JP5194774B2 - グラフト型分散剤、及びそれを用いた顔料組成物 - Google Patents
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片末端領域に1つの遊離カルボキシル基を有するビニル重合体(d)中のカルボキシル基0.4〜1.0モルを縮合反応させてなる顔料用グラフト型分散剤に関する。
又、第13の発明は、酸性基を有する顔料誘導体が、下記一般式(2)、(3)、または(4)のいずれかで表されることを特徴とする、第12の発明の顔料組成物に関する。
P−Z1
(式中、Pは、アゾ系、ベンズイミダゾロン系、フタロシアニン系、キナクリドン系、アントラキノン系、ジオキサジン系、ジケトピロロピロール系、キノフタロン系、イソインドリノン系、イソインドリン系、ペリレン系、ペリノン系、フラバンスロン系、ピランスロン系、及びアンスラピリミジン系から選ばれる一種の有機色素残基、Z1は、スルホン酸基又はカルボキシル基を表す。)
(P−Z2)[N+(R2,R3,R4,R5)]
(式中、Pは、アゾ系、ベンズイミダゾロン系、フタロシアニン系、キナクリドン系、アントラキノン系、ジオキサジン系、ジケトピロロピロール系、キノフタロン系、イソインドリノン系、イソインドリン系、ペリレン系、ペリノン系、フラバンスロン系、ピランスロン系、及びアンスラピリミジン系から選ばれる一種の有機色素残基、R2は、炭素数5〜20のアルキル基、R3,R4,及びR5は、それぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜20のアルキル基を表す。Z2は、SO3 -又はCOO-を表す。)
(P−Z2)M+
(式中、Pは、アゾ系、ベンズイミダゾロン系、フタロシアニン系、キナクリドン系、アントラキノン系、ジオキサジン系、ジケトピロロピロール系、キノフタロン系、イソインドリノン系、イソインドリン系、ペリレン系、ペリノン系、フラバンスロン系、ピランスロン系、及びアンスラピリミジン系から選ばれる一種の有機色素残基、Mは、Na又はK原子を表す。Z2は、SO3 -又はCOO-を表す。)
例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、トリメチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート類;
フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート等の芳香族(メタ)アクリレート類;
(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマール酸、クロトン酸等のカルボキシル基含有(メタ)アクリレート類;
2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、エチル−α−(ヒドロキシメチル)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、1,4−シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート等の水酸基含有(メタ)アクリレート類;
グリシジル(メタ)アクリレート、オキセタン(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリール(メタ)アクリレート等の複素環式(メタ)アクリレート類;
メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート等のアルコキシポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート類;
N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のアミノ基含有(メタ)アクリレート類;
(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−ブチル(メタ)アクリルアミド、イソブチル(メタ)アクリルアミド、t−ブチル(メタ)アクリルアミド、及びt−オクチル(メタ)アクリルアミド、ダイアセトン(メタ)アクリルアミド、アクリロイルモルホリン等のN置換型(メタ)アクリルアミド類;
N−メチレンアリルアミン、N−(2,2−ジメチルプロピリデン)アリルアミン、N−(2−フリルメチレン)アリルアミン、N−ベンジリデンアリルアミン、N−(4−メチルベンジリデン)アリルアミン、N−(4−クロロベンジリデン)アリルアミン等のN−アルキレンアリルアミン;
及び、(メタ)アクリロニトリル等のニトリル類;
片末端メタクリロイル化ポリメチルメタクリレートオリゴマー、片末端メタクリロイル化ポリスチレンオリゴマー、及び片末端メタクリロイル化ポリエチレングリコール等の重合性オリゴマー等があげられる。
フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート等の芳香族(メタ)アクリレート類;
2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、エチル2−(ヒドロキシメチル)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、1,4−シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート等の水酸基含有(メタ)アクリレート類;
テトラヒドロフルフリール(メタ)アクリレート、オキセタン(メタ)アクリレート等の複素環式(メタ)アクリレート類;
メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート等のアルコキシポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート類;
(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、ダイアセトン(メタ)アクリルアミド、アクリロイルモルホリン等のN置換型(メタ)アクリルアミド類;
N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のアミノ基含有(メタ)アクリレート類;
及び、(メタ)アクリロニトリル等のニトリル類があげられる。
W1からWnは、使用している各単量体の重量分率を示し、Tg1からTgnは、各単量体から得られるそれぞれのホモポリマーのガラス転移温度(単位は絶対温度「K」)を示す。
ブチルメタクリレート:20℃(293K)
イソボルニルアクリレート:97℃(370K)
ブチルアクリレート:−45℃(228K)
シクロヘキシルメタクリレート:66℃(339K)
ベンジルメタクリレート:54℃(327K)
2−ヒドロキシプロピルメタクリレート:26℃(299K)
スチレン:100℃(373K)
ジシクロペンタニルメタクリレート:175℃(448K)
P−Z1
(式中、Pはアゾ系、ベンズイミダゾロン系、フタロシアニン系、キナクリドン系、アントラキノン系、ジオキサジン系、ジケトピロロピロール系、キノフタロン系、イソインドリノン系、イソインドリン系、ペリレン系、ペリノン系、フラバンスロン系、ピランスロン系、及びアンスラピリミジン系から選ばれる一種の有機色素残基、Z1はスルホン酸基又はカルボキシル基を表す。)
(P−Z2)[N+(R2,R3,R4,R5)]
(式中、Pはアゾ系、ベンズイミダゾロン系、フタロシアニン系、キナクリドン系、アントラキノン系、ジオキサジン系、ジケトピロロピロール系、キノフタロン系、イソインドリノン系、イソインドリン系、ペリレン系、ペリノン系、フラバンスロン系、ピランスロン系、及びアンスラピリミジン系から選ばれる一種の有機色素残基、R2は、炭素数5〜20のアルキル基、R3、R4、及びR5は、それぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜20のアルキル基を表す。Z2は、SO3 -又はCOO-を表す。)
(P−Z2)M+
(式中、Pはアゾ系、ベンズイミダゾロン系、フタロシアニン系、キナクリドン系、アントラキノン系、ジオキサジン系、ジケトピロロピロール系、キノフタロン系、イソインドリノン系、イソインドリン系、ペリレン系、ペリノン系、フラバンスロン系、ピランスロン系、及びアンスラピリミジン系から選ばれる一種の有機色素残基、Mは、Na又はK原子を表す。Z2は、SO3 -又はCOO-を表す。)
アセトン、メチルエチルケトン、メチル−n−プロピルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチル−n−ブチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチル−n−アミルケトン、メチルイソアミルケトン、ジエチルケトン、エチル−n−プロピルケトン、エチルイソプロピルケトン、エチル−n−ブチルケトン、エチルイソブチルケトン、ジ−n−プロピルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、イソホロン等のケトン類;
酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸−n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸−n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸ヘキシル、酢酸オクチル、乳酸メチル、乳酸プロピル、乳酸ブチル等のエステル類;
γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、ε−カプロラクトン等のラクトン類;
エチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールジプロピルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル等のグリコール及びグリコールエーテル類;
エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のグリコールアセテート類;
n−ヘキサン、イソヘキサン、n−ノナン、イソノナン、ドデカン、イソドデカン等の飽和炭化水素類;
1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン等の不飽和炭化水素類;
シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、シクロデカン、デカリン等の環状飽和炭化水素類;
シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテン、1,1,3,5,7−シクロオクタテトラエン、シクロドデセン等の環状不飽和炭化水素類;
N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン等の(N−アルキル)ピロリドン類;
N−メチル−2−オキサゾリジノン、N−エチル−2−オキサゾリジノン等のN−アルキルオキサゾリジノン類;
ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類等があげられる。
ガス導入管、温度計、コンデンサー、攪拌機を備えた反応容器に、濃度63.45%のN,N−ジメチルアリルアミン塩酸塩水溶液431.24部と濃度58.11%のアリルアミン塩酸塩水溶液362.25部を仕込んだ。そのモノマー水溶液を60℃に加温し、ラジカル開始剤として2,2'−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩146.45部を添加し、120時間の重合を行なった。重合終了後、氷冷下で濃度50%の水酸化ナトリウム水溶液332.78部を滴下し塩酸を中和した。中和終了後、減圧下(10.6kPa)、50℃で未反応モノマーを留去した。ここで得られた溶液を、電気透析に付し、脱塩し、N,N−ジメチルアリルアミンとアリルアミンとの共重合比が5:5である固形分14.35%のビニル重合体(c−1)水溶液1914.97部を得た。
製造例1において、濃度63.45%のN,N−ジメチルアリルアミン塩酸塩水溶液を258.75部、及び濃度58.11%のアリルアミン塩酸塩水溶液を507.15部用いた以外は、製造例1と同様に操作して、N,N−ジメチルアリルアミンとアリルアミンとの共重合が比3:7である固形分14.27%のビニル重合体(c−2)水溶液1978.93部を得た。
製造例1において、濃度63.45%のN,N−ジエチルアリルアミン塩酸塩水溶液を603.74部、及び濃度58.11%のアリルアミン塩酸塩水溶液を217.35部用いた以外は、製造例1と同様に操作して、N,N−ジエチルアリルアミンとアリルアミンとの共重合比が7:3である固形分14.20%のビニル重合体(c−3)水溶液2045.55部を得た。
ガス導入管、温度計、コンデンサー、攪拌機を備えた反応容器に、メチルメタクリレート1440部、チオグリコール酸60部と、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMAc)1500部を仕込み、窒素ガスで置換した。反応容器内を80℃に加熱して、12時間反応した。固形分測定により95%が反応したことを確認後、室温まで冷却して、重量平均分子量3000の、片末端領域に1つの遊離カルボキシル基を有するビニル重合体(d−1)の固形分50%溶液を得た。
表1に記載した原料と仕込み量を用いた以外は製造例4と同様にして合成を行い、片末端領域に1つの遊離カルボキシル基を有するビニル重合体(d−2)〜(d−12)の固形分50%溶液を得た。
BMA:n−ブチルメタクリレート
IBXA:イソボルニルアクリレート
BA:ブチルアクリレート
CHMA:シクロヘキシルメタクリレート
BzMA:ベンジルメタクリレート
HPM:2−ヒドロキシプロピルメタクリレート
St:スチレン
N−PhM:N−フェニルマレイミド
FA513M:ジシクロペンタニルメタクリレート[日立化成工業(株)社製]
TGA:チオグリコール酸
3−MPA:3−メルカプトプロピオン酸
PGMAc:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
CBAc:カルビトールアセテート
アノン:シクロヘキサノン
Tg:ガラス転移温度
Mw:重量平均分子量
ガス導入管、温度計、コンデンサー、攪拌機を備えた反応容器に、PGMAc250部を入れ、容器に窒素ガスを注入しながら80℃に加熱して、同温度でメチルメタクリレート80.0部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート20.0部、及び2,2'−アゾビスイソブチロニトリル4.0部の混合物を1時間かけて滴下することにより重合反応を行った。滴下終了後、更に80℃で3時間反応させた後、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル1.0部をPGMAc50部に溶解させたものを添加し、更に80℃で1時間反応を続けた。その後、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート23.8部を添加し、更に80℃で6時間反応を行い、ワニス用樹脂を得た。PGMAcを添加して固形分を20%に調整した。ワニス用樹脂の重量平均分子量は、約24000であった。
ガス導入管、温度計、コンデンサー、攪拌機を備えた反応容器に、固形分14.35%のビニル重合体(c−1)水溶液200部と、固形分50%のビニル重合体(d−1)溶液491.5部と、PGMAc200部を仕込み、窒素ガスで置換した。反応容器内を140℃に加熱して、系外に水を除去しながら8時間反応した。アミン価が32.7mgKOH/g(理論アミン価)になったことを電位差滴定で確認後、室温まで冷却して、グラフト型分散剤1の溶液を得た。
表2に記載した原料と仕込み量を用いた以外は実施例1と同様にして合成を行い、グラフト型分散剤2〜14(実施例2〜13及び比較例1)の溶液を得た。
ガス導入管、温度計、コンデンサー、攪拌機を備えた反応容器に、12−ヒドロキシステアリン酸(純正化学製)10.0部、及びε−カプロラクトン(純正化学製)190部を仕込み、窒素気流下で160℃まで4時間かけて昇温し、160℃で2時間加熱した後、ε−カプロラクトンの残量が1%以下になるまで加熱を行った。次いで室温まで冷却し、ポリエステル(数平均分子量2604、酸価21.5mgKOH/g)を得た。又、キシレン25.0部とポリアリルアミン10%水溶液[日東紡績(株)製「PAA−1LV」、数平均分子量約3,000]70部からなる混合物を160℃で撹拌し、分離装置を使用して水を溜去すると共に、キシレンを反応溶液に返流しながら、これに先に得たポリエステル13.9部を160℃まで昇温したものを加え、2時間160℃で反応を行い、分散剤15の溶液(数平均分子量10,500、アミン価38.5mg KOH/g)を得た。
「Johncryl 682」(S.C.Johnson社製の低分子量のアルカリ可溶性スチレンアクリル共重合体;Mn980、Mw1620、酸価235mgKOH/g、軟化点110℃、ガラス転移点50℃)238.8部、「エマルゲン105」[花王(株)製ポリオキシエチレンラウリルエーテル;HLB=9.7]181.0部、オクタチタン酸n−ブチル0.2部、キシレン72.5部を窒素気流中で170〜174℃で8時間加熱還流して、ディーンスタークトラップ中に9.0部の水分を溜出分離した。反応混合物を70℃に冷却し、キシレン365.5部、「エポミンSP−006」(日本触媒化学工業(株)製ポリエチレンイミン;Mw600)21.6部を加え、136〜138℃で1時間加熱還流して、ディーンスタークトラップ中に1.8部の水分を溜出分離した。反応生成物を常温まで冷却して、淡黄褐色透明で粘稠な分散剤16の溶液を得た。この分散剤の固形分は49%、酸価38.6mgKOH/g、アミン価25.0mgKOH/gであった。
ガス導入管、温度計、コンデンサー、攪拌機を備えた反応容器に、キシレン100部とチオグリコール酸10部を仕込み、窒素気流中80℃に保ち、攪拌しながらメタクリル酸メチル54部、アクリル酸ブチル36部、及び重合開始剤(「パーブチル(登録商標)O」〔有効成分ペルオキシ2−エチルヘキサン酸t−ブチル、日本油脂(株)製〕)2部からなる混合物を4時間かけて滴下した。滴下終了後、4時間ごとに「パーブチル(登録商標)O」0.5部を添加し、80℃で12時間攪拌した。反応終了後固形分調整のためキシレンを加え、固形分50%の、片末端にカルボキシル基を有するビニル共重合体のキシレン溶液(d−13)を得た。該樹脂の重量平均分子量は5000、酸価は60.5mgKOH/gであった。
青色顔料として銅−フタロシアニンブルーを8.0部、青色誘導体としてモノスルホン化フタロシアニンブルーを2.0部、実施例1にて合成したグラフト型分散剤1を固形分換算で2.0部、及びPGMAc48部を配合し、2mmφジルコニアビーズ100部を加えスキャンデックスで3時間分散し、顔料組成物を作成した。
表3に示した配合比に変更した以外は、実施例17と同様に顔料組成物を作成した。
青色誘導体:モノスルホン化フタロシアニンブルー
赤色顔料:アントラキノニルレッド
赤色誘導体:モノスルホン化キナクリドンレッド
緑色顔料:塩臭素化フタロシアニングリーン
緑色誘導体:モノスルホン化塩臭素化フタロシアニングリーン
黄色顔料:キノクサリンジオンアゾ顔料
黄色誘導体:モノスルホン化キノクサリンジオンアゾ顔料
青色顔料として銅−フタロシアニンブルーを8.0部、青色誘導体としてモノスルホン化フタロシアニンブルーを2.0部、実施例1にて合成したグラフト型分散剤1を固形分換算で2.0部、及びPGMAc48部を配合し、2mmφジルコニアビーズ100部を加えスキャンデックスで3時間分散し、顔料組成物を作成した。更に上記顔料組成物に、製造例16で得たワニスを固形分換算で5.0部を配合することにより顔料分散体を作成した。
表4に示した配合比に変更した以外は、実施例27と同様に顔料分散体を作成した。
本発明の顔料組成物の性能を評価するために、得られた組成物の粘度をB型粘度計(25℃、回転速度100rpm)で、ヘイズをヘイズメーター(光透過率20%)で測定し、初期粘度及びヘイズで顔料組成物の性能を評価した(粘度は低いほど良好。ヘイズは小さいほど良好)。初期粘度及びヘイズは、分散後1日室温で放置後に測定した。経時安定性は、作成した顔料組成物を1週間40℃に放置後に粘度測定を行い、初期粘度と比較し、±10%未満であれば○、±10〜20%であれば△、±20%を超えていたら×とした。顔料組成物の評価結果を表5に、顔料分散体の評価結果を表6に示す。
Claims (15)
- アリルアミンと、N,N−二置換アリルアミン(a)とを含むエチレン性不飽和単量体(b)をラジカル重合して得られる、一級及び三級アミノ基を有するビニル重合体(c)中の一級アミノ基1モルに対して、
片末端領域に1つの遊離カルボキシル基を有するビニル重合体(d)中のカルボキシル基0.4〜1.0モルを縮合反応させてなる顔料用グラフト型分散剤。 - N,N−二置換アリルアミン(a)が、N,N−ジメチルアリルアミンであることを特徴とする請求項1記載の顔料用グラフト型分散剤。
- 片末端領域に1つの遊離カルボキシル基を有するビニル重合体(d)が、分子内に1つのカルボキシル基と1つのチオール基とを有する化合物(e)の存在下に、エチレン性不飽和単量体(f)をラジカル重合してなることを特徴とする請求項1又は2記載の顔料用グラフト型分散剤。
- エチレン性不飽和単量体(f)が、メチルメタクリレートを含むことを特徴とする請求項3記載の顔料用グラフト型分散剤。
- エチレン性不飽和単量体(f)が、更にブチルメタクリレートを含むことを特徴とする請求項4記載の顔料用グラフト型分散剤。
- エチレン性不飽和単量体(f)の合計100重量%中、メチルメタクリレートとブチルメタクリレートとの合計が30〜100重量%であることを特徴とする請求項4又は5記載の顔料用グラフト型分散剤。
- 片末端領域に1つの遊離カルボキシル基を有するビニル重合体(d)の重量平均分子量が、500〜30,000であることを特徴とする請求項1〜7いずれか記載の顔料用グラフト型分散剤。
- 片末端領域に1つの遊離カルボキシル基を有するビニル重合体(d)のガラス転移温度が、50〜200℃であることを特徴とする請求項1〜8いずれか記載の顔料用グラフト型分散剤。
- アミン価が2〜80mgKOH/gであることを特徴とする請求項1〜9いずれか記載の顔料用グラフト型分散剤。
-
請求項1〜10いずれか記載の顔料用グラフト型分散剤と、顔料とを含有する顔料組成物。 - 下記一般式(2)で表される酸性基を有する顔料誘導体を含有することを特徴とする請求項11記載の顔料組成物。
一般式(2)
P−Z1
(式中、Pは、アゾ系、ベンズイミダゾロン系、フタロシアニン系、キナクリドン系、アントラキノン系、ジオキサジン系、ジケトピロロピロール系、キノフタロン系、イソインドリノン系、イソインドリン系、ペリレン系、ペリノン系、フラバンスロン系、ピランスロン系、及びアンスラピリミジン系から選ばれる一種の有機色素残基、Z1は、スルホン酸基又はカルボキシル基を表す。) - 下記一般式(3)で表される酸性基を有する顔料誘導体を含有することを特徴とする請求項11記載の顔料組成物。
一般式(3)
(P−Z2)[N+(R2,R3,R4,R5)]
(式中、Pは、アゾ系、ベンズイミダゾロン系、フタロシアニン系、キナクリドン系、アントラキノン系、ジオキサジン系、ジケトピロロピロール系、キノフタロン系、イソインドリノン系、イソインドリン系、ペリレン系、ペリノン系、フラバンスロン系、ピランスロン系、及びアンスラピリミジン系から選ばれる一種の有機色素残基、R2は、炭素数5〜20のアルキル基、R3,R4,及びR5は、それぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜20のアルキル基を表す。Z2は、SO3 -又はCOO-を表す。) - 下記一般式(4)で表される酸性基を有する顔料誘導体を含有することを特徴とする請求項11記載の顔料組成物。
一般式(4)
(P−Z2)M+
(式中、Pは、アゾ系、ベンズイミダゾロン系、フタロシアニン系、キナクリドン系、アントラキノン系、ジオキサジン系、ジケトピロロピロール系、キノフタロン系、イソインドリノン系、イソインドリン系、ペリレン系、ペリノン系、フラバンスロン系、ピランスロン系、及びアンスラピリミジン系から選ばれる一種の有機色素残基、Mは、Na又はK原子を表す。Z2は、SO3 -又はCOO-を表す。) - 請求項11〜14いずれか記載の顔料組成物とワニスとを含んでなる顔料分散体。
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