JP4114797B2 - 処理チタンブラック、処理チタンブラックの分散体及びチタンブラック処理用化合物 - Google Patents
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本発明はまた、(2)上記チタンブラックは、表面にカルボキシル基、水酸基、スルホン酸基及びアミノ基からなる群より選択される少なくとも1種の官能基を有するものである上記(1)項記載の処理チタンブラックに関する。
本発明の処理チタンブラックは、チタンブラック、好ましくは、表面にカルボジイミド基と反応する官能基を有するチタンブラックを、分子内にカルボジイミド基を有するカルボジイミド化合物(以下、単に「カルボジイミド化合物」ということがある。)で処理してなるものである。
上記処理チタンブラックは、分散媒体等を含むチタンブラックの分散体の形態であってもよく、分散媒体等を含まない乾燥状態の形態であってもよい。
本発明で用いるチタンブラックは、上記カルボジイミド基と反応する官能基として、カルボキシル基、水酸基、スルホン酸基及びアミノ基からなる群より選択される少なくとも1種の官能基を有するものが好適である。
本発明の処理チタンブラックを得るために使用するチタンブラックとしては、未処理のチタンブラック、又は、未処理のチタンブラックが絶縁性化合物等で被覆され、且つその被覆表面にカルボジイミド基と反応する官能基を有するチタンブラックが利用できる。
シラン化合物やチタン化合物としては、無機材質材料と化学結合する反応基(メトキシ基、エトキシ基、ハロゲン等)とカルボジイミド基と化学結合する反応基(水酸基、アミノ基、カルボキシル基、スルホン酸基、エポキシ基、メルカプト基等)とを有するシリコーンシラン化合物やシリコーンチタン化合物が有用である。
また、エポキシ樹脂としては、オキシラン環を有する直鎖状、側鎖状及び環状の各種エポキシ樹脂並びにそのオリゴマー化合物が利用できる。
例えば、チタンブラックの表面をシリカで被覆するにあたっては、例えば、(1)チタンブラックを水中に分散し、チタンブラックの水性スラリーを得る工程、(2)チタンブラックの水性スラリーに、珪酸ナトリウム溶液を加え、ホモジナイザー等の攪拌機で攪拌し、チタンブラックを粉砕する工程、(3)得られた溶液を加熱する工程、(4)更に、珪酸ナトリウム溶液と硫酸とを加えて、ホモジナイザー等の攪拌機を用いて攪拌し、シリカ被覆チタンブラックを得る工程を含む方法等により行うことができる。
乾式法としては、ホモジナイザー等の攪拌機にチタンブラックとシラン化合物又はチタン化合物とを加えて、通常、室温〜130℃の温度で、30〜90分間混合処理することが好ましい。ここで、シラン化合物又はチタン化合物を加えるにあたっては、シラン化合物若しくはチタン化合物を原液のまま、又は、適当な溶媒に溶解させて加えるようにする。
湿式法としては、エステルや芳香族炭化水素等の有機溶媒中でチタンブラックとシラン化合物又はチタン化合物とを混合処理することが好ましい。
上記絶縁性化合物としては、良好な被覆されたチタンブラックが得られる点から、シリカ、シラン化合物、チタン化合物を用いることが好ましい。
分子内にカルボジイミド基を有する化合物とは、分子内にカルボジイミド基、すなわち、−N=C=N−を少なくとも1つ有するカルボジイミド化合物である。このような分子内にカルボジイミド基を有するカルボジイミド化合物は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
このような分子内にカルボジイミド基を1つ以上有するカルボジイミド化合物を得る一般的な方法としては、有機溶媒中で、カルボジイミド化触媒の存在下、イソシアネート化合物を脱炭酸反応によりカルボジイミド化して得られるカルボジイミド化合物が利用できる。
これらの材料を用いて、イソシアネート基の脱炭酸反応を行う方法としては、既知の方法が利用でき、例えば、窒素雰囲気下で、100〜200℃の反応温度で行うことができる。
以上の方法を用いて、例えば、K(≧2)モルのジイソシアネート化合物を脱炭酸して得られるカルボジイミド化合物は以下の一般式(1)で表すことができる。
上述した分子内にカルボジイミド基を有するカルボジイミド化合物の市販品としては、ジフェニルメタンジイソシアネートを原料としたモノカルボジイミド化合物としてルプラネートMM−103、XTB−3003(いずれも商品名、BASF社製)、スタバクゾールP(商品名、住友バイエルウレタン社製)、テトラメチルキシリレンジイソシアネートを原料としたポリカルボジイミドとしてカルボジライトV−03、V−05等(いずれも商品名、日清紡社製)等が挙げられる。
その中でも、好ましくは、式量500〜5000のポリエステル鎖、ポリエーテル鎖又はポリアクリル鎖を形成することができるものである。
なお、本明細書において、「側鎖」とは、カルボジイミド化合物を主鎖としたときに、主鎖から枝分れの状態にある鎖をいう。
また、一つの側鎖の中にポリエステル鎖とポリエーテル鎖とがそれぞれ1種以上で組み合わせて形成されるものは、「ポリエステル側鎖」と「ポリエーテル側鎖」との両方に属し、一つの側鎖の中にポリエステル鎖とポリアクリル鎖とがそれぞれ1種以上で組み合わせて形成されるものは、「ポリエステル側鎖」と「ポリアクリル側鎖」との両方に属し、一つの側鎖の中にポリエーテル鎖とポリアクリル鎖とがそれぞれ1種以上で組み合わせて形成されるものは、「ポリエーテル側鎖」と「ポリアクリル側鎖」との両方に属する。更に、一つの側鎖の中にポリエステル鎖、ポリエーテル鎖及びポリアクリル鎖をそれぞれ1種以上で組合わせて形成されるものは、「ポリエステル側鎖」、「ポリエーテル側鎖」、「ポリアクリル側鎖」のいずれにも属する。そして、このように一つの側鎖の中に、ポリエステル鎖、ポリエーテル鎖、ポリアクリル鎖が混在するものも、もちろん「ポリエステル側鎖、ポリエーテル側鎖及びポリアクリル側鎖からなる群からなる群より選択される少なくとも1種の側鎖」の条件を満足する側鎖である。
なお、本発明において、このようなカルボジイミド基と官能基との反応をグラフト化反応と呼ぶことがあり、その方法で導入された側鎖をグラフト化側鎖、導入されたポリエステル側鎖をグラフト化ポリエステル側鎖、ポリエーテル側鎖をグラフト化ポリエーテル側鎖、ポリアクリル側鎖をグラフト化ポリアクリル側鎖と呼ぶこともある。
(1)オキシカルボン酸、モノアルコール、低分子ジオール化合物等を開始剤とした環状エステル化合物の開環重合化合物(例えば、乳酸、カプロン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸等のモノ又はポリオキシカルボン酸を開始剤として用い、ε−カプロラクトン、γ−ブチロラクトン、2−メチルカプロラクトン、4−メチルカプロラクトン、β−プロピオラクトン、δ−バレロラクトン、β−メチル−δ−バレロラクトン等の環状エステル化合物を開環重合して得られるカルボキシル基と水酸基を含有するポリエステル化合物;メタノール、エタノール等の低分子モノオール化合物を開始剤として用い、上記環状エステル化合物を開環重合して得られる水酸基を含有するポリエステルモノオール化合物;エチレングリコール、プロピレングリコール等の低分子ジオール化合物を開始剤として用い、上記環状エステル化合物を開環重合して得られる水酸基を含有するポリエステルジオール化合物等)を挙げることができる。
このようなポリエステル化合物の中では、ポリカプロラクトンの開環重合によって得られるポリエステル化合物であることが好ましい。
(1)オキシカルボン酸、モノアルコール、低分子ジオール化合物等を開始剤とした環状エーテル化合物の開環重合化合物(例えば、乳酸、カプロン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸等のモノ又はポリオキシカルボン酸を開始剤として用い、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、トリメチレンオキサイド、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン等の環状エーテル化合物を開環重合して得られるカルボキシル基と水酸基を含有するポリエーテル化合物;メタノール、エタノール等の低分子モノオール化合物を開始剤として用い、上記環状エーテル化合物を開環重合して得られる水酸基を含有するポリエーテルモノオール化合物;エチレングリコール、プロピレングリコール等の低分子ジオール化合物を開始剤として用い、上記環状エーテル化合物を開環重合して得られる水酸基を含有するポリエーテルジオール化合物等)を挙げることができる。
更に、一般式(3)で表されるカルボジイミド化合物は、分子内にイソシアネート基を有するが、イソシアネート基と反応可能な官能基を有する化合物を反応させることも可能であり、下記一般式(11)で表されるカルボジイミド化合物も本発明におけるカルボジイミド化合物として利用することができる。
その中でも、好ましくは式量が500〜5000のポリエステル鎖、ポリエーテル鎖又はポリアクリル鎖を形成するものである。
まず、一般式(1)(但し、K≧2)で表されるカルボジイミド化合物、又は、一般式(12)で表される化合物のどちらか一方を用い、両末端のイソシアネート基にジオール化合物を反応させて、両末端が水酸基の化合物を得る。例えば、一般式(1)(但し、K≧2)で表されるカルボジイミド化合物1モルとジオール化合物2モルを反応させて得られる化合物は、下記一般式(13)で表され、一方、一般式(12)で表される化合物1モルとジオール化合物2モルを反応させて得られる化合物は、下記一般式(14)で表される。
そして、上記カルボジイミド基を有するジオール化合物(一般式(13)で表される化合物)に対して、グラフト化ポリエステル鎖、グラフト化ポリエーテル鎖又はグラフト化ポリアクリル鎖を有するジイソシアネート化合物(一般式(12)で表される化合物)、その逆として、このようなグラフト化側鎖を有するジオール化合物(一般式(14)で表される化合物)に対して、カルボジイミド基を有するジイソシアネート化合物(一般式(1)(但し、K≧2)で表されるカルボジイミド化合物)を反応させて得られる化合物は、本発明で利用可能である。
また、水性分散媒体としては、水のみであってもよく、水混和性の有機系分散媒体との併用であってもよい。
また、上記用途に使用可能な溶剤としては、上記インキや塗料の分野で用いることができる分散媒体として挙げた有機系分散媒体及び水性分散媒体が挙げられる。
(調製例1)
還流冷却管、窒素導入管、攪拌棒、温度計を備えた四つ口フラスコに、イソシアネート基を有するカルボジイミド当量262のポリカルボジイミド化合物76.3部、分子量2000のポリ(3−メチルペンチルアジペート)ジオール113.7部、メチルジエタノールアミン4.5部を仕込み、約100℃で8時間反応させ、次いで、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PMAC)291.7部を仕込んで数平均分子量約10000、カルボジイミド当量670のカルボジイミド化合物(1)40%溶液を得た。
還流冷却管、窒素導入管、攪拌棒、温度計を備えた四つ口フラスコに、イソシアネート基を有するカルボジイミド当量316のポリカルボジイミド化合物50.0部、分子量1000のポリ(3−メチルペンチルアジペート)ジオール115.7部、テトラブチルチタネート16mgを仕込み、約100℃で5時間保持して、イソシアネート基と水酸基とを反応させ、次いで、末端にカルボキシル基を有する分子量2000のポリカプロラクトンの開環重合物84.6部を仕込み、約80℃で2時間保持して、カルボジイミド基とカルボキシル基とを反応させた後、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート375.5部を仕込んで数平均分子量約4200、カルボジイミド当量1583のカルボジイミド化合物(2)40%溶液を得た。
還流冷却管、窒素導入管、攪拌棒、温度計を備えた四つ口フラスコに、イソシアネート基を有するカルボジイミド当量316のポリカルボジイミド化合物50.0部、分子量1000のポリ(3−メチルペンチルアジペート)ジオール115.7部、テトラブチルチタネート16mgを仕込み、約100℃で5時間保持して、イソシアネート基と水酸基とを反応させ、次いで、末端にカルボキシル基を有する分子量2000のプロピレンオキサイドの開環重合物84.6部を仕込み、約80℃で2時間保持して、カルボジイミド基とカルボキシル基とを反応させた後、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート375.5部を仕込んで数平均分子量約4200、カルボジイミド当量1583のカルボジイミド化合物(3)40%溶液を得た。
還流冷却管、窒素導入管、攪拌棒、温度計を備えた四つ口フラスコに、イソシアネート基を有するカルボジイミド当量316のポリカルボジイミド化合物50.0部、分子量1000のポリ(3−メチルペンチルアジペート)ジオール115.7部、テトラブチルチタネート16mgを仕込み、約100℃で5時間保持して、イソシアネート基と水酸基とを反応させ、次いで、末端にカルボキシル基を有する分子量2000の(メタ)アクリル系重合体84.6部を仕込み、約80℃で2時間保持して、カルボジイミド基とカルボキシル基とを反応させた後、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート375.5部を仕込んで数平均分子量約4200、カルボジイミド当量1583のカルボジイミド化合物(4)40%溶液を得た。
還流冷却管、窒素導入管、攪拌棒、温度計を備えた四つ口フラスコに、イソシアネート基を有するカルボジイミド当量96のポリカルボジイミド化合物50.0部、分子量500のポリ(3−メチルペンチルアジペート)ジオール0.72部を仕込み、約100℃で5時間保持して、イソシアネート基と水酸基とを反応させ、次いで、末端にカルボキシル基を有する分子量500のポリカプロラクトンの開環重合物0.37部を仕込み、約80℃で2時間保持して、カルボジイミド基とカルボキシル基とを反応させた後、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート77.0部を仕込んで数平均分子量約70000、カルボジイミド当量98のカルボジイミド化合物(5)40%溶液を得た。
還流冷却管、窒素導入管、攪拌棒、温度計を備えた四つ口フラスコに、イソシアネート基を有するカルボジイミド当量322のポリカルボジイミド化合物7.5部、分子量30000のポリ(3−メチルペンチルアジペート)ジオール464.3部を仕込み、約100℃で5時間保持して、イソシアネート基と水酸基とを反応させ、次いで、末端にカルボキシル基を有する分子量40000のポリカプロラクトンの開環重合物310.6部を仕込み、約100℃で2時間保持して、カルボジイミド基とカルボキシル基とを反応させた後、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート1170部を仕込んで数平均分子量約101000、カルボジイミド当量50223のカルボジイミド化合物(6)40%溶液を得た。
(表面被覆チタンブラック1)
チタンブラック13R(商品名、三菱マテリアル社製)100gをアモルファスシリカ10gで被覆し、表面被覆チタンブラック(1)を得た。
実施例1は表面被覆チタンブラック(1)、実施例6はチタンブラック13Rを用いて、それぞれカルボジイミド化合物(2)で表面処理したチタンブラックであり、実施例2〜5及び実施例7〜10は、各カルボジイミド化合物で表面処理しながら同時に分散媒体中に分散させた、表面処理チタンブラックの分散体として得られるものである。
スチールビーズ(Φ1.4mm)1000gを充填した容量1000mlのスチール缶に、表面被覆チタンブラックを50g、精製水450gを仕込んだ。この混合物をペイントコンディショナーを用い30分間練肉し、水性チタンブラック分散体を得た。この水性チタンブラック分散体を還流冷却管、窒素導入管、攪拌棒、温度計を備えた四つ口フラスコに移し、攪拌しながらカルボジイミド化合物(2)40%溶液15g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート170gを添加し、約90℃で8時間反応させた。反応後、精製水及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを除去し、真空乾燥機に入れ80℃で2時間乾燥し、カルボジイミド化合物により表面処理された実施例1の表面処理チタンブラック(表面処理チタンブラック1)を得た。更に、表1の組成の材料を、ビーズミルで1昼夜、温度60℃の温度で混練して、実施例1の表面処理チタンブラックの分散体を得た。
スチールビーズ(Φ1.4mm)1000gを充填した容量1000mlのスチール缶に、チタンブラック13Rを50g、精製水450gを仕込んだ。この混合物をペイントコンディショナーを用い30分間練肉し、水性チタンブラック分散体を得た。この水性チタンブラック分散体を還流冷却管、窒素導入管、攪拌棒、温度計を備えた四つ口フラスコに移し、攪拌しながらカルボジイミド化合物(2)40%溶液15g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート170gを添加し、約90℃で8時間反応させた。反応後、精製水及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを除去し、真空乾燥機に入れ80℃で2時間乾燥し、カルボジイミド化合物により表面処理された実施例6の表面処理チタンブラック(表面処理チタンブラック2)を得た。更に、表1の組成の材料を、ビーズミルで1昼夜、温度60℃の温度で混練して、実施例6の表面処理チタンブラックの分散体を得た。
表1の組成の材料を、ビーズミルで1昼夜、温度60℃の温度で混練し、カルボジイミド化合物により表面処理された実施例2〜5、実施例7〜10の表面処理チタンブラックの分散体、比較例1〜6のチタンブラックの分散体を得た。
バインダー樹脂の調製
撹拌機、冷却管及び窒素ガス導入管を備えた四つ口フラスコに、平均分子量2,000のネオペンチレンアジペートジオール200部及びイソホロンジイソシアネート44.4部を仕込み、窒素ガスを導入しながら100〜105℃で6時間反応させた。室温近くまで放冷し、酢酸n−プロピル243部、メチルエチルケトン243部、イソプロパノール122部を加えた後、イソホロンジアミン15.3部を加えて鎖伸長反応させ、更にモノエタノールアミン1.2部を加えて反応を停止してポリウレタン樹脂ワニスA(固形分30%、ポリウレタン樹脂の重量平均分子量27,000)を得た。
高速攪拌機を用いて、実施例1〜10、比較例1〜6の処理チタンブラックの分散体とその他の材料とを表2の組成になるように均一に混合して、実施例1〜10の印刷インキ組成物及び比較例1〜6の印刷インキ組成物を得た。
高速攪拌機を用いて、実施例1〜10、比較例1〜6の処理チタンブラックの分散体とその他の材料とを表3の組成になるように均一に混合した後、孔径3μmのフィルターで濾過し、実施例1〜10のレジスト用組成物及び比較例1〜6のレジスト用組成物を得た。
1.分散安定性
実施例1〜10、比較例1〜6の各処理チタンブラックの分散体、実施例1〜10の印刷インキ組成物、比較例1〜6の印刷インキ組成物、実施例1〜10のレジスト用組成物及び比較例1〜6のレジスト用組成物をそれぞれガラス瓶に採り、密栓して40℃で7日間保存した後の状態を下記評価基準に従って評価した。評価結果は、表1〜表3に示す。
A:増粘、沈降物が共に認められない
B:軽く振トウすると元に戻る程度の増粘と沈降物が認められる
C:強く振トウしても元に戻らない程度の増粘と沈降物が認められる
分散安定性でA又はBの評価の得られた実施例1〜10の印刷インキ組成物及び比較例3の印刷インキを、版深度32μmのベタ版を備えたグラビア校正機(東谷製作所社製)を用いて、二軸延伸ポリプロピレンフィルム(東洋紡績社製、P−2161、厚さ25μm)に印刷した。得られた印刷物の表面抵抗値を抵抗測定器(R8340/8340A、商品名:アドバンテスト社製)で測定した。評価結果は、表2に示す。
分散安定性でA又はBの評価の得られたレジスト用組成物を、スピンコーターにて膜圧1μmになるようにガラス基板上に塗布し、100℃で3分間プレベークした後、高圧水銀灯で露光し、更に230℃で30分間ポストベークを行い、ベタ部のみで形成されたレジスト皮膜を得た。得られたレジスト皮膜の表面抵抗値を抵抗測定器(R8340/8340A、商品名:アドバンテスト社製)で測定した。評価結果は、表3に示す。
表2において、混合溶剤Aは、酢酸n−プロピル:メチルエチルケトン:イソプロパノール=2:2:1の質量比率で混合した混合溶剤を表す。
表3において、※1は、ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体であり、※2は、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートであり、イルガキュア907(商品名)は、チバ・スペシャリティー・ケミカルズ社製の光重合開始剤であり、PGMMEAは、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートである。
また、本発明のチタンブラック処理用化合物は、チタンブラックを処理することにより、流動性と分散安定性とに優れ、インキ、塗料、レジスト組成物等の分野において好適に用いることができる処理用チタンブラックを得ることができるものである。
Claims (8)
- チタンブラック表面を、分子内にカルボジイミド基を少なくとも1つ有する、カルボジイミド当量が100〜50000のカルボジイミド化合物で処理してなることを特徴とする処理チタンブラック。
- 前記チタンブラックは、表面にカルボキシル基、水酸基、スルホン酸基及びアミノ基からなる群より選択される少なくとも1種の官能基を有するものである
ことを特徴とする請求項1記載の処理チタンブラック。 - 前記チタンブラックは、絶縁性化合物で被覆され、更に、被覆された表面にカルボキシル基、水酸基、スルホン酸基及びアミノ基からなる群より選択される少なくとも1種の官能基を有するものである
ことを特徴とする請求項2記載の処理チタンブラック。 - 前記絶縁性化合物は、シリカ、シラン化合物及びチタン化合物からなる群より選択される少なくとも1種のものである
ことを特徴とする請求項3記載の処理チタンブラック。 - 前記カルボジイミド化合物は、分子内にポリエステル側鎖、ポリエーテル側鎖及びポリアクリル側鎖からなる群より選択される少なくとも1つの側鎖を有するものである
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の処理チタンブラック。 - 請求項1〜5のいずれかに記載の処理チタンブラック及び分散媒体を少なくとも含む
ことを特徴とする処理チタンブラックの分散体。 - 分子内にカルボジイミド基を少なくとも1つ有する、カルボジイミド当量が100〜50000のカルボジイミド化合物を用いて、チタンブラックを処理する工程を含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の処理チタンブラックの製造方法。
- 前記カルボジイミド化合物が、分子内にポリエステル側鎖、ポリエーテル側鎖及びポリアクリル側鎖からなる群より選択される少なくとも1つの側鎖を有するものである
ことを特徴とする請求項7記載の処理チタンブラックの製造方法。
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