JP4559209B2 - カルボジイミド系化合物、顔料分散組成物及びその用途 - Google Patents

カルボジイミド系化合物、顔料分散組成物及びその用途 Download PDF

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Description

本発明は、カルボジイミド系化合物、それを含む顔料分散組成物及び顔料分散レジスト組成物に関し、より詳しくは、カルボキシル基含有樹脂の架橋と活性エネルギー線硬化材料の開始反応との両方に機能する架橋剤、更に顔料の良好な分散及び良好な活性エネルギー線硬化性を実現するカルボジイミド系化合物、該化合物を含有し、顔料の分散性、流動性等や、活性エネルギー線硬化性に優れ、活性エネルギー線で硬化する印刷インキ、塗料、インクジェット用インク、感光性レジスト組成物等の広い範囲で好適に使用し得る顔料分散組成物、及び、その用途に関する。
カルボジイミド化合物は、カルボキシル基等の酸基と良好な反応性を有する数少ない化合物であることから、主として酸基を含む樹脂の架橋剤等に利用されてきた。しかしながら、このような反応性だけでなく、カルボジイミド化合物は多種の機能性側鎖が容易に導入できるという特徴を有し、最近では、その特徴を生かして多機能性の高分子化合物が設計され、色々な分野での利用が検討されている。
例えば、本願出願人は、顔料分散技術への応用という観点から、カルボジイミド化合物の高機能化を図り、難分散性顔料をより微細に分散でき、更にその状態を安定的に維持できる方法の開発を推し進めている。
顔料を分散状態のまま維持して利用する代表的な分野として、古くから印刷インキや塗料等が知られているが、最近ではカラーフィルター用の顔料分散レジスト組成物やインクジェット用インクといった、より鮮明な色相が求められる分野においても着色剤として顔料が利用され始めている。
これら顔料の分散技術は近年著しい進歩を遂げており、更に製造の合理化のために顔料濃度をできるだけ高くして分散する方法が行われているが、顔料の濃度を高くすると、流動性、分散安定性、硬化性(特に黒色顔料の場合)が低下するという基本的な問題を有している。
加えて、カラーフィルターやインクジェット記録の分野では、高堅牢度が要求されるために高級顔料を使用することが多々あり、この場合、鮮明な色相を得るために粒子径をより微細化することが必要となる。しかしながら、もともと高級顔料は、他の顔料と比較して分散安定性が乏しいうえに、微細化すればするほど、凝集を起こし易くなり、安定な分散体を得ることが困難となる。
他方、カーボンブラックは、黒色度の高い顔料として広く利用されているが、一次粒子径が微細なうえに多孔質で比表面積が大きいという性状のために、やはり高濃度化が困難で分散安定性に欠けるという問題がある。また、最近では、カーボンブラックをブラックマトリックスの遮光材料として利用する試みも行われており、導電性の高いカーボンブラックから、高絶縁性のブラックマトリックスを得ることは困難であるという問題がある。
そこで、このような問題を解決するために、従来より、顔料自体の処理(表面処理・改質)や、顔料に良好な濡れ性(吸着性)を有する顔料分散剤、顔料誘導体、界面活性剤の開発等により、顔料の分散安定性や高濃度化の方法が検討され、現在でも多くの研究が行われている。
例えば、ポリ(低級アルキレン)イミンと、遊離のカルボキシル基を有するポリエステルとの反応生成物よりなり、その中でそれぞれのポリ(低級アルキレン)連鎖に最低2つのポリエステル連鎖が結合された分散剤(例えば、特許文献1参照)、ポリアリルアミンのアミノ基にポリエステル、ポリアミド等が導入されたポリアリルアミン誘導体(例えば、特許文献2参照)、スルホン酸基を導入したフタロシアニン顔料誘導体(例えば、特許文献3参照)、更に、カルボキシル基等の官能基を有するカーボンブラックにおいて、アジリジン基、イソシアネート基、エポキシ等の官能基を有する分散剤を、カルボキシル基と反応させてグラフト化する方法(例えば、特許文献4参照)等が開示されているが、高濃度時の流動性や分散安定性、硬化性を改善するに至っていない。
そこで、本願出願人は、カーボンブラック等の主に表面に酸基を有する顔料に対する分散性向上の技術として、カルボジイミド化合物を顔料表面にグラフト化させることにより、安定的に微細な分散状態を維持できる処理顔料を開発し提案している(例えば、特許文献5参照)。更に本願出願人は、先のグラフト化技術に加えて、カルボジイミド化合物の分子内に側鎖を導入し、クシ形の分子構造とすることでより高い分散安定性が得られることを見出し提案している(例えば、特許文献6、7参照)。更に、本願出願人は、カルボジイミド基と反応する官能基を有していないか、又は有していても反応させることが困難である顔料に対しても、顔料の分散性向上技術として、カルボジイミド化合物の分子内に、顔料の分子構造に類似している顔料誘導体、顔料中間体、色素誘導体及び色素中間体からなる群から選択される少なくとも1種を導入することにより安定的に微細な分散状態を維持できる顔料分散剤を開発し提案している(例えば、特許文献8参照)。
本願出願人が提案するこのような処理顔料、顔料分散剤は、顔料の高濃度化にも対応して、高顔料濃度時においても分散安定性、流動性が非常に良好で、特にカラーフィルター用のレジスト組成物やブラックマトリックス用のレジスト組成物において、好適に使用されるものであり、有機顔料では鮮明なコントラストの皮膜が得られ、カーボンブラック等の黒色顔料では絶縁性や遮光性が高い皮膜が得られ、更にレジスト組成物としたときの現像特性等も改善される等、優れた効果が得られるものである。
特開昭54−037082号公報 特開平09−169821号公報 特開2001−356210号公報 特開平09−166869号公報 特開2004−045622号公報 国際公開03/076527号パンフレット 特開2004−083872号公報 特開2004−003085号公報
しかしながら、上記の活性エネルギー線で皮膜を硬化させる塗料や印刷インキ、レジスト組成物等において、顔料濃度が高い場合は、皮膜の内部まで活性エネルギー線が到達することが困難であり、硬化不良が発生しやすくなる。そして、硬化の充分でない塗料やインキは、非塗工部や非印刷部を汚損する原因となり、また、レジスト組成物においては、現像時に未硬化の皮膜が現像液で洗い流されて、所望するレジストパターンが得られない等の問題が発生する。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、系の活性エネルギー線による硬化性を向上させ、例えば分散剤として利用したときに、顔料の良好な分散及び良好な活性エネルギー線硬化性を実現するカルボジイミド系化合物、該化合物を利用した、顔料の分散性、流動性等や、活性エネルギー線硬化性に優れ、活性エネルギー線で硬化する塗料、印刷インキ、インクジェット用インク、感光性レジスト組成物等の広い範囲で好適に使用し得る顔料分散組成物、該顔料分散組成物を含有する活性エネルギー線硬化性組成物、並びに、該顔料分散組成物を含有する顔料分散レジスト組成物を提供することである。
本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意検討した結果、カルボジイミド当量が100〜50000のカルボジイミド化合物のカルボジイミド基及び/又はイソシアネート基に、カルボジイミド基及び/又はイソシアネート基と反応する官能基を有し且つラジカル開始能を有する化合物を反応させて、分子内にラジカル開始能鎖を導入したカルボジイミド系化合物を使用することにより、上記課題を全て解決し得ることを見いだし、本発明を完成するに到った。
すなわち、本発明は、(1)分子内にラジカル開始剤として作用する基を有するカルボジイミド系化合物であって、該カルボジイミド系化合物は、カルボジイミド当量が100〜50000のカルボジイミド化合物のカルボジイミド基に、カルボジイミド基と反応する官能基を有し且つラジカル開始剤として作用する基を有する化合物を反応させて、分子内にラジカル開始剤として作用する基を導入してなるものであるカルボジイミド系化合物に関する。
また、本発明は、(2)上記カルボジイミド系化合物は、カルボジイミド基及び/又はイソシアネート基と反応する官能基を有し且つ紫外線増感能を有する化合物を使用して、分子内に紫外線増感能鎖を導入してなるものである上記(1)項に記載のカルボジイミド系化合物に関する。
また、本発明は、(3)上記カルボジイミド系化合物は、更に、分子内にポリエステル側鎖、ポリエーテル側鎖及びポリアクリル側鎖からなる群より選択される少なくとも1種の側鎖を有するものである上記(1)又は(2)項に記載のカルボジイミド系化合物に関する。
また、本発明は、(4)前記(1)〜(3)項のいずれかに記載のカルボジイミド系化合物を用いて、顔料を分散させてなる顔料分散組成物に関する。
また、本発明は、(5)前記(4)項に記載の顔料分散組成物を含有する活性エネルギー線硬化性組成物に関する。
また、本発明は、(6)前記(4)項に記載の顔料分散組成物を含有する顔料分散レジスト組成物に関する。
以下、本発明について更に詳細に説明する。
<カルボジイミド系化合物>
1)カルボジイミド系化合物の分子構造の基本的な説明
本発明のカルボジイミド系化合物は、分子内にラジカル開始能鎖を有するものであるが、このような鎖を有することにより、高いラジカル開始能が求められる各種の用途に好適に用いることができる。特に、後記の分子内にカルボジイミド基を有するものは、カルボキシル基含有樹脂の架橋と、活性エネルギー線硬化材料の開始反応の両方に機能する架橋剤、また、顔料表面にグラフト化させるタイプであって、更に活性エネルギー線硬化性を向上させる顔料分散剤等に好適に利用できるものであり、一方、後記の顔料表面に吸着性の鎖を有するものは、顔料表面に吸着させるタイプであって、更に活性エネルギー線硬化性を向上させる顔料分散剤等に好適に利用できるものである。そして、顔料分散物として特にレジスト組成物に利用した場合に、優れた硬化性や現像特性を発揮することが可能となる。
上記のカルボジイミド系化合物としては、カルボジイミド当量が100〜50000のカルボジイミド化合物のカルボジイミド基及び/又はイソシアネート基に、カルボジイミド基及び/又はイソシアネート基と反応する官能基を有し且つラジカル開始能を有する化合物を反応させて、分子内にラジカル開始能鎖を導入してなるものである限り特に限定されない。
また、更に各種機能性を有する分子鎖や官能基を上記カルボジイミド系化合物の分子内に導入することにより、ラジカル開始能にその他の機能を付加して複数の機能を有する化合物を得ることもできる。そして、これら複数の機能を有するカルボジイミド系化合物は本発明において好ましい形態である。
例えば、本発明の作用効果を更に充分に発揮するために、該カルボジイミド系化合物は、紫外線増感能を有する化合物を使用して、分子内に紫外線増感能鎖を導入してなるものであることが好ましい。上記紫外線増感能を有する化合物としては、カルボジイミド基及び/又はイソシアネート基と反応する官能基を有するものであることが好ましいが、カルボジイミド基及び/又はイソシアネート基と反応する官能基を有さないものであっても、ラジカル開始能を有する化合物と反応するものであれば、ラジカル開始能を有する化合物を介して分子内に紫外線増感能鎖を導入することができる。
また、顔料の分散に用いる場合、使用する顔料の種類に応じて、顔料表面との共有結合や吸着による分散安定化作用を付与することが可能であり、例えば、表面にカルボジイミド基と反応する官能基を有する顔料を利用する場合は、カルボジイミド系化合物としては、カルボジイミド基を1つ以上有するようにし、当該官能基同士の共有結合を利用することができる。また、表面に酸性部位を有する顔料を利用する場合は、カルボジイミド系化合物としては、カルボジイミド系化合物1gあたり、塩基性窒素含有量が0.02〜4mmol、好ましくは0.05〜3mmolとなるように、分子内に塩基性窒素含有鎖を有するようにし、酸−塩基の親和力による吸着を利用することができる。ここで、「塩基性窒素含有基」とは、水中で4級アンモニウムイオンを形成する窒素を含有する基はもとより、ルイス塩基として作用する窒素を含むものであり、その代表的なものとしてはアミノ基や含窒素複素環基等である。
更に、顔料の分子構造の類似性に起因する親和力による吸着を利用する場合は、カルボジイミド系化合物としては、分子内に色剤中間体鎖及び/又は色剤誘導体鎖を有するようにする。
尚、上記鎖の導入は、例えば、塩基性窒素を含有し、且つ紫外線増感能鎖等のように2つ以上の機能を有する鎖により行うこともできる。
加えて顔料を分散媒体中により安定的に分散させる点から、上記カルボジイミド系化合物は、更に、分子内にポリエステル鎖、ポリエーテル鎖及びポリアクリル鎖からなる群より選択される少なくとも1種の鎖を有するものであることが好ましく、その中でも、分子内にポリエステル側鎖、ポリエーテル側鎖及びポリアクリル側鎖からなる群より選択される少なくとも1種の側鎖を有するものであることがより好ましい。顔料分散安定性を向上させるこれらの側鎖を有することにより、顔料を分散媒体中に分散したときに、これらの側鎖が分散媒体中でドメインを形成して立体障害等の作用をすることから、顔料を分散媒体中により安定的に分散させることができるものと考えられる。
なお、ここで「側鎖」とは、カルボジイミド系化合物を主鎖としたときに、主鎖から枝分れの状態にある鎖をいう。本発明においては、鎖の構造の大きさにかかわらず、カルボジイミド化合物に由来する部分を「主鎖」といい、主鎖から枝分れの状態にある鎖をすべて「側鎖」という。また、1つの側鎖の中にポリエステル鎖とポリエーテル鎖とをそれぞれ1種以上で組み合わせて形成されるものは、「ポリエステル側鎖」と「ポリエーテル側鎖」との両方に属し、1つの側鎖の中にポリエステル鎖とポリアクリル鎖とをそれぞれ1種以上で組み合わせて形成されるものは、「ポリエステル側鎖」と「ポリアクリル側鎖」との両方に属し、1つの側鎖の中にポリエーテル鎖とポリアクリル鎖とをそれぞれ1種以上で組み合わせて形成されるものは、「ポリエーテル側鎖」と「ポリアクリル側鎖」との両方に属する。更に、1つの側鎖の中にポリエステル鎖、ポリエーテル側鎖及びポリアクリル鎖をそれぞれ1種以上で組み合わせて形成されるものは、「ポリエステル側鎖」、「ポリエーテル側鎖」及び「ポリアクリル側鎖」のいずれにも属する。そして、このように1つの側鎖の中に、ポリエステル鎖、ポリエーテル鎖及びポリアクリル鎖が混在するものも、もちろん「ポリエステル側鎖、ポリエーテル側鎖及びポリアクリル側鎖からなる群より選択される少なくとも1種の側鎖」の条件を満足する側鎖である。
2)カルボジイミド系化合物の好ましい形態の詳細な説明
本発明のカルボジイミド系化合物の好ましい形態について説明する。
上記カルボジイミド系化合物の基本的な分子構造で説明したように、本発明の分子内にラジカル開始能鎖を有するカルボジイミド系化合物は、要求される性能に応じて、分子内に以下の官能基や機能性鎖等の1種又は2種以上を有することが好ましい。
(ア)カルボジイミド基、
(イ)塩基性窒素含有鎖、
(ウ)色剤中間体鎖及び/又は色剤誘導体鎖、
(エ)紫外線増感能鎖、
(オ)ポリエステル側鎖、ポリエーテル側鎖及びポリアクリル側鎖からなる群より選択される少なくとも1種の側鎖。
そして、好ましい形態の一例として、
(A)分子内に(ア)を有する化合物:カルボジイミド基を1つ以上有し、且つラジカル開始能鎖を有する形態、
(B)分子内に(イ)を有する化合物:ラジカル開始能鎖と、塩基性窒素含有鎖とを有する形態、
(C)分子内に(イ)及び(エ)とを有する化合物:ラジカル開始能鎖と、塩基性窒素及び紫外線増感能鎖とを有する形態、
(D)分子内に(ウ)を有する化合物:ラジカル開始能鎖と、色剤中間体鎖及び/又は色剤誘導体鎖とを有する形態、
(E)分子内に(イ)、(ウ)及び(エ)を有する化合物:ラジカル開始能鎖と、塩基性窒素及び紫外線増感能鎖と、色剤中間体鎖及び/又は色剤誘導体鎖とを有する形態、
(F)分子内に(ア)及び(オ)を有する化合物:カルボジイミド基を1つ以上有し、且つ、ラジカル開始能鎖と、ポリエステル側鎖、ポリエーテル側鎖及びポリアクリル側鎖からなる群より選択される少なくとも1種の側鎖とを有する形態、
(G)分子内に(イ)及び(オ)を有する化合物:ラジカル開始能鎖と、塩基性窒素含有鎖と、ポリエステル側鎖、ポリエーテル側鎖及びポリアクリル側鎖からなる群より選択される少なくとも1種の側鎖とを有する形態、
(H)分子内に(イ)、(エ)及び(オ)を有する化合物:ラジカル開始能鎖と、塩基性窒素及び紫外線増感能鎖と、ポリエステル側鎖、ポリエーテル側鎖及びポリアクリル側鎖からなる群より選択される少なくとも1種の側鎖とを有する形態、
(I)分子内に(ウ)及び(オ)を有する化合物:ラジカル開始能鎖と、色剤中間体鎖及び/又は色剤誘導体鎖と、ポリエステル側鎖、ポリエーテル側鎖及びポリアクリル側鎖からなる群より選択される少なくとも1種の側鎖とを有する形態、
(J)分子内に(イ)、(ウ)、(エ)及び(オ)を有する化合物:ラジカル開始能鎖と、塩基性窒素及び紫外線増感能鎖と、色剤中間体鎖及び/又は色剤誘導体鎖と、ポリエステル側鎖、ポリエーテル側鎖及びポリアクリル側鎖からなる群より選択される少なくとも1種の側鎖とを有する形態等が挙げられる。
なお、(B)〜(E)、(G)〜(J)の形態のカルボジイミド系化合物については、カルボジイミド基はあってもなくてもよい。
これらの(A)〜(J)のカルボジイミド系化合物は、例えば、顔料分散に用いる場合には、上記(A)、(F)の形態のカルボジイミド系化合物は、顔料と共有結合させる場合に好適に用いられ、上記(B)、(C)、(G)、(H)の形態のものは、顔料に酸−塩基の親和力により吸着させる場合や、酸−塩基の親和力により顔料に吸着させるとともに共有結合させる場合に好適に用いられ、上記(D)、(I)の形態のものは、顔料に分子構造の類似性に起因する親和力により吸着させる場合や、顔料に分子構造の類似性に起因する親和力により吸着させるとともに共有結合させる場合に好適に用いられ、上記(E)、(J)の形態のものは、分子構造の類似性に起因する親和力により吸着させる場合や、顔料に分子構造の類似性に起因する親和力により吸着させるとともに顔料に酸−塩基の親和力により吸着させる場合や、顔料に分子構造の類似性に起因する親和力により吸着させるとともに酸−塩基の親和力により顔料に吸着させ、且つ共有結合させる場合に好適に用いられる。
そして、出発化合物であるカルボジイミド基を少なくとも1つ以上有し、また、官能基として必要な場合にイソシアネート基を有するカルボジイミド化合物に、上記のラジカル開始能鎖、(イ)〜(オ)の機能性鎖を導入して、上記(A)〜(J)の形態を有するカルボジイミド系化合物を得る方法としては、カルボジイミド基及びイソシアネート基の少なくとも一方と反応可能な官能基と、上記ラジカル開始能鎖とを有する化合物、及び、カルボジイミド基及びイソシアネート基の少なくとも一方と反応可能な官能基と、(イ)〜(オ)の少なくとも1つの機能性鎖の部分とを有する化合物を、上記カルボジイミド化合物に、当該官能基同士を反応させて得る方法が利用できる。
このような方法から得られるカルボジイミド系化合物は、(A)〜(J)の形態となる条件を満たすものである限り、各種機能性鎖を導入する順序は、どのような順序でもよく、特に限定されるものではない。例えば、イソシアネート基と反応する官能基を有する化合物を2種以上使用する場合には、別々あるいは同時に加えて反応させることもでき、カルボジイミド基と反応する官能基を有する化合物を2種以上使用する場合も、別々あるいは同時に加えて反応させることもできる。
また、上記ラジカル開始能鎖、(イ)〜(エ)の機能性鎖は、カルボジイミド系化合物の主鎖又は側鎖、あるいはその両方に導入される可能性があるが、これらの鎖が主鎖及び側鎖のいずれにある場合の化合物も、本発明のカルボジイミド系化合物である。
このようなカルボジイミド系化合物としては、例えば、以下の一般式(1)のように模式的に表現できる。
まず、出発物質として、例えば、分子内にカルボジイミド基をN個(但し、N≧1)有し、両末端がイソシアネート基であるカルボジイミド化合物に対して、ラジカル重合開始能鎖を有する化合物がカルボジイミド基と反応する官能基を有する場合、Yの部位にラジカル重合開始能鎖が導入され、また、イソシアネート基と反応する官能基を有する場合、Xの部位にラジカル重合開始能鎖が導入されることになる。更に要求される性能に応じて、上記(イ)〜(エ)の機能性鎖の少なくとも1つを有する化合物が、カルボジイミド基と反応する官能基を有する場合、Zの部位に上記(イ)〜(エ)の機能性鎖の少なくとも1つが導入され、また、イソシアネート基と反応する官能基を有する場合、Xの部位に上記(イ)〜(エ)の機能性鎖の少なくとも1つが導入される。
また、Xの部位は、上記機能性鎖を有していないイソシアネート基と反応可能な官能基を有する化合物を反応させアルキル鎖、ポリエーテル鎖、ポリエステル鎖、ポリアクリル鎖等の鎖を導入することもできる。
上記機能性鎖を有していないイソシアネート基と反応可能な官能基を有する化合物としては、カルボジイミド基と反応性が低くて、先にイソシアネート基と選択的に反応する化合物が好ましく、例えば、メタノール、エタノール等の低分子モノアルコール化合物;水酸基を含有するポリエステル化合物、水酸基を有するポリエーテル化合物、ポリアルキレングリコールとそのモノアルキルエステル化合物、ポリメチルメタクリレートジオール、ポリブチルメタクリレートジオール等の水酸基含有ポリアクリル化合物といったような水酸基含有化合物を挙げることができる。その中でも、好ましくは式量(数平均分子量)が500〜5000のポリエステル鎖、ポリエーテル鎖又はポリアクリル鎖を形成できるものである。
Figure 0004559209
ここで、Xは、それぞれ独立して、未反応のイソシアネート基を表し、上述したように、イソシアネート基と、それと反応可能な官能基との反応による連結基を介して結合したラジカル重合開始能鎖、(イ)、(ウ)若しくは(エ)の機能性鎖を含む構成単位、又は、イソシアネート基と、それと反応可能な官能基との反応による連結基を介して結合した機能性鎖を有していない鎖を含む構成単位を形成することがある。Yは、上述したように、それぞれ独立して、カルボジイミド基と、それと反応可能な官能基との反応による連結基を介して結合したラジカル開始能鎖を含む構成単位を形成することがある。Zは、上述したように、それぞれ独立して、カルボジイミド基と、それと反応可能な官能基との反応による連結基を介して結合した(イ)、(ウ)又は(エ)の機能性鎖を含む構成単位を形成することがある。また、L及びMは、それぞれ分子内のY及びZの構成単位の個数を表し、0も含むが、L=0の場合、両端のXの少なくともいずれか一方にはラジカル開始能鎖を含むものである。そして、(N−L−M)は、0以上の整数を表す。
なお、上記の一般式(1)は、主要な部位のみを抽象化して表示したものである。また、YとZの構成単位がそれぞれ連なった構造を代表的に表示したが、YとZと−(N=C=N)−とがランダムに結合している構造も含む。
更に、カルボジイミド基と、それと反応可能な官能基との反応を利用して、カルボジイミド系化合物の分子内にポリエステル側鎖、ポリエーテル側鎖及びポリアクリル側鎖からなる群より選択される少なくとも1種の側鎖を導入する場合は、上記の模式図の残余のカルボジイミド基の部分に、当該官能基同士の反応により生じた連結基を介して側鎖が導入された化合物となる。
通常、カルボジイミド基と反応可能な官能基としては、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基、水酸基、アミノ基等を挙げることができ、それらの官能基とカルボジイミド基との反応から形成される連結基は、以下のような構造となる。
例えば、カルボジイミド基とカルボキシル基との反応から形成される連結基としては、下記一般式(2)、(3)で表され、カルボジイミド基と水酸基との反応から形成される連結基は、下記一般式(4)、(5)で表され、カルボジイミド基とアミノ基との反応から形成される連結基は、下記一般式(6)で表され、カルボジイミド基とスルホン酸基との反応から形成される連結基は、下記一般式(7)で表され、カルボジイミド基と燐酸基との反応から形成される連結基は、下記一般式(8)で表される。
また、イソシアネート基と反応可能な官能基としては、水酸基、一級及び二級アミノ基等を挙げることができ、それらの官能基とイソシアネート基との反応から形成される連結基は、以下のような構造となる。
例えば、イソシアネート基と水酸基との反応から形成される連結基としては、下記一般式(9)で表され、イソシアネート基とアミノ基との反応から形成される連結基は、下記一般式(10)で表される。
Figure 0004559209
上記式中、Rは、水素原子又は炭素数1以上の炭化水素基を表す。
3)カルボジイミド系化合物の構成材料
次に、本発明のカルボジイミド系化合物を得るための構成材料について説明する。
3−1)カルボジイミド化合物
本発明のカルボジイミド系化合物を得るために用いられるカルボジイミド化合物としては、分子内にカルボジイミド基、即ち、−N=C=N−で表される基を少なくとも1つ有し、カルボジイミド当量が100〜50000のものである。ここで、カルボジイミド当量とは、(カルボジイミド化合物の分子量)/(カルボジイミド化合物分子中のカルボジイミド基の数)で表される数を意味するものである。
カルボジイミド当量が高すぎると、例えば、後述するように、ポリエステル側鎖等の顔料吸着性を有する側鎖を分子内に導入する場合には、該側鎖の量が少なくなり、分散媒体中での顔料の分散安定性が低下するおそれがある。一方、カルボジイミド当量が低い化合物は、顔料吸着性を有する側鎖を多くして、顔料表面との吸着力を高くできるという点で有利であるが、分散媒体中での顔料の分散安定性が低下するおそれがある。より好ましくは、200以上、また、10000以下である。なお、このようなカルボジイミド化合物としては、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
この本発明のカルボジイミド系化合物を得るために用いられるカルボジイミド化合物について、下記(a)〜(e)に好ましい形態を例示することにより、具体的に説明する。使用するカルボジイミド化合物は、(A)〜(J)等の形態に応じて、適宜選択して使用される。
(a)ジイソシアネート化合物の脱炭酸反応により得られるイソシアネート基を有するカルボジイミド化合物。
上記(a)のジイソシアネート化合物の脱炭酸反応により得られるカルボジイミド化合物は、有機溶媒中で、カルボジイミド化触媒の存在下、ジイソシアネート化合物を脱炭酸反応によりカルボジイミド化して製造することができる。
上記製造方法において、脱炭酸反応させるジイソシアネート化合物としては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート等の脂肪族、脂環族、芳香族又は芳香脂肪族ジイソシアネート化合物が挙げられる。
上記有機溶媒としては、沸点が高く、且つイソシアネート化合物や生成するカルボジイミド基を有する化合物と反応するような活性水素を持たないものを用いることが好ましく、例えば、トルエン、キシレン、ジエチルベンゼン等の芳香族炭化水素;ジエチレングリコールジアセテート、ジプロピレングリコールジブチレート、ヘキシレングリコールジアセテート、グリコールジアセテート、メチルグリコールアセテート、エチルグリコールアセテート、ブチルグリコールアセテート、エチルジグリコールアセテート、ブチルジグリコールアセテート等のグリコールエーテルエステル類;エチルブチルケトン、アセトフェノン、プロピオフェノン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;酢酸アミル、プロピオン酸プロピル、酪酸エチル等の脂肪族エステル等が挙げられる。
上記カルボジイミド化触媒としては、ホスホレン類やホスホレンオキサイド類等を用いることが好ましく、例えば、1−エチル−3−メチル−3−ホスホレンオキサイド、1−フェニル−3−メチル−3−ホスホレンオキサイド、1−フェニル−3−メチル−2−ホスホレンオキサイド等が挙げられる。
これらの材料を用いて、イソシアネート基の脱炭酸反応を行う方法としては、既知の方法が利用でき、例えば、窒素雰囲気下で、100〜200℃の反応温度で行うことができる。なお、上記カルボジイミド基を有する化合物を得る他の方法としては、例えば、米国特許第2941956号、特公昭47−33279号公報、特開平5−178954号公報、特開平6−56950号公報等の方法が挙げられる。
このような製造方法を用いて得られる、イソシアネート基を有するカルボジイミド化合物に関し、例えば、Kモル(但し、K≧2)のジイソシアネート化合物を脱炭酸して得られる化合物を下記一般式(11)に示す。
Figure 0004559209
上記一般式(11)中、Aは、イソシアネート基を有するカルボジイミド化合物の合成に用いたジイソシアネート化合物のイソシアネート基を除く残基を表す。
上記一般式(1)で表されるイソシアネート基を有するカルボジイミド化合物の市販品としては、例えば、テトラメチルキシリレンジイソシアネートを原料としたカルボジイミドとして、カルボジライトV−03、V−05等(いずれも商品名、日清紡社製)等が挙げられる。
(b)ジイソシアネート化合物の脱炭酸反応により得られるイソシアネート基を有する カルボジイミド化合物を、更に鎖伸長剤で鎖伸長して得られたカルボジイミド化合物。
上記(b)のカルボジイミド化合物は、イソシアネート基と反応可能な鎖伸長剤を用いて、カルボジイミド化合物を高分子量化したものであり、分子内にカルボジイミド基をより多く含有する化合物とすることができる。このときに利用できる鎖伸長剤としては、カルボジイミド基と反応性が低くて、先にイソシアネート基と選択的に反応する化合物であることが好ましく、例えば、ジオール化合物、ジアミン化合物、ヒドラジン等が挙げられる。
(c)ジイソシアネート化合物脱炭酸反応により得られるイソシアネート基を有するカルボジイミド化合物のイソシアネート基の一部又は全てを、イソシアネート基と反応可能な官能基を有し、上記(イ)〜(エ)の機能性鎖を有しない化合物と反応させたカルボジイミド化合物。
上記(c)のカルボジイミド化合物において、イソシアネート基と反応可能な官能基を有する化合物としては、カルボジイミド基と反応性が低くて、先にイソシアネート基と選択的に反応する化合物が好ましく、例えば、メタノール、エタノール等の低分子モノアルコール化合物、水酸基を含有するポリエステル化合物、水酸基を有するポリエーテル化合物、ポリアルキレングリコールとそのモノアルキルエステル化合物、ポリメチルメタクリレートジオール、ポリブチルメタクリレートジオール等の水酸基含有ポリアクリル化合物といったような水酸基含有化合物を挙げることができる。その中でも、好ましくは式量が500〜5000のポリエステル鎖、ポリエーテル鎖又はポリアクリル鎖を形成できるものである。
(d)下記一般式(12)に示すような、2モルのモノイソシアネート化合物とKモル(但し、K≧1)のジイソシアネート化合物とを脱炭酸して得られる化合物。
Figure 0004559209
上記一般式(12)中、Bは、イソシアネート基を有するカルボジイミド化合物の合成に用いたモノイソシアネート化合物のイソシアネート基を除く残基を表す。
上記モノイソシアネート化合物としては、例えば、メチルイソシアネート、エチルイソシアネート、プロピルイソシアネート、ブチルイソシアネート、オクタデシルイソシアネート、フェニルイソシアネート等の脂肪族、脂環族、芳香族又は芳香脂肪族モノイソシアネート化合物等が挙げられる。
(e)下記一般式(13)に示すような、1モルのモノイソシアネート化合物とKモル(但し、K≧1)のジイソシアネート化合物とを脱炭酸して得られる化合物。
Figure 0004559209
上記一般式(13)中、Bは、イソシアネート基を有するカルボジイミド化合物の合成に用いたモノイソシアネート化合物のイソシアネート基を除く残基を表す。
上記モノイソシアネート化合物としては、上記(d)と同じものが挙げられる。
3−2)機能性鎖を導入するための化合物
3−2−1)ラジカル開始能鎖を導入するための化合物
まず、本発明のラジカル開始能鎖を有するカルボジイミド系化合物((A)〜(J)等の形態)を得るために用いられる、カルボジイミド基及び/又はイソシアネート基と反応する官能基を有し且つラジカル開始能を有する化合物について説明する。
上記カルボジイミド基と反応する官能基を有し且つラジカル開始能を有する化合物において、カルボジイミド基と反応する官能基としては、例えば、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基、水酸基、アミノ基等が挙げられ、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基等の酸基であることが好ましい。
このような官能基を有し且つラジカル開始能を有する化合物としては、例えば、ベンゾイル安息香酸等が挙げられる。そして、このような化合物を、例えば上記(a)や(b)のカルボジイミド化合物のカルボジイミド基と反応させた場合、得られた化合物を模式的に表示すると、上記一般式(1)において、Yの構成単位が形成された(すなわち、L≧1)カルボジイミド系化合物が得られることになる。
上記イソシアネート基と反応する官能基を有し且つラジカル開始能を有する化合物において、イソシアネート基と反応する官能基としては、カルボジイミド基との反応性が低くて、先にイソシアネート基と選択的に反応する基であればよく、例えば、水酸基であることが好ましい。このような官能基を有し且つラジカル開始能を有する化合物としては、例えば、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシルフェニルケトン等が挙げられる。そして、このような化合物を、例えば上記(a)や(b)のカルボジイミド化合物のイソシアネート基と反応させた場合、得られた化合物を模式的に表示すると、上記一般式(1)において、少なくとも一方のXの部位にラジカル開始能鎖を含む構成単位が形成されたカルボジイミド系化合物が得られることになる。
3−2−2)紫外線増感能鎖を導入するための化合物
次に、本発明の紫外線増感能鎖を有するカルボジイミド系化合物((C)、(E)、(H)、(J)等)を得るために用いられる、カルボジイミド基及び/又はイソシアネート基と反応する官能基を有し且つ紫外線増感能を有する化合物について説明する。
上記カルボジイミド基と反応する官能基を有し且つ紫外線増感能を有する化合物としては、例えば、ジメチルアミノ安息香酸、ジエチルアミノ安息香酸等を用いることが好適である。そして、このような化合物を、例えば上記(a)や(b)のカルボジイミド化合物のカルボジイミド基と反応させた場合、得られた化合物を模式的に表示すると、上記一般式(1)において、Zの部位に紫外線増感能鎖を含む構成単位が形成されたカルボジイミド系化合物が得られることになる。
また、上記イソシアネート基と反応する官能基を有し且つ紫外線増感能を有する化合物としては、例えば、N−エチルジエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン等のN−アルキルジアルカノールアミン等を用いることが好適である。そして、このような化合物を、例えば上記(a)や(b)のカルボジイミド化合物のイソシアネート基と反応させた場合、得られた化合物を模式的に表示すると、上記一般式(1)において、少なくとも一方のXの部位に紫外線増感能鎖を含む構成単位が形成されたカルボジイミド系化合物が得られることになる。
なお、ここで挙げた紫外線増感能を有する化合物は、塩基性窒素も含有する化合物である。
3−2−3)塩基性窒素含有鎖を導入するための化合物
次に、本発明の塩基性窒素含有鎖を有するカルボジイミド系化合物((B)、(C)、(E)、(G)、(H)、(J)等)を得るために用いられるカルボジイミド基及び/又はイソシアネート基と反応する官能基を有し且つ塩基性窒素を含有する化合物について説明する。
上記カルボジイミド基と反応する官能基を有し且つ塩基性窒素含有鎖を有する化合物としては、カルボジイミド基と反応可能な官能基として好適なカルボキシル基等の酸基と、カルボジイミド基やイソシアネート基との反応に関与しない3級アミノ基又は塩基性窒素含有複素環基とを有する化合物を挙げることができる。例えば、ジメチルアミノ安息香酸、ジエチルアミノ安息香酸等を挙げることができる。そして、このような化合物を、例えば上記(a)や(b)のカルボジイミド化合物のカルボジイミド基と反応させた場合、得られた化合物を模式的に表示すると、上記一般式(1)において、Zの部位に塩基性窒素含有鎖を含む構成単位が形成されたカルボジイミド系化合物が得られることになる。
上記イソシアネート基と反応する官能基を有し且つ塩基性窒素含有鎖を有する化合物としては、イソシアネート基と選択的に反応可能な官能基として好適な水酸基と、カルボジイミド基やイソシアネート基との反応に関与しない3級アミノ基又は塩基性窒素含有複素環基とを有する化合物を挙げることができる。水酸基と3級アミノ基を有する化合物としては、例えば、N,N−ジメチルエタノールアミン、N,N−ジエチルエタノールアミン等のN,N−ジアルキルアルカノールアミン化合物、二級アミン化合物のエチレンオキサイド付加物;二級アミン化合物とエポキシ化合物との反応生成物等の水酸基1つと3級アミノ基を有する化合物;N−エチルジエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン等のN−アルキルジアルカノールアミン化合物;一級アミン化合物のエチレンオキサイド付加物;一級アミン化合物とエポキシ化合物との反応生成物等の水酸基2つと3級アミノ基を有する化合物を挙げることができる。
更に、水酸基及び塩基性窒素含有複素環基を有する化合物としては、例えば、ヒドロキシピラジンや、ピリジンメタノール、ピリジンエタノール等、ピリジン、ピラジン、トリアジン、キノリン等の3級の塩基性窒素を含有する複素環及び水酸基を有する化合物が使用できる。また、ピペラジンやピペリジン等の2級の塩基性窒素を含有する複素環化合物であっても、アルキル化して3級化し、水酸基を含有させることにより使用することができる。
そして、このような化合物を、例えば上記(a)や(b)のカルボジイミド化合物のイソシアネート基と反応させて、末端に塩基性窒素含有鎖を導入させた場合、得られた化合物を模式的に表示すると、上記一般式(1)において、少なくとも一方のXの部位に塩基性窒素含有鎖を含む構成単位が形成されたカルボジイミド系化合物が得られることになる。
更に、水酸基を二つ有する化合物については、鎖伸長剤として利用することにより、カルボジイミド系化合物の分子内に塩基性窒素含有鎖を導入することも可能である。
3−2−4)色剤中間体鎖、色剤誘導体鎖を導入するための化合物
次に、本発明の色剤中間体及び/又は色剤誘導体を有するカルボジイミド系化合物((D)、(E)、(I)、(J)等)を得るために用いられる、カルボジイミド基及び/又はイソシアネート基と反応する官能基を有する色剤中間体、色剤誘導体について説明する。
上記色剤(材)中間体とは、顔料中間体と色素中間体とを包括したものを意味し、上記色剤(材)誘導体とは、顔料誘導体と色素誘導体とを包括したものを意味するが、容易に入手可能なものはほとんどがカルボジイミド基と反応可能な官能基を有する化合物である。
そして、上記色剤中間体及び/又は色剤誘導体が有するカルボジイミド基と反応可能な官能基としては、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基、水酸基及びアミノ基等が挙げられ、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基等の酸基であることが好ましい。
このうち、顔料中間体としては、顔料を合成する際に使用する化合物であって、例えば、ナフトエ酸、下記一般式(14)で表される2−カルボキシピラジン等のカルボジイミド基と反応可能な官能基を有する化合物等が挙げられる。また、色素中間体としては、染料等を合成する際に使用する化合物であって、特開2002−22922号公報に記載されているアントラキノン誘導体等のカルボジイミド基と反応可能な官能基と顔料吸着部とを有する色素残基等が挙げられる。
Figure 0004559209
また、顔料誘導体としては、後述する顔料の分子の誘導体であって、カルボジイミド基と反応可能な官能基を有する化合物等が挙げられる。また、色素誘導体としては、染料等の分子の誘導体であって、例えば、β−ナフトールオレンジ染料誘導体等のカルボジイミド基と反応可能な官能基を有する化合物が挙げられる。
これらの色剤中間体、色剤誘導体は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよく、使用する顔料の種類に応じて適宜最適なものを選択することが好ましい。
そして、このような化合物を、例えば上記(a)や(b)のカルボジイミド化合物のカルボジイミド基と反応させた場合、得られた化合物を模式的に表示すると、上記一般式(1)においてZの部位に塩基性窒素含有鎖を含む構成単位が形成されたカルボジイミド系化合物が得られることになる。
3−2−5)ポリエステル側鎖、ポリエーテル側鎖、ポリアクリル側鎖を導入するための化合物
次に、本発明のポリエステル側鎖、ポリエーテル側鎖及びポリアクリル側鎖の少なくとも1つを有するカルボジイミド系化合物((F)〜(J)等)を得るための、ポリエステル側鎖、ポリエーテル側鎖及びポリアクリル側鎖の導入方法について、下記<1>〜<3>を例示して説明する。
<1>カルボジイミド化合物のカルボジイミド基と、それと反応可能な官能基を有するポリエステル化合物、ポリエーテル化合物及びポリアクリル化合物からなる群より選択される少なくとも1種の化合物を反応させることにより、上記側鎖を導入する方法。
以下に、カルボジイミド基と反応可能な官能基を有するポリエステル化合物、ポリエーテル化合物及びポリアクリル化合物について説明する。
上記カルボジイミド基と反応可能な官能基を有するポリエステル化合物としては、以下に示すものが挙げられる。
(1)オキシカルボン酸、モノアルコール、低分子ジオール化合物等を開始剤とした環状エステル化合物の開環重合化合物(例えば、乳酸、カプロン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸等のモノ又はポリオキシカルボン酸を開始剤として用い、ε−カプロラクトン、γ−ブチロラクトン、2−メチルカプロラクトン、4−メチルカプロラクトン、β−プロピオラクトン、δ−バレロラクトン、β−メチル−δ−バレロラクトン等の環状エステル化合物を開環重合して得られるカルボキシル基と水酸基とを含有するポリエステル化合物;メタノール、エタノール等の低分子モノオール化合物を開始剤として用い、上記環状エステル化合物を開環重合して得られる水酸基を含有するポリエステルモノオール化合物;エチレングリコール、プロピレングリコール等の低分子ジオール化合物を開始剤として用い、上記環状エステル化合物を開環重合して得られる水酸基を含有するポリエステルジオール化合物等)。
(2)オキシカルボン酸の自己重縮合化合物(例えば、乳酸、カプロン酸、12−ヒドロキシステアリン酸等のモノオキシカルボン酸を重縮合して得られるカルボキシル基と水酸基とを含有するポリエステル化合物等)。
(3)低分子ジオール化合物と低分子ジカルボン酸化合物とを重縮合させて得られる化合物(例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等の直鎖状グリコール類、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、エチルブチルプロパンジオール等の分岐グリコール類等の低分子ジオール化合物成分と、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、マレイン酸等の飽和及び不飽和脂肪族ジカルボン酸、フタル酸等の芳香族ジカルボン酸等の低分子ジカルボン酸化合物成分とを、低分子ジオール化合物の過剰存在下で反応させて得られる水酸基を含有するポリエステルジオール化合物等)。
(4)モノアルコールを開始剤とした環状エステル化合物の開環重合物のリン酸エステル化合物(例えば、上記ポリエステルモノオール化合物をリン酸とエステル化反応させて得られるリン酸基を含有するポリエステルジオール化合物等)。
(5)アミノ基含有スルホン酸化合物を開始剤とした環状エステル化合物の開環重合化合物(例えば、タウリン等のアミノ基含有スルホン酸化合物を開始剤として、上記環状エステル化合物を開環重合して得られるスルホン酸を含有するポリエステルジオール化合物等)。
(6)モノアルコールを開始剤とした環状エステル化合物の開環重合物の亜硫酸ガス付加物(例えば、上記ポリエステルモノオール化合物に亜硫酸ガスを付加して得られるスルホン酸を含有するポリエステルジオール化合物等)。
このようなポリエステル化合物としては、ポリカプロラクトンの開環重合によって得られるポリエステル化合物が好ましい。
上記カルボジイミド基と反応可能な官能基を有するポリエーテル化合物としては、以下に示すものが挙げられる。
(1)オキシカルボン酸、モノアルコール、低分子ジオール化合物等を開始剤とした環状エーテル化合物の開環重合化合物(例えば、乳酸、カプロン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸等のモノ又はポリオキシカルボン酸を開始剤として用い、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、トリメチレンオキサイド、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン等の環状エーテル化合物を開環重合して得られるカルボキシル基と水酸基を含有するポリエーテル化合物;メタノール、エタノール等の低分子モノオール化合物を開始剤として用い、上記環状エーテル化合物を開環重合して得られる水酸基を含有するポリエーテルモノオール化合物;エチレングリコール、プロピレングリコール等の低分子ジオール化合物を開始剤として用い、上記環状エーテル化合物を開環重合して得られる水酸基を含有するポリエーテルジオール化合物等)。
(2)モノアルコールを開始剤とした環状エーテル化合物の開環重合物のリン酸エステル化合物(例えば、上記ポリエーテルモノオール化合物をリン酸とエステル化反応させて得られるリン酸基を含有するポリエーテル化合物等)。
(3)アミノ基含有スルホン酸化合物を開始剤とした環状エーテル化合物の開環重合化合物(例えば、タウリン等のアミノ基含有スルホン酸化合物を開始剤として、前記環状エーテル化合物を開環重合して得られるスルホン酸基を含有するポリエーテル化合物等)。
(4)モノアルコールを開始剤とした環状エーテル化合物の開環重合物の亜硫酸ガス付加物(例えば、上記ポリエーテルモノオール化合物に亜硫酸ガスを付加して得られるスルホン酸基を含有するポリエーテル化合物等)。
上記カルボジイミド基と反応可能な官能基を有するポリアクリル化合物としては、以下に示すものが挙げられる。
すなわち、カルボキシル基、スルホン酸基、燐酸基、水酸基及びアミノ基からなる群より選択される少なくとも1種を有する(メタ)アクリルモノマーからなる群よりされる少なくとも1種を含有する単量体成分を重合してなる(メタ)アクリル系重合体(例えば、カルボキシル基を有する(メタ)アクリル系モノマー:(メタ)アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸等;スルホン酸基を有する(メタ)アクリル系モノマー:(メタ)アクリル酸スルホエチル、(メタ)アクリル酸スルホプロピル等;燐酸基を有する(メタ)アクリル系モノマー:2−メタクリロイロキシエチルアシッドホスフェイト、トリスアクリロイルオキシエチルホスフェート等;水酸基を有する(メタ)アクリル系モノマー:2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシペンチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル;アミノ基を有する(メタ)アクリルモノマー:(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−ヘキシル(メタ)アクリルアミド、N−オクチル(メタ)アクリルアミド等の単量体からなる群よりされる少なくとも1種の単量体成分と、必要に応じて上記以外の一般のアクリル系樹脂に単量体成分として使用されるアルキルエステルやスチレン系モノマー等、既知の単量体成分とを重合して得られる(メタ)アクリル重合体等)。
これらの化合物の他、更に、上記カルボジイミド基と反応可能な官能基を有し、ポリエステル鎖とポリエーテル鎖との両方を含んでいる化合物や、ポリエステル鎖を有するポリアクリル化合物、ポリエーテル鎖を有するポリアクリル化合物を用いてもよく、例えば、ポリアルキレングリコールやそのモノアルキルエーテル化合物を開始剤として、環状エステル化合物を反応させて得られる化合物;水酸基含有ポリエステル化合物に環状エーテル化合物を反応させて得られる化合物;ポリエステル鎖を分子内に含む(メタ)アクリル系モノマーやポリエーテル鎖を分子内に含む(メタ)アクリル系モノマーを用いて得られるポリアクリル鎖化合物が挙げられる。
反応させるカルボジイミド基を有する化合物が更にイソシアネート基を有する場合には、カルボキシル基と反応可能な官能基を有する化合物として、水酸基を有する化合物を使用すると、カルボジイミド基より先にイソシアネート基との反応が起こり、反応の制御が困難となる。また、カルボキシル基と反応可能な官能基を有する化合物として、水酸基を2つ以上有する化合物を使用すると、グラフト化反応の間に架橋してゲル化を起こす可能性がある。
そこで、カルボジイミド基と反応可能な官能基が水酸基のみの化合物については、更に、無水フタル酸、無水マレイン酸、無水コハク酸等の酸無水物を反応させて、カルボキシル基を1つ含有する化合物を得てから、グラフト化反応させることが望ましい。
そして、このような化合物を、例えば上記(a)や(b)のカルボジイミド化合物のカルボジイミド基と反応させた場合、得られた化合物を模式的に表示すると、下記一般式(15)で表されるカルボジイミド系化合物が得られることになる。
Figure 0004559209
ここで、Qは、それぞれ独立して、カルボジイミド基と、それと反応可能な官能基との反応による連結基を介して結合したポリエステル側鎖、ポリエーテル側鎖及びポリアクリル側鎖の少なくとも1つを含む構成単位であり、また、Pは、1以上の整数で分子内のQの構成単位の個数を表し、その他については上記一般式(1)と同じ定義の構成単位及び個数を表す。更に、上記一般式(15)は、主要な部位のみを抽象化して表示したものである。そして、(N−L−M−P)は、0以上の整数を表す。また、Y、Z及びQの構成単位がそれぞれ連なった構造を代表的に表示したが、Y、Z、Q及び(N=C=N)−がランダムに結合している構造も含む。
<2>カルボジイミド系化合物のカルボジイミド基と、それと反応可能な官能基を有する化合物とを反応させた後、ポリエステル鎖、ポリエーテル鎖及びポリアクリル鎖からなる群より選択される少なくとも1種の側鎖を形成する化合物を分子内に導入させる方法。
この方法は、予め、カルボジイミド化合物に、カルボジイミド基と反応可能な官能基と、ポリエステル側鎖、ポリエーテル側鎖及びポリアクリル側鎖の少なくとも1つの側鎖を導入するための官能基とを有する化合物を反応させてから、更に当該官能基を利用して側鎖を導入するものである。
この方法でポリエステル側鎖又はポリエーテル側鎖を導入する場合であれば、オキシカルボン酸をカルボジイミド基に先に反応させて、水酸基をポリカルボジイミド化合物の分子内に導入した後、環状ポリエステル化合物又は環状ポリエーテル化合物を開環重合させて、ポリエステル側鎖又はポリエーテル側鎖を導入する方法が挙げられる。また、ポリアクリル鎖を導入する場合であれば、先にオキシカルボン酸をカルボジイミド基に反応させて、水酸基を分子内に導入した後、ポリアクリル鎖を結合させポリアクリル鎖を導入する方法が挙げられる。
以上の方法から得られるカルボジイミド系化合物を模式的に表示すると、結果的に上記一般式(15)と同じ構造となる。
<3>イソシアネート基と反応する官能基を利用して、ポリエステル側鎖、ポリエーテル側鎖及びポリアクリル側鎖からなる群より選択される少なくとも1種の側鎖を導入する方法。
このような方法で利用できる化合物は、イソシアネート基と反応可能な官能基を二つ以上有し、カルボジイミド化合物の両末端あるいはどちらか一方の末端がイソシアネート基であるときに鎖伸長剤として機能させて、上記の側鎖を分子内に導入するものである。
そして、ポリエステル鎖を有する化合物として、例えば、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の水酸基を3つ以上有するポリオール化合物に、上記環状ポリエステル化合物を開環重合させて得られる化合物;上記低分子ジオール化合物に一部トリオール化合物を併用して、上記低分子ジカルボン酸と重縮合させて得られる化合物;ジメチロールプロピオン酸等のジオールモノカルボン酸に、ポリエステル鎖を分子内に有するエポキシ化合物を反応させて得られる化合物等が挙げられる。
また、ポリエーテル鎖を有する化合物として、例えば、上記ポリオール化合物に、上記環状ポリエーテル化合物を開環重合させて得られる化合物等が挙げられる。
更に、ポリアクリル鎖を有するものとして、例えば、上記ポリオール化合物に、カルボキシル基を有する(メタ)アクリル系重合体を反応させて得られる化合物等が挙げられる。
本発明のカルボジイミド系化合物において、上記側鎖として導入するポリエステル鎖、ポリエーテル鎖又はポリアクリル鎖としては、分散媒体中での顔料の分散安定性を向上させる作用を有するものであれば特に制限はないが、例えば、式量(数平均分子量)が200以上、また、10000以下であることが好ましい。より好ましくは、300以上、また、5000以下である。
3−4)カルボジイミド系化合物の製造方法
本発明のカルボジイミド系化合物の製造においては、それぞれの利用分野で要求される性能に応じて、分子内に導入する各機能性鎖の比率や残存するカルボジイミド基の量等を適宜設定して、最終的に良好な性能バランスを有する化合物となるように各材料を配合することが好ましい。
なお、全ての反応、すなわち、側鎖を導入するための反応として、カルボジイミド基とカルボキシル基、スルホン酸基、燐酸基、水酸基、アミノ基等との反応、また、イソシアネート基と水酸基、アミノ基等との反応、更に水酸基含有化合物を開始剤とした環状エステル化合物の開環反応、オキシカルボン酸の重縮合反応、低分子ジオール化合物と低分子ジカルボン酸化合物との縮重合反応、水酸基含有エステル化合物と酸無水物との開環反応、環状エーテル化合物の開環反応、水酸基含有エーテル化合物と酸無水物との開環反応等としては、常法が利用できる。
以上の材料と製造方法から得られる本発明のカルボジイミド系化合物の数平均分子量としては、1000以上、また、100000以下であることが好ましい。数平均分子量が高くなりすぎると、分散媒体中に顔料を分散させた際や、顔料分散組成物とした際に、適切な粘度のものが得られにくくなり、特に高濃度の顔料分散組成物が必要なときは好ましくない。一方、数平均分子量が低くなりすぎると、分散媒体中での顔料の分散安定性が低下して好ましくない。より好ましくは、1000以上、また、50000以下である。
<顔料分散組成物>
次に、上記カルボジイミド系化合物を用いて、顔料を分散させてなる顔料分散組成物について説明する。
本発明の顔料分散組成物に用いられるカルボジイミド系化合物としては、上述した(A)〜(J)の形態等のカルボジイミド系化合物を用いることができ、顔料形態に応じて適宜選択することができる。
本発明の顔料分散組成物において、顔料としては、カルボジイミド系化合物と、少なくとも、共有結合、酸−塩基の親和力による吸着又は分子構造の類似性に起因する親和力による吸着するものであることが好ましく、例えば、活性エネルギー線硬化性インキ、活性エネルギー線硬化性塗料やカラーフィルター用レジスト組成物等に一般的に用いられる有機顔料や無機顔料を使用することができる。
まず、分子内にカルボジイミド基を有するカルボジイミド系化合物と共有結合性を有する顔料としては、カルボジイミド基と反応する官能基を有するものが好適であり、その中でもカルボキシル基、スルホン酸基、水酸基及びアミノ基からなる群より選択される少なくとも1種の官能基を有する有機顔料や無機顔料であることが好ましい。
上記有機顔料としては、例えば、染料レーキ顔料、アゾ系、ベンズイミダゾロン系、フタロシアニン系、キナクリドン系、アントラキノン系、ジオキサジン系、インジゴ系、チオインジコ系、ペリレン系、ペリノン系、ジケトピロロピロール系、イソインドリノン系、ニトロ系、ニトロソ系、アンスラキノン系、フラバンスロン系、キノフタロン系、ピランスロン系、インダンスロン系等が、無機顔料としては、カーボンブラック(好ましくは、PH7以下でカルボキシル基を有するもの)、酸化チタン、ベンガラ、黒鉛、鉄黒、酸化クロムグリーン、水酸化アルミニウム等挙げられる。
また、顔料表面にカルボジイミド基と反応する官能基を有さない場合は、表面処理により官能基を導入することができ、例えば、「顔料分散安定化と表面処理技術・評価」第1刷、技術情報協会(出版)、2001年12月25日、p.76〜85に記載のプラズマ処理や酸素/紫外線処理、特開昭58−217559号公報に記載の低温プラズマ法によって、上記カルボジイミド基と反応可能な官能基が導入できる。また、顔料を絶縁性化合物(シリカ、シラン化合物、チタン化合物等)で被覆し、カルボジイミド基と反応する官能基が導入できる。
次に、分子内に塩基性含窒素鎖を有するカルボジイミド系化合物に対して、酸−塩基の親和力による吸着部を有する顔料としては、顔料表面に塩基性窒素含有基との吸着部を有する有機顔料や無機顔料であることが好ましい。
上記塩基性窒素含有基との吸着部としては、代表的には酸基であって、好ましくは、カルボキシル基、スルホン酸基及び燐酸基等の塩基性窒素含有基と吸着可能な官能基である。
これら塩基性窒素含有基との吸着部を有する有機顔料としては、例えば、染料レーキ顔料、アゾ系、ベンズイミダゾロン系、フタロシアニン系、キナクリドン系、アントラキノン系、ジオキサジン系、インジゴ系、チオインジコ系、ペリレン系、ペリノン系、ジケトピロロピロール系、イソインドリノン系、ニトロ系、ニトロソ系、アンスラキノン系、フラバンスロン系、キノフタロン系、ピランスロン系、インダンスロン系等が、無機顔料としては、カーボンブラック(好ましくは、PH7以下でカルボキシル基を有するもの)等挙げられる。
尚、塩基性窒素含有基との吸着部がない顔料でも、顔料表面の誘導体処理やスルホン化処理等、通常の官能基導入方法で処理することにより、カルボキシル基やスルホン酸基等を導入することができる。
次に、分子内に色剤中間体鎖及び/又は色剤誘導体鎖を有するカルボジイミド系化合物に対して、分子構造の類似性に起因する親和力による吸着部を有する顔料としては、色剤中間体及び/又は色剤誘導体と同一又は類似の構造である有機顔料や無機顔料;色剤中間体及び/又は色剤誘導体と同一又は類似の構造でなくても色剤中間体及び/又は色剤誘導体と充分な吸着力を有する有機顔料や無機顔料であることが好ましい。
このような分子構造の類似性に起因する親和力による吸着は、例えば、カルボジイミド基及び/又はイソシアネート基と反応可能な官能基を有さない顔料(共有結合が利用できない場合);カルボジイミド基と反応可能な官能基を有する顔料であっても、該顔料が有するカルボジイミド基と反応可能な官能基が、例えば、アミノ基、水酸基等で、カルボジイミド基と反応する温度が100℃以上である顔料(共有結合の利用が条件的に困難な場合)に、より有効である。
このような色剤中間体及び/又は色剤誘導体と顔料との好適な組合せとしては、例えば、(1)顔料誘導体としてのフタロシアニン系顔料誘導体については、顔料としてのフタロシアニン系顔料以外にもピグメントブラック7との組合せがあり、(2)色素誘導体としてのβ−ナフトールオレンジ染料誘導体については、顔料としてのナフトール系顔料以外にも、縮合アゾ顔料との組合せがあり、(3)色素中間体としてのアントラキノン誘導体については、顔料としてのジアントラキノニル系顔料以外にも、ジケトピロロピロール系顔料、縮合アゾ顔料、イソインドリ系顔料、ペリノン系顔料、ヘテロ環を有するアゾ系顔料、キナクリドン系顔料、ジブロモアンタントロン系顔料及び/又はベンズイミダゾロン系顔料との組合せが挙げられる。
上記カルボジイミド系化合物を用いて、顔料分散組成物を得る方法としては、例えば、(I)カルボジイミド系化合物のみで顔料の処理を行った後、顔料を安定的に分散できる分散媒体、必要に応じて各種バインダー樹脂、光重合性化合物、溶剤、界面活性剤、その他の添加剤を加え攪拌し顔料組成物を得る方法、(II)カルボジイミド系化合物を溶解可能で、顔料を安定的に分散できる分散媒体で顔料を分散させながら処理し顔料分散組成物を得る方法、(III)カルボジイミド系化合物を溶解可能で、顔料を安定的に分散できる光重合性化合物中で顔料を分散させながら処理し顔料分散組成物を得る方法等が挙げられる。
尚、(II)、(III)においては、顔料分散時、顔料分散後に、必要に応じて各種バインダー樹脂、光重合性化合物、溶剤、界面活性剤、その他の添加剤含有させることもできる。
本発明でいう「処理」とは、顔料の分散粒子表面の全面又は一部を、カルボジイミド系化合物で処理することを意味する。具体的には、上記顔料、上記カルボジイミド系化合物、及び、必要に応じて分散媒体、その他の添加剤等の混合物を、ロールミル、ニーダー、高速攪拌装置、ビーズミル、ボールミル、サンドミル、超音波分散機、高圧分散装置等を用いて混練し、分散・処理する方法が挙げられる。
上記(I)の顔料分散組成物を得る方法は、カルボジイミド系化合物の融点以上の温度で顔料の処理を行い、後から任意の用途で好適な分散媒体中に分散する方法を利用することができる。尚、カルボジイミド基と反応可能な官能基を有する顔料を処理する場合、該官能基の間で反応を促進できる温度、概ね100℃以下であって、好ましくは、40〜80℃まで加温することが好ましい。
一方、上記(II)及び(III)の顔料分散組成物を得る方法では、比較的低温でも処理が可能であるが、分子内にカルボジイミド基を有するカルボジイミド系化合物で、カルボジイミド基と反応可能な官能基を有する顔料を処理する場合、更に上記反応を促進する温度まで加温することがより好ましい。
更に、上記顔料分散組成物としては、光重合性化合物を含有していてもよく、利用可能な光重合性化合物としては、光重合性不飽和結合を有するモノマー(単量体)、オリゴマー(低重合体)等が挙げられる。
光重合性不飽和結合を分子内に1個有する単量体としては、例えば、メチルメタアクリレート、ブチルメタアクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、メチルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート等のアルキルメタクリレート又はアクリレート;ベンジルメタクリレート、ベンジルアクリレート等のアラルキルメタクリレート又はアクリレート;ブトキシエチルメタクリレート、ブトキシエチルアクリレート等のアルコキシアルキルメタクリレート又はアクリレート;N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート等のアミノアルキルメタクリレート又はアクリレート;ジエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル等のポリアルキレングリコールモノアルキルエーテルのメタクリル酸エステル又はアクリル酸エステル;ヘキサエチレングリコールモノフェニルエーテル等のポリアルキレングリコールモノアリールエーテルのメタクリル酸エステル又はアクリル酸エステル;イソボニルメタクリレート又はアクリレート;グリセロールメタクリレート又はアクリレート;2−ヒドロキシエチルメタクリレート又はアクリレート等が例示できる。
光重合性不飽和結合を分子内に2個以上有するモノマーとしては、例えば、ビスフェノールAジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、グリセロールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスルトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、ジペンタエリスリトールペンタメタクリレート、ビスフェノールAジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、グリセロールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスルトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート等が例示できる。
上記光重合性不飽和結合を有するオリゴマーとしては、上記モノマーを適宜重合させて得られたものを用いることができる。
これらの光重合性化合物は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、上記顔料分散組成物を得る方法において使用可能な分散媒体としては、有機系分散媒体として、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテル類;エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等の(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン等のケトン類;2−ヒドロキシプロピオン酸メチル、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル等の乳酸アルキルエステル類;2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、3−メチル−3−メトキシブチルプロピオネート、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸エチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、プロピオン酸n−ブチル、アセト酢酸メチル、蟻酸n−アミル、ピルビン酸エチル等のエステル類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;n−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類;イソプロピルアルコール、ノルマルプロピルアルコール等のアルコール類が挙げられる。なお、これらの分散媒体は、単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
また、水性媒体としては、水のみであってもよく、水混和性の有機系分散媒体との併用であってもよい。
上記顔料分散組成物における顔料の使用量は、顔料分散組成物中の全固形分に対して質量分率で、10〜97%であることが好ましい。
上記顔料分散組成物におけるカルボジイミド系化合物の質量割合としては、顔料(使用顔料の合計)100重量部に対して、3重量部以上、また、100重量部以下が好ましく、より好ましくは、5重量部以上、また、50重量部以下であるが、顔料表面に存在するカルボジイミド系化合物と反応、吸着する官能基の多少や、分散性能、流動性、絶縁性等の要求性能等によって調整することが好ましい。
<活性エネルギー線硬化性組成物及び顔料分散レジスト組成物>
上記顔料分散組成物は、必要に応じて各種バインダー樹脂、光重合性化合物、光重合開始剤、増感剤、溶剤、界面活性剤等を更に加えることにより、例えば、活性エネルギー線硬化型印刷インキ、活性エネルギー線硬化型塗料、活性エネルギー線硬化型インクジェット用インク組成物、ブラックマトリックス用及びカラーフィルター用活性エネルギー線硬化性組成物として好適に利用されることになる。
本発明では、活性エネルギー線硬化性組成物の好ましい用途の一例として、ブラックマトリックス用及びカラーフィルター用の顔料分散レジスト組成物について更に詳細に説明する。
上記顔料分散レジスト組成物は、活性エネルギー線硬化性を有し、アルカリ現像可能なレジスト組成物であり、顔料、カルボジイミド系化合物、皮膜形成樹脂、光重合性化合物、光重合開始剤、溶剤から主として構成され、必要に応じて増感剤、重合禁止剤等の各種添加剤を適宜含有されているものである。本発明の顔料分散レジスト組成物は、上記顔料分散組成物に、目的に応じ、皮膜形成樹脂、光重合性化合物、光重合開始剤、溶剤、増感剤及び重合禁止剤等の各種添加剤を加えて得られるものである。
まず、本発明のブラックマトリックス用及びカラーフィルター用の顔料分散レジスト組成物に使用する顔料について説明する。
上記ブラックマトリックス用の顔料分散レジスト組成物を構成する代表的な顔料としては、カーボンブラックが挙げられる。カーボンブラックとしては、平均一次粒径が0.15μm以下であるカーボンブラックを用いることが好まく、このようなカーボンブラックを分散させた場合は、必要に応じて補色用顔料を混合させ、色相をニュートラルブラックにすることが好ましい。
またカラーフィルター用の顔料分散レジスト組成物を構成する有機顔料としては、鮮明な色相を有する皮膜を形成するために、高級有機顔料を利用することが好ましい。
上記顔料分散レジスト組成物を構成する皮膜形成樹脂としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、マレイン酸モノアルキルエステル、シトラコン酸、無水シトラコン酸、シトラコン酸モノアルキルエステル等のカルボキシル基含有不飽和単量体と、スチレン、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、アリルアクリレート、アリルメタクリレート、ベンジルアクリレート、ベンジルメタクリレート、グリセロールモノアクリレート、グリセロールメタクリレート、N−フェニルマレイミド、ポリスチレンマクロモノマー及びポリメチルメタクリレートマクロモノマーからなる群より選択される少なくとも1種とを反応させて得られる共重合体であるカルボキシル基を有するアルカリ可溶性樹脂が例示でき、これらは単独又は2種以上を併用して用いることができる。
上記顔料分散レジスト組成物を構成する光重合性化合物としては、光重合性不飽和結合を有するモノマー、オリゴマー等が挙げられ、上述したものと同様である。
上記顔料分散レジスト組成物を構成する光重合開始剤としては特に限定されないが、例えば、ベンゾフェノン、N,N′−テトラエチル−4,4′−ジアミノベンゾフェノン、4−メトキシ−4′−ジメチルアミノベンゾフェノン、ベンジル、2,2−ジエトキシアセトフェノン、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、α−ヒドロキシイソブチルフェノン、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、t−ブチルアントラキノン、1−クロロアントラキノン、2,3−ジクロロアントラキノン、3−クロル−2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、1,4−ナフトキノン、1,2−ベンゾアントラキノン、1,4−ジメチルアントラキノン、2−フェニルアントラキノン、トリアジン系光重合開始剤等が挙げられる。これらは単独又は2種以上を併用して用いることができる。
上記顔料分散レジスト組成物を構成する溶剤としては、上記に挙げた分散媒体と同様であるが、好ましくは、常圧(1.013×10kPa)における沸点が100〜220℃のエステル系有機溶剤、エーテル系有機溶剤、エーテルエステル系有機溶剤、ケトン系有機溶剤、芳香族炭化水素溶剤及び含窒素系有機溶剤等である。沸点が220℃を超える溶剤を多量に含有していると、塗布形成された塗膜をプレベークする際に溶剤が充分に蒸発せずに乾燥塗膜内に残存し、乾燥塗膜の耐熱性が低下するおそれがある。また、沸点100℃未満の溶剤を多量に含有していると、ムラなく均一に塗布することが困難になり、表面平滑性に優れた塗膜が得られなくなるおそれがある。
このような溶剤としては、具体的には、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル等のエーテル系有機溶剤;エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のエーテルエステル系有機溶剤;メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、δ−ブチロラクトン等のケトン系有機溶剤;2−ヒドロキシプロピオン酸メチル、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、3−メチル−3−メトキシブチルプロピオネート、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸エチル、蟻酸n−アミル等のエステル系有機溶剤;;N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等の含窒素系有機溶剤等を例示でき、単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
これらの溶剤の中でも、溶解性、分散性、塗布性等の点で、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、3−メチル−3−メトキシブチルプロピオネート、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、ギ酸n−アミル等が好ましく、より好ましくは、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートである。
更に、これらの溶剤は、2種以上用いる場合、上記アルカリ可溶性樹脂の溶解性、顔料分散性、塗布性等の点から、上記顔料分散レジスト組成物に使用される全溶剤中、上記好ましい溶剤が50質量%以上であることが好ましく、70質量%以上含有させることがより好ましい。
上記顔料分散レジスト組成物としてはまた、必要に応じて、上述したもの以外のその他の光重合性化合物、熱重合禁止剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤等の各種添加剤を適宜使用することができる。
以上の材料を用いて本発明の顔料分散レジスト組成物を製造する方法としては、例えば、顔料分散組成物に、目的に応じて、光重合性化合物、光重合開始剤、皮膜形成用樹脂、有機溶剤、その他添加剤を加え、攪拌装置等を用いて攪拌混合する方法が利用できるが、この製造方法は、本発明の好ましい形態の一例であり、本発明はこれに限定されるものではない。
本発明のカルボジイミド系化合物は、上述のような構成であるので、顔料の良好な分散及び良好な活性エネルギー線硬化性を実現することができ、得られる顔料分散組成物は、顔料含有量が高くなっても良好な分散安定性と流動性とを有するものである。また、それにより形成される皮膜は、顔料としてカーボンブラックを用いた場合には、薄膜で隠ぺい力が大きく、絶縁性に優れるものであり、また、顔料として有機顔料を使用した場合には、高い透過率を有し、高いコントラストを有するものとすることができるものである。そして、このような優れた特性により、本発明のカルボジイミド系化合物で処理した顔料分散組成物は、例えば、高い絶縁性が要求されるブラックマトリックスの材料、高い透過率及び高コントラストが要求されるカラーフィルター用の顔料分散レジスト組成物として好適に使用できるものである。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「%」は「質量%」を意味し、「部」は「重量部」を意味するものとする。
<カルボジイミド系化合物の調製>
調製例1
還流冷却管、窒素ガス導入管、攪拌棒、温度計を備えた四つ口フラスコに、イソシアネート基を有するカルボジイミド当量319のポリカルボジイミド化合物69.7部、分子量1000のポリ(3−メチル−1,5−ペンタンジオール)アジペートジオール169.3部を仕込み、約100℃で8時間保持して、イソシアネート基と水酸基とを反応させ、次いで末端にカルボキシル基を有する分子量2000のカプロラクトンの開環重合物146.4部と2−ベンゾイル安息香酸15.3部とを仕込み、約90℃で保持して、カルボジイミド基とカルボキシル基とを反応させた後、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート601部を仕込んで数平均分子量約4730のカルボジイミド系化合物1を得た。
調製例2
還流冷却管、窒素ガス導入管、攪拌棒、温度計を備えた四つ口フラスコに、イソシアネート基を有するカルボジイミド当量319のポリカルボジイミド化合物111部とメチルジエタノールアミン32.1部とを仕込み、約100℃で2時間保持して、イソシアネート基と水酸基とを反応させ、次いで末端にカルボキシル基を有する分子量2000のカプロラクトンの開環重合物233.1部と2−ベンゾイル安息香酸24.4部とを仕込み、約90℃で保持して、カルボジイミド基とカルボキシル基とを反応させた後、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート601部を仕込んで数平均分子量約2970のカルボジイミド系化合物2を得た。
調製例3
還流冷却管、窒素ガス導入管、攪拌棒、温度計を備えた四つ口フラスコに、イソシアネート基を有するカルボジイミド当量319のポリカルボジイミド化合物111部とメチルジエタノールアミン32.1部とを仕込み、約100℃で2時間保持して、イソシアネート基と水酸基とを反応させ、次いで末端にカルボキシル基を有する分子量2000のプロピレンオキサイドの開環重合物233.1部と2−ベンゾイル安息香酸24.4部とを仕込み、約90℃で保持して、カルボジイミド基とカルボキシル基とを反応させた後、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート601部を仕込んで数平均分子量約2970のカルボジイミド系化合物3を得た。
調製例4
還流冷却管、窒素ガス導入管、攪拌棒、温度計を備えた四つ口フラスコに、イソシアネート基を有するカルボジイミド当量319のポリカルボジイミド化合物111部とメチルジエタノールアミン32.1部とを仕込み、約100℃で2時間保持して、イソシアネート基と水酸基とを反応させ、次いでカルボキシル基を有する分子量2000の(メタ)アクリル系重合体の開環重合物233.1部と2−ベンゾイル安息香酸24.4部とを仕込み、約90℃で保持して、カルボジイミド基とカルボキシル基とを反応させた後、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート601部を仕込んで数平均分子量約2970のカルボジイミド系化合物4を得た。
調製例5
還流冷却管、窒素ガス導入管、攪拌棒、温度計を備えた四つ口フラスコに、イソシアネート基を有するカルボジイミド当量319のポリカルボジイミド化合物84部とメチルジエタノールアミン24.3部とを仕込み、約100℃で2時間保持して、イソシアネート基と水酸基とを反応させ、次いで末端にカルボキシル基を有する分子量2000のカプロラクトンの開環重合物264.6部と2−ベンゾイル安息香酸27.7部とを仕込み、約90℃で保持して、カルボジイミド基とカルボキシル基とを反応させた後、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート601部を仕込んで数平均分子量約3930のカルボジイミド系化合物5を得た。
調製例6
還流冷却管、窒素ガス導入管、攪拌棒、温度計を備えた四つ口フラスコに、イソシアネート基を有するカルボジイミド当量319のポリカルボジイミド化合物53.6部、分子量1000のポリ(3−メチル−1,5−ペンタンジオール)アジペートジオール130.17部を仕込み、約100℃で8時間保持して、イソシアネート基と水酸基とを反応させ、次いで末端にカルボキシル基を有する分子量2000のカプロラクトンの開環重合物112.6部と2−ベンゾイル安息香酸11.8部とフタロシアニンブルーのスルホン化物92.4部とを仕込み、約90℃で保持して、カルボジイミド基とカルボキシル基とを反応させた後、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート601部を仕込んでカルボジイミド系化合物6を得た。
調製例7
還流冷却管、窒素ガス導入管、攪拌棒、温度計を備えた四つ口フラスコに、イソシアネート基を有するカルボジイミド当量319のポリカルボジイミド化合物85.3部とメチルジエタノールアミン24.7部を仕込み、約100℃で2時間保持して、イソシアネート基と水酸基とを反応させ、次いで末端にカルボキシル基を有する分子量2000のカプロラクトンの開環重合物179.1部と2−ベンゾイル安息香酸18.7部とフタロシアニンブルーのスルホン化物92.3部とを仕込み、約90℃で保持して、カルボジイミド基とカルボキシル基とを反応させた後、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート600部を仕込んでカルボジイミド系化合物7を得た。
調製例8
還流冷却管、窒素ガス導入管、攪拌棒、温度計を備えた四つ口フラスコに、イソシアネート基を有するカルボジイミド当量319のポリカルボジイミド化合物69.7部、分子量1000のポリ(3−メチル−1,5−ペンタンジオール)アジペートジオール169.3部を仕込み、約100℃で8時間保持して、イソシアネート基と水酸基とを反応させ、次いで末端にカルボキシル基を有する分子量2000のカプロラクトンの開環重合物200.0部を仕込み、約90℃で保持して、カルボジイミド基とカルボキシル基とを反応させた後、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート658.5部を仕込んでカルボジイミド系顔料化合物8を得た。
調製例9
PB821(商品名、味の素社製)を、顔料分散剤Aとして用いた。
調製例10
ソルスパース24000(商品名、ゼネカ社製)を、顔料分散剤Bとして用いた。
<実施例1〜7、比較例1〜4の顔料分散組成物の調製>
表1の組成で顔料をビーズミルで一昼夜混練し、実施例1〜7、比較例1〜4のカーボンブラックの顔料分散組成物を調製した。
Figure 0004559209
上記表1において、「カーボンブラックA」とは、平均一次粒子径56nm、pH=3.1のカーボンブラックを表す。「PGMEA」とは、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PMAC)を表す。なお、組成を表す数値の単位は、「部」である。
<実施例1〜7、比較例1〜4のブラックマトリックス用の顔料分散レジスト組成物の調製>
上記実施例1〜7、比較例1〜4のカーボンブラックの分散組成物と他の材料とを表2の組成になるように高速攪拌機を用いて均一に混合した後、孔径3μmのフィルターでろ過し、実施例1〜7、比較例1〜4のブラックマトリックス用の顔料分散レジスト組成液を得た。
Figure 0004559209
上記表2において、「BMA/MAA共重合体」とは、ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体を表し、「DPEHA」は、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートを表し、「イルガキュア907」は、2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン(商品名、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製)を表し、「カーボンブラックA」、「PGMEA」は、上記と同様である。なお、組成を表す数値の単位は、「部」である。
<性能評価>
(評価試験)
1.分散安定性
実施例1〜7、比較例1〜4のカーボンブラックの分散組成物、及び、顔料分散レジスト組成物をそれぞれガラス瓶にとり、密栓して室温で7日保存した後の状態を下記評価基準に従って評価した。評価結果を表1及び表2に示す。
A:増粘、沈降物が認められない。
B:軽く振とうする共とに戻る程度の増粘や沈降物が認められる。
C:強く振とうしても元に戻らない程度の増粘や沈降物が認められる。
2.顔料分散レジスト組成物の硬化性
表2の顔料分散レジスト組成物をスピンコータにて膜厚1μmになるようにガラス基板上に塗布し、100℃で3分間プレベークした後、高圧水銀灯で露光した。レジスト塗膜のUV積算光量による各レジスト液の硬化性を下記評価基準に従って評価した。評価結果を表3に示す。
対MEK(メチルエチルケトン)性
A:MEKを含ませた綿棒で塗膜を3回擦っても、塗膜の剥がれがない。
B:MEKを含ませた綿棒で塗膜を1回擦っても、塗膜の剥がれがない。
C:MEKを含ませた綿棒で塗膜を1回擦ると、塗膜が剥がれる。
擦過性
A:綿棒で5回擦っても塗膜の剥がれがない。
B:綿棒で3回擦っても塗膜の剥がれがない。
C:綿棒で1回擦ると塗膜が剥がれる。
3.顔料分散レジスト組成物の現像性
表2の顔料分散レジスト組成物をスピンコータにて膜厚1μmになるようにガラス基板上に塗布し、100℃で3分間プレベークした後、硬化部分と未硬化部分の面積比が20:80となるマスクを用いて、高圧水銀灯を用いて UV積算光量400mJ/cm2で露光した。得られた塗膜を、0.15%炭酸ナトリウム水溶液を使用して現像し、未硬化部分のレジスト組成物が完全に除去できるまでの時間から、硬化部分のレジスト組成物も除去されるまでの時間を測定し、下記評価基準に従って現像性を評価した。評価結果を表3に示す。
A:未硬化部分のレジスト組成物が完全に除去できるまでの時間から、硬化部分のレジスト組成物も除去されるまでの時間が60秒以上。
B:未硬化部分のレジスト組成物が完全に除去できるまでの時間から、硬化部分のレジスト組成物も除去されるまでの時間が30秒以上、60秒以内。
C:未硬化部分のレジスト組成物が完全に除去できるまでの時間から、硬化部分のレジスト組成物も除去されるまでの時間が30秒以内。
Figure 0004559209

Claims (6)

  1. 分子内にラジカル開始剤として作用する基を有するカルボジイミド系化合物であって、
    該カルボジイミド系化合物は、カルボジイミド当量が100〜50000のカルボジイミド化合物のカルボジイミド基に、カルボジイミド基と反応する官能基を有し且つラジカル開剤として作用する基を有する化合物を反応させて、分子内にラジカル開始剤として作用する基を導入してなるものである
    ことを特徴とするカルボジイミド系化合物。
  2. 前記カルボジイミド系化合物は、カルボジイミド基及び/又はイソシアネート基と反応する官能基を有し且つ紫外線増感能を有する化合物を使用して、分子内に紫外線増感能鎖を導入してなるものである
    ことを特徴とする請求項1に記載のカルボジイミド系化合物。
  3. 前記カルボジイミド系化合物は、更に、分子内にポリエステル側鎖、ポリエーテル側鎖及びポリアクリル側鎖からなる群より選択される少なくとも1種の側鎖を有するものであることを特徴とする請求項1又は2に記載のカルボジイミド系化合物。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のカルボジイミド系化合物を用いて、顔料を分散させてなる
    ことを特徴とする顔料分散組成物。
  5. 請求項4に記載の顔料分散組成物を含有する
    ことを特徴とする活性エネルギー線硬化性組成物。
  6. 請求項4に記載の顔料分散組成物を含有する
    ことを特徴とする顔料分散レジスト組成物。
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