JP4402287B2 - 表面処理したカーボンブラック及びそれを含有してなるブラックマトリックス用レジスト組成物 - Google Patents
表面処理したカーボンブラック及びそれを含有してなるブラックマトリックス用レジスト組成物 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、表面処理したカーボンブラック及びそれを含有してなるブラックマトリックス用レジスト組成物に関する。更に詳しくは、着色力及び隠蔽力が大きく、絶縁性に優れ、例えば液晶パネルのブラックマトリックスの形成等に好適に使用できる表面処理したカーボンブラック及びそれを含有してなるブラックマトリックス用レジスト組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、種々の樹脂にカーボンブラックを配合して得られた組成物を、例えば、カラーテレビ、液晶表示素子、ビデオ等のカラーフィルターのブラックマトリックスに用いる研究が進められている。
【0003】
このブラックマトリックスの形成には、カラーフィルター側に赤色(R)、緑色(G)及びB(青色)の画素パターンと共に形成させる方法と、画素パターンの開口率を上げる為に画素パターンとは別に、TFT(薄膜トランジスタ)アレイ基盤側にブラックマトリックスを形成させる方法等がある。
【0004】
このように形成されるブラックマトリックスの中でも、TFTアレイ基盤側にブラックマトリックスが設けられた場合は、ブラックマトリックスが画素電極及びTFTに直接接触するため、該ブラックマトリックスには高い絶縁性が要求される。
更に、該ブラックマトリックスには、着色力及び隠蔽力が大きいことも要求される。
【0005】
これらの要求に対応するために、特開平9−26571号公報には、フッ素樹脂、珪素樹脂、シリコーンアクリル樹脂、ポリイミド、ポリイミドアミド、ポリジフェニルエーテル、フェノール樹脂、キシレン樹脂、エポキシ樹脂等の樹脂で被覆されたカーボンブラックが分散媒に分散された液晶パネル組成物、特開平9−124969号公報には、カーボンブラックを多官能エポキシ樹脂で表面処理された絶縁性ブラックマトリックス用カーボンブラック、特開平9−265006号公報には、遮光剤として表面がアジリジン基、オキサゾリン基、N−ヒドロキシアルキルアミド基、イソシアネート基、エポキシ基、ビニル基、アクリル基、メタクリル基の中から選ばれる1種以上の反応性基を含有する高分子化合物によって、表面がグラフト化されたカーボンブラックを使用する樹脂ブラックマトリックス等、数多くの技術が開示されている。
【0006】
しかしながら、これらの技術以外にも、高い絶縁性と共に、着色力及び隠蔽力が大きなブラックマトリックスを形成することが可能なブラックマトリックス用レジスト組成物に用いることができる、工業的に有用なカーボンブラックを研究する余地があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、表面処理したカーボンブラック、及び、それを含有してなる、着色力及び隠蔽力が大きく、絶縁性に優れる新規なブラックマトリックス用レジスト組成物を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意検討した結果、カーボンブラックの表面のカルボキシル基をカルボジイミド基を含有する化合物のカルボジイミド基と反応させ表面処理することにより絶縁性の高いカーボンブラックが得られること、また、カルボジイミド基を含有する化合物で表面処理したカーボンブラックをブラックマトリックス用レジスト組成物に使用することにより、ブラックマトリックス用レジスト組成物の絶縁性が改善されることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち、本発明は、顔料分散性樹脂を含む樹脂、カルボキシル基含有カーボンブラックの表面をカルボジイミド基を含有する化合物によって表面処理してなるカーボンブラック、光重合性不飽和結合を分子内に1個以上有するモノマー、光重合開始剤、及び、溶剤を含有してなることを特徴とするブラックマトリックス用レジスト組成物に関する。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のカーボンブラックの表面をカルボジイミド基を含有する化合物で表面処理してなるカーボンブラック及びそれを含有してなるブラックマトリックス用レジスト組成物について更に詳細に説明する。
【0011】
本発明のカーボンブラックは、カルボジイミド基を含有する化合物によって、カーボンブラックの表面が表面処理されたカーボンブラックである。このようなカーボンブラックを絶縁性カーボンブラックともいう。
本発明で使用する表面処理前のカーボンブラックとしては、ブラックマトリックス用レジスト組成物等に一般的に用いられているカーボンブラックが使用できる。
【0012】
具体的には、以下に例示するようなカーボンブラックの1種又は2種以上を使用することができる。
三菱化学社製のカーボンブラック:カーボンブラック#2400、#2350、#2300、#2200、#1000、#980、#970、#960、#950、#900、#850、MCF88、#650、MA600、MA7、MA8、MA11、MA100、MA220、IL30B、IL31B、IL7B、IL11B、IL52B、#4000、#4010、#55、#52、#50、#47、#45、#44、#40、#33、#32、#30、#20、#10、#5、CF9、#3050、#3150、#3250、#3750、#3950、ダイヤブラックA、ダイヤブラックN220M、ダイヤブラックN234、ダイヤブラックI、ダイヤブラックLI、ダイヤブラックII、ダイヤブラックN339、ダイヤブラックSH、ダイヤブラックSHA、ダイヤブラックLH、ダイヤブラックH、ダイヤブラックHA、ダイヤブラックSF、ダイヤブラックN550M、ダイヤブラックE、ダイヤブラックG、ダイヤブラックR、ダイヤブラックN760M、ダイヤブラックLP等。
【0013】
キャンカーブ社製のカーボンブラック:サーマックスN990、N991、N907、N908等。
旭カーボン社製のカーボンブラック:旭#80、旭#70、旭#70L、旭F−200、旭#66、旭#66HN、旭#60H、旭#60U、旭#60、旭#55、旭#50H、旭#51、旭#50U、旭#50、旭#35、旭#15等。
【0014】
デグサ社製のカーボンブラック:ColorBlack Fw200、ColorBlack Fw2、ColorBlack Fw2V、ColorBlackFw1、ColorBlack Fw18、ColorBlack S170、ColorBlack S160、SpecialBlack6、SpecialBlack5、SpecialBlack4、SpecialBlack4A、PrintexU、PrintexV、Printex140U、Printex140V等。
尚、これらはいずれも商品名である。
【0015】
上記カーボンブラックにおいて、カーボンブラック表面のカルボキシル基濃度が少ない場合は、例えば、カーボンブラックを高温下で遊離酸素と接触させて酸化させる方法、オゾン、NO2等の酸化剤によって酸化させる方法、臭素及び水によって、常圧下又は加圧下で処理する方法、硫酸や硝酸等の酸化性の溶液で酸化する方法等で、カーボンブラック表面にカルボキシル基が設けられることにより、カーボンブラック表面のカルボキシル基濃度の調節ができる。
また、上記カーボンブラックの粒径としては、平均一次粒径で5〜60nmであることが好ましい。
【0016】
本発明で使用できるカルボジイミド基を含有する化合物について説明する。
カルボジイミド基を含有する化合物とは、分子内にカルボジイミド基、即ち、−N=C=N−を少なくとも1つ有する化合物である。このようなカルボジイミド基を含有する化合物は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
カルボジイミド基を含有する化合物を得る一般的な方法としては、例えば、有機溶媒中で触媒の存在下に、イソシアネート化合物を窒素雰囲気下100〜200℃で脱二酸化炭素化する方法等がある。100℃以下では反応に長時間要し、200℃以上では副反応が起こりやすい。
【0017】
上記イソシアネート化合物としては、メチルイソシアネート、エチルイソシアネート、プロピルイソシアネート、ブチルイソシアネート、オクタデシルイソシアネート、フェニルイソシアネート等のモノイソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート等のポリイソシアネート等が例示できる。
【0018】
上記触媒としては、ホスホレン、ホスホレンオキサイド類等が挙げられる。具体的には、1−エチル−3−メチル−3−ホスホレンオキサイド、1−フェニル−3−メチル−3−ホスホレンオキサイド、1−フェニル−3−メチル−2−ホスホレンオキサイド等が例示できる。
【0019】
上記有機溶媒としては、沸点が高く、且つイソシアネート化合物、生成するカルボジイミド基を有する化合物と反応するような活性水素を持たないものであり、具体的には、トルエン、キシレン、ジエチルベンゼン等の芳香族炭化水素;ジエチレングリコールジアセテート、ジプロピレングリコールジブチレート、ヘキシレングリコールジアセテート、グリコールジアセテート、メチルグリコールアセテート、エチルグリコールアセテート、ブチルグリコールアセテート、エチルジグリコールアセテート、ブチルジグリコールアセテート等のグリコールエーテルエステル類;エチルブチルケトン、アセトフェノン、プロピオフェノン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;酢酸アルミ ニウム、プロピオン酸プロピル、酪酸エチル等の脂肪族エステル等が例示できる。
【0020】
カルボジイミド基を含有する化合物を得る他の方法としては、例えば、米国特許第2941956号、特公昭47−33279号公報、特開平5−178954号公報、特開平6−56950号公報等の方法がある。
上述したカルボジイミド基を有する化合物の市販品としては、ジフェニルメタンジイソシアネートを原料としたモノカルボジイミド化合物としてルプラネートMM−103、XTB−3003(いずれも商品名、BASF社製)、スタバクゾールP(商品名、住友バイエルウレタン社製)、テトラメチルキシリレンジイソシアネートを原料としたポリカルボジイミドとしてカルボジライトV−03、V−05等(いずれも商品名、日清紡社製)等が挙げられる。
【0021】
上記カルボジイミド基を含有する化合物として、カルボジイミド基を含有する化合物と樹脂から得られるカルボジイミド基を含有する樹脂も使用出来る。
具体的には、カルボジイミド基含有ウレタン樹脂、カルボジイミド基含有アクリル樹脂、カルボジイミド基含有ポリエステル樹脂等が挙げられる。
【0022】
本発明のカルボジイミド基を含有する化合物で表面処理化されたカーボンブラックは、例えば、溶媒中でカーボンブラックを分散し、それにカルボジイミド基を含有する化合物を溶媒で溶解した溶液を加え、カーボンブラックの表面のカルボキシル基とカルボジイミド基を有する化合物のカルボジイミド基とを加熱反応させ、その後、溶媒を除去し、真空乾燥機等で加熱乾燥させることにより得ることができる。
【0023】
また、本発明のカルボジイミド基を含有する化合物で表面処理されたカーボンブラックは、予めカルボジイミド基を含有する化合物で表面処理されたカーボンブラックを得ること無しに、カーボンブラック分散体を得る製造時に、カーボンブラックの表面をカルボジイミド基を含有する化合物により表面処理することにより得ることも可能である。すなわち本発明のカーボンブラックは、カーボンブラックの形態で得ることができることはもちろんであるが、カーボンブラック分散体に含有された形態として得ることも可能である。
【0024】
次に本発明のブラックマトリックス用レジスト組成物、すなわちカルボジイミド基を含有する化合物によって、カーボンブラックの表面が表面処理されたカーボンブラックを含有するブラックマトリックス用レジスト組成物について説明する。
【0025】
本発明のブラックマトリックス用レジスト組成物は、感光性を有し、アルカリ現像が可能なものであれば特に制限はないが、樹脂(顔料分散性を有する樹脂も含む)、カルボジイミド基を含有する化合物によってカーボンブラックの表面が表面処理されたカーボンブラック(予め、カルボジイミド基を含有する化合物によってカーボンブラックの表面を表面処理しない場合は、上述したカルボジイミド基を含有する化合物と表面処理前のカーボンブラック)、光重合性不飽和結合を分子内に1個以上有するモノマー、光重合開始剤、溶剤、及び、必要に応じて補色用顔料を有するものが好ましい。
【0026】
本発明のブラックマトリックス用レジスト組成物に使用する樹脂としては、感光性を妨げないものであれば特に制限なく使用できる。
ブラックマトリックス用レジスト組成物を得るための顔料分散性を有する樹脂としては、ポリアミン化合物(例えば、ポリアリルアミン、ポリビニルアミン、ポリエチレンイミン等のポリ(低級アルキレンイミン)、ポリアルキレンポリアミン等)のアミノ基及び/又はイミノ基と、遊離のカルボキシル基を有するポリエステル、ポリアミド、ポリエステルアミドよりなる群から選択される少なくとも1種との反応生成物;片末端にアミノ基と反応し得る官能基を有するポリカーボネート化合物とポリアミン化合物との反応生成物;アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアミド、ビニルイミダゾール、ビニルピリジン、アミノ基とポリカプロラクトン骨格を有するモノマー等の塩基性基含有モノマーと、上記(メタ)アクリル酸エステル、スチレン、スチレン誘導体、その他の重合性モノマーとの共重合体;カルボキシメチルヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース系樹脂;ポリビニルアルコール;ポリビニルピドリドン;ブチラール樹脂;ポリアクリルアミド;アルキッド樹脂;フェノール樹脂;エポキシ樹脂;ウレタン樹脂;ポリエステル樹脂;ポリイミド樹脂等が例示でき、これらは単独で又は併用して使用できる。
【0027】
また、ブラックマトリックス用レジスト組成物を得るための皮膜形成樹脂としては、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、マレイン酸モノアルキルエステル、シトコラン酸、無水シトコラン酸、シトコラン酸モノアルキルエステル等のカルボキシル基含有モノマーと、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、ブチルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、ブチルアクリレート、ステアリルアクリレート、ラウリルアクリレート、ベンジルアクリレート等の(メタ)アクリル酸エステルと、スチレン、スチレン誘導体、その他の重合性モノマーとの共重合体等の公知の樹脂が例示でき、これらは単独で又は併用して使用できる。
【0028】
本発明のブラックマトリックス用レジスト組成物に使用できる光重合性不飽和結合を分子内に1個以上有するモノマーについて説明する。
光重合性不飽和結合を分子内に1個以上有するモノマーのうち光重合性不飽和結合を分子内に1個有するモノマーとしては、メチルメタアクリレート、ブチルメタアクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、メチルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート等のアルキルメタクリレート又はアクリレート;ベンジルメタクリレート、ベンジルアクリレート等のアラルキルメタクリレート又はアクリレート;ブトキシエチルメタクリレート、ブトキシエチルアクリレート等のアルコキシアルキルメタクリレート又はアクリレート;N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート等のアミノアルキルメタクリレート又はアクリレート;ジエチレングリコールエチルエーテル、トリエチレングリコールブチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル等のポリアルキレングリコールアルキルエーテルのメタクリル酸又はアクリル酸エステル;ヘキサエチレングリコールフェニルエーテル等のポリアルキレングリコールアリールエーテルのメタクリル酸又はアクリル酸エステル;イソボニルメタクリレート又はアクリレート;グリセロールメタクリレート又はアクリレート;2−ヒドロキシエチルメタクリレート又はアクリレート等が例示できる。
【0029】
光重合性不飽和結合を分子内に1個以上有するモノマーのうち光重合性不飽和結合を分子内に1個以上有するモノマーとしては、その他にも、ビスフェノールAジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、グリセロールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、ジペンタエリスリトールペンタメタクリレート、ビスフェノールAジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、グリセロールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート等が挙げられる。これらのモノマーは、単独で又は2種以上を組合わせて用いることができる。
【0030】
本発明のブラックマトリックス用レジスト組成物に使用できる光重合開始剤としては、特に制限なく、例えば、ベンゾフェノン、N,N’−テトラエチル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン、4−メトキシ−4’−ジメチルアミノベンゾフェノン、ベンジル、2,2−ジエトキシアセトフェノン、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、α−ヒドロキシイソブチルフェノン、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、t−ブチルアントラキノン、1−クロロアントラキノン、2,3−ジクロロアントラキノン、3−クロロ−2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、1,4−ナフトキノン、1,2−ベンゾアントラキノン、1,4−ジメチルアントラキノン、2−フェニルアントラキノン、トリアジン系光重合開始剤等が挙げられる。これらの光重合開始剤は単独で又は2種以上を組合わせて用いられる。
【0031】
本発明のブラックマトリックス用レジスト組成物に使用できる溶剤としては、顔料を安定的に分散させることができ、且つ上記樹脂を溶解させることができる溶剤が好ましい。このような溶剤の具体例としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテル類;エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等の(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン等のケトン類;2−ヒドロキシプロピオン酸メチル、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル等の乳酸アルキルエステル類;2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、3−メチル−3−メトキシブチルプロピオネート、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸エステル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、プロピオン酸n−ブチル、アセト酢酸メチル、蟻酸n−アミル、ピルビン酸エチル等のエステル類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;N−メチルピドリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類を例示できる。これら溶剤は、単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
【0032】
本発明のブラックマトリックス用レジスト組成物には必要に応じて補色用顔料を使用することができる。
本発明のカルボジイミド基を含有する化合物よってカーボンブラックの表面が表面処理されたカーボンブラックは、一次粒径の小さいものであるので、主として茶系統の色調を有する。そこで補色用顔料を混合させ、色相をニュートラルブラックにするのが好ましい。補色用顔料としては、着色力の高い青色有機顔料又は着色力の高い紫色有機顔料、更に着色力の高い青色有機顔料及び着色力の高い紫色有機顔料の混合物を使用することができる。青色有機顔料の具体例としては、ピグメントブルー15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:5、15:6、16、21、22、60、64等が、紫色有機顔料としては、ピグメントバイオレット19、23、29、31、32、33、36、37、39、43、50等が挙げられる。これらの中でも、ピグメントブルー15、15:1、15:2、15:6、ピグメントバイオレット23、31、33、43、50が好ましい。
【0033】
更に、本発明のブラックマトリックス用レジスト組成物には、必要に応じて、暗反応を制御するためにハイドロキノン、ピロガロール、t−ブチルカテコール等の熱重合禁止剤;顔料誘導体;顔料分散助剤;基板との密着性を向上させるためのシランカップリング剤やチタネートカップリング剤;紫外線吸収剤;酸化防止剤等の各種添加剤を適宜使用することができる。
【0034】
次に、本発明のブラックマトリックス用レジスト組成物の製造法について説明する。
まず、カルボジイミド基を含有する化合物によってカーボンブラックの表面が表面処理されたカーボンブラック、顔料分散性を有する樹脂、溶剤、及び、必要に応じて補色用有機顔料を混合し、超音波分散機、ビーズミル、3本ロール、ボールミル、サンドミル、ホモジナイザー、ニーダー等を用いて混練し分散処理し顔料分散体としてカーボンブラック分散液を得る。
【0035】
また、予め、カルボジイミド基を含有する化合物によってカーボンブラックの表面が表面処理されていないカーボンブラックを使用する場合は、カルボジイミド基を含有する化合物、カーボンブラック、顔料分散性を有する樹脂、溶剤、及び、必要に応じて補色用有機顔料を混合し、超音波分散機、ビーズミル、3本ロール、ボールミル、サンドミル、ホモジナイザー、ニーダー等を用いて混練し分散処理し顔料分散体を得る。
次いで、得られた顔料分散体に、光重合性不飽和二重結合を分子内に1個以上有するモノマー、光重合開始剤、樹脂、必要に応じ溶剤、その他添加剤を加え混合して本発明のブラックマトリックス用レジスト組成物を得る。
【0036】
本発明のブラックマトリックス用レジスト組成物により形成される絶縁性ブラックマトリックスは、着色力及び隠蔽力が大きく、絶縁性に優れるものであり、例えば、TFTアレイ基盤側に設けられるブラックマトリックスのように、高い絶縁性が要求されるブラックマトリックスとして好適に適用することができるものである。
【0037】
【実施例】
以下、実施例によって、本発明のブラックマトリックス用レジスト組成物及びその製造方法を更に詳細に説明するが、本発明はその主旨と適用範囲を逸脱しない限りこれらに限定されるものではない。なお、以下の記述において「部」は「重量部」を示す。
【0038】
[表面処理カーボンブラックの調製]
調製例1 表面処理カーボンブラック1
スチールビーズ(Φ5mm)1000gを容量1000mlのスチール缶に、平均粒径24nm、DBP吸油量60ml/100g、pH値2.5のカーボンブラック50g、精製水450gを仕込んだ。この混合物をペイントコンディショナーを用い30分間練肉し、水性カーボンブラック分散体を得た。この水性カーボンブラック分散体を環流冷却管、窒素ガス導入管、攪拌棒、温度計を備えた四つ口フラスコに移し、攪拌しながらカルボジイミド当量262のポリカルボジイミド20gを溶解したプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート200gを添加し、約90℃で8時間反応させた。反応後、精製水及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを除去し、真空乾燥機に入れ80℃で2時間乾燥し、カルボジイミド基を含有する化合物により表面処理されたカーボンブラック(表面処理カーボンブラック1)を得た。
【0039】
調製例2 表面処理カーボンブラック2
スチールビーズ(Φ5mm)1000gを容量1000mlのスチール缶に、平均粒径24nm、DBP吸油量60ml/100g、pH値2.5のカーボンブラック50g、精製水450gを仕込んだ。この混合物をペイントコンディショナーを用い30分間練肉し、水性カーボンブラック分散体を得た。この水性カーボンブラック分散体を環流冷却管、窒素ガス導入管、攪拌棒、温度計を備えた四つ口フラスコに移し、攪拌しながら下記のカルボジイミド基含有ウレタン樹脂75gを溶解したプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート200gを添加し、約90℃で8時間反応させた。反応後、精製水及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを除去し、真空乾燥機に入れ80℃で2時間乾燥し、カルボジイミド基含有ウレタン樹脂により表面処理されたカーボンブラク(表面処理カーボンブラック2)を得た。
【0040】
[カルボジイミド基含有ウレタン樹脂の調製]
調製例3
環流冷却管、窒素ガス導入管、攪拌棒、温度計を備えた四つ口フラスコに、イソシアネート基を有するカルボジイミド当量262のポリカルボジイミド76.3g分子量2000のポリ(3−メチルペンチルアジペート)113.7g、メチルジエタノールアミン4.5gを仕込み、約100℃で8時間反応させ、次いでプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート291.7gを仕込んで分子量約10000のカルボジイミド基含有ウレタン樹脂を得た。
【0041】
実施例1〜4,比較例1
表1の組成の材料を、ビーズミルで一昼夜分散し、実施例1〜4、比較例1のカーボンブラック分散液を得た。
更に、実施例1〜4、比較例1のカーボンブラック分散液を他の材料と表2の組成になるよう均一混合後、孔径3μmのフィルターで濾過し、実施例1〜4、比較例1のブラックマトリックス用レジスト組成物を得た。
【0042】
[評価試験]
実施例1〜4、比較例1の各ブラックマトリックス用レジスト組成物をスピンコーターにて膜厚1μmとなるようにガラス基板上に塗布し、100℃で3分間プレベークした後、高圧水銀灯で露光し、更に230℃で30分間ポストベークを行い、ベタ部のみで形成された各レジストパターンを得た。
【0043】
1.粘度
実施例1〜4、比較例1の各カーボンブラック分散液、実施例1〜4、比較例1の各ブラックマトリックス用レジスト組成物について、R型粘度計を用いて25℃における粘度を測定した。
2.レジストパターンの濃度
得られた各ベタ部のレジストパターンの光学濃度をマクベス濃度計(TD−931)で測定した。
3.レジストパターンの抵抗値
得られた各ベタ部のレジストパターンの体積抵抗値を抵抗測定器(R8340/8340A、アドバンテスト社製)にて測定した。
【0044】
【表1】
【0045】
【表2】
【0046】
【発明の効果】
本発明により、カルボジイミド基を含有する化合物で表面処理したカーボンブラック、及び、それを含有してなる、着色力及び隠蔽力が大きく、絶縁性に優れる新規なブラックマトリックス用レジスト組成物が得られる。
Claims (1)
- 顔料分散性樹脂を含む樹脂、カルボキシル基含有カーボンブラックの表面をカルボジイミド基を含有する化合物によって表面処理してなるカーボンブラック、光重合性不飽和結合を分子内に1個以上有するモノマー、光重合開始剤、及び、溶剤を含有してなることを特徴とするブラックマトリックス用レジスト組成物。
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