JP2009013394A - インク組成物、インクセット、及びインクジェット記録方法 - Google Patents

インク組成物、インクセット、及びインクジェット記録方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2009013394A
JP2009013394A JP2008034840A JP2008034840A JP2009013394A JP 2009013394 A JP2009013394 A JP 2009013394A JP 2008034840 A JP2008034840 A JP 2008034840A JP 2008034840 A JP2008034840 A JP 2008034840A JP 2009013394 A JP2009013394 A JP 2009013394A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
water
ink
fine particles
insoluble fine
ink composition
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2008034840A
Other languages
English (en)
Inventor
Terukazu Yanagi
輝一 柳
Akio Tamura
顕夫 田村
Takahiro Ishizuka
孝宏 石塚
Takashi Hirakawa
孝志 平川
Katsuyuki Hirato
克幸 平戸
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Corp
Original Assignee
Fujifilm Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujifilm Corp filed Critical Fujifilm Corp
Priority to JP2008034840A priority Critical patent/JP2009013394A/ja
Priority to US12/132,792 priority patent/US7951854B2/en
Priority to CN2008101082450A priority patent/CN101319111B/zh
Priority to EP08010263.5A priority patent/EP2003176B1/en
Publication of JP2009013394A publication Critical patent/JP2009013394A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Inks, Pencil-Leads, Or Crayons (AREA)
  • Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)
  • Ink Jet (AREA)

Abstract

【課題】従来にない極めて凝集反応速度の速いインク組成物及びインクセットを提供する。
【解決手段】インク組成物に、正又は負の極性に帯電する水不溶性微粒子Aと、水溶性成分の含有率が5質量%以下であって、カチオン性基とアニオン性基の両方を有し、pH環境の変化によりゼータ電位が変化する水不溶性微粒子Bとを含有させる。また、該インク組成物と該インク組成物のpHを変化させる処理液とを含むインクセットとする。
【選択図】図3

Description

本発明は、インク組成物、インクセット、及びインクジェット記録方法に係り、特に、インク組成物の凝集反応速度を迅速化する技術に関する。
インクジェット記録方法は、インクジェットヘッドに形成される多数のノズルからそれぞれインク滴を打滴することによって記録を行うものであり、記録動作時の騒音が低く、ランニングコストが安く、多種多様な記録媒体に対して高品位な画像を記録できることなどから幅広く利用されている。
インクジェット記録方法の中には、インクジェットヘッドから中間転写体に対してインク打滴を行うことによって中間転写体上に一旦画像を形成してから記録媒体上に画像を転写するものが知られている。この転写型の記録方法によれば、中間転写体上のインク溶媒(例えば、水など)を溶媒除去ローラ等の手段で除去してから記録媒体上に画像転写することが可能となり、インク溶媒による画像の滲み、裏抜け、記録媒体の変形(いわゆるコックリング)などの問題が生じることがないので、高品質な画像を得ることができる。
また、インクジェット記録方法には、インクと、該インクを凝集させる処理液との2液を反応させてインクを凝集させることにより、インクの定着を促進させる2液反応方法が知られている。
この2液反応方法を転写型のインクジェット記録方法に適用した場合、装置のコンパクト化を図るためには、中間転写体上でインクを処理液に接触させてからインクが凝集するまでの時間を短くする必要がある。即ち、インクと処理液が接触して凝集した凝集物中の溶媒は溶媒除去ローラーまで搬送されて除去されるが、凝集反応速度が遅いと打滴ノズルから溶媒除去ローラーまでの距離を長く確保しなくてはならず、装置が大型化する。
2液反応方法を転写型のインクジェット記録方法に適用した従来技術としては、例えば特許文献1と特許文献2とがある。
特許文献1では、少なくとも着色剤を含んでなる記録液と、記録液中の少なくとも1方の反応性成分と反応しうる他方の反応性成分を含有する処理液とを転写体上で混合する行程と、該混合物を被記録材に転写する行程とを有することが記載されている。更には、処理液中の他方の反応性成分と反応する記録液中の1方の前記反応性成分として、少なくとも樹脂粒子表面にイオン性基を有する樹脂エマルジョンを含有する記録液を使用することが記載されている。そして、これにより、迅速に記録する場合においても、転写体上での画像ににじみの発生がなく、高い転写率が得られるとされている。
また、特許文献2では、外的要因によって分散状態を維持するか若しくは破壊するように調整された微粒子を含む処理液と、外的要因によって分散状態あるいは溶解状態を維持するか若しくは破壊するように調整された色材を含む記録液とから構成され、該処理液と該記録液とは被記録媒体上でそれぞれ分散状態または溶解状態が破壊されることによって、該処理液中の微粒子及び該記録液中の色材が実質的に混合することなく凝集して画像を形成することを特徴とするインクセットを使用することが記載されている。そして、これにより、吸収性あるいは非吸収性記録媒体でも、フェザリング及びカラーブリードを効果的に抑制すること、更には高濃度、かつ高彩度であり、原稿に忠実で鮮明な印刷物が得られると共に、印刷物に光沢感を付与することができるとされている。
特開2003−82265号公報 特開2004−338362号公報
しかしながら、特許文献1及び2で使用しているインク組成物は、インク組成物と処理液とをそれぞれのノズルから打滴し、中間転写体上で接触させてから凝集するまでの凝集反応速度が遅く、溶媒除去ローラで溶媒を除去するまでに長い時間を要してしまうという欠点がある。これにより、インクジェット記録装置が大型化するという問題があり、特に迅速記録が要求されるインクジェット記録装置の場合には一層大型化する。
また、2液反応方法を、中間転写体を介さずに、記録媒体上で直接凝集させる場合にも、インク組成物と処理液との凝集反応速度が遅いと、記録媒体内に浸透する溶媒と一緒に色材が浸透してしまい、記録媒体上での定着性が悪くなるため、記録濃度や鮮明度が低下するという問題がある。従って、インク組成物と処理液との凝集反応速度を迅速化することは、転写型以外の通常のインクジェット記録方法においても重要な課題である。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、従来にない極めて凝集反応速度の速いインク組成物及びインクセットを提供すると共に、そのインクセットを用いたインクジェット記録方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、正又は負の極性に帯電する水不溶性微粒子Aと、水溶性成分の含有率が5質量%以下であって、カチオン性基とアニオン性基の両方を有し、pH環境の変化によりゼータ電位が変化する水不溶性微粒子Bと、を含むインク組成物を提供する。
請求項1のインク組成物は、正又は負の極性に帯電する水不溶性微粒子Aと、カチオン性基とアニオン性基の両方を有する水不溶性微粒子Bとを含み、水不溶性微粒子BがpH環境の変化によりゼータ電位が変化するので、従来にない極めて凝集反応速度の速いインク組成物を得ることができる。
例えば、水不溶性微粒子Bのゼータ電位が変化して、正又は負に帯電する水不溶性微粒子Aに対して極性反転するように、インク組成物のpH環境を形成すれば、水不溶性微粒子Aと水不溶性微粒子Bとのマイナスイオンとカチオンイオンとが積極的に引き合うので、水不溶性微粒子Aと水不溶性微粒子Bとを瞬時に凝集させることができる。この場合、水不溶性微粒子Bが極性反転せず、水不溶性微粒子Aと同じ極性であっても、水不溶性微粒子Bのゼータ電位を変化させて電位ゼロの状態に近づけることで水不溶性微粒子Aとの反発力を小さくすることができるので、従来に比べて凝集反応速度を迅速化することができる。
また、本発明のように、水不溶性微粒子Aと水不溶性微粒子Bとを一緒にインク組成物に含有させておくことが、凝集反応速度の迅速化の観点から重要である。即ち、水不溶性微粒子Aと水不溶性微粒子Bとを別々の液とした場合には、水不溶性微粒子Aの液と水不溶性微粒子Bの液とが接触してから互いに混ざり合うまでの時間を必要とし、凝集反応速度の迅速化にとってマイナスの要因になるからである。
請求項2は請求項1において、前記水不溶性微粒子Aと前記水不溶性微粒子Bの少なくとも一方が色材の微粒子を含むことを特徴とする。
インク組成物として必要な色材を構成する微粒子は、水不溶性微粒子Aと水不溶性微粒子Bの少なくとも一方に含まれていればよい。また、色材が無色である場合も含む。尚、本発明は、インク組成物が水不溶性微粒子Aと水不溶性微粒子Bとを含有していることを構成の必須とするものであり、水不溶性微粒子A及び水不溶性微粒子B以外の添加剤を含んでいてもよい。
請求項3は請求項1又は2において、前記水不溶性微粒子Bは、pH8の時のゼータ電位が−90〜0mVであり、且つpH4の時のゼータ電位が0〜90mVであることを特徴とする請求項1又は2記載のインク組成物。
請求項3は、pH環境が変化することにより、水不溶性微粒子Bが極性反転する微粒子であることを示したものであり、水不溶性微粒子Bが極性反転することが凝集反応速度の迅速化にとって一層好ましいからである。
請求項4は請求項1〜3の何れか1において、前記水不溶性微粒子Bは、前記pH環境が変化する前は前記水不溶性微粒子Aと同極性に帯電し、前記pH環境を変化させることにより前記同極性から前記水不溶性微粒子Aと極性の異なる逆極性に極性反転することを特徴とする。
請求項4は、水不溶性微粒子BがpH環境の変化により極性反転する場合であり、pH環境の変化前後における水不溶性微粒子Aと水不溶性微粒子Bとの極性関係を、インク組成物を実際にインクジェット記録装置で使用する上での条件として構成したものである。即ち、インク組成物はノズルから打滴される前の例えば貯留室に貯留されている状態では分散性を良くして打滴時にノズル出口を閉塞させないことが必要であり、記録媒体(あるいは中間転写体)に打滴された後は、速やかに凝集することが必要である。
従って、請求項4のように、水不溶性微粒子Bを、pH環境が変化する前は水不溶性微粒子Aと同極性に帯電させるようにすれば、水不溶性微粒子Aと水不溶性微粒子Bとが反発し合い良好な分散状態を形成できる。そして、打滴後にpH環境が変化することにより、水不溶性微粒子Bを水不溶性微粒子Aと極性の異なる逆極性に極性反転させれば、水不溶性微粒子Aと水不溶性微粒子Bとを速やかに凝集させることができる。
請求項5は請求項1〜4の何れか1において、前記水不溶性微粒子Bは、前記アニオン性基とカチオン性基のモル比が80:20〜20:80の範囲であることを特徴とする。
請求項5は、水不溶性微粒子Bにおいて、凝集反応速度の迅速化にとって好ましいアニオン性基とカチオン性基のモル比を規定したものである。これは、水不溶性微粒子Bのアニオン性基とカチオン性基の一方のモル比が他方のモル比に対して極端に小さく、小さいモル比のものが水不溶性微粒子Aと逆の極性に極性反転しても、水不溶性微粒子Aの帯電が支配的になり、凝集反応速度の迅速化を十分に達成できないからである。
従って、請求項5のように、水不溶性微粒子Bのアニオン性基とカチオン性基のモル比を80:20〜20:80の範囲にすることが、凝集反応速度の迅速化にとって一層好ましく、モル比が60:40〜20:80であることがより好ましく、特に好ましくは50:50〜30:70である。
請求項6は請求項1〜5の何れか1において、前記水不溶性微粒子Bは、下記の一般式で表されるポリマー化合物からなる微粒子、又は下記の一般式で表されるポリマー化合物で表面が被覆された微粒子であることを特徴とする。(C)l−(D)m−(E)n、但し、(C)はノニオン性モノマーに由来する繰り返し単位を表し、(D)はアニオン性モノマーに由来する繰り返し単位を表し、(E)はカチオン性モノマーに由来する繰り返し単位を表し、l、m、nは重合度を表す。
請求項6は、水不溶性微粒子Bに該当するポリマー化合物の一般式を示したものであり、水不溶性微粒子Bそのものが上記一般式をもつポリマー化合物であっても、水不溶性微粒子Bの表面のみが上記一般式をもつポリマー化合物であってもよい。
請求項7は請求項1〜請求項6の何れか1において、前記水不溶性微粒子Bは、自己分散性ポリマー微粒子であることを特徴とする。
請求項8は請求項1〜請求項7の何れか1において、前記水不溶性微粒子Bは、有機溶媒中で合成されたポリマーであって、前記アニオン性基の一部あるいは全部を中和し、水を連続相とするポリマーの分散体として調製されたものであることを特徴とする。
請求項9は請求項1〜請求項8の何れか1において、前記水溶性成分の含有率が3質量%以下であることを特徴とする。
請求項10は請求項1〜9の何れか1において、前記水不溶性微粒子Aの平均粒径と前記水不溶性微粒子Bの平均粒径との粒径差が20nm以上であることを特徴とする。
請求項10は、水不溶性微粒子Aと水不溶性微粒子Bの平均粒径の関係において、凝集反応速度の迅速化にとって好ましい粒径差を規定したものである。これは、水不溶性微粒子Aと水不溶性微粒子Bとが凝集する際に、両者の粒径差が20nm以上あると凝集し易くなるからである。更には、形成された凝集物の強度が強くなり、インク組成物から溶媒を除去する際に、凝集物が例えば溶媒除去ローラーで押圧されても凝集物が破損しにくくなるからである。
請求項11は請求項1〜10の何れか1において、前記水不溶性微粒子Aの平均粒径が10〜200nmの範囲であり、前記水不溶性微粒子Bの平均粒径が10〜200nmの範囲であることを特徴とする。
請求項11は、水不溶性微粒子Aと水不溶性微粒子Bについて、インク組成物として好ましい平均粒径を規定したものであり、特に請求項10の粒径差条件を満足することが好ましい。
前記目的を達成するために、請求項12に記載の発明は、請求項1〜11の何れか1に記載のインク組成物の少なくとも1種と、該インク組成物のpHを変化させる処理液と、を含むことを特徴とするインクセットを提供する。
請求項12のインクセットによれば、請求項1〜11の何れか1に記載のインク組成物であるので、インク組成物と処理液とを接触させることにより、インク組成物を速やかに凝集させることができる。
前記目的を達成するために、請求項13に記載の発明は、請求項12に記載されるインクセットのうちの処理液を記録媒体上に付与する処理液付与工程と、処理液が付与された記録媒体上に、請求項12に記載されるインクセットのうちのインク組成物を付与して前記処理液と接触させることにより前記インク組成物のpHを変化させて、該インク組成物に含有される水不溶性微粒子Aと水不溶性微粒子Bとを凝集させる凝集工程と、を備えたことを特徴とするインクジェット記録方法を提供する。
請求項13は、本発明のインク組成物を記録媒体上に直接打滴して処理液に接触させる場合のインクジェット記録方法を示したものであり、本発明のインク組成物を使用することで、記録媒体上に打滴されたインクジェットを速やかに凝集させることができる。これにより、記録媒体上での凝集物の定着性が良くなるため、記録濃度や鮮明度が向上する。
請求項14は請求項13において、前記凝集工程の後段に、記録媒体上に付与された前記インク組成物と前記処理液の溶媒を除去する溶媒除去工程を備えたことを特徴とする。
請求項14は、凝集工程の後段に、記録媒体上に付与されたインク組成物と処理液の溶媒を除去する溶媒除去工程を備えるようにしたもので、記録媒体上に打滴されたインク組成物が速やかに凝集するので、打滴から溶媒除去までの時間を短縮することができると共に、装置のコンパクト化も図ることができる。
前記目的を達成するために、請求項15に記載の発明は、請求項12に記載されるインクセットのうちの処理液を中間転写体上に付与する処理液付与工程と、処理液が付与された中間転写体上に、請求項12に記載されるインクセットのうちのインク組成物を付与して前記処理液と接触させることにより前記インク組成物のpHを変化させて、該インク組成物に含有される水不溶性微粒子Aと水不溶性微粒子Bとを凝集させる凝集工程と、前記中間転写体上から前記インク組成物と前記処理液の溶媒を除去する溶媒除去工程と、前記溶媒が除去された中間転写体上に形成された画像を記録媒体に転写する転写工程と、を備えたことを特徴とするインクジェット記録方法を提供する。
請求項15は、本発明のインク組成物を中間転写体上に一旦打滴して処理液に接触させて凝集物を形成した後、この凝集物を記録媒体に転写する場合のインクジェット記録方法を示したものであり、本発明のインク組成物を使用することで、中間転写体上に打滴されたインクジェットを速やかに凝集させることができる。これにより、打滴してから溶媒除去までの時間を短縮できるので、装置のコンパクト化を図ることができる。
以上説明したように、本発明によれば、従来にない極めて凝集反応速度の速いインク組成物及びインクセットを提供することができる。従って、本発明のインクセットを用いたインクジェット記録方法を用いれば、記録装置のコンパクト化を図ることができ、特に高速記録において有効である。
以下、本発明に係るインク組成物、インクセット、及びインクジェット記録方法について詳細に説明する。
先ず、本発明のインク組成物(以下、単に「インク」と称する)と本発明のインクセットについて説明する。
[インク]
本発明のインクは、正又は負の極性に帯電する水不溶性微粒子Aと、水溶性成分の含有率が5質量%以下であって、カチオン性基とアニオン性基の両方を有する水不溶性微粒子Bとを含むと共に、水不溶性微粒子BがpH環境の変化によりゼータ電位が変化する特性を有する。
水不溶性微粒子Bは、上述のように、pH環境の変化によりゼータ電位が変位するものであればよいが、pH環境の変化により、正又は負に帯電する水不溶性微粒子Aとは逆の極性に極性反転する化合物であることがより好ましい。例えば、pH8の時のゼータ電位が−90〜0mVであり、且つpH4の時のゼータ電位が0〜90mVである。
また、水不溶性微粒子Bは、pH環境が変化する前は水不溶性微粒子Aと同極性に帯電し、pH環境を変化させることにより同極性から水不溶性微粒子Aと極性の異なる逆極性に極性反転することが好ましい。これは、インクは、インクジェットヘッドのノズルから打滴される前の例えばインク貯留室に貯留されている状態では分散性を良くして打滴時にノズル出口を閉塞させないことが必要であり、記録媒体(あるいは中間転写体)に打滴された後は、速やかに凝集することが必要だからである。
水不溶性微粒子Bは、アニオン性基とカチオン性基のモル比が80:20〜20:80の範囲であることが好ましく、60:40〜20:80の範囲であることがより好ましく、特に好ましくは50:50〜30:70である。これは、水不溶性微粒子Bのアニオン性基とカチオン性基の一方のモル比が他方のモル比に対して極端に小さく、小さいモル比のものが水不溶性微粒子Aと逆の極性に極性反転しても、水不溶性微粒子Aの帯電が支配的になり、凝集反応速度の迅速化を十分に達成できないからである。
水不溶性微粒子Bは水溶性成分の含有率が5質量%以下であるが、3質量%以下であることが好ましい。水溶性成分の含有率が5質量%を超えるとインク組成物をインクジェット方式で吐出する場合に、吐出性、例えば、吐出方向性が低下する。
前記水溶性成分は、水不溶性微粒子Bを構成する樹脂中に含有される化合物であって、前記樹脂を、水を連続相とする分散物としたときに水に溶解する化合物である。前記水溶性成分は例えば、前記樹脂を製造する際に、副生または混入する水溶性の化合物である。
インクの色材は、水不溶性微粒子Aと水不溶性微粒子Bのうち、少なくとも一方の水不溶性微粒子に含まれるが、本実施の形態では、水不溶性微粒子Aが有機顔料(色材)と、該有機顔料を分散させる分散剤とから成る微粒子であり、水不溶性微粒子Bがポリマーラテックスの微粒子である例で以下に説明する。
尚、本実施の形態とは逆に、有機顔料と分散剤とから成る微粒子を水不溶性微粒子Bとし、ポリマーラテックスを水不溶性微粒子Aとする場合には、分散剤としてカチオン性基とアニオン性基の両方を有する化合物を使用し、ポリマーラテックスとして正又は負に帯電した化合物を使用することで達成できる。
また、インクの粘度は、1〜30mPa・sの範囲が好ましく、1〜20mPa・sの範囲がより好ましく、2〜15mPa・sの範囲がさらに好ましく、2〜10mPa・sの範囲が特に好ましい。
《水不溶性微粒子A》
(有機顔料)
本実施の形態に用いられるインクは、単色の画像形成のみならず、フルカラーの画像形成に用いることができる。フルカラー画像を形成するために、マゼンタ色調インク、シアン色調インク、及びイエロー色調インクを用いることができ、また、色調を整えるために、更にブラック色調インクを用いてもよい。また、イエロー、マゼンタ、シアン色調インク以外のレッド、グリーン、ブルー、白色インクやいわゆる印刷分野における特色インク(例えば無色)等を用いることができる。
本実施の形態に用いられる有機顔料の具体的な例を以下に示す。
オレンジ又はイエロー用の有機顔料としては、例えば、C.I.ピグメントオレンジ31、C.I.ピグメントオレンジ43、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー15、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー94、C.I.ピグメントイエロー128、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー151、C.I.ピグメントイエロー155、C.I.ピグメントイエロー180、C.I.ピグメントイエロー185等が挙げられる。
マゼンタまたはレッド用の有機顔料としては、例えば、C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド6、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントレッド15、C.I.ピグメントレッド16、C.I.ピグメントレッド48:1、C.I.ピグメントレッド53:1、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド139、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド178、C.I.ピグメントレッド222、C.I.ピグメントバイオレット19等が挙げられる。
グリーンまたはシアン用の有機顔料としては、例えば、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15:4、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ピグメントブルー60、C.I.ピグメントグリーン7、米国特許4311775記載のシロキサン架橋アルミニウムフタロシアニン等が挙げられる。
ブラック用の有機顔料としては、例えば、C.I.ピグメントブラック1、C.I.ピグメントブラック6、C.I.ピグメントブラック7等が挙げられる。
また、有機顔料の平均粒径は、透明性・色再現性の観点からは小さいほどよいが、耐光性の観点からは大きい方が好ましい。これらを両立する平均粒子径としては、10〜200nmが好ましく、10〜150nmがより好ましく、10〜100nmがさらに好ましい。また、有機顔料の粒径分布に関しては、特に制限は無く、広い粒径分布を持つもの、又は単分散の粒径分布を持つもの、いずれでもよい。また、単分散の粒径分布を持つ有機顔料を、2種以上混合して使用してもよい。
また、有機顔料の添加量は、インクに対して、1〜25質量%であることが好ましく、2〜20質量%がより好ましく、5〜20質量%がさらに好ましく、5〜15質量%が特に好ましい。
(分散剤)
本実施の形態に用いられる有機顔料の分散剤としては、ポリマー分散剤でも低分子の界面活性剤型分散剤でもよい。また、ポリマー分散剤としては水溶性の分散剤でも非水溶性の分散剤の何れでもよい。
本実施の低分子界面活性剤型分散剤は、インクを低粘度に保ちつつ、有機顔料を水溶媒に安定に分散させる目的で、添加されるものである。本実施の形態に用いられる低分子分散剤は、分子量2000以下の低分子分散剤である。また、低分子分散剤の分子量は、100〜2000が好ましく、200〜2000がより好ましい。
本実施の形態において、低分子分散剤は、親水性基と疎水性基とを含む構造を有している。また、親水性基と疎水性基は、それぞれ独立に1分子に1以上含まれていればよく、また、複数種類の親水性基、疎水性基を有していてもよい。また、親水性基と疎水性基を連結するための連結基も適宜有することができる。
親水性基はアニオン性、カチオン性、ノニオン性、あるいはこれらを組み合わせたベタイン型等である。
アニオン性基は、マイナスの電荷を有するものであればいずれでもよいが、リン酸基、ホスホン酸基、ホスフィン酸基、硫酸基、スルホン酸基、スルフィン酸基またはカルボン酸基であることが好ましく、リン酸基、カルボン酸基であることがより好ましく、カルボン酸基であることがさらに好ましい。
カチオン性基は、プラスの荷電を有するものであればいずれでもよいが、有機のカチオン性置換基であることが好ましく、窒素またはリンのカチオン性基であることがより好ましい。また、ピリジニウムカチオン又はアンモニウムカチオンであることがさらに好ましい。
ノニオン性基は、ポリエチレンオキシドやポリグリセリン、糖ユニットの一部等が挙げられる。
本実施の形態において、親水性基はアニオン性基であることが好ましい。アニオン性基は、リン酸基、ホスホン酸基、ホスフィン酸基、硫酸基、スルホン酸基、スルフィン酸基又はカルボン酸基であることが好ましく、リン酸基、カルボン酸基であることがより好ましく、カルボン酸基であることがさらに好ましい。
また、低分子分散剤がアニオン性の親水性基を有する場合、酸性の処理液と接触させて凝集反応を促進させる観点から、pKaが3以上であることが好ましい。本発明における低分子分散剤のpKaはテトラヒドロフラン−水(3:2=V/V)溶液に低分子分散剤1mmol/L溶解した液を酸あるいはアルカリ水溶液で滴定し、滴定曲線より実験的に求めた値のことである。低分子分散剤のpKaが3以上であれば、理論上、pH3程度の処理液と接したときに、アニオン性基の50%以上が非解離状態になる。したがって、低分子分散剤の水溶性が著しく低下し、凝集反応が起こる。すなわち、凝集反応性が向上する。この観点からも、低分子分散剤が、アニオン性基としてカルボン酸基を有していることが好ましい。
疎水性基は、炭化水素系、フッ化炭素系、シリコーン系等の構造を有するが、特に、炭化水素系であることが好ましい。また、これらの疎水性基は、直鎖状構造又は分岐状構造のいずれであってもよい。また疎水性基は、1本鎖状構造、又はこれ以上の鎖状構造でもよく、2本鎖状以上の構造である場合は、複数種類の疎水性基を有していてもよい。
また、疎水性基は、炭素数2〜24の炭化水素基が好ましく、炭素数4〜24の炭化水素基がより好ましく、炭素数6〜20の炭化水素基がさらに好ましい。
ポリマー分散剤のうち水溶性分散剤としては、親水性高分子化合物を用いることができ例えば、天然の親水性高分子化合物では、アラビアガム、トラガンガム、グーアガム、カラヤガム、ローカストビーンガム、アラビノガラクトン、ペクチン、クインスシードデンプン等の植物性高分子、アルギン酸、カラギーナン、寒天等の海藻系高分子、ゼラチン、カゼイン、アルブミン、コラーゲン等の動物系高分子、キサンテンガム、デキストラン等の微生物系高分子などが挙げられる。
天然物を原料に修飾した親水性高分子化合物では、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース等の繊維素系高分子、デンプングリコール酸ナトリウム、デンプンリン酸エステルナトリウム等のデンプン系高分子、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル等の海藻系高分子などが挙げられる。
また、合成系の水溶性高分子化合物としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルメチルエーテル等のビニル系高分子、非架橋ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸又はそのアルカリ金属塩、水溶性スチレンアクリル樹脂等のアクリル系樹脂、水溶性スチレンマレイン酸樹脂、水溶性ビニルナフタレンアクリル樹脂、水溶性ビニルナフタレンマレイン酸樹脂、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、β−ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物のアルカリ金属塩、四級アンモニウムやアミノ基等のカチオン性官能基の塩を側鎖に有する高分子化合物、セラック等の天然高分子化合物等が挙げられる。
これらの中でも、アクリル酸、メタクリル酸、スチレンアクリル酸のホモポリマーや他の親水基を有するモノマーの共重合体からなるようなカルボキシル基を導入したものが高分子分散剤として特に好ましい。
ポリマー分散剤のうち非水溶性分散剤としては、疎水性部と親水性部の両方を有するポリマーを用いることができ、例えば、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、(メタ)アクリル酸エステル−(メタ)アクリル酸共重合体、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート−(メタ)アクリル酸共重合体、酢酸ビニル−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体等が挙げられる。
分散剤の重量平均分子量は3,000〜100,000が好ましく、より好ましくは5,000〜50,000、更に好ましくは5,000〜40,000、特に好ましくは10,000〜40,000である。
有機顔料と分散剤との混合質量比としては1:0.06〜1:3の範囲が好ましく、1:0.125〜1:2の範囲がより好ましく、更に好ましくは1:0.125〜1:1.5である。
《水不溶性微粒子B》
水不溶性微粒子Bは、下記の一般式(1)で表すことができる。
(C)l−(D)m−(E)n 一般式(1)
一般式(1)は、少なくとも、ノニオン性モノマーC、アニオン性モノマーD、カチオン性モノマーEに由来する繰り返し単位からなる重合物を表す。Cはノニオン性モノマーに由来する繰り返し単位を表し、Dはアニオン性モノマーに由来する繰り返し単位を表し、Eはカチオン性モノマーに由来する繰り返し単位を表す。l、m、nは重合度を表す。
ノニオン性モノマーとは解離性の官能基を持たないモノマー化合物のことを表し、モノマー化合物とは広義には、化合物単独、あるいは別の化合物と重合する化合物のことを示す。モノマー化合物として好ましくは不飽和2重結合を有するモノマー化合物である。
ノニオン性モノマーとしては、例えば、芳香族ビニル化合物、アクリル酸エステル・アミド化合物、メタクリル酸エステル・アミド化合物、ビニルエステル化合物、ビニルシアン化合物、オレフィン化合物、ジエン化合物などが挙げられる。
具体的には芳香族ビニル単量体類としては、スチレン、2−メチルスチレン、ビニルトルエン、t−ブチルスチレン、クロルスチレン、ビニルアニソール、ビニルナフタレン等が挙げられる。
アクリル酸エステル類としては、例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、イソプロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、n−アミルアクリレート、イソアミルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、オクチルアクリレート、デシルアクリレート、ドデシルアクリレート、オクタデシルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、フェニルアクリレート、ベンジルアクリレート、グリシジルアクリレート、等を挙げることができる。
アクリル酸アミド化合物としては、例えば、アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、アクリロイルモルホリン、N−イソプロピルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド等が挙げられる。
メタクリル酸エステル類としては、例えば、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、n−アミルメタクリレート、イソアミルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、オクチルメタクリレート、デシルメタクリレート、ドデシルメタクリレート、オクタデシルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、フェニルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、等が挙げられる。
ビニルエステル類としては、例えば、酢酸ビニルなどが挙げられ、ビニルシアン化合物類としてはアクリロニトリル、メタクリロニトリル等が挙げられる。
ハロゲン化単量体類としては、例えば、塩化ビニリデン、塩化ビニル等が挙げられ、オレフィン類としては、例えば、エチレン、プロピレン、イソプロピレンが挙げられる。
ジエン類としては、例えば、ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等を挙げることができ、ビニル単量体類としては、例えば、ビニルエーテル、ビニルケトン、ビニルピロリドン等が挙げられる。
アニオン性モノマーとは、マイナスの電荷を持ちうるアニオン性基を含んでいるモノマー化合物のことを表しており、アニオン性基は、マイナスの電荷を有するものであればいずれでもよいが、リン酸基、ホスホン酸基、ホスフィン酸基、硫酸基、スルホン酸基、スルフィン酸基またはカルボン酸基であることが好ましく、リン酸基、カルボン酸基であることがより好ましく、カルボン酸基であることがさらに好ましい。
アニオン性モノマーとしては、前述のノニオン性モノマーの置換基としてアニオン性基を持っているモノマー、あるいはカルボン酸を含有するモノマー(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、フマール酸、マレイン酸等が挙げられる。)などが挙げられ、好ましくはカルボン酸を含有するモノマーであり、より好ましくはアクリル酸、メタクリル酸である。
カチオン性モノマーとは、プラスの電荷を持ちうるカチオン性基を含んでいるモノマーのことを表しており、カチオン性基は、プラスの荷電を有するものであればいずれでもよいが、有機のカチオン性置換基であることが好ましく、窒素またはリンのカチオン性基であることがより好ましい。また、ピリジニウムカチオン又はアンモニウムカチオンであることがさらに好ましい。
カチオン性モノマーとしては、前述のノニオン性モノマーの置換基としてカチオン性基を持っているモノマー、あるいはピリジニウムカチオン、アンモニウムカチオンを含有するモノマーなどが挙げられ、好ましくアンモニウムカチオンを含有するモノマーであり、より好ましくはN,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、ビニルイミダゾール等が挙げられる。
以下に、上記一般式を有する水不溶性微粒子Bの具体的な化合物の例として、LX−01〜LX−18を挙げる。
Figure 2009013394
Figure 2009013394
Figure 2009013394
Figure 2009013394
Figure 2009013394
Figure 2009013394
Figure 2009013394
Figure 2009013394
Figure 2009013394
Figure 2009013394
Figure 2009013394
Figure 2009013394
Figure 2009013394
Figure 2009013394
Figure 2009013394
Figure 2009013394
Figure 2009013394
Figure 2009013394
LX−01〜LX−18のモノマー組成比(質量比)の一例を以下に示す。
LX−01 90:7:3、LX−02 90:7:3、LX−03 91:6:3、LLX−04 85:5:2、LX−05 90:7:3、LX−06 85:10:5、LX−07 45:45:7:3、LX−08 10:80:7:3、LX−09 90:7:3、LX−10 94:3:3、LX−11 90:10:5、LX−12 90:7:3、LX−13 90:7:3、LX−14 90:7:3、LX−15 90:7:3、LX−16 90:7:3、LX−17 90:7:3、LX−18 90:7:3
水不溶性微粒子Bを構成するポリマー化合物の分子量範囲は、重量平均分子量で、3000〜20万であることが好ましく、5000〜15万であることがより好ましく、10000〜10万であることが更に好ましい。重量平均分子量を3000以上とすることで水溶性成分量を効果的に抑制することができる。また、重量平均分子量を20万以下とすることで、自己分散安定性を高めることができる。
尚、重量平均分子量は、ゲル透過クロマトグラフ(GPC)によって測定することできる。
本発明における水不溶性微粒子Bは、インク凝集性と吐出性の観点から、自己分散性ポリマー微粒子であることが好ましい。本発明における自己分散性ポリマーとは、界面活性剤の不存在下、ポリマー自身の官能基(特に、カチオン性基、アニオン性基又はそれらの塩)によって、水性媒体中で分散状態となりうる水不溶性ポリマーをいう。ここで分散状態とは、水性媒体中に水不溶性ポリマーが液体状態で分散された乳化状態(エマルジョン)、及び、水性媒体中に水不溶性ポリマーが固体状態で分散された分散状態(サスペンジョン)の両方の状態を含むものである。
前記自己分散性ポリマーにおいては、例えば、インク組成物に含有されたときのインク定着性の観点から、水不溶性ポリマーが固体状態で分散された分散状態となりうる自己分散性ポリマーであることが好ましい。
自己分散性ポリマーの乳化又は分散状態、すなわち自己分散性ポリマーの水性分散物の調製方法としては、例えば、自己分散性ポリマーを溶媒(例えば、水溶性有機溶剤等)中に溶解又は分散させた後、界面活性剤を添加せずにそのまま水中に投入し、自己分散性ポリマーが有する塩生成基(例えば、アニオン性基)を中和した状態で、攪拌、混合し、前記溶媒を除去した後、乳化又は分散状態となった水性分散物を得る方法が挙げられる。
また前記自己分散性ポリマーにおける乳化又は分散状態とは、水不溶性ポリマー30gを70gの有機溶媒(例えば、メチルエチルケトン)に溶解した溶液、該水不溶性ポリマーの塩生成基を100%中和できる中和剤(塩生成基がアニオン性であれば水酸化ナトリウム、カチオン性であれば酢酸等)、及び水200gを混合、攪拌(装置:攪拌羽根付き攪拌装置、回転数200rpm、30分間、25℃)した後、該混合液から該有機溶媒を除去した後でも、乳化又は分散状態が、25℃で、少なくとも1週間安定に存在することを目視で確認することができる状態をいう。
また、水不溶性ポリマーとは、ポリマーを105℃で2時間乾燥させた後、25℃の水100g中に溶解させたときに、その溶解量が10g以下であるポリマーをいい、その溶解量が好ましくは5g以下、更に好ましくは1g以下である。前記溶解量は、水不溶性ポリマーの塩生成基の種類に応じて、水酸化ナトリウム又は酢酸で100%中和した時の溶解量である。
前記水不溶性微粒子Bを構成するポリマー化合物の製造方法としては特に制限はなく、溶液重合法、塊状重合法等の公知の重合法により、モノマー混合物を共重合させることによって製造することができる。これらの重合法の中では、インク組成物としたときの打滴安定性の観点から、溶液重合法が好ましい。
前記製造方法においては、モノマー混合物と、必要に応じて、有機溶媒及びラジカル重合開始剤とを含んだ混合物を、不活性ガス雰囲気下で共重合反応させて前記ポリマー化合物を製造することができる。
本発明において前記水不溶性微粒子Bは、凝集性とインク吐出性の観点から、有機溶媒中で合成されたポリマーであって、前記アニオン性基の一部あるいは全部を中和し、水を連続相とするポリマー分散体として調製されたものであることが好ましく、前記アニオン性がカルボキシル基であることがより好ましい。
前記ポリマー分散体の調製方法は、次の工程(1)及び工程(2)を含むことが好ましい。
工程(1):水不溶性ポリマー、有機溶媒、中和剤、及び水性媒体を含有する混合物を、攪拌する工程。
工程(2):前記混合物から、前記有機溶媒を除去する工程。
前記工程(1)は、まず前記水不溶性ポリマーを有機溶媒に溶解させ、次に中和剤と水性媒体を徐々に加えて混合、攪拌して分散体を得る処理であることが好ましい。このように、有機溶媒中に溶解した水不溶性ポリマー溶液中に中和剤と水性媒体を添加することで、強いせん断力を必要とせずに、より保存安定性の高い粒径の水不溶性微粒子Bを得ることができる。
該混合物の攪拌方法に特に制限はなく、一般に用いられる混合攪拌装置や、必要に応じて超音波分散機や高圧ホモジナイザー等の分散機を用いることができる。
有機溶媒としては、アルコール系溶媒、ケトン系溶媒及びエーテル系溶媒が好ましく挙げられる。
アルコール系溶媒としては、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、t−ブタノール、エタノール等が挙げられる。ケトン系溶媒としては、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン等が挙げられる。エーテル系溶媒としては、ジブチルエーテル、ジオキサン等が挙げられる。これらの溶媒の中では、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒とイソプロピルアルコール等のアルコール系溶媒が好ましい。また、油系から水系への転相時への極性変化を穏和にする目的で、イソプロピルアルコールとメチルエチルケトンを併用することも好ましい。該溶剤を併用することで、凝集沈降や粒子同士の融着が無く、分散安定性の高い微粒径の水不溶性微粒子Bを得ることができる。
中和剤は、解離性基(アニオン性基およびカチオン性基)の一部又は全部が中和され、自己分散ポリマーが水中で安定した乳化又は分散状態を形成するために用いられる。本発明の自己分散ポリマーが解離性基としてアニオン性の解離基を有する場合、用いられる中和剤としては有機アミン化合物、アンモニア、アルカリ金属の水酸化物等の塩基性化合物が挙げられる。有機アミン化合物の例としては、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノプロピルアミン、ジプロピルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N,N−ジメチル−エタノールアミン、N,N−ジエチル−エタノールアミン、2−ジメチルアミノ−2−メチル−1−プロパノール、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアニン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン等が挙げられる。アルカリ金属の水酸化物としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が挙げられる。中でも、本発明の自己分散ポリマー粒子の水中への分散安定化の観点から、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、トリエチルアミン、トリエタノールアミンが好ましい。
これら塩基性化合物は、解離性基100モル%に対して、5〜120モル%使用することが好ましく、10〜110モル%であることがより好ましく、15〜100モル%であることが更に好ましい。15モル%以上とすることで、水中での粒子の分散を安定化する効果が発現し、100モル%以下とすることで、水溶性成分を低下させる効果がある。
前記工程(2)では、前記工程(1)で得られた分散体から、減圧蒸留等の常法により有機溶剤を留去して水系へと転相することで水不溶性微粒子Bの水性分散物(水を連続相とするポリマーの分散体)を得ることができる。得られた水性分散物中の有機溶媒は実質的に除去されており、有機溶媒の量は、好ましくは0.2質量%以下、更に好ましくは0.1質量%以下である。
本発明のインク組成物において前記水不溶性微粒子Bは、インク凝集性の観点から、インク組成物に対して0.5〜20質量%含有されることが好ましく、1.0〜16質量%含有されることがより好ましく、特に好ましくは4.0〜10質量%である。
《水不溶性微粒子Aと水不溶性微粒子Bの粒径》
水不溶性微粒子Aの平均粒径と水不溶性微粒子Bの平均粒径との粒径差が20nm以上であることが好ましく、30nm以上であることがより好ましく、40nm以上であることが特に好ましい。
この場合、水不溶性微粒子Aの平均粒径が10〜200nmの範囲であり、水不溶性微粒子Bの平均粒径が10〜200nmの範囲であることが好ましい。これは、水不溶性微粒子Aと水不溶性微粒子Bとが凝集する際に、両者の粒径差が20nm以上あると凝集し易くなると共に、形成された凝集物の強度が強くなり、インク組成物から溶媒を除去する際に、凝集物が例えば溶媒除去ローラーで押圧されても凝集物が破損しにくくなるからである。
本実施の形態のように、水不溶性微粒子Aを有機顔料と分散剤とで構成し、水不溶性微粒子Bをラテックスで構成した場合には、水不溶性微粒子Aの平均粒径よりも水不溶性微粒子B、即ちラテックスの平均粒径を小さくすることが好ましい。
《水溶性有機溶媒》
本実施の形態において用いられる水溶性有機溶媒は、乾燥防止や湿潤促進などの目的で、使用される。また、乾燥防止剤は、インクジェット記録方式におけるノズルのインク噴射口において好適に使用され、インクジェット用インクが乾燥することによる目詰まりを防止する。
乾燥防止剤は、水より蒸気圧の低い水溶性有機溶媒であることが好ましい。乾燥防止剤の具体的な例としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、チオジグリコール、ジチオジグリコール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール、アセチレングリコール誘導体、グリセリン、トリメチロールプロパン等に代表される多価アルコール類、エチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル、ジエチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル、トリエチレングリコールモノエチル(又はブチル)エーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテル類、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N−エチルモルホリン等の複素環類、スルホラン、ジメチルスルホキシド、3−スルホレン等の含硫黄化合物、ジアセトンアルコール、ジエタノールアミン等の多官能化合物、尿素誘導体が挙げられる。このうち、乾燥防止剤は、グリセリン、ジエチレングリコール等の多価アルコールが好ましい。また、上記の乾燥防止剤は単独で用いても、2種以上併用しても良い。これらの乾燥防止剤は、インク中に、10〜50質量%含有されることが好ましい。
また、浸透促進剤は、インクを記録媒体(印刷用紙)により良く浸透させる目的で、好適に使用される。浸透促進剤の具体的な例としては、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、ジ(トリ)エチレングリコールモノブチルエーテル、1,2−ヘキサンジオール等のアルコール類やラウリル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウムやノニオン性界面活性剤等を好適に用いることができる。これらの浸透促進剤は、インク組成物中に、5〜30質量%含有されることで、充分な効果を発揮する。また、浸透促進剤は、印字の滲み、紙抜け(プリントスルー)を起こさない添加量の範囲内で、使用されることが好ましい。
また、水溶性有機溶媒は、上記以外にも、粘度の調整にも用いられる。粘度の調整に用いることができる水溶性有機溶媒の具体的な例としては、アルコール(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノール、t−ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール)、多価アルコール類(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサンジオール、ペンタンジオール、グリセリン、ヘキサントリオール、チオジグリコール)、グリコール誘導体(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングルコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル)、アミン(例えば、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、モルホリン、N−エチルモルホリン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ポリエチレンイミン、テトラメチルプロピレンジアミン)及びその他の極性溶媒(例えば、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドン、2−オキサゾリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、アセトニトリル、アセトン)が含まれる。なお、水溶性有機溶媒は、単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
《その他の添加剤》
本実施の形態に用いられるその他の添加剤としては、例えば、乾燥防止剤(湿潤剤)、褪色防止剤、乳化安定剤、浸透促進剤、紫外線吸収剤、防腐剤、防黴剤、pH調整剤、表面張力調整剤、消泡剤、粘度調整剤、分散剤、分散安定剤、防錆剤、キレート剤等の公知の添加剤が挙げられる。これらの各種添加剤は、水溶性インクの場合は、インクに直接添加する。油溶性染料を分散物の形で用いる場合は、染料分散物の調製後、分散物に添加するのが一般的であるが、調製時に油相又は水相に添加してもよい。
紫外線吸収剤は、画像の保存性を向上させる目的で使用される。紫外線吸収剤としては、特開昭58−185677号公報、同61−190537号公報、特開平2−782号公報、同5−197075号公報、同9−34057号公報等に記載されたベンゾトリアゾール系化合物、特開昭46−2784号公報、特開平5−194483号公報、米国特許第3214463号等に記載されたベンゾフェノン系化合物、特公昭48−30492号公報、同56−21141号公報、特開平10−88106号公報等に記載された桂皮酸系化合物、特開平4−298503号公報、同8−53427号公報、同8−239368号公報、同10−182621号公報、特表平8−501291号公報等に記載されたトリアジン系化合物、リサーチディスクロージャーNo.24239号に記載された化合物やスチルベン系、ベンズオキサゾール系化合物に代表される紫外線を吸収して蛍光を発する化合物、いわゆる蛍光増白剤も用いることができる。
褪色防止剤は、画像の保存性を向上させる目的で使用される。褪色防止剤としては、各種の有機系及び金属錯体系の褪色防止剤を使用することができる。有機の褪色防止剤としてはハイドロキノン類、アルコキシフェノール類、ジアルコキシフェノール類、フェノール類、アニリン類、アミン類、インダン類、クロマン類、アルコキシアニリン類、ヘテロ環類などがあり、金属錯体としてはニッケル錯体、亜鉛錯体などがある。より具体的にはリサーチディスクロージャーNo.17643の第VIIのIないしJ項、同No.15162、同No.18716の650頁左欄、同No.36544の527頁、同No.307105の872頁、同No.15162に引用された特許に記載された化合物や特開昭62−215272号公報の127頁〜137頁に記載された代表的化合物の一般式及び化合物例に含まれる化合物を用いることができる。
防黴剤としては、デヒドロ酢酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、ナトリウムピリジンチオン−1−オキシド、p−ヒドロキシ安息香酸エチルエステル、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン及びその塩等が挙げられる。これらはインク中に0.02〜1.00重量%使用するのが好ましい。
pH調整剤としては、中和剤(有機塩基、無機アルカリ)を用いることができる。pH調整剤はインクジェット用インクの保存安定性を向上させる目的で、該インクジェット用インクがpH6〜10となるように添加するのが好ましく、pH7〜10となるように添加するのがより好ましい。
本実施の形態に用いられる表面張力調整剤としては、ノニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、ベタイン界面活性剤等が挙げられる。
また、表面張力調整剤の添加量は、インクジェットで良好に打滴するために、インクの表面張力を20〜60mN/mに調整する添加量が好ましく、20〜45mN/mに調整する添加量がより好ましく、25〜40mN/mに調整する添加量がさらに好ましい。
界面活性剤の具体的な例としては、炭化水素系では脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルキルリン酸エステル塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩等のアニオン系界面活性剤や、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、グリセリン脂肪酸エステル、オキシエチレンオキシプロピレンブロックコポリマー等のノニオン系界面活性剤が好ましい。また、アセチレン系ポリオキシエチレンオキシド界面活性剤であるSURFYNOLS(AirProducts&ChemicaLs社)も好ましく用いられる。また、N,N−ジメチル−N−アルキルアミンオキシドのようなアミンオキシド型の両性界面活性剤等も好ましい。
更に、特開昭59−157636号の第(37)〜(38)頁、リサーチ・ディスクロージャーNo.308119(1989年)記載の界面活性剤として挙げたものも用いることができる。
また、特開2003−322926号、特開2004−325707号、特開2004−309806号の各公報に記載されているようなフッ素(フッ化アルキル系)系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤等を用いることにより、耐擦性を良化することもできる。
また、これら表面張力調整剤は、消泡剤としても使用することができ、フッ素系化合物、シリコーン系化合物、及びEDTAに代表されるキレート剤等、も使用することができる。
次に、上述のインクと接触させてインクのpH環境を変化させるための処理液について、詳細に説明する。
〔インクセット〕
本発明のインクセットは、上記したインクの少なくとも1種と、該インクのpH環境を変化させることで水不溶性微粒子Bのゼータ電位を変化させる処理液とを含んで構成される。
本実施の形態に用いられる処理液のpHは1〜6であることが好ましく、2〜5であることがより好ましく、3〜5であることがさらに好ましい。また、処理液を酸性にする化合物として、リン酸基、ホスホン酸基、ホスフィン酸基、硫酸基、スルホン酸基、スルフィン酸基またはカルボン酸基を有する化合物あるいはその塩を使用することができ、リン酸基、カルボン酸基を有する化合物であることがより好ましく、カルボン酸基を有する化合物であることがさらに好ましい。カルボン酸基を有する化合物としては、フラン、ピロール、ピロリン、ピロリドン、ピロン、ピロール、チオフェン、インドール、ピリジン、キノリン構造を有し、更に官能基としてカルボキシル基を有する化合物等、例えば、ピロリドンカルボン酸、ピロンカルボン酸、ピロールカルボン酸、フランカルボン酸、ピリジンカルボン酸、クマリン酸、チオフェンカルボン酸、ニコチン酸、若しくはこれらの化合物の誘導体、又はこれらの塩等が、処理液に添加される。
また、上記の化合物としては、ピロリドンカルボン酸、ピロンカルボン酸、フランカルボン酸、クマリン酸、若しくはこれらの化合物誘導体、又は、これらの塩であることが好ましい。なお、これらの化合物は、1種類で使用されてもよく、2種類以上併用されてもよい。
また処理液は、本発明の効果を害しない範囲内で、その他の添加剤を含有してもよい。その他の添加剤としては、例えば、乾燥防止剤(湿潤剤)、褪色防止剤、乳化安定剤、浸透促進剤、紫外線吸収剤、防腐剤、防黴剤、pH調整剤、表面張力調整剤、消泡剤、粘度調整剤、分散剤、分散安定剤、防錆剤、キレート剤等の公知の添加剤が挙げられ、前述のインクに含まれるその他の添加剤(項目5)参照)の具体的な例に示したものが適用できる。
次に、本発明のインクセットを用いたインクジェット記録方法及びその方法を実施するための装置について説明する。
[インクジェット記録装置]
図1は、本発明に係るインクセットを用いたインクジェット記録方法を実施するための転写型のインクジェット記録装置の全体構成の一例である。
図1に示すように、インクジェット記録装置10は、中間転写体12、処理液付与部14、インク吐出部16、及び転写部18を主たる構成とし、更に、溶媒除去部20、クリーニング部22、及び画像定着部24を備えている。
中間転写体12は所定幅を有する無端状のベルトで構成され、複数のローラー26に巻き掛けられた構造となっている。本実施形態では、一例として4つのローラー26A〜26Dが用いられている。中間転写体12としては、無端状のベルトに限定されず、シート状の中間転写体をコンベアベルトで搬送する方法や、ドラム状部材を用いることもできる。
複数のローラー26のうち少なくとも1つの主ローラーにはモータ(不図示)の動力が伝達され、このモータの駆動により中間転写体12が各ローラー26(26A〜26D)の外側を図1の反時計回りの方向(以下、「転写体回転方向」という。)に回転するように構成されている。
処理液付与部14には、処理液に対応する記録ヘッド(処理液用ヘッド)30Sが設けられている。処理液用ヘッド30Sは中間転写体12に対向する吐出面から処理液を吐出する。これにより、中間転写体12の記録面12a上に処理液が付与される。尚、処理液付与部14は、ノズル状のヘンドから吐出する方式に限らず塗布ローラーを用いた塗布方式を採用することもできる。この塗布方式は中間転写体12上のインク滴が着弾する画像領域を含むほぼ全面に処理液を容易に付与することができる。この場合、中間転写体12上の処理液の厚みを1〜5μmとすることが好ましい。中間転写体12上の処理液の厚みを一定にする手段を設けてもよい。例えば、エアナイフを用いる方法や、尖鋭な角を有する部材を処理液厚みの規定量のギャップを中間転写体12との間に設けて設置する方法がある。
インク吐出部16は、処理液付与部14の転写体回転方向下流側に配置される。インク吐出部16には、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色インクに対応する記録ヘッド(インク用ヘッド)30K、30C、30M、30Yが設けられている。そして、各色インクに対応する図示しない各インク貯留部に本発明のインク組成条件を満足する各インクが貯留され、各記録ヘッド30K、30C、30M、30Yに供給される。
各インク用ヘッド30K、30C、30M、30Yは、中間転写体12に対向する吐出面からそれぞれ対応する各色インクを吐出する。これにより、中間転写体12の記録面12a上に各色インクが付与される。
処理液用ヘッド30S、及びインク用ヘッド30K、30C、30M、30Yはいずれも、中間転写体12上に形成される画像の最大記録幅(最大記録幅)に渡って多数の吐出口(ノズル)が形成されたフルラインヘッドとなっている。中間転写体12の幅方向(図1の紙面表裏方向)に短尺のシャトルヘッドを往復走査しながら記録を行うシリアル型のものに比べて、中間転写体12に対して高速に画像記録を行うことができる。もちろん、シリアル型であっても比較的高速記録が可能な方式、例えば、1回の走査で1ラインを形成するワンパス記録方式に対しても本発明は好適である。
本実施形態では、各記録ヘッド(処理液用ヘッド30S、及びインク用ヘッド30K、30C、30M、30Y)は全て同一構造であり、以下では、これらを代表して符号30で記録ヘッドを表すものとする。
そして、処理液用ヘッド30Sから中間転写体12に向かって処理液が吐出されると、中間転写体12の回転に伴って、中間転写体12の処理液が付与された領域は各インク用ヘッド30K、30C、30M、30Yの真下に順次移動し、各インク用ヘッド30K、30C、30M、30Yからそれぞれ対応する各色インクが吐出される。
処理液付与量とインク付与量は必要に応じて調節することが好ましい。例えば、転写する記録媒体に応じて、処理液とインクが混合してできる凝集物の粘弾性等の物性を調節する等のために処理液の付与量を変えてもよい。
溶媒除去部20は、インク吐出部16の転写体回転方向下流側に配置される。溶媒除去部20には、中間転写体12を挟んでローラー26Aに対向する位置に溶媒除去ローラー32が設けられている。溶媒除去ローラー32はローラー状の多孔質体で構成され、中間転写体12の記録面12aに当接させるように配置されている。他の態様として、エアナイフで余剰な溶媒を中間転写体12から取り除く方式、加熱して溶媒を蒸発させ除去する方式等がある。溶媒除去方式としては、いずれでもよいが、好ましくは熱によらない方式を用いる方がよい。転写体表面を加熱又は転写体上の凝集体に熱を付与して溶媒を蒸発させる手段では、凝集物の過剰加熱により、溶媒を過剰除去し転写時において好ましい凝集物の粘弾性を維持できず、かえって転写性が低下することがある。中間転写体の熱によるインクジェットヘッドからのインク吐出性への影響も懸念される。
溶媒除去部20では、溶媒除去ローラー32によって中間転写体12の記録面12a上の溶媒を除去する。このため、中間転写体12の記録面12a上に処理液が多く付与されるような場合でも、溶媒除去部20で溶媒が除去されるため、転写部18で記録媒体34に多量の溶媒(分散媒)が転写されることはない。従って、記録媒体34として紙が用いられるような場合でも、カール、カックルといった水系溶媒に特徴的な問題が発生しない。
溶媒除去部20によって、凝集物から過剰な溶媒を除去することによって、凝集物を濃縮し、より内部凝集力を高めることができる。これにより凝集物に含まれる樹脂粒子の融着が効果的に促進され、転写工程までにより強い内部凝集力を凝集物に付与することができる。さらに、溶媒除去による凝集物の効果的な濃縮により、記録媒体に転写後も良好な定着性や光沢性を画像に付与することができる。
尚、溶媒除去部20によって、溶媒すべてを除去する必要は必ずしもない。過剰に除去しすぎてインク凝集物を濃縮しすぎると凝集物の転写体の付着力が強くなりすぎて、転写に過大な圧力を必要とするため好ましくない。むしろ転写性に好適な粘弾性を保つためには、少量残留させるのが望ましい。溶媒を少量残留させることで得られる効果として、凝集物は疎水性であり、揮発しにくい溶媒成分(主にグリセリンなどの有機溶剤)は親水性であるので、凝集物と残留溶媒成分は溶媒除去実施後分離し、残留溶媒成分からなる薄い液層が凝集物と中間転写体との間に形成される。従って、凝集物の転写体への付着力は弱くなり、転写性向上に有利である。
転写部18は、溶媒除去部20の転写体回転方向下流側に配置される。転写部18には、中間転写体12を挟んでローラー26Bに対向する位置に加圧ローラー36が設けられている。加圧ローラー36の内部には加熱ヒータ37が設けられており、この加熱ヒータ37によって加圧ローラー36の外周面の温度が上昇するようになっている。記録媒体34は中間転写体12と加圧ローラー36の間を通過するように図1の左側から右側に搬送される。中間転写体12と加圧ローラー36の間を通過する際、中間転写体12の記録面12aに記録媒体34の表面側を接触させ、記録媒体34の裏面側から加圧ローラー36で加圧することで、中間転写体12の記録面12aに形成された画像が記録媒体34上に転写形成される。このように、本発明においては、加熱部を転写体の転写部のみに限定する構造が望ましい。この構造であれば、転写体全面を加熱したりすることによる過剰な熱負荷や凝集物に含まれる溶媒成分の過剰除去を防ぐことができる。また、凝集物が転写部18で加熱されることにより、凝集物に含まれていた溶媒のほとんどが除去され、加圧による物理的な凝集物の濃縮効果と相まって促進される樹脂の融着により、加圧加熱ローラーに転写体が接している領域における、転写工程直前から転写実施時までの短い間に、より強い内部凝集力を凝集物に付与することができる。
尚、溶転写前に溶媒除去工程を経ていなくても、加熱により溶媒を短時間のうちに除去できるので転写率にはさほど問題とはならないが、溶媒除去工程を経ていれば、転写部で蒸発させる溶媒の絶対量が少なくてすむため、この濃縮効果はさらに効果的なものとなるばかりか、転写時の熱負荷も軽減することができる。また、転写部での加熱によるインク凝集体の効果的な濃縮により、記録媒体に転写後も良好な定着性や光沢性を画像に付与することができる。
更に、転写時の温度及び圧力は記録媒体や印字条件等によって好適な条件に自由に調節してもよい。
また、中間転写体12の表面には、必要に応じて離型性の表面層を有する構造にすることもできる。離型性付与転写体表面においては、表面エネルギーが低く、剥離性が高い性質を有していることから、高い転写率を実現することが可能である。本発明においては、特に離型性を付与しなくても十分な転写率を得ることができるが、クリーニング負荷などの観点から中間転写体表面に離型性を付与しても何ら問題はない。ここで、本発明で表記する離型性表面とは、臨界表面張力が30mN/m以下、若しくは水に対する接触角が75°以上の表面を指す。
中間転写体12の表面層に用いられる好ましい材料としては、例えば、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリブタジエン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリエチレン系樹脂、フッ素系樹脂、ポリイミド系樹脂等の公知の材料が挙げられる。
クリーニング部22は、転写部18の転写体回転方向下流側であって、処理液付与部14の転写体回転方向上流側に配置される。クリーニング部22には、中間転写体12を挟んでローラー26Cに対向する位置にクリーニングローラー38が設けられ、中間転写体12の記録面12aに当接させるように配置され、中間転写体12の記録面12a上の転写後の残留物等の除去を行う。
クリーニングローラー38としては、柔軟性ある多孔質部材からなり、洗浄液付与手段にて洗浄液を染み込みながら中間転写体表面(記録面12a)を洗浄する方式,表面にブラシを備え、洗浄液を中間転写体表面に付与しながらブラシで中間転写体表面のゴミを除去する方式、また、柔軟性のあるブレードをローラー表面に備えて中間転写体表面の残留物を掻き落とす方式などがある。クリーニングローラー38表面の線速は中間転写体表面の線速と等しくするよりも、遅く、または速く設定した方が残留物の除去率を高くすることができる。クリーニングローラー38表面と中間転写体表面の速度差にしたがって中間転写体表面にせん断力が生じ、残留物を効率的に除去することが可能となる。
本発明においては、凝集物を転写後、記録媒体により強固な定着性を付与するために別途必要に応じて、画像定着部24を設けてもよい。
画像定着部24は、転写部18の記録媒体排出側(図1の右側)に配置される。画像定着部24には、記録媒体34の表裏面に2つの定着ローラー40A、40Bが設けられており、これら定着ローラー40A、40Bで記録媒体34上に転写形成された画像を加圧、加熱することで、記録媒体34上の記録画像の定着性を向上させることができる。 尚、定着ローラー40A、40Bとしては、1個の加圧ローラーと1個の加熱ローラーからなる一対のローラー対が好ましいが、これに限定されるものではない。
また、本発明においては、記録媒体が転写部18に搬送される前に、記録媒体34に加熱処理を施す手段(不図示)を設けることもできる。
凝集物に直接接触する記録媒体34がすでに所望の転写温度に達していることにより、より転写ニップ時の短時間の間に、熱伝達を効率よく行うことができる。また、転写ニップ時のみで加熱する場合に比べ、予め記録媒体を所望の転写温度にしておくことで、インク凝集体と記録媒体表面が接触する。この温度は記録媒体34の種類によって自由に調節することができ、この温度制御によりインク凝集体の粘弾性を制御することも可能である。
記録媒体34が、普通紙や上質紙など表面にパルプ繊維による凹凸が多く、凝集物と記録媒体表面との間にアンカー効果を期待することができる場合は、凝集物の粘弾性を転写部での加熱温度だけでなく、直接転写時に接するメディア表面の加熱温度を制御して調節することにより、最適な凝集物の粘弾性で普通紙や上質紙などに良好な定着性を付与することができる。
また、記録媒体34が、塗工紙などの表面が平滑な記録媒体に対しては、凝集物を表面に凹凸がある記録媒体よりは硬めに粘弾性を制御することによって、転写後も良好な定着性を付与するといったことも可能である。
[インクジェット記録方法]
次に、上記の如く構成されたインクジェット記録装置に、本発明のインクセットを用いて画像を記録する本発明のインクジェット記録方法について説明する。また、記録方法を説明する中で、本発明におけるインクの凝集反応メカニズムを説明する。
図2は、図1のインクジェット記録装置のうち、本発明の説明に必要な部分のみを示した概念図であり、処理液を塗布方式で中間転写体に付与する方式、及び中間転写体をベルトコンベア13で搬送する方式で示してある。
本発明のインクジェット記録方法を行うには、先ず、塗布ヘッド14Aから吐出した処理液aを塗布ローラー14Bに供給し、塗布ローラー14Bを介して中間転写体12上に薄膜状に塗布する(処理液付与工程)。
次に、処理液aが塗布された中間転写体12は、ベルトコンベア13により記録ヘッド16の位置まで搬送され、本発明のインクbが打滴されて、処理液aと接触される(接触工程)。これにより、水不溶性微粒子Aと水不溶性微粒子Bとは速やかに凝集して凝集物cを形成する(凝集工程)。
図3は、本発明におけるインクの凝集反応メカニズムである。
図3の○内にAと記載された化合物が、上述した有機顔料と分散剤から成る水不溶性微粒子Aである。水不溶性微粒子Aは、有機顔料粒子の周囲に分散剤粒子が吸着して一体的な粒子として構成され、2個のアニオンであるカルボキシルイオンにより負に帯電している。また、○内にBと記載された化合物が水不溶性微粒子Bであり、上述したポリマーラテックスである。水不溶性微粒子Bは、1個のアニオンであるカルボキシルイオンとカチオン性基(図3ではアミノ基)を有している。
これにより、インクbが打滴ノズルから打滴されて処理液aと接触する前、即ちインクのpH環境が変化する前は、図3(a)に示すように、水不溶性微粒子Aのアニオンと水不溶性微粒子Bのアニオンとが同じ極性で反発し合うので、水不溶性微粒子Aと水不溶性微粒子Bとは凝集しない分散状態にある。従って、打滴ノズル及び打滴ノズルにインクを供給するインク貯留槽(あるいはカートリッジ)内では、水不溶性微粒子Aと水不溶性微粒子Bとが凝集することはない。
そして、中間転写体12上でインクbが処理液aと接触してインクbのpHが低下して酸性領域になると、水不溶性微粒子Aのアニオンの一部が水素イオンと結合して負の帯電量が低下する。一方、水不溶性微粒子Bのアニオンが水素イオンと結合すると共に、カチオン性基に水素イオンが結合して正に帯電する。これにより、水不溶性微粒子Aの残ったアニオンと、水不溶性微粒子Bのカチオンとが引き合うので、図3(c)に示すように、水不溶性微粒子Aと水不溶性微粒子Bとが一瞬のうちに凝集する。事実、後述する実施例で説明するが、本発明のインクの凝集メカニズムによれば、インクを打滴して処理液に接触させてから凝集するまでに1秒程度と一瞬のうちに凝集する。
図4は、従来の凝集反応のメカニズムであり、図4(a)に示すように、インクは、有機顔料粒子の周囲に分散剤粒子が吸着して一体的な粒子として構成され、2個のアニオンとしてのカルボキシルイオンにより負に帯電している。即ち、水不溶性微粒子Bは含有されず、水不溶性微粒子Aのみで構成される。
これにより、インクを打滴する前、即ち処理液と接触する前の粒子はアニオン同士で反発し合うので、凝集せず分散状態を維持する。そして、インクを処理液に接触させてインクのpHを下げて酸性領域にすることで、図4(b)に示すようにアニオンに水素イオンを結合させる。この結果、水不溶性微粒子A同士が反発しなくなるので水不溶性微粒子A同士が自然凝集する。この自然凝集による従来のインクの凝集メカニズムによれば、インクを打滴して処理液に接触させてから凝集するまでに15秒程度と長い時間を要する。
尚、本実施の形態では、本発明のインクセットを転写型のインクジェット記録方法に適用する例で説明したが、記録媒体に直接記録する記録方法にも適用でき、その場合にもインクの凝集を速やかに行うことができる。
次に、本発明のインクと処理液とから成る本発明のインクセットを用いた実施例を説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
[インクの調製]
《シアンインクC1−1の調製》
(水不溶性微粒子Aとしてのシアン分散液の調液)
反応容器に、スチレン6質量部、ステアリルメタクリレート11質量部、スチレンマクロマーAS−6(東亜合成製)4質量部、プレンマーPP−500(日本油脂製)5質量部、メタクリル酸5質量部、2−メルカプトエタノール0.05質量部、メチルエチルケトン24質量部の混合溶液を調液した。
一方、滴下ロートに、スチレン14質量部、ステアリルメタクリレート24質量部、スチレンマクロマーAS−6(東亜合成製)9質量部、プレンマーPP−500(日本油脂製)9質量部、メタクリル酸10質量部、2−メルカプトエタノール0.13質量部、メチルエチルケトン56重量部及び2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)1.2質量部を入れ、混合溶液を調液した。
そして、窒素雰囲気下、反応容器内の混合溶液を攪拌しながら75℃まで昇温し、滴下ロート中の混合溶液を1時間かけて徐々に滴下した。滴下終了から2時間経過後、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)1.2質量部をメチルエチルケトン12質量部に溶解した溶液を3時間かけて滴下し、更に75℃で2時間、80℃で2時間熟成させ、ポリマー分散剤溶液を得た。
得られたポリマー分散剤溶液の一部について、溶媒を除去することによって単離し、得られた固形分をテトラヒドロフランにて0.1質量%に希釈し、高速迅速GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)HLC−8220GPCにて、TSKgeL SuperHZM−H、TSKgeL SuperHZ4000、TSKgeL SuperHZ2000(東ソー(株)製)を3本直列につなぎ重量平均分子量を測定した。その結果、単離された固形分は、ポリスチレン換算で重量平均分子量が25,000であった。
また、得られたポリマー分散剤溶液を固形分換算で5.0g、シアン顔料Pigment Blue 15:3(大日精化製)10.0g、メチルエチルケトン40.0g、1moL/L水酸化ナトリウム8.0g イオン交換水82.0g、0.1mmジルコニアビーズ300gをベッセルに供給し、レディーミル分散機(アイメックス製)で1000rpm6時間分散した。得られた分散液をエバポレーターでメチルエチルケトンが十分留去できるまで減圧濃縮し、顔料濃度が10%になるまで濃縮し、水不溶性微粒子Aとしてのシアン分散液C1を調液した。得られたシアン分散液C1の平均粒径は77nmであった。
また、水不溶性微粒子Bとしては、前述したポリマーラテックスLX−01〜LX−18のうち、ラテックスLX−07を使用した。ラテックスLX−07の組成及び分子量は次の通りである。
〈ラテックスLX−07の組成及び分子量〉
(組成)
・メタクリル酸メチル : 45モル%
・アクリル酸エチル : 45モル%
・メタクリル酸 : 7モル%
・ジメチルアミノエチルメタクリレート : 3モル%
(分子量)
Mw:16000、Mn:5200
そして、水不溶性微粒子Aとしてのシアン分散液C1と、水不溶性微粒子BとしてのラテックスLX−07とを用いて下記のインク組成になるようにインクを調液し、調液後5μmフィルターで粗大粒子を除去し、インクC1−1を調製した。
〈インクC1−1のインク組成〉
・シアン顔料(Pigmnet Blue 15:3)大日精化製 4 質量%
・ポリマー分散剤 2 質量%
・ラテックスLX−07 8 質量%
・ジエチレングリコール(和光純薬製) 10質量%
・グリセリン 20質量%
・オルフィンE1010(日信化学) 1質量%
・イオン交換水 55質量%
《インクC1−2の調製》
インクC1−1のラテックスLX−07を、LX−07Bに代えた以外は同様の方法で下記のインク組成のインクC1−2を調製した。LX−07Bは、LX−07組成の中のメタクリル酸とジメチルアミノエチルメタクリレートとの比率7:3を9:1に変えたものである。
〈ラテックスLX−07Bの組成及び分子量〉
(組成)
・メタクリル酸メチル : 45モル%
・アクリル酸エチル : 45モル%
・メタクリル酸 : 9モル%
・ジメチルアミノエチルメタクリレート : 1モル%
(分子量)
Mw:16000、Mn:5000
《インクC1−3の調製》
インクC1−1のラテックスLX−07をLX−07Cに代えた以外は同様の方法でインクC1−3を調製した。LX−07Bは、LX−07組成の中のメタクリル酸とジメチルアミノエチルメタクリレートとの比率7:3を1:9に変えたものである。
〈ラテックスLX−07Cの組成及び分子量〉
(組成)
・メタクリル酸メチル : 45モル%
・アクリル酸エチル : 45モル%
・メタクリル酸 : 1モル%
・ジメチルアミノエチルメタクリレート : 9モル%
(分子量)
Mw:18000、Mn:5000
《インクC1−Hの調製》
インクC1−1のラテックスLX−07を、極性反転しないLX−Hに代えた以外は同様の方法でインクC1−Hを調整した。
Figure 2009013394
〈ラテックスLX−Hの組成及び分子量〉
(組成)
・スチレン : 65モル%
・アクリル酸ブチル : 30モル%
・アクリル酸 : 5モル%
(分子量)
Mw:400,000、Mn:60,000
〈インクC1−Hのインク組成〉
・シアン顔料(Pigment Blue 15:3)大日精化製 4質量%
・ポリマー分散剤 2質量%
・ラテックスLX−H 8質量%
・ジエチレングリコール(和光純薬製) 10質量%
・グリセリン 20質量%
・オルフィンE1010(日信化学) 1質量%
・イオン交換水 55質量%
《インクC2−1の調製》
Cabojet250(キャボット社製:15%シアン顔料分散液C2)の26.7g、ラテックスを固形分換算で8g、グリセリン20g、グリセリン10g、オルフィンE1010の1gを混合し、最後にイオン交換水でメスアップして総重量が100gになるようにインクを調液した。インクC2−1のインク組成は次の通りである。
〈インクC2−1のインク組成〉
・シアン顔料(キャボット社Cabojet250) 4質量%
・ラテックスLX−07 8質量%
・ジエチレングリコール(和光純薬製) 10質量%
・グリセリン 20質量%
・オルフィンE1010(日信化学) 1質量%
・イオン交換水 57質量%
《インクC2−Hの調製》
インクC2−1のラテックスLX−07を、極性反転しない上記LX−Hに代えた以外は同様の方法で下記の組成のインクC2−Hを調製した。
〈インクC2−Hのインク組成〉
・シアン顔料(キャボット社Cabojet250) 4質量%
・ラテックスLX−H 8質量%
・ジエチレングリコール(和光純薬製) 10質量%
・グリセリン 20質量%
・オルフィンE1010(日信化学) 1質量%
・イオン交換水 57質量%
《マゼンタインクM1−1の調製》
Cromophtal Jet Magenta DMQ(チバ・スペシャリティーケミカルズ社製)400g、オレイン酸ナトリム(和光純薬製)40g、グリセリン(和光純薬製)200g、及びイオン交換水1360gを乳鉢で1時間混錬した後、日本精機製
小型攪拌機付超音波分散機US−600CCVP(600W、超音波発振部50mm)で20分間、粗分散を行った。
次に粗分散液と0.05mmジルコニアビーズ1.3kgをコトブキ技研興業製スーパーアペックスミル(形式SAM−1)へ供給し、回転数2500rpm、処理流量15L/hで160分間分散を実施した。分散終了後、32μm濾布で濾過し、20質量%マゼンタ顔料分散液とした。これにより、水不溶性微粒子Aとしてのマゼンタ分散液M1を得た。得られたマゼンタ分散液の平均粒径は70nmであった。
また、水不溶性微粒子Bとしては、上述したと同じラテックスLX−07を使用した。
そして、水不溶性微粒子Aとしてのマゼンタ分散液M1と、水不溶性微粒子BとしてのラテックスLX−07とを用いて下記のインク組成になるようにインクを調液し、調液後5μmフィルターで粗大粒子を除去し、インクM1−1を調製した。
〈インクM1−1のインク組成〉
・マゼンタ顔料(Cromophtal Jet Magenta DMQ) 4質量%
・オレイン酸ナトリウム(分散剤) 0.4質量%
・ラテックスLX−07 8質量%
・ジエチレングリコール(和光純薬製) 10質量%
・グリセリン(和光純薬製) 20質量%
・オルフィンE1010(日信化学製) 1質量%
・イオン交換水 56.6質量%
《マゼンタインクM1−Hの調製》
インクM1−1のラテックスLX−07を、上記した極性反転しないLX−Hに代えた以外は同様の方法で下記組成のマゼンタインクM1−Hを調製した。
〈インクM1−Hのインク組成〉
・マゼンタ顔料(Cromophtal Jet Magenta DMQ) 4質量%
・オレイン酸ナトリウム(分散剤) 0.4質量%
・ラテックスLX−H 8質量%
・ジエチレングリコール(和光純薬製) 10質量%
・グリセリン(和光純薬製) 20質量%
・オルフィンE1010(日信化学製) 1質量%
・イオン交換水 56.6質量%
[処理液の調整]
まず、下記組成の処理液T−1を調製した。
〈処理液の組成〉
・2−ピロリドン−5−カルボン酸(東京化成製) 10質量部
・水酸化リチウム一水和物(和光純薬製) 2質量部
・グリセリン(和光純薬製) 13質量部
・ジエチレングリコール(和光純薬製) 10質量部
・オルフィンE1010(日信化学製) 1.5質量部
・イオン交換水 73.5質量部
次に、下記組成の処理液T−2を調製した。
〈処理液T−2の組成〉
・2−ピロリドン−5−カルボン酸(東京化成製) 10質量部
・水酸化リチウム一水和物(和光純薬製) 2質量部
・グリセリン(和光純薬製) 13質量部
・ジエチレングリコール(和光純薬製) 10質量部
・オルフィンE1010(日信化学製) 1.5質量部
・フッ素系界面活性剤 0.1質量部
・イオン交換水 73.4質量部
尚、上記フッ素系界面活性剤の化学構造は以下の通りである。
Figure 2009013394

そして、得られた処理液T−1の物性値を測定した結果、pH3.6、表面張力28.0mN/m、粘度3.1mPa・sであった。また処理液T−2の物性値を測定した結果、pH3.6、表面張力21.1mN/m、粘度2.9mPa・sであった。
[分散液及びラテックスLXのpH環境とゼータ電位の関係]
上記の如く調液した水不溶性微粒子Aとしての分散液C1、分散液C2、分散液M1、及び水不溶性微粒子BとしてのラテックスLX−07、ラテックスLX−07B、ラテックスLX−07Cのゼータ電位及び平均粒径(体積平均粒径)を測定した。また、比較例として実施したラテックスであるLX−Hのゼータ電位及び平均粒径についても調べた。
ゼータ電位の測定は、ゼータサイザーナノZ(Sysmex(株)製)にて行った。試料の調製は分散液を測定に適した濃度に、水あるいは、0.1moL/L水酸化ナトリウム水溶液でpH8〜9になるように適宜希釈した。付属のMPT−2自動的滴定装置を用い、0.1moL/Lあるいは1moL/Lの酢酸水溶液で滴定を行いながらpH環境をpH8からpH4まで変化させ、pH8、pH5、pH4におけるゼータ電位を測定した。
また、平均粒径の測定は、マイクロトラックUPA EX−150(日機装(株)製)にて分散液を測定に適した濃度に適宜希釈し、測定条件は全て同じにした。即ち、粒子透過性:透過、粒子屈折率:1.51、粒子形状:非球形、密度:1.2g/cm、溶媒:水、セル温度:18〜25℃条件において、体積平均粒径を測定した。
その結果を図5の[表−1]に示す。
[表−1]に示すように、水不溶性微粒子Aとしての各分散液C1、C2、M1は、pH環境をpH8からpH4まで変化させてもゼータ電位はマイナスであり、負に帯電している。
一方、水不溶性微粒子BとしてのラテックスLX-07及びLX-07Cは、pH8のときにはゼータ電位がマイナスであり負に帯電しているが、pH4のときにはゼータ電位がプラスであり、pH環境の変化により負から正に極性が反転する。
従って、各分散液C1、C2、M1とラテックスLX-07及びLX-07Cとの組み合わせによって構成されるインクの場合には、処理液と接触する前のpH環境をpH8近傍の領域に維持し、処理液に接触させることでpH環境をpH4近傍まで低下させることで、インクを速やかに凝集させることができる。
また、ラテックスLX−07Bは、pH環境が8から4に変化しても極性反転しないが、ゼータ電位が電位ゼロ近くまで小さくなる。この場合には、極性が水不溶性微粒子Aである各分散液と同じであるため、分散液とラテックスとが引き合うことはないが、ゼータ電位が電位ゼロ近くなることで分散液との反発力が小さくなり、凝集を促進することができる。
これに対してラテックスLX−Hの場合には、pH環境が8から4に変化しても、pH4のときのゼータ電位が−25mVと大きく、分散液との間で大きな反発力が形成される。このため、凝集が遅くなる。
[各インクの調液直後の物性値]
上記の如く調液した各インクC1−1、C1−2、C1−3、C2−1、M1−1、及びインクC1−H、C2−H、M1−Hの調液直後の物性値は下記[表−2]のとおりである。
Figure 2009013394
[インクの経時安定性試験及び打滴試験]
そして、上記の如く調製した各インクについてインクの経時安定性試験及び打滴試験を行った。インクの経時安定性試験は、インクを打滴する前、即ちインク貯留槽(あるいはカートリッジ)にインクが収納されているときの粒径や粘度の安定性であり、安定性が悪いとインクジェット装置の打滴ノズルから吐出する際に、打滴ノズルが詰まる問題が生じる。
また、打滴試験により、インクと処理液を打滴して接触した後、凝集するまでの凝集反応速度を調べた。
(インクの経時安定性試験)
インクの経時安定性試験は、本発明のインクC1−1、C1−2、C1−3、C2−1、M1−1、及び比較例のインクC1−H、C2−H、M1−Hのそれぞれ10mLを、15mLのガラス瓶に密閉して70℃14日間放置後、平均粒径及び粘度測定を実施した。
その結果を下記[表−3]に示す。経時安定性試験を行ったインク液のpH値は[表−2]のとおりである。
Figure 2009013394
[表−3]から分かるように、ラテックスLX−07におけるメタクリル酸とジメチルアミノエチルメタクリレートとのモル比が80:20〜20:80の範囲の場合について、70℃14日間放置後の物性値を測定したところ、粒径、及び粘度に変化がなく、高温保存下でも安定なインクであった。この結果から、本発明のインクの経時安定性は、従来のインクの経時安定性と比べて同等であることを確認できた。
(打滴試験)
打滴試験は次のように行った。即ち、シリコーンゴムシートSRシリーズ0.5mm膜厚(タイガースポリマー社製)の中間転写体上に、ワイヤーバーコーター(ワイヤーバー方式の塗布コータ)により、約5μmの膜厚になるように処理液を塗布した。更に、中間転写体上にリコー社製GELJETG717プリンターヘッドを用いて、解像度1200×600dpi、インク打滴量12pLになるように打滴した。インク打滴後、1秒後、2秒後、10秒後、15秒後に、クレシア製ケイドライを巻きつけた溶媒除去ローラで溶媒除去を行った。そして、ケイドライへの色材付着を観察することにより、凝集反応速度を評価した。
図6の[表−4]に打滴試験結果を示す。尚、[表−4]の打滴試験における、ケイドライへの色材付着の評価は、次の通りである。
○…色材付着確認できず。
△…色材付着がわずかに確認できる。
×…色材付着が目視ではっきりと確認できる。
そして、×の評価を、凝集反応が終了していないと判断した。
[表−4]から分かるように、本発明のインクC1−1、C1−2、C1−3、C2−1、M1−1のうちC1−2以外は、全て○の評価であり、打滴1秒後にはインクの凝集を終了させることができた。
また、C1−2の場合も打滴1秒後の評価が△であり、実際の記録を行う場合に問題のないレベルであった。
これに対して、比較例のインクC1−H、M1−Hは、打滴10秒後に△の評価であり、インクC2−Hの場合には打滴15秒後でも×の評価であった。
この打滴試験の結果から、本発明のインクを用いて図3で説明した凝集反応メカニズムを行わせることにより、従来のインクよりも凝集反応速度を飛躍的に迅速化できることが分かった。
[自己分散性ポリマーA−1の調製]
攪拌機、温度計、還流冷却管、及び窒素ガス導入管を備えた1リットル三口フラスコに、イソプロピルアルコール140.0gを仕込んで、75℃まで昇温した。反応容器内温度を75℃に保ちながら、メチルメタクリレート62.6g、エチルアクリレート62.6g、メタクリル酸8.4g、ジメチルアミノエチルメタクリレート6.4g、イソプロピルアルコール28g、及び、「V−601」(和光純薬(株)製)0.56gからなる混合溶液を、2時間で滴下が完了するように等速で滴下した。滴下完了後2時間攪拌し、「V−601」0.28g、イソプロピルアルコール14.0gからなる溶液を加え、75℃で2時間攪拌後、さらに「V−601」0.28g、イソプロピルアルコール14.0gからなる溶液を加えて85℃に昇温した後、さらに2時間攪拌を続けた。
得られた共重合体の重量平均分子量(Mw)は42000(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によりポリスチレン換算で算出した。使用カラムはTSKgel SuperHZM−H、TSKgel SuperHZ4000、TSKgel SuperHZ200(東ソー社製))、酸価は38.9(mgKOH/g)であった。
次に、得られた共重合体溶液337.1gを秤量し、トリエチルアミン9.87gを加え、反応容器内温度を80℃に昇温した。次に蒸留水426.7gを添加し、水分散化せしめた。その後、大気圧下にて反応容器内温度80℃で2時間保った後、反応容器内を減圧にし、イソプロパノール、蒸留水を合計で258.7g留去し、水不溶性微粒子Bとして、固形分濃度28.0%の自己分散性ポリマー(A−01)の水分散物を得た。
なお、下記自己分散性ポリマー(A−01)の各構成単位の数字はモル比を表す。
(組成)
・メタクリル酸メチル : 45モル%
・アクリル酸エチル : 45モル%
・メタクリル酸 : 7モル%
・ジメチルアミノエチルメタクリレート : 3モル%
上記で得られた水不溶性微粒子Bの水溶性成分量を、以下の測定法により測定した。
ポリマー分散液を固形分10%になるように調整した。10%ポリマー分散液5mLを遠心透析チューブMILLIPORE社製Amicon Ultra−15(分画分子量Mw10万)に添加し、(株)トミー精工製小型高速冷却遠心機SRX−201で遠心加速度4000G、10℃、40分間遠心し、限外ろ過された液を回収した。
次に限外濾過により回収された液の固形分を測定した。測定方法は直径1.5cmのアルミカップに限外濾過により回収された液を500〜600mg計量し、真空乾燥機中で大気圧下120℃30分加熱した後、減圧下(真空度 0.1MPa以下)120℃2時間放置した後、固形分測定を行った。
測定した固形分の値を10倍した数値をポリマーの固形分を100%としたときのポリマーの水溶性成分量とした。結果を[表−5]に示す。
[自己分散性ポリマーA−2の調製]
モノマー組成を以下のように変更した以外は自己分散性ポリマー(A−01)と同様の方法で自己分散性ポリマー(A−02)を合成した。
(組成)
・メタクリル酸メチル : 46モル%
・アクリル酸エチル : 45モル%
・メタクリル酸 : 7モル%
・ジメチルアミノエチルメタクリレート : 4モル%
[自己分散性ポリマーA−3の調製]
トリエチルアミンの量を9.87gから9.62gに代えた以外は自己分散性ポリマー(A−02)と同様の方法で自己分散性ポリマー(A−03)を合成した。
[自己分散性ポリマーA−4の調製]
モノマー組成を以下のように変更した以外は自己分散性ポリマー(A−01)と同様の方法で自己分散性ポリマー(A−04)を合成した。
(組成)
・メタクリル酸メチル : 48モル%
・アクリル酸エチル : 45モル%
・メタクリル酸 : 5モル%
・ジメチルアミノエチルメタクリレート : 2モル%
上記で得られた自己分散性ポリマーの粒径および水溶性成分量を、下記[表−5]に示す。
Figure 2009013394
《シアンインクC1−11〜C1−14の調製》
シアンインクC1−1の調製において、水不溶性微粒子BとしてLX−07の代わりに自己分散性ポリマーA−01〜A−04を、それぞれ用いた以外は同様の方法でシアンインクC1−11〜C1−14を調製した。
[吐出評価]
下記条件で1ドットのライン(長さ120mm)を16本印刷した。次いで印画サンプルの打滴開始部から50mmの位置におけるライン間の距離を王子計測機器製ドットアナライザ DA−6000で測定した。測定したライン間の距離の標準偏差を吐出ずれとして算出し、これを吐出方向性の指標とし、下記評価基準に従って吐出方向性を評価した。結果を[表−6]に示す。
〜印画条件〜
プリンタ:Dimatix社、DMP−2831
インク量:10pl
画像解像度:ノズル配列方向 100dpi
搬送方向 3200dpi
吐出周波数:24KHz
記録媒体:富士フイルム社製 画彩 写真仕上げPro
〜評価基準〜
○ 3μm以上、4μm未満 (目視でまったくムラが視認できなかった)
△ 4μm以上、5μm未満 (目視でわずかにムラが視認できた)
× 5μm以上 (目視ではっきりとムラが視認できた)
Figure 2009013394
[表−6]から、本発明のインク組成物は吐出ずれが少なく、良好な吐出方向性を有していることが分かる。
本発明のインクジェット記録方法を実施するインクジェット記録装置の一例を示す全体構成図 本発明の記録方法を説明する上で必要な部分のみを抜き出して概念化した概念図 本発明のインクセットの凝集反応メカニズムを説明する説明図 従来のインクセットの凝集反応メカニズムを説明する説明図 分散液とラテックスのpH環境の変化によるゼータ電位の変化を説明する説明図 本発明のインクと従来のインクの凝集反応速度を対比した説明図
符号の説明
10…インクジェット記録装置、12…中間転写体、14…処理液付与部、16…インク吐出部、18…転写部、20…溶媒除去部、22…クリーニング部、24…画像定着部、26…溶媒除去ローラー、30…記録ヘッド、30S…記録ヘッド(処理液用ヘッド)、30K、30C、30M、30Y…記録ヘッド(インク用ヘッド)、34…記録媒体、36…加圧ローラー、38…クリーニングローラー、40A、40B…定着ローラー、a…処理液、b…インク、c…凝集物

Claims (15)

  1. 正又は負の極性に帯電する水不溶性微粒子Aと、
    水溶性成分の含有率が5質量%以下であって、カチオン性基とアニオン性基の両方を有し、pH環境の変化によりゼータ電位が変化する水不溶性微粒子Bと、
    を含むインク組成物。
  2. 前記水不溶性微粒子Aと前記水不溶性微粒子Bの少なくとも一方が色材の微粒子を含むことを特徴とする請求項1に記載のインク組成物。
  3. 前記水不溶性微粒子Bは、pH8の時のゼータ電位が−90〜0mVであり、且つpH4の時のゼータ電位が0〜90mVであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のインク組成物。
  4. 前記水不溶性微粒子Bは、前記pH環境が変化する前は前記水不溶性微粒子Aと同極性に帯電し、前記pH環境を変化させることにより前記同極性から前記水不溶性微粒子Aと極性の異なる逆極性に極性反転することを特徴とする請求項1〜請求項3の何れか1項に記載のインク組成物。
  5. 前記水不溶性微粒子Bは、前記アニオン性基とカチオン性基のモル比が80:20〜20:80の範囲であることを特徴とする請求項1〜請求項4の何れか1項に記載のインク組成物。
  6. 前記水不溶性微粒子Bは、下記の一般式で表されるポリマー化合物からなる微粒子、又は下記の一般式で表されるポリマー化合物で表面が被覆された微粒子であることを特徴とする請求項1〜請求項5の何れか1項に記載のインク組成物。
    (C)l−(D)m−(E)n
    但し、(C)はノニオン性モノマーに由来する繰り返し単位を表し、(D)はアニオン性モノマーに由来する繰り返し単位を表し、(E)はカチオン性モノマーに由来する繰り返し単位を表し、l、m、nは重合度を表す。
  7. 前記水不溶性微粒子Bは、自己分散性ポリマー微粒子であることを特徴とする請求項1〜請求項6の何れか1項に記載のインク組成物。
  8. 前記水不溶性微粒子Bは、有機溶媒中で合成されたポリマーであって、前記アニオン性基の一部あるいは全部を中和し、水を連続相とするポリマーの分散体として調製されたものであることを特徴とする請求項1〜請求項7の何れか1項に記載のインク組成物。
  9. 前記水溶性成分の含有率が3質量%以下であることを特徴とする請求項1〜請求項8の何れか1項に記載のインク組成物。
  10. 前記水不溶性微粒子Aの平均粒径と、前記水不溶性微粒子Bの平均粒径との粒径差が20nm以上であることを特徴とする請求項1〜請求項9の何れか1項に記載のインク組成物。
  11. 前記水不溶性微粒子Aの平均粒径が10〜200nmの範囲であり、前記水不溶性微粒子Bの平均粒径が10〜200nmの範囲であることを特徴とする請求項1〜請求項10の何れか1項に記載のインク組成物。
  12. 請求項1〜請求項11の何れか1項に記載のインク組成物の少なくとも1種と、該インク組成物のpHを変化させる処理液と、を含むインクセット。
  13. 請求項12に記載されるインクセットのうちの処理液を記録媒体上に付与する処理液付与工程と、
    処理液が付与された記録媒体上に、請求項12に記載されるインクセットのうちのインク組成物を付与して前記処理液と接触させることにより前記インク組成物のpHを変化させて、該インク組成物に含有される水不溶性微粒子Aと水不溶性微粒子Bとを凝集させる凝集工程と、を備えるインクジェット記録方法。
  14. 前記凝集工程の後段に、記録媒体上に付与された前記インク組成物と前記処理液の溶媒を除去する溶媒除去工程をさらに備えたことを特徴とする請求項13のインクジェット記録方法。
  15. 請求項12に記載されるインクセットのうちの処理液を中間転写体上に付与する処理液付与工程と、
    処理液が付与された中間転写体上に、請求項12に記載されるインクセットのうちのインク組成物を付与して前記処理液と接触させることにより前記インク組成物のpHを変化させて、該インク組成物に含有される水不溶性微粒子Aと水不溶性微粒子Bとを凝集させる凝集工程と、
    前記中間転写体上から前記インク組成物と前記処理液の溶媒を除去する溶媒除去工程と、
    前記溶媒が除去された中間転写体上に形成された画像を記録媒体に転写する転写工程と、を備えるインクジェット記録方法。
JP2008034840A 2007-06-08 2008-02-15 インク組成物、インクセット、及びインクジェット記録方法 Pending JP2009013394A (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008034840A JP2009013394A (ja) 2007-06-08 2008-02-15 インク組成物、インクセット、及びインクジェット記録方法
US12/132,792 US7951854B2 (en) 2007-06-08 2008-06-04 Ink composition, ink set and inkjet recording method
CN2008101082450A CN101319111B (zh) 2007-06-08 2008-06-05 墨水组合物,墨水组和喷墨记录方法
EP08010263.5A EP2003176B1 (en) 2007-06-08 2008-06-05 Ink composition, ink set and inkjet recording method

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007153216 2007-06-08
JP2008034840A JP2009013394A (ja) 2007-06-08 2008-02-15 インク組成物、インクセット、及びインクジェット記録方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2009013394A true JP2009013394A (ja) 2009-01-22

Family

ID=40179390

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008034840A Pending JP2009013394A (ja) 2007-06-08 2008-02-15 インク組成物、インクセット、及びインクジェット記録方法

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP2009013394A (ja)
CN (1) CN101319111B (ja)

Cited By (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010179563A (ja) * 2009-02-05 2010-08-19 Fujifilm Corp インクジェット記録方法
JP2010188696A (ja) * 2009-02-20 2010-09-02 Fujifilm Corp インクジェット記録用インクセット及び画像記録方法
JP2010215853A (ja) * 2009-03-18 2010-09-30 Fujifilm Corp インクセット及び画像記録方法
JP2010240862A (ja) * 2009-04-01 2010-10-28 Fujifilm Corp インクジェット記録方法およびインクジェット記録物
JP2011042735A (ja) * 2009-08-20 2011-03-03 Fujifilm Corp 水系着色剤分散物及びその製造方法、インク組成物、インクセット、画像形成方法、並びに分散剤
WO2011055595A1 (ja) 2009-11-04 2011-05-12 コニカミノルタホールディングス株式会社 インクジェット用水性インク、およびインクジェット記録方法
EP2397526A1 (en) 2010-06-17 2011-12-21 FUJIFILM Corporation Ink set and image forming method
JP2013123855A (ja) * 2011-12-15 2013-06-24 Canon Inc 画像記録方法
JP2015058708A (ja) * 2013-09-20 2015-03-30 ゼロックス コーポレイションXerox Corporation 水性インクジェット転写のための改良されたコーティング
JP2015058707A (ja) * 2013-09-20 2015-03-30 ゼロックス コーポレイションXerox Corporation 水性インクジェット転写のための改良されたコーティング
WO2017212848A1 (ja) * 2016-06-07 2017-12-14 コニカミノルタ株式会社 インクジェット記録方法
JP2018193449A (ja) * 2017-05-16 2018-12-06 株式会社リコー 処理液組成物、及び記録方法
JP2019127015A (ja) * 2018-01-26 2019-08-01 コニカミノルタ株式会社 画像形成装置およびクリーニング方法
JP2019130714A (ja) * 2018-01-30 2019-08-08 コニカミノルタ株式会社 画像形成方法および画像形成装置

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107987612B (zh) * 2017-11-13 2021-11-09 珠海东昌色彩科技有限公司 一种水性京瓷Single-pass高速喷墨打印热转印墨水及其制备方法
CN113119583B (zh) * 2021-04-19 2022-07-29 深圳市联祥印刷有限公司 一种便于校准的印刷装置及其校准方法

Citations (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09188843A (ja) * 1996-01-04 1997-07-22 Canon Inc インク、これを用いた記録方法及びかかるインクを用いた機器
JPH09286939A (ja) * 1996-02-22 1997-11-04 Kao Corp インクジェット記録用水系インク
JP2001199150A (ja) * 1999-11-12 2001-07-24 Canon Inc インクセット、被記録媒体への着色部の形成方法、及びインクジェット記録装置
JP2004338361A (ja) * 2003-03-14 2004-12-02 Ricoh Co Ltd インクセットとそれを用いた画像形成方法、画像形成装置、カートリッジ及び記録物
JP2005232443A (ja) * 2004-01-19 2005-09-02 Dainichiseika Color & Chem Mfg Co Ltd 優れた顔料分散性を有するグラフトコポリマー類、それらの製造方法、該グラフトコポリマー類を利用するエマルジョン類の製造方法、及び該グラフトコポリマー類またはエマルジョン類を利用している顔料分散液類
JP2005255755A (ja) * 2004-03-10 2005-09-22 Seiko Epson Corp マイクロカプセル化顔料及びその製造方法、並びに前記マイクロカプセル化顔料を含むインク組成物
JP2006037082A (ja) * 2004-06-22 2006-02-09 Canon Inc 分散性色材とその製造方法、該分散性色材を用いた水性インク、インクタンク、インクジェット記録装置、インクジェット記録方法、及びインクジェット記録画像
JP2006083277A (ja) * 2004-09-15 2006-03-30 Fuji Xerox Co Ltd インクジェット記録用インク、インクジェット記録用インクセット、インクジェット記録装置、及びインクジェット記録方法
JP2006199896A (ja) * 2005-01-24 2006-08-03 Fuji Xerox Co Ltd インクジェット用インクセット、インクジェット用インクタンク、インクジェット記録方法及びインクジェット記録装置
JP2006301307A (ja) * 2005-04-20 2006-11-02 Seiko Epson Corp インクジェット方式カラーフィルタ用樹脂組成物、カラーフィルタおよびカラーフィルタの製造方法
JP2007009192A (ja) * 2005-05-31 2007-01-18 Fujifilm Holdings Corp 非球形高分子微粒子、その製造方法及び該微粒子を含有する組成物
JP2007231214A (ja) * 2006-03-03 2007-09-13 Seiko Epson Corp カプセル化樹脂粒子

Patent Citations (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09188843A (ja) * 1996-01-04 1997-07-22 Canon Inc インク、これを用いた記録方法及びかかるインクを用いた機器
JPH09286939A (ja) * 1996-02-22 1997-11-04 Kao Corp インクジェット記録用水系インク
JP2001199150A (ja) * 1999-11-12 2001-07-24 Canon Inc インクセット、被記録媒体への着色部の形成方法、及びインクジェット記録装置
JP2004338361A (ja) * 2003-03-14 2004-12-02 Ricoh Co Ltd インクセットとそれを用いた画像形成方法、画像形成装置、カートリッジ及び記録物
JP2005232443A (ja) * 2004-01-19 2005-09-02 Dainichiseika Color & Chem Mfg Co Ltd 優れた顔料分散性を有するグラフトコポリマー類、それらの製造方法、該グラフトコポリマー類を利用するエマルジョン類の製造方法、及び該グラフトコポリマー類またはエマルジョン類を利用している顔料分散液類
JP2005255755A (ja) * 2004-03-10 2005-09-22 Seiko Epson Corp マイクロカプセル化顔料及びその製造方法、並びに前記マイクロカプセル化顔料を含むインク組成物
JP2006037082A (ja) * 2004-06-22 2006-02-09 Canon Inc 分散性色材とその製造方法、該分散性色材を用いた水性インク、インクタンク、インクジェット記録装置、インクジェット記録方法、及びインクジェット記録画像
JP2006083277A (ja) * 2004-09-15 2006-03-30 Fuji Xerox Co Ltd インクジェット記録用インク、インクジェット記録用インクセット、インクジェット記録装置、及びインクジェット記録方法
JP2006199896A (ja) * 2005-01-24 2006-08-03 Fuji Xerox Co Ltd インクジェット用インクセット、インクジェット用インクタンク、インクジェット記録方法及びインクジェット記録装置
JP2006301307A (ja) * 2005-04-20 2006-11-02 Seiko Epson Corp インクジェット方式カラーフィルタ用樹脂組成物、カラーフィルタおよびカラーフィルタの製造方法
JP2007009192A (ja) * 2005-05-31 2007-01-18 Fujifilm Holdings Corp 非球形高分子微粒子、その製造方法及び該微粒子を含有する組成物
JP2007231214A (ja) * 2006-03-03 2007-09-13 Seiko Epson Corp カプセル化樹脂粒子

Cited By (18)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010179563A (ja) * 2009-02-05 2010-08-19 Fujifilm Corp インクジェット記録方法
JP2010188696A (ja) * 2009-02-20 2010-09-02 Fujifilm Corp インクジェット記録用インクセット及び画像記録方法
JP2010215853A (ja) * 2009-03-18 2010-09-30 Fujifilm Corp インクセット及び画像記録方法
JP2010240862A (ja) * 2009-04-01 2010-10-28 Fujifilm Corp インクジェット記録方法およびインクジェット記録物
JP2011042735A (ja) * 2009-08-20 2011-03-03 Fujifilm Corp 水系着色剤分散物及びその製造方法、インク組成物、インクセット、画像形成方法、並びに分散剤
US8960883B2 (en) 2009-11-04 2015-02-24 Konica Minolta Holdings, Inc. Aqueous ink for inkjet and inkjet recording method
WO2011055595A1 (ja) 2009-11-04 2011-05-12 コニカミノルタホールディングス株式会社 インクジェット用水性インク、およびインクジェット記録方法
EP2497803A1 (en) * 2009-11-04 2012-09-12 Konica Minolta Holdings, Inc. Aqueous ink for inkjet and inkjet recording method
EP2497803A4 (en) * 2009-11-04 2014-11-05 Konica Minolta Holdings Inc AQUEOUS INK FOR INKJET PRINTING AND INKJET PRINTING METHOD
EP2397526A1 (en) 2010-06-17 2011-12-21 FUJIFILM Corporation Ink set and image forming method
JP2013123855A (ja) * 2011-12-15 2013-06-24 Canon Inc 画像記録方法
JP2015058708A (ja) * 2013-09-20 2015-03-30 ゼロックス コーポレイションXerox Corporation 水性インクジェット転写のための改良されたコーティング
JP2015058707A (ja) * 2013-09-20 2015-03-30 ゼロックス コーポレイションXerox Corporation 水性インクジェット転写のための改良されたコーティング
WO2017212848A1 (ja) * 2016-06-07 2017-12-14 コニカミノルタ株式会社 インクジェット記録方法
JP2018193449A (ja) * 2017-05-16 2018-12-06 株式会社リコー 処理液組成物、及び記録方法
JP2019127015A (ja) * 2018-01-26 2019-08-01 コニカミノルタ株式会社 画像形成装置およびクリーニング方法
JP2019130714A (ja) * 2018-01-30 2019-08-08 コニカミノルタ株式会社 画像形成方法および画像形成装置
JP7087411B2 (ja) 2018-01-30 2022-06-21 コニカミノルタ株式会社 画像形成方法および画像形成装置

Also Published As

Publication number Publication date
CN101319111B (zh) 2012-12-12
CN101319111A (zh) 2008-12-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5213382B2 (ja) 水性インク組成物、インクセット、及び画像記録方法
JP2009013394A (ja) インク組成物、インクセット、及びインクジェット記録方法
JP5079538B2 (ja) インクジェット記録用インクセットおよび画像記録方法
JP4908117B2 (ja) インクセット及び画像形成装置並びにその方法
JP5404210B2 (ja) インクジェット記録用インクセット、およびインクジェット記録方法
JP5408997B2 (ja) インクジェット記録用インクセット及びインクジェット記録方法
JP2010070693A (ja) インクセット及びインクジェット記録方法
JP2010069805A (ja) インクセット及びインクジェット記録方法
JP5283533B2 (ja) インクジェット記録用インクセットおよびインクジェット画像記録方法
JP5606818B2 (ja) インク組成物、インクセットおよび画像形成方法
JP5689608B2 (ja) インク組成物、インクセット及びインクジェット記録方法
JP5355025B2 (ja) 自己分散ポリマー、水性分散物、水性インク組成物、及びインクセット、並びに画像形成方法
JP4633833B2 (ja) インク組成物、インクセット、及びインクジェット記録方法
JP2009079145A (ja) インクジェット用インク及びその製造方法、並びにインクセット
JP5538949B2 (ja) インクジェット画像形成方法
JP2010241049A (ja) インクジェット記録方法
EP2003176B1 (en) Ink composition, ink set and inkjet recording method
JP2010214883A (ja) インクジェット記録用インクセット
JP5500854B2 (ja) インクジェット記録方法およびインクジェット記録物
JP5111316B2 (ja) 画像形成方法
JP2009149725A (ja) インク組成物、インクセット、及びインクジェット記録方法
JP2010137418A (ja) インクジェット記録用インクセット
JP5355001B2 (ja) インクジェット記録方法
JP5208792B2 (ja) インクジェット記録方法
JP2009126931A (ja) 水性インク組成物、インクセット、及び画像記録方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100708

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120907

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120925

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20121126

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130903

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20131028

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20140701