JP2010240862A - インクジェット記録方法およびインクジェット記録物 - Google Patents

インクジェット記録方法およびインクジェット記録物 Download PDF

Info

Publication number
JP2010240862A
JP2010240862A JP2009088819A JP2009088819A JP2010240862A JP 2010240862 A JP2010240862 A JP 2010240862A JP 2009088819 A JP2009088819 A JP 2009088819A JP 2009088819 A JP2009088819 A JP 2009088819A JP 2010240862 A JP2010240862 A JP 2010240862A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ink
acid
water
group
treatment liquid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2009088819A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5500854B2 (ja
Inventor
Kiyoshi Irita
潔 入田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Corp
Original Assignee
Fujifilm Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujifilm Corp filed Critical Fujifilm Corp
Priority to JP2009088819A priority Critical patent/JP5500854B2/ja
Priority to US12/749,521 priority patent/US8403473B2/en
Publication of JP2010240862A publication Critical patent/JP2010240862A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5500854B2 publication Critical patent/JP5500854B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41MPRINTING, DUPLICATING, MARKING, OR COPYING PROCESSES; COLOUR PRINTING
    • B41M5/00Duplicating or marking methods; Sheet materials for use therein
    • B41M5/0011Pre-treatment or treatment during printing of the recording material, e.g. heating, irradiating
    • B41M5/0017Application of ink-fixing material, e.g. mordant, precipitating agent, on the substrate prior to printing, e.g. by ink-jet printing, coating or spraying

Landscapes

  • Inks, Pencil-Leads, Or Crayons (AREA)
  • Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)

Abstract

【課題】高速インクジェット記録における画像濃度のムラの発生を抑制できるインクジェット記録方法を提供する。
【解決手段】インクジェット記録を、酸性化合物を含む処理液をローラー塗布方式により塗布速度300mm/秒以上で、記録媒体に塗布する処理液付与工程と、酸価が30〜80mgKOH/gである自己分散性ポリマー粒子、顔料および水性媒体を含むインク組成物を、前記処理液が塗布された記録媒体上にインクジェット法により吐出して画像を記録するインク付与工程と、を備えるインクジェット記録方法で行う。
【選択図】なし

Description

本発明は、インクジェット記録方法およびインクジェット記録物に関する。
カラー画像を記録する画像記録方法としては、近年、様々な方法が提案されているが、いずれにおいても画像の品質、風合い、記録後のカールなど、記録物の品位に対する要求は高い。
例えば、インクジェット技術は、オフィスプリンタ、ホームプリンタ等の分野に適用されてきたが、近年では、商業印刷分野での応用がなされつつある。この商業印刷分野では、完全にインク溶剤の原紙への浸透をシャットアウトする、写真のような表面を有するものではなく、汎用の印刷紙のような印刷の風合いが要求されている。ここで、記録媒体における溶媒吸収層が20〜30μmと厚くなると、記録媒体の表面光沢、質感、こわさ(コシ)等が制限されてしまう。そのため、商業印刷分野でのインクジェット技術の適用は、記録媒体に対する表面光沢、質感、こわさ(コシ)等の制限が許容されるポスター、帳票印刷等に留まっている。
また、インクジェット記録専用の記録媒体は、溶媒吸収層、耐水層を有することによりコスト高となっており、この点も、商業印刷分野へのインクジェット技術適用の制限の一因となっている。
上記に関連して、インクジェット記録を高速化する技術として、インクと前記インクと接触して凝集体を形成可能な処理液とを利用した画像記録方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。また、酸価が50〜120mgKOH/gであるポリマー分散剤で分散された顔料と酸価が50〜120mgKOH/gである樹脂粒子を含むインクジェット記録用インクが開示されており、保存安定性と吐出安定性に優れるとされている(例えば、特許文献2参照)。
特開2004−10633号公報 特開2007−99913号公報
特許文献1に記載のインクジェット記録方法において、処理液を塗布によって付与する場合、記録速度の増加により処理液の塗布ムラが発生し、これに起因する画像濃度のムラが発生する場合があった。
本発明は、画像濃度のムラの発生を抑制できるインクジェット記録方法および該インクジェット記録方法で記録されたインクジェット記録物を提供することを課題とする。
前記課題を解決するための具体的手段は以下の通りである。
<1> 酸性化合物を含む処理液をローラー塗布方式により塗布速度300mm/秒以上で、記録媒体に塗布する処理液付与工程と、酸価が30〜80mgKOH/gである自己分散性ポリマー粒子、顔料および水性媒体を含むインク組成物を、前記処理液が塗布された記録媒体上にインクジェット法により吐出して画像を記録するインク付与工程と、を備えるインクジェット記録方法。
<2> 前記自己分散性ポリマー粒子は、カルボキシル基を有するポリマーを含む前記<1>に記載のインクジェット記録方法。
<3> 前記酸性化合物は、2価のカルボン酸である前記<1>または<2>に記載のインクジェット記録方法。
<4> 前記処理液付与工程は、前記記録媒体上に前記酸性化合物を0.25〜0.55g/m付与する前記<1>〜<3>のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
<5> 前記インク組成物が付与された記録媒体を、加熱加圧して前記画像を定着する定着工程をさらに備える前記<1>〜<4>のインクジェット記録方法。
<6> 前記顔料は、その表面の少なくとも一部がポリマー分散剤で被覆された水分散性顔料である前記<1>〜<5>のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
<7> 前記ポリマー分散剤は、カルボキシル基を有するポリマーを含む前記<6>に記載のインクジェット記録方法。
<8> 前記<1>〜<7>のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法により記録されたインクジェット記録物。
本発明によれば、インクジェット記録における画像濃度のムラの発生を抑制できるインクジェット記録方法および該インクジェット記録方法で記録されたインクジェット記録物を提供することができる。
<インクジェット記録方法>
本発明のインクジェット記録方法は、酸性化合物を含む処理液をローラー塗布方式により塗布速度300mm/秒以上で、記録媒体に塗布する処理液付与工程と、酸価が30〜80mgKOH/gである自己分散性ポリマー粒子、顔料および水性媒体を含むインク組成物(以下、単に「インク」ということがある)を、前記処理液が塗布された記録媒体上にインクジェット法により吐出して画像を記録するインク付与工程と、を少なくとも備え、必要に応じてその他の工程を備えて構成される。
特定酸価の自己分散性ポリマーを含むインク組成物を用いて画像を記録することで、処理液の塗布ムラに起因する画像濃度ムラの発生を抑制することができる。
[処理液付与工程]
本発明のインクジェット記録方法においては、インク組成物の付与による画像の記録に際して、インク組成物中の成分を凝集可能な酸性化合物を含む処理液を、記録媒体上にローラー塗布により塗布速度300mm/秒以上で付与する。処理液の付与にローラー塗布を用いることにより、処理液の付与量制御が容易になる。また、処理液の塗布速度が300mm/秒未満では十分な印画速度を実現することができない。
一般にローラー塗布による処理液の塗布においては、ローラーと記録媒体との接点付近に処理液由来のビードが均一に形成されることが好ましいが、塗布速度の増大に伴って形成されるビードの状態が不安定になることがある。このようなビードの不安定性が発生すると、これに起因して、記録媒体上における処理液の塗布量にチリメン状の細かいムラが発生する場合がある。このような処理液の塗布ムラが発生した記録媒体上にインク組成物を付与すると、処理液の塗布ムラに対応してインク組成物によって形成されるドット径が変化し、このドット径のバラツキが細かな画像濃度のムラ(以下、「チリメンムラ」ということがある)として視認される場合がある。
このような処理液の塗布ムラは、処理液の塗布速度が300mm/秒未満の場合にはほとんど発生しないが、それ以上の高速印画が望まれる商業印刷分野では特に顕著な問題となる。
本発明においては、酸価が特定の範囲である自己分散性ポリマー粒子を含むインク組成物を用いて画像を記録することで、処理液の塗布ムラに起因する画像濃度のムラ(チリメンムラ)を効果的に抑制することができる。
本発明におけるローラー塗布には、通常用いられるローラー塗布方法を特に制限なく適用することができる。例えば、塗布ローラーに処理液を供給し塗布ローラーを介して記録媒体上に塗布する方法、記録媒体上に処理液を付与し塗布ローラーで均一に塗布する方法等を挙げることができる。
本発明においては、塗布ローラーに処理液を供給し塗布ローラーを介して記録媒体上に塗布する方法であることが好ましい。
具体的には、例えば、「コーティング」(株式会社 加工技術研究会「コーティング」編集委員会編)、第V章、232〜236頁に記載された塗布ローラー方式が好ましく、オフセットグラビアコーター方式、ダイレクトロールコーター方式が特に好ましい。
本発明における処理液の塗布速度は300mm/秒以上であるが、高速印画性の観点から、350mm/秒以上であることがより好ましく、400mm/秒以上であることがさらに好ましい。
(処理液)
本発明における処理液は、酸性化合物の少なくとも1種と水性媒体とを含み、必要に応じてその他の成分を含んで構成される。酸性化合物とインク組成物とが接触することでインク組成物中の成分を凝集させ、高速画像記録が可能になる。
本発明における酸性化合物としては、インク組成物中の成分を凝集可能なものであれば特に制限はなく、無機酸であっても有機酸であってもよい。具体的には、硫酸、塩酸、硝酸、リン酸、ポリアクリル酸、酢酸、グリコール酸、マロン酸、リンゴ酸、マレイン酸、アスコルビン酸、コハク酸、グルタル酸、フマル酸、クエン酸、酒石酸、乳酸、スルホン酸、オルトリン酸、ピロリドンカルボン酸、ピロンカルボン酸、ピロールカルボン酸、フランカルボン酸、ピリジンカルボン酸、クマリン酸、チオフェンカルボン酸、ニコチン酸、若しくはこれらの化合物の誘導体、又はこれらの塩等が好適に挙げられる。
酸性化合物は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
中でも、本発明における酸性化合物としては、水溶性の高い酸性化合物が好ましく、凝集性を高め、インク全体を固定化させる点で、有機酸が好ましく、2価以上の有機酸がより好ましく、2価のカルボン酸が特に好ましい。前記2価以上の有機酸としては、その第1pKaが3.5以下の有機酸が好ましく、より好ましくは第1pKaが3.0以下の有機酸である。具体的には、例えば、シュウ酸、マロン酸、クエン酸などが好適に挙げられる。
インク組成物を凝集させる酸性化合物の処理液中における含有量としては、インク組成物の凝集性の観点から、1〜50質量%が好ましく、より好ましくは3〜45質量%であり、更に好ましくは5〜40質量%の範囲である。
本発明における処理液は、必要に応じて、酸性化合物以外の化合物であってインク組成物中の成分を凝集可能な凝集成分を含んでいてもよい。酸性化合物以外の凝集成分としては、例えば、多価金属塩やポリアリルアミン類を挙げることができる。
前記多価金属塩としては、周期表の第2属のアルカリ土類金属(例えば、マグネシウム、カルシウム)の塩、周期表の第3属の遷移金属(例えば、ランタン)、周期表の第13属からのカチオン(例えば、アルミニウム)の塩、ランタニド類(例えば、ネオジム)の塩を挙げることができる。これら金属の塩としては、カルボン酸塩(蟻酸、酢酸、安息香酸塩など)、硝酸塩、塩化物、及びチオシアン酸塩が好適である。中でも、好ましくは、カルボン酸(蟻酸、酢酸、安息香酸塩など)のカルシウム塩又はマグネシウム塩、硝酸のカルシウム塩又はマグネシウム塩、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、及びチオシアン酸のカルシウム塩又はマグネシウム塩である。
処理液中の酸性化合物以外の凝集成分の含有量としては特に制限はなく、前記酸性化合物の処理液中における含有量の範囲内で含有することができる。
処理液は、本発明の効果を損なわない範囲内で、更にその他の成分として他の添加剤を含有することができる。他の添加剤としては、例えば、乾燥防止剤(湿潤剤)、褪色防止剤、乳化安定剤、浸透促進剤、紫外線吸収剤、防腐剤、防黴剤、pH調整剤、表面張力調整剤、消泡剤、粘度調整剤、分散剤、分散安定剤、防錆剤、キレート剤等の公知の添加剤が挙げられる。
本発明における処理液は酸性化合物含むが、処理液のpH(25℃)は、6以下が好ましく、より好ましくは、pHが4以下である。中でも、pH(25℃)は0.5〜4の範囲が好ましく、1〜4の範囲がより好ましく、特に好ましくは、pHが1〜3である。このとき、前記インク組成物のpH(25℃)は、7.5以上(より好ましくは8.0以上)であることが好ましい。
中でも、画像濃度、解像度、及びインクジェット記録の高速化の観点から、インク組成物のpH(25℃)が8.0以上であって、処理液のpH(25℃)が0.5〜4である場合が好ましい。
処理液の粘度としては、インク組成物の凝集速度とローラー塗布適性の観点から、1〜30mPa・sの範囲が好ましく、1〜20mPa・sの範囲がより好ましく、2〜15mPa・sの範囲がさらに好ましく、2〜10mPa・sの範囲が特に好ましい。なお、粘度は、VISCOMETER TV−22(TOKI SANGYO CO.LTD製)を用いて20℃の条件下で測定されるものである。
また、処理液の表面張力としては、インク組成物の凝集速度とローラー塗布適性の観点から、20〜60mN/mであることが好ましく、20〜50mN/mであることがより好ましく、25〜45mN/mであることがさらに好ましい。なお、表面張力は、Automatic Surface Tensiometer CBVP−Z(協和界面科学(株)製)を用いて25℃の条件下で測定されるものである。
処理液付与工程における処理液の付与量は、後述するインク組成物の総打滴量に応じて適宜選択することができる。また逆に処理液の塗布量に応じてインク組成物の総打滴量を選択してもよい。本発明においては、インク組成物の凝集性の観点から、処理液が付与された記録媒体上の領域における酸性化合物の付与量として、平均0.1〜1.0g/mであることが好ましく、0.15〜0.70g/mであることがより好ましく、0.25〜0.55g/mであることがさらに好ましい。
処理液の付与量を0.1g/m以上とすることで打滴されるインク組成物を効果的に凝集・固定化することができ、より高解像度の画像を記録することができる。また、処理液の付与量が1.0g/m以下であることで記録媒体に対するダメージの発生を抑制することができ、耐擦性の低下を抑制できる。特に記録媒体としてコート層を有する記録媒体を用いる場合には、コート層へのダメージを抑制する観点から、処理液の付与量を1.0g/m以下とすることが好ましい。
さらに本発明における処理液付与工程は、インク組成物の凝集性の観点から、2価のカルボン酸を平均0.1〜1.0g/m付与する工程であることが好ましく、第1pKaが3.5以下の2価のカルボン酸を0.15〜0.70g/m付与する工程であることがより好ましく、第1pKaが3.0以下の2価のカルボン酸を0.25〜0.55g/m付与する工程であることがさらに好ましい。
本発明においては、処理液付与工程後にインク付与工程を備えるが、処理液を記録媒体上にローラー塗布した後、インク組成物が付与されるまでの間に、処理液に含まれる溶媒の少なくとも一部を除去する乾燥工程をさらに備えることが好ましい。乾燥工程を備えることで、にじみ抑制などのインク着色性がより良好になり、色濃度および色相がより良好な画像を記録することができる。
前記乾燥工程は、処理液中の溶媒の少なくとも一部を除去できれば特に制限はないが、加熱乾燥による溶媒除去であることが好ましい。
加熱乾燥は、ヒータ等の公知の加熱手段やドライヤ等の送風を利用した送風手段、あるいはこれらを組み合わせた手段により行なえる。加熱方法としては、例えば、記録媒体の処理液の付与面と反対側からヒータ等で熱を与える方法や、記録媒体の処理液の付与面に温風又は熱風をあてる方法、赤外線ヒータを用いた加熱法などが挙げられ、これらの複数を組み合わせて加熱してもよい。
[インク付与工程]
インク付与工程においては、自己分散性ポリマー粒子の少なくとも1種と、顔料の少なくとも1種と、水性媒体とを含むインク組成物を、前記処理液が塗布された記録媒体上にインクジェット法で吐出して画像を記録する。
インク組成物中に含まれる自己分散性ポリマー粒子の酸価が30〜80mgKOH/gであることで、処理液の塗布にムラが発生した場合でも、それに起因する画像濃度のムラ(チリメンムラ)の発生を効果的に抑制することができる。
(インク組成物)
−自己分散性ポリマー粒子−
本発明におけるインク組成物は、自己分散性ポリマー粒子の少なくとも1種を含む。自己分散性ポリマー粒子は、既述の処理液又はこれを乾燥させた領域と接触した際に分散不安定化して凝集してインクを増粘させることによりインク組成物を固定化する機能を有し、インク組成物の記録媒体への定着性及び画像の耐擦過性をより向上させることができる。また、自己分散性であることで、吐出安定性及び後述する顔料を含む系における液安定性(特に分散安定性)がより良好になる。
自己分散性ポリマー粒子とは、他の界面活性剤の不存在下に、ポリマー自身が有する官能基(特に酸性基又はその塩)によって、水性媒体中で分散状態となり得る水不溶性ポリマーであって、遊離の乳化剤を含有しない水不溶性ポリマーの粒子を意味する。
ここで、分散状態とは、水性媒体中に水不溶性ポリマーが液体状態で分散された乳化状態(エマルション)、及び、水性媒体中に水不溶性ポリマーが固体状態で分散された分散状態(サスペンション)の両方の状態を含むものである。
本発明における水不溶性ポリマーにおいては、液体組成物としたときの凝集速度と定着性の観点から、水不溶性ポリマーが固体状態で分散された分散状態となりうる水不溶性ポリマーであることが好ましい。
自己分散性ポリマーの粒子の分散状態とは、水不溶性ポリマー30gを70gの有機溶媒(例えば、メチルエチルケトン)に溶解した溶液、該水不溶性ポリマーの塩生成基を100%中和できる中和剤(水酸化ナトリウム)、及び水200gを混合、攪拌(装置:攪拌羽根付き攪拌装置、回転数200rpm、30分間、25℃)した後、該混合液から該有機溶媒を除去した後でも、分散状態が25℃で少なくとも1週間安定に存在することを目視で確認することができる状態をいう。
また、水不溶性ポリマーとは、ポリマーを105℃で2時間乾燥させた後、25℃の水100g中に溶解させたときに、その溶解量が10g以下であるポリマーをいい、その溶解量が好ましくは5g以下、更に好ましくは1g以下である。前記溶解量は、水酸化ナトリウムで100%中和した時の溶解量である。
自己分散性ポリマー粒子おける水性媒体は、水を含んで構成され、必要に応じて親水性有機溶媒をさらに含んでいてもよい。前記水性媒体は、水と、水に対して0.2質量%以下の親水性有機溶媒とから構成されることが好ましく、水から構成されることがより好ましい。
前記水不溶性ポリマーの主鎖骨格としては、特に制限は無く、例えば、ビニルポリマー、縮合系ポリマー(エポキシ樹脂、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド、セルロース、ポリエーテル、ポリウレア、ポリイミド、ポリカーボネート等)を用いることができる。その中で、特にビニルポリマーが好ましい。
ビニルポリマー及びビニルポリマーを構成するモノマーの好適な例としては、特開2001−181549号公報及び特開2002−88294号公報に記載されているものを挙げることができる。また、解離性基(あるいは解離性基に誘導できる置換基)を有する連鎖移動剤や重合開始剤、イニファーターを用いたビニルモノマーのラジカル重合や、開始剤或いは停止剤のどちらかに解離性基(あるいは解離性基に誘導できる置換基)を有する化合物を用いたイオン重合によって高分子鎖の末端に解離性基を導入したビニルポリマーも使用できる。
また、縮合系ポリマーと縮合系ポリマーを構成するモノマーの好適な例としては、特開2001−247787号公報に記載されているものを挙げることができる。
自己分散性ポリマーの粒子は、自己分散性の観点から、親水性の構成単位と芳香族基含有モノマーに由来する構成単位とを含む水不溶性ポリマーを含むことが好ましい。
前記親水性の構成単位は、アニオン性の解離性基の少なくとも1種を含んでいれば特に制限はなく、1種の親水性基含有モノマーに由来するものであっても、2種以上の親水性基含有モノマーに由来するものであってもよい。前記親水性基としては、アニオン性解離性基に加えて、カチオン性解離性基、ノニオン性親水性基を含んでいてもよい。
本発明におけるアニオン性解離性基は、自己分散促進の観点、形成された乳化又は分散状態の安定性の観点から、カルボキシル基、リン酸基、およびスルホン酸基から選ばれる少なくとも1種であることが好ましく、中でも、インク組成物を構成した場合の定着性の観点から、カルボキシル基であることがより好ましい。
本発明における親水性の構成単位は、自己分散性と凝集性の観点から、アニオン性解離性基含有モノマーに由来するものであることが好ましく、アニオン性解離性基とエチレン性不飽和結合とを有するモノマーに由来するものであることがより好ましい。
アニオン性の解離性基含有モノマーとしては、例えば、不飽和カルボン酸モノマー、不飽和スルホン酸モノマー、不飽和リン酸モノマー等が挙げられる。
前記不飽和カルボン酸モノマーの具体例としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、2−メタクリロイルオキシメチルコハク酸等が挙げられる。
前記不飽和スルホン酸モノマーの具体例としては、スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、3−スルホプロピル(メタ)アクリレート、ビス−(3−スルホプロピル)−イタコン酸エステル等が挙げられる。
前記不飽和リン酸モノマーの具体例としては、ビニルホスホン酸、ビニルホスフェート、ビス(メタクリロキシエチル)ホスフェート、ジフェニル−2−アクリロイロキシエチルホスフェート、ジフェニル−2−メタクリロイロキシエチルホスフェート、ジブチル−2−アクリロイロキシエチルホスフェート等が挙げられる。
前記解離性基含有モノマーの中では、分散安定性、吐出安定性の観点から、不飽和カルボン酸モノマーが好ましく、アクリル系モノマーがより好ましく、特にはアクリル酸及びメタクリル酸が好ましい。
本発明における自己分散性ポリマーの酸価は、30〜80mgKOH/gであるが、処理液が接触したときの凝集性、チリメンムラ抑制、および自己分散性の観点から、30〜70mgKOH/gであることが好ましく、35〜65mgKOH/gであることがより好ましい。自己分散性ポリマーの酸価が30mgKOH/g未満では自己分散性が低下し、インク組成物の吐出性が低下する場合がある。また、70mgKOH/gを超えるとチリメンムラ抑制効果が低下する場合がある。
尚、自己分散性ポリマーの酸価は、JIS規格(JIS K0070:1992)に記載の方法に準拠して求められる。
本発明における自己分散性ポリマーにおいては、アニオン性の解離性基含有モノマーが、自己分散性ポリマーの酸価が前記範囲となるように含まれることが好ましい。
前記芳香族基含有モノマーは、芳香族基と重合性基とを含む化合物であれば特に制限はない。前記芳香族基は芳香族炭化水素に由来する基であっても、芳香族複素環に由来する基であってもよい。本発明においては水性媒体中での粒子形状安定性の観点から、芳香族炭化水素に由来する芳香族基であることが好ましい。
また、前記重合性基は、縮重合性の重合性基であっても、付加重合性の重合性基であってもよい。本発明においては水性媒体中での粒子形状安定性の観点から、付加重合性の重合性基であることが好ましく、エチレン性不飽和結合を含む重合性基であることがより好ましい。
本発明における芳香族基含有モノマーは、芳香族炭化水素に由来する芳香族基とエチレン性不飽和結合とを有するモノマーであることが好ましい。芳香族基含有モノマーは、1種単独でも、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記芳香族基含有モノマーとしては、例えば、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、スチレン系モノマー等が挙げられる。中でも、ポリマー鎖の親水性と疎水性のバランスとインク定着性の観点から、芳香族基含有(メタ)アクリレートモノマーが好ましく、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、及びフェニル(メタ)アクリレートから選ばれる少なくとも1種がより好ましく、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレートが更に好ましい。
なお、「(メタ)アクリレート」は、アクリレート又はメタクリレートを意味する。
本発明における自己分散性ポリマーは、(メタ)アクリレートモノマーに由来する構成単位を含むアクリル系樹脂であることが好ましく、芳香族基含有(メタ)アクリレートモノマーに由来する構成単位を含むアクリル系樹脂であることがより好ましく、更には、芳香族基含有(メタ)アクリレートモノマーに由来する構成単位を含み、その含有量が10質量%〜95質量%であることが好ましい。芳香族基含有(メタ)アクリレートモノマーの含有量が10質量%〜95質量%であることで、自己乳化又は自己分散状態の安定性が向上し、更にインク粘度の上昇を抑制することができる。
自己分散性ポリマー粒子における芳香族基含有モノマーの含有量としては、自己分散状態の安定性、芳香環同士の疎水性相互作用による水性媒体中での粒子形状の安定化、粒子の適度な疎水化による水溶性成分量の低下の観点から、15質量%〜90質量%であることがより好ましく、15質量%〜80質量%であることがより好ましく、25質量%〜70質量%であることが特に好ましい。
本発明における自己分散性ポリマーは、例えば、芳香族基含有モノマーに由来する構成単位と、アニオン性の解離性基含有モノマーに由来する構成単位とを用いて構成することができるが、必要に応じて、その他の構成単位を更に含んでもよい。
前記その他の構成単位を形成するモノマーとしては、前記芳香族基含有モノマーと解離性基含有モノマーと共重合可能なモノマーであれば特に制限はない。中でも、ポリマー骨格の柔軟性やガラス転移温度(Tg)制御の容易さの観点から、アルキル基含有モノマーであることが好ましい。
前記アルキル基含有モノマーとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート、並びにヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシペンチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート等の水酸基を有するエチレン性不飽和モノマー、並びにジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート、等の(メタ)アクリルエステル系モノマー;N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、Nーヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシブチル(メタ)アクリルアミド等のN−ヒドロキシアルキル(メタ)アクリルアミド、並びにN−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−エトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−(n−,イソ)ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−メトキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−エトキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−(n−,イソ)ブトキシエチル(メタ)アクリルアミド等のN−アルコキシアルキル(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド等、等の(メタ)アクリルアミド系モノマーが挙げられる。
自己分散性ポリマー粒子を構成する水不溶性ポリマーの分子量としては、重量平均分子量で3000〜20万であることが好ましく、5000〜15万であることがより好ましく、10000〜10万であることが更に好ましい。重量平均分子量を3000以上とすることで水溶性成分量を効果的に抑制することができる。また、重量平均分子量を20万以下とすることで、自己分散安定性を高めることができる。
なお、重量平均分子量は、ゲル透過クロマトグラフ(GPC)で測定される。GPCは、HLC−8220GPC(東ソー(株)製)を用い、カラムとして、TSKgeL SuperHZM−H、TSKgeL SuperHZ4000、TSKgeL SuperHZ2000(東ソー(株)製、4.6mmID×15cm)を3本用い、溶離液としてTHF(テトラヒドロフラン)を用いる。また、条件としては、試料濃度を0.35質量%、流速を0.35ml/min、サンプル注入量を10μl、測定温度を40℃とし、IR検出器を用いて行なう。また、検量線は、東ソー(株)製「標準試料TSK standard,polystyrene」:「F−40」、「F−20」、「F−4」、「F−1」、「A−5000」、「A−2500」、「A−1000」、「n−プロピルベンゼン」の8サンプルから作製する。
自己分散性ポリマーの粒子を構成する水不溶性ポリマーは、ポリマーの親疎水性制御の観点から、芳香族基含有(メタ)アクリレートモノマーに由来する構造単位(好ましくは、フェノキシエチル(メタ)アクリレートに由来する構造単位及び/又はベンジル(メタ)アクリレートに由来する構造単位)を共重合比率として自己分散性ポリマー粒子の全質量の15〜80質量%を含むことが好ましい。
また、水不溶性ポリマーは、ポリマーの親疎水性制御の観点から、芳香族基含有(メタ)アクリレートモノマーに由来する構成単位を共重合比率として15〜80質量%と、カルボキシル基含有モノマーに由来する構成単位と、アルキル基含有モノマーに由来する構成単位(好ましくは、(メタ)アクリル酸のアルキルエステルに由来する構造単位)とを含むことが好ましく、フェノキシエチル(メタ)アクリレートに由来する構造単位及び/又はベンジル(メタ)アクリレートに由来する構造単位を共重合比率として15〜80質量%と、カルボキシル基含有モノマーに由来する構成単位と、アルキル基含有モノマーに由来する構成単位(好ましくは、(メタ)アクリル酸の炭素数1〜4のアルキルエステルに由来する構造単位)とを含むことがより好ましく、更には加えて、酸価が30〜80mgKOH/gであって重量平均分子量が3000〜20万であることが好ましく、酸価が30〜70mgKOH/gであって重量平均分子量が5000〜15万であることがより好ましい。
以下に、自己分散性ポリマーの粒子を構成する水不溶性ポリマーの具体例(例示化合物B−01〜B−19)を挙げる。但し、本発明においては、これらに限定されるものではない。なお、括弧内は、共重合成分の質量比を表す。
B−01:フェノキシエチルアクリレート/メチルメタクリレート/アクリル酸共重合体(50/45/5)
B−02:フェノキシエチルアクリレート/ベンジルメタクリレート/イソブチルメタクリレート/メタクリル酸共重合体(30/35/29/6)
B−03:フェノキシエチルメタクリレート/イソブチルメタクリレート/メタクリル酸共重合体(50/44/6)
B−04:フェノキシエチルアクリレート/メチルメタクリレート/エチルアクリレート/アクリル酸共重合体(30/55/10/5)
B−05:ベンジルメタクリレート/イソブチルメタクリレート/メタクリル酸 共重合体(35/59/6)
B−06:スチレン/フェノキシエチルアクリレート/メチルメタクリレート/アクリル酸共重合体(10/50/35/5)
B−07:ベンジルアクリレート/メチルメタクリレート/アクリル酸共重合体(55/40/5)
B−08:フェノキシエチルメタクリレート/ベンジルアクリレート/メタクリル酸共重合体(45/47/8)
B−09:スチレン/フェノキシエチルアクリレート/ブチルメタクリレート/アクリル酸共重合体(5/48/40/7)
B−10:ベンジルメタクリレート/イソブチルメタクリレート/シクロヘキシルメタクリレート/メタクリル酸共重合体(35/30/30/5)
B−11:フェノキシエチルアクリレート/メチルメタクリレート/ブチルアクリレート/メタクリル酸共重合体(12/50/30/8)
B−12:ベンジルアクリレート/イソブチルメタクリレート/アクリル酸共重合体(93/2/5)
B−13:スチレン/フェノキシエチルメタクリレート/ブチルアクリレート/アクリル酸 共重合体(50/5/20/25)
B−14:スチレン/ブチルアクリレート/アクリル酸 共重合体(62/35/3)
B−15:メチルメタクリレート/フェノキシエチルアクリレート/アクリル酸共重合体(45/51/4)
B−16:メチルメタクリレート/フェノキシエチルアクリレート/アクリル酸共重合体(45/49/6)
B−17:メチルメタクリレート/フェノキシエチルアクリレート/アクリル酸共重合体(45/48/7)
B−18:メチルメタクリレート/フェノキシエチルアクリレート/アクリル酸共重合体(45/47/8)
B−19:メチルメタクリレート/フェノキシエチルアクリレート/アクリル酸共重合体(45/45/10)
本発明における自己分散性ポリマーの粒子を構成する水不溶性ポリマーの製造方法としては特に制限はなく、例えば、重合性界面活性剤の存在下に、乳化重合を行ない、界面活性剤と水不溶性ポリマーとを共有結合させる方法、上記親水性基含有モノマーと芳香族基含有モノマーとを含むモノマー混合物を溶液重合法、塊状重合法等の公知の重合法により、共重合させる方法を挙げることができる。前記重合法の中でも、凝集速度とインク組成物としたときの打滴安定性の観点から、溶液重合法が好ましく、有機溶媒を用いた溶液重合法がより好ましい。
本発明における自己分散性ポリマーは、凝集速度の観点から、有機溶媒中で合成されたポリマーを含み、該ポリマーはカルボキシル基を有し、酸価が30〜80mgKOH/gであって、該ポリマーのカルボキシル基の一部又は全部は中和され、水を連続相とするポリマー分散物として調製されたものであることが好ましい。すなわち、本発明における自己分散性ポリマー粒子の製造は、有機溶媒中でポリマーを合成する工程と、前記ポリマーのカルボキシル基の少なくとも一部が中和された水性分散物とする分散工程とを設けて行なうことが好ましい。
前記分散工程は、次の工程(1)及び工程(2)を含むことが好ましい。
工程(1):ポリマー(水不溶性ポリマー)、有機溶剤、中和剤、及び水性媒体を含有する混合物を、攪拌する工程
工程(2):前記混合物から前記有機溶剤を除去する工程
前記工程(1)は、まずポリマー(水不溶性ポリマー)を有機溶剤に溶解または分散させ、次に中和剤と水性媒体を徐々に加えて混合、攪拌して分散体を得る処理であることが好ましい。このように、有機溶剤中に溶解した水不溶性ポリマー溶液中に中和剤と水性媒体を添加することで、強いせん断力を必要とせずに、より保存安定性の高い粒径の自己分散性ポリマー粒子を得ることができる。
該混合物の攪拌方法に特に制限はなく、一般に用いられる混合攪拌装置や、必要に応じて超音波分散機や高圧ホモジナイザー等の分散機を用いることができる。
有機溶剤としては、アルコール系溶剤、ケトン系溶剤及びエーテル系溶剤が好ましく挙げられる。
アルコール系溶剤としては、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、t−ブタノール、エタノール等が挙げられる。ケトン系溶剤としては、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン等が挙げられる。エーテル系溶剤としては、ジブチルエーテル、ジオキサン等が挙げられる。これらの有機溶剤の中では、メチルエチルケトン等のケトン系溶剤とイソプロピルアルコール等のアルコール系溶剤が好ましい。また、油系から水系への転相時への極性変化を穏和にする目的で、イソプロピルアルコールとメチルエチルケトンを併用することも好ましい。該有機溶剤を併用することで、凝集沈降や粒子同士の融着が無く、分散安定性の高い微粒径の自己分散性ポリマー粒子を得ることができる。
中和剤は、解離性基の一部又は全部が中和され、自己分散性ポリマーが水中で安定した乳化又は分散状態を形成するために用いられる。本発明における自己分散性ポリマーは解離性基としてアニオン性の解離基(例えば、カルボキシル基)を有するため、用いられる中和剤としては有機アミン化合物、アンモニア、アルカリ金属の水酸化物等の塩基性化合物が挙げられる。有機アミン化合物の例としては、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノプロピルアミン、ジプロピルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N,N−ジメチル−エタノールアミン、N,N−ジエチル−エタノールアミン、2−ジメチルアミノ−2−メチル−1−プロパノール、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン等が挙げられる。アルカリ金属の水酸化物としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が挙げられる。中でも、本発明の自己分散性ポリマー粒子の水中への分散安定化の観点から、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、トリエチルアミン、トリエタノールアミンが好ましい。
これら塩基性化合物は、解離性基100モル%に対して、5〜120モル%使用することが好ましく、10〜110モル%であることがより好ましく、15〜100モル%であることが更に好ましい。15モル%以上とすることで、水中での粒子の分散を安定化する効果が発現し、100モル%以下とすることで、水溶性成分を低下させる効果がある。
前記工程(2)においては、前記工程(1)で得られた分散体から、減圧蒸留等の常法により有機溶剤を留去して水系へと転相することで自己分散性ポリマー粒子の水性分散物を得ることができる。得られた水性分散物中の有機溶剤は実質的に除去されており、有機溶剤の量は、好ましくは0.2質量%以下、更に好ましくは0.1質量%以下である。
自己分散性ポリマーの粒子の平均粒子径は、体積平均粒子径で10nm〜400nmの範囲が好ましく、10〜200nmの範囲がより好ましく、10〜100nmの範囲が更に好ましい。体積平均粒子径は、10nm以上であると製造適性が向上し、1μm以下であると保存安定性が向上する。
また、自己分散性ポリマーの粒子の粒径分布に関しては、特に制限はなく、広い粒径分布を持つもの又は単分散の粒径分布を持つもののいずれでもよい。また、水不溶性粒子を2種以上混合して使用してもよい。
なお、自己分散性ポリマーの粒子の平均粒子径及び粒径分布は、ナノトラック粒度分布測定装置UPA−EX150(日機装(株)製)を用いて、動的光散乱法により体積平均粒径を測定することにより求められるものである。
自己分散性ポリマーのガラス転移温度(Tg)は、インク組成物の保存安定性の観点から、30℃以上であることが好ましく、40℃以上がより好ましく、50℃以上がさらに好ましい。
自己分散性ポリマーの粒子は、1種単独で又は2種以上を混合して用いることができる。自己分散性ポリマーの粒子のインク組成物中における含有量としては、凝集速度や画像の光沢性などの観点から、インク組成物に対して、1〜30質量%であることが好ましく、5〜15質量%であることがより好ましい。
また、インク組成物中の顔料と自己分散性ポリマーの粒子との含有比率(例えば、水不溶性顔料粒子/自己分散性ポリマーの粒子)としては、画像の耐擦過性などの観点から、1/0.5〜1/10であることが好ましく、1/1〜1/4であることがより好ましい。
−顔料−
本発明におけるインク組成物は、色材成分として顔料の少なくとも1種を含有する。顔料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、有機顔料、無機顔料のいずれであってもよい。顔料は、水に殆ど不溶であるか又は難溶である顔料であることが、インク着色性の点で好ましい。
有機顔料としては、例えば、アゾ顔料、多環式顔料、染料キレート、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラック、などが挙げられる。これらの中でも、アゾ顔料、多環式顔料などがより好ましい。本発明に好適に用いられる有機顔料の具体例としては、例えば、特開2007−100071号公報の段落番号[0142]〜[0145]に記載の顔料などが挙げられる。
無機顔料としては、例えば、酸化チタン、酸化鉄、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、バリウムイエロー、カドミウムレッド、クロムイエロー、カーボンブラック、などが挙げられる。これらの中でも、カーボンブラックが特に好ましい。
〜分散剤〜
本発明のインク組成物は、分散剤の少なくとも1種を含有することができる。前記顔料の分散剤としては、ポリマー分散剤、又は低分子の界面活性剤型分散剤のいずれでもよい。また、ポリマー分散剤は、水溶性のポリマー分散剤、又は非水溶性のポリマー分散剤のいずれでもよい。
前記低分子の界面活性剤型分散剤は、インクを低粘度に保ちつつ、顔料を水溶媒に安定に分散させることができる。低分子の界面活性剤型分散剤は、分子量2,000以下の低分子分散剤である。また、低分子の界面活性剤型分散剤の分子量は、100〜2,000が好ましく、200〜2,000がより好ましい。
前記低分子の界面活性剤型分散剤は、親水性基と疎水性基とを含む構造を有している。また、親水性基と疎水性基とは、それぞれ独立に1分子に1以上含まれていればよく、また、複数種類の親水性基、疎水性基を有していてもよい。また、親水性基と疎水性基とを連結するための連結基も適宜有することができる。
前記親水性基は、アニオン性、カチオン性、ノニオン性、あるいはこれらを組み合わせたベタイン型等である。
前記アニオン性基は、マイナスの電荷を有するものであればいずれでもよいが、リン酸基、ホスホン酸基、ホスフィン酸基、硫酸基、スルホン酸基、スルフィン酸基又はカルボン酸基であることが好ましく、リン酸基、カルボン酸基であることがより好ましく、カルボン酸基であることがさらに好ましい。
前記カチオン性基は、プラスの荷電を有するものであればいずれでもよいが、有機のカチオン性置換基であることが好ましく、窒素又はリンのカチオン性基であることがより好ましい。また、ピリジニウムカチオン又はアンモニウムカチオンであることがさらに好ましい。
前記ノニオン性基は、ポリエチレンオキシドやポリグリセリン、糖ユニットの一部等が挙げられる。
前記親水性基は、アニオン性基であることが好ましい。アニオン性基は、リン酸基、ホスホン酸基、ホスフィン酸基、硫酸基、スルホン酸基、スルフィン酸基、又はカルボン酸基であることが好ましく、リン酸基、カルボン酸基であることがより好ましく、カルボン酸基であることがさらに好ましい。
また、低分子の界面活性剤型分散剤がアニオン性の親水性基を有する場合、酸性の処理液と接触させて凝集反応を促進させる観点から、pKaが3以上であることが好ましい。低分子の界面活性剤型分散剤のpKaは、テトラヒドロフラン−水(3:2=V/V)溶液に低分子の界面活性剤型分散剤1mmol/Lを溶解した液を酸あるいはアルカリ水溶液で滴定し、滴定曲線より実験的に求めた値のことである。低分子の界面活性剤型分散剤のpKaが3以上であると、理論上pH3程度の液と接したときにアニオン性基の50%以上が非解離状態になる。したがって、低分子の界面活性剤型分散剤の水溶性が著しく低下し、凝集反応が起こる。すなわち、凝集反応性が向上する。かかる観点からも、低分子の界面活性剤型分散剤は、アニオン性基としてカルボン酸基を有する場合が好ましい。
前記疎水性基は、炭化水素系、フッ化炭素系、シリコーン系等の構造を有しており、特に炭化水素系であることが好ましい。また、疎水性基は、直鎖状構造又は分岐状構造のいずれであってもよい。また、疎水性基は、1本鎖状構造又はこれ以上の鎖状構造でもよく、2本鎖状以上の構造である場合は、複数種類の疎水性基を有していてもよい。
また、疎水性基は、炭素数2〜24の炭化水素基が好ましく、炭素数4〜24の炭化水素基がより好ましく、炭素数6〜20の炭化水素基がさらに好ましい。
前記ポリマー分散剤のうち、水溶性分散剤としては、親水性高分子化合物が挙げられる。例えば、天然の親水性高分子化合物では、アラビアガム、トラガンガム、グアーガム、カラヤガム、ローカストビーンガム、アラビノガラクトン、ペクチン、クインスシードデンプン等の植物性高分子、アルギン酸、カラギーナン、寒天等の海藻系高分子、ゼラチン、カゼイン、アルブミン、コラーゲン等の動物系高分子、キサンテンガム、デキストラン等の微生物系高分子等が挙げられる。
尚、ここでいう水溶性分散剤とは、100gの水に25℃において5g以上溶解する分散剤をいう。
また、天然物を原料に修飾した親水性高分子化合物では、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース等の繊維素系高分子、デンプングリコール酸ナトリウム、デンプンリン酸エステルナトリウム等のデンプン系高分子、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル等の海藻系高分子等が挙げられる。
更に、合成系の親水性高分子化合物としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルメチルエーテル等のビニル系高分子、非架橋ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸又はそのアルカリ金属塩、水溶性スチレンアクリル樹脂等のアクリル系樹脂、水溶性スチレンマレイン酸樹脂、水溶性ビニルナフタレンアクリル樹脂、水溶性ビニルナフタレンマレイン酸樹脂、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、β−ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物のアルカリ金属塩、四級アンモニウムやアミノ基等のカチオン性官能基の塩を側鎖に有する高分子化合物、セラック等の天然高分子化合物等が挙げられる。
これらの中でも、アクリル酸、メタクリル酸、スチレンアクリル酸のホモポリマーや、他の親水基を有するモノマーとの共重合体などのように、カルボキシル基が導入された水溶性分散剤が親水性高分子化合物として好ましい。
ポリマー分散剤のうち、非水溶性分散剤としては、疎水性部と親水性部の両方を有するポリマーを用いることができる。例えば、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、(メタ)アクリル酸エステル−(メタ)アクリル酸共重合体、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート−(メタ)アクリル酸共重合体、酢酸ビニル−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体等が挙げられる。
ポリマー分散剤の重量平均分子量は、3,000〜100,000が好ましく、より好ましくは5,000〜50,000であり、更に好ましくは5,000〜40,000であり、特に好ましくは10,000〜40,000である。
ポリマー分散剤の酸価としては、処理液が接触したときの凝集性が良好である観点から、100以下mgKOH/g以下が好ましい。更には、該酸価は、25〜100mgKOH/gがより好ましく、25〜80が更に好ましく、30〜65が特に好ましい。ポリマー分散剤の酸価が25以上であると、自己分散性の安定性が良好になる。
ポリマー分散剤は、自己分散性と処理液が接触したときの凝集速度の観点から、カルボキシル基を有するポリマーを含むことが好ましく、カルボキシル基を有し、酸価が25〜80mgKOH/gのポリマーを含むことがより好ましい。
顔料(p)と分散剤(s)との混合質量比(p:s)としては、1:0.06〜1:3の範囲が好ましく、1:0.125〜1:2の範囲がより好ましく、更に好ましくは1:0.125〜1:1.5である。
本発明において色材として染料を用いる場合には、染料を水不溶性の担体に保持したものを水不溶性着色粒子として用いることができる。染料としては公知の染料を特に制限なく用いることができ、例えば、特開2001−115066号公報、特開2001−335714号公報、特開2002−249677号公報等に記載の染料を本発明においても好適に用いることができる。また、担体としては、水に不溶または水に難溶であれば特に制限なく、無機材料、有機材料及びこれらの複合材料を用いることができる。具体的には、特開2001−181549号公報、特開2007−169418号公報等に記載の担体を本発明においても好適に用いることができる。
染料を保持した担体(水不溶性着色粒子)は、分散剤を用いて水系分散物として用いることができる。分散剤としては上述した分散剤を好適に用いることができる。
本発明においては、画像の耐光性や品質などの観点から、顔料と分散剤と含むことが好ましく、有機顔料とポリマー分散剤とを含むことがより好ましく、有機顔料とカルボキシル基を含むポリマー分散剤とを含むことが特に好ましい。
また、顔料は、凝集性の観点から、その表面の少なくとも一部がポリマー分散剤に被覆された水分散性顔料であることが好ましく、顔料の表面の少なくとも一部がカルボキシル基を有するポリマー分散剤に被覆された水分散性顔料であることがより好ましい。
さらに、凝集性の観点からは、既述の自己分散性ポリマーの粒子の酸価の方が、前記ポリマー分散剤の酸価よりも小さいことが好ましい。
顔料の平均粒子径としては、10〜200nmが好ましく、10〜150nmがより好ましく、10〜100nmがさらに好ましい。平均粒子径は、200nm以下であると色再現性が良好になり、インクジェット法で打滴する際の打滴特性が良好になり、10nm以上であると耐光性が良好になる。また、色材の粒径分布に関しては、特に制限はなく、広い粒径分布又は単分散性の粒径分布のいずれであってもよい。また、単分散性の粒径分布を持つ色材を2種以上混合して使用してもよい。
なお、ポリマー粒子の平均粒子径及び粒径分布は、ナノトラック粒度分布測定装置UPA−EX150(日機装(株)製)を用いて、動的光散乱法により体積平均粒径を測定することにより求められるものである。
顔料は、1種単独で又は2種以上を組合わせて使用してもよい。
顔料のインク組成物中における含有量としては、画像濃度の観点から、インク組成物に対して、1〜25質量%であることが好ましく、2〜20質量%がより好ましく、4〜20質量%がさらに好ましく、4〜15質量%が特に好ましい。
−水性媒体−
本発明におけるインク組成物は水性媒体を含む。水性媒体は、水と水溶性有機溶媒の少なくとも1種とを含有して構成される。水溶性有機溶媒は、乾燥防止、湿潤あるいは浸透促進の効果を得ることができる。乾燥防止には、噴射ノズルのインク吐出口においてインクが付着乾燥して凝集体ができ、目詰まりするのを防止する乾燥防止剤として用いられ、乾燥防止や湿潤には、水より蒸気圧の低い水溶性有機溶媒が好ましい。また、浸透促進には、紙へのインク浸透性を高める浸透促進剤として用いることができる。
乾燥防止剤としては、水より蒸気圧の低い水溶性有機溶媒であることが好ましい。このような水溶性有機溶媒の具体例としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、チオジグリコール、ジチオジグリコール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール、アセチレングリコール誘導体、グリセリン、トリメチロールプロパン等に代表される多価アルコール類、エチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル、ジエチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル、トリエチレングリコールモノエチル(又はブチル)エーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテル類、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N−エチルモルホリン等の複素環類、スルホラン、ジメチルスルホキシド、3−スルホレン等の含硫黄化合物、ジアセトンアルコール、ジエタノールアミン等の多官能化合物、尿素誘導体が挙げられる。
このうち、乾燥防止剤としては、グリセリン、ジエチレングリコール等の多価アルコールが好ましい。
乾燥防止剤は、1種単独で用いても2種以上併用してもよい。乾燥防止剤の含有量は、インク組成物中に10〜50質量%の範囲とするのが好ましい。
浸透促進剤としては、インク組成物を記録媒体(印刷用紙など)により良く浸透させる目的で好適である。このような水溶性有機溶媒の具体例としては、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、ジ(トリ)エチレングリコールモノブチルエーテル、1,2−ヘキサンジオール等のアルコール類やラウリル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウムやノニオン性界面活性剤等を好適に用いることができる。
浸透促進剤は、1種単独で用いても2種以上併用してもよい。浸透促進剤の含有量は、インク組成物中に5〜30質量%の範囲であるのが好ましい。また、浸透促進剤は、画像の滲み、紙抜け(プリントスルー)を起こさない量の範囲内で使用することが好ましい。
水溶性有機溶媒は、上記以外にも粘度の調整のために用いられる。粘度の調整に用いることができる水溶性有機溶媒の具体例としては、アルコール(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノール、t−ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール)、多価アルコール類(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサンジオール、ペンタンジオール、グリセリン、ヘキサントリオール、チオジグリコール)、グリコール誘導体(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングルコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル)、アミン(例えば、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、モルホリン、N−エチルモルホリン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ポリエチレンイミン、テトラメチルプロピレンジアミン)、及びその他の極性溶媒(例えば、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドン、2−オキサゾリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、アセトニトリル、アセトン)が含まれる。この場合も、水溶性有機溶媒は1種単独で用いるほか、2種以上を併用してもよい。
〜水〜
インク組成物は、水を含有するものであるが、水の量には特に制限はない。中でも、水の好ましい含有量は、10〜99質量%であり、より好ましくは30〜80質量%であり、更に好ましくは50〜70質量%である。
−その他の添加剤−
本発明におけるインク組成物は、上記成分以外にその他の添加剤を用いて構成することができる。その他の添加剤としては、例えば、乾燥防止剤(湿潤剤)、褪色防止剤、乳化安定剤、浸透促進剤、紫外線吸収剤、防腐剤、防黴剤、pH調整剤、表面張力調整剤、消泡剤、粘度調整剤、分散剤、分散安定剤、防錆剤、キレート剤等の公知の添加剤が挙げられる。これらの各種添加剤は、インク組成物の場合はインクに直接添加し、また、油性染料を分散物として用いる場合は染料分散物の調製後に分散物に添加するのが一般的であるが、調製時に油相又は水相に添加してもよい。
前記紫外線吸収剤は、画像の保存性を向上させることができる。紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール系化合物、ベンゾフェノン系化合物、桂皮酸系化合物、トリアジン系化合物、リサーチディスクロージャーNo.24239号に記載の化合物やスチルベン系、ベンズオキサゾール系化合物に代表される、紫外線を吸収して蛍光を発する化合物、いわゆる蛍光増白剤も用いることができる。
前記褪色防止剤は、画像の保存性を向上させることができる。褪色防止剤としては、各種の有機系及び金属錯体系の褪色防止剤が挙げられる。有機系の褪色防止剤としては、ハイドロキノン類、アルコキシフェノール類、ジアルコキシフェノール類、フェノール類、アニリン類、アミン類、インダン類、クロマン類、アルコキシアニリン類、ヘテロ環類等が挙げられ、金属錯体系の褪色防止剤としては、ニッケル錯体、亜鉛錯体等が挙げられる。
前記防黴剤としては、デヒドロ酢酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、ナトリウムピリジンチオン−1−オキシド、p−ヒドロキシ安息香酸エチルエステル、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン及びその塩等が挙げられる。防黴剤の含有量は、インク組成物に対して0.02〜1.00質量%の範囲が好ましい。
前記pH調整剤としては、中和剤(有機塩基、無機アルカリ)を用いることができる。pH調整剤は、インク組成物の保存安定性を向上させることができる。pH調整剤は、インク組成物のpHが6〜10となるように添加するのが好ましく、pHが7〜10となるように添加するのがより好ましい。
前記表面張力調整剤としては、ノニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、ベタイン系界面活性剤等が挙げられる。
表面張力調整剤の添加量は、インク組成物の表面張力を20〜60mN/mに調整できる範囲が好ましく、20〜45mN/mに調整できる範囲がより好ましく、25〜40mN/mに調整できる範囲が更に好ましい。添加量が前記範囲内であると、インクジェット法で良好に打滴することができる。
前記界面活性剤の具体例としては、炭化水素系では、脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルキルリン酸エステル塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩等のアニオン系界面活性剤や、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、グリセリン脂肪酸エステル、オキシエチレンオキシプロピレンブロックコポリマー等のノニオン系界面活性剤が好ましい。また、アセチレン系ポリオキシエチレンオキシド界面活性剤であるSURFYNOLS(AirProducts&ChemicaLs社製)やオルフィンE1010(日信化学工業社製)も好ましく用いられる。また、N,N−ジメチル−N−アルキルアミンオキシド等のアミンオキシド型の両性界面活性剤も好ましい。
更に、特開昭59−157636号の第(37)〜(38)頁、リサーチ・ディスクロージャーNo.308119(1989年)に界面活性剤として挙げられたものも用いることができる。
また、特開2003−322926号、特開2004−325707号、特開2004−309806号の各公報に記載のフッ素(フッ化アルキル系)系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤等を用いることにより、耐擦性を良化することもできる。
また、これら表面張力調整剤は、消泡剤としても使用することができ、フッ素系化合物、シリコーン系化合物、及びEDTAに代表されるキレート剤等も使用可能である。
(インクジェット法)
本発明においてインク組成物は、インクジェット法で処理液が付与された記録媒体上に付与される。インクジェット法を利用した画像の記録は、具体的には、エネルギーを供与することにより、所望の記録媒体、すなわち普通紙、樹脂コート紙、例えば特開平8−169172号公報、同8−27693号公報、同2−276670号公報、同7−276789号公報、同9−323475号公報、特開昭62−238783号公報、特開平10−153989号公報、同10−217473号公報、同10−235995号公報、同10−337947号公報、同10−217597号公報、同10−337947号公報等に記載のインクジェット専用紙、フィルム、電子写真共用紙、布帛、ガラス、金属、陶磁器等に液体組成物を吐出することにより行なえる。なお、本発明に好ましいインクジェット記録方法として、特開2003−306623号公報の段落番号0093〜0105に記載の方法が適用できる。
インクジェット法は、特に制限はなく、公知の方式、例えば、静電誘引力を利用してインクを吐出させる電荷制御方式、ピエゾ素子の振動圧力を利用するドロップオンデマンド方式(圧力パルス方式)、電気信号を音響ビームに変えインクに照射して放射圧を利用してインクを吐出させる音響インクジェット方式、及びインクを加熱して気泡を形成し、生じた圧力を利用するサーマルインクジェット(バブルジェット(登録商標))方式等のいずれであってもよい。
尚、前記インクジェット法には、フォトインクと称する濃度の低いインクを小さい体積で多数射出する方式、実質的に同じ色相で濃度の異なる複数のインクを用いて画質を改良する方式や無色透明のインクを用いる方式が含まれる。
また、インクジェット法で用いるインクジェットヘッドは、オンデマンド方式でもコンティニュアス方式でも構わない。また、吐出方式としては、電気−機械変換方式(例えば、シングルキャビティー型、ダブルキャビティー型、ベンダー型、ピストン型、シェアーモード型、シェアードウォール型等)、電気−熱変換方式(例えば、サーマルインクジェット型、バブルジェット(登録商標)型等)、静電吸引方式(例えば、電界制御型、スリットジェット型等)及び放電方式(例えば、スパークジェット型等)などを具体的な例として挙げることができるが、いずれの吐出方式を用いても構わない。
尚、前記インクジェット法により記録を行う際に使用するインクノズル等については特に制限はなく、目的に応じて、適宜選択することができる。
インクジェットヘッドとしては、短尺のシリアルヘッドを用い、ヘッドを記録媒体の幅方向に走査させながら記録を行なうシャトル方式と、記録媒体の1辺の全域に対応して記録素子が配列されているラインヘッドを用いたライン方式とがある。ライン方式では、記録素子の配列方向と直交する方向に記録媒体を走査させることで記録媒体の全面に画像記録を行なうことができ、短尺ヘッドを走査するキャリッジ等の搬送系が不要となる。また、キャリッジの移動と記録媒体との複雑な走査制御が不要になり、記録媒体だけが移動するので、シャトル方式に比べて記録速度の高速化が実現できる。本発明のインクジェット記録方法は、これらのいずれにも適用可能であるが、一般にダミージェットを行なわないライン方式に適用した場合に、吐出精度及び画像の耐擦過性の向上効果が大きい。
インクジェットヘッドから吐出されるインクの液滴量は、望まれる発色濃度および解像度に応じて適宜設定することができ、特に制限はないが、解像度と高密度部の発色濃度を両立させる観点においては、0.5〜40plが好ましく、より好ましくは1〜30pl、更に好ましくは、1.5〜20plで打滴されることが好ましい。
インクの液滴量を0.5pl以上とすることで、発色濃度がより良好になる。またインクの液滴量を40pl以下とすることで、改着弾精度の制御がより容易になり、より均一で高解像度の画像を得ることができる。
更に本発明においては、記録する画像に応じてインクの液滴量を調整することが好ましい。例えば、ベタ画像等の高密度・高濃度の画像を記録する場合は、1.5〜40plのインク液滴量で画像を形成することが好ましく、1.5〜10plがより好ましい。
また、本発明のインクジェット記録方法は、処理液とインク組成物と用いた記録方法であるため、特に解像度の高い画像を記録する記録方法として好適である。このような解像度が高いことが好まれる高精彩な画像を記録する場合は、0.5〜10plのインク液適量で画像を記録することが好ましく、1〜8plがより好ましく、1.5〜6plがより好ましい。
さらに本発明のインクジェット記録方法におけるインク組成物の総打滴量は、記録する画像等に応じて適宜設定することができるが、総打滴量として、5〜30ml/mが好ましく、8〜15ml/mがより好ましく、10〜13ml/mが特に好ましい。
総打適量を5ml/m以上とすることで、色再現域を大きくすることができ、色再現性に優れた画像を記録することができる。また、総打適量を30ml/m以下とすることで、インク組成物中に含まれる水の除去に必要なエネルギーを低減することができ、装置構成および環境負荷の観点から好ましい。
(記録媒体)
本発明のインクジェット記録方法は、記録媒体の上に画像を記録するものである。記録媒体には、特に制限はないが、一般のオフセット印刷などに用いられる、いわゆる上質紙、コート紙、アート紙などのセルロースを主体とする一般印刷用紙を用いることができる。セルロースを主体とする一般印刷用紙は、水性インクを用いた一般のインクジェット法による画像記録においては比較的インクの吸収、乾燥が遅く、打滴後に色材移動が起こりやすく、画像品質が低下しやすいが、本発明のインクジェット記録方法によると、色材移動を抑制して色濃度、色相に優れた高品位の画像の記録が可能である。
記録媒体としては、一般に市販されているものを使用することができ、例えば、王子製紙(株)製の「OKプリンス上質」、日本製紙(株)製の「しおらい」、及び日本製紙(株)製の「ニューNPI上質」等の上質紙(A)、王子製紙(株)製の「OKエバーライトコート」及び日本製紙(株)製の「オーロラS」等の微塗工紙、王子製紙(株)製の「OKコートL」及び日本製紙(株)製の「オーロラL」等の軽量コート紙(A3)、王子製紙(株)製の「OKトップコート+」及び日本製紙(株)製の「オーロラコート」等のコート紙(A2、B2)、王子製紙(株)製の「OK金藤+」及び三菱製紙(株)製の「特菱アート」等のアート紙(A1)等が挙げられる。また、インクジェット記録用の各種写真専用紙を用いることも可能である。
記録媒体の中でも、一般のオフセット印刷などに用いられるいわゆる塗工紙が好ましい。塗工紙は、セルロースを主体とした一般に表面処理されていない上質紙や中性紙等の表面にコート材を塗布してコート層を設けたものである。塗工紙は、通常の水性インクジェットによる画像形成においては、画像の光沢や擦過耐性など、品質上の問題を生じやすいが、本発明のインクジェット記録方法では、光沢ムラが抑制されて光沢性、耐擦性の良好な画像を得ることができる。特に、原紙と無機顔料を含むコート層とを有する塗工紙を用いるのが好ましく、原紙とカオリン及び/又は重炭酸カルシウムを含むコート層とを有する塗工紙を用いるのがより好ましい。具体的には、アート紙、コート紙、軽量コート紙、又は微塗工紙がより好ましい。
[定着工程]
本発明のインクジェット記録方法においては、前記インク付与工程の後、インク組成物の付与により形成されたインク画像に加熱部材の加熱面を接触させて加熱加圧する定着工程を有することが好ましい。加熱加圧処理を施すことにより、記録媒体上の画像の定着が施され、画像の擦過に対する耐性をより向上させることができる。
加熱は、画像中の自己分散性ポリマー粒子のガラス転移温度(Tg)以上の温度で行なうことが好ましい。Tg以上に加熱されるので、皮膜化して画像が強化される。加熱温度は、好ましくはTg+10℃以上の温度域が好ましい。具体的には、加熱温度は、40〜150℃の範囲が好ましく、より好ましくは50℃〜100℃の範囲であり、更に好ましくは60℃〜90℃の範囲である。
加熱と共に加圧する際の圧力としては、表面平滑化の点で、0.1〜3.0MPaの範囲が好ましく、より好ましくは0.1〜1.0MPaの範囲であり、更に好ましくは0.1〜0.5MPaの範囲である。
加熱の方法は、特に制限されないが、ニクロム線ヒーター等の発熱体で加熱する方法、温風又は熱風を供給する方法、ハロゲンランプ、赤外線ランプなどで加熱する方法など、非接触で乾燥させる方法を好適に挙げることができる。また、加熱加圧の方法は、特に制限はないが、例えば、熱板を記録媒体の画像形成面に押圧する方法や、一対の加熱加圧ローラー、一対の加熱加圧ベルト、あるいは記録媒体の画像記録面側に配された加熱加圧ベルトとその反対側に配された保持ローラーとを備えた加熱加圧装置を用い、対をなすローラー等を通過させる方法など、接触させて加熱定着を行なう方法が好適に挙げられる。
加熱加圧する場合、好ましいニップ時間は、1ミリ秒〜10秒であり、より好ましくは2ミリ秒〜1秒であり、更に好ましくは4ミリ秒〜100ミリ秒である。また、好ましいニップ幅は、0.1mm〜100mmであり、より好ましくは0.5mm〜50mmであり、更に好ましくは1〜10mmである。
前記加熱加圧ローラーとしては、金属製の金属ローラーでも、あるいは金属製の芯金の周囲に弾性体からなる被覆層及び必要に応じて表面層(離型層ともいう)が設けられたものでもよい。後者の芯金は、例えば、鉄製、アルミニウム製、SUS製等の円筒体で構成することができ、芯金の表面は被覆層で少なくとも一部が覆われているものが好ましい。被覆層は、特に、離型性を有するシリコーン樹脂あるいはフッ素樹脂で形成されるのが好ましい。また、加熱加圧ローラーの一方の芯金内部には、発熱体が内蔵されていることが好ましく、ローラー間に記録媒体を通すことによって、加熱処理と加圧処理とを同時に施したり、あるいは必要に応じて、2つの加熱ローラーを用いて記録媒体を挟んだりして加熱してもよい。発熱体としては、例えば、ハロゲンランプヒーター、セラミックヒーター、ニクロム線等が好ましい。
加熱加圧装置に用いられる加熱加圧ベルトを構成するベルト基材としては、シームレスのニッケル電鍮が好ましく、基材の厚さは10〜100μmが好ましい。また、ベルト基材の材質としては、ニッケル以外にもアルミニウム、鉄、ポリエチレン等を用いることができる。シリコーン樹脂あるいはフッ素樹脂を設ける場合は、これら樹脂を用いて形成される層の厚みは、1〜50μmが好ましく、更に好ましくは10〜30μmである。
また、前記圧力(ニップ圧)を実現するには、例えば、加熱加圧ローラー等のローラー両端に、ニップ間隙を考慮して所望のニップ圧が得られるように、張力を有するバネ等の弾性部材を選択して設置すればよい。
加熱加圧ローラー、あるいは加熱加圧ベルトを用いる場合の記録媒体の搬送速度は、200〜700mm/秒の範囲が好ましく、より好ましくは300〜650mm/秒であり、更に好ましくは400〜600mm/秒である。
<インクジェット記録物>
本発明のインクジェット記録物は、本発明のインクジェット記録方法によって記録されたものである。これにより、高速記録されたインクジェット記録物であっても、チリメンムラの発生が抑制され、高精彩で耐擦性にすぐれたインクジェット記録物として得ることができる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。尚、特に断りのない限り、「部」及び「%」は質量基準である。
[インク組成物の調製]
《シアンインクC1〜C6の調製》
−シアン分散液の調製−
反応容器に、スチレン6部、ステアリルメタクリレート11部、スチレンマクロマーAS−6(東亜合成(株)製)4部、ブレンマーPP−500(日本油脂(株)製)5部、メタクリル酸5部、2−メルカプトエタノール0.05部、及びメチルエチルケトン24部を加え、混合溶液を調液した。
一方、滴下ロートに、スチレン14部、ステアリルメタクリレート24部、スチレンマクロマーAS−6(東亜合成(株)製)9部、プレンマーPP−500(日本油脂(株)製)9部、メタクリル酸10部、2−メルカプトエタノール0.13部、メチルエチルケトン56部、及び2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)2.4部を加え、混合溶液を調液した。
そして、窒素雰囲気下、反応容器内の混合溶液を攪拌しながら75℃まで昇温し、滴下ロート中の混合溶液を1時間かけて徐々に滴下した。滴下終了から2時間経過後これに、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)1.2部をメチルエチルケトン12部に溶解した溶液を3時間かけて滴下し、更に75℃で2時間、80℃で2時間熟成させ、ポリマー分散剤溶液を得た。
得られたポリマー分散剤溶液の一部について、溶媒を除去することによって単離し、得られた固形分をテトラヒドロフランにて0.1質量%に希釈し、高速GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)HLC−8220GPCにて、TSKgeL SuperHZM−H、TSKgeL SuperHZ4000、TSKgeL SuperHZ2000(東ソー(株)製)を3本直列につなぎ、重量平均分子量を測定した。その結果、重量平均分子量は、ポリスチレン換算で25,000であった。また、酸価は80mgKOH/gであった。
次に、上記のポリマー分散剤溶液を固形分換算で5.0g、シアン顔料Pigment Blue 15:3(大日精化(株)製)10.0g、メチルエチルケトン40.0g、1mol/L(リットル;以下同様)の水酸化ナトリウム8.0g 及びイオン交換水82.0gを、0.1mmジルコニアビーズ300gと共にベッセルに供給し、レディーミル分散機(アイメックス社製)で1000rpmで6時間分散した。得られた分散液をエバポレーターでメチルエチルケトンが充分に留去できるまで減圧濃縮し、さらに顔料濃度が10%になるまで濃縮して、水分散性顔料が分散したシアン分散液Cを調製した。
得られたシアン分散液C1の体積平均粒子径(2次粒子)を、ナノトラック粒度分布測定装置UPA−EX150(日機装(株)製)で動的光散乱法により測定したところ、77nmであった。
−自己分散性ポリマー粒子Bの合成−
攪拌機、温度計、還流冷却管、及び窒素ガス導入管を備えた2リットル三口フラスコに、メチルエチルケトン360.0gを仕込んで、窒素雰囲気下で75℃まで昇温した。その後、フラスコ内温度を75℃に保ちながら、フェノキシエチルアクリレート180.0g、メチルメタクリレート162.0g、アクリル酸18.0g、メチルエチルケトン72g、及び「V−601」(和光純薬(株)製)1.44gからなる混合溶液を、2時間で滴下が完了するように等速で滴下した。滴下完了後、これに「V−601」0.72g及びメチルエチルケトン36.0gからなる溶液を加え、75℃で2時間攪拌後、さらに「V−601」0.72g及びイソプロパノール36.0gからなる溶液を加え、75℃で2時間攪拌した。その後、85℃に昇温して、さらに2時間攪拌を続け、フェノキシエチルアクリレート/メチルメタクリレート/アクリル酸(=50/45/5[質量比])共重合体の樹脂溶液を得た。
得られた共重合体の上記同様に測定した重量平均分子量(Mw)は、64,000(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によりポリスチレン換算で算出)であり、JIS規格(JIS K0070:1992)に記載の方法に準拠して求めた酸価は38.9 39.0mgKOH/gであった。
次に、得られた樹脂溶液668.3gを秤量し、これにイソプロパノール388.3g及び1mol/L NaOH水溶液145.7mlを加え、反応容器内温度を80℃に昇温した。次に、蒸留水720.1gを20ml/minの速度で滴下し、水分散化した後、大気圧下にて反応容器内温度80℃で2時間、85℃で2時間、90℃で2時間保った後、反応容器内を減圧にし、イソプロパノール、メチルエチルケトン、蒸留水を合計で913.7g留去し、固形分濃度28.0質量%の自己分散性ポリマー粒子Bの水分散物を得た。
−自己分散性ポリマー粒子A、C〜Fの合成−
上記自己分散性ポリマー粒子Bの合成において、それぞれのモノマーの使用量を下記表1に記載のモノマー組成となるように変更した以外は、自己分散性ポリマー粒子Bと同様にして、自己分散性ポリマー粒子A、C〜Fを合成し、これらを用いて自己分散性ポリマー粒子A、C〜Fの水分散物をそれぞれ調製した。
尚、表中のモノマー組成は質量基準である。
Figure 2010240862
−シアンインクC2の調製−
上記のようにしてシアン分散液Cを調製した後、これに上記の自己分散性ポリマー粒子Bの水分散物、水溶性有機溶剤、界面活性剤、及びイオン交換水を用いて、下記組成になるように各成分を混合した後、5μmフィルタに通して粗大粒子を除去し、シアンインクC2とした。
<シアンインクC2の組成>
・シアン顔料 ・・・ 4%
(Pigment Blue 15:3、大日精化(株)製)
・ポリマー分散剤(固形分) ・・・ 2%
・自己分散性ポリマー粒子Bの水分散物(固形分) ・・・ 4%
・サンニックスGP250 ・・・ 10%
(三洋化成工業(株)製;水溶性有機溶剤)
・ジエチレングリコールモノエチルエーテル ・・・ 5%
(DEGmEE、和光純薬社製;水溶性有機溶剤)
・オルフィンE1010(日信化学工業(株)製) ・・・ 1%
・イオン交換水 ・・・ 74%
−シアンインクC1、C3〜C6の調製−
上記シアンインクC2の調製において、自己分散性ポリマー粒子Bの水分散物の代わりに、自己分散性ポリマー粒子A、C〜Fの水分散物を用いた以外は、上記シアンインクC2の調製と同様にしてシアンインクC1、C3〜C6をそれぞれ調製した。
−シアンインクC7の調製−
シアンインクC2の調製において、自己分散性ポリマー粒子Bの水分散物の代わりにイオン交換水を用いた以外は、上記シアンインクC2の調製と同様にしてシアンインクC7を調製した。
《マゼンタインクM1〜M6の調製》
−マゼンタ分散液の調製−
シアン分散液の調製において、シアン顔料Pigment Blue 15:3(大日精化(株)製)の代わりに、シアン顔料Chromophtal Jet Magenta DMQを用いた以外はシアン顔料分散液の調製と同様にして、マゼンタ顔料分散液Mを調製した。
−マゼンタインクM2の調製−
上記のようにマゼンタ分散液Mを調製した後、これに上記の自己分散性ポリマー粒子Bの水分散物、水溶性有機溶剤、界面活性剤、及びイオン交換水を用いて、下記組成になるように各成分を混合した後、それを5μmフィルタに通して粗大粒子を除去し、マゼンタインクM2とした。
<マゼンタインクM2の組成>
・マゼンタ顔料 ・・・ 4%
(Chromophtal Jet Magenta DMQ)
・ポリマー分散剤(固形分) ・・・ 2%
・自己分散性ポリマー粒子Bの水分散物(固形分) ・・・ 4%
・サンニックスGP250 ・・・ 10%
(三洋化成工業(株)製;水溶性有機溶剤)
・ジエチレングリコールモノエチルエーテル ・・・ 5%
(DEGmEE、和光純薬社製;水溶性有機溶剤)
・オルフィンE1010(日信化学工業(株)製) ・・・ 1%
・イオン交換水 ・・・ 74%
−マゼンタインクM1、M3〜M6の調製−
上記マゼンタインクM2の調製において、自己分散性ポリマー粒子Bの水分散物の代わりに、自己分散性ポリマー粒子A、C〜Fの水分散物を用いた以外は、上記マゼンタインクM2の調製と同様にしてマゼンタインクM1、M3〜M6をそれぞれ調製した。
−マゼンタインクM7の調製−
マゼンタインクM2の調製において、自己分散性ポリマー粒子Bの水分散物の代わりにイオン交換水を用いた以外は、上記マゼンタインクM2の調製と同様にしてマゼンタインクM7を調製した。
[処理液の調製]
下記処理液組成の成分を混合して、処理液を調製した。処理液の粘度、表面張力、及びpH(25±1℃)は、粘度2.5mPa・s、表面張力43mN/m、pH1.0であった。
尚、粘度は、VISCOMETER TV−22(TOKI SANGYO CO.LTD製)を用いて20℃の条件下で測定し、表面張力は、Automatic Surface Tensiometer CBVP−Z(協和界面科学(株)製)を用いて25℃の条件下で測定した。
<処理液の組成>
・マロン酸(和光純薬(株)製、pKa=2.6) ・・・25%
・ジエチレングリコールモノエチルエーテル ・・・20%
(DEGmEE、和光純薬社製)
・イオン交換水 ・・・55%
[画像記録および評価]
(画像記録)
1200dpi/10inch幅フルラインヘッド(駆動周波数:25kHz)を2個用意し、これに繋がるそれぞれの貯留タンクに上記で得たシアンインクおよびマゼンタインクを装填した。このフルラインヘッドは各色をシングルパスで主走査方向に吐出して記録できるようになっている。
記録媒体としてユーライト(坪量84.9g/m、日本製紙(株)製)を用意し、最大500mm/秒で所定の直線方向に移動可能な搬送手段に固定した。
記録媒体上に、上記で得た処理液を、ローラー塗布装置を用いて、所定の塗布速度で、処理液中の酸性化合物(マロン酸)の塗布量が0.5g/mとなるように塗布し、塗布直後に70℃温風を当てて2秒間乾燥させた。
尚、ローラー塗布装置は、「コーティング」(株式会社 加工技術研究会「コーティング」編集委員会編)、第V章、232頁に記載されたオフセットグラビアコーター方式を参考に作製したものを用いた。
その後、記録媒体を副走査方向に定速移動させながらインク液滴量2.0pL、吐出周波数25kHz、解像度1200dpiの吐出条件にて、シアンインクおよびマゼンタインクをライン方式で吐出し、シアンインクとマゼンタインクからなる2次色の網点画像を、網点率が10%、50%、70%の網点画像となるようにそれぞれ記録した。また、同様にしてシアンインクとマゼンタインクからなる2次色のベタ画像を記録した。
記録直後、120℃で15秒間乾燥させ、更に80℃に調温された一対の定着ローラー(PFA樹脂製)間を通過させ、ニップ圧1MPaにて、加熱加圧する操作を(定着工程)3回繰り返して画像を定着して、印画サンプルを作製した。
尚、画像の記録に用いた処理液の塗布速度、およびインクの組合せを表2に示す。
(評価)
−1.チリメンムラ−
上記で得られた印画サンプルについて、2次色の網点画像を目視で観察し、下記評価基準に従って評価した。
〜評価基準〜
A:画像濃度ムラは確認されなかった。
B:弱い画像濃度ムラが網点率70%の網点画像で確認された。
C:弱い画像濃度ムラが網点率50%、70%の網点画像で確認された。
D:2〜3mmピッチの強い画像濃度ムラが、いずれの網点率の網点画像でも確認された。
−2.耐擦性−
2次色のベタ画像が形成されたA5サイズの印画サンプルを25℃、50%RHの環境下に72時間放置し、放置後の印画サンプルのベタ画像表面を、記録していないユーライト(以下、本評価において「未使用サンプル」という)を重ねて、さらに荷重200kg/mをかけて10往復擦った。その後、未使用サンプルとベタ画像とを目視で観察し、下記の評価基準にしたがって評価した。
〜評価基準〜
A:未使用サンプルへの色の付着がなく、擦られたベタ画像の劣化も認められなかった。
B:未使用サンプルには色が付着し、擦られたベタ画像の劣化も認められた。
Figure 2010240862
酸価が低い自己分散性ポリマー粒子Aを含むインクを用いた場合には、インクの吐出不良が発生し、評価に値する画像を形成することができなかった。
また表2から、本発明のインクジェット画像記録方法によって、高速印画時においてもチリメンムラの発生が抑制できたことが分かる。

Claims (8)

  1. 酸性化合物を含む処理液をローラー塗布方式により塗布速度300mm/秒以上で、記録媒体に塗布する処理液付与工程と、
    酸価が30〜80mgKOH/gである自己分散性ポリマー粒子、顔料および水性媒体を含むインク組成物を、前記処理液が塗布された記録媒体上にインクジェット法により吐出して画像を記録するインク付与工程と、
    を備えるインクジェット記録方法。
  2. 前記自己分散性ポリマー粒子は、カルボキシル基を有するポリマーを含む請求項1に記載のインクジェット記録方法。
  3. 前記酸性化合物は、2価のカルボン酸である請求項1または請求項2に記載のインクジェット記録方法。
  4. 前記処理液付与工程は、前記記録媒体上に前記酸性化合物を0.25〜0.55g/m付与する請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
  5. 前記インク組成物が付与された記録媒体を、加熱加圧して前記画像を定着する定着工程をさらに備える請求項1〜請求項4のインクジェット記録方法。
  6. 前記顔料は、その表面の少なくとも一部がポリマー分散剤で被覆された水分散性顔料である請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
  7. 前記ポリマー分散剤は、カルボキシル基を有するポリマーを含む請求項6に記載のインクジェット記録方法。
  8. 請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法により記録されたインクジェット記録物。
JP2009088819A 2009-04-01 2009-04-01 インクジェット記録方法およびインクジェット記録物 Active JP5500854B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009088819A JP5500854B2 (ja) 2009-04-01 2009-04-01 インクジェット記録方法およびインクジェット記録物
US12/749,521 US8403473B2 (en) 2009-04-01 2010-03-30 Inkjet recording method and inkjet print

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009088819A JP5500854B2 (ja) 2009-04-01 2009-04-01 インクジェット記録方法およびインクジェット記録物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010240862A true JP2010240862A (ja) 2010-10-28
JP5500854B2 JP5500854B2 (ja) 2014-05-21

Family

ID=42825841

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009088819A Active JP5500854B2 (ja) 2009-04-01 2009-04-01 インクジェット記録方法およびインクジェット記録物

Country Status (2)

Country Link
US (1) US8403473B2 (ja)
JP (1) JP5500854B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2016208721A1 (ja) * 2015-06-25 2016-12-29 花王株式会社 インクジェット印刷方法、水系インク
US10465083B2 (en) 2015-06-25 2019-11-05 Kao Corporation Inkjet printing method and water-based ink
US10655030B2 (en) 2015-06-25 2020-05-19 Kao Corporation Water-based ink

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
PL2695745T3 (pl) 2012-08-06 2016-03-31 Unilin Bvba Sposób wytwarzania paneli o powierzchni dekoracyjnej
EP2894047B1 (en) 2014-01-10 2019-08-14 Unilin, BVBA Method for manufacturing panels having a decorative surface
EP2905145B1 (en) 2014-02-06 2019-10-23 Unilin, BVBA Method for manufacturing floor panels having a decorative surface
BE1025875B1 (nl) 2018-01-04 2019-08-06 Unilin Bvba Werkwijzen voor het vervaardigen van panelen

Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002103783A (ja) * 2000-09-28 2002-04-09 Ricoh Co Ltd インクジェット記録用インクセット及び記録方法
JP2002211106A (ja) * 2001-01-15 2002-07-31 Ricoh Co Ltd インクジェット記録方法、記録液、インクセット及び記録物
JP2007063463A (ja) * 2005-09-01 2007-03-15 Kao Corp インクジェット記録用水系インク
JP2008019286A (ja) * 2006-07-10 2008-01-31 Fujifilm Corp 画像形成装置及びインクセット
JP2008062397A (ja) * 2006-09-04 2008-03-21 Fujifilm Corp インクセット及び画像形成装置並びにその方法
JP2008100371A (ja) * 2006-10-17 2008-05-01 Fuji Xerox Co Ltd インクジェット用インクセット、インクジェット用インクタンク、インクジェット記録方法及びインクジェット記録装置
JP2008103783A (ja) * 2006-10-17 2008-05-01 Ts Brain:Kk 携帯電話、動画とwebブラウザの連動方法および携帯電話による商品販売方法
JP2008207533A (ja) * 2007-02-01 2008-09-11 Fujifilm Corp インクジェット記録装置
JP2009013394A (ja) * 2007-06-08 2009-01-22 Fujifilm Corp インク組成物、インクセット、及びインクジェット記録方法

Family Cites Families (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6027210A (en) * 1996-08-02 2000-02-22 Canon Kabushiki Kaisha Ink-jet recording process using liquid formulation and ink in combination
JP3678303B2 (ja) * 1999-04-01 2005-08-03 セイコーエプソン株式会社 非吸収性記録媒体に対するインクジェット記録方法
JP4419361B2 (ja) 2002-06-03 2010-02-24 富士ゼロックス株式会社 インクジェット記録方法
JP2007099913A (ja) 2005-10-05 2007-04-19 Seiko Epson Corp インクジェット記録用インク
EP2123722A1 (en) * 2004-10-22 2009-11-25 Seiko Epson Corporation Ink jet recording ink
JP2006188045A (ja) * 2004-12-09 2006-07-20 Canon Inc 反応液、インク組成物と反応液とのセット及び画像記録方法
US8042906B2 (en) * 2007-09-25 2011-10-25 Fujifilm Corporation Image forming method and apparatus
JP2009125948A (ja) * 2007-11-19 2009-06-11 Fujifilm Corp 記録媒体及びその製造方法、並びにインクジェット記録方法
JP5079538B2 (ja) * 2008-02-13 2012-11-21 富士フイルム株式会社 インクジェット記録用インクセットおよび画像記録方法
JP2010069805A (ja) * 2008-09-19 2010-04-02 Fujifilm Corp インクセット及びインクジェット記録方法
JP2010070693A (ja) * 2008-09-19 2010-04-02 Fujifilm Corp インクセット及びインクジェット記録方法
JP2010241049A (ja) * 2009-04-08 2010-10-28 Fujifilm Corp インクジェット記録方法

Patent Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002103783A (ja) * 2000-09-28 2002-04-09 Ricoh Co Ltd インクジェット記録用インクセット及び記録方法
JP2002211106A (ja) * 2001-01-15 2002-07-31 Ricoh Co Ltd インクジェット記録方法、記録液、インクセット及び記録物
JP2007063463A (ja) * 2005-09-01 2007-03-15 Kao Corp インクジェット記録用水系インク
JP2008019286A (ja) * 2006-07-10 2008-01-31 Fujifilm Corp 画像形成装置及びインクセット
JP2008062397A (ja) * 2006-09-04 2008-03-21 Fujifilm Corp インクセット及び画像形成装置並びにその方法
JP2008100371A (ja) * 2006-10-17 2008-05-01 Fuji Xerox Co Ltd インクジェット用インクセット、インクジェット用インクタンク、インクジェット記録方法及びインクジェット記録装置
JP2008103783A (ja) * 2006-10-17 2008-05-01 Ts Brain:Kk 携帯電話、動画とwebブラウザの連動方法および携帯電話による商品販売方法
JP2008207533A (ja) * 2007-02-01 2008-09-11 Fujifilm Corp インクジェット記録装置
JP2009013394A (ja) * 2007-06-08 2009-01-22 Fujifilm Corp インク組成物、インクセット、及びインクジェット記録方法

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2016208721A1 (ja) * 2015-06-25 2016-12-29 花王株式会社 インクジェット印刷方法、水系インク
JP2017007338A (ja) * 2015-06-25 2017-01-12 花王株式会社 インクジェット印刷方法
CN107709026A (zh) * 2015-06-25 2018-02-16 花王株式会社 喷墨印刷方法、水性油墨
US10465083B2 (en) 2015-06-25 2019-11-05 Kao Corporation Inkjet printing method and water-based ink
US10584252B2 (en) 2015-06-25 2020-03-10 Kao Corporation Inkjet printing method and water-based ink
US10655030B2 (en) 2015-06-25 2020-05-19 Kao Corporation Water-based ink

Also Published As

Publication number Publication date
JP5500854B2 (ja) 2014-05-21
US8403473B2 (en) 2013-03-26
US20100253735A1 (en) 2010-10-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5408997B2 (ja) インクジェット記録用インクセット及びインクジェット記録方法
JP5404210B2 (ja) インクジェット記録用インクセット、およびインクジェット記録方法
JP5079538B2 (ja) インクジェット記録用インクセットおよび画像記録方法
JP5346521B2 (ja) クリアインク、インクセット、及びインクジェット記録方法
JP5344871B2 (ja) インクジェット記録方法
JP5101439B2 (ja) インクジェット記録用インクセットおよびインクジェット画像記録方法
JP5689608B2 (ja) インク組成物、インクセット及びインクジェット記録方法
JP4633833B2 (ja) インク組成物、インクセット、及びインクジェット記録方法
JP2010069805A (ja) インクセット及びインクジェット記録方法
JP2010070693A (ja) インクセット及びインクジェット記録方法
JP5283533B2 (ja) インクジェット記録用インクセットおよびインクジェット画像記録方法
JP2009233867A (ja) インクジェット記録方法及び記録物
JP5500854B2 (ja) インクジェット記録方法およびインクジェット記録物
JP2010214883A (ja) インクジェット記録用インクセット
JP2009226810A (ja) インクジェット記録用インクセット、インクジェット記録方法、及び記録物
JP2010137418A (ja) インクジェット記録用インクセット
US8328323B2 (en) Treatment liquid, ink set and image forming method
JP5355001B2 (ja) インクジェット記録方法
JP5208792B2 (ja) インクジェット記録方法
JP5523721B2 (ja) 水性インク組成物、インクセット、及び画像形成方法
JP5676328B2 (ja) 画像形成方法
JP2011084643A (ja) 複合自己分散ポリマー水性分散物及びその製造方法、水性インク組成物、インクセット、並びに、画像形成方法
JP2010155907A (ja) インクジェットインク組成物、インクセットおよび画像形成方法
JP5523687B2 (ja) インクジェット記録用インクセットおよびインクジェット画像記録方法
JP2011079991A (ja) 水性インク組成物、インクセット、及び画像形成方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20120118

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130531

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130709

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130819

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140218

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140311

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5500854

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250