の構成単位を含む側鎖は、片末端に重合性官能基を有するアルキル(メタ)アクリレート系マクロマーを共重合することにより得られ、例えば、メチルメタクリレート系マクロマー、ブチルアクリレート系マクロマー、イソブチルメタクリレート系マクロマー、ラウリルメタクリレート系マクロマー等が挙げられる。
側鎖中、又はアルキル(メタ)アクリレート系マクロマー中、(メタ)アクリル酸エステル由来の構成単位の含有量は、最も多く、耐擦過性の観点から、好ましくは60重量%以上、より好ましくは70重量%以上、特に好ましくは90重量%以上である。
芳香環含有(メタ)アクリレート系マクロマーとは、芳香環含有(メタ)アクリレート(c-3 モノマー)を有するマクロマーを意味する。芳香環含有(メタ)アクリレートとしては、下記式(1)で表されるモノマーが好ましい。
CH2=CR1COOR2 (1)
(式中、R1は水素原子又はメチル基を示し、R2は、置換基を有していてもよい、炭素数7〜22のアリールアルキル基又は炭素数6〜22のアリール基を示す。)
具体的には、ベンジル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、2-フェニルエチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、1-ナフチルアクリレート、2-ナフチル(メタ)アクリレート、フタルイミドメチル(メタ)アクリレート、p-ニトロフェニル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2-メタクリロイロキシエチル-2-ヒドロキシプロピルフタレート、2-アクリロイロキシエチルフタレート等が挙げられる。これらの中では、特にベンジル(メタ)アクリレートが好ましい。これらは、それぞれ単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
芳香環含有(メタ)アクリレート系マクロマーは、片末端に重合性官能基を有する芳香環含有(メタ)アクリレートの単独重合体、及び片末端に重合性官能基を有する、芳香環含有(メタ)アクリレートと他のモノマーとの共重合体が挙げられ、重合性官能基は、アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基が好ましい。他のモノマーとしては、前記の(1)スチレン系モノマー(c-1 モノマー)、(2)(メタ)アクリル酸エステル(c-2 モノマー)等が挙げられる。
側鎖中、又は芳香環含有(メタ)アクリレート系マクロマー中、芳香環含有(メタ)アクリレート由来の構成単位の含有量が最も多い。
本発明で用いられる水不溶性ポリマー(イ')は、オルガノポリシロキサン鎖を側鎖として有していてもよい。この側鎖は、例えば、好ましくは下記式(2)で表される、片末端に重合性官能基を有するシリコーン系マクロマーを共重合することにより得ることができる。
CH2=C(CH3)−COOC3H6−〔Si(CH3)2−O〕t−Si(CH3)3 (2)
(式中、tは8〜40の数を示す)
上記マクロマーの中では、片末端に重合性官能基を有するスチレン系マクロマーが顔料との親和性が高く、保存安定性を向上させる観点から好ましい。
本発明においては、上記マクロマーは1種で用いてもよいが、2種以上組み合わせて用いてもよい。
本発明に用いられる水不溶性ポリマー(イ')が、水不溶性グラフトポリマーである場合、[主鎖/側鎖]の重量比は、耐擦過性及び保存安定性を向上させる観点から、1/1〜20/1であることが好ましく、3/2〜15/1が更に好ましく、2/1〜10/1が特に好ましい。なお、重合性官能基は側鎖に含有されるものとして計算する。
(d)成分は、水分散体の分散安定性を高めるものである。(d)成分としては、例えば、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(n=2〜30、nはオキシアルキレン基の平均付加モル数を示す。以下同じ。)(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(n=2〜30)(メタ)アクリレート、ポリ(エチレングリコール(n=1〜15)・プロピレングリコール(n=1〜15))(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの中では、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノメタクリレート、ポリプロピレングリコールメタクリレートが好ましい。
CH2=C(R3)COO(R4O)pR5 (3)
(式中、R3は水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基を示し、R4はヘテロ原子を有していてもよい炭素数1〜30の2価の炭化水素基を示し、R5はヘテロ原子を有していてもよい炭素数1〜30の1価の炭化水素基を示すが、pは平均付加モル数を示し、1〜60、好ましくは1〜30の数である。)
(e)成分は、水性インクの吐出安定性を高める効果を発現するものである。
式(3)において、R4又はR5が有してもよいヘテロ原子としては、例えば、窒素原子、酸素原子、ハロゲン原子又は硫黄原子が挙げられる。
R4又はR5で示される基の代表例としては、炭素数6〜30の芳香族基、炭素数3〜30のヘテロ環基、炭素数1〜30のアルキレン基等が挙げられ、これらは置換基を有していてもよい。これらの基は2種以上を組合わせたものであってもよい。置換基としては、芳香族基、ヘテロ環基、アルキル基、ハロゲン原子、アミノ基等が挙げられる。
R5としては、フェニル基、炭素数1〜30、好ましくは分岐鎖を有していても良い炭素数1〜20の脂肪族アルキル基、芳香族環を有する炭素数7〜30のアルキル基又はヘテロ環を有する炭素数4〜30のアルキル基が好ましく挙げられる。R5のより好ましい例としては、メチル基、エチル基、(イソ)プロピル基、(イソ)ブチル基、(イソ)ペンチル基、(イソ)ヘキシル基等の炭素数1〜12のアルキル基、フェニル基等が挙げられる。
上記(d)成分及び(e)成分は、それぞれ単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
(a)成分の含有量は、得られる分散体の分散安定性等の観点から、好ましくは3〜30重量%、より好ましくは4〜20重量%である。
(b)成分の含有量は、耐水性、耐擦過性の観点から、好ましくは10〜70重量%、より好ましくは15〜60重量%である。
(c)成分の含有量は、シリカ粒子を水不溶性ポリマー微粒子中に安定分散させる観点から、好ましくは1〜25重量%、より好ましくは5〜20重量%である。
(a)成分の含有量と、(b)成分と(c)成分の合計含有量との重量比((a)/[(b)+(c)])は、得られる水系インクの長期保存安定性、吐出性等の観点から、好ましくは0.01〜1、より好ましくは0.02〜0.67、更に好ましくは0.03〜0.50である。
(e)成分の含有量は、吐出性、分散安定性等の観点から、好ましくは5〜50重量%、より好ましくは10〜40重量%である。
(a)成分と(d)成分との合計含有量は、水中での安定性の観点から、好ましくは6〜60重量%、より好ましくは10〜50重量%である。
また、(a)成分と(e)成分の合計含有量は、水中での分散安定性、吐出性等の観点から、好ましくは6〜75重量%、より好ましくは13〜50重量%である。
(a)成分と(d)成分と(e)成分との合計含有量は、水中での分散安定性、印字濃度及び吐出性の観点から、好ましくは6〜60重量%、より好ましくは7〜50重量%である。
上記(a)〜(e)の各成分に由来する構成成分の水不溶性ポリマー中の含有量も、上記各成分含有量と同様である。
溶液重合法で用いる溶媒としては、水不溶性ポリマーと親和性の高い極性有機溶媒が好ましく、水に対する溶解度が20℃において、50重量%以下のものが好ましく、5重量%以上のものが好ましい。極性有機溶媒としては、例えば、ブトキシエタノール等の脂肪族アルコール;トルエン、キシレン等の芳香族類;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類;酢酸エチル等のエステル類等が挙げられる。これらの中では、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、トルエン、キシレン、ブトキシエタノール、又はこれらの1種以上と水との混合溶媒が好ましい。
重合開始剤の量は、モノマー混合物1モルあたり、好ましくは0.001〜5モル、より好ましくは0.01〜2モルである。
重合の際には、さらに、オクチルメルカプタン、2-メルカプトエタノール等のメルカプタン類、チウラムジスルフィド類等の公知の重合連鎖移動剤を添加することができる。
モノマー混合物の重合条件は、使用する重合開始剤、モノマー、溶媒の種類等によって異なるが、通常、重合温度は30〜100℃、好ましくは50〜80℃であり、重合時間は1〜20時間である。また、重合雰囲気は、窒素ガス雰囲気、アルゴン等の不活性ガス雰囲気であることが好ましい。
重合反応の終了後、反応溶液から再沈澱、溶媒留去等の公知の方法により、生成したポリマーを単離することができる。
なお、ポリマーの重量平均分子量は、溶媒として60ミリモル/Lのリン酸及び50ミリモル/Lのリチウムブロマイドを溶解したジメチルホルムアミドを用いたゲルパーミエーションクロマトグラフィー法により、標準物質としてポリスチレンを用いて測定される。
{[中和剤の重量(g)/中和剤の当量]/[ポリマーの酸価 (KOHmg/g)×ポリマーの重量(g)/(56×1000)]}×100
一方、塩生成基がカチオン性基である場合、下記式によって求めることができる。
[[中和剤の重量(g)/中和剤の当量]/[ポリマーのアミン価 (HCLmg/g)×ポリマーの重量(g)/(36.5×1000)]]×100
酸価やアミン価は、ポリマーの構成単位から算出することができるが、適当な溶剤(例えばメチルエチルケトン)にポリマーを溶解して滴定する方法を用いて求めることもできる。
前述の通り、シリカ粒子は、水不溶性ポリマー粒子(イ)に含有されることでブロンズ現象を効果的に低減することができると共に、優れた分散安定性を得ることができる。
シリカ含有ポリマー粒子(イ)は、好ましくは下記工程1及び工程2により製造される。
工程1:シリカ粒子、水不溶性ポリマー(イ’)、有機溶媒及び水との混合物を、分散処理する工程
工程2:工程1で得られた分散物から該有機溶媒を除去する工程
前記工程1では、まず、シリカ粒子、水不溶性ポリマー(イ’)(以下、単に水不溶性ポリマーともいう)、有機溶媒及び水とを混合するが、好ましくは、上記水不溶性ポリマーを有機溶媒に溶解させ、次にシリカ粒子、水、及び必要に応じて中和剤、界面活性剤等を、前記有機溶媒に加えて混合し、水中油型の分散体を得る。
水不溶性ポリマーが塩生成基を有する場合、中和剤を用いることが好ましいが、水不溶性ポリマーを予め前期中和剤で中和しておいてもよい。中和度は特に限定はないが、通常、最終的に得られる水分散体の液性が中性、例えば、pHが4.5〜10となるように中和することが好ましい。前記水不溶性ポリマーの望まれる中和度により、pHを決めることもできる。
具体的には、アルコール系溶媒としては、エタノール、イソプロパノール、n-ブタノール、第3級ブタノール、イソブタノール、ジアセトンアルコール等が挙げられる。ケトン系溶媒としては、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン等が挙げられる。エーテル系溶媒としては、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等が挙げられる。これらの溶媒の中では、イソプロパノール、アセトン及びメチルエチルケトンが好ましく、特に、メチルエチルケトンが好ましい。これらの溶媒は、それぞれ単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
分散機としては、例えば、ロールミル、ニーダー、エクストルーダ等の混練機、サンドミル、ビーズミル等の分散機、チャンバー式等の高圧ホモジナイザー等が挙げられる。これらの中では、シリカ粒子と顔料とを均一に混合する観点から、分散メディアを用いた分散機により湿式粉砕する方法が好ましい。さらに必要に応じて湿式粉砕した後、高圧ホモジナイザーで分散する方法を採ることも好ましい。
湿式粉砕分散における、分散メディア/分散液(シリカ粒子、ポリマー、水、有機溶媒等全ての分散体を含む)の重量比は、シリカ粒子を均一に混合する観点から、通常10/1〜4/6であり、好ましくは10/1〜5/5である。
分散メディアを使用する分散機の周速については、攪拌羽根を有する場合は、攪拌羽根の外周の速度であり、本発明においては、好ましくは3〜30m/sec、更に好ましくは5〜25m/secである。攪拌羽根を有しない場合は、容器の回転速度であり、本発明においては、好ましくは0.1〜1m/secの速度である。
また、分散時間は、シリカ粒子を均一に混合する観点から、1〜15時間が好ましく、2〜10時間が更に好ましい。分散時の温度は、同様の点から、0〜60℃が好ましく、5〜30℃が更に好ましい。
また、得られた水分散体をろ過することで、粗大粒子を除去することが好ましい。
得られたシリカ含有水不溶性ポリマー粒子(イ)の平均粒径は、プリンターのノズルの目詰まり防止等の観点から、好ましくは10〜200nm、より好ましくは30〜130nm、更に好ましくは50〜120nmである。上記平均粒径は後述する測定方法により求めることができる。
本発明のインクジェット記録用水分散体は、好ましくはシリカ含有水不溶性ポリマー粒子(イ)を得る工程1及び2と、得られた水不溶性ポリマー粒子(イ)と顔料を混合する工程3を有する製造方法により得られ、具体的には、下記1〜3の各工程を有する製造方法により得ることができる。
工程1:シリカ粒子、水不溶性ポリマー(イ’)、有機溶媒及び水との混合物を、分散処理する工程
工程2:工程1で得られた分散体から該有機溶媒を除去して、シリカ粒子を含有する水不溶性ポリマー粒子(イ)の水分散体を得る工程
工程3:工程2で得られた、シリカ粒子を含有する水不溶性ポリマー粒子(イ)の水分散体と顔料とを混合する工程
(1)顔料を界面活性剤、顔料誘導体又は水溶性ポリマーで水中に分散させたもの
(2)親水性基が直接又は他の原子団を介して顔料に結合している自己分散型顔料
(3)顔料を含有する水不溶性ポリマー粒子(ロ)(以下、「顔料含有水不溶性ポリマー粒子(ロ)」ということがある)の水分散体
水溶性ポリマーは、25℃の水100gに溶解させたときに、その溶解量が10gを越えるもの、好ましくは20g以上、更に好ましくは30g以上であるポリマーである。上記溶解量は、水溶性ポリマーがカルボキシ基、アンモニウム基等の塩生成基を有する場合は、その種類に応じて、水溶性ポリマーの塩生成基を酢酸又は水酸化ナトリウムで100%中和した時の溶解量をいう。
上記水溶性ポリマーは、分散性の観点から、その重量平均分子量が2,000〜50,000であることが好ましい。なお、水溶性ポリマーの重量平均分子量は、溶媒として60ミリモル/Lのリン酸及び50ミリモル/Lのリチウムブロマイドを溶解したジメチルホルムアミドを用いたゲルクロマトグラフィー法により、標準物質としてポリスチレンを用いて測定することができる。
水不溶性ポリマー(ロ’)は、塩生成基含有モノマー(a)由来の構成単位、疎水性モノマー(b)由来の構成単位及び/又はマクロマー(c)由来の構成単位を含むことが好ましく、その好ましい範囲、モノマー化合物等は、前述の水不溶性ポリマー粒子(イ)を構成する水不溶性ポリマー(イ’)と同じものが使用できる。但し、水不溶性ポリマー(ロ’)と水不溶性ポリマー(イ’)とは同一であってもよいが、異なるものであってもよい。
工程I:顔料、水不溶性ポリマー(ロ’)、有機溶媒及び水との混合物を、分散処理する工程
工程II:工程Iで得られた分散物から該有機溶媒を除去する工程
工程I,IIでの各成分の好ましい量比、製造条件等は、前記工程1、2において、シリカ粒子を顔料に置き換えた場合と同様である。
工程IIで得られた水分散体は、顔料含有水不溶性ポリマー粒子(ロ)の水分散体である。即ち、顔料を含有する水不溶性ポリマー粒子(ロ)が水を主溶媒とする中に分散している。ここで、顔料を含む水不溶性ポリマー粒子(ロ)の形態は特に制限はなく、少なくとも顔料と水不溶性ポリマー(ロ’)により粒子が形成されていればよく、例えば、水不溶性ポリマー(ロ’)に顔料が内包された粒子形態、水不溶性ポリマー(ロ’)中に顔料が均一に分散された粒子形態、水不溶性ポリマー粒子(ロ)表面に顔料が露出された粒子形態等が含まれる。
本発明においては、前記(1)〜(3)の各顔料あるいはその分散体の中では、(3)の顔料含有水不溶性ポリマー粒子(ロ)の水分散体を用いるのが、耐擦過性、分散安定性の観点から好ましい。
シリカ粒子の含有量は、ブロンズ現象の低減の観点から、好ましくは0.1〜10重量%、より好ましくは0.5〜8重量%、更に好ましくは1〜5重量%である。
顔料の含有量は、印字濃度を高める観点から、好ましくは1〜10重量%、より好ましくは2〜10重量%、更に好ましくは3〜10重量%、更に好ましくは3〜8重量%である。
顔料が水不溶性ポリマー粒子(ロ)に含有されている場合、顔料と水不溶性ポリマー(ロ’)の含有比率(水不溶性ポリマー(ロ’)/顔料)については、印字濃度、耐擦過性及び分散安定性を高める観点から、重量比で5/95〜90/10であることが好ましく、10/90〜75/25であることがより好ましく、20/80〜50/50が更に好ましい。
シリカ粒子と水不溶性ポリマー(イ’)の含有比率(水不溶性ポリマー(イ’)/シリカ粒子)については、耐擦過性及び分散安定性を高める観点から、重量比で5/95〜90/10であることが好ましく、10/90〜75/25であることがより好ましく、20/80〜50/50が更に好ましい。
水不溶性ポリマー粒子(イ)と(ロ)の合計含有量は、吐出性やシリカ粒子や顔料の分散安定性の観点から、好ましくは0.5〜15重量%、より好ましくは1〜12重量%、更に好ましくは1〜10重量%である。
本発明の水分散体中の水の含有量は、好ましくは30〜90重量%,より好ましくは40〜85重量%である。
本発明の水系インク中の水の含有量は、好ましくは30〜95重量%,より好ましくは40〜90重量%である。
本発明の水分散体の20重量%(固形分)の粘度(20℃)は、水系インクとした際に好ましい粘度とするために、1〜12mPa・sが好ましく、1〜9mPa・sがより好ましく、2〜6mPa・sがより好ましく、2〜5mPa・sが更に好ましい。
本発明の水系インクの粘度(20℃)は、良好な吐出性を維持するために、2〜12mPa・sが好ましく、2.5〜10mPa・sがより好ましく、2.5〜6mPa・sが更に好ましい。
製造例1 水不溶性ポリマーの製造
ベンジルメタクリレート(和光純薬工業株式会社製、試薬)46部、メタクリル酸(和光純薬工業株式会社製、試薬)14部、スチレンマクロマー(東亜合成株式会社製、商品名:AS−6S、数平均分子量:6000、50重量%(固形分)、重合性官能基:メタクリロイルオキシ基)40部、及びポリプロピレングリコールモノメタクリレート(プロピレンオキシドの付加モル数=平均9モル、末端水酸基)20部からなるモノマー100部と、有機溶媒(メチルエチルケトン)20部、重合連鎖移動剤(2−メルカプトエタノール、和光純薬工業株式会社製、試薬)1部、重合開始剤(2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、和光純薬工業株式会社製、V−65)1部との合計量の10%を入れて混合し、窒素ガス置換を十分に行い、混合溶液を得た。
一方、滴下ロートに、残りの90%を用い、75℃攪拌下、滴下しながら重合を行った。滴下終了から75℃で約2時間経過後、80℃で1時間熟成させ、水不溶性ポリマー(重量平均分子量18,000)を得た。
製造例1で得られたポリマー溶液を減圧乾燥させて得られたポリマー50部をメチルエチルケトン70部に溶かしたのち、30%シリカゾル(疎水処理シリカ(疎水化処理:日産化学工業(株)製;商品名MEK−ST)167部と混合し、その中に中和剤(5N水酸化ナトリウム水溶液)8.2部(中和度75%)及びイオン交換水230部加えて塩生成基を中和し、浅田鉄工(株)ピコミルにて周速15m/sにて2時間分散処理を施した。得られた混合物をマイクロフルイダイザー(Microfluidics 社製、商品名)で200MPaの圧力で10パス分散処理した。
得られた分散液に、イオン交換水250部を加え、攪拌した後、減圧下で60℃でメチルエチルケトンを除去し、更に一部の水を除去し、5μmのフィルター(アセチルセルロース膜、外径:2.5cm、富士写真フイルム株式会社製)を取り付けた容量25mLの針なしシリンジ(テルモ株式会社製)で濾過し、粗大粒子を除去することにより、固形分濃度が20%のシリカ含有ポリマー粒子の水分散体を得た。シリカ含有ポリマー粒子の平均粒径は、75nmであった。
得られた顔料分散液に、イオン交換水250部を加え、攪拌した後、減圧下で60℃でメチルエチルケトンを除去し、更に一部の水を除去し、5μmのフィルター(アセチルセルロース膜、外径:2.5cm、富士写真フイルム株式会社製)を取り付けた容量25mLの針なしシリンジ(テルモ株式会社製)で濾過し、粗大粒子を除去することにより、固形分濃度が20%の顔料含有ポリマー粒子の水分散体を得た。顔料含有ポリマー粒子の平均粒径は、80nmであった。
実施例1において、顔料含有ポリマー粒子の水分散体26.7重量部と前記シリカ含有ポリマー粒子の水分散体10部、グリセリン10部、トリエチレングリコールモノブチルエーテル7部、サーフィノール465 1部、プロキセルXL2 0.3部及びイオン交換水45部を混合した以外は、実施例1と同様にして水系インク2を得た。
実施例1において、顔料含有ポリマー粒子の水分散体26.7重量部に、グリセリン10部、トリエチレングリコールモノブチルエーテル7部、サーフィノール465 1部、プロキセルXL2 0.3部及びイオン交換水55部を混合した以外は、実施例1と同様にして水系インク3を得た。
実施例1において、シリカ含有ポリマー粒子の水分散体20部に代えて40%親水性コロイダルシリカ(日産化学工業(株)製;商品名ST−40)5部を使用し、イオン交換水を50部とした以外は実施例1と同様にして水系インク4を得た。
(1)ブロンズ試験
市販のインクジェットプリンター〔エプソン(株)製、型番:PX−A650〕を用いて、市販の専用紙〔写真用紙<光沢>、エプソン(株)製〕〕にベタ印刷し〔印刷条件=用紙種類: EPSON写真用紙、印刷品質:フォト、カラー設定:色補正なし〕、25℃で24時間放置後、得られたベタ印字物について、以下の方法でブロンズを測定した。
上記の方法で作成した印刷物を変角分光器GONIO−SPECTROMETER(村上色材技術研究所製、GSP−2)の試料台に装着して、波長390nm〜720nmの反射スペクトルを測定した。測定条件は以下の通りであった。
入射角度45° 受光角度45° 視野角2° あおり角0°
光源:ハロゲンランプC光
このようにして得られたスペクトルから、波長550nmの強度と630nmの強度を調べ、その値から反射強度スペクトル比(630nmの強度/550nmの強度)を算出し、以下のように評価した。
(評価)
反射強度スペクトル比が4を超える: 印刷面に映る蛍光灯や太陽光の反射光が赤っぽく見える。
反射強度スペクトル比が3を超え4以下: 写真等の印刷を行っても赤みを認識されにくい。
反射強度スペクトル比が3以下: ベタ印刷においても赤さが認識されにくいので最も好ましい。
前記(1)で得られた印刷物について20°の光沢を光沢計(日本電飾(株)製、商品名:HANDY GLOSSMETER、品番:PG−1)で測定した(20℃)。この値が50以上が好ましく、55以上がより好ましいとして評価した。
水系インクをガラス製密閉容器に充填し、70℃で1週間保存後の平均粒径を粒径測定器(大塚電子株式会社製、商品名:ELS-8000)を用いて下記の方法で測定し、下記式より粒径増加率を求めた。この数値が100に近い方が、保存安定性がよく、90〜110が好ましい。
(70℃で1ヶ月保存した後の平均粒径/保存前の平均粒径)×100
顔料含有水不溶性ポリマー粒子、及びシリカ含有水不溶性ポリマー粒子の平均粒径の測定方法
平均粒径は、大塚電子株式会社のレーザー粒子解析システムELS−8000(キュムラント解析)で測定した。測定条件は、温度25℃、入射光と検出器との角度90°、積算回数100回であり、分散溶媒の屈折率として水の屈折率(1.333) を入力する。測定濃度は、通常5×10-3重量%程度で行った。
また、シリカ粒子の平均粒径及び顔料の一次粒径は、走査型電子顕微鏡を用いて100個測定し、画像解析から算出した、数平均粒径を用いる。なお、長径と短径がある場合は、長径を用いて算出する。
Claims (8)
- シリカ粒子を含有する水不溶性ポリマー粒子(イ)とシリカ粒子を除く顔料とを含む水分散体の製造方法であって、下記工程1〜3を有する、インクジェット記録用水分散体の製造方法。
工程1:シリカ粒子、水不溶性ポリマー(イ')、有機溶媒及び水の混合物を分散処理する工程
工程2:工程1で得られた分散体から上記有機溶媒を除去して、シリカ粒子を含有する水不溶性ポリマー粒子(イ)の水分散体を得る工程
工程3:工程2で得られた、シリカ粒子を含有する水不溶性ポリマー粒子(イ)の水分散体とシリカ粒子を除く顔料とを混合する工程 - シリカ粒子の表面の少なくとも一部が疎水化されている、請求項1記載のインクジェット記録用水分散体の製造方法。
- シリカ粒子を含有する水不溶性ポリマー粒子(イ)の平均粒径が10〜200nmである、請求項1又は2に記載のインクジェット記録用水分散体の製造方法。
- シリカ粒子を除く顔料が、シリカ粒子を除く顔料を含有する水不溶性ポリマー粒子(ロ)として含有される、請求項1〜3のいずれかに記載のインクジェット記録用水分散体の製造方法。
- シリカ粒子とシリカ粒子を除く顔料の含有比率(シリカ粒子/シリカ粒子を除く顔料)が、重量比で1/100〜5/1である、請求項1〜4のいずれかに記載のインクジェット記録用水分散体の製造方法。
- シリカ粒子を除く顔料がシアン顔料である、請求項1〜5のいずれかに記載のインクジェット記録用水分散体の製造方法。
- 水不溶性ポリマー粒子(イ)を構成する水不溶性ポリマー(イ')が、(a)塩生成基含有モノマー、(b)疎水性モノマー及び/又は(c)マクロマーを含むモノマー混合物を共重合させてなる水不溶性ポリマーである、請求項1〜6のいずれかに記載のインクジェット記録用水分散体の製造方法。
- 請求項1〜7のいずれかに記載の製造方法により得られた水分散体を含有する、インクジェット記録用水系インク。
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