JP6568392B2 - ブロック共重合体及びその製造方法、分散剤並びに顔料分散組成物 - Google Patents

ブロック共重合体及びその製造方法、分散剤並びに顔料分散組成物 Download PDF

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Description

本発明は、ブロック共重合体及びその製造方法、分散剤並びに顔料分散組成物に関する。
塗料、印刷インク、化粧品等の顔料分散組成物は、要求される機能、性能が高機能かつ多様化するとともに、被分散物を安定に分散させるための技術課題も大きくなってきている。例えば顔料は微細化されるに従って、粒子自体が本来持っている性能、性質を充分引き出すことができるが、展色剤(ビヒクル)だけでは十分な分散性が得られない場合が多く、分散剤が必要となる。微細な粒子からなる分散組成物は往々にして高粘度を示し、製品の分散機からの取り出しや輸送が困難となるばかりでなく、高粘度化が顕著な場合は保存中にゲル化を起こし、使用困難となることもある。
分散剤は、顔料に吸着する部位と、分散媒体に親和性の高い部位との構造を持ち、この2つの機能の部位のバランスで分散剤の性能は決まる。顔料に吸着する部位は、被分散物の表面状態に合わせ種々のものが使用されるが、塩基性に偏った表面を有する顔料には酸性のもの(酸性分散剤)、酸性に偏った表面を有する顔料には塩基性のもの(塩基性分散剤)が使用される。
一方、液晶ディスプレー等に用いられるカラーフィルターの製造においては、顔料、分散剤、分散媒体を混合した分散組成物からなる塗布膜を基板上に形成し、所望のパターン形状のフォトマスクを介して露光し、露光されていない部分をアルカリ水溶液で除去する(アルカリ現像)。この場合、露光されていない部分をアルカリ水溶液で除去するために、酸性基を有する現像ポリマーを添加し、アルカリ現像時にアルカリ水溶液で現像ポリマーの酸性基を中和し、水溶性にして除去する。このため、塩基性分散剤は、アルカリ水溶液には溶解しにくく、現像性を悪化させる原因となっている。
特許文献1では、芳香族カルボン酸を2個又は3個有する単位と、数平均分子量500〜15000の側鎖を有する単位とを含み、全単位合計に対する側鎖の割合が30〜70質量%であるビニル系分散剤が提案されている。
特許文献2では、メタクリル酸系モノマーに由来する構成単位を90質量%以上含む、AポリマーブロックとBポリマーブロックとからなるA−Bブロック型コポリマーであり、該コポリマーを構成する少なくともBポリマーブロックが、カルボキシル基を有するカルボキシル基含有メタクリル酸系モノマー、リン酸基を有するリン酸基含有メタクリル酸系モノマーの少なくともいずれか1種の酸性基を含有するブロックコポリマーを、顔料分散剤として用いることを提案している。
特開2008−272604号公報 特開2014−15541号公報
しかし、特許文献1及び2の酸性分散剤では分散性が十分ではないことから、使用量を多くする必要があった。しかし、使用量を多くすると他の添加剤の溶解性に悪影響を与える場合もある。このため、従来から優れた分散性を有する酸性分散剤が求められている。
本発明は、例えば分散剤として用いたときに、分散安定性が優れた分散組成物を与えることができる、ブロック共重合体及びその製造方法、該ブロック共重合体を含有する分散剤並びにそれを用いた顔料分散組成物を提供することを目的とする。
本発明は、以下のブロック共重合体及びその製造方法、分散剤並びに顔料分散組成物を提供する。
項1 2個以上のカルボキシル基を有し、前記カルボキシル基の少なくとも2個が芳香環上の互いに隣接する炭素原子に結合したビニルモノマーに由来する構造単位を含むAブロックと、(メタ)アクリル酸アルキルエステルに由来する構造単位を含むBブロックとを有し、酸価が30〜250mgKOH/gである、ブロック共重合体。
項2 前記Aブロックの含有量が、ブロック共重合体全体100質量%中において5〜95質量%である、項1に記載のブロック共重合体。
項3 前記ブロック共重合体が、リビングラジカル重合により重合されてなる、項1又は2に記載のブロック共重合体。
項4 項1〜3のいずれか一項に記載のブロック共重合体を含有する、分散剤。
項5 項4に記載の分散剤、顔料及び分散媒体を含有する、顔料分散組成物。
項6 項1〜3のいずれか一項に記載のブロック共重合体を製造する方法であって、
リビングラジカル重合法で、前記Aブロック及び前記Bブロックのうち一方のブロックを構成するモノマーを重合して、一方のブロックを重合する工程と、
前記一方のブロックを重合した後、前記Aブロック及び前記Bブロックのうち他方のブロックを構成するモノマーを重合して、他方のブロックを重合する工程とを備える、ブロック共重合体の製造方法。
項7 前記リビングラジカル重合法による重合において、有機テルル化合物を用いる、項6に記載のブロック共重合体の製造方法。
本発明のブロック共重合体は、例えば分散剤として用いたときに、分散安定性が優れた分散組成物を与えることができる。
本発明の分散剤は、分散安定性が優れた分散組成物を与えることができる。
本発明の顔料分散組成物は、顔料の分散安定性に優れている。
以下、本発明を実施した好ましい形態の一例について説明する。但し、下記の実施形態は単なる例示である。本発明は、下記の実施形態に何ら限定されない。
<ブロック共重合体>
本発明のブロック共重合体は、2種以上のビニルモノマーを用いて重合された共重合体である。具体的には、2個以上のカルボキシル基を有し、上記カルボキシル基の少なくとも2個が芳香環上の互いに隣接する炭素原子に結合したビニルモノマーに由来する構造単位を含むAブロックと、(メタ)アクリル酸アルキルエステルに由来する構造単位を含むBブロックとを有し、酸価が30〜250mgKOH/gであることを特徴としている。
該Aブロックは「Aセグメント」、及びBブロックは「Bセグメント」と言い換えることもできる。
本発明において、「ビニルモノマーに由来する構造単位」とはビニルモノマーにおけるラジカル重合可能な炭素−炭素二重結合が炭素−炭素単結合になった構造単位をいい、「(メタ)アクリル酸アルキルエステルに由来する構造単位」とは(メタ)アクリル酸アルキルエステルにおけるラジカル重合可能な炭素−炭素二重結合が炭素−炭素単結合になった構造単位をいう。また、「(メタ)アクリル」は、「アクリル及びメタクリルの少なくとも一方」をいい、「(メタ)アクリル酸」は、「アクリル酸及びメタクリル酸の少なくとも一方」を意味する。
本発明のブロック共重合体の各種構成成分等について、以下説明する。
(Aブロック)
Aブロックは、2個以上のカルボキシル基を有し、上記カルボキシル基の少なくとも2個が芳香環上の互いに隣接する炭素原子に結合したビニルモノマーに由来する構造単位を含むポリマーブロックである。
Aブロックで用いるビニルモノマーとしては、2個以上のカルボキシル基を有し、上記カルボキシル基の少なくとも2個が芳香環上の互いに隣接する炭素原子に結合したビニルモノマーであれば特に限定なく、例えば下記一般式(1)で示されるビニルモノマーが挙げられる。
Figure 0006568392
[式(1)中、Rは水素原子又はメチル基である。Rは炭素数が1〜10のアルキレン基であり、Rは水素原子又はカルボキシル基であり、kは1又は2である。]
一般式(1)のRとしては、炭素数が1〜5のアルキレン基であることが好ましく、炭素数1〜3のアルキレン基であることが更に好ましい。
上記一般式(1)で示されるビニルモノマーを用いて得られる本発明のブロック共重合体は、Aブロックとして、例えば下記一般式(1’)で示される構造単位を含んでいる。
Figure 0006568392
[式(1’)中、Rは水素原子又はメチル基であり、Rは炭素数が1〜10のアルキレン基であり、Rは水素原子又はカルボキシル基であり、kは1又は2である。*は各々結合を示す。]
上記一般式(1)で示されるビニルモノマーとしては、一般式(1)に含まれる公知のビニルモノマーを広く使用でき、この中でも4−メタクリロキシエチルトリメリット酸、4−アクリロオキシエチルトリメリット酸、4−メタクリロオキシプロピルトリメリット酸、4−アクリロオキシプロピルトリメリット酸、4−メタクリロオキシブチルトリメリット酸又は4−アクリロオキシブチルトリメリット酸が好ましい。
Aブロックは、前述の一般式(1)で示されるビニルモノマーに由来する構造単位のみであってもよいし、他の構造単位が含まれていてもよい。他の構造単位を含む場合は、前述の一般式(1)で示されるビニルモノマーに由来する構造単位は、Aブロック全体100質量%中において40質量%以上であること好ましく、40〜70質量%であることがより好ましい。
Aブロックに含むことができる他の構造体としては、カルボキシル基を有するビニルモノマー、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸脂環式アルキルエステル、(メタ)アクリル酸アリールエステル、芳香族ビニルモノマー等のビニルモノマーに由来する構造単位が挙げられる。
本発明において、「n−」はnormal、「s−」はsecondary(sec−)、「t−」はtertiary(tert−)を意味する。
カルボキシル基を有するビニルモノマーとしては、一般式(1)に含まれないビニルモノマーであれば特に限定なく、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、イタコン酸、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチルや(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル等の(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルに無水マレイン酸、無水コハク酸、無水フタル酸等の酸無水物を反応させたビニルモノマー、ビニル安息香酸等が挙げられ、この中でも(メタ)アクリル酸が好ましい。
(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、特に限定はなく、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸s−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸n−ノニル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸n−デシル、(メタ)アクリル酸イソデシル、(メタ)アクリル酸n−ドデシル、(メタ)アクリル酸n−ステリアル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル等が挙げられ、この中でも炭素数が1〜10の(メタ)アクリル酸アルキルエステルが好ましく、炭素数が1〜5の(メタ)アクリル酸アルキルエステルがより好ましい。
(メタ)アクリル酸脂環式アルキルエステルとしては、特に限定はなく、例えば、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシルメチル、(メタ)アクリル酸シクロドデシル、(メタ)アクリル酸ボルニル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンタニル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニルオキシエチル等が挙げられる。
(メタ)アクリル酸アリールエステルとしては、特に限定はなく、例えば、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸フェノキシエチル等が挙げられる。
芳香族ビニルモノマーとしては、特に限定はなく、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、2−メトキシスチレン、3−メトキシスチレン、4−メトキシスチレン、2−ヒドロキシメチルスチレン、1−ビニルナフタレン等が挙げられる。
Aブロックで用いられるビニルモノマーは、1種又は2種以上を使用することができる。Aブロックの各構造単位は、ランダム共重合、ブロック共重合等の何れの態様で含まれていてもよい。
(Bブロック)
Bブロックは、(メタ)アクリル酸アルキルエステルに由来する構造単位を含むポリマーブロックである。
Bブロックで用いる(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、特に限定はなく、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸s−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸n−ノニル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸n−デシル、(メタ)アクリル酸イソデシル、(メタ)アクリル酸n−ドデシル、(メタ)アクリル酸n−ステリアル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル等が挙げられ、この中でも炭素数が1〜10の(メタ)アクリル酸アルキルエステルが好ましく、炭素数が1〜5の(メタ)アクリル酸アルキルエステルがより好ましい。これらは、単独で用いてもよく、複数を併用してもよい。
Bブロックは、(メタ)アクリル酸アルキルエステルに由来する構造単位のみであってもよいし、他の構造単位が含まれていてもよい。他の構造単位を含む場合は、(メタ)アクリル酸アルキルエステルに由来する構造単位は、Bブロック全体100質量%中において80質量%以上であること好ましく、80〜90質量%であることが更に好ましい。また、本発明において、Bブロックは、酸性基を有するビニルモノマーに由来する構造単位を実質的に含まないポリマーブロックであることが好ましい。ここで「実質的に含まない」とは、その含有量が0.1質量%以下であることを意味する。酸性基としてはカルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基等が挙げられる。
Bブロックで用いられるビニルモノマーは、1種又は2種以上を使用することができる。Bブロックの各構造単位は、ランダム共重合、ブロック共重合等の何れの態様で含まれていてもよい。例えば、Bブロックが、B’ブロックからなる構造単位とB”ブロックからなる構造単位との共重合により形成されていてもよい。B’ブロック及びB”ブロックは、それぞれ異なった構造単位を含むポリマーブロックであることが望ましく、上記に例示した(メタ)アクリル酸アルキルエステルに由来する構造単位を含むポリマーブロックであることが好ましい。
(ブロック共重合体)
本発明のブロック共重合体は、Aブロックが顔料と吸着し、Bブロックが溶媒等の分散媒体と相溶し、酸性基を局在化することで優れた分散剤として作用すると考えられる。また、Aブロックは、芳香族による顔料とのπ−π相互作用による吸着作用と、カルボキシル基と顔料との水素結合やイオン結合等により吸着作用とを有し、さらに、少なくとも2個のカルボキシル基が芳香環上の互いに隣接する炭素原子に結合していることから酸性度が大きくなり顔料吸着鎖として効率よく作用するものと考えられる。
ブロック共重合体の酸価は30〜250mgKOH/gであり、ブロック共重合体の酸価がこの範囲になるように、Aブロックに芳香族カルボキシル基を有するビニルモノマーに由来する構造単位が含まれることが好ましい。酸価が30mgKOH/gより小さいと顔料への吸着性が悪くなるおそれがあり、酸価が250mgKOH/gより大きいと顔料が凝集するおそれがある。酸価の下限値は50mgKOH/gであることが好ましい。酸価の上限値は200mgKOH/gであることが好ましく、150mgKOH/gであることがより好ましい。
ブロック共重合体の重量平均分子量(Mw)は、5,000〜50,000であることが好ましい。Mwの下限値は8,000であることがより好ましい。Mwの上限値は30,000であることがより好ましく、20,000であることがより更に好ましい。
ブロック共重合体の分子量分布(PDI)は、2.0未満であることが好ましく、1.5未満であることがより好ましく、1.3未満であることが更に好ましい。なお、本発明において、PDIとは(ブロック共重合体の重量平均分子量(Mw))/(ブロック共重合体の数平均分子量(Mn))によって求められるものであり、PDIが小さいほど分子量分布の幅が狭い分子量のそろった共重合体となり、その値が1.0のとき最も分子量分布の幅が狭い。反対に、PDIが大きいほど、設計したポリマーの分子量に比べて、分子量の小さいものや、分子量の大きいものが含まれることになり、顔料の分散性を悪くする場合がある。分子量が小さすぎるものは分散媒体への溶解性が高すぎ、分子量が大きすぎると分散媒体への溶解性が悪くなるためである。
Aブロックの含有量は、ブロック共重合体全体100質量%中において5〜95質量%であることが好ましく、10〜80質量%であることがより好ましく、20〜60質量%であることが更に好ましい。Aブロックの含有量を、前記範囲に調整することで、目的の機能を有するように酸性基を局在化することができる。
Bブロックの含有量は、ブロック共重合体全体100質量%中において5〜95質量%であることが好ましく、20〜90質量%であることがより好ましく、40〜80質量%であることが更に好ましい。
(ブロック共重合体の製造方法)
本発明のブロック共重合体の製造方法は、特に限定はなく、例えば、リビングラジカル重合法等のブロック重合法が挙げられる。本発明のブロック共重合体は、該ブロック重合法によって、ブロックを構成するモノマーを順次重合反応させることにより得られる。
本発明のブロック共重合体の製造方法は、モノマーの重合反応によって、Aブロック(Aセグメント)を先に製造し、AブロックにBブロック(Bセグメント)のモノマーを重合してもよく;Bブロックを先に製造し、BブロックにAブロックのモノマーを重合してもよく;または、モノマーの重合反応によって、AブロックとBブロックとを別々に製造した後、AブロックとBブロックとをカップリングさせてもよい。例えば、本発明のブロック共重合体の製造方法としては、リビングラジカル重合法で、Aブロック及びBブロックのうちの一方のブロックを構成するモノマーを重合して、一方のブロックを重合する工程と、一方のブロックを重合した後、Aブロック及びBブロックのうちの他方のブロックを構成するモノマーを重合して、他方のブロックを重合する工程とを備えた製造方法が挙げられる。
ブロック共重合体の製造方法として、水酸基を有するブロック共重合体を予め製造し、当該水酸基に3個以上の芳香族カルボキシル基を有する化合物の無水物を反応させる方法もあるが、ブロック共重合体同士が架橋することもあるため好ましくない。前述のようにブロックを構成するモノマーを順次重合反応させる方法が好ましい。
上記リビングラジカル重合法とは、ラジカル重合の簡便性と汎用性を保ちつつ、分子構造の精密制御を可能にする重合法である。リビングラジカル重合法には、重合成長末端を安定化させる手法の違いにより、遷移金属触媒を用いる方法(ATRP法)、硫黄系の可逆的連鎖移動剤を用いる方法(RAFT法)、有機テルル化合物を用いる方法(TERP法)等の方法がある。ATRP法は、アミン系錯体を使用するため、酸性基を有するビニルモノマーの酸性基を保護せず使用することができない。RAFT法は、多種のモノマーを使用した場合、低分子量分布になりづらく、かつ硫黄臭や着色等の不具合がある。これらの方法のなかでも、使用できるモノマーの多様性、高分子領域での分子量制御、着色の観点から、TERP法を用いることが好ましい。
TERP法とは、有機テルル化合物を重合開始剤として用い、ラジカル重合性化合物を重合させる方法であり、例えば、国際公開2004/14848号及び国際公開2004/14962号に記載された方法である。
具体的には、下記(a)〜(d)を用いて重合する方法が挙げられる。
(a)一般式(2)で表される有機テルル化合物、
(b)一般式(2)で表される有機テルル化合物とアゾ系重合開始剤の混合物、
(c)一般式(2)で表される有機テルル化合物と一般式(3)で表される有機ジテルル化合物の混合物、又は
(d)一般式(2)で表される有機テルル化合物、アゾ系重合開始剤及び一般式(3)で表される有機ジテルル化合物の混合物、
のいずれかを用いて重合する。
Figure 0006568392
(式(2)中、Rは、炭素数1〜8のアルキル基、アリール基又は芳香族ヘテロ環基を示す。R及びRは、それぞれ、水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基を示す。Rは、炭素数1〜8のアルキル基、アリール基、芳香族ヘテロ環基、アシル基、アミド基、オキシカルボニル基又はシアノ基を示す。)
Figure 0006568392
(式(3)中、Rは、炭素数1〜8のアルキル基、アリール基又は芳香族ヘテロ環基を示す。)
一般式(2)で示される有機テルル化合物は、具体的には(メチルテラニルメチル)ベンゼン、(メチルテラニルメチル)ナフタレン、エチル−2−メチル−2−メチルテラニル−プロピオネート、エチル−2−メチル−2−n−ブチルテラニル−プロピオネート、(2−トリメチルシロキシエチル)−2−メチル−2−メチルテラニル−プロピネート、(2−ヒドロキシエチル)−2−メチル−2−メチルテラニル−プロピネート、(3−トリメチルシリルプロパルギル)−2−メチル−2−メチルテラニル−プロピネート等を例示することができる。
一般式(3)で示される化合物は、具体的には、ジメチルジテルリド、ジエチルジテルリド、ジ−n−プロピルジテルリド、ジイソプロピルジテルリド、ジシクロプロピルジテルリド、ジ−n−ブチルジテルリド、ジ−s−ブチルジテルリド、ジ−t−ブチルジテルリド、ジシクロブチルジテルリド、ジフェニルジテルリド、ビス−(p−メトキシフェニル)ジテルリド、ビス−(p−アミノフェニル)ジテルリド、ビス−(p−ニトロフェニル)ジテルリド、ビス−(p−シアノフェニル)ジテルリド、ビス−(p−スルホニルフェニル)ジテルリド、ジナフチルジテルリド、ジピリジルジテルリド等を例示することができる。
アゾ系重合開始剤は、通常のラジカル重合で使用するアゾ系重合開始剤であれば特に制限なく使用することができる。例えば2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)(AIBN)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)(AMBN)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(ADVN)、1,1’−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボニトリル)(ACHN)、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート(MAIB)、4,4’−アゾビス(4−シアノバレリアン酸)(ACVA)、1,1’−アゾビス(1−アセトキシ−1−フェニルエタン)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチルアミド)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)(V−70)、2,2’−アゾビス(2−メチルアミジノプロパン)二塩酸塩、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)、2−シアノ−2−プロピルアゾホルムアミド、2,2’−アゾビス(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス(N−シクロヘキシル−2−メチルプロピオンアミド)等を例示することができる。
一般式(2)の化合物の使用量は、目的とするポリマーの物性により適宜調節すれば良いが、通常、モノマー1molに対し一般式(2)の化合物を0.05〜50mmolとするのがよい。
一般式(2)の化合物とアゾ系重合開始剤を併用する場合、通常、一般式(2)の化合物1molに対してアゾ系重合開始剤0.01〜10molとするのがよい。
一般式(2)の化合物と一般式(3)の化合物を併用する場合、通常、一般式(2)の化合物1molに対して一般式(3)の化合物0.01〜100molとするのがよい。
一般式(2)の化合物、一般式(3)の化合物及びアゾ系重合開始剤を併用する場合、通常、一般式(2)の化合物と一般式(3)の化合物の合計1molに対してアゾ系重合開始剤0.01〜100molとするのがよい。
重合反応は、無溶剤でも行うことができるが、ラジカル重合で一般に使用される有機溶媒あるいは水性溶媒を使用し、上記混合物を撹拌して行われる。使用できる有機溶媒は、例えば、ベンゼン、トルエン、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、アセトン、2−ブタノン(メチルエチルケトン)、ジオキサン、ヘキサフルオロイソプロパオール、クロロホルム、四塩化炭素、テトラヒドロフラン(THF)、酢酸エチル、トリフルオロメチルベンゼン等を例示することができる。また、水性溶媒としては、例えば、水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、1−メトキシ−2−プロパノール、ジアセトンアルコール等を例示することができる。
反応温度、反応時間は、得られるポリマーの分子量或いは分子量分布により適宜調節すればよいが、通常、0〜150℃で、1分〜100時間撹拌する。TERP法は、低い重合温度及び短い重合時間であっても高い収率と精密な分子量分布を得ることができる。
重合反応の終了後、得られた反応混合物から、通常の分離精製手段により、目的とするポリマーを分離することができる。
<顔料分散組成物>
本実施形態に係る顔料分散組成物は、上記のブロック共重合体を含有する分散剤、顔料及び分散媒体を含有する。
以下に、顔料分散組成物の各種構成成分等について、それぞれ説明する。
本発明で使用する顔料としては、有機顔料及び無機顔料のいずれでも特に限定なく使用でき、赤色顔料、黄色顔料、橙色顔料、青色顔料、緑色顔料、紫色顔料、黒色顔料、白色顔料等の各色の顔料が挙げられる。
有機顔料としては、モノアゾ系、ジアゾ系、縮合ジアゾ系等のアゾ系顔料、ジケトピロロピロール系、フタロシアニン系、イソインドリノン系、イソインドリン系、キナクリドン系、インディゴ系、チオインディゴ系、キノフタロン系、ジオキサジン系、アントラキノン系、ペリレン系、ペリノン系等の多環系顔料等が挙げられる。
無機顔料としては、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック顔料、二酸化チタン等が挙げられる。
顔料分散組成物に含まれる顔料は、目的により、顔料の種類、粒子径、処理の種類を選んで使用することが望ましい。また、顔料分散組成物に含まれる顔料は1種類のみであってもよいし、複数種類であってもよい。
顔料の具体例としては、C.I.Pigment Red 7、9、14、41、48:1、48:2、48:3、48:4、81:1、81:2、81:3、122、123、146、149、168、177、178、179、187、200、202、208、210、215、224、254、255、264等の赤色顔料;C.I.Pigment Yellow 1、3、5、6、14、55、60、61、62、63、65、73、74、77、81、93、97、98、104、108、110、128、138、139、147、150、151、154、155、166、167、168、170、180、188、193、194、213等の黄色顔料;C.I.Pigment Orange 36、38、43等の橙色顔料;C.I.Pigment Blue 15、15:2、15:3、15:4、15:6、16、22、60等の青色顔料;C.I.Pigment Green 7、36、58等の緑色顔料;C.I.Pigment Violet 19、23、32、50等の紫色顔料;C.I.Pigment Black 7等の黒色顔料;が挙げられる。
上記顔料の中でも、表面が塩基性に偏った顔料を用いることが好ましい。
本発明で使用する分散媒体としては、例えば従来公知の有機溶剤を使用することができ、これらを1種又は2種以上混合してもよい。有機溶剤としては、ヘキサン、トルエン等の炭化水素系溶剤;ブタンノン等のアルコール系溶剤;酢酸プロピル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤;シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤;ジエチレングリコールモノビチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコール系溶剤;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールジブチルエーテル等のグリコール系エステル又はエーテル溶剤;N−メチルピロリドン、ジメチルアセトアミド等のアミド系溶剤;エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等のカーボネート系溶剤;等が挙げられる。
本発明の顔料分散組成物は、必要に応じて色素誘導体、その他添加剤等を含んでいてもよい。
色素誘導体としては、本発明の分散剤の酸性基が顔料表面と水素結合やイオン結合等により吸着するものと推測されることから、塩基性であるアミノ基が導入された色素誘導体を使用することが好ましい。
本発明における色素誘導体とは、本発明の顔料分散組成物に使用される顔料と同じ分子構造の化合物や、その構造に類似した化合物、その顔料に使用される原料の構造やその類似構造のことであって、特に限定されない。例えば、アゾ系色素骨格、フタロシアニン系色素骨格、アントラキノン系色素骨格、トリアジン系色素骨格、アクリジン系色素骨格、ペリレン系色素骨格等が挙げられる。その塩基性であるアミノ基としては、1級、2級、3級、4級の従来公知のアミノ基や第4級アンモニウム塩であり、さらにはスルホアミド基も含まれる。該アミノ基は色素骨格に直接結合していてもよいが、アルキル基やアリール基などの炭化水素基;エステル、エーテル、スルホン、ウレタン結合によって炭化水素基を介して結合していてもよい。
その他添加剤としては、紫外線吸収剤、レベリング剤、消泡剤、光重合開始剤等の添加剤が挙げられ、樹脂としては例えば、感光性の樹脂ワニスと非感光性の樹脂ワニスが使用される。
感光性樹脂ワニスの具体例としては、例えば、感光性環化ゴム系樹脂、感光性フェノール系樹脂、感光性ポリアクリレート系樹脂、感光性ポリアミド系樹脂、感光性ポリイミド系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、ポリエステルアクリレート系樹脂、ポリエポキシアクリレート系樹脂、ポリウレタンアクリレート系樹脂、ポリエーテルアクリレート系樹脂、ポリオールアクリレート系樹脂等のワニス、或いはこれらに更に反応性希釈剤としてモノマーが加えられたワニスが挙げられる。上記感光性樹脂ワニスの中で好適な樹脂としては、分子中にフリーのカルボキシル基を有するアルカリ現像可能なアクリレート系の樹脂が望ましい。
非感光性の樹脂ワニスの具体例としては、例えば、セルロースアセテート系樹脂、ニトロセルロース系樹脂、スチレン系(共)重合体、ポリビニルブチラール系樹脂、アミノアルキッド系樹脂、ポリエステル系樹脂、アミノ樹脂変性ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アクリルポリオールウレタン系樹脂、可溶性ポリアミド系樹脂、可溶性ポリイミド系樹脂、可溶性ポリアミドイミド系樹脂、可溶性ポリエステルイミド系樹脂、ヒドロキシエチルセルロース、スチレン−マレイン酸エステル系共重合体の水溶性塩、(メタ)アクリル酸エステル系(共)重合体の水溶性塩、水溶性アミノアルキッド系樹脂、水溶性アミノポリエステル系樹脂、水溶性ポリアミド系樹脂等が挙げられ、これらは1種又は2種以上を組み合わせて使用される。
上記のように本発明の顔料分散組成物は、本発明のブロック共重合体を含有する分散剤、顔料及び分散媒体を少なくとも含み、必要に応じて色素誘導体、その他添加剤等を添加して顔料の分散がなされる。分散剤の配合量は特に限定されないが、顔料100質量部に対して5〜200質量部であることが好ましく、10〜100質量部であることがより好ましく、10〜50質量部であることが更に好ましい。分散剤の配合量が少なすぎると顔料を十分に分散させることができず、顔料分散剤の配合量が多すぎると顔料に吸着していない顔料分散剤が分散媒体に存在することになり好ましくない。顔料濃度は、被記録体に十分な着色濃度を与える濃度であれば特に制限されないが、0.5〜70質量%であることが好ましく、5〜50質量%であることが好ましい。70質量%を超えると、分散媒体中での顔料密度が高くなることで、顔料粒子の自由な移動が妨げられることによる凝集といった問題が発生する可能性がある。
顔料の分散方法としては、従来公知の方法を適用でき特に限定されない。例えば本発明の分散剤と、顔料と、分散媒体とを例えば、ペイントシェーカー、ビーズミル、ボールミル、ディソルバー、ニーダー等の混合分散機を用いて混合することにより得られる。
本発明のブロック共重合体を分散剤として使用すると、分散媒体中の顔料に優れた分散安定性を与えることができることから、本発明の顔料分散組成物は従来公知の着色剤に使用することができる。具体的には、インクジェットインク、カラーフィルター用インク、グラビアインキ、塗料、文具用インク、筆記具用インク、コーティング剤等の着色剤を挙げることができる。
以下、本発明について、具体的な実施例に基づいて、さらに詳細に説明する。本発明は、以下の実施例に何ら限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲において適宜変更して実施することが可能である。なお、実施例及び比較例における各種物性測定は、下記の方法に従って行った。
(重合率)
NMR(500MHz)にてH−NMRを測定し、モノマーのビニル基とポリマーのエステル側鎖のピーク面積比から重合率を算出した。
(重量平均分子量(Mw)及び分子量分布(PDI))
GPCにて、カラムはTSKgel SuperMultipore HZ−H(Φ4.6×150,TOSOH Co.Tokyo,Japan)×2(東ソー社製)、移動相としてテトラヒドロフラン、標準物質としてポリスチレン(東ソー社製、TSK Standard)を使用して検量線を作成し、重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)を測定した。これらの測定値から分子量分布(PDI)を算出した。
(酸価)
酸価は、固形分1gあたりの酸性成分を中和するのに要する水酸化カリウムの重量を表わしたものである。測定サンプルをテトラヒドロフランに溶解し、電位差滴定装置(商品名:GT−06、三菱化学社製)を用いて、得られた溶液を0.5M水酸化カリウム/エタノール溶液で中和滴定した。滴定pH曲線の変曲点を滴定終点として、次式により酸価を算出した。
A=56.11×Vs×0.5×f/w
A:酸価(mgKOH/g)
Vs:滴定に要した0.5M水酸化カリウム/エタノール溶液の使用量(mL)
f:0.5M水酸化カリウム/エタノール溶液の力価
w:測定サンプル重量(g)(固形分換算)
(粘度)
E型粘度計(商品名:TVE−22L、東機産業社製)を用い、1°34’×R24のコーンローターを使用して、25℃、ローター回転数60rpmで粘度を測定し、以下の基準により評価した。
○:20mPa・s未満
×:20mPa・s以上
(安定性)
粘度安定性は40℃1週間保存前後の粘度の変化率を評価し、初期粘度との変化率を以下の基準により評価した。
○:±5%未満
×:±5%以上
〔共重合体の製造〕
(実施例1)
アルゴンガス導入管、撹拌機及び温度計を備えた反応槽にメタクリル酸メチル(以下「MMA」という)22.74g、アゾビスイソブチニトリル(以下「AIBN」という)0.328g、プロピレングリコールモノメチルエーテル(以下「MP」という)22.74gを仕込み、アルゴン置換後、エチル−2−メチル−2−n−ブチルテラニル−プロピオネート(以下「BTEE」という)3.00g、ジブチルジテルリド(以下「DBDT」という)1.116gを加え、60℃で20時間反応させた。重合率は98.0%であった。
得られた溶液に、予めアルゴン置換したメタクリル酸ブチル(以下「BMA」という)45.48g、AIBN 0.328g、MP 45.48gの混合溶液を加え、60℃で20時間反応させた。重合率は99.2%であった。
得られた溶液に、予めアルゴン置換した4−メタクリロキシエチルトリメリット酸(以下「4−MET」という)22.92g、BMA 22.74g、メタクリル酸(以下「MAA」という)6.13g、AIBN 0.328g、MP 51.79gの混合溶液を加え、60℃で20時間反応させた。重合率は98.3%であった。
反応終了後、反応溶液にMP 50.00gを加え、攪拌しているn−ヘプタン 800mL中に注いだ。析出したポリマーを吸引ろ過、乾燥することにより共重合体を得た。得られた共重合体のMw、PDI、酸価を測定し、結果を表1に示した。
(実施例2)
アルゴンガス導入管、撹拌機及び温度計を備えた反応槽にMMA 21.39g、AIBN 0.328g、MP 21.39gを仕込み、アルゴン置換後、BTEE 3.00g、DBDT 1.116gを加え、60℃で20時間反応させた。重合率は99.0%であった。
得られた溶液に、予めアルゴン置換したBMA 42.77g、AIBN 0.328g、MP 42.77gの混合溶液を加え、60℃で20時間反応させた。重合率は99.0%であった。
得られた溶液に、予めアルゴン置換した4−MET 34.46g、BMA 21.39g、AIBN 0.328g、MP 84.85gの混合溶液を加え、60℃で20時間反応させた。重合率は98.3%であった。
反応終了後、反応溶液にMP 50.00gを加え、攪拌しているn−ヘプタン 800mL中に注いだ。析出したポリマーを吸引ろ過、乾燥することにより共重合体を得た。得えられた共重合体のMw、PDI、酸価を測定し、結果を表1に示した。
(比較例1)
アルゴンガス導入管、撹拌機及び温度計を備えた反応槽にMMA 19.90g、AIBN 0.328g、MP 18.90gを仕込み、アルゴン置換後、BTEE 3.00g、DBDT 1.116gを加え、60℃で20時間反応させた。重合率は100%であった。
得られた溶液に、予めアルゴン置換したBMA 18.90g、AIBN 0.328g、MP 18.90gの混合溶液を加え、60℃で20時間反応させた。重合率は99.3%であった。
得られた溶液に、予めアルゴン置換したBMA 18.90g、MAA 5.11g、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(以下「HEMA」という)と無水トリメリット酸との反応物(以下「TMA」という)19.10g、AIBN 0.328g、MP 43.11gの混合溶液を加え、60℃で20時間反応させた。重合率は97.3%であった。
反応終了後、反応溶液にMP 50.00gを加え、攪拌しているn−ヘプタン 800mL中に注いだ。析出したポリマーを吸引ろ過、乾燥することにより共重合体を得た。得えられた共重合体のMw、PDI、酸価を測定し、結果を表1に示した。
(比較例2)
アルゴンガス導入管、撹拌機及び温度計を備えた反応槽にMMA 40.00g、HEMA 20.00g、AIBN 0.656g、MP 60.00gを仕込み、アルゴン置換後、BTEE 3.00g、DBDT 1.116gを加え、60℃で20時間反応させた。重合率は99.2%であった。
得られた溶液に、予めアルゴン置換したBMA 18.90g、MAA 5.11g、TMA 19.10g、AIBN 0.328g、MP 43.11gの混合溶液を加え、60℃で20時間反応させた。重合率は99.1%であった。
反応終了後、反応溶液にMP 50.00gを加え、攪拌しているn−ヘプタン 800mL中に注いだ。析出したポリマーを吸引ろ過、乾燥することにより共重合体を得た。得えられた共重合体のMw、PDI、酸価を測定し、結果を表1に示した。
[顔料分散組成物の製造]
(実施例3)カラーフィルター用インクへの応用
顔料(C.I.Pigment Red 254、商品名:BKCF、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製)10質量%、分散剤(実施例1で得られた共重合体)3質量%、バインダー樹脂{メタクリル酸ベンジル/メタクリル酸=80/20の質量比で重合させたもの、Mw=9800、PDI=1.93、酸価127mgKOH/g、固形分40質量%のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(以下「PMA」という)溶液}3質量%、PMA 84質量%となるように配合を調整し、超音波ホモジュナイザーを用いて30分間混合し分散させることで顔料分散組成物を得た。
得られた顔料分散組成物の粘度、安定性を評価し、結果を表2に示した。
(実施例4)
共重合体を実施例2で得られた共重合体に変更した以外は、実施例3と同様にして、顔料分散組成物を得て、得られた顔料分散組成物の粘度、安定性を評価し、結果を表2に示した。
(比較例3)
共重合体を比較例1で得られた共重合体に変更した以外は、実施例3と同様にして、顔料分散組成物を得て、得られた顔料分散組成物の粘度、安定性を評価し、結果を表2に示した。
(比較例4)
共重合体を比較例2で得られた共重合体に変更した以外は、実施例3と同様にして、顔料分散組成物を得て、得られた顔料分散組成物の粘度、安定性を評価し、結果を表2に示した。
Figure 0006568392
Figure 0006568392
表2に示すように、本発明に従う実施例1及び2のブロック共重合体を分散剤として用いた実施例3及び4の顔料分散組成物は、低い粘度を有し、かつ粘度安定性に優れており、顔料の分散安定性に優れていることがわかる。

Claims (6)

  1. 2個以上のカルボキシル基を有し、前記カルボキシル基の少なくとも2個が芳香環上の互いに隣接する炭素原子に結合したビニルモノマーに由来する構造単位を含むAブロックと、(メタ)アクリル酸アルキルエステルに由来する構造単位を含むBブロックとを有し、酸価が30〜250mgKOH/gであり、
    前記Aブロックにおける前記ビニルモノマーが、下記一般式(1)で示されるビニルモノマーであり、
    前記Aブロックの含有量が、ブロック共重合体全体100質量%中において20質量%以上であり、
    前記Bブロックにおける前記(メタ)アクリル酸アルキルエステルに由来する構造単位の含有量が、前記Bブロック全体100質量%中において80質量%以上であり、
    前記Bブロックが、酸性基を有するビニルモノマーに由来する構造単位を実質的に含まない、ブロック共重合体。
    Figure 0006568392
    [式(1)中、Rは水素原子又はメチル基である。Rは炭素数が1〜10のアルキレン基であり、Rは水素原子又はカルボキシル基であり、kは1又は2である。]
  2. 前記ブロック共重合体が、リビングラジカル重合により重合されてなる、請求項1に記載のブロック共重合体。
  3. 請求項1又は2に記載のブロック共重合体を含有する、分散剤。
  4. 請求項3に記載の分散剤、顔料及び分散媒体を含有する、顔料分散組成物。
  5. 請求項1又は2に記載のブロック共重合体を製造する方法であって、
    リビングラジカル重合法で、前記Aブロック及び前記Bブロックのうち一方のブロックを構成するモノマーを重合して、一方のブロックを重合する工程と、
    前記一方のブロックを重合した後、前記Aブロック及び前記Bブロックのうち他方のブロックを構成するモノマーを重合して、他方のブロックを重合する工程とを備える、ブロック共重合体の製造方法。
  6. 前記リビングラジカル重合法による重合において、有機テルル化合物を用いる、請求項5に記載のブロック共重合体の製造方法。
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