JP2004204103A - 顔料組成物および顔料分散体 - Google Patents
顔料組成物および顔料分散体 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】オフセットインキ、グラビアインキ、塗料、インキジェットインキ、プラスチック着色、カラーフィルター、電気泳動型電子ペーパー等に適する非集合体、流動性に優れた安定な顔料組成物、顔料分散体および着色用樹脂組成物の提供。
【解決手段】塩基性基を有する顔料誘導体、塩基性基を有するアントラキノン誘導体、塩基性基を有するアクリドン誘導体または塩基性基を有するトリアジン誘導体から選ばれる少なくとも一種の誘導体、ロジン骨格を有するエチレン性不飽和単量体を重合成分として含有する重合体、および顔料を含む顔料組成物、該顔料組成物をワニスに分散せしめてなる顔料分散体、および該顔料組成物と熱可塑性樹脂とを含む着色用樹脂組成物。
【選択図】 なし
【解決手段】塩基性基を有する顔料誘導体、塩基性基を有するアントラキノン誘導体、塩基性基を有するアクリドン誘導体または塩基性基を有するトリアジン誘導体から選ばれる少なくとも一種の誘導体、ロジン骨格を有するエチレン性不飽和単量体を重合成分として含有する重合体、および顔料を含む顔料組成物、該顔料組成物をワニスに分散せしめてなる顔料分散体、および該顔料組成物と熱可塑性樹脂とを含む着色用樹脂組成物。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、使用適性、特に非集合性、流動性に優れた顔料組成物、顔料分散体および着色用樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、顔料の微細な粒子をオフセットインキ、グラビアインキおよび塗料のようなビヒクルに分散する場合、安定な分散体を得ることが難しく、製造作業上および得られる製品の価値に種々の問題を引き起こすことが知られている。
例えば、微細な粒子からなる顔料を含む分散体は、往々にして高粘度を示し、製品の分散機からの取り出し、輸送が困難となるばかりでなく、更に悪い場合は貯蔵中にゲル化を起こし使用困難となることがある。さらに、展色物の塗膜表面に関しては、光沢の低下、レベリング不良等の状態不良を生じることがある。また、異種の顔料を混合して使用する場合、凝集による色別れや、沈降などの現象により展色物に色むらや著しい着色力の低下が現れることがある。
【0003】
以上のような種々の問題点を解決するために、有機顔料を母体骨格として側鎖に酸性基や塩基性基を置換基として有する顔料誘導体が分散剤として混合されている。(例えば、特許文献1〜3参照。)。
【特許文献1】特開昭63−305173号公報
【特許文献2】特開平1−247468号公報
【特許文献3】特開平3−26767号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、塗料、インキ等には非常に多くのワニス系が存在するため、これら顔料誘導体を用いても一部のワニス系を除いては満足な効果が得られていないのが実状である。
そこで、本発明は、オフッセトインキ、グラビアインキ、塗料、インキジェットインキ、プラスチック着色、カラーフィルター、電気泳動型電子ペーパー等に適する非集合性、流動性に優れた安定な顔料組成物、顔料分散体および着色用樹脂組成物の提供を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の顔料組成物は、塩基性基を有する誘導体とロジン骨格を有する重合体とを組み合わせることにより優れた非集合性、流動性を発現するもの、すなわち、塩基性基を有する顔料誘導体、塩基性基を有するアントラキノン誘導体、塩基性基を有するアクリドン誘導体または塩基性基を有するトリアジン誘導体から選ばれる少なくとも一種の誘導体、下記式(1)で示されるロジン骨格を有するエチレン性不飽和単量体を重合成分として含む重合体、および顔料を含む顔料組成物である。
また、本発明の顔料分散体は、上記顔料組成物をワニスに分散せしめてなる顔料分散体である。
また、本発明の着色用樹脂組成物は、上記顔料組成物と熱可塑性樹脂とを含む着色用樹脂組成物である。
式(1)
【化5】
Ra : ロジン骨格を表す。
Rb : 水素原子またはメチル基を表す。
Rc : 置換されていてもよい、炭素数1〜30のアルキレン基を表す。
【0006】
まず、本発明の顔料組成物について説明する。
顔料組成物に含まれる重合体は、上記式(1)で示されるロジン骨格を有するエチレン性不飽和単量体の単独重合体、または上記式(1)で示されるロジン骨格を有するエチレン性不飽和単量体とロジン骨格を有しない他のエチレン性不飽和単量体との共重合体である。
式(1)で示されるロジン骨格を有するエチレン性不飽和単量体は、単独あるいは2種以上の組み合わせで用いることができる。
【0007】
式(1)において、Raは、アビエチン酸、ネオアビエチン酸、デヒドロアビエチン酸、レボピマル酸、パラストリン酸、ピマル酸、イソピマル酸、サンダラコピマル酸等のロジン骨格である。
また、RCは、アルキル基(例えばメチル基、エチル基等)、アミノ基、アルキルアミノ基(例えばジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジブチルアミノ基等)、ニトロ基、水酸基、アルコキシ基(例えばメトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基等)、ハロゲン(例えば塩素等)、フェニル基、フェニルアミノ基等の置換基を有していてもよい炭素数1から30のアルキレン基である。なお、フェニル基およびフェニルアミノ基は、メチル基、エチル基、メトキシ基、エトキシ基、アミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ニトロ基、水酸基等で置換されていてもよい。
【0008】
重合体が芳香環やアルキレンオキサイド鎖を構造中に含むと、顔料および顔料誘導体への重合体の吸着性が向上し、より低粘度で保存安定性にも優れる安定な顔料組成物が得られる。そのため、重合体は、上記式(1)で示されるロジン骨格を有するエチレン性不飽和単量体と下記式(2)または式(3)で示されるエチレン性不飽和単量体とを重合成分として含む共重合体、または式(1)で示されるロジン骨格を有するエチレン性不飽和単量体と下記式(4)で示されるエチレン性不飽和単量体とを重合成分として含む共重合体であることが好ましい。
【0009】
式(2)
【化6】
式(3)
【化7】
R1:水素原子またはメチル基を表す。
R2:炭素数1〜4アルキレン基を表す。
n:1〜100の整数を表す。
式(4)
【化8】
R1:水素原子またはメチル基を表す。
R2:炭素数1〜4アルキレン基を表す。
R3:水素原子、炭素数1〜30のアルキル基、−CH2−CH=CH2、置換されていてもよいフェニル基または−C(=O)−C(R1)=CH2を表す。
n:1〜100の整数を表す。
【0010】
式(2)で示されるエチレン性不飽和単量体としては、パラクミルフェノールエチレンオキサイド変性アクリレートを挙げることができる。また、式(3)で示されるエチレン性不飽和単量体としては、エチレンオキサイド変性ビスフェノールAジメタクリレート、エチレンオキサイド変性ビスフェノールAジアクリレート、プロピレンオキサイド変性ビスフェノールAジメタクリレート、プロピレンオキサイド変性ビスフェノールAジアクリレート、エチレンオキサイド-プロピレンオキサイド変性ビスフェノールAジメタクリレート、エチレンオキサイド-プロピレンオキサイド変性ビスフェノールAジアクリレート、プロピレンオキサイドエチレンオキサイド(ブロックタイプ)変性ビスフェノールAジメタクリレート、プロピレンオキサイドテトラメチレンオキサイド変性ビスフェノールAジメタクリレート、プロピレンオキサイドテトラメチレンオキサイド変性ビスフェノールAジアクリレートを挙げることができる。これらは、例えば日本油脂株式会社よりブレンマーシリーズや東亜合成株式会社よりアロニックスシリーズとして市販されている。
【0011】
式(2)または式(3)で示されるエチレン性不飽和単量体は、単独あるいは2種以上の組み合わせで用いることができる。また、共重合体における式(2)または式(3)で示されるエチレン性不飽和単量体の共重合比は、共重合体を構成する全ての単量体の合計100重量部に対して、0.1〜50重量部であることが好ましい。
【0012】
式(4)で示されるエチレン性不飽和単量体のうち、R3 が水素原子である水酸基末端ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレートとしては、例えば、ポリエチレングリコールモノメタクリレート、ポリエチレングリコールモノアクリレート、ポリプロピレングリコールモノメタクリレート、ポリプロピレングリコールモノアクリレート、ポリ(エチレングリコール-プロピレングリコール)モノメタクリレート、ポリエチレングリコール-ポリプロピレングリコールモノメタクリレート、ポリエチレングリコール-ポリプロピレングリコールモノアクリレート、ポリ(エチレングリコール-テトラメチレングリコール)モノメタクリレート、ポリ(エチレングリコール-テトラメチレングリコール)モノアクリレート、ポリ(プロピレングリコール-テトラメチレングリコール)モノメタアクリレート、ポリ(プロピレングリコール-テトラメチレングリコール)モノアクリレート、プロピレングリコールポリテトラメチレングリコールモノメタクリレート、プロピレングリコールポリテトラメチレングリコールモノアクリレートが挙げられる。
【0013】
R3が炭素数1〜30のアルキル基であるアルキル基末端ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレートとしては、例えば、メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート、メトキシポリエチレングリコールモノアクリレート、オクトキシポリエチレングリコールモノアクリレート、オクトキシポリエチレングリコールポリプロピレングリコールモノメタクリレート、オクトキシポリエチレングリコールポリプロピレングリコールモノアクリレート、ラウロキシポリエチレングリコールモノメタクリレート、ラウロキシポリエチレングリコールモノアクリレート、ステアロキシポリエチレングリコールモノメタクリレート、ステアロキシポリエチレングリコール-ポリプロピレングリコールモノアクリレート等が挙げられる。
【0014】
R3が-CH2-CH=CH2 であるアリル基末端ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレートとしては、例えば、アリロキシポリエチレングリコール-ポリプロピレングリコールモノメタクリレート、アリロキシポリエチレングリコール-ポリプロピレングリコールモノアクリレート等が挙げられる。
R3が置換基を有していてもよいフェニル基であるフェニル基末端ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレートとしては、例えば、ノニルフェノキシポリエチレングリコールモノアクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコール-ポリプロピレングリコールモノメタクリレート、ノニルフェノキシポリプロピレングリコール-ポリエチレングリコールモノメタクリレート、ノニルフェノキシポリ(エチレングリコール-プロピレングリコール)モノアクリレート、フェノールエチレンオキサイド変性アクリレート、ノニルフェノールエチレンオキサイド変性アクリレート等が挙げられる。
【0015】
R3 が-C(=0)-C(R1)=CH2 である、両末端(メタ)アクリロイル基のポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレートとしては、例えば、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ポリテトラメチレングリコールジメタクリレート、ポリテトラメチレングリコールジアクリレート、ポリ(エチレングリコール-テトラメチレングリコール)ジメタクリレート、ポリ(エチレングリコール-テトラメチレングリコール)ジアクリレート、ポリ(プロピレングリコール-テトラメチレングリコール)ジメタクリレート、ポリ(プロピレングリコール-テトラメチレングリコール)ジアクリレート、ポリエチレングリコール-ポリプロピレングリコール-ポリエチレングリコールジアクリレート等が挙げられる。
【0016】
これらの単量体は、例えば日本油脂株式会社よりブレンマーシリーズや東亞合成株式会社よりアロニックスシリーズとして市販されている。
式(4)で示されるエチレン性不飽和単量体は、単独あるいは2種以上の組み合わせで用いることができる。また、共重合体における式(4)で示されるエチレン性不飽和単量体の共重合比は、共重合体を構成する全ての単量体の合計100重量部に対して、0.1〜50重量部であることが好ましい。
【0017】
式(1)で示されるロジン骨格を有するエチレン性不飽和単量体、式(2)、式(3)または式(4)で示されるエチレン性不飽和単量体以外の、他のエチレン性不飽和単量体の具体例としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ベンジル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル類や、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルアクリル酸、フタル酸モノヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、グリセリン(メタ)アクリレート、ポリカプロラクトン変性ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート(n=1〜6)、エポキシ(メタ)アクリレート、水酸基末端ウレタン(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0018】
また、他のエチレン性不飽和単量体は、分子内に少なくとも1つのカルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体であってもよく、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、2−カルボキシエチルアクリレート、フタル酸モノヒドロキシエチルアクリレート、ω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノアクリレート、マレイン酸、イタコン酸、フマル酸、グルタコン酸、テトラヒドロフタル酸等が挙げられる。これらは、1種または2種以上組み合わせて用いることができる。なお、分子内に少なくとも1つのカルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体を共重合成分として含む場合は、該単量体の共重合比は、共重合体を構成する全てのエチレン性不飽和単量体の合計100重量部に対して中、1〜50重量部であることが好ましい。
【0019】
重合体の重量平均分子量(Mw)は、分散性が良好なことから、好ましくは5000〜100000であり、更に好ましくは10000〜50000である。重合体の合成は、開始剤の存在下、不活性ガス気流下、50〜150℃で2〜10時間かけて行われる。必要に応じて、溶剤の存在下で行っても差し支えない。
開始剤としては、ベンゾイルパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイド、t−ブチルヒドロパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシカーボネート、ジt−ブチルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート等の有機過酸化物、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物等が挙げられる。開始剤は、エチレン性不飽和単量体の合計100重量部に対して、好ましくは1〜20重量部使用される。
【0020】
溶剤としては、水および/または水混和性有機溶剤、またはエチルセルソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどの酢酸エステル;シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類;キシレン、エチルベンゼンなどを用いることができる。水混和性有機溶剤としては、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、n-プロピルアルコール等のアルコール系溶剤や、エチレングリコールまたはジエチレングリコールのモノまたはジアルキルエーテル等が挙げられる。
【0021】
本発明を構成する塩基性基を有する顔料誘導体、塩基性基を有するアントラキノン誘導体、塩基性基を有するアクリドン誘導体または塩基性基を有するトリアジン誘導体は、下記一般式(5)、(6)、(7)および(8)で示される群から選ばれる少なくとも1つの置換基を有するものである。
式(5)
【化9】
【0022】
式(6)
【化10】
式(7)
【化11】
式(8)
【化12】
【0023】
X:−SO2−、−CO−、−CH2NHCOCH2−、−CH2−または直接結合を表す。
m:1〜10の整数を表す。
R4、R5:それぞれ独立に、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基、置換されていてもよいフェニル基、またはR4とR5とで一体となって更なる窒素、酸素または硫黄原子を含む置換されていてもよい複素環を表す。アルキル基およびアルケニル基の炭素数は1〜10が好ましい。
R6:置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基または置換されていてもよいフェニル基を表す。アルキル基およびアルケニル基の炭素数は1〜10が好ましい。
R7、R8、R9、R10:それぞれ独立に、水素原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基または置換されていてもよいフェニル基を表す。アルキル基およびアルケニル基の炭素数は1〜5が好ましい。
【0024】
Y:−NR11−Z−NR12−または直接結合を表す。
R11、R12:それぞれ独立に水素原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基または置換されていてもよいフェニル基を表す。アルキル基およびアルケニル基の炭素数は1〜5が好ましい。
Z:置換されていてもよいアルキレン基、置換されていてもよいアルケニレン基または置換されていてもよいフェニレン基を表す。アルキル基およびアルケニル基の炭素数は1〜8が好ましい。
P:式(9)で示される置換基または式(10)で示される置換基を表す。
Q:水酸基、アルコキシル基、式(9)で示される置換基または式(10)で示される置換基を表す。
【0025】
式(9)
【化13】
式(10)
【化14】
【0026】
式(5)〜式(10)の基を形成するために使用されるアミン成分は、例えば、ジメチルアミン、ジエチルアミン、N,N−エチルイソプロピルアミン、N,N−エチルプロピルアミン、N,N−メチルブチルアミン、N,N−メチルイソブチルアミン、N,N−ブチルエチルアミン、N,N−tert−ブチルエチルアミン、ジイソプロピルアミン、ジプロピルアミン、N,N−sec−ブチルプロピルアミン、ジブチルアミン、ジーsec−ブチルアミン、ジイソブチルアミン、N,N−イソブチル−sec−ブチルアミン、ジアミルアミン、ジイソアミルアミン、ジヘキシルアミン、ジ(2−エチルへキシル)アミン、ジオクチルアミン、N,N−メチルオクタデシルアミン、ジデシルアミン、ジアリルアミン、N,N−エチル−1,2−ジメチルプロピルアミン、N,N−メチルヘキシルアミン、ジオレイルアミン、ジステアリルアミン、N,N−ジメチルアミノメチルアミン、N,N−ジメチルアミノエチルアミン、N,N−ジメチルアミノアミルアミン、N,N−ジメチルアミノブチルアミン、N,N−ジエチルアミノエチルアミン、N,N−ジエチルアミノプロピルアミン、N,N−ジエチルアミノヘキシルアミン、N,N−ジエチルアミノブチルアミン、N,N−ジエチルアミノペンチルアミン、N,N−ジプロピルアミノブチルアミン、N,N−ジブチルアミノプロピルアミン、N,N−ジブチルアミノエチルアミン、N,N−ジブチルアミノブチルアミン、N,N−ジイソブチルアミノペンチルアミン、N,N−メチルーラウリルアミノプロピルアミン、N,N−エチルーヘキシルアミノエチルアミン、N,N−ジステアリルアミノエチルアミン、N,N−ジオレイルアミノエチルアミン、N,N−ジステアリルアミノブチルアミン、ピペリジン、2−ピペコリン、3−ピペコリン、4−ピペコリン、2,4−ルペチジン、2,6−ルペチジン、3,5−ルペチジン、3−ピペリジンメタノール、ピペコリン酸、イソニペコチン酸、イソニコペチン酸メチル、イソニコペチン酸エチル、2−ピペリジンエタノール、ピロリジン、3−ヒドロキシピロリジン、N−アミノエチルピペリジン、N−アミノエチル−4−ピペコリン、N−アミノエチルモルホリン、N−アミノプロピルピペリジン、N−アミノプロピル−2−ピペコリン、N−アミノプロピル−4−ピペコリン、N−アミノプロピルモルホリン、N−メチルピペラジン、N−ブチルピペラジン、N−メチルホモピペラジン、1−シクロペンチルピペラジン、1−アミノ−4−メチルピペラジン、1−シクロペンチルピペラジン等である。
【0027】
塩基性基を有する顔料誘導体を構成する有機色素は、例えば、ジケトピロロピロール系色素、アゾ、ジスアゾ、ポリアゾ等のアゾ系色素、フタロシアニン系色素、ジアミノジアントラキノン、アントラピリミジン、フラバントロン、アントアントロン、インダントロン、ピラントロン、ビオラントロン等のアントラキノン系色素、キナクリドン系色素、ジオキサジン系色素、ペリノン系色素、ペリレン系色素、チオインジゴ系色素、イソインドリン系色素、イソインドリノン系色素、キノフタロン系色素、スレン系色素、金属錯体系色素等の色素である。
【0028】
また、塩基性基を有するアントラキノン誘導体および塩基性基を有するアクリドン誘導体は、メチル基、エチル基等のアルキル基、アミノ基、ニトロ基、水酸基またはメトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基または塩素等のハロゲン等の置換基を有していてもよい。
【0029】
また、塩基性基を有するトリアジン誘導体を構成するトリアジンは、メチル基、エチル基等のアルキル基、アミノ基、またはジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジブチルアミノ基等のアルキルアミノ基、ニトロ基、水酸基、またはメトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基等のアルコキシ基、塩素等のハロゲン、またはメチル基、メトキシ基、アミノ基、ジメチルアミノ基、水酸基等で置換されていてもよいフェニル基、またはメチル基、エチル基、メトキシ基、エトキシ基、アミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ニトロ基、水酸基等で置換されていてもよいフェニルアミノ基、ベンズイミダゾロン等の置換基を有していてもよい1,3,5−トリアジンである。
【0030】
本発明の塩基性基を有する顔料誘導体、アントラキノン誘導体、およびアクリドン誘導体は、種々の合成経路で合成することができる。例えば、有機色素、アントラキノンもしくはアクリドンに、式(11)〜式(14)で示される置換基を導入した後、上記置換基と反応して式(5)〜式(8)を形成するアミン成分、例えば、N,N−ジメチルアミノプロピルアミン、N−メチルピペラジン、ジエチルアミンまたは4−[4−ヒドロキシ−6−[3−(ジブチルアミノ)プロピルアミノ]−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ]アニリン等を反応させることによって得られる。
【0031】
式(11) −SO2Cl
式(12) −COCl
式(13) −CH2NHCOCH2Cl
式(14) −CH2Cl
また、有機色素がアゾ系色素である場合は、式(5)〜式(8)で示される置換基をあらかじめジアゾ成分またはカップリング成分に導入し、その後カップリング反応を行うことによってアゾ系顔料誘導体を製造することもできる。
【0032】
本発明の塩基性基を有するトリアジン誘導体は、種々の合成経路で合成することができる。例えば、塩化シアヌルを出発原料とし、塩化シアヌルの少なくとも1つの塩素に式(5)〜式(8)で示される置換基を形成するアミン成分、例えば、N,N−ジメチルアミノプロピルアミンまたはN−メチルピペラジン等を反応させ、次いで塩化シアヌルの残りの塩素と種々のアミンまたはアルコール等を反応させることによって得られる。
【0033】
本発明を構成する顔料は、ジケトピロロピロール系顔料、アゾ、ジスアゾ、ポリアゾ等のアゾ系顔料、銅フタロシアニン、ハロゲン化銅フタロシアニン、無金属フタロシアニン等のフタロシアニン系顔料、アミノアントラキノン、ジアミノジアントラキノン、アントラピリミジン、フラバントロン、アントアントロン、インダントロン、ピラントロン、ビオラントロン等のアントラキノン系顔料、キナクリドン系顔料、ジオキサジン系顔料、ペリノン系顔料、ペリレン系顔料、チオインジゴ系顔料、イソインドリン系顔料、イソインドリノン系顔料、キノフタロン系顔料、スレン系顔料、金属錯体系顔料等の有機顔料、または酸化チタン、亜鉛華、硫化亜鉛、鉛白、炭酸カルシウム、沈降性硫酸バリウム、ホワイトカーボン、アルミナホワイト、カオリンクレー、タルク、ベントナイト、黒色酸化鉄、カドミウムレッド、べんがら、モリブデンレッド、モリブデートオレンジ、クロムバーミリオン、黄鉛、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、チタンイエロー、酸化クロム、ビリジアン、チタンコバルトグリーン、コバルトグリーン、コバルトクロムグリーン、ビクトリアグリーン、群青、紺青、コバルトブルー、セルリアンブルー、コバルトシリカブルー、コバルト亜鉛シリカブルー、マンガンバイオレット、コバルトバイオレット等の無機顔料、または、アセチレンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック等のカーボンブラックである。
【0034】
本発明の顔料組成物において、式(1)で示されるロジン骨格を有するエチレン性不飽和単量体を重合成分として含有する重合体の配合量は、顔料100重量部に対し好ましくは0.1〜50重量部である。また、塩基性基を有する顔料誘導体、アントラキノン誘導体、アクリドン誘導体、またはトリアジン誘導体の配合量は、顔料100重量部に対し好ましくは1〜30重量部、更に好ましくは5〜20重量部である。
【0035】
次に、本発明の顔料分散体について説明する。
本発明の顔料分散体は、本発明の顔料組成物を各種ワニスに分散せしめてなるものであり、本発明の顔料組成物に各種溶剤、必要に応じて樹脂、添加剤、分散剤等を混合して、横型サンドミル、縦型サンドミル、アニュラー型ビーズミル、アトライター等で分散することにより製造することができる。重合体、塩基性基を有する顔料誘導体、塩基性基を有するアントラキノン誘導体、塩基性基を有するアクリドン誘導体もしくは塩基性基を有するトリアジン誘導体(以下、塩基性基を有する誘導体という。)、顔料、その他の樹脂、添加剤は、すべての成分を混合してから分散してもよいが、初めに重合体と塩基性基を有する誘導体と顔料のみ、あるいは、重合体と塩基性基を有する誘導体のみを分散し、次いで、順次他の成分を添加して再度分散を行ってもよい。
【0036】
また、横型サンドミル、縦型サンドミル、アニュラー型ビーズミル、アトライター等で分散を行う前に、ニーダー、3本ロールミル等の練肉混合機を使用して前分散、または、2本ロールミル等による固形分散、または、顔料への重合体と塩基性基を有する誘導体の処理を行ってもよい。また、ハイスピードミキサー、ホモミキサー、ボールミル、ロールミル、石臼式ミル、超音波分散機等のあらゆる分散機や混合機が本発明の分散体を製造するために利用できる。
顔料分散体に用いることができる溶剤としては、有機溶剤、水等が挙げられる。
【0037】
また、樹脂の例としては、石油樹脂、カゼイン、セラック、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、ニトロセルロース、セルロースアセテートブチレート、環化ゴム、塩化ゴム、酸化ゴム、塩酸ゴム、フェノール樹脂、アルキド樹脂、ポリエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アミノ樹脂、エポキシ樹脂、ビニル樹脂、塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、乾性油、合成乾性油、スチレン変性マレイン酸、ポリアミド樹脂、塩素化ポリプロピレン、ブチラール樹脂、塩化ビニリデン樹脂等が挙げられる。
【0038】
また、分散剤としては、ビックケミー社製のDisperbykまたはDisperbyk-101、103、107、108、110、111、116、130、140、154、161、162、163、164、165、166、170、171、174、180、181、182、183、184、185、190、191、192、2000、2001またはAnti-Terra-U、203、204またはBYK-P104、P104S、220SまたはLactimon、Lactimon-WSまたはBykumon等、アビシア社製のSOLSPERSE-3000、9000、13240、13650、13940、17000、18000、20000、21000、24000、26000、27000、28000、31845、32000、32500、32600、34750、36600、38500、41000、41090、43000、44000、53095等、エフカケミカルズ社製のEFKA-46、47、48、452、LP4008、4009、LP4010、LP4050、LP4055、400、401、402、403、450、451、453、4540、4550、LP4560、120、150、1501、1502、1503等が挙げられる。
【0039】
本発明の顔料分散体は、非水系または水系の塗料、グラビアインキ、オフセットインキ、インキジェットインキ、プラスチック着色、カラーフィルター等に利用できる。
式(1)で示されるロジン骨格を有するエチレン性不飽和単量体を重合成分として含有する重合体がカルボキシル基を有する場合には、親水性有機溶剤を含んでいてもよい水を溶媒として、重合体中のカルボキシル基をトリエチルアミン、ジメチルアミノエタノール、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、メチルアミン、ジメチルアミン、トリエチルアミン、アンモニア等の有機アミンまたは水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム等の無機アルカリで中和することにより、水性インキ、水性塗料等のワニスとして使用することができる。
【0040】
次に、本発明の着色用樹脂組成物について説明する。
本発明の着色用樹脂組成物は、本発明の顔料組成物と熱可塑性樹脂とを含むものであり、本発明の顔料組成物と熱可塑性樹脂とを混錬することにより製造することができる。 熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン共重合体(ランダムまたはブロック共重合体を含む)等のポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン、ABS樹脂、AS樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリ芳香族エーテル、ポリ芳香族エステル、ポリスルホン等が挙げられる。
【0041】
また、混錬は、バンバリーミキサーのような回分式混錬機、二軸混錬機、混錬機能を有する単軸押出機、ロータ型二軸混錬機等を用いて行うことができる。熱可塑性樹脂としてポリオレフィン樹脂を用いる場合には、130℃〜230℃で混錬することが好ましく、ポリオレフィン系樹脂の中でもポリエチレンを用いる場合には、130℃〜200℃で混錬することがより好ましい。混錬後、着色用樹脂組成物は粉砕、カッティング、造粒等により所望の形状(ペレット状、顆粒状、粒子状)にして、フィルム形成等に供することができる。
【0042】
【実施例】
以下、本発明に関わる重合体、塩基性基を有する誘導体の製造例、および実施例を示す。実施例において「部」とは「重量部」を、「%」とは「重量%」をそれぞれ表す。重合体の分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ)により測定したポリスチレン換算の重量平均分子量である。
【0043】
[重合体製造例1]
セパラブル4口フラスコに温度計、冷却管、窒素ガス導入管、撹拌装置を取り付けてシクロヘキサノン500部を仕込み、80℃に昇温し反応容器内を窒素置換した後、滴下管よりn−ブチルメタクリレート46部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート29部、メタクリル酸26部、2−ヒドロキシプロピルデヒドロアビエチン酸アクリレート(荒川化学社製「ビームセット101」)74部、パラクミルフェノールエチレンオキサイド変性アクリレート(東亜合成社製「アロニックスM−110」)50部、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル2部の混合溶液を2時間かけて滴下した。滴下終了後、更に3時間反応を継続し、固形分30%の共重合体(1)の溶液を得た。共重合体(1)の重量平均分子量は24000であった。
【0044】
[重合体製造例2]
セパラブル4口フラスコに温度計、冷却管、窒素ガス導入管、撹拌装置を取り付けてシクロヘキサノン500部を仕込み、80℃に昇温し反応容器内を窒素置換した後、滴下管よりn−ブチルメタクリレート46部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート29部、メタクリル酸26部、2−ヒドロキシプロピルデヒドロアビエチン酸アクリレート(荒川化学社製「ビームセット101」)74部、ビスフェノールAエチレンオキサイド変性ジアクリレート(東亜合成社製「アロニックスM−210」)50部、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル2部の混合溶液を2時間かけて滴下した。滴下終了後、更に3時間反応を継続し、固形分30%の共重合体(2)の溶液を得た。共重合体(2)の重量平均分子量は26000であった。
【0045】
[重合体製造例3]
セパラブル4口フラスコに温度計、冷却管、窒素ガス導入管、撹拌装置を取り付けてシクロヘキサノン500部を仕込み、80℃に昇温し反応容器内を窒素置換した後、滴下管よりn−ブチルメタクリレート50部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート29部、メタクリル酸30部、2−ヒドロキシプロピルデヒドロアビエチン酸アクリレート(荒川化学社製「ビームセット101」)64部、ポリプロピレングリコールモノアクリレート(日本油脂製「ブレンマーPME−440」、式(4)におけるn=9)20部、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル2部の混合溶液を2時間かけて滴下した。滴下終了後、更に3時間反応を継続し、固形分30%の共重合体(3)の溶液を得た。共重合体(3)の重量平均分子量は30000であった。
【0046】
[重合体製造例4]
セパラブル4口フラスコに温度計、冷却管、窒素ガス導入管、撹拌装置を取り付けてシクロヘキサノン500部を仕込み、80℃に昇温し反応容器内を窒素置換した後、滴下管よりn−ブチルメタクリレート46部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート29部、メタクリル酸26部、2−ヒドロキシプロピルデヒドロアビエチン酸アクリレート(荒川化学社製「ビームセット101」)74部、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル2部の混合溶液を2時間かけて滴下した。滴下終了後、更に3時間反応を継続し、固形分30%の共重合体(4)の溶液を得た。共重合体(4)の重量平均分子量は29000であった。
【0047】
[重合体製造例5]
セパラブル4口フラスコに温度計、冷却管、窒素ガス導入管、撹拌装置を取り付けてシクロヘキサノン500部を仕込み、80℃に昇温し反応容器内を窒素置換した後、滴下管よりn−ブチルメタクリレート46部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート29部、メタクリル酸26部、2−ヒドロキシプロピルアビエチン酸アクリレート74部、パラクミルフェノールエチレンオキサイド変性アクリレート(東亜合成社製「アロニックスM−110」) 部、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル2部の混合溶液を2時間かけて滴下した。滴下終了後、更に3時間反応を継続し、固形分30%の共重合体(5)の溶液を得た。共重合体(5)の重量平均分子量は21000であった。
【0048】
[重合体製造例6]
セパラブル4口フラスコに温度計、冷却管、窒素ガス導入管、撹拌装置を取り付けてシクロヘキサノン500部を仕込み、80℃に昇温し反応容器内を窒素置換した後、滴下管よりn−ブチルメタクリレート56部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート35部、メタクリル酸26部、2−ヒドロキシプロピルアビエチン酸アクリレート56部、ビスフェノールAエチレンオキサイド変性ジアクリレート(東亜合成社製「アロニックスM−210」)50部、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル2部の混合溶液を2時間かけて滴下した。滴下終了後、更に3時間反応を継続し、固形分30%の共重合体(6)の溶液を得た。共重合体(6)の重量平均分子量は20000であった。
【0049】
[重合体製造例7]
セパラブル4口フラスコに温度計、冷却管、窒素ガス導入管、撹拌装置を取り付けてシクロヘキサノン500部を仕込み、80℃に昇温し反応容器内を窒素置換した後、滴下管よりn−ブチルメタクリレート46部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート29部、メタクリル酸26部、2−ヒドロキシプロピルアビエチン酸アクリレート74部、ポリプロピレングリコールモノアクリレート(日本油脂製「ブレンマーPME−440」、式(4)におけるn=9)20部、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル2部の混合溶液を2時間かけて滴下した。滴下終了後、更に3時間反応を継続し、固形分30%の共重合体(7)の溶液を得た。共重合体(7)の重量平均分子量は22000であった。
【0050】
[重合体製造例8]
セパラブル4口フラスコに温度計、冷却管、窒素ガス導入管、撹拌装置を取り付けてシクロヘキサノン500部を仕込み、80℃に昇温し反応容器内を窒素置換した後、滴下管よりn−ブチルメタクリレート46部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート29部、メタクリル酸26部、2−ヒドロキシプロピルアビエチン酸アクリレート62部、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル2部の混合溶液を2時間かけて滴下した。滴下終了後、更に3時間反応を継続し、固形分30%の共重合体(8)の溶液を得た。共重合体(8)の重量平均分子量は22000であった。
【0051】
[重合体製造例9]
セパラブル4口フラスコに温度計、冷却管、窒素ガス導入管、撹拌装置を取り付けてシクロヘキサノン500部を仕込み、80℃に昇温し反応容器内を窒素置換した後、滴下管よりn−ブチルメタクリレート46部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート29部、メタクリル酸26部、2−ヒドロキシブチルアビエチン酸アクリレート74部、パラクミルフェノールエチレンオキサイド変性アクリレート(東亜合成社製「アロニックスM−110」)50部、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル2部の混合溶液を2時間かけて滴下した。滴下終了後、更に3時間反応を継続し、固形分30%の共重合体(9)の溶液を得た。共重合体(9)の重量平均分子量は23000であった。
【0052】
[重合体製造例10](比較例)
セパラブル4口フラスコに温度計、冷却管、窒素ガス導入管、撹拌装置を取り付けてシクロヘキサノン500部を仕込み、80℃に昇温し反応容器内を窒素置換した後、滴下管よりn−ブチルメタクリレート46部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート29部、メタクリル酸26部、パラクミルフェノールエチレンオキサイド変性アクリレート(東亜合成社製「アロニックスM−110」)50部、ポリプロピレングリコールモノアクリレート(日本油脂製「ブレンマーPME−440」、式(4)におけるn=9)50部、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル5部の混合溶液を2時間かけて滴下した。滴下終了後、更に3時間反応を継続し、固形分30%の共重合体(10)の溶液を得た。共重合体(10)の重量平均分子量は35000であった。
【0053】
[重合体製造例11](比較例)
セパラブル4口フラスコに温度計、冷却管、窒素ガス導入管、撹拌装置を取り付けて
シクロヘキサノン500部を仕込み、80℃に昇温し反応容器内を窒素置換した後、滴下管よりn−ブチルメタクリレート46部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート29部、メタクリル酸26部、ポリプロピレングリコールモノアクリレート(日本油脂製「ブレンマーPME−440」、式(4)におけるn=9)100部、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル2部の混合溶液を2時間かけて滴下した。滴下終了後、更に3時間反応を継続し、固形分30%の共重合体(11)の溶液を得た。共重合体(11)の重量平均分子量は31000であった。
【0054】
[塩基性基を有する誘導体製造例1]
色素成分である銅フタロシアニン50部をクロロスルホン化した後、アミン成分であるN,N−ジメチルアミノプロピルアミン14部と反応させて顔料誘導体(1)62部を得た。
顔料誘導体(1)
【化15】
CuPcは、銅フタロシアニン残基を表す。
【0055】
[塩基性基を有する誘導体製造例2]
色素成分である銅フタロシアニン50部をクロロメチル化した後、アミン成分であるジブチルアミン40部と反応させて顔料誘導体(2)95部を得た。
顔料誘導体(2)
【化16】
CuPcは、銅フタロシアニン残基を表す。
【0056】
[塩基性基を有する誘導体製造例3]
色素成分であるキナクリドン50部をクロロアセトアミドメチル化した後、アミン成分であるN−メチルピペラジン40部と反応させて顔料誘導体(3)103部を得た。
顔料誘導体(3)
【化17】
【0057】
[塩基性基を有する誘導体製造例4]
色素成分としてジフェニルジケトピロロピロールを、アミン成分としてN−アミノプロピルモルホリンを使用し、製造例1と同様の方法により、顔料誘導体(4)を得た。
顔料誘導体(4)
【化18】
【0058】
[塩基性基を有する誘導体製造例5]
アントラキノン−β−カルボン酸クロリド50部と、アミン成分N,N−ジエチルアミノプロピルアミン36部を反応させて、アントラキノン誘導体(5)を得た。
アントラキノン誘導体(5)
【化19】
【0059】
[塩基性基を有する誘導体製造例6]
色素成分としてジオキサジンバイオレット(C.I. Pigment Violet23)を、アミン成分として式(15)で示される化合物を使用し、製造例1と同様の方法により、顔料誘導体(6)を得た。
式(15)
【化20】
顔料誘導体(6)
【化21】
【0060】
[塩基性基を有する誘導体製造例7]
ジアゾ成分p−ニトロアニリン50部と、式(16)で表されるアミン成分を有するカップラー109部をジアゾカップリング反応させることにより、顔料誘導体(7)を得た。
式(16)
【化22】
顔料誘導体(7)
【化23】
【0061】
[塩基性基を有する誘導体製造例8]
9−アクリドン50部をクロロスルホン化した後、アミン成分N,N−ジメチルアミノプロピルアミン46部を反応させて、アクリドン誘導体(8)を得た。アクリドン誘導体(8)
【化24】
【0062】
[塩基性基を有する誘導体製造例9]
アニリン50部、塩化シアヌル99部、N,N−ジメチルアミノプロピルアミン55部をメタノール中で反応させることにより、顔料誘導体(9)を得た。
顔料誘導体(9)
【化25】
【0063】
塩基性基を有する誘導体製造例1〜9と同様の方法で、色素成分、アントラキノン、アクリドンまたはトリアジンと、アミン成分を反応することにより、またはアミン成分を有する化合物をカップリング反応して色素を合成することにより、本発明を構成する種々の誘導体を製造することができる。
[実施例1〜17および比較例1〜14](分散体の製造と評価)
本発明の顔料分散体の性能を評価するために、表1に示す配合量の顔料、誘導体、共重合体、アルキド樹脂と、メラミン樹脂10部およびシンナー50部を、スチールボールを使用してペイントシェイカーにて分散し、塗料を作成した。なお、シンナーとしては、シクロヘキサノン/キシレン/n−ブタノール=6/2/2(重量比)からなる混合溶剤を使用した。得られた塗料の40℃で7日経時前後の粘度をB型粘度計で測定し、粘度およびTI値で分散体の性能を評価した(粘度は低いほど良好。TI値は1に近いほど良好。)。結果を表1に示す。
本発明の分散体は、比較例に比べ、良好な粘度、TI値、保存安定性を示した。
【0064】
【表1】
【0065】
[実施例18]
重合体製造例1で得られた共重合体(1)38部、青色顔料(C.I. Pigment Blue 15:3)54部、誘導体(1)6部、およびステアリン酸亜鉛2重量部を混合し、ロータ型2軸混練機を用いて150℃で混連し、押し出して冷却後、ペレット化して着色用樹脂組成物(マスターバッチ)を得た。次いで、顔料濃度30%になるように上記のマスターバッチとポリエチレン樹脂とを配合し、Tダイフィルム成型器(東洋精機製)を用いて、成形温度340℃、回転数60rpmで溶融しつつ、膜厚30μmのフィルム状の溶融混合物を紙上に溶融押し出しラミネートして、樹脂コーティング紙を得た。樹脂コーティング紙を得る際のサージングの状態(高温高速加工性)及び得られた樹脂コーティング紙上のコーティング面(フィルム表面)状態を目視観察したところ、サージングが全くなく、フィルム表面も非常に良好であった。
【0066】
[実施例19および比較例15]
重合体製造例1で得られた共重合体(1)を重合体製造例10で得られた共重合体(10)に変えた以外は、実施例18と同様にして着色用樹脂組成物を調製し、樹脂コーティング紙を作成した。しかし、サージング(フィルム脈動)が発生し加工性に問題があり、フィルム表面も膜割れ、ブツ、ピンホールが見られた。
【0067】
【発明の効果】
本発明の顔料組成物を各種ビヒクルに分散した場合、塩基性基を有する誘導体とロジン骨格を有する重合体との相乗効果により、安定な顔料分散体および着色用樹脂組成物が得られる。そのため、本発明の顔料組成物を使用すれば、ビヒクルに含まれる樹脂の顔料分散性が悪い場合でも、常に安定な顔料分散体および着色用樹脂組成物を製造することができる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、使用適性、特に非集合性、流動性に優れた顔料組成物、顔料分散体および着色用樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、顔料の微細な粒子をオフセットインキ、グラビアインキおよび塗料のようなビヒクルに分散する場合、安定な分散体を得ることが難しく、製造作業上および得られる製品の価値に種々の問題を引き起こすことが知られている。
例えば、微細な粒子からなる顔料を含む分散体は、往々にして高粘度を示し、製品の分散機からの取り出し、輸送が困難となるばかりでなく、更に悪い場合は貯蔵中にゲル化を起こし使用困難となることがある。さらに、展色物の塗膜表面に関しては、光沢の低下、レベリング不良等の状態不良を生じることがある。また、異種の顔料を混合して使用する場合、凝集による色別れや、沈降などの現象により展色物に色むらや著しい着色力の低下が現れることがある。
【0003】
以上のような種々の問題点を解決するために、有機顔料を母体骨格として側鎖に酸性基や塩基性基を置換基として有する顔料誘導体が分散剤として混合されている。(例えば、特許文献1〜3参照。)。
【特許文献1】特開昭63−305173号公報
【特許文献2】特開平1−247468号公報
【特許文献3】特開平3−26767号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、塗料、インキ等には非常に多くのワニス系が存在するため、これら顔料誘導体を用いても一部のワニス系を除いては満足な効果が得られていないのが実状である。
そこで、本発明は、オフッセトインキ、グラビアインキ、塗料、インキジェットインキ、プラスチック着色、カラーフィルター、電気泳動型電子ペーパー等に適する非集合性、流動性に優れた安定な顔料組成物、顔料分散体および着色用樹脂組成物の提供を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の顔料組成物は、塩基性基を有する誘導体とロジン骨格を有する重合体とを組み合わせることにより優れた非集合性、流動性を発現するもの、すなわち、塩基性基を有する顔料誘導体、塩基性基を有するアントラキノン誘導体、塩基性基を有するアクリドン誘導体または塩基性基を有するトリアジン誘導体から選ばれる少なくとも一種の誘導体、下記式(1)で示されるロジン骨格を有するエチレン性不飽和単量体を重合成分として含む重合体、および顔料を含む顔料組成物である。
また、本発明の顔料分散体は、上記顔料組成物をワニスに分散せしめてなる顔料分散体である。
また、本発明の着色用樹脂組成物は、上記顔料組成物と熱可塑性樹脂とを含む着色用樹脂組成物である。
式(1)
【化5】
Ra : ロジン骨格を表す。
Rb : 水素原子またはメチル基を表す。
Rc : 置換されていてもよい、炭素数1〜30のアルキレン基を表す。
【0006】
まず、本発明の顔料組成物について説明する。
顔料組成物に含まれる重合体は、上記式(1)で示されるロジン骨格を有するエチレン性不飽和単量体の単独重合体、または上記式(1)で示されるロジン骨格を有するエチレン性不飽和単量体とロジン骨格を有しない他のエチレン性不飽和単量体との共重合体である。
式(1)で示されるロジン骨格を有するエチレン性不飽和単量体は、単独あるいは2種以上の組み合わせで用いることができる。
【0007】
式(1)において、Raは、アビエチン酸、ネオアビエチン酸、デヒドロアビエチン酸、レボピマル酸、パラストリン酸、ピマル酸、イソピマル酸、サンダラコピマル酸等のロジン骨格である。
また、RCは、アルキル基(例えばメチル基、エチル基等)、アミノ基、アルキルアミノ基(例えばジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジブチルアミノ基等)、ニトロ基、水酸基、アルコキシ基(例えばメトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基等)、ハロゲン(例えば塩素等)、フェニル基、フェニルアミノ基等の置換基を有していてもよい炭素数1から30のアルキレン基である。なお、フェニル基およびフェニルアミノ基は、メチル基、エチル基、メトキシ基、エトキシ基、アミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ニトロ基、水酸基等で置換されていてもよい。
【0008】
重合体が芳香環やアルキレンオキサイド鎖を構造中に含むと、顔料および顔料誘導体への重合体の吸着性が向上し、より低粘度で保存安定性にも優れる安定な顔料組成物が得られる。そのため、重合体は、上記式(1)で示されるロジン骨格を有するエチレン性不飽和単量体と下記式(2)または式(3)で示されるエチレン性不飽和単量体とを重合成分として含む共重合体、または式(1)で示されるロジン骨格を有するエチレン性不飽和単量体と下記式(4)で示されるエチレン性不飽和単量体とを重合成分として含む共重合体であることが好ましい。
【0009】
式(2)
【化6】
式(3)
【化7】
R1:水素原子またはメチル基を表す。
R2:炭素数1〜4アルキレン基を表す。
n:1〜100の整数を表す。
式(4)
【化8】
R1:水素原子またはメチル基を表す。
R2:炭素数1〜4アルキレン基を表す。
R3:水素原子、炭素数1〜30のアルキル基、−CH2−CH=CH2、置換されていてもよいフェニル基または−C(=O)−C(R1)=CH2を表す。
n:1〜100の整数を表す。
【0010】
式(2)で示されるエチレン性不飽和単量体としては、パラクミルフェノールエチレンオキサイド変性アクリレートを挙げることができる。また、式(3)で示されるエチレン性不飽和単量体としては、エチレンオキサイド変性ビスフェノールAジメタクリレート、エチレンオキサイド変性ビスフェノールAジアクリレート、プロピレンオキサイド変性ビスフェノールAジメタクリレート、プロピレンオキサイド変性ビスフェノールAジアクリレート、エチレンオキサイド-プロピレンオキサイド変性ビスフェノールAジメタクリレート、エチレンオキサイド-プロピレンオキサイド変性ビスフェノールAジアクリレート、プロピレンオキサイドエチレンオキサイド(ブロックタイプ)変性ビスフェノールAジメタクリレート、プロピレンオキサイドテトラメチレンオキサイド変性ビスフェノールAジメタクリレート、プロピレンオキサイドテトラメチレンオキサイド変性ビスフェノールAジアクリレートを挙げることができる。これらは、例えば日本油脂株式会社よりブレンマーシリーズや東亜合成株式会社よりアロニックスシリーズとして市販されている。
【0011】
式(2)または式(3)で示されるエチレン性不飽和単量体は、単独あるいは2種以上の組み合わせで用いることができる。また、共重合体における式(2)または式(3)で示されるエチレン性不飽和単量体の共重合比は、共重合体を構成する全ての単量体の合計100重量部に対して、0.1〜50重量部であることが好ましい。
【0012】
式(4)で示されるエチレン性不飽和単量体のうち、R3 が水素原子である水酸基末端ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレートとしては、例えば、ポリエチレングリコールモノメタクリレート、ポリエチレングリコールモノアクリレート、ポリプロピレングリコールモノメタクリレート、ポリプロピレングリコールモノアクリレート、ポリ(エチレングリコール-プロピレングリコール)モノメタクリレート、ポリエチレングリコール-ポリプロピレングリコールモノメタクリレート、ポリエチレングリコール-ポリプロピレングリコールモノアクリレート、ポリ(エチレングリコール-テトラメチレングリコール)モノメタクリレート、ポリ(エチレングリコール-テトラメチレングリコール)モノアクリレート、ポリ(プロピレングリコール-テトラメチレングリコール)モノメタアクリレート、ポリ(プロピレングリコール-テトラメチレングリコール)モノアクリレート、プロピレングリコールポリテトラメチレングリコールモノメタクリレート、プロピレングリコールポリテトラメチレングリコールモノアクリレートが挙げられる。
【0013】
R3が炭素数1〜30のアルキル基であるアルキル基末端ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレートとしては、例えば、メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート、メトキシポリエチレングリコールモノアクリレート、オクトキシポリエチレングリコールモノアクリレート、オクトキシポリエチレングリコールポリプロピレングリコールモノメタクリレート、オクトキシポリエチレングリコールポリプロピレングリコールモノアクリレート、ラウロキシポリエチレングリコールモノメタクリレート、ラウロキシポリエチレングリコールモノアクリレート、ステアロキシポリエチレングリコールモノメタクリレート、ステアロキシポリエチレングリコール-ポリプロピレングリコールモノアクリレート等が挙げられる。
【0014】
R3が-CH2-CH=CH2 であるアリル基末端ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレートとしては、例えば、アリロキシポリエチレングリコール-ポリプロピレングリコールモノメタクリレート、アリロキシポリエチレングリコール-ポリプロピレングリコールモノアクリレート等が挙げられる。
R3が置換基を有していてもよいフェニル基であるフェニル基末端ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレートとしては、例えば、ノニルフェノキシポリエチレングリコールモノアクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコール-ポリプロピレングリコールモノメタクリレート、ノニルフェノキシポリプロピレングリコール-ポリエチレングリコールモノメタクリレート、ノニルフェノキシポリ(エチレングリコール-プロピレングリコール)モノアクリレート、フェノールエチレンオキサイド変性アクリレート、ノニルフェノールエチレンオキサイド変性アクリレート等が挙げられる。
【0015】
R3 が-C(=0)-C(R1)=CH2 である、両末端(メタ)アクリロイル基のポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレートとしては、例えば、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ポリテトラメチレングリコールジメタクリレート、ポリテトラメチレングリコールジアクリレート、ポリ(エチレングリコール-テトラメチレングリコール)ジメタクリレート、ポリ(エチレングリコール-テトラメチレングリコール)ジアクリレート、ポリ(プロピレングリコール-テトラメチレングリコール)ジメタクリレート、ポリ(プロピレングリコール-テトラメチレングリコール)ジアクリレート、ポリエチレングリコール-ポリプロピレングリコール-ポリエチレングリコールジアクリレート等が挙げられる。
【0016】
これらの単量体は、例えば日本油脂株式会社よりブレンマーシリーズや東亞合成株式会社よりアロニックスシリーズとして市販されている。
式(4)で示されるエチレン性不飽和単量体は、単独あるいは2種以上の組み合わせで用いることができる。また、共重合体における式(4)で示されるエチレン性不飽和単量体の共重合比は、共重合体を構成する全ての単量体の合計100重量部に対して、0.1〜50重量部であることが好ましい。
【0017】
式(1)で示されるロジン骨格を有するエチレン性不飽和単量体、式(2)、式(3)または式(4)で示されるエチレン性不飽和単量体以外の、他のエチレン性不飽和単量体の具体例としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ベンジル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル類や、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルアクリル酸、フタル酸モノヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、グリセリン(メタ)アクリレート、ポリカプロラクトン変性ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート(n=1〜6)、エポキシ(メタ)アクリレート、水酸基末端ウレタン(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0018】
また、他のエチレン性不飽和単量体は、分子内に少なくとも1つのカルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体であってもよく、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、2−カルボキシエチルアクリレート、フタル酸モノヒドロキシエチルアクリレート、ω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノアクリレート、マレイン酸、イタコン酸、フマル酸、グルタコン酸、テトラヒドロフタル酸等が挙げられる。これらは、1種または2種以上組み合わせて用いることができる。なお、分子内に少なくとも1つのカルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体を共重合成分として含む場合は、該単量体の共重合比は、共重合体を構成する全てのエチレン性不飽和単量体の合計100重量部に対して中、1〜50重量部であることが好ましい。
【0019】
重合体の重量平均分子量(Mw)は、分散性が良好なことから、好ましくは5000〜100000であり、更に好ましくは10000〜50000である。重合体の合成は、開始剤の存在下、不活性ガス気流下、50〜150℃で2〜10時間かけて行われる。必要に応じて、溶剤の存在下で行っても差し支えない。
開始剤としては、ベンゾイルパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイド、t−ブチルヒドロパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシカーボネート、ジt−ブチルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート等の有機過酸化物、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物等が挙げられる。開始剤は、エチレン性不飽和単量体の合計100重量部に対して、好ましくは1〜20重量部使用される。
【0020】
溶剤としては、水および/または水混和性有機溶剤、またはエチルセルソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどの酢酸エステル;シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類;キシレン、エチルベンゼンなどを用いることができる。水混和性有機溶剤としては、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、n-プロピルアルコール等のアルコール系溶剤や、エチレングリコールまたはジエチレングリコールのモノまたはジアルキルエーテル等が挙げられる。
【0021】
本発明を構成する塩基性基を有する顔料誘導体、塩基性基を有するアントラキノン誘導体、塩基性基を有するアクリドン誘導体または塩基性基を有するトリアジン誘導体は、下記一般式(5)、(6)、(7)および(8)で示される群から選ばれる少なくとも1つの置換基を有するものである。
式(5)
【化9】
【0022】
式(6)
【化10】
式(7)
【化11】
式(8)
【化12】
【0023】
X:−SO2−、−CO−、−CH2NHCOCH2−、−CH2−または直接結合を表す。
m:1〜10の整数を表す。
R4、R5:それぞれ独立に、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基、置換されていてもよいフェニル基、またはR4とR5とで一体となって更なる窒素、酸素または硫黄原子を含む置換されていてもよい複素環を表す。アルキル基およびアルケニル基の炭素数は1〜10が好ましい。
R6:置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基または置換されていてもよいフェニル基を表す。アルキル基およびアルケニル基の炭素数は1〜10が好ましい。
R7、R8、R9、R10:それぞれ独立に、水素原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基または置換されていてもよいフェニル基を表す。アルキル基およびアルケニル基の炭素数は1〜5が好ましい。
【0024】
Y:−NR11−Z−NR12−または直接結合を表す。
R11、R12:それぞれ独立に水素原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基または置換されていてもよいフェニル基を表す。アルキル基およびアルケニル基の炭素数は1〜5が好ましい。
Z:置換されていてもよいアルキレン基、置換されていてもよいアルケニレン基または置換されていてもよいフェニレン基を表す。アルキル基およびアルケニル基の炭素数は1〜8が好ましい。
P:式(9)で示される置換基または式(10)で示される置換基を表す。
Q:水酸基、アルコキシル基、式(9)で示される置換基または式(10)で示される置換基を表す。
【0025】
式(9)
【化13】
式(10)
【化14】
【0026】
式(5)〜式(10)の基を形成するために使用されるアミン成分は、例えば、ジメチルアミン、ジエチルアミン、N,N−エチルイソプロピルアミン、N,N−エチルプロピルアミン、N,N−メチルブチルアミン、N,N−メチルイソブチルアミン、N,N−ブチルエチルアミン、N,N−tert−ブチルエチルアミン、ジイソプロピルアミン、ジプロピルアミン、N,N−sec−ブチルプロピルアミン、ジブチルアミン、ジーsec−ブチルアミン、ジイソブチルアミン、N,N−イソブチル−sec−ブチルアミン、ジアミルアミン、ジイソアミルアミン、ジヘキシルアミン、ジ(2−エチルへキシル)アミン、ジオクチルアミン、N,N−メチルオクタデシルアミン、ジデシルアミン、ジアリルアミン、N,N−エチル−1,2−ジメチルプロピルアミン、N,N−メチルヘキシルアミン、ジオレイルアミン、ジステアリルアミン、N,N−ジメチルアミノメチルアミン、N,N−ジメチルアミノエチルアミン、N,N−ジメチルアミノアミルアミン、N,N−ジメチルアミノブチルアミン、N,N−ジエチルアミノエチルアミン、N,N−ジエチルアミノプロピルアミン、N,N−ジエチルアミノヘキシルアミン、N,N−ジエチルアミノブチルアミン、N,N−ジエチルアミノペンチルアミン、N,N−ジプロピルアミノブチルアミン、N,N−ジブチルアミノプロピルアミン、N,N−ジブチルアミノエチルアミン、N,N−ジブチルアミノブチルアミン、N,N−ジイソブチルアミノペンチルアミン、N,N−メチルーラウリルアミノプロピルアミン、N,N−エチルーヘキシルアミノエチルアミン、N,N−ジステアリルアミノエチルアミン、N,N−ジオレイルアミノエチルアミン、N,N−ジステアリルアミノブチルアミン、ピペリジン、2−ピペコリン、3−ピペコリン、4−ピペコリン、2,4−ルペチジン、2,6−ルペチジン、3,5−ルペチジン、3−ピペリジンメタノール、ピペコリン酸、イソニペコチン酸、イソニコペチン酸メチル、イソニコペチン酸エチル、2−ピペリジンエタノール、ピロリジン、3−ヒドロキシピロリジン、N−アミノエチルピペリジン、N−アミノエチル−4−ピペコリン、N−アミノエチルモルホリン、N−アミノプロピルピペリジン、N−アミノプロピル−2−ピペコリン、N−アミノプロピル−4−ピペコリン、N−アミノプロピルモルホリン、N−メチルピペラジン、N−ブチルピペラジン、N−メチルホモピペラジン、1−シクロペンチルピペラジン、1−アミノ−4−メチルピペラジン、1−シクロペンチルピペラジン等である。
【0027】
塩基性基を有する顔料誘導体を構成する有機色素は、例えば、ジケトピロロピロール系色素、アゾ、ジスアゾ、ポリアゾ等のアゾ系色素、フタロシアニン系色素、ジアミノジアントラキノン、アントラピリミジン、フラバントロン、アントアントロン、インダントロン、ピラントロン、ビオラントロン等のアントラキノン系色素、キナクリドン系色素、ジオキサジン系色素、ペリノン系色素、ペリレン系色素、チオインジゴ系色素、イソインドリン系色素、イソインドリノン系色素、キノフタロン系色素、スレン系色素、金属錯体系色素等の色素である。
【0028】
また、塩基性基を有するアントラキノン誘導体および塩基性基を有するアクリドン誘導体は、メチル基、エチル基等のアルキル基、アミノ基、ニトロ基、水酸基またはメトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基または塩素等のハロゲン等の置換基を有していてもよい。
【0029】
また、塩基性基を有するトリアジン誘導体を構成するトリアジンは、メチル基、エチル基等のアルキル基、アミノ基、またはジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジブチルアミノ基等のアルキルアミノ基、ニトロ基、水酸基、またはメトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基等のアルコキシ基、塩素等のハロゲン、またはメチル基、メトキシ基、アミノ基、ジメチルアミノ基、水酸基等で置換されていてもよいフェニル基、またはメチル基、エチル基、メトキシ基、エトキシ基、アミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ニトロ基、水酸基等で置換されていてもよいフェニルアミノ基、ベンズイミダゾロン等の置換基を有していてもよい1,3,5−トリアジンである。
【0030】
本発明の塩基性基を有する顔料誘導体、アントラキノン誘導体、およびアクリドン誘導体は、種々の合成経路で合成することができる。例えば、有機色素、アントラキノンもしくはアクリドンに、式(11)〜式(14)で示される置換基を導入した後、上記置換基と反応して式(5)〜式(8)を形成するアミン成分、例えば、N,N−ジメチルアミノプロピルアミン、N−メチルピペラジン、ジエチルアミンまたは4−[4−ヒドロキシ−6−[3−(ジブチルアミノ)プロピルアミノ]−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ]アニリン等を反応させることによって得られる。
【0031】
式(11) −SO2Cl
式(12) −COCl
式(13) −CH2NHCOCH2Cl
式(14) −CH2Cl
また、有機色素がアゾ系色素である場合は、式(5)〜式(8)で示される置換基をあらかじめジアゾ成分またはカップリング成分に導入し、その後カップリング反応を行うことによってアゾ系顔料誘導体を製造することもできる。
【0032】
本発明の塩基性基を有するトリアジン誘導体は、種々の合成経路で合成することができる。例えば、塩化シアヌルを出発原料とし、塩化シアヌルの少なくとも1つの塩素に式(5)〜式(8)で示される置換基を形成するアミン成分、例えば、N,N−ジメチルアミノプロピルアミンまたはN−メチルピペラジン等を反応させ、次いで塩化シアヌルの残りの塩素と種々のアミンまたはアルコール等を反応させることによって得られる。
【0033】
本発明を構成する顔料は、ジケトピロロピロール系顔料、アゾ、ジスアゾ、ポリアゾ等のアゾ系顔料、銅フタロシアニン、ハロゲン化銅フタロシアニン、無金属フタロシアニン等のフタロシアニン系顔料、アミノアントラキノン、ジアミノジアントラキノン、アントラピリミジン、フラバントロン、アントアントロン、インダントロン、ピラントロン、ビオラントロン等のアントラキノン系顔料、キナクリドン系顔料、ジオキサジン系顔料、ペリノン系顔料、ペリレン系顔料、チオインジゴ系顔料、イソインドリン系顔料、イソインドリノン系顔料、キノフタロン系顔料、スレン系顔料、金属錯体系顔料等の有機顔料、または酸化チタン、亜鉛華、硫化亜鉛、鉛白、炭酸カルシウム、沈降性硫酸バリウム、ホワイトカーボン、アルミナホワイト、カオリンクレー、タルク、ベントナイト、黒色酸化鉄、カドミウムレッド、べんがら、モリブデンレッド、モリブデートオレンジ、クロムバーミリオン、黄鉛、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、チタンイエロー、酸化クロム、ビリジアン、チタンコバルトグリーン、コバルトグリーン、コバルトクロムグリーン、ビクトリアグリーン、群青、紺青、コバルトブルー、セルリアンブルー、コバルトシリカブルー、コバルト亜鉛シリカブルー、マンガンバイオレット、コバルトバイオレット等の無機顔料、または、アセチレンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック等のカーボンブラックである。
【0034】
本発明の顔料組成物において、式(1)で示されるロジン骨格を有するエチレン性不飽和単量体を重合成分として含有する重合体の配合量は、顔料100重量部に対し好ましくは0.1〜50重量部である。また、塩基性基を有する顔料誘導体、アントラキノン誘導体、アクリドン誘導体、またはトリアジン誘導体の配合量は、顔料100重量部に対し好ましくは1〜30重量部、更に好ましくは5〜20重量部である。
【0035】
次に、本発明の顔料分散体について説明する。
本発明の顔料分散体は、本発明の顔料組成物を各種ワニスに分散せしめてなるものであり、本発明の顔料組成物に各種溶剤、必要に応じて樹脂、添加剤、分散剤等を混合して、横型サンドミル、縦型サンドミル、アニュラー型ビーズミル、アトライター等で分散することにより製造することができる。重合体、塩基性基を有する顔料誘導体、塩基性基を有するアントラキノン誘導体、塩基性基を有するアクリドン誘導体もしくは塩基性基を有するトリアジン誘導体(以下、塩基性基を有する誘導体という。)、顔料、その他の樹脂、添加剤は、すべての成分を混合してから分散してもよいが、初めに重合体と塩基性基を有する誘導体と顔料のみ、あるいは、重合体と塩基性基を有する誘導体のみを分散し、次いで、順次他の成分を添加して再度分散を行ってもよい。
【0036】
また、横型サンドミル、縦型サンドミル、アニュラー型ビーズミル、アトライター等で分散を行う前に、ニーダー、3本ロールミル等の練肉混合機を使用して前分散、または、2本ロールミル等による固形分散、または、顔料への重合体と塩基性基を有する誘導体の処理を行ってもよい。また、ハイスピードミキサー、ホモミキサー、ボールミル、ロールミル、石臼式ミル、超音波分散機等のあらゆる分散機や混合機が本発明の分散体を製造するために利用できる。
顔料分散体に用いることができる溶剤としては、有機溶剤、水等が挙げられる。
【0037】
また、樹脂の例としては、石油樹脂、カゼイン、セラック、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、ニトロセルロース、セルロースアセテートブチレート、環化ゴム、塩化ゴム、酸化ゴム、塩酸ゴム、フェノール樹脂、アルキド樹脂、ポリエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アミノ樹脂、エポキシ樹脂、ビニル樹脂、塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、乾性油、合成乾性油、スチレン変性マレイン酸、ポリアミド樹脂、塩素化ポリプロピレン、ブチラール樹脂、塩化ビニリデン樹脂等が挙げられる。
【0038】
また、分散剤としては、ビックケミー社製のDisperbykまたはDisperbyk-101、103、107、108、110、111、116、130、140、154、161、162、163、164、165、166、170、171、174、180、181、182、183、184、185、190、191、192、2000、2001またはAnti-Terra-U、203、204またはBYK-P104、P104S、220SまたはLactimon、Lactimon-WSまたはBykumon等、アビシア社製のSOLSPERSE-3000、9000、13240、13650、13940、17000、18000、20000、21000、24000、26000、27000、28000、31845、32000、32500、32600、34750、36600、38500、41000、41090、43000、44000、53095等、エフカケミカルズ社製のEFKA-46、47、48、452、LP4008、4009、LP4010、LP4050、LP4055、400、401、402、403、450、451、453、4540、4550、LP4560、120、150、1501、1502、1503等が挙げられる。
【0039】
本発明の顔料分散体は、非水系または水系の塗料、グラビアインキ、オフセットインキ、インキジェットインキ、プラスチック着色、カラーフィルター等に利用できる。
式(1)で示されるロジン骨格を有するエチレン性不飽和単量体を重合成分として含有する重合体がカルボキシル基を有する場合には、親水性有機溶剤を含んでいてもよい水を溶媒として、重合体中のカルボキシル基をトリエチルアミン、ジメチルアミノエタノール、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、メチルアミン、ジメチルアミン、トリエチルアミン、アンモニア等の有機アミンまたは水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム等の無機アルカリで中和することにより、水性インキ、水性塗料等のワニスとして使用することができる。
【0040】
次に、本発明の着色用樹脂組成物について説明する。
本発明の着色用樹脂組成物は、本発明の顔料組成物と熱可塑性樹脂とを含むものであり、本発明の顔料組成物と熱可塑性樹脂とを混錬することにより製造することができる。 熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン共重合体(ランダムまたはブロック共重合体を含む)等のポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン、ABS樹脂、AS樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリ芳香族エーテル、ポリ芳香族エステル、ポリスルホン等が挙げられる。
【0041】
また、混錬は、バンバリーミキサーのような回分式混錬機、二軸混錬機、混錬機能を有する単軸押出機、ロータ型二軸混錬機等を用いて行うことができる。熱可塑性樹脂としてポリオレフィン樹脂を用いる場合には、130℃〜230℃で混錬することが好ましく、ポリオレフィン系樹脂の中でもポリエチレンを用いる場合には、130℃〜200℃で混錬することがより好ましい。混錬後、着色用樹脂組成物は粉砕、カッティング、造粒等により所望の形状(ペレット状、顆粒状、粒子状)にして、フィルム形成等に供することができる。
【0042】
【実施例】
以下、本発明に関わる重合体、塩基性基を有する誘導体の製造例、および実施例を示す。実施例において「部」とは「重量部」を、「%」とは「重量%」をそれぞれ表す。重合体の分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ)により測定したポリスチレン換算の重量平均分子量である。
【0043】
[重合体製造例1]
セパラブル4口フラスコに温度計、冷却管、窒素ガス導入管、撹拌装置を取り付けてシクロヘキサノン500部を仕込み、80℃に昇温し反応容器内を窒素置換した後、滴下管よりn−ブチルメタクリレート46部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート29部、メタクリル酸26部、2−ヒドロキシプロピルデヒドロアビエチン酸アクリレート(荒川化学社製「ビームセット101」)74部、パラクミルフェノールエチレンオキサイド変性アクリレート(東亜合成社製「アロニックスM−110」)50部、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル2部の混合溶液を2時間かけて滴下した。滴下終了後、更に3時間反応を継続し、固形分30%の共重合体(1)の溶液を得た。共重合体(1)の重量平均分子量は24000であった。
【0044】
[重合体製造例2]
セパラブル4口フラスコに温度計、冷却管、窒素ガス導入管、撹拌装置を取り付けてシクロヘキサノン500部を仕込み、80℃に昇温し反応容器内を窒素置換した後、滴下管よりn−ブチルメタクリレート46部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート29部、メタクリル酸26部、2−ヒドロキシプロピルデヒドロアビエチン酸アクリレート(荒川化学社製「ビームセット101」)74部、ビスフェノールAエチレンオキサイド変性ジアクリレート(東亜合成社製「アロニックスM−210」)50部、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル2部の混合溶液を2時間かけて滴下した。滴下終了後、更に3時間反応を継続し、固形分30%の共重合体(2)の溶液を得た。共重合体(2)の重量平均分子量は26000であった。
【0045】
[重合体製造例3]
セパラブル4口フラスコに温度計、冷却管、窒素ガス導入管、撹拌装置を取り付けてシクロヘキサノン500部を仕込み、80℃に昇温し反応容器内を窒素置換した後、滴下管よりn−ブチルメタクリレート50部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート29部、メタクリル酸30部、2−ヒドロキシプロピルデヒドロアビエチン酸アクリレート(荒川化学社製「ビームセット101」)64部、ポリプロピレングリコールモノアクリレート(日本油脂製「ブレンマーPME−440」、式(4)におけるn=9)20部、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル2部の混合溶液を2時間かけて滴下した。滴下終了後、更に3時間反応を継続し、固形分30%の共重合体(3)の溶液を得た。共重合体(3)の重量平均分子量は30000であった。
【0046】
[重合体製造例4]
セパラブル4口フラスコに温度計、冷却管、窒素ガス導入管、撹拌装置を取り付けてシクロヘキサノン500部を仕込み、80℃に昇温し反応容器内を窒素置換した後、滴下管よりn−ブチルメタクリレート46部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート29部、メタクリル酸26部、2−ヒドロキシプロピルデヒドロアビエチン酸アクリレート(荒川化学社製「ビームセット101」)74部、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル2部の混合溶液を2時間かけて滴下した。滴下終了後、更に3時間反応を継続し、固形分30%の共重合体(4)の溶液を得た。共重合体(4)の重量平均分子量は29000であった。
【0047】
[重合体製造例5]
セパラブル4口フラスコに温度計、冷却管、窒素ガス導入管、撹拌装置を取り付けてシクロヘキサノン500部を仕込み、80℃に昇温し反応容器内を窒素置換した後、滴下管よりn−ブチルメタクリレート46部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート29部、メタクリル酸26部、2−ヒドロキシプロピルアビエチン酸アクリレート74部、パラクミルフェノールエチレンオキサイド変性アクリレート(東亜合成社製「アロニックスM−110」) 部、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル2部の混合溶液を2時間かけて滴下した。滴下終了後、更に3時間反応を継続し、固形分30%の共重合体(5)の溶液を得た。共重合体(5)の重量平均分子量は21000であった。
【0048】
[重合体製造例6]
セパラブル4口フラスコに温度計、冷却管、窒素ガス導入管、撹拌装置を取り付けてシクロヘキサノン500部を仕込み、80℃に昇温し反応容器内を窒素置換した後、滴下管よりn−ブチルメタクリレート56部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート35部、メタクリル酸26部、2−ヒドロキシプロピルアビエチン酸アクリレート56部、ビスフェノールAエチレンオキサイド変性ジアクリレート(東亜合成社製「アロニックスM−210」)50部、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル2部の混合溶液を2時間かけて滴下した。滴下終了後、更に3時間反応を継続し、固形分30%の共重合体(6)の溶液を得た。共重合体(6)の重量平均分子量は20000であった。
【0049】
[重合体製造例7]
セパラブル4口フラスコに温度計、冷却管、窒素ガス導入管、撹拌装置を取り付けてシクロヘキサノン500部を仕込み、80℃に昇温し反応容器内を窒素置換した後、滴下管よりn−ブチルメタクリレート46部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート29部、メタクリル酸26部、2−ヒドロキシプロピルアビエチン酸アクリレート74部、ポリプロピレングリコールモノアクリレート(日本油脂製「ブレンマーPME−440」、式(4)におけるn=9)20部、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル2部の混合溶液を2時間かけて滴下した。滴下終了後、更に3時間反応を継続し、固形分30%の共重合体(7)の溶液を得た。共重合体(7)の重量平均分子量は22000であった。
【0050】
[重合体製造例8]
セパラブル4口フラスコに温度計、冷却管、窒素ガス導入管、撹拌装置を取り付けてシクロヘキサノン500部を仕込み、80℃に昇温し反応容器内を窒素置換した後、滴下管よりn−ブチルメタクリレート46部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート29部、メタクリル酸26部、2−ヒドロキシプロピルアビエチン酸アクリレート62部、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル2部の混合溶液を2時間かけて滴下した。滴下終了後、更に3時間反応を継続し、固形分30%の共重合体(8)の溶液を得た。共重合体(8)の重量平均分子量は22000であった。
【0051】
[重合体製造例9]
セパラブル4口フラスコに温度計、冷却管、窒素ガス導入管、撹拌装置を取り付けてシクロヘキサノン500部を仕込み、80℃に昇温し反応容器内を窒素置換した後、滴下管よりn−ブチルメタクリレート46部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート29部、メタクリル酸26部、2−ヒドロキシブチルアビエチン酸アクリレート74部、パラクミルフェノールエチレンオキサイド変性アクリレート(東亜合成社製「アロニックスM−110」)50部、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル2部の混合溶液を2時間かけて滴下した。滴下終了後、更に3時間反応を継続し、固形分30%の共重合体(9)の溶液を得た。共重合体(9)の重量平均分子量は23000であった。
【0052】
[重合体製造例10](比較例)
セパラブル4口フラスコに温度計、冷却管、窒素ガス導入管、撹拌装置を取り付けてシクロヘキサノン500部を仕込み、80℃に昇温し反応容器内を窒素置換した後、滴下管よりn−ブチルメタクリレート46部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート29部、メタクリル酸26部、パラクミルフェノールエチレンオキサイド変性アクリレート(東亜合成社製「アロニックスM−110」)50部、ポリプロピレングリコールモノアクリレート(日本油脂製「ブレンマーPME−440」、式(4)におけるn=9)50部、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル5部の混合溶液を2時間かけて滴下した。滴下終了後、更に3時間反応を継続し、固形分30%の共重合体(10)の溶液を得た。共重合体(10)の重量平均分子量は35000であった。
【0053】
[重合体製造例11](比較例)
セパラブル4口フラスコに温度計、冷却管、窒素ガス導入管、撹拌装置を取り付けて
シクロヘキサノン500部を仕込み、80℃に昇温し反応容器内を窒素置換した後、滴下管よりn−ブチルメタクリレート46部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート29部、メタクリル酸26部、ポリプロピレングリコールモノアクリレート(日本油脂製「ブレンマーPME−440」、式(4)におけるn=9)100部、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル2部の混合溶液を2時間かけて滴下した。滴下終了後、更に3時間反応を継続し、固形分30%の共重合体(11)の溶液を得た。共重合体(11)の重量平均分子量は31000であった。
【0054】
[塩基性基を有する誘導体製造例1]
色素成分である銅フタロシアニン50部をクロロスルホン化した後、アミン成分であるN,N−ジメチルアミノプロピルアミン14部と反応させて顔料誘導体(1)62部を得た。
顔料誘導体(1)
【化15】
CuPcは、銅フタロシアニン残基を表す。
【0055】
[塩基性基を有する誘導体製造例2]
色素成分である銅フタロシアニン50部をクロロメチル化した後、アミン成分であるジブチルアミン40部と反応させて顔料誘導体(2)95部を得た。
顔料誘導体(2)
【化16】
CuPcは、銅フタロシアニン残基を表す。
【0056】
[塩基性基を有する誘導体製造例3]
色素成分であるキナクリドン50部をクロロアセトアミドメチル化した後、アミン成分であるN−メチルピペラジン40部と反応させて顔料誘導体(3)103部を得た。
顔料誘導体(3)
【化17】
【0057】
[塩基性基を有する誘導体製造例4]
色素成分としてジフェニルジケトピロロピロールを、アミン成分としてN−アミノプロピルモルホリンを使用し、製造例1と同様の方法により、顔料誘導体(4)を得た。
顔料誘導体(4)
【化18】
【0058】
[塩基性基を有する誘導体製造例5]
アントラキノン−β−カルボン酸クロリド50部と、アミン成分N,N−ジエチルアミノプロピルアミン36部を反応させて、アントラキノン誘導体(5)を得た。
アントラキノン誘導体(5)
【化19】
【0059】
[塩基性基を有する誘導体製造例6]
色素成分としてジオキサジンバイオレット(C.I. Pigment Violet23)を、アミン成分として式(15)で示される化合物を使用し、製造例1と同様の方法により、顔料誘導体(6)を得た。
式(15)
【化20】
顔料誘導体(6)
【化21】
【0060】
[塩基性基を有する誘導体製造例7]
ジアゾ成分p−ニトロアニリン50部と、式(16)で表されるアミン成分を有するカップラー109部をジアゾカップリング反応させることにより、顔料誘導体(7)を得た。
式(16)
【化22】
顔料誘導体(7)
【化23】
【0061】
[塩基性基を有する誘導体製造例8]
9−アクリドン50部をクロロスルホン化した後、アミン成分N,N−ジメチルアミノプロピルアミン46部を反応させて、アクリドン誘導体(8)を得た。アクリドン誘導体(8)
【化24】
【0062】
[塩基性基を有する誘導体製造例9]
アニリン50部、塩化シアヌル99部、N,N−ジメチルアミノプロピルアミン55部をメタノール中で反応させることにより、顔料誘導体(9)を得た。
顔料誘導体(9)
【化25】
【0063】
塩基性基を有する誘導体製造例1〜9と同様の方法で、色素成分、アントラキノン、アクリドンまたはトリアジンと、アミン成分を反応することにより、またはアミン成分を有する化合物をカップリング反応して色素を合成することにより、本発明を構成する種々の誘導体を製造することができる。
[実施例1〜17および比較例1〜14](分散体の製造と評価)
本発明の顔料分散体の性能を評価するために、表1に示す配合量の顔料、誘導体、共重合体、アルキド樹脂と、メラミン樹脂10部およびシンナー50部を、スチールボールを使用してペイントシェイカーにて分散し、塗料を作成した。なお、シンナーとしては、シクロヘキサノン/キシレン/n−ブタノール=6/2/2(重量比)からなる混合溶剤を使用した。得られた塗料の40℃で7日経時前後の粘度をB型粘度計で測定し、粘度およびTI値で分散体の性能を評価した(粘度は低いほど良好。TI値は1に近いほど良好。)。結果を表1に示す。
本発明の分散体は、比較例に比べ、良好な粘度、TI値、保存安定性を示した。
【0064】
【表1】
【0065】
[実施例18]
重合体製造例1で得られた共重合体(1)38部、青色顔料(C.I. Pigment Blue 15:3)54部、誘導体(1)6部、およびステアリン酸亜鉛2重量部を混合し、ロータ型2軸混練機を用いて150℃で混連し、押し出して冷却後、ペレット化して着色用樹脂組成物(マスターバッチ)を得た。次いで、顔料濃度30%になるように上記のマスターバッチとポリエチレン樹脂とを配合し、Tダイフィルム成型器(東洋精機製)を用いて、成形温度340℃、回転数60rpmで溶融しつつ、膜厚30μmのフィルム状の溶融混合物を紙上に溶融押し出しラミネートして、樹脂コーティング紙を得た。樹脂コーティング紙を得る際のサージングの状態(高温高速加工性)及び得られた樹脂コーティング紙上のコーティング面(フィルム表面)状態を目視観察したところ、サージングが全くなく、フィルム表面も非常に良好であった。
【0066】
[実施例19および比較例15]
重合体製造例1で得られた共重合体(1)を重合体製造例10で得られた共重合体(10)に変えた以外は、実施例18と同様にして着色用樹脂組成物を調製し、樹脂コーティング紙を作成した。しかし、サージング(フィルム脈動)が発生し加工性に問題があり、フィルム表面も膜割れ、ブツ、ピンホールが見られた。
【0067】
【発明の効果】
本発明の顔料組成物を各種ビヒクルに分散した場合、塩基性基を有する誘導体とロジン骨格を有する重合体との相乗効果により、安定な顔料分散体および着色用樹脂組成物が得られる。そのため、本発明の顔料組成物を使用すれば、ビヒクルに含まれる樹脂の顔料分散性が悪い場合でも、常に安定な顔料分散体および着色用樹脂組成物を製造することができる。
Claims (5)
- 請求項1〜3いずれか記載の顔料組成物をワニスに分散せしめてなる顔料分散体。
- 請求項1〜3いずれか記載の顔料組成物と熱可塑性樹脂とを含む着色用樹脂組成物。
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