JP2013154632A - 画像記録方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】良好な中間画像を中間転写体に記録できるとともに、この中間画像を記録媒体に効率よく転写可能な画像記録方法を提供する。
【解決手段】液体組成物を、液体組成物と接触する領域にシリコン樹脂を含む中間転写体に対して付与する工程、インクを液体組成物が付与された領域の少なくとも一部と重なるように中間転写体に付与して中間画像を記録する工程、及び中間画像を記録媒体に転写する工程を有する画像記録方法である。液体組成物が、側鎖にポリシロキサン構造を有するグラフト共重合体を、液体組成物全質量を基準として、15.0質量%以上40.0質量%以下含有する。
【選択図】なし

Description

本発明は、画像記録方法に関する。
中間転写体に、インクを付与することで中間画像を記録し、この中間画像を記録媒体に転写して画像を記録する画像記録方法(以下、「中間転写型画像記録方法」という)が知られている。この中間転写型画像記録方法においては、所望の中間画像が中間転写体に正確に記録されること(以下、「中間画像の描画性」という)、及び中間画像が中間転写体から記録媒体に効率よく転写されること(以下、「中間画像の転写性」という)が重要である。そこで、中間画像の転写性が非常に高い中間転写体として、表面エネルギーが低い材料であるシリコン樹脂を含む中間転写体が検討されている。しかしながら、シリコン樹脂を含む中間転写体を用いると、中間画像の描画性が低下してしまうという課題があった。具体的には、シリコン樹脂を含む中間転写体に付与されたインクの液滴が、中間転写体で広がったり、流れたりする。このため、付与されたインクの液滴の位置や形が大きく変化してしまい、所望の中間画像が得られなくなっていた。このような課題に対し、特許文献1では、特定のHLB値を有する界面活性剤を予め付与した中間転写体を用いる画像記録方法が提案されている。
特開平7−89067号公報
しかしながら、上記の特許文献1で提案された画像記録方法では、中間画像の描画性及び中間画像の転写性が何れも向上するものの、十分なレベルには達していなかった。
したがって、本発明の目的は、中間画像の描画性及び中間画像の転写性を両立した画像記録方法、すなわち、良好な中間画像を中間転写体に記録できるとともに、この中間画像を記録媒体に効率よく転写可能な画像記録方法を提供することにある。
上記の目的は以下の本発明によって達成される。すなわち、本発明の画像記録方法は、液体組成物を、前記液体組成物と接触する領域にシリコン樹脂を含む中間転写体に対して付与する工程、インクを前記液体組成物が付与された領域の少なくとも一部と重なるように前記中間転写体に付与して中間画像を記録する工程、及び前記中間画像を記録媒体に転写する工程を有する画像記録方法において、前記液体組成物が、側鎖にポリシロキサン構造を有するグラフト共重合体を、液体組成物全質量を基準として、15.0質量%以上40.0質量%以下含有することを特徴とする。
本発明によれば、良好な中間画像を中間転写体に記録可能であるとともに、この中間画像を記録媒体に効率よく転写可能な画像記録方法を提供することができる。
以下、好適な実施の形態を挙げて、本発明を詳細に説明する。本発明の画像記録方法においては、シリコン樹脂を含む中間転写体に対して、ポリシロキサン構造を側鎖に有するグラフト共重合体を含有する液体組成物を付与する。次いで、液体組成物が付与された領域の少なくとも一部と重なるようにインクを付与する。付与されたインクは、中間転写体においてはじかれることなく中間画像を記録する。このように、中間転写体においてインクがはじかれることなく画像を記録できる理由としては、以下のように推測される。
中間転写体に含まれるシリコン樹脂と、液体組成物中のグラフト共重合体の側鎖のポリシロキサン構造は互いに構造が似ているため、相互作用をする。このとき、ポリシロキサン構造を主鎖ではなく、樹脂の自由度の高い側鎖に有することで、中間転写体に含まれるシリコン樹脂との相互作用がより起こりやすくなっていると考えられる。この結果、中間転写体と液体組成物との相性がよくなり、濡れ性とはじき性が適度なバランスを有する。そのため、液体組成物が付与された中間転写体に、インクがさらに付与されても、ポリシロキサン構造を側鎖に有するグラフト共重合体が存在することにより、液体組成物とインクの混合物がはじかれることがない。したがって、中間画像がはじかれることなく良好な状態で記録されると考えられる。尚、本発明において、グラフト共重合体をインク中ではなく、液体組成物中に含有する理由は以下の通りである。即ち、色材とグラフト共重合体が共に存在すると、上記の中間転写体に含まれるシリコン樹脂との相互作用が起きにくくなるためである。
一方、ポリシロキサン構造を側鎖に有するグラフト共重合体に代えてシリコン系界面活性剤を用いた場合には、中間転写体に良好な中間画像が記録されずに、はじかれてしまう。これは、シリコン系界面活性剤は気液界面に優先的に配向してしまうか、或いは自己でミセルを形成してしまい、中間転写体との界面にほとんど配向しないためであると考えられる。
[画像記録方法]
本発明の画像記録方法は、中間転写体に対して液体組成物を付与する工程(1)、インクを中間転写体に付与して中間画像を記録する工程(2)、及び中間画像を記録媒体に転写する工程(3)を有する。
工程(1)では、シリコン樹脂を含む中間転写体に対して、液体組成物を付与する。液体組成物を付与する方法としては、従来公知の各種手法を適宜採用することができる。具体的には、インクジェット方式や、ローラーコーティング法、バーコーティング法、スプレーコーティング法などの塗布方式などが挙げられる。液体組成物に関しては、塗布方式を用いることが好ましい。中でも、塗布方式を用いて、中間転写体のうち中間画像を形成する領域を全て含む領域に塗布することがより好ましい。
工程(2)では、工程(1)に続いて、液体組成物が付与された領域の少なくとも一部と重なるように、中間転写体に対してインクを付与する。インクの付与方法としては、インクジェット方式の記録ヘッドを用いて吐出する方法が好ましい。インクジェット方式の記録ヘッドとしては、例えば電気−熱変換体によりインクに膜沸騰を生じさせ気泡を形成することでインクを吐出する形態、電気−機械変換体によってインクを吐出する形態、静電気を利用してインクを吐出する形態などが挙げられる。本発明においては、特に高速で高密度の印刷が可能であることから、電気−熱変換体を利用したインクジェット方式の記録ヘッドを用いることが好ましい。
また、インクジェット方式の記録ヘッドとしては、中間転写体の回転方向(ドラム形状の場合は軸方向)にインク吐出口が配列されたラインヘッドや、中間転写体の回転方向と直交する方向に走査しながら記録を行うシリアルヘッドを用いることができる。
工程(3)では、中間転写体に記録された中間画像に記録媒体を接触させ、中間画像を中間転写体から記録媒体へと転写する。これにより、記録媒体に画像を記録することができる。本発明において、記録媒体としては、インク受容層を有する記録媒体や普通紙などの記録媒体、ガラス、プラスチック、フィルムなどの非浸透性の記録媒体などが挙げられる。また、本発明の画像記録方法に用いる記録媒体は、所望のサイズに予めカットされたものであっても、また、ロール状に巻かれたシートを用い、画像形成後に所望のサイズにカットされるものであってもよい。中間画像を記録媒体に転写する際には、例えば加圧ローラーなどを使用し、中間転写体と記録媒体の両側から加圧することが好ましい。加圧することで、効率良く画像を転写することができる。また、多段階に加圧することも、転写不良の軽減することができるために好ましい。
工程(3)の前に、記録した中間画像に含まれる過剰な水性媒体を減少させる工程を設けることも好ましい。中間画像に含まれている水性媒体の量が過剰であると、工程(3)において余剰の水性媒体がはみ出したりあふれ出したりして、画像が乱れたり転写不良が引き起こされたりする場合があるためである。過剰な水性媒体を減少させる手法としては、従来用いられている各種手法がいずれも好適である。具体的には、加熱する方法、低湿の空気を送風する方法、減圧する方法、吸収体を接触させる方法、及びこれらを組み合わせた方法などを挙げることができる。また、自然乾燥してもよい。
工程(3)の後に、中間転写体の表面を洗浄する工程を設けることが好ましい。中間転写体の表面を洗浄することで、中間転写体を繰り返し連続的に使用することができる。中間転写体を洗浄する方法としては、従来用いられている各種の方法をいずれも好適に適用することができる。具体的には、シャワー状に洗浄液を当てる方法、濡らしたモルトンローラーを表面に当接させ払拭する方法、洗浄液面に接触させる方法、ワイパーブレードで掻き取る方法、各種エネルギーを付与する方法などを挙げることができる。なお、これらの方法を複数組み合わせてもよい。
また、画像が記録された記録媒体をローラーなどで加圧し、表面平滑性を高める工程を設けることも好ましい。画像が記録された記録媒体をローラーで加圧する際には、ローラーを加熱しておくことが好ましい。加熱したローラーで加圧することで、記録された画像の堅牢性を向上させることができる。
(中間転写体)
中間転写体は、液体組成物及びインクを保持し、中間画像が記録される基材となる。本発明においては、中間転写体は、液体組成物と接触する領域にシリコン樹脂を含むものである。中間転写体は、例えば、それ自体をハンドリングして必要な力を伝達するための支持部材と、中間画像が記録される表層部材とを備えるものが挙げられる。なお、支持部材と表層部材は一体となっていてもよい。本発明においては、転写性の観点から中間転写体の表層部材の材料として、シリコン樹脂を含むことが好ましい。
中間転写体の形状としては、シート形状、ローラー形状、ドラム形状、ベルト形状、無端ウエブ形状などを挙げることができる。また、中間転写体のサイズは、記録可能な記録媒体のサイズに合わせて適宜設定することができる。中間転写体を構成する支持部材は、その搬送精度や耐久性の観点から、ある程度の強度を有することが要求される。支持部材の材質としては、金属、セラミックス、樹脂などが好ましい。なかでも、アルミニウム、鉄、ステンレス、アセタール樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン、ポリウレタン、シリカセラミクス、アルミナセラミクスが好ましい。これらの材質で支持部材を構成すると、転写時の加圧に耐えうる剛性や寸法精度を確保できるとともに、動作時のイナーシャを軽減して制御の応答性を向上させることができる。なお、これらの材質は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。中間転写体を構成する表層部材は、紙などの記録媒体に中間画像を圧着させて転写させるため、ある程度の弾性を有することが要求される。例えば、記録媒体として紙を用いる場合を想定すると、JIS K6253に準拠した表層部材のデュロA硬度(デュロメータ タイプA硬度)は、10〜100であることが好ましく、20〜60であることがさらに好ましい。
シリコン樹脂は、純水の静的接触角が90°以上の、いわゆる表面エネルギーの低い材質である。また、複数の材料を積層して表層部材を記録することも好ましい。具体的には、薄いシリコンゴムでポリウレタンベルトを被覆した積層材料は、表層部材として極めて好適である。なお、表層部材と支持部材の間に、これらの部材を固定及び保持するための各種接着材や両面テープを配置してもよい。
<液体組成物>
本発明の画像記録方法に用いる液体組成物は、インクで記録した画像に影響を及ぼさないために、無色、乳白色、又は白色であることが好ましい。そのため、可視光の波長域である400nm乃至800nmの波長域における最大吸光度と最小吸光度の比(最大吸光度/最小吸光度)が1.0以上2.0以下であることが好ましい。これは、可視光の波長域において、吸光度のピークを実質的に有さないか、有していてもピークの強度が極めて小さいことを意味する。更に、本発明において、液体組成物は色材を含有しないことが好ましい。吸光度は、非希釈の液体組成物を用いて、日立ダブルビーム分光光度計U−2900(日立ハイテクノロジーズ製)によって測定すればよい。尚、このとき、液体組成物を希釈して吸光度を測定してもよい。これは、液体組成物の最大吸光度と最小吸光度の値は共に希釈倍率に比例するため、最大吸光度と最小吸光度の比(最大吸光度/最小吸光度)の値は希釈倍率に依存しないからである。以下、本発明の画像記録方法に使用する液体組成物を構成する各成分について、それぞれ説明する。尚、以下「(メタ)アクリル酸」、「(メタ)アクリレート」と記載した場合は、それぞれ「アクリル酸、メタクリル酸」、「アクリレート、メタクリレート」を示すものとする。
(グラフト共重合体)
本発明の画像記録方法で用いる液体組成物は、側鎖にポリシロキサン構造を有するグラフト共重合体を含有する。本発明において、グラフト共重合体とは、主鎖の重合体に側鎖の重合体が結合した共重合体を意味する。グラフト共重合体を合成する方法は、主鎖と側鎖を別に重合した後に結合する方法でも、重合された側鎖を有する単量体を重合する方法でもよい。
本発明において、グラフト共重合体の側鎖のポリシロキサン構造は、ポリジメチルシロキサン構造であることが好ましい。具体的には、グラフト共重合体の側鎖のポリシロキサン構造は、下記一般式(1)で表される構造であることが好ましい。
Figure 2013154632
(一般式(1)において、R1は水素結合、炭素数1乃至6のアルキル基、又はフェニル基であり、mは10乃至150の整数である)
本発明において、グラフト共重合体の側鎖にポリジメチルシロキサン構造を導入する方法としては、下記一般式(2)で表される化合物を重合する方法が挙げられる。この方法により、グラフト共重合体の主鎖と側鎖を分けて重合する手間が省ける。
Figure 2013154632
(一般式(2)において、R1は水素原子、炭素数1乃至6のアルキル基、又はフェニル基であり、R2は炭素数1乃至6のアルキレン基であり、R3は水素原子又はメチル基であり、mは10乃至150の整数である)
そして、この方法により、下記一般式(3)で表されるユニットを有するグラフト共重合体が得られる。
Figure 2013154632
(一般式(3)において、R1は水素原子、炭素数1乃至6のアルキル基、又はフェニル基であり、R2は炭素数1乃至6のアルキレン基であり、R3は水素原子又はメチル基であり、mは10乃至150の整数である)
また、グラフト共重合体は、上記一般式(2)で表される化合物と、その他の化合物との共重合体であること、即ち、上記一般式(3)で表されるユニットとその他の化合物に由来するユニットとを有するグラフト共重合体であることが好ましい。上記一般式(2)で表される化合物と共重合する、その他の化合物としては、従来一般的に用いられているα,β−不飽和化合物を何れも用いることができる。具体的には、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、無水マレイン酸などのα,β−不飽和酸性化合物;メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレートなどのエチレンオキサイド構造を有するα,β−不飽和化合物;メチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロへキシル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、などの(メタ)アクリル酸アルキルエステル;スチレン、α−メチルスチレンなどの芳香族ビニル化合物;(メタ)アクリロニトリル、酢酸ビニル、アルキルビニルエーテル、ビニルイミダゾール、エチレンなどが挙げられる。これらは、必要に応じて1種又は2種以上を用いることができる。これらの中でも、エチレンオキサイド構造を有するα,β−不飽和化合物を用いることが好ましい。即ち、本発明において、グラフト共重合体は、上記一般式(3)で表されるユニットと、エチレンオキサイド構造を有するα,β−不飽和化合物に由来するユニットを有する共重合体であることが好ましい。また、(メタ)アクリル酸アルキルエステルに由来するユニットを更に有することが、より好ましい。
本発明において、グラフト共重合体に占める、上記一般式(3)で表されるユニットの割合が、グラフト共重合体の全質量を基準として、10.0質量%以上30.0質量%以下であることが好ましい。10.0質量%より小さいと、中間転写体ではじかれるため中間画像の描画性の向上効果が十分に得られない場合がある。30.0質量%より大きいと、グラフト共重合体の親水性が低く、析出しやすくなるため、液体組成物の保存安定性が十分に得られない場合がある。また、グラフト共重合体に占める、エチレンオキサイド構造を有するα,β−不飽和化合物に由来するユニットの割合が、グラフト共重合体の全質量を基準として、20.0質量%以上90.0質量%以下であることが好ましい。20.0質量%より小さいと、グラフト共重合体の親水性が低く、析出しやすくなるため、液体組成物の保存安定性が十分に得られない場合がある。90.0質量%より大きいと、上記一般式(3)で表されるユニットの割合が低くなるため、中間画像の描画性の向上効果が十分に得られない場合がある。
液体組成物は、グラフト共重合体を、液体組成物全質量を基準として15.0質量%以上40.0質量%以下含有する。グラフト共重合体の含有量が15.0質量%未満であると、液体組成物の後で付与されたインクが中間転写体ではじかれてしまい、良好な中間画像を記録することができない。一方、液体組成物にグラフト共重合体を40.0質量%超含有させた場合には、グラフト共重合体が析出しやすく、中間画像の描画性及び転写性が低下する。
(反応剤)
液体組成物は、有機酸及び多価金属イオンから選択される少なくとも1種の反応剤をさらに含有することが好ましい。この反応剤は、アニオン性基の作用によってインク中に分散している顔料を凝集させうる化合物である。このため、このような反応剤を含有させた液体組成物を用いると、最終的に記録される画像の光学濃度を向上させることができる。
有機酸は一般的に弱酸であるため、pH緩衝能が高い。したがって、有機酸を含有する液体組成物とインクが混ざり合った場合でもpHの変動が少ないため、有機酸はインク中の顔料と十分に反応する。有機酸の具体例としては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸などのモノカルボン酸;シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸などのジカルボン酸;リンゴ酸、酒石酸などのヒドロキシカルボン酸(ヒドロキシル基とカルボキシル基を有する有機酸);レブリン酸などのケト酸(ケトン基とカルボキシル基を有する有機酸)を挙げることができる。これらの有機酸は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。本発明において、反応剤として有機酸を用いる場合は、液体組成物中の有機酸の含有量は、液体組成物全質量を基準として、40.0質量%以上90.0質量%以下であることが好ましい。
多価金属イオンは、2価以上の金属イオンであれば好適に用いることができる。多価金属イオンの具体例としては、Ca2+、Cu2+、Ni2+、Mg2+、Zn2+、及びBa2+などの2価の金属イオン;Al3+、Fe3+、Cr3+、及びY3+などの3価の金属イオンを挙げることができる。本発明において、多価金属イオンは塩の形態で反応液に添加することができ、解離して生じるイオンとして液体組成物中に存在させることが好ましい。多価金属イオンとイオン結合することで塩となり得る陰イオンの具体例としては、Cl-、Br-、I-、ClO-、ClO2-、ClO3-、ClO4-、NO2-、NO3-、SO4 2-、CO3 2-、HCOO-、CH3COO-、C24(COO-2、C65COO-、C64(COO-2などを挙げることができる。本発明において、反応剤として多価金属イオンを用いる場合は、液体組成物中の多価金属イオンの含有量は、液体組成物全質量を基準として、5.0質量%以上70.0質量%以下であることが好ましい。
(水性媒体)
液体組成物は、水性媒体を含有することが好ましい。水性媒体は、水、又は、水と水溶性有機溶剤との混合溶媒である。液体組成物中の水溶性有機溶剤の含有量(質量%)は、液体組成物の全質量を基準として、3.0質量%以上50.0質量%以下であることが好ましい。水溶性有機溶剤としては、従来一般的に用いられているものを用いることができる。水溶性有機溶剤の具体例としては、アルコール類、グリコール類、アルキレン基の炭素原子数が2乃至6のアルキレングリコール類、ポリエチレングリコール類、含窒素化合物類、含硫黄化合物類などを挙げることができる。これらの水溶性有機溶剤は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。水としては、脱イオン水(イオン交換水)を用いることが好ましい。液体組成物中の水の含有量(質量%)は、液体組成物の全質量を基準として、10.0質量%以上95.0質量%以下であることが好ましい。
(その他の成分)
液体組成物は、上記の成分以外にも必要に応じて、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタンなどの多価アルコール類や、尿素、エチレン尿素などの尿素誘導体など、常温で固体の水溶性有機化合物を含有してもよい。さらに、液体組成物は、必要に応じて、界面活性剤、pH調整剤、防錆剤、防腐剤、防黴剤、酸化防止剤、還元防止剤、蒸発促進剤、キレート化剤、及び上記以外の樹脂などの種々の添加剤を含有してもよい。特に、転写性を向上させるため、或いは最終的に記録される画像の堅牢性を向上させるために、上記のグラフト共重合体とは異なる樹脂を添加することが好ましい。
<インク>
(色材)
本発明において、インクに用いる色材としては、染料や顔料を挙げることができる。染料の具体例としては、直接染料、酸性染料、塩基性染料、分散染料、食用染料などを挙げることができる。また、顔料としては、カーボンブラックなどの無機顔料や有機顔料などの、インクに使用可能な公知の顔料をいずれも用いることができる。インク中の色材の含有量(質量%)は、インクの全質量を基準として、0.1質量%以上15.0質量%以下であることが好ましく、1.0質量%以上10.0質量%以下であることがさらに好ましい。
顔料としては、分散剤として樹脂を用いる樹脂分散顔料、及び顔料粒子の表面にイオン性基が直接又は他の原子団を介して結合した自己分散顔料を用いることができる。樹脂分散顔料としては、(i)樹脂分散剤を使用した樹脂分散顔料、(ii)顔料粒子の表面を樹脂で被覆したマイクロカプセル顔料、及び(iii)顔料粒子の表面に樹脂を含む有機基が化学的に結合したポリマー結合型自己分散顔料などを挙げることができる。なお、分散方法の異なる顔料を併用することも可能である。また、前述のイオン性基としてはアニオン性基が好ましい。
液体組成物が前述の反応剤を含有するものである場合においては、インクは、アニオン性基の作用によって分散している顔料を含有することが好ましい。アニオン性基の作用によって分散している顔料は、液体組成物中の反応剤の作用によって凝集する。このため、反応剤を含有する液体組成物とともに、アニオン性基の作用によって分散している顔料を含有するインクを用いることで、画像の光学濃度を向上させることができる。
(水性媒体及びその他の成分)
インクには、水、又は水及び水溶性有機溶剤の混合溶媒である水性媒体を含有させることができる。インク中の水溶性有機溶剤の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、3.0質量%以上50.0質量%以下であることが好ましい。水溶性有機溶剤としては、液体組成物に使用可能なものとして挙げた水溶性有機溶剤と同様のものを使用することができる。水は脱イオン水(イオン交換水)を用いることが好ましい。インク中の水の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、50.0質量%以上95.0質量%以下であることが好ましい。また、インクには、上記の液体組成物に使用可能なものとして挙げたその他の成分と同様のものを含有させることができる。
次に、実施例及び比較例を挙げて、本発明を具体的に説明する。本発明は、その要旨を超えない限り、下記実施例により限定されるものではない。以下、「部」及び「%」とあるのは、特に断りのない限りいずれも質量基準である。
<ブラック顔料分散体の調製>
カーボンブラック10部、アニオン系高分子P−Aの水溶液50部、及び純水40部を混合して混合物を得た。なお、カーボンブラックとしては、製品名:BLACK PEARLS 880(キャボット製、DBP吸油量:112cc/100g、BET法比表面積:220m2/g)を用いた。また、アニオン系高分子P−Aの水溶液としては、スチレン−アクリル酸ブチル−アクリル酸共重合体(酸価:120mgKOH/g、重量平均分子量:7,400、樹脂の含有量:10.0質量%、中和剤:水酸化カリウム)を用いた。得られた混合物をバッチ式縦型サンドミル(アイメックス製)に仕込み、0.3mm径のジルコニアビーズを150部充填し、水冷しつつ、2時間分散処理して分散液を得た。得られた分散液を遠心分離機にかけて粗大粒子を除去し、顔料の含有量が10.0質量%、樹脂の含有量が5.0質量%、数平均粒子径が105nm分散粒子を含有するブラック顔料分散体を得た。
<グラフト共重合体1〜6の合成>
以下の手順にしたがってグラフト共重合体をそれぞれ合成した。先ず、撹拌機、温度計、及び窒素導入管を備えたフラスコに、表1−1及び1−2に示す量(部)のモノマーと、重合開始剤であるアゾビスイソブチロニトリルと、溶媒である1−メトキシ−2−プロパノール500部とを添加した。そして、窒素雰囲気下、温度110℃で、4時間重合反応させた。次に、反応溶液を減圧乾燥させて重合体を得た。得られた重合体を、メチルエチルケトン25部を加えて溶解させた後、濃度30%の水酸化カリウム水溶液2部を加えて共重合体の酸性基の一部を中和し、さらにイオン交換水300部を加えて撹拌した。その後、減圧下、温度60℃で溶媒を除去し、さらに水を除去することによりグラフト共重合体を得た。
Figure 2013154632
Figure 2013154632
<インクの調製>
以下に示す各成分を合計100部となるように混合して十分に撹拌した後、ポアサイズ1.0μmのミクロフィルター(富士フィルム製)にて加圧ろ過してインクを調製した。
ブラック顔料分散体:20.0質量%
グリセリン:10.0質量%
アセチレノールE100(川研ファインケミカル製):1.0質量%
イオン交換水:69.0質量%
<液体組成物1〜20の調製>
表2に示す各成分を混合して十分に撹拌した後、ポアサイズ1.0μmのミクロフィルター(富士フィルム製)にて加圧ろ過して液体組成物をそれぞれ調製した。このとき液体組成物12及び13は、グラフト共重合体が一部析出していた。尚、表2中の略称はそれぞれ、IE−7046T:グラフト共重合体でないシリコンエマルジョン(東レ・ダウコーニング製)、SH−8400:シリコン系界面活性剤(東レ・ダウコーニング製)を表す。
Figure 2013154632
<中間転写体>
シリコン樹脂シート(商品名「KE12」、信越化学製)を中間転写体とした。純水を用いて測定したシリコン樹脂シートの静的接触角は92°であった。なお、静的接触角は、協和界面化学製の商品名「DropMaster700」を使用して測定した。
<画像記録(実施例1〜3、比較例1〜4)>
調製したインク、液体組成物1〜20、並びに中間転写体を使用して、以下に示す手順((A)〜(D))で画像を記録して印刷物を得た。
(A)液体組成物付与工程
ロールコーターを使用して、0.5g/m2の付与量となるように中間転写体に液体組成物を塗布して付与した。
(B)中間画像記録工程
インクジェット記録装置(商品名「PIXUS Pro9500」(キヤノン製)の改造機)を使用して液体組成物が付与された中間転写体にインクを吐出し、10mm×100mmのインクの記録デューティが100%の中間画像を描画した。上記画像記録装置では、解像度600dpi×600dpiで1/600インチ×1/600インチの単位領域に3.5ng(ナノグラム)のインク滴を8ドット付与する条件を、記録デューティが100%であると定義される。
(C)転写工程
中間転写体に記録したベタ画像をコート紙(商品名「オーロラコート」、日本製紙製)と接触させ、加圧ローラーで加圧して画像を転写し、コート紙に画像を記録した。
(D)定着工程
画像が記録されたコート紙を100℃の熱風により2分間加熱して印刷物を得た。
<評価>
(中間画像の描画性)
中間転写体に記録した中間画像を目視観察し、中間画像の描画性を評価した。評価基準は以下の通りである。結果を表3に示す。
A:中間画像に乱れが無かった。
B:中間画像に乱れがあったが、目立たないレベルであった。
C:中間画像が著しく乱れていた。
(中間画像の転写性)
中間画像を転写後の中間転写体を目視観察し、中間画像の転写性を評価した。評価基準は以下の通りである。結果を表3に示す。
A:中間転写体に中間画像の残りが見られなかった。
B:中間転写体に一部中間画像の残りが見られたが、目立たないレベルであった。
C:中間転写体に中間画像がはっきり残っていた。
Figure 2013154632

Claims (5)

  1. 液体組成物を、前記液体組成物と接触する領域にシリコン樹脂を含む中間転写体に対して付与する工程、インクを前記液体組成物が付与された領域の少なくとも一部と重なるように前記中間転写体に付与して中間画像を記録する工程、及び前記中間画像を記録媒体に転写する工程を有する画像記録方法において、
    前記液体組成物が、側鎖にポリシロキサン構造を有するグラフト共重合体を、液体組成物全質量を基準として、15.0質量%以上40.0質量%以下含有することを特徴とする画像記録方法。
  2. 前記インクが、アニオン性基の作用によって分散している顔料を含有し、
    前記液体組成物が、有機酸及び多価金属イオンから選択される少なくとも1種をさらに含有する請求項1に記載の画像記録方法。
  3. 前記グラフト共重合体が、下記一般式(3)で表されるユニットと、エチレンオキサイド構造を有するα,β−不飽和化合物に由来するユニットと、を有する共重合体である請求項1又は2に記載の画像記録方法。
    Figure 2013154632
    (一般式(3)において、R1は水素原子、炭素数1乃至6のアルキル基、又はフェニル基であり、R2は炭素数1乃至6のアルキレン基であり、R3は水素原子又はメチル基であり、mは10乃至150の整数である)
  4. 前記グラフト共重合体に占める、前記一般式(3)で表されるユニットの割合が、前記グラフト共重合体の全質量を基準として、10.0質量%以上30.0質量%以下である請求項3に記載の画像記録方法。
  5. 前記グラフト共重合体に占める、前記エチレンオキサイド構造を有するα,β−不飽和化合物に由来するユニットの割合が、前記グラフト共重合体の全質量を基準として、20.0質量%以上90.0質量%以下である請求項3又は4に記載の画像記録方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015120905A (ja) * 2013-12-23 2015-07-02 ゼロックス コーポレイションXerox Corporation 印刷に有用な水系分散性シロキサン含有ポリマーインク
JP2015196380A (ja) * 2014-03-31 2015-11-09 ゼロックス コーポレイションXerox Corporation 水系インクジェットブランケット
JP2017030356A (ja) * 2015-07-28 2017-02-09 キヤノン株式会社 中間転写体、画像記録装置及び画像記録方法

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