JP4522649B2 - インクジェット記録用シアンインク、これを用いたインクジェット記録方法、インクカートリッジ及びインクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェット記録用シアンインク、これを用いたインクジェット記録方法、インクカートリッジ及びインクジェット記録装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジェット記録用シアンインク、インクジェット記録方法、インクカートリッジ及びインクジェット記録装置に関する。更に詳しくは、吐出信頼性が高く、画像特性の良好なインクジェット記録に適した色材分散体のシアンインク、該インクを用いたインクジェット記録方法、インクカートリッジ及びインクジェット記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、印刷インクの着色剤として、耐水性や耐光性等の堅牢性に優れた顔料等の水不溶性色材が広く用いられている。しかし、水不溶性色材を水性インクの色材として用いるためには、水性媒体中に水不溶性色材を安定して分散させることが要求される。そのため、高分子化合物や界面活性剤等の分散剤を添加して、水不溶性色材を水性媒体中に均一に分散させた色材分散体の水性インクが使用されている。
【0003】
近年、インクジェット記録用途においても、画像堅牢性の面から、このような色材分散体の水性インクをインクジェット記録用インクとして使用するようになってきている。インクジェット記録においては、紙面上でのインクの定着性や耐水性を向上させるために、インク中の色材分散体に凝集機能や水不溶化機能を持たせる試みがとられている。しかしながら、このような機能を色材分散体に持たせることによって、インク中での分散安定性が低下することになり、インクの保存中に色材分散体が凝集して濃度むらや沈降が発生しやすくなる、インクジェット装置のノズル先端部でインク乾燥による目詰まりが発生し吐出安定性が低下しやすくなる、等という問題点を持つ。
【0004】
上記問題点を解決するために、特許文献1では疎水性セグメント及び親水性セグメントで構成されるブロック共重合体と油溶性染料を含有するインクが提案されているが、分散体としての安定性は有するものの、インクジェット記録装置で使用するインクとしては吐出安定性が依然として低く、実用レベルには達していない。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−97395公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記問題点に鑑みてなされたもので、高い堅牢性を有し、品位に優れた画像をどのような場合でも長期にわたって安定して記録することのできるインクジェット記録用シアンインクを提供することである。更には、堅牢性と品位に優れた画像を記録し得るインクジェット記録方法、インクカートリッジ及びインクジェット記録装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題点を解決すべく鋭意検討した結果、以下の発明によって解決できることを見い出した。即ち本発明は、高分子分散剤、水不溶性色材、水溶性有機溶剤及び水から構成されるインクジェット記録用シアンインクにおいて、該水不溶性色材が、少なくとも、C.I.ソルベントブルー25、C.I.ソルベントブルー38、C.I.ソルベントブルー44、C.I.ソルベントブルー67、C.I.ソルベントブルー70からなる群から選ばれる1種以上であり、上記高分子分散剤が、疎水性ブロックと親水性ブロックから構成されるブロック共重合体であって、モノマーとしてビニルエーテル類を重合してなるものであり、上記親水性ブロックがアニオン性のビニルエーテル類で構成され、さらに上記水不溶性色材が上記高分子分散剤を用いてカプセル化されており、上記高分子分散剤によって分散された上記水不溶性色材の分散体の平均粒径が80nm以下であることを特徴とする、インクジェット記録用シアンインクである。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明者らは、上記インクジェット記録用シアンインクを使用することで、高い堅牢性を有し品位に優れた画像をどのような場合でも安定して記録することが可能なことを見出した。
【0009】
これは、高分子分散剤として、疎水性ブロックと親水性ブロックから構成されるブロック共重合体を使用することで、高分子分散剤の疎水性ブロック部が色材表面に均一に付着することが可能となり、色材が露出することなく色材を高分子分散剤が均一に被覆する、即ちカプセル化することができるようになる。この際、疎水性ブロックが、モノマーとしてビニルエーテル類を重合してなるエーテル構造を多数有するポリビニルエーテルであるために、疎水性ブロックのエーテル部と隣接する高分子分散剤の疎水性ブロック部間に静電的な相互作用が発生する、即ち高分子分散剤同士の疎水性ブロック間で物理的な結合作用が発生すると考えられる。
【0010】
これにより、このカプセルの安定性が向上し、分散性が不安定になりやすいインクジェット記録の吐出時においてもこのカプセル状態が安定に維持されるようになり、吐出安定性が向上すると考えられる。また、記録後の印字画像においても、安定な高分子分散剤のカプセルによって色材が保護されているため、色材の一部がもともと露出しているような場合や吐出時に色材の一部が露出してしまうような場合に比べ、色材の堅牢性が向上すると考えられる。更に、高分子分散剤の親水性部がブロック化されているため、インク媒体との親和性が良好になり、疎水基を含有するランダム重合された高分子分散剤を使用したものに比べて、色材分散体の分散安定性が大きく向上するようになると考えられる。これにより、インク中での色材分散体の凝集や沈降が起こりにくくなり、吐出安定性だけでなくインクの長期保存時の安定性も良好になっていると考えられる。
【0011】
更に本発明者らは、色材分散体を含有するインクをインクジェット記録装置に使用する場合の課題として、インクジェットヘッドのノズル先端部でインク中の水分が蒸発しインクが濃縮されると、分散安定性が極端に低下してノズルの目詰まりが発生するという課題を鋭意検討したところ、水不溶性色材として、少なくとも、C.I.ソルベントブルー25、C.I.ソルベントブルー38、C.I.ソルベントブルー44、C.I.ソルベントブルー67、C.I.ソルベントブルー70からなる群から選ばれる1種以上の水不溶性色材を使用することで、上記高分子分散剤の疎水性ブロックと色材の親和性が良好になることを見い出した。その結果、インク中の水分が多量に蒸発する様なインクジェットプリンターの印字プロセス時においても、色材分散体の分散安定性が低下しにくくなり、ノズルの目詰まりが発生することなく、長期にわたって安定に吐出させることを可能にした。
【0012】
以下、本発明のインクジェット記録用シアンインクの構成材料について詳細に説明する。
(水不溶性色材)
本発明のインクジェット記録用シアンインクに使用する水不溶性色材としては、少なくとも、C.I.ソルベントブルー25、C.I.ソルベントブルー38、C.I.ソルベントブルー44、C.I.ソルベントブルー67、C.I.ソルベントブルー70からなる群から選ばれる1種以上であり、これらの水不溶性色材は、単独で使用する以外に、2種以上組み合わせて使用することもできる。
【0013】
これら水不溶性色材のインク中の含有量は、インク全質量に対して、好ましくは0.1〜20質量%、より好ましくは1.0〜10質量%である。色材の量が0.1質量%未満では十分な画像濃度が得にくい場合があり、色材の量が20質量%を超えると、ノズルにおける目詰り等による吐出安定性の低下が起こる場合がある。
【0014】
また、これらの水不溶性色材がインク中で後記の高分子分散剤と形成する、色材分散体の平均粒子径は、好ましくは80nm以下、より好ましくは50nm以下であると、吐出安定性が更に向上し、また印字画像の発色性も良好になる。この色材分散体の粒子径を測定する方法としては、例えば、レーザー光散乱法、X線小角散乱法、沈降法、電子顕微鏡で直接観察する方法等が挙げられる。
【0015】
(高分子分散剤)
本発明のインクジェット記録用シアンインクに使用する高分子分散剤としては、モノマーとしてビニルエーテル類を重合してなるもので、少なくとも1種類以上の疎水性ブロックと、少なくとも1種類以上の親水性ブロックをそれぞれ有するブロック共重合体であればよく、2種類以上の親水性ブロックや2種類以上の疎水性ブロックを有するものでもよく、単独のブロック共重合体でも2種以上のブロック共重合体が混合されたものでも使用できる。共重合体の重合形態は、直鎖型、グラフト型等が挙げられるが、直鎖型のブロック共重合体が好ましい。
【0016】
また、高分子分散剤の親水性ブロックは、アニオン性のビニルエーテル類又は非イオン性のビニルエーテル類から構成されていることが好ましい。或いは、アニオン性のビニルエーテル類から構成されるブロックと、非イオン性のビニルエーテル類から構成されるブロックの2種のブロックを有しているジブロック体であると、インク媒体中での色材分散体の安定性がより向上するため好ましい。
【0017】
高分子分散剤の親水性ブロックが上記のようなジブロック体である場合は、疎水性を有するポリビニルエーテルのブロック、非イオン性の親水性を有するポリビニルエーテルのブロック、アニオン性の親水性を有するポリビニルエーテルのブロックの順番で構成されたブロック共重合体であると、インク媒体中での色材分散体の安定性が更に向上するためより望ましい。
【0018】
上記高分子分散剤を形成する、疎水性を有するビニルエーテル類のブロックとしては、下記一般式(1)で示される繰り返し単位構造を有するブロックが好ましい。
−(CH2−CH(OR1))− (1)
上記の一般式(1)において、R1は、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基又はシクロアルケニル基のような脂肪族炭化水素基、フェニル基、ピリジル基、ベンジル基、トルイル基、キシリル基、アルキルフェニル基、フェニルアルキレン基、ビフェニル基、フェニルピリジル基等のような、炭素原子が窒素原子で置換されていてもよい芳香族炭化水素基を表わす。また、芳香環上の水素原子は、炭化水素基で置換されていてもよい。R1の炭素数は1〜18が好ましい。
【0019】
またR1は、−(CH(R2)−CH(R3)−O)p−R4若しくは−(CH2m−(O)n−R4で表される基でもよい。この場合、R2及びR3はそれぞれ独立に水素原子又はメチル基を表わし、R4はアルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基又はシクロアルケニル基のような脂肪族炭化水素基、フェニル基、ピリジル基、ベンジル基、トルイル基、キシリル基、アルキルフェニル基、フェニルアルキレン基、ビフェニル基、フェニルピリジル基等のような、炭素原子が窒素原子で置換されていてもよい芳香族炭化水素基(芳香環上の水素原子は、炭化水素基で置換されていてもよい。)、−CO−CH=CH2、−CO−C(CH3)=CH2、−CH2−CH=CH2、−CH2−C(CH3)=CH2を表わし、これらの基のうちの水素原子は、化学的に可能である範囲でフッ素、塩素、臭素等のハロゲン原子と置換されていてもよい。R4の炭素数は1〜18が好ましい。pは1〜18が好ましく、mは1〜36が好ましく、nは0又は1であるのが好ましい。
【0020】
1及びR4において、アルキル基又はアルケニル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、t−ブチル、ペンチル、へキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ドデシル、テトラデシル、ヘキサデシル、オクタデシル、オレイル等であり、シクロアルキル基又はシクロアルケニル基としては、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロへキシル、シクロオクチル等である。
【0021】
次に、親水性を有するビニルエーテル類のブロックとしては、下記一般式(2)で選ばれる繰り返し単位構造を有するブロックが好ましい。
−(CH2−CH(OR5))− (2)
上記の一般式(2)において、R5は、−(CH2−CH2−O)k−R6、−(CH2m−(O)n−R6、−R7−X、−(CH2−CH2−O)k−R7−X、−(CH2m−(O)n−Xで表わされる基である。この場合、R6は、水素原子、炭素数1から4までの直鎖又は分枝状のアルキル基、及び−CO−CH=CH2、−CO−C(CH3)=CH2、−CH2−CH=CH2、−CH2−C(CH3)=CH2を表わし、R7はアルキレン基、アルケニレン基、シクロアルキレン基又はシクロアルケニレン基のような脂肪族炭化水素基、フェニレン基、ピリジレン基、ベンジレン基、トルイレン基、キシリレン基、アルキルフェニレン基、フェニレンアルキレン基、ビフェニレン基、フェニルピリジレン基等のような、炭素原子が窒素原子で置換されていてもよい芳香族炭化水素基(芳香環上の水素原子は、炭化水素基で置換されていてもよい)を表わし、これらの基のうちの水素原子は、化学的に可能である範囲で、フッ素、塩素、臭素等のハロゲン原子と置換されていてもよい。Xはカルボン酸基、スルホン酸基、リン酸基から選ばれるアニオン性を有する基を表わす。R7の炭素数は1〜18が好ましい。kは1〜18が好ましく、mは1〜36が好ましく、nは0又は1であるのが好ましい。
【0022】
下記にそのモノマー(I−a〜I−o)及びポリマー(II−a〜II−e)の構造を例示するが、本発明に用いられるポリビニルエーテル構造は、これらに限定されるものではない。
【化1】
Figure 0004522649
【0023】
【化2】
Figure 0004522649
【0024】
更に、ポリビニルエーテルの繰り返し単位数(上記(II−a)〜(II−e)においては、m、n、l)は、それぞれ独立に、1〜10,000であることが好ましい。また、その合計が(上記(II−a)〜(II−e)においては、m+n+l)、10〜20,000であることがより好ましい。数平均分子量は、500〜20,000,000が好ましく、1,000〜5,000,000がより好ましく、2,000〜2,000,000が最も好ましい。
【0025】
このような高分子分散剤がインク中に占める割合としては、インク全質量に対して、0.1〜20質量%が好ましく、0.5〜10質量%がより好ましい。また、高分子分散剤と水不溶性色材とのインク中における含有比率は、固形分質量比で好ましくは高分子分散剤:水不溶性色材=1:100〜2:1であると、インクの吐出安定性や保存安定性が向上する。
【0026】
(水溶性有機溶剤)
本発明のインクジェット記録用シアンインクに使用する水溶性有機溶剤としては、水溶性の有機溶剤であれば制限なく使用することができ、2種以上の水溶性有機溶剤の混合溶剤としても使用できる。このような混合溶剤として使用する場合は、混合した場合に液状であれば、固体の水溶性有機化合物が含有されていてもよい。
【0027】
なかでも、水溶性有機溶剤が、高分子分散剤の親水性ブロック部の溶解性パラメータに対して、0.0〜+10.0(J/cm31/2の範囲にある溶解性パラメータを有する水溶性有機溶剤であると、インクジェットヘッドのノズルの目詰まりがより発生しにくくなり好ましい。この溶解性パラメータ(δ(J/cm31/2)は、溶剤の凝集エネルギー密度の平方根として表わされ、δ=(ΔE/V)1/2(式中、ΔEは溶剤のモル蒸発熱、Vは溶媒のモル体積)の式から算出される溶剤の溶解性を示す溶剤固有の値である。例えば、水はδ=47.0、エタノールはδ=25.7、ヘキサンはδ=14.9である。また、高分子分散剤の溶解性パラメータ(δ)は、高分子分散剤の無限溶解度又は最高膨潤度を与える溶剤の溶解性パラメータ=高分子の溶解性パラメータとする実験的に算出した値や、高分子分散剤の官能基の分子凝集エネルギーから算出した値である。高分子分散剤及び溶剤の溶解性パラメータ(δ)を官能基の分子凝集エネルギーから算出する方法は、δ=(ΔE/V)1/2=(ΣΔei/ΣΔvi1/2(式中、ΔEはそれぞれのモル蒸発熱、Vはそれぞれのモル体積、Δeiはそれぞれの原子団の蒸発エネルギー(J/mol)、Δviはそれぞれの原子団のモル体積(cm3/mol)である。)の式から算出する方法が挙げられる。
【0028】
このような水溶性有機溶剤としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール等の低級アルコール類;エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオ−ル、チオジグリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジオール、ポリエチレングリコール等のジオール類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノアリルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコーリモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル等のアルキレングリコールモノアルキルエーテル類;グリセリン、1,2,4−ブタントリオール、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等のポリオール類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等の環状エーテル類;ジメチルスルホキシキド、ダイアセトンアルコール、グリセリンモノアリルエーテル、N−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、γ−ブチロラクトン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、スルフォラン、β−ジヒドロキシエチルウレア、ウレア、アセトニルアセトン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、アセトン、ジアセトンアルコール等が挙げられる。
【0029】
これらの中でも、沸点が120℃以上の水溶性有機溶剤を使用すると、ノズル先端部でのインク濃縮が抑制されるため好ましい。これらの水溶性有機溶剤のインク中に占める割合としては、インク全質量に対して、好ましくは5〜50質量%、より好ましくは10〜30質量%である。
【0030】
以上が本発明のインクジェット記録用インクの構成材料であるが、これらの材料以外に、界面活性剤、pH調整剤、酸化防止剤、防黴剤等の各種の添加剤を添加してもよい。
【0031】
本発明のインクジェット記録方法は、インクにエネルギーを与えてインクを飛翔させて行なうインクジェット記録方法に、上記インクを使用することである。エネルギーとしては、熱エネルギーや力学的エネルギーを用いることができるが、熱エネルギーを用いる方法が好ましい。
【0032】
本発明のインクジェット記録方法においては、被記録媒体は限定されるものではないが、いわゆるインクジェット専用紙と呼ばれる、少なくとも一方の面にインクを受容するコーティング層を持つ被記録媒体等が好ましく使用される。コーティング層を持つ被記録媒体としては、少なくとも親水性ポリマー及び/又は無機多孔質体を含有した少なくとも一方の面にインクを受容するコーティング層を持つ被記録媒体が望ましい。次に、上記した本発明のインクジェット記録用インクを用いて記録を行なうのに好適な、本発明のインクジェット記録装置の一例を以下に説明する。
【0033】
(熱エネルギーを利用したインクジェット記録装置)
まず、熱エネルギーを利用したインクジェット記録装置の主要部であるヘッド構成の一例を図1及び図2に示す。図1は、インク流路に沿ったヘッド13の断面図であり、図2は図1のA−B線での切断面図である。ヘッド13はインクを通す流路(ノズル)14を有する、ガラス、セラミック、シリコン又はプラスチック板等と、発熱素子基板15とを接着して得られる。発熱素子基板15は、酸化シリコン、窒化シリコン、炭化シリコン等で形成される保護層16、アルミニウム、金、アルミニウム−銅合金等で形成される電極17−1及び17−2、HfB2、TaN、TaAl等の高融点材料から形成される発熱抵抗体層18、熱酸化シリコン、酸化アルミニウム等で形成される蓄熱層19、シリコン、アルミニウム、窒化アルミニウム等の放熱性のよい材料で形成される基板20よりなっている。
【0034】
上記ヘッド13の電極17−1及び17−2にパルス状の電気信号が印加されると、発熱素子基板15のnで示される領域が急速に発熱し、この表面に接しているインク21に気泡が発生し、その圧力でメニスカス23が突出し、インク21がヘッドのノズル14を通して吐出し、吐出オリフィス22よりインク小滴24となり、被記録材25に向かって飛翔する。図3には、図1に示したヘッドを多数並べたマルチヘッドの一例の外観図を示す。このマルチヘッドは、マルチノズル26を有するガラス板27と、図1に説明したものと同じような発熱ヘッド28を接着して作られている。
【0035】
図4に、このヘッドを組み込んだインクジェット記録装置の一例を示す。図4において、61はワイピング部材としてのブレードであり、その一端はブレード保持部材によって保持固定されており、カンチレバーの形態をなす。ブレード61は記録ヘッド65による記録領域に隣接した位置に配置され、又、本例の場合、記録ヘッド65の移動経路中に突出した形態で保持される。
【0036】
62は記録ヘッド65の突出口面のキャップであり、ブレード61に隣接するホームポジションに配置され、記録ヘッド65の移動方向と垂直な方向に移動して、インク吐出口面と当接し、キャッピングを行なう構成を備える。更に、63はブレード61に隣接して設けられるインク吸収体であり、ブレード61と同様、記録ヘッド65の移動経路中に突出した形態で保持される。上記ブレード61、キャップ62及びインク吸収体63によって吐出回復部64が構成され、ブレード61及びインク吸収体63によって、吐出口面に水分、塵挨等の除去が行なわれる。
【0037】
65は、吐出エネルギー発生手段を有し、吐出口を配した吐出口面に対向する被記録材にインクを吐出して記録を行なう記録ヘッド、66は記録ヘッド65を搭載して記録ヘッド65の移動を行なうためのキャリッジである。キャリッジ66は、ガイド軸67と摺動可能に係合し、キャリッジ66の一部はモーター68によって駆動されるべルト69と接続(不図示)している。これにより、キャリッジ66はガイド軸67に沿った移動が可能となり、記録ヘッド65による記録領域及びその隣接した領域の移動が可能となる。
【0038】
51は被記録材を挿入するための紙給部、52は不図示のモーターにより駆動される紙送りローラーである。これらの構成により記録ヘッド65の吐出口面と対向する位置へ被記録材が給紙され、記録が進行するにつれて排紙ローラー53を配した排紙部へ排紙される。以上の構成において、記録ヘッド65が記録終了してホームポジションへ戻る際、吐出回復部64のキャップ62は記録ヘッド65の移動経路から退避しているが、ブレード61は移動経路中に突出している。その結果、記録ヘッド65の吐出口がワイピングされる。
【0039】
尚、キャップ62が記録ヘッド65の吐出面に当接してキャッピングを行なう場合、キャップ62は記録ヘッドの移動経路中に突出するように移動する。記録ヘッド65がホームポジションから記録開始位置へ移動する揚合、キャップ62及びブレード61は上記したワイピングの時の位置と同一の位置にある。この結果、この移動においても記録ヘッド65の吐出口面はワイピングされる。上述の記録ヘッドのホームポジションへの移動は、記録終了時や吐出回復時ばかりでなく、記録ヘッドが記録のために記録領域を移動する間に所定の間隔で記録領域に隣接したホームポジションへ移動し、この移動に伴って上記ワイピングが行なわれる。
【0040】
図5は、記録ヘッドにインク供給部材、例えば、チューブを介して供給されるインクを収容したインクカートリッジの一例を示す図である。ここで40は供給用インクを収納したインク収容部、例えば、インク袋であり、その先端にはゴム製の栓42が設けられている。この栓42に針(不図示)を挿入することにより、インク袋40中のインクをヘッドに供給可能にする。44は廃インクを受容するインク吸収体である。インク収容部としてはインクとの接液面がポリオレフイン、特にポリエチレンで形成されているものが好ましい。
【0041】
本発明で使用されるインクジェット記録装置としては、上述のようにヘッドとインクカートリッジとが別体となったものに限らず、図6に示すようなそれらが一体になったものにも好適に用いられる。図6において、70は記録ユニットであり、この中にはインクを収容したインク収容部、例えば、インク吸収体が収納されており、かかるインク吸収体中のインクが複数オリフィスを有するヘッド部71からインク滴として吐出される構成になっている。インク吸収体の材料としてはポリウレタンを用いることが本発明にとって好ましい。また、インク吸収体を用いず、インク収容部が内部にバネ等を仕込んだインク袋であるような構造でもよい。72はカートリッジ内部を大気に連通させるための大気連通口である。この記録ユニット70は図4に示す記録ヘッド65に換えて用いられるものであって、キャリッジ66に対して着脱自在になっている。
【0042】
(力学的エネルギーを利用したインクジェット記録装置)
次に、力学的エネルギーを利用したインクジェット記録装置の好ましい一例としては、複数のノズルを有するノズル形成基板と、ノズルに対向して配置される圧電材料と導電材料からなる圧力発生素子と、この圧力発生素子の周囲を満たすインクを備え、印加電圧により圧力発生素子を変位させ、インクの小液滴をノズルから吐出させるオンデマンドインクジェット記録ヘッドを挙げることができる。その記録装置の主要部である記録ヘッドの構成の一例を図7に示す。
【0043】
ヘッドは、インク室(不図示)に連通したインク流路80と、所望の体積のインク滴を吐出するためのオリフィスプレート81と、インクに直接圧力を作用させる振動板82と、この振動板82に接合され、電気信号により変位する圧電素子83と、オリフィスプレート81、振動板82等を指示固定するための基板84とから構成されている。
【0044】
図7において、インク流路80は、感光性樹脂等で形成され、オリフィスプレート81は、ステンレス、ニッケル等の金属を電鋳やプレス加工による穴あけ等により吐出口85が形成され、振動板82は、ステンレス、ニッケル、チタン等の金属フィルム及び高弾性樹脂フィルム等で形成され、圧電素子83は、チタン酸バリウム、PZT等の誘電体材料で形成される。以上のような構成の記録ヘッドは、圧電素子83にパルス状の電圧を与え、歪み応力を発生させ、そのエネルギーが圧電素子83に接合された振動板を変形させ、インク流路80内のインクを垂直に加圧しインク滴(不図示)をオリフィスプレート81の吐出口85より吐出して記録を行なうように動作する。このような記録ヘッドは、図4に示したものと同様なインクジェット記録装置に組み込んで使用される。インクジェット記録装置の細部の動作は、先述と同様に行なうもので差しつかえない。
【0045】
【実施例】
以下、実施例に基づき本発明を詳細に説明する。本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。尚、文中、「部」、及び「%」とあるのは質量基準である。
参考例1]
(高分子分散剤Aの作製)
疎水性ブロックと親水性ブロックからなるABジブロック共重合体の合成:三方活栓を取り付けたガラス容器内を窒素置換した後、窒素ガス雰囲気下、250℃で加熱し吸着水を除去した。系を室温に戻した後、イソブチルビニルエーテル12ミリモル、酢酸エチル16ミリモル、1−イソブトキシエチルアセテート0.1ミリモル、及びトルエン11cm3を加え、系内温度が0℃に達したところでエチルアルミニウムセスキクロライド0.2ミリモルを加え重合を開始し、ABジブロックポリマーのAブロックを合成した。
【0046】
分子量を時分割に分子ふるいカラムクロマトグラフィー(GPC)を用いてモニタリングし、Aブロックの重合が完了した後、2−ヒドロキシエチルビニルエーテルの水酸基をトリメチルクロロシランでシリル化したビニルモノマー12ミリモルを添加することで、Bブロックの合成を行った。重合反応の停止は、系内に0.3%のアンモニア/メタノール溶液を加えて行い、トリメチルクロロシランでシリル化した水酸基の加水分解は水を添加することで行った。反応を終えた混合溶液中にジクロロメタンを加え希釈し、0.6Nの塩酸溶液で3回、次いで蒸留水で3回洗浄し、エバポレーターで濃縮・乾固したものを真空乾燥させてABジブロック共重合体(高分子分散剤A)を得た。化合物の同定は、NMR及びGPCを用いて行った。(Mn=3.7×104、Mn/Mw=1.3)
【0047】
(色材分散体Iの作製)
市販の水不溶性色材であるC.I.ソルベントブルー44を1.0部と、アセトン99.0部を混合し、40℃に加温して均一に溶解するようによく攪拌した。この混合溶液を、テトラヒドロフラン99.0部に高分子分散剤A1.0部を溶解した溶液中に添加し混合した後、水10.0部を添加した。その後、ロータリーエバポレーターで、アセトンとテトラヒドロフランを除去し、色材分散体Iを得た。得られた色材分散体中のアセトンとテトラヒドロフランの濃度をガスクロマトグラフィーで分析したが、共に検出されず色材分散体中には残留していないと判断される結果であった。
(インク1の作製)
・上記色材分散体I 50.0部
・ジエチレングリコール 10.0部
・チオジグリコール 10.0部
・イオン交換水 30.0部
以上の成分を混合し、充分攪拌して、目的のインク1を得た。得られたインク中の色材分散体の平均粒子径をレーザー光散乱法による機器ELS−800(大塚電子社製)で測定したところ、47nmであった。
【0048】
参考例2]
(色材分散体IIの作製)
参考例1で使用した色材を、市販の水不溶性色材であるC.I.ソルベントブルー25に変更した以外は、参考例1と同様にして色材分散体IIを得た。得られた色材分散体中のアセトンとテトラヒドロフランの濃度をガスクロマトグラフィーで分析したが、共に検出されず色材分散体中には残留していないと判断される結果であった。
(インク2の作製)
・上記色材分散体II 50.0部
・エチレングリコール 9.0部
・グリセリン 11.0部
・イオン交換水 30.0部
以上の成分を混合し、充分攪拌して、目的のインク2を得た。得られたインク中の色材分散体の平均粒子径をレーザー光散乱法による機器ELS−800(大塚電子社製)で測定したところ、42nmであった。
【0049】
[実施例
(高分子分散剤Bの作製)
疎水性ブロックと親水性ブロックからなるABジブロック共重合体の合成:三方活栓を取り付けたガラス容器内を窒素置換した後、窒素ガス雰囲気下250℃で加熱し吸着水を除去した。系を室温に戻した後、2−デカノキシエチルビニルエーテル12ミリモル、酢酸エチル16ミリモル、1−イソブトキシエチルアセテート0.1ミリモル、及びトルエン11cm3を加え、系内温度が0℃に達したところでエチルアルミニウムセスキクロライド0.2ミリモルを加え重合を開始し、ABジブロックポリマーのAブロックを合成した。
【0050】
分子量を時分割に分子ふるいカラムクロマトグラフィー(GPC)を用いてモニタリングし、Aブロックの重合が完了した後、4−(2−ビニロキシエトキシ)ベンゾイックアシッド(Bブロック)のカルボン酸部をエチル基でエステル化したビニルモノマー12ミリモルを添加することで、Bブロックの合成を行った。重合反応の停止は、系内に0.3%のアンモニア/メタノール溶液を加えて行い、エステル化させたカルボキシル基は、水酸化ナトリウム/メタノール溶液で加水分解させてカルボン酸型に変化させた。後は参考例1と同様にして、ABジブロック共重合体(高分子分散剤B)を得た。化合物の同定は、NMR及びGPCを用いて行った。(Mn=3.5×104、Mn/Mw=1.2)
【0051】
(色材分散体IIIの作製)
色材を市販の水不溶性色材であるC.I.ソルベントブルー67に変更し、高分子分散剤を上記高分子分散剤Bに変更した以外は、参考例1と同様にして色材分散体IIIを得た。得られた色材分散体中のアセトンとテトラヒドロフランの濃度をガスクロマトグラフィーで分析したが、共に検出されず色材分散体中には残留していないと判断される結果であった。
(インク3の作製)
・上記色材分散体III 40.0部
・トリプロピレングリコール 15.0部
・トリエチレングリコール 5.0部
・イオン交換水 40.0部
以上の成分を混合し、充分攪拌して、目的のインク3を得た。得られたインク中の色材分散体の平均粒子径をレーザー光散乱法による機器ELS−800(大塚電子社製)で測定したところ、45nmであった。
【0052】
[実施例
(高分子分散剤Cの作製)
疎水性ブロックと2つの親水性ブロックからなるABCトリブロック共重合体の合成:三方活栓を取り付けたガラス容器内を窒素置換した後、窒素ガス雰囲気下250℃で加熱し吸着水を除去した。系を室温に戻した後、n−オクタデシルビニルエーテル12ミリモル、酢酸エチル16ミリモル、1−イソブトキシエチルアセテート0.1ミリモル、及びトルエン11cm3を加え、系内温度が0℃に達したところでエチルアルミニウムセスキクロライド0.2ミリモルを加え重合を開始し、ABCトリブロックポリマーのAブロックを合成した。
【0053】
分子量を時分割に分子ふるいカラムクロマトグラフィー(GPC)を用いてモニタリングし、Aブロックの重合が完了した後、2−(2−(2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシビニルエーテル(Bブロック)24ミリモルを添加し重合を続行した。同様にGPCで分子量をモニタリングし、Bブロックの重合が完了した後、6−(2−ビニロキシエトキシ)ヘキサノイックアシッド(Cブロック)のカルボン酸部をエチル基でエステル化したビニルモノマー12ミリモルを添加することで合成を行った。重合反応の停止は、系内に0.3%のアンモニア/メタノール溶液を加えて行い、エステル化させたカルボキシル基は、水酸化ナトリウム/メタノール溶液で加水分解させてカルボン酸型に変化させた。後は参考例1と同様にして、ABCトリブロック共重合体(高分子分散剤C)を得た。化合物の同定は、NMR及びGPCを用いて行った。(Mn=3.7×104、Mn/Mw=1.2)
【0054】
(色材分散体IVの作製)
色材を市販の水不溶性色材であるC.I.ソルベントブルー70に変更し、高分子分散剤を上記高分子分散剤Cに変更した以外は、参考例1と同様にして色材分散体IVを得た。得られた色材分散体中のアセトンとテトラヒドロフランの濃度をガスクロマトグラフィーで分析したが、共に検出されず色材分散体中には残留していないと判断される結果であった。
(インク4の作製)
・上記色材分散体IV 50.0部
・トリエチレングリコール 20.0部
・イオン交換水 30.0部
以上の成分を混合し、充分攪拌して、目的のインクを得た。得られたインク中の色材分散体の平均粒子径をレーザー光散乱法による機器ELS−800(大塚電子社製)で測定したところ、47nmであった。
【0055】
[実施例
(色材分散体Vの作製)
色材を市販の水不溶性色材であるC.I.ソルベントブルー38に変更し、高分子分散剤を実施例の高分子分散剤Cに変更した以外は、参考例1と同様にして色材分散体Vを得た。得られた色材分散剤中のアセトンとテトラヒドロフランの濃度をガスクロマトグラフィーで分析したが、共に検出されず色材分散体中には残留していないと判断される結果であった。
(インク5の作製)
・上記色材分散体V 50.0部
・トリエチレングリコール 20.0部
・イオン交換水 30.0部
以上の成分を混合し、充分攪拌して、目的のインクを得た。得られたインク中の色材分散体の平均粒子径をレーザー光散乱法による機器ELS−800(大塚電子社製)で測定したところ、59nmであった。
【0056】
[比較例1]
(色材分散体VIの作製)
参考例1で使用したC.I.ソルベントブルー44を使用し、高分子分散剤としてスチレン−マレイン酸ランダム共重合体(数平均分子量10,000)を使用した以外は参考例1と同様にして色材分散体VIを得た。
(インク6の作製)
・上記色材分散体VI 50.0部
・ジエチレングリコール 10.0部
・チオジグリコール 10.0部
・イオン交換水 30.0部
以上の成分を混合し、充分攪拌して、シアンインクを得た。
【0057】
[比較例2]
(色材分散体VIIの作製)
参考例1で使用したC.I.ソルベントブルー44を使用し、高分子分散剤としてn−ブチルメタクリレート−メタクリル酸ブロック共重合体(数平均分子量10,000)を使用した以外は参考例1と同様にして色材分散体VIIを得た。
(インク7の作製)
・上記色材分散体VII 50.0部
・ジエチレングリコール 10.0部
・チオジグリコール 10.0部
・イオン交換水 30.0部
以上の成分を混合し、充分攪拌して、シアンインクを得た。
【0058】
[比較例3]
(色材分散体VIIIの作製)
参考例2で使用したC.I.ソルベントブルー25を使用し、分散剤としてポリオキシエチレンヘキサデシルエーテル(HLB12.9)を使用した以外は参考例1と同様にして色材分散体VIIIを得た。
(インク8の作製)
・上記色材分散体VIII 50.0部
・トリプロピレングリコール 20.0部
・イオン交換水 30.0部
以上の成分を混合し、充分攪拌して、シアンインクを得た。
【0059】
[比較例4]
(色材分散体IXの作製)
市販の顔料であるC.I.ピグメントブルー15:3を10.0部、スチレン−マレイン酸ランダム共重合体(数平均分子量10,000)5.0部とイオン交換水85.0部を混合し、ウルトラホモジナイザーで均一に分散するように良く攪拌混合し、色材分散体IXを得た。
(インク9の作製)
・上記色材分散体IX 50.0部
・トリプロピレングリコール 20.0部
・イオン交換水 30.0部
以上の成分を混合し、充分攪拌して、シアンインクを得た。
【0060】
[比較例5]
(インク10の作製)
・C.I.ダイレクトブルー199 5.0部
・トリプロピレングリコール 20.0部
・イオン交換水 75.0部
以上の成分を混合し、充分攪拌して、シアンインクを得た。
【0061】
(評価)
実施例1〜のインクと比較例1〜5のインクを、記録信号に応じた熱エネルギーをインクに付与することによりインクを吐出させるオンデマンド型マルチ記録ヘッドを有するインクジェット記録装置BJF−660(キヤノン製)にそれぞれ搭載して、光沢紙SP101(キヤノン製)に印字を行い表1記載の評価を行った。その結果、表1に記載したように、何れの実施例のインクも比較例のインクに比べて吐出安定性が良好で画像品位と堅牢性が良好な結果が得られた。
【0062】
【表1】
Figure 0004522649
【0063】
*1:吐出特性
5℃で湿度が10%の環境下において、100%ベタ画像を印字し1分間休止した後、再度100%ベタ画像を印字した画像を下記の評価基準で評価した。
◎:白スジが全く無く、正常に印字されていた。
○:印字の最初の部分に僅かに白スジがみられた。
△:画像全体に白スジがみられた。
×:画像がほとんど印字されていなかった。
【0064】
*2:画像特性
5℃で湿度が10%の環境下において、25mm間隔の方眼模様を印字し、印字した画像を下記の評価基準で評価した。
◎:顕微鏡で観察しても印字が全く乱れることなく、方眼模様は25mm間隔で正常に印字されていた。
○:顕微鏡で観察すると一部に印字の乱れがみられるが、方眼模様は25mm間隔に印字されていた。
△:肉眼でも一部に印字の乱れがみられ、方眼模様の一部が25mm間隔からずれていた。
×:全体で印字の乱れが肉眼でみられ、方眼模様の全体が25mm間隔からずれていた。
【0065】
*3:耐光性
印字物にキセノンランプを100時間照射した後の画像の反射濃度を測定し、耐光性試験前と耐光性試験後の反射濃度の残存率を求め耐光性の尺度とした。評価基準は下記の通りとした。
○:画像濃度の残存率が95%以上であった。
△:画像濃度の残存率が90%以上95%未満であった。
×:画像濃度の残存率が90%未満であった。
【0066】
*4:耐水性
印字から12時間以上放置後、印字物を5分間水道水中に静止し、水を乾燥させた後の画像の反射濃度を測定し、耐水性試験前と耐水性試験後の反射濃度の残存率を求め耐水性の尺度とした。評価基準は下記の通りとした。
○:画像濃度の残存率が90%以上であった。
△:画像濃度の残存率が80%以上90%未満であった。
×:画像濃度の残存率が80%未満であった。
【0067】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、高い堅牢性を有し品位に優れた画像をどのような場合でも長期にわたって安定して記録することのできるインクジェット記録用シアンインクを提供することができ、更には堅牢性と品位に優れた画像を記録し得るインクジェット記録方法とインクジェット記録装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 インクジェット記録装置のヘッドの一例を示す縦断面図である。
【図2】 インクジェット記録装置のヘッドの一例を示す横断面図である。
【図3】 図1に示したヘッドをマルチ化したヘッドの外観斜視図である。
【図4】 インクジェット記録装置の一例を示す概略斜視図である。
【図5】 インクカートリッジの一例を示す縦断面図である。
【図6】 記録ユニットの一例を示す斜視図である。
【図7】 インクジェット記録ヘッドの別の構成例を示す概略断面図である。
【符号の説明】
13:ヘッド
14:インク溝
15:発熱ヘッド
16:保護膜
17−1、17−2:電極
18:発熱抵抗体層
19:蓄熱層
20:基板
21:インク
22:吐出オリフィス(微細孔)
23:メニスカス
24:インク小滴
25:被記録材
26:マルチ溝
27:ガラス板
28:発熱ヘッド
40:インク袋
42:栓
44:インク吸収体
45:インクカートリッジ
51:給紙部
52:紙送りローラー
53:排紙ローラー
61:ブレード
62:キャップ
63:インク吸収体
64:吐出回復部
65:記録ヘッド
66:キャリッジ
67:ガイド軸
68:モーター
69:ベルト
70:記録ユニット
71:ヘッド部
72:大気連通口
80:インク流路
81:オリフィスプレート
82:振動板
83:圧電素子
84:基板
85:吐出口

Claims (8)

  1. 高分子分散剤、水不溶性色材、水溶性有機溶剤及び水から構成されるインクジェット記録用シアンインクにおいて、該水不溶性色材が、少なくとも、C.I.ソルベントブルー25、C.I.ソルベントブルー38、C.I.ソルベントブルー44、C.I.ソルベントブルー67、C.I.ソルベントブルー70からなる群から選ばれる1種以上であり、上記高分子分散剤が、疎水性ブロックと親水性ブロックから構成されるブロック共重合体であって、モノマーとしてビニルエーテル類を重合してなるものであり、上記親水性ブロックがアニオン性のビニルエーテル類で構成され、さらに上記水不溶性色材が上記高分子分散剤を用いてカプセル化されており、上記高分子分散剤によって分散された上記水不溶性色材の分散体の平均粒径が80nm以下であることを特徴とする、インクジェット記録用シアンインク。
  2. 高分子分散剤の親水性ブロックが、非イオン性のビニルエーテル類から構成されたブロック、及び、アニオン性のビニルエーテル類から構成されたブロックの、少なくとも2種のブロックを有するものである、請求項1に記載のインクジェット記録用シアンインク。
  3. 高分子分散剤が、疎水性のビニルエーテル類で構成されたブロック、非イオン性の親水性ビニルエーテル類から構成されたブロック、及びアニオン性の親水性ビニルエーテル類から構成されたブロックの3種のブロックから少なくとも構成される、請求項1に記載のインクジェット記録用シアンインク。
  4. インクにエネルギーを与えて、該インクを飛翔させて被記録材にインクを付与して行うインクジェット記録方法において、該インクが、請求項1からの何れか1項に記載のインクジェット記録用インクであること特徴とするインクジェット記録方法。
  5. エネルギーが、熱エネルギーである請求項に記載のインクジェット記録方法。
  6. 被記録材が、少なくとも一方の面にインクを受容するコーティング層をもつ被記録材である請求項に記載のインクジェット記録方法。
  7. インクを収容したインク収容部を備えたインクカートリッジにおいて、該インクが、請求項1からの何れか1項に記載のインクジェット記録用インクであること特徴とするインクカートリッジ。
  8. インクを収容したインク収容部を備えたインクカートリッジと、該インクを吐出させるためのヘッド部を備えたインクジェット記録装置において、該インクが、請求項1からの何れか1項に記載のインクジェット記録用インクであること特徴とするインクジェット記録装置。
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