JPH09286939A - インクジェット記録用水系インク - Google Patents

インクジェット記録用水系インク

Info

Publication number
JPH09286939A
JPH09286939A JP2468097A JP2468097A JPH09286939A JP H09286939 A JPH09286939 A JP H09286939A JP 2468097 A JP2468097 A JP 2468097A JP 2468097 A JP2468097 A JP 2468097A JP H09286939 A JPH09286939 A JP H09286939A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
monomer
water
ink
salt
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2468097A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3304802B2 (ja
Inventor
Takehiro Tsutsumi
武弘 堤
Michitaka Sawada
道隆 澤田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kao Corp filed Critical Kao Corp
Priority to JP2468097A priority Critical patent/JP3304802B2/ja
Publication of JPH09286939A publication Critical patent/JPH09286939A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3304802B2 publication Critical patent/JP3304802B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Ink Jet (AREA)
  • Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)
  • Inks, Pencil-Leads, Or Crayons (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐水性が非常に優れ、且つプリンタヘッドへ
の焦げ付きがほとんど起こらないインクジェット記録用
水系インクの提供。 【解決手段】 シリコンマクロマー(a−1)及びアク
リルアミド系モノマー(a−2)又はメタクリルアミド
系モノマー(a−3)(但し、塩生成基を有するものは
除く)からなる群から選ばれる1種又は2種以上(a)
と、塩生成基を有する重合性不飽和単量体(b)と、こ
れらモノマーと共重合可能な単量体(c)とをラジカル
重合開始剤の存在下に共重合させて得られるビニルポリ
マーの分散体(A)を含有し、該分散体中に疎水性染料
(B)が封入されているインクジェット記録用水系イン
ク。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェット記
録用水系インクに関するものであり、更に詳しくは、耐
水性を一層向上させ、且つプリンターヘッドへの焦げ付
きを防止したインクジェット記録用水系インクに関する
ものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】インク
ジェット記録方式は、非常に微細なノズルからインク液
滴を記録部材に直接吐出、付着させて、文字や画像を得
る記録方式である。この方式によれば、使用する装置が
低騒音で操作性が良いという利点を有するのみならず、
カラー化が容易であり且つ記録部材として普通紙が使用
できるという利点も有するため、近年広く用いられてい
る。インクの吐出方式としては、プリンタヘッドに圧電
素子を利用した圧電式と、発熱抵抗素子のヒータを利用
した熱ジェット式とが、パーソナルプリンタとして広く
用いられている。
【0003】このインクジェットプリンタに使用される
インクには、ノズルにインクが目詰まりするのを防止す
るために、通常水溶性染料及び多価アルコールが用いら
れている。水溶性染料を用いることにより、インクはノ
ズルに目詰まりしにくくなるが、反面、耐水性に劣ると
いう問題や、特に熱ジェット式の場合、プリンタヘッド
における過剰の熱により染料が酸化され、インクがプリ
ンタヘッドに焦げ付きやすいという問題があった。
【0004】インクジェット記録用インクの耐水性を向
上させるために、インクとして顔料を用いたり(特開平
4−28776号公報、同4−189876号公報、同
4−359071号公報、同4−359072号公
報)、非水系液媒体を用いたり(特開平4−26147
8号公報)、耐水性に優れた染料を用いる(米国特許第
4963189号)等が提案されている。しかしなが
ら、インクとして顔料を用いると印刷物の彩度の低下を
招くという問題や、ノズル内で目詰まりを起こすといっ
た問題が生ずる恐れがある。また改善も十分とは言えな
い。
【0005】また、ラテックスを含有し耐水性を向上さ
せる(特開昭55−18412号公報)等が提案されて
いるが、ラテックスを混合した場合にはプリンタヘッド
で焦げ付きが激しく、やはりノズル内で目詰まりを起こ
すと言った問題が生じる。
【0006】従って、本発明の目的は、耐水性を一層向
上させ、且つプリンタヘッドへの焦げ付きがほとんど起
こらないようなインクジェット記録用水系インクを提供
することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決すべく鋭意検討した結果、疎水性染料を粒子中に封
入したビニルポリマー水分散体をインク基材として用い
ることにより、染料の有する発色性を損ねることなくイ
ンクの耐水性が向上することを見出した。またプリンタ
ヘッドへの焦げ付きを抑制するためには、特定の構造を
有するビニルポリマー水分散体が有効であることも見出
し、本発明を完成するに到った。
【0008】即ち、本発明は、下記式(1)で表される
シリコンマクロマー(a−1)及びアクリルアミド系モ
ノマー(a−2)又はメタクリルアミド系モノマー(a
−3)(但し、塩生成基を有するものは除く)からなる
群から選ばれる1種又は2種以上(a)と、塩生成基を
有する重合性不飽和単量体(b)と、これらモノマーと
共重合可能な単量体(c)とをラジカル重合開始剤の存
在下に共重合させて得られるビニルポリマーの水分散体
(A)を含有し、該分散体粒子中に疎水性染料(B)が
封入されていることを特徴とするインクジェット記録用
水系インクを提供するものである。
【0009】X(Y)nSi(R)3-m (Z)m (1) (式中、 X:重合可能な不飽和基を示す。 Y:二価の結合基を示す。 R:水素原子、低級アルキル基、アリール基又はアルコ
キシ基を示し、複数個のR は同一でも異なっていてもよ
い。 Z:少なくとも約500 の数平均分子量を有する一価シロ
キサンポリマー部分を示す。 n:0又は1を示す。 m:1〜3の整数を示す。)
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を詳細
に説明する。
【0011】本発明のインクジェット記録用水系インク
は、粒子中に疎水性染料を封入した特定のビニルポリマ
ー水分散体を含有することを特徴とするものである。即
ち、疎水性染料は少なくとも上記のような特定の構造を
有するビニルポリマーによって形成される水分散体の粒
子中に封入されている。
【0012】本発明に用いられるビニルポリマーとして
は、疎水性染料を少なくともその内部に一部でも封入し
うるミセルを形成し得るものであって、上記式(1)で
表されるシリコンマクロマー(a−1)及びアクリルア
ミド系モノマー(a−2)又はメタクリルアミド系モノ
マー(a−3)(但し、塩生成基を有するものは除く)
からなる群から選ばれる1種又は2種以上(a)と、塩
生成基を有する重合性不飽和単量体(b)と、これらモ
ノマーと共重合可能な単量体(c)とをラジカル重合開
始剤の存在下に共重合させて得られるものである。
【0013】また疎水性染料が封入されたビニルポリマ
ー水分散体(A)を得る方法としては、上記のようにし
て得られたビニルポリマーを、疎水性染料(B)と共に
有機溶剤に溶解させ、必要に応じ中和剤を加えてポリマ
ー中の塩生成基をイオン化し、次いで水を加えた後、有
機溶剤を留去して水系に転相する方法が好ましい。
【0014】本発明に用いられる上記式(1)で表され
るシリコンマクロマー(a−1)において、Xは重合可
能な不飽和基を示すが、具体的には、CH2=CH−、CH2
C(CH3)−等の基が挙げられる。Yは二価の結合基を示す
が、具体的には -COO-, -COOCbH2b- (ここで bは1〜
5の数を示す)、フェニレン基等が挙げられ、-COOC3H6
-が好ましい。R は水素原子;メチル基、エチル基等の
低級アルキル基;フェニル基等のアリール基;メトキシ
基等のアルコキシ基を示すが、メチル基が好ましい。Z
は少なくとも約500 の数平均分子量を有する一価シロキ
サンポリマー部分を示すが、好ましくは数平均分子量 8
00〜5000の一価のジメチルシロキサンポリマーである。
nは0又は1であるが、好ましくは1である。mは1〜
3の整数であるが、好ましくは1である。
【0015】このようなシリコンマクロマーとしては、
例えば、下記式(1−1)〜(1−4)で表される化合
物が挙げられる。
【0016】
【化2】
【0017】(式中、R'は水素原子又はメチル基、R は
前記の意味を示し、複数個のR は同一でも異なっていて
もよい。E は下記式
【0018】
【化3】
【0019】で表される基を示し、a は5〜65の数を示
す。) これらの中では式(1−1)で表される化合物が好まし
く、特に下記式(1−1−1)で表される構造を有する
シリコンマクロマーFM-0711(チッソ(株)製)が好まし
い。
【0020】
【化4】
【0021】(式中、a'は重量平均分子量が1000となる
数である。) 本発明に用いられる塩生成基を有さないアクリルアミド
系モノマー(a−2)又はメタクリルアミド系モノマー
(a−3)(以下(メタ)アクリルアミド系モノマーと
略記する)としては、アクリルアミド、 N−(1,1−ジメ
チル−3−オキソブチル)アクリルアミド(ダイアセト
ンアクリルアミド)、 N,N−ジメチルアクリルアミド、
N,N−ジエチルアクリルアミド、 N,N−ジイソプロピル
アクリルアミド、 N,N−ジブチルアクリルアミド、 N,N
−ジフェニルアクリルアミド、 N−t−ブチルアクリル
アミド、 N−t−ヘキシルアクリルアミド、 N−t−オ
クチルアクリルアミド、 N−(1−メチルウンデシル)
アクリルアミド、 N−イソボルニルアクリルアミド、 N
−ノルボルニルアクリルアミド、 N−アダマンチルアク
リルアミド、 N−ベンジルアクリルアミド、 N−(4−
メチルフェニル)メチルアクリルアミド、 N−ジフェニ
ルアクリルアミド、フタリミドメチルアクリルアミド、
アクリルアミドヒドロキシ酢酸、3−アクリルアミド−
3−メチルブタン酸、10−アクリルアミド−ウンデシル
酸、 N−(2,2,2−トリクロロ−1−ヒドロキシ)エチル
アクリルアミド、 N−(1,1,3,5−テトラメチル)オクチ
ルアクリルアミド、 N−(1,5−ジメチル−1−エチル)
ヘキシルアクリルアミド、 N−i−プロピルアクリルア
ミド、 N−メチロールアクリルアミド、 N−シクロヘキ
シルアクリルアミド、 N−(1,1,3−トリメチル)ブチル
アクリルアミド等のアクリルアミドモノマー、並びにメ
タクリルアミド、 N−(1,1−ジメチル−3−オキソブチ
ル)メタクリルアミド、 N,N−ジメチルメタクリルアミ
ド、 N,N−ジエチルメタクリルアミド、 N,N−ジイソプ
ロピルメタクリルアミド、 N,N−ジブチルメタクリルア
ミド、 N,N−ジフェニルメタクリルアミド、 N−t−ブ
チルメタクリルアミド、 N−t−ヘキシルメタクリルア
ミド、 N−t−オクチルメタクリルアミド、 N−(1−
メチルウンデシル)メタクリルアミド、 N−イソボルニ
ルメタクリルアミド、 N−ノルボルニルメタクリルアミ
ド、 N−アダマンチルメタクリルアミド、 N−ベンジル
メタクリルアミド、 N−(4−メチルフェニル)メチル
メタクリルアミド、 N−ジフェニルメタクリルアミド、
フタリミドメチルメタクリルアミド、 N−(2,2,2−トリ
クロロ−1−ヒドロキシ)エチルメタクリルアミド、 N
−(1,1,3,5−テトラメチル)オクチルメタクリルアミ
ド、 N−(1,5−ジメチル−1−エチル)ヘキシルメタク
リルアミド、 N−i−プロピルメタクリルアミド、 N−
メチロールメタクリルアミド、 N−シクロヘキシルメタ
クリルアミド、 N−(1,1,3−トリメチル)ブチルメタク
リルアミド等のメタクリルアミドモノマーが挙げられる
が、これらに限定されるものではない。
【0022】また、本発明に用いられる塩生成基を有す
る重合性不飽和単量体(b)としては、カチオン性の単
量体として、不飽和3級アミン含有モノマー、不飽和ア
ンモニウム塩含有モノマー等があり、具体的には、ビニ
ルピリジン、2−メチル−5−ビニルピリジン、2−エ
チル−5−ビニルピリジンの如きモノビニルピリジン
類; N,N−ジメチルアミノスチレン、 N,N−ジメチルア
ミノメチルスチレンの如きジアルキルアミノ基を有する
スチレン類; N,N−ジメチルアミノエチルアクリレー
ト、 N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、 N,N
−ジエチルアミノエチルアクリレート、 N,N−ジエチル
アミノエチルメタクリレート、 N,N−ジメチルアミノプ
ロピルアクリレート、 N,N−ジメチルアミノプロピルメ
タクリレート、 N,N−ジエチルアミノプロピルアクリレ
ート、 N,N−ジエチルアミノプロピルメタクリレートの
如きアクリル酸又はメタクリル酸のジアルキルアミノ基
を有するエステル類;2−ジメチルアミノエチルビニル
エーテルの如きジアルキルアミノ基を有するビニルエー
テル類; N−(N',N'−ジメチルアミノエチル)アクリル
アミド、 N−(N',N'−ジメチルアミノエチル)メタクリ
ルアミド、 N−(N',N'−ジエチルアミノエチル)アクリ
ルアミド、 N−(N',N'−ジエチルアミノエチル)メタク
リルアミド、 N−(N',N'−ジメチルアミノプロピル)ア
クリルアミド、 N−(N',N'−ジメチルアミノプロピル)
メタクリルアミド、 N−(N',N'−ジエチルアミノプロピ
ル)アクリルアミド、 N−(N',N'−ジエチルアミノプロ
ピル)メタクリルアミドの如きジアルキルアミノ基を有
するアクリルアミド又はメタクリルアミド類、あるいは
これらをハロゲン化アルキル(アルキル基の炭素数1か
ら18、ハロゲンとして塩素、臭素、ヨウ素)、ハロゲン
化ベンジル、例えば塩化ベンジル又は臭化ベンジル、ア
ルキル又はアリールスルホン酸、例えばメタンスルホン
酸、ベンゼンスルホン酸又はトルエンスルホン酸のアル
キルエステル(アルキル基の炭素数1から18)、及び硫
酸ジアルキル(アルキル基の炭素数1から4)の如き公
知の4級化剤で4級化したもの等が挙げられる。又、ア
ニオン性の単量体としては、不飽和カルボン酸モノマ
ー、不飽和スルホン酸モノマー、不飽和リン酸モノマー
等があり、具体的には、不飽和カルボン酸モノマーとし
ては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコ
ン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、2−メタ
クリロイルオキシメチルコハク酸等、又はそれらの無水
物及び塩があり、不飽和スルホン酸モノマーとしては、
スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチル
プロパンスルホン酸、3−スルホプロピル(メタ)アク
リル酸エステル、ビス−(3−スルホプロピル)−イタ
コン酸エステル等及びそれらの塩、その他2−ヒドロキ
シエチル(メタ)アクリル酸の硫酸モノエステル及びそ
れらの塩があり、不飽和リン酸モノマーとしては、ビニ
ルホスホン酸、ビニルホスフェート、ビス(メタアクリ
ロキシエチル)ホスフェート、ジフェニル−2−アクリ
ロイロキシエチルホスフェート、ジフェニル−2−メタ
クリロイロキシエチルホスフェート、ジブチル−2−ア
クリロイロキシエチルホスフェート、ジブチル−2−メ
タクリロイロキシエチルホスフェート、ジオクチル−2
−(メタ)アクリロイロキシエチルホスフェート等が挙
げられる。
【0023】本発明において用いられる上記単量体と共
重合可能な単量体(c)としては、アクリル酸メチル、
アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル
酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−
アミル、アクリル酸イソアミル、アクリル酸n−ヘキシ
ル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸n−オ
クチル、アクリル酸デシル、アクリル酸ドデシル等のア
クリル酸エステル類;メタクリル酸メチル、メタクリル
酸エチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n
−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−
アミル、メタクリル酸イソアミル、メタクリル酸n−ヘ
キシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル
酸n−オクチル、メタクリル酸デシル、メタクリル酸ド
デシル等のメタクリル酸エステル類;スチレン、ビニル
トルエン、2−メチルスチレン、クロルスチレン等のス
チレン系モノマー;2−ヒドロキシエチルアクリレー
ト、3−ヒドロキシプロピルアクリレート、ポリエチレ
ングリコールアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタ
クリレート、3−ヒドロキシプロピルメタクリレート、
ポリエチレングリコールメタクリレート等のヒドロキシ
ル基含有アクリレート又はメタクリレート等が挙げられ
る。
【0024】本発明において、上記ビニルポリマーを製
造する際には、上記式(1)で表されるシリコンマクロ
マー及び(メタ)アクリルアミド系モノマーからなる群
から選ばれる1種又は2種以上(a)を全単量体成分に
対して1〜40重量%、塩生成基を有する重合性不飽和単
量体(b)を全単量体成分に対して3〜40重量%、その
他の単量体成分(c)を全単量体成分に対して0〜89重
量%の割合で共重合することが好ましい。
【0025】本発明のビニルポリマーは、上記単量体
を、バルク重合法、溶液重合法、懸濁重合法、乳化重合
法等の公知の重合法により重合させることにより製造さ
れるが、特に溶液重合法により製造するのが好ましい。
溶液重合法で用いる溶剤としては極性有機溶剤が好まし
く、水混和性有機溶剤を水と混合して用いることもでき
る。かかる有機溶剤としては、例えばメタノール、エタ
ノール、プロパノール等の炭素数1〜3の脂肪族アルコ
ール;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;酢
酸エチル等のエステル類などが挙げられ、これらのう
ち、特にメタノール、エタノール、アセトン、メチルエ
チルケトン又はこれらと水との混合液が好ましい。これ
ら有機溶剤は、単独又は2種以上を組み合わせて用いる
ことができる。
【0026】上記重合に用いられるラジカル重合開始剤
としては、例えば、2,2'−アゾビスイソブチロニトリ
ル、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、
2,2'−アゾビス(4−メトキシ−2,4 −ジメチルバレロ
ニトリル)、ジメチル−2,2'−アゾビスブチレート、2,
2'−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1'−ア
ゾビス(1−シクロヘキサンカルボニトリル)等のアゾ
化合物が好適である。また、t−ブチルペルオクトアー
ト、ジクミルペルオキシド、ジ−t−ブチルペルオキシ
ド、ジベンゾイルオキシド等の有機過酸化物を使用する
こともできる。これら重合開始剤は、モノマー混合物に
対して0.001〜 2.0モル%、特に0.01〜1.0モル%用いる
のが好ましい。
【0027】上記重合時には、さらに重合連鎖移動剤を
添加してもよい。使用される重合連鎖移動剤の具体例と
しては、例えば、オクチルメルカプタン、n−ドデシル
メルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、n−ヘキサ
デシルメルカプタン、n−テトラデシルメルカプタン、
t−テトラデシルメルカプタンなどのメルカプタン類;
ジメチルキサントゲンジスルフィド、ジエチルキサント
ゲンジスルフィド、ジイソプロピルキサントゲンジスル
フィドなどのキサントゲンジスルフィド類;テトラメチ
ルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスル
フィド、テトラブチルチウラムジスルフィドなどのチウ
ラムジスルフィド類;四塩化炭素、臭化エチレンなどの
ハロゲン化炭化水素類;ペンタフェニルエタンなどの炭
化水素類;及びアクロレイン、メタクロレイン、アリル
アルコール、2−エチルヘキシルチオグリコレート、タ
ービノーレン、α−テルピネン、γ−テルピネン、ジペ
ンテン、α−メチルスチレンダイマー(2,4 −ジフェニ
ル−4−メチル−1−ペンテンが50重量部以上のものが
好ましい)、さらに9,10−ジヒドロアントラセン、1,4
−ジヒドロナフタレン、インデン、 1,4−シクロヘキサ
ジエン等の不飽和環状炭化水素化合物;キサンテン、
2,5−ジヒドロフラン等の不飽和ヘテロ環状化合物等が
挙げられる。これらは、単独でも2種以上を組み合わせ
て使用してもよい。
【0028】重合は、通常30〜 100℃、好ましくは50〜
80℃で1〜10時間行われ、使用するラジカル重合開始
剤、モノマー、溶剤の種類などにより適宜選定される。
また、重合は、窒素等の不活性ガス雰囲気下で行うのが
好ましい。重合後、反応液から再沈澱、溶剤留去など、
公知の方法により共重合体を単離することができる。ま
た、得られた共重合体は、再沈澱を繰り返したり、膜分
離、クロマトグラフ法、抽出法などにより、未反応のモ
ノマー等を除去して精製することができる。
【0029】このようにして得られる本発明のビニルポ
リマーの重量平均分子量は 3,000〜50,000であること
が、プリンタヘッドの焦げ付き性や、印刷後のインクの
耐久性、及び分散体の形成性の点から好ましい。
【0030】本発明において、疎水性染料(B)は少な
くとも上記のようにして得られるビニルポリマーによっ
て形成される分散体中に封入され得る染料であれば特に
制限なく用いることができ、例えば油性染料、分散染
料、直接染料、酸性染料、及び塩基性染料等を挙げるこ
とができるが、良好な封入性の観点から油性染料及び分
散染料を用いることが特に好ましい。
【0031】上記油性染料としては、特に限定されるも
のではないが、例えば、C.I.ソルベント・ブラック3,
7,27,29,34、C.I.ソルベント・イエロー14, 16, 2
9, 30, 56, 82, 93, 162 、C.I.ソルベント・レッド
1,3,8,18,24,27,43,49, 51,72,73, 109, 1
22, 218 、C.I.ソルベント・バイオレット3、C.I.ソル
ベント・ブルー2,11, 25, 35, 70、C.I.ソルベント・
グリーン3, 7及びC.I.ソルベント・オレンジ2等が挙
げられる。
【0032】また、上記分散染料としては特に限定され
るものでないが、好ましい例としては、C.I.ディスパー
ズ・イエロー 5, 42, 54, 64, 79, 82, 83, 93, 99, 10
0, 119, 122, 124, 126, 160, 184:1, 186, 198, 199,
204, 224, 237 、C.I.ディスパーズ・オレンジ13, 29,
31:1,33, 49, 54, 55, 66, 73, 118, 119, 163 、C.I.
ディスパーズ・レッド54, 60, 72, 73, 86, 88, 91, 9
2, 93, 111, 126, 127,134, 135, 143, 145, 152, 153,
154, 159, 164, 167:1, 177, 181, 204, 206,207, 22
1, 239, 240, 258, 277, 278, 283, 311, 323, 343, 34
8, 356, 362 、C.I.ディスパーズ・バイオレッド33、C.
I.ディスパーズ・ブルー56, 60, 73, 87, 113, 128, 14
3, 148, 154, 158, 165, 165:1,165:2, 176, 183, 18
5, 197, 198, 201, 214, 224, 225, 257, 266, 267, 28
7, 354, 358, 365, 368、C.I.ディスパーズ・グリーン
6:1,9が挙げられる。
【0033】本発明に用いられる疎水性染料は、後述す
る転相乳化によって上記ビニルポリマーに効率的に封入
される観点から、有機溶剤に2g/リットル以上溶解す
ることが好ましく、20〜 500g/リットル溶解すること
が更に好ましい。
【0034】本発明のインクジェット記録用水系インク
に用いられる染料が封入されたビニルポリマー水分散体
は、好ましくは転相乳化法によって製造される。即ち、
重合により得られた上記ビニルポリマーを、疎水性染料
と共に有機溶剤に溶解させ、必要に応じ中和剤を加えて
ポリマー中の塩生成基をイオン化し、次いで水を加えた
後、有機溶剤を留去して水系に転相することにより得る
ことができる。
【0035】以下、転相乳化法について詳述する。ま
ず、上記ビニルポリマー及び疎水性染料を有機溶剤に溶
解させる。この場合、有機溶剤 100重量部に対して、ビ
ニルポリマー5〜50重量部及び疎水性染料0.1 〜50重量
部を溶解させることが安定性の良い水分散体を得る点か
ら好ましい。
【0036】ここで用いられる有機溶剤としては、親水
性有機溶剤が好ましく、具体的にはアルコール系、ケト
ン系あるいはエーテル系等の溶剤が挙げられる。アルコ
ール系溶剤としては、例えばメタノール、エタノール、
n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノー
ル、第2級ブタノール、第3級ブタノール、イソブタノ
ール、ジアセトンアルコール等が挙げられる。ケトン系
溶剤としては、例えばアセトン、メチルエチルケトン、
ジエチルケトン、ジプロピルケトン、メチルイソブチル
ケトン、メチルイソプロピルケトン等が挙げられる。エ
ーテル系溶剤としては、ジエチルエーテル、ジブチルエ
ーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等が挙げられ
る。これらの中ではイソプロパノール、アセトン、メチ
ルエチルケトンが好ましい。これらの親水性有機溶剤は
1種又は2種以上が混合して用いられ、必要によって
は、高沸点親水性有機溶剤を併用しても良い。高沸点親
水性有機溶剤としては、フェノキシエタノール、エチレ
ングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコール
モノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエ
ーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジ
エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレング
リコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジ
エチルエーテル、3−メチル−3−ブトキシブタノール
等が挙げられる。
【0037】次に、上記ビニルポリマー及び疎水性染料
の有機溶剤溶液に必要に応じて中和剤を加え、該ビニル
ポリマー中の塩生成基をイオン化する。中和剤としては
塩生成基の種類に応じてそれぞれ公知の酸或いは塩基を
用いれば良い。酸としては、例えば塩酸、硫酸等の無機
酸、酢酸、プロピオン酸、乳酸、コハク酸、グリコール
酸等の有機酸が挙げられる。また、塩基としては、例え
ばトリメチルアミン、トリエチルアミン等の3級アミン
類、アンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等
が挙げられるが、上記に限定されるものではない。中和
度については特に限定は無いが、得られる自己分散型ポ
リマー微粒子の水分散液の液性が弱酸性〜中性になるよ
うに中和するのが望ましい。
【0038】上記中和剤の添加後、上記有機溶剤に水
(イオン交換水)を加えて、系を減圧下に加熱すること
により、上記有機溶剤を留去すると共に所定量の水を留
去し、所定量の固形分濃度を有する本発明のビニル系ポ
リマー分散体が得られる。加える水の量は、上記中和剤
添加後の有機溶剤 100重量部に対して 100〜 300重量部
であることが好ましい。この場合、上記有機溶剤に一般
的な分散剤を添加しても良い。
【0039】このようにして得られた、疎水性染料を封
入したビニルポリマー水分散体の粒径は、0.01〜0.50μ
mであることが好ましい。上記粒径が0.01μmに満たな
いとインクのにじみが発生し、0.50μmを越えると分散
体の安定性を損ねる恐れがあるため、上記範囲内である
ことが好ましい。上記粒径は、0.02〜0.15μmであるこ
とが更に好ましい。
【0040】本発明のインクジェット記録用水系インク
において、上記疎水性染料が封入されたビニルポリマー
水分散体中のポリマー分としては、固形分換算で該イン
ク中に1〜50重量%配合されることが好ましく、2〜30
重量%配合されることが更に好ましい。上記ビニルポリ
マーの配合量が1重量%に満たないと、印字濃度が不十
分であり、50重量%を越えるとインクの分散安定性が低
下したり、ノズル先端でのインク蒸発に伴う液の増粘や
粒子の凝集が起こることによって、ヘッドの目詰まりが
起こる場合があるので、上記範囲内とすることが好まし
い。
【0041】一方、疎水性染料は、本発明の水系インク
中に1〜10重量%配合されることが好ましく、1.5 〜5
重量%配合されることが更に好ましい。疎水性染料の配
合量が1重量%に満たないと印字濃度が不十分であり、
10重量%を越えると水分散体の経時安定性が低下し、粒
径増大の傾向があるので、上記範囲内とすることが好ま
しい。
【0042】本発明のインクジェット記録用水系インク
は、水を媒体とし、疎水性染料を封入した上記特定のビ
ニルポリマー分散体を含有するのに加えて、従来公知の
各種添加剤、例えば多価アルコール類のような湿潤剤、
分散剤、消泡剤、防黴剤及び/又はキレート剤等を添加
することが好ましい。
【0043】ここで、湿潤剤としては、例えばエチレン
グリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコ
ール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコー
ル、グリセリン、ジエチレングリコールジエチルエーテ
ル、ジエチレングリコールモノn−ブチルエーテル等の
多価アルコール及びそのエーテル、アセテート類、 N−
メチル−2−ピロリドン、 1,3−ジメチルイミダゾリジ
ノン等の含窒素化合物類の1種又は2種以上を使用する
ことができる。これらの湿潤剤の配合量に特に制限はな
いが、上記インク中に好ましくは 0.1〜50重量%配合す
ることができ、更に好ましくは 0.1〜30重量%配合する
ことができる。
【0044】また分散剤としては、特に制限されない
が、ビニルポリマー分散体の安定性を損なわない範囲
で、アニオン系、ノニオン系、カチオン系の分散剤を用
いることができる。また、消泡剤としては特に制限され
ないが、下記式(2)で表される化合物を用いること
が、インク調製の際における泡の発生の抑制及びインク
の表面張力の調整の点から特に好ましい。
【0045】
【化5】
【0046】〔式中、R1, R2, R3及びR4は同一又は異な
って、炭素数1〜10のアルキル基又は置換基を有してい
てもよいフェニル基を示し、R5及びR6は同一又は異なっ
て、炭素数1〜10のアルキル基、置換基を有していても
よいフェニル基、水酸基、アミノ基、カルボキシル基又
はエポキシ基を示し、p及びqは同一又は異なって、0
〜1000、好ましくは10〜100 の整数を示す。〕 上記式(2)で表される化合物としては、例えば信越シ
リコーン(株)製の、KF96, 66, 69, KS68, 604, 6
07A, 602, 603, KM73, 73A, 73E, 72, 72A,72
C, 72F, 82F,70, 71, 75, 80, 83A, 85, 89, 90,
68-1F, 68-2F等が挙げられる。
【0047】消泡剤の配合量は特に制限はないが、本発
明のインクジェット記録用水系インク中に 0.001〜 2.0
重量%配合されることが好ましく、0.005 〜0.5 重量%
配合されることが更に好ましい。消泡剤の配合量が 0.0
01重量%に満たないとインク調整時に泡が発生し易く、
また、インク内での小泡除去が難しく、 2.0重量%を越
えると泡の発生は抑えられるものの、印字の際、インク
内でハジキが発生し、印字品質の低下が起こるので、上
記範囲内とすることが好ましい。
【0048】このようにして得られた本発明のインクジ
ェット記録用水系インクは、非常に優れた耐水性を有
し、またプリンターヘッドへの焦げ付きも防止すること
ができる。
【0049】
【実施例】以下に、本発明に係わるビニルポリマー分散
体の製造例、及び本発明の水系インクの実施例及び比較
例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれ
らに限定されるものではないことは勿論である。尚、例
中の部及び%は特記しない限り重量基準である。
【0050】製造例1〜6 攪拌機、還流冷却管、滴下ロート、温度計、窒素導入管
の付いた反応容器に、重合溶媒としてメチルエチルケト
ン20部、重合性不飽和単量体として、表1及び表2の初
期仕込モノマーの欄に記載されているモノマー及び重合
連鎖移動剤を仕込み、窒素ガス置換を十分行った。一
方、滴下ロート中に、表1及び表2の滴下モノマーの欄
に記載されているモノマー及び重合連鎖移動剤とメチル
エチルケトン60部、、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバ
レロニトリル)0.2部を十分窒素置換を行った後に仕込ん
だ。窒素雰囲気下、反応容器内の混合溶液を攪拌しなが
ら65℃まで昇温し、滴下ロート中の混合溶液を3時間か
けて徐々に滴下した。滴下終了2時間後、2,2'−アゾビ
ス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.1部をメチルエチル
ケトン5部に溶解した溶液を加え、更に65℃で2時間、
70℃で2時間熟成させることにより共重合体溶液を得
た。
【0051】得られた共重合体溶液の一部を、減圧下、
105℃で2時間乾燥させ、完全に溶媒を除去することに
よって単離し、標準物質としてポリスチレン、溶媒とし
てテトラヒドロフランを用いたゲルパーミエーションク
ロマトグラフィーにより分子量を測定したところ、重量
平均分子量として約10,000であった。
【0052】上記で得られた共重合体溶液にアセトン10
00部、及び表1及び表2に示す疎水性染料を33.4部を加
えて完全に溶解させ、攪拌下、表1及び表2に示す塩基
の30%水溶液を98部加えて共重合体中の塩生成基を一部
中和し、イオン交換水1500部を加えた後、減圧下60℃で
メチルエチルケトン及びアセトンを完全に除去し、更に
一部の水を除去することにより濃縮し、固形分濃度が13
重量%の疎水性染料封入ビニルポリマー水分散体を得
た。
【0053】
【表1】
【0054】
【表2】
【0055】実施例1〜6 製造例1〜6で得られたビニルポリマー分散体80部とジ
エチレングリコール10部、イオン交換水10部、消泡剤
(信越シリコーン(株)製KM-71) 0.1部を混合し、得
られた分散液を 0.2μmのフィルターによって濾過し、
ごみ及び粗大粒子を除去して、水系インクを得た。得ら
れたインクについて、下記方法により物性を評価した。
結果を表3に示す。
【0056】<評価方法> (1) 印字濃度 印字は、市販のキャノン(株)製のマイクロバブルジェ
ットプリンター(型番BJ−10VL)を用いて、PP
C用再生紙(日本加工製紙(株)製)にベタ印字を行
い、室温にて24時間自然乾燥させた後、その光学濃度を
マクベス濃度計RD918(マ11クベス社製)で測定した。
【0057】(2) にじみ 上記プリンターを用い、PPC用再生紙(日本加工製紙
(株)製)に英数文字を印字し、1時間以上放置した
後、顕微鏡及び目視で文字のシャープさや文字より発生
するヒゲ状のにじみの度合を下記基準で評価した。 ○:文字がシャープでヒゲ状のにじみもない △:文字がシャープさがなく、にじみも少し発生 ×:文字がシャープさがなく、にじみも多い。
【0058】(3) 耐水性 上記プリンターを用い、PPC用再生紙(日本加工製紙
(株)製)にベタ印字し、1時間以上乾燥した後、静水
中に垂直に10秒間浸漬し、そのまま垂直に引き上げた。
室温にて自然乾燥させた後、同じ印字の印字濃度を上記
マクベス濃度計を用いて測定し、下記式から耐水性を求
めた。 耐水性(%)=浸漬後の印字濃度/初期の印字濃度×10
0 (4) 耐焦げ付き性 上記プリンターを用い、A4版のPPC用再生紙(日本
加工製紙(株)製)にベタ印字を5枚行い、その後、イ
ンクカートリッジ内の加熱部を顕微鏡によって観察し、
インクの焦げ付き性の程度を下記基準にて評価した。 ○:焦げの付着が認められない △:焦げの付着がやや認められる ×:焦げの付着がはげしい。
【0059】比較例1〜2 比較例として通常のインクジェット記録用インクに使用
されている水溶性染料を用いて以下の配合により、イン
クを調製した。得られたインクについて、上記実施例と
同様に物性を評価した。結果を表3に示す。
【0060】<比較例1のインク> C.I.ダイレクトイエロー132 1.5% ジエチレングリコール 7.5% グリセリン 2.5% イオン交換水 88.5% <比較例2のインク> C.I.アシッドレッド52 1.5% トリエチレングリコール 10 % 1,2,6 −ヘキサントリオール 5 % イオン交換水 83.5%
【0061】
【表3】

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式(1)で表されるシリコンマクロ
    マー(a−1)及びアクリルアミド系モノマー(a−
    2)又はメタクリルアミド系モノマー(a−3)(但
    し、塩生成基を有するものは除く)からなる群から選ば
    れる1種又は2種以上(a)と、塩生成基を有する重合
    性不飽和単量体(b)と、これらモノマーと共重合可能
    な単量体(c)とをラジカル重合開始剤の存在下に共重
    合させて得られるビニルポリマーの水分散体(A)を含
    有し、該分散体粒子中に疎水性染料(B)が封入されて
    いることを特徴とするインクジェット記録用水系イン
    ク。 X(Y)nSi(R)3-m (Z)m (1) (式中、 X:重合可能な不飽和基を示す。 Y:二価の結合基を示す。 R:水素原子、低級アルキル基、アリール基又はアルコ
    キシ基を示し、複数個のR は同一でも異なっていてもよ
    い。 Z:少なくとも約500 の数平均分子量を有する一価シロ
    キサンポリマー部分を示す。 n:0又は1を示す。 m:1〜3の整数を示す。)
  2. 【請求項2】 シリコンマクロマー(a−1)が下記式
    (1−1)で表される化合物である請求項1記載のイン
    クジェット記録用水系インク。 【化1】 (式中、R'は水素原子又はメチル基、R は前記の意味を
    示し、2a+3個のR は同一でも異なっていてもよい。a
    は5〜65の数を示す。)
  3. 【請求項3】 ビニルポリマーの重量平均分子量が 3,0
    00〜50,000の範囲である請求項1又は2記載のインクジ
    ェット記録用水系インク。
  4. 【請求項4】 疎水性染料が封入されているビニルポリ
    マーの水分散体(A)が、上記式(1)で表されるシリ
    コンマクロマー(a−1)及びアクリルアミド系モノマ
    ー(a−2)又はメタクリルアミド系モノマー(a−
    3)(但し、塩生成基を有するものは除く)からなる群
    から選ばれる1種又は2種以上(a)と、塩生成基を有
    する重合性不飽和単量体(b)と、これらモノマーと共
    重合可能な単量体(c)とをラジカル重合開始剤の存在
    下に共重合させて得られるビニルポリマーを、疎水性染
    料(B)と共に有機溶剤に溶解させ、必要に応じ中和剤
    を加えてポリマー中の塩生成基をイオン化し、次いで水
    を加えた後、有機溶剤を留去して水系に転相することに
    より製造される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の
    インクジェット記録用水系インク。
JP2468097A 1996-02-22 1997-02-07 インクジェット記録用水系インク Expired - Fee Related JP3304802B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2468097A JP3304802B2 (ja) 1996-02-22 1997-02-07 インクジェット記録用水系インク

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8-35081 1996-02-22
JP3508196 1996-02-22
JP2468097A JP3304802B2 (ja) 1996-02-22 1997-02-07 インクジェット記録用水系インク

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH09286939A true JPH09286939A (ja) 1997-11-04
JP3304802B2 JP3304802B2 (ja) 2002-07-22

Family

ID=26362237

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2468097A Expired - Fee Related JP3304802B2 (ja) 1996-02-22 1997-02-07 インクジェット記録用水系インク

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3304802B2 (ja)

Cited By (27)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6538047B1 (en) 1999-09-29 2003-03-25 Seiko Epson Corporation Ink composition and ink jet recording method using the same
US6676254B2 (en) 2000-12-21 2004-01-13 Canon Kabushiki Kaisha Recording method, ink cartridge, printing device and information recording apparatus
US6676734B2 (en) * 2000-08-08 2004-01-13 Canon Kabushiki Kaisha Ink, ink-jet recording process, recorded article, recording unit, ink cartridge, ink-jet recording apparatus, fluorescence enhancing method and method of elongating life time of fluorescence
JP2004346173A (ja) * 2003-05-21 2004-12-09 Kao Corp インクジェット記録用水系インク
US6864302B2 (en) 2000-09-14 2005-03-08 Seiko Epson Corporation Ink jet recording method and ink set therefor
JP2005232416A (ja) * 2004-02-23 2005-09-02 Kao Corp 染料含有水不溶性ビニル系ポリマー粒子の分散体の製造法
EP1652897A1 (en) 2002-06-25 2006-05-03 Kao Corporation Water-based ink
US7060123B2 (en) 2000-08-08 2006-06-13 Canon Kabushiki Kaisha Fluorescent ink, and ink cartridge recording unit, ink-jet recording method, and ink-jet recording apparatus employing the fluorescent ink
US7074843B2 (en) 2001-08-27 2006-07-11 Seiko Epson Corporation Microencapsulated pigment, production process therefor, aqueous dispersion and ink jet recording ink
US7253216B2 (en) 2002-09-30 2007-08-07 Seiko Epson Corporation Microencapsulated pigment, production process therefor, and aqueous dispersion and ink jet recording ink using the pigment
US7361699B2 (en) 2002-12-27 2008-04-22 Kao Corporation Water-based ink
US7423076B2 (en) 2003-10-14 2008-09-09 Seiko Epson Corporation Microencapsulated pigment, preparation process therefor, aqueous dispersion and ink jet recording ink
JP2009013394A (ja) * 2007-06-08 2009-01-22 Fujifilm Corp インク組成物、インクセット、及びインクジェット記録方法
WO2009025287A1 (ja) 2007-08-21 2009-02-26 Kao Corporation インクジェット記録用水系インク
WO2009038098A1 (ja) 2007-09-20 2009-03-26 Kao Corporation インクジェット記録用水系インク
WO2009063996A1 (ja) 2007-11-15 2009-05-22 Seiko Epson Corporation インク組成物
DE112007003023T5 (de) 2006-12-19 2009-10-22 Kao Corp. Tinten auf Wasserbasis zum Tintenstrahldrucken
DE112007003070T5 (de) 2006-12-19 2009-10-29 Kao Corporation Tinten auf Wasserbasis für den Tintenstrahldruck
DE112007002986T5 (de) 2006-12-19 2009-10-29 Kao Corp. Tinten auf Wasserbasis zum Tintenstrahldrucken
WO2009133796A1 (ja) 2008-04-28 2009-11-05 花王株式会社 インクジェット記録用水系インク
WO2009133797A1 (ja) 2008-04-28 2009-11-05 花王株式会社 インクジェット記録用水系インク
US7812068B2 (en) 2004-08-09 2010-10-12 Ricoh Company, Ltd. Recording ink, inkjet recording method and inkjet recording apparatus using the same
US7906567B2 (en) 2006-04-25 2011-03-15 Seiko Epson Corporation Process for producing encapsulated product, and encapsulated product
EP2412766A1 (en) 2010-07-30 2012-02-01 Fujifilm Corporation Ink composition, ink set, and image forming method
US8524803B2 (en) 2004-10-18 2013-09-03 Seiko Epson Corporation Encapsulation product, process for producing the same, and ink composition
US8710117B2 (en) 2006-09-08 2014-04-29 Kao Corporation Crosslinked core/shell polymer particles
WO2014208548A1 (ja) 2013-06-25 2014-12-31 花王株式会社 インクジェット記録用水系インクの製造方法

Cited By (34)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6538047B1 (en) 1999-09-29 2003-03-25 Seiko Epson Corporation Ink composition and ink jet recording method using the same
US7144105B2 (en) 2000-08-08 2006-12-05 Canon Kabushiki Kaisha Ink, ink-jet recording process, recorded article, recording unit, ink cartridge, ink-jet recording apparatus, fluorescence enhancing method and method of elongating life time of fluorescence
US6676734B2 (en) * 2000-08-08 2004-01-13 Canon Kabushiki Kaisha Ink, ink-jet recording process, recorded article, recording unit, ink cartridge, ink-jet recording apparatus, fluorescence enhancing method and method of elongating life time of fluorescence
US7220301B2 (en) 2000-08-08 2007-05-22 Canon Kabushiki Kaisha Ink, ink-jet recording process, recorded article, recording unit, ink cartridge, ink-jet recording apparatus fluorescence enhancing method and method of elongating life time of fluorescence
US7060123B2 (en) 2000-08-08 2006-06-13 Canon Kabushiki Kaisha Fluorescent ink, and ink cartridge recording unit, ink-jet recording method, and ink-jet recording apparatus employing the fluorescent ink
US6864302B2 (en) 2000-09-14 2005-03-08 Seiko Epson Corporation Ink jet recording method and ink set therefor
US6676254B2 (en) 2000-12-21 2004-01-13 Canon Kabushiki Kaisha Recording method, ink cartridge, printing device and information recording apparatus
US7185978B2 (en) 2000-12-21 2007-03-06 Canon Kabushiki Kaisha Recording method, ink cartridge, printing device and information recording apparatus
US7683108B2 (en) 2001-08-27 2010-03-23 Seiko Epson Corporation Microencapsulated pigment, production process therefor, aqueous dispersion, and ink jet recording ink
US7074843B2 (en) 2001-08-27 2006-07-11 Seiko Epson Corporation Microencapsulated pigment, production process therefor, aqueous dispersion and ink jet recording ink
EP1652897A1 (en) 2002-06-25 2006-05-03 Kao Corporation Water-based ink
US7253216B2 (en) 2002-09-30 2007-08-07 Seiko Epson Corporation Microencapsulated pigment, production process therefor, and aqueous dispersion and ink jet recording ink using the pigment
US7361699B2 (en) 2002-12-27 2008-04-22 Kao Corporation Water-based ink
JP2004346173A (ja) * 2003-05-21 2004-12-09 Kao Corp インクジェット記録用水系インク
JP4527365B2 (ja) * 2003-05-21 2010-08-18 花王株式会社 インクジェット記録用水系インク
US7423076B2 (en) 2003-10-14 2008-09-09 Seiko Epson Corporation Microencapsulated pigment, preparation process therefor, aqueous dispersion and ink jet recording ink
US7812070B2 (en) 2003-10-14 2010-10-12 Seiko Epson Corporation Microencapsulated pigment, preparation process therefor, aqueous dispersion and ink jet recording ink
JP2005232416A (ja) * 2004-02-23 2005-09-02 Kao Corp 染料含有水不溶性ビニル系ポリマー粒子の分散体の製造法
US7812068B2 (en) 2004-08-09 2010-10-12 Ricoh Company, Ltd. Recording ink, inkjet recording method and inkjet recording apparatus using the same
US8524803B2 (en) 2004-10-18 2013-09-03 Seiko Epson Corporation Encapsulation product, process for producing the same, and ink composition
US7906567B2 (en) 2006-04-25 2011-03-15 Seiko Epson Corporation Process for producing encapsulated product, and encapsulated product
US8710117B2 (en) 2006-09-08 2014-04-29 Kao Corporation Crosslinked core/shell polymer particles
DE112007002986T5 (de) 2006-12-19 2009-10-29 Kao Corp. Tinten auf Wasserbasis zum Tintenstrahldrucken
DE112007003070T5 (de) 2006-12-19 2009-10-29 Kao Corporation Tinten auf Wasserbasis für den Tintenstrahldruck
DE112007003023T5 (de) 2006-12-19 2009-10-22 Kao Corp. Tinten auf Wasserbasis zum Tintenstrahldrucken
JP2009013394A (ja) * 2007-06-08 2009-01-22 Fujifilm Corp インク組成物、インクセット、及びインクジェット記録方法
WO2009025287A1 (ja) 2007-08-21 2009-02-26 Kao Corporation インクジェット記録用水系インク
WO2009038098A1 (ja) 2007-09-20 2009-03-26 Kao Corporation インクジェット記録用水系インク
EP2985322A1 (en) 2007-09-20 2016-02-17 Kao Corporation Water-based ink for ink-jet recording
WO2009063996A1 (ja) 2007-11-15 2009-05-22 Seiko Epson Corporation インク組成物
WO2009133797A1 (ja) 2008-04-28 2009-11-05 花王株式会社 インクジェット記録用水系インク
WO2009133796A1 (ja) 2008-04-28 2009-11-05 花王株式会社 インクジェット記録用水系インク
EP2412766A1 (en) 2010-07-30 2012-02-01 Fujifilm Corporation Ink composition, ink set, and image forming method
WO2014208548A1 (ja) 2013-06-25 2014-12-31 花王株式会社 インクジェット記録用水系インクの製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3304802B2 (ja) 2002-07-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3304802B2 (ja) インクジェット記録用水系インク
EP0791610B1 (en) Aqueus ink for inkjet printing
JP4472119B2 (ja) 水性インク組成物
US6676736B2 (en) Water-based ink composition
JP3534395B2 (ja) インクジェット記録用水系インク
JP3386998B2 (ja) 水系インクの製造方法
US6740690B2 (en) Water-based ink composition
JP3322790B2 (ja) インクジェット記録用水系インク
US6762217B2 (en) Water-based ink
JP2000191972A (ja) インクセット
JP3919093B2 (ja) 水系インク
JP4138304B2 (ja) インクセット
JP2000191967A (ja) インクジェット記録用水系インク
US6960622B2 (en) Ink set
JP2003073599A (ja) 水系インク
JP3477458B2 (ja) 水性インク組成物
JP3506426B2 (ja) 水系インク
JP4312662B2 (ja) インクジェット記録用水系インク
JPH1161017A (ja) インクジェット記録用水系インク
JP2001329200A (ja) 水性インク組成物
JP4472245B2 (ja) インクセット
JP3463047B2 (ja) 水性インク組成物
JP2001187852A (ja) インクジェット記録用インク
JP2004217905A (ja) 水系インク
JP4044252B2 (ja) インクジェット記録用水系インク

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090510

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090510

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100510

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110510

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110510

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120510

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130510

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140510

Year of fee payment: 12

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees