JP2017160289A - ポリアルキレンイミン誘導体からなる顔料分散剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】インキ、塗料、及び着色樹脂組成物等の顔料分散体に含まれる顔料の分散性、保存安定性に優れ、バインダー樹脂や溶剤に制限されない顔料分散体を得るための顔料分散剤の提供を目的とする。【解決手段】ポリアルキレンイミンの窒素原子に下記式(1)の構造を有する置換基が付加してなるポリアルキレンイミン誘導体を含む顔料分散体である。式中、R1は炭素数6〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアルケニル基、炭素数6〜20のアリール基、または−(CH2CH2O)n−R2を表す。R2は炭素数6〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアルケニル基、または炭素数6〜20のアリール基を表す。nは1〜50の整数を表す。【選択図】なし
Description
本発明は塗料、インキ製造の際に顔料の分散性、保存安定性を向上させるポリアルキレンイミン誘導体からなる顔料分散剤に関する。より詳しくは、疎水基を導入したポリアルキレンイミン誘導体であり、窒素原子と疎水基の間に水酸基とエーテル基を有するポリアルキレンイミン誘導体を用いた顔料分散剤である。
一般に、塗料やインキ等を製造する場合、顔料を安定に高濃度で分散することが難しく、製造工程や製品そのものに対して種々の問題を引き起こすことが知られている。例えば、微細な粒子からなる顔料を含む分散体は往々にして高粘度を示し、製品の分散機からの取り出しや輸送が困難となるばかりでなく、高粘度化が顕著な場合は保存中にゲル化を起こし、使用困難となることさえある。又、異種の顔料を混合して使用する場合、凝集による色別れや、沈降などの現象により展色物に色むらや著しい着色力の低下が現れることがある。
そこで一般的には、分散状態を良好に保つために分散剤が利用されている。分散剤は、顔料に吸着する部位と、分散媒である溶剤に親和性の高い部位との構造を持ち合わせ、この2つの機能の部位のバランスで分散剤の性能は決まる。分散剤は、被分散物である顔料の表面状態に合わせ、種々のものが使用されているが、酸性に偏った表面を有する顔料には塩基性の分散剤が使用されるのが一般的である。この場合、塩基性の官能基が顔料の吸着部位となる。塩基性の官能基としてアミノ基を有する分散剤は、例えば、特許文献1には、N,N−ジメチルアミノプロピルアミン等の低分子アミノ化合物が、また特許文献2には、高分子量のアミン化合物であるポリエチレンイミンを用いた顔料分散剤が報告されている。これらの顔料分散剤の分子構造は、ポリエステル鎖をアミド結合によりポリアミン類に結合している。また、特許文献3には、アミノ基と反応する官能基を有する高分子分散剤とアミノ基を有する高分子化合物からなる着色剤が報告されている。
しかしながら、アミド結合を有する化合物は非常に凝集力が高く、顔料分散剤として用いる場合には、多くの塗料用の溶剤に対して溶解性が低いという問題が認められる。また、アミド基を構成する窒素の塩基性が極めて低くなるため、顔料に対してアミド結合の窒素は吸着性を示さない。したがって、顔料表面に有効な立体反発層を形成し分散安定性を向上させる目的でポリアミン類に多量のポリエステル鎖をグラフトさせると、吸着基量が減少してしまい、逆に分散性が低下してしまうという問題がある。さらに、ポリエステルやアミド結合はアルカリ性条件下では分解の可能性があるという問題点を有していた。
また、近年環境への配慮から水性塗料や水性インキの使用が多くなってきている。分散剤においても、水性塗料や水性インキでも使用できる分散剤が求められている。しかしながらポリエステル鎖をグラフトさせた分散剤や、特許文献3記載の分散剤は、水溶性の塗料やインキでの溶解性において改良の余地があった。
したがって、本発明は、上記の従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、分散性、保存安定性に優れ、バインダー樹脂や溶剤に制限されない顔料分散体を得るための分散剤の提供を目的とする。更に本発明は、オフセットインキ、グラビアインキ、カラーフィルター用レジストインキ、インキジェットインキ、塗料、及び着色樹脂組成物などに適する、非集合性、流動性に優れた分散性や安定性を付与できる顔料分散剤の提供を目的とする。
本発明者らは、顔料分散剤の上記の様な問題点に鑑み、鋭意検討を重ねた結果、ポリアルキレンイミンの窒素原子に疎水基を導入し、かつ当該窒素原子と疎水基との間に水酸基及びエーテル基を存在させたポリアルキレンイミン誘導体が広い範囲の樹脂に対して相溶性が良好で、かつ広範な範囲の顔料に対してきわめて良好な分散性能を有し、さらに保存安定性に優れ、顔料分散剤としてきわめて有効であることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、上記目的は、疎水基を導入したポリアルキレンイミン誘導体を用いた顔料分散剤であって、ポリアルキレンイミンの窒素原子に下記式(1)の構造の疎水基を有する置換基が付加してなるポリアルキレンイミン誘導体を含む顔料分散剤によって達成できる。
すなわち、上記目的は、疎水基を導入したポリアルキレンイミン誘導体を用いた顔料分散剤であって、ポリアルキレンイミンの窒素原子に下記式(1)の構造の疎水基を有する置換基が付加してなるポリアルキレンイミン誘導体を含む顔料分散剤によって達成できる。
本発明のポリアルキレンイミン誘導体を使用することにより従来得られなかった分散性、保存安定性を有する顔料組成物の提供が可能となる。更に、オフセットインキ、グラビアインキ、カラーフィルター用レジストインキ、インキジェットインキ、塗料、及び着色樹脂組成物などに適する、非集合性、流動性に優れた分散性や安定性をもち、高い貯蔵安定性及び高い経時安定性を有する顔料分散体の提供が可能となる。
以下、本発明を実施するための形態について説明する。しかしながら、本発明はこの実
施形態に限定はされない。
なお、本明細書において、範囲を示す「X〜Y」は「X以上Y以下」を意味する。また、特記しない限り、操作および物性等の測定は室温(20〜25℃)/相対湿度40〜50%の条件で測定する。
施形態に限定はされない。
なお、本明細書において、範囲を示す「X〜Y」は「X以上Y以下」を意味する。また、特記しない限り、操作および物性等の測定は室温(20〜25℃)/相対湿度40〜50%の条件で測定する。
本発明は、ポリアルキレンイミンの窒素原子に下記式(1)の構造を有する置換基が付
加してなるポリアルキレンイミン誘導体を含む顔料分散剤を提供する。なお、本明細書において、ポリアルキレンイミンの窒素原子に下記式(1)の構造を有する置換基が付加してなるポリアルキレンイミン誘導体を、単に「ポリアルキレンイミン誘導体」または「本発明に係るポリアルキレンイミン誘導体」とも称する。
加してなるポリアルキレンイミン誘導体を含む顔料分散剤を提供する。なお、本明細書において、ポリアルキレンイミンの窒素原子に下記式(1)の構造を有する置換基が付加してなるポリアルキレンイミン誘導体を、単に「ポリアルキレンイミン誘導体」または「本発明に係るポリアルキレンイミン誘導体」とも称する。
本発明に係るポリアルキレンイミン誘導体は、ポリアルキレンイミンの窒素原子に疎水基(上記式(1)中のR1)を導入し、かつポリアルキレンイミンの窒素原子と疎水基との間に水酸基とエーテル基が存在する点に特徴を有する。一般に、顔料分散剤は、顔料に吸着する部位と、分散媒である溶剤に親和性の高い部位との構造を持ち合わせ、この2つの部位のバランスで分散剤の性能が決まる。つまり、分散性を発現させるためには、分散剤の顔料に吸着する性能と、分散媒である溶剤への親和性がともに非常に重要である。本発明のポリアルキレンイミン誘導体は、有機溶媒中では、顔料表面へ強い吸着性を示すポリアルキレンイミン由来の一級、二級、三級アミノ基と、溶剤へ親和性が高いエーテル基を有する。
本発明のポリアルキレンイミン誘導体は多くのアミノ基を有し、顔料粒子に均一に吸着するため、顔料粒子間の架橋吸着が起こりにくい。また本発明のアルキレンイミン誘導体の疎水基は有機溶媒中に広がり、顔料粒子間に強い斥力が生じ、顔料同士の凝集を有効に抑えることが可能であると考えられる。そのため顔料分散性に優れ、保存安定性が優れるものと考えられる。一方、水中では、疎水基が顔料表面に吸着し、親水性の高いアミノ基が顔料の表面に露出する。本発明のアルキレンイミン誘導体はアミノ基が密に存在するため、顔料間に強い斥力が生じ、顔料同士の凝集を抑制することができると考えられる。このように、本発明のアルキレンイミン誘導体は、有機溶媒中でも水中でも有効に顔料分散剤として作用することができると考えられる。但し、これらは推定であって、本発明はこれらのメカニズムに限定されない。
本発明に係る疎水基を導入したポリアルキレンイミン誘導体におけるポリアルキレンイミンとは、主鎖がアルキレン基とアミノ基からなる繰返し単位であり、下記式(A)および/または式(B)の構造の繰返し単位を有するポリマーである。
上記式(1)の構造を有する置換基における疎水基であるR1としては、炭素数6〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアルケニル基、炭素数6〜20のアリール基、または−(CH2CH2O)n−R2を表す。式:−(CH2CH2O)n−R2の置換基において、R2は炭素数6〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアルケニル基、炭素数6〜20のアリール基を表す。nは1〜50の整数を表す。分散性のより向上効果などを考慮すると、nは、1〜20であることが好ましい。このような疎水基であると、疎水性と親水性のバランスが良く、溶媒への親和性も高く、また疎水性相互作用による凝集が起こりにくく分散性が良くなる。ここで、アルキル基、アルケニル基、または式:−(CH2CH2O)n−R2の置換基中のアルキル基若しくはアルケニル基の炭素数が5以下であると、顔料の凝集が生じやすくなる。逆に、アルキル基、アルケニル基、または式:−(CH2CH2O)n−R2の置換基中のアルキル基若しくはアルケニル基の炭素数が21以上であると、溶媒への溶解性が低下し、十分な分散性を示せなくなる。
ここで、炭素数6〜20のアルキル基は、特に制限されず、炭素数6〜20の直鎖または分岐鎖のアルキル基でありうる。具体的には、ヘキシル基、イソヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基(ラウリル基)、2−エチルヘキシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、エイコシル基などが挙げられる。
炭素数6〜20のアルケニル基は、特に制限されず、炭素数6〜20の直鎖または分岐鎖のアルケニル基でありうる。具体的には、1−ヘキセニル基、2−ヘキセニル基、3−ヘキセニル基、1−ヘプテニル基、2−ヘプテニル基、3−ヘプテニル基などが挙げられる。
炭素数6〜20のアリール基は、特に制限されず、例えば、フェニル基、ベンジル基、フェネチル基、o−,m−若しくはp−トリル基、2,3−若しくは2,4−キシリル基、メシチル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、ビフェニリル基、ベンズヒドリル基、トリチル基、ピレニル基などが挙げられる。
これらのうち、炭素数6〜16のアルキル基が好ましく、炭素数6〜12のアルキル基がより好ましく、炭素数6〜10のアルキル基がさらにより好ましく、炭素数6〜8のアルキル基が特に好ましい。R2としては炭素数6〜16のアルキル基が好ましく、炭素数6〜12のアルキル基がより好ましい。R1およびR2の炭素数が16以下であると、疎水性と親水性のバランスが良く、溶媒への親和性も高く、また疎水性相互作用による凝集が起こりにくく分散性が良くなる。R1およびR2の炭素数が12以下であると、水への溶解性に優れ、水性塗料や水性インキでも使用でき、好ましい。
ポリアルキレンイミンの窒素原子に上記式(1)の構造の置換基を導入する割合は、全窒素原子の5モル%以上が好ましく、10モル%以上がより好ましく、12モル%以上が特に好ましい。また、70モル%以下が好ましく、60モル%以下がより好ましく、50モル%以下がさらに好ましく、30モル%以下が特に好ましい。この範囲であると、アミノ基の吸着性を維持したまま、溶媒への親和性も高くなり、顔料分散性が高くなる。50モル%以下であると、水への溶解性に優れ、水性塗料や水性インキでも使用でき、好ましい。
本発明の疎水基を導入したポリアルキレンイミン誘導体の顔料分散性や流動性、保存安定性は原料となるポリアルキレンイミンの重量平均分子量(Mw)による。原料となるポリアルキレンイミンの重量平均分子量としては、400以上が好ましく、500以上がより好ましい。また、重量平均分子量の上限としては、70,000以下が好ましく、10,000以下がより好ましく、5,000以下がさらに好ましく、3,000以下が特に好ましい。重量平均分子量は、GPC法によって求められ、具体的には実施例に記載の方法により測定した値を用いる。
本発明における疎水基を導入したポリアルキレンイミン誘導体は、ポリアルキレンイミンの下記式(2)のグリシジルエーテルによる付加反応により得られる。グリシジルエーテルはエポキシ樹脂の原料等にも使用され、工業的にも入手しやすく好ましい。
上記式(2)における、R3およびR4の好ましい形態は、前記R1およびR2と同じである。また、上記式(2)におけるmの好ましい形態は、前記nと同じである。
原料となるポリアルキレンイミンは、ポリエチレンイミン、ポリプロピレンイミン、ポリブチレンイミンなどが挙げられ、中でもポリエチレンイミンが好ましい。ポリアルキレンイミン中に存在する第1級アミノ基、第2級アミノ基、第3級アミノ基のうち、第1級アミノ基と第2級アミノ基を合わせた割合が、好ましくは30モル%以上、より好ましくは40モル%以上、特に好ましくは50モル%以上である。第1級アミノ基と第2級アミノ基を合わせた割合が30モル%よりも少ないと、導入される疎水基の量が少なくなる、および/または、疎水基導入後の第2級アミノ基の割合が少なくなって塩基性が弱くなり、顔料分散性が悪くなる。なお、ポリアルキレンイミン中の第1級アミノ基、第2級アミノ基、第3級アミノ基の割合はNMR分析や滴定等により測定することができる。
本発明のポリアルキレンイミン誘導体の重量平均分子量(Mw)としては、顔料分散性や保存安定性の観点から、400以上が好ましく、700以上がより好ましく、800以上がさらに好ましい。また、重量平均分子量の上限としては、特に制限されないが、顔料分散性や流動性、保存安定性の観点から、100,000以下であり、70,000以下が好ましく、20,000以下がより好ましく、5,000以下がさらに好ましく、3,000以下が特に好ましい。重量平均分子量はGPC法によって求められ、具体的には実施例に記載の方法により測定した値を用いる。
ポリアルキレンイミン(PAI)に対するグリシジルエーテル(GE)の反応の仕込み比(GE/PAI)は、好ましくは0.7以下、より好ましくは0.6以下、さらに好ましくは0.5以下であり、特に好ましくは0.3以下である。なお、ポリアルキレンイミン(PAI)に対するグリシジルエーテル(GE)の反応の仕込み比(GE/PAI)の下限は、特に制限されないが、好ましくは0.05以上、より好ましくは0.1以上である。かかる範囲であれば、十分な顔料分散性を得ることができる。また、ポリアルキレンイミンとグリシジルエーテルの比が0.3以下であると、溶媒への溶解性に優れる。ここで、ポリアルキレンイミンとグリシジルエーテルの反応の仕込み比は、ポリアルキレンイミンのアミン価とグリシジルエーテルのエポキシ当量を用いて以下のように表される。
付加反応に使用できる溶媒は、水;メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールなどの低級アルコール;ジメチルホルムアミド等のアミド類;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;等から1種または2種以上を適宜選択して用いることができる。
前記溶媒を用いる際の原料濃度は、特に限定されないが、ポリアルキレンイミンとグリシジルエーテルの合計量が好ましくは10重量%以上、より好ましくは20重量%以上、さらに好ましくは30重量%以上である。原料濃度が10重量%より少ないと、反応時間が長くなり好ましくない。
前記付加反応は、ポリアルキレンイミンとグリシジルエーテルを全て一括に仕込んでも良いし、いずれかを初期に仕込み残りを滴下しても良いが、ポリアルキレンイミンを初期に仕込み、これにグリシジルエーテルを滴下する方法が好ましい。
付加反応は、触媒は基本的には不要であるが、必要に応じて反応に悪影響を及ぼさないものであれば適宜使用しても良く、3級アミンが好ましい。酸を触媒に用いると、4級化が生じる場合があるので好ましくない。
付加反応の反応温度は、特に限定されないが、30℃以上が好ましく、40℃以上がより好ましく、50℃以上が特に好ましい。反応温度が30℃より低いと反応時間が長くなったり、未反応のグリシジルエーテルが増えたりするため、好ましくない。また反応温度は100℃以下が好ましく、90℃以下がより好ましく、80℃以下が特に好ましい。反応温度が高いとグリシジルエーテルの重合反応といった副反応が生じ好ましくない。また、付加反応の反応時間もまた、特に限定されず、反応温度、反応スケールなどによって適宜調節できる。
前記付加反応を実施する際は、得られる誘導体の着色を抑えるためには窒素雰囲気下で反応を行うことが好ましく、付加反応の際の雰囲気は得られる誘導体の使用目的に応じて適宜設定すればよい。なお、反応は、常圧(大気圧)、加圧、減圧のいずれで行ってもよい。
本発明の疎水基を導入したポリアルキレンイミン誘導体中の未反応のグリシジルエーテルの量は5重量%以下が好ましく、3重量%以下がより好ましく、1重量%以下がさらに好ましい。未反応のグリシジルエーテルの量が5重量%より多いと、製品に配合した際に予期せぬ副反応が生じる可能性があり好ましくない。
本発明のポリアルキレンイミン誘導体は顔料分散剤として使用する。その使用用途としては塗料、インキ等に用いられる顔料等の粒子の分散剤、すなわち顔料分散剤として好適に用いることができる。
本発明のもう一つの形態は、前記ポリアルキレンイミン誘導体からなる顔料分散剤を含む顔料組成物でもある。好適な顔料組成物は顔料分散剤を含むインキおよび塗料である。
本発明の顔料組成物に用いることができる顔料としては、たとえば、アゾ系、フタロシアニン系、染料系、縮合多環系、ニトロ系、ニトロソ系等の有機顔料(ブリリアントカーミン6B、レーキレッドC、ウォッチングレッド、ジスアゾイエロー、ハンザイエロー、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、アルカリブルー、アニリンブラック等);コバルト、鉄、クロム、銅、亜鉛、鉛、チタン、バナジウム、マンガン、ニッケル等の金属類、金属酸化物および硫化物、ならびに黄土、群青、紺青等の無機顔料、ファーネスカーボンブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック類を用いることができる。
これらの顔料は、いずれか1種が単独で用いられるほか、2種以上が組み合わせて使用されてもよい。
これらの顔料は、いずれか1種が単独で用いられるほか、2種以上が組み合わせて使用されてもよい。
インキや塗料中の顔料(固形分)の配合量は、色の発色等の観点から、0.1重量%以上が好ましく、1重量%以上であることが好ましく、5重量%以上であることがより好ましい。また、顔料分散性、保存安定性の観点から25重量%以下であることが好ましく、20重量%以下であることが好ましく、15重量%以下であることが好ましい。
本発明の顔料組成物では、顔料の分散性や、顔料組成物及び顔料分散体の保存安定性を向上させるために、本発明のポリアルキレンイミン誘導体以外の分散剤を添加してもよい。そのような分散剤としては、水酸基含有カルボン酸エステル、長鎖ポリアミノアマイドと高分子量酸エステルとの塩、高分子量ポリカルボン酸の塩、長鎖ポリアミノアマイドと極性酸エステルとの塩、高分子量不飽和酸エステル、高分子共重合物、変性ポリウレタン、変性ポリアクリレート、ポリエーテルエステル型アニオン系活性剤、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物塩、芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物塩、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ステアリルアミンアセテート等を用いることができる。
本発明の顔料組成物では、顔料の分散性や、顔料組成物及び顔料分散体の保存安定性を向上させるために、本発明のポリアルキレンイミン誘導体以外の分散剤を添加してもよい。そのような分散剤としては、水酸基含有カルボン酸エステル、長鎖ポリアミノアマイドと高分子量酸エステルとの塩、高分子量ポリカルボン酸の塩、長鎖ポリアミノアマイドと極性酸エステルとの塩、高分子量不飽和酸エステル、高分子共重合物、変性ポリウレタン、変性ポリアクリレート、ポリエーテルエステル型アニオン系活性剤、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物塩、芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物塩、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ステアリルアミンアセテート等を用いることができる。
本発明の顔料組成物に添加する顔料分散剤の添加量はインキや塗料中に0.1〜10重量%含まれることが好ましい。
本発明の顔料組成物に使用する有機溶剤としては、オフセットインキ、グラビアインキ、カラーフィルター用レジストインキ、インキジェットインキ、塗料、及び着色樹脂組成物等に使用される有機溶剤が広く利用できる。補足するならば、本発明のポリアルキレンイミン誘導体が溶解、もしくは均一に懸濁する有機溶剤であれば特に制限をうけるものではない。
具体的な有機溶剤の例としては、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチル−n−プロピルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチル−n−ブチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチル−n−アミルケトン、メチルイソアミルケトン、ジエチルケトン、エチル−n−プロピルケトン、エチルイソプロピルケトン、エチル−n−ブチルケトン、エチルイソブチルケトン、ジ−n−プロピルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、イソホロン等のケトン類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸−n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸−n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸ヘキシル、酢酸オクチル、乳酸メチル、乳酸プロピル、乳酸ブチル等のエステル類;γ−ブチロラクトン、ε−カプロラクトン等のラクトン類;エチレングリコール、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールジプロピルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル等のグリコール及びグリコールエーテル類;エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のグリコールアセテート類;n−ヘキサン、イソヘキサン、n−ノナン、イソノナン、ドデカン、イソドデカン等の飽和炭化水素類;1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン等の不飽和炭化水素類;シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、シクロデカン、デカリン等の環状飽和炭化水素類;シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテン、1,1,3,5,7−シクロオクタテトラエン、シクロドデセン等の環状不飽和炭化水素類;N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン等の(N−アルキル)ピロリドン類;N−メチル−2−オキサゾリジノン等のN−アルキルオキサゾリジノン類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類等があげられる。
これらの有機溶剤は単独で使用しても、2種類以上を混合して使用しても良いが、最終用途で使用する溶剤であることが好ましい。
本発明における顔料組成物は、ポリアルキレンイミン誘導体を含む顔料分散剤を有機溶剤中に溶解、あるいは懸濁させた後、この液中に顔料を投入し、ハイスピードミキサー等で均一になるまで撹拌混合した後、横型サンドミル、縦型サンドミル、アニュラー型サンドミルといったビーズミルやロールミル、メディアレス分散機等の種々の分散機を用いて分散して製造することができる。又、顔料誘導体は、顔料の製造時に添加することにより予め顔料を表面処理するための、処理剤として使用してもよい。
以上の顔料および有機溶媒に加え、インキや塗料等の顔料組成物には、必要に応じて、本発明の目的を阻害しない範囲内で、当該分野において通常用いられている各種添加剤を含ませることができる。
具体的には、消泡剤、表面張力低下剤等として、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン界面活性剤、または高分子系、シリコーン系、フッ素系の界面活性剤をインキに含有させることができる。
インキや塗料等の顔料組成物の粘度を調整するために、インキや塗料に電解質を配合することもできる。電解質としては、たとえば、硫酸ナトリウム、リン酸水素カリウム、クエン酸ナトリウム、酒石酸カリウム、ホウ酸ナトリウムが挙げられ、2種以上を併用してもよい。硫酸、硝酸、酢酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、トリエタノールアミン等も、インキや塗料の増粘助剤として用いることができる。
酸化防止剤を配合することにより、顔料組成物中のインキや塗料成分の酸化を防止し、インキの保存安定性を向上させることができる。酸化防止剤としては、たとえば、L−アスコルビン酸、L−アスコルビン酸ナトリウム、イソアスコルビン酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、亜二チオン酸ナトリウム、ピロ亜硫酸ナトリウムを用いることができる。
防腐剤を配合することにより、インキや塗料等の顔料組成物の腐敗を防止して保存安定性を向上させることができる。防腐剤としては、たとえば、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン等のイソチアゾロン系防腐剤;ヘキサヒドロ−1,3,5−トリス(2−ヒドロキシエチル)−s−トリアジン等のトリアジン系防腐剤;2−ピリジンチオールナトリウム−1−オキシド、8−オキシキノリン等のピリジン・キノリン系防腐剤;ジメチルジチオカルバミン酸ナトリウム等のジチオカルバメート系防腐剤;2,2−ジブロモ−3−ニトリロプロピオンアミド、2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−プロパンジオール、2,2−ジブロモ−2−ニトロエタノール、1,2−ジブロモ−2,4−ジシアノブタン等の有機臭素系防腐剤;p−ヒドロキシ安息香酸メチル、p−ヒドロキシ安息香酸エチル、ソルビン酸カリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、サリチル酸を用いることができる。
本発明の顔料組成物がインキ組成物の場合にはバインダー樹脂を含有していても良く、用いることができるバインダー樹脂としては、溶解型、ハイドロゾル型、コアシェルエマルション型、エマルション型の天然樹脂または合成樹脂、あるいはそれらの変性樹脂などの1種又はそれ以上の混合物を使用することができる。
バインダー樹脂の具体例としては、(メタ)アクリル酸エステル、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル系モノマー、(メタ)アクリロニトリルなどのニトリル系モノマー、(メタ)アクリルアミドなどのアミド系モノマーやそのN−アルコキシ置換体およびN−メチロール置換体、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、ジビニルベンゼンなどのスチレン系モノマー、ジアリルフタレート、アリルグリシジルエーテル、トリアリルイソシアヌレートなどのアリルモノマー、酢酸ビニル、N−ビニルピロリドンなどの重合性二重結合を有するモノマーなどの1種またはそれ以上と、カルボキシル基を有するアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸などの不飽和カルボン酸の1種またはそれ以上との共重合物からなる樹脂が挙げられる。
本発明においては、上記のようなバインダー樹脂の1種またはそれ以上を使用し、当該樹脂に適する溶解型、コアシェル型樹脂微粒子分散体型、ハイドロゾル型、またはエマルション型などの形態で使用することができる。本発明の顔料組成物がインキ組成物の場合において、バインダー樹脂の含有量は、顔料組成物100重量%中、固形分換算で5〜40重量%使用するのが好ましい。
以下に、実施例および比較例によって本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[アミン価の測定法]
アミン価とは樹脂1g中にふくまれるアミノ基のモル数(mmol)のことである。ポリエチレンイミンのアミン価は、メタノール溶液中で、0.5mol/Lのp−トルエンスルホン酸標準溶液を用いた電位差滴定により算出した。
[エポキシ当量]
エポキシ当量とは、1当量のエポキシ基を含む物質の質量である。これは分子構造より計算することも可能であるし、秤量した試料をクロロホルムに溶解させ、酢酸と臭化テトラエチルアンモニウム酢酸溶液を加えた後、過塩素酸酢酸標準液を滴下して電位差滴定をすることによっても測定可能である。ここでは、デナコール(登録商標)のカタログ値を採用した。
[グリシジルエーテルの転化率]
グリシジルエーテルの転化率は、反応液中に残存するグリシジルエーテルの量を検出器にFIDを備えるガスクロマトグラフィー((株)島津製作所製;GC−2010)を用いて、内部標準法で定量することにより算出した。
[窒素原子あたりの疎水基の導入量]
ポリアルキレンイミン誘導体の窒素原子あたりの疎水基の導入量(モル%)は以下の式から算出される。
[アミン価の測定法]
アミン価とは樹脂1g中にふくまれるアミノ基のモル数(mmol)のことである。ポリエチレンイミンのアミン価は、メタノール溶液中で、0.5mol/Lのp−トルエンスルホン酸標準溶液を用いた電位差滴定により算出した。
[エポキシ当量]
エポキシ当量とは、1当量のエポキシ基を含む物質の質量である。これは分子構造より計算することも可能であるし、秤量した試料をクロロホルムに溶解させ、酢酸と臭化テトラエチルアンモニウム酢酸溶液を加えた後、過塩素酸酢酸標準液を滴下して電位差滴定をすることによっても測定可能である。ここでは、デナコール(登録商標)のカタログ値を採用した。
[グリシジルエーテルの転化率]
グリシジルエーテルの転化率は、反応液中に残存するグリシジルエーテルの量を検出器にFIDを備えるガスクロマトグラフィー((株)島津製作所製;GC−2010)を用いて、内部標準法で定量することにより算出した。
[窒素原子あたりの疎水基の導入量]
ポリアルキレンイミン誘導体の窒素原子あたりの疎水基の導入量(モル%)は以下の式から算出される。
ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)による重量平均分子量および数平均分子量の測定は、HLC−8320GPC EcoSEC(東ソー株式会社製)を用いて以下の条件で行った。
カラム:SHODEX OHpak SB−802.5HQ、SB−803HQ
カラム温度:40℃
溶離液:0.5M酢酸+0.2M硝酸ナトリウム水溶液/アセトニトリル=50/50(体積比)
検出器:RI
検量線:標準ポリエチレングリコール(アジレントテクノロジー(株)社製)。
(製造例1〜6)
表1に示される重合体1〜6を下記の手順で合成した。原料であるポリエチレンイミン、グリシジルエーテルは以下の原料を用いた。
[ポリエチレンイミン]
エポミン(登録商標)SP−006(重合体1、2、4〜6;数平均分子量:600[カタログ値]、重量平均分子量:760)、SP−018(重合体3、;数平均分子量:1,800[カタログ値]、重量平均分子量:1,310)((株)日本触媒製)
[グリシジルエーテル]
2−エチルヘキシルグリシジルエーテル(デナコール(登録商標)EX−121;ナガセケムテックス(株)製)、ラウリルグリシジルエーテル(デナコール(登録商標)EX−192;ナガセケムテックス(株)製)、ラウリル(EO)15グリシジルエーテル(デナコール(登録商標)EX−171;ナガセケムテックス(株)製)
[ポリアルキレンイミン誘導体を含む顔料分散剤の合成]
温度計、還流冷却器、撹拌装置を備えた500mLの四つ口フラスコに、下記表1に示される種類及び量のポリエチレンイミン(PEI)を仕込み、撹拌しながら下記表1に示される種類及び量のグリシジルエーテル(GE)を添加した。この重合体混合物を55℃に昇温して8時間反応し、重合体を得た。ガスクロマトグラフィーで未反応のグリシジルエーテルを分析し、グリシジルエーテルの転化率を算出して、下記表1に「GE転化率(%)」として示す。また、ポリエチレンイミンの窒素原子あたりの疎水基の導入量を算出して、下記表1に「疎水基の導入量(モル%)」として示す。
表1に示される重合体1〜6を下記の手順で合成した。原料であるポリエチレンイミン、グリシジルエーテルは以下の原料を用いた。
[ポリエチレンイミン]
エポミン(登録商標)SP−006(重合体1、2、4〜6;数平均分子量:600[カタログ値]、重量平均分子量:760)、SP−018(重合体3、;数平均分子量:1,800[カタログ値]、重量平均分子量:1,310)((株)日本触媒製)
[グリシジルエーテル]
2−エチルヘキシルグリシジルエーテル(デナコール(登録商標)EX−121;ナガセケムテックス(株)製)、ラウリルグリシジルエーテル(デナコール(登録商標)EX−192;ナガセケムテックス(株)製)、ラウリル(EO)15グリシジルエーテル(デナコール(登録商標)EX−171;ナガセケムテックス(株)製)
[ポリアルキレンイミン誘導体を含む顔料分散剤の合成]
温度計、還流冷却器、撹拌装置を備えた500mLの四つ口フラスコに、下記表1に示される種類及び量のポリエチレンイミン(PEI)を仕込み、撹拌しながら下記表1に示される種類及び量のグリシジルエーテル(GE)を添加した。この重合体混合物を55℃に昇温して8時間反応し、重合体を得た。ガスクロマトグラフィーで未反応のグリシジルエーテルを分析し、グリシジルエーテルの転化率を算出して、下記表1に「GE転化率(%)」として示す。また、ポリエチレンイミンの窒素原子あたりの疎水基の導入量を算出して、下記表1に「疎水基の導入量(モル%)」として示す。
(実施例1〜8)
<顔料組成物の調製>
マヨネーズ瓶に顔料としてカーボンブラックMA−100(三菱化学製)5.0部と顔料分散剤として上記製造例1〜6のポリマー溶液1.0部、固形分が20質量%になるように溶媒としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)またはイオン交換水を16.0部加えた。さらに1.0mmジルコニアビーズ20.00部を加えた。これをペイントシェーカーを用いて4.5時間振とうして分散処理した後、顔料組成物とジルコニアビーズを分離して顔料組成物を調製した。この組成比を表2に示す。
調製した顔料組成物の分散状態及び分散安定性を下記のようにして測定、評価した。結果を表2に示す。
(比較例1)
製造例1〜6の重合体の代わりにポリエチレンイミン(エポミン(登録商標)SP−018:(株)日本触媒製)を用いた以外は実施例と同様の方法で顔料組成物を調製した。同様に、分散状態及び分散安定性を下記のようにして測定、評価した。結果を表2に示す。
<分散状態の確認>
分散処理直後の顔料組成物のメジアン径を動的光散乱式粒度分布測定装置(製品名「LB500」、堀場製作所社製)により測定し、メジアン径が120nm以下のものを○、120nmを超えているものを×とした。
<保存安定性の評価>
分散処理直後の分散状態が○のものを40℃で保存し、分散処理直後、3日後、7日後の粘度をコーンプレート型回転粘度計(製品名「DVII+Pro」、ブルックフィールド社製)、スピンドルSPE−55を用いて、20℃で測定した。その測定結果を以下のように評価した。
粘度変化率(%)=[(4週間後の粘度値×100)/(粘度の初期値)]−100
粘度変化率が5%未満のものを○、粘度変化率が5%以上10%未満のものを△、粘度変化率が10%以上のものを×とした。
<低温保存安定性>
分散処理直後の分散状態が○のものを、密閉容器に入れて5℃の環境下で3日間放置し、その後の粘度変化を測定し、その測定結果を以下のように評価した。
粘度変化率(%)=[(3日後の粘度値×100)/(粘度の初期値)]−100
粘度変化率が5%未満のものを○、粘度変化率が5%以上10%未満のものを△、粘度変化率が10%以上のものを×とした。
<顔料組成物の調製>
マヨネーズ瓶に顔料としてカーボンブラックMA−100(三菱化学製)5.0部と顔料分散剤として上記製造例1〜6のポリマー溶液1.0部、固形分が20質量%になるように溶媒としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)またはイオン交換水を16.0部加えた。さらに1.0mmジルコニアビーズ20.00部を加えた。これをペイントシェーカーを用いて4.5時間振とうして分散処理した後、顔料組成物とジルコニアビーズを分離して顔料組成物を調製した。この組成比を表2に示す。
調製した顔料組成物の分散状態及び分散安定性を下記のようにして測定、評価した。結果を表2に示す。
(比較例1)
製造例1〜6の重合体の代わりにポリエチレンイミン(エポミン(登録商標)SP−018:(株)日本触媒製)を用いた以外は実施例と同様の方法で顔料組成物を調製した。同様に、分散状態及び分散安定性を下記のようにして測定、評価した。結果を表2に示す。
<分散状態の確認>
分散処理直後の顔料組成物のメジアン径を動的光散乱式粒度分布測定装置(製品名「LB500」、堀場製作所社製)により測定し、メジアン径が120nm以下のものを○、120nmを超えているものを×とした。
<保存安定性の評価>
分散処理直後の分散状態が○のものを40℃で保存し、分散処理直後、3日後、7日後の粘度をコーンプレート型回転粘度計(製品名「DVII+Pro」、ブルックフィールド社製)、スピンドルSPE−55を用いて、20℃で測定した。その測定結果を以下のように評価した。
粘度変化率(%)=[(4週間後の粘度値×100)/(粘度の初期値)]−100
粘度変化率が5%未満のものを○、粘度変化率が5%以上10%未満のものを△、粘度変化率が10%以上のものを×とした。
<低温保存安定性>
分散処理直後の分散状態が○のものを、密閉容器に入れて5℃の環境下で3日間放置し、その後の粘度変化を測定し、その測定結果を以下のように評価した。
粘度変化率(%)=[(3日後の粘度値×100)/(粘度の初期値)]−100
粘度変化率が5%未満のものを○、粘度変化率が5%以上10%未満のものを△、粘度変化率が10%以上のものを×とした。
本発明のポリアルキレンイミン誘導体を用いた顔料分散剤は、オフセットインキ、グラビアインキ、カラーフィルター用レジストインキ、インキジェットインキ、塗料、及び着色樹脂組成物などに用いることができる。
Claims (3)
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016043489A JP2017160289A (ja) | 2016-03-07 | 2016-03-07 | ポリアルキレンイミン誘導体からなる顔料分散剤 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2016043489A JP2017160289A (ja) | 2016-03-07 | 2016-03-07 | ポリアルキレンイミン誘導体からなる顔料分散剤 |
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JP2016043489A Pending JP2017160289A (ja) | 2016-03-07 | 2016-03-07 | ポリアルキレンイミン誘導体からなる顔料分散剤 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2021017512A (ja) * | 2019-07-23 | 2021-02-15 | 理想科学工業株式会社 | 油性インク |
WO2024150785A1 (ja) * | 2023-01-13 | 2024-07-18 | 株式会社日本触媒 | ポリアルキレンイミンおよび/またはポリアルキレンイミン誘導体を含む樹脂組成物 |
-
2016
- 2016-03-07 JP JP2016043489A patent/JP2017160289A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2021017512A (ja) * | 2019-07-23 | 2021-02-15 | 理想科学工業株式会社 | 油性インク |
JP7294926B2 (ja) | 2019-07-23 | 2023-06-20 | 理想科学工業株式会社 | 油性インク |
WO2024150785A1 (ja) * | 2023-01-13 | 2024-07-18 | 株式会社日本触媒 | ポリアルキレンイミンおよび/またはポリアルキレンイミン誘導体を含む樹脂組成物 |
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