JP6168825B2 - コーティング材料、コーティング及びその製造方法、並びにインクジェットヘッド及びその製造方法 - Google Patents

コーティング材料、コーティング及びその製造方法、並びにインクジェットヘッド及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、撥水防汚コーティング用材料及び該材料を用いた撥水防汚コーティングの製造方法に関する。
パーフルオロオキシアルキレン基(以下「パーフルオロポリエーテル基」という)含有化合物は、一般的にその表面自由エネルギーが小さいため、撥水撥油性、離型性、防汚性などを有する。その性質を利用して、パーフルオロポリエーテル基含有化合物は、工業的には紙、繊維などの撥水撥油防汚剤、ディスプレー表面の撥水撥油防汚剤、精密機器の防油剤等に幅広く利用されている。パーフルオロポリエーテル基含有化合物としては、例えば、パーフルオロポリエーテル基を有するシランカップリング剤が知られている。該シランカップリング剤を用いる場合には、パーフルオロポリエーテル基を基材に密着させるために、シランの縮合反応を利用することができる。しかし、該シランカップリング剤は1分子中の反応基の量が十分とは言えず、硬化までに時間を要し、基材への密着性が低い。さらに、該シランカップリング剤は金属や金属酸化物、SiO2等の無機材料を含む基材には比較的容易に密着するが、樹脂プレートやフィルムなどの有機材料を含む基材とは反応しにくい。
一方、基材との反応性を有し、より強固な密着性を得るために、フッ素含有シランと基材と反応する基を有するシランとを縮合させ、基材との反応性を改良する方法が知られている。また、近年、より微細な加工を可能にするために、光重合性を付与する方法も開示されている。例えば特許文献1には、含フッ素シランとカチオン重合性シランとの縮合生成物に、光カチオン重合開始剤を添加した光硬化性組成物を用いる方法が開示されている。
特表2007−515498号公報
しかしながら、パーフルオロポリエーテル基を有する化合物はフッ素成分が凝集し易いために、該化合物を用いる場合には溶液中又は塗膜中に凝集が発生し、均一な塗膜が得られず表面に凹凸が発生する場合がある。特に、特許文献1に開示されているように、未硬化の樹脂上に塗布する場合には、フッ素成分の凝集による影響で樹脂表面が変形し、凹みが発生する場合がある。表面に凹凸があると汚れが付着しやすく、また汚れの拭き取りがし難くなる傾向がある。本発明は、高い撥水性と擦りに対する高い耐久性を有し、表面の平滑な撥水防汚コーティングを提供することを目的とする。
本発明に係るコーティング材料は、加水分解性シラン化合物縮合生成物を含むコーティング材料であって、該加水分解性シラン化合物が、
(a)パーフルオロポリエーテル基を有する加水分解性シラン化合物と、
(b)エポキシ基を有する加水分解性シラン化合物と、
(c)パーフルオロポリエーテル基以外のフッ素含有基を有する加水分解性シラン化合物と、
を含み、該加水分解性シラン化合物に対する前記(a)パーフルオロポリエーテル基を有する加水分解性シラン化合物の比率が0.1〜4mol%である
また、本発明に係るコーティング材料は、加水分解性シラン化合物の縮合生成物を含むコーティング材料であって、該加水分解性シラン化合物が、
(a)パーフルオロポリエーテル基を有する加水分解性シラン化合物と、
(b)エポキシ基を有する加水分解性シラン化合物と、
(c)パーフルオロポリエーテル基以外のフッ素含有基を有する加水分解性シラン化合物と、
加水分解性シラン化合物以外のエポキシ化合物と、
を含む。
本発明に係るコーティングは、本発明に係るコーティング材光重合開始剤との硬化物である
本発明に係るインクジェットヘッドは、本発明に係るコーティングを有する。
本発明に係るコーティングの製造方法は、加水分解性シラン化合物縮合生成物と、光酸発生剤と、加水分解性シラン化合物以外のエポキシ化合物とを含むコーティング材料を基板上に塗布する工程と、
記コーティング材料の塗膜に対し露光及び加熱処理を施すことにより、塗膜を硬化させる工程と、
を含むコーティングの製造方法であって、
前記加水分解性シラン化合物が、
(a)パーフルオロポリエーテル基を有する加水分解性シラン化合物と、
(b)エポキシ基を有する加水分解性シラン化合物と、
(c)パーフルオロポリエーテル基以外のフッ素含有基を有する加水分解性シラン化合物と、
を含む。
本発明に係るコーティングの製造方法は、
(1)基板上に加水分解性シラン化合物以外のエポキシ化合物と、光重合開始剤とを含む光重合性樹脂を用いて光重合性樹脂層を形成する工程と、
(2)前記光重合性樹脂層上に本発明に係るコーティング材料の塗膜を形成する工程と、
(3)前記光重合性樹脂層及び前記塗膜を同時に露光する工程と、
(4)前記光重合性樹脂層及び前記塗膜の露光部分を一括硬化する工程と、
を含む。
本発明に係るインクジェットヘッドの製造方法は、コーティングを有するインクジェットヘッドの製造方法であって、本発明に係るコーティングの製造方法を用いて該コーティングを形成する。
本発明によれば、高い撥水性と擦りに対する高い耐久性を有し、表面の平滑な撥水防汚コーティングを提供することができる。
[撥水防汚コーティング用材料]
本発明に係る撥水防汚コーティング用材料は、加水分解性シラン化合物を縮合させて得られる縮合生成物を含む撥水防汚コーティング用材料であって、該加水分解性シラン化合物が、(a)パーフルオロポリエーテル基を有する加水分解性シラン化合物と、(b)エポキシ基を有する加水分解性シラン化合物と、(c)パーフルオロポリエーテル基以外のフッ素含有基を有する加水分解性シラン化合物と、を含む。
本発明に係る撥水防汚コーティング用材料において、撥水防汚の機能は(a)パーフルオロポリエーテル基を有する加水分解性シラン化合物により発現する。これに、(c)パーフルオロポリエーテル基以外のフッ素含有基を有する加水分解性シラン化合物を併用することで、パーフルオロポリエーテル基の凝集を防止し、平滑で均一な塗膜が安定して得られる。さらに、(b)エポキシ基を有する加水分解性シラン化合物を併用することで、該化合物はエポキシ基を有するため、塗膜の耐久性を高めることができる。以下、本発明の詳細を説明する。
((a)パーフルオロポリエーテル基を有する加水分解性シラン化合物)
パーフルオロポリエーテル基とは、パーフルオロアルキル基と酸素原子(エーテル結合)を含むユニットが1つ以上連なった基である。具体的には、パーフルオロポリエーテル基は下記式(5)で表される基であることが撥水性および汎用性の観点から好ましい。下記式(5)中、括弧内で表される部分がそれぞれのユニットであり、そのユニットの数を示すo、p、q及びrで表される数をここでは繰り返し単位数と呼ぶ。
Figure 0006168825
前記式(5)中、o、p、q及びrはそれぞれ0から30の整数であり、o、p、q及びrの少なくとも一つは2以上の整数である。o、p、q及びrはそれぞれ1から30の整数であることが好ましい。また、o、p、q及びrの合計が3から10の整数であることが撥水性および溶媒に対する溶解性の観点から好ましい。
(a)パーフルオロポリエーテル基を有する加水分解性シラン化合物としては、特に限定されないが、下記式(1)から(4)で表される化合物の少なくとも一種であることが、汎用性および簡便性の観点から好ましい。
Figure 0006168825
(式(1)中、Rpはパーフルオロポリエーテル基、Aは炭素数1から12の有機基、Xは加水分解性置換基、Yは非加水分解性置換基である。aは1から3の整数である。)
Figure 0006168825
(式(2)中、Rは非加水分解性置換基であり、Yと同一であっても異なっていてもよい。Rp、A、X、Yおよびaは式(1)と同義である。)
Figure 0006168825
(式(3)中、Zは水素原子又はアルキル基、Q1は2価の結合基である。mは1から4の整数である。Rp、A、X、Yおよびaは式(1)と同義である。)
Figure 0006168825
(式(4)中、nは1又は2である。Q2はn=1のとき2価の結合基、n=2のとき3価の結合基である。Rp、A、X、Yおよびaは式(1)と同義である。)
前記式(1)から(4)において、Rpは前記式(5)で表される基であることが好ましい。Rp内の繰り返し単位数は1から30の整数であることが好ましい。パーフルオロポリエーテル基の構造にもよるが、繰り返し単位数は3から20の整数であることがより好ましい。Rpの平均分子量は、500〜5000であることが好ましく、500〜2000であることがより好ましい。Rpの平均分子量が500以上であることにより、十分な撥水性が得られる。また、Rpの平均分子量が5000以下であることにより、十分な溶媒への溶解性が得られる。なお、パーフルオロポリエーテル基を有する化合物はその特性上、繰り返し単位数の異なるものの混合物である場合が多い。また、パーフルオロポリエーテル基の平均分子量とは、前記式(5)の繰り返し単位で示される部分の総和の分子量の平均を示す。前記平均分子量はGPC(ゲル透過クロマトグラフィー)により測定した値である。
Xとしては、例えばハロゲン原子、アルコキシ基、アミノ基、水素原子等が挙げられる。これらの中でも、加水分解反応により脱離した基がカチオン重合反応を阻害せず、反応性の制御がしやすい観点から、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等のアルコキシ基が好ましい。YおよびRとしては、炭素数1から20のアルキル基、フェニル基等が挙げられる。Zのアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基等が挙げられる。Q1及びQ2としては、炭素原子、窒素原子等が挙げられる。Aとしては、メチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基等が挙げられる。また置換基を有するアルキル基であってもよい。
(a)パーフルオロポリエーテル基を有する加水分解性シラン化合物の好ましい具体例としては、下記式(9)から(13)で表される化合物が挙げられる。これらは一種を用いてもよく、二種以上を併用してもよい。
Figure 0006168825
(式(9)中、sは1〜30の整数、mは1〜4の整数である。)
Figure 0006168825
(式(10)中、tは1〜30の整数である。)
Figure 0006168825
(式(11)中、eおよびfは1〜30の整数である。)
Figure 0006168825
(式(12)中、gは1〜30の整数である。)
Figure 0006168825
(式(13)中、Rmはメチル基または水素原子、hは1〜30の整数である。)
前記式(9)〜(13)において、繰り返し単位数であるs、t、e、f、g及びhは3〜30であることが好ましく、5〜20であることがより好ましい。3以上であることにより撥水性が向上し、30以下であることにより溶媒に対する溶解性が向上する。特にアルコール等の非フッ素系溶媒中で縮合反応を行う場合には、s、t、e、f、g及びhは3〜10であることが好ましい。市販の(a)パーフルオロポリエーテル基を有する加水分解性シラン化合物としては、ダイキン工業(株)製「オプツールDSX」、「オプツールAES」、信越化学工業(株)製「KY−108」、「KY−164」、住友スリーエム製「Novec1720」、ソルベイソレクシス製「フルオロリンクS10」(以上、商品名)などが挙げられる。これらは一種を用いてもよく、二種以上を併用してもよい。
((b)エポキシ基を有する加水分解性シラン化合物)
(b)エポキシ基を有する加水分解性シラン化合物としては、下記式(6)で表される化合物が汎用性の観点から好ましい。
Figure 0006168825
式(6)中、RCはエポキシ基を有する非加水分解性置換基、Rは非加水分解性置換基、Xは加水分解性置換基である。bは0から2の整数である。bは0または1であることが好ましく、0であることがより好ましい。
前記式(6)中、RCとしては、グリシドキシプロピル基、エポキシシクロヘキシルエチル基等が挙げられる。Rとしては、メチル基、エチル基等のアルキル基、フェニル基等が挙げられる。Xとしては、ハロゲン原子、アルコキシ基、アミノ基、水素原子等が挙げられる。これらの中でも、加水分解反応により脱離した基がカチオン重合反応を阻害せず、反応性を制御しやすい観点から、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等のアルコキシ基が好ましい。また、一部が加水分解によって水酸基になっていたり、脱水縮合によりシロキサン結合を形成していたりするものを用いても良い。
前記式(6)で表される化合物であってXがアルコキシ基である化合物の具体例としては、グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、エポキシシクロヘキシルエチルトリメトキシシラン、エポキシシクロヘキシルエチルトリエトキシシラン、グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、グリシドキシプロピルジメチルメトキシシラン、グリシドキシプロピルジメチルエトキシシラン等が挙げられる。これらの化合物は一種を用いてもよく、二種以上を併用してもよい。
((c)パーフルオロポリエーテル基以外のフッ素含有基を有する加水分解性シラン化合物)
(c)パーフルオロポリエーテル基以外のフッ素含有基を有する加水分解性シラン化合物としては、特に限定されないが、下記式(7)で表される化合物であることが好ましい。パーフルオロポリエーテル基を有する加水分解性シラン化合物とそれ以外の成分との親和性およびパーフルオロポリエーテル基の凝集防止の観点からである。
Figure 0006168825
式(7)中、Rfはフッ素原子を1つ以上有するアルキル基またはアリール基、Rは非加水分解性置換基、Xは加水分解性置換基である。aは1又は2の整数、bは0から2の整数、a+bは1から3の整数である。
前記式(7)中、Rfは、フッ素原子を1から10個有するアルキル基またはアリール基であることが好ましく、フッ素原子を3から5個有するアルキル基またはアリール基であることがより好ましい。フッ素原子を含むことで、パーフルオロポリエーテル基とそれ以外の成分との分離を防ぎ、パーフルオロポリエーテル基の凝集を防止する。一方、フッ素原子が多くなると、それ自身が凝集する可能性があり、パーフルオロポリエーテル基の凝集を防止する効果が低下する場合がある。Rfの具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、フェニル基、ナフチル基などの一部または全部の水素原子がフッ素原子に置換されたものが挙げられる。Rfとしては3,3,3−トリフルオロプロピル基、ペンタフルオロフェニル基、パーフルオロブチル基、又はトリフルオロメチル基であることが、その化合物が市販されており容易に入手可能である観点から好ましい。
前記式(7)中、Rとしては、メチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基、フェニル基などのアリール基等が挙げられる。Xとしてはハロゲン原子、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等のアルコキシ基等が挙げられる。前記式(7)で表される化合物の具体例としては、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、ノナフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロヘキシルトリエトキシシラン、トリデカフルオロ−1,1,2,2,−テトラヒドロオクチルトリエトキシシラン、ペンタフルオロフェニルトリエトキシシラン等が挙げられる。これらの化合物は一種を用いてもよく、二種以上を併用してもよい。
前記(a)パーフルオロポリエーテル基を有する加水分解性シラン化合物と、前記(c)パーフルオロポリエーテル基以外のフッ素含有基を有する加水分解性シラン化合物とのモル比は、(a):(c)=1:4から1:50であることが好ましい。(a):(c)は1:10から1:40であることがより好ましく、1:15から1:30であることがさらに好ましい。(a):(c)が1:4以上であることにより、パーフルオロポリエーテル基の凝集を十分に防ぐことができ、撥水防汚コーティングの表面における凹凸や現像残渣の発生を抑制することができる。また、(c)パーフルオロポリエーテル基以外のフッ素含有基を有する加水分解性シラン化合物は、それ自体は撥水撥油や防汚機能を示さないことが多いため、(a):(c)が1:50以下であることにより撥水防汚機能の低下を防ぐことができる。
((d)アルキル基またはアリール基を有する加水分解性シラン化合物)
前記加水分解性シラン化合物は、前記(a)、(b)及び(c)に加えてさらに下記式(8)で表される(d)アルキル基またはアリール基を有する加水分解性シラン化合物を含むことが好ましい。
Figure 0006168825
式(8)中、Rdはアルキル基またはアリール基、Xは加水分解性置換基である。aは1から3の整数である。なお、aが2又は3で複数のRdを有する場合、各々のRdは同一でも異なっていても良い。Rdとしては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、フェニル基、ナフチル基等が挙げられ、メチル基およびフェニル基の少なくとも一方であることが撥水性の観点から好ましい。Xとしては、ハロゲン原子、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等のアルコキシ基等が挙げられる。前記式(8)で表される化合物としては、具体的には、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリプロポキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、プロピルトリプロポキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン等が挙げられる。これらの化合物は一種を用いてもよく、二種以上を併用してもよい。
前記式(8)で表される(d)アルキル基またはアリール基を有する加水分解性シラン化合物を併用することで、縮合生成物の極性や架橋密度の制御が可能である。このような非カチオン重合性のシラン化合物を併用した場合、置換基の自由度が向上し、パーフルオロポリエーテル基の空気界面側への配向、エポキシ基の重合、未反応のシラノール基の縮合などが促進される。また、アルキル基のような非極性基が存在すると、シロキサン結合の開裂が抑制され、撥水性および耐久性が向上する。
本発明に係る縮合生成物の調製に用いる各加水分解性シラン化合物の配合比は、その使用形態に応じて適宜決定される。しかしながら、(a)パーフルオロポリエーテル基を有する加水分解性シラン化合物の配合比は、用いられる加水分解性シラン化合物のモル数の合計量を100mol%とした場合、0.01〜5mol%であることが好ましい。該配合比は、0.1〜4mol%であることがより好ましい。該配合比が0.01mol%以上であることにより十分な撥水性が得られる。また、該配合比が5mol%以下であることにより、パーフルオロポリエーテル基を有する加水分解性シラン化合物の凝集、析出の発生が抑制され、均一な塗布溶液又は塗膜が得られる。(c)パーフルオロポリエーテル基以外のフッ素含有基を有する加水分解性シラン化合物の配合比は、パーフルオロポリエーテル基の凝集防止および撥水性の観点から、用いられる加水分解性シラン化合物のモル数の合計量を100mol%とした場合、1〜50mol%であることが好ましい。前述の通り(a)の配合量にも依存するが、5〜40mol%であることがより好ましい。
(b)エポキシ基を有する加水分解性シラン化合物の配合比は、下地との接着性、撥水層の耐久性が得られる観点から、用いられる加水分解性シラン化合物のモル数の合計量を100mol%とした場合、30〜70mol%であることが好ましい。該配合比は40〜55mol%であることがより好ましい。該配合比が30mol%以上であることにより、十分な塗膜の耐久性が得られる。また、該配合比が70mol%以下であることにより、エポキシ基の極性による撥水性の低下を抑制することができる。前記式(8)で表される(d)アルキル基またはアリール基を有する加水分解性シラン化合物の配合比は、撥水性の観点から、用いられる加水分解性シラン化合物のモル数の合計量を100mol%とした場合、5〜70mol%であることが好ましい。該配合比は10〜50mol%であることがより好ましい。
本発明では、各加水分解性シラン化合物を単独で用いるのではなく、縮合させて縮合生成物として用いる。これにより、塗布時の成膜性が良好となり平滑な塗膜が安定して得られる。さらに本発明に係る材料は、光重合性樹脂層の上に塗布し、該光重合性樹脂層と一括硬化させることで、耐久性を高めることができるが、縮合生成物として用いることで樹脂層との相溶性やパターニング特性を制御することができる。なお、縮合していないシラン化合物をそのまま塗布すると、一部の成分が揮発して所望の組成とならなかったり、下地の光重合性樹脂層の形状が崩れたりすることがある。この縮合反応は、水の存在下溶媒中で加熱することにより、加水分解と縮合反応とを進行させることによって行うことができる。加水分解および縮合反応を温度、時間、濃度、pH等で適宜制御することで、所望の縮合度を得ることができる。
ここで、縮合反応の進行度合い(縮合度)は、縮合可能な官能基数に対する縮合した官能基数の割合で定義することができる。縮合可能な官能基は前述の加水分解性置換基に相当する。縮合度は29Si−NMR測定によって見積もることができる。例えば一分子中に3つの加水分解性置換基を有する加水分解性シラン化合物を用いる場合、以下の4つのピークを分離することができる。そのピーク積分値をから、下記式に従って計算される。
T0体:他の加水分解性シラン化合物とは結合していないSi原子
T1体:1つの加水分解性シラン化合物と酸素を介して結合しているSi原子
T2体:2つの加水分解性シラン化合物と酸素を介して結合しているSi原子
T3体:3つの加水分解性シラン化合物と酸素を介して結合しているSi原子
Figure 0006168825
縮合度は、用いる加水分解性シラン化合物の種類、合成条件によっても異なるが、樹脂との相溶性、塗布性の観点から40%以上であることが好ましく、50%以上であることがより好ましい。また、縮合度は析出やゲル化などを防止する観点から90%以下であることが好ましく、70%以下であることがより好ましい。ただし、溶液中に溶解した状態で縮合度が90%を超えることは稀である。
また、未反応シラン(T0体)の比率が高いと塗布膜の均一性が低下する場合があるため、T0体の比率(全Si原子に対する他の加水分解性シラン化合物とは結合していないSi原子の比率)は20%以下であることが好ましい。該比率は0〜10%であることがより好ましい。また、加水分解性置換基が全て縮合したシラン化合物が増加すると、撥水防汚性が低下したり、溶液中にゲルが析出したりする場合がある。例えば溶液中でT3体となったシランは、置換基の自由度が低下し、塗膜にしたときにフッ素の表面配向を妨げることがあるため、撥水防汚性が低下する場合がある。そのため、T3体の比率(全Si原子に対する3つの加水分解性シラン化合物と酸素を介して結合しているSi原子の比率)は50%以下であることが好ましい。該比率は10〜40%であることがより好ましい。
また、一分子中に2つの加水分解性置換基を有する加水分解性シラン化合物の場合も同様に、以下の式にしたがって縮合度を計算することができる。
D0体:他の加水分解性シラン化合物とは結合していないSi原子
D1体:1つの加水分解性シラン化合物と酸素を介して結合しているSi原子
D2体:2つの加水分解性シラン化合物と酸素を介して結合しているSi原子
Figure 0006168825
また、加水分解及び縮合反応に際して、金属アルコキシドや酸、アルカリ等を触媒として利用し、縮合度を制御することも可能である。金属アルコキシドとしては、アルミニウムアルコキシド、チタニウムアルコキシド、ジルコニアアルコキシド及びそれらの錯体(アセチルアセトン錯体等)等が挙げられる。これらの金属アルコキシドは一種を用いてもよく、二種以上を併用してもよい。また、酸やアルカリによりpHを調整することも有用である。しかしながら、アルカリ触媒を用いる場合には溶液中でゲル等の固形物が析出する場合があるため、酸触媒が好ましい。即ち、加水分解性シラン化合物を有機溶媒及び水の存在下で酸を触媒に用いて反応させることが好ましい。ただし塩酸や硫酸など無機の強酸が残留した場合、基材など周囲の部材に影響を及ぼす場合がある。またpHが低すぎると、縮合生成物中のエポキシ基が開環し塗膜の特性が低下する場合がある。そのため、弱酸であって、低分子で揮発性を有する酸が好ましい。具体例としては、酢酸、グリコール酸、ギ酸などのカルボン酸が挙げられる。これらは一種を用いてもよく、二種以上を併用してもよい。なお、これらの有機酸は反応時に添加するが、原料である加水分解性シラン化合物に微量含まれることが多いため、別途酸を添加しなくてもよい。
本発明では、複数の加水分解性シラン化合物を併用するため、加水分解性シラン化合物の種類によって加水分解及び縮合反応の速度が大きく異なる場合には、反応速度の速い化合物は縮合反応が進行し、遅い化合物が未反応で残存する場合がある。この場合、塗膜の均一性や撥水性が低下することがある。そのため、各々の加水分解性シラン化合物をできるだけ均一に反応させる観点から、酸などの触媒を用いることが好ましい。
前記縮合生成物は、水酸基、カルボニル基、エーテル結合等を有する溶媒中で合成することができる。具体例としては、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノールなどのアルコール類、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類、ジグライム、テトラヒドロフランなどのエーテル類、ジエチレングリコールなどのグリコール類などの非フッ素系有機溶媒が挙げられる。これらは一種を用いてもよく、二種以上を併用してもよい。また、水を合成に用いるため、水の溶解性が高いアルコール類が好ましい。また水分量制御の観点から、反応時の加熱は100℃以下で行うことが好ましい。そのため、加熱還流で反応を行う場合には、沸点が50〜100℃である有機溶媒を用いることが好ましい。
加水分解性シラン化合物の加水分解及び縮合反応には、一般的にアルコール等の非フッ素系有機溶媒が使用される。しかしながら、(a)パーフルオロポリエーテル基を有する加水分解性シラン化合物は、前記非フッ素系有機溶媒に対する溶解性が低い。本発明者らは加水分解性シラン化合物を非フッ素系有機溶媒とフッ素系溶媒との混合液中で加熱することで、均一な縮合生成物を合成できることを見出した。さらに、パーフルオロポリエーテル基の長さを前記範囲に適性化することが好ましい。フッ素系溶媒としては、例えばハイドロフルオロカーボン、パーフルオロカーボン、ハイドロフルオロエーテル、ハイドロフルオロポリエーテル、パーフルオロポリエーテル等が挙げられる。これらの中でも、加水分解には水の添加が必要であるため、酸素原子を有しており水との親和性がある、ハイドロフルオロエーテル、ハイドロフルオロポリエーテル、パーフルオロポリエーテルが好ましい。これらのフッ素系溶媒は一種を用いてもよく、二種以上を併用してもよい。非フッ素系有機溶媒とフッ素系溶媒との組み合わせとしては、特に限定されないが、アルコールとハイドロフルオロエーテルとの組み合わせが溶解性および縮合生成物の均一合成の観点から好ましい。非フッ素系有機溶媒とフッ素系溶媒との混合比率(体積比)は、2:8〜9:1であることが好ましく、3:7〜8:2であることがより好ましい。
加水分解性シラン化合物の加水分解性置換基がアルコキシ基の場合、加水分解及び縮合反応によってアルコールと水が生成する。そのため、実際の溶液中の成分濃度を算出することは困難である。そこで、全てのアルコキシ基が加水分解され、全てのシラノール基が縮合した、縮合度100%の状態を想定して計算した値をここでは有効成分濃度と定義する。反応溶液中における有効成分濃度は、10質量%以上、50質量%以下であることが好ましく、15質量%以上、40質量%以下であることがより好ましい。有効成分濃度が10質量%以上であることにより、十分な反応速度が得られる。有効成分濃度が50質量%以下であることにより、ゲル化、析出の発生を抑制することができる。なお、有効成分濃度では、全ての加水分解性置換基が脱離することを前提に計算するため、実際に合成に用いた溶媒(アルコール、水等)と加水分解性シラン化合物の仕込み量から算出するシラン化合物の濃度よりも、有効成分濃度は低い値となる。仕込み量から計算するシラン化合物の濃度の場合には、20質量%以上、90質量%以下が好ましい。
反応に用いられる水の量は、加水分解性シラン化合物の加水分解性置換基に対して、0.5〜3当量であることが好ましく、0.8〜2当量であることがより好ましい。水の量が0.5当量以上であることにより、加水分解及び縮合反応における十分な反応速度が得られる。水の量が3当量以下であることにより、パーフルポリエーテル基を有する加水分解性シラン化合物の析出を抑制することができる。
[撥水防汚コーティング]
本発明に係る撥水防汚コーティングは、本発明に係る撥水防汚コーティング用材料を用い、該撥水防汚コーティング用材料に含まれる前記縮合生成物を、光重合開始剤を用いて硬化させることにより得られる。
光照射によりエポキシ基、シラノール基を有する縮合生成物を硬化させるために、光重合開始剤を使用する。光重合開始剤として、スルホニウム塩やヨードニウム塩等のオニウム塩化合物、スルホン酸化合物、ジアゾメタン化合物等の光酸発生剤を使用することができる。市販品では(株)ADEKA製「アデカオプトマーSP−170」、「アデカオプトマーSP−172」、「SP−150」(商品名)、みどり化学(株)製「BBI−103」、「BBI−102」(商品名)、(株)三和ケミカル製「IBPF」、「IBCF」、「TS−01」、「TS−91」(商品名)等が挙げられる。これらの光重合開始剤は一種を用いてもよく、二種以上を併用してもよい。光重合開始剤として光酸発生剤を使用した場合には、エポキシ基のみならず、シラノール基の脱水縮合反応も酸によって促進されるため好ましい。なお、パターニング特性の改良のために光吸収剤、増感剤などを用いることもできる。これらの光重合開始剤を撥水防汚コーティング用材料に添加することで撥水防汚コーティング用の塗布液を調製することができる。また、撥水防汚コーティング用の塗布液の塗膜の下地が光酸発生剤を含有する場合には、下地から酸が拡散するため、本発明に係る撥水防汚コーティング材料に光酸発生剤を添加しなくとも塗膜を硬化させることができる。
撥水防汚コーティング用の塗布液の塗膜は、例えば本発明に係る撥水防汚コーティング材料、光重合開始剤を適宜溶媒に溶解した塗布液を、塗布装置を使用して塗布することで作製することができる。該塗布装置としては、スピンコーター、ダイコーター、スリットコーター、スプレーコーターなど汎用の装置を用いることができる。また、撥水防汚コーティング材料の濃度を調整すればディップコートも適用できる。塗布液中の縮合生成物の濃度については、縮合生成物の組成や、塗布方法、使用用途によって適宜決定される。しかしながら、塗布液中の縮合生成物の濃度としては、前述の有効成分濃度で0.1〜20質量%であることが好ましく、1〜15質量%であることがより好ましい。縮合生成物の濃度が前記範囲内であれば、十分な撥水性、耐久性が得られ、塗膜表面全体で均一な撥水性が得られる。塗膜の厚みとしては、50〜10000nmであることが好ましく、80〜5000nmであることがより好ましい。膜厚が50nm以上であることにより、均一な撥水性と十分な耐久性が得られる。また膜厚が10000nm以下であることにより、パターンの変形や解像性の低下などのパターニング特性の低下を抑制することができる。
基材の上に任意の方法で塗膜を作製した後に、光照射を行い、必要に応じて光または熱によるキュアを行い、塗膜を硬化させる。本発明の構成によれば、塗膜の硬化反応にエポキシ基のカチオン重合と、熱によるシラン(シラノール基)の縮重合を併用することで、薄膜でも高い耐久性を発現することができる。
また、光照射時にパターン露光を行うことにより、本発明に係る撥水防汚コーティングで微細な領域の表面処理を行うことができる。パターン露光を行う場合には、現像処理などを経た後で、さらに強い光照射や加熱によるキュアを行うことができる。適切なキュア処理を行い、未反応の基を完全に硬化させることで、耐久性の高い塗膜が得られる。この時、感度、解像性などのパターニング特性の改良や、耐久性の向上を目的として、加水分解性シラン化合物以外のエポキシ化合物を撥水防汚コーティング材料に添加することが好ましい。本発明に係る撥水防汚コーティング材料は、エポキシ基の重合反応とシラノール基の縮合反応を併用することで高い耐久性を実現するが、該エポキシ化合物を含むことにより塗膜物性を制御し、さらに耐久性を高めることができる。また、該エポキシ化合物を含むことにより塗布液の粘度が増加し、膜厚を増加させることもできる。
加水分解性シラン化合物以外のエポキシ化合物としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂等が挙げられる。市販品では、(株)ダイセル製「セロキサイド2021」、「GT−300シリーズ」、「GT−400シリーズ」、「EHPE3150」(商品名)、ジャパンエポキシレジン社製「157S70」(商品名)、大日本インキ化学工業株式会社製「エピクロンN−865」(商品名)、日本化薬株式会社製「SU8」(商品名)等が挙げられる。これらは一種を用いてもよく、二種以上を併用してもよい。該エポキシ化合物のエポキシ当量としては、2000以下であることが好ましく、1000以下であることがより好ましい。エポキシ当量が2000以下であることにより、硬化反応の際に十分な架橋密度が得られ、硬化物のガラス転移温度が低下せず、高い密着性が得られる。該エポキシ化合物のエポキシ当量は、50以上であることが好ましい。なお、エポキシ当量はJISK−7236により測定した値である。また、本発明のコーティング材料を用いてパターンを形成する場合、材料の流動性が高いと解像性が低下する場合があるため、該エポキシ化合物としては35℃以下で固体である化合物が好ましい。前述した材料以外にも、ネガ型レジストとして市販されている化薬マイクロケム社製「SU−8シリーズ」、「KMPR−1000」(商品名)、東京応化工業株式会社製「TMMR S2000」、「TMMF S2000」(商品名)等も該エポキシ化合物として用いることができる。
本発明に係る縮合生成物は、前記エポキシ化合物との相溶性に優れる材料である。そのため、前述の光重合開始剤と同様に、前記エポキシ化合物は本発明に係る撥水防汚コーティング用材料に添加しても良いし、下地として用いても良い。前記エポキシ化合物を下地として用いる場合にも、下地との相溶により、撥水防汚コーティング用材料に直接添加した場合と同様の効果を得ることができる。
本発明に係る撥水防汚コーティングは、半導体素子やディスプレイパネル、インクジェットヘッド等の先端デバイス分野における微細パターンへの撥水防汚コーティング等に利用することができる。
[撥水防汚コーティングの製造方法]
本発明に係る撥水防汚コーティングの製造方法は、加水分解性シラン化合物を縮合させて得られる縮合生成物と、光酸発生剤と、加水分解性シラン化合物以外のエポキシ化合物とを含む撥水防汚コーティング材料を基板上に塗布する工程と、
前記撥水防汚コーティング材料の塗膜に対し露光及び加熱処理を施すことにより、塗膜を硬化させる工程と、を含む撥水防汚コーティングの製造方法であって、
前記加水分解性シラン化合物が、
(a)パーフルオロポリエーテル基を有する加水分解性シラン化合物と、
(b)エポキシ基を有する加水分解性シラン化合物と、
(c)パーフルオロポリエーテル基以外のフッ素含有基を有する加水分解性シラン化合物と、を含む。該方法では、撥水防汚コーティング材料が光酸発生剤と、加水分解性シラン化合物以外のエポキシ化合物とを含むことで、該材料を硬化させることで得られる撥水防汚コーティングは高い撥水防汚性、耐久性及び平滑性を示す。
また、本発明に係る撥水防汚コーティングの製造方法は、
(1)基板上に加水分解性シラン化合物以外のエポキシ化合物と、光重合開始剤とを含む光重合性樹脂を用いて光重合性樹脂層を形成する工程と、
(2)前記光重合性樹脂層上に本発明に係る撥水防汚コーティング材料を用いて撥水防汚層を形成する工程と、
(3)前記光重合性樹脂層及び前記撥水防汚層を同時に露光する工程と、
(4)前記光重合性樹脂層及び前記撥水防汚層の露光部分を一括硬化する工程と、を含む。該方法では、下地である光重合性樹脂層が加水分解性シラン化合物以外のエポキシ化合物と、光重合開始剤とを含み、その上に形成される撥水防汚層と光重合性樹脂層とが一部相溶する。このため、上述した方法と同様に得られる撥水防汚コーティングは高い撥水防汚性、耐久性及び平滑性を示す。該方法は、さらに(5)前記光重合性樹脂層及び前記撥水防汚層の未露光部を除去してパターンを形成する工程を含むことができる。
以下に実施例、比較例を示すが、本発明はこれらに限定されない。各種測定、評価は以下に示す方法により行った。
(縮合度)
調製した縮合生成物の縮合度は、核磁気共鳴装置(製品名:AVANCEII 500MHz、ブルカーバイオスピン(株)製)を用いて29Si−NMR測定を行い、前記定義より算出した。また、ピーク強度より、未反応モノマー量(T0量)と、加水分解性置換基が全て縮合したものの量(T3量)も併せて算出した。
(塗膜外観)
走査型電子顕微鏡(製品名:S−4300、(株)日立ハイテクノロジーズ製)を用いて、塗膜の現像残渣と表面状態を観察した。塗膜外観は以下の基準で評価した。
現像残渣
○:現像残渣が確認されない。
△:0.3μm以下の微小な現像残渣が確認される。
×:0.3μmより大きな現像残渣が確認される。
表面状態
○:表面は平滑である。
△:表面に0.3μm以下の微小な凹凸が確認される。
×:表面に0.3μmより大きな凹凸が確認される。
(純水接触角)
作製した塗膜の評価として、微小接触角計(製品名:DropMeasure、(株)マイクロジェット製)を用いて純水に対する動的後退接触角θrの測定を行い、初期撥水性の評価を行った。また、塗膜表面の耐久性評価として、pH=10のアルカリ水溶液に塗膜を浸漬して60℃で1週間保持し、水洗した後、純水に対するθrを測定した。さらに、擦りに対する耐久性評価として、カーボンブラックを含有する水溶液を塗膜に吹き付けながらHNBR(水素化ニトリルゴム)のブレードを用いて拭き取り操作を2000回実施した後、純水に対するθrを測定した。
[実施例1]
以下に示す方法により縮合生成物を調製した。前記式(12)で表される化合物0.96g(0.726mmol、gは3から10の整数、以下化合物(i))、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン12.53g(0.045mol、以下GPTES)、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン4.91g(0.0225mol、以下C1)、メチルトリエトキシシラン8.02g(0.0225mol、以下MTEOS)、純水5.93g、エタノール15.15g、およびハイドロフルオロエーテル3.83g(商品名:HFE7200、住友スリーエム(株)製)を、冷却管を備えるフラスコ内で、室温で5分間撹拌した。その後、24時間加熱還流することによって縮合生成物を調製した。このときの縮合度は70%、T0量=3.5%、T3量=36%であった。縮合生成物の溶液をエタノールで4倍に希釈し、撥水防汚コーティング用材料を調製した。
次に、エポキシ化合物(商品名:EHPE−3150、(株)ダイセル製)100質量部と、光酸発生剤(商品名:SP−172、(株)ADEKA製)6質量部とを、溶媒であるキシレン80質量部に溶解させ、光重合性樹脂組成物を得た。該光重合性樹脂組成物を基板上にスピンコート法により膜厚10μmとなるように塗布し、90℃で5分間加熱処理して光重合性樹脂層を形成した。その上にスリットコーターを用いて、前述の撥水防汚コーティング用材料を塗布し、90℃で加熱処理した。撥水防汚コーティング用材料の塗布膜厚は、加熱処理後で約0.5μm相当とした。なお、下地の光重合性樹脂層との相溶が起こり、界面が見えないため、光重合性樹脂層上における膜厚は測定できなかった。
次に、基板上の光重合性樹脂層及び撥水防汚コーティング用材料に評価用のパターンを有するマスクを介してi線を照射した。その後、90℃で4分間加熱処理を行った。MIBK(メチルイソブチルケトン)とキシレンとの混合液で現像処理を行った後、イソプロパノールでリンス処理を行い、所望のパターンを形成した。さらに200℃で1時間加熱して、塗膜を硬化させ、撥水防汚コーティングを得た。結果を表1に示す。撥水防汚コーティングを設けた光重合性樹脂層の外観は平滑であり、初期及び耐久試験後の純水接触角は高い値を示した。
[実施例2]
実施例1で調製した撥水防汚コーティング用材料100質量部に光酸発生剤(商品名:SP−172、(株)ADEKA製)を0.4質量部加え、撥水防汚コーティング用材料を調製した。基板上に該撥水防汚コーティング用材料をスピンコート法により塗布し、90℃で加熱処理して厚さ0.5μmの塗膜を得た。実施例1と同様に、i線照射、現像処理、および加熱処理を行い、撥水防汚コーティングを得た。結果を表1に示す。実施例1と同様に撥水防汚コーティングの表面は平滑であり、初期及び耐久試験後の純水接触角は高い値を示した。
[実施例3]
実施例1で調製した撥水防汚コーティング用材料100質量部に光酸発生剤(商品名:SP−172、(株)ADEKA製)0.8質量部、及びエポキシ化合物(商品名:EHPE−3150、(株)ダイセル製)7質量部を加えた。さらに、エタノール/ブタノール混合溶媒を用いて希釈し、撥水防汚コーティング用材料を調製した。該撥水防汚コーティング用材料を用いて実施例2と同様の処理を行い、撥水防汚コーティングを得た。結果を表1に示す。撥水防汚コーティング材料にエポキシ化合物と光酸発生剤とを添加した場合においても、実施例1と同様に撥水防汚コーティングの表面は平滑であり、初期及び耐久試験後の純水接触角は高い値を示した。
[実施例4]
MTEOSをフェニルトリエトキシシラン(以下PhTES)に変更した以外は、実施例1と同様に縮合生成物を合成し、エタノール/ブタノール混合溶媒を用いて希釈して撥水防汚コーティング用材料を調製した。さらに実施例1と同様の手順で撥水防汚コーティングを得た。結果を表1に示す。実施例1と同様に撥水防汚コーティングの表面は平滑であり、初期及び耐久試験後の純水接触角は高い値を示した。
[実施例5〜7]
実施例5では、GPTES及びC1の配合量を表1に示す値に変更した。実施例6では、C1の配合量を表1に示す値に変更し、MTEOSを添加しなかった。実施例7では、化合物(i)及びC1の配合量を表1に示す値に変更し、MTEOSを添加しなかった。これら以外は実施例1と同様に縮合生成物を合成した。これらを、エタノール/ブタノール混合溶媒を用いて希釈して撥水防汚コーティング用材料を調製した。さらに実施例1と同様の手順で撥水防汚コーティングを得た。結果を表1に示す。GPTESが少なく、C1の配合量が多いため、撥水性がやや低下する傾向がみられたが、撥水防汚コーティングの表面状態は良好であった。
[実施例8]
各加水分解性シラン化合物の配合量を表1に示す値に変更した以外は、実施例1と同様に縮合生成物を合成し、エタノール/ブタノール混合溶媒を用いて希釈して撥水防汚コーティング用材料を調製した。さらに実施例1と同様の手順で撥水防汚コーティングを得た。結果を表1に示す。C1の配合量が比較的少ないため、撥水防汚コーティングの表面に僅かに現像残渣が確認された。
[実施例9]
GPTESの代わりに、2官能の加水分解性シラン化合物であるγ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン(以下GPMDES)を用いた以外は実施例1と同様に縮合生成物を合成した。これをエタノール/ブタノール混合溶媒を用いて希釈して撥水防汚コーティング用材料を調製した。さらに実施例1と同様の手順で撥水防汚コーティングを得た。結果を表1に示す。実施例1と同様に撥水防汚コーティングの表面は平滑であり、初期及び耐久試験後の純水接触角は高い値を示した。
[実施例10及び11]
純水の代わりに表1に記載の有機酸水溶液を用いた以外は実施例1と同様の方法で縮合生成物を合成し、エタノール/ブタノール混合溶媒を用いて希釈して撥水防汚コーティング用材料を調製した。さらに実施例1と同様の手順で撥水防汚コーティングを得た。結果を表1に示す。純水を用いた場合に比較して、T3比率がやや減少していることがわかった。また、実施例1と同様に撥水防汚コーティングの表面は平滑であり、初期及び耐久試験後の純水接触角は高い値を示した。
[実施例12]
C1の代わりに、トリデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロオクチルトリエトキシシラン(フッ素原子数13、以下C6)を用いた。また、表1に示す組成に変更した以外は実施例1と同様の方法で縮合生成物を合成した。これを、エタノール/ブタノール混合溶媒を用いて希釈して撥水防汚コーティング用材料を調製した。さらに実施例1と同様の手順で撥水防汚コーティングを得た。結果を表1に示す。撥水防汚コーティングの表面に僅かに凹みが発生したが、現像残渣は発生せず、撥水性も良好であった。
[実施例13]
C1の代わりに、ノナフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロヘキシルトリエトキシシラン(フッ素原子数9、以下C4)を用いた。また、表1に示す組成に変更した以外は実施例1と同様の方法で縮合生成物を合成した。これを、エタノール/ブタノール混合溶媒を用いて希釈して撥水防汚コーティング用材料を調製した。さらに実施例1と同様の手順で撥水防汚コーティングを得た。結果を表1に示す。実施例1と同様に撥水防汚コーティングの表面は平滑で残渣は確認されず、初期及び耐久試験後の純水接触角は高い値を示した。
[実施例14]
C1の代わりに、ペンタフルオロフェニルトリエトキシシラン(フッ素原子数5、以下F5Ph)を用いた。また、表1に示す組成に変更した以外は実施例1と同様の方法で縮合生成物を合成した。これを、エタノール/ブタノール混合溶媒を用いて希釈して撥水防汚コーティング用材料を調製した。さらに実施例1と同様の手順で撥水防汚コーティングを得た。結果を表1に示す。実施例1と同様に撥水防汚コーティングの表面は平滑で残渣は確認されず、初期及び耐久試験後の純水接触角は高い値を示した。
[実施例15]
溶媒としてHFE7200を用いなかった以外は実施例1と同様の方法で縮合生成物を合成し、撥水防汚コーティング用材料を調製した。さらに実施例1と同様の手順で撥水防汚コーティングを得た。結果を表1に示す。フッ素系溶媒を用いずに合成したため、僅かに現像残渣が発生したが、撥水性は良好であった。
[実施例16]
化合物(i)の代わりに、下記式で示される化合物(ii)を用いた。
Figure 0006168825
前記式(ii)中、sは20から30の整数であり、mは1〜3の整数である。また、加水分解性シラン化合物及び溶媒の組成を表1に示す値に変更した以外は、実施例1と同様の方法で縮合生成物を合成し、撥水防汚コーティング用材料を調製した。さらに実施例1と同様の手順で撥水防汚コーティングを作製した。結果を表1に示す。パーフルオロポリエーテル基の繰り返し単位数が多いため、縮合生成物の溶液に僅かに白濁が確認され、撥水防汚コーティングの表面にも僅かに凹みが発生したが、現像残渣は発生せず、撥水性も良好であった。
[実施例17]
純水の配合量を5.93gから4.94gに変更した以外は実施例1と同様の方法で縮合生成物を合成し、撥水防汚コーティング用材料を調製した。さらに実施例1と同様の手順で撥水防汚コーティングを作製した。結果を表1に示す。合成時の水分量を減少させたところ、縮合度はそれほど変化しなかったが、T0量とT3量が増加した。撥水防汚コーティングの撥水性は僅かに低下したが、現像残渣は発生せず、平滑性は良好であった。
[実施例18]
加熱還流時間を8時間に短縮した以外は実施例1と同様の方法で縮合生成物を合成し、撥水防汚コーティング用材料を調製した。さらに実施例1と同様の手順で撥水防汚コーティングを作製した。結果を表1に示す。縮合度が40%に低下し、撥水防汚コーティングの撥水性は僅かに低下したが、現像残渣は発生せず、平滑性は良好であった。
[実施例19]
各加水分解性シラン化合物の配合量を表1に示す値に変更した以外は実施例1と同様の方法で縮合生成物を合成し、撥水防汚コーティング用材料を調製した。さらに実施例1と同様の手順で撥水防汚コーティングを作製した。結果を表1に示す。撥水防汚コーティングの撥水性は僅かに低下したが、現像残渣は発生せず、平滑性は良好であった。
[実施例20]
純水の代わりに0.001mol/lの塩酸を用いた以外は、実施例1と同様の方法で縮合生成物を合成し、撥水防汚コーティング用材料を調製した。さらに実施例1と同様の手順で撥水防汚コーティングを作製した。結果を表1に示す。撥水防汚コーティングの撥水性は良好であり、現像残渣は発生せず、平滑性は良好であった。
[比較例1]
C1を配合せず、表1に示す組成とした以外は実施例1と同様の方法で縮合生成物を合成し、撥水防汚コーティング用材料を調製した。さらに実施例1と同様の手順で撥水防汚コーティングを作製した。結果を表1に示す。現像残渣が確認され、撥水防汚コーティングの表面に円形の凹みが観察された。
[比較例2]
GPTESを配合せず、表1に示す組成とした以外は実施例1と同様の方法で縮合生成物を合成し、撥水防汚コーティング用材料を調製した。さらに実施例1と同様の手順で撥水防汚コーティングを作製した。結果を表1に示す。撥水防汚コーティングの撥水性が低下し、撥水防汚性能が劣った。
[比較例3]
化合物(i)、MTEOS及びHFE7200を配合せず、表1に示す組成とした以外は実施例1と同様の方法で縮合生成物を合成し、撥水防汚コーティング用材料を調製した。さらに実施例1と同様の手順で撥水防汚コーティングを作製した。結果を表1に示す。撥水防汚コーティングの撥水性が低下し、撥水防汚性能が劣った。
Figure 0006168825

Claims (30)

  1. 加水分解性シラン化合物縮合生成物を含むコーティング材料であって、該加水分解性シラン化合物が、
    (a)パーフルオロポリエーテル基を有する加水分解性シラン化合物と、
    (b)エポキシ基を有する加水分解性シラン化合物と、
    (c)パーフルオロポリエーテル基以外のフッ素含有基を有する加水分解性シラン化合物と、
    を含み、該加水分解性シラン化合物に対する前記(a)パーフルオロポリエーテル基を有する加水分解性シラン化合物の比率が0.1〜4mol%であるコーティング材料。
  2. 前記(a)パーフルオロポリエーテル基を有する加水分解性シラン化合物が、下記式(1)から(4)で表される化合物の少なくとも一種である請求項1に記載のコーティング材料。
    Figure 0006168825

    (式(1)中、Rpはパーフルオロポリエーテル基、Aは炭素数1から12の有機基、Xは加水分解性置換基、Yは非加水分解性置換基である。aは1から3の整数である。)
    Figure 0006168825

    (式(2)中、Rは非加水分解性置換基であり、Yと同一であっても異なっていてもよい。Rp、A、X、Yおよびaは式(1)と同義である。)
    Figure 0006168825

    (式(3)中、Zは水素原子又はアルキル基、Qは2価の結合基である。mは1から4の整数である。Rp、A、X、Yおよびaは式(1)と同義である。)
    Figure 0006168825

    (式(4)中、nは1又は2である。Qはn=1のとき2価の結合基、n=2のとき3価の結合基である。Rp、A、X、Yおよびaは式(1)と同義である。)
  3. 前記式(1)から(4)において、Rpが下記式(5)で表される基である請求項2に記載のコーティング材料。
    Figure 0006168825

    (式(5)中、o、p、q及びrはそれぞれ0から30の整数であり、o、p、q及びrの少なくとも一つは2以上の整数である。)
  4. 前記式(5)において、o、p、q及びrの合計が3から10の整数である請求項3に記載のコーティング材料。
  5. 前記(a)パーフルオロポリエーテル基を有する加水分解性シラン化合物が、下記式(9)から(13)で表される化合物の少なくとも一種である請求項1に記載のコーティング材料。
    Figure 0006168825

    (式(9)中、sは1〜30の整数、mは1〜4の整数である。)
    Figure 0006168825

    (式(10)中、tは1〜30の整数である。)
    Figure 0006168825

    (式(11)中、eおよびfは1〜30の整数である。)
    Figure 0006168825

    (式(12)中、gは1〜30の整数である。)
    Figure 0006168825

    (式(13)中、R はメチル基または水素原子、hは1〜30の整数である。)
  6. 前記(b)エポキシ基を有する加水分解性シラン化合物が、下記式(6)で表される化合物である請求項1からのいずれか1項に記載のコーティング材料。
    Figure 0006168825

    (式(6)中、Rはエポキシ基を有する非加水分解性置換基、Rは非加水分解性置換基、Xは加水分解性置換基である。bは0から2の整数である。)
  7. 前記(c)パーフルオロポリエーテル基以外のフッ素含有基を有する加水分解性シラン化合物が、下記式(7)で表される化合物である請求項1からのいずれか1項に記載のコーティング材料。
    Figure 0006168825

    (式(7)中、Rはフッ素原子を1つ以上有するアルキル基またはアリール基、Rは非加水分解性置換基、Xは加水分解性置換基である。aは1又は2の整数、bは0から2の整数、a+bは1から3の整数である。)
  8. 前記式(7)において、Rがフッ素原子を1から10個有するアルキル基またはアリール基である請求項に記載のコーティング材料。
  9. 前記式(7)において、Rが3,3,3−トリフルオロプロピル基、ペンタフルオロフェニル基、パーフルオロブチル基、又はトリフルオロメチル基である請求項に記載のコーティング材料。
  10. 前記加水分解性シラン化合物が、さらに下記式(8)で表される(d)アルキル基またはアリール基を有する加水分解性シラン化合物を含む請求項1からのいずれか1項に記載のコーティング材料。
    Figure 0006168825

    (式(8)中、Rはアルキル基またはアリール基、Xは加水分解性置換基である。aは1から3の整数である。なお、aが2又は3で複数のRを有する場合、各々のRは同一でも異なっていても良い。)
  11. 前記式(8)で表される(d)アルキル基またはアリール基を有する加水分解性シラン化合物が、Rとしてメチル基およびフェニル基の少なくとも一方を有する請求項10に記載のコーティング材料。
  12. 前記(a)パーフルオロポリエーテル基を有する加水分解性シラン化合物と、前記(c)パーフルオロポリエーテル基以外のフッ素含有基を有する加水分解性シラン化合物とのモル比が、(a):(c)=1:4から1:50である請求項1から11のいずれか1項に記載のコーティング材料。
  13. 前記縮合生成物の縮合度が40%以上、90%以下である請求項1から12のいずれか1項に記載のコーティング材料。
  14. 前記縮合生成物において、3つの加水分解性シラン化合物と酸素を介して結合しているSi原子の比率が、全Si原子に対して50%以下である請求項1から13のいずれか1項に記載のコーティング材料。
  15. 前記加水分解性シラン化合物にする前記(b)エポキシ基を有する加水分解性シラン化合物の比率が30〜70mol%である請求項1から14のいずれか1項に記載のコーティング材料。
  16. 前記加水分解性シラン化合物にする前記(c)パーフルオロポリエーテル基以外のフッ素含有基を有する加水分解性シラン化合物の比率が1〜50mol%である請求項1から15のいずれか1項に記載のコーティング材料。
  17. さらに加水分解性シラン化合物以外のエポキシ化合物を含む請求項1から16のいずれか1項に記載のコーティング材料。
  18. 加水分解性シラン化合物の縮合生成物を含むコーティング材料であって、該加水分解性シラン化合物が、
    (a)パーフルオロポリエーテル基を有する加水分解性シラン化合物と、
    (b)エポキシ基を有する加水分解性シラン化合物と、
    (c)パーフルオロポリエーテル基以外のフッ素含有基を有する加水分解性シラン化合物と、
    加水分解性シラン化合物以外のエポキシ化合物と、
    を含むコーティング材料。
  19. 請求項1から18のいずれか1項に記載のコーティング材光重合開始剤との硬化物であるコーティング。
  20. 前記光重合開始剤が光酸発生剤である請求項19に記載のコーティング。
  21. 請求項20に記載のコーティングを有するインクジェットヘッド。
  22. 加水分解性シラン化合物縮合生成物と、光酸発生剤と、加水分解性シラン化合物以外のエポキシ化合物とを含むコーティング材料を基板上に塗布する工程と、
    記コーティング材料の塗膜に対し露光及び加熱処理を施すことにより、塗膜を硬化させる工程と、
    を含むコーティングの製造方法であって、
    前記加水分解性シラン化合物が、
    (a)パーフルオロポリエーテル基を有する加水分解性シラン化合物と、
    (b)エポキシ基を有する加水分解性シラン化合物と、
    (c)パーフルオロポリエーテル基以外のフッ素含有基を有する加水分解性シラン化合物と、
    を含むコーティングの製造方法。
  23. 前記加水分解性シラン化合物に対する前記(a)パーフルオロポリエーテル基を有する加水分解性シラン化合物の比率が0.1〜4mol%である請求項22に記載のコーティングの製造方法。
  24. (1)基板上に加水分解性シラン化合物以外のエポキシ化合物と、光重合開始剤とを含む光重合性樹脂を用いて光重合性樹脂層を形成する工程と、
    (2)前記光重合性樹脂層上に請求項1から19のいずれか1項に記載のコーティング材料の塗膜を形成する工程と、
    (3)前記光重合性樹脂層及び前記塗膜を同時に露光する工程と、
    (4)前記光重合性樹脂層及び前記塗膜の露光部分を一括硬化する工程と、
    を含むコーティングの製造方法。
  25. さらに(5)前記光重合性樹脂層及び前記塗膜の未露光部を除去してパターンを形成する工程を含む請求項24に記載のコーティングの製造方法。
  26. 前記縮合生成物が、前記加水分解性シラン化合物を非フッ素系有機溶媒とフッ素系溶媒との混合液中で加熱することにより得られる請求項24または25に記載のコーティングの製造方法。
  27. 前記非フッ素系有機溶媒とフッ素系溶媒との混合液が、アルコールとハイドロフルオロエーテルとの混合液である請求項26に記載のコーティングの製造方法。
  28. 前記縮合生成物が、前記加水分解性シラン化合物を有機溶媒及び水の存在下で酸を触媒に用いて反応させることにより得られる請求項24または25に記載のコーティングの製造方法。
  29. 前記酸がカルボン酸である請求項28に記載のコーティングの製造方法。
  30. コーティングを有するインクジェットヘッドの製造方法であって、請求項24から29のいずれか1項に記載のコーティングの製造方法を用いて該コーティングを形成するインクジェットヘッドの製造方法。
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