JP2017030356A - 中間転写体、画像記録装置及び画像記録方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】転写型画像記録用としての中間転写体の中間画像形成面を、シロキサン結合と、ポリアルキレンオキサイド単位を有する有機シロキサン化合物を含む前記表層部により形成する。
【選択図】図1
Description
中間転写体からの中間画像の記録媒体への良好な転写性を得るためには、中間転写体の表面自由エネルギーを低くすることが重要であると考えられてきた。そこで、中間転写体の表面(表層部)には、フッ素樹脂やシリコン系樹脂等、一般に表面自由エネルギーが低い、言い換えれば高い撥水性を有する材料が用いられてきた(特許文献1参照)。このような材料で形成した中間転写体表面の表面自由エネルギーを、代表的な指標である「純水に対する接触角」で表現すると、概ね110度程度である。
しかし、本発明者らの検討によれば、上述した中間転写体に対する要求性能に対して、特許文献1に記載の中間転写体では、場合によっては、画像形成面のインク及び凝集液に対する濡れ性をより良好なものとする必要があることが分かった。
また、特許文献2に記載の中間転写体を用いた場合、硬化性溶液層がインクを吸収、固定することで画像保持性を得ることができる。しかしながら、硬化性溶液層自体も転写時にインクとともに記録媒体側に転写されてしまうため、中間転写体を繰り返し使用する際には、硬化性溶液層の中間転写体上での形成と中間転写体からの剥離とが繰り返し行われ、中間転写体の硬化性溶液層に対する親水性が低下し、硬化性溶液層の良好な形成に影響を与える場合がある。更に、引用文献2の中間転写体を用いた画像形成では、画像形成を行う毎に、硬化性溶液層用の材料が消費され、画像形成プロセス数も増加し、画像生産コストが上昇する場合がある。
インクを中間転写体に付与することで中間画像を形成する工程と、前記中間画像を記録媒体に転写する工程と、を有する転写型画像記録方法に用いる中間転写体であって、
前記中間転写体のインクを付与する側の面の表層部が、シロキサン結合及びポリアルキレンオキサイド単位を有する有機シロキサン化合物を含む
ことを特徴とする。
本発明にかかる転写型画像記録方法は、
インクを中間転写体に付与することで中間画像を形成する工程と、前記中間画像を記録媒体に転写する工程と、を有する転写型画像記録方法であって、
前記中間転写体が上記の構成を有する本発明にかかる中間転写体であることを特徴とする。
本発明にかかる転写型画像記録装置は、
中間転写体と、インクを中間転写体に付与して中間画像を形成するためのインク付与手段と、前記中間画像を記録媒体に転写するための転写手段と、を有する転写型画像記録装置において、
前記中間転写体が上記の構成を有する本発明にかかる中間転写体であることを特徴とする。
<転写型画像記録用の中間転写体(転写型インクジェット記録用の中間転写体)>
本発明の一実施形態としての転写型インクジェット記録用としての中間転写体の構成の模式的斜視図を図1に示す。
図1(a)に示す中間転写体1は、表層部2を有する。中間転写体1の画像形成面は、表層部2上(表面側)である。この画像形成面に、インクを、インクジェットデバイスを用いて付与することにより、中間画像を形成する。
本発明における中間転写体は、紙等の記録媒体に中間画像を圧着させて中間画像を転写するため、適度の弾性を有していることが好ましい。このため、例えば記録媒体として普通紙を用いる場合、中間転写体は、その少なくとも一部が弾性材料から形成されていることが好ましい。この弾性材料からなる部分は、デュロメータ・タイプA硬度(JIS K6253準拠)で10度以上100度以下の硬度を有することが好ましく、その下限は20度以上であり、その条件は60度以下であることが更に好ましい。
中間転写体は、単層構成であっても、複数の層からなる複数層構成であってもよい。
単層構成としては、図1(b)の模式的断面図に示すように基層3の表面を表層部2として利用する構成を挙げることができる。複数層構成としては、図1(c)及び(d)の模式的断面図に示すように、1層構成の、または2層(3a、3b)構成の基層3上に表層2を設け、表層2を、画像形成面を構成する表層部2とした構成を挙げることができる。基層3は3層以上の複数層構成とすることもできる。
このような弾性層を、少なくとも図1(b)、(c)及び(d)に示す基層3に用いることができる。
更に、中間転写体は、弾性特性、強度、熱的特性等を持たせるために、樹脂層、基布層、金属層等を有していてもよい。
弾性層を形成するための材料としては、加工特性の点等から、各種ゴム材料または各種エラストマー材料を用いることができ、連続層や多孔質層の形態として弾性層を設けることができる。
エラストマー材料及びゴム材料としては、例えばシリコーンゴム、フルオロシリコーンゴム、フェニルシリコーンゴム、フッ素ゴム、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、エチレンプロピレンゴム、天然ゴム、スチレンゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、エチレン/プロピレン/ブタジエンのコポリマー、ニトリルブタジエンゴム等が挙げられる。特に、シリコーンゴム、フルオロシリコーンゴム、フェニルシリコーンゴム、フッ素ゴム、クロロプレンゴムは、寸法安定性、耐久性、耐熱性等の点で好ましく用いられる。
このように、表層部の画像形成面にシロキサン結合とポリアルキレンオキサイド単位が固定されていることが、本発明の効果を発現する上で必要な要件である。従って、表層部は、中間転写体の表面に露出した部分でさえあればよく、必ずしも基体と区分される層として設ける必要はなく、中間転写体を単層(1層)としてその表面領域が、上記の有機シロキサン化合物を含む材料からなる表層部として形成されたものでもよい。中間転写体を単層構成とする場合は、PAO変性ポリシロキサン化合物を含む材料から中間転写体全体が形成されていてもよいし、基体の表層部のみがPAO変性ポリシロキサン化合物を含む材料で形成されていてもよい。層として設ける場合の表層部を構成する層の形成方法は、PAO変性ポリシロキサン化合物を含む塗工液、あるいは、PAO変性ポリシロキサン化合物の構成成分を含有し、塗工後にPAO変性ポリシロキサン化合物を形成し得る塗工液を塗工する方法が好ましい。
表層部の厚みは特に限定されるものではないが、表層部の厚みは0.01μm以上10.00μm以下であることが好ましく、より好ましくは0.1μm以上10.0μm以下であり、さらに好ましくは1.0μm以上5.0μm以下である。特に、表層部を塗工液の塗工により形成する場合、表層部の厚みが上記の範囲内であれば、より十分な膜強度を得ることができ、中間画像の転写工程時の中間転写体全体の弾性変形による応力が原因となる表層部でのクラックや層間剥離等の発生を抑制することができる。更に、表層部において適度な弾性変形を得ることができ、記録媒体の表面形状に追従したより良好な転写性を得ることができる。
表層部を層として基体上に設ける場合には、クラックや層間剥離、転写性低下を抑制するためには、表層部の厚み以外にも、表層部と表層部に隣接する基体とが十分な密着性を有していることが好ましい。密着性を向上させるためには、表層部に隣接する基体の表面(表層部を設ける部分)に表面処理を施すことが好ましい。
表面処理としては、フレーム処理、コロナ処理、プラズマ処理、研磨処理、粗化処理、活性エネルギー線照射処理(UV、IR、RF等)、オゾン処理、界面活性剤処理等が挙げられる。またこれらを複数組み合わせて表面処理を行ってもよい。さらなる密着性向上、塗工性改良のために、表層部を形成する塗工液にシランカップリング剤や含硫化合物等を添加することも好ましい。表層部を形成する塗工液の塗工は、従来知られている各種の塗工方法により行うことができる。例えば、ダイコーティング、ブレードコーティング、グラビアコーティング、またこれらにオフセットローラを組み合わせる塗工方法等が挙げられる。
本発明者らは、鋭意検討の結果、必ずしも中間転写体の表面エネルギーを低くする、言い換えれば撥水性を高くする必要はないことを見出した。即ち、中間転写体の表層部が先に述べたPAO変性ポリシロキサン化合物を含むことにより、適度な親水性によって画像品位を保ちつつ、良好な転写性を発現することが可能であることを見出した。
本発明の中間転写体の有する画像形成面の純水に対する接触角は、凝集液やインクの特性によっても異なるが、105度以下であることが好ましい。また、80度以下であることがより好ましい。純水に対する接触角が小さいほど、付与した凝集液やインクが中間転写体上で弾かれてしまうことを抑制することができる。尚、純水等の液体に対する接触角は、一般的な接触角計を用いて測定することができる。
また、上述したように表層部を表面層として設け、表面層に柔軟性をもたせることは、表面層のクラックや層間剥離を抑制することで転写性の低下を抑制し、また記録媒体への追従性を高めることで転写性の向上につながるため好ましい。本発明においては、表面層に含まれるPAO変性ポリシロキサン化合物がポリアルキレンオキサイド単位を含む長鎖の官能基を有することで、表面層に柔軟性を付与することができる。これは、骨格内の分子鎖の運動性が向上し、内部応力緩和が促進されるためであると推測される。ただし、一般的な長鎖アルキル基のような構造を用いた場合には、あまりに炭素数が多くなると、疎水性が強くなり、均一な加水分解、縮合反応が困難となるため、炭素数は20以下が好ましく、使用に際してはプロセス条件等が制限される場合があった。一方、本発明では、より極性の高いアルキレンオキサイド基によって長鎖構造を導入するため、より多くの炭素数でも適度な親水性を維持しつつ、柔軟性を付与することができる。また、インクや凝集液の特性にあわせて、アルキレンオキサイド基の種類や含有比率を調整することで、表面層の親水性を制御し、最適な画像品位を得ることもできる。ただし、ポリアルキレンオキサイド単位を用いる場合にも、適度に低い表面タック値によって転写性を良好なものとするには、ポリアルキレンオキサイド単位の炭素数は120以下が好ましい。更に、ポリアルキレンオキサイド単位の炭素数としては、6〜100がより好ましい。
また、中間転写体を繰り返し使用すると、画像形成面の親水性が変化する場合がある。画像形成面の親水性が変化した場合には、付与された凝集液やインクの状態が変化し、初期の転写と繰り返し後の転写で、形成される画像品位が異なってしまう場合がある。このように、繰り返し使用した場合における、中間転写体の有する画像形成面の親水性の変化を抑えることは、中間転写体にとって重要である。
このように、シロキサン結合とポリアルキレンオキサイド単位が表層部に固定され、更にはこれらの成分の両方が「骨格中」に固定化されている。その結果、中間画像の転写時に記録媒体へ表面層成分が転写されて消失してしまったり、経時変化による滲み出し、凝集液やインクへの移動による消失等が起こったりすることがない。従って、中間転写体を繰り返し使用した際の親水性の変化を抑制することができる。
なお、有機シロキサン化合物の分子構造中にシロキサン結合とポリアルキレンオキサイド単位が組み込まれて固定化されているかどうかは、例えば、中間転写体の表層部を基体上に層として形成し、基体から剥離した層の、メタノール、ベンゼン等の良溶媒への浸漬前後の重量変化、および浸漬後の1H−NMRスペクトルから確認することができる。1H−NMRについては、例えば、ジメチルシロキサン成分とポリエチレンオキサイド単位を有する化合物の場合、エチレンオキサイド基(−CH2−CH2−O−、σ=3.5〜4.5ppm)のピークと、シロキサン結合の末端構造(−O−Si−CH3、σ=0.0〜0.2)のピークの有無によって確認できる。
X1は、(X2)nを含むポリアルキレンオキサイド単位であり、X2は炭素数2〜4のアルキレンオキサイド基であり、nは3〜50の整数であり、
R1、R5はそれぞれ独立して、水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を表し、
R2、R6はそれぞれ独立して、炭素数1〜20のアルキル基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、ビニル基、または環状エーテル基を有する1価の基を表し、
a、cはそれぞれ独立して1〜3の整数であり、かつb、dはそれぞれ独立して0〜2の整数であって、a+b=3、c+d=3であり、
R3、R4はそれぞれ独立して、炭素数1〜20のアルキレン基、ウレタン結合、またはカルボニル基を含む2価の基を表す。)
X3は、(X4)mを含むポリアルキレンオキサイド単位であり、X4は炭素数2〜4のアルキレンオキサイド基を表し、mは3〜50の整数であり、
R21は、水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を表し、
R22は、炭素数1〜20のアルキル基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、ビニル基、または環状エーテル基を有する1価の基を表し、qは1〜3の整数であり、かつrは0〜2の整数であって、q+r=3であり、
R23は炭素数1〜20のアルキレン基、ウレタン結合、またはカルボニル基を含む2価の基を表し、
R24は、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、エステル基、ビニル基、または環状エーテル基を有する1価の基を表す。)
一般式(1)及び(2)で表わされる有機ケイ素化合物は、水酸基またはアルキルオキシ基がSiに結合した構造を少なくとも一つ有している。
Siに置換された水酸基またはアルキルオキシ基は、脱水縮合反応によりシロキサン結合を形成することができる。なお、Siにアルキルオキシ基が結合している場合は加水分解反応が生じる。よって、水酸基またはアルキルオキシ基がSiに結合した構造を少なくとも一つ有する有機ケイ素化合物は、シロキサン結合可能な有機ケイ素化合物である。
本発明においては、係る基によって、一般式(1)及び(2)で表わされる有機ケイ素化合物の少なくとも1種の縮合反応を行うことができ、その結果、骨格中にシロキサン結合を有する化合物を得ることができる。
R1、R5、R21は、反応性の点から、特に水素原子、メチル基、エチル基のいずれかであることが好ましい。
なお、R1、R2、R5、R6、R21、R22のアルキル基は、置換または非置換のアルキル基であり、置換アルキル基の置換基としてはフェニル基等を挙げることができる。
一般式(1)におけるポリアルキレンオキサイド単位(X1)としては、以下の単位を挙げることができる。
(A)アルキレンオキサイド基が3〜50個結合したポリアルキレンオキサイド基を1つ有する単位。
(B)アルキレンオキサイド基が3〜50個結合したポリアルキレンオキサイド基の複数をリンカー基(L)により結合した構造を含む単位。
一般式(2)におけるポリアルキレンオキサイド単位(X3)としては、以下の単位を挙げることができる。
(C)アルキレンオキサイド基が3〜50個結合したポリアルキレンオキサイド基を1つ有する単位。
上記(A)のポリアルキレンオキサイド単位としては、−(O−Alk)n−O−または−O−(Alk−O)n−で表される単位を挙げることができる(Alkは炭素数2〜4のアルキレン基である)。
上記(C)のポリアルキレンオキサイド単位としても、−(O−Alk)m−O−または−O−(Alk−O)m−で表される単位を挙げることができる(Alkは炭素数2〜4のアルキレン基である)。
上記(B)の構造におけるリンカー基(L)としては、置換されていてもよいアルキレン基を含むリンカー基を挙げることができる。このようなリンカーとしては、2位にメチル基が置換したプロピレン基を挙げることができる。このプロピレン基をリンカー基として用いたポリアルキレンオキサイド単位は、以下の構造を有する。
「−O−(Alk−O)n’−CH2−C(=C)−CH2−(O−Alk)n”−O−」
(n’及びn”はそれぞれ独立に3〜50の整数である。)
R2、R6、R22、R24としてのビニル基または環状エーテル基を有する1価の置換基の具体例として、アクリロキシ基、メタクリロキシ基、グリシドキシ基、2−エポキシシクロヘキシル基などが挙げられる。
アルキレン基を含む2価の基としては、アルキレン基、アルキレンオキシ基(−Alk1−O−)、アルキレンオキシアルキレン基(−Alk1−O−Alk2−)、アルキレンオキシアルキレンオキシ基(−Alk1−O−Alk2−O−)、アルキレン基とアミノカルボニル基が連結した基(−Alk3−NH−CO−)、アルキレン基とウレタン結合基が連結した基(−Alk4−NH−CO−O−)等を挙げることができる。Alk1〜Alk4はそれぞれ独立して炭素数1〜20の置換されていてもよいアルキレン基を表す。
ウレタン結合基またはカルボニル基を含む2価の基としては、上述したアルキレン基とアミノカルボニル基が連結した基(−Alk3−NH−CO−)、アルキレン基とウレタン結合基が連結した基(−Alk4−NH−CO−O−)等を挙げることができる。
これらの2価の基は、ポリアルキレンオキサイド単位の末端における酸素原子の配置に応じて適宜選択することができる。例えば、R3と結合するX1のR3側末端が酸素原子(O)である場合は、アルキレン基やAlk3−NH−CO−を選択することができ、R3と結合するX1のR3側末端が−CH2−である場合は、−Alk1−O−、−Alk1−O−Alk2−O−、−Alk4−NH−CO−O−などのX1の末端の−CH2−との結合に用いる酸素原子を有する2価の基を選択することができる。R4、R24との結合の場合も同様である。
本発明では、同一ケイ素原子上のシロキサン結合可能な基の数を、化合物の同一ケイ素官能基数と定義する。つまり、一般式(1)及び(2)におけるa、c及びqが同一ケイ素官能基数を示す。また1分子中のシロキサン結合可能な基の数を、化合物の総官能基数と定義する。つまり、一般式(1)及び(2)におけるa+cまたはqが総官能基数を示す。この総官能基数が多いほど、結合後はより架橋密度が高くなるため柔軟性が低下し、総官能基数が少ないほど柔軟性が向上する。このため、耐クラック性のみを考えた場合、総官能基数は少ない方が好ましいことになる。しかし、1官能の有機ケイ素化合物ではシロキサン骨格の末端となるため、架橋密度の低下、即ち耐クラック性の向上には寄与するものの、目的とする骨格構造を形成しにくく、塗工性や成膜性に影響を与える場合がある。
従って、耐クラック性、塗布性、及び成膜性等を鑑み、シロキサン骨格の総官能基数を選択することが好ましく、本発明では、a+c≧2またはq≧2であることがより好ましい。
また、シロキサン結合可能な有機ケイ素化合物の反応においては、シロキサン結合数、すなわち縮合の進行度が重要な意味をもつ。本発明では以下、これを縮合度と呼ぶ。
T0体:他のケイ素原子とは酸素を介して結合していないケイ素原子。
T1体:1つのケイ素原子と酸素を介して結合しているケイ素原子。
T2体:2つのケイ素原子と酸素を介して結合しているケイ素原子。
T3体:3つのケイ素原子と酸素を介して結合しているケイ素原子。
D0体:他のケイ素原子とは酸素を介して結合していないケイ素原子。
D1体:1つのケイ素原子と酸素を介して結合しているケイ素原子。
D2体:2つのケイ素原子と酸素を介して結合しているケイ素原子。
また、加水分解反応に際して、中心金属としてケイ素、チタン、ジルコニウム、アルミニウムから選ばれる有機金属化合物を加水分解の触媒として利用し、縮合度を制御することも可能である。このような触媒としては、例えば、チタニウムアルコキシド、ジルコニウムアルコキシド、アルミニウムアルコキシド及びそれらの錯体(アセチルアセトネート錯体等)等が挙げられる。これらの有機金属化合物は、有機ケイ素化合物の縮合反応時に添加してもよく、有機ケイ素化合物の縮合物に対して添加してもよい。
Xaは、
−(O−Alk)n−O−または
−(O−Alk)n’−CH2C(=CH2)CH2−(O−Alk)n”−O−
(上記式中、Alkは炭素数2〜4のアルキレン基であり、n、n’、n”はそれぞれ独立して3〜50の整数である。)
で表されるポリアルキレンオキサイド単位であり、
R1、R5はそれぞれ独立して炭素数1〜4のアルキル基または水素原子を表し、R2、R6はそれぞれ独立して炭素数1〜4のアルキル基を表し、a、cはそれぞれ独立して2または3であり、かつb、dはそれぞれ独立して0または1であって、a+b=3、c+d=3であり、
R3、R4はそれぞれ独立して炭素数1〜4のアルキレン基、−(CH2)w−O−(CH2CH(OH)CH2)−、−(CH2)w−NH−CO−を表し、wは1〜4の整数を表す。)
一般式(2)の有機ケイ素化合物としては、以下の一般式(2A)の化合物が好ましい。
Xaは炭素数2〜4のアルキレンオキサイド基を表し、mは3〜50の整数であり、
R21は、炭素数1〜4のアルキル基または水素原子を表し、
R22は、炭素数1〜4のアルキル基を表し、qは2または3の整数であり、かつrは0または1であって、q+r=3であり、
R23は、炭素数1〜4のアルキレン基または−(CH2)z−NH−CO−を表し、zは1〜4の整数を表し、
R24は、水素原子、炭素数1〜4のアルキレン基またはメチルカルボニル基を表す。)
上記式(1A)及び(2A)におけるアルキル基またはアルキレン基は直鎖状であることが好ましい。
一般式(1)で表される有機ケイ素化合物の更に好ましい具体例としては、以下の化合物(1−1)〜(1―6)が、一般式(2)で表される有機ケイ素化合物の具体例としては以下の化合物(2−1)〜(2―5)が、挙げられるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(1−1)ビス[(3−メチルジメトキシシリル)プロピル]ポリエチレンオキサイド
(1−2)ビス[(3−メチルジメトキシシリル)プロピル]ポリプロピレンオキサイド(1−3)ビス[3−(トリエトキシシリルプロポキシ)−2−ヒドロキシプロポキシ]ポリエチレンオキサイド
(1−4)ビス[N、N’−(トリエトキシシリルプロピル)アミノカルボニル]ポリエチレンオキサイド
(1−5)ビス(トリエトキシシリルプロピル)ポリエチレンオキサイド
(1−6)1、3−[ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ポリエチレンオキシ]−2−メチレンプロパン
(2−1)2−[アセトキシ(ポリエチレンオキシ)プロピル]トリエトキシシラン
(2−2)2−[メトキシ(ポリエチレンオキシ)プロピル]トリメトキシシラン
(2−3)メトキシトリエチレンオキシプロピルトリメトキシシラン
(2−4)N−(トリエトキシシリルプロピル)−O−ポリエチレンオキサイドウレタン(2−5)[ヒドロキシ(ポリエチレンオキシ)プロピル]トリエトキシシラン
一般式(1)及び(2)で表される有機ケイ素化合物は、1種を縮合してもよいし、2種以上を共縮合させてもよい。あるいは、シロキサン結合を形成可能な他の、すなわち一般式(1)及び(2)の有機ケイ素化合物以外の有機ケイ素化合物の少なくとも1種以上と共に縮合させてもよい。特に、ビニル基または環状エーテル基を有し、シロキサン結合を形成可能であり、かつ重合反応を生じ得る他の有機ケイ素化合物と共に縮合させた場合は、耐アルカリ性、親水性の維持の観点でも上記と同様の効果が得られるため好ましい。
この他の加水分解性有機化合物としては、非加水分解性のアルキル基を有する非PAO変性の加水分解性有機化合物、非加水分解性の重合性基を有する非PAO変性の加水分解性有機化合物を挙げることができる。
非加水分解性のアルキル置換基を有する非PAO変性の加水分解性シラン化合物としては、以下の一般式(3)で表される化合物を挙げることができる。
非加水分解性のアルキル基としては、炭素数1〜10のアルキル基を挙げることができる。加水分解性基としては、アルキルオキシ基を挙げることができ、このアルキルオキシ基のアルキル基としては、メチル基、エチル基を挙げることができる。
一般式(3)の化合物の具体例としては以下の各化合物を挙げることができる。
・メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、デシルトリエトキシシラン等。
R42は非加水分解性の重合性基を、R43は非加水分解性のアルキル基を、R44は加水分解性基をそれぞれ表し、uは0〜2の整数である。)
非加水分解性の重合性基としては、ビニル基を有する基、あるいは、エポキシ基やオキセタニル基等の環状エーテル基を有する基を挙げることができる。
非加水分解性のアルキル基としては、炭素数1〜10のアルキル基を挙げることができる。
加水分解性基としては、アルキルオキシ基を挙げることができ、このアルキルオキシ基のアルキル基としては、メチル基、エチル基を挙げることができる。
一般式(4)の化合物の具体例としては以下の各化合物を挙げることができる。
・グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、グリシドキシプロピルジメチルメトキシシラン、グリシドキシプロピルジメチルエトキシシラン、2−(エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、これらの化合物のエポキシ基をオキセタニル基に置換した化合物等。
・アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、アクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、アクリロキシプロピルジメチルメトキシシラン、アクリロキシプロピルジメチルエトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、メタクリロキシプロピルジメチルメトキシシラン、メタクリロキシプロピルジメチルエトキシシラン等。
また、一般式(1)及び(2)の有機ケイ素化合物の少なくとも1種(C1)に対する一般式(3)及び(4)の化合物の少なくとも1種(C2)の割合は、C1:C2=1:99〜20:80(モル比)から選択することが好ましい。
さらに、本発明においては、一般式(1)の有機ケイ素化合物を少なくとも縮合して得られる化合物を有することが好ましい。その理由は以下のように推測される。一般式(1)の有機ケイ素化合物の場合、ポリアルキレンオキサイド単位の両側にシロキサン結合可能な官能基が配置されるため、これを縮合した化合物では、ポリアルキレンオキサイド単位がシロキサン結合の間に共有結合で導入された分子構造、すなわち、シロキサン骨格の主鎖にポリアルキレンオキサイド単位が組み入れられた分子構造を得ることができる。
一般に側鎖に長鎖構造を導入する場合は、その側鎖の嵩高さによる立体障害によって、主鎖の結合を部分的に妨げることで架橋密度が高くなりすぎることを抑制し、柔軟性を発現させることができる。ただし、結合が妨げられた部分は未反応部分として残存するため、長期保存による経時変化や、湿度による配向の変化、あるいは温度による反応の進行等の特性変化につながる恐れがある。よって、このような特性の変化を抑える観点では、縮合度を高くしておくことが望ましいが、その場合は、主鎖の架橋密度が非常に高くなるため、柔軟化の効果が弱まってしまう。また、側鎖の長鎖構造は分子内での自由度が高いため、表面付近の配向が変化すると、表面特性が変化してしまう場合もある。これに対し、主鎖に長鎖構造を導入する場合は、主鎖の結合点と結合点の間に長鎖構造が導入される。このため、高い縮合度においても主鎖の結合間隔を確実に広げることができ、架橋密度の低い部分が保たれるため柔軟化の効果が十分に発現され、好ましい。また、長鎖構造の両側が固定化されることで、表面付近の配向の変化も抑制されるため、より特性の安定した表面層を得ることができる。このように、縮合度と架橋密度のバランスを適正に保つことが本発明の中間転写体としては重要である。本発明においては、長鎖構造としてポリアルキレンオキサイド単位を有しており、特に一般式(1)の有機ケイ素化合物の場合は、長鎖構造が主鎖に導入されるため好ましく、より長鎖の構造が発達しやすいためより好ましい。
本発明の中間転写体の表層部においては、シロキサン結合数に対するアルキレンオキサイド基数(アルキレンオキサイド単位数)の比が0.1〜1.2であることが好ましい。この範囲内にこれらの比を調整することによって、表層部を十分に柔軟化してクラックや層間剥離を防止して良好な中間転写体の転写性を得るためのより十分なアルキレンオキサイド単位数を表層部に供給することができる。更に、表層部の表面を、良好な転写性を得るためのより好適なタック値を有する面として形成することができる。0.1より小さい場合、表層部を十分に柔軟化することが難しく、クラックを効果的に防止することが難しい場合がある。また、1.2より大きい場合、柔軟化が進むことと同時に表面タック値が増加し、インク凝集物の転写性が低下する場合がある。
なお、シロキサン結合数に対するアルキレンオキサイド基数の比は、1H−NMRスペクトルから見積もることができる。1H−NMRについては、前述したように例えば、ジメチルシロキサン成分とポリエチレンオキサイド単位を有する化合物の場合、エチレンオキサイド基(−CH2−CH2−O−、σ=3.5〜4.5ppm)のピーク強度と、シロキサン結合の末端構造(−O−Si−CH3、σ=0.0〜0.2)のピーク強度の比で表わすことができる。
重合にカチオン重合を用いる場合の重合開始剤としては、例えば光照射によりカチオン種またはブレンステッド酸を発生する光カチオン重合開始剤、または熱によりカチオン種またはブレンステッド酸を発生する熱カチオン重合開始剤が挙げられる。
具体的には、オニウム塩、ボレート塩、トリアジン化合物、アゾ化合物、過酸化物等が挙げられる。感度、安定性、反応性、溶解性の面から、芳香族スルホニウム塩、芳香族ヨードニウム塩が好ましく用いられる。カチオン重合開始剤は単独または2種以上を組み合わせて使用することができる。
重合にラジカル重合を用いる場合の重合開始剤としては、光照射によりラジカル種を発生する光ラジカル重合開始剤、または熱によりラジカル種を発生する熱ラジカル重合開始剤を用いることができる。ラジカル重合開始剤としては、例えば、ジアルキルパーオキサイド類、ジアシルパーオキサイド類、ケトンパーオキサイド類、パーオキシケタール類、ヒドロパーオキサイド類、パーオキシエステル類等の有機過酸化物、アゾ系化合物、ベンゾフェノン及びベンゾフェノン化合物、アセトフェノン化合物、ベンゾイン及びベンゾインエーテル化合物、アミノカルボニル化合物、チオキサントン類等のカルボニル化合物、スルフィド類、過酸化物等が挙げられる。ラジカル重合開始剤は単独または2種以上を組み合わせて使用することができる。
重合性基を有する有機ケイ素化合物を少なくとも用いて縮合物を形成する場合は、縮合物と組み合わせて表層部の形成に用いることのできる他のSiを含有しない材料として、カチオン重合性樹脂及び/またはラジカル重合性樹脂を用いることができる。
上記のSiを含有しない材料としてのカチオン重合性樹脂とは、カチオン重合性の基である、ビニル基、環状エーテル基等を有する化合物を含む樹脂のことである。中でもエポキシ基、オキセタニル基を有する樹脂が好ましく用いられる。エポキシ樹脂に、オキセタン化合物あるいはオキタセン樹脂を併用する場合、硬化反応が促進される。エポキシ樹脂の具体例としては、ビスフェノール−A−ジグリシジルエーテル、ビスフェノール−F−ジグリシジルエーテル等、ビスフェノール骨格を有するモノマーまたはオリゴマーからなるビスフェノール型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、トリスフェノールメタン型エポキシ樹脂、3,4−エポキシシクロヘキセニルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキセンカルボキシレート等の脂環式エポキシ構造を有する樹脂が挙げられる。
(メタ)アクリル酸エステル単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシルなどが挙げられる。
スチレン系単量体としては、例えば、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、ビニルナフタレン、2−エチルスチレン、3−エチルスチレン、4−エチルスチレンなどが挙げられる。
重合性の材料を用いて中間転写体の表層部を形成するにあたり、活性エネルギー線の照射による硬化、もしくは加熱による硬化工程を用いることにより、薄く均一で機械的強度に優れた表層部を形成することができる。このことも、転写性が良好となる要因となる。さらに、表層部に隣接する層との密着性にも優れるため、耐久性にも優れる。活性エネルギー線としては、電子線、X線等を用いることができるが、作業性等の点から紫外線が好ましく用いられる。
転写型インクジェット記録方法において、インクや必要に応じて用いる凝集液の表面エネルギーは、20mN/m以上50mN/m以下であることが一般的である。本発明においては、各液体を中間転写体表面上に適切に付与するために、適度な濡れ性及び転写性を両立することが、中間転写体の表面設計において重要となる。
また、中間転写体の表層部の画像形成面への中間画像の形成を良好なものとし、中間転写体上における中間画像の保持性を向上させるために、画像形成面の平均表面粗さRaは0.001μm以上3.00μm以下であることが好ましい。
本発明の転写型画像記録装置(転写型インクジェット記録装置)の実施形態を図2に示す。この装置は、画像形成面を有する中間転写体11と、インク付与手段としてのインクジェットデバイス15と、凝集液塗布手段としての塗布ローラ14と、圧着ローラ18とを有する。圧着ローラ18は、中間転写体11とともに中間画像の転写手段を構成している。インクジェットデバイス15は、インクジェット記録ヘッドからインクを吐出する構成を有する。
[転写型画像記録方法]
この装置による画像記録(画像形成)は、以下の操作によって行うことができる。塗布ローラ14により凝集液が付与された中間転写体11上の画像形成面に、インクジェットデバイス15を用いてインクを付与することにより、中間画像を形成する。そして、圧着ローラ18により、中間転写体上に形成した中間画像を記録媒体17に圧着して、中間画像を記録媒体へ転写する。
本発明の中間転写体は、支持部材12上に設置することができる。支持部材12は軸13を中心として矢印方向に回転駆動し、その回転と同期して、周辺に配置された各デバイスが作動するようになっている。支持部材には、その搬送精度や耐久性の観点からある程度の構造強度が求められる。支持部材の材質には、金属、セラミック、樹脂等が好ましく用いられる。中でも特に、転写時の加圧に耐え得る剛性や寸法精度のほか、動作時のイナーシャを軽減して制御の応答性を向上するために、以下のものが好ましく用いられる。例えば、アルミニウム、鉄、ステンレス、アセタール樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン、ポリウレタン、シリカセラミクス、アルミナセラミクス等である。またこれらを組み合わせて用いるのも好ましい。支持部材は、適用する記録装置の形態または記録媒体への転写態様に合わせ、例えばローラ状、ベルト状の物も好ましく使用することができる。ドラム状の支持部材やベルト状の無端ウエブ構成の支持部材を用いると、同一の中間転写体を連続して繰り返し使用することが可能となり、生産性の面から極めて好ましい。
(凝集液付与工程)
中間転写体11には、インクを付与する前に凝集液を付与しておくことが好ましい。凝集液を付与する方法は、従来知られている各種方法を適宜用いることができる。例としては、ダイコーティング、ブレードコーティング、グラビアコーティング、またこれらにオフセットローラを組み合わせた方法等が挙げられる。また、高速高精度に付与できる方法としてインクジェット法を用いるのも好ましい。
凝集液は、インクを高粘度化する成分を含有する。かかる成分は中間転写体上でのインクの少なくとも一部の流動性を低下させ、インクの滲みや混じり合いであるブリーディング、ビーディング等を抑制する効果がある。即ち、インクジェットデバイスを用いた画像形成においては単位面積当たりのインク付与量が多量となる場合がある。このような場合に、ブリーディング、ビーディングが起こりやすい。しかし、凝集液が中間転写体上に付与されていることによって、インクにより画像が形成される時に流動性が低下するため、ブリーディングやビーディングが起こりにくく、結果として画像が良好に形成・保持される。
インクを高粘度化する成分は、画像形成に用いるインクの種類によって適切に選択するのが好ましい。例えば、染料系のインクに対しては高分子凝集剤を含有する凝集液を用いることが好ましい。或いは、顔料粒子が分散されてなる顔料系のインクに対しては、多価の金属イオンを含有する凝集液や、酸緩衝液等のpH調整剤を含有する凝集液を用いることが好ましい。また別のインク高粘度化成分の例として、カチオンポリマー等複数のイオン性基を有する化合物を用いるのもよい。また、これらの化合物を2種類以上併用するのも有効である。具体的にインク高粘度化成分として使用できる高分子凝集剤としては、例えば、陽イオン性高分子凝集剤、陰イオン性高分子凝集剤、非イオン性高分子凝集剤、両性高分子凝集剤等が挙げられる。
インクを高粘度化する成分として用いるpH調整剤としては、pHが7.0より低い酸性溶液が好ましく用いられる。例としては塩酸、リン酸、硫酸、硝酸、ホウ酸等の無機酸、蓚酸、ポリアクリル酸、酢酸、グリコール酸、マロン酸、リンゴ酸、マレイン酸、アスコルビン酸、コハク酸、グルタル酸、フマル酸、クエン酸、酒石酸、乳酸、ピロリドンカルボン酸、ピロンカルボン酸、ピロールカルボン酸、フランカルボン酸、ピリジンカルボン酸、クマリン酸、チオフェンカルボン酸、ニコチン酸等の有機酸が挙げられる。またこれらの化合物の誘導体、又はこれらの塩の溶液も同様に好ましく用いることができる。
また、pH緩衝能を有する酸緩衝液(バッファー)は、インクにより見かけ上の凝集液濃度が低下してもpHの変動が少なく、インクとの反応性が低下しにくいので、好ましく用いられる。pH緩衝能を得るためには、凝集液中に緩衝剤を含有させることが好ましい。緩衝剤としては、例えば酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸リチウム等の酢酸塩、りん酸水素塩、炭酸水素塩、或いは、フタル酸水素ナトリウム、フタル酸水素カリウム等の多価カルボン酸の水素塩を用いることができる。多価カルボン酸としては、例えばフタル酸以外にも、マロン酸、マレイン酸、コハク酸、フマル酸、イタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、アジピン酸、セバシン酸、ダイマー酸、ピロメリット酸、トリメリット酸等が挙げられる。これ以外でも、添加することでpHに対して緩衝作用を発現させる従来公知の化合物は、いずれも好ましく用いることができる。
水溶性有機溶剤としては、具体的には、例えば、1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール等のアルカンジオール類。ジエチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル、トリエチレングリコールモノエチル(又はブチル)エーテル等のグリコールエーテル類。エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、第2ブタノール、第3ブタノール等の炭素数1乃至4のアルキルアルコール類。N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のカルボン酸アミド類。アセトン、メチルエチルケトン、2−メチル−2−ヒドロキシペンタン−4−オン等のケトン、又は、ケトアルコール。テトラヒドロフラン、ジオキサン等の環状エーテル類。グリセリン。エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,2−又は1,3−プロピレングリコール、1,2−又は1,4−ブチレングリコール、ポリエチレングリコール等のアルキレングリコール類。チオジグリコール、1,2,6−ヘキサントリオール、アセチレングリコール誘導体等の多価アルコール類。2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ジメチルスルホキシド等の含硫黄化合物等が好ましく用いられる。また、これらの中から2種類以上の化合物を選択して混合して用いることもできる。凝集液は必要に応じて所望の性質を持たせるため、上記の成分のほかに消泡剤、防腐剤、防黴剤等を適宜に添加することができる。
なお、凝集液は中間画像形成前及び/または中間画像形成後に付与してもよいが、図2には、中間画像形成前に凝集液を付与する例を示した。
中間転写体11の凝集液を付与した画像形成面に、インクジェットデバイス15を用いてインクが付与される。インクジェットデバイスのインク吐出方式としては、例えば電気−熱変換体によりインクに膜沸騰を生じさせ気泡を形成することでインクを吐出する方式、電気−機械変換体によってインクを吐出する方式、静電気を利用してインクを吐出する方式等がある。高速で高密度の印刷の観点からは電気−熱変換体を利用した方式が好ましく用いられる。
インクジェットデバイス全体の形態としては、特に制限はない。記録ヘッドの形態としても特に制限はなく、インク吐出口が中間転写体の画像形成面の幅方向に直線状に配列されたラインヘッド型のヘッドや、画像形成面上を所定の方向に走査してインクを付与するシャトル型のヘッドをいずれも好適に用いることもできる。
インクとしては、インクジェット用インクとして広く用いられているインク、具体的には染料やカーボンブラック、有機顔料といった色材を溶解及び/または分散させた各種インクを用いることができる。中でも、カーボンブラックや有機顔料インクは、耐候性や発色性の良い画像が得られるため好ましい。
インクとしては、水を含む水性インクが好ましい。特に成分中に水分を45.0質量%以上含むインクが好ましい。インクの色材含有量は0.1質量%以上であることが好ましく、0.2質量%以上であることがより好ましい。また、15.0質量%以下であることが好ましく、10.0質量%以下であることがより好ましい。
インクは、色材としての染料及び/または顔料、必要に応じて添加される顔料の分散剤としての高分子化合物や樹脂成分を含有することができる。色材としては、特開2008−018719号公報に記載されているような従来公知の色材を用いることができる。
また、最終的に記録媒体に形成された画像の堅牢性等を向上させるために、インクに水溶性樹脂等の樹脂成分や水溶性架橋剤を添加することもできる。用いられる材料としてはインク成分と共存できるものであれば制限は無い。
水溶性有機溶剤を含む水性インクを用いた場合には、記録媒体に中間画像を転写する際の中間画像を形成しているインクは、水分等の揮発性成分が除去されているために、色材成分と水溶性有機溶媒とを主成分として形成されている。中間画像の記録媒体への転写時に中間画像を形成しているインク中に水溶性有機溶媒が含まれる場合には、中間転写体の画像形成面からのインクの剥離性がより良好となり、中間画像の転写性を向上させることができる。転写性向上効果を得る上では、高沸点で蒸気圧の低い水溶性有機溶剤が好ましい。このような水溶性有機溶剤としては以下の各水溶性有機溶媒を挙げることができる。
これらの中から2種類以上の化合物を選択して混合して用いることもできる。
これらの高沸点で蒸気圧の低い水溶性有機溶剤を用いる場合のインク中での含有量は、30質量%までの範囲から選択することが好ましい。
インクは、必要に応じてpH調整剤、防錆剤、防腐剤、防黴剤、酸化防止剤、還元防止剤、水溶性樹脂の中和剤、塩等の、種々の添加剤を含有してもよい。必要に応じて界面活性剤を加えてインクの表面張力を適宜調整してもよい。界面活性剤としては、インクに対して保存安定性等に大きな影響を及ぼさないものであれば限られるものではない。例えば脂肪酸塩類、高級アルコール硫酸エステル塩類、液体脂肪油硫酸エステル塩類、アルキルアリルスルホン酸塩類等のアニオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエステル類、ポリオキシエチレンソルビタンアルキルエステル類、アセチレンアルコール類、アセチレングリコール類等のノニオン性界面活性剤が挙げられる。またこれらの2種以上を適宜選択して使用することもできる。
インクを構成する成分の配合比は、選択したインクジェットヘッドの吐出力、ノズル径等から吐出可能な範囲で、適宜調製すればよい。
図2においては、ヒーター16により、中間画像から液体分を減少させている。中間画像の液体分が過剰であると、次の転写工程において余剰液体がはみ出すことや、あふれ出すことがある。この結果、中間画像が乱れたり転写性が低下したりすることがある。液体分除去の方法としては、従来用いられている各種方法がいずれも好ましく適用できる。例えば、加熱による方法、低湿空気を送風する方法、減圧する方法、液体を吸収する吸収体を接触させる方法、また、これらを組み合わせる方法等を挙げることができる。或いは、自然乾燥により乾燥を行うことも可能である。
(転写工程)
乾燥工程後、中間画像を記録媒体に圧着して、中間画像を中間転写体の画像形成面から記録媒体へ転写することで、最終画像を記録した印字物を得る。記録媒体には、一般的な印刷で用いられる普通紙や光沢紙のみならず、広く、布、プラスチック、フィルムその他の印刷媒体等が含まれる。圧着の際には、加圧ローラ18を用いて中間転写体と記録媒体の両側から加圧すると、効率良く中間画像が転写形成されるため好ましい。また、多段階に加圧することも良好な転写性が得られるので好ましい。
(洗浄工程)
中間転写体11は、生産性の観点から繰り返し連続的に用いることがあり、その際には、次の画像形成を行う前に、洗浄ローラ19等で表面を洗浄再生することが好ましい。洗浄再生を行う方法としては、旧来用いられている各種の方法がいずれも好ましく適用できる。例えばシャワー状に洗浄液を当てる方法、濡らしたモルトンローラを表面に当接させ払拭する方法、洗浄液面に接触させる方法、またワイパーブレードで掻き取る方法、各種エネルギーを付与する方法等が挙げられる。これらは複数組み合わせてもよい。
(実施例1〜17、比較例1、2)
本発明における実施例及び比較例となる、転写型インクジェット記録用中間転写体を、以下の方法で作製した。
まず、以下の手順により各縮合物を合成した。
実施例1、2、4、9及び13、比較例2では構成単位A及び構成単位B用の化合物を、実施例3、5〜8、10〜12、14〜17では構成単位A、構成単位B及び構成単位C用の化合物を、表1に示す縮合物のモル組成となるように混合して加水分解縮合物製造用の材料とした。比較例1では構成単位B用の化合物を単独で用いて加水分解縮合物製造用の材料とした。各材料を、塩酸を触媒として水溶媒中で24時間以上加熱還流して加水分解性の縮合を行い、縮合物を含有する溶液を得た。
次に、得られた各縮合物を含有する溶液のそれぞれを、メチルイソブチルケトンにより15質量%に希釈し、光カチオン重合開始剤(商品名:SP150、ADEKA製)を全固形分に対して5質量%添加した。このようにして表層部を形成する塗工液を得た。
次に、中間転写体の本体部として、厚さ0.05mmのPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム上に、ゴム硬度40度のシリコーンゴムを0.2mmの厚さでコーティングしたものを用意した。本体部に対し、加水分解縮合物を含む各溶液をそれぞれ用いて、スピンコートにて塗工・成膜を行い、本体部を基層とした表層を設けた。表層を設けた後、UVランプを照射して露光し、120℃にて2時間の加熱を行い、表層を硬化させて画像形成面を構成する表層部を形成して、各中間転写体を得た。
このようにして得られた表層部の厚みは、いずれの中間転写体においても1.0μmであった。
表層部の骨格中のアルキレンオキサイド基数とシロキサン結合数の比は以下の方法により求めた。
各中間転写体をそれぞれ個々に、2−メチルージエチルケトン中に12時間浸漬後、乾燥させ、表層部を剥離して測定用試料を形成した。固体1H−NMR(Bruker社製、AV400M)にて、各測定用試料について、エチレンオキサイド基(−CH2−CH2−O−、σ=3.5〜4.5ppm)のピークと、シロキサン結合の末端構造(−O−Si−CH3、σ=0.0〜0.2)のピークの強度比を測定した。得られた各強度比から、表層部の骨格中のアルキレンオキサイド基数とシロキサン結合数の比を求めた。
以上の各中間転写体について、図2に示す転写型インクジェット記録装置を用いて評価を行った。各中間転写体の支持部材は、アルミニウム合金からなる円筒形のドラムを用いた。
まず、塩化カルシウム(CaCl2・2H2O)の13質量%水溶液に界面活性剤や添加剤を適宜添加して、表面張力及び粘度を調整して凝集液を得た。得られた凝集液を、ローラ式塗布装置を用いて中間転写体の表面(画像形成面)に連続的に付与した。次に、画像形成用のインクを、中間転写体の画像形成面に対しインクジェットデバイスから吐出し、中間転写体上に中間画像(ミラー反転している画像)を形成した。インクジェットデバイスとしては、電気−熱変換体を用い、オンデマンド方式にてインク吐出を行うタイプのデバイスを用いた。インクは、下記組成の樹脂分散型顔料インクを用いた。
・C.I.ピグメントブルー15:3.0質量部
・スチレン−アクリル酸−アクリル酸エチル共重合体(酸価240、重量平均分子量5000):1.0質量部
・グリセリン:10.0質量部
・エチレングリコール:5.0質量部
・アセチレノールE100(商品名):0.5質量部
・イオン交換水:80.5質量部
次に、記録媒体として長尺・ロール状の表面親水処理化ペットフィルム(厚さ150μm)を用い、上記方法で形成した中間画像を記録媒体へと圧着・転写することで、最終画像を形成した。中間画像の転写後に画像形成面の洗浄による再生を行い、中間画像の形成と転写を繰り返し連続して50000回行い、以下の項目について評価した。
(凝集液塗布性)
50000回の転写を行う前後の中間転写体について、中間転写体表面に付与された凝集液の均一性を、以下の基準を用いて目視で評価した。
A:中間転写体表面に均一に付与されている。
B:中間転写体表面にほぼ均一に付与されている。
C:中間転写体表面へ均一に付与されていない。
(耐クラック性)
50000回の転写を行った後の、中間転写体の表層部の耐クラック性を、以下の基準を用いて目視で評価した。
AA:50000回の転写を繰り返しても、表層部のクラックは観察されない。
A:30000回の転写では表層部のクラックは観察されないが、50000回の転写では表層部のクラックが観察される。
B:20000回の転写では表層部のクラックは観察されないが、30000回の転写では表層部のクラックが観察される。
C:10000回の転写で表層部のクラックが観察されないが、20000回の転写では表層部のクラックが観察される。
D:10000回の転写で表層部のクラックが観察される。
以上の各評価結果を表1に示す。
(以下、構成単位A用の化合物)
イ:N−(トリエトキシシリルプロピル)−O−ポリエチレンオキサイドウレタン(SIT8192.0(Gelest社製))
ロ:[ヒドロキシ(ポリエチレンオキシ)プロピル]トリエトキシシラン(SIH6188(Gelest社製))
ハ:ビス[3−(トリエトキシシリルプロポキシ)−2−ヒドロキシプロポキシ]ポリエチレンオキサイド(SIB1824.2(Gelest社製))
ニ:ビス(トリエトキシシリルプロピル)ポリエチレンオキサイド(SIB1824.84(Gelest社製))
ホ:ビス[N、N’−(トリエトキシシリルプロピル)アミノカルボニル]ポリエチレンオキサイド(SIB1824.82(Gelest社製))
ヘ:デシルトリメトキシシラン
(以下、構成単位B用の化合物)
MTES:メチルトリエトキシシラン
DMDES:ジメチルジエトキシシラン
(以下、構成単位C用の化合物)
GPTES:グリシドキシプロピルトリエトキシシラン
GPMDES:グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン
なお、上記構成単位A用の化合物として用いられる有機ケイ素化合物の構造式を下記表2及び3に示す。
また、これらの実施例では10000回の繰り返し転写まではクラック発生がなく、初期状態と繰り返し転写後で、得られる画像の画像品位に差はなかった。アルキルオキサイド基数/シロキサン結合数の比が特定範囲内の実施例1〜12、及び14〜17ではクラック発生の抑制効果について更に良好な結果が得られた。
一方、骨格中にシロキサン結合と、ポリアルキレンオキサイド単位を有する化合物からなる表層部を有していない比較例1の中間転写体は、初期状態と繰り返し転写後で、得られる画像の画像品位に差が認められ、安定した画像記録を行うことが困難であった。さらに、比較例2の中間転写体は、表面で凝集液を弾いてしまい、塗布状態の均一性が得られにくい結果となった。
2 表層部
3 基層
Claims (8)
- インクを中間転写体に付与することで中間画像を形成する工程と、前記中間画像を記録媒体に転写する工程と、を有する転写型画像記録方法に用いる中間転写体であって、
前記中間転写体のインクを付与する側の面の表層部が、シロキサン結合及びポリアルキレンオキサイド単位を有する有機シロキサン化合物を含む
ことを特徴とする中間転写体。 - 前記有機シロキサン化合物が、加水分解性シロキサン化合物の縮合物であり、
前記加水分解性シロキサン化合物が、
X1は、(X2)nを含むポリアルキレンオキサイド単位であり、X2は炭素数2〜4のアルキレンオキサイド基であり、nは3〜50の整数であり、
R1、R5はそれぞれ独立して、水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を表し、
R2、R6はそれぞれ独立して、炭素数1〜20のアルキル基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、ビニル基、または環状エーテル基を有する1価の基を表し、
a、cはそれぞれ独立して1〜3の整数であり、かつb、dはそれぞれ独立して0〜2の整数であって、a+b=3、c+d=3であり、
R3、R4はそれぞれ独立して、炭素数1〜20のアルキレン基、ウレタン結合、またはカルボニル基を含む2価の基を表す。)
で表わされる有機ケイ素化合物の少なくとも1種を含む請求項1に記載の中間転写体。 - 前記有機シロキサン化合物が、加水分解性シロキサン化合物の縮合物であり、
前記加水分解性シロキサン化合物が、
X3は、(X4)mを含むポリアルキレンオキサイド単位であり、X4は炭素数2〜4のアルキレンオキサイド基を表し、mは3〜50の整数であり、
R21は炭素数1〜4のアルキル基または水素原子を表し、
R22は炭素数1〜20のアルキル基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、ビニル基、または環状エーテル基を有する1価の基を表し、qは1〜3の整数であり、かつrは0〜2の整数であって、q+r=3であり、
R23は炭素数1〜20のアルキレン基、ウレタン結合、またはカルボニル基を含む2価の基を表し、
R24は、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、エステル基、ビニル基、または環状エーテル基を有する1価の基を表す。)
で表わされる有機ケイ素化合物の少なくとも1種を含む請求項1に記載の中間転写体。 - 前記ポリアルキレンオキサイド単位が、ポリエチレンオキサイド単位である請求項1乃至3のいずれか一項に記載の中間転写体。
- 前記縮合物におけるシロキサン結合数に対するアルキレンオキサイド単位数の比が0.1〜1.2である請求項2乃至4のいずれか一項に記載の中間転写体。
- インクを中間転写体に付与することで中間画像を形成する工程と、前記中間画像を記録媒体に転写する工程と、を有する転写型画像記録方法であって、
前記中間転写体が請求項1乃至5のいずれか一項に記載の中間転写体であることを特徴とする転写型画像記録方法。 - 前記インクの前記中間転写体への付与がインクジェット法により行われる請求項6に記載の転写型画像記録方法。
- 中間転写体と、インクを中間転写体に付与して中間画像を形成するためのインク付与手段と、前記中間画像を記録媒体に転写するための転写手段と、を有する転写型画像記録装置において、
前記中間転写体が、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の中間転写体であることを特徴とする転写型画像記録装置。
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