JP2016124277A - 画像記録方法、インク及び液体組成物 - Google Patents

画像記録方法、インク及び液体組成物 Download PDF

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Abstract

【課題 】画質が高い画像が得られる画像記録方法を提供すること。
【解決手段】 顔料及びアニオン性樹脂粒子を含有するインクを記録媒体に付与する工程と、前記インク中の前記顔料又は前記アニオン性樹脂粒子の分散状態を不安定化させる液体組成物を、前記インクを付与する領域と少なくとも一部で重なるように前記記録媒体に付与する工程と、を有する画像記録方法であって、前記インクが、更に、一般式(1)で表されるユニットを有する樹脂、及び、一般式(2)で表されるユニットを有する樹脂から選択される少なくとも1種の樹脂Xを含有することを特徴とする画像記録方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は画像記録方法、並びに、係る画像記録方法に用いるインク及び液体組成物に関する。
従来、画像記録方法において、顔料を含有するインク(顔料インク)とインク中の顔料の分散状態を不安定化させる液体組成物を用いた2液反応型の画像記録方法(2液反応システム)が検討されている(特許文献1)。
特許文献1には、顔料とメタクリル酸誘導体由来の構造を有する樹脂粒子とを含有するインクと、有機酸を含有する液体組成物を用いた画像記録方法が開示されており、後述する画像移動現象が抑制されることが記載されている。
一方、N−ビニルカルボン酸アミド構造を有する樹脂を含有するインクも知られている(特許文献2及び3)。特許文献2には、顔料と、N−ビニルカルボン酸アミド及びN−ビニルカルボン酸アミドの共重合体とを含有するインクが開示されており、吐出安定性に優れることが記載されている。特許文献3には、顔料と樹脂粒子と、ポリ−N−ビニルアセトアミドを含有するインクが開示されており、記録媒体への密着性、耐薬品性に優れることが記載されている。
特開2010−31267号公報 特開平7−62287号公報 特開2013−28674号公報
しかしながら、本発明者らの検討によると、特許文献1に記載の画像記録方法では、近年求められるような高速記録を行った際に、高いレベルの画質の画像が得られなかった。また、特許文献2及び3に記載のインクを用いて高速記録を行った場合でも、高いレベルの画質の画像が得られなかった。
したがって、本発明の目的は、高速記録を行った際に、画質が高い画像が得られる画像記録方法を提供することにある。
上記の目的は以下の本発明によって達成される。即ち、本発明の第1の実施形態にかかる画像記録方法は、顔料及びアニオン性樹脂粒子を含有するインクを記録媒体に付与する工程と、前記インク中の前記顔料又は前記アニオン性樹脂粒子の分散状態を不安定化させる液体組成物を、前記インクを付与する領域と少なくとも一部で重なるように前記記録媒体に付与する工程と、を有し、前記インクが、更に、下記一般式(1)で表されるユニットを有する樹脂、及び、下記一般式(2)で表されるユニットを有する樹脂から選択される少なくとも1種の樹脂Xを含有することを特徴とする。
また、本発明の第2の実施形態にかかる画像記録方法は、顔料及びアニオン性樹脂粒子を含有するインクを記録媒体に付与する工程と、前記インク中の前記顔料又は前記アニオン性樹脂粒子の分散状態を不安定化させる液体組成物を、前記インクを付与する領域と少なくとも一部で重なるように前記記録媒体に付与する工程と、を有し、前記液体組成物が、下記一般式(1)で表されるユニットを有する樹脂、及び、下記一般式(2)で表されるユニットを有する樹脂から選択される少なくとも1種の樹脂Xを含有することを特徴とする。
また、本発明の第3の実施形態にかかる画像記録方法は、アニオン性樹脂粒子を含有するクリアインクを記録媒体に付与する工程と、前記クリアインク中の前記アニオン性樹脂粒子の分散状態を不安定化させる液体組成物を、前記クリアインクを付与する領域と少なくとも一部で重なるように前記記録媒体に付与する工程と、を有し、前記クリアインクが、更に、下記一般式(1)で表されるユニットを有する樹脂、及び、下記一般式(2)で表されるユニットを有する樹脂から選択される少なくとも1種の樹脂Xを含有することを特徴とする。
(一般式(1)において、Rは水素原子又はメチル基を表し、Rは水素原子又は有機基を表す。)
(一般式(2)において、R、R及びRはそれぞれ独立に水素原子又は有機基を表し、Xは単結合又は結合鎖を表し、Yは下記一般式(3)で表される構造又はアルキレンオキシ基を表す。)
(一般式(3)において、R、R及びRはそれぞれ独立に水素原子又は有機基を表す。)
本発明によれば、画質が高い画像が得られる画像記録方法を提供することができる。
本発明に用いられる記録装置の構成の一例を示す模式図である。
以下、好適な実施の形態を挙げて、本発明を詳細に説明する。
本発明者らは先ず、従来の2液反応システムを用いた画像記録方法では、高速記録を行った際に、高いレベルの画質の画像が得られなかった原因について検討を行った。結果を以下に説明する。
従来の2液反応システムを用いた画像記録方法は、滲みやブリーディングを効果的に抑制するために、インク(クリアインクを含む)と液体組成物との反応性が高くなるように設計されている。具体的には、顔料及びアニオン性樹脂粒子を含有するインク(アニオン性樹脂粒子を含有するクリアインク)と、液体組成物が接触した際に、記録媒体において顔料やアニオン性樹脂粒子が素早く凝集するように、インク(クリアインク)や液体組成物の組成が調製されている。高速記録を行うと、インク(クリアインク)が付与されるタイミングと液体組成物が付与されるタイミングが非常に近く、インクと液体組成物が互いに液体状態で混合する場合がある。このとき、インク(クリアインク)と液体組成物との反応性が高過ぎると、顔料や樹脂粒子が凝集する際に体積収縮が発生し、体積収縮した顔料や樹脂粒子の凝集体がインク(クリアインク)と液体組成物の付与領域内を移動してしまい、記録媒体の所望の領域とずれた領域に顔料が定着してしまう現象(画像移動現象)が生じることが分かった。
本発明者らがこの画像移動現象を抑制するための方法について検討したところ、本願発明の構成に至ったものである。具体的には、顔料及びアニオン性樹脂粒子を含有するインク(第1の実施形態)やアニオン性樹脂粒子を含有するクリアインク(第3の実施形態)、又は、係るインク(クリアインク)と共に用いる液体組成物(第2の実施形態)の何れかに、下記一般式(1)で表されるユニットを有する樹脂、及び、下記一般式(2)で表されるユニットを有する樹脂から選択される少なくとも1種の樹脂Xを含有する。
(一般式(1)において、Rは水素原子又はメチル基を表し、Rは水素原子又は有機基を表す。)
(一般式(2)において、R、R及びRはそれぞれ独立に水素原子又は有機基を表し、Xは単結合又は結合鎖を表し、Yは下記一般式(3)で表される構造又はアルキレンオキシ基を表す。)
(一般式(3)において、R、R及びRはそれぞれ独立に水素原子又は有機基を表す。)
この構成によって、本発明の効果が得られるメカニズムを以下に示す。
一般式(1)で表されるユニットは所謂「N−ビニルカルボン酸アミド構造」であり、アミド結合を有する。一方、一般式(2)で表されるユニットは、一般式(3)で表される構造における水酸基や、アルキレンオキシ基を有する。したがって、一般式(1)や一般式(2)で表されるユニットを有する樹脂Xは、インク中の顔料やアニオン性樹脂粒子と水素結合を形成し得る。したがって、インクと液体組成物が混合した際には、顔料やアニオン性樹脂粒子は、樹脂Xが吸着した状態で、凝集反応を起こす。このとき、凝集反応自体は素早く起きるが、凝集物は顔料や樹脂粒子の間に樹脂Xが取り込まれた状態で存在するため、凝集反応による体積収縮が発生しにくい。このようにして、高速凝集性を高めながら画像移動現象を抑制していると考えられる。
以上のメカニズムのように、各構成が相乗的に効果を及ぼし合うことによって、本発明の効果を達成することが可能となる。
<一般式(1)で表されるユニットを有する樹脂、及び、一般式(2)で表されるユニットを有する樹脂から選択される少なくとも1種の樹脂X>
<1>一般式(1)で表されるユニットを有する樹脂
一般式(1)において、Rは水素原子又はメチル基を表す。また、Rは水素原子又は有機基を表す。有機基としては、炭素数1〜4のアルキル基が好ましい。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、tert−ブチル基などが挙げられる。中でも、メチル基を用いることが好ましい。
一般式(1)で表されるユニットを有する樹脂は、例えば、下記一般式(1’)で表される化合物を重合する方法によって得ることができる。
(一般式(1’)において、Rは水素原子又はメチル基を表し、Rは水素原子又は有機基を表す。)
更には、一般式(1’)で表される化合物と別の化合物を共重合することで得ることもできる。このとき、共重合体に占める、一般式(1)で表されるユニットの割合が50mol%以上であることが好ましい。共重合体としては、ランダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体の何れも用いることが可能である。
一般式(1’)で表される化合物と共重合する化合物としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、スチレンなどが挙げられる。更に、第1の実施形態の場合、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、イタコン酸モノエスデル、マレイン酸、マレイン酸モノエステル、フマル酸、フマル酸モノエスデル、ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、スルホン化ビニルナフタレンなどのカルボキシル基やスルホン酸基を含有する化合物や、ビニルトルエンなどのスチレン誘導体、ビニルナフタレン、ビニルナフタレン誘導体、クロトン酸アルキルエステル、イタコン酸ジアルキルエステル、マレイン酸ジアルキルエステルなどを用いて共重合することが好ましい。また、第2の実施形態の場合、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレートなどのカチオン性基を有するモノマーなどを用いて共重合することが好ましい。
一般式(1)で表されるユニットを有する樹脂の、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により得られるポリスチレン換算の重量平均分子量としては、第1及び第3の実施形態の場合、1,000以上50,000以下であることが好ましく、3,000以上50,000以下であることがより好ましい。一方、第2の実施形態の場合、1,000以上1,000,000以下であることが好ましく、3,000以上750,000以下であることがより好ましい。
<2>一般式(2)で表されるユニットを有する樹脂
一般式(2)において、R、R及びRはそれぞれ独立に水素原子又は有機基を表す。有機基としては、炭素数1〜4のアルキル基が好ましい。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、tert−ブチル基などが挙げられる。中でも、メチル基を用いることが好ましい。
一般式(2)において、Xは単結合又は結合鎖を表す。Xが単結合の場合は、Yが炭素原子に直接結合することを意味する。結合鎖としては、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、フェニレン、ナフチレンなどの炭化水素基(これらの炭化水素基はフッ素、塩素、臭素のハロゲン原子で置換されていてもよい)や、−O−、−(CHO)−、−(OCH−、−(CHO)CH−、−CO−、−COCO−、−CO(CHCO−、−CO(C)CO−、−S−、−CS−、−SO−、−SO−、−NR−、−CONR−、−NRCO−、−CSNR−、−NRCS−、−NRNR−、−HPO−、−Si(OR)−、−OSi(OR)−、−OSi(OR)O−、−Ti(OR)−、−OTi(OR)−、−OTi(OR)O−、−Al(OR)−、−OAl(OR)−、−OAl(OR)O−など(Rは各々独立して任意の置換基であり、水素原子、アルキル基が好ましく、またmは自然数である)が挙げられる。中でも、炭素数6以下のアルキレン基が好ましく、特にメチレン基又は−CHOCH−がより好ましい。
一般式(2)において、Yは一般式(3)で表される構造又はアルキレンオキシ基を表す。本発明においては、Yが一般式(3)で表される構造であることが好ましい。尚、以降の説明では、Yが一般式(3)で表される構造である場合の一般式(2)で表されるユニットを有する樹脂を、「1,2−ジオール構造単位を有する変性ポリビニルアルコール樹脂」と呼ぶものとする。
一般式(3)において、R、R及びRはそれぞれ独立に水素原子又は有機基を表す。有機基としては、炭素数1〜4のアルキル基が好ましい。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、tert−ブチル基などが挙げられる。中でも、メチル基を用いることが好ましい。
1,2−ジオール構造単位を有する変性ポリビニルアルコール樹脂を用いる場合、樹脂全体に占める、一般式(3)で表される構造の含有量は、0.3mol%以上20.0mol%以下であることが好ましい。
また、1,2−ジオール構造単位を有する変性ポリビニルアルコール樹脂は、特開2008−163179などに記載の公知の技術を利用して得られる。
更に、1,2−ジオール構造単位を有する変性ポリビニルアルコール樹脂の平均重合度(JIS K6726に準拠して測定)は、第1の実施形態の場合、100以上2,000以下が好ましく、200以上1,500以下がより好ましく、500以上1,000以下が特に好ましい。
第2の実施形態の場合、300以上5,000以下が好ましく、500以上2,500以下がより好ましく、600以上1,500以下が特に好ましい。
<樹脂Xの含有量に関して>
(1)第1の実施形態
第1の実施形態において、樹脂Xは、顔料と、アニオン性樹脂粒子とを含有するインク中に用いられる。
第1の実施形態において、インク全質量を基準とした、樹脂Xの含有量は、0.1質量%以上であることが好ましく、0.2質量%以上3.0質量%以下であることがより好ましい。
第1の実施形態において、インク全質量を基準とした、アニオン性樹脂粒子の含有量が、樹脂Xの含有量に対して、質量比率で1.5倍以上50.0倍以下であることが好ましく、5.0倍以上20.0倍以下であることがより好ましい。係る質量比率が、1.5倍より小さいと、樹脂粒子に対して樹脂Xの量が相対的に多く、凝集を阻害し得るため、画質の向上効果が十分に得られない場合がある。係る質量比率が、50.0倍より大きいと、樹脂粒子に対して樹脂Xの量が相対的に少なく、上述の画像移動抑制効果が十分に得られない場合がある。
(2)第2の実施形態
第2の実施形態において、樹脂Xは、インク中の顔料又はアニオン性樹脂粒子の分散状態を不安定化させる液体組成物中に用いられる。
第2の実施形態において、液体組成物全質量を基準とした、樹脂Xの含有量は、1.0質量%以上であることが好ましく、2.0質量%以上であることがより好ましく、5.0質量%以上40.0質量%以下であることが特に好ましい。
第2の実施形態において、記録媒体に対する、インクに由来するアニオン性樹脂粒子の付与量が、液体組成物に由来する樹脂Xの付与量に対して、質量比率で0.3倍以上70.0倍以下であることが好ましく、0.5倍以上40.0倍以下であることがより好ましい。係る質量比率が、0.3倍より小さいと、樹脂粒子に対して樹脂Xの量が相対的に多く、凝集を阻害し得るため、画質の向上効果が十分に得られない場合がある。係る質量比率が、70.0倍より大きいと、樹脂粒子に対して樹脂Xの量が相対的に少なく、上述の画像移動抑制効果が十分に得られない場合がある。
(3)第3の実施形態
第3の実施形態において、樹脂Xは、アニオン性樹脂粒子を含有するクリアインク中に用いられる。
第3の実施形態において、クリアインク全質量を基準とした、樹脂Xの含有量は、0.1質量%以上であることが好ましく、0.2質量%以上3.0質量%以下であることがより好ましい。
第3の実施形態において、クリアインク全質量を基準とした、アニオン性樹脂粒子の含有量が、樹脂Xの含有量に対して、質量比率で1.5倍以上50.0倍以下であることが好ましく、5.0倍以上20.0倍以下であることがより好ましい。係る質量比率が、1.5倍より小さいと、樹脂粒子に対して樹脂Xの量が相対的に多く、凝集を阻害し得るため、画質の向上効果が十分に得られない場合がある。係る質量比率が、50.0倍より大きいと、樹脂粒子に対して樹脂Xの量が相対的に少なく、上述の画像移動抑制効果が十分に得られない場合がある。
<インク>
本発明において、インクは、顔料と、アニオン性樹脂粒子とを含有する。更に、水性媒体やその他の成分を含有してもよい。以下、インクに用いることができる材料について説明する。尚、以下の説明において、「(メタ)アクリル酸」、「(メタ)アクリレート」と記載した場合は、それぞれ「アクリル酸、メタクリル酸」、「アクリレート、メタクリレート」を示すものとする。
(顔料)
本発明において、インク中の顔料の含有量としては、インク全質量を基準として、0.5質量%以上15.0質量%以下が好ましく、更には1.0質量%以上10.0質量%以下とするのがより好ましい。
顔料の分散方法としては、分散剤として樹脂を用いる樹脂分散タイプの顔料(樹脂分散剤を使用した樹脂分散顔料、顔料粒子の表面を樹脂で被覆したマイクロカプセル顔料、顔料粒子の表面に樹脂を含む有機基が化学的に結合した樹脂結合顔料)や顔料粒子の表面に親水性基を導入した自己分散タイプの顔料(自己分散顔料)が挙げられる。無論、分散方法の異なる顔料を併用することも可能である。具体的な顔料としては、カーボンブラックや有機顔料を用いることが好ましい。また、顔料は1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。また、インクに使用する顔料が前記樹脂分散タイプの顔料であるときは、樹脂を分散剤として用いる。分散剤として用いる樹脂は親水性部位と疎水性部位を共に有することが好ましい。具体的には、アクリル酸やメタクリル酸などカルボキシル基を有するモノマーを用いて重合したアクリル樹脂;ジメチロールプロピオン酸などアニオン性基を有するジオールを用いて重合したウレタン樹脂などが挙げられる。また、分散剤として用いる樹脂の酸価は50mgKOH/g以上550mgKOH/g以下であることが好ましい。また、分散剤として用いる樹脂のGPCにより得られるポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)は、1,000以上50,000以下であることが好ましい。また、インク中の樹脂分散剤の含有量は、インク全質量を基準として、0.1質量%以上10.0質量%以下、更には、0.2質量%以上4.0質量%以下であることが好ましい。また、樹脂分散剤の含有量が、顔料の含有量に対して、質量比率で0.1倍以上3.0倍以下であることが好ましい。
(アニオン性樹脂粒子)
本発明において、「樹脂粒子」とは、粒径を有する状態で溶媒中に分散して存在する樹脂を意味する。本発明において、樹脂粒子の50%累積体積平均粒径(D50)は、10nm以上1,000nm以下であることが好ましい。また、50nm以上500nm以下であることがより好ましい。尚、本発明において樹脂粒子のD50は、以下の方法で測定する。樹脂粒子分散体を純水で50倍(体積基準)に希釈し、UPA−EX150(日機装製)を使用して、SetZero:30s、測定回数:3回、測定時間:180秒、屈折率:1.5の測定条件で測定する。
また、樹脂粒子のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により得られるポリスチレン換算の重量平均分子量は、1,000以上2,000,000以下であることが好ましい。
更には、樹脂粒子の最低造膜温度は、20度以上100度以下であることが好ましい。尚、本発明における樹脂粒子の最低造膜温度の測定方法は、JIS K 6828−2の「最低造膜温度の求め方」に準じる。
本発明の画像記録方法において、インク中の樹脂粒子の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として1質量%以上であることが好ましい。更には、3質量%以上であることが好ましく、5質量%以上15質量%以下であることがより好ましい。
本発明において、樹脂粒子としては、上述の樹脂粒子の定義を満たすものであれば、何れのものもインクに使用することができる。樹脂粒子に用いられるモノマーとしては、乳化重合法、懸濁重合法、分散重合法などで重合可能なモノマーであれば何れのものも用いることが可能である。モノマーの違いによって、例えば、アクリル系、酢酸ビニル系、エステル系、エチレン系、ウレタン系、合成ゴム系、塩化ビニル系、塩化ビニリデン系、オレフィン系などの樹脂粒子が挙げられるが、中でも、アクリル樹脂粒子、ウレタン樹脂粒子を用いることが好ましい。
アクリル樹脂粒子に具体的に使用可能なモノマーとしては、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、クロトン酸、アンゲリカ酸、イタコン酸、フマル酸などのα,β−不飽和カルボン酸及びその塩;エチル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコール(メタ)アクリレート、トリエチレングリコール(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシテトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、マレイン酸モノブチル、イタコン酸ジメチルなどのα,β−不飽和カルボン酸のエステル化合物;(メタ)アクリルアミド、ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルプロピル(メタ)アクリルアミド、イソプロピル(メタ)アクリルアミド、ジエチル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロイルモルホリン、マレイン酸モノアミド、クロトン酸メチルアミドなどのα,β−不飽和カルボン酸のアルキルアミド化合物;スチレン、α−メチルスチレン、フェニル酢酸ビニル、ベンジル(メタ)アクリレート、2−フェノキシエチル(メタ)アクリレートなどのアリール基を有するα,β−エチレン性不飽和化合物;エチレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレートなどの多官能アルコールのエステル化合物などが挙げられる。これらは、単一のモノマーが重合した単重合体でもよく、2種以上のモノマーが重合した共重合体でもよい。樹脂粒子が共重合体の場合は、ランダム共重合体でもブロック共重合体でもよい。中でも、親水性のモノマーと疎水性のモノマーを用いた樹脂粒子が好ましい。親水性モノマーとしては、α,β−不飽和カルボン酸及びその塩が挙げられ、疎水性モノマーとしてはα,β−不飽和カルボン酸のエステル化合物やアリール基を有するα,β−エチレン性不飽和化合物が挙げられる。
ウレタン樹脂粒子は、2つ以上のイソシアネート基を有する化合物であるポリイソシアネートと、2つ以上のヒドロキシル基を有する化合物であるポリオール化合物を反応させて合成する樹脂粒子である。本発明においては、上記樹脂粒子の条件を満たすものであれば、公知のポリイソシアネート化合物と公知のポリオール化合物を反応させて得られるウレタン樹脂粒子を何れも用いることができる。
一方、樹脂粒子の構造としては、単層構造の樹脂粒子と、コアシェル構造などの複層構造の樹脂粒子が挙げられる。本発明においては、複層構造の樹脂粒子を用いることが好ましい。特に、コアシェル構造を有する樹脂粒子を用いることがより好ましい。樹脂粒子がコアシェル構造を有することで、コア部分とシェル部分とで明確に機能分離される。このようなコアシェル構造を有する樹脂粒子は、単層構造の樹脂粒子と比較して、より多くの機能をインクに付与することができるという利点がある。
(水性媒体)
本発明のインクは、水、又は、水及び水溶性有機溶剤の混合溶媒である水性媒体を用いることができる。水溶性有機溶剤の含有量は、インクの全質量を基準として、3.0質量%以上50.0質量%以下であることが好ましい。水溶性有機溶剤としては、従来、一般的に用いられているものを何れも用いることができる。例えば、アルコール類、グリコール類、アルキレン基の炭素原子数が2乃至6のアルキレングリコール類、ポリエチレングリコール類、含窒素化合物類、含硫黄化合物類などが挙げられる。これらの水溶性有機溶剤は、必要に応じて1種又は2種以上を用いることができる。水は脱イオン水(イオン交換水)を用いることが好ましい。水の含有量は、インクの全質量を基準として、50.0質量%以上95.0質量%以下であることが好ましい。
(その他の成分)
本発明のインクは、上記の成分以外にも必要に応じて、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタンなどの多価アルコール類や、尿素、エチレン尿素などの尿素誘導体など、常温で固体の水溶性有機化合物を含有してもよい。更に、本発明のインクや液体組成物は、必要に応じて、界面活性剤、pH調整剤、防錆剤、防腐剤、防黴剤、酸化防止剤、還元防止剤、蒸発促進剤、キレート化剤、及び樹脂などの種々の添加剤を含有してもよい。
<液体組成物>
本発明において、液体組成物は、インク中の顔料又はアニオン性樹脂粒子の分散状態を不安定化させる。具体的には、その様な作用を示す反応剤を含有することが好ましい。更に、水性媒体やその他の成分を含有してもよい。また、液体組成物の付与量は、0.1g/m以上10.0g/m以下であることが好ましい。
本発明において、液体組成物は、インクで記録した画像に影響を及ぼさないために、無色、乳白色、又は白色であることが好ましい。そのため、可視光の波長域である400nm乃至800nmの波長域における最大吸光度と最小吸光度の比(最大吸光度/最小吸光度)が1.0以上2.0以下であることが好ましい。これは、可視光の波長域において、吸光度のピークを実質的に有さないか、有していてもピークの強度が極めて小さいことを意味する。更に、本発明において、液体組成物は色材を含有しないことが好ましい。吸光度は、非希釈の液体組成物を用いて、日立ダブルビーム分光光度計U−2900(日立ハイテクノロジーズ製)によって測定すればよい。尚、このとき、液体組成物を希釈して吸光度を測定してもよい。これは、液体組成物の最大吸光度と最小吸光度の値は共に希釈倍率に比例するため、最大吸光度と最小吸光度の比(最大吸光度/最小吸光度)の値は希釈倍率に依存しないからである。
以下、液体組成物に用いることができる材料について説明する。
(反応剤)
本発明において、液体組成物はインクの成分(色材や樹脂など)を析出・凝集させるような反応剤を含有する。反応剤としては、従来公知の化合物を用いることができるが、中でも、多価金属イオン及び有機酸から選択される少なくとも1種を用いることが好ましい。また、複数の種類の反応剤を液体組成物に含有させることも好ましい。
多価金属イオンの具体例としては、Ca2+、Cu2+、Ni2+、Mg2+、Sr2+、Ba2+、及びZn2+などの二価の金属イオン;Fe3+、Cr3+、Y3+、及びAl3+などの三価の金属イオンなどを挙げることができる。本発明において、前記多価金属イオンは水酸化物、塩化物などの塩の形態で液体組成物に添加することができ、解離して生じるイオンとして用いられてもよい。本発明において、多価金属イオンの含有量は、液体組成物全質量を基準として、3質量%以上90質量%以下であることが好ましい。
また、有機酸の具体例としては、シュウ酸、ポリアクリル酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、マロン酸、リンゴ酸、マレイン酸、アスコルビン酸、レブリン酸、コハク酸、グルタル酸、グルタミン酸、フマル酸、クエン酸、酒石酸、乳酸、ピロリドンカルボン酸、ピロンカルボン酸、ピロールカルボン酸、フランカルボン酸、ピリジンカルボン酸、クマリン酸、チオフェンカルボン酸、ニコチン酸、オキシコハク酸、ジオキシコハク酸などを挙げることができる。本発明において、有機酸の含有量は、液体組成物全質量を基準として、3質量%以上99質量%以下であることが好ましい。
(水性媒体)
本発明の液体組成物は、水、又は、水及び水溶性有機溶剤の混合溶媒である水性媒体を用いることができる。水溶性有機溶剤の含有量は、液体組成物の全質量を基準として、3.0質量%以上50.0質量%以下であることが好ましい。水溶性有機溶剤としては、従来、一般的に用いられているものを何れも用いることができる。例えば、アルコール類、グリコール類、アルキレン基の炭素原子数が2乃至6のアルキレングリコール類、ポリエチレングリコール類、含窒素化合物類、含硫黄化合物類などが挙げられる。これらの水溶性有機溶剤は、必要に応じて1種又は2種以上を用いることができる。水は脱イオン水(イオン交換水)を用いることが好ましい。水の含有量は、液体組成物の全質量を基準として、50.0質量%以上95.0質量%以下であることが好ましい。
(その他の成分)
液体組成物は、上記の成分以外にも必要に応じて、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタンなどの多価アルコール類や、尿素、エチレン尿素などの尿素誘導体など、常温で固体の水溶性有機化合物を含有してもよい。更に、本発明のインクや液体組成物は、必要に応じて、界面活性剤、pH調整剤、防錆剤、防腐剤、防黴剤、酸化防止剤、還元防止剤、蒸発促進剤、キレート化剤、及び樹脂などの種々の添加剤を含有してもよい。
特に液体組成物は、得られる画像に強度や滑り性を付与し耐擦過性を高める観点から、アクリル樹脂粒子、ウレタン樹脂粒子、ポリオレフィン樹脂粒子などの樹脂粒子;シリカ粒子、チタニア粒子、アルミナ粒子、ジルコニア粒子などの無機粒子;シリコーンオイル、フッ素オイルなどを含有することが好ましい。これらの材料の含有量は、液体組成物全質量を基準として、1質量%以上30質量%以下であることが好ましい。
[画像記録方法]
本発明においては、上述したインクや液体組成物を用いて画像を記録する。本発明の画像記録方法としては、記録媒体に直接インク及び液体組成物を付与し、画像を記録する「直描型画像記録方法」と、記録媒体としての中間転写体にインク及び液体組成物を付与して中間画像を形成した後、紙などの記録媒体に中間画像を転写することで画像を記録する「中間転写型画像記録方法」とが挙げられる。以下、それぞれの画像記録方法に関し、説明を行う。
[1]直描型画像記録方法
直描型画像記録方法は、インクを記録媒体に付与するインク付与工程(A)と、液体組成物をインクを付与する領域と少なくとも一部で重なるように記録媒体に付与する液体組成物付与工程(B)と、を有する。更に、上記工程(A)及び(B)により画像を記録した記録媒体をローラーで加圧する定着工程を有してもよい。
本発明においては、工程(A)の後に工程(B)を行っても、工程(B)の後に工程(A)を行っても構わない。また、同じ工程を2回以上行うような場合、例えば、工程(A)→工程(B)→工程(A)や、工程(B)→工程(A)→工程(B)でも構わない。特に、工程(B)の後に工程(A)を行う過程を含む方が画質の向上効果が大きく、より好ましい。
[インク付与工程]
インクの記録媒体への付与手段は、記録信号に応じて、インクジェット方式の記録ヘッドからインクを吐出させて記録媒体に記録を行う工程を有するインクジェット記録方法であることが好ましい。特に、インクに熱エネルギーを作用させて記録ヘッドの吐出口からインクを吐出させる方式のインクジェット記録方法が好ましい。
[液体組成物付与工程]
液体組成物の記録媒体への付与手段としては、インクジェット方式や塗布方式などが挙げられる。塗布方式としては、例えば、ローラーコーティング法、バーコーティング法、スプレーコーティング法などが挙げられる。
[定着工程]
定着工程においては、加圧することで、画像の平滑性を高めることができる。このとき、記録媒体をローラーで加圧する際に、ローラーを加熱しておくことが好ましい。加熱したローラーで加圧することで、画像の堅牢性を高めることができ、更に、加熱温度を調整することで得られる画像の光沢性を制御することもできる。
<記録媒体>
直描型画像記録方法において、記録媒体としては、一般的な印刷に用いられる紙だけでなく、布、プラスチック、フィルムなども広く包含される。本発明の画像記録方法に用いる記録媒体は、所望のサイズに予めカットされたものであってもよい。また、ロール状に巻かれたシートを用い、画像記録後に所望のサイズにカットされるものであってもよい。
[2]中間転写型画像記録方法
中間転写型画像記録方法においては、「中間転写体」が「記録媒体」に該当する。したがって、最終的に中間画像を転写する紙などの記録媒体は「転写媒体」として説明を行う。
図1に中間転写型画像記録方法の一例を示す模式図を示した。図1において、中間転写体10は、回転可能なドラム形状の支持部材12と、支持部材12の外周面上に配設された表層部材11とを備える。中間転写体10(支持部材12)は、回転軸13を中心として矢印方向(図の反時計回り)に回転駆動する。そして、中間転写体10の回転と同期して、中間転写体10の周囲に配置された各構成が作動するように構成されている。液体組成物は、塗布ローラー14などによって、中間転写体10に付与される。インクは、インクジェット方式の記録ヘッド15から付与され、所望の画像がミラー反転した中間画像が中間転写体10に形成される。次いで、温度調整機構17によって、中間転写体上に形成された中間画像の温度が所望の温度になるように調整してもよい。また、このとき、液体除去機構16によって、中間転写体上に形成された中間画像中の液体を除去してもよい。次いで、加圧ローラー19を用いて、転写媒体18と中間転写体10を接触させることで、転写媒体18に中間画像が転写される。中間転写体の表面を洗浄する工程として、クリーニングユニット20を有してもよい。以下、中間転写体及び各工程について説明する。
<中間転写体>
中間転写体は、液体組成物やインクを保持し、中間画像が記録される記録媒体である。中間転写体は、例えば、それ自体をハンドリングして必要な力を伝達するための支持部材と、中間画像が記録される表層部材とを備えるものが挙げられる。尚、支持部材と表層部材は一体となっていてもよい。
中間転写体の形状としては、シート形状、ローラー形状、ドラム形状、ベルト形状、無端ウエブ形状などを挙げることができる。また、中間転写体のサイズは、記録可能な転写媒体のサイズに合わせて適宜設定することができる。
中間転写体の支持部材は、その搬送精度や耐久性の観点から、ある程度の強度を有することが要求される。支持部材の材質としては、金属、セラミックス、樹脂などが好ましい。中でも、アルミニウム、鉄、ステンレス、アセタール樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン、ポリウレタン、シリカセラミクス、アルミナセラミクスが好ましい。これらの材質で支持部材を構成すると、転写時の加圧に耐えうる剛性や寸法精度を確保できるとともに、動作時のイナーシャを軽減して制御の応答性を向上させることができる。尚、これらの材質は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
中間転写体は、紙などの転写媒体に中間画像を転写させるため、その表層がある程度の弾性を有することが要求される。例えば、転写媒体として紙を用いる場合を想定すると、中間転写体の表層のJIS K6253に準拠したデュロA硬度(デュロメータ タイプA硬度)は、10度以上100度以下であることが好ましく、20度以上60度以下であることが更に好ましい。中間転写体の表層を構成する表層部材の材質としては、金属、セラミックス、樹脂などが好ましい。中でも、ポリブタジエン系ゴム、ニトリル系ゴム、クロロプレン系ゴム、シリコーン系ゴム、フッ素系ゴム、フルオロシリコーン系ゴム、ウレタン系ゴム、スチレン系エラストマー、オレフィン系エラストマー、塩ビ系エラストマー、エステル系エラストマー、アミド系エラストマーや、ポリエーテル、ポリエステル、ポリスチレン、ポリカーボネート、シロキサン化合物、パーフルオロカーボン化合が好ましい。また表層部材は、複数の材料を積層して形成されていてもよい。例えば、無端ベルト状ウレタンゴムシートにシリコーンゴムを積層した材料や、ポリエチレンテレフタラートフィルムにシリコーンゴムを積層した材料、ウレタンゴムシートにシロキサン化合物を成膜させた材料などが挙げられる。
また中間転写体の表面は表面処理を施して用いてもよい。表面処理としては、フレーム処理、コロナ処理、プラズマ処理、研磨処理、粗化処理、活性エネルギー線照射処理、オゾン処理、界面活性剤処理、シランカップリング処理などが挙げられる。これらを複数組み合わせて施して用いてもよい。
また、中間転写体上での中間画像の流動を抑制する観点から、中間転写体の表面のJIS B 0601:2001で規定される算術平均粗さは0.01μm以上3μm以下であることが好ましい。更に、中間転写体の表面の、水に対する接触角は、50度以上110度以下が好ましく、60度以上100度以下がより好ましい。
[インク付与工程]
インク付与工程では、インクを中間転写体に付与する。インクの中間転写体への付与手段としては、インクジェット方式を用いることが好ましい。特に、インクに熱エネルギーを作用させて記録ヘッドの吐出口からインクを吐出させる方式がより好ましい。
インクジェット方式の記録ヘッドとしては、ラインヘッドやシリアルヘッドなどを用いることができる。尚、ラインヘッド形態のインクジェットヘッドは、中間転写体の回転方向と直交する方向(ドラム形状の場合は軸方向)にインク吐出口が配列されている。また、シリアルヘッドは、中間転写体の回転方向と直交する方向にヘッドを走査して記録するヘッドである。
[液体組成物付与工程]
液体組成物付与工程では、中間転写体に液体組成物を付与する。液体組成物の中間転写体への付与手段としては、ローラーコーティング法、バーコーティング法、スプレーコーティング法などの塗布方式や、インクジェット方式などが挙げられる。特に、塗布方式を用いることが好ましい。中間転写型画像記録方法においては、インク付与工程に先立って、液体組成物付与工程を設けることが好ましい。
[液体除去工程]
インク及び液体組成物の付与により中間画像を形成した後、かつ、転写工程に先立って、中間転写体に形成された中間画像から液体を除去する液体除去工程を有してもよい。中間画像に過剰な液体が含有されていると、転写工程において、過剰な液体が溢れ出るなどして、得られる画像の画質低下を引き起こす場合がある。したがって、液体除去工程によって、中間画像から過剰な液体を除去することが好ましい。液体を除去する方法としては、加熱する方法や、低湿空気を送風する方法や、減圧する方法や、自然乾燥法や、またこれらを組み合わせた方法などが挙げられる。
[転写工程]
転写工程では、中間転写体に記録された中間画像に転写媒体を接触させることで、中間転写体から転写媒体へと転写し、転写媒体に画像を記録する。中間画像を転写媒体に転写する際には、例えば加圧ローラーなどを使用し、中間転写体と転写媒体の両側から加圧することが好ましい。加圧することで、転写効率を向上することができる。このとき、多段階に加圧してもよい。
また、上述の通り、近年では、高速記録への需要の高まりに伴い、速い転写速度においても高い転写効率を達成することが求められる。したがって、本発明において、転写速度は転写媒体の搬送速度を意味し、1.0m/秒以上であることが好ましく、2.0m/秒以上であることがより好ましい。
また、転写の際に、中間画像を加熱することが好ましい。中間画像を加熱する方法としては、加圧ローラーを所定の転写温度に加熱しておく方法や、別途ヒーターを設ける方法が挙げられる。転写工程における加圧ローラーの加熱温度は、用いる樹脂粒子に応じて設定することが好ましいが、25℃以上200℃以下であることが更に好ましい。
<転写媒体>
本発明において、転写媒体としては、一般的な印刷に用いられる紙だけでなく、布、プラスチック、フィルムなども広く包含される。転写媒体は、所望のサイズに予めカットされたものであってもよい。また、ロール状に巻かれたシートを用い、画像記録後に所望のサイズにカットされるものであってもよい。
[定着工程]
転写工程の後に、中間画像が転写された転写媒体をローラーで加圧する定着工程を有してもよい。加圧することで、画像の平滑性を高めることができる。
また、画像が転写された転写媒体をローラーで加圧する際に、ローラーを加熱しておくことが好ましい。加熱したローラーで加圧することで、画像の堅牢性を高めることができ、更に、加熱温度を調整することで得られる画像の光沢性を制御することもできる。
[クリーニング工程]
転写工程の後に、中間転写体の表面をクリーニングするクリーニング工程を有してもよい。中間転写体をクリーニングする方法としては、従来用いられている方法を何れも使用することができる。具体的には、洗浄液をシャワー状にして中間転写体に付与する方法、濡らしたモルトンローラを中間転写体に当接させて払拭する方法、洗浄液面に中間転写体を接触させる方法、ワイパーブレードで中間転写体の残留物を払拭する方法、各種エネルギーを中間転写体に付与する方法、及び、これらの方法を複数組み合わせた方法などが挙げられる。
以下、実施例及び比較例を用いて本発明を更に詳細に説明する。本発明は、その要旨を超えない限り、下記の実施例によって何ら限定されるものではない。尚、以下の実施例の記載において、「部」とあるのは特に断りのない限り質量基準である。
[インクの調製]
<顔料分散体の調製>
(ブラック顔料分散体の調製)
カーボンブラック(製品名:モナク1100、キャボット製)10部、樹脂水溶液(スチレン−アクリル酸エチル−アクリル酸共重合体、酸価150、重量平均分子量8,000、樹脂の含有量が20.0質量%の水溶液を水酸化カリウム水溶液で中和したもの)15部、純水75部を混合し、バッチ式縦型サンドミル(アイメックス製)に仕込み、0.3mm径のジルコニアビーズを200部充填し、水冷しつつ、5時間分散処理を行った。この分散液を遠心分離して、粗大粒子を除去した後、顔料の含有量が10.0質量%のブラック顔料分散体を得た。
(シアン顔料分散体の調製)
カーボンブラックにかえてC.I.ピグメントブルー15:3を用いた以外は上記(ブラック顔料分散体の調製)と同様にして、顔料の含有量が10.0質量%のシアン顔料分散体を得た。
(マゼンタ顔料分散体の調製)
カーボンブラックにかえてC.I.ピグメントレッド122を用いた以外は上記(ブラック顔料分散体の調製)と同様にして、顔料の含有量が10.0質量%のマゼンタ顔料分散体を得た。
<樹脂粒子分散体の調製>
(樹脂粒子分散体1の調製)
エチルメタクリレート20部、2,2’−アゾビス−(2−メチルブチロニトリル)3部、n−ヘキサデカン2部を混合し、0.5時間攪拌した。この混合物を、スチレン−アクリル酸ブチル−アクリル酸共重合体(酸価:130mgKOH/g、重量平均分子量:7,000)の8%水溶液75
部に滴下して、0.5時間攪拌した。次に超音波照射機で超音波を3時間照射した。続いて、窒素雰囲気下で80℃、4時間重合反応を行い、室温冷却後にろ過して、樹脂の含有量が25.0質量%である樹脂粒子分散体1を得た。
(樹脂粒子分散体2の調製)
イオン交換水を51.9部、過硫酸カリウムを0.1部混合した溶液に、メチルメタクリレートを35.0部、メタクリル酸を10.0部、Nikkol BC15(日光ケミカルズ製)を3.0部混合し、乳化した後、3時間かけて滴下ながら、窒素雰囲気下、80℃で撹拌しながら重合反応を行った。その後、室温まで冷却してイオン交換水、水酸化カリウム水溶液を添加し、樹脂の含有量が30.0質量%の樹脂粒子分散体2を得た。
<樹脂Xの用意>
表1に記載の一般式(1)で表されるユニットを有する樹脂と、表2に記載の一般式(2)で表されるユニットを有する樹脂とを用意した。
<インクの調製>
(ブラックインクの調製)
上記で得られた樹脂粒子分散体、及び、顔料分散体を下記各成分と混合した。尚、イオン交換水の残部は、インクを構成する全成分の合計が100.0質量%となる量のことである。
・顔料分散体(色材の含有量は10.0質量%) 40.0質量%
・樹脂粒子分散体 表3のA質量%
・グリセリン 7.0質量%
・ポリエチレングリコール(数平均分子量:1,000) 3.0質量%
・樹脂X 表3のB質量%
・アセチレノールE100(川研ファインケミカル製) 0.5質量%
・イオン交換水 残部
これを十分撹拌して分散した後、ポアサイズ3.0μmのミクロフィルター(富士フイルム製)にて加圧ろ過を行い、各ブラックインクを調製した。
(シアンインク、マゼンタインクの調製)
ブラック顔料分散体にかえてシアン顔料分散体又はマゼンタ顔料分散体を用いた以外は上記(ブラックインクの調製)と同様にして、シアンインク1〜61及びマゼンタインク1〜61をそれぞれ調製した。
<クリアインクの調製>
(クリアインク1の調製)
上記で得られた樹脂粒子分散体1を下記各成分と混合した。
・樹脂粒子分散体1 20.0質量%
・グリセリン 7.0質量%
・ポリエチレングリコール(数平均分子量:1,000) 3.0質量%
・化合物3 1.0質量%
・アセチレノールE100(川研ファインケミカル製) 0.5質量%
・イオン交換水 68.5質量%
これを十分撹拌して分散した後、ポアサイズ3.0μmのミクロフィルター(富士フイルム製)にて加圧ろ過を行い、クリアインク1を調製した。
(クリアインク2及び3の調製)
上記(クリアインク1の調製)において、化合物3を化合物12及び17にそれぞれかえた以外は同様にして、クリアインク2及び3を調製した。
<液体組成物の調製>
表4に記載の各成分を混合し、これを十分撹拌して分散した後、ポアサイズ3.0μmのミクロフィルター(富士フイルム製)にて加圧ろ過を行い、各液体組成物を調製した。尚、表中の「AE100」はアセチレングリコール及びアセチレングリコールにエチレンオキシドを付加したノニオン性界面活性剤であるアセチレノールE100(川研ファインケミカル製)であり、「F444」は、パーフルオロアルキルエチレンオキシド付加物であるメガファックF444(DIC製)である。
[評価]
後述の方法で画像を記録し、画像移動の発生とドット径のばらつきを確認することで、画像の画質を評価した。尚、本発明においては下記の評価において、何れかにCランクがある場合を画質が低く、許容できないレベルとした。尚、本実施例で用いた画像記録装置では、解像度1,200dpi×1,200dpiで1/1,200インチ×1/1,200インチの単位領域に3.0n(ナノ)gのインク滴を1滴付与する条件を、記録デューティが100%であると定義される。
[1]実施例1〜111、比較例1〜12(直描型画像記録方法)
上記で得られた液体組成物及びインクをインクカートリッジに充填し、表5及び6に記載の組合せで直描型の画像記録装置に装着した。
(ドット径のばらつき)
上記画像記録装置を用いて、先ず、上記で得られた液体組成物を、塗布ローラーを用いて、記録媒体:パールコート(三菱製紙製)に1.0g/mの塗布量で塗布した。そして、液体組成物を塗布した記録媒体に、インクジェット方式の記録ヘッドから、シアンインクを吐出し、記録デューティが100%の画像(5cm×5cmのベタ画像)を記録した。更に、シアンインクのベタ画像が記録されている領域と記録されていない領域にそれぞれブラックインクを付与した。そして、シアンインクのベタ画像が記録されている領域におけるブラックインクのドット径dと記録されていない領域におけるブラックインクのドット径dとを測定し、ドット径比率(=100×|d−d|/d)を算出し、以下の基準で評価した。評価結果を表5及び6に示す。
AA:ドット径比率が5未満であった
A:ドット径比率が5以上10未満であった
B:ドット径比率が10以上20未満であった
C:ドット径比率が20以上40未満であった
D:ドット径比率が40以上であった。
(画像移動の発生)
上記画像記録装置を用いて、先ず、上記で得られた液体組成物を、塗布ローラーを用いて、記録媒体:パールコート(三菱製紙製)に1.0g/mの塗布量で塗布した。そして、液体組成物を塗布した記録媒体に、インクジェット方式の記録ヘッドから、ブラックインク、シアンインク、マゼンタインクを吐出し、記録デューティが300%(各インクの記録デューティが100%)の画像(5cm×5cmのベタ画像)を記録した。得られた画像を顕微鏡で観察し、色抜けが発生しているかどうかを確認した。尚、画像移動が発生した場合、ベタ画像中に色抜けが発生する。評価基準は以下の通りである。評価結果を表5及び6に示す。
A:色抜けが発生していなかった
B:色抜けが発生している部分があったが、気にならないレベルであった
C:色抜けが顕著に発生していた。
[2]実施例112〜114(中間転写型画像記録方法)
先ずは、以下の方法で、中間転写体を用意した。中間転写体は支持部材を表層部材とから構成される二層構造とした。中間転写体の支持部材としては、本構成においては、転写時の加圧に耐え得る剛性や寸法精度等、要求される特性から、アルミニウム合金からなる平板を用いた。中間転写体の表層部材としては、加水分解性有機ケイ素化合物を原料とするシロキサン化合物表面層を、以下の手法で形成した。グリシドキシプロピルトリエトキシシランとメチルトリエトキシシランとをモル比1:1で混合し、塩酸を触媒として水溶媒中で24時間以上加熱還流を行い、加水分解性縮合物溶液を得た。加水分解性縮合物溶液をメチルイソブチルケトンにより10〜20質量%に希釈、光カチオン重合開始剤SP150(ADEKA製)を固形分に対して5質量%添加して所望のコーティング溶液を得た。次に、上記組成のコーティング用液を用いて、スピンコートにて支持部材上に成膜を行った。支持体の前処理として、表面にプラズマ処理を行い、塗布性および表層との密着性を向上させた。次に、UVランプを照射して露光を行い、130℃にて3時間の加熱を行い、硬化物を得た。このときの硬化物による表面層の膜厚は約0.3μmであった。
上記で得られた中間転写体を用いた中間転写型の画像記録装置(図1)に、上記で得られた液体組成物及びインクをインクカートリッジに充填し、表5及び6に記載の組合せで装着した。
(ドット径のばらつき)
上記画像記録装置を用いて、先ず、上記で得られた液体組成物を、塗布ローラーを用いて中間転写体に1.0g/mの塗布量で塗布した。そして、液体組成物を塗布した記録媒体に、インクジェット方式の記録ヘッドから、シアンインクを吐出し、記録デューティが100%の画像(5cm×5cmのベタ画像)を記録した。更に、シアンインクのベタ画像が記録されている領域と記録されていない領域にそれぞれブラックインクを付与した。そして、シアンインクのベタ画像が記録されている領域におけるブラックインクのドット径dと記録されていない領域におけるブラックインクのドット径dとを測定し、ドット径比率(=100×|d−d|/d)を算出し、以下の基準で評価した。評価結果を表5及び6に示す。
AA:ドット径比率が5未満であった
A:ドット径比率が5以上10未満であった
B:ドット径比率が10以上20未満であった
C:ドット径比率が20以上40未満であった
D:ドット径比率が40以上であった。
(画像移動の発生)
上記画像記録装置を用いて、先ず、上記で得られた液体組成物を、塗布ローラーを用いて、中間転写体に1.0g/mの塗布量で塗布した。そして、液体組成物を塗布した記録媒体に、インクジェット方式の記録ヘッドから、ブラックインク、シアンインク、マゼンタインクを吐出し、記録デューティが300%(各インクの記録デューティが100%)の画像(5cm×5cmのベタ画像)を記録した。得られた画像を顕微鏡で観察し、色抜けが発生しているかどうかを確認した。尚、画像移動が発生した場合、ベタ画像中に色抜けが発生する。評価基準は以下の通りである。評価結果を表5及び6に示す。
A:色抜けが発生していなかった
B:色抜けが発生している部分があったが、気にならないレベルであった
C:色抜けが顕著に発生していた。
[3]実施例115〜117(直描型画像記録方法)
上記で得られた液体組成物1、インク4及びクリアインク1〜3をインクカートリッジに充填し、直描型の画像記録装置に装着した。
(像流れ)
上記画像記録装置を用いて液体組成物1を塗布した記録媒体に、シアンインク4、マゼンタインク4、クリアインクを用いて5cm×5cmの領域に300%Duty(各インクの記録Dutyが100%ずつ)のベタ画像を形成した。尚、クリアインクの凝集性が不十分であると、ベタ画像が流れる(像流れが発生する)。この像流れの発生の有無は、最終画像の色ムラ・光沢ムラの発生を観察することで、判断する。評価基準は以下の通りである。評価結果を表7に示す。
A:像流れが抑制されていた
B:像流れが僅かに発生しているが、気にならないレベルであった
C:像流れが顕著であった。
(画像移動の発生)
上記画像記録装置を用いて、先ず、上記で得られた液体組成物を、塗布ローラーを用いて、記録媒体:パールコート(三菱製紙製)に1.0g/mの塗布量で塗布した。そして、液体組成物1を塗布した記録媒体に、インクジェット方式の記録ヘッドから、ブラックインク4、シアンインク4、マゼンタインク4、クリアインクを吐出し、記録デューティが300%(各インクの記録デューティが100%)の画像(5cm×5cmのベタ画像)を記録した。得られた画像を顕微鏡で観察し、色抜けが発生しているかどうかを確認した。尚、画像移動が発生した場合、ベタ画像中に色抜けが発生する。評価基準は以下の通りである。評価結果を表7に示す。
A:色抜けが発生していなかった
B:色抜けが発生している部分があったが、気にならないレベルであった
C:色抜けが顕著に発生していた。

Claims (8)

  1. 顔料及びアニオン性樹脂粒子を含有するインクを記録媒体に付与する工程と、前記インク中の前記顔料又は前記アニオン性樹脂粒子の分散状態を不安定化させる液体組成物を、前記インクを付与する領域と少なくとも一部で重なるように前記記録媒体に付与する工程と、を有する画像記録方法であって、
    前記インクが、更に、下記一般式(1)で表されるユニットを有する樹脂、及び、下記一般式(2)で表されるユニットを有する樹脂から選択される少なくとも1種の樹脂Xを含有することを特徴とする画像記録方法。

    (一般式(1)において、Rは水素原子又はメチル基を表し、Rは水素原子又は有機基を表す。)

    (一般式(2)において、R、R及びRはそれぞれ独立に水素原子又は有機基を表し、Xは単結合又は結合鎖を表し、Yは下記一般式(3)で表される構造又はアルキレンオキシ基を表す。)

    (一般式(3)において、R、R及びRはそれぞれ独立に水素原子又は有機基を表す。)
  2. インク全質量を基準とした、前記樹脂Xの含有量が、0.1質量%以上である請求項1に記載の画像記録方法。
  3. インク全質量を基準とした、前記アニオン性樹脂粒子の含有量が、前記樹脂Xの含有量に対して、質量比率で1.5倍以上50.0倍以下である請求項1又は2に記載の画像記録方法。
  4. 請求項1乃至3の何れか1項に記載の画像記録方法に用いることを特徴とするインク。
  5. 顔料及びアニオン性樹脂粒子を含有するインクを記録媒体に付与する工程と、前記インク中の前記顔料又は前記アニオン性樹脂粒子の分散状態を不安定化させる液体組成物を、前記インクを付与する領域と少なくとも一部で重なるように前記記録媒体に付与する工程と、を有する画像記録方法であって、
    前記液体組成物が、下記一般式(1)で表されるユニットを有する樹脂、及び、下記一般式(2)で表されるユニットを有する樹脂から選択される少なくとも1種の樹脂Xを含有することを特徴とする画像記録方法。

    (一般式(1)において、Rは水素原子又はメチル基を表し、Rは水素原子又は有機基を表す。)

    (一般式(2)において、R、R及びRはそれぞれ独立に水素原子又は有機基を表し、Xは単結合又は結合鎖を表し、Yは下記一般式(3)で表される構造又はアルキレンオキシ基を表す。)

    (一般式(3)において、R、R及びRはそれぞれ独立に水素原子又は有機基を表す。)
  6. 液体組成物全質量を基準とした、前記樹脂Xの含有量が、2.0質量%以上である請求項5に記載の画像記録方法。
  7. 請求項5又は6に記載の画像記録方法に用いることを特徴とする液体組成物。
  8. アニオン性樹脂粒子を含有するクリアインクを記録媒体に付与する工程と、前記クリアインク中の前記アニオン性樹脂粒子の分散状態を不安定化させる液体組成物を、前記クリアインクを付与する領域と少なくとも一部で重なるように前記記録媒体に付与する工程と、を有する画像記録方法であって、
    前記クリアインクが、更に、下記一般式(1)で表されるユニットを有する樹脂、及び、下記一般式(2)で表されるユニットを有する樹脂から選択される少なくとも1種の樹脂Xを含有することを特徴とする画像記録方法。

    (一般式(1)において、Rは水素原子又はメチル基を表し、Rは水素原子又は有機基を表す。)

    (一般式(2)において、R、R及びRはそれぞれ独立に水素原子又は有機基を表し、Xは単結合又は結合鎖を表し、Yは下記一般式(3)で表される構造又はアルキレンオキシ基を表す。)

    (一般式(3)において、R、R及びRはそれぞれ独立に水素原子又は有機基を表す。)
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