JP4365318B2 - 処理顔料、その用途 - Google Patents
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Description
これら顔料の分散技術は、近年著しい進歩を遂げており、更に製造の合理化の為に顔料濃度を出来るだけ高くして分散する方法が行われているが、顔料の濃度を高くすると、流動性、分散安定性が低下するという基本的な問題を有している。
加えて、カラーフィルターやインクジェット記録の分野では、高堅牢度が要求されるために高級顔料を使用し、鮮明な色相を得るために粒子径をより微細化することが必要となる。しかしながら、もともと高級顔料は他の顔料と比較して分散安定性が乏しい上に、微細化すればするほど、凝集を起こし易くなり、安定な分散体を得ることが困難となる。
そこで、このような問題を解決するために、従来より、顔料自体の処理(表面処理・改質)や、顔料に良好な濡れ性(吸着性)を有する顔料分散剤、顔料誘導体、界面活性剤の開発等により、顔料の分散安定性や高濃度化の方法が検討され、現在でも多くの研究が行われている。
本願出願人が提案するこのような処理顔料は、印刷インキ、塗料、インクジェット記録液等で有効に利用される他、特に前記のカラーフィルター用のレジスト組成物やブラックマトリックス用のレジスト組成物において好適に利用できるものである。
しかしながら、上記の技術は、表面にカルボジイミド基と反応可能な官能基を有する顔料の場合には極めて有効であるが、そのような官能基を持たない顔料では効果が得られにくいという問題があった。また、レジスト組成物として利用した時に、より高い現像性が要求される場合があり、更に改良の余地があった。
本発明の処理顔料は、表面に塩基性窒素含有基との吸着部を有する有機顔料やカーボンブラックを、ポリエステル側鎖、ポリエーテル側鎖及びポリアクリル側鎖からなる群より選択される少なくとも1種の側鎖と塩基性窒素含有基とを有するカルボジイミド系化合物で処理してなるものである。なお、本発明の処理顔料とは、分散媒体等を用いて得られる顔料分散体の形態であってもよく、分散媒体を用いずに得られる乾燥状態の形態のものであってもよい。
更にこの処理顔料を分散媒体中に分散したときに、カルボジイミド系化合物が後述するポリエステル側鎖、ポリエーテル側鎖及びポリアクリル側鎖からなる群より選択される少なくとも1種の側鎖を有するものであると、該側鎖が、分散媒体中でドメインを形成して立体障害等の作用をすることから、通常の酸−塩基の吸着作用のみの場合と比較して、顔料を分散媒体中により安定的に分散させることができるものと考えられる。
本発明で使用する顔料としては、印刷インキやカラーフィルター用レジスト組成物等に一般的に用いられる有機顔料やカーボンブラックが使用でき、具体的に有機顔料の種類としては、例えば、染料レーキ顔料、アゾ系、ベンズイミダゾロン系、フタロシアニン系、キナクリドン系、アントラキノン系、ジオキサジン系、インジゴ系、チオインジコ系、ペリレン系、ペリノン系、ジケトピロロピロール系、イソインドリノン系、ニトロ系、ニトロソ系、アンスラキノン系、フラバンスロン系、キノフタロン系、ピランスロン系、インダンスロン系等の有機顔料等が挙げられる。
まず、三菱化学社製のカーボンブラックとして、カーボンブラック#2700、#2650、#2600、#2400、#2350、#2200、#1000、#990、#970、MA600、MA77、MA7、MA8、MA11、MA100、MA220等を挙げることができる。
また、キャボット社製のカーボンブラックとして、MONARCH1400、MONARCH1300、MONARCH1100、MONARCH1000、MOGUL−L、REGAL400R、REGAL350R等を挙げることができる。
また、デグサ社製のカーボンブラックとして、ColorBlack Fw200、ColorBlack Fw2、ColorBlack Fw2V、ColorBlack Fw1、ColorBlack Fw18、ColorBlack S170、ColorBlack S160、SpecialBlack6、SpecialBlack5、SpecialBlack4、SpecialBlack4A、SpecialBlack550、SpecialBlack350、SpecialBlack250、SpecialBlack100、Printex150T、PrintexU、PrintexV、Printex140U、Printex140V等を挙げることができる。なお、これらはいずれも商品名である。
本発明で使用できるカルボジイミド系化合物は、ポリエステル側鎖、ポリエーテル側鎖及びポリアクリル側鎖からなる群より選択される少なくとも1種の側鎖と、少なくとも1種の塩基性窒素含有基を分子内に有するカルボジイミド系化合物である。
なお、本明細書における「カルボジイミド系化合物」とは、カルボジイミド基を有する化合物を元に、上記の側鎖と塩基性窒素含有基とを導入して得られる化合物であり、最終的に得られた化合物の分子内にカルボジイミド基を有しているものはもちろん、有していないものも含む。
なお、本発明において、このようなカルボジイミド基と官能基との反応をグラフト化反応と呼ぶことがあり、その方法で導入された側鎖をグラフト化側鎖、導入されたポリエステル側鎖をグラフト化ポリエステル側鎖、ポリエーテル側鎖をグラフト化ポリエーテル側鎖、ポリアクリル側鎖をグラフト化ポリアクリル側鎖と呼ぶこともある。
特に後述のグラフト化により側鎖を形成させる成分が、カルボジイミド基と反応可能な官能基以外に、イソシアネート基と反応可能な官能基をも有する時、及び、カルボジイミド基と比較してイソシアネート基への反応性が同等以上の官能基を有する時は、イソシアネート基が消失していることが好ましい。
(1)オキシカルボン酸、モノアルコール、低分子ジオール化合物等を開始剤とした環状エステル化合物の開環重合化合物(例えば、乳酸、カプロン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸等のモノ又はポリオキシカルボン酸を開始剤として用い、ε−カプロラクトン、γ−ブチロラクトン、2−メチルカプロラクトン、4−メチルカプロラクトン、β−プロピオラクトン、δ−バレロラクトン、β−メチル−δ−バレロラクトン等の環状エステル化合物を開環重合して得られるカルボキシル基と水酸基を含有するポリエステル化合物;メタノール、エタノール等の低分子モノオール化合物を開始剤として用い、上記環状エステル化合物を開環重合して得られる水酸基を含有するポリエステルモノオール化合物;エチレングリコール、プロピレングリコール等の低分子ジオール化合物を開始剤として用い、上記環状エステル化合物を開環重合して得られる水酸基を含有するポリエステルジオール化合物等)を挙げることができる。
(1)オキシカルボン酸、モノアルコール、低分子ジオール化合物等を開始剤とした環状エーテル化合物の開環重合化合物(例えば、乳酸、カプロン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸等のモノ又はポリオキシカルボン酸を開始剤として用い、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、トリメチレンオキサイド、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン等の環状エーテル化合物を開環重合して得られるカルボキシル基と水酸基を含有するポリエーテル化合物;メタノール、エタノール等の低分子モノオール化合物を開始剤として用い、上記環状エーテル化合物を開環重合して得られる水酸基を含有するポリエーテルモノオール化合物;エチレングリコール、プロピレングリコール等の低分子ジオール化合物を開始剤として用い、上記環状エーテル化合物を開環重合して得られる水酸基を含有するポリエーテルジオール化合物等)を挙げることができる。
そこで、官能基が水酸基のみの化合物については、更に、無水フタル酸、無水マレイン酸、無水コハク酸等の酸無水物を反応させて、カルボキシル基を一つ含有するポリエステル化合物、ポリエーテル化合物又はポリアクリル化合物を得てから、グラフト化反応させることが望ましい。
なお、側鎖としてカルボジイミド系化合物の分子内に導入されるポリエステル化合物、ポリエーテル化合物又はポリアクリル化合物の中でも、塩基性窒素含有基を有するものは、側鎖と同時に塩基性窒素含有基もカルボジイミド系化合物に導入できることになる。
更に一般式(2)、(3)で表されるカルボジイミド系化合物は、分子内にイソシアネート基を有するが、上述したものと同様の方法でイソシアネート基と反応可能な官能基を有する化合物を反応させることも可能であり、結果的には先にイソシアネート基を消失させたカルボジイミド基を有する化合物に側鎖を形成させる成分を反応させた場合に得られるものと同じ化合物を得る事ができる。
そこで、分子内にグラフト化側鎖とカルボジイミド基とを1つ以上有する化合物のみを合成する方法としては、上記一般式(1)で表される化合物と、カルボジイミド基の全てをグラフト化ポリエステル鎖、グラフト化ポリエーテル鎖又はグラフト化ポリアクリル鎖とした上記一般式(3)で表される化合物とをもとにした、次の方法を挙げることができる。
なお、カルボジイミド当量とは、(カルボジイミド系化合物の分子量)/(カルボジイミド系化合物分子中のカルボジイミド基の数)で表される数を意味するものである。
そこで、利用する分野のそれぞれの要求性能に応じて、カルボジイミド系化合物の塩基性窒素含有基の量、分子内に存在するポリエステル側鎖、ポリエーテル側鎖、ポリアクリル側鎖等の側鎖の数や式量、カルボジイミド当量等は、適宜調整することが好ましい。
カルボジイミド系化合物は、塩基性窒素含有基との吸着部を有する有機顔料及びカーボンブラックを処理する顔料処理用化合物として用いることができ、このような顔料処理用化合物もまた、本発明の一つである。分子内に更にカルボジイミド基を1つ以上有するカルボジイミド系化合物は、塩基性窒素含有基との吸着部及びカルボジイミド基と反応可能な官能基を有する有機顔料及びカーボンブラックの顔料分散処理に適した顔料処理用化合物である。
本発明でいう処理とは、上記顔料の分散粒子表面の全面又は一部を、本発明のカルボジイミド系化合物で処理するものである。具体的には、上記顔料、カルボジイミド系化合物、及び、必要に応じて分散媒体、その他の添加剤等の混合物を、ロールミル、ニーダー、高速攪拌装置、ビーズミル、ボールミル、サンドミル、超音波分散機、高圧分散装置等を用いて混練し、分散・処理する方法を挙げることができる。
上記の反応を促進する温度としては、概ね100℃以下であって、好ましくは40〜80℃程度である。このような方法から得られる処理顔料は、粗粉砕又はチップ状としておき、後から任意の用途で好適な分散媒体中に分散して利用することができる。
上記顔料分散レジスト組成物は、活性エネルギー線硬化性を有し、アルカリ現像可能なレジスト組成物であり、本発明の処理顔料(処理カーボンブラック又は処理有機顔料)に加えて、皮膜形成樹脂、光重合性化合物、光重合開始剤、溶剤から主として構成され、必要に応じて重合禁止剤等の各種添加剤を含有させて得られるものである。
結合を有するモノマー、オリゴマー等を挙げることができる。
光重合性不飽和結合を分子内に1個有するモノマーとしては、メチルメタアクリレート、ブチルメタアクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、メチルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート等のアルキルメタクリレート又はアクリレート;ベンジルメタクリレート、ベンジルアクリレート等のアラルキルメタクリレート又はアクリレート;ブトキシエチルメタクリレート、ブトキシエチルアクリレート等のアルコキシアルキルメタクリレート又はアクリレート;N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート等のアミノアルキルメタクリレート又はアクリレート;ジエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル等のポリアルキレングリコールモノアルキルエーテルのメタクリル酸エステル又はアクリル酸エステル;ヘキサエチレングリコールモノフェニルエーテル等のポリアルキレングリコールモノアリールエーテルのメタクリル酸エステル又はアクリル酸エステル;イソボニルメタクリレート又はアクリレート;グリセロールメタクリレート又はアクリレート;2−ヒドロキシエチルメタクリレート又はアクリレート等が例示できる。
なお、沸点が220℃以上の有機溶剤を多量に含有していると、塗布形成された塗膜をプレベークする際に有機溶剤が充分に蒸発せずに乾燥塗膜内に残存し、乾燥塗膜の耐熱性が低下するおそれがある。また、沸点100℃未満の有機溶剤を多量に含有していると、ムラなく均一に塗布することが困難になり、表面平滑性に優れた塗膜が得られなくなるおそれがある。
本発明の顔料分散レジスト組成物を製造する方法は、本発明の好ましい実施形態の一例であり、本発明ではこれに限定されるものではない。
上記構成材料から、本発明の顔料分散レジスト組成物を製造するためには、上記の方法により、処理顔料を分散させた顔料分散組成物に、上記光重合性化合物、光重合開始剤、皮膜形成用樹脂、必要に応じて有機溶剤、その他添加剤を加え、高速攪拌装置、高圧乳化機、ビーズミル、3本ロール、サンドミル、ニーダー等を用いて混合する方法が利用できる。
そして、得られた顔料分散レジスト組成物は、現像時に未硬化の皮膜が短時間できれいに除去できるという非常に優れた現像特性を有するものである。
<a.ポリエステル側鎖を有するカルボジイミド系化合物の調製>
(実施調製例a−1)
還流冷却管、窒素ガス導入管、攪拌棒、温度計を備えた四つ口フラスコに、イソシアネート基を有するカルボジイミド当量315のポリカルボジイミド化合物57部、メチルジエタノールアミン16部を仕込み、約100℃で2時間保持して、イソシアネート基と水酸基とを反応させ、次いでプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート97.7部を仕込んだ後、末端にカルボキシル基を有する分子量1000のカプロラクトンの開環重合物178.7部を仕込み、約90℃で保持して、カルボジイミド基とカルボキシル基とを反応させた後、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート97.7部を仕込んで数平均分子量約3800、塩基性窒素含有基量0.5275mmolの化合物(a−1)を得た。
分子量1000のポリカプロラクトンの開環重合物を、分子量1500のポリカプロラクトンの開環重合物に変更した以外は実施調製例a−1と同様にして、数平均分子量約5500、塩基性窒素含有基量0.3600mmolの化合物(a−2)を得た。
還流冷却管、窒素ガス導入管、攪拌棒、温度計を備えた四つ口フラスコに、イソシアネート基を有するカルボジイミド当量315のポリカルボジイミド化合物52.5部、メチルジエタノールアミン14.7部を仕込み、約100℃で2時間保持して、イソシアネート基と水酸基とを反応させ、次いでプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート99.5部を仕込んだ後、末端にカルボキシル基を有する分子量1000のカプロラクトンの開環重合物171.7部を仕込み、約90℃で保持して、カルボジイミド基とカルボキシル基とを反応させた。その後、更に無水コハク酸12.4部を仕込み、約90℃で保持して、イソシアネート基とカルボキシル基とを反応させた後、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート99.5部を仕込んで数平均分子量約4100、酸価27.6mgKOH/g、塩基性窒素含有基量0.4919mmolの化合物(a−3)を得た。
分子量1000のポリカプロラクトンの開環重合物を、分子量2000のポリカプロラクトンの開環重合物に変更した以外は実施調製例a−1と同様にして、数平均分子量約6500、塩基性窒素含有基量0.3083mmolの化合物(a−4)を得た。
分子量1000のポリカプロラクトンの開環重合物を、分子量3000のポリカプロラクトンの開環重合物に変更した以外は実施調製例a−1と同様にして、数平均分子量約9100、塩基性窒素含有基量0.2192mmolの化合物(a−5)を得た。
還流冷却管、窒素ガス導入管、攪拌棒、温度計を備えた四つ口フラスコに、イソシアネート基を有するカルボジイミド当量315のポリカルボジイミド化合物57部、メチルジエタノールアミン16部を仕込み、約100℃で2時間保持して、イソシアネート基と水酸基とを反応させ、次いでプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート97.7部を仕込んだ後、末端にカルボキシル基を有する分子量1000のカプロラクトンの開環重合物90.5部を仕込み、約90℃で保持して、カルボジイミド基とカルボキシル基とを反応させた後、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート106.7部を仕込んで数平均分子量約2400、カルボジイミド当量1807、塩基性窒素含有基量0.8216mmolの化合物(a−6)を得た。
還流冷却管、窒素ガス導入管、攪拌棒、温度計を備えた四つ口フラスコに、イソシアネート基を有するカルボジイミド当量315のポリカルボジイミド化合物54部、メチルジエタノールアミン3.9部、分子量1000のポリメチルメタクリレートジオール59.5部を仕込み、約100℃で2時間保持して、イソシアネート基と水酸基とを反応させ、次いでプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート92.4部を仕込んだ後、末端にカルボキシル基を有する分子量2000のカプロラクトンの開環重合物170.1部を仕込み、約90℃で保持して、カルボジイミド基とカルボキシル基とを反応させた後、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート255.2部を仕込んで数平均分子量約8800、カルボジイミド当量3400、塩基性窒素含有基量0.1141mmolの化合物(a−7)を得た。
還流冷却管、窒素ガス導入管、攪拌棒、温度計を備えた四つ口フラスコに、イソシアネート基を有するカルボジイミド当量315のポリカルボジイミド化合物54部、メチルジエタノールアミン109.4部、イソホロンジイソシアネート174.7部を仕込み、約100℃で2時間保持して、イソシアネート基と水酸基とを反応させ、次いでプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート453.7部を仕込んだ後、末端にカルボキシル基を有する分子量2000のカプロラクトンの開環重合物170.1部を仕込み、約90℃で保持して、カルボジイミド基とカルボキシル基とを反応させた後、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート255.2部を仕込んで数平均分子量約15500、カルボジイミド当量6000、塩基性窒素含有基量1.8072mmolの化合物(a−8)を得た。
還流冷却管、窒素ガス導入管、攪拌棒、温度計を備えた四つ口フラスコに、イソシアネート基を有するカルボジイミド当量315のポリカルボジイミド化合物65部、メチルジエタノールアミン8.2部、2−ピリジンエタノール9.5部を仕込み、約100℃で2時間保持して、イソシアネート基と水酸基とを反応させ、次いでプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート99.7部を仕込んだ後、末端にカルボキシル基を有する分子量2000のカプロラクトンの開環重合物209.2部を仕込み、約90℃で保持して、カルボジイミド基とカルボキシル基とを反応させた後、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート129.5部を仕込んで数平均分子量約3786、カルボジイミド当量2857、塩基性窒素含有基量0.5275mmolの化合物(a−9)を得た。
還流冷却管、窒素ガス導入管、攪拌棒、温度計を備えた四つ口フラスコに、イソシアネート基を有するカルボジイミド当量315のポリカルボジイミド化合物55部、エチレングリコール8.1部を仕込み、約100℃で2時間保持して、イソシアネート基と水酸基とを反応させ、次いでプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート94.5部を仕込んだ後、末端にカルボキシル基を有する分子量1000のカプロラクトンの開環重合物179.8部を仕込み、約90℃ で保持して、カルボジイミド基とカルボキシル基とを反応させた後、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート94.5部を仕込んで数平均分子量約3700、塩基性窒素含有基量0mmolの化合物(a−10)を得た。
(実施調製例b−1)
還流冷却管、窒素ガス導入管、攪拌棒、温度計を備えた四つ口フラスコに、イソシアネート基を有するカルボジイミド当量315のポリカルボジイミド化合物57部、メチルジエタノールアミン16部を仕込み、約100℃で2時間保持して、イソシアネート基と水酸基とを反応させ、次いでプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート97.7部を仕込んだ後、末端にカルボキシル基を有する分子量1000のポリエチレンオキシド−ポリプロピレンオキシド共重合体178.7部を仕込み、約90℃で保持して、カルボジイミド基とカルボキシル基とを反応させた後、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート97.7部を仕込んで数平均分子量約3800、塩基性窒素含有基量0.5275mmolの化合物(b−1)を得た。
分子量1000のポリエチレンオキシド−ポリプロピレンオキシド共重合体を、分子量1500のポリエチレンオキシド−ポリプロピレンオキシド共重合体に変更した以外は実施調製例b−1と同様にして、数平均分子量約5500、塩基性窒素含有基量0.3600mmolの化合物(b−2)を得た。
還流冷却管、窒素ガス導入管、攪拌棒、温度計を備えた四つ口フラスコに、イソシアネート基を有するカルボジイミド当量315のポリカルボジイミド化合物52.5部、メチルジエタノールアミン14.7部を仕込み、約100℃で2時間保持して、イソシアネート基と水酸基とを反応させ、次いでプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート99.5部を仕込んだ後、末端にカルボキシル基を有する分子量1000のポリエチレンオキシド−ポリプロピレンオキシド共重合体171.7部を仕込み、約90℃で保持して、カルボジイミド基とカルボキシル基とを反応させた。その後、更に無水コハク酸12.4部を仕込み、約90℃で保持して、イソシアネート基とカルボキシル基とを反応させた後、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート99.5部を仕込んで数平均分子量約4100、酸価27.6mgKOH/g、塩基性窒素含有基量0.4919mmolの化合物(b−3)を得た。
分子量1000のポリエチレンオキシド−ポリプロピレンオキシド共重合体を、分子量2000のポリエチレンオキシド−ポリプロピレンオキシド共重合体に変更した以外は実施調製例b−1と同様にして、数平均分子量約6500、塩基性窒素含有基量0.3083mmolの化合物(b−4)を得た。
分子量1000のポリエチレンオキシド−ポリプロピレンオキシド共重合体を、分子量3000のポリエチレンオキシド−ポリプロピレンオキシド共重合体に変更した以外は実施調製例b−1と同様にして、数平均分子量約9100、塩基性窒素含有基量0.2192mmolの化合物(b−5)を得た。
還流冷却管、窒素ガス導入管、攪拌棒、温度計を備えた四つ口フラスコに、イソシアネート基を有するカルボジイミド当量315のポリカルボジイミド化合物57部、メチルジエタノールアミン16部を仕込み、約100℃で2時間保持して、イソシアネート基と水酸基とを反応させ、次いでプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート97.7部を仕込んだ後、末端にカルボキシル基を有する分子量1000のポリエチレンオキシド−ポリプロピレンオキシド共重合体90.5部を仕込み、約90℃で保持して、カルボジイミド基とカルボキシル基とを反応させた後、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート106.7部を仕込んで数平均分子量約2400、カルボジイミド当量1807、塩基性窒素含有基量0.8216mmolの化合物(b−6)を得た。
還流冷却管、窒素ガス導入管、攪拌棒、温度計を備えた四つ口フラスコに、イソシアネート基を有するカルボジイミド当量315のポリカルボジイミド化合物54部、メチルジエタノールアミン3.9部、分子量1000のポリメチルメタクリレートジオール59.5部を仕込み、約100℃で2時間保持して、イソシアネート基と水酸基とを反応させ、次いでプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート92.4部を仕込んだ後、末端にカルボキシル基を有する分子量2000のポリエチレンオキシド−ポリプロピレンオキシド共重合体170.1部を仕込み、約90℃で保持して、カルボジイミド基とカルボキシル基とを反応させた後、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート255.2部を仕込んで数平均分子量約8800、カルボジイミド当量3400、塩基性窒素含有基量0.1141mmolの化合物(b−7)を得た。
還流冷却管、窒素ガス導入管、攪拌棒、温度計を備えた四つ口フラスコに、イソシアネート基を有するカルボジイミド当量315のポリカルボジイミド化合物54部、メチルジエタノールアミン109.4部、イソホロンジイソシアネート174.7部を仕込み、約100℃で2時間保持して、イソシアネート基と水酸基とを反応させ、次いでプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート453.7部を仕込んだ後、末端にカルボキシル基を有する分子量2000のポリエチレンオキシド−ポリプロピレンオキシド共重合体170.1部を仕込み、約90℃で保持して、カルボジイミド基とカルボキシル基とを反応させた後、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート255.2部を仕込んで数平均分子量約15500、カルボジイミド当量6000、塩基性窒素含有基量1.8072mmolの化合物(b−8)を得た。
還流冷却管、窒素ガス導入管、攪拌棒、温度計を備えた四つ口フラスコに、イソシアネート基を有するカルボジイミド当量315のポリカルボジイミド化合物65部、メチルジエタノールアミン8.2部、2−ピリジンエタノール9.5部を仕込み、約100℃で2時間保持して、イソシアネート基と水酸基とを反応させ、次いでプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート99.7部を仕込んだ後、末端にカルボキシル基を有する分子量2000のポリエチレンオキシド−ポリプロピレンオキシド共重合体209.2部を仕込み、約90℃で保持して、カルボジイミド基とカルボキシル基とを反応させた後、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート129.5部を仕込んで数平均分子量約3786、カルボジイミド当量2857、塩基性窒素含有基量0.5275mmolの化合物(b−9)を得た。
還流冷却管、窒素ガス導入管、攪拌棒、温度計を備えた四つ口フラスコに、イソシアネート基を有するカルボジイミド当量315のポリカルボジイミド化合物55部、エチレングリコール8.1部を仕込み、約100℃で2時間保持して、イソシアネート基と水酸基とを反応させ、次いでプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート94.5部を仕込んだ後、末端にカルボキシル基を有する分子量1000のポリエチレンオキシド−ポリプロピレンオキシド共重合体179.8部を仕込み、約90℃で保持して、カルボジイミド基とカルボキシル基とを反応させた後、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート94.5部を仕込んで数平均分子量約3700、塩基性窒素含有基量0mmolの化合物(b−10)を得た。
(実施調製例c−1)
還流冷却管、窒素ガス導入管、攪拌棒、温度計を備えた四つ口フラスコに、イソシアネート基を有するカルボジイミド当量315のポリカルボジイミド化合物57部、メチルジエタノールアミン16部を仕込み、約100℃で2時間保持して、イソシアネート基と水酸基とを反応させ、次いでプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート97.7部を仕込んだ後、末端にカルボキシル基を有する分子量1000のポリメチルメタクリレート178.7部を仕込み、約90℃で保持して、カルボジイミド基とカルボキシル基とを反応させた後、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート97.7部を仕込んで数平均分子量約3800、塩基性窒素含有基量0.5275mmolの化合物(c−1)を得た。
末端にカルボキシル基を有する分子量1000のポリメチルメタクリレートを、末端にカルボキシル基を有する分子量1500のポリメチルメタクリレートに変更した以外は実施調製例c−1と同様にして、数平均分子量約5500、塩基性窒素含有基量0.3600mmolの化合物(c−2)を得た。
還流冷却管、窒素ガス導入管、攪拌棒、温度計を備えた四つ口フラスコに、イソシアネート基を有するカルボジイミド当量315のポリカルボジイミド化合物52.5部、メチルジエタノールアミン14.7部を仕込み、約100℃で2時間保持して、イソシアネート基と水酸基とを反応させ、次いでプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート99.5部を仕込んだ後、末端にカルボキシル基を有する分子量1000のポリメチルメタクリレート171.7部を仕込み、約90℃で保持して、カルボジイミド基とカルボキシル基とを反応させた。その後、更に無水コハク酸12.4部を仕込み、約90℃で保持して、イソシアネート基とカルボキシル基とを反応させた後、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート99.5部を仕込んで数平均分子量約4100、酸価27.6mgKOH/g、塩基性窒素含有基量0.4919mmolの化合物(c−3)を得た。
分子量1000のポリメチルメタクリレートを、分子量2000のポリメチルメタクリレートに変更した以外は実施調製例c−1と同様にして、数平均分子量約6500、塩基性窒素含有基量0.3083mmolの化合物(c−4)を得た。
分子量1000のポリメチルメタクリレートを、分子量3000のポリメチルメタクリレートに変更した以外は実施調製例c−1と同様にして、数平均分子量約9100、塩基性窒素含有基量0.2192mmolの化合物(c−5)を得た。
還流冷却管、窒素ガス導入管、攪拌棒、温度計を備えた四つ口フラスコに、イソシアネート基を有するカルボジイミド当量315のポリカルボジイミド化合物57部、メチルジエタノールアミン16部を仕込み、約100℃で2時間保持して、イソシアネート基と水酸基とを反応させ、次いでプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート97.7部を仕込んだ後、末端にカルボキシル基を有する分子量1000のポリメチルメタクリレート90.5部を仕込み、約90℃で保持して、カルボジイミド基とカルボキシル基とを反応させた後、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート106.7部を仕込んで数平均分子量約2400、カルボジイミド当量1807、塩基性窒素含有基量0.8216mmolの化合物(c−6)を得た。
還流冷却管、窒素ガス導入管、攪拌棒、温度計を備えた四つ口フラスコに、イソシアネート基を有するカルボジイミド当量315のポリカルボジイミド化合物54部、メチルジエタノールアミン3.9部、分子量1000のポリメチルメタクリレートジオール59.5部を仕込み、約100℃で2時間保持して、イソシアネート基と水酸基とを反応させ、次いでプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート92.4部を仕込んだ後、末端にカルボキシル基を有する分子量2000のポリメチルメタクリレート170.1部を仕込み、約90℃で保持して、カルボジイミド基とカルボキシル基とを反応させた後、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート255.2部を仕込んで数平均分子量約8800、カルボジイミド当量3400、塩基性窒素含有基量0.1141mmolの化合物(c−7)を得た。
還流冷却管、窒素ガス導入管、攪拌棒、温度計を備えた四つ口フラスコに、イソシアネート基を有するカルボジイミド当量315のポリカルボジイミド化合物54部、メチルジエタノールアミン109.4部、イソホロンジイソシアネート174.7部を仕込み、約100℃で2時間保持して、イソシアネート基と水酸基とを反応させ、次いでプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート453.7部を仕込んだ後、末端にカルボキシル基を有する分子量2000のポリメチルメタクリレート170.1部を仕込み、約90℃で保持して、カルボジイミド基とカルボキシル基とを反応させた後、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート255.2部を仕込んで数平均分子量約15500、カルボジイミド当量6000、塩基性窒素含有基量1.8072mmolの化合物(c−8)を得た。
還流冷却管、窒素ガス導入管、攪拌棒、温度計を備えた四つ口フラスコに、イソシアネート基を有するカルボジイミド当量315のポリカルボジイミド化合物65部、メチルジエタノールアミン8.2部、2−ピリジンエタノール9.5部を仕込み、約100℃で2時間保持して、イソシアネート基と水酸基とを反応させ、次いでプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート99.7部を仕込んだ後、末端にカルボキシル基を有する分子量2000のポリメチルメタクリレート209.2部を仕込み、約90℃で保持して、カルボジイミド基とカルボキシル基とを反応させた後、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート129.5部を仕込んで数平均分子量約3786、カルボジイミド当量2857、塩基性窒素含有基量0.5275mmolの化合物(c−9)を得た。
還流冷却管、窒素ガス導入管、攪拌棒、温度計を備えた四つ口フラスコに、イソシアネート基を有するカルボジイミド当量315のポリカルボジイミド化合物55部、エチレングリコール8.1部を仕込み、約100℃で2時間保持して、イソシアネート基と水酸基とを反応させ、次いでプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート94.5部を仕込んだ後、末端にカルボキシル基を有する分子量1000のポリメチルメタクリレート179.8部を仕込み、約90℃で保持して、カルボジイミド基とカルボキシル基とを反応させた後、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート94.5部を仕込んで数平均分子量約3700、塩基性窒素含有基量0mmolの化合物(c−10)を得た。
[実施例1の処理顔料及びその分散組成物の調製]
スチールビーズ(Φ5mm)1000gを充填した容量1000mlのスチール缶に、カーボンブラックA(平均一次粒子径56nm、pH=3.1)50g、精製水450gを仕込んだ。この混合物をペイントコンディショナーを用い30分間練肉し、水性顔料分散体を得た。この水性顔料分散体を還流冷却管、窒素導入管、攪拌棒、温度計を備えた四つ口フラスコに移し、攪拌しながらカルボジイミド化合物(a−1)50g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート170gを添加し、約90℃で8時間反応させた。反応後、精製水及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを除去し、真空乾燥機に入れ80℃で2時間乾燥し、カルボジイミド化合物により表面処理された実施例1の表面処理顔料(表面処理顔料1)を得た。更に表1の組成の材料を、ビーズミルで1昼夜、温度60℃の温度で混練して、実施例1の表面処理顔料の分散組成物を得た。
スチールビーズ(Φ5mm)1000gを充填した容量1000mlのスチール缶に、カーボンブラックA(平均一次粒子径56nm、pH=3.1)50g、精製水450gを仕込んだ。この混合物をペイントコンディショナーを用い30分間練肉し、水性顔料分散体を得た。この水性顔料分散体を還流冷却管、窒素導入管、攪拌棒、温度計を備えた四つ口フラスコに移し、攪拌しながらカルボジイミド化合物(b−1)50g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート170gを添加し、約90℃で8時間反応させた。反応後、精製水及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを除去し、真空乾燥機に入れ80℃で2時間乾燥し、カルボジイミド化合物により表面処理された実施例11の表面処理顔料(表面処理顔料2)を得た。更に表1の組成の材料を、ビーズミルで1昼夜、温度60℃の温度で混練して、実施例11の表面処理顔料の分散組成物を得た。
スチールビーズ(Φ5mm)1000gを充填した容量1000mlのスチール缶に、カーボンブラックA(平均一次粒子径56nm、pH=3.1)50g、精製水450gを仕込んだ。この混合物をペイントコンディショナーを用い30分間練肉し、水性顔料分散体を得た。この水性顔料分散体を還流冷却管、窒素導入管、攪拌棒、温度計を備えた四つ口フラスコに移し、攪拌しながらカルボジイミド化合物(c−1)50g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート170gを添加し、約90℃で8時間反応させた。反応後、精製水及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを除去し、真空乾燥機に入れ80℃で2時間乾燥し、カルボジイミド化合物により表面処理された実施例21の表面処理顔料(表面処理顔料3)を得た。更に表1の組成の材料を、ビーズミルで1昼夜、温度60℃の温度で混練して、実施例21の表面処理顔料の分散組成物を得た。
表1〜3の組成の材料を、ビーズミルで一昼夜混練し、実施例2〜10、12〜20、22〜30、比較例1〜4の処理カーボンブラックの分散組成物を調製した。
上記実施例1〜30、比較例1〜4の処理カーボンブラックの分散組成物と他の材料とを表4〜6の組成になるように高速攪拌機を用いて均一に混合した後、孔径3μmのフィルターで濾過し、実施例1〜30、比較例1〜4のブラックマトリックス用の顔料分散レジスト組成物を得た。
1.分散安定性
実施例1〜30、比較例1〜4の処理カーボンブラックの分散組成物及び実施例1〜30、比較例1〜4のブラックマトリックス用の顔料分散レジスト組成物をそれぞれガラス瓶に採り、密栓して室温で7日保存した後の状態を下記評価基準に従って評価した。評価結果を表1〜6に示す。
評価基準
A:増粘、沈降物が共に認められない。
B:軽く振盪すると元に戻る程度の増粘や沈降物が認められる。
C:強く振盪しても元に戻らない程度の増粘や沈降物が認められる。
上記分散安定性でA又はBの評価が得られたブラックマトリックス用の顔料分散レジスト組成物をスピンコーターにて膜厚1μmになるようにガラス基板上に塗布し、100℃で3分間プレベークした後、高圧水銀灯で露光し、更に230℃で30分間ポストベークを行い、ベタ部のみで形成されたレジストパターンを得た。
得られた各ベタ部のレジストパターンの光学濃度(OD値)をマクベス濃度計(TD−931、商品名、マクベス社製)で測定し遮光性を評価した。評価結果を表4〜6に示す。
上記の方法で得られたレジストパターンの表面抵抗値を抵抗測定器(R8340/8340A、商品名、アドバンテスト社製)で測定した。評価結果を表4〜6に示す。
上記分散安定性でA又はBが評価の得られたブラックマトリックス用の顔料分散レジスト組成物をスピンコーターにて膜厚1μmになるようにガラス基板上に塗布し、100℃で3分間プレベークした。得られた塗膜を、0.15%Na2CO3水溶液を使用して現像し、未硬化部分のレジスト組成物が完全に除去できるまでの時間から、下記評価基準に従って現像性を評価した。評価結果を表4〜6に示す。
A:30秒以内に完全に除去できる。
B:30秒を超えて60秒以内に完全に除去できる。
C:60秒を超えても完全に除去できない。
[実施例31〜46、比較例5、6]
実施例31〜34は、カルボジイミド化合物(a−1)又は(a−6)で表面処理した顔料であり、実施例35〜46は、各カルボジイミド化合物で表面処理しながら同時に分散媒体中に分散させた、表面処理顔料の分散組成物である。
スチールビーズ(Φ5mm)1000gを充填した容量1000mlのスチール缶に、プラズマ処理されたC.I.ピグメントレッド122を50g、精製水450gを仕込んだ。この混合物をペイントコンディショナーを用いて30分間練肉し、水性顔料分散体を得た。この水性顔料分散体を還流冷却管、窒素導入管、攪拌棒、温度計を備えた四つ口フラスコに移し、攪拌しながら化合物(a−1)又は化合物(a−6)50g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート170gを添加し、約90℃で8時間反応させた。反応後、精製水及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを除去し、真空乾燥機に入れ80℃で2時間乾燥し、カルボジイミド化合物により表面処理された実施例31の表面処理顔料(表面処理顔料4)、実施例32の表面処理顔料(表面処理顔料5)を得た。更に表7の組成の材料を、ビーズミルで1昼夜、温度60℃の温度で混練して、実施例31、32の表面処理顔料の分散組成物を得た。
スチールビーズ(Φ5mm)1000gを充填した容量1000mlのスチール缶に、プラズマ処理されたC.I.ピグメンブルー15:3を50g、精製水450gを仕込んだ。この混合物をペイントコンディショナーを用い30分間練肉し、水性顔料分散体を得た。この水性顔料分散体を還流冷却管、窒素導入管、攪拌棒、温度計を備えた四つ口フラスコに移し、攪拌しながら化合物(a−1)又は化合物(a−6)50g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート170gを添加し、約90℃で8時間反応させた。反応後、精製水及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを除去し、真空乾燥機に入れ80℃で2時間乾燥し、カルボジイミド化合物により表面処理された実施例33の表面処理顔料(表面処理顔料5)、実施例34の表面処理顔料(表面処理顔料6)を得た。更に表7の組成の材料を、ビーズミルで1昼夜、温度60℃の温度で混練して、実施例33、34の表面処理顔料の分散組成物を得た。
表7の組成の材料を、ビーズミルで1昼夜、温度60℃の温度で混練し、カルボジイミド化合物により表面処理された実施例35〜46の表面処理顔料の分散組成物、比較例5、6の顔料分散組成物を得た。
高速攪拌機を用いて、実施例31〜46、比較例5、6の顔料分散組成物と他の材料とを表8の組成になるように均一に混合した後、孔径3μmのフィルターで濾過し、実施例31〜46、比較例5、6のカラーフィルター用の顔料分散レジスト組成物を得た。
1.分散安定性
実施例31〜46、比較例5、6の処理有機顔料の分散組成物及び実施例31〜46、比較例5、6のカラーフィルター用の顔料分散レジスト組成物をそれぞれガラス瓶に採り、密栓して室温で7日保存した後の状態を下記評価基準に従って評価した。この結果を表7〜8に示す。
評価基準
A:増粘、沈降物が共に認められない。
B:軽く振盪すると元に戻る程度の増粘や沈降物が認められる。
C:強く振盪しても元に戻らない程度の増粘や沈降物が認められる。
上記分散安定性でA又はBの評価が得られたカラーフィルター用の顔料分散レジスト組成物をスピンコーターにて膜厚1μmになるようにガラス基板上に塗布し、100℃で3分間プレベークした。得られた塗膜を、0.15%Na2CO3水溶液を使用して現像し、未硬化部分のレジスト組成物が完全に除去できるまでの時間から、下記評価基準に従って現像性を評価した。この結果を、表8に示す。
A:30秒以内に完全に除去できる。
B:30秒を超えて60秒以内に完全に除去できる。
C:60秒を超えても完全に除去できない。
Claims (8)
- 分子内にポリエステル側鎖、ポリエーテル側鎖及びポリアクリル側鎖からなる群より選択される少なくとも1種の側鎖と、塩基性窒素含有基とをそれぞれ少なくとも1つ有するカルボジイミド系化合物で処理してなる
ことを特徴とする処理顔料。 - 前記カルボジイミド系化合物が、該化合物1gあたり塩基性窒素含有基を0.02〜4mmol含むカルボジイミド系化合物である
ことを特徴とする請求の範囲第1項記載の処理顔料。 - 前記顔料が、塩基性窒素含有基との吸着部を有する顔料である
ことを特徴とする請求の範囲第1又は2項記載の処理顔料。 - 前記顔料が、カルボジイミド基と反応可能な官能基を有する顔料であり、かつ、前記カルボジイミド系化合物が、更に分子内にカルボジイミド基を少なくとも1つ有するカルボジイミド系化合物である
ことを特徴とする請求の範囲第1〜3項のいずれかに記載の処理顔料。 - 前記カルボジイミド基と反応可能な官能基を有する顔料は、カルボジイミド基と反応可能な官能基を有する有機顔料又はカーボンブラックであって、前記カルボジイミド基と反応可能な官能基がカルボキシル基、スルホン酸基、水酸基及びアミノ基からなる群より選択される少なくとも1種の官能基を有するものである
ことを特徴とする請求の範囲第4項記載の処理顔料。 - 前記カルボジイミド系化合物は、主鎖に塩基性窒素含有基を有するものである
ことを特徴とする請求の範囲第1〜5項のいずれかに記載の処理顔料。 - 前記塩基性窒素含有基は、3級アミノ基又は含窒素複素環基である
ことを特徴とする請求の範囲第1〜6項のいずれかに記載の処理顔料。 - 請求の範囲第1〜7項のいずれかに記載の処理顔料と分散媒体とを含有する
ことを特徴とする顔料分散組成物。
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