JP2004277713A - 静電インクジェットインク組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】
色材濃縮吐出型の静電インクジェットヘッドにおいて、分散安定性、荷電極性の制御や荷電の経時安定性に優れると共に、高濃度で滲みの少ないドットを高速で安定に印字することができる静電方式インクジェットプリンタ用油性インク組成物及びその色材粒子の荷電制御方法を提供する。
【解決手段】
比誘電率1.5〜20及び表面張力15〜60mN/mを有する非水溶媒と、前記非水溶媒に不溶な色材と、前記非水溶媒に可溶な荷電調節剤とを含有する静電型インクジェット記録装置用のインク組成物であって、前記荷電調節剤が、特定構造の長鎖ビニル−半マレイン酸アミド共重合体を含有するか、または、非水溶媒に可溶となしうる少なくとも1種以上の単量体と無水マレイン酸とを構成単位として有する共重合体と、1級アミノ化合物または1級アミノ化合物および2級アミノ化合物との反応により得られる高分子化合物であり、かつ、半マレイン酸アミド成分とマレインイミド成分とを繰返し単位として有する高分子化合物を含有する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、インクを飛翔させ、記録紙等の被転写媒体上に文字や画像を形成する静電方式インクジェット記録装置に供するインク組成物とそれを用いたインクジェット画像形成方法に関するもので、特に長期間の荷電経時安定性を有する油性インクに関するものである。
インクを記録媒体に飛翔させ記録ドットを形成することにより印字を行うインクジェット記録法は、カラー化が容易で普通紙に直接記録できるノンインパクト記録法として関心を集めており、この方式を用いたプリンターが種々実用化されている。インクジェット記録法としては、例えば安居院猛等「リアルカラー ハードコピー」産業図書(株)(1993年刊)、大野信「ノンインパクトプリンティング−技術と材料−」(株)シーエムシー(1986年刊)、甘利武司「インクジェットプリンタ−技術と材料」(株)シーエムシー(1998年刊)等の成書に記載されており、オンデマンド(随意噴射)とコンティニアス(連続噴射)の方式がある。更に連続型では静電方式(Sweet型、Hertz型)、オンデマンド型ではピエゾ圧電方式、シェアモードピエゾ圧電方式、サーマルインクジェット方式と呼ばれる記録方式等が知られている。
オンデマンド型インクジェット記録法の一つとして、一ノ瀬進,大庭有二,電子通信学会論文誌Vol.J66-C(No.1),p.47(1983)、大野忠義,水口衛,画像電子学会誌Vol.10,(No.3),p.157(1981)等に記載の静電加速型インクジェットあるいはスリットジェットと呼ばれる方式が知られている。この方式では、記録媒体に対向して配置された複数の記録電極と記録媒体の背面に配置された対向電極とに電圧を印加し、両電極間に生じた電位差により、記録電極上に供給されたインクに静電力を作用させ、インクを記録媒体上に飛翔させるもので、具体的態様が、例えば特開昭56−170号、同56−4467号、同57−151374号各公報等に開示されている。この方式は、従来のインクジェットヘッドにおけるノズルの代わりに、内壁に多数の記録電極を有する細長いスリット状のインク吐出口を用いていて、このスリット状インク室にインクを供給し、これらの電極に選択的に高電圧を印加することにより、スリットと近接対向する記録紙に電極近傍のインクを噴射させて記録するものである。
このため、インクの目詰まりに対する心配が少なく、またヘッドの構成が単純であることにより製造コストの低減が期待でき、記録媒体の幅方向の広範囲をカバーできる長さの、いわゆる長尺ラインヘッドを実現するためにも有効な方法である。
このような静電加速型インクジェット方式により構成された、ドロップオンデマンド型のフルカラー記録ヘッドの一例が、例えば特開昭58−215253号公報、電気通信学会論文誌,Vol.J68−C,2(1985年),第93ページから第100ページに開示、発表されている。
この静電加速型インクジェットヘッドにおいては、有機溶剤に染料を溶解した油性インクが好適に用いられ、インクの構成材料に関しては詳細に開示されてはいないが、電気通信学会論文誌,Vol.J68−C,2,pp.93−100,(1985年)に見られる例では、体積抵抗率(電気抵抗率)が107〜108Ω・cm、表面張力が22mN/m、粘度が3.1〜6.9cPの物性値を有するインクが用いられている。
しかしながら、このような油性インクは、他のインクジェット方式において一般に用い
られている水性インクと比較し表面張力が低いために、記録紙への浸透性が非常に大きく、特に普通紙に印字を行う場合において、印字濃度の低下やにじみ、裏写りを生じやすいという問題があった。
一方、スリット状の記録ヘッドを用いない色材濃縮吐出型の静電方式が、特開平9−193389号公報及び特開平10−138493号公報等に開示されている。これは、インク中の色剤成分に静電力を作用させるための複数個の個別電極を、貫通孔の形成された絶縁性基板とこの貫通孔に対応して形成された制御電極とからなる制御電極基板と、この貫通孔のほぼ中心位置に配置された凸状インクガイドとから構成し、この凸状インクガイドの表面を表面張力でインクをインク滴飛翔位置まで運び、制御電極に所定の電圧を印加することで記録媒体にインク滴を飛翔させ記録するものである。
この色材濃縮吐出型の静電インクジェット方式では、色材粒子を電気泳動により吐出口部に集中させ、色材が高濃度に濃縮された形でインク滴を飛翔させる。このため、前述の方式とは異なり、インクの構成成分が均一な状態で多量の液体成分を含んだまま吐出されるのではなく、色材が凝集され液体成分が少ない状態で吐出されることにより、上述の問題点が解決される。また、顔料を色材として用いることにより、従来の染料を用いたインクジェットヘッドに比べ、印字画像の耐水性、耐光性に関しても有利な結果が得られる。
この様な色材濃縮吐出型の静電インクジェットインクにおいて、印字濃度が高く、にじみや裏写りを生じない良好な印字特性を得るためには、まず第1にインクの体積抵抗率が十分大きい事が必要である。この事により記録電極と対向電極により形成されインクに印加された電界を色材粒子に到達させる事が可能となる。インクの体積抵抗率が低いと、記録電極により印加される電圧により、インクが電荷注入を受け帯電してしまい、静電反発力によりインクが多量の液体成分を含んだまま吐出してしまう傾向が強くなる。
次に、色材粒子を十分な速度で電気泳動により吐出口部に集中させる必要があるため、色材粒子が十分な帯電量を有している事、すなわち色材粒子が正極性もしくは負極性の高い粒子電導度を有している事が必要である。またさらに、吐出性能と色材粒子の沈降防止との兼ね合いから、色材粒子の平均粒径は、0.1〜4μm程度が好ましいとされる。
具体的には、例えば特許文献1(特開平9−193389号公報)等には、電気抵抗率が1010Ω・cm以上の誘電性液体中に、前記誘電性液体に対するゼータ電位が60mV以上であり、かつ平均粒径が0.01及至5μmの範囲内にある現像剤粒子(少なくとも着色材成分を有する固形樹脂粒子)を分散させる事により、108Ω・cm以上の電気抵抗率を有するように調整されたインクの使用が開示されている。この様なインクは、例えば、絶縁性液体として1010Ω・cm以上の体積抵抗率を有する炭化水素系溶剤、色材として、カーボンブラックや有機顔料、並びに、樹脂やワックスからなるバインダー中もしくは表面に顔料を含有するものを用い、その他分散剤、金属石鹸などの電荷制御剤等を加えた系で色材分散体を作製する事により調製する事が出来るが、特許文献1にはその組成並びに作成方法およびインク物性値の調整方法の詳細は開示されてなく、また色材粒子の荷電を長期間安定に保持させることがなかなかできないという問題があった。
また、特許文献2(特開2001−139856公報)等には、脂肪族炭化水素系溶剤系の高電気絶縁性の分散媒と、分散媒に不溶な色材と、帯電制御剤として、分散媒に可溶なアクリル酸エステル重合体と金属石鹸とを含む静電インクジェットヘッドインク及びその色材帯電制御方法が開示されている。特許文献2では帯電制御剤として、分散媒に可溶なアクリル酸エステル重合体と金属石鹸とを併用して含む事により、色材粒子に高いゼータ電位を与える事ができる。しかしながら、カーボンブラックや有機顔料のような色材粒子の荷電を長期に安定に保持させることはなかなかできないという問題があった。脂肪族炭化水素系溶剤中に分散されたカーボンブラックや有機顔料に対する荷電発生の機構は不
明な点が多いが、金属石鹸の場合は選択的吸着モデルで顔料の極性制御が決まると考えられている。即ち、油溶性の金属石鹸が解離して、解離金属イオンが顔料粒子に吸着して正荷電を与える。一方、対イオンは金属石鹸とミセル構造を形成し負電荷として分散液中で安定化されている。しかしながら、吸着平衡に基づく荷電発生機構のために、水分などの環境の影響を受けやすく、顔料粒子の荷電を長期間安定に保持させることがなかなかできないという問題があった。
特開平9−193389号公報 特開2001−139856公報
プリンターの高速化、高画質化への要求が高まるにつれ、上記のような色材濃縮吐出型のインクジェットヘッドにおいても、色材が高濃度に濃縮された微少なインク滴を長期間安定かつ高速に吐出させる事により、より高精細な画像を高速に印字する技術が必要とされている。
このような印字性能はインクの物性値に大きく依存する事が確かめられており、十分な印字性能を得るためには、従来の技術の項で述べたように、インクを作製するにあたっては、好ましくは108Ω・cm以上といった高い体積抵抗率を維持しながら、色材粒子に100pS/cm以上の高い粒子電導度を付与する必要がある。色材粒子の粒子電導度が100pS/cm未満で小さいと、色材粒子を電気泳動により吐出口部すなわち吐出電極先端部へ高速で移動させる事ができず、色材粒子供給が不十分となり、色材粒子の凝集性が悪くなると共に吐出応答周波数が低くなってしまう。
さらに、吐出電極表面と色材粒子との電気的な反発力が弱いため、吐出電極上に色材粒子が付着、堆積する事により安定吐出が出来なくなる場合がある。このような理由により、十分な印字濃度が得られないと共に安定かつ高速な印字が出来ないという問題が生じる。
このため、帯電制御剤として、分散媒に可溶な金属石鹸やイオン性化合物や界面活性剤を加える事により、インク中の色材を十分に帯電させる必要があるが、先に述べたような、体積抵抗率等のインク物性に対する要求を満足しつつ色材粒子に十分に高い粒子電導度を付与する有効な方法はなかなか無く、特に色材粒子の荷電量を長期間に亘り安定に保持する有効な方法がこれまで開示されていないのが実情であった。
本発明者らは、上記のような問題点を解決すべく、油溶性の金属石鹸を用いないインク中の色材粒子の帯電制御方法について検討した結果、本発明に至った。
本発明は上記従来の問題点を解決するものであり、インク中の色材粒子が高い正極性の比伝導度を有する事により、高濃度で滲みが少ないドットを高速で印字することができる色材濃縮吐出型の静電インクジェットヘッド用のインクを提供する事、および色材粒子の荷電量を長期間に亘り安定に保持できるために長期間の安定に印字することができる色材濃縮吐出型静電インクジェットヘッド用インクとそれを用いた静電インクジェット画像形成方法を提供する事を目的とする。
本発明者らは上記の課題を解決するために鋭意研究した結果、下記構成により解決される事が見出された。
(1) 比誘電率1.5〜20及び表面張力15〜60mN/m(25℃において)を有する非水溶媒と、前記非水溶媒に不溶な色材と、前記非水溶媒に可溶な荷電調節剤とを含有する静電型インクジェットインク組成物であって、前記荷電調節剤が下記一般式(Ia)及び(Ib)で示される繰返し単位を含む半マレイン酸アミド共重合体を含有することを特徴とする静電インクジェットインク組成物。
Figure 2004277713
式中、Xは総炭素数10以上の炭化水素基を表わし、Y1及びY2は、同じでも異なってもよく、各々水素原子又はアルキル基を表わす。R1及びR2は、同じでも異なってもよく、各々水素原子、脂肪族基、脂環式炭化水素基、芳香族基又は複素環基を表わす。またR1とR2は炭素原子で閉環されても良く、この環はヘテロ原子を含んでも良い。但し、X、R1及びR2に含まれる炭素数の総和は14以上である。Mは、水素原子、金属原子又は有機塩基のアンモニウム塩あるいは四級塩を表わす。
(2) 比誘電率1.5〜20及び表面張力15〜60mN/m(25℃において)を有する非水溶媒と、前記非水溶媒に不溶な色材と、前記非水溶媒に可溶な荷電調節剤とを含有する静電型インクジェットインク組成物であって、前記荷電調節剤が下記一般式(Ia’)及び(Ib)で示される繰返し単位を含む半マレイン酸アミド共重合体を含有することを特徴とする静電インクジェットインク組成物。
Figure 2004277713
式中、Xは主鎖と原子団Lとを連結する基で−O−、−CH2OCO−、−OCO−又は−COO−を表わし、Lは脂肪族基を表わす。但し、X及びLに含まれる炭素数の総和は12以上である。Y1及びY2は、同じでも異なってもよく、各々水素原子又はアルキル基を表わす。R1及びR2は、同じでも異なってもよく、各々水素原子、脂肪族基、脂環式炭化水素基、芳香族基又は複素環基を表わす。またR1とR2は炭素原子で閉環されても良く、この環はヘテロ原子を含んでも良い。Mは、水素原子、金属原子又は有機塩基のアンモニウム塩あるいは四級塩を表わす。
(3) 比誘電率1.5〜20及び表面張力15〜60mN/m(25℃において)を有する非水溶媒と、前記非水溶媒に不溶な色材と、前記非水溶媒に可溶な荷電調節剤とを含有する静電インクジェットインク組成物であって、前記荷電調節剤が、非水溶媒に可溶となしうる少なくとも1種以上の単量体と無水マレイン酸とを構成単位として有する共重合体と、1級アミノ化合物または1級アミノ化合物および2級アミノ化合物との反応により得られる高分子化合物であり、かつ、半マレイン酸アミド成分とマレインイミド成分とを繰返し単位として有する高分子化合物を含有することを特徴とする静電インクジェットインク組成物。
(4) インク組成物の25℃における体積抵抗率が108Ω・cm以上であり、かつインク組成物中の色材粒子の粒子電導度が100pS/cm以上である事を特徴とする前記(1)〜(3)の何れか1項に記載の静電インクジェットインク組成物。
(5) 比誘電率1.5〜20及び表面張力15〜60mN/m(25℃において)を有する非水溶媒、前記非水溶媒に不溶な色材、および前記非水溶媒に可溶な下記一般式(Ia)及び(Ib)で示される繰返し単位を含む半マレイン酸アミド共重合体を含有する荷電調節剤を含有するインク組成物を、複数の記録電極が配置された記録ヘッドに導入し、前記記録電極に電圧を印加して、前記インクに静電力を作用させて色材粒子が濃縮された形でインク滴を飛翔させて、対向する様に配置された記録媒体上に印字ドットを形成し記録を行う静電インクジェット画像形成方法。
Figure 2004277713
式中、Xは総炭素数10以上の炭化水素基を表わし、Y1及びY2は、同じでも異なってもよく、各々水素原子又はアルキル基を表わす。R1及びR2は、同じでも異なってもよく、各々水素原子、脂肪族基、脂環式炭化水素基、芳香族基又は複素環基を表わす。またR1とR2は炭素原子で閉環されても良く、この環はヘテロ原子を含んでも良い。但し、X、R1及びR2に含まれる炭素数の総和は14以上である。Mは、水素原子、金属原子又は有機塩基のアンモニウム塩あるいは四級塩を表わす。
(6) 比誘電率1.5〜20及び表面張力15〜60mN/m(25℃において)を有する非水溶媒、前記非水溶媒に不溶な色材、および前記非水溶媒に可溶な下記一般式(Ia’)及び(Ib)で示される繰返し単位を含む半マレイン酸アミド共重合体を含有する荷電調節剤を含有するインク組成物を、複数の記録電極が配置された記録ヘッドに導入し、前記記録電極に電圧を印加して、前記インクに静電力を作用させて色材粒子が濃縮された形でインク滴を飛翔させて、対向する様に配置された記録媒体上に印字ドットを形成し記録を行う静電インクジェット画像形成方法。
Figure 2004277713
式中、Xは主鎖と原子団Lとを連結する基で−O−、−CH2OCO−、−OCO−又は−COO−を表わし、Lは脂肪族基を表わす。但し、X及びLに含まれる炭素数の総和は12以上である。Y1及びY2は、同じでも異なってもよく、各々水素原子又はアルキル基を表わす。R1及びR2は、同じでも異なってもよく、各々水素原子、脂肪族基、脂環式炭化水素基、芳香族基又は複素環基を表わす。またR1とR2は炭素原子で閉環されても良く、この環はヘテロ原子を含んでも良い。Mは、水素原子、金属原子又は有機塩基のアンモニウム塩あるいは四級塩を表わす。
(7) 比誘電率1.5〜20及び表面張力15〜60mN/m(25℃において)を有する非水溶媒、前記非水溶媒に不溶な色材、及び前記非水溶媒に可溶な荷電調節剤を有し、前記荷電調節剤が、非水溶媒に可溶となしうる少なくとも1種以上の単量体と無水マレイン酸とを構成単位として有する共重合体と、1級アミノ化合物または1級アミノ化合物および2級アミノ化合物との反応により得られる高分子化合物であり、かつ、半マレイン酸アミド成分とマレインイミド成分とを繰返し単位として有する高分子化合物を含有するインク組成物を、複数の記録電極が配置された記録ヘッドに導入し、前記記録電極に電圧を印加して、前記インクに静電力を作用させて色材粒子が濃縮された形でインク滴を飛翔させて、対向する様に配置された記録媒体上に印字ドットを形成し記録を行う静電インクジェット画像形成方法。
また、本発明の好ましい実施態様は以下のとおりである。
(8)インクを複数の記録電極が配置された記録ヘッドに導入し、前記記録電極に電圧を印加して、前記インクに静電力を作用させて色材粒子が濃縮された形でインク滴を飛翔させて、対向する様に配置された記録媒体上に印字ドットを形成し記録を行う色材濃縮吐出型の静電インクジェットインク組成物において、比誘電率1.5〜20及び表面張力15〜60mN/m(25℃において)を有する非水溶媒、前記非水溶媒に不溶な色材、および前記非水溶媒に可溶な荷電調節剤を有し、前記荷電調節剤が上記一般式(Ia)又は(Ia’)及び(Ib)で示される繰返し単位を含む半マレイン酸アミド共重合体、あるいは、非水溶媒に可溶となしうる少なくとも1種以上の単量体と無水マレイン酸とを構成単位として有する共重合体と、1級アミノ化合物または1級アミノ化合物および2級アミノ化合物との反応により得られる高分子化合物であり、かつ、半マレイン酸アミド成分とマレインイミド成分とを繰返し単位として有する高分子化合物、を含有することを特徴とする静電インクジェットインク組成物。
(9)インク組成物の25℃における体積抵抗率が108Ω・cm以上であり、かつインク組成物中の色材粒子の粒子電導度が100pS/cm以上である事を特徴とする上記(8)記載の静電インクジェットインク組成物。
本発明によれば、色材粒子が高い粒子電導度を有し、高濃度で滲みが少ないドットを高速で安定に印字することができる、色材濃縮吐出型の静電インクジェットヘッド用のインクを実現することができる。なお、色材粒子の荷電量を示す粒子電導度は、インク組成物
の全体の比電導度から、インク組成物を遠心分離器にかけた上澄みの比電導度を差し引いて求めた値である。
非水溶媒中で、非水溶媒に不溶な色材と、非水溶媒に可溶な特定構造の長鎖ビニル−半マレイン酸アミド共重合体からなる荷電調節剤を主成分とする本発明の静電型インクジェットインク組成物により、色材濃縮吐出型の静電インクジェットヘッドにおいて、分散安定性、荷電極性の制御や荷電の経時安定性に優れる静電方式インクジェットプリンタ用油性インク組成物を提供できる。又、高濃度で滲みの少ないドットを高速で安定に印字することができる静電方式インクジェットプリンタ用油性インク組成物を提供できる。
以下に本発明について詳細に述べる。
本発明で使用される比誘電率1.5〜20及び表面張力15〜60mN/m(25℃において)を有する非水溶媒に必要な特性としては、毒性の少ないこと、引火性が少ないこと、臭気が少ないことであり、直鎖状もしくは分岐状の脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素、芳香族炭化水素、石油ナフサ及びこれらのハロゲン置換体等から選ばれた溶媒が挙げられる。例えばヘキサン、オクタン、イソオクタン、デカン、イソデカン、デカリン、ノナン、ドデカン、イソドデカン、エクソン社のアイソパーE、アイソパーG、アイソパーH、アイソパーL、フィリップ石油社のソルトール、出光石油化学社のIPソルベント、石油ナフサではシェル石油化学社のS.B.R.、シェルゾール70、シエルゾール71、モービル石油社のベガゾール等から選ばれた溶媒を単独あるいは混合して用いる。
好ましい炭化水素溶媒としては、沸点が150〜350℃の範囲にある高純度のイソパラフィン系炭化水素が挙げられ、市販品としては前述のエクソン化学製のアイソパーG,H,L,M,V(商品名)、ノーパー12,13,15(商品名)、出光石油化学製のIPソルベント1620,2028(商品名)、日本石油化学製のアイソゾール300,400(商品名)、アムスコOMS、アムスコ460溶剤(アムスコ;スピリッツ社の商品名)等が挙げられる。これらの製品は、極めて純度の高い脂肪族飽和炭化水素であり、25℃における粘度は3cSt以下、25℃における表面張力は22.5〜28.0mN/m、25℃における比抵抗は1010Ω・cm以上である。また、反応性が低く安定であり、低毒性で安全性が高く、臭気も少ないという特徴がある。
ハロゲン置換の炭化水素系溶媒としてはフルオロカーボン系溶媒があり、例えばC716、C818などのCn2n+2で表されるパーフルオロアルカン類(住友3M社製「フロリナートPF5080」、「フローリナートPF5070」(商品名)等)、フッ素系不活性液体(住友3M社製「フロリナートFCシリーズ」(商品名)等)、フルオロカーボン類(デュポンジャパンリミテッド社製「クライトックスGPLシリーズ」(商品名)等)、フロン類(ダイキン工業株式会社製「HCFC−141b 」(商品名)等)、[F(CF2)4CH2CH2I]、[F(CF2)6I]等のヨウ素化フルオロカーボン類(ダイキンファインケミカル研究所製「I−1420」、「I−1600」(商品名)等)等がある。
本発明で使用される非水系の溶媒として、更に高級脂肪酸エステルや、シリコーンオイルも使用できる。シリコーンオイルの具体例としては、低粘度の合成ジメチルポリシロキサンが挙げられ、市販品としては、信越シリコーン製のKF96L(商品名)、東レ・ダウコーニング・シリコーン製のSH200(商品名)等がある。
シリコーンオイルとしてはこれらの具体例に限定されるものではない。ジメチルポリシロキサンは、その分子量により非常に広い粘度範囲のものが入手可能であるが、1〜20cStの範囲のものを用いるのが好ましい。これらのジメチルポリシロキサンは、イソパラフィン系炭化水素同様、1010Ω・cm以上の体積抵抗率を有し、高安定性、高安全性、無臭性といった特徴を有している。またこれらのジメチルポリシロキサンは、表面張力が低いことに特徴があり、18〜21mN/mの表面張力を有している。
これらの有機溶媒とともに、混合して使用できる溶媒としては、アルコール類(例えばメチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコール、フッ化アルコール等)、ケトン類(例えばアセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等)、カルボン酸エステル類(例えば酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル等)、エーテル類(例えばジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等)及びハロゲン化炭化水素類(例えばメチレンジクロリド、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、メチルクロロホルム等)、等の溶媒が挙げられる。
次に、本発明で使用される色材について詳細に述べる。
色材としては、特に限定されるものではなく、一般に市販されているすべての有機顔料及び無機顔料、もくしは顔料を分散媒に不溶性の樹脂等に分散させたもの、あるいは顔料表面に樹脂をグラフト化したもの等を用いる事ができる。また樹脂粒子を染料で染色したもの等も用いる事ができる。
有機顔料及び無機顔料の具体例としては、例えば、イエロー色を呈するものとして、C.I.ピグメントイエロー1(ファストイエローG等),C.I.ピグメントイエロー74の如きモノアゾ顔料、C.I.ピグメントイエロー12(ジスアゾイエローAAA等)、C.I.ピグメントイエロー17の如きジスアゾ顔料、C.I.ピグメントイエロー180の如き非ベンジジン系のアゾ顔料、 C.I.ピグメントイエロー100(タートラジンイエローレーキ等)の如きアゾレーキ顔料、C.I.ピグメントイエロー95(縮合アゾイエローGR等)の如き縮合アゾ顔料、C.I.ピグメントイエロー115(キノリンイエローレーキ等)の如き酸性染料レーキ顔料、C.I.ピグメントイエロー18(チオフラビンレーキ等)の如き塩基性染料レーキ顔料、フラバントロンイエロー(Y−24)の如きアントラキノン系顔料、イソインドリノンイエロー3RLT(Y−110)の如きイソインドリノン顔料、キノフタロンイエロー(Y−138)の如きキノフタロン顔料、イソインドリンイエロー(Y−139)の如きイソインドリン顔料、C.I.ピグメントイエロー153(ニッケルニトロソイエロー等)の如きニトロソ顔料、C.I.ピグメントイエロー117(銅アゾメチンイエロー等)の如き金属錯塩アゾメチン顔料等が挙げられる。
マゼンタ色を呈するものとして、C.I.ビグメントレッド3(トルイジンレッド等)の如きモノアゾ系顔料、C.I.ビグメントレッド38(ピラゾロンレッドB等)の如きジスアゾ顔料、C.I.ビグメントレッド53:1(レーキレッドC等)やC.I.ビグメントレッド57:1(ブリリアントカーミン6B)の如きアゾレーキ顔料、C.I.ビグメントレッド144(縮合アゾレッドBR等)の如き縮合アゾ顔料、C.I.ビグメントレッド174(フロキシンBレーキ等)の如き酸性染料レーキ顔料、C.I.ビグメントレッド81(ローダミン6G’レーキ等)の如き塩基性染料レーキ顔料、C.I.ビグメントレッド177(ジアントラキノニルレッド等)の如きアントラキノン系顔料、C.I.ビグメントレッド88(チオインジゴボルドー等)の如きチオインジゴ顔料、C.I.ビグメントレッド194(ペリノンレッド等)の如きペリノン顔料、C.I.ビグメントレッド149(ペリレンスカーレット等)の如きペリレン顔料、C.I.ビグメントレッド122(キナクリドンマゼンタ等)の如きキナクリドン顔料、C.I.ビグメントレッド180(イソインドリノンレッド2BLT等)の如きイソインドリノン顔料、C.I.ビグメントレッド83(マダーレーキ等)の如きアリザリンレーキ顔料等が挙げられる。
シアン色を呈する顔料として、C.Iピグメントブルー25(ジアニシジンブルー等)の如きジスアゾ系顔料、C.I.ビグメントブルー15(フタロシアニンブルー等)の如
きフタロシアニン顔料、C.I.ビグメントブルー24(ピーコックブルーレーキ等)の如き酸性染料レーキ顔料、C.I.ビグメントブルー1(ビクトリアピュアブルーBOレーキ等)の如き塩基性染料レーキ顔料、C.I.ビグメントブルー60(インダントロンブルー等)の如きアントラキノン系顔料、C.I.ビグメントブルー18(アルカリブルーV−5:1)の如きアルカリブルー顔料等が挙げられる。
ブラック色を呈する顔料として、BK−1(アニリンブラック)の如きアニリンブラック系顔料等の有機顔料や酸化鉄顔料、及びファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック顔料類が挙げられる。カーボンブラック顔料の具体例としては、三菱化学(株)のMA−8,MA−10,MA−11,MA−100,MA−220,#25,#40,#260,#2600,#2700B,#3230B,CF−9,MA−100R、MA−200RBや、デグサ社のプリンテックス75,90、キャボット社のモナーク800,1100などが挙げられる。 また、金、銀、銅などの色再現のために金属粉の応用も考えられる。
その他、ロジンエステル樹脂や塩化ビニル−酢酸ビニル樹脂等に顔料微粒子を分散させた加工顔料が市販されており、これを用いても良い。市販加工顔料の具体例としては、チバスペシャリティケミカルズ社のマイクロリス顔料等が挙げられ、好ましい加工顔料の例としては、ロジンエステル樹脂で顔料を被覆したマイクロリス−T顔料が挙げられる。
本発明のインクにおける、色材の濃度は、インクの総量に対して0.5〜20質量%、特に好ましくは2〜15質量%の範囲であることが好ましい。色材の濃度が0.5質量%以上とすることで、充分な印字濃度が得られる。また、20質量%以下とすることで、インクの粘度が増大することなく、インク吐出が安定に行うことができる。
次に本発明のインク組成物の特徴部分である荷電調節剤について詳しく説明する。
本発明のインク組成物の第一の実施形態において、荷電調節剤は、下記一般式(Ia)及び(Ib)で示される繰返し単位を含む半マレイン酸アミド共重合体を少なくとも1種含有する。
Figure 2004277713
式中、Xは総炭素数10以上の炭化水素基を表わし、Y1及びY2は、同じでも異なってもよく、各々水素原子又はアルキル基を表わす。R1及びR2は、同じでも異なってもよく、各々水素原子、脂肪族基、脂環式炭化水素基、芳香族基又は複素環基を表わす。またR1とR2は炭素原子で閉環されても良く、この環はヘテロ原子を含んでも良い。但し、X、R1及びR2に含まれる炭素数の総和は14以上である。Mは、水素原子、金属原子又は有機塩基のアンモニウム塩あるいは四級塩を表わす。
本発明の第一の実施形態において、半マレイン酸アミド共重合体からなる荷電調節剤は
、特公平6−19596号公報に開示されているように電子写真用液体現像剤の荷電調節剤として既に知られている。しかしながら、特公平6−19596号公報では、酢ビ粒子をニグロシン等で染色した液体現像剤の荷電制御について記述があるものの、本発明の如く荷電極性が種種異なるため荷電制御が困難な顔料からなる色材粒子の荷電制御については記載がない。また、特公平6−19596号公報の実施例1に開示されている電子写真用液体現像剤中の染色ラテックス粒子の粒子電導度は83ps/cmと小さく、このような粒子電導度の小さな粒子を静電型インクジェットプリンターに用いた場合には、インクの吐出電圧を高くしても吐出できず、静電型インクジェット用インクとして全く使用できないものであった。
本発明の第一の実施形態における荷電調節剤は、上記一般式(Ia)及び(Ib)で示される繰返し単位を含む半マレイン酸アミド共重合体を少なくとも1種含有することを特徴とする。
一般式(Ia)においてXは、好ましくは総炭素数10〜30個の置換されてもよいアルキル基(例えば、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、ドコサニル基、10−メトキシカルボニルオクタメチレン基、10−ヘキシルオキシカルボニルオクタメチレン基等);総炭素数10〜32個の置換されてもよいアラルキル基(例えば、4−ブチルフェニルメチル基、4−メトキシカルボニルフェニルエチル基、4−ブトキシカルボニルフェニルメチル基等);総炭素数10〜32個の置換されてもよいシクロアルカン基(例えば、4−ブチルシクロヘキシル基、4−オクチルシクロヘキシル基、4−ドデシルシクロヘキシル基、3,5−ジブチルシクロヘキシル基、3−ヘキシルシクロオクチル基等);又は総炭素数10〜32個の置換されてもよいアリール基(例えば、4−ブチルフェニル基、4−オクチルフェニル基、4−ドデシルフェニル基、4−オクチルオキシフェニル基、4−オクチルオキシカルボニルフェニル基等)等を表わす。
1及びY2は、同じでも異なってもよく、好ましくは水素原子又はメチル基を表わし、より好ましくは、Y1及びY2がともに水素原子、又は、Y1あるいはY2のいずれか一方がメチル基を表わす。
1及びR2は、同じでも異なってもよく、水素原子、総炭素数1〜28の置換されてもよいアルキル基(例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、ドコサニル基、3−メトキシプロピル基、3−クロロプロピル基、2−シアノエチル基等)、総炭素数7〜32の置換されてもよいアラルキル基(例えばベンジル基、フエネチル基、4−クロロベンジル基、4−ブチルベンジル基、4−メトキシベンジル基など)、総炭素数2〜32の置換されてもよいアルケニル基(例えばアリル基、2−ペンテニル基、イソブテレニル基、2−デセニル基、オレイル基等)、総炭素数5〜32の置換されてもよい脂環式炭化水素基(例えばシクロペンチル基、シクロヘキシル基等)、総炭素数6〜32の置換されてもよいアリール基(例えばフェニル基、ナフチル基、2−クロロフェニル基、4−クロロフエニル基、4−メチルフェニル基、4−メトキシフェニル基、4−ブチルフェニル基、4−オクチルフェニル基、4−ブトキシフェニル基等)又は原子数5個以上の置換されてもよい複素環基(例えばフリル基等)を表わす。さらにR1とR2は炭素原子で閉環されてもよく又環内にヘテロ原子を含んでよい(例えばモルホリル基、ピペリジル基等)。
Mは水素原子、アルカリ金属(例えばナトリウム、カリウム、リチウムなど)、アルカリ土類金属(例えばバリウム、カルシウム、アルミニウム、等)、遷移金属(例えば、銅、鉄、チタン、コバルト、スズ等)等の有機カルボン酸と塩を形成し得る金属原子又は、有機塩基(例えばトリメチルアミン、ジメチルアミン、トリエチルアミン、N,N−ジメチルアニリン、ピリジン、モルホリン、等)のアンモニウム塩あるいは四級塩(例えば、テトラメチルアンモニウム、トリメチルドデシルアンモニウム等)を表わす。
一般式(Ia)及び(Ib)で示される成分の組成比は、質量比で10:90〜99.5:0.5が好ましく、70:30−30:70がより好ましい。
本発明の一般式(Ia)及び(Ib)で示される繰り返し単位を含有する共重合体の分子量は1000〜50万であり、好ましくは5000〜5万である。
本発明の第1の実施形態における一般式(Ia)及び一般式(Ib)で示される繰り返し単位を含む半マレイン酸アミド共重合体は、下記一般式(IIa)及び一般式(IIb)で示される繰返し単位を含むマレイン酸無水物共重合体と、アミノ化合物とを反応させることで製造できる。
Figure 2004277713
ここで、一般式(IIa)中のX,Y1,およびY2は、前記一般式(Ia)と同一の記号を表わす。
上記一般式(IIa)及び(IIb)で示される繰り返し単位を含むマレイン酸無水物共重合体は、従来公知の方法に従って製造できる。例えば、小田良平編「近代工業化学、第16巻、高分子工業化学I上」第281頁(朝倉書店刊)、大津等、「Polymer Letters,2、973(1964)、M.M.Martin,J.Org.Chem.27、1201(1962)等に詳細に記載されている。下記にその具体例をいくつか列挙する。
Figure 2004277713
Figure 2004277713
マレイン酸無水物共重合体と反応させるアミノ化合物の好ましい化合物例としては、ブチルアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、デシルアミン、ドデシ
ルアミン、テトラデシルアミン、ヘキサデシルアミン、オクタデシルアミン、ドコサニルアミン、2−エチルヘキシルアミン、3,3−ジメチルペンチルアミン、アリルアミン、ヘキセニルアミン、ドデセニルアミン、テトラデセニルアミン、ヘキサデセニルアミン、オクタデセニルアミン、2−ノニル・2−ブテニルアミン等が挙げられる。
本発明の第1の実施形態において用いられる荷電調節剤は、上記マレイン酸無水物の共重合体と各種アミノ化合物との反応体であり、該化合物は、日本化学会編、「新実験化学構座」14巻、第1145頁、(丸善出版刊)等に記載される如く、通常の低分子化合物のカルボン酸無水物とアミノ化合物との反応における反応条件を適用して合成することができる。
即ち、カルボン酸無水物及びアミノ化合物と反応を生ずることなく、且つ下記反応温度において、両者を溶解しうる有機溶媒中〔例えば炭化水素類(例えばデカン、アイソパーG、アイソパーH、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン等)、ケトン類(メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等)、エーテル類(ジオキサン、T・H・F、アニソール等)、ハロゲン化炭化水素(クロロホルム、ジクロロエチレン、メチルクロロホルム等)、ジメチルホルムアミド又はジメチルスルホキサイド等が挙げられ、単独あるいは混合して使用する〕において、該化合物を混合し、温度20℃〜200℃、好ましくは25℃〜150℃で、1時間〜80時間、好ましくは3〜15時間反応させる。
又、本反応において有機塩基(例えば、トリエチルアミン、ジメチルアニリン、ピリジン、モルホリン等)あるいは無機又は有機酸(例えば硫酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸など)を触媒量用いると反応が促進されることは、低分子化合物の場合と同様である。
本反応により得られる反応体は、高分子中の酸無水物とアミノ化合物との反応による、半マレイン酸アミド体を含有する高分子である。
以下に本発明の第1の実施形態に係る共重合体化合物の具体例を挙げるが、これらに限定されるものではない。
Figure 2004277713
Figure 2004277713
Figure 2004277713

次に、本発明の第2の実施形態における荷電調節剤について詳しく説明する。本発明の第2の実施形態における荷電調節剤は、下記一般式(Ia’)及び(Ib)で示される繰返し単位を含む半マレイン酸アミド共重合体を少なくとも1種含有する。
Figure 2004277713
式(Ia’)中、Xは主鎖と原子団Lとを連結する基で−O−、−CH2OCO−、−OCO−又は−COO−を表わし、Lは脂肪族基を表わす。但し、X及びLに含まれる炭素数の総和は12以上である。Y1及びY2は、同じでも異なってもよく、各々水素原子又はアルキル基を表わす。
本発明の第2の実施形態の半マレイン酸アミド共重合体からなる荷電調節剤は、特公平6−19595号公報に開示されているように電子写真用液体現像剤の荷電調節剤として既に知られている。しかしながら、特公平6−19595号公報では、酢ビ粒子をニグロシン等で染色した液体現像剤の荷電制御について記述があるものの、本発明の如く荷電極性が種種異なるため荷電制御が困難な顔料からなる色材粒子の荷電制御については記載がない。また、特公平6−19595号公報の実施例1に開示されている電子写真用液体現像剤中の染色ラテックス粒子の粒子電導度は85ps/cmと小さく、このような粒子電導度の小さな粒子を静電型インクジェットプリンターに用いた場合には、インクの吐出電圧を高くしても吐出できず、静電型インクジェット用インクとして全く使用できないものであった。
本発明の第2の実施形態の荷電調節剤は、上記一般式(Ia’)及び(Ib)で示される繰返し単位を含む半マレイン酸アミド共重合体を少なくとも1種含有することを特徴とする。
一般式(Ia’)において、Lは好ましくは総炭素数10〜32の置換されてもよい直鎖もしくは分岐のアルキル基(例えば、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデジル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、エイコサニル基、ドコサニル基、10−クロロデシル基、10−(メトキシカルボニル)デシル基、7−クロロペンタデシル基、12−メトキシデシル基等でこれらは分岐してもよい)又は総炭素数10〜32の置換されてもよい直鎖もしくは分岐のアルケニル基(例えば、デセニル基、ウンデセニル基、ドデセニル基、トリデセニル基、テトラデセニル基、ペンタデセニル基、ヘキサデセニル基、オレイル基、リノレイル基、オクタデセニル基、エイコセニル基等でこれらは分岐してもよい)を表わす。
1及びY2は、同じでも異なってもよく、好ましくは水素原子又はメチル基を表わし、より好ましくは、Y1及びY2がともに水素原子、又は、Y1あるいはY2のいずれか一方がメチル基を表わす。
一般式(Ia’)及び(Ib)で示される成分の組成比は、質量比で10:90〜99.5:0.5が好ましく、70:30−30:70がより好ましい。
本発明の第2の実施形態において、一般式(Ia’)及び(Ib)で示される繰り返し単位を含有する共重合体の分子量は1000〜50万であり、好ましくは5000〜5万である。
本発明の特徴である一般式(Ia’)及び一般式(Ib)で示される繰り返し単位を含む半マレイン酸アミド共重合体は、下記一般式(IIa’)及び一般式(IIb)で示される繰返し単位を含むマレイン酸無水物共重合体と、アミノ化合物とを反応させることで製造できる。
Figure 2004277713
ここで、一般式(IIa')中のL,X,Y1及びY2は、各々一般式(Ia’)と同じ記号を表わす。
上記一般式(IIa')及び(IIb)で示される繰り返し単位を含むマレイン酸無水物共重合体もまた、従来公知の方法に従って製造できる。例えば、小田良平編「近代工業化学第16巻、高分子工業化学I上」第281頁(朝倉書店刊)、赤染義一等、高分子化学17(186)、618(1960)、土田英俊等、工業化学雑誌70(4)、566(1967)、J.Brandrup等「PolymerHandbook」2nd Edition等に詳細に記載されている。下記にその具体例をいくつか列挙する。
Figure 2004277713
マレイン酸無水物共重合体と反応させるアミノ化合物の例としては、前記第1の実施形態において記載したものと同じものを挙げることができる。
本発明の第2の実施形態に用いられる荷電調節剤もまた、前記第1の実施形態と同様にして合成することができる。
本反応により得られる反応体は、高分子中の酸無水物とアミノ化合物との反応による、半マレイン酸アミド体を含有する高分子である。
以下に本発明の化合物の具体例を挙げるが、これらに限定されるものではない。
Figure 2004277713
Figure 2004277713
本発明の第3の実施形態における荷電調節剤は、非水溶媒に可溶となしうる少なくとも1種以上の単量体と無水マレイン酸とを構成単位として有する共重合体と、1級アミノ化合物または1級アミノ化合物および2級アミノ化合物との反応により得られる高分子化合物であり、かつ、半マレイン酸アミド成分とマレインイミド成分とを繰返し単位として有する高分子化合物である。
本発明の第3の実施形態における半マレイン酸アミド共重合体からなる荷電調節剤は、特公平6−23865号公報に開示されているように電子写真用液体現像剤の荷電調節剤
として既に知られている。しかしながら、特公平6−23865号公報では、酢酸ビニル粒子をニグロシン等で染色した液体現像剤の荷電制御についての記述があるものの、本発明の如く荷電極性が種種異なるため荷電制御が困難な顔料からなる色材粒子の荷電制御については記載がない。また、特公平6−23865号公報の実施例1に開示されている電子写真用液体現像剤中の染色ラテックス粒子の粒子電導度は81ps/cmと小さく、このような粒子電導度の小さな粒子を静電型インクジェットプリンターに用いた場合には、インクの吐出電圧を高くしても吐出できず、静電型インクジェット用インクとして全く使用できないものであった。
本発明の第3の実施形態における荷電調節剤は、非水溶媒に可溶となしうる少なくとも1種以上の単量体と無水マレイン酸とを構成単位として有する共重合体と、1級アミノ化合物または1級アミノ化合物および2級アミノ化合物との反応により得られる高分子化合物であり、かつ、半マレイン酸アミド成分とマレインイミド成分とを繰返し単位として有する高分子化合物であることを特徴とする。
本発明の第3の実施形態において荷電調節剤として用いる共重合体を構成する非水溶媒に可溶な重合体を形成しうる単量体とは、重合可能なアルケン類、シクロアルケン類、スチレン類、ビニルエーテル類、アリルエーテル類、カルボン酸ビニルエステル類あるいはアリルエステル類、メタクリル酸やアクリル酸等の不飽和カルボン酸のエステル類等である。更に説明すると、単量体は、総炭素数3〜40の置換されてもよいアルケン類(例えば、プロペニレン、ブテン、塩化ビニリデン、ω−フエニル−1−プロペン、アリルアルコール、ヘキセン、オクテン、2−エチルヘキセン、デセン、ドデセン、テトラデセン、ヘキサデセン、オクタデセン、ドコセン、エイコセン、10−ウンデセン酸ヘキシル等)、総炭素数5〜40のシクロアルケン類(例えば、シクロペンテン、シクロヘキセン、ビシクロ〔2,2,1〕−ヘプテン−2、5−シアノビシクロ〔2,2,1〕−ヘプテン−2等)、総炭素数8〜40の置換されてもよいスチレン類(例えばスチレン、4−メチルスチレン、4−nオクチルスチレン、4−ヘキシルオキシスチレン等)、総炭素数1〜40の脂肪族基置換ビニルエーテルあるいは、アリルエーテル類〔脂肪族基として、置換されてもよいアルキル基(例えばメチル基、エチル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、ドコサニル基、クロロエチル基、2−エチルヘキシル基、4−メトキシブチル基、等)、置換されてもよいアラルキル基(例えばベンジル基、フエネチル基等)、置換されてもよいシクロアルキル基(例えばシクロペンチル基、シクロヘキシル基等)又は、置換されてもよいアルケニル基(例えば2−ペンテニル基、4−プロピル−2−ペンテニル基、オレイル基、リノレイル基等)等が挙げられる〕、総炭素数6〜40の芳香族基置換ビニルエーテルあるいはアリルエーテル類〔芳香族基として、例えばフエニル基、4−ブトキシフエニル基、4−オクチルフエニル基等〕、総炭素数2〜40の置換されてもよい脂肪族カルボン酸のビニルエステルあるいはアリルエステル類(例えば酢酸、吉草酸、カプロン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリステン酸、パルミナン酸、ステアリン酸、オレイン酸、ソルビン酸、リノール酸のエステル類等)、総炭素数6以上の芳香族カルボン酸のビニルエステルあるいはアリルエステル類(例えば安息香酸、4−ブチル安息香酸、2,4−ブチル安息香酸、4−ヘキシルオキシ安息香酸のエステル類等)、又はアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、クロトン酸等の不飽和カルボン酸の総炭素数1〜32の置換されてもよい脂肪族基エステル類(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ヘキシル基、デシル基、2−ヒドロキシエチル基、N,N−ジメチルアミノエチル基等)等が挙げられる。
これらの単量体と無水マレイン酸とを構成単位として有する共重合体について、更に具体的に例示するが、以下の化合物例に限定されるものではない。
Figure 2004277713
Figure 2004277713
Figure 2004277713
上述の如き、無水マレイン酸を含む共重合体は、従来公知の方法に従って製造することができる。例えば、小田良平編、「近代工業化学第16巻、高分子工業化学I上」281頁(朝倉書店刊)、J.Brandrup等著、「Polymer Handbook 2nd,Edition,John Wiley & Sons,New York,第2章等の総説引列の公知文献等に詳細に記載されている。
本発明の第3の実施形態において荷電調節剤として使用される化合物は、前記の無水マレイン酸を含む共重合体とアミノ化合物との反応体である。
アミノ化合物としては下記一般式(I)で示される1級アミノ化合物、又は下記一般式(I)で示される1級アミノ化合物及び下記一般式(II)で示される2級アミノ化合物が用
いられる。
一般式(I) R1NH2
一般式(II) R12NH
式中、R1及びR2は脂肪族基、脂環式炭化水素基、芳香族基又は複素環基を表わし、一般式(II)のR1及びR2は同じでも異なってもよい。好ましくは、炭素数1〜32の置換されてもよいアルキル基(例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、ドコサニル基、クロロエチル基、シアノエチル基、4−ブトキシプロピル基、2−エチルヘキシル基、N,N−ブチルアミノプロピル基等)、炭素数3〜32の置換されてもよいアルケニル基(例えばアリル基、2−ペンテニル基、4−プロピル−2−ペンテニル基、デセニル基、オレイル基、リノレイル基等)、炭素数7〜36の置換されてもよいアラルキル基(例えばベンジル基、フエネチル基等)、炭素数5〜32の置換されてもよい脂環式炭化水素基(例えばシクロペンチル基、シクロヘキシル基、ビシクロ〔2,2,1〕−ヘプチル基、シクロヘキセニル基等)、炭素数6〜38の置換されてもよいアリール基(例えばフエニル基、トリル基、4−ブチルフエニル基、4−デシルフエニル基、4−ブトキシフエニル基、等)又は、原子数5以上の複素環基(例えば、フリル基、チエニル基等)を表わす。一般式(II)の場合、R1とR2は、炭素原子で閉環されてもよく又環内にヘテロ原子を含んでよい(例えばモルホリル基など)。
本発明の第3の実施形態に用いられる好ましいアミノ化合物の具体的例としては、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、デシルアミン、ドデシルアミン、テトラデシルアミン、ヘキサデシルアミン、ステアリルアミン、ドコサニルアミン、2−エチルヘキシルアミン、3,3−ジメチルペンチルアミン、アリルアミン、ヘキセニルアミン、ドデセニルアミン、テトラデセニルアミン、ヘキサデセニルアミン、オクタデセニルアミン、2−ノニル−2−ブテニルアミン、アリルアミン、シクロヘキシルアミン、ベンジルアミン、4−n−オクチルアニリン等が挙げられる。
本発明の第3の実施形態において荷電調節剤として使用される、単量体と無水マレイン酸とを構成単位として有する共重合体とアミノ化合物との反応体である高分子化合物は、半マレイン酸アミド成分及びマレインイミド成分を含むことを特徴とするが、本発明の化合物は、高分子化合物中のマレイン酸無水物成分と一級アミノ化合物との高分子反応で半マレイン酸アミド共重合体とし、更に脱水閉環反応を行なうことで半マレイン酸アミド成分の一部をマレインイミド成分に変えることによって容易に製造することができる。
即ち、カルボン酸無水物及びアミノ化合物との反応を生ずることなく、且つ下記反応温度において両者を溶解しうる有機溶媒中〔例えば、炭化水素類(例えば、デカン、アイソパ−G、アイソパ−H、シエルゾル71、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン等)、ケトン類(例えばメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等)、エーテル類(例えばジオキサン、テトラヒドロフラン、アニソール等)、ハロゲン化炭化水素(クロロホルム、ジクロロエチレン、メチルクロロホルム等)、ジメチルホルムアミド又はジメチルスルホキサイド等が挙げられ、単独あるいは混合して使用する〕において、該化合物を混合し、温度60℃〜200℃、好ましくは100℃〜180℃で、1時間〜80時間、好ましくは3〜15時間反応させる。又、本反応において、有機塩基(例えば、トリエチルアミン、ジメチルアニリン、ピリジン、モルホリン等)あるいは無機又は有機酸(例えば硫酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸など)を触媒量用いると反応が促進される。あるいは、通常の脱水剤(例えば、五酸化リン、ジシクロカルボキシジイミド等)を併用してもよい。
上記反応により得られる反応体は、上述の如く、高分子化合物中に、半マレイン酸アミド体とマレインイミド体とを含有する高分子化合物であるが、半マレイン酸アミド体とマ
レインイミド体との含有量は質量比で10:90から90:10であり、好ましくは30:70から70:30である。また高分子化合物を構成する、非水溶媒に可溶な重合体を形成しうる単量体部分と無水マレイン酸部分とは質量比で10:90から99.5:0.5であり、好ましくは70:30から30:70である。高分子化合物の分子量は1000から50万であり、好ましくは5000から5万である。
本発明における荷電調節剤の濃度は、インクの総量に対して0.0001〜2.0質量%の範囲であることが好ましい。荷電調節剤の濃度が0.0001質量%以上とすることで、色材粒子に高い粒子電導度を付与する効果が得られ、また2.0質量%以下とすることで充分な印字濃度が得られる。
本発明のインク組成物における基本的な構成成分は以上のような物であるが、このほかに色材と混合して分散を向上させるため、あるいは色材の定着性を向上させるために樹脂、顔料分散剤、界面活性剤、各種添加剤等を適宜加えても良い。
顔料を分散媒に不溶性の樹脂等に分散させる場合のバインダー樹脂としては、種々公知の天然もしくは合成樹脂を用いることが出来るが、例えばアクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、エチレン−酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル樹脂、スチレン−ブタジエン樹脂、スチレン−アクリル樹脂等がある。これらの樹脂に顔料を分散させる手法としては、電子写真用トナーの製造プロセスに見られるような、種々公知の方法を用いれば良い。その他、ロジンエステル樹脂や塩化ビニル−酢酸ビニル樹脂等に顔料微粒子を分散させた加工顔料が市販されており、これを用いても良い。市販加工顔料の具体例としては、チバスペシャリティケミカルズ社のマイクロリス顔料等が挙げられ、好ましい加工顔料の例としては、ロジンエステル樹脂で顔料を被覆したマイクロリス−T顔料が挙げられる。
好ましい樹脂としては、顔料を分散媒に不溶性の樹脂等に分散させたものに吸着し、且つ非水系溶媒中に良く分散する機能を有するために、溶媒に溶媒和する部分と溶媒に溶媒和しにくい部分及び極性基を有する部分を持っている樹脂が好ましい。例えば、重合後に溶媒に溶媒和するモノマーとしては、ラウリルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、セチルメタクリレート等が挙げられる。重合後に溶媒に溶媒和しにくいモノマーとしては、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、スチレン、ビニルトルエン等が挙げられる。極性基を含むモノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸、スチレンスルホン酸またはそのアルカリ塩などの酸性基モノマーと、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート、ビニルピリジン、ビニルピロリジン、ビニルピペリジン、ビニルラクタムなどの塩基性基モノマーが挙げられる。
顔料とバインダー樹脂の使用量は、顔料1質量部に対して、バインダー樹脂0.3〜10質量部用いられる。好ましくは、顔料1質量部に対して、バインダー樹脂は0.4〜7質量部用いられる。より好ましくは、顔料1質量部に対して、バインダー樹脂は0.5〜5質量部用いられる。顔料に対してバインダー樹脂の使用量が0.3質量部以上とすることで混練時の顔料分散効果が得られる。また、顔料に対してバインダー樹脂の使用量が10質量部以下とすることで、インク組成物中の顔料濃度が大きく低下せず必要な画像濃度が得られる。
色材を非水溶媒中で分散する顔料分散剤としては、該非水溶媒中で適用される一般の顔料分散剤が使用できる。顔料分散剤としては前記非極性の絶縁性溶媒に相溶し、安定的に顔料を微粒子分散できるものであれば良い。顔料分散剤の具体例としては、ソルビタン脂肪酸エステル(ソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンセス
キオレエート、ソルビタントリオレエート等)、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート等)、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル(ポリオキシエチレングリコールモノステアレート、ポリエチレングリコールジイソステアレート等)、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル(ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル等)、脂肪族ジエタノールアミド系などのノニオン系界面活性剤、及び高分子系分散剤としては、分子量1000以上の高分子化合物が良く、例えば、スチレン−マレイン酸樹脂、スチレン−アクリル樹脂、ロジン、BYK−160、162、164、182(ビックケミー社製のウレタン系高分子化合物)、EFKA−47、LP−4050(EFKA社製のウレタン系分散剤)、ソルスパーズ24000(ゼネカ社製のポリエステル系高分子化合物)、ソルスパース17000(ゼネカ社の脂肪族ジエタノールアミド系)等が挙げられる。
高分子系顔料分散剤としては上記の他に更に、溶媒に溶媒和するラウリルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、セチルメタクリレート等のモノマーと、溶媒に溶媒和しにくいメチルメタクリレート、エチルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、スチレン、ビニルトルエン等のモノマー及び極性基を有する部分からなるランダム共重合体、あるいは特開平3−188469号公報に開示されているグラフト共重合体が挙げられる。上述の極性基を含むモノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸、スチレンスルホン酸またはそのアルカリ塩などの酸性基モノマーと、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート、ビニルピリジン、ビニルピロリジン、ビニルピペリジン、ビニルラクタムなどの塩基性基モノマーが挙げられる。また、この他にはスチレン―ブタジエン共重合体、特開昭60−10263号公報に開示されているスチレンと長鎖アルキルメタクリレートのブロック共重合体等が挙げられる。
好ましい顔料用分散剤としては、特開平3−188469号公報に開示されているグラフト共重合体等が挙げられる。
顔料分散剤の使用量は、顔料100質量部に対して、0.1〜300質量部が好ましい。顔料分散剤の添加量が上記範囲内であれば良好な顔料分散効果が得られる。
本発明のインク組成物には、所望により各種添加剤を加えてもよい。インクジェット方式あるいはインクジェット吐出ヘッド、インク供給部、インク循環部の材質・構造等によって、任意に選択されインク組成物として含有される。例えば、甘利武司監修「インクジェットプリンタ−技術と材料」第17章、(株)シーエムシー刊(1998年)等に記載されている添加剤が使用される。
具体的には、脂肪酸類(例えば、炭素数6〜32のモノカルボン酸、多塩基酸;例えば、2−エチルヘキシン酸、ドデセニルコハク酸、ブチルコハク酸、2−エチルカプロン酸、ラウリル酸、パルミチン酸、エライジン酸、リノレイン酸、リシノール酸、オレイン酸、ステアリン酸、エナント酸、ナフテン酸、エチレンジアミン四酢酸、アビエチン酸、デヒドロアビエチン酸、水添ロジン等)、樹脂酸、アルキルフタル酸、アルキルサリチル酸等の金属塩(金属イオンの金属としては、Na、K、Li、B、Al、Ti、Ca、Pb、Mn、Co、Zn、Mg、Ce、Ag、Zr、Cu、Fe、Ba等)、界面活性化合物類(例えば、有機リン酸又はその塩類として、炭素数3〜18のアルキル基から成るモノ、ジ又はトリアルキルリン酸等、有機スルホン酸又はその塩類として、長鎖脂肪族スルホン酸、長鎖アルキルベンゼンスルホン酸、ジアルキルスルホコハク酸等又はその金属塩、両性界面活性化合物として、レシチン、ケファリン等のリン脂質等が挙げられる)、フッ素原子及び/又はジアルキルシロキサン結合基を含有するアルキル基含有の界面活性剤類、脂肪族アルコール類(例えば、炭素数9〜20の分岐状アルキル基から成る高級アルコール類、ベンジルアルコール、フェネチルアルコール、シクロヘキシルアルコール等)、多価アルコール類{例えば、炭素数2〜18のアルキレングリコール(エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、ドデカンジオールなど)};炭素数4〜1000のアルキレンエーテルグリコール(ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリ
プロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコールなど);炭素数5〜18の脂環式ジオール(1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールAなど);炭素数12〜23のビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールSなど)の炭素数2〜18のアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、α−オレフィンオキサイドなど)付加物、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール等のポリオール類;3価〜8価またはそれ以上のフェノール類(トリスフェノールPA、フェノールノボラック、クレゾールノボラックなど);上記3価以上のポリフェノール類の炭素数2〜18のアルキレンオキサイド付加物(付加モル数は2〜20)、上記多価アルコールのエーテル誘導体(ポリグリコールアルキルエーテル類、アルキルアリールポリグリコールエーテル等)、多価アルコールの脂肪酸エステル誘導体、多価アルコールのエーテルオレート誘導体(例えば、エチレングリコールモノエチルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルアセテート、プロピレングリコールモノブチルプロピオレート、ソルビタンモノメチルジオキサノレート等)、アルキルナフタレンスルホネート、アルキルアリールスルホネート等の化合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
各種添加剤の使用量は、インク組成物の表面張力が15〜60mN/m(25℃において)及び粘度が1.0〜40cPの範囲となるように調整して用いることが好ましい。
次に、インクの作製方法について説明する。インクの作製には、各種顔料インクの作製方法として公知である一般的な手法を用いることが出来る。例えば、所定の配合比になるように秤量した色材、樹脂、本発明の特徴である荷電調節剤、その他の補助添加剤を適当な粘度範囲になるように分散媒と混合した物を、ビーズミル、アトライター、ボールミル等の分散機を用いて、数時間から数十時間程度混合粉砕する事により、数十nm〜数μm程度の色材が分散されたインクの濃縮液を作製した後、使用する際の所定濃度まで分散媒で希釈し、インク組成物の表面張力が15〜60mN/m及び粘度が1.0〜40cPのインクを作製する方法がある。また、色材、樹脂、補助添加剤を混合して、樹脂の軟化点以上の温度でロールミル、バンバリミキサー、ニーダー等の混練機を用いて溶融混練し、冷却後に粉砕した後に、上記と同様に分散し、希釈した後に、本発明の特徴である荷電調節剤を加える方法もある。いずれの方法を用いても同様の効果が得られる。
インク組成物中の、樹脂で被覆された色材粒子の平均粒径は、吐出性能と色材粒子の沈降防止との兼ね合いから、0.1〜4μm程度が好ましく、更に好ましくは0.3〜2μmの範囲である。
以下の実施例で、本発明の荷電調節剤を用いたインク組成物が静電型インクジェット記録装置用のインクとして有用な事を示す。静電型インクジェットプリンタとしては、色材粒子を用いたインクを使用するものであれば、特に方式に限定されずに適用できる。好ましい例としては、色材濃縮吐出型の静電インクジェットプリンタが挙げられる。
色材濃縮吐出型の静電インクジェットプリンタについて更に説明する。
図1及び図2は吐出ヘッドの例を説明する概略図で、図1はライン走査型マルチチャンネルインクジェットヘッドの構成を示す図で、記録ドットに対応した吐出電極の断面を示している。同図においてインク100はポンプを含む循環機構111から、ヘッドブロック101に接続されたインク供給流路112を通して、ヘッド基板102と吐出電極基板103間に供給され、同じくヘッドブロック101に形成されたインク回収流路113を
通してインク循環機構111に回収される。この吐出電極基板103は、貫通孔107を有する絶縁性基板104と、この貫通孔107の周囲で記録媒体側に形成されている吐出電極109とから構成されている。一方ヘッド基板102上には凸状インクガイド108が前記貫通孔107の略中心位置に配置されている。この凸状インクガイド108はプラスチック樹脂、セラミックスなど絶縁性部材からなり、前記貫通孔107と中心が等しくなるように同じ列間隔、ピッチで配置され、所定の方法でヘッド基板102上に保持されている。各凸状インクガイド108は厚みが一定の平板の先端を三角形あるいは台形状に切り出した形状で、その先端部がインク滴飛翔位置110となる。各凸状インクガイド108はその先端部からスリット状の溝を形成しても良く、そのスリットの毛細管現象により、インク飛翔位置110へのインク供給がスムースに行われ、記録周波数を向上することが出来る。またインクガイドの任意の表面は必要に応じて導電性を有していても良く、その場合には導電部分は電気的に浮遊状態とする事によって、吐出電極への少ない電圧印加で有効にインク飛翔位置に電界を形成できる。各凸状インクガイド108は、それぞれの貫通孔からほぼ垂直に所定の距離だけインク滴飛翔方向に突きだしている。凸状インクガイド108の先端に対向して記録紙である記録媒体121が配置され、この記録媒体121のヘッド基板102と反対側の背面に、記録媒体121を案内するプラテンの役割を兼ねる対向電極122が配置されている。また、ヘッド基板102と吐出電極基板103間によって形成される空間の底部には泳動電極140が形成されており、これに所定の電圧を印加する事により、インクガイドの吐出位置方向にインク中の荷電粒子を電気泳動させ、吐出の応答性を上げることが出来る。
次に、吐出電極基板103の具体的構成例について図2を用いて説明する。図2は、吐出電極基板103を記録媒体121側から見た図で、複数個の吐出電極が主走査方向に二列でアレイ状に配列されて、各吐出電極の中心に貫通孔107が形成され、この貫通孔107の周辺にはそれぞれ個別の吐出電極109が形成されている。本実施例では吐出電極109の内径は貫通孔107の径より一回り大きく設けられているが、貫通孔107の径と同径でも良い。ここでは、絶縁性基板104は25から200μm程度の厚さのポリイミドからなり、吐出電極109は10から100μm程度の厚さの銅箔からなり、貫通孔107の内径は150から250μmΦ程度である。
次に、静電方式のインクジェット記録装置の記録動作を説明する。ここでは正荷電した色材を含むインクを用いた場合を例にとって説明するが、本発明は本例に限定される物ではない。記録時には、インク循環機構111からインク供給流路112を経て供給されたインク100は貫通孔107から凸状インクガイド108の先端のインク滴飛翔位置110に供給されると共に、一部はインク回収流路113を経てインク循環機構111に回収される。ここで、吐出電極109にはバイアス電圧源123から常時バイアスとして例えば+1.5kVの電圧が与えられ、これに信号電圧源124からの画像信号に応じた信号電圧として例えばON時に+500Vのパルス電圧が吐出電極109に重畳される。
またこの際、泳動電極140は+1.8kVの電圧が印加されている。一方、記録媒体121の背面に設けられた対向電極122は、図のように接地電圧0Vに設定されている。場合によっては記録媒体121側を例えば−1.5kVに帯電させてバイアス電圧としても良い。この場合には、対向電極122表面に絶縁層を設け、記録媒体にコロナチャージャー、スコロトロンチャージャー、固体イオン発生器等により帯電を行い、かつ吐出電極109は例えば接地され、これに信号電圧源124からの画像信号に応じた信号電圧として例えばON時に+500Vのパルス電圧が吐出電極109に重畳される。またこの際、泳動電極140は+200Vの電圧が印加される。今、吐出電極109がON状態(500Vが印加された状態)となり、バイアスDC1.5kVに500Vのパルス電圧が重畳された合計2kVの電圧が加わると、凸状インクガイド108先端のインク滴飛翔位置110から、インク滴115が飛び出し、対向電極122方向に引っ張られて、該記録媒体121に向けて飛翔して画像を形成する。
なお、飛翔後のインク液滴の飛翔を精密制御し記録媒体上での着弾精度を向上するため、吐出電極と記録媒体間に中間電極を設ける、あるいは吐出電極間に電界干渉抑制用のガード電極を設ける、等の手段がしばしば講じられるが、本実施例においても必要により好適に使用されることはもちろんである。また、ヘッド基板102と吐出電極基板103間に多孔質体を設けても良く、この場合にはインクジェットヘッドの移動等によるインク内圧の変化の影響を防止できると共にインク滴吐出後の貫通孔107部へのインク液供給が迅速に達成される。したがって、インク滴115の飛翔が安定化され、記録媒体121上に濃度の安定した良好な画像を高速に記録することができる。
以下に本発明の実施例を例示するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
〔含マレイン酸無水物共重合体(中間体)の合成〕
中間体製造例1:中間体例示化合物(1−2)
無水マレイン酸98g、1−ドデセン252g及びトルエン816gの混合物を、窒素雰囲気下撹拌しながら温度85℃に加温した。その温度で、開始剤:過酸化ベンゾイル6.0gを添加して3時間撹拌し更に過酸化ベンゾイル6.0gを添加して4時間撹拌した。得られたポリマー溶液の固形分は22.5%であった。
中間体製造例2:中間体例示化合物(1−4)
無水マレイン酸49g、1−ヘキサデセン152g、トルエン494gの混合物を窒素雰囲気下撹拌しながら温度90℃に加温した。その温度で、過酸化ベンゾイル3.50gを添加し3時間撹拌し、更に過酸化ベンゾイル3.5gを添加して4時間撹拌した。得られたポリマー溶液の固形分は24.8%であった。
中間体製造例3:中間体例示化合物(1−5)
無水マレイン酸98g、1−オクタデセン378g、及びトルエン1850gの混合物を、窒素雰囲気下撹拌しながら温度90℃に加温した。その温度で、過酸化ベンゾイル7.0gを添加して3時間撹拌し後過酸化ベンゾイル7.0gを添加して5時間撹拌した。得られたポリマー溶液の固形分は14.8%であった。
〔含半マレイン酸アミド共重合体(本発明化合物)の合成〕
化合物製造例1:本発明例示化合物(1’−2)
中間体製造例1で得たポリマー溶液100g、n−オクタデシルアミン23.2g及びピリジン2gの混合物を温度70℃で8時間撹拌した。冷却後この反応液をメタノール800ml中に撹拌しながら15分間で加え、そのままさらに1時間撹拌した。沈殿した個体を濾集・減圧乾燥して淡白黄色固体37gを得た。高速液体クロマトグラフ法で測定した分子量は、11000であった。
化合物製造例2:本発明例示化合物(1’−6)
中間体製造例2で得たポリマー溶液100g、N−メチル−n−オクタデシルアミン25g及びN,N−ジメチルアニリン1.8g及びトルエン25gの混合物を温度100℃で15時間撹拌した。冷却後、メタノール1L中に撹拌しながら15分間で加え、そのままさらに1時間撹拌した。析出した固体を濾集し減圧乾燥して、淡白黄色の固体35gを得た。高速液体クロマトグラフ法で測定した分子量は、11000であった。
化合物製造例3:本発明例示化合物(1’−9)
中間体製造例3で得たポリマー溶液100g、n−ブチルアミン3.1g及びピリジン0,5gの混合物を温度50℃で50時間撹拌した。冷却後、この溶液をメタノール800ml中に撹拌しながら15分間で加え、そのままさらに1時間撹拌した。析出した固体を濾集し減圧乾燥して、淡白黄色の固体15gを得た。高速液体クロマトグラフ法で測定した分子量は7500であった。
化合物製造例4:本発明例示化合物(1’−10)
中間体製造例3で得たポリマー溶液100g、n−オクタデシルアミン10.2g及びピリジン2gの混合物を温度70℃で10時間撹拌した。冷却後、この溶液をメタノール1L中に撹拌しながら、15分間で加えそのまま1時間撹拌した。析出した固体を濾集し、減圧乾燥して淡白黄色の固体21gを得た。高速液体クロマトグラフ法で測定した分子量は7500であった。
〔実施例1〕
<インク組成物(IJ−1)の作製>
青色顔料としてリオノールブルーFG−7350(Pigment Blue15:3東洋インキ社製)100質量部、樹脂としてスチレン/ビニルトルエン/ラウリルメタクリレート/トリメチルアンモニウムエチルメタクリレート(陰イオン、p−トルエンスルホン酸)共重合体(47/47/1/5モル比)200質量部をトリオブレンダーで予備粉砕しよく混合した後に、100℃に加熱した卓上型ニーダーPBV(入江商会社製)で溶融混練(120分)した。上記の顔料混練物をピンミルで粉砕した。次に顔料混練物20質量部、アイソパーG130質量部、下記構造の顔料分散剤D−1をアイソパーGに加熱溶解して調液した20wt%溶液を50質量部、及び3G−Xガラスビーズ400質量部とともにペイントシェイカー(東洋精機KK)で120分間混合した。分散液中の顔料樹脂粒子の体積平均粒径を、超遠心式自動粒度分布測定装置CAPA700(堀場製作所)にて測定した所、0.45μmであった。
Figure 2004277713
ガラスビーズをろ過により除去した上記顔料樹脂粒子分散液を、アイソパーGで顔料樹脂粒子成分が3.5%になる様に希釈した。次いで荷電調節剤として、本発明の例示化合物(1’−2)を 0.002wt%になる様に添加してインク組成物(IJ−1)を調液した。得られたインク組成物の粘度は1.4cP(E型粘度計、温度25℃で測定)、表面張力は23mN/m(協和界面科学社製の自動表面張力計、温度25℃で測定)であった。また、インク組成物の荷電量は、LCRメーター(安藤電気(株)社製AG−4311)及び液体用電極(川口電機製作所(株)社製LP−05型)を使用し、印加電圧5V、周波数lkHzの条件で測定した比電導度より求めた。顔料樹脂粒子の粒子電導度は、インク組成物の全体の比電導度から、インク組成物を遠心分離器にかけた上澄みの比電導度を差し引いて求めた。また遠心分離は、小型高速冷却遠心機(トミー精工(株)社製SRX−201)を使用し、回転速度14500rpm、温度23°Cの条件で30分間行った。インク組成物(IJ−1)は全体の比電導度が536pS/cmを示し、また明瞭な正荷電性を示した青色樹脂粒子は、その粒子電導度が477pS/cmを示しインク組成物の荷電量の8割以上が顔料樹脂粒子についていた。また、45℃、一週間強制経時後のインク組成物の比電導度及び顔料樹脂粒子の粒子電導度はそれぞれ510pS/cm、463pS/cmであり、荷電量の変化が殆ど無く極めて安定している事が判った。
<画像描画性>
インクジェット装置として、図1に示すヘッド構造の100dpi 64チャンネルの静電式インクジェットヘッドを使用し、インク組成物(IJ−1)をインクタンクに充填した。エアーポンプ吸引により記録媒体であるコート記録紙表面の埃除去を行った後、吐出ヘッドを描画位置までコート記録紙に近づけ、描画解像度600dpiでインクを吐出し描画した。この際、パルス電圧を調節してドット径15μmから60μmの範囲で16段階でドット面積を変化させながら描画した。描画画像は滲みのない均一なドットで安定に印字されていて、満足し得る濃度の良質の明瞭な画像を与えた。インクヘッドからの吐出安定性も良好で、詰まりを生じる事が無く、長期間の連続画像描画でも安定したドット形状の印字ができた。
更に、45℃、一週間の強制経時後のインク組成物を用いて同様に描画したところ、描画画像は滲みのない均一なドットで満足し得る濃度の良質の明瞭な画像を与え、また吐出安定性も良好で、長期間の連続画像描画でも安定したドット形状の印字ができた。
〔比較例1および2〕
<比較用インク組成物(IJR−1)及び(IJR−2)の作製>
実施例1において、顔料樹脂粒子分散液をアイソパーGで顔料樹脂粒子成分が3.5%になる様に希釈し、荷電調節剤として本発明の例示化合物(1’−2)の代わりに、金属石鹸のナフテン酸ジルコニウム(日本化学産業(株)製)を金属含量が0.001wt%になる様に添加した他は、実施例1と全く同様にして比較用インク組成物(IJR−1)を調液した。また、金属石鹸のオクチル酸マンガンを0.004wt%になる様に添加した他は、実施例1と全く同様にして比較用インク組成物(IJR−2)を調液した。比較用インク組成物(IJR−1)、(IJR−2)の粘度はどちらも1.4cP、表面張力も23mN/mであった。比較用インク組成物(IJR−1)、(IJR−2)の全体比電導度はそれぞれ735pS/cm、667pS/cmを示し、青色樹脂粒子の粒子電導度はそれぞれ551pS/cm、501pS/cmを示した。45℃、一週間強制経時後の比較用インク組成物(IJR−1)、(IJR−2)の全体比電導度はそれぞれ445pS/cm、340pS/cmを示し、青色樹脂粒子の粒子電導度はそれぞれ309pS/cm、221pS/cmと初期の荷電量に比べ六割以下に低下し荷電量変化が大きい事が判った。
次に、比較用インク組成物(IJR−1)、(IJR−2)を用いて実施例1と同様に静電式インクジェット描画した所、描画画像は滲みのない満足し得る濃度の良質の明瞭な画像を与えた。しかしながら、45℃、一週間の強制経時後の比較用インク組成物(IJR−1)、(IJR−2)を用いて同様に描画したところ、いづれも描画画像は滲みがひどく画像濃度も低いものであった。また、吐出不良が発生したために、画像欠落が見られ満足する画像が得られなかった。
〔実施例2〜6〕
<インク組成物(IJ−2)〜(IJ−6)の作製>
実施例1において、顔料樹脂粒子分散液をアイソパーGで顔料樹脂粒子成分が3.5%になる様に希釈し、荷電調節剤として本発明の例示化合物(1’−2)の代わりに、表Aの化合物を添加した他は、実施例1と全く同様にしてインク組成物(IJ−2)〜(IJ−6)を調液した。
インク組成物(IJ−2)〜(IJ−6)の青色樹脂粒子の粒子電導度及びその印字評価を表Aに示す。また、45℃、一週間強制経時後のインク組成物(IJ−2)〜(IJ−6)の青色樹脂粒子それぞれの粒子電導度と印字評価を表Aに示す。
Figure 2004277713
〔実施例7〕
<インク組成物(IJ−7)の作製>
青色顔料としてリオノールブルーFG−7350(Pigment Blue15:3東洋インキ社製)100質量部、樹脂としてエチレン・メタクリル酸共重合体であるニユクレルN−699(三井・デュポンポリケミカル製)のオクタデシルエステル化体(エチレンユニット/オクタデシルメタクリレートユニット=96.4/3.6モル比)200質量部、アイソパーG300質量部の組成物を、TKロスダブルプラネタリーミキサー130LDM型(特殊機化(株)製)に仕込み95℃で1時間、50rpmの回転数で攪拌し混練した。 更にこの条件でアイソパーG600質量部を2時間にわたり分割添加し混練を継続させた。
次にこの混練物をステンレスバットに放出し、室温まで冷却し、スポンジ状の混練物を得た。
この混練物100質量部とアイソパーG600質量部を直径4mmのガラスビーズをメジアとするペイントシエーカー(東洋精機(株)製)に仕込み20分間予備分散を行った。 この予備混練物を直径約0.75〜1mmのガラスビーズをメジアとするダイノミルKDL型(シンマルエンタープライゼス(株)製)を用い3000rpmで6時間湿式分散し濃厚な分散物を得た。
次にアイソパーGで顔料樹脂粒子成分が3.5%になる様に希釈し、荷電調節剤として本発明の例示化合物(1’−2)を0.11wt%添加した他は、実施例1と全く同様にしてインク組成物(IJ−7)を調液した。インク組成物中の顔料樹脂粒子の体積平均粒径は0.43μmであった。
得られたインク組成物(IJ−7)の粘度は1.4cP、表面張力は23mN/m、全体の比伝導度は620pS/cmで、青色樹脂粒子の比電導度が581pS/cmであった。インク組成物の荷電量の九割以上が顔料樹脂粒子についていて且つ明瞭な正荷電性を示した。
45℃、一週間強制経時後のインク組成物の比電導度及び顔料樹脂粒子の粒子電導度はそれぞれ593pS/cm、557pS/cmであり、荷電量の変化が殆ど無く極めて安定している事が判った。
インク組成物(IJ−7)を用いて実施例1と同様に静電式インクジェット描画した所、描画画像は滲みのない均一なドットで満足し得る濃度の良質の明瞭な画像を与え、また吐出安定性も良好で、長期間の連続画像描画でも安定したドット形状の印字ができた。 また、45℃、一週間強制経時後の描画画像もサーモ強制経時前と同様に、滲みのない満足し得る濃度の良質の明瞭な画像を与えた。
〔比較例3〕
<比較用インク組成物(IJR−3)の作製>
実施例1において、顔料樹脂粒子分散液をアイソパーGで顔料樹脂粒子成分が3.5%になる様に希釈し、荷電調節剤として本発明の例示化合物(1’−2)の代わりに、金属石鹸のナフテン酸ジルコニウム(日本化学産業(株)製)を金属含量が0.08wt%になる様に添加した他は、実施例1と全く同様にして比較用インク組成物(IJR−3)を調液した。比較用インク組成物(IJR−3)の粘度は1.4cP、表面張力は23dyne/cmであった。比較用インク組成物(IJR−3)のインク組成物全体の比電導度は718pS/cmを示し、青色樹脂粒子の粒子電導度は531pS/cmを示した。45℃、一週間強制経時後の比較用インク組成物(IJR−3)の全体比電導度、青色樹脂粒子の粒子電導度はそれぞれ435pS/cm、312pS/cmと初期の荷電量に比べ大きく低下し荷電量変化が大きい事が判った。
次に、比較用インク組成物(IJR−3)を用いて実施例1と同様に静電式インクジェット描画した所、描画画像は滲みのない満足し得る濃度の良質の明瞭な画像を与えた。しかしながら、45℃、一週間の強制経時後の比較用インク組成物(IJR−3)を用いて同様に描画したところ、いづれも描画画像は滲みがひどく画像濃度も低いものであった。また、吐出不良が発生したために、画像欠落が見られ満足する画像が得られなかった。
〔実施例8〜11〕
<インク組成物(IJ−8)〜(IJ−11)の作製>
実施例1において、顔料樹脂粒子分散液をアイソパーGで顔料樹脂粒子成分が3.5%になる様に希釈し、荷電調節剤として本発明の例示化合物(1’−2)の代わりに、表Bの化合物を添加した他は、実施例1と全く同様にしてインク組成物(IJ−8)〜(IJ−11)を調液した。
インク組成物物(IJ−8)〜(IJ−11)の青色樹脂粒子の粒子電導度及びその印字評価を表Bに示す。また、45℃、一週間強制経時後のインク組成物物(IJ−8)〜(IJ−11)の青色樹脂粒子それぞれの粒子電導度と印字評価を表Bに示す。
Figure 2004277713
〔含マレイン酸無水物共重合体(中間体)の合成〕
中間体製造例3:中間体例示化合物(2−3)
無水マレイン酸49g、ドデシルビニルエーテル117g及びメチルエチルケトン620gの混合物を窒素雰囲気下撹拌しながら温度70℃に加温した。2,2′−アゾビス(ブチロニトリル)1.5gを添加し、3時間撹拌した。その後、更に2,2′−アゾビス(ブチロニトリル)1.5gを添加し、温度80℃に上げて4時間撹拌した。冷却後アセトニトリル3.5L中にこの反応液を撹拌しながら15分間で加え、そのまま1時間撹拌した。析出した固体を集し減圧乾燥して白色固体132gを得た。
中間体製造例4:中間体例示化合物(2−6)
無水マレイン酸49g、オクタデシルビニルエーテル163g及びトルエン790gの混合物を窒素雰囲気下撹拌しながら温度70℃に加温した。2,2′−アゾビス(ブチロニトリル)2gを添加し3時間撹拌した。その後、更に2,2′−アゾビス(ブチロニトリル)2gを添加し温度80℃に上げて4時間撹拌した。冷却後アセトニトリル4.0L中に撹拌しながら15分間で加え、そのまま1時間撹拌した。析出した固体を集し減圧乾燥して白色固体177gを得た。
中間体製造例5:中間体例示化合物(2−8)
無水マレイン酸49g、ラウリン酸アリル144.2g及びジオキサン395gの混合物を窒素雰囲気下、撹拌しながら温度75℃に加温した。2,2′−アゾビス(ブチロニトリル)1.7gを添加し3時間撹拌した。その後、更に2,2′−アゾビス(ブチロニトリル)1.7gを添加し温度85℃に上げて4時間撹拌した。冷却後アセトニトリル2.8L中にこの反応液を撹拌しながら15分間で加え、そのまま1時間撹拌した。析出した固体を集し、減圧乾燥して白色固体140gを得た。
中間体製造例6:中間体例示化合物(2−1)
無水マレイン酸49g、ラウリン酸ビニル136g及びトルエン380gの混合物を、窒素雰囲気下撹拌しながら温度75℃に加温した。2,2′−アゾビス(ブチロニトリル)1.6gを添加し3時間撹拌した。その後、更に2,2′−アゾビス(ブチロニトリル)1.6gを添加し、温度85℃に上げて4時間撹拌した。冷却後アセトニトリル2.7L中にこの反応液を撹拌しながら15分間で加えそのまま1時間撹拌した。析出した固体を集し減圧乾燥して白色固体138gを得た。
中間体製造例7:中間体例示化合物(2−2)
無水マレイン酸49g、ステアリン酸ビニル170g及びトルエン480gの混合物を窒素雰囲気下、撹拌しながら温度80℃に加温し、過酸化ベンゾイル2.09gを添加し3時間撹拌した。その後、更に過酸化ベンゾイル2.09gを添加し温度90℃に上げて4時間撹拌した。冷却後、アセトニトリル3.2L中にこの反応液を撹拌しながら15分間で加えそのまま1時間撹拌した。析出した固体を集し減圧乾燥して白色固体184gを得た。
〔含半マレイン酸アミド共重合体(本発明化合物)の合成〕
化合物製造例4:本発明例示化合物(2’−3)
中間体製造例4で得た白色固体31g、n−ヘキサデシルアミン24.1g、メチルエチルケトン130g及びピリジン1.0gの混合物を、温度70℃に加温し撹拌下10時間反応した。冷却後メタノール1.0L中にこの反応液を撹拌しながら15分間で加えさらに1時間撹拌した。析出した固体を集し、減圧乾燥して淡白黄色固体69gを得た。高速液体クロマトグラフ法による分子量は、15000であった。
化合物製造例5:本発明例示化合物(2’−2)
中間体製造例4で得た白色固体31g、n−オクタデシルアミン27g、メチルエチルケトン130g及びピリジン1.0gの混合物を、温度70℃に加温し撹拌下10時間反応した。冷却後メタノール1.0L中にこの反応液を撹拌しながら15分間で加えさらに1時間撹拌した。析出した固体を集し、減圧乾燥して淡白黄色固体48gを得た。高速液体クロマトグラフ法による分子量は、15000であった。
化合物製造例6:本発明例示化合物(2’−4)
中間体製造例4で得た白色固体31g、N−メチル−nオクタデシルアミン28.4g、メチルエチルケトン130g及びピリジン2.0gの混合物を、温度90℃に加温し撹拌下10時間反応した。冷却後メタノール1.0L中にこの反応液を撹拌しながら15分間で加えさらに1時間撹拌した。析出した固体を集し、減圧乾燥して淡白黄色固体45gを得た。高速液体クロマトグラフ法による分子量は、15000であった。
化合物製造例7:本発明例示化合物(2’−6)
中間体製造例5で得た白色固体35g、ヘキサデシルアミン24g、メチルエチルケトン140g及びピリジン1.0gの混合物を、温度70℃に加温し撹拌下10時間反応した。冷却後メタノール1.2L中にこの反応を撹拌しながら15分間で加えさらに1時間撹拌した。析出した固体を集し、減圧乾燥して淡白黄色固体50gを得た。高速液体クロマトグラフ法による分子量は1,7000であった。
化合物製造例8:本発明例示化合物(2’−8)
中間体製造例6で得た白色固体34g、n−ドデシルアミン18.6g、メチルエチルケトン120g及びピリジン1.0gの混合物を、温度70℃に加温し撹拌下10時間反応した。冷却後メタノール1.0L中にこの反応液を撹拌しながら15分間で加えさらに1時間撹拌した。析出した固体を集し、減圧乾燥して淡白黄色固体43gを得た。高速液体クロマトグラフ法による分子量は、1,2000であった。
化合物製造例9:本発明例示化合物(2’−12)
中間体製造例8で得た白色固体20.4g、n−オクチルアミン6.4g、メチルエチルケトン80g及びピリジン0.8gの混合物を、温度70℃に加温し撹拌下10時間反応した。冷却後メタノール800ml中にこの反応液を撹拌しながら15分間で加えさらに1時間撹拌した。析出した固体を集し、減圧乾燥して淡白黄色固体28gを得た。高速液体クロマトグラフ法による分子量は、15000であった。
〔実施例12〕
<インク組成物(IJ−12)の作製>
青色顔料としてリオノールブルーFG−7350(Pigment Blue15:3東洋インキ社製)100質量部、樹脂としてスチレン/ビニルトルエン/ラウリルメタクリレート/トリメチルアンモニウムエチルメタクリレート(陰イオン、p−トルエンスルホン酸)共重合体(47/47/1/5モル比)200質量部をトリオブレンダーで予備粉砕しよく混合した後に、100℃に加熱した卓上型ニーダーPBV(入江商会社製)で溶融混練(120分)した。上記の顔料混練物をピンミルで粉砕した。次に顔料混練物20質量部、アイソパーG130質量部、前記顔料分散剤D−1をアイソパーGに加熱溶解して調液した20wt%溶液を50質量部、及び3G−Xガラスビーズ400質量部とともにペイントシェイカー(東洋精機KK)で120分間混合した。分散液中の顔料樹脂粒子の体積平均粒径を、超遠心式自動粒度分布測定装置CAPA700(堀場製作所)にて測定した所、0.45μmであった。
ガラスビーズをろ過により除去した上記顔料樹脂粒子分散液を、アイソパーGで顔料樹脂粒子成分が3.5%になる様に希釈した。次いで荷電調節剤として、本発明の例示化合物(2’−3)を 0.003wt%になる様に添加してインク組成物(IJ−12)を調液した。得られたインク組成物の粘度は1.4cP(E型粘度計、温度25℃で測定)、表面張力は23mN/m(協和界面科学社製の自動表面張力計、温度25℃で測定)であった。また、インク組成物の荷電量は、LCRメーター(安藤電気(株)社製AG−4311)及び液体用電極(川口電機製作所(株)社製LP−05型)を使用し、印加電圧5V、周波数lkHzの条件で測定した比電導度より求めた。顔料樹脂粒子の粒子電導度は、インク組成物の全体の比電導度から、インク組成物を遠心分離器にかけた上澄みの比電導度を差し引いて求めた。また遠心分離は、小型高速冷却遠心機(トミー精工(株)社製SRX−201)を使用し、回転速度14500rpm、温度23°Cの条件で30分間行った。インク組成物(IJ−12)は全体の比電導度が509pS/cmを示し、また明瞭な正荷電性を示した青色樹脂粒子は、その粒子電導度が455pS/cmを示しインク組成物の荷電量の8割以上が顔料樹脂粒子についていた。また、45℃、一週間強制経時後のインク組成物の粒子電導度及び顔料樹脂粒子の粒子電導度はそれぞれ485pS/cm、440pS/cmであり、荷電量の変化が殆ど無く極めて安定している事が判った。
<画像描画性>
インクジェット装置として、図1に示すヘッド構造の100dpi 64チャンネルの静電式インクジェットヘッドを使用し、インク組成物(IJ−12)をインクタンクに充填した。エアーポンプ吸引により記録媒体であるコート記録紙表面の埃除去を行った後、吐出ヘッドを描画位置までコート記録紙に近づけ、描画解像度600dpiでインクを吐出し描画した。この際、パルス電圧を調節してドット径15μmから60μmの範囲で16段階でドット面積を変化させながら描画した。描画画像は滲みのない均一なドットで安定に印字されていて、満足し得る濃度の良質の明瞭な画像を与えた。インクヘッドからの吐出安定性も良好で、詰まりを生じる事が無く、長期間の連続画像描画でも安定したドット形状の印字ができた。
更に、45℃、一週間の強制経時後のインク組成物を用いて同様に描画したところ、描画画像は滲みのない均一なドットで満足し得る濃度の良質の明瞭な画像を与え、また吐出安定性も良好で、長期間の連続画像描画でも安定したドット形状の印字ができた。
〔比較例4および5〕
<比較用インク組成物(IJR−4)及び(IJR−5)の作製>
実施例12において、顔料樹脂粒子分散液をアイソパーGで顔料樹脂粒子成分が3.5%になる様に希釈し、荷電調節剤として本発明の例示化合物(2’−3)の代わりに、金属石鹸のナフテン酸ジルコニウム(日本化学産業(株)製)を金属含量が0.001wt%になる様に添加した他は、実施例12と全く同様にして比較用インク組成物(IJR−4)を調液した。また、金属石鹸のオクチル酸マンガンを0.004wt%になる様に添加した他は、実施例12と全く同様にして比較用インク組成物(IJR−5)を調液した。比較用インク組成物(IJR−4)、(IJR−5)の粘度はどちらも1.4cP、表面張力も23mN/mであった。比較用インク組成物(IJR−4)、(IJR−5)の全体比電導度はそれぞれ735pS/cm、667pS/cmを示し、青色樹脂粒子の粒子電導度はそれぞれ551pS/cm、501pS/cmを示した。45℃、一週間強制経時後の比較用インク組成物(IJR−4)、(IJR−5)の全体比電導度はそれぞれ445pS/cm、340pS/cmを示し、青色樹脂粒子の粒子電導度はそれぞれ309pS/cm、221pS/と初期の荷電量に比べ六割以下に低下し荷電量変化が大きい事が判った。
次に、比較用インク組成物(IJR−4)、(IJR−5)を用いて実施例12と同様に静電式インクジェット描画した所、描画画像は滲みのない満足し得る濃度の良質の明瞭な画像を与えた。しかしながら、45℃、一週間の強制経時後の比較用インク組成物(IJR−4)、(IJR−5)を用いて同様に描画したところ、いづれも描画画像は滲みがひどく画像濃度も低いものであった。また、吐出不良が発生したために、画像欠落が見られ満足する画像が得られなかった。
〔実施例13〜17〕
<インク組成物(IJ−13)〜(IJ−17)の作製>
実施例12において、顔料樹脂粒子分散液をアイソパーGで顔料樹脂粒子成分が3.5%になる様に希釈し、荷電調節剤として本発明の例示化合物(2’−3)の代わりに、表Cの化合物を添加した他は、実施例12と全く同様にしてインク組成物(IJ−13)〜(IJ−17)を調液した。
インク組成物(IJ−13)〜(IJ−17)の青色樹脂粒子の粒子電導度及びその印字評価を表Cに示す。また、45℃、一週間強制経時後のインク組成物(IJ−13)〜(IJ−17)の青色樹脂粒子それぞれの粒子電導度と印字評価を表Cに示す。
Figure 2004277713
〔実施例18〕
<インク組成物(IJ−18)の作製>
青色顔料としてリオノールブルーFG−7350 (Pigment Blue15:3東洋インキ社製)100質量部、樹脂としてエチレン・メタクリル酸共重合体であるニユクレルN−699(三井・デュポンポリケミカル製)のオクタデシルエステル化体(エチレンユニット/オクタデシルメタクリレートユニット=96.4/3.6モル比)200質量部、アイソパーG300質量部の組成物を、TKロスダブルプラネタリーミキサー130LDM型(特殊機化(株)製)に仕込み95℃で1時間、50rpmの回転数で攪拌し混練した。更にこの条件でアイソパーG600質量部を2時間にわたり分割添加し混練を継続させた。
次にこの混練物をステンレスバットに放出し、室温まで冷却し、スポンジ状の混練物を得た。
この混練物100質量部をアイソパーG600質量部を直径4mmのガラスビーズをメジアとするペイントシエーカー(東洋精機(株)製)に仕込み20分間予備分散を行った。この予備混練物を直径約0.75〜1mmのガラスビーズをメジアとするダイノミルKDL型(シンマルエンタープライゼス(株)製)を用い3000rpmで6時間湿式分散し濃厚な分散物を得た。
次にアイソパーGで顔料樹脂粒子成分が3.5%になる様に希釈し、荷電調節剤として本発明の例示化合物(2’−2)を0.18wt%添加した他は、実施例12と全く同様にしてインク組成物(IJ−18)を調液した。インク組成物中の顔料樹脂粒子の体積平均粒径は0.43μmであった。
得られたインク組成物(IJ−18)の粘度は1.4cP、表面張力は23mN/cm、全体の粒子伝導度は682pS/cmで、青色樹脂粒子の粒子電導度が639pS/cmであった。インク組成物の荷電量の九割以上が顔料樹脂粒子についていて且つ明瞭な正荷電性を示した。
45℃、一週間強制経時後のインク組成物の粒子電導度及び顔料樹脂粒子の粒子電導度はそれぞれ652pS/cm、613pS/cmであり、荷電量の変化が殆ど無く極めて
安定している事が判った。
インク組成物(IJ−18)を用いて実施例12と同様に静電式インクジェット描画した所、描画画像は滲みのない均一なドットで満足し得る濃度の良質の明瞭な画像を与え、また吐出安定性も良好で、長期間の連続画像描画でも安定したドット形状の印字ができた。また、45℃、一週間強制経時後の描画画像もサーモ強制経時前と同様に、滲みのない満足し得る濃度の良質の明瞭な画像を与えた。
〔比較例6〕
<比較用インク組成物(IJR−6)の作製>
実施例13において、顔料樹脂粒子分散液をアイソパーGで顔料樹脂粒子成分が3.5%になる様に希釈し、荷電調節剤として本発明の例示化合物(2’−2)の代わりに、金属石鹸のナフテン酸ジルコニウム(日本化学産業(株)製)を金属含量が0.08wt%になる様に添加した他は、実施例と全く同様にして比較用インク組成物(IJR−6)を調液した。比較用インク組成物(IJR−6)の粘度は1.4cP、表面張力は23dyne/cmであった。比較用インク組成物(IJR−6)のインク組成物全体の比電導度は718pS/cmを示し、青色樹脂粒子の粒子電導度は531pS/cmを示した。45℃、一週間強制経時後の比較用インク組成物(IJR−6)の全体比電導度、青色樹脂粒子の粒子電導度はそれぞれ435pS/cm、312pS/cmと初期の荷電量に比べ大きく低下し荷電量変化が大きい事が判った。
次に、比較用インク組成物(IJR−6)を用いて実施例12と同様に静電式インクジェット描画した所、描画画像は滲みのない満足し得る濃度の良質の明瞭な画像を与えた。しかしながら、45℃、一週間の強制経時後の比較用インク組成物(IJR−6)を用いて同様に描画したところ、いづれも描画画像は滲みがひどく画像濃度も低いものであった。また、吐出不良が発生したために、画像欠落が見られ満足する画像が得られなかった。
〔実施例19〜22〕
<インク組成物(IJ−19)〜(IJ−22)の作製>
実施例13において、顔料樹脂粒子分散液をアイソパーGで顔料樹脂粒子成分が3.5%になる様に希釈し、荷電調節剤として本発明の例示化合物(2’−2)の代わりに、表Dの化合物を添加した他は、実施例と全く同様にしてインク組成物(IJ−19)〜(IJ−22)を調液した。
インク組成物物(IJ−19)〜(IJ−221)の青色樹脂粒子の粒子電導度及びその印字評価を表Dに示す。また、45℃、一週間強制経時後のインク組成物物(IJ−19)〜(IJ−22)の青色樹脂粒子それぞれの粒子電導度と印字評価を表Dに示す。
Figure 2004277713
中間体製造例8:中間体例示化合物(3−2)
無水マレイン酸98g、1−ドデセン252g及びトルエン816gの混合物を、窒素雰囲気下攪拌しながら温度85℃に加温した。その温度で、開始剤として過酸化ベンゾイル6.0gを添加して3時間攪拌し更に、過酸化ベンゾイル6.0gを添加して4時間攪拌した。得られたポリマー溶液の固形分は22.5%であった。
中間体製造例9:中間体例示化合物(3−5)
無水マレイン酸98g、1−オクタデセン378g及びトルエン1850gの混合物を、窒素雰囲気下攪拌しながら温度90℃に加温した。その温度で、開始剤:過酸化ベンゾイル7.0gを添加して3時間攪拌した後、過酸化ベンゾイル7.0gを添加して5時間攪拌した。得られたポリマー溶液の固形分は14.8%であった。
中間体製造例10:中間体例示化合物(3−15)
無水マレイン酸49g、ラウリン酸ビニル135g及びメチルイソブチルケトン430gの混合物を、窒素雰囲気下、攪拌しながら温度80℃に加温した。その温度で過酸化ベンゾイル2.4gを添加して3時間攪拌した後、更に過酸化ベンゾイル2.4gを添加して5時間攪拌した。冷却後、アセトニトリル3.0L中に攪拌しながら上記反応溶液を10分間にわたって加え、そのまま30分間攪拌した。沈殿した固体を収集・減圧乾燥して、白色固体185gを得た。
中間体製造例11:中間体例示化合物(3−16)
無水マレイン酸49g、ステアリン酸ビニル186g及びトルエン550gの混合物を、窒素雰囲気下、攪拌しながら温度85℃に加温した。その温度で過酸化ベンゾイル4.0gを添加して3時間攪拌した後、更に過酸化ベンゾイル4.0gを添加して4時間攪拌した。上記反応溶液を、冷却後、アセトニトリル3.0L中に攪拌しながら10分間にわたって加え、そのまま30分間攪拌した。沈殿した固体を収集・減圧乾燥して、白色固体165gを得た。
中間体製造例12:中間体例示化合物(3−12)
無水マレイン酸49g、n−オクタデシル・ビニルエーテル178g及びトルエン835gの混合物を、窒素雰囲気下、攪拌しながら温度70℃に加温した。その温度で、2,2′−アゾビス・イソブチロニトリル2.1gを添加して3時間攪拌した後、更に2,2′−アゾビス・イソブチロニトリル2.1gを添加し、温度85℃に上げて4時間攪拌した。冷却後この反応液を、アセトニトリル5.0L中に攪拌しながら10分間で加え、そ
のまま30分間攪拌した。沈殿した固体を収集・減圧乾燥して白色固体167gを得た。
化合物製造例10:具体例(1)
中間体製造例8で得たポリマー容液100g、n−オクタデシルアミン23.2g及びピリジン2gの混合物を温度100℃で8時間攪拌した。冷却後この反応液をメタノール800mL中に攪拌しながら15分間で加え、そのままさらに1時間攪拌した。沈殿した固体を収集・減圧乾燥して淡黄白色固体37gを得た。高速液体クロマトグラフ法で測定した分子量は、11000であった。又、水酸化カリウムエタノール溶液で中和滴定した結果から、半マレイン酸アミド成分とマレインイミド成分の割合は6:4であった。
化合物製造例11:具体例(2)
中間体製造例9で得たポリマー容液100g、n−ヘキサデシルアミン11.6g及びピリジン1.0gの混合物を、加熱して溶媒還流下6時間攪拌した。冷却後、この溶液をメタノール600mL中に、攪拌しながら15分間で加えそのまま攪拌した。沈殿した固体を収集・減圧乾燥後、淡白黄色の固体22.6gを得た。高速液体クロマトグラフ法で測定した分子量は7000であった。中和滴定の結果から半マレイン酸アミド成分とマレインイミド成分の割合は、5:5であった。
化合物製造例12:具体例(3)
中間体製造例10で得たポリマー容液100g、N−メチル−オクタデシルアミン4.0g及びピリジン1.5gの混合物を温度100℃に加熱して10時間攪拌した。その後、n−ヘキシルアミン1.8gを添加し、同温度で8時間攪拌した。冷却後、この溶液をメタノール1.0L中に攪拌しながら15分間で加えそのまま1時間攪拌した。析出した固体を収集し減圧乾燥して、淡黄色の固体17.5gを得た。高速液体クロマトグラフ法で測定した分子量は7000であった。中和滴定の結果から、半マレイン酸アミド成分とマレインイミド成分の割合は7:3であった。
化合物製造例13:具体例(4)
中間体製造例11で得た白色固体27g及びn−オクチルアミン13g、ピリジン0.8g及びジオキサン100gの混合物を温度110℃にて6時間攪拌した。冷却後、メタノール1.0L 中に15分間で、攪拌下加えそのままさらに1時間攪拌した。析出した固体を収集し減圧乾燥して、淡白黄色の固体34gを得た。高速液体クロマトグラフ法で測定した分子量は17,000であった。中和滴定の結果から、半マレイン酸アミド成分とマレインイミド成分の割合は、7:3であった。
化合物製造例14:具体例(5)
中間体製造例12で得た固体39.4g、n−オクタデシルアミン26.9g、ピリジン2.3g及びキシレン100gの混合物を、温度120℃で5時間攪拌した。冷却後、メタノール1.0L中に、15分間で攪拌しながら投入しさらに、そのまま1時間攪拌した。沈殿した固体を収集・減圧乾燥し淡黄白色固体57gを得た。高速液体クロマトグラフ法で測定した分子量は19000であった。又、中和滴定の結果から、半マレイン酸アミド成分とマレインイミド成分の割合が4:6であった。
〔実施例23〕
<インク組成物(IJ−23)の作製>
青色顔料としてリオノールブルーFG−7350 (Pigment Blue15:3東洋インキ社製)100質量部、樹脂としてスチレン/ビニルトルエン/ラウリルメタクリレート/トリメチルアンモニウムエチルメタクリレート(陰イオン、p−トルエンスルホン酸)共重合体(47/47/1/5モル比)200質量部をトリオブレンダーで予備粉砕しよく混合した後に、100℃に加熱した卓上型ニーダーPBV(入江商会社製)で溶融混練
(120分)した。上記の顔料混練物をピンミルで粉砕した。次に顔料混練物20質量部、アイソパーG130質量部、前記顔料分散剤D−1をアイソパーGに加熱溶解して調液した20wt%溶液を50質量部、及び3G−Xガラスビーズ400質量部とともにペイントシェイカー(東洋精機KK)で120分間混合した。分散液中の顔料樹脂粒子の
体積平均粒径を、超遠心式自動粒度分布測定装置CAPA700(堀場製作所)にて測定した所、0.45μmであった。
ガラスビーズをろ過により除去した上記顔料樹脂粒子分散液を、アイソパーGで顔料樹脂粒子成分が3.5%になる様に希釈した。次いで荷電調節剤として、化合物具体例(1)を 0.002wt%になる様に添加してインク組成物(IJ−23)を調液した。得られたインク組成物の粘度は1.4cP(E型粘度計、温度25℃で測定)、表面張力は23mN/m(協和界面科学社製の自動表面張力計、温度25℃で測定)であった。また、インク組成物の荷電量は、LCRメーター(安藤電気(株)社製AG−4311)及び液体用電極(川口電機製作所(株)社製LP−05型)を使用し、印加電圧5V、周波数lkHzの条件で測定した比電導度より求めた。顔料樹脂粒子の粒子電導度は、インク組成物の全体の比電導度から、インク組成物を遠心分離器にかけた上澄みの比電導度を差し引いて求めた。また遠心分離は、小型高速冷却遠心機(トミー精工(株)社製SRX−201)を使用し、回転速度14500rpm、温度23℃の条件で30分間行った。インク組成物(IJ−23)は全体の比電導度が643pS/cmを示し、また明瞭な正荷電性を示した青色樹脂粒子は、その粒子電導度が571pS/cmを示しインク組成物の荷電量の8割以上が顔料樹脂粒子についていた。また、45℃、一週間強制経時後のインク組成物の粒子電導度及び顔料樹脂粒子の粒子電導度はそれぞれ612pS/cm、555pS/cmであり、荷電量の変化が殆ど無く極めて安定している事が判った。
<画像描画性>
インクジェット装置として、図1に示すヘッド構造の100dpi 64チャンネルの静電式インクジェットヘッドを使用し、インク組成物(IJ−23)をインクタンクに充填した。エアーポンプ吸引により記録媒体であるコート記録紙表面の埃除去を行った後、吐出ヘッドを描画位置までコート記録紙に近づけ、描画解像度600dpiでインクを吐出し描画した。この際、パルス電圧を調節してドット径15μmから60μmの範囲で16段階でドット面積を変化させながら描画した。描画画像は滲みのない均一なドットで安定に印字されていて、満足し得る濃度の良質の明瞭な画像を与えた。インクヘッドからの吐出安定性も良好で、詰まりを生じる事が無く、長期間の連続画像描画でも安定したドット形状の印字ができた。
更に、45℃、一週間の強制経時後のインク組成物を用いて同様に描画したところ、描画画像は滲みのない均一なドットで満足し得る濃度の良質の明瞭な画像を与え、また吐出安定性も良好で、長期間の連続画像描画でも安定したドット形状の印字ができた。
〔比較例7および8〕
<比較用インク組成物(IJR−7)及び(IJR−8)の作製>
実施例23において、顔料樹脂粒子分散液をアイソパーGで顔料樹脂粒子成分が3.5%になる様に希釈し、荷電調節剤として化合物具体例(1)の代わりに、金属石鹸のナフテン酸ジルコニウム(日本化学産業(株)製)を金属含量が0.001wt%になる様に添加した他は、実施例23と全く同様にして比較用インク組成物(IJR−7)を調液した。また、金属石鹸のオクチル酸マンガンを0.004wt%になる様に添加した他は、実施例23と全く同様にして比較用インク組成物(IJR−8)を調液した。比較用インク組成物(IJR−7)、(IJR−8)の粘度はどちらも1.4cP、表面張力も23mN/mであった。比較用インク組成物(IJR−7)、(IJR−8)の全体比電導度はそれぞれ735pS/cm、667pS/cmを示し、青色樹脂粒子の粒子電導度はそれぞれ551pS/cm、501pS/cmを示した。45℃、一週間強制経時後の比較用インク組成物(IJR−7)、(IJR−8)の全体比電導度はそれぞれ445pS/cm、340pS/cmを示し、青色樹脂粒子の粒子電導度はそれぞれ309pS/cm、221pS/と初期の荷電量に比べ六割以下に低下し荷電量変化が大きい事が判った。
次に、比較用インク組成物(IJR−7)、(IJR−8)を用いて実施例23と同様に静電式インクジェット描画した所、描画画像は滲みのない満足し得る濃度の良質の明瞭な画像を与えた。しかしながら、45℃、一週間の強制経時後の比較用インク組成物(IJR−7)、(IJR−8)を用いて同様に描画したところ、いづれも描画画像は滲みがひどく画像濃度も低いものであった。また、吐出不良が発生したために、画像欠落が見られ満足する画像が得られなかった。
〔実施例24〜27〕
<インク組成物(IJ−24)〜(IJ−27)の作製>
実施例23において、顔料樹脂粒子分散液をアイソパーGで顔料樹脂粒子成分が3.5%になる様に希釈し、荷電調節剤として化合物具体例(1)の代わりに、表Eの化合物を添加した他は、実施例23と全く同様にしてインク組成物(IJ−24)〜(IJ−27)を調液した。
インク組成物(IJ−24)〜(IJ−27)の青色樹脂粒子の粒子電導度及びその印字評価を表Eに示す。また、45℃、一週間強制経時後のインク組成物(IJ−24)〜(IJ−27)の青色樹脂粒子それぞれの粒子電導度と印字評価を表Eに示す。
Figure 2004277713
〔実施例28〕
<インク組成物(IJ−28)の作製>
青色顔料としてリオノールブルーFG−7350(Pigment Blue15:3東洋インキ社製)100質量部、樹脂としてエチレン・メタクリル酸共重合体であるニユクレルN−699(三井・デュポンポリケミカル製)のオクタデシルエステル化体(エチレンユニット/オクタデシルメタクリレートユニット=96.4/3.6モル比)200質量部、アイソパーG300質量部の組成物を、TKロスダブルプラネタリーミキサー130LDM型(特殊機化(株)製)に仕込み95℃で1時間、50rpmの回転数で攪拌し混練した。更にこの条件でアイソパーG600質量部を2時間にわたり分割添加し混練を継続させた。
次にこの混練物をステンレスバットに放出し、室温まで冷却し、スポンジ状の混練物を得た。
この混練物100質量部をアイソパーG600質量部を直径4mmのガラスビーズをメジアとするペイントシエーカー(東洋精機(株)製)に仕込み20分間予備分散を行った。この予備混練物を直径約0.75〜1mmのガラスビーズをメジアとするダイノミルKDL
型(シンマルエンタープライゼス(株)製)を用い3000rpmで6時間湿式分散し濃厚な分散物を得た。
次にアイソパーGで顔料樹脂粒子成分が3.5%になる様に希釈し、荷電調節剤として化合物具体例(1)を0.11wt%添加した他は、実施例1と全く同様にしてインク組成物(IJ−28)を調液した。インク組成物中の顔料樹脂粒子の体積平均粒径は0.43μmであった。
得られたインク組成物(IJ−28)の粘度は1.4cP、表面張力は23mN/cm、全体の粒子伝導度は744pS/cmで、青色樹脂粒子の粒子電導度が697pS/cmであった。インク組成物の荷電量の九割以上が顔料樹脂粒子についていて且つ明瞭な正荷電性を示した。
45℃、一週間強制経時後のインク組成物の粒子電導度及び顔料樹脂粒子の粒子電導度はそれぞれ712pS/cm、668pS/cmであり、荷電量の変化が殆ど無く極めて安定している事が判った。
インク組成物(IJR−28)を用いて実施例23と同様に静電式インクジェット描画した所、描画画像は滲みのない均一なドットで満足し得る濃度の良質の明瞭な画像を与え、また吐出安定性も良好で、長期間の連続画像描画でも安定したドット形状の印字ができた。また、45℃、一週間強制経時後の描画画像もサーモ強制経時前と同様に、滲みのない満足し得る濃度の良質の明瞭な画像を与えた。
〔比較例9〕
<比較用インク組成物(IJR−9)の作製>
実施例24において、顔料樹脂粒子分散液をアイソパーGで顔料樹脂粒子成分が3.5%になる様に希釈し、荷電調節剤として化合物具体例(1)の代わりに、金属石鹸のナフテン酸ジルコニウム(日本化学産業(株)製)を金属含量が0.08wt%になる様に添加した他は、実施例23と全く同様にして比較用インク組成物(IJR−9)を調液した。比較用インク組成物(IJR−9)の粘度は1.4cP、表面張力は23dyne/cmであった。比較用インク組成物(IJR−9)のインク組成物全体の比電導度は718pS/cmを示し、青色樹脂粒子の粒子電導度は531pS/cmを示した。45℃、一週間強制経時後の比較用インク組成物(IJR−9)の全体比電導度、青色樹脂粒子の粒子電導度はそれぞれ435pS/cm、312pS/cmと初期の荷電量に比べ大きく低下し荷電量変化が大きい事が判った。
次に、比較用インク組成物(IJR−9)を用いて実施例23と同様に静電式インクジェット描画した所、描画画像は滲みのない満足し得る濃度の良質の明瞭な画像を与えた。しかしながら、45℃、一週間の強制経時後の比較用インク組成物(IJR−9)を用いて同様に描画したところ、いづれも描画画像は滲みがひどく画像濃度も低いものであった。また、吐出不良が発生したために、画像欠落が見られ満足する画像が得られなかった。
〔実施例29〜32〕
<インク組成物(IJ−29)〜(IJ−32)の作製>
実施例24において、顔料樹脂粒子分散液をアイソパーGで顔料樹脂粒子成分が3.5%になる様に希釈し、荷電調節剤として化合物具体例(1)の代わりに、表Fの化合物を添加した他は、実施例と全く同様にしてインク組成物(IJ−29)〜(IJ−32)を調液した。
インク組成物物(IJ−29)〜(IJ−32)の青色樹脂粒子の粒子電導度及びその印字評価を表Fに示す。また、45℃、一週間強制経時後のインク組成物物(IJ−29)〜(IJ−32)の青色樹脂粒子それぞれの粒子電導度と印字評価を表Fに示す。
Figure 2004277713
ライン走査型マルチチャンネルインクジェットヘッドの構成例を示し、記録ドットに対応した 吐出電極の断面を示す図である。 吐出電極を記録媒体側から見た図である。

Claims (7)

  1. 比誘電率1.5〜20及び表面張力15〜60mN/m(25℃において)を有する非水溶媒と、前記非水溶媒に不溶な色材と、前記非水溶媒に可溶な荷電調節剤とを含有する静電型インクジェットインク組成物であって、前記荷電調節剤が下記一般式(Ia)及び(Ib)で示される繰返し単位を含む半マレイン酸アミド共重合体を含有することを特徴とする静電インクジェットインク組成物。
    Figure 2004277713
    式中、Xは総炭素数10以上の炭化水素基を表わし、Y1及びY2は、同じでも異なつてもよく、各々水素原子又はアルキル基を表わす。R1及びR2は、同じでも異なつてもよく、各々水素原子、脂肪族基、脂環式炭化水素基、芳香族基又は複素環基を表わす。またR1とR2は炭素原子で閉環されても良く、この環はヘテロ原子を含んでも良い。但し、X、R1及びR2に含まれる炭素数の総和は14以上である。Mは、水素原子、金属原子又は有機塩基のアンモニウム塩あるいは四級塩を表わす。
  2. 比誘電率1.5〜20及び表面張力15〜60mN/m(25℃において)を有する非水溶媒と、前記非水溶媒に不溶な色材と、前記非水溶媒に可溶な荷電調節剤とを含有する静電型インクジェットインク組成物であって、前記荷電調節剤が下記一般式(Ia’)及び(Ib)で示される繰返し単位を含む半マレイン酸アミド共重合体を含有することを特徴とする静電インクジェットインク組成物。
    Figure 2004277713
    式中、Xは主鎖と原子団Lとを連結する基で−O−、−CH2OCO−、−OCO−又は−COO−を表わし、Lは脂肪族基を表わす。但し、X及びLに含まれる炭素数の総和は12以上である。Y1及びY2は、同じでも異なつてもよく、各々水素原子又はアルキル基を表わす。R1及びR2は、同じでも異なつてもよく、各々水素原子、脂肪族基、脂環式炭化水素基、芳香族基又は複素環基を表わす。またR1とR2は炭素原子で閉環されても良く、この環はヘテロ原子を含んでも良い。Mは、水素原子、金属原子又は有機塩基のアンモニウム塩あるいは四級塩を表わす。
  3. 比誘電率1.5〜20及び表面張力15〜60mN/m(25℃において)を有する非
    水溶媒と、前記非水溶媒に不溶な色材と、前記非水溶媒に可溶な荷電調節剤とを含有する静電インクジェットインク組成物であって、前記荷電調節剤が、非水溶媒に可溶となしうる少なくとも1種以上の単量体と無水マレイン酸とを構成単位として有する共重合体と、1級アミノ化合物または1級アミノ化合物および2級アミノ化合物との反応により得られる高分子化合物であり、かつ、半マレイン酸アミド成分とマレインイミド成分とを繰返し単位として有する高分子化合物を含有することを特徴とする静電インクジェットインク組成物。
  4. インク組成物の25℃における体積抵抗率が108Ω・cm以上であり、かつインク組成物中の色材粒子の粒子電導度が100pS/cm以上である事を特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の静電インクジェットインク組成物。
  5. 比誘電率1.5〜20及び表面張力15〜60mN/m(25℃において)を有する非水溶媒、前記非水溶媒に不溶な色材、および前記非水溶媒に可溶な下記一般式(Ia)及び(Ib)で示される繰返し単位を含む半マレイン酸アミド共重合体を含有する荷電調節剤を含有するインク組成物を、複数の記録電極が配置された記録ヘッドに導入し、前記記録電極に電圧を印加して、前記インクに静電力を作用させて色材粒子が濃縮された形でインク滴を飛翔させて、対向する様に配置された記録媒体上に印字ドットを形成し記録を行う静電インクジェット画像形成方法。
    Figure 2004277713
    式中、Xは総炭素数10以上の炭化水素基を表わし、Y1及びY2は、同じでも異なつてもよく、各々水素原子又はアルキル基を表わす。R1及びR2は、同じでも異なつてもよく、各々水素原子、脂肪族基、脂環式炭化水素基、芳香族基又は複素環基を表わす。またR1とR2は炭素原子で閉環されても良く、この環はヘテロ原子を含んでも良い。但し、X、R1及びR2に含まれる炭素数の総和は14以上である。Mは、水素原子、金属原子又は有機塩基のアンモニウム塩あるいは四級塩を表わす。
  6. 比誘電率1.5〜20及び表面張力15〜60mN/m(25℃において)を有する非水溶媒、前記非水溶媒に不溶な色材、および前記非水溶媒に可溶な下記一般式(Ia’)及び(Ib)で示される繰返し単位を含む半マレイン酸アミド共重合体を含有する荷電調節剤を含有するインク組成物を、複数の記録電極が配置された記録ヘッドに導入し、前記記録電極に電圧を印加して、前記インクに静電力を作用させて色材粒子が濃縮された形でインク滴を飛翔させて、対向する様に配置された記録媒体上に印字ドットを形成し記録を行う静電インクジェット画像形成方法。
    Figure 2004277713
    式中、Xは主鎖と原子団Lとを連結する基で−O−、−CH2OCO−、−OCO−又は−COO−を表わし、Lは脂肪族基を表わす。但し、X及びLに含まれる炭素数の総和は12以上である。Y1及びY2は、同じでも異なつてもよく、各々水素原子又はアルキル基を表わす。R1及びR2は、同じでも異なつてもよく、各々水素原子、脂肪族基、脂環式炭化水素基、芳香族基又は複素環基を表わす。またR1とR2は炭素原子で閉環されても良く、この環はヘテロ原子を含んでも良い。Mは、水素原子、金属原子又は有機塩基のアンモニウム塩あるいは四級塩を表わす。
  7. 比誘電率1.5〜20及び表面張力15〜60mN/m(25℃において)を有する非水溶媒、前記非水溶媒に不溶な色材、及び前記非水溶媒に可溶な荷電調節剤を有し、前記荷電調節剤が、非水溶媒に可溶となしうる少なくとも1種以上の単量体と無水マレイン酸とを構成単位として有する共重合体と、1級アミノ化合物または1級アミノ化合物および2級アミノ化合物との反応により得られる高分子化合物であり、かつ、半マレイン酸アミド成分とマレインイミド成分とを繰返し単位として有する高分子化合物を含有するインク組成物を、複数の記録電極が配置された記録ヘッドに導入し、前記記録電極に電圧を印加して、前記インクに静電力を作用させて色材粒子が濃縮された形でインク滴を飛翔させて、対向する様に配置された記録媒体上に印字ドットを形成し記録を行う静電インクジェット画像形成方法。
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