JP2005213294A - インクジェット記録用インクおよびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 分散媒および色材を少なくとも含む色材粒子を含有するインクジェット記録用インクの製造方法において、前記色材粒子から、微小な色材粒子を除去する工程を有するインクジェット記録用インクの製造方法と、該方法により製造されたインク。
【選択図】 なし
Description
この方式では、記録媒体に対向して配置された複数の記録電極と記録媒体の背面に配置された対向電極とに電圧を印加し、両電極間に生じた電位差により、記録電極上に供給されたインクに静電力を作用させ、インクを記録媒体上に飛翔させるもので、具体的態様が、例えば特開昭56−170号、同56−4467号、同57−151374号各公報等に開示されている。この方式は、従来のインクジェットヘッドにおけるノズルの代わりに、内壁に多数の記録電極を有する細長いスリット状のインク吐出口を用いていて、このスリット状インク室にインクを供給し、これらの電極に選択的に高電圧を印加することにより、スリットと近接対向する記録紙に電極近傍のインクを噴射させて記録するものである。
いう問題があった。
このような印字性能はインクの物性値に大きく依存することが確かめられており、十分な印字性能を得るためには、前述のように、インクを作製するにあたっては、好ましくは108Ω・cm以上といった高い体積抵抗率を維持しながら、色材粒子に100pS/cm以上の高い粒子電導度を付与する必要がある。色材粒子の粒子電導度が100pS/cm未満で小さいと、色材粒子を電気泳動により吐出口部すなわち吐出電極先端部へ高速で移動させることができず、色材粒子供給が不十分となり、色材粒子の凝集性が悪くなると共に吐出応答周波数が低くなってしまう。
さらに、吐出電極表面と色材粒子との電気的な反発力が弱いため、吐出電極上に色材粒子が付着、堆積することにより安定吐出ができなくなる場合がある。このような理由により、十分な印字濃度が得られないと共に安定かつ高速な印字ができないという問題が生じる。
ている。樹脂により色材が被覆された色材粒子は、色材を樹脂で被覆して着色混和物を形成した後、前記着色混和物を非水溶媒中で分散することにより形成することができる。しかしながら、通常の分散では粗大粒子状の色材粒子が生成したり、あるいは微小粒子状の色材粒子が生成し、平均粒径が揃った色材粒子を分散で得ることは困難なのが実情であった。
すなわち、本発明は以下の通りである。
(1) 分散媒および色材を少なくとも含む色材粒子を含有するインクジェット記録用インクの製造方法において、前記色材粒子から、微小な色材粒子を除去する工程を有することを特徴とするインクジェット記録用インクの製造方法。
(2) 前記色材粒子から微小な色材粒子を除去することによって、体積平均直径の1/5以下のサイズを有する色材粒子の含有率が、前記色材粒子中、体積基準で5%以下である前記(1)に記載のインクジェット記録用インクの製造方法。
(3) 前記色材粒子から微小な色材粒子を除去する手段が、重力、遠心力、若しくは色材粒子の界面特性を利用したもの、またはこれらの組み合わせである前記(2)に記載のインクジェット記録用インクの製造方法。
(4) 前記重力を利用した手段が、自然沈降法を用いた手段である前記(3)に記載のインクジェット記録用インクの製造方法。
(5) 前記遠心力を利用した手段が、遠心分離機または液体サイクロンである前記(3)に記載のインクジェット記録用インクの製造方法。
(6) 前記色材粒子の界面特性を利用した手段が、電気泳動法を用いた手段である前記(3)に記載のインクジェット記録用インクの製造方法。
(7) 前記(1)に記載のインクジェット記録用インクの製造方法により得られたインクジェット記録用インク。
(8) 前記(2)に記載のインクジェット記録用インクの製造方法により得られたインクジェット記録用インク。
まず、本発明のインクジェット記録用インクの構成成分について述べる。
本発明のインクジェット記録用インクに使用される分散媒は、非極性の絶縁性溶剤であり、比誘電率1.5〜20及び表面張力15〜60mN/m(25℃において)であることが好ましい。更に望まれる特性としては、毒性の少ないこと、引火性が少ないこと、臭気が少ないことである。
ハロゲン置換の炭化水素系溶媒としてフルオロカーボン系溶媒があり、例えばC7F16、C8F18などのCnF2n+2で表されるパーフルオロアルカン類(住友3M社製「フロリナートPF5080」、「フローリナートPF5070」(商品名)等)、フッ素系不活性液体(住友3M社製「フロリナートFCシリーズ」(商品名)等)、フルオロカーボン類(デュポンジャパンリミテッド社製「クライトックスGPLシリーズ」(商品名)等)、フロン類(ダイキン工業株式会社製「HCFC−141b 」(商品名)等)、[F(CF2)4CH2CH2I]、[F(CF2)6I]等のヨウ素化フルオロカーボン類(ダイキンファインケミカル研究所製「I−1420」、「I−1600」(商品名)等)等がある。
シリコーンオイルとしてはこれらの具体例に限定されるものではない。これらのジメチルポリシロキサンは、その分子量により非常に広い粘度範囲のものが入手可能であるが、1〜20cStの範囲のものを用いるのが好ましい。これらのジメチルポリシロキサンは、イソパラフィン系炭化水素同様、1010Ω・cm以上の体積抵抗率を有し、高安定性、高安全性、無臭性といった特徴を有している。またこれらのジメチルポリシロキサンは、表面張力が低いことに特徴があり、18〜21mN/mの表面張力を有している。
、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル等)、エーテル類(例えばジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等)及びハロゲン化炭化水素類(例えばメチレンジクロリド、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、メチルクロロホルム等)、等の溶媒が挙げられる。
色材としては、特に限定されるものではなく、一般に市販されているすべての有機顔料及び無機顔料が挙げられる。
レンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック顔料類が挙げられる。
また、金、銀、銅などの色再現のために金属粉を利用してもよい。
色材の表面処理方法としては、技術情報協会発行の「顔料分散技術」第5章に記載されている、ロジン処理、ポリマー処理、グラフト化処理、プラズマ処理等の方法が適用できる。各処理方法について以下に詳述する。
顔料の分散性を向上させるには以下に述べるポリマー処理が好ましい。
料、印刷インキでの凝集防止、流動性、光沢、着色力向上に効果がみられている。
機械的な力でポリマー処理する方法を例示すると、ポリマーと顔料を予め顔料分が5〜95%になる様に混合した後に、加熱しながらニーダー、三本ロールなどで混練し、ピンミル等で粉砕するものである。フラッシング樹脂処理という方法も機械的なポリマー処理方法に含まれる。
該分散工程では、表面処理された色材を微粒子状に分散し且つ分散媒中で分散安定化させるために分散剤を使用することが好ましい。
、Mn、Co、Zn、Mg、Ce、Ag、Zr、Cu、Fe、Ba等)、界面活性化合物類(例えば、有機リン酸またはその塩類として、炭素数3〜18のアルキル基から成るモノ、ジまたはトリアルキルリン酸等、有機スルホン酸またはその塩類として、長鎖脂肪族スルホン酸、長鎖アルキルベンゼンスルホン酸、ジアルキルスルホコハク酸等またはその金属塩、両性界面活性化合物として、レシチン、ケファリン等のリン脂質等が挙げられる)、フッ素原子および/またはジアルキルシロキサン結合基を含有するアルキル基含有の界面活性剤類、脂肪族アルコール類(例えば、炭素数9〜20の分岐状アルキル基から成る高級アルコール類、ベンジルアルコール、フェネチルアルコール、シクロヘキシルアルコール等)、多価アルコール類{例えば、炭素数2〜18のアルキレングリコール(エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、ドデカンジオールなど)};炭素数4〜1000のアルキレンエーテルグリコール(ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコールなど);炭素数5〜18の脂環式ジオール(1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールAなど);炭素数12〜23のビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールSなど)の炭素数2〜18のアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、α−オレフィンオキサイドなど)付加物、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール等のポリオール類;3価〜8価またはそれ以上のフェノール類(トリスフェノールPA、フェノールノボラック、クレゾールノボラックなど);上記3価以上のポリフェノール類の炭素数2〜18のアルキレンオキサイド付加物(付加モル数は2〜20)、上記多価アルコールのエーテル誘導体(ポリグリコールアルキルエーテル類、アルキルアリールポリグリコールエーテル等)、多価アルコールの脂肪酸エステル誘導体、多価アルコールのエーテルオレート誘導体(例えば、エチレングリコールモノエチルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルアセテート、プロピレングリコールモノブチルプロピオレート、ソルビタンモノメチルジオキサルト等)、アルキルナフタレンスルホネート、アルキルアリールスルホネート等の化合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。各種添加剤の使用量は、インク組成物の表面張力が15〜60mN/m(25℃において)および粘度が1.0〜40cPの範囲となるように調整して用いることが好ましい。
分散することにより形成することができる。まず、色材をバインダー樹脂で被覆して着色混和物を作る工程について説明する。着色混和物は例えば以下の方法で調製する。
(2)バインダー樹脂を溶剤に溶解し、色材を加え、ボールミル、アトライター、サンドグラインダー等で湿式分散し、溶剤を蒸発させて着色混和物を得るか、または、分散物を前記バインダー樹脂の非溶剤中に注ぎ、沈殿させて混和物を得、その後乾燥させて着色混和物を得る方法。
(3)フラッシング法で、顔料の含水ペースト(ウェットケーキ)を樹脂または樹脂溶剤と共に混練し、水を樹脂または樹脂溶液で置換した後、水および溶剤を減圧乾燥して着色混和物を得る方法。
メディア径は特に限定されるものではないが、例えば直径0.1mm〜10mm程度のものが使用できる。一般的には、メディアが大きいほど粒径分布が広くなり、小さいほど小粒径まで分散できる傾向にある。また、メディアの充填率も特に限定されるものではないが、50%〜90%のメディア充填率が好ましい。メディアの充填率と分散性能は密接な関係があり一般的に充填率を高くできれば分散効率が向上することが知られている。横型のミルの場合、たて型と比較して起動時のメディアのロック現象が全く起こらないため、ベッセル容量に対して充填率を80〜85%とするのが好ましい。
色材粒子から微小な色材粒子(以下、単に微小粒子ということがある)を除去する方法としては、例えば公知の分級方式があり、以下に記載する種々の方式が挙げられる。なお分級は、実用化されて市販されている装置を利用することができるが、市販されている装置を利用しなくても、分級方式として原理的に可能な方法であれば採用することができる。どの方式を利用するにしても、微小粒子を除き、平均粒子径を大きくするとともに、粒子径分布をなるべく狭く均一にするのが好ましい。
液体サイクロンは静止状態の機器へ分散液を注入するだけで大小粒子に分級が可能な分離器である。具体的には円周方向に円筒形容器に高速で供給することにより、回転運動を起こし遠心力を働かせることで、沈降分離させることが可能になる。分離の度合いは分散液の供給速度(供給圧力、流量)、出口部分の流量比を変えることで簡単に自由に選択可能なのが特徴である。具体的には次のような装置が市販されている。商品名:ハイドロサイクロン、日本化学機械製造株式会社製。
均直径は0.3〜4.0μmの範囲内である。体積平均直径を0.3μm以上にすることにより、色材粒子の濃縮が十分となり、結果として、被記録媒体に記録された際インクのにじみが発生しにくい。また、ヘッド先端近傍の一部分からの不要吐出も生じない。また体積平均直径を4.0μm以下にすることにより、ヘッド吐出口の詰まりが生じにくくなる。更に好ましい体積平均直径は0.5〜3μmである。
図1は静電式インクジェット記録方法に用いるライン走査型マルチチャンネルインクジェットヘッドの構成例を示す図で、記録ドットに対応した吐出電極の断面を示している。同図においてインク100はポンプを含むインク循環系111から、ヘッドブロック101に接続されたインク供給系112を通して、ヘッド基板102と吐出電極基板103間に供給され、同じくヘッドブロック101に形成されたインク回収系113を通してインク循環系111に回収される。この吐出電極基板103は、貫通孔107を有する絶縁性基板104と、この貫通孔107の周囲で記録媒体側に形成されている吐出電極109とから構成されている。一方ヘッド基板102上には凸状インクガイド108が前記貫通孔107の略中心位置に配置されている。この凸状インクガイド108はプラスチック樹脂、セラミックスなど絶縁性部材からなり、前記貫通孔107と中心が等しくなるように同じ列間隔、ピッチで配置され、所定の方法でヘッド基板102上に保持されている。各凸状インクガイド108は厚みが一定の平板の先端を三角形あるいは台形状に切り出した形状で、その先端部がインク滴飛翔位置110となる。各凸状インクガイド108はその先端部からスリット状の溝を形成しても良く、そのスリットの毛細管現象により、インク飛翔位置110へのインク供給がスムースに行われ、記録周波数を向上することが出来る。またインクガイドの任意の表面は必要に応じて導電性を有していても良く、その場合には導電部分は電気的に浮遊状態とする事によって、吐出電極への少ない電圧印加で有効にインク飛翔位置に電界を形成できる。各凸状インクガイド108は、それぞれの貫通孔からほぼ垂直に所定の距離だけインク滴飛翔方向に突きだしている。凸状インクガイド108の先端に対向して記録紙である記録媒体121が配置され、この記録媒体121のヘッド基板102と反対側の背面に、記録媒体121を案内するプラテンの役割を兼ねる対向電極122が配置されている。また、ヘッド基板102と吐出電極基板103間によって形成される空間の底部には泳動電極140が形成されており、これに所定の電圧を印加する事により、インクガイドの吐出位置方向にインク中の荷電粒子を電気泳動させ、吐出の応答性を上げることが出来る。
は貫通孔107から凸状インクガイド108の先端のインク飛翔位置110に供給されると共に、一部はインク回収系113を経てインク循環系111に回収される。ここで、吐出電極109にはバイアス電圧源123から常時バイアスとして例えば+1.5kVの電圧が与えられ、これに信号電圧源124からの画像信号に応じた信号電圧として例えばON時に+500Vのパルス電圧が吐出電圧109に重畳される。またこの際、泳動電極140は+1.8kVの電圧が印加されている。一方、記録媒体121の背面に設けられた対向電極122は、図のように接地電圧0Vに設定されている。場合によっては記録媒体121側を例えば−1.5kVに帯電させてバイアス電圧としても良い。この場合には、対向電極122表面に絶縁層を設け、記録媒体にコロナチャージャー、スコロトロンチャージャー、固体イオン発生器等により帯電を行い、かつ吐出電極109は例えば接地され、これに信号電圧源124からの画像信号に応じた信号電圧として例えばON時に+500Vのパルス電圧が吐出電圧109に重畳される。またこの際、泳動電極140は+200Vの電圧が印加される。今、吐出電圧109がON状態(500Vが印加された状態)となり、バイアスDC1.5kVに500Vのパルス電圧が重畳された合計2kVの電圧が加わると、凸状電極108先端のインク滴飛翔位置110から、インク滴115が飛び出し、対向電極122方向に引っ張られて、該記録媒体121に向けて飛翔して画像を形成する。
インク循環系111は、分散媒中に少なくとも色材が分散されたインクを格納する密閉式のインクタンク1と、入力信号に応じてインクを吐出する吐出ヘッド2と、前記インクタンク内のインクを前記吐出ヘッドに供給するためのポンプ3を具備し、前記インクタンクから前記ポンプをへて前記吐出ヘッドに至るインク供給系112と、前記吐出ヘッドから前記インクタンクにインクを回収するための、前記吐出ヘッドから前記インクタンクに至るインク回収系113とからなり、該インク循環系の内の少なくとも一カ所に磁場を作用させて、磁性粉を捕獲する磁性粉除去装置が具備されるのが好ましい。
ポンプ3としては容積式と遠心式の2方式がある。容積式では往復式、回転式、その他の方式がある。往復式にはダイアフラムポンプ、バイモルポンプ、プランジャーポンプ、バルブレスポンプ等がある。回転式には外接ギヤポンプ、内接ギヤポンプ、チュービングポンプ等がある。その他の方式としてはフィンガーポンプがある。遠心式には渦巻きポンプや斜流ポンプ等がある。いずれのポンプを使用した場合でも、インク中に磁性粉が存在すれば目詰まりを起こしやすい。その中でも特に、ギヤポンプと渦巻きポンプの分類に入り、且つマグネット駆動方式の場合にはインク中の磁性粉がマグネット駆動部に付着し、速い段階で目詰まりを起こす。従って、分散物やインクから磁性粉を除去した場合には、特にギアポンプと渦巻きポンプで、且つマグネット駆動方式の場合に、格段の改良効果がある。
なお、インク供給系112は、フィルタ4、インク濃度検出器6、アキュムレータ5等を具備している。
また、インク循環系111は、濃いインクを収めた容器8及び薄いインクを収めた容器9からなる補充インク容器8及びレベル検出器11を備え、バルブ10を介してインクタ
ンクへ適宜補充するように構成されている。
[比較例1] インクIJR−1
青色顔料としてリノールブルーFG−7350(Pigment blue15:3、東洋インク社製)20質量部、樹脂としてスチレン/ビニルトルエン/ラウリルメタクリレート/ブチルアクリレート/トリメチルアンモニウムエチルメタクリレート(陰イオン、p−トルエンスルホン酸)共重合体(質量比=25/27/2/27/18、質量平均分子量1.1万)40質量部をトリオサイエンス(株)製トリオブレンダーで粉砕しよく混合した後に、入江商会(株)製卓上型ニーダーPBV−0.1に入れ85℃で120分間、加熱溶融混練した。上記の顔料樹脂混練物をトリオブレンダ−にて粗粉砕し、更に協立理工(株)製SK−M10型サンプルミルで微粉砕した。次に粉砕した顔料樹脂混練物30質量部、アイソパーG32.5質量部、下記の顔料分散剤(D−1)をアイソパーGに加熱溶解して調液した20質量%溶液を37.5質量部、直径約3mmのガラスビ−ズ400質量部を500mlマヨネ−ズ瓶に入れて、東洋精機KK(株)製ペイントシェイカーで30分間予備分散した。次にガラスビ−ズを除去した後、直径0.6mmのジルコニアセラミックビ−ズと共に、シンマルエンタープライズ社(株)製のダイノミルKDL型にて2000rpmで、エムエス機器(株)製恒温槽NESLABRTE7を用いて分散液の液温度を30℃に制御しながら6時間分散し、更に40℃で1時間、更に45℃で3時間分散した。得られた分散液からジルコニアセラミックビ−ズを除去し、アイソパ−G330質量部と荷電調整剤としてオクタデセン−半マレイン酸オクタデシルアミド共重合体0.043質量部を加え、粒子濃度7質量%のインク組成物(IJR−1)を得た。このインク中の顔料樹脂粒子の体積平均直径を堀場製作所(株)製の超遠心式自動粒度分布測定装置CAPA700で測定した所、1.0μmであった。また、この体積平均直径の5分の1以下の微小粒子含有率は6.1体積%であった。
ト記録紙表面の埃除去を行った後、吐出ヘッドを描画位置までコート記録紙に近づけ、描画解像度600dpiでインクを吐出し描画した。描画画像は滲みが多く、不均一なドットで満足し得る濃度の画像は得られなかった。又、インクヘッドからの吐出性も不安定で、ヘッド先端以外の部分から不要吐出が多く発生した。
比較例1でジルコニアセラミックビ−ズを除去して得られた分散物にアイソパ−Gを330質量部加えて、1リットルのマヨネ−ズ瓶に入れて静止した状態で2日間放置した。この液を静かにデカンテーション法にて上澄み液を除去した後、下部に堆積した沈降粒子にアイソパ−Gを加えて粒子濃度7質量%に調整した後、荷電調整剤としてオクタデセン−半マレイン酸オクタデシルアミド共重合体0.06質量部を加えて、インク全体の比伝導度が800pS/cmのインク組成物(IJ−1)を作成した。このインク中の顔料樹脂粒子の体積平均直径は1.02μm、体積平均直径の5分の1以下の微小粒子含有率は4.8体積%であった。一方、比較例1と同条件で吐出した結果、比較例1のインク組成物(IJR−1)よりも描画画像は滲みが減少し、ドット濃度も良化した。又、インクヘッドからの吐出性も安定しヘッド先端以外の部分から不要吐出がなくなった。
比較例1でジルコニアセラミックビ−ズを除去して得られた分散物にアイソパ−Gを330質量部加えて、1リットルのマヨネ−ズ瓶に入れて静止した状態で3日間放置した。この液を静かにデカンテ−ション法にて上澄み液を除去した後、下部に堆積した沈降粒子にアイソパ−Gを加えて粒子濃度7質量%に調整した後、荷電調整剤としてオクタデセン−半マレイン酸オクタデシルアミド共重合体0.07質量部を加えて、インク全体の比伝導度が800pS/cmのインク組成物(IJ−2)を作成した。このインク中の顔料樹脂粒子の体積平均直径は1.02μm、体積平均直径の5分の1以下の微小粒子含有率は4.0体積%であった。一方、比較例1と同条件で吐出した結果、比較例1のインク組成物(IJR−1)よりも描画画像は滲みが減少し、ドット濃度も良化した。又、インクヘッドからの吐出性も安定しヘッド先端以外の部分から不要吐出がなくなった。
比較例1でジルコニアセラミックビ−ズを除去して得られた分散物にアイソパ−Gを330質量部加えて、1リットルのマヨネ−ズ瓶に入れて静止した状態で14日間放置した。この液を静かにデカンテ−ション法にて上澄み液を除去した後、下部に堆積した沈降粒子にアイソパ−Gを加えて粒子濃度7質量%に調整した後、荷電調整剤としてオクタデセン−半マレイン酸オクタデシルアミド共重合体0.10質量部を加えて、インク全体の比伝導度が800pS/cmのインク組成物(IJ−3)を作成した。このインク中の顔料樹脂粒子の体積平均直径は1.0μm、体積平均直径の5分の1以下の微小粒子含有率は1.0体積%であった。一方、比較例1と同条件で吐出した結果、描画画像の滲みは完全になくなり、満足し得る濃度のドット画像が有られた。又、インクヘッドからの吐出性は安定しヘッド先端以外の部分から不要吐出はなくなった。
比較例1でジルコニアセラミックビ−ズを除去して得られた分散物にアイソパ−Gを330質量部加えた。この希釈分散物をトミ−精工(株)製小型高速冷却遠心機SRX−201型を用いて、回転数3000rpmで15分間遠心分離した。この上澄み液を静かにデカンテ−ション法で除去した後、下部に堆積した沈降粒子にアイソパ−Gを加えて粒子濃度7質量%に調整した後、荷電調整剤としてオクタデセン−半マレイン酸オクタデシルアミド共重合体0.10質量部を加えて、インク全体の比伝導度が800pS/cmのインク組成物(IJ−3)を作成した。このインク中の顔料樹脂粒子の体積平均直径は1.0μm、体積平均直径の5分の1以下の微小粒子含有率は0.7体積%であった。このイ
ンクを比較例1と同条件で吐出した結果、描画画像の滲みは全くなく、満足し得る濃度のドット画像が有られた。又、インクヘッドからの吐出性は安定しヘッド先端以外の部分からの不要吐出は全く発生しなかった。
青色顔料としてToner BG(クラリアント社製)のプレスケーキと、樹脂としてスチレン/ビニルトルエン/ラウリルメタクリレート/トリメチルアンモニウムエチルメタクリレート(陰イオン、p−トルエンスルホン酸)共重合体(29/66/2/3、質量比、質量平均分子量1.7万)の33%トルエン溶液を青色顔料に対し2倍量用い、フラッシャーで攪拌後、加熱し減圧して水分と溶媒を除去して含水量1質量%の青色塊状物を得た。青色塊状物を真空乾燥し、水分を完全に除去した後、サンプルミルで粉砕し、0.1〜0.01mmの青色粉体を得た。
次に粉砕した顔料樹脂混練物30質量部、アイソパーG32.5質量部、比較例1に同じ顔料分散剤(D−1)をアイソパーGに加熱溶解して調液した20質量%溶液を37.5質量部、直径約3mmのガラスビ−ズ400質量部を500mlマヨネ−ズ瓶に入れて、東洋精機KK(株)製ペイントシェイカーで30分間予備分散した。次にガラスビ−ズを除去した後、直径0.6mmのジルコニアセラミックビ−ズと共に、シンマルエンタープライズ社(株)製のダイノミルKDL型にて2000rpmで、エムエス機器(株)製恒温槽NESLABRTE7を用いて分散液の液温度を25℃に制御しながら1時間分散した。得られた分散液からジルコニアセラミックビ−ズを除去し、アイソパ−G330質量部と荷電調整剤としてオクタデセン−半マレイン酸オクタデシルアミド共重合体0.05質量部を加え、粒子濃度7質量%のインク組成物(IJR−2)を得た。このインク中の顔料樹脂粒子の体積平均直径を堀場製作所(株)製の超遠心式自動粒度分布測定装置CAPA700で測定した所、2.0μmであった。又、この体積平均直径の5分の1以下の微小粒子含有率は8.0体積%であった。
上記インク組成物を比較例1と同様にインク物性を測定した結果、粘度は1.5mPa・sec、表面張力は23mN/m、比誘電率は2.35、インク全体の比伝導度は800pS/cmを示し、また明瞭な正荷電性を示した。次にこのインク組成物IJR−2を比較例1と同じインクジェット記録装置で描画した。描画画像は滲みが多く、不均一なドットで満足し得る濃度の画像は得られなかった。又、インクヘッドからの吐出性も不安定で、ヘッド先端以外の部分から不要吐出が多く発生した。
比較例2でジルコニアセラミックビ−ズを除去して得られた分散物にアイソパ−Gを330質量部加えて、実施例1と全く同じ沈降分離条件後、下部に堆積した沈降粒子にアイソパ−Gを加えて粒子濃度7質量%に調整した後、荷電調整剤としてオクタデセン−半マレイン酸オクタデシルアミド共重合体0.07質量部を加えて、インク全体の比伝導度が800pS/cmのインク組成物(IJ−5)を作成した。このインク中の顔料樹脂粒子の体積平均直径は2.0μm、体積平均直径の5分の1以下の微小粒子含有率は4.5体積%になった。又、比較例1と同条件で吐出した結果、比較例2のインク組成物(IJR−2)より描画画像は滲みが減少し、ドット濃度も良化した。又、インクヘッドからの吐出性も安定しヘッド先端以外の部分から不要吐出がなくなった。
比較例2でジルコニアセラミックビ−ズを除去して得られた分散物にアイソパ−Gを330質量部加えた。この希釈分散物をトミ−精工(株)製小型高速冷却遠心機SRX−201型を用いて、回転数2000rpmで15分間遠心分離した。この上澄み液を静かにデカンテ−ション法で除去した後、下部に堆積した沈降粒子にアイソパ−Gを加えて粒子濃度7質量%に調整した後、荷電調整剤としてオクタデセン−半マレイン酸オクタデシルアミド共重合体0.20質量部を加えて、インク全体の比伝導度が800pS/cmのイ
ンク組成物(IJ−6)を作成した。このインク中の顔料樹脂粒子の体積平均直径は2.2μm、体積平均直径の5分の1以下の微小粒子含有率は0.2体積%であった。このインクを比較例1と同条件で吐出した結果、描画画像の滲みは全くなく、満足し得る濃度のドット画像が有られた。又、インクヘッドからの吐出性は安定しヘッド先端以外の部分からの不要吐出は全く発生しなかった。
比較例1で得られた粒子濃度7質量%のインク組成物(IJR−1)を以下に示す電気泳動分級装置で分級を行なった。
図3は、本実施例で用いた電気泳動分級装置を説明するための図である。該装置75は、主管路80aと分岐管路80bおよび80cとからなるインク流路80、2枚の電極板88aおよび88bからなる平行電極88、ならびに電圧源90を備えている。
インク流路80は、主管路80aと主管路80aからY字形状に分岐された二つの分岐管路80bおよび80cを備えている。また、分岐管路80cは、インク廃棄サブタンク94に接続され、分岐管路80bは、インク回収サブタンク92に接続されている。また、インク回収サブタンク92は、インク回収流路60aと接続され、インク供給サブタンクと同様に静水圧を利用して液面を一定化できる様になっており、インク廃棄サブタンク94は、インク廃棄流路62を接続されている。
平行電極88は、主管路80aを挟むように配置されており、電圧印加側電極板88a(図中上側)は、電極に電圧を印加する電圧源90と接続され、接地電極板88b(図中下側)は、接地されている。平行電極88は、主管路80aに電界を形成する。
ここで、電圧源90は印加する電圧値を変化することのできる可変電圧源であることが好ましい。
インクQは、主管路80aから分岐管路80b、80cの方向へ流される。インクQが、平行電極88が配置されている部分まで移動すると、平行電極88によって形成される電界によって、流れているインクQ中の正帯電した色材粒子Paには図中下方向の力がかかり、電気泳動によって、図中下方向に移動する。この際、色材粒子Paにかかる力は粒径によって異なり、粒径の大きい色材粒子Pacほど下方向にかかる力は大きくなり、電気泳動による下方向(平行電極88b方向)への移動量が大きくなる。
これにより、主管路80a内の色材粒子Paの中から、粒径の大きい色材粒子Pacを図中下側の分岐管路80bに、粒径の小さい色材粒子Pafを図中上側の分岐管路80cに分級することができる。
このように分級された分岐管路80bのインクは、インク回収サブタンク92に供給され、分岐管路80cのインクQは、インク廃棄サブタンク94に供給される。
そして、インク回収サブタンク90のインクQは、インク回収流路60aを介してインクタンク(図示せず)に回収され、インク廃棄サブタンク94のインクQは、インク廃棄流路62を介してインク廃棄タンク(図示せず)に廃棄される。
2 吐出ヘッド
3 ポンプ
4 フィルタ
5 アキュムレータ
6 インク濃度検出器
7 補充インク容器
8 濃いインクを収めた容器
9 薄いインクを収めた容器
10 バルブ
11 レベル検出器
75 電気泳動装置
80 インク流路
88 平行電極
90 電圧源
92 インク回収サブタンク
94 インク廃棄サブタンク
100 インク
102 ヘッド基板
103 吐出電極基板
109 吐出電極
110 インク滴飛翔位置
111 インク循環系
112 インク供給系
113 インク回収系
123 バイアス電極
124 信号電圧源
Claims (8)
- 分散媒および色材を少なくとも含む色材粒子を含有するインクジェット記録用インクの製造方法において、前記色材粒子から、微小な色材粒子を除去する工程を有することを特徴とするインクジェット記録用インクの製造方法。
- 前記色材粒子から微小な色材粒子を除去することによって、体積平均直径の1/5以下のサイズを有する色材粒子の含有率が、前記色材粒子中、体積基準で5%以下である請求項1に記載のインクジェット記録用インクの製造方法。
- 前記色材粒子から微小な色材粒子を除去する手段が、重力、遠心力、若しくは色材粒子の界面特性を利用したもの、またはこれらの組み合わせである請求項2に記載のインクジェット記録用インクの製造方法。
- 前記重力を利用した手段が、自然沈降法を用いた手段である請求項3に記載のインクジェット記録用インクの製造方法。
- 前記遠心力を利用した手段が、遠心分離機または液体サイクロンである請求項3に記載のインクジェット記録用インクの製造方法。
- 前記色材粒子の界面特性を利用した手段が、電気泳動法を用いた手段である請求項3に記載のインクジェット記録用インクの製造方法。
- 請求項1に記載のインクジェット記録用インクの製造方法により得られたインクジェット記録用インク。
- 請求項2に記載のインクジェット記録用インクの製造方法により得られたインクジェット記録用インク。
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