JP4483784B2 - 電気二重層キャパシタ電極用バインダー - Google Patents

電気二重層キャパシタ電極用バインダー Download PDF

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Description

本発明は電気二重層キャパシタ電極用バインダー、該バインダーを含有する電気二重層キャパシタ電極用バインダー組成物および電気二重層キャパシタ電極用スラリー組成物、ならびに該スラリー組成物を用いて製造された電極および該電極を有する電気二重層キャパシタに関する。
分極性電極と電解質との界面で形成される電気二重層を利用した電気二重層キャパシタは、メモリバックアップ電源として近年急速に需要が伸びている。また、電気自動車用電源等の大容量を必要とする用途へもその適用が注目されており、大容量化のために高い電極密度が求められている。
電気二重層キャパシタ用の電極は、通常、バインダーを水または有機溶媒に溶解または分散させ、これに電極活物質および必要に応じ加えられる導電性付与材などを混合して電気二重層キャパシタ電極用スラリー組成物とし、これをアルミニウム箔などの集電体に塗布、乾燥して製造される。従来は、バインダーとしては、一般的にポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデンなどのフッ素系ポリマーが使われてきたが、フッ素系ポリマーを用いて製造した電極は電極活物質と集電体との結着性が十分ではなく、また、電極密度が低いものであった。
少量の使用でも結着力に優れたバインダーとして特定のガラス転移温度と粒子径を有する重合体を用いたバインダーが提案されている(特許文献1参照)。しかしこのバインダーを用いても電極活物質と集電体との結着性は十分ではなく、また電極密度も低かった。
特開平11−162794号公報
ここで、電極層を形成する際は、電極層を均一化し、かつ電極密度を高めるためにプレスを行うのが通常である。しかしながら、本発明者らの検討によると、上記従来技術のバインダーを用いた場合は、プレスによって電極の密度を高めるためにプレス圧を上げると、集電体のアルミニウム箔が損傷したり、電極の内部抵抗が増大したりする傾向が見られ、所望の密度に高められた電極層を得ることが困難であった。
そこで本発明は、電極密度が高く、かつ結着力が高い電極を与える電気二重層キャパシタ電極用バインダー、該バインダーを含有する電気二重層キャパシタ電極用バインダー組成物および電気二重層キャパシタ電極用スラリー組成物を提供することを課題とする。また本発明は、該スラリー組成物を用いて製造された電極および該電極を有する電気二重層キャパシタを提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討の結果、引張応力が小さく、かつ切断時伸びが大きいポリマーフィルムを与えるポリマーをバインダーとして用いると、結着力が高く、かつ電極密度が高い電極が得られることを見出し、この知見に基づき本発明を完成するに至った。
かくして本発明によれば、下記(1)〜(6)が提供される。
(1)共役ジエン又はそれを水素化してなる単量体単位を40重量%以上含み、全単量体100重量部に対して連鎖移動剤が0.01〜5重量部含まれて、100%伸び時の引張応力が2MPa以下であり、かつ切断時伸びが450%以上であるポリマーフィルムを与えるように調整されたポリマーからなる電気二重層キャパシタ電極用バインダー。本発明においては、共役ジエン又はそれを水素化してなる単量体単位を40重量%以上含み、全単量体100重量部に対して連鎖移動剤が0.01〜5重量部含んでいることにより、ポリマーを100%伸び時の引張応力が2MPa以下であり、かつ切断時伸びが450%以上であるポリマーフィルムを与えるように調整することができる。ここで、ポリマーフィルムは、ポリマーの水分散体からISO 498に記載の方法に基づき作成されるものである。また、引張応力および切断時伸びは、該ポリマーフィルムから作成されたダンベル状4号形試験片を用いてJIS K 6251により測定される値である。
また、前記ポリマーは、架橋性官能基を有するものであることが好ましい。
前記架橋性官能基は、N−メチロールアミド基であることが好ましい。
また、前記架橋性官能基は、スルホン酸基またはその塩とエポキシ基との組み合わせであることが好ましい。
或いは、一般式(1):CH =CR −COOR (式中、R は水素原子又はメチル基を、R はアルキル基またはシクロアルキル基を表す。)で表される化合物を重合してなる単量体単位を合計で60重量%以上含み、全単量体における多官能単量体の量が1重量%以下とされ、架橋性官能基を有し、全単量体における架橋性官能基を有する単量体の総量が、0.1〜10重量%とされて、100%伸び時の引張応力が2MPa以下であり、かつ切断時伸びが450%以上であるポリマーフィルムを与えるように調整されたポリマーからなる電気二重層キャパシタ電極用バインダー。本発明においては、一般式(1):CH =CR −COOR (式中、R は水素原子又はメチル基を、R はアルキル基またはシクロアルキル基を表す。)で表される化合物を重合してなる単量体単位を合計で60重量%以上含み、全単量体における多官能単量体の量が1重量%以下とされ、架橋性官能基を有し、全単量体における架橋性官能基を有する単量体の総量が、0.1〜10重量%とされることで、ポリマーを100%伸び時の引張応力が2MPa以下であり、かつ切断時伸びが450%以上であるポリマーフィルムを与えるように調整することができる。ここで、ポリマーフィルムは、ポリマーの水分散体からISO 498に記載の方法に基づき作成されるものである。また、引張応力および切断時伸びは、該ポリマーフィルムから作成されたダンベル状4号形試験片を用いてJIS K 6251により測定される値である。
また、前記架橋性官能基は、N−メチロールアミド基であることが好ましい。また、前記架橋性官能基は、スルホン酸基またはその塩とエポキシ基との組み合わせであることが好ましい。
(2) (1)に記載の電極用バインダーが水に分散されてなる電気二重層キャパシタ電極用バインダー組成物。
(3) (2)に記載のバインダー組成物と、電極活物質とを含有してなる電気二重層キャパシタ電極用スラリー組成物。
(4) (1)に記載のバインダーと、電極活物質とを含有する電極層が集電体に結着されてなる電気二重層キャパシタ用電極。
(5) (3)に記載の電極用スラリー組成物を、集電体に塗布し、乾燥する工程を有する電気二重層キャパシタ用電極の製造方法。
本製造方法においては、さらにプレス処理する工程を有することが好ましい。
また、本製造方法においては、さらに150〜250℃で加熱処理する工程を有することが好ましい。
(6) (4)に記載の電極を有する電気二重層キャパシタ。
本発明のバインダーを用いて電極を製造すると、電極密度が大きく、かつ結着力が強い電極が得られる。そして該電極を用いると、静電容量が大きくかつ内部抵抗が小さい電気二重層キャパシタを得ることができる。
(1)電気二重層キャパシタ電極用バインダー
本発明の電気二重層キャパシタ電極用バインダー(以下、単に「バインダー」とも言う。)は、100%伸び時の引張応力が2MPa以下であり、かつ切断時伸びが450%以上であるポリマーフィルムを与えるポリマーからなる。ここで、ポリマーフィルムは、ポリマーの水分散体からISO 498に記載の方法に基づき作成されるものである。また、引張応力および切断時伸びは、該ポリマーフィルムから作成されたダンベル状4号形試験片を用いてJIS K6251により測定される値である。
100%伸び時の引張応力は、好ましくは1.5MPa以下、より好ましくは0.1〜1MPaである。また、切断時伸びは、好ましくは500%以上、より好ましくは600〜2,000%である。100%伸び時の引張応力と切断時伸びがこの範囲であると、結着力が高く、かつ軽度のプレスにより容易に電極密度を高めることができる。
このようなポリマーとしては、具体的には、エラストマーを用いることができる。エラストマーとは、ガラス転移温度が常温(25℃)以下、好ましくは−10℃以下、より好ましくは−20℃以下のポリマーである。ガラス転移温度がこの範囲であると、特に結着力に優れる。
エラストマーとしては、ブタジエン、イソプレンなどの共役ジエンを重合してなる単量体単位またはそれを水素化してなる単量体単位を主成分とするジエン系エラストマー;アクリル酸エステルおよび/またはメタクリル酸エステルを重合してなる単量体単位を主成分とするアクリレート系エラストマー;などが好ましく、得られる電極の内部抵抗を小さくできるので、アクリレート系エラストマーがより好ましい。ここで、「主成分とする」とは、そのような単量体単位を40重量%以上含むことをいう。
前記ジエン系エラストマーとしては、例えば、ポリブタジエン、ポリイソプレン、カルボキシ変性されていてもよいスチレン・ブタジエン共重合体、アクリロニトリル・ブタジエン共重合体およびこれらの水素化物などが挙げられる。
アクリレート系エラストマーとしては、一般式(1):CH=CR−COOR(式中、Rは水素原子またはメチル基を、Rはアルキル基またはシクロアルキル基を表す。)で表される化合物を重合してなる単量体単位を合計で60重量%以上、さらには80重量%以上含むポリマーが好ましい。アクリレート系エラストマーは、一般式(1)で表される化合物と、これと共重合可能な単量体とを共重合して得られる。
一般式(1)で表される化合物の具体例としては、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸t-ブチル、アクリル酸n−ペンチル、アクリル酸イソペンチル、アクリル酸n−ヘキシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸ノニル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸ステアリルなどのアクリル酸アルキルエステル;アクリル酸イソボルニルなどのアクリル酸シクロアルキルエステル;メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t-ブチル、メタクリル酸n−ペンチル、メタクリル酸イソペンチル、メタクリル酸n−ヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸イソデシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸トリデシル、メタクリル酸ステアリルなどのメタクリル酸アルキルエステル;メタクリル酸シクロヘキシルなどのメタクリル酸シクロアルキルエステル;等が挙げられる。これらの中でも、アクリル酸n−ブチルおよびアクリル酸2−エチルヘキシルが特に好ましい。
一般式(1)で表される化合物と共重合可能な単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレンなどの芳香族ビニル化合物、;アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのα,β−不飽和ニトリル化合物;エチレン、プロピレン、1−ブテンなどの1−オレフィン;クロトン酸メチル、クロトン酸エチル、クロトン酸プロピル、クロトン酸ブチル、クロトン酸イソブチル、クロトン酸n−ペンチル、クロトン酸イソペンチル、クロトン酸n−ヘキシル、クロトン酸2−エチルヘキシルなどのクロトン酸エステル;マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジブチル、マレイン酸ジ−2−エチルヘキシルなどのマレイン酸ジエステル;フマル酸ジメチル、フマル酸ジブチルなどのフマル酸ジエステル;イタコン酸ジメチル、イタコン酸ジブチルなどのイタコン酸ジエステル;アクリルアミド、メタクリルアミドなどのアクリルアミド化合物;等が挙げられる。また、後述の架橋性官能基を有する単量体も挙げることができる。
本発明のバインダーであるポリマーの製法は特に限定されず、例えば、乳化重合法、懸濁重合法、分散重合法または溶液重合法などの公知の重合法により前記の各単量体を重合して得ることができる。中でも、乳化重合法で製造することが、バインダーの粒子径の制御が容易であるので好ましい。
本発明で用いるポリマーが上記範囲の引張応力および切断時伸びを有するためには、架橋構造が少ないことが好ましい。架橋構造が少ない重合体を用いると、軽度のプレスにより容易に電極密度を高めることができる。
架橋構造の含有割合は、ポリマー製造時の重合温度、時間、多官能単量体および連鎖移動剤の使用量などにより調節できる。例えば、ジエン系エラストマーを製造するときの重合温度は5〜90℃が好ましく、重合時間は2〜100時間が好ましい。連鎖移動剤としては、n−オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタンなどのメルカプタン類;四塩化炭素、四臭化炭素などのハロゲン化炭化水素類;などを用いることができる。これらの連鎖移動剤は重合開始前、または重合途中に添加することができる。連鎖移動剤の使用量は単量体100重量部に対して通常0.01〜5重量部であり、連鎖移動剤がメルカプタン類であるときの使用量は好ましくは単量体100重量部に対して0.01〜2重量部である。連鎖移動剤がハロゲン化炭化水素類であるときの使用量は好ましくは単量体100重量部に対して2〜5重量部であり、さらに0.01〜1重量部のメルカプタン類を併用することがより好ましい。
また、アクリレート系エラストマーを製造するときの、エチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレートなどの多官能単量体の使用量は、全単量体中1重量%以下が好ましい。
また、本発明で用いるポリマーは、分子内に架橋性官能基を有していることが好ましい。架橋性官能基とは、電極層形成後に加熱や活性放射線照射などにより架橋構造を形成し得る官能基であり、加熱により架橋構造を形成し得る熱架橋性官能基がより好ましい。
熱架橋性官能基としては、例えば、N−メチロールアミド基が挙げられる。また、カルボキシル基、酸無水物基、ヒドロキシル基またはスルホン酸基もしくはその塩とエポキシ基との組合せ、カルボキシル基とエチレンイミン基との組合せなど、二種以上の官能基の組合せにより架橋構造を形成し得るものであってもよい。また、活性放射線照射により架橋構造を形成し得る架橋性官能基としては、アクリロイル基、メタクリロイル基、アリル基などが挙げられる。
分子内に架橋性官能基を有するポリマーは、ポリマーの製造において、架橋性官能基を有する単量体を共重合させて得られる。熱架橋性官能基を有する単量体としては、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミドなどが挙げられる。
また、上記二種以上の官能基の組合せにより架橋構造を形成し得る官能基を有する単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イソクロトン酸などの不飽和モノカルボン酸;マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸、グルタコン酸、イタコン酸、などの不飽和ジカルボン酸;無水マレイン酸、無水シトラコン酸、無水イタコン酸などの不飽和ジカルボン酸無水物;アクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプロピル、アクリル酸ヒドロキシブチル、メタクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシプロピル、クロトン酸ヒドロキシプロピルなどのヒドロキシル基を有する不飽和カルボン酸エステル;ビニルスルホン酸、メチルビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、メタアリルスルホン酸、スチレンスルホン酸、アクリル酸−2−スルホン酸エチル、メタクリル酸−2−スルホン酸エチル、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸および3−アリロキシ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸などの不飽和有機スルホン酸、ならびにそのアルカリ金属塩およびアンモニウム塩;アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジルなどのエポキシ基を有する不飽和カルボン酸エステル;アリルグリシジルエーテルなどのエポキシ基を有する不飽和エーテル類;などが挙げられる。架橋性官能基を有する単量体の総量は、好ましくは全単量体中0.1〜10重量%である。
(2)電気二重層キャパシタ電極用バインダー組成物
本発明の電気二重層キャパシタ電極用バインダー組成物(以下、単に「バインダー組成物」とも言う。)は、上記のバインダーが水に分散されてなるものである。バインダーを水に分散させる方法は特に限定されない。例えば、スプレードライ法や微粉砕により微粒子状としたバインダーを常法に従い水と混合分散させればよい。また、乳化重合法によりバインダーを水分散体として得た場合は、必要に応じて濃縮、希釈などにより濃度を調整し、バインダーを単離せずにそのまま本発明のバインダー組成物として用いることができる。バインダー組成物の濃度(固形分量)は、通常20〜70重量%である。
(3)電気二重層キャパシタ電極用スラリー組成物
本発明の電気二重層キャパシタ電極用スラリー組成物(以下、単に「スラリー組成物」とも言う。)は、本発明のバインダー組成物と、電極活物質とを含有してなり、必要に応じて増粘剤および導電性付与材などが含まれる。
本発明で用いる電極活物質は、電気二重層を形成し得る細孔を有する炭素の同素体であり、その比表面積は30m/g以上、好ましくは500〜5,000m/g、より好ましくは1,000〜3,000m/gである。具体的には、活性炭、ポリアセン、カーボンウィスカ、グラファイト等の粉末あるいは繊維を使用することができる。電極活物質は好ましくは活性炭であり、活性炭としてはフェノール系、レーヨン系、アクリル系、ピッチ系、又はヤシガラ系等を使用することができる。また、特開平11−317333号公報や特開2002−25867号公報などに記載される、黒鉛類似の微結晶炭素を有しその微結晶炭素の相間距離が拡大された非多孔性炭素も電極活物質として用いることができる。電極活物質の粒子径は0.1〜100μm、さらに好ましくは1〜20μmであると、キャパシタ用電極の薄膜化が容易で、容量密度も高くできるので好ましい。
本発明のスラリー組成物におけるバインダーの量は、電極活物質100重量部に対して、好ましくは0.1〜20重量部、より好ましくは0.5〜10重量部である。バインダー量が少なすぎると電極から電極活物質や導電性付与材が脱落しやすくなり、逆に多すぎると電極活物質がバインダーに覆い隠されて電極の内部抵抗が増大するおそれがある。
本発明のスラリー組成物は、増粘剤を含有することが好ましい。増粘剤を添加することにより、スラリー組成物の塗工性や流動性が向上する。増粘剤の種類は特に限定されないが、水溶性のポリマーが好ましい。水溶性ポリマーの具体例としては、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース系ポリマーおよびこれらのアンモニウム塩並びにアルカリ金属塩;ポリ(メタ)アクリル酸ナトリウムなどのポリ(メタ)アクリル酸塩、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキシド、ポリビニルピロリドン、アクリル酸又はアクリル酸塩とビニルアルコールとの共重合体、無水マレイン酸又はマレイン酸もしくはフマル酸とビニルアルコールとの共重合体、変性ポリビニルアルコール、変性ポリアクリル酸、ポリエチレングリコール、ポリカルボン酸、酸化スターチ、リン酸スターチ、カゼイン、各種変性デンプンなどが挙げられる。この中で、好ましく用いられるものはセルロース系ポリマーおよびその塩であり、さらに好ましいのは、セルロース系ポリマーのアンモニウム塩である。これらの水溶性ポリマーの好ましい使用量は、電極活物質に対して0.5〜5重量部である。
本発明のスラリー組成物は、本発明の目的を損なわない範囲で他のバインダーを含有していてもよい。具体的には、アクリロニトリルやメタクリロニトリルなどのα,β−不飽和ニトリル化合物の単独重合体;α,β−不飽和ニトリル化合物およびそれと共重合可能な単量体との共重合体樹脂;ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリペンタフルオロプロピレンのようなフッ素系ポリマー;などが挙げられる。これらのバインダーの含有量は、前記本発明のバインダーに対し、好ましくは50重量%以下、より好ましくは20重量%以下である。
本発明のスラリー組成物は、導電性付与材を含有することが好ましい。導電性付与材としては、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、カーボンブラック等の導電性カーボンを使用することができ、これらは上記電極活物質と混合して使用する。導電性付与材を併用することにより、前記活物質同士の電気的接触が一段と向上し、電気二重層キャパシタの内部抵抗が低くなり、かつ容量密度を高くすることができる。導電性付与材の使用量は、電極活物質100重量部に対して通常0.1〜20重量部、好ましくは2〜10重量部である。
また、活性放射線により構造を形成し得る架橋性官能基を有するポリマーをバインダーとして用いる場合は、必要に応じて光架橋剤を添加してもよい。光架橋剤としては、例えば、ベンジルジメチルケタール、トリメチルシリルベンゾフェノン、ベンゾイン、4−メトキシベンゾフェノン、ベンゾインメチルエーテルアントラキノン等が挙げられる。
本発明のスラリー組成物は、本発明のバインダー組成物および電極活物質と、必要に応じて添加されるその他の上記各成分とを、混合機を用いて混合して製造できる。混合機としては、ボールミル、サンドミル、顔料分散機、擂潰機、超音波分散機、ホモジナイザー、プラネタリーミキサー、ホバートミキサーなどを用いることができる。また、電極活物質と導電性付与材とを擂潰機、プラネタリーミキサー、ヘンシェルミキサー、オムニミキサーなどの混合機を用いて先ず混合し、次いでバインダー組成物を添加して均一に混合する方法も好ましい。この方法を採ることにより、容易に均一なスラリー組成物を得ることができる。
(4)電気二重層キャパシタ用電極
本発明の電気二重層キャパシタ用電極(以下、単に「電極」とも言う。)は、前記本発明のバインダーと電極活物質とを含有する電極層が集電体に結着してなるものである。集電体は、導電性を有しかつ電気化学的に耐久性のある材料であれば特に制限されないが、耐熱性を有するとの観点から、アルミニウム、チタン、タンタル、ステンレス鋼、金、白金などの金属材料が好ましく、アルミニウムおよび白金が特に好ましい。集電体の形状は特に制限されないが、通常、厚さ0.001〜0.5mm程度のシート状のものを用いる。
本発明の電極は、集電体に、上記本発明のスラリー組成物を塗布し、乾燥することにより製造することができる。スラリー組成物の集電体への塗布方法は特に制限されない。例えば、ドクターブレード法、ディップ法、リバースロール法、ダイレクトロール法、グラビア法、エクストルージョン法、ハケ塗り法などの方法が挙げられる。スラリー組成物の粘度は、塗工機の種類や塗工ラインの形状によっても異なるが、通常100〜100,000mPa・s、好ましくは、1,000〜50,000mPa・s、より好ましくは5,000〜20,000mPa・sである。塗布するスラリー組成物の量も特に制限されないが、乾燥した後に形成される、電極活物質、バインダーなどからなる電極層の厚さが、通常、0.005〜5mm、好ましくは0.01〜2mmになる量が一般的である。乾燥方法としては例えば温風、熱風、低湿風による乾燥、真空乾燥、(遠)赤外線や電子線などの照射による乾燥法が挙げられる。乾燥温度は、通常50〜250℃である。
乾燥後の電極は、プレス処理することが好ましい。本発明の電極は、プレス処理により容易に電極密度を高めることができる。プレス方法は、金型プレスやロールプレスなどの方法が挙げられる。プレス温度は特に限定されず、通常は室温でよい。
プレス後の電極は、150〜250℃で加熱処理することが好ましい。プレス後に加熱処理することにより、電極中の水分を完全に除去することができる。また、分子内に熱架橋性官能基を有するポリマーをバインダーとして用いる場合は、加熱処理によりポリマーが架橋構造を形成し、電極の強度を向上させることができるので好ましい。加熱処理の時間は、通常10分〜20時間である。
さらに、活性放射線により構造を形成し得る架橋性官能基を有するポリマーをバインダーとして用いる場合は、紫外線、電子線などの活性放射線を照射することで架橋構造を形成せしめてもよい。
(5)電気二重層キャパシタ
本発明の電気二重層キャパシタは、上記本発明の電極を有するものである。電気二重層キャパシタは、上記の電極や電解液、セパレーター等の部品を用いて、常法に従って製造することができる。具体的には、例えば、セパレーターを介して電極を重ね合わせ、これをキャパシタ形状に応じて巻く、折るなどして容器に入れ、容器に電解液を注入して封口して製造できる。
セパレーターとしては、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン製の微孔膜または不織布;一般に電解コンデンサ紙と呼ばれるパルプを主原料とする多孔質膜;無機セラミック粉末を含む多孔質の樹脂;など公知のものを用いることができる。また、セパレーターに代えて固体電解質あるいはゲル電解質を用いてもよい。
電解液は、特に限定されないが、電解質を有機溶媒に溶解した非水電解液が好ましい。電解質としては、従来より公知のものがいずれも使用でき、テトラエチルアンモニウムテトラフルオロボレート、トリエチルモノメチルアンモニウムテトラフルオロボレート、テトラエチルアンモニウムヘキサフルオロフォスフェートなどが挙げられる。
これらの電解質を溶解させる溶媒(電解液溶媒)も、一般的に電解液溶媒として用いられるものであれば特に限定されない。具体的には、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネートなどのカーボネート類;γ−ブチロラクトンなどのラクトン類;スルホラン類;アセトニトリルなどのニトリル類;が挙げられ、これらは単独または二種以上の混合溶媒として使用することができる。中でも、耐電圧が高いのでカーボネート類が好ましい。電解液の濃度は通常0.5モル/L以上、好ましくは0.8モル/L以上である。
以下に、実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、本実施例における部および%は、特に断りがない限り重量基準である。
実施例および比較例中の試験および評価は以下の方法で行った。
(1)ガラス転移温度(Tg)
バインダーとして用いたポリマーのガラス転移温度は、示差走査型熱量計(DSC)を用いて毎分5℃で昇温して測定した。
(2)ポリマーフィルムの100%伸び時の引張応力および切断時伸び
バインダー組成物からISO 498に記載の方法に基づきポリマーフィルムを作成する。該ポリマーフィルムからダンベル状4号形試験片を作成し、JIS K6251によりポリマーフィルムの100%伸び時の引張応力および切断時伸びを測定した。
(3)電極密度
電極を5cm×5cmに切り出してその重量および厚さを測定し、集電体の重量および厚さをそれぞれ差し引いて算出される電極層の密度(g/cm)として求めた。
(4)電極のピール強度
電極を塗布方向が長辺となるようにして長さ100mm、幅25mmの長方形に切り出して試験片とし、電極層面を上にして固定する。試験片の電極層表面にセロハンテープを貼り付けた後、セロハンテープの一端を垂直方向に引張り速度50mm/分で引張って剥がしたときの応力を測定した。測定を3回行い、その平均値を求めてこれをピール強度とした。ピール強度が大きいほど電極層の集電体への結着力が大きいことを示す。
(5)電気二重層キャパシタの静電容量および内部抵抗
電気二重層キャパシタについて、25℃において、10mAの定電流で2.7Vまで10分間充電を行い、その後0Vまで、1mAの一定電流で放電を行った。得られた充放電曲線より静電容量を求め、電極の重量から集電体の重量を引いて得られる電極層の重量で除して、電極層の単位重量あたりの静電容量を求めた。また、内部抵抗は、充放電曲線より社団法人電子情報技術産業協会が定める規格RC−2377の計算方法に従って算出した。
参考例1
撹拌機を備えた反応器を窒素置換し、アクリロニトリル38部、1,3−ブタジエン59.5部、メタクリル酸2.5部、分子量調整剤としてt−ドデシルメルカプタン(TDM)0.4部、重合開始剤として1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド0.1部と硫酸第一鉄0.008部、さらに軟水120部および乳化剤(ワロラートu:東振化学社製品)6部を供給し、5℃で40時間撹拌し重合した。重合転化率は95%であり、得られたポリマーの組成比は単量体の仕込み比と一致した。得られたポリマーのTgを表1に示す。次いで水酸化カリウムを添加してpHを7に調整し、その後スチームを導入して未反応の単量体を除去した。次いで濃縮して固形分濃度を40%とし、アクリロニトリル・ブタジエン系エラストマーの水分散体としてバインダー組成物Aを得た。このバインダー組成物Aを用いて得られたポリマーフィルムの100%伸び時の引張応力および切断時伸びを表1に示す。
次に、導電性付与材としてアセチレンブラック(デンカブラック粉状:電気化学工業社製)50部、分散剤として5%カルボキシメチルセルロース水溶液(セロゲン7A:第一工業製薬社製)200部、および水50部をプラネタリーミキサーを用いて混合分散し、固形分濃度20%の導電性付与材分散液を得た。得られた分散液30部、電極活物質として平均粒径5μmで比表面積が2000m/gの高純度活性炭粉末100部およびバインダー組成物A7.5部に適当量の水を加えてプラネタリーミキサーで混合してスラリー組成物を得た。
得られたスラリー組成物を厚さ20μmのアルミニウム箔にドクターブレードを用いて塗布し、60℃で20分、次いで120℃でさらに20分乾燥した後、ロールプレスを行い、厚さ120μmの電極を得た。得られた電極を150℃で6時間減圧下に加熱処理した。得られた電極の電極密度およびピール強度を表1に示す。
上記で得られた電極を、直径12mmの円形に切り抜いた。この2枚の電極の電極層面を対向させ、直径16mm、厚さ35μmの円形レーヨン系多孔膜からなるセパレータを挟んだ。これをステンレス鋼製スペーサと共にステンレス鋼製のコイン型外装容器(直径20mm、高さ1.8mm、ステンレス鋼厚さ0.25mm)内に収納し、空気が残らないように電解液を含浸させた後に密閉して電気二重層キャパシタを製造した。なお、電解液としては、トリエチルモノメチルアンモニウムテトラフルオロボレートをプロピレンカーボネートに1.8モル/リットルの濃度で溶解させた溶液を用いた。また、加熱処理後の電極の保管およびキャパシタの組み立ては、露点温度−60℃のドライルームで行った。得られた電気二重層キャパシタの静電容量および内部抵抗を表1に示す。
参考例2
撹拌機を備えた反応器に、イオン交換水70部、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ0.2部および過硫酸カリウム0.3部をそれぞれ供給し、気相部を窒素ガスで置換し、80℃ に昇温した。一方、別の容器でイオン交換水50部、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ0.5部、アクリル酸2−エチルヘキシル85部、スチレン12部、メタクリル酸3部を混合して単量体混合物を得た。この単量体混合物を5時間かけて前記反応器に連続的に添加して重合を行った。添加中は、80℃で反応を行った。添加終了後、さらに85℃で3 時間撹拌して反応を終了した。重合転化率は98.3% であり、得られたポリマーの組成比は単量体の仕込み比と一致した。得られたポリマーのTgを表1 に示す。反応液を25℃に冷却後、水酸化カリウムを添加してpHを7に調整し、その後スチームを導入して未反応の単量体を除去した。次いで濃縮して固形分濃度を40%とし、アクリレート系エラストマーの水分散体としてバインダー組成物Bを得た。このバインダー組成物Bを用いて得られたポリマーフィルムの100%伸び時の引張応力および切断時伸びを測定した。また、このバインダー組成物Bを用いて参考例1と同様にスラリー組成物、電極および電気二重層キャパシタを製造し、各特性を測定した。結果を表1に示す。
実施例1
単量体混合物のアクリル酸2−エチルヘキシルの量を83部とし、N−メチロールアクリルアミド2部を用いた他は、参考例2と同様にしてバインダー組成物Cを得た。重合転化率は98.5%であり、得られたポリマーの組成比は単量体の仕込み比と一致した。得られたポリマーのTgを表1に示した。このバインダー組成物Cを用いて得られたポリマーフィルム、ならびにバインダー組成物Cを用いて参考例1と同様に製造したスラリー組成物、電極および電気二重層キャパシタについて、各特性を測定した。結果を表1に示す。
実施例2
撹拌機を備えた反応器に、イオン交換水70部、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ0.2部および過硫酸カリウム0.3部をそれぞれ供給し、気相部を窒素ガスで置換し、60℃に昇温した。一方、別の容器でイオン交換水50部、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ0.5部、アクリル酸ブチル88.5部、アクリロニトリル10部、グリシジルメタクリレート1部、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸0.5部を混合して単量体混合物を得た。この単量体混合物を4時間かけて前記反応器に連続的に添加して重合を行った。添加中は、60℃で反応を行った。添加終了後、さらに70℃で3時間撹拌して反応を終了した。重合転化率は98.5%であり、得られたポリマーの組成比は単量体の仕込み比と一致した。得られたポリマーのTgを表1に示す。反応液を25℃に冷却後、アンモニア水を添加してpHを8に調整し、その後スチームを導入して未反応の単量体を除去した。次いで濃縮して固形分濃度を40%とし、アクリレート系エラストマーの水分散体としてバインダー組成物Dを得た。このバインダー組成物Dを用いて得られたポリマーフィルムの100%伸び時の引張応力および切断時伸びを測定した。また、このバインダー組成物Dを用いて参考例1と同様にスラリー組成物、電極および電気二重層キャパシタを製造し、各特性を測定した。結果を表1に示す。
比較例1
TDMを用いない他は参考例1と同様にしてバインダー組成物Eを得た。重合転化率は98.5%であり、得られたポリマーの組成比は単量体の仕込み比と一致した。得られたポリマーのTgを表1に示す。このバインダー組成物Eを用いて得られたポリマーフィルム、ならびにバインダー組成物Eを用いて参考例1と同様に製造したスラリー組成物、電極および電気二重層キャパシタについて、各特性を測定した。結果を表1に示す。
比較例2
単量体混合物のスチレンの量を9部とし、ジエチレングリコールジメタクリレート3部を用いた他は、参考例2と同様にしてバインダー組成物Fを得た。重合転化率は98.9%であり、得られたポリマーの組成比は単量体の仕込み比と一致した。得られたポリマーのTgを表1に示す。このバインダー組成物Fを用いて得られたポリマーフィルム、ならびにバインダー組成物Fを用いて参考例1と同様に製造したスラリー組成物、電極および電気二重層キャパシタについて、各特性を測定した。結果を表1に示す。
比較例3
単量体混合物としてイオン交換水50部、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ0.5部、スチレン47部、ブタジエン39部、メチルメタクリレート10部、イタコン酸4部の混合物を用い、単量体混合物の添加時間を15時間、添加終了後の反応時間を5時間とした他は、参考例2と同様にしてバインダー組成物Gを得た。重合転化率は98.3%であり、得られたポリマーの組成比は単量体の仕込み比と一致した。得られたポリマーのTgを表1に示す。このバインダー組成物Gを用いて得られたポリマーフィルム、ならびにバインダー組成物Gを用いて参考例1と同様に製造したスラリー組成物、電極および電気二重層キャパシタについて、各特性を測定した。結果を表1 に示す。
Figure 0004483784
表1に示すように、本発明のバインダーを用いて製造した電極は電極密度が大きく、かつ結着力が強いことが分かる。そして該電極を用いると、静電容量が大きくかつ内部抵抗が小さい電気二重層キャパシタが得られた。

Claims (8)

  1. 一般式(1):CH =CR −COOR (式中、R は水素原子又はメチル基を、R はアルキル基またはシクロアルキル基を表す。)で表される化合物を重合してなる単量体単位を合計で60重量%以上含み、
    全単量体における多官能単量体の量が1重量%以下とされ、
    N−メチロールアミド基、並びに、スルホン酸基又はその塩とエポキシ基との組み合わせ、からなる群より選ばれる、架橋性官能基を有し、
    全単量体における前記架橋性官能基を有する単量体の総量が、0.1〜10重量%とされて、
    100%伸び時の引張応力が2MPa以下であり、かつ切断時伸びが450%以上であるポリマーフィルムを与えるように調整されたポリマーからなる電気二重層キャパシタ電極用バインダー。
  2. 請求項1に記載のバインダーが水に分散されてなる電気二重層キャパシタ電極用バインダー組成物。
  3. 請求項2に記載のバインダー組成物と、電極活物質とを含有してなる電気二重層キャパシタ電極用スラリー組成物。
  4. 請求項1に記載のバインダーと、電極活物質とを含有する電極層が集電体に結着されてなる電気二重層キャパシタ用電極。
  5. 請求項3に記載の電極用スラリー組成物を、集電体に塗布し、乾燥する工程を有する電気二重層キャパシタ用電極の製造方法。
  6. さらにプレス処理する工程を有する請求項5に記載の製造方法。
  7. さらに150〜250℃で加熱処理する工程を有する請求項6に記載の製造方法。
  8. 請求項4に記載の電極を有する電気二重層キャパシタ。
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