JP4774780B2 - 酸性アクリルブロック樹脂 - Google Patents

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Description

本発明は、酸性アクリルブロック樹脂に関する。当該分散樹脂は、顔料分散性に優れ、印刷インキや塗料の使用適正の向上を図る顔料分散樹脂、樹脂型分散剤およびそれを含有する顔料組成物、ならびに顔料分散体に使用できる。
一般に各種コーティングまたはインキ組成物中において、鮮明な色調と高い着色力を発揮する実用上有用な顔料は微細な粒子からなっている。しかしながら顔料の微細な粒子は、オフセットインキ、グラビアインキおよび塗料のような非水系ビヒクルに分散する場合、安定な分散体を得るのは難しく、製造作業上および得られる製品の価値に重大な影響を及ぼす種々の問題引き起こす事が知られている。例えば、微細な粒子からなる顔料を含む分散体は往々にして高粘度を示し、分散機からの分散体の取り出し、輸送したりする際に困難を生じる。また、分散体が貯蔵中にゲル化を起こし使用できなくなる場合もある。あるいは、異種の顔料を混合して使用する場合、顔料の凝集による色分かれや沈降などの現象などの現象により、展色物において、色むらや著しい着色力の低下を引き起こすことがある。さらに、このような不安定な分散体の場合、展色物の塗膜表面状態が損なわれやすく、例えば光沢の低下、レべリング不良等が発生する事がある。特に液晶ディスプレーなどのフラットパネルディスプレーのカラーフィルターは高い透過性やコントラストが要求され、その為、カラーフィルター用顔料分散体は高い顔料の分散性や経時の安定性が必要とされる。
これらの問題を解決する為に樹脂中に顔料または顔料分散剤と吸着するような置換基を持たせ、顔料の分散性を向上させる提案がなされている。しかしこの方法によると、樹脂中にランダムに顔料との吸着基が導入されるために、樹脂部分と分散媒との親和性が弱まり、分散安定化に充分な吸着層を確保しにくくなったり、また、樹脂中への顔料吸着基の導入量が増加すると分散媒への溶解性が減少するため、分散安定化に充分な吸着層を確保できなくなったりするという問題がある。
さらにこの問題を解決する為に、樹脂中に顔料吸着基となる塩基性のブロックと溶剤溶解性を持つブロックを持つ樹脂を使用した顔料分散組成物が提案されている(特許文献1、2)。
しかしながら、カラーフィルターなどの製造工程において、顔料分散樹脂はパターニングされる際にアルカリ可溶である事が望まれる。しかし、カルボキシル基などの酸性基が存在するとリビング重合触媒毒となってリビング重合が進行しない。そこで、リビング重合終了後、リン酸基またはカルボキシル基を導入したブロックタイプの顔料分散樹脂が提案されている(特許文献3、4)が、顔料吸着基となる酸基の運動性の低さから、十分な効果を得るには至っていない。
特開2003−641389号公報 特開2004−54213号公報 特表2002−534542号公報 特開2004−66235号公報
本発明は、高い顔料分散性を有し、かつ、アルカリ現像可能な酸性のアクリルブロック樹脂を提供する事を目的としたものである。
本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、溶媒可溶性のブロック(A)と、カルボン酸基を有するブロック(B)とを含有する事を特徴とする、酸性アクリルブロック樹脂を顔料分散樹脂に使用する事で上記課題を解決したものである。
すなわち本発明は、カルボン酸基を実質的に有しないブロック(A)と、カルボン酸基を有するブロック(B)とを含有する酸性アクリルブロック樹脂であって、
カルボン酸基を有するブロック(B)が、水酸基を有するモノマーを含むモノマーをリビング重合してなる水酸基を有するブロック(B’)の水酸基を、水酸基と反応可能であり前記反応後カルボン酸基を存在させうる化合物(c)で変性させてなるものであるアクリルブロック樹脂に関する。
また、本発明は、リビング重合が、原子移動ラジカル重合である上記酸性アクリルブロック樹脂に関する。
また、本発明は、アクリルブロック樹脂の数平均分子量が、500〜50000である上記酸性アクリルブロック樹脂に関する。
また、本発明は、ブロック(A)とブロック(B)の質量割合が、(60〜99.5):(0.5〜40)である上記酸性アクリルブロック樹脂に関する。
また、本発明は、水酸基と反応可能であり前記反応後カルボン酸基を発生させうる化合物(c)が、環状ポリカルボン酸無水物である請求項1〜4いずれか記載の酸性アクリルブロック樹脂。
また、本発明は、さらに、水酸基と反応可能であり前記反応後カルボン酸基を発生させうる化合物(c)とともに、水酸基と反応可能であり、硬化性不飽和二重結合を有する化合物(d)を用いるものである上記酸性アクリルブロック樹脂に関する。
また、本発明は、さらに、上記酸性アクリルブロック樹脂の有するカルボキシル基または水酸基と、カルボキシル基または水酸基と反応可能であり、硬化性不飽和二重結合を有する化合物(e)とを反応させたものである酸性アクリルブロック樹脂に関する。
また、本発明は、リビング重合で得られてなる、水酸基を実質的に有しないブロック(A)と、水酸基を有するブロック(B’)を含有するブロック樹脂の水酸基と、
水酸基と反応する官能基を有し前記水酸基との反応後カルボン酸基を発生させうる化合物(c)の水酸基と反応する官能基とを、
反応させることを特徴とする酸性アクリルブロック樹脂の製造方法に関する。
また、本発明は、リビング重合が、原子移動ラジカル重合である上記酸性アクリルブロック樹脂の製造方法に関する。
また、本発明は、顔料と、上記酸性アクリルブロック樹脂と、顔料誘導体とを、有機溶剤または水中に分散してなる顔料分散体に関する。
また、本発明は、さらに、上記酸性ブロックアクリル樹脂以外の酸性樹脂を含む上記顔料分散体に関する。
また、本発明は、顔料誘導体が、塩基性基を有する顔料誘導体である上記顔料分散体に関する。
本発明により、インキおよび塗料などの顔料分散液において、非集合性、流動性などの使用適性および、塗布物の色調の鮮明性、光沢などを著しく向上し、アルカリ現像性を有する酸性アクリルブロック樹脂を提供する事ができた。
本発明の酸性アクリルブロック樹脂は、カルボン酸基を実質的に有しないブロック(A)と、カルボン酸基を有するブロック(B)とを含有する酸性アクリルブロック樹脂である。
本発明のアクリルブロック樹脂は、公知のブロック樹脂の合成手法が適用できる。合成される順番は、ブロック(A)が先でブロック(B)が後でも、ブロック(B)が先でブロック(A)が後でもよい。ブロック(B)は、重合当時はカルボン酸基がなくて、その後カルボン酸基を導入してもよい。
ブロック(A)、ブロック(B)は、それぞれ、単一の繰り返し単位を有する必要はなく、重合課程で、添加するモノマーの比率を変えてなる、いわゆるグラジエントコポリマーとなっていてもよい。

本発明のアクリルブロック樹脂は、例えば二段階解裂温度を持つ開始剤パーヘキサMC(日本油脂株式会社製)などを使用し合成する事ができる。
しかし、上記記載の開始剤による重合では副反応により重合体中にカルボン酸基を実質的に有しないブロック(A)のみのものや、カルボン酸基を有するブロック(B)のみのものが混入する事となり分散性の低下を招き、さらに樹脂の分子量がコントロールされない為に、分散樹脂として有効に働く成分の割合が低くなる為、分散樹脂の多量の添加が必要になる。
一方、リビング重合は一般的なラジカル重合に起こる副反応が抑制され、さらには重合の成長が均一に起こる為、容易にブロックポリマーや分子量の揃った樹脂が合成できる事が知られている。
なかでも、有機ハロゲン化物、ハロゲン化スルホニル化合物を開始剤とし、遷移金属錯体を触媒とする原子移動ラジカル重合法は、広範囲の単量体に適応できる点、既存の設備に適応可能な重合温度を採用できるなどの点で注目を集めている。(例えば、非特許文献2〜4,特許文献4〜7参照。)。これらの重合法を利用することにより、末端にハロゲンを有する分子量分布の狭いビニル系重合体が得られるようになった。本発明者は、カルボン酸基を実質的に有しないブロック(A)と、カルボン酸基を有するブロック(B)とを含有する酸性アクリルブロック樹脂を使用し分散を行う事で、高い分散性を有する顔料分散体が得られる事を見出し本発明に到達した。
(非特許文献1)Fukudaら、Prog. Polym. Sci. 2004, 29, 329。
(非特許文献2)Matyjaszewskiら、Chem.R e v.2001,10 1,2921。
(非特許文献3)Matyjaszewskiら、J.Am.Chem.Soc.1995,117,5614。
(非特許文献4)Macromolecules 1995,28,7901,Science 1996,272,866
(特許文献4)国際公開第96/30421号パンフレット
(特許文献5)国際公開第97/18247号パンフレット
(特許文献6)特開平9−208616号公報
(特許文献7)特開平8−41117号公報
本発明の酸性アクリルブロック樹脂はリビング重合によって合成される事が好ましく、特に原子移動ラジカル重合により合成されることが好ましい。
本発明で用いられるカルボン酸基を実質的に有しないブロック(A)は、溶剤や樹脂との相溶性の向上、立体反発による分散安定化などの効果に寄与し、顔料および顔料誘導体との相互作用が無ければ良く、使用する有機溶剤や水溶剤に合わせて適宜選択できる。
ブロック(A)を構成するためのモノマーの例としては例えば、エチレン、ブタ−1,3−ジエン、2−メチルブタ−1,3−ジエン、2−クロロブタ−1,3−ジエンのようなジエン類;
スチレン、α-メチルスチレンなどのスチレン類;
アクリル酸メチル、アクリル酸ノルマルブチル、アクリル酸ターシャリーブチル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸エチルヘキシル、パラクミルフェノールEO変性アクリレート、ノニルフェノールEO変性アクリレート、アクリル酸2−ビニロキシエチル、アクリル酸2−(2'−ビニロキシエトキシ)エチル、などのアクリル酸エステル類;
メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ノルマルブチル、メタクリル酸ターシャリーブチル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸エチルヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ベンジル、グリシジルメタクリレート、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸2−ビニロキシエチル、メタクリル酸2−(2'−ビニロキシエトキシ)エチルなどのメタクリル酸エステル類;
アクリルアミド、メタクリルアミド、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどの(メタ)、アクリル酸誘導体;
酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル、酪酸ビニルのようなビニルエステル類;
ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテルなどのビニルエーテル類;
ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルケトン類、N−ビニルピロール、N−ビニルカルバゾル、N−ビニルインドール、N-ビニルピロリドンなどのN-ビニル化合物;アリルアルコール、塩化アリル、酢酸アリル、塩化ビニル、塩化ビニリデンのようなアリル化合物;フッ化ビニル、フッ化ビニリデンなどのフッ素アルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル類等が挙げられ、これらは単独で使用しても良いし、また2種類以上を併用しても良い。
また本発明のカルボン酸基を実質的に有しないブロック(A)自身も、ブロックの構造を取る事ができ、この場合本発明の酸性アクリルブロック樹脂はトリブロック樹脂となる。
また本発明のカルボン酸基を有するブロック(B)は、リビング重合で形成される場合は、直接カルボキシル基を有するモノマーを使用する事は困難であり、一旦、水酸基を含むアクリルモノマーで重合して水酸基を有するブロック(B’)とした後、ブロック(B’)の水酸基と酸無水物などの反応により形成されるものである。
水酸基を含むアクリルモノマーの例としては特に限定されないが、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシビニルベンゼン、2−ヒドロキシ-3-フェノキシプロピルアクリレートまたはこれらモノマーのカプロラクトン付加物などが挙げられる。
ブロック(B’)の水酸基は、カルボン酸基へ変性される。このとき、水酸基と反応可能であり前記反応後カルボン酸基を存在させうる化合物(c)を使用する。水酸基と反応可能とするために化合物(c)は、水酸基と反応可能な官能基を有する。このような官能基として、カルボン酸無水物基、カルボン酸基、カルボン酸エステル基、カルボン酸アミド基、カルボン酸ハロゲン基、エポキシ基、イソシアネート基、カルボジイミド基、ビニルオキシ基、ハロゲン基などが挙げられる。
さらに、化合物(c)は、ブロック(B’)の水酸基と反応後に、カルボキシル基が存在させることができるものでなければならない。そのためには、化合物(c)は、水酸基と反応可能な官能基以外にカルボキシル基を有しているか、水酸基との反応によってカルボン酸が発生するものでなければならない。
水酸基と反応可能な官能基と、カルボキシル基とを有している化合物としては、カルボン酸基を有するエポキシ化合物類、カルボン酸基を有するカルボニルクロリド類、カルボン酸基を有するスルホニルクロライド類、カルボン酸基を有するイソシアネート類、カルボン酸基を有するクロロトリアジン類などが挙げられる。また水酸基との反応後にカルボン酸基を導入できる化合物としては、酸による加水分解によりカルボン酸を生成可能なターシャリーブチルエステル基などと上記水酸基と反応可能な置換基を同一分子内に持つ化合物も挙げられる。
水酸基との反応によってカルボン酸が発生するような官能基として、ポリカルボン酸無水物基があり、これを有する化合物として、環状ポリカルボン酸無水物がある。環状ポリカルボン酸無水物としては、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸、無水琥珀酸、無水トリメリット酸、無水フタル酸、テトラヒドロフタル酸無水物、ヘキサヒドロフタル酸無水物、無水ヘット酸、テトラブロモ無水フタル酸、無水ハイミック酸およびその誘導体等が挙げられ、これらを単独で用いても併用して用いても良い。
水酸基とポリカルボン酸無水物基との反応は、公知の条件に従って行う事ができる。
またこの場合ブロック(B)中に顔料との吸着基となるカルボン酸基が密に存在すると、分散樹脂に吸着した顔料同士の凝集を招く事がある。従って、ブロック(B’)に適度な間隔でカルボン酸基を持たす為に、ブロック(B’)の水酸基の一部をカルボン酸へと変性しても良い。
本発明の酸性アクリルブロック樹脂のブロック(A)とブロック(B)の質量割合は、(60〜99.5):(0.5〜40)である事が好ましく、ブロック(B)の質量割合が40以上であると、樹脂の分散溶剤への溶解性が低下し、分散不良を招き、またブロック(B)の質量割合が0.5以下であると、樹脂と顔料との吸着部位が少なく顔料の凝集を防ぐ事が困難となる。
本発明の酸性アクリルブロック樹脂は、
水酸基と反応可能であり、硬化性不飽和二重結合を有する化合物(d)、あるいは、
カルボキシル基または水酸基と反応可能であり、硬化性不飽和二重結合を有する化合物(e)
を反応させる事で酸性アクリルブロック樹脂に光硬化性あるいは熱硬化性を持たせる事ができる。
例えば、化合物(c)の反応の前に、化合物(d)と、ブロック(B’)の水酸基とを反応させてよい。
また、化合物(c)と共に、化合物(d)を用いてもよい。
また、化合物(c)と反応後の酸性アクリルブロック樹脂に、化合物(e)を反応させてもよい。この場合、硬化性不飽和二重結合の導入量は、ブロック(B’)の全水酸基の20〜60モル%が好ましい。
化合物(d)または化合物(e)の、水酸基と反応可能な官能基としては、化合物(c)のそれと同じものを例示できる。また、化合物(e)の、カルボキシル基と反応可能な官能基としては、イソシアネート基、グリシジル基、ビニルオキシ基、アミノ基、カルボン酸ハロゲン基、オキサゾリン基、イソチオシアネート基、カルボジイミド基などが挙げられる。
化合物(d)および化合物(e)としては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートグリシジルエーテル、グリシジルアリルエーテル、2,3−エポキシ−2−メチルプロピル(メタ)アクリレート、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチル(メタ)アクリレート、4−ビニル−1−シクロヘキセン1,2エポキシド、グリシジルシンナメート、1,3−ブタジエンモノエポキサイド、セロキサイド2000(ダイセル化学工業株式会社製)などが挙げられる。
水酸基と反応しうる官能基と重合性二重結合とを有する化合物としては、メタクリロイルオキシエチルイソシアネート(MOI)、アクリロイルオキシエチルイソシアネート(AOI)、メタクリロイルオキシエチルイソチオシアネート、アクリロイルオキシエチルイソチオシアネート、メタクリロイルイソチオシアネート、アクリロイルイソチオシアネート、ビニルイソシアネート、アリルイソシアネート、(メタ)アクリロイルイソシアネート(MAI)、イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシアネート(TMI)等がある。また、1,6ージイソシアナトヘキサン、ジイソシアン酸イソホロン、ジイソシアン酸4,4'−ジフェニルメタン、ポリメリックジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、2,4−ジイソシアン酸トリレン、ジイソシアン酸トルエン、2,4−ジイソシアン酸トルエン、ジイソシアン酸ヘキサメチレン、ジイソシアン酸4−メチル−m−フェニレン、ナフチレンジイソシアネート、パラフェニレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、シクロヘキシルメタンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、シクロヘキシルジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、m−テトラメチルキシリレンジイソシアネート、p−テトラメチルキシリレンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート等のジイソシアン酸エステル化合物と水酸基、カルボキシル基、アミド基含有ビニルモノマーとを等モルで反応せしめた化合物もイソシアン酸エステル化合物として使用することができる。
あるいは、(メタ)アクリル酸の酸ハロゲン化物、ハロプロピオン酸類またはその酸ハロゲン化物などが挙げられる。ハロプロピオン酸類またはその酸ハロゲン化物を使用した際には、生成したハロプロピオン酸エステル化合物を、脱ハロゲン化水素して、(メタ)アクリル酸エステル化合物を製造することにより、硬化後の硬度を上げることができる。
上記化合物の中でも、環状ポリカルボン酸無水物で不飽和二重結合を有するものが望ましく、例えば無水マレイン酸、テトラヒドロフタル酸無水物または分子内にアクリレート基と環状ポリカルボン酸構造を有するものを使用するのが好ましい。
また重合反応やその後のカルボン酸基の導入に差し支えない場合、カルボン酸基を実質的に有しないブロック(A)に不飽和二重結合や熱硬化性基を導入できる官能基を持たせ、酸性ブロックアクリル樹脂に光硬化性・熱硬化性を持たせる事ができる。
本発明に使用する原子移動ラジカル重合では、一般的なラジカル重合中に発生する副反応が抑制される為に、重合の際に添加する原子移動ラジカル重合の開始剤とラジカル重合性モノマーとの仕込み比によって、分散樹脂の分子量を自由にコントロールできる。
本発明の酸性アクリルブロック樹脂の数平均分子量(Mn)としては、通常500〜50000が好ましく、特に3000〜30000がさらに好ましい。上記数平均分子量の(Mn)が500未満であると、ブロック(A)による立体反発の効果、溶剤溶解性または樹脂との相溶効果が少なく、顔料の凝集を防ぐ事が困難となり、分散体の粘度が上昇してしまうことがある。またMnが50000以上であると、分散に必要な樹脂の酸性アクリルブロック樹脂の添加量が多くなり、塗膜中の顔料濃度の低下を招く。
本発明における酸性アクリルブロック樹脂は原子移動ラジカル重合法において製造される為、その分子量分布(重量平均分子量:Mw/数平均分子量:Mn)は通常2.0以下、好ましくは1.5以下である。
原子移動ラジカル重合法にはレドックス触媒として銅、ルテニウム、鉄、ニッケルなどの遷移金属錯体を用いて行われ、使用される遷移金属錯体の具体的な例としては、塩化銅(I)、臭化銅(I)などの低原子価のハロゲン化遷移金属が挙げられるが、重合速度をコントロールするために、周知の方法に従って塩化銅(II)や臭化銅(II)などの高原子価の遷移金属を重合系に添加してもよい。
原子移動ラジカル重合法に使用される開始剤としては公知のものを使用できるが、主に反応性の高い炭素ハロゲン結合を有する有機ハロゲン化物、ハロゲン化スルホニル化合物等が開始剤として用いられる。具体的に例示すると、ブロモイソ酪酸エチル、ブロモ酪酸エチル、クロロイソ酪酸エチル、クロロ酪酸エチル、2−ブロモメチルパラトルエンスルホン酸クロライド、ブロモエチルベンゼン、クロロエチルベンゼンなどが挙げられる。
上記金属錯体には有機配位子が使用される。有機配位子は、重合溶媒への可溶性およびレドックス共役錯体の可逆的な変化を可能にするために使用される。金属の配位原子としては、窒素原子、酸素原子、リン原子、硫黄原子などが挙げられるが、好ましくは窒素原子またはリン原子である。有機配位子の具体例としては、スパルテイン、2,2'-ビピリジル及びその誘導体、1,10−フェナントロリン及びその誘導体、テトラメチルエチレンジアミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、トリス(ジメチルアミノエチル)アミン、トリフェニルホスフィン、トリブチルホスフィン等が挙げられる。
前記の遷移金属(M)と有機配位子とは、別々に添加して重合体中で金属錯体を生成させてもよいし、予め金属錯体を合成して重合系へ添加しても良い。特に、銅の場合前者の方法が好ましく、ルテニウム、鉄、ニッケルは後者の方法が好ましい。
予め合成されるルテニウム、鉄、ニッケル錯体の具体例としては、トリストリフェニルホスフィノニ塩化ルテニウム(RuCl2(PPh33)、ビストリスフェニルホスフィノニ塩化鉄(FeCl2(PPh32)、ビストリスフェニルホスフィノニ塩化ニッケル(NiCl2(PPh32)、ビストリブチルホスフィノニ臭化ニッケル(NiBr2(PBu3)2)等が挙げられる。
上記原子移動ラジカル重合において、原子移動ラジカル重合の開始剤は、ラジカル重合性モノマー全体に対し、通常合わせて0.01〜10モル%、好ましくは0.1〜2モル%の割合で用いられる。また、遷移金属の使用量は、ハロゲン化物などの形態として、開始剤1モルに対して、通常0.03〜3モル、好ましくは0.1〜2モルの割合で用いられる。さらに、その配位子は、上記の遷移金属(ハロゲン化物などの形態)1モルに対して、通常0.01〜3モル、好ましくは0.1〜1モルの割合で用いられる。さらに、その配位子は、上記の遷移金属(ハロゲン化物などの形態)1モルに対して、通常1〜5モル、好ましくは2〜3モルの割合で用いられる。上記原子移動ラジカル重合の開始基を有する芳香環、複素環、縮合芳香環と遷移金属および配位子とをこのような使用割合にすると、リビングラジカル重合の反応性、生成ポリマーの分子量などに好結果が得られる。
このような原子移動ラジカル重合は無溶剤でも進行させることができるし、酢酸ブチル、トルエン、キシレン、アニソール、MEKなどの溶剤の存在下で進行させてもよい。溶剤を用いる場合、重合速度の低下を防ぐため、重合終了後の溶剤濃度が50重量%以下となる少量の使用量とするのがよい。無溶剤または少量の溶剤量でも、重合熱の制御などに関する安全性の問題は特に無く、むしろ溶剤削減によって経済性や環境対策などの面で好結果が得られる。
重合条件としては、重合速度や触媒の失活の点より、60〜130℃の重合温度で、最終的な分子量や重合温度にも依存するが、約1〜100時間の重合時間とすればよい。また、重合反応に際しては、酸素による重合触媒の失活を防ぐ為、窒素やアルゴンなどの不活性ガス雰囲気下で行われるのが望ましい。
ブロック共重合体の合成は周知の方法によって行う事が出来るが、1段階目にカルボン酸基を実質的に有しないブロック(A)を形成するモノマーを重合し、重合収率が90%〜95%を超えた後、水酸基を有するブロック(B’)を形成するモノマーを添加して重合を行うのが良い。
またこの場合ブロック(B)中に顔料との吸着基となるカルボン酸基が密に存在すると、分散樹脂に吸着した顔料同士の凝集を招く事がある。従って、ブロック(B)に適度な間隔でカルボン酸基を持たす為に、水酸基を有するブロック(B’)を形成する際は水酸基を有するモノマーと水酸基を有しないモノマーを併用して用いても良い。
本発明の酸性アクリルブロック樹脂はカルボン酸基を有するブロック(B)がカルボン酸基を実質的に有しないブロック(A)に挟まれた形、すなわちABAトリブロックを形成するものであっても良い。
重合反応終了後、例えば重合反応系を0℃以下、好ましくは−78℃程度に冷却して反応を停止させ、周知の方法に従って、残存モノマー及び/または溶剤の除去、適当な溶媒中での再沈殿、沈殿したポリマーの濾過または遠心分離、ポリマーの洗浄および乾燥を行う事ができる。必要に応じ、THF、トルエン等の有機溶媒で反応混合液を希釈し、希塩酸やアミン水溶液などで洗浄、またはアルミナ・シリカまたはクレーのカラム若しくはパッドに通す、還元剤やハイドロサルタイト類などの吸着剤を加えた後に濾過・遠心分離するなど、周知の方法により重合系に含まれる遷移金属などを除去した後、揮発分を蒸発させることによって本発明の酸性アクリルブロック樹脂を得ることが出来る。
本発明の酸性アクリルブロック樹脂は、さらに顔料と樹脂と塩基性基を有する顔料誘導体と溶剤とを含んで顔料分散組成物とすることができる。また、顔料と本発明の酸性アクリルブロック樹脂と塩基性基を有する顔料誘導体とを、有機溶剤あるいは水中に分散してなる顔料分散体とすることができる。
本発明の酸性アクリルブロック樹脂は、一般に市販されている顔料に優れた分散効果を発揮する。例えば、可溶性および不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料等のアゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、キナクリドン系顔料、イソインドリノン系顔料、ペリレン・ペリノン系顔料、ジオキサジン系顔料、アントラキノン系顔料、ジケトピロロピロール系顔料、アンスラピリミジン系顔料、アンサンスロン系顔料、インダンスロン系顔料、フラバンスロン系顔料、チオインジゴ系顔料等の有機顔料および、カーボンブラック、酸価チタン、黄鉛、カドミウムイエロー、カドミウムレッド、弁柄、鉄黒、亜鉛華、紺青、群青等の無機顔料に用いる事ができる。
本発明の酸性アクリル樹脂は塩基性基を有する顔料誘導体と併用する事で、非常に良好な顔料分散性を示す。
また、本発明の顔料分散体に使用される塩基性基を有する顔料誘導体としては、公知のものを使用することができるが、好ましくは、下記一般式(1)で示される顔料誘導体を使用する。
P−〔X−Y−Z−N(R1 )R2 〕n 一般式(1)
(式中、Pは有機色素残基であり、Xは、S、C、N、O、Hから選ばれる2〜15個の原子で構成される化学的に合理的な組合せからなる2価の結合基であり、Yは、直接結合、−NR−(但し、RはHまたは炭素数1〜18のアルキル基)または−O−であり、Zは炭素数1〜6のアルキレン基であり、R1 、R2 は、それぞれ独立の置換されていてもよい炭素数1〜18のアルキル基(はR1 とR2 とで複素環を形成してもよい。)であり、nは1〜3の整数を表す。)
有機色素残基Pとして具体的には、ジケトピロロピロール系色素、アゾ、ジスアゾ、ポリアゾ等のアゾ系色素、フタロシアニン系色素、ジアミノジアントラキノン、アントラピリミジン、フラバントロン、アントアントロン、インダントロン、ピラントロン、ビオラントロン等のアントラキノン系色素、キナクリドン系色素、ジオキサジン系色素、ペリノン系色素、ペリレン系色素、チオインジゴ系色素、イソインドリン系色素、イソインドリノン系色素、キノフタロン系色素、スレン系色素、金属錯体系色素等の色素である。
Xとしては例えば、−SO2 −、−CO−、−CH2 −、−CH2 S−、−CR、H2 O−、−
COO−、−NH−、−CH2 NHCOCH−、またはこれらの組合せが挙げられるが、なかでも−SO2 −、
−CO−、−CH2 −が好ましい。又、R1 とR2 とで複素環を形成した場合、該複素環の炭素以外の構成元素としてはN、O、Sが挙げられる。
なお、有機顔料の分子骨格と顔料誘導体におけるPの分子骨格とは必ずしも一致している必要はないが、通常色相の関係から同一の系のものを組み合わせ、特に青色顔料に対してはフタロシアニン系残基、赤色顔料に対してはキナクリドン系残基、ジケトピロロピロール系残基、ベンズイミダゾール残基、黄色顔料に対してはベンズイミダゾール系残基を組み合わせることが好ましい。
顔料誘導体として具体的には、下記a〜gが挙げられる。
有機色素残基 置換基
a:C.I.ピグメントブルー15 −SO2 NH(CH2 )2 N(C2 52
b:C.I.ピグメントエロー24 −SO2 NH(CH2 )2 N(C372
c:C.I.ピグメントバイオレット19 −SO2 NH(CH2 )3 N(C492
d:C.I.ピグメントブルー15 −CH2 S−CH2 N(C3 7 2
e:C.I.ピグメントエロー83 −SO2 NH(CH2 )3 N(C252
f:C.I.ピグメントエロー108 −CH2 O−CH2 N(C252
g:C.I.ピグメントバイオレット19 −CH2 S−CH2 N(C492
また、本発明の顔料分散体に使用する顔料誘導体は、顔料分散体中の顔料100重量部に対し好ましくは0.5〜30重量部、更に好ましくは5〜20重量部の割合で使用するのが好ましい。
また、本発明の顔料分散体に使用される有機溶剤としては、本発明の酸性アクリルブロック樹脂が溶解するものであれば限定されないが、シクロヘキサン、n-ヘプタンなどの脂肪族炭化水素類、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジアセトンアルコール、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコールなどのアルコール類、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチルなどの酢酸エステル類、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブなどのグリコールエーテル類、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、酢酸セロソルブ、酢酸メトキシブチルなどのグリコールエステル類などが挙げられる。
酸性アクリルブロック樹脂の使用量は、顔料100重量部に対して固形分換算で5〜300重量部が好ましい。特に、濃縮分散体として使用する場合、顔料100重量部に対して酸性アクリルブロック樹脂が固形分換算で10〜150重量部が好ましく、塗料または印刷インキとして使用する場合は、顔料100重量部に対して酸性アクリルブロック樹脂が固形分換算で30〜300重量部が好ましい。顔料100重量部に対して酸性アクリルブロック樹脂が30重量部より少ないと顔料が分散しにくくなり、300重量部より多いと着色が低いため塗料または印刷インキとして使用に適さない場合がある。なお、塗料または印刷インキとして使用する場合には、メラニン樹脂・エポキシ樹脂等の硬化剤樹脂や硬化触媒、界面活性剤等を添加しても良い。本発明の酸性アクリルブロック樹脂の顔料に対する配合は、顔料100重量部に対して、5〜200重量部が好ましい。5重量部より少ないと顔料分散効果が小さく好ましくない。また、200重量部より多く用いても用いた分の効果が得られなく塗膜性能に悪影響を及ぼす。
本発明の顔料分散体において酸性アクリルブロック樹脂は分散樹脂として単独で用いても良いが、別の樹脂と併用して使用しても良く、その際併用して使用する樹脂は本発明による酸性アクリルブロック樹脂と相溶するものであれば良いが、着色感光性組成物として露光・現像されるものが望ましく樹脂中に酸性基や不飽和二重結合を有するものが好ましい。また、この際使用される割合としては、顔料分散体中の顔料100重量部に対し、5〜200重量部が好ましい。
本発明の酸性アクリルブロック樹脂と併用して顔料分散体に使用される樹脂としては、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、セルロース誘導体(例えば、エチルセルロース、酢酸セルロース、ニトロセルロース)、塩ビ−酢ビ共重合体、ポリアマイド樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ブタジエンーアクリルニトリル共重合体、アクリル系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、スチレン−マレイン酸系樹脂、ロジン系樹脂、ロジンエステル系樹脂、エチレン−酢ビ系樹脂、石油樹脂、クマロンインデン系樹脂、テルペンフェノール系樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、エポキシ系樹脂、セルロース系樹脂、塩酢ビ系樹脂、キシレン樹脂、アルキッド樹脂、脂肪族炭化水素樹脂、ブチラール樹脂、シリコン樹脂、マレイン酸樹脂、フマル酸樹脂等が挙げられるが、特に本発明の酸性アクリルブロック樹脂と相溶性の良好なアクリル樹脂、さらに詳しくは酸性基、不飽和二重結合を有するアクリル樹脂を用いるのが好ましい。
また、本発明の顔料分散体にはさらに市販の分散剤を添加しても良く、その場合、市販の分散剤は酸性基を有するものが望ましい。
本発明の酸性アクリルブロック樹脂の使用方法としては、例えば次のような方法がある。
1. 顔料と酸性アクリルブロック樹脂を予め混合して得られる顔料組成物を、非水系または水系ビヒクル添加して分散する。
2. 非水系または水系ビヒクルに顔料と酸性アクリルブロック樹脂を添加して分散する。
3. 非水系または水系ビヒクルに顔料と酸性アクリルブロック樹脂を予め別々に分散し、得られた分散体を混合する。この場合、酸性アクリルブロック樹脂を溶剤のみで分散しても良い。
4. 非水系または水系ビヒクルに顔料を分散した後、得られた顔料分散体に酸性アクリルブロック樹脂を添加する。
等の方法があり、これらのいずれかによって目的とする効果が得られる。
顔料組成物の調整法としては、顔料粉末と本発明の酸性アクリルブロック樹脂とを単に混合しても十分な分散効果が得られるが、ニーダー、ロール、アトライター、スーパーミル、各種粉砕機、分散機等により機械的に混合するか、顔料の水または有機溶剤によるサスペンジョン系に本発明の酸性アクリルブロック樹脂を含む溶液を添加し、顔料表面に酸性アクリルブロック樹脂を沈着させるか、硫酸等の強い溶解力を持つ溶媒に有機顔料と酸性アクリルブロック樹脂を共溶解して水等の貧溶媒により共沈させる等の賢密な混合法を行えば、更に良好な結果を得る事ができる。また、非水系または水系ビヒクル、あるいは溶剤中への顔料または酸性アクリルブロック樹脂の分散、混合等に、分散機械としてディソルバー、ハイスピードミキサー、ホモミキサー、ニーダー、2本ロールミル、3本ロールミル、サンドミル、アトライター等を使用することにより顔料の良好な分散ができる。
本発明の酸性のブロック樹脂は光硬化性不飽和二重結合と酸基を有する為に、顔料分散体にした後、公知の方法に従って光開始剤・増感剤を添加し、マスクして活性エネルギー線を照射する事で光硬化させる事ができる。未露光部分をアルカリ現像する事でパターン形成する事ができる。
以下実施例を挙げ、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。尚、実施例中の部は重量部、%は重量%を示す。
製造例1−水酸基含有ブロック樹脂の合成−
温度計、攪拌装置、還流冷却管、窒素ガス導入管を備えた四つ口フラスコに、MEK 244部、ノルマルブチルメタクリレート244部、ブロモイソ酪酸エチル4.2部、テトラメチルエチレンジアミン10部を仕込み、30分窒素を導入した。塩化第一銅 4.2部を投入し、窒素気流下で70℃まで昇温して重合を開始した。3時間重合後、重合溶液をサンプリングし、重合の固形分から重合収率が95%である事を確認した。GPC測定の結果ポリマーの数平均分子量Mnは10600であり、分子量分布:Mw/Mn=1.2であった。続けて反応容器にメチルエチルケトン56部と2−ヒドロキシエチルメタクリレート56部を添加し、70℃で3時間重合を行った。重合後の固形分より換算した重合収率は100%であった。重合物のGPC測定の結果、数平均分子量は12500, 分子量分布 はMw/Mn=1.3と単一ピークであり狭分布であった事から、水酸基を有するブロックアクリル樹脂(a)を得た事を確認した。
製造例2−環状酸無水物による変性−
製造例1で得られた水酸基を有するブロックアクリル樹脂(a)溶液600部に、無水琥珀酸(新日本理化株式会社製:リカシッドSA)を43部加え、85℃に昇温した。続いて1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン(東京化成工業株式会社製)を2.7部添加し、5時間反応を行った。反応後の生成物のIR測定において酸無水物に由来する1782cm-1 および 1862cm-1の吸収は消失していた。反応生成物の酸価は69mgKOH/gでありカルボン酸基を有するブロックを持つ酸性アクリルブロック樹脂(b)を得た。
製造例3−環状酸無水物による変性−2
製造例1で得られた水酸基を有するブロックアクリル樹脂(a)溶液600部に、無水マレイン酸を42部、メトキノン1.0部加えた後85℃に昇温した。続いて1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセンを2.7部添加し、5時間反応を行った。反応後の生成物のIR測定において酸無水物に由来する1782cm-1 および 1862cm-1の吸収は消失していた。反応生成物の酸価は68mgKOH/gであり、カルボン酸基を有するブロックおよび不飽和二重結合基を有する酸性アクリルブロック樹脂(c)を得た。
製造例4−不飽和二重結合の導入−
製造例2で得られたカルボン酸基を有する酸性アクリルブロック樹脂(b)溶液216部に、グリシジルメタクリレート10部、メトキノン0.3部を加え、乾燥空気気流下85℃に昇温した。ジメチルベンジルアミン0.9部を加え5時間反応させた。反応後の生成物の酸価は38mgKOH/gであり、不飽和二重結合を有する酸性アクリルブロック樹脂(d)を得た。
製造例5−不飽和二重結合の導入−
製造例1で得られた水酸基を有するアクリルブロック樹脂(a)溶液200部に、イソシアネートエチルメタクリレート11部、無水琥珀酸7.2部、メトキノン0.35部を加え、ラウリン酸ジブチル錫(DBTDL)を0.12部、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン0.95部を添加し、乾燥空気気流下85℃で5時間反応させた。反応後の生成物のIR測定においてイソシアネート基による2275cm-1の吸収、および酸無水物に由来する1782cm-1 および 1862cm-1の吸収は消失していた。反応生成物の酸価は35mgKOH/gであり不飽和二重結合を有する酸性アクリルブロック樹脂(e)を得た。
比較製造例1−水酸基含有ランダム樹脂の合成−
温度計、攪拌装置、還流冷却管、窒素ガス導入管を備えた四つ口フラスコに、MEK 300部、ノルマルブチルメタクリレート244部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート56部、ブロモイソ酪酸エチル4.2部、テトラメチルエチレンジアミン10部を仕込み、30分窒素を導入した。塩化第一銅 4.2部を投入し、窒素気流下で70℃まで昇温して重合を開始した。6時間重合後、重合溶液をサンプリングし、重合の固形分から重合収率が100%である事を確認した後、反応溶液を0℃に冷却した。GPC測定の結果、ポリマーの数平均分子量Mnは13000、分子量分布:Mw/Mn=1.3であり水酸基を有するランダム樹脂を得た。上記製造例2と同様の方法で水酸基を有するランダム樹脂をカルボン酸基を有するランダム樹脂へと変換した。樹脂の酸価は65mgKOH/gであり、酸無水物に由来する赤外吸収は観測されず、酸性ランダムアクリル樹脂(f)を得た。
比較製造例2−エステル加水分解によるカルボン酸ブロック樹脂の合成−
温度計、攪拌装置、還流冷却管、窒素ガス導入管を備えた四つ口フラスコに、トルエン 64部、ノルマルブチルメタクリレート64部、ブロモイソ酪酸エチル1.1部、ペンタメチルジエチレントリアミン1.3部を仕込み、30分窒素を導入した。塩化第一銅 1.1部を投入し、窒素気流下で70℃まで昇温して重合を開始した。4時間重合後、重合溶液をサンプリングし、重合の固形分から重合収率が95%である事を確認した。GPC測定の結果ポリマーの数平均分子量Mnは11300であり、分子量分布:Mw/Mn=1.4であった。続けて反応容器にトルエン16部とターシャリーブチルアクリレート16部を添加し、70℃で5時間重合を行った。重合後の固形分より換算した重合収率は98%であった。重合物のGPC測定の結果、数平均分子量は15500, 分子量分布 はMw/Mn=1.5と単一ピークであり狭分布であった事から、ターシャリーブチルエステル基のユニットを有するブロックアクリル樹脂を得た事を確認した。続いてこの樹脂溶液にp-トルエンスルホン酸1水和物 0.5部を添加し、これを110℃で3時間加熱還流させながら反応させた。反応後、p−トルエンスルホン酸を減圧ろ去した。樹脂溶液の酸価は 65mgKOH/gであり、IR測定において3400cm-1 付近のカルボキシル基に由来するブロードな吸収を確認しカルボン酸ユニットを有する酸性アクリルブロック樹脂(g)を得た。
比較製造例3−リン酸基含有ブロック樹脂の合成
温度計、攪拌装置、還流冷却管、窒素ガス導入管を備えた四つ口フラスコに、製造例1で得られたブロックアクリル樹脂 20部、メトキシプロピルアセテート 20部を仕込み、50℃でポリリン酸2.4部を数回に分けて添加し、90℃で5時間反応させた。リン酸ユニットを有する酸性ブロックアクリル樹脂(h)を得た。
得られた(b)〜(g)樹脂溶液はそれぞれMEKで希釈した後、加圧濾過し、樹脂溶液中の重合触媒の残渣を取り除いた。濃縮により溶剤を除去し、酸性アクリル樹脂を得た。(h)に関しては樹脂溶液をそのまま評価に用いた。
実施例1〜5、比較実施例1〜3
表1のように、顔料(C.I. Pigment Blue 15:3)、製造例2〜5または比較製造例1〜3にて合成した酸性分散樹脂、一般的なラジカル重合で合成した酸性アクリル樹脂(h)(ブチルメタクリレート-アクリル酸共重合体 Mw=35000 酸価130)、下記構造式(2)で表される塩基性基を有する顔料誘導体、およびシクロヘキサノンを配合し、2mmφジルコニアビーズ100部を加えペイントコンディショナーで3時間分散した。
CuPcは、銅フタロシアニン残基を表す。
得られた顔料分散組成物をPETフィルム上にバーコーターで塗工し、150℃で10分乾燥させた。光沢の測定はデジタル変角光沢計により60°グロスを測定した。測定結果は表1に記す。
得られた顔料分散組成物について、E型粘度計を用いてその粘度を測定し、増粘の程度を調べた。測定結果を表1に記す。
表1
当該分散樹脂は、印刷インキや塗料の使用適正の向上を図る顔料分散樹脂、樹脂型分散剤およびそれを含有する顔料組成物、ならびに顔料分散体に使用できるほか、
親水性基と非親水性基を有することから、界面活性剤、相間移動物質、表面改質剤、顔料以外の物質の分散剤などに利用が期待できる。
本発明の酸性ブロックアクリル樹脂は、インキ、塗料、樹脂成型品など、バインダーに有機顔料に分散させて用いる用途に、幅広く使用できる。

Claims (10)

  1. 顔料と、カルボン酸基を有しないブロック(A)と、カルボン酸基を有するブロック(B)とを含有する酸性アクリルブロック樹脂であって、
    カルボン酸基を有するブロック(B)が、水酸基を有するモノマーを含むモノマーをリビング重合してなる水酸基を有するブロック(B’)の水酸基を、水酸基と反応可能であり前記反応後カルボン酸基を存在させうる化合物(c)で変性させてなるものであるアクリルブロック樹脂と、塩基性基を有する顔料誘導体とを、有機溶剤または水中に分散してなる顔料分散体。
  2. リビング重合が、原子移動ラジカル重合である請求項1記載の顔料分散体。
  3. アクリルブロック樹脂の数平均分子量が、500〜50000である請求項1または2記載の顔料分散体。
  4. ブロック(A)とブロック(B)の質量割合が、(60〜99.5):(0.5〜40)である請求項1〜3いずれか記載の顔料分散体。
  5. 水酸基と反応可能であり前記反応後カルボン酸基を発生させうる化合物(c)が、環状ポリカルボン酸無水物である請求項1〜4いずれか記載の顔料分散体。
  6. さらに、水酸基と反応可能であり前記反応後カルボン酸基を発生させうる化合物(c)とともに、水酸基と反応可能であり、硬化性不飽和二重結合を有する化合物(d)を用いるものである請求項1〜5いずれか記載の顔料分散体。
  7. さらに、請求項1〜6いずれか記載の酸性アクリルブロック樹脂の有するカルボキシル基または水酸基と、カルボキシル基または水酸基と反応可能であり、硬化性不飽和二重結合を有する化合物(e)とを反応させたものである顔料分散体。
  8. さらに、請求項1〜7いずれか記載の酸性ブロックアクリル樹脂以外の酸性樹脂を含む顔料分散体。
  9. リビング重合で得られてなる、水酸基を有しないブロック(A)と、水酸基を有するブロック(B’)を含有するブロック樹脂の水酸基と、
    水酸基と反応する官能基を有し前記水酸基との反応後カルボン酸基を発生させうる化合物(c)の水酸基と反応する官能基とを、
    反応させることを特徴とする酸性アクリルブロック樹脂と、顔料と、塩基性基を有する顔料誘導体とを、有機溶剤または水中に分散してなる顔料分散体の製造方法。
  10. リビング重合が、原子移動ラジカル重合である請求項9記載の顔料分散体の製造方法。
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