JP2013123855A - 画像記録方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】中間転写体に形成される中間画像が収縮せず、中間画像を記録媒体に転写した際に光学濃度の高い画像を形成することが可能な画像記録方法を提供する。
【解決手段】液体組成物を中間転写体に付与する工程、インクを、液体組成物を付与する領域の少なくとも一部で重なるように中間転写体に付与することで中間画像を形成する工程、及び中間画像を記録媒体に転写する工程を有する画像記録方法である。液体組成物が有機酸を含有し、インクが、有機酸の作用により不溶化する水溶性樹脂、樹脂微粒子、及び色材を含有することを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、画像記録方法に関する。
中間転写体に、インクと、インクを増粘又は濃縮させるような液体組成物を用いて中間画像を形成し、この中間画像を記録媒体に転写して画像を記録する方法(以下、「中間転写型画像記録方法」ともいう)が知られている。
一方、中間転写体を用いない一般的な画像記録方法において、インクと、インク中の成分と反応する反応剤を含有する液体組成物とを用いた2液反応システムが検討されている(特許文献1)。特許文献1には、顔料及び水溶性樹脂を含有するインクと、有機酸を含有する液体組成物とを有するインクセットを用いる記録方法が開示されている。この記録方法によれば、インクと液体組成物を接触させるように記録媒体に付与することでインクを凝集させ、滲みが抑制されるとともに、光学濃度が改善された画像を形成可能であるとされている。
特開2006−248049号公報
本発明者らは、特許文献1で開示された2液反応システムを中間転写型画像記録方法に適用すれば、滲みが抑制されるととともに、光学濃度の高い中間画像が形成でき、かつ、中間画像を記録媒体に転写して高品位な画像が得られるのではないかと考えた。そこで、有機酸を含有する液体組成物を付与した中間転写体に、色材及び水溶性樹脂を含有するインクをインクジェット方式の記録ヘッドにより付与して中間画像を形成し、形成した中間画像を記録媒体に転写して画像を記録した。しかしながら、得られた画像は光学濃度が低いものであった。本発明者らが検討を行ったところ、中間転写体に付与されたインクが収縮すること、すなわち、中間画像が収縮することが原因となって、画像の光学濃度が低下したことが判明した。収縮した中間画像を記録媒体に転写すると、インク濃度が濃い部分と薄い部分が斑模様になった画像となるため、光学濃度が低下したと考えられる。
したがって、本発明の課題は、中間転写体に形成される中間画像が収縮せず、中間画像を記録媒体に転写した際に光学濃度の高い画像を形成することが可能な画像記録方法を提供することにある。
上記の課題は以下の本発明によって達成される。すなわち、本発明の画像記録方法は、液体組成物を中間転写体に付与する工程、インクを、前記液体組成物を付与する領域の少なくとも一部で重なるように前記中間転写体に付与することで中間画像を形成する工程、及び前記中間画像を記録媒体に転写する工程を有する画像記録方法において、前記液体組成物が有機酸を含有し、前記インクが、前記有機酸の作用により不溶化する水溶性樹脂、樹脂微粒子、及び色材を含有することを特徴とする。
本発明によれば、中間転写体に形成される中間画像が収縮せず、中間画像を記録媒体に転写した際に光学濃度の高い画像を形成することが可能な画像記録方法を提供することができる。
本発明の画像記録方法に用いられる記録装置の一例を示す模式図である。
以下、好適な実施の形態を挙げて、本発明を詳細に説明する。本発明者らは、先ず中間画像の収縮が起こるメカニズムについて検討を行った。その結果、以下に示す現象が起きていることが分かった。液体組成物が付与された中間転写体にインクを付与すると、有機酸の作用によって水溶性樹脂が不溶化する。液体組成物とインクが接触して水溶性樹脂が不溶化した瞬間には、水性媒体が多く存在する。このため、不溶化した水溶性樹脂は、水性媒体の一部を含み、膨潤した状態で存在する。その後、水性媒体が蒸発すると、不溶化した水溶性樹脂は蒸発した水性媒体の分だけ体積収縮する。樹脂の体積収縮に引きずられて色材が移動してしまうため、中間画像が収縮すると考えられる。
以上より、本発明者らは、水性媒体が蒸発しても中間画像が収縮しないようなインクの組成について種々の検討を行った。その結果、インクに樹脂微粒子をさらに含有させることで、中間転写体に形成される中間画像が収縮せず、中間画像を記録媒体に転写した際に光学濃度の高い画像が得られることを見出した。このメカニズムについて以下に詳述する。
有機酸を含有する液体組成物が付与された中間転写体に、水溶性樹脂と樹脂微粒子を含有するインクを付与した場合も、水性媒体の蒸発により、不溶化した水溶性樹脂の体積収縮は起こる。しかしながら、樹脂微粒子が存在することで色材の移動が抑制されるため、中間画像の収縮が抑制される。これは、水性媒体が蒸発する際に樹脂微粒子も体積収縮するが、樹脂微粒子の収縮率は水性媒体の蒸発量と比較して非常に小さいためと考えられる。以上のメカニズムのように、本発明の各構成が相乗的に機能することで、従来の2液反応システムを単純に適用した中間転写型画像記録方法では得られなかった特有の効果を達成することが可能となる。以下、本発明の画像記録方法の詳細について説明する。
[画像記録方法]
本発明の画像記録方法は、液体組成物を中間転写体に付与する工程(1)、インクを中間転写体に付与する工程(2)、及び中間画像を記録媒体に転写する工程(3)を有する。
工程(1)及び工程(2)における、インク及び液体組成物を中間転写体へ付与する方法としては、インクジェット方式;ローラーコーティング法、バーコーティング法、スプレーコーティング法などの塗布方式などを挙げることができる。液体組成物は、塗布方式によって付与することが好ましい。さらには、塗布方式によって、中間転写体のうち中間画像を形成する領域を全て含む領域に液体組成物を塗布することが好ましい。また、インクは、インクジェット方式によって付与することが好ましい。特に、インクに熱エネルギーを作用させて記録ヘッドの吐出口からインクを吐出させる方式がより好ましい。また、工程(1)の後に工程(2)を行っても、工程(2)の後に工程(1)を行っても構わない。また、同じ工程を2回以上行うような場合、例えば、工程(1)→工程(2)→工程(1)や、工程(2)→工程(1)→工程(2)でも構わない。特に、工程(1)の後に工程(2)を行う過程を含むことが、画像の滲み抑制効果が大きく、高品位な画像が得られるために好ましい。
工程(3)では、中間転写体に形成された中間画像に記録媒体を接触させ、中間画像を中間転写体から記録媒体へと転写する。これにより、記録媒体の表面に画像を記録し、印刷物を得ることができる。記録媒体には、一般的な印刷に用いられる紙だけでなく、布、プラスチック、フィルムなども広く包含される。また、記録媒体は、所望のサイズに予めカットされたものであっても、ロール状に巻かれたシートであってもよい。ロール状に巻かれたシートを記録媒体とする場合、画像形成後に所望のサイズにカットすればよい。中間画像を記録媒体に転写する際には、例えば加圧ローラーなどを使用し、中間転写体と記録媒体の両側から加圧することが好ましい。加圧することで、効率良く画像を転写することができる。また、多段階に加圧することも、転写不良を軽減することができるために好ましい。
工程(3)の前に、形成した中間画像に含まれる過剰な液体成分を減少させる工程を有してもよい。液体成分を減少させる工程としては、従来用いられている方法を何れも使用することができる。具体的には、加熱する方法、低湿の空気を送風する方法、減圧する方法、吸収体を接触させる方法、及びこれらの方法を組み合わせた方法などを挙げることができる。
工程(3)の後に、中間転写体の表面を洗浄する工程を有してもよい。中間転写体の表面を洗浄することで、中間転写体を繰り返し連続的に使用することができる。中間転写体を洗浄する方法としては、従来用いられている各種の方法をいずれも好適に適用することができる。具体的には、シャワー状に洗浄液を当てる方法、濡らしたモルトンローラを表面に当接させて払拭する方法、洗浄液面に接触させる方法、ワイパーブレードで掻き取る方法、各種エネルギーを付与する方法などを挙げることができる。なお、これらの方法を複数組み合わせてもよい。
また、画像が記録された記録媒体を、ローラーなどで加圧し、表面平滑性を高める工程を有してもよい。画像が記録された記録媒体をローラーで加圧する際には、ローラーを加熱しておくことが好ましい。加熱したローラーで加圧することで、記録された画像の堅牢性を向上させることができる。
図1は、本発明の画像記録方法に用いられる画像記録装置の一例を示す模式図である。図1に示す画像記録装置において、中間転写体11は、回転可能なドラム形状の支持部材12と、支持部材12の外周面上に配設された表層部材10とを備える。表層部材10は、例えば、シリコーンゴムとPETシートを構成材料として有する層状の部材である。この表層部材10は、両面粘着テープなどにより支持部材12の外周面上に固定されている。中間転写体11(支持部材12)は、回転軸13を中心として矢印方向(図の反時計回り)に回転駆動する。そして、中間転写体11の回転と同期して、中間転写体11の周囲に配置された各デバイスが作動するように構成されている。ローラー式塗布装置14は、液体組成物21を中間転写体11に連続的に付与する。中間画像を形成するためのインクは、インクジェット方式の記録ヘッド15から吐出される。インクジェット方式の記録ヘッド15から吐出されたインクにより、液体組成物が付与された中間転写体11にミラー反転した中間画像が形成される。中間転写体11に形成された中間画像に含まれる過剰な液体成分は、送風装置16や加熱ヒータ17を用いることで減少することができる。過剰な液体成分が減少された中間画像に、加圧ローラー19を用いて記録媒体18を接触させることで、記録媒体18に中間画像が転写される。これにより、記録媒体18に画像を記録することができる。画像記録後は、クリーニングユニット20により、中間転写体11の表面を洗浄することができる。
(中間転写体)
中間転写体は、例えば、それ自体をハンドリングして必要な力を伝達するための支持部材と、中間画像が形成される表層部材とを備える。中間転写体は、中間画像を形成する対象となる基材である。このため、中間転写体の表面(表層部材)は、通常、インクや液体組成物を吸収せずにこれらを保持する非吸液材料で形成されている。なお、支持部材と表層部材は一体となっていてもよい。
中間転写体の形状としては、シート形状、ローラー形状、ドラム形状、ベルト形状、無端ウエブ形状などを挙げることができる。中間転写体の形状がドラム形状又は無端ウエブ形状であると、同一の中間転写体を連続して繰り返し使用することが可能となり、生産性の面で好ましい。中間転写体のサイズは、記録(形成)しようとする印刷画像のサイズに合わせて適宜設定することができる。中間転写体を構成する支持部材は、その搬送精度や耐久性の観点から、ある程度の構造強度を有することが要求される。支持部材の材質としては、金属、セラミックス、樹脂などが好ましい。なかでも、アルミニウム、鉄、ステンレス、アセタール樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン、ポリウレタン、シリカセラミクス、アルミナセラミクスが好ましい。これらの材質で支持部材を構成すると、転写時の加圧に耐えうる剛性や寸法精度を確保できるとともに、動作時のイナーシャを軽減して制御の応答性を向上させることができる。なお、これらの材質は、一種単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
中間転写体を構成する表層部材は、紙などの記録媒体に中間画像を圧着させて転写させるため、ある程度の弾性を有することが要求される。例えば、記録媒体として紙を用いる場合を想定すると、JIS K6253に準拠した表層部材のデュロA硬度(デュロメータ タイプA硬度)は、10〜100であることが好ましく、20〜60であることがさらに好ましい。表層部材の材質としては、樹脂、セラミックスなどが好ましい。なかでも、硬度や加工特性などの観点から、各種エラストマー材料やゴム材料が好ましい。表層部材の材質の具体例としては、フルオロシリコーンゴム、フェニルシリコーンゴム、フッ素ゴム、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、エチレンプロピレンゴム、天然ゴム、スチレンゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、エチレン/プロピレン/ブタジエンのコポリマー、ニトリルブタジエンゴムなどを挙げることができる。なかでも、シリコーンゴム、フルオロシリコーンゴム、フェニルシリコーンゴム、フッ素ゴム、クロロプレンゴムが好ましい。これらの材質は、寸法安定性、耐久性、及び耐熱性などの面から極めて好適である。また、複数の材料を積層して表層部材を形成することも好ましい。具体的には、薄いシリコーンゴムでポリウレタンベルトを被覆した積層材料は、表層部材として極めて好適である。さらに、表層部材に適当な表面処理を施すことも好ましい。表面処理の具体例としては、フレーム処理、コロナ処理、プラズマ処理、研磨処理、粗化処理、活性エネルギー線照射処理(UV、IR、RFなど)、オゾン処理、界面活性剤処理を挙げることができる。また、これらの処理を複数組み合わせて施してもよい。なお、表層部材と支持部材の間に、これらの部材を固定及び保持するための各種接着材や両面テープを配置してもよい。
<液体組成物>
本発明の画像記録方法で用いる液体組成物は、有機酸を含有する。液体組成物は酸性であることが好ましい。液体組成物のpHは7未満であることが好ましく、3以上5以下であることがさらに好ましい。本発明においては、中間転写体において生成する液体組成物とインクとの混合液のpHが、インク中の水溶性樹脂に含まれるイオン性基のpKaよりも小さくなることで、水溶性樹脂が不溶化するものと推測される。したがって、液体組成物のpHは、水溶性樹脂に含まれるイオン性基のpKaよりも小さいことが好ましい。なお、本明細書におけるpH及びpKaは、いずれも25℃における値である。
また、本発明の画像記録方法で用いる液体組成物は、インクで記録した画像に影響を及ぼさないために、無色、乳白色、又は白色であることが好ましい。このため、可視光の波長域である400nm乃至800nmの波長域における最大吸光度と最小吸光度の比(最大吸光度/最小吸光度)が、1.0以上2.0以下であることが好ましい。「最大吸光度/最小吸光度」が上記の数値範囲であることは、可視光の波長域において、吸光度のピークを実質的に有しないか、有していてもピーク強度が極めて小さいことを意味する。さらに、本発明においては、液体組成物は色材を含有しないことが好ましい。
後述する実施例において、液体組成物の吸光度は、非希釈の液体組成物を用い、ダブルビーム分光光度計(商品名「U−2900」、日立ハイテクノロジーズ製)を使用して測定した。なお、液体組成物の最大吸光度と最小吸光度の値は、いずれも希釈倍率に比例するので、最大吸光度と最小吸光度の比(最大吸光度/最小吸光度)の値は希釈倍率に依存しない。このため、液体組成物を希釈して吸光度を測定してもよい。
(有機酸)
本発明において「有機酸」とは、有機化合物のうち酸であるものを意味する。有機酸は一般的に弱酸であるため、pH緩衝能が高い。したがって、有機酸を含有する液体組成物とインクが混ざり合った場合でもpHの変動が少ないため、有機酸はインクと十分に反応する。有機酸の具体例としては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸などのモノカルボン酸;シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸などのジカルボン酸;リンゴ酸、酒石酸などのヒドロキシカルボン酸(ヒドロキシル基とカルボキシル基を有する有機酸);レブリン酸などのケト酸(ケトン基とカルボキシル基を有する有機酸)を挙げることができる。これらの有機酸は、一種単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
液体組成物中の有機酸の含有量(質量%)は、液体組成物の全質量を基準として、10質量%以上70質量%以下であることが好ましく、10質量%以上50質量%以下であることがさらに好ましく、20質量%以上40質量%以下であることが特に好ましい。有機酸の含有量が10質量%未満であると、インクとの反応性が低く、得られる画像の光学濃度が十分に向上しない場合がある。一方、有機酸の含有量が70質量%超であると、有機酸の種類によっては液体組成物中に析出する場合がある。
(水性媒体)
液体組成物には、通常、水性媒体が含有される。水性媒体は、水、又は、水と水溶性有機溶剤との混合溶媒である。液体組成物中の水溶性有機溶剤の含有量(質量%)は、液体組成物の全質量を基準として、3.0質量%以上50.0質量%以下であることが好ましい。水溶性有機溶剤としては、従来一般的に用いられているものを用いることができる。水溶性有機溶剤の具体例としては、アルコール類、グリコール類、アルキレン基の炭素原子数が2乃至6のアルキレングリコール類、ポリエチレングリコール類、含窒素化合物類、含硫黄化合物類などを挙げることができる。これらの水溶性有機溶剤は、一種単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。水としては、脱イオン水(イオン交換水)を用いることが好ましい。液体組成物中の水の含有量(質量%)は、液体組成物の全質量を基準として、50.0質量%以上95.0質量%以下であることが好ましい。
(その他の成分)
液体組成物は、上記の成分以外にも必要に応じて、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタンなどの多価アルコール類や、尿素、エチレン尿素などの尿素誘導体など、常温で固体の水溶性有機化合物を含有してもよい。さらに、液体組成物は、必要に応じて、界面活性剤、pH調整剤、防錆剤、防腐剤、防黴剤、酸化防止剤、還元防止剤、蒸発促進剤、キレート化剤、及び上記以外の樹脂などの種々の添加剤を含有してもよい。特に、転写性を向上させるため、或いは最終的に形成される画像の堅牢性を向上させるために、樹脂を添加することが好ましい。
なお、樹脂を添加した液体組成物を用いると、記録媒体に対する中間画像の接着性を向上させたり、画像を構成するインク皮膜の機械強度を高めたりすることも可能である。また、樹脂の種類によっては、形成される画像の耐水性を向上させることも可能である。樹脂は、用いる有機酸と反応しないものであれば、その種類は特に限定されない。樹脂の好適例としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンなどの有機ポリマーを挙げることができる。
<インク>
本発明の画像記録方法に用いるインクは、色材、前述の有機酸の作用により不溶化する水溶性樹脂、及び樹脂微粒子を含有する。インクのpHは7以上11以下であることが好ましい。以下、本発明の画像記録方法に使用するインクを構成する各成分について、それぞれ説明する。なお、以下「(メタ)アクリル酸」、「(メタ)アクリレート」と記載した場合は、それぞれ「アクリル酸、メタクリル酸」、「アクリレート、メタクリレート」を示すものとする。
(色材)
本発明において、インクに用いる色材としては、染料や顔料を挙げることができる。染料の具体例としては、直接染料、酸性染料、塩基性染料、分散染料、食用染料などを挙げることができる。また、顔料としては、カーボンブラックなどの無機顔料や有機顔料などの、インクに使用可能な公知の顔料をいずれも用いることができる。インク中の色材の含有量(質量%)は、インクの全質量を基準として、0.1質量%以上15.0質量%以下であることが好ましく、1.0質量%以上10.0質量%以下であることがさらに好ましい。
顔料としては、分散剤として樹脂を用いる樹脂分散顔料、及び顔料粒子の表面にイオン性基が直接又は他の原子団を介して結合した自己分散顔料を用いることができる。樹脂分散顔料としては、(i)樹脂分散剤を使用した樹脂分散顔料、(ii)顔料粒子の表面を樹脂で被覆したマイクロカプセル顔料、及び(iii)顔料粒子の表面に樹脂を含む有機基が化学的に結合したポリマー結合型自己分散顔料などを挙げることができる。なお、分散方法の異なる顔料を併用することも可能である。また、前述のイオン性基としてはアニオン性基が好ましい。
(有機酸の作用によって不溶化する水溶性樹脂)
本発明における「水溶性樹脂」とは、水、又は、水及び水溶性有機溶剤の混合溶媒である水性媒体に溶解しうる樹脂であり、粒径を有さない状態でインク中に存在しうる樹脂を意味する。より具体的には、インク中において体積平均粒子径が30nm未満となるもの、又は体積平均粒子径が測定不可能なものを「水溶性樹脂」と判定する。なお、本明細書における樹脂(粒子)の体積平均粒子径とは、純水で50倍(体積基準)に希釈した樹脂を含有する水溶液について、例えば、商品名「UPA−EX150」(日機装製)を使用して測定した値をいう。なお、測定条件は、SetZero:30s、測定回数:3回、測定時間:180秒、屈折率:1.5とする。
本発明において、「水溶性樹脂が有機酸の作用によって不溶化する」か否かは、以下に示す方法によって判定する。まず、用いるインクと同じ濃度の水溶性樹脂を含有し、かつ、色材及び樹脂微粒子を含有しない水溶液Aと、用いる有機酸を含有する液体組成物とを用意する。この水溶液Aと、質量比率で等量の液体組成物とを混合して混合溶液を得る。得られた混合溶液を目視観察し、沈殿物が確認された場合に「水溶性樹脂が有機酸の作用によって不溶化した」と判定する。
水溶性樹脂は、α,β−不飽和カルボン酸又はその塩をモノマーとして用いた重合体であることが好ましい。α,β−不飽和カルボン酸の具体例としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、クロトン酸などを挙げることができる。また、得られる樹脂が水溶性となるのであれば、α,β−不飽和カルボン酸又はその塩と、その他のモノマーとを共重合させてもよい。α,β−不飽和カルボン酸又はその塩と共重合させるその他のモノマーとしては、公知のものをいずれも使用することができる。
水溶性樹脂としては、「α,β−不飽和カルボン酸又はその塩」と、「アリール基を有するα,β−エチレン性不飽和化合物又はα,β−不飽和カルボン酸のエステル化合物」とをモノマーとして用いて得られる共重合体が好ましい。アリール基を有するα,β−エチレン性不飽和化合物としては、スチレン、α−メチルスチレン、フェニル酢酸ビニル、ベンジル(メタ)アクリレート、2−フェノキシエチル(メタ)アクリレートなどを挙げることができる。α,β−不飽和カルボン酸のエステル化合物としては、メトキシエチル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコール(メタ)アクリレート、トリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレートなどを挙げることができる。
水溶性樹脂の具体例としては、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体などのスチレン−アクリル酸樹脂;スチレン−マレイン酸共重合体;スチレン−無水マレイン酸共重合体などを挙げることができる。なお、これらの水溶性樹脂は、一種単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。これらのなかでも、(メタ)アクリル酸に由来するユニットと、スチレンに由来するユニットとを有する共重合体を用いることがより好ましい。
水溶性樹脂の酸価は70mgKOH/g以上150mgKOH/g以下であることが好ましく、90mgKOH/g以上120mgKOH/g以下であることがさらに好ましい。また、水溶性樹脂のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により得られるポリスチレン換算の重量平均分子量は、5,000以上20,000以下であることが好ましく、5,000以上10,000以下であることがさらに好ましい。水溶性樹脂の酸価及び重量平均分子量が上記の数値範囲内であると、インク中の水溶性樹脂と、液体組成物中の有機酸との反応性をさらに向上させることができる。
インク中の水溶性樹脂の含有量(質量%)は、インクの全質量を基準として、0.1質量%以上10.0質量%以下であることが好ましく、1.0質量%以上4.0質量%以下であることがさらに好ましい。水溶性樹脂の含有量が0.1質量%未満であると、不溶化する水溶性樹脂の量が少ないため中間画像が形成されにくく、画像の光学濃度の向上効果が十分に得られない場合がある。一方、水溶性樹脂の含有量が10.0質量%超であると、水溶性樹脂が析出しやすく、インクの吐出安定性が十分に得られない場合がある。
(樹脂微粒子)
本発明における「樹脂微粒子」とは、粒径を有する状態でインク中に存在する、樹脂からなる微粒子を意味する。樹脂微粒子の体積平均粒子径は30nm以上であることが好ましく、40nm以上200nm以下であることがさらに好ましく、130nm以上170nm以下であることが特に好ましい。樹脂微粒子の体積平均粒子径の測定条件は、前述の水溶性樹脂の体積平均粒子径の測定条件と同じである。また、樹脂微粒子を構成する樹脂のガラス転移温度は−10℃以上120℃以下であることが好ましく、20℃以上100℃以下であることがさらに好ましい。樹脂微粒子のGPCにより得られるポリスチレン換算の重量平均分子量は3,000以上2,000,000以下であることが好ましく、5,000以上1,000,000以下であることがさらに好ましい。本発明においては、樹脂微粒子は、液体組成物中の有機酸の作用で凝集する反応性の樹脂微粒子であってもよく、有機酸の作用で凝集しない非反応性の樹脂微粒子であってもよい。
樹脂微粒子としては、上記の樹脂微粒子の定義を満たすものであれば、いずれの樹脂微粒子であっても用いることができる。樹脂微粒子を構成する樹脂を得るために用いられるモノマーとしては、乳化重合法、懸濁重合法、分散重合法などの重合方法で重合可能なモノマーであれば、いずれのモノマーも用いることができる。モノマーの違いによって、例えば、アクリル系、酢酸ビニル系、エステル系、エチレン系、ウレタン系、合成ゴム系、塩化ビニル系、塩化ビニリデン系、オレフィン系など樹脂からなる樹脂微粒子を挙げることができる。なかでも、樹脂微粒子としてアクリル樹脂微粒子を用いることが好ましい。
アクリル樹脂微粒子を構成する樹脂を得るために用いられるモノマーの具体例としては、前述のα,β−不飽和カルボン酸又はその塩;アリール基を有するα,β−エチレン性不飽和化合物;α,β−不飽和カルボン酸のエステル化合物;(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルエチル(メタ)アクリルアミド、イソプロピル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロイルモルホリンなどのα,β−不飽和カルボン酸のアルキルアミド化合物などを挙げることができる。アクリル樹脂微粒子を構成する樹脂は、単一のモノマーが重合した単重合体でもよく、二種以上のモノマーが重合した共重合体でもよい。樹脂微粒子を構成する樹脂が共重合体である場合は、この共重合体はランダム共重合体であっても、ブロック共重合体であってもよい。なかでも、親水性のモノマーと疎水性のモノマーを用いる樹脂からなる樹脂微粒子が好ましい。親水性モノマーとしては、α,β−不飽和カルボン酸及びその塩を挙げることができる。また、疎水性モノマーとしては、α,β−不飽和カルボン酸のエステル化合物や、アリール基を有するα,β−エチレン性不飽和化合物を挙げることができる。
インク中の樹脂微粒子の含有量(質量%)は、インクの全質量を基準として、0.1質量%以上10.0質量%以下であることが好ましく、1.0質量%以上8.0質量%以下であることがさらに好ましい。樹脂微粒子の含有量が0.1質量%未満であると、中間画像の収縮抑制効果が弱く、画像の光学濃度の向上効果が十分に得られない場合がある。一方、樹脂微粒子の含有量が10.0質量%超であると、樹脂微粒子が析出しやすく、インクの吐出安定性が十分に得られない場合がある。
インク中の樹脂微粒子の含有量(質量%)は、水溶性樹脂の含有量(質量%)に対して、質量比率で0.5倍以上8.0倍以下であることが好ましく、1.0倍以上4.0倍以下であることがさらに好ましい。この質量比率が0.5倍未満であると、中間画像の収縮抑制効果が弱く、画像の光学濃度の向上効果が十分に得られない場合がある。一方、この質量比率が8.0倍超であると、不溶化する水溶性樹脂の量が少ないため中間画像が形成されにくく、画像の光学濃度の向上効果が十分に得られない場合がある。なお、樹脂微粒子と水溶性樹脂の含有量は、いずれもインク全質量を基準とした値である。
(水性媒体及びその他の成分)
インクには、水、又は、水と水溶性有機溶剤との混合溶媒である水性媒体を含有させることができる。インク中の水溶性有機溶剤の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、3.0質量%以上50.0質量%以下であることが好ましい。水溶性有機溶剤としては、液体組成物に使用可能なものとして挙げた水溶性有機溶剤と同様のものを使用することができる。水は脱イオン水(イオン交換水)を用いることが好ましい。インク中の水の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、50.0質量%以上95.0質量%以下であることが好ましい。また、インクには、上記の液体組成物に使用可能なものとして挙げたその他の成分と同様のものを含有させることができる。
次に、実施例及び比較例を挙げて、本発明を具体的に説明する。本発明は、その要旨を超えない限り、下記実施例により限定されるものではない。以下、「部」及び「%」とあるのは、特に断りのない限りいずれも質量基準である。
(1)画像記録装置
図1に示すような構成を有する画像記録装置を用意した。表層部材10としては、厚さ0.5mmのPETシートに、デュロA硬度40、厚さ0.2mmのシリコーンゴム(商品名「KE12」、信越化学製)をコーティングしたものを用いた。なお、大気圧プラズマ処理装置(商品名「ST−7000」、キーエンス製)を使用し、処理距離:5mm、プラズマモード:High、処理速度:100mm/secの条件にて表層部材10を表面改質して親水化させた。さらに、表層部材10の表面を界面活性剤水溶液に10秒間浸漬させた後、水洗し、乾燥させた。なお、界面活性剤水溶液としては、市販の中性洗剤(アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム)を3%となるように純水で希釈したものを用いた。また、支持部材12としては、アルミニウム合金からなる円筒形のドラムを使用した。なお、インクジェット方式の記録ヘッド15としては、電気熱変換素子を備えた、オンデマンド方式にてインク吐出を行うタイプのデバイス(ノズル配列密度:1200dpi、吐出量:4pL)を使用した。
(2)液体組成物(液体組成物1及び2)の調製
(液体組成物1)
グルタル酸35部、1,5−ペンタンジオール15部、アセチレングリコール系界面活性剤(商品名「アセチレノールE100」、川研ファインケミカル製)1部、及びイオン交換水49部を混合し、十分撹拌した。その後、ポアサイズ3μmのミクロフィルター(商品名「C300A」、アドバンテック製)を用いて加圧濾過して、液体組成物1を調製した。
(液体組成物2)
レブリン酸75部、1,5−ペンタンジオール15部、アセチレングリコール系界面活性剤(商品名「アセチレノールE100」、川研ファインケミカル製)1部、及びイオン交換水9部を混合し、十分撹拌した。その後、ポアサイズ3μmのミクロフィルター(商品名「C300A」、アドバンテック製)を用いて加圧濾過して、液体組成物2を調製した。
(3)インク(インク1〜17)の調製
(顔料分散体1)
カーボンブラックの表面に4−カルボキシフェニル基が結合した自己分散カーボンブラック顔料として市販されている、商品名「Cab−O−Jet300」(Cabot製)を水で希釈し、十分撹拌して顔料の含有量が10%の顔料分散体1を得た。
(顔料分散体2)
1Lフラスコに、イオン交換水243g、及びカーボンブラック(商品名「Printex85」、Evonik製)25gを入れた。有効塩素濃度5%の次亜塩素酸ナトリウム水溶液161gを添加して撹拌した後、オイルバスを使用して、還流下、105℃で8時間加熱しながら撹拌した。フラスコから内容物を取り出して遠心分離して固形分を得た。得られた固形分を水に分散させた後に再び遠心分離して、カーボンブラックのケーキを得た。得られたカーボンブラックのケーキを水に再分散させてから限外ろ過を行った後に濃縮して、顔料の含有量が10%の顔料分散体2を得た。
(顔料分散体3)
比表面積220m2/g、DBP吸油量105mL/100gであるカーボンブラック10部、スチレン−アクリル酸共重合体の水溶液(樹脂の含有量が20%)30部、及び純水60部を混合して混合物を得た。なお、スチレン−アクリル酸共重合体は、酸価が200mgKOH/g、重量平均分子量が9,000であり、水酸化カリウムを中和剤として用いたものである。得られた混合物をバッチ式縦型サンドミル(アイメックス製)に仕込み、0.3mm径のジルコニアビーズを200部充填し、水冷しつつ、5時間分散処理を行って分散液を得た。得られた分散液を遠心分離機にかけて粗大粒子を除去し、顔料の含有量が10%、樹脂の含有量が6%の顔料分散体3を得た。
(染料水溶液)
C.I.アシッドブラック2を用いて、染料の含有量が10.0%である染料水溶液を調製した。
(水溶性樹脂水溶液1)
スチレン−アクリル酸共重合体(酸価:120mgKOH/g、重量平均分子量:8,700、中和剤:水酸化カリウム)の水溶液(樹脂の含有量が20%)を水溶性樹脂水溶液1として用いた。
(水溶性樹脂水溶液2)
スチレン−α−メチルスチレン−メタクリル酸共重合体(酸価:110mgKOH/g、重量平均分子量:5,000、中和剤:水酸化カリウム)の水溶液(樹脂の含有量が20%)を水溶性樹脂水溶液2として用いた。
(樹脂微粒子分散体1)
水120gに、カルボン酸塩系乳化剤(商品名「ラテムルASK」、花王製)19.8g、5mol/L水酸化ナトリウム水溶液6g、及び過硫酸カリウム0.34gを加えて均一に溶解させた。窒素気流下で70℃に加熱し、スチレン50gとアクリル酸5gのモノマー混合物を2時間かけて添加した。80℃で5時間加熱した後、室温に冷却し、次いで、pHが9前後になるように1mol/L水酸化ナトリウム水溶液を撹拌しながら添加して、樹脂微粒子の含有量が20%の樹脂微粒子分散体1を得た。得られた樹脂微粒子分散体1に含有される樹脂微粒子の体積平均粒子径は150nmであった。
(樹脂微粒子分散体2)
水220gに、ノニオン系界面活性剤(商品名「エマルゲンLS−110」、花王製)17.5gを加えた。窒素気流下で80℃に加熱し、過硫酸カリウム2.1gを添加した。次いで、スチレン120g及びアクリル酸10gを混合して撹拌したモノマー混合物を2時間かけて添加した。4時間反応させることで、樹脂微粒子の含有量が20%の樹脂微粒子分散体2を得た。得られた樹脂微粒子分散体2に含有される樹脂微粒子の体積平均粒子径は140nmであった。
(インク1〜17)
表1−1〜1−3の上段に示す各成分(単位:部)を混合した後、ポアサイズ3μmのミクロフィルター(商品名「C300A」、アドバンテック製)を用いて加圧濾過して、インク1〜17を調製した。なお、水溶性樹脂1又は2を含有するインク1〜17について、同じ濃度の水溶性樹脂を含有し、かつ、色材及び樹脂微粒子を含有しない水溶液1〜17をそれぞれ調製した。さらに、得られた水溶液1〜17と液体組成物1を等質量で混合した混合溶液と、得られた水溶液1〜17と液体組成物2を等質量で混合した混合溶液をそれぞれ得た。得られた混合溶液を目視観察したところ、いずれも沈殿物が確認され、インク1〜17の水溶性樹脂が有機酸の作用によって不溶化するものであることを確認した。
Figure 2013123855
Figure 2013123855
Figure 2013123855
(4)画像記録(印刷)
(中間画像形成工程)
前述の画像記録装置の中間転写体11(表層部材10)に、ローラー式塗布装置14を使用して液体組成物21を塗布した(図1参照)。液体組成物21を塗布した中間転写体11(表層部材10)上にインクを吐出し、所定のパターンを有する中間画像を形成した。上記画像記録装置では、解像度600dpi×600dpiで1/600インチ×1/600インチの単位領域に3.5ng(ナノグラム)のインク滴を8ドット付与する条件が、記録デューティが100%であると定義される。
(転写工程)
中間画像を乾燥させた後、記録媒体(上質紙、商品名「金菱 127.9g/m2」、三菱製紙製)18と接触させ、加圧ローラー19で加圧した(図1参照)。これにより、記録媒体18上に中間画像を転写して画像を記録した。
(5)評価
(中間画像の収縮の抑制)
前述の「中間画像形成工程」において、記録デューティが100%の中間画像1と、記録デューティが200%の中間画像2(いずれも2cm×2cmのベタ画像)を中間転写体に形成した。中間画像を形成してから5分経過後、中間画像を目視観察して中間画像の収縮の抑制を評価した。評価基準は以下の通りである。なお、下記の評価項目の評価基準において、「A」及び「B」を許容できるレベルとし、「C」を許容できないレベルとした。評価結果を表2に示す。
A:中間画像の収縮が見られなかった。
B:中間画像の収縮がわずかに見られたが、気にならないレベルであった。
C:中間画像の収縮が見られた。
(画像の光学濃度)
前述の「中間画像の収縮の抑制」の評価で形成した中間画像1を、それぞれ記録媒体に転写して得られた画像1の光学濃度を濃度計(商品名「SpectroLino」、Gretag Machbeth製)を使用して測定した。測定した光学濃度につき、以下に示す基準に従って画像の光学濃度を評価した。なお、下記の評価項目の評価基準において、「A」及び「B」を許容できるレベルとし、「C」を許容できないレベルとした。評価結果を表2に示す。
A:画像1の光学濃度が1.2以上であった。
B:画像1の光学濃度が1.0以上1.2未満であった。
C:画像1の光学濃度が1.0未満であった。
Figure 2013123855

Claims (4)

  1. 液体組成物を中間転写体に付与する工程、インクを、前記液体組成物を付与する領域の少なくとも一部で重なるように前記中間転写体に付与することで中間画像を形成する工程、及び前記中間画像を記録媒体に転写する工程を有する画像記録方法において、
    前記液体組成物が有機酸を含有し、
    前記インクが、前記有機酸の作用により不溶化する水溶性樹脂、樹脂微粒子、及び色材を含有することを特徴とする画像記録方法。
  2. 前記インク中の前記樹脂微粒子の含有量(質量%)が、前記水溶性樹脂の含有量(質量%)に対して、質量比率で1.0倍以上4.0倍以下である請求項1に記載の画像記録方法。
  3. 前記インク中の前記水溶性樹脂の含有量(質量%)が、前記インクの全質量を基準として、1.0質量%以上4.0質量%以下である請求項1又は2に記載の画像記録方法。
  4. 前記インク中の前記樹脂微粒子の含有量(質量%)が、前記インクの全質量を基準として、1.0質量%以上8.0質量%以下である請求項1乃至3の何れか1項に記載の画像記録方法。
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