JP2006022320A - インクジェット記録用インク原液、その製造方法及びインクジェット記録用インク - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 分散媒、樹脂を含む色材粒子、及び分散剤を少なくとも含有するインクジェット記録用インク原液であって、前記原液の流動特性がニュートン流動性を示す。このインク原液は、分散工程中及び/又は分散工程後、前記樹脂を含む色材粒子を膨潤又は軟化処理することにより得られる。またインクジェット記録用インクは、インク原液を分散媒により希釈し、20℃での粘度を0.5〜5mPa・sの範囲内にする。
【選択図】 なし
Description
いう問題があった。
(1)分散媒、樹脂を含む色材粒子、及び分散剤を少なくとも含有するインクジェット記録用インク原液であって、前記原液の流動特性がニュートン流動性を示すことを特徴とするインクジェット記録用インク原液。
(2)樹脂を含む色材粒子を分散媒中で分散剤とともに分散する工程を少なくとも有する前記(1)に記載のインクジェット記録用インク原液を製造する方法であって、前記分散工程中及び/又は分散工程後、前記樹脂を含む色材粒子を膨潤又は軟化処理することを特徴とする前記製造方法。
(3)前記軟化処理が、前記樹脂を含む色材粒子を加熱する処理であることを特徴とする前記(2)に記載のインクジェット記録用インク原液の製造方法。
(4)前記膨潤処理が、良溶媒を添加して前記樹脂を含む色材粒子を膨潤させる処理であることを特徴とする前記(2)に記載のインクジェット記録用インク原液の製造方法。
(5)前記(1)に記載のインクジェット記録用インク原液を分散媒により希釈して得られるインクジェット記録用インクであって、前記インクジェット記録用インクの20℃での粘度が、0.5〜5mPa・sの範囲内であることを特徴とするインクジェット記録用インク。
色材濃縮吐出型の静電インクジェット記録方式に供するインク使用液に好適な粘度は0.5〜5mPa・sであり、このような低粘度ではほとんどのインクがニュートン流動性を示す。しかしながら、低粘度、且つニュートン流動性を示すインクでも吐出安定性が悪くなる場合がある。このようになる原因を調べた結果、本発明者らは以下の結論に行き着いた。つまり、インク使用液を作成する元となる高濃度なインク原液の流動特性が吐出安定性と相関することを突き止めた。ここで、インク原液とは、色材粒子濃度が35質量%であるものを意味する。このような高濃度になると、インク使用液とは異なり高粘度になり、従来のインク原液では非ニュートン流動性を示すようになる。インク原液が非ニュートン流動性を示す場合は、吐出安定性が悪化する。つまり、インク使用液の粒子が電界によりヘッド先端迄移動し、そこで色材粒子が濃縮し高濃度になった時に、インク使用液の非ニュートン流動性が生じ、極度に粘度が増加し、吐出粒子の動きが阻害されて、応答速度が低下し、吐出安定性が阻害され目詰まりを起こしやすくなる。また、インク循環系内においても、インクの流れが滞留しやすい閉塞部位で高粘度化し、インク詰まりを生じたりする場合もある。これに対し、インク原液がニュートン流動性を示す場合は、前記のような現象は起こらず、吐出安定性が顕著に改善される。
粘度計として、0.5〜1000mPa・sの低粘度用に好適なELD型粘度計(例えば東京計器(株)製)を用いる。インク原液がニュートン流動性を示す場合、インク原液粘度η、ズリ速度Ds、ズリ応力Sの間にはη=S/Dsの関係が成り立つ。具体的には、ローターの回転速度、つまりズリ速度Dsを変えて粘度を測定した場合、ズリ速度Dsに依らず粘度値が一定の場合がニュートン流体である。この関係が成立しない場合は非ニュートン流動性(擬塑性、チキソトロイー性等)であり、ズリ速度Dsが小さくなると高粘度化する特徴を有する。しかしながら、測定機自身の精度や測定バラツキ等があるため、本発明のインク原液の流動特性がニュ−トン流動性であることとの定義はズリ速度Dsが77(sec-1)〜383(sec-1)の範囲内において、そのズリ速度Ds内での平均粘度値が±10%内の変動に収まっていることとする。なお、測定においてはズリ速度Dsとして、77(sec-1)と383(sec-1)の少なくとも2点を測定するのが好ましい。また、前記平均粘度値は50mPa・s以下であることが好ましい。更に好ましくは、30mPa・s以下である。
樹脂成分を溶解可能であると共に、分散媒と相溶するものであり、樹脂および分散媒の種類に応じて適宜決定することができる。
溶媒の溶解度パラメーター(SP値)で言えば、約9±1の範囲に入るような溶媒が好ましく、具体的には炭化水素系溶媒の中ではトルエン(8.9)、ハロゲン炭化水素系の中ではクロロホルム(9.3)、四塩化炭素(8.6)、エーテル系の中ではテトラヒドロフラン(9.1)、ケトン系の中ではアセトン(9.9)、メチルエチルケトン(9.3)、エステル系の中では酢酸エチル(9.1)等が好ましい。
良溶媒の添加量は、添加すべきインク原液に対して0.1〜20質量%が好ましく、より好ましくは0.5〜5質量%である。
ハロゲン置換の炭化水素系溶媒としてフルオロカーボン系溶媒があり、例えばC7F16
、C8F18などのCnF2n+2で表されるパーフルオロアルカン類(住友3M社製「フロリナートPF5080」、「フロリナートPF5070」(商品名)等)、フッ素系不活性液体(住友3M社製「フロリナートFCシリーズ」(商品名)等)、フルオロカーボン類(デュポンジャパンリミテッド社製「クライトックスGPLシリーズ」(商品名)等)、フロン類(ダイキン工業株式会社製「HCFC−141b 」(商品名)等)、[F(CF2)4CH2CH2I]、[F(CF2)6I]等のヨウ素化フルオロカーボン類(ダイキンファインケミカル研究所製「I−1420」、「I−1600」(商品名)等)等がある。
挙げられ、市販品としては、信越シリコーン製のKF96L(商品名)、東レ・ダウコーニング・シリコーン製のSH200(商品名)等がある。
シリコーンオイルとしてはこれらの具体例に限定されるものではない。これらのジメチルポリシロキサンは、その分子量により非常に広い粘度範囲のものが入手可能であるが、1〜20cStの範囲のものを用いるのが好ましい。これらのジメチルポリシロキサンは、イソパラフィン系炭化水素同様、1010Ω・cm以上の体積抵抗率を有し、高安定性、高安全性、無臭性といった特徴を有している。またこれらのジメチルポリシロキサンは、表面張力が低いことに特徴があり、18〜21mN/mの表面張力を有している。
色材としては、特に限定されるものではなく、一般に市販されているすべての有機顔料及び無機顔料が挙げられる。
エローG等)、 C.I.ピグメントイエロー74の如きモノアゾ顔料、 C.I.ピグメントイエロー12(ジスアジイエローAAA等)、 C.I.ピグメントイエロー17の
如きジスアゾ顔料、 C.I.ピグメントイエロー180の如き非ベンジジン系のアゾ顔
料、 C.I.ピグメントイエロー100(タートラジンイエローレーキ等)の如きアゾ
レーキ顔料、 C.I.ピグメントイエロー95(縮合アゾイエローGR等)の如き縮合
アゾ顔料、 C.I.ピグメントイエロー115(キノリンイエローレーキ等)の如き酸
性染料レーキ顔料、 C.I.ピグメントイエロー18(チオフラビンレーキ等)の如き
塩基性染料レーキ顔料、フラバントロンイエロー(Y−24)の如きアントラキノン系顔料、イソインドリノンイエロー3RLT(Y−110)の如きイソインドリノン顔料、キノフタロンイエロー(Y−138)の如きキノフタロン顔料、イソインドリンイエロー(Y−139)の如きイソインドリン顔料、 C.I.ピグメントイエロー153(ニッケルニトロソイエロー等)の如きニトロソ顔料、 C.I.ピグメントイエロー117(銅アゾメチンイエロー等)の如き金属錯塩アゾメチン顔料等が挙げられる。
きジスアゾ顔料、 C.I.ピグメントレッド53:1(レーキレッドC等)やC.I.
ピグメントレッド57:1(ブリリアントカーミン6B)の如きアゾレーキ顔料、 C.
I.ピグメントレッド144(縮合アゾレッドBR等)の如き縮合アゾ顔料、 C.I.
ピグメントレッド174(フロキシンBレーキ等)の如き酸性染料レーキ顔料、 C.I
.ピグメントレッド81(ローダミン6G'レーキ等)の如き塩基性染料レーキ顔料、 C.I.ピグメントレッド177(ジアントラキノニルレッド等)の如きアントラキノン系顔料、 C.I.ピグメントレッド88(チオインジゴボルドー等)の如きチオインジゴ顔料、 C.I.ピグメントレッド194(ペリノンレッド等)の如きペリノン顔料、 C.I.ピグメントレッド149(ペリレンスカーレット等)の如きペリレン顔料、 C.I.ピグメントレッド122(キナクリドンマゼンタ等)の如きキナクリドン顔料、 C.I.ピグメントレッド180(イソインドリノンレッド2BLT等)の如きイソインドリノン顔料、 C.I.ピグメントレッド83(マダーレーキ等)の如きアリザリンレーキ顔料等が挙げられる。
如きフタロシアニン顔料、 C.I.ピグメントブルー24(ピーコックブルーレーキ等
)の如き酸性染料レーキ顔料、 C.I.ピグメントブルー1(ビクロチアピュアブルー
BOレーキ等)の如き塩基性染料レーキ顔料、 C.I.ピグメントブルー60(インダ
ントロンブルー等)の如きアントラキノン系顔料、 C.I.ピグメントブルー18(ア
ルカリブルーV−5:1)の如きアルカリブルー顔料等が挙げられる。
また、金、銀、銅などの色再現のために金属粉も使用することができる。
色材の表面処理方法としては、技術情報協会発行の「顔料分散技術」第5章に記載されている、ロジン処理、ポリマー処理、グラフト化処理、プラズマ処理等の方法が適用できる。
、照射後モノマーと接触させ、後反応でグラフト重合を進行させる2nd stageの2段階プ
ロセスよりなるプラズマ開始グラフト重合反応による改質、などが挙げられる。
顔料の分散性を向上させるには以下に述べるポリマー処理が好ましい。
を利用した方法、顔料分散時に機械的な力で処理する方法などが挙げられる。
機械的な力でポリマー処理する方法を例示すると、ポリマーと顔料を予め顔料分が5〜95%になる様に混合した後に、加熱しながらニーダー、三本ロールなどで混練し、ピンミル等で粉砕するものである。フラッシング樹脂処理という方法も機械的なポリマー処理方法に含まれる。
該分散工程では、表面処理された色材を微粒子状に分散し且つ分散媒中で分散安定化させるために分散剤を使用することが好ましい。
なおインク使用液には、所望により各種添加剤を加えてもよい。添加剤は、インクジェット方式あるいはインクジェット吐出ヘッド、インク供給部、インク循環部の材質・構造等によって、任意に選択される。例えば、甘利武司監修「インクジェットプリンタ−技術と材料」第17章、(株)シーエムシー刊(1998年)等に記載されている添加剤が使用される。
アンモニウム塩等の有機スルホン酸のアンモニウム塩、スチレンと無水マレイン酸のコポリマーをアミンで変性したカルボン酸基を含有するポリマー等の側鎖にカルボン酸基を有するポリマー、メタクリル酸ステアリルとメタクリル酸のテトラメチルアンモニウム塩の共重合体等の側鎖にカルボン酸アニオン基を有するポリマー、スチレンとビニルピリジンの共重合体等の側鎖に窒素原子を有するポリマー、メタクリル酸ブチオルとN−(2−メタクリロイルオキシエチル)−N,N,N−トリメチルアンモニウムトシラート塩との共重合体等の側鎖にアンモニウム基を有するポリマー等が挙げられる。特に好ましい荷電調整剤はオクタデセンと半マレイン酸オクタデシルアミド共重合体である。粒子に付与される荷電は、正電荷であっても負電荷であっても良い。
(2)樹脂を溶剤に溶解し、色材を加え、ボールミル、アトライター、サンドグラインダー等で湿式分散し、溶剤を蒸発させて着色混和物を得るか、または、分散物を前記樹脂の非溶剤中に注ぎ、沈殿させて混和物を得、その後乾燥させて着色混和物を得る方法。
(3)フラッシング法で、顔料の含水ペースト(ウェットケーキ)を樹脂または樹脂溶剤と共に混練し、水を樹脂または樹脂溶液で置換した後、水および溶剤を減圧乾燥して着色混和物を得る方法。
メディア径は特に限定されるものではないが、例えば直径0.1mm〜10mm程度のものが使用できる。一般的には、メディアが大きいほど粒径分布が広くなり、小さいほど小粒径まで分散できる傾向にある。また、メディアの充填率も特に限定されるものではないが、50%〜90%のメディア充填率が好ましい。メディアの充填率と分散性能は密接な関係があり一般的に充填率を高くできれば分散効率が向上することが知られている。横型のミルの場合、たて型と比較して起動時のメディアのロック現象が全く起こらないため、ベッセル容量に対して充填率を80〜85%するのが好ましい。
以上のような分散工程で得られた分散媒中の色材粒子の体積平均直径は0.01〜10μmである。より好ましい体積平均直径は0.2〜5μmである。
図1は静電式インクジェット記録方法に用いるライン走査型マルチチャンネルインクジェットヘッドの構成例を示す図で、記録ドットに対応した吐出電極の断面を示している。同図においてインク100はポンプを含むインク循環系111から、ヘッドブロック101に接続されたインク供給系112を通して、ヘッド基板102と吐出電極基板103間に供給され、同じくヘッドブロック101に形成されたインク回収系113を通してインク循環系111に回収される。この吐出電極基板103は、貫通孔107を有する絶縁性基板104と、この貫通孔107の周囲で記録媒体側に形成されている吐出電極109とから構成されている。一方ヘッド基板102上には凸状インクガイド108が前記貫通孔107の略中心位置に配置されている。この凸状インクガイド108はプラスチック樹脂、セラミックスなど絶縁性部材からなり、前記貫通孔107と中心が等しくなるように同じ列間隔、ピッチで配置され、所定の方法でヘッド基板102上に保持されている。各凸状インクガイド108は厚みが一定の平板の先端を三角形あるいは台形状に切り出した形状で、その先端部がインク滴飛翔位置110となる。各凸状インクガイド108はその先端部からスリット状の溝を形成しても良く、そのスリットの毛細管現象により、インク飛翔位置110へのインク供給がスムースに行われ、記録周波数を向上することが出来る。またインクガイドの任意の表面は必要に応じて導電性を有していても良く、その場合には導電部分は電気的に浮遊状態とする事によって、吐出電極への少ない電圧印加で有効にインク飛翔位置に電界を形成できる。各凸状インクガイド108は、それぞれの貫通孔からほぼ垂直に所定の距離だけインク滴飛翔方向に突きだしている。凸状インクガイド108の先端に対向して記録紙である記録媒体121が配置され、この記録媒体121のヘッド基板102と反対側の背面に、記録媒体121を案内するプラテンの役割を兼ねる対向電極122が配置されている。また、ヘッド基板102と吐出電極基板103間によって形成される空間の底部には泳動電極140が形成されており、これに所定の電圧を印加する事により、インクガイドの吐出位置方向にインク中の荷電粒子を電気泳動させ、吐出の応答性を上げることが出来る。
青色顔料としてリノールブルーFG−7350(Pigment blue15:3、東洋インク社製)20質量部、樹脂としてスチレン/ビニルトルエン/ラウリルメタクリレート/ブチルアクリレート/トリメチルアンモニウムエチルメタクリレート(陰イオン、p−トルエンスルホン酸)共重合体(質量比=25/27/2/27/18、質量平均分子量1.1万、軟化点46℃)40質量部をトリオサイエンス(株)製トリオブレンダーで粉砕しよく混合した後に、入江商会(株)製卓上型ニーダーPBV−0.1に入れ85℃で120分間、加熱溶融混練した。上記の顔料樹脂混練物をトリオブレンダ−にて粗粉砕し、更に協立理工(株)製SK−M10型サンプルミルで微粉砕した。
引き続き、顔料樹脂混練物35質量部、アイソパーG50.4質量部、下記の顔料分散剤(D−1)をアイソパーGに加熱溶解して調液した20質量%溶液を14.6質量部、直径約3mmのガラスビ−ズ400質量部を500mlマヨネ−ズ瓶に入れて、東洋精機KK(株)製ペイントシェイカーで30分間予備分散した。
次にガラスビ−ズを除去した後、直径0.5〜0.71mmのガラスビ−ズと共に、シンマルエンタープライズ社(株)製のダイノミルKDL型(ベッセル容量0.3リットル)にて2000rpmで、エムエス機器(株)製恒温槽NESLABRTE7を用いて分散液の液温度を30℃に制御しながら2時間分散し、得られた分散液からガラスビ−ズを除去し、色材粒子濃度35質量%のインク原液を得た。このインク原液の流動特性を低粘度用のELD型粘度計(東京計器(株)製)で測定したところ、ズリ速度77(sec-1)では70mP・s、ズリ速度383(sec-1)では40mP・s、平均粘度値は55mP・sであった。
このインク原液をアイソパ−Gで希釈し、色材粒子濃度を7質量%に調整し、荷電調整剤としてオクタデセン−半マレイン酸オクタデシルアミド共重合体を0.05質量%になるように添加して吐出用のインク使用液を作成した。このインク中の色材粒子の体積平均直径を堀場製作所(株)製の超遠心式自動粒度分布測定装置CAPA700で測定した所、0.75μmで、粘度は1.5mPa・sec(温度20℃で測定)であった。又、表面張力は23mN/m(協和界面科学社製の自動表面張力計、温度20℃で測定)、インク全体の比伝導度は800pS/cm(LCRメーター、安藤電気(株)製AG−4311で測定)であった。比伝導度は上記のLCRメーター及び液体用電極(川口電機製作所(株)製LP−05型)を使用し、印加電圧5V、周波数1kHzの条件で測定した。
比較例1において、分散液の液温度を30℃に制御しながら2時間分散した後、分散液の温度を50℃に上げて更に30分間分散した。得られた分散液からガラスビ−ズを除去し、色材粒子濃度35質量%のインク原液を得た。このインク原液の流動特性を低粘度用のELD型粘度計(東京計器(株)製)で測定したところ、ズリ速度77(sec-1)では5mP・s、ズリ速度383(sec-1)では5mP・s、平均粘度値は5mP・sであった。
このインク原液をアイソパ−Gで希釈し、粒子濃度を7質量%に調整し、荷電調整剤としてオクタデセン−半マレイン酸オクタデシルアミド共重合体をインク全体の比電導度が800pS/cmになるように0.13質量%添加して吐出用のインク使用液を作成した。このインク使用液中の色材粒子の体積平均直径を堀場製作所(株)製の超遠心式自動粒度分布測定装置CAPA700で測定した所、0.90μmで、粘度は1.3mPa・sec(温度20℃で測定)であった。又、表面張力は23mN/m(協和界面科学社製の自動表面張力計、温度20℃で測定)であった。このインクを比較例1と同条件で描画したところ、パルス電圧に追従した滲みのないドットを吐出することができたことから、吐出安定性が良好であることが分かった。
比較例1において、分散液の液温度を30℃に制御しながら2時間分散した後、得られた分散液からガラスビ−ズを除去し、色材粒子濃度35質量%の分散原液を回収した。この分散原液をナス型フラスコに入れ、オイルバス中で分散原液温度を50℃にして30分間攪拌した。得られた色材粒子濃度35質量%のインク原液の流動特性を低粘度用のELD型粘度計(東京計器(株)製)で測定したところ、ズリ速度77(sec-1)では25mP・s、ズリ速度383(sec-1)では23mP・s、平均粘度値は24mP・sであった。
このインク原液をアイソパ−Gで希釈し、色材粒子濃度を7質量%に調整し、荷電調整
剤としてオクタデセン−半マレイン酸オクタデシルアミド共重合体をインク全体の比電導度が800pS/cmになるように0.09質量%添加して吐出用のインク使用液を作成した。このインク使用液中の色材粒子の体積平均直径を堀場製作所(株)製の超遠心式自動粒度分布測定装置CAPA700で測定した所、0.90μmで、粘度は1.5mPa・sec(温度20℃で測定)であった。又、表面張力は23mN/m(協和界面科学社製の自動表面張力計、温度20℃で測定)であった。このインクを比較例1と同条件で描画したところ、パルス電圧に追従した滲みのないドットを吐出することができたことから、吐出安定性が良好であることが分かった。
比較例1において、分散液の液温度を30℃に制御しながら2時間分散した後、得られた分散液からガラスビ−ズを除去し、色材粒子濃度35質量%の分散原液を得た。この分散原液の100質量部にアセトンを2質量部添加し、30分間攪拌した。その後、アセトンをエバポレ−タで真空脱気し完全に留去した。低粘度用のELD型粘度計(東京計器(株)製)で測定したところ、ズリ速度77(sec-1)では15mP・s、ズリ速度383(sec-1)では13mP・s、平均粘度値は14mP・sであった。
このインク原液をアイソパ−Gで希釈し、色材粒子濃度を7質量%に調整し、インク全体の比電導度が800pS/cmになるように荷電調整剤としてオクタデセン−半マレイン酸オクタデシルアミド共重合体を0.08質量%添加して吐出用のインク使用液を作成した。このインク使用液中の色材粒子の体積平均直径を堀場製作所(株)製の超遠心式自動粒度分布測定装置CAPA700で測定した所、0.85μmで、粘度は1.3mPa・sec(温度20℃で測定)であった。又、表面張力は23mN/m(協和界面科学社製の自動表面張力計、温度20℃で測定)であった。このインクを比較例1と同条件で描画したところ、パルス電圧に追従した滲みのないドットを吐出することができたことから、吐出安定性が良好であることが分かった。
101 ヘッドブロック
102 ヘッド基板
103 吐出電極基板
104 絶縁性基板
107 貫通孔
108 凸状インクガイド
109 吐出電極
110 インク滴飛翔位置
111 インク循環系
112 インク供給流路
113 インク回収系
115 インク滴
121 記録媒体
122 対向電極
123 バイアス電極
124 信号電圧源
140 泳動電極
Claims (5)
- 分散媒、樹脂を含む色材粒子、及び分散剤を少なくとも含有するインクジェット記録用インク原液であって、前記原液の流動特性がニュートン流動性を示すことを特徴とするインクジェット記録用インク原液。
- 樹脂を含む色材粒子を分散媒中で分散剤とともに分散する工程を少なくとも有する請求項1に記載のインクジェット記録用インク原液を製造する方法であって、前記分散工程中及び/又は分散工程後、前記樹脂を含む色材粒子を膨潤又は軟化処理することを特徴とする前記製造方法。
- 前記軟化処理が、前記樹脂を含む色材粒子を加熱する処理であることを特徴とする請求項2に記載のインクジェット記録用インク原液の製造方法。
- 前記膨潤処理が、良溶媒を添加して前記樹脂を含む色材粒子を膨潤させる処理であることを特徴とする請求項2に記載のインクジェット記録用インク原液の製造方法。
- 請求項1に記載のインクジェット記録用インク原液を分散媒により希釈して得られるインクジェット記録用インクであって、前記インクジェット記録用インクの20℃での粘度が、0.5〜5mPa・sの範囲内であることを特徴とするインクジェット記録用インク。
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JP2009051146A (ja) * | 2007-08-28 | 2009-03-12 | Ricoh Co Ltd | インクジェットヘッド、インクジェット装置及びインクジェットヘッド用インク |
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