JP2004217885A - 処理チタンブラック、処理チタンブラックの分散体及びチタンブラック処理用化合物 - Google Patents

処理チタンブラック、処理チタンブラックの分散体及びチタンブラック処理用化合物 Download PDF

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Abstract

【課題】 インキや塗料の分野で利用されたとき、チタンブラックの濃度が高い場合及びチタンブラックの粒子径が微細な場合であっても、流動性や分散安定性が良好で、非常に高い絶縁性を有する組成物を得ることができる処理チタンブラック及びその分散体、並びに、チタンブラックの処理に適したチタンブラック処理用化合物を提供する。
【解決手段】 チタンブラック表面を、分子内にカルボジイミド基を少なくとも1つ有する、カルボジイミド当量が100〜50000のカルボジイミド化合物で処理してなることを特徴とする処理チタンブラック。
【選択図】 なし

Description

本発明は、処理チタンブラック及びその分散体に関し、より詳しくは、絶縁性、遮光性等が要求されるインキ、塗料等の分野等において利用される処理チタンブラック及びその分散体に関する。また、本発明は、チタンブラックの処理に適した処理用化合物に関する。
チタンブラックは、カーボンブラックと比較して絶縁性に優れるという特徴があることから、黒色顔料、良好な遮光性材料として、インキや塗料の分野等で広く利用されている。
しかしながら、チタンブラックは、一次粒子径がサブミクロン以下の微粒子であって、粒子間の凝集力が強く、他の物質、例えば、水、有機溶剤又は有機高分子といったものとの親和力が弱く、二次凝集が生じやすい。従って、各種組成物に、チタンブラックを含有させたものは、チタンブラックをいかに均一で安定的に分散させるかが問題となっていた。
これらの問題点を解決するために、チタンブラックを高分子化合物で被覆して、分散媒体との親和力を高めることにより、チタンブラックを均一に分散させる方法が検討されている。例えば、シラン化合物で被覆したチタンブラックを使用して、分散性を改良する方法(例えば、特許文献1参照。)が、また、絶縁性物質により表面が被覆されたチタンブラックと(メタ)アクリル系ポリマー溶液からなる混合液を、ベッセル内部に複数の粒状メディアを配してなる攪拌装置で分散処理する方法(例えば、特許文献2参照。)が検討されている。
これらの方法を利用すると、ある程度分散性が改良され、高い絶縁性を有する分散体が得られることが可能となっている。しかしながら、より高い遮光性を目的としてチタンブラックの濃度を高くした場合、及び、より高い塗工性を目的としてチタンブラックの粒子径を微細にした場合における分散性は未だ充分なものではなかった。
特開平9−54431号公報 特開平2001−181512号公報
本発明は、従来技術の問題点に鑑み、インキや塗料の分野で利用されたとき、チタンブラックの濃度が高い場合及びチタンブラックの粒子径が微細な場合であっても、流動性や分散安定性が良好で、非常に高い絶縁性を有する組成物を得ることができる処理チタンブラック及びその分散体を提供することを目的とする。また、チタンブラックの処理に適したチタンブラック処理用化合物を提供することである。
本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意検討した結果、(1)未処理のチタンブラック、(2)絶縁性化合物等で被覆処理され、且つその被覆表面にカルボジイミド基と反応する官能基を有するチタンブラック表面のどちらでも、分子内にカルボジイミド基を有するカルボジイミド化合物で処理することにより、チタンブラック含有濃度が高い場合やチタンブラックの粒子径が微細な場合であっても、流動性、分散安定性が良好で非常に高い絶縁性を有する処理チタンブラックの分散体が得られること、また、この処理チタンブラック又は処理チタンブラックの分散体を用いたインキや塗料を用いると、分散安定性が良好で、且つ、平滑で遮光性が高く、更に高絶縁性を有する皮膜が得られることを見出し、本発明を完成するに到った。
すなわち、本発明は、(1)チタンブラック表面を、分子内にカルボジイミド基を少なくとも1つ有する、カルボジイミド当量が100〜50000のカルボジイミド化合物で処理してなる処理チタンブラックに関する。
本発明はまた、(2)上記チタンブラックは、表面にカルボキシル基、水酸基、スルホン酸基及びアミノ基からなる群より選択される少なくとも1種の官能基を有するものである上記(1)項記載の処理チタンブラックに関する。
本発明はまた、(3)上記チタンブラックは、絶縁性化合物で被覆され、更に被覆された表面にカルボキシル基、水酸基、スルホン酸基及びアミノ基からなる群より選択される少なくとも1種の官能基を有するものである上記(2)項記載の処理チタンブラックに関する。
本発明はまた、(4)上記絶縁性化合物は、シリカ、シラン化合物及びチタン化合物からなる群より選択される少なくとも1種のものである上記(3)項記載の処理チタンブラックに関する。
本発明はまた、(5)上記カルボジイミド化合物は、分子内にポリエステル側鎖、ポリエーテル側鎖及びポリアクリル側鎖からなる群より選択される少なくとも1つの側鎖を有するものである上記(1)〜(4)項のいずれかに記載の処理チタンブラックに関する。
本発明はまた、(6)上記(1)〜(5)項のいずれかに記載の処理チタンブラック及び分散媒体を少なくとも含む処理チタンブラックの分散体に関する。
本発明は、更に、(7)分子内にカルボジイミド基を少なくとも1つ有する、カルボジイミド当量が100〜50000のカルボジイミド化合物であるチタンブラック処理用化合物に関する。
本発明は、そして、(8)前記カルボジイミド化合物が、分子内にポリエステル側鎖、ポリエーテル側鎖及びポリアクリル側鎖からなる群より選択される少なくとも1つの側鎖を有するものである上記(7)項記載のチタンブラック処理用化合物に関する。
以下、本発明の処理チタンブラック及びチタンブラックの分散体について詳細に説明する。
本発明の処理チタンブラックは、チタンブラック、好ましくは、表面にカルボジイミド基と反応する官能基を有するチタンブラックを、分子内にカルボジイミド基を有するカルボジイミド化合物(以下、単に「カルボジイミド化合物」ということがある。)で処理してなるものである。
上記処理チタンブラックは、分散媒体等を含むチタンブラックの分散体の形態であってもよく、分散媒体等を含まない乾燥状態の形態であってもよい。
このような処理チタンブラックでは、カルボジイミド化合物の分子内に存在するカルボジイミド基を、(1)チタンブラックの表面に存在する官能基、例えば、吸着水や結晶水に由来する水酸基等と反応させることにより、又は、(2)絶縁性化合物等で被覆されたチタンブラックの表面に存在する、カルボキシル基、水酸基、スルホン酸基等のカルボジイミド基と反応する官能基と反応させることにより、強い吸着力を持たせることができると推測される。更にこの処理チタンブラックは、カルボジイミド化合物が後述するポリエステル側鎖、ポリエーテル側鎖及びポリアクリル側鎖からなる群より選択される少なくとも1つの側鎖を有するものであると、該側鎖が、分散媒体中でドメインを形成して立体障害等の作用を有することから、チタンブラックを分散媒体中に安定的に分散させることができるものと考えられる。また、少なくとも、処理チタンブラックと分散媒体を含むチタンブラックの分散体は、その他必要に応じて、用途に合わせ樹脂バインダー等を含有させることができるものである。
まず、本発明で用いるチタンブラック、好ましくは、表面にカルボジイミド基と反応する官能基を有するチタンブラックについて説明する。
本発明で用いるチタンブラックは、上記カルボジイミド基と反応する官能基として、カルボキシル基、水酸基、スルホン酸基及びアミノ基からなる群より選択される少なくとも1種の官能基を有するものが好適である。
本発明の処理チタンブラックを得るために使用するチタンブラックとしては、未処理のチタンブラック、又は、未処理のチタンブラックが絶縁性化合物等で被覆され、且つその被覆表面にカルボジイミド基と反応する官能基を有するチタンブラックが利用できる。
チタンブラックとは、低次酸化チタンや酸窒化チタン等を意味する。このうち低次酸化チタンとしては、例えば、特開昭49−5432号公報(特公昭52−12733号公報)に記載された、二酸化チタンと金属チタン粉末を真空又は還元雰囲気中で、550〜1100℃の温度で加熱して得られる、Ti2n−1(nの正の整数)で示される黒色系の化合物や、特開昭64−11572号公報に記載された、含水二酸化チタンと金属チタン粉末とを、珪素、アルミニウム、ニオブ、タングステン等を含む化合物からなる焼成処理補助剤の存在下、不活性雰囲気中で加熱して得られる化合物が挙げられる。また、酸窒化チタンとしては、例えば、特開昭60−65069号公報(特公平3−51645号公報)や特開昭60−200827号公報(特公平2−42773号公報)に記載された、二酸化チタンや水酸化チタンの粉末をアンモニア存在下、550〜950℃程度の温度で還元して得られる黒色系の化合物が挙げられる。その他に、特開昭61−201610号公報(特公平3−29010号公報)に記載された、バナジウムを二酸化チタン等に付着させ、アンモニア存在下、750〜875℃で還元して得られる黒色系の化合物も挙げられる。
上記のチタンブラックが絶縁性化合物等で被覆され、かつ、その被覆表面にカルボジイミド基と反応する官能基を有する、好ましいチタンブラックの形態において、更に好ましくは、被覆表面に、カルボキシル基、水酸基、スルホン酸基及びアミノ基からなる群より選択される少なくとも1種の官能基を有する形態である。
上記カルボジイミド基と反応する官能基を導入する方法としては、従来公知のどのような方法でもよいが、例えば、チタンブラック表面を、カルボジイミド基と反応する官能基を有する化合物で被覆して導入する方法、チタンブラック表面を、エポキシ基等の官能基を有する化合物で被覆した後、該エポキシ基等の官能基と反応する化合物を反応させてカルボジイミド基と反応する官能基を導入する方法等が例示できる。
また、上記チタンブラックを被覆する絶縁性化合物としては、シリカ、シラン化合物、チタン化合物、エポキシ樹脂等のポリマー等が例示できる。
シラン化合物やチタン化合物としては、無機材質材料と化学結合する反応基(メトキシ基、エトキシ基、ハロゲン等)とカルボジイミド基と化学結合する反応基(水酸基、アミノ基、カルボキシル基、スルホン酸基、エポキシ基、メルカプト基等)とを有するシリコーンシラン化合物やシリコーンチタン化合物が有用である。
具体的には、シリコーンシラン化合物としては、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン等のエポキシシラン;N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、2−アミノエチルトリメトキシシラン、2−アミノエチルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノシラン;γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン等のメルカプトシラン等が挙げられ、シリコーンチタン化合物としては、テトライソプロピルビス(ジオクチルホスファイト)チタネート等が挙げられる。
また、エポキシ樹脂としては、オキシラン環を有する直鎖状、側鎖状及び環状の各種エポキシ樹脂並びにそのオリゴマー化合物が利用できる。
上記チタンブラックの表面を上記絶縁性化合物で被覆する手段としては、従来公知の手段を用いて行うことができる。
例えば、チタンブラックの表面をシリカで被覆するにあたっては、例えば、(1)チタンブラックを水中に分散し、チタンブラックの水性スラリーを得る工程、(2)チタンブラックの水性スラリーに、珪酸ナトリウム溶液を加え、ホモジナイザー等の攪拌機で攪拌し、チタンブラックを粉砕する工程、(3)得られた溶液を加熱する工程、(4)更に、珪酸ナトリウム溶液と硫酸とを加えて、ホモジナイザー等の攪拌機を用いて攪拌し、シリカ被覆チタンブラックを得る工程を含む方法等により行うことができる。
また、チタンブラックの表面を上記シリコーンシラン化合物、シリコーンチタン化合物で被覆するにあたっては、乾式法、湿式法のいずれの方法も用いることができる。
乾式法としては、ホモジナイザー等の攪拌機にチタンブラックとシラン化合物又はチタン化合物とを加えて、通常、室温〜130℃の温度で、30〜90分間混合処理することが好ましい。ここで、シラン化合物又はチタン化合物を加えるにあたっては、シラン化合物若しくはチタン化合物を原液のまま、又は、適当な溶媒に溶解させて加えるようにする。
湿式法としては、エステルや芳香族炭化水素等の有機溶媒中でチタンブラックとシラン化合物又はチタン化合物とを混合処理することが好ましい。
また、チタンブラックの表面を上記エポキシ樹脂等のポリマーで被覆するにあたっては、エポキシ樹脂等のポリマーを溶解する溶媒に、エポキシ樹脂等のポリマーを溶解させ、その後、エポキシ樹脂等のポリマーに対して貧溶媒である溶媒を加えて、チタンブラックの表面に、エポキシ樹脂等のポリマーを析出させて、被覆チタンブラックを得ることができる。
上記絶縁性化合物としては、良好な被覆されたチタンブラックが得られる点から、シリカ、シラン化合物、チタン化合物を用いることが好ましい。
次に、本発明の処理チタンブラックを得るために使用できる分子内にカルボジイミド基を有するカルボジイミド化合物(チタンブラック処理用化合物)について説明する。
分子内にカルボジイミド基を有する化合物とは、分子内にカルボジイミド基、すなわち、−N=C=N−を少なくとも1つ有するカルボジイミド化合物である。このような分子内にカルボジイミド基を有するカルボジイミド化合物は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
このような分子内にカルボジイミド基を1つ以上有するカルボジイミド化合物を得る一般的な方法としては、有機溶媒中で、カルボジイミド化触媒の存在下、イソシアネート化合物を脱炭酸反応によりカルボジイミド化して得られるカルボジイミド化合物が利用できる。
上記イソシアネート化合物としては、メチルイソシアネート、エチルイソシアネート、プロピルイソシアネート、ブチルイソシアネート、オクタデシルイソシアネート、フェニルイソシアネート等のモノイソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート等の脂肪族、脂環族、芳香族、芳香脂肪族のジイソシアネート化合物を挙げることができる。
また、利用可能な有機溶媒としては、沸点が高く、かつ、イソシアネート化合物や生成するカルボジイミド基を有する化合物と反応するような活性水素を持たないものであり、具体的には、トルエン、キシレン、ジエチルベンゼン等の芳香族炭化水素;ジエチレングリコールジアセテート、ジプロピレングリコールジブチレート、ヘキシレングリコールジアセテート、グリコールジアセテート、メチルグリコールアセテート、エチルグリコールアセテート、ブチルグリコールアセテート、エチルジグリコールアセテート、ブチルジグリコールアセテート等のグリコールエーテルエステル類;エチルブチルケトン、アセトフェノン、プロピオフェノン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;酢酸アミル、プロピオン酸プロピル、酪酸エチル等の脂肪族エステル等を挙げることができる。
また、利用可能なカルボジイミド化触媒としては、ホスホレン類やホスホレンオキサイド類等が挙げられ、具体的には、1−エチル−3−メチル−3−ホスホレンオキサイド、1−フェニル−3−メチル−3−ホスホレンオキサイド、1−フェニル−3−メチル−2−ホスホレンオキサイド等が例示できる。
これらの材料を用いて、イソシアネート基の脱炭酸反応を行う方法としては、既知の方法が利用でき、例えば、窒素雰囲気下で、100〜200℃の反応温度で行うことができる。
また、上記分子内にカルボジイミド基を含有するカルボジイミド化合物を得る他の方法としては、例えば、米国特許第2941956号、特公昭47−33279号公報、特開平5−178954号公報、特開平6−56950号公報等の方法がある。
以上の方法を用いて、例えば、K(≧2)モルのジイソシアネート化合物を脱炭酸して得られるカルボジイミド化合物は以下の一般式(1)で表すことができる。
Figure 2004217885
また、例えば、2モルのモノイソシアネート化合物とL(≧0)モルのジイソシアネート化合物を脱炭酸して得られるカルボジイミド化合物は以下の一般式(2)で表すことができる(L=0モルの時は、モノイソシアネート化合物のみの反応である)。
Figure 2004217885
なお、上記一般式中、Aは、カルボジイミド化合物の合成に用いたジイソシアネート化合物のイソシアネート基を除く残基、Bは、カルボジイミド化合物の合成に用いたモノイソシアネート化合物のイソシアネート基を除く残基である。
上述した分子内にカルボジイミド基を有するカルボジイミド化合物の市販品としては、ジフェニルメタンジイソシアネートを原料としたモノカルボジイミド化合物としてルプラネートMM−103、XTB−3003(いずれも商品名、BASF社製)、スタバクゾールP(商品名、住友バイエルウレタン社製)、テトラメチルキシリレンジイソシアネートを原料としたポリカルボジイミドとしてカルボジライトV−03、V−05等(いずれも商品名、日清紡社製)等が挙げられる。
なお、上記一般式(1)で表されるカルボジイミド化合物は、分子内にイソシアネート基を有するが、イソシアネート基と反応可能な官能基を有する化合物を反応させることも可能であり、本発明におけるカルボジイミド化合物を形成することになる1個以上のカルボジイミド基を有するカルボジイミド化合物として利用することができる。
このようなイソシアネート基と反応可能な官能基を有する化合物としては、残余のカルボジイミド基と反応性が低くて、先にイソシアネート基と選択的に反応する化合物が好ましく、例えば、メタノール、エタノール等の低分子モノアルコール化合物、水酸基を含有するポリエステル化合物、ポリアルキレングリコールとそのモノアルキルエステル化合物、ポリメチルメタクリレートジオール、ポリブチルメタクリレートジオール、ポリ2−エチルヘキシルメタクリレートジオール等の水酸基含有ポリアクリル化合物といったような水酸基含有化合物を挙げることができる。
その中でも、好ましくは、式量500〜5000のポリエステル鎖、ポリエーテル鎖又はポリアクリル鎖を形成することができるものである。
またカルボジイミド化合物としては、側鎖を有するものが好ましく、分子内にポリエステル側鎖、ポリエーテル側鎖及びポリアクリル側鎖からなる群より選択される少なくとも1つの側鎖を有するものであることが好ましい。
なお、本明細書において、「側鎖」とは、カルボジイミド化合物を主鎖としたときに、主鎖から枝分れの状態にある鎖をいう。
また、一つの側鎖の中にポリエステル鎖とポリエーテル鎖とがそれぞれ1種以上で組み合わせて形成されるものは、「ポリエステル側鎖」と「ポリエーテル側鎖」との両方に属し、一つの側鎖の中にポリエステル鎖とポリアクリル鎖とがそれぞれ1種以上で組み合わせて形成されるものは、「ポリエステル側鎖」と「ポリアクリル側鎖」との両方に属し、一つの側鎖の中にポリエーテル鎖とポリアクリル鎖とがそれぞれ1種以上で組み合わせて形成されるものは、「ポリエーテル側鎖」と「ポリアクリル側鎖」との両方に属する。更に、一つの側鎖の中にポリエステル鎖、ポリエーテル鎖及びポリアクリル鎖をそれぞれ1種以上で組合わせて形成されるものは、「ポリエステル側鎖」、「ポリエーテル側鎖」、「ポリアクリル側鎖」のいずれにも属する。そして、このように一つの側鎖の中に、ポリエステル鎖、ポリエーテル鎖、ポリアクリル鎖が混在するものも、もちろん「ポリエステル側鎖、ポリエーテル側鎖及びポリアクリル側鎖からなる群からなる群より選択される少なくとも1種の側鎖」の条件を満足する側鎖である。
上記本発明におけるカルボジイミド化合物としては、側鎖がカルボジイミド基との反応により分子内に導入されてなるものであることが好ましい。特に好ましくは、カルボジイミド基と、それと反応可能な官能基との反応を利用して、ポリエステル鎖、ポリエーテル鎖及びポリアクリル鎖からなる群より選択される少なくとも1種を分子内に導入したカルボジイミド化合物が利用できる。
なお、本発明において、このようなカルボジイミド基と官能基との反応をグラフト化反応と呼ぶことがあり、その方法で導入された側鎖をグラフト化側鎖、導入されたポリエステル側鎖をグラフト化ポリエステル側鎖、ポリエーテル側鎖をグラフト化ポリエーテル側鎖、ポリアクリル側鎖をグラフト化ポリアクリル側鎖と呼ぶこともある。
そして、このようなグラフト化ポリエステル鎖、グラフト化ポリエーテル鎖又はグラフト化ポリアクリル鎖を有するカルボジイミド化合物としては、まず、分子内にカルボジイミド基を2つ以上有するポリカルボジイミド化合物、すなわち側鎖を有さないカルボジイミド化合物をもとに、グラフト化反応によりポリエステル側鎖、ポリエーテル側鎖及びポリアクリル側鎖からなる群より選択される少なくとも1種の側鎖を1つ以上付加する(残余のカルボジイミド基も1つ以上とする)方法で得られる化合物を挙げることできる。
ここで、上記カルボジイミド基を2つ以上有するポリカルボジイミド化合物としては、例えば、3モル以上のジイソシアネート化合物を脱炭酸して得られる、上記一般式(1)のK≧3で表されるカルボジイミド化合物、更にその化合物のイソシアネート基に、上記イソシアネート基と反応可能な官能基を有する化合物を反応させて得られるカルボジイミド化合物、また、2モルのモノイソシアネート化合物と1モル以上のジイソシアネート化合物を脱炭酸して得られる、上記一般式(2)のL≧2で表されるカルボジイミド化合物を挙げることができる。
更に、カルボジイミド基を2つ以上有するポリカルボジイミド化合物として、上記一般式(1)(但し、K≧3)のカルボジイミド化合物と樹脂とから得られるカルボジイミド基を有する樹脂も使用できる。具体的には、カルボジイミド基含有ウレタン樹脂、カルボジイミド基含有アクリル樹脂、カルボジイミド基含有ポリエステル樹脂等が挙げられる。
上記のような方法等を用いて得た、分子内に2つ以上のカルボジイミド基を有するポリカルボジイミド化合物に、更にグラフト化反応によりポリエステル側鎖、ポリエーテル側鎖又はポリアクリル側鎖を導入して、分子内にカルボジイミド基と、このような側鎖とをそれぞれ少なくとも1つ有するカルボジイミド化合物とする。
そして、グラフト化反応によりこれらの側鎖を分子内に導入する代表的な方法としては、カルボジイミド基と反応可能な官能基を有するポリエステル化合物、ポリエーテル化合物又はポリアクリル化合物を用いて、それぞれ、カルボジイミド基と当該官能基とを反応させる方法が利用できる。
ここで、カルボジイミド基と反応可能な官能基としては、例えば、カルボキシル基、水酸基、スルホン酸基、アミノ基等を挙げることができ、このような官能基を有するポリエステル化合物としては、まず、
(1)オキシカルボン酸、モノアルコール、低分子ジオール化合物等を開始剤とした環状エステル化合物の開環重合化合物(例えば、乳酸、カプロン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸等のモノ又はポリオキシカルボン酸を開始剤として用い、ε−カプロラクトン、γ−ブチロラクトン、2−メチルカプロラクトン、4−メチルカプロラクトン、β−プロピオラクトン、δ−バレロラクトン、β−メチル−δ−バレロラクトン等の環状エステル化合物を開環重合して得られるカルボキシル基と水酸基を含有するポリエステル化合物;メタノール、エタノール等の低分子モノオール化合物を開始剤として用い、上記環状エステル化合物を開環重合して得られる水酸基を含有するポリエステルモノオール化合物;エチレングリコール、プロピレングリコール等の低分子ジオール化合物を開始剤として用い、上記環状エステル化合物を開環重合して得られる水酸基を含有するポリエステルジオール化合物等)を挙げることができる。
また、(2)オキシカルボン酸の自己重縮合化合物(例えば、乳酸、カプロン酸、12−ヒドロキシステアリン酸等のモノオキシカルボン酸を重縮合して得られるカルボキシル基と水酸基とを含有するポリエステル化合物等)を挙げることができる。
また、(3)低分子ジオール化合物と低分子ジカルボン酸化合物とを重縮合させて得られる化合物(例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等の直鎖状グリコール類、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、エチルブチルプロパンジオール等の分岐グリコール類等の低分子ジオール化合物成分と、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、マレイン酸等の飽和及び不飽和脂肪族ジカルボン酸、フタル酸等の芳香族ジカルボン酸等の低分子ジカルボン酸化合物成分とを、低分子ジオール化合物の過剰存在下で反応させて得られる水酸基を含有するポリエステルジオール化合物等)を挙げることができる。
また、(4)モノアルコールを開始剤とした環状エステル化合物の開環重合物のリン酸エステル化合物(例えば、上記のポリエステルモノオール化合物をリン酸とエステル化反応させて得られるリン酸基を含有するポリエステルジオール化合物等)、(5)アミノ基含有スルホン酸化合物を開始剤とした環状エステル化合物の開環重合化合物(例えば、タウリン等のアミノ基含有スルホン酸化合物を開始剤として、上記環状エステル化合物を開環重合して得られるスルホン酸を含有するポリエステルジオール化合物等)を挙げることができる。
また、(6)モノアルコールを開始剤とした環状エステル化合物の開環重合物の亜硫酸ガス付加物(例えば、上記のポリエステルモノオール化合物に亜硫酸ガスを付加して得られるスルホン酸を含有するポリエステルジオール化合物等)を挙げることができる。
このようなポリエステル化合物の中では、ポリカプロラクトンの開環重合によって得られるポリエステル化合物であることが好ましい。
上記カルボジイミド基と反応可能な官能基を有するポリエーテル化合物としては、まず、
(1)オキシカルボン酸、モノアルコール、低分子ジオール化合物等を開始剤とした環状エーテル化合物の開環重合化合物(例えば、乳酸、カプロン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸等のモノ又はポリオキシカルボン酸を開始剤として用い、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、トリメチレンオキサイド、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン等の環状エーテル化合物を開環重合して得られるカルボキシル基と水酸基を含有するポリエーテル化合物;メタノール、エタノール等の低分子モノオール化合物を開始剤として用い、上記環状エーテル化合物を開環重合して得られる水酸基を含有するポリエーテルモノオール化合物;エチレングリコール、プロピレングリコール等の低分子ジオール化合物を開始剤として用い、上記環状エーテル化合物を開環重合して得られる水酸基を含有するポリエーテルジオール化合物等)を挙げることができる。
また、(2)モノアルコールを開始剤とした環状エーテル化合物の開環重合物のリン酸エステル化合物(例えば、上記ポリエーテルモノオール化合物をリン酸とエステル化反応させて得られるリン酸基を含有するポリエーテル化合物)を挙げることができる。
また、(3)アミノ基含有スルホン酸化合物を開始剤とした環状エーテル化合物の開環重合化合物(例えば、タウリン等のアミノ基含有スルホン酸化合物を開始剤として、上記環状エーテル化合物を開環重合して得られるスルホン酸基を含有するポリエーテル化合物)を挙げることができる。
また、(4)モノアルコールを開始剤とした環状エーテル化合物の開環重合物の亜硫酸ガス付加物(例えば、上記ポリエーテルモノオール化合物に亜硫酸ガスを付加して得られるスルホン酸基を含有するポリエーテル化合物)を挙げることができる。
上記カルボジイミド基と反応可能な官能基を有するポリアクリル化合物としては、カルボキシル基、スルホン酸基、燐酸基、水酸基及びアミノ基からなる群より選択される少なくとも1種を有する(メタ)アクリルモノマーから選択される少なくとも1種を含有する単量体成分を重合してなる(メタ)アクリル系重合体(例えば、カルボキシル基を有する(メタ)アクリル系モノマー:(メタ)アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸等;スルホン酸基を有する(メタ)アクリル系モノマー:(メタ)アクリル酸スルホエチル、(メタ)アクリル酸スルホプロピル等;燐酸基を有する(メタ)アクリル系モノマー:2−メタクリロイロキシエチルアシッドホスフェイト、トリスアクリロイルオキシエチルホスフェート等;水酸基を有する(メタ)アクリル系モノマー:2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシペンチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル;アミノ基を有する(メタ)アクリルモノマー:(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−ヘキシル(メタ)アクリルアミド、N−オクチル(メタ)アクリルアミド等の単量体から選択される少なくとも1種のモノマー成分と必要に応じて上記以外の一般にアクリル系樹脂の反応成分として使用されるアルキルエステルやスチレン系モノマー等、既知のモノマーを重合して得られる(メタ)アクリル重合体等)を挙げることができる。
なお、更に、上記カルボジイミド基と反応可能な官能基を有し、ポリエステル鎖とポリエーテル鎖の両方を含む化合物、ポリエステル鎖を有するポリアクリル化合物、ポリエーテル鎖を有するポリアクリル化合物を用いてもよく、例えばポリアルキレングリコールやそのモノアルキルエーテル化合物を開始剤として、環状エステル化合物を反応させて得られる化合物、水酸基含有ポリエステル化合物に環状エーテル化合物を反応させて得られる化合物、ポリエステル鎖を分子内に含む(メタ)アクリル系モノマーやポリエーテル鎖を分子内に含む(メタ)アクリル系モノマーを用いて得られるポリアクリル鎖化合物を挙げることができる。
これらのポリエステル化合物、ポリエーテル化合物、ポリアクリル化合物の中でも、カルボジイミド基との反応性の面からはカルボキシル基、スルホン酸基、燐酸基を有する方が有利である。
また、水酸基を有する化合物の利用においては、もととなるポリカルボジイミド化合物が更にイソシアネート基を有する場合、カルボジイミド基より先にイソシアネート基との反応が起こる可能性が高いために、反応の制御が困難となり、更に、水酸基を2つ以上有する化合物は、グラフト化反応の間に架橋してゲル化を起こす可能性がある。そこで、官能基が水酸基のみの化合物については、更に、無水フタル酸、無水マレイン酸、無水コハク酸等の酸無水物を反応させて、カルボキシル基を一つ含有した化合物を得てから、グラフト化反応させることが望ましい。
上記で例示したグラフト化ポリエステル鎖、グラフト化ポリエーテル鎖又はグラフト化ポリアクリル鎖を分子内に少なくとも1つ有する化合物は、更に、カルボジイミド基を少なくとも1つ有する必要があり、例えば、上記一般式(1)(但し、K≧3)で表されるポリカルボジイミド化合物を(K−1)=m+nとしたとき、下記一般式(3)で表されるカルボジイミド化合物を得るものである。
Figure 2004217885
ここで、Aは、ポリカルボジイミド化合物の合成に用いたジイソシアネート化合物のイソシアネート基を除く残基である。Xは、同一又は異なって、カルボジイミド基とそれに反応可能な官能基を反応させて得られる3価の連結基、Yは、同一又は異なって、ポリエステル鎖、ポリエーテル鎖又はポリアクリル鎖であり、m及びnは1以上の整数を表す。
なお、上記Xで表される3価の連結基として、例えば、カルボジイミド基とカルボキシル基との反応から形成される連結基は、以下の一般式(4)、(5)、カルボジイミド基と水酸基との反応から形成される連結基は、以下の一般式(6)、(7)、カルボジイミド基とアミノ基との反応から形成される連結基は、以下の一般式(8)、カルボジイミド基とスルホン酸基との反応から形成される連結基は、以下の一般式(9)、カルボジイミド基と燐酸基との反応から形成される連結基は、以下の一般式(10)で表される。
Figure 2004217885
上記一般式中、Rは、同一又は異なって、水素原子又は炭素数1以上の炭化水素基を表す。
更に、一般式(3)で表されるカルボジイミド化合物は、分子内にイソシアネート基を有するが、イソシアネート基と反応可能な官能基を有する化合物を反応させることも可能であり、下記一般式(11)で表されるカルボジイミド化合物も本発明におけるカルボジイミド化合物として利用することができる。
Figure 2004217885
上記一般式中、Z及びZは、それぞれ独立に、異なる構造を有してもよい、イソシアネート基と反応可能な官能基を有する化合物の、当該官能基の活性水素の1つを除く残基を表す。Aは、ポリカルボジイミド化合物の合成に用いたジイソシアネート化合物のイソシアネート基を除く残基、Bは、ポリカルボジイミド化合物の合成に用いたモノイソシアネート化合物のイソシアネート基を除く残基である。Xは、同一又は異なって、カルボジイミド基とそれに反応可能な官能基を反応させて得られる3価の連結基、Yは、同一又は異なって、ポリエステル鎖、ポリエーテル鎖又はポリアクリル鎖であり、m及びnは1以上の整数を表す。
このようなイソシアネート基と反応可能な官能基を有する化合物としては、残余のカルボジイミド基と反応性が低くて、先にイソシアネート基と選択的に反応する化合物が好ましく、例えば、メタノール、エタノール等の低分子モノアルコール化合物、上記水酸基を含有するポリエステル化合物、ポリアルキレングリコールとそのモノアルキルエステル化合物、ポリメチルメタクリレートジオール、ポリブチルメタクリレートジオール、ポリ2−エチルヘキシルメタクリレートジオール等の水酸基含有ポリアクリル化合物といったような水酸基含有化合物を挙げることができる。
その中でも、好ましくは式量が500〜5000のポリエステル鎖、ポリエーテル鎖又はポリアクリル鎖を形成するものである。
なお、以上に挙げた反応、すなわち、上記の水酸基含有化合物を開始剤とした環状エステル化合物の開環反応、オキシカルボン酸の重縮合反応、低分子ジオール化合物と低分子ジカルボン酸化合物との縮重合反応、水酸基含有エステル化合物と酸無水物の開環反応、環状エーテル化合物の開環反応、水酸基含有エーテル化合物と酸無水物との開環反応、カルボジイミド基と、カルボキシル基や水酸基等との反応、更にはイソシアネート基と水酸基等との反応は常法が利用できる。
上記グラフト化カルボジイミド化合物は、カルボジイミド基と、グラフト化ポリエステル鎖、グラフト化ポリエーテル鎖又はグラフト化ポリアクリル鎖とを、それぞれ少なくとも1つ含有するカルボジイミド化合物であれば良く、各反応材料を反応させる順序が異なっても、最終的に得られるカルボジイミド化合物が同一の分子構造を有すれば、得られる性能も異なるものではない。
従って、上記一般式(11)のカルボジイミド化合物において、グラフト化ポリエステル鎖、グラフト化ポリエーテル鎖又はグラフト化ポリアクリル鎖を導入するために、先に、カルボキシル基等のカルボジイミド基と反応可能な官能基含有ポリエーテル化合物又はカルボキシル基等のカルボジイミド基と反応可能な官能基含有ポリアクリル化合物を合成後、カルボジイミド基に反応させて上記側鎖とする方法を説明したが、その他、先に、カルボジイミド基と反応可能な官能基とポリマー鎖を連結する基とを有する化合物をポリカルボジイミド化合物に反応させた後、グラフト化ポリエステル鎖、グラフト化ポリエーテル鎖又はグラフト化ポリアクリル鎖を導入する方法であってもよい。例えば、グラフト化ポリエステル鎖、グラフト化ポリエーテル鎖を導入する場合であれば、先にオキシカルボン酸をカルボジイミド基に反応させて、水酸基をカルボジイミド化合物の分子内に導入した後、環状ポリエステル化合物又は環状ポリエーテル化合物をグラフト結合する方法であってもよい。また、グラフト化ポリアクリル鎖を導入する場合であれば、先に(メタ)アクリル酸をカルボジイミド基に反応させて、ラジカル二重結合をカルボジイミド化合物の分子内に導入した後、ポリアクリル鎖をグラフト結合する方法であってもよい。
更に、先にイソシアネート基と、それに反応可能な官能基とを反応させた後、グラフト化を行ってもよく、そして、これらの反応の順序については、好ましくない副反応生成物の最も少なくなるような条件で合成することが望ましい。
上記分子内にグラフト化ポリエステル鎖、グラフト化ポリエーテル鎖又はグラフト化ポリアクリル鎖を有するカルボジイミド化合物のその他の例としては、上記一般式(1)(但し、K≧2)で表されるカルボジイミド化合物と、カルボジイミド基の全てをグラフト化ポリエステル鎖、グラフト化ポリエーテル鎖又はグラフト化ポリアクリル鎖とした下記一般式(12)で表される化合物をもとに、次の方法から得られるカルボジイミド化合物を挙げることができる。
Figure 2004217885
上記一般式中、X、Y、A及びKは全て上記と同じ定義である。
まず、一般式(1)(但し、K≧2)で表されるカルボジイミド化合物、又は、一般式(12)で表される化合物のどちらか一方を用い、両末端のイソシアネート基にジオール化合物を反応させて、両末端が水酸基の化合物を得る。例えば、一般式(1)(但し、K≧2)で表されるカルボジイミド化合物1モルとジオール化合物2モルを反応させて得られる化合物は、下記一般式(13)で表され、一方、一般式(12)で表される化合物1モルとジオール化合物2モルを反応させて得られる化合物は、下記一般式(14)で表される。
Figure 2004217885
上記一般式中、Gは、ジオール化合物の水酸基を除く残基を表す。
そして、上記カルボジイミド基を有するジオール化合物(一般式(13)で表される化合物)に対して、グラフト化ポリエステル鎖、グラフト化ポリエーテル鎖又はグラフト化ポリアクリル鎖を有するジイソシアネート化合物(一般式(12)で表される化合物)、その逆として、このようなグラフト化側鎖を有するジオール化合物(一般式(14)で表される化合物)に対して、カルボジイミド基を有するジイソシアネート化合物(一般式(1)(但し、K≧2)で表されるカルボジイミド化合物)を反応させて得られる化合物は、本発明で利用可能である。
なお、一般式(3)や(11)で表される化合物は、比較的、簡単な合成条件で得られるという利点がある。しかしながら、少ないカルボジイミド基を有する化合物、例えば、一分子中に2つのカルボジイミド基を有するカルボジイミド化合物に、1つのポリエステル鎖、ポリエーテル鎖又はポリアクリル鎖をグラフト化反応させようとすると、分子内にグラフト化ポリエステル鎖、グラフト化ポリエーテル鎖又はグラフト化ポリアクリル鎖のないもの(カルボジイミド基を2つ含有)、分子内にこれらのグラフト側鎖を2つ有するもの(カルボジイミド基非含有)の、両方の副生成物がそれぞれの反応確率に応じて生成する。
このような場合、グラフト化ポリエステル鎖、グラフト化ポリエーテル鎖又はグラフト化ポリアクリル鎖を2つ有する化合物が多く生成すると、本発明の効果が得られにくくなるため、例えば、分子内に平均0.7個程度のグラフト化ポリエステル鎖、グラフト化ポリエーテル鎖又はグラフト化ポリアクリル鎖が得られる条件で本発明において用いるカルボジイミド化合物を合成し、分子内にこのようなグラフト化側鎖を1つ含有するものと含有しないものとの含有量が多い混合物を生成させることが望ましい。
一方、一般式(14)で表される化合物と一般式(13)で表される化合物を反応させて得られる化合物や、後述する一般式(1)(但し、K≧2)で表されるカルボジイミド化合物と側鎖としてポリエステル鎖、ポリエーテル鎖又はポリアクリル鎖を有する鎖伸長剤とを反応させて得られる化合物等は、分子内にこのような側鎖とカルボジイミド基とをそれぞれ少なくとも1つ有するカルボジイミド化合物が得られるという利点がある反面、イソシアネート基と水酸基との反応温度等、充分な合成条件を詰めてから行うことが必要となる。
グラフト化反応以外の方法で、カルボジイミド化合物に側鎖を導入する方法としては、例えば、上記一般式(1)で表されるポリカルボジイミド化合物を、ポリエステル鎖、ポリエーテル鎖又はポリアクリル鎖を有する鎖伸長剤を用いて鎖伸長させる方法等が利用できる。
このような鎖伸長剤としては、ポリエステル鎖を有するものとして、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の水酸基を3つ以上有するポリオール化合物に、上記環状ポリエステル化合物を開環重合させて得られる化合物、上記低分子ジオール化合物に一部トリオール化合物を併用して、上記低分子ジカルボン酸と重縮合させて得られる化合物、ジメチロールプロピオン酸等のジオールモノカルボン酸に、ポリエステル鎖を分子内に有するエポキシ化合物を反応させて得られる化合物等を挙げることができる。また、ポリエステル鎖を有するものとして、上記ポリオール化合物に、上記環状ポリエーテル化合物を開環重合させて得られる化合物等を挙げることができる。ポリアクリル鎖を有するものとして、上記ポリオール化合物に、カルボキシル基を有する(メタ)アクリル系重合体を反応させて得られる化合物等を挙げることができる。
以上に例示したようなカルボジイミド化合物は、カルボジイミド当量が100〜50000であるものである。好ましくは、200以上、また、10000以下である。ここで、カルボジイミド当量とは、(カルボジイミド化合物の分子量)/(カルボジイミド化合物分子中のカルボジイミド基の数)で表される数を意味するものである。カルボジイミド当量が50000を超えると、分散媒体中でのチタンブラックの分散安定性が低下するおそれがある。一方、カルボジイミド当量が200未満であると、カルボジイミド基が過剰に存在することになり、やはり分散媒体中でのチタンブラックの分散安定性が低下するおそれがある。
上記カルボジイミド化合物の分子内に側鎖として導入するポリエステル鎖、ポリエーテル鎖又はポリアクリル鎖は、分散媒体中でのチタンブラックの分散安定性を向上させる作用を有するものであれば特に制限はないが、式量が200以上であり、また、10000以下であることが好ましい。より好ましくは、300以上であり、また、5000以下である。
また、本発明で用いるカルボジイミド化合物の数平均分子量としては、1000以上であり、また、100000以下のものが好ましく、より好ましくは、1000以上であり、また、50000以下である。カルボジイミド化合物の数平均分子量が高くなりすぎると、分散媒体中にチタンブラックを分散させた際、及び、チタンブラック分散組成物とした際に、適切な粘度のものが得られにくくなり、特に高濃度のチタンブラック分散体が必要なときは好ましくない。一方、数平均分子量が低くなりすぎると、分散媒体中でのチタンブラックの分散安定性や、最終的に未処理のチタンブラックを使用したチタンブラック分散組成物の皮膜となったときの絶縁性が低下して好ましくない。
そこで、主にチタンブラック表面に存在する官能基の量や、利用する分野のそれぞれの要求性能に応じて、カルボジイミド化合物の分子内に存在するカルボジイミド基の数やポリエステル側鎖、ポリエーテル側鎖、ポリアクリル側鎖等の側鎖との比率は、適宜調整することが好ましい。
上記分子内にカルボジイミド基を少なくとも1つ有する、カルボジイミド当量が100〜50000のカルボジイミド化合物で、チタンブラックを処理することにより、得られる処理チタンブラック及び処理チタンブラックの分散体の流動性、分散安定性等を向上することができる。このようなカルボジイミド化合物であるチタンブラック処理用化合物もまた、本発明の一つである。
次に、本発明で特定するカルボジイミド化合物を用いて、チタンブラックを処理する方法について説明する。
本発明でいう処理とは、チタンブラックの分散粒子表面の全面又は一部をカルボジイミド化合物で処理するものであって、具体的には、チタンブラック、カルボジイミド化合物、及び、必要に応じて分散媒体、その他の添加剤等の混合物を、ロールミル、ニーダー、高速攪拌装置、ビーズミル、ボールミル、サンドミル、超音波分散機、高圧分散装置等を用いて混練し、分散・処理する方法を挙げることができる。
本発明においては、カルボジイミド化合物の分子内に存在するカルボジイミド基を、チタンブラックの表面に存在するカルボジイミド基と反応する官能基と反応させて、強い吸着力を持つように処理することが好ましい。
なお、分散媒体を用いずに、カルボジイミド化合物のみで、チタンブラックの処理を行うには、カルボジイミド化合物の融点以上であって、また、カルボジイミド基と、チタンブラック表面に存在する官能基との反応を促進できる温度まで加温することが好ましい。上記の反応を促進する温度としては、概ね100℃以下であって、好ましくは40〜80℃程度である。このような方法から得られる処理チタンブラックは、粗粉砕又はチップ状としておき、後から任意の用途で好適な分散媒体中に分散して処理チタンブラックの分散体として利用することができる。
一方、本発明で用いるカルボジイミド化合物を溶解可能で、チタンブラックを安定的に分散できる有機系分散媒体又は水性分散媒体中に、チタンブラックを分散させながら処理を行う方法では、比較的低温でも処理が可能であるが、更に上記反応を促進する温度まで加温することがより好ましい。そして、インキ、塗料の分野等で好適に利用される分散媒体中に、チタンブラックを微細に分散して処理が行われたものについては、チタンブラックの分散体として、更にインキ化、塗料化等の製品化が可能である。
ここで、インキや塗料の分野で好適に利用される分散媒体を例示すると、有機系分散媒体として、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテル類;エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等の(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類;メチルエチルケトン、メチルソブチルケトン、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン等のケトン類;2−ヒドロキシプロピオン酸メチル、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル等の乳酸アルキルエステル類;フタル酸ジブチル、フタル酸ジオクチル、セバシン酸ジブチル、セバシン酸ジオクチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、3−メチル−3−メトキシブチルプロピオネート、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸エステル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、プロピオン酸n−ブチル、アセト酢酸メチル、蟻酸n−アミル、ピルビン酸エチル等のエステル類;トルエン、キシレン、キシレン、フェニルキシリルエタン、ジイソプロピルナフタレン、ナフテン系炭化水素等の芳香族炭化水素類;n−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類;ヘキサン、シクロヘキサン、パラフィン系炭化水素等の脂肪族炭化水素類、クロロホルム、トリクロロエタン、テトラクロロエタン、ジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素類を挙げることができる。なお、これらの分散媒体は、単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
また、水性分散媒体としては、水のみであってもよく、水混和性の有機系分散媒体との併用であってもよい。
更に、チタンブラックの処理を行うために用いるカルボジイミド化合物の使用比率は、チタンブラック100質量部に対して3質量部以上であり、また、50質量部以下であることが好ましく、より好ましくは、10質量部以上、また、30質量部以下であるが、チタンブラック表面に存在する官能基の多少や、分散性能、流動性、絶縁性等の要求性能等によって調整するのが好ましい。
このようにして得られた処理チタンブラックの分散体は、更に分散体自体の流動性や処理チタンブラックの分散安定性を維持するために、必要に応じて、バインダー樹脂、溶剤、その他の各種添加剤を含むものであってもよい。また、インキや塗料といった最終的な用途で用いられる組成物の材料の一部を予め含むものであってもよく、その場合は、インキ化や塗料化する際に、処理チタンブラックの分散体に残余の材料を添加するだけで、最終的な用途に適した組成物を得ることができる。
ここで、上記インキや塗料等の用途に使用可能な各種バインダー樹脂としては、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、スチレン樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、マレイン酸樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、環化ゴム、ロジン誘導体、セルロース類、ポリブタジエン、ポリイミド樹脂、尿素樹脂を挙げることができる。
上記処理チタンブラックの分散体は、光硬化性を利用して硬化皮膜を形成する用途で使用する場合、光ラジカル重合性不飽和結合を分子内に有するモノマー、オリゴマー等の光重合性化合物と光重合開始剤とを含有させても良く、例えば、光重合性化合物としては、アルキル(メタ)アクリレート、アラルキル(メタ)アクリレート、アルコキシアルキル(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、アミノアルキル(メタ)アクリレート、ポリアルキレングリコールモノアルキルエーテルの(メタ)アクリル酸エステル等のラジカル重合性不飽和結合を分子内に1個有する化合物;(ポリ)アルキレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)グリセリンポリ(メタ)アクリレート、(ポリ)ペンタエリスリトールポリ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート等のポリオールポリ(メタ)アクリレート等のラジカル重合性不飽和結合を分子内に2個以上有する化合物を、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
そして、光重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン系、アセトフェノン系、ベンゾイン系、チオキサントン系、アントラキノン系、トリアジン系の各種光重合開始剤が挙げられる。これらの光重合開始剤も単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
また、上記用途に使用可能な溶剤としては、上記インキや塗料の分野で用いることができる分散媒体として挙げた有機系分散媒体及び水性分散媒体が挙げられる。
上記処理チタンブラックの分散体は、更に、必要に応じて、各種硬化剤、架橋剤、レベリング剤、滑剤等の各種添加剤を添加してもよい。
これらの、バインダー樹脂、溶剤、その他の各種添加剤は、目的とする利用用途に応じて適宜選択して本発明の処理チタンブラックの分散体に加え、高速ミキサーやロールミル等の攪拌/混練装置で混合することにより目的とする製品を得ることができる。
そして、高絶縁性と遮光性が要求される皮膜を形成するために用いられるインキ、塗料、レジスト、液体現像剤、また、電気泳動による電子ペーパー用の着色剤、化粧品等の用途で好適に利用されるものである。
上記高絶縁性と遮光性の要求される用途の一例として、例えば、液晶ディスプレイやプラズマディスプレイパネルで使用するカラーフィルタ用のブラックマトリックスがある。このブラックマトリックスの形成材料として本発明の処理チタンブラックの分散体を利用する場合、印刷インキであれば、スクリーン印刷やインクジェット記録方式を利用して、予め、パターンを印刷し、印刷皮膜がそのままブラックマトリックスとすることが可能である。また、光硬化性のレジスト組成物であれば、塗工後に光を照射して露光し、更に未硬化の部分を現像液で除去してパターン形成を行う、従来のブラックマトリックス形成方法が利用できる。
本発明の処理チタンブラックは、分散媒体中に分散させた際に、非常に優れた分散安定性を有し、特にチタンブラック含有量が高濃度で、微分散状態であっても流動性が良好であることから、各種の方法で形成される皮膜は、平滑で、均一な膜厚のものとすることができる。また、カルボジイミド化合物で処理されていないチタンブラックと比較すると、高温や高電圧時において絶縁性の低下が少ないものとすることができる。
本発明の処理チタンブラックは、これらの優れた特徴を生かして、高絶縁性が要求されるブラックマトリックス等に用いられ、従来、得られなかった高い絶縁性と遮光性の皮膜を形成できる極めて有用な材料である。
以下、実施例をあげて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお特に断りのない限り、本実施例において「部」及び「%」は、それぞれ「質量部」及び「質量%」を表す。
[カルボジイミド化合物の調製]
(調製例1)
還流冷却管、窒素導入管、攪拌棒、温度計を備えた四つ口フラスコに、イソシアネート基を有するカルボジイミド当量262のポリカルボジイミド化合物76.3部、分子量2000のポリ(3−メチルペンチルアジペート)ジオール113.7部、メチルジエタノールアミン4.5部を仕込み、約100℃で8時間反応させ、次いで、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PMAC)291.7部を仕込んで数平均分子量約10000、カルボジイミド当量670のカルボジイミド化合物(1)40%溶液を得た。
(調製例2)
還流冷却管、窒素導入管、攪拌棒、温度計を備えた四つ口フラスコに、イソシアネート基を有するカルボジイミド当量316のポリカルボジイミド化合物50.0部、分子量1000のポリ(3−メチルペンチルアジペート)ジオール115.7部、テトラブチルチタネート16mgを仕込み、約100℃で5時間保持して、イソシアネート基と水酸基とを反応させ、次いで、末端にカルボキシル基を有する分子量2000のポリカプロラクトンの開環重合物84.6部を仕込み、約80℃で2時間保持して、カルボジイミド基とカルボキシル基とを反応させた後、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート375.5部を仕込んで数平均分子量約4200、カルボジイミド当量1583のカルボジイミド化合物(2)40%溶液を得た。
(調製例3)
還流冷却管、窒素導入管、攪拌棒、温度計を備えた四つ口フラスコに、イソシアネート基を有するカルボジイミド当量316のポリカルボジイミド化合物50.0部、分子量1000のポリ(3−メチルペンチルアジペート)ジオール115.7部、テトラブチルチタネート16mgを仕込み、約100℃で5時間保持して、イソシアネート基と水酸基とを反応させ、次いで、末端にカルボキシル基を有する分子量2000のプロピレンオキサイドの開環重合物84.6部を仕込み、約80℃で2時間保持して、カルボジイミド基とカルボキシル基とを反応させた後、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート375.5部を仕込んで数平均分子量約4200、カルボジイミド当量1583のカルボジイミド化合物(3)40%溶液を得た。
(調製例4)
還流冷却管、窒素導入管、攪拌棒、温度計を備えた四つ口フラスコに、イソシアネート基を有するカルボジイミド当量316のポリカルボジイミド化合物50.0部、分子量1000のポリ(3−メチルペンチルアジペート)ジオール115.7部、テトラブチルチタネート16mgを仕込み、約100℃で5時間保持して、イソシアネート基と水酸基とを反応させ、次いで、末端にカルボキシル基を有する分子量2000の(メタ)アクリル系重合体84.6部を仕込み、約80℃で2時間保持して、カルボジイミド基とカルボキシル基とを反応させた後、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート375.5部を仕込んで数平均分子量約4200、カルボジイミド当量1583のカルボジイミド化合物(4)40%溶液を得た。
(調製例5)
還流冷却管、窒素導入管、攪拌棒、温度計を備えた四つ口フラスコに、イソシアネート基を有するカルボジイミド当量96のポリカルボジイミド化合物50.0部、分子量500のポリ(3−メチルペンチルアジペート)ジオール0.72部を仕込み、約100℃で5時間保持して、イソシアネート基と水酸基とを反応させ、次いで、末端にカルボキシル基を有する分子量500のポリカプロラクトンの開環重合物0.37部を仕込み、約80℃で2時間保持して、カルボジイミド基とカルボキシル基とを反応させた後、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート77.0部を仕込んで数平均分子量約70000、カルボジイミド当量98のカルボジイミド化合物(5)40%溶液を得た。
(調製例6)
還流冷却管、窒素導入管、攪拌棒、温度計を備えた四つ口フラスコに、イソシアネート基を有するカルボジイミド当量322のポリカルボジイミド化合物7.5部、分子量30000のポリ(3−メチルペンチルアジペート)ジオール464.3部を仕込み、約100℃で5時間保持して、イソシアネート基と水酸基とを反応させ、次いで、末端にカルボキシル基を有する分子量40000のポリカプロラクトンの開環重合物310.6部を仕込み、約100℃で2時間保持して、カルボジイミド基とカルボキシル基とを反応させた後、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート1170部を仕込んで数平均分子量約101000、カルボジイミド当量50223のカルボジイミド化合物(6)40%溶液を得た。
[表面被覆チタンブラック]
(表面被覆チタンブラック1)
チタンブラック13R(商品名、三菱マテリアル社製)100gをアモルファスシリカ10gで被覆し、表面被覆チタンブラック(1)を得た。
[実施例1〜10]
実施例1は表面被覆チタンブラック(1)、実施例6はチタンブラック13Rを用いて、それぞれカルボジイミド化合物(2)で表面処理したチタンブラックであり、実施例2〜5及び実施例7〜10は、各カルボジイミド化合物で表面処理しながら同時に分散媒体中に分散させた、表面処理チタンブラックの分散体として得られるものである。
(実施例1及びその処理チタンブラックの分散体の調製)
スチールビーズ(Φ1.4mm)1000gを充填した容量1000mlのスチール缶に、表面被覆チタンブラックを50g、精製水450gを仕込んだ。この混合物をペイントコンディショナーを用い30分間練肉し、水性チタンブラック分散体を得た。この水性チタンブラック分散体を還流冷却管、窒素導入管、攪拌棒、温度計を備えた四つ口フラスコに移し、攪拌しながらカルボジイミド化合物(2)40%溶液15g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート170gを添加し、約90℃で8時間反応させた。反応後、精製水及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを除去し、真空乾燥機に入れ80℃で2時間乾燥し、カルボジイミド化合物により表面処理された実施例1の表面処理チタンブラック(表面処理チタンブラック1)を得た。更に、表1の組成の材料を、ビーズミルで1昼夜、温度60℃の温度で混練して、実施例1の表面処理チタンブラックの分散体を得た。
(実施例6及びそのチタンブラックの分散体の調製)
スチールビーズ(Φ1.4mm)1000gを充填した容量1000mlのスチール缶に、チタンブラック13Rを50g、精製水450gを仕込んだ。この混合物をペイントコンディショナーを用い30分間練肉し、水性チタンブラック分散体を得た。この水性チタンブラック分散体を還流冷却管、窒素導入管、攪拌棒、温度計を備えた四つ口フラスコに移し、攪拌しながらカルボジイミド化合物(2)40%溶液15g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート170gを添加し、約90℃で8時間反応させた。反応後、精製水及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを除去し、真空乾燥機に入れ80℃で2時間乾燥し、カルボジイミド化合物により表面処理された実施例6の表面処理チタンブラック(表面処理チタンブラック2)を得た。更に、表1の組成の材料を、ビーズミルで1昼夜、温度60℃の温度で混練して、実施例6の表面処理チタンブラックの分散体を得た。
(実施例2〜5、実施例7〜10、比較例1〜6の処理チタンブラックの分散体の調製)
表1の組成の材料を、ビーズミルで1昼夜、温度60℃の温度で混練し、カルボジイミド化合物により表面処理された実施例2〜5、実施例7〜10の表面処理チタンブラックの分散体、比較例1〜6のチタンブラックの分散体を得た。
(実施例1〜10の印刷インキ組成物1及び比較例1〜6の印刷インキ組成物の調製)
バインダー樹脂の調製
撹拌機、冷却管及び窒素ガス導入管を備えた四つ口フラスコに、平均分子量2,000のネオペンチレンアジペートジオール200部及びイソホロンジイソシアネート44.4部を仕込み、窒素ガスを導入しながら100〜105℃で6時間反応させた。室温近くまで放冷し、酢酸n−プロピル243部、メチルエチルケトン243部、イソプロパノール122部を加えた後、イソホロンジアミン15.3部を加えて鎖伸長反応させ、更にモノエタノールアミン1.2部を加えて反応を停止してポリウレタン樹脂ワニスA(固形分30%、ポリウレタン樹脂の重量平均分子量27,000)を得た。
印刷インキ組成物の調製
高速攪拌機を用いて、実施例1〜10、比較例1〜6の処理チタンブラックの分散体とその他の材料とを表2の組成になるように均一に混合して、実施例1〜10の印刷インキ組成物及び比較例1〜6の印刷インキ組成物を得た。
(実施例1〜10のレジスト用組成物及び比較例1〜6のレジスト用組成物の調製)
高速攪拌機を用いて、実施例1〜10、比較例1〜6の処理チタンブラックの分散体とその他の材料とを表3の組成になるように均一に混合した後、孔径3μmのフィルターで濾過し、実施例1〜10のレジスト用組成物及び比較例1〜6のレジスト用組成物を得た。
[評価試験]
1.分散安定性
実施例1〜10、比較例1〜6の各処理チタンブラックの分散体、実施例1〜10の印刷インキ組成物、比較例1〜6の印刷インキ組成物、実施例1〜10のレジスト用組成物及び比較例1〜6のレジスト用組成物をそれぞれガラス瓶に採り、密栓して40℃で7日間保存した後の状態を下記評価基準に従って評価した。評価結果は、表1〜表3に示す。
A:増粘、沈降物が共に認められない
B:軽く振トウすると元に戻る程度の増粘と沈降物が認められる
C:強く振トウしても元に戻らない程度の増粘と沈降物が認められる
2.印刷インキ皮膜の抵抗値
分散安定性でA又はBの評価の得られた実施例1〜10の印刷インキ組成物及び比較例3の印刷インキを、版深度32μmのベタ版を備えたグラビア校正機(東谷製作所社製)を用いて、二軸延伸ポリプロピレンフィルム(東洋紡績社製、P−2161、厚さ25μm)に印刷した。得られた印刷物の表面抵抗値を抵抗測定器(R8340/8340A、商品名:アドバンテスト社製)で測定した。評価結果は、表2に示す。
3.レジスト皮膜の抵抗値
分散安定性でA又はBの評価の得られたレジスト用組成物を、スピンコーターにて膜圧1μmになるようにガラス基板上に塗布し、100℃で3分間プレベークした後、高圧水銀灯で露光し、更に230℃で30分間ポストベークを行い、ベタ部のみで形成されたレジスト皮膜を得た。得られたレジスト皮膜の表面抵抗値を抵抗測定器(R8340/8340A、商品名:アドバンテスト社製)で測定した。評価結果は、表3に示す。
Figure 2004217885
Figure 2004217885
Figure 2004217885
表1〜表3において、組成は「部」を表す。
表2において、混合溶剤Aは、酢酸n−プロピル:メチルエチルケトン:イソプロパノール=2:2:1の質量比率で混合した混合溶剤を表す。
表3において、※1は、ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体であり、※2は、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートであり、イルガキュア907(商品名)は、チバ・スペシャリティー・ケミカルズ社製の光重合開始剤であり、PGMMEAは、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートである。
本発明で得られる処理チタンブラック及びチタンブラックの分散体は、高いチタンブラック濃度でも良好な流動性と分散安定性を有することから、印刷インキ、塗料、レジスト組成物等に利用することが可能であり、特に絶縁性と遮光性が要求されるブラックマトリックスの用途において、優れた性能を有するレジスト組成物を得ることができるものである。
また、本発明のチタンブラック処理用化合物は、チタンブラックを処理することにより、流動性と分散安定性とに優れ、インキ、塗料、レジスト組成物等の分野において好適に用いることができる処理用チタンブラックを得ることができるものである。

Claims (8)

  1. チタンブラック表面を、分子内にカルボジイミド基を少なくとも1つ有する、カルボジイミド当量が100〜50000のカルボジイミド化合物で処理してなることを特徴とする処理チタンブラック。
  2. 前記チタンブラックは、表面にカルボキシル基、水酸基、スルホン酸基及びアミノ基からなる群より選択される少なくとも1種の官能基を有するものである
    ことを特徴とする請求項1記載の処理チタンブラック。
  3. 前記チタンブラックは、絶縁性化合物で被覆され、更に、被覆された表面にカルボキシル基、水酸基、スルホン酸基及びアミノ基からなる群より選択される少なくとも1種の官能基を有するものである
    ことを特徴とする請求項2記載の処理チタンブラック。
  4. 前記絶縁性化合物は、シリカ、シラン化合物及びチタン化合物からなる群より選択される少なくとも1種のものである
    ことを特徴とする請求項3記載の処理チタンブラック。
  5. 前記カルボジイミド化合物は、分子内にポリエステル側鎖、ポリエーテル側鎖及びポリアクリル側鎖からなる群より選択される少なくとも1つの側鎖を有するものである
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の処理チタンブラック。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の処理チタンブラック及び分散媒体を少なくとも含む
    ことを特徴とする処理チタンブラックの分散体。
  7. 分子内にカルボジイミド基を少なくとも1つ有する、カルボジイミド当量が100〜50000のカルボジイミド化合物である
    ことを特徴とするチタンブラック処理用化合物。
  8. 前記カルボジイミド化合物が、分子内にポリエステル側鎖、ポリエーテル側鎖及びポリアクリル側鎖からなる群より選択される少なくとも1つの側鎖を有するものである
    ことを特徴とする請求項7記載のチタンブラック処理用化合物。
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