JPH1161017A - インクジェット記録用水系インク - Google Patents

インクジェット記録用水系インク

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Publication number
JPH1161017A
JPH1161017A JP22133797A JP22133797A JPH1161017A JP H1161017 A JPH1161017 A JP H1161017A JP 22133797 A JP22133797 A JP 22133797A JP 22133797 A JP22133797 A JP 22133797A JP H1161017 A JPH1161017 A JP H1161017A
Authority
JP
Japan
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group
ink
monomer
methacrylamide
vinyl polymer
Prior art date
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Pending
Application number
JP22133797A
Other languages
English (en)
Inventor
Takehiro Tsutsumi
武弘 堤
Akishi Azuma
晃志 東
Michitaka Sawada
道隆 澤田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
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Filing date
Publication date
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Publication of JPH1161017A publication Critical patent/JPH1161017A/ja
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  • Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 インクジェット記録方式において重要な、適
正インク物性を有し、印刷物の十分な印字濃度を発現
し、保存安定性が良好で、且つプリンタヘッドへの焦げ
付きがほとんど起こらないインクジェット記録用水系イ
ンクの提供。 【解決手段】 特定のシリコーンマクロマー及びアクリ
ルアミド又はメタクリルアミド系モノマー(但し、塩生
成基を有するものは除く)からなる群から選ばれる1種
又は2種以上と、塩生成基を有する重合性不飽和単量体
と、これら単量体と共重合可能な単量体をラジカル重合
開始剤の存在下に共重合させて得られるビニルポリマー
の水系分散体を含有し、該分散体粒子中に疎水性染料が
封入され、20℃における粘度が 0.5〜5cps、表面張力が
20〜60dyne/cm に調整されているインクジェット記録用
水系インク。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、印刷物の印字濃度
が向上し、且つ被印字物への定着性及び耐水性の向上し
た水系インクに関するものであり、特にインクジェット
記録用水系インクとして、耐水性を一層向上させ、且つ
プリンターヘッドへの焦げ付きを防止した水系インクに
関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】インク
ジェット記録方法は、非常に微細なノズルからインク液
滴を記録部材に直接吐出、付着させて、文字や画像を得
る記録方式である。インクの吐出方式としては、プリン
タヘッドに圧電素子を利用した圧電式と、発熱抵抗素子
のヒーターを利用した熱ジェット式とが広く用いられて
いる。この方式に用いられるインクは、ノズルにインク
が目詰まりするのを防止する為に、通常水に溶解する水
溶性染料が用いられる。水溶性染料を用いる事により、
インクはノズルに目詰まりし難くなるが、反面耐水性に
劣るという問題や、特に熱ジェット式の場合、プリンタ
ヘッドにおける過剰の熱により染料が酸化され、インク
がプリンタヘッドに焦げ付き易いと言う問題があった。
また、何れの方式においても微細なノズルから液を吐出
させるため、インクを安定に吐出させるためには、イン
クの粘性抵抗が低く、適正な表面張力を有する等のイン
ク物性においても、非常に厳しい制御が必要である。
【0003】これまで、インクジェット記録用インクの
耐水性を向上させるために、インクとして顔料を用いた
り(特開平4-28776 号公報、同4-189876号公報、同4-35
9071号公報、同4-359072号公報)、非水系溶媒を用いた
り(特開平4-261478号公報)、耐水性に優れた染料を用
いたり(米国特許第4963189 号明細書)すること等が提
案されている。しかしながら、インクとして顔料を用い
ると印刷物の彩度の低下を招くという問題やノズル内で
の目詰まりといった問題が生ずる怖れがあり、また、紙
やOHPシート等の被印字物への定着性が不十分であ
り、印刷物としての記録保持性に問題があった。その他
の提案も未だ耐水性及び定着性の両方の特性を十分に満
足したインクは得られていない。
【0004】また、水性媒体中の水不溶性ポリマーに油
溶性染料の有機溶剤溶液を加え、ポリマー中に染料を含
浸させたインク(特開昭54-58504号公報)、表面活性剤
を用いて油性染料をポリマー中に含有させたインク(特
開昭62-95366号公報)、自己乳化性樹脂を用いて染料等
の疎水性物質を封入したインク(特開平3-221137号公
報)等のポリマーエマルジョンを用いる事が提案されて
いる。
【0005】しかしながら、水中に分散したポリマー粒
子に染料を含浸させた場合には、ポリマーに対する染料
の割合が低く、十分な印字濃度を得るためには分散体濃
度を高くする必要があり、この為、粘度の上昇や耐乾燥
性に劣るといった問題が生じる。また、表面活性剤を用
いてポリマー中に染料を含有させた場合には粘度は低い
ものの、粒径が大きく分散体の安定性が不十分であり、
更に自己乳化性樹脂を用いた場合には染料を封入できる
割合が少ない事に加え、ポリマーの有する多量の親水基
のために粘度が高く、十分な印字濃度を得る事が難し
い。また、何れの従来技術も特に熱エネルギーを用いた
インクジェット記録方式では、ヘッドヘの焦げ付きが激
しく、十分な印字濃度と耐焦げ付き性を十分に満足した
インクは得られていない。
【0006】したがって、本発明の目的は、インクジェ
ット記録方式において重要な、適正インク物性を有し、
印刷物の十分な印字濃度を発現し、保存安定性が良好
で、且つプリンタヘッドへの焦げ付きがほとんど起こら
ないインクジェット記録用水系インクを提供する事にあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成すべく本
発明者らは鋭意検討したところ、特定のビニルポリマー
の水系分散体を含有し、しかも特定の粘度及び表面張力
を有するものが、インクの耐水性が良好で、十分な印字
濃度を発現し、また、プリンタヘッドへの焦げ付きを抑
制することができることを見出し、本発明を完成するに
至った。
【0008】即ち、本発明は、下記式(1)で表される
シリコーンマクロマー及びアクリルアミド又はメタクリ
ルアミド系モノマー(但し、塩生成基を有するものは除
く)からなる群から選ばれる1種又は2種以上と、塩生
成基を有する重合性不飽和単量体と、これら単量体と共
重合可能な単量体をラジカル重合開始剤の存在下に共重
合させて得られるビニルポリマーの水系分散体を含有
し、該分散体粒子中に疎水性染料が封入され、20℃にお
ける粘度が0.5〜5cps、表面張力が20〜60dyne/cmに調整
されていることを特徴とするインクジェット記録用水系
インクを提供するものである。
【0009】X(Y)nSi(R)3-m (Z)m (1) (式中、 X:重合可能な不飽和基を示す。 Y:2価の結合基を示す。 R:水素原子、低級アルキル基、アリール基又はアルコ
キシ基を示し、複数個のR は同一でも異なっていてもよ
い。 Z:少なくとも約500 の数平均分子量を有する1価シロ
キサンポリマー部分を示す。 n:0又は1を示す。 m:1〜3の整数を示す。)
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を詳細
に説明する。
【0011】本発明に用いられるビニルポリマーとして
は、上記式(1)で表されるシリコーンマクロマー及び
アクリルアミド又はメタクリルアミド系モノマー(但
し、塩生成基を有するものは除く)からなる群から選ば
れる1種又は2種以上と、塩生成基を有する重合性不飽
和単量体と、これら単量体と共重合可能な単量体とをラ
ジカル重合開始剤の存在下に共重合させて得られるもの
である。
【0012】本発明に用いられる上記式(1)で表され
るシリコーンマクロマーにおいて、X は重合可能な不飽
和基を示すが、具体的には、CH2=CH- 、CH2=C(CH3)- 等
の基が挙げられる。Y は2価の結合基を示すが、具体的
には-COO- 、-COOCbH2b-(ここでb は1〜5の数を示
す)、フェニレン基等が挙げられ、-COOC3H6- が好まし
い。R は水素原子;メチル基、エチル基等の低級アルキ
ル基;フェニル基等のアリール基;メトキシ基等のアル
コキシ基を示すが、メチル基が好ましい。Z は少なくと
も約 500の数平均分子量を有する1価シロキサンポリマ
ー部分を示すが、好ましくは数平均分子量 800〜5000の
1価のジメチルシロキサンポリマーである。n は0また
は1であるが、好ましくは1である。m は1〜3の整数
であるが、好ましくは1である。
【0013】このようなシリコーンマクロマーとして
は、例えば、下記式(1―1)〜(1―4)で表される化合物が
挙げられる。
【0014】
【化1】
【0015】(式中、R'は水素原子又はメチル基、R は
前記の意味を示し、複数個のR は同一でも異なっていて
もよい。E は下記式
【0016】
【化2】
【0017】で表される基を示し、a は5〜65の数を示
す。) これらの中では式(1―1)で表される化合物が好ましく、
特に下記式(1―1―1)で表される構造を有するシリコー
ンマクロマーFM−0711(チッソ(株)製)が好ましい。
【0018】
【化3】
【0019】(式中、a'は重量平均分子量が1000となる
数である。) 本発明に用いられる塩生成基を有さないアクリルアミド
またはメタクリルアミド系モノマー(以下(メタ)アク
リルアミド系モノマーと略記する)としては、アクリル
アミド、N −(1,1―ジメチル−3−オキソブチル)アク
リルアミド(ダイアセトンアクリルアミド)、N,N −ジ
メチルアクリルアミド、N,N −ジエチルアクリルアミ
ド、N,N −ジイソプロピルアクリルアミド、N,N −ジブ
チルアクリルアミド、N,N −ジフェニルアクリルアミ
ド、N −t−ブチルアクリルアミド、N −t−ヘキシル
アクリルアミド、N −t−オクチルアクリルアミド、N
−(1−メチルウンデシル)アクリルアミド、N −イソ
ボルニルアクリルアミド、N −ノルボルニルアクリルア
ミド、N −アダマンチルアクリルアミド、N −ベンジル
アクリルアミド、N −(4−メチルフェニル)メチルア
クリルアミド、N −ジフェニルアクリルアミド、フタリ
ミドメチルアクリルアミド、アクリルアミドヒドロキシ
酢酸、3−アクリルアミド−3―メチルブタン酸、10−
アクリルアミド−ウンデシル酸、N −(2,2,2−トリクロ
ロ−1−ヒドロキシ)エチルアクリルアミド、N −(1,
1,3,5−テトラメチル)オクチルアクリルアミド、N −
(1,5−ジメチル−1−エチル)ヘキシルアクリルアミ
ド、N −イソプロピルアクリルアミド、N −メチロール
アクリルアミド、N −シクロヘキシルアクリルアミド、
N −(1,1,3−トリメチル)ブチルアクリルアミド等のア
クリルアミドモノマー、並びにメタクリルアミド、N −
(1,1−ジメチル−3−オキソブチル)メタクリルアミ
ド、N,N −ジメチルメタクリルアミド、N,N −ジエチル
メタクリルアミド、N,N −ジイソプロピルメタクリルア
ミド、N,N −ジブチルメタクリルアミド、N,N −ジフェ
ニルメタクリルアミド、N −t−ブチルメタクリルアミ
ド、N −t−ヘキシルメタクリルアミド、N −t−オク
チルメタクリルアミド、N −(1−メチルウンデシル)
メタクリルアミド、N −イソボルニルメタクリルアミ
ド、N −ノルボルニルメタクリルアミド、N −アダマン
チルメタクリルアミド、N −ベンジルメタクリルアミ
ド、N −(4−メチルフェニル)メチルメタクリルアミ
ド、N −ジフェニルメタクリルアミド、フタリミドメチ
ルメタクリルアミド、メタクリルアミドヒドロキシ酢
酸、3−メタクリルアミド−3―メチルブタン酸、10−
メタクリルアミド−ウンデシル酸、N −(2,2,2−トリク
ロロ−1−ヒドロキシ)エチルメタクリルアミド、N −
(1,1,3,5−テトラメチル)オクチルメタクリルアミド、
N−(1,5−ジメチル−1−エチル)ヘキシルメタクリル
アミド、N −イソプロピルメタクリルアミド、N −メチ
ロールメタクリルアミド、N −シクロヘキシルメタクリ
ルアミド、N −(1,1,3−トリメチル)ブチルメタクリル
アミド等のメタクリルアミドモノマーが挙げられるが、
これらに限定されるものではない。
【0020】また、本発明に用いられる塩生成基を有す
る重合性不飽和単量体としては、カチオン性の単量体と
して、不飽和3級アミン含有モノマー、不飽和アンモニ
ウム塩含有モノマー等があり、具体的には、ビニルピリ
ジン、2−メチル−5−ビニルピリジン、2−エチル−
5−ビニルピリジンの如きモノビニルピリジン類;N,N
−ジメチルアミノスチレン、N,N −ジメチルアミノメチ
ルスチレンの如きジアルキルアミノ基を有するスチレン
類;N,N −ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N −
ジメチルアミノエチルメタクリレート、N,N −ジメチル
アミノプロピルアクリレート、N,N −ジエチルアミノプ
ロピルメタクリレートの如きアクリル酸又はメタクリル
酸のジアルキルアミノ基を有するエステル類;2−ジメ
チルアミノエチルビニルエーテルの如きジアルキルアミ
ノ基を有するビニルエーテル類;N −(N',N'−ジメチル
アミノエチル)アクリルアミド、N −(N',N'−ジメチル
アミノエチル)メタクリルアミド、N −(N',N'−ジエチ
ルアミノエチル)アクリルアミド、N −(N',N'−ジエチ
ルアミノエチル)メタクリルアミド、N −(N',N'−ジメ
チルアミノプロピル)アクリルアミド、N −(N',N'−ジ
メチルアミノプロピル)メタクリルアミド、N −(N',N'
−ジエチルアミノプロピル)アクリルアミド、N −(N',
N'−ジエチルアミノプロピル)メタクリルアミドの如き
ジアルキルアミノ基を有するアクリルアミド又はメタク
リルアミド類、あるいはこれらをハロゲン化アルキル
(アルキル基の炭素数1から4)の如き公知の4級化剤
で4級化したもの等が挙げられる。また、アニオン性の
単量体としては、不飽和カルボン酸モノマー、不飽和ス
ルホン酸モノマー、不飽和リン酸モノマー等があり、具
体的には、不飽和カルボン酸モノマーとしては、アクリ
ル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイ
ン酸、フマル酸、シトラコン酸、2−メタクリロイルオ
キシメチルコハク酸等、又はそれらの無水物及び塩があ
り、不飽和スルホン酸モノマーとしては、スチレンスル
ホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスル
ホン酸、3−スルホプロパン(メタ)アクリル酸エステ
ル、ビス−(3−スルホプロピル)−イタコン酸エステ
ル等及びこれらの塩、その他2−ヒドロキシエチル(メ
タ)アクリル酸の硫酸モノエステル及びそれらの塩があ
り、不飽和リン酸モノマーとしては、ビニルホスホン
酸、ビニルホスフェート、ビス(メタアクリロキシエチ
ル)ホスフェート、ジフェニル−2−メタクリロイロキ
シエチルホスフェート、ジブチル−2−アクリロイロキ
シエチルホスフェート、ジオクチル−2−(メタ)アク
リロイロキシエチルホスフェート等が挙げられる。
【0021】本発明において用いられる上記単量体と共
重合可能な単量体としては、アクリル酸メチル、アクリ
ル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−
ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸イソブチ
ル、アクリル酸n−アミル、アクリル酸イソアミル、ア
クリル酸n−ヘキシル、アクリル酸2−エチルへキシ
ル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸デシル、アク
リル酸ドデシル等のアクリル酸エステル類;メタクリル
酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸イソプロ
ピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸t−ブチ
ル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−アミ
ル、メタクリル酸イソアミル、メタクリル酸n−ヘキシ
ル、メタクリル酸2−エチルへキシル、メタクリル酸n
−オクチル、メタクリル酸デシル、メタクリル酸ドデシ
ル等のメタクリル酸エステル類;スチレン、ビニルトル
エン、2−メチルスチレン、クロルスチレン等のスチレ
ン系モノマー;2−ヒドロキシエチルアクリレート、3
−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシエ
チルメタクリレート、3−ヒドロキシプロピルメタクリ
レート等のヒドロキシル基含有アクリレート及びメタク
リレート;片末端に重合性官能基を有するビニル系ポリ
マーからなるビニル系マクロマー、片末端に重合性官能
基を有するポリエステルからなるポリエステル系マクロ
マー、片末端に重合性官能基を有するポリウレタンから
なるポリウレタンマクロマー、片末端に重合性官能基を
有するポリアルキルエーテルからなるポリアルキルエー
テルマクロマー等が挙げられる。
【0022】本発明に用いられる、共重合可能な単量体
は上記のものに限定されることはなく、市販のラジカル
共重合性モノマーを用いることができるが、下記式(2−
1)〜(2−4)で表される化合物を単独又は2種以上組み合
わせて使用することが、分散体の保存安定性の点から好
ましい。
【0023】
【化4】
【0024】(式中、x ,y は x/y =6/4〜10/0
で、重量平均分子量が 1,000〜10,000となる数を示
す。)
【0025】
【化5】
【0026】(式中、p ,q ,r は、重量平均分子量が
500〜10,000となる数を示す。) 上記式(2−1)〜(2−4)で表される化合物としては市販品
も使用することができる。その様な化合物としては、例
えば、片末端にメタクリロイルオキシ基を有するスチレ
ン及び/又はアクリロニトリル共重合体マクロマー(東
亜合成(株)製、AN-6、AS-6)、片末端にメタクリロイ
ルオキシ基を有するメタクリル酸メチル重合体マクロマ
ー(東亜合成(株)製、AA-6)、片末端にメタクリロイ
ルオキシ基を有するポリオキシエチレンマクロマー(新
中村化学(株)製、NKエステルM-90Gnew、同M-40Gnew、
同M-20Gnew)、片末端にメタクリロイルオキシ基を有す
るポリエステルマクロマー(ダイセル化学工業(株)
製、FM4DX)等が挙げられる。
【0027】本発明において、上記ビニルポリマーを製
造する際には、上記式(1)で表されるシリコーンマク
ロマー及び(メタ)アクリルアミド系モノマーからなる
群から選ばれる1種又は2種以上を単量体全量に対して
1〜40重量%、塩生成基を有する重合性単量体を単量体
全量に対して3〜25重量%、その他の単量体を単量体全
量に対して35〜96重量%の割合で共重合することが好ま
しい。
【0028】本発明において、上記ビニルポリマーは、
上記単量体を、バルク重合法、溶液重合法、懸濁重合
法、乳化重合法等の公知の重合法により重合させること
により得られるが、特に溶液重合法により製造するのが
好ましい。溶液重合法で用いる溶剤としてはエタノー
ル、プロパノール等の脂肪族アルコール:アセトン、メ
チルエチルケトン等のケトン類;酢酸エチル等のエステ
ル類;ベンゼン、トルエン等の芳香族溶剤等の公知の有
機溶剤を用いることが出来る。これら有機溶剤は、単独
又は2種以上を組み合わせて用いることが出来る。
【0029】上記重合に用いられるラジカル重合開始剤
としては、例えば、2,2'−アゾビスイソブチロニトリ
ル、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、
2,2'−アゾビス(4−メトキシ−2,4 −ジメチルバレロニ
トリル)、ジメチル−2,2'−アゾビスブチレート、2,2'
−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1'−アゾビ
ス(1−シクロヘキサンカルボニトリル)等のアゾ化合物
が好ましい。また、t−ブチルペルオクチラート、ジク
ミルペルオキシド、ジ−t−ブチルペルオキシド、ジベ
ンゾイルオキシド等の有機過酸化物を使用することもで
きる。これらの開始剤は、モノマー混合物に対して 0.0
01〜2.0 モル%、特に0.01〜1.0 モル%用いるのが好ま
しい。
【0030】上記重合時には、更に重合連鎖移動剤を添
加してもよい。使用される重合連鎖移動剤の具体例とし
ては、例えば、オクチルメルカプタン、n−ドデシルメ
ルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、n−ヘキサデ
シルメルカプタン、n−テトラデシルメルカプタン、t
−テトラデシルメルカプタンなどのメルカプタン類;ジ
メチルキサントゲンジスルフィド、ジエチルキサントゲ
ンジスルフィド、ジイソプロピルキサントゲンジスルフ
ィドなどのキサントゲンジスルフィド類;テトラメチル
チウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフ
ィド、テトラブチルチウラムジスルフィドなどのチウラ
ムジスルフィド類;四塩化炭素、臭化エチレンなどのハ
ロゲン化炭化水素類;ペンタフェニルエタンなどの炭化
水素類;及びアクロレイン、メタクロレイン、アリルア
ルコール、2−エチルヘキシルチオグリコラート、ター
ビノーレン、α−テルピネン、γ−テルピネン、ジペン
テン、α−メチルスチレンダイマー(2,4−ジフェニル−
4−メチル−1−ペンテンが50重量%以上のものが好ま
しい)、さらに9,10−ジヒドロアントラセン、1,4−ジ
ヒドロナフタレン、インデン、1,4 −シクロヘキサジエ
ン等の不飽和環状炭化水素化合物;キサンテン、2,5 −
ジヒドロフラン等の不飽和ヘテロ環化合物等が挙げられ
る。これらは単独でも2種以上を組み合わせて使用して
も良い。
【0031】重合は、通常30〜100 ℃、好ましくは50〜
80℃で1〜10時間行われ、使用するラジカル重合開始
剤、モノマー、溶剤の種類などにより適宜選択される。
また、重合は窒素等の不活性ガス雰囲気下で行うのが好
ましい。重合後、反応液から再沈殿、溶剤除去など、公
知の方法により共重合体を単離することができる。ま
た、得られた共重合体は、再沈殿を繰り返したり、膜分
離、クロマトグラフ法、抽出法などにより、未反応のモ
ノマー等を除去して精製することができる。
【0032】このようにして得られるビニルポリマーの
重量平均分子量は 3,000〜50,000であることが、プリン
タヘッドの焦げ付き性や、印刷後のインクの耐久性、及
び分散体の形成性の点から好ましい。
【0033】また、上記ビニルポリマーは、DSC(示差走
査熱量計)により測定されるTgが圧電素子を用いたイン
クジェット記録方式では20℃以上であることが好まし
く、熱エネルギーを用いたインクジェット記録方式では
30℃以上であることが好ましく、特に圧電素子方式及び
熱エネルギー方式の両方式において40℃以上 150℃以下
であることが好ましい。Tgが上記条件の下限に満たない
場合には本発明の水系インクを用いて印刷された紙を重
ね置きするとインクの紙写りが起こる場合がある。
【0034】本発明において用いられる疎水性染料は、
少なくとも上記のようにして得られるビニルポリマーに
よって形成される分散体中に封入される染料であれば特
に制限なく用いることができ、例えば油性染料、分散染
料、直接染料、酸性染料、及び塩基性染料等を挙げるこ
とができるが、ポリマー粒子中に良好に封入されるため
には油性染料及び分散染料を用いることが特に好まし
い。
【0035】本発明に用いられる油性染料としては、以
下に限定されるものではないが、特に好ましい具体例と
しては、例えば、C.I.ソルベント・ブラック3,7,27,29
及び34;C.I.ソルベント・イエロー14,16,19,29,30,56,
82,93 及び162 ;C.I.ソルベント・レッド1,3,8,18,24,
27,43,49,51,72,73,109,122,132 及び218 ;C.I.ソルベ
ント・バイオレット3 ;C.I.ソルベント・ブルー2,11,2
5,35及び70;C.I.ソルベント・グリーン3 及び7 ;並び
にC.I.ソルベント・オレンジ2 等が挙げられる。これら
の中で特に好ましいものは、Nubian Black PC-0850、Oi
l Black HBB 、Oil Yellow 129、Oil Yellow 105、Oil
Pink 312、Oil Red 5B、Oil Scarlet 308 、Vali Fast
Blue 2606 、Oil Blue BOS(オリエント化学(株)
製)、NeopenYellow 075 、Neopen Mazenta SE1378 、N
eopen Blue 808 、Neopen Blue FF4012、Neopen Cyan F
F4238(BASF社製)等である。
【0036】本発明に用いられる分散染料としては、以
下に限定されるものではないが、特に好ましい具体例と
しては、例えば、C.I.ディスパーズイエロー5,42,54,6
4,79,82,83,93,99,100,119,122,124,126,160,184:1,18
6,198,199,201,204,224 及び237 ;C.I.ディスパーズオ
レンジ13,29,31:1,33,49,54,55,66,73,118,119及び16
3;C.I.ディスパーズレッド54,60,72,73,86,88,91,92,9
3,111,126,127,134,135,143,145,152,153,154,159,164,
167:1,177,181,204,206,207,221,239,240,258,277,278,
283,311,323,343,348,356及び362 ;C.I.ディスパーズ
バイオレット33;C.I.ディスパーズブルー56,60,73,87,
113,128,143,148,154,158,165,165:1,165:2,176,183,18
5,197,198,201,214,224,225,257,266,267,287,354,358,
365 及び368;並びにC.I.ディスパーズグリーン6:1 及
び9 等が挙げられる。
【0037】本発明に用いられる疎水性染料は、上記ビ
ニルポリマーに効率よく封入される観点から、有機溶媒
に2g/リットル以上溶解することが好ましく、20〜500g
/リットル溶解することが更に好ましい。
【0038】また、本発明では疎水性染料と同時に各種
の疎水性の安定化剤を有機溶媒に溶解させておくこと
で、ポリマー中に安定化剤を封入させることも出来る。
安定化剤としては、特に限定されるものではないが、例
えば、サリチル酸エステル系、ベンゾフェノン系、ベン
ゾトリアゾール系、シアノアクリレート系等の紫外線吸
収剤;ヒンダードフェノール系、アミン系等の1次酸化
防止剤;リン系、硫黄系等の2次酸化防止剤;ヒンダー
ドアミン系等の紫外線安定化剤等を用いることが出来
る。
【0039】本発明のインクジェット記録用水系インク
に用いられる染料が封入されたビニルポリマーの水系分
散体の製造方法としては、水不溶性有機溶媒中に上記の
ようにして得られる塩生成基を有するビニルポリマーと
疎水性染料を溶解し、得られた溶液に水、中和剤及び必
要に応じ界面活性剤を加え、ポリマー中の塩生成基をイ
オン化し、得られた混合物をマイクロフルイダイザー等
の乳化機を用いて乳化し、その後、該乳化物から水不溶
性有機溶媒を蒸発させる方法が挙げられるが、この方法
に限定されるものではない。
【0040】本発明において、上記疎水性染料はビニル
ポリマーに対し、約50〜200 重量%、好ましくは約75〜
150 重量%の量で封入される。疎水性染料の量が50重量
%より低い場合には、印字濃度を出すためにインク中の
ポリマー濃度が高くなり、インクを吐出することが困難
になる場合があり、また、染料の量が 200重量%を超え
ると、分散体の安定性が悪くなる場合があるので、上記
範囲とすることが好ましい。ポリマーが疎水性染料を封
入していることは、例えば、高着色インクの水性相中に
着色した不溶解染料結晶が存在しないことによって明白
である。さらに、インクのスペクトル特性は有機溶剤に
溶解した同じ染料の溶液に等価であり、着色が固形ポリ
マー相に封入された染料の結果であることを示す。
【0041】本発明において、疎水性染料を封入したビ
ニルポリマーの水系分散体中のポリマー粒子の粒径は、
0.01〜0.50ミクロンであることが好ましい。上記粒径が
0.01ミクロンに満たないとインクのにじみが発生し、0.
50ミクロンを超えると分散体の安定性を損ねる怖れがあ
るため、上記範囲であることが好ましい。上記粒径は、
0.02〜0.3 ミクロンであることが更に好ましい。
【0042】本発明の疎水性染料を封入したビニルポリ
マー水系分散体は、該インク中に固形分で1〜20重量%
配合されることが好ましく、2〜10重量%配合されるこ
とが更に好ましい。上記ビニルポリマー分散体の配合量
が1重量%に満たないと印字濃度が不十分であり、20重
量%を超えると特にインクジェットプリンタで用いると
きにノズル先端でのインクの蒸発に伴う増粘や凝集が起
こることによって、ヘッドの目詰まりが起こる場合があ
るので、上記範囲とすることが好ましい。
【0043】本発明の水系インクは、水を媒体とし、上
記疎水性染料を封入したビニルポリマー分散体を有する
のに加えて、従来公知の各種添加剤、例えば多価アルコ
ール類、アミノ酸類のような湿潤剤、分散剤、シリコー
ン系等の消泡剤、カチオン、アニオン或いはノニオン系
の各種界面活性剤等の表面張力調整剤、クロロメチルフ
ェノール系等の防黴剤及び/又はEDTA等のキレート剤、
亜硫酸塩等の酸素吸収剤を含有してもよい。
【0044】上記湿潤剤としては、特に制限されるもの
ではないが、例えば、エチレングリコール、プロピレン
グリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリ
コール、テトラエチレングリコール及びポリエチレング
リコール等のグリコール類;グリセリン;ジエチレング
リコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブ
チルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテ
ル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレン
グリコールモノブチルエーテル、メチルカルビトール、
エチルカルビトール、ブチルカルビトール、エチルカル
ビトールアセテート、ジエチルカルビトール、トリエチ
レングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリ
コールモノエチルエーテル、及びプロピレングリコール
モノメチルエーテル等の多価アルコールのエーテル類;
アセテート類;チオグリコール;N−メチル−2−ピロ
リドン、1,3 −ジメチルイミダゾリジノン、トリエタノ
ールアミン、ホルムアミド、ジメチルホルムアミド等の
窒素化合物類;ジメチルスルホキシド;N−メチルグリ
シン、アルギニン、グルタミン酸等のアミノ酸類の1種
又は2種以上を使用することが出来る。これらの湿潤剤
の配合量に特に制限はないが、本発明の水系インク中に
0.1〜30重量%配合することができ、更に好ましくは
0.1〜20重量%配合することができる。
【0045】また、上記分散剤としては、特に制限され
ないが、ビニルポリマーの水系分散体の安定性を損なわ
ない範囲で、アニオン系、ノニオン系、カチオン系の分
散剤を用いることが出来る。また、消泡剤としては特に
制限されないが、下記式(3)で表される化合物を用い
ることが、インク調整の際における泡の発生の抑制及び
インクの表面張力の調整の点から好ましい。
【0046】
【化6】
【0047】〔式中、R1,R2,R3及びR4は同一又は異なっ
て、炭素数1〜10のアルキル基又はアリール基を示し、
R5及びR6は同一又は異なって、炭素数1〜10のアルキル
基又はアリール基、水酸基、アミノ基、カルボキシル基
又はエポキシ基を示し、b 及びb'は同一又は異なって、
0〜1000、好ましくは1〜1000の整数を示す。〕 上記式(3)で表される化合物としては、例えば、信越
シリコーン(株)製の、KF96,66,69,KS68,604,607A,60
2,603,KM73,73A,73E,72,72A,72C,72F,82F,70,71,75,80,
83A,85,89,90,68-1F,68-2F 等が挙げられる。
【0048】消泡剤の配合量は特に制限はないが、本発
明のインクジェット記録用水系インク中に0〜2.0 重量
%配合されることが好ましい。消泡剤の量が 2.0重量%
を超えると泡の発生は抑えられるものの、印字の際、イ
ンク内ではじきが発生し、印字品質の低下が起こる場合
があるので、上記範囲とすることが好ましい。
【0049】本発明のインクジェット記録用水系インク
は、20℃における粘度が0.5〜5cps、好ましくは1〜3
cps、表面張力が20〜60dyne/cm 、好ましくは30〜55dyn
e/cmであることが必要である。粘度が、5cps より高い
場合にはインクの吐出が困難となる。また、表面張力が
20dyne/cm 未満ではにじみが激しくなり、60dyne/cmを
超えると被印字物への浸透性が悪くなる。
【0050】また本発明の水系インクは、比熱が0.6〜
1.0cal/gk、熱伝導率が1〜30×10-4cal/cm・s・k 、熱
膨張係数が2〜10×10-4k-1であることが、やはりイン
クの良好な吐出と言う点で好ましい。
【0051】本発明のインクジェット記録用水系インク
は、十分な印字濃度を発現し、非常に優れた耐水性を有
し、また、プリンタヘッドへの焦げ付きも防止すること
が出来る。
【0052】
【実施例】以下に、本発明に係わる疎水性染料が封入さ
れたポリマー粒子の水系分散体の製造例、及び本発明の
水系インクの実施例及び比較例を挙げて本発明を具体的
に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
いことは無論である。尚、例中の部及び%は特記しない
限り重量基準である。
【0053】製造例1〜2及び比較製造例1 撹拌機、還流冷却管、滴下ロート、温度計、窒素導入管
の付いた反応器に、重合溶媒としてメチルエチルケトン
20部、重合性不飽和単量体として、表1の初期仕込みモ
ノマーの欄に記載されているモノマー及び重合連鎖移動
剤を仕込み、窒素ガス置換を充分行った。一方、滴下ロ
ート中に、表1の滴下モノマーの欄に記載されているモ
ノマー及び重合連鎖移動剤とメチルエチルケトン60部、
2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.2部を
充分窒素置換を行った後に仕込んだ。窒素雰囲気下、反
応容器内の混合液を撹拌しながら65℃まで昇温し、滴下
ロート中の混合溶液を3時間かけて徐々に滴下した。滴
下終了2時間後、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロ
ニトリル)0.1部をメチルエチルケトン5部に溶解した溶
液を加え、更に65℃で2時間、70℃で2時間熟成させる
ことにより共重合体溶液を得た。
【0054】得られた共重合体溶液の一部を、減圧下、
105℃で2時間乾燥させ、完全に溶媒を除去することに
よって単離し、標準物質としてポリスチレン、溶媒とし
てテトラヒドロフランを用いたゲルパーミエーションク
ロマトグラフィーにより分子量を測定したところ、重量
平均分子量として約10,000であった。
【0055】上記で得られた共重合体溶液を減圧乾燥さ
せて得られた共重合体5部に、表1に示す有機溶媒25
部、及び表1に示す疎水性染料5部を加えて完全に溶解
させ、表1に示す塩基の30%水溶液を2部加えて共重合
体の塩生成基を一部中和し、イオン交換水 300部及び界
面活性剤(エマール20C 、花王(株)製)の25%水溶液
3部を加え、撹拌した後、マイクロフルイダイザー(マ
イクロフルイダイザー社製)を用いて、 8500psiで30分
間乳化した。得られた乳化物から減圧下、60℃で有機溶
媒を完全に除去し、更に一部の水を除去することにより
濃縮し、固形分濃度が10重量%の疎水性染料封入ビニル
ポリマー水系分散体を得た。
【0056】
【表1】
【0057】製造例3 疎水性染料としてVali Fast Blue 2606 を用いる以外は
製造例1と同様にして疎水性染料封入ビニルポリマー水
系分散体を得た。
【0058】製造例4 疎水性染料としてOil Pink 312を用いる以外は製造例1
と同様にして疎水性染料封入ビニルポリマー水系分散体
を得た。
【0059】比較製造例2 乳化用有機溶媒としてトルエンの代わりにアセトンを用
いる以外は製造例1と同様にして疎水性染料封入ビニル
ポリマー水系分散体を製造したところ、アセトンの除去
に伴い大量の不溶解染料結晶が析出した。
【0060】実施例1〜4 製造例1〜4で得られたビニルポリマー水系分散体60部
と、N−メチルグリシン10部、イオン交換水16部、界面
活性剤の25%水溶液(花王(株)製エマール20C)4部、
消泡剤(信越シリコーン(株)製KM―71) 0.01部を混
合して分散液を得、この分散液を 0.2ミクロンのフィル
ターによってろ過し、ごみ及び粗大粒子を除去して、水
系インクを得た。
【0061】比較例1〜2 通常のインクジェット記録用インクに使用されている水
溶性染料を用い、以下の配合により、インクを調製し
た。
【0062】<比較例1のインク> C.I.ダイレクトイエロー132 1.5% ジエチレングリコール 7.5% グリセリン 2.5% イオン交換水 88.5% <比較例2のインク> C.I.アシッドレッド52 1.5% トリエチレングリコール 10 % 1,2,6 −ヘキサントリオール 5 % イオン交換水 83.5% 比較例3〜4 製造例1で得られたビニルポリマー水系分散体の代わり
に比較製造例1又は2で得られたビニルポリマー水系分
散体を用いる以外は実施例1と同様にして水系インクを
得た。
【0063】上記実施例1〜4及び比較例1〜4で得ら
れた水系インクについて、下記方法により物性を測定し
た。その結果を表2に示す。
【0064】<測定方法> (1)インク粘度 E型粘度計を用いて、20℃における粘度を測定した。 (2) 表面張力 協和科学(株)製の KYOWA CBVP 表面張力計 A3 を用
い、25℃で測定した。 (3) 比熱 セイコー電子工業(株)製、SSC5000 熱分析システムを
用いて測定した。
【0065】(4) 熱伝導率 Guarded parallel plate法によって測定した。 (5) 熱膨張係数 10〜90℃における比重値から計算した。 (6)平均粒径 粒径測定機としてコールターカウンターN4(コールター
社製)を用い、平均粒径を測定した。
【0066】(7)印字濃度 印字は、市販のキャノン(株)製のマイクロバブルジェ
ットプリンタ(型番BJ-10vL)を用いて、 PPC用再生紙に
ベタ印字を行い、その光学密度をマクベス濃度計RD918
(マクベス社製)で測定した。
【0067】(8) 耐水性 上記プリンタを用い、 PPC用再生紙にベタ印字し、1時
間以上放置した後、静水中に垂直に1時間浸漬し、その
まま垂直に引き上げた。室温にて自然乾燥させた後、同
じ印字の印字濃度を上記マクベス濃度計を用いて測定
し、下記式から耐水性を求めた。 耐水性(%) = 浸漬後の印字濃度/浸漬前の印字濃度×
100 (9)耐焦げ付き性 上記プリンタを用い、A4版の PPC用再生紙にベタ印字を
5枚行い、その後、インクカートリッジ内の加熱部を顕
微鏡によって観察し、インクの焦げ付き性の程度を下記
基準にて評価した。 ○:焦げの付着が認められない △:焦げの付着がやや認められる ×:焦げの付着が認められる
【0068】
【表2】

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式(1)で表されるシリコーンマク
    ロマー及びアクリルアミド又はメタクリルアミド系モノ
    マー(但し、塩生成基を有するものは除く)からなる群
    から選ばれる1種又は2種以上と、塩生成基を有する重
    合性不飽和単量体と、これら単量体と共重合可能な単量
    体をラジカル重合開始剤の存在下に共重合させて得られ
    るビニルポリマーの水系分散体を含有し、該分散体粒子
    中に疎水性染料が封入され、20℃における粘度が0.5〜5
    cps、表面張力が20〜60dyne/cmに調整されていることを
    特徴とするインクジェット記録用水系インク。 X(Y)nSi(R)3-m (Z)m (1) (式中、 X:重合可能な不飽和基を示す。 Y:2価の結合基を示す。 R:水素原子、低級アルキル基、アリール基又はアルコ
    キシ基を示し、複数個のR は同一でも異なっていてもよ
    い。 Z:少なくとも約500 の数平均分子量を有する1価シロ
    キサンポリマー部分を示す。 n:0又は1を示す。 m:1〜3の整数を示す。)
  2. 【請求項2】 比熱が 0.6〜1.0cal/gk 、熱伝導率が1
    〜30×10-4cal/cm・s・k 、熱膨張係数が2〜10×10-4k
    -1の物性を有する、請求項1記載のインクジェット記録
    用水系インク。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001048099A1 (fr) * 1999-12-28 2001-07-05 Kao Corporation Jeu d'encres
JP2002293833A (ja) * 2001-03-29 2002-10-09 Takashi Sawaguchi (メタ)アクリル酸オリゴスチレン・エステルと(メタ)アクリル酸メチルとの共重合体及びその製造方法
JP2004537637A (ja) * 2001-08-03 2004-12-16 レックスマーク・インターナショナル・インコーポレーテツド インク−ジェット印刷用の水性顔料インクに用いられるポリマー分散剤
US7368487B2 (en) 2001-11-15 2008-05-06 3M Innovative Properties Company Aqueous ink jet printable compositions
JP2019155800A (ja) * 2018-03-15 2019-09-19 株式会社リコー 乾燥装置及び乾燥方法、並びに画像形成方法及び画像形成装置

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