JP4432906B2 - 電気二重層キャパシタ用バインダー - Google Patents

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Description

本発明は、電気二重層キャパシタ用の電極を製造するための電気二重層キャパシタ用バインダー、このバインダーを含有する電気二重層キャパシタ用組成物、この組成物を用いて製造された電気二重層キャパシタ用電極、この電極の製造方法、およびこの電極を有する電気二重層キャパシタに関し、さらに詳しくは、耐熱性に優れ、電極活物質と集電体との結着性が大きい電気二重層キャパシタ用電極、この電極を製造するためのバインダーおよび組成物、ならびにこの電極の製造方法に関する。
近年、電子機器の発展に伴い、小型で軽量、且つエネルギー密度が高く、さらに繰り返し充放電が可能な電気化学デバイスの開発が要望されている。中でも、寿命が長く、大電流が得られる電気二重層キャパシタは、その利点を活かして、利用が拡大している。
分極性電極と電解質界面で形成される電気二重層を利用した電気二重層キャパシタは、メモリバックアップ電源として近年急速に需要が伸びている。また、電気自動車用電源等の大容量を必要とされる用途への適用も注目されている。
電気二重層キャパシタ用の電極を得るために、ポリ四フッ化エチレン系重合体、フェノール樹脂、セルロース、水ガラスなどのバインダーが用いられている。これらのバインダーを使用して得られる電極は、柔軟性が劣るために電極活物質と集電体との結着性が不十分であった。また、従来のアクリル樹脂やポリビニルアルコールをバインダーとして用いた場合は、樹脂が電極活物質である活性炭表面を覆うことや、樹脂自身が電解液に溶解し易いことが原因で、活性炭と集電体との結着力を十分に維持することができなかった。そのために、得られる電極の抵抗が高くなり、得られた電気二重層キャパシタの静電容量は低いものであった。
また、スチレン−ブタジエン共重合体を含有するバインダーを使用し、得られる電極の容量を向上させる方法が提案されている(特許文献1)。しかしながら、該バインダーを用いて活性炭を集電体上に塗布し、水分を除去するために高温で乾燥すると、電極の柔軟性が失われ、活性炭が集電体から剥離しやすくなり、信頼性の高い電気二重層キャパシタ用電極が得られなかった。
特開平11−162794号公報
そこで、本発明は、静電容量が大きく、内部抵抗の小さい電気二重層キャパシタ;耐熱性、柔軟性に優れ、電極活物質と集電体との結着性が大きい電気二重層キャパシタ用電極;ならびに電気二重層キャパシタ用の電極を製造するための電気二重層キャパシタ用バインダーおよび組成物;を提供することを課題とする。
本発明者らは、アクリレート系単量体単位を含み、かつガラス転移温度を2つ以上有する重合体からなるバインダーを使用することによって、上記課題を解決できることを見出した。本発明はこれら知見に基づいて完成したものである。
かくして本発明によれば、下記の(1)〜(6)が提供される。
(1)アクリレート系単量体単位を含み、かつガラス転移温度を2つ以上有する重合体(A)からなる電気二重層キャパシタ用バインダー。
前記重合体(A)は、複合体であることが好ましい。
ここで、複合体とは、二つ以上のものが合わさって一体となっているものをいい、その形態の具体例としては、コアシェル構造、サイドバイサイド構造、雪ダルマ構造、イイダコ様構造などを挙げることができ、中でもコアシェル構造であることが好ましい。
前記複合体は、アクリレート系単量体を含む単量体混合物を段階的に重合させ得られるコアシェル構造を持つ微粒子であることが好ましい。
(2)(1)に記載のバインダーと、電極活物質とを含有してなる電気二重層キャパシタ用組成物。
前記電気二重層キャパシタ用組成物は、さらに導電性付与材を含有していることが好ましい。
前記電気二重層キャパシタ用組成物は、さらに水を含有していることが好ましい。
(3)(2)に記載の電気二重層キャパシタ用組成物を製造する方法であって、前記重合体(A)からなる電気二重層キャパシタ用バインダーおよび電極活物質を溶媒中で混合して分散液を得、該分散液を噴霧乾燥造粒することを特徴とする、電気二重層キャパシタ用組成物の製造方法。
(4)(2)に記載の電気二重層キャパシタ用組成物が集電体上に積層されてなる電気二重層キャパシタ用電極。
(5)(4)に記載の電気二重層キャパシタ用電極を製造する方法であって、前記重合体(A)からなる電気二重層キャパシタ用バインダー、電極活物質および水を含有してなる電気二重層キャパシタ用組成物を集電体に塗布し、乾燥することにより、集電体上に電極層を形成する工程を有することを特徴とする、電気二重層キャパシタ用電極の製造方法。
(6)(4)に記載の電気二重層キャパシタ用電極を製造する方法であって、前記重合体(A)からなる電気二重層キャパシタ用バインダーおよび電極活物質を含有してなる電気二重層キャパシタ用組成物を乾式成形することにより、集電体上に電極層を形成する工程を有することを特徴とする、電気二重層キャパシタ用電極の製造方法。
(7)(4)に記載の電極、電解液、およびセパレータを備えた電気二重層キャパシタ。
本発明の電気二重層キャパシタ用バインダーを用いることによって、耐熱性および柔軟性に優れ、電極活物質と集電体との結着性が大きな電気二重層キャパシタ用電極を得ることができる。この電気二重層キャパシタ用電極を用いることで、静電容量が大きく、内部抵抗が小さく、信頼性に優れた電気二重層キャパシタを製造することができる。
(1)電気二重層キャパシタ用バインダー
本発明の電気二重層キャパシタ用バインダーは、アクリレート系単量体単位を含み且つガラス転移温度を2つ以上有する重合体(A)からなる。
重合体(A)は、アクリレート系単量体単位を含むものである。アクリレート系単量体単位はアクリレート系単量体を重合することによって形成できる。
アクリレート系単量体は、一般式(1):CH=CR−COORで表されるアクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルである。
一般式(1)において、Rは水素原子またはメチル基を表し、Rは、アルキル基(シクロアルキル基を含む)を表す。Rで表されるアルキル基の炭素数は特に制限されないが、好ましくは1〜18個、より好ましくは3〜14個、特に好ましくは4〜12個である。
が水素原子である場合、式(1)はアクリル酸エステルであり、その具体例は、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸n−ペンチル、アクリル酸イソペンチル、アクリル酸n−ヘキシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ノニル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸イソボルニルなどが挙げられ;
がメチル基である場合、式(1)はメタクリル酸エステルであり、その具体例は、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸n−ペンチル、メタクリル酸イソペンチル、メタクリル酸n−ヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸イソデシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸トリデシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸シクロヘキシルなどが挙げられる。これらの中でも、アクリル酸n−ブチルやアクリル酸2−エチルヘキシルが特に好ましい。これらのアクリレート系単量体は単独で用いても2種類以上を併用しても良い。アクリレート系単量体の量は、特に限定されないが、重合に用いる全単量体の質量を基準(100質量%)として、通常10質量%以上、好ましくは50質量%以上である。
重合体(A)は、アクリレート系単量体以外に多官能不飽和単量体が共重合されたものであることが好ましい。多官能不飽和単量体は、非共役の炭素−炭素二重結合を2つ以上有する化合物である。具体的には、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレートなどのジメタクリル酸エステル;ジエチレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレートなどのジアクリル酸エステル;ジビニルベンゼンなどのジビニル化合物;1,5−ヘキサジエン、1,6−ヘプタジエン、1,7−オクタジエン、ジシクロペンタジエン、5−エチリデン−2−ノルボルネンなどの非共役ジエン等の二官能不飽和化合物や、トリメチロールプロパントリメタクリレートなどのトリメタクリル酸エステル;トリメチロールプロパントリアクリレートなどのトリアクリル酸エステル;等の三官能不飽和化合物などである。上記多官能不飽和単量体の量は、重合に用いる全単量体の質量を基準(100質量%)として、好ましくは0.5〜10質量%、特に好ましくは1〜5質量%である。
重合体(A)は、さらに不飽和カルボン酸が共重合されたものであることが好ましい。不飽和カルボン酸としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イソクロトン酸などの不飽和モノカルボン酸;マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸、グルタコン酸、イタコン酸、などの不飽和ジカルボン酸;等が挙げられる。中でも不飽和モノカルボン酸、特にアクリル酸またはメタクリル酸が好ましい。重合体(A)において、これらの不飽和カルボン酸を共重合することによって、電極において電極活物質と集電体との結着性を高めることができる。これら不飽和カルボン酸の量は、重合に用いる全単量体の質量を基準(100質量%)として、好ましくは2質量%以下である。
重合体(A)には、他の単量体が、本発明の効果を損なわない範囲で共重合されていてもよい。その他の共重合可能な単量体としては、アクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプロピル、アクリル酸ヒドロキシブチル、アクリル酸ジメチルアミノエチルなどの官能基を有するアクリル酸エステル;メタクリル酸ヒドロキシプロピル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル、メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート、メタクリル酸ベンジルなどの官能基を有するメタクリル酸エステル;クロトン酸メチル、クロトン酸エチル、クロトン酸プロピル、クロトン酸ブチル、クロトン酸イソブチル、クロトン酸n-ペンチル、クロトン酸イソペンチル、クロトン酸n−ヘキシル、クロトン酸2−エチルヘキシル、クロトン酸ヒドロキシプロピルなどのクロトン酸エステル;マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジブチル、マレイン酸ジ−2−エチルヘキシルなどのマレイン酸ジエステル;フマル酸ジメチル、フマル酸ジブチルなどのフマル酸ジエステル;
イタコン酸ジメチル、イタコン酸ジブチルなどのイタコン酸ジエステル;無水マレイン酸、無水シトラコン酸、無水イタコン酸などの不飽和ジカルボン酸無水物;アクリルアミド、メタクリルアミドなどのアクリルアミド系化合物;スチレン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン、m−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、エチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、α−メチルスチレン、α−メチル−p−メチルスチレン、o−クロルスチレン、m−クロルスチレン、p−クロルスチレン、p−ブロモスチレン、2−メチル−1,4−ジクロルスチレン、2,4−ジブロモスチレン、ビニルナフタレンなどの芳香族ビニル単量体;エチレン、プロピレン、1−ブテンなどの鎖状オレフィン単量体;シクロペンテン、2−ノルボルネンなどの環状オレフィン単量体;1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−フェニル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、2−メチル−1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン、4,5−ジエチル−1,3−オクタジエン、3−ブチル−1,3−オクタジエン等の共役ジエン;が挙げられる。これらは単独で使用しても2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
重合体(A)は、ガラス転移温度を2つ以上有するものである。ガラス転移温度は、示差走査型熱量計(DSC)により毎分5℃で昇温して測定して求められる値である。ガラス転移温度の数は、通常2つ〜4つ、好ましくは2つ〜3つ、より好ましくは2つである。
ガラス転移温度の範囲は、通常、低温側の少なくとも一つは0℃未満であり、高温側の少なくとも一つは0℃以上であることが好ましい。ガラス転移温度間の温度差は、20℃以上である組み合わせが1つ以上あることが好ましく、50℃以上である組み合わせが1つ以上あることがさらに好ましい。一般にアクリレート系単量体単位を含む重合体をバインダーとして用いる場合、重合体のガラス転移温度が高いと電極製造時の成形性に優れ、均一な電極が得やすい一方で電解液に溶解または膨潤しやすい。また、ガラス転移温度が低いと得られる電極の柔軟性に優れる一方で粒子が凝集しやすい傾向がある。そのため、ガラス転移温度が高すぎても低すぎても、得られる電極における電極活物質と集電体との結着性が低下する場合がある。本発明によれば、重合体(A)がガラス転移温度を2以上有することにより、電極製造時の良好な成形性、ならびに作成される電極における電極活物質と集電体との結着性および該電極の柔軟性を高度にバランスさせることができる。
重合体(A)は、上記の単量体のうち、異なるガラス転移温度を有する重合体を与える2種以上の単量体を段階的に重合することにより得られるものであることが好ましい。具体的には、第1段階としてそれを重合することによりガラス転移温度が0℃未満の重合体が得られる単量体を重合し、第2段階としてそれを重合することによりガラス転移温度が0℃以上の重合体が得られる単量体を重合して重合体(A)を得ることが好ましい。なお、各段階で用いられる単量体は、それぞれの段階においてそれらを共重合することにより所望のガラス転移温度を有する共重合体が得られる単量体混合物であってもよい。上記第1段階に用いられるアクリレート単量体としてはアクリル酸2−エチルヘキシルおよびアクリル酸n−ブチルが好ましい。また、上記第2段階に用いられるアクリレート単量体としてはメタクリル酸メチルおよびメタクリル酸エチルが好ましい。
重合体(A)の製法は特に限定されず、例えば、乳化重合法、懸濁重合法、分散重合法または溶液重合法などの公知の重合法により前記の各単量体を重合して得ることができる。中でも、乳化重合法で製造することが、重合体(A)の粒子径の制御が容易であるので好ましい。乳化重合法によれば、重合体(A)を水分散体として得ることができる。
重合体(A)は複合体であることが好ましい。複合体とは、二つ以上のものが合わさって一体となっているものである。すなわち、複合体は、それぞれガラス転移温度の異なる二つ以上の重合体が物理的または化学的に結合して形成されている単一の粒子であり、ブロックポリマーなどの単一の重合体から形成された単一相からなるものではない。複合体の形態としては、球状の粒子であって中心部と外殻部とが異なる重合体から形成されているコアシェル構造;二つ以上の重合体が並置された構造であるサイドバイサイド構造;コアシェル構造において中心部の重合体の一部分が外殻部に露出した構造である雪ダルマ構造;球状の重合体粒子の表面に別種の重合体粒子が埋め込まれて一体化した構造であるイイダコ様構造;などがあるが、中でもコアシェル構造になったものが好ましい。複合体におけるコアとシェルの割合は、特に限定されないが、質量基準でコア部:シェル部が、通常「20:80」〜「99:1」、好ましくは「30:70」〜「97:3」、より好ましくは「40:60」〜「95:5」である。
コアシェル構造を有する複合体は、アクリレート系単量体含む単量体混合物を、乳化重合法等により段階的に重合し、製造することができる。具体的には、コア用の単量体を重合し、この重合体をシード粒子として、シェル用の単量体を重合する方法が典型的製造方法であり好ましい。この場合、同一反応器において、コア用の単量体を重合した後に、シェル用の単量体を添加して重合し、コアシェル構造を形成してもよいし、別の反応器にて形成したシード粒子をコアに用いて、他の反応器にてシェル用の単量体を重合し、コアシェル構造を形成してもよい。
コア用の単量体の重合反応における重合転化率は、通常70質量%以上、好ましくは90質量%以上である。重合転化率が低すぎると、コアシェル構造を持たせることが困難となる。シェル用の単量体を添加する方法としては、その単量体を全量一括で添加して重合する方法;単量体の一部を添加して重合し、その残りを連続的にあるいは断続的に添加する方法;あるいは、単量体をシェルの重合反応開始時から連続的に添加する方法;などが挙げられる。また、シェル用の単量体の重合反応における重合転化率は、通常70質量%以上、好ましくは90質量%以上である。重合温度は、コア用の重合、シェル用の重合いずれも通常30〜90℃、好ましくは50〜80℃である。重合時間は、いずれも通常2〜10時間である。
重合体(A)は微粒子であることが好ましい。微粒子である場合の重合体(A)の粒子径は、通常10〜1000nm、好ましくは50〜500nm、より好ましくは80〜200nmである。粒子径が大きすぎると、電極において電極活物質と集電体との結着力が低下する傾向がある。逆に、粒子径が小さすぎると、バインダーが電極活物質の表面を覆い隠して、キャパシタの内部抵抗が増加する傾向がある。粒子径は、透過型電子顕微鏡写真で無作為に選んだ重合体粒子100個の径を測定し、その算術平均値として算出される個数平均粒子径である。
(2)電気二重層キャパシタ用組成物
本発明の電気二重層キャパシタ用組成物(以下、単に「組成物」ともいう。)は、前記バインダー、および電極活物質を含有する。
本発明の組成物を構成する電極活物質は、電気二重層を形成し得る細孔を有する炭素の同素体であり、その比表面積は30m/g以上、より好ましくは500〜5,000m/g、特に好ましくは1,000〜3,000m/gである。このような炭素の同素体としては、活性炭、ポリアセン、カーボンウィスカー、グラファイト等が挙げられ、この中でも活性炭が好ましい。また、この炭素は粉末状あるいは繊維状のものが好ましい。活性炭としては、フェノール系、レーヨン系、アクリレート系、ピッチ系、またはヤシガラ系等が挙げられる。また、黒鉛類似の微結晶炭素を有しその微結晶炭素の相間距離が拡大された非多孔性炭素も電極活物質として用いることができる。このような非多孔性炭素は、多層グラファイト構造の微結晶が発達した易黒鉛化炭を700〜850℃で乾留し、次いで苛性アルカリと共に800〜900℃で熱処理し、さらに必要に応じ加熱水蒸気により残存アルカリ成分を除くことで得られる。電極活物質の粒子径は、好ましくは0.1〜100μm、さらに好ましくは1〜20μmである。粒子径がこのような範囲にあると、電気二重層キャパシタ用電極の薄膜化が容易で、容量密度も高くできるので好ましい。
本発明の組成物におけるバインダーの量は、電極活物質100質量部に対して、好ましくは0.1〜20質量部、より好ましくは0.5〜10質量部である。バインダー量が少なすぎると電極から電極活物質や、必要により組成物に加えられる導電性付与材が脱落しやすくなり、逆に多すぎると電極活物質がバインダーに覆い隠されて電極の内部抵抗が増大しやすくなる。
本発明の組成物は、バインダー全体の質量を基準(100質量%)として、アルカリ金属イオンの含有量が0.2質量%以下であることが好ましい。アルカリ金属イオンの含有量が少ないと、集電体の腐食が防止できるため好ましい。
本発明の組成物は、さらに導電性付与剤を含有していることが好ましい。導電性付与材は、電気二重層キャパシタの内部抵抗を低くし、かつ容量密度を高くすることに寄与するものである。導電性付与材の具体例としては、カーボンブラック、ケッチェンブラック(ケッチェンブラックインターナショナル社登録商標)、アチレンブラック、カーボンウィスカー、炭素繊維、天然黒鉛、人造黒鉛などの導電性を有し、電気二重層を形成し得る細孔を有さない炭素の同素体;酸化チタン、酸化ルテニウム、アルミニウム、ニッケル等の粒子および金属ファイバなどの金属を含有する導電性付与材;などが挙げられる。これらの中でも、カーボンブラックの一種であるケッチェンブラック、アセチレンブラックが好ましい。導電性付与材の量は、電極活物質100質量部に対して通常0.1〜20質量部、好ましくは2〜10質量部である。導電性付与材は電極活物質と混合してから使用することが好ましい。
本発明の組成物は、さらに増粘剤を含有していることが望ましい。増粘剤を含有することにより、組成物の塗工性や流動性が向上する。増粘剤の種類は特に限定されないが、水溶性の重合体であることが好ましく、その具体例としては、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース系重合体およびこれらのアンモニウム塩ならびにアルカリ金属塩;ポリ(メタ)アクリル酸ナトリウムなどのポリ(メタ)アクリル酸塩;ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキシド、ポリビニルピロリドン、アクリル酸またはアクリル酸塩とビニルアルコールとの共重合体;無水マレイン酸もしくはマレイン酸またはフマル酸とビニルアルコールとの共重合体、変性ポリビニルアルコール、変性ポリアクリル酸、ポリエチレングリコール、ポリカルボン酸、酸化スターチ、リン酸スターチ、カゼイン、各種変性デンプンなどが挙げられる。この中で、セルロース系重合体およびその塩が好ましく、セルロース系重合体のアンモニウム塩が特に好ましい。これらの増粘剤の好ましい量は、電極活物質の質量を基準(100質量%)として、0.5〜5質量部である。
本発明の組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で重合体(A)や増粘剤以外の非水溶性のポリマーを少量含んでいても良い。このような非水溶性のポリマーとしては、例えば、アクリロニトリル・1−オレフィン共重合体;アクリロニトリル・ブタジエンゴムおよびその水素化物などのニトリル系ポリマー;ポリブタジエン、スチレン・ブタジエン系共重合体などのジエン系ポリマー;ポリエチレン、エチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合体などのエチレン系ポリマー;ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレンなどのフッ素系ポリマー;等が挙げられる。
本発明の組成物は、溶媒を含有していてもよい。溶媒としては、水および有機溶媒が挙げられる。有機溶媒としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコールなどのアルキルアルコール類;アセトン、メチルエチルケトンなどのアルキルケトン類;テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジグライム等のエーテル類;ジエチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン(以下、NMPということがある。)、ジメチルイミダゾリジノン等のアミド類;ジメチルスルホキサイド、スルホラン等のイオウ系溶媒;などが挙げられる。特に、本発明の組成物を後述の湿式成形に用いる場合には、水を含有していることが好ましい。
本発明の組成物は、本発明のバインダー、電極活物質、および必要により加えられる導電性付与材等を、混合機等を用いて混合して得ることできる。混合機としては、ボールミル、サンドミル、顔料分散機、擂潰機、超音波分散機、ホモジナイザー、プラネタリーミキサー、ホバートミキサーなどを用いることができる。
混合方法や混合順序は特に限定されない。具体的には、水と導電性付与材とを混合して導電性付与材を微粒子状に分散させた後、ここに電極活物質とバインダーである重合体(A)の水分散液(以下、「水分散重合体(A)」ということがある。)とを添加し、均一に混合する方法が好ましい。また、電極活物質と導電性付与材とを擂潰機、プラネタリーミキサー、ヘンシェルミキサー、オムニミキサーなどの混合機を用いて先ず混合し、次いで水を加えて電極活物質と導電性付与材を均一に分散させて、ここに水分散重合体(A)を添加して均一に混合する方法も好ましい。また、これらの方法において、導電性付与材の分散に用いる水は、増粘剤を溶解させたものを用いることがより好ましい。
さらに、電極活物質と導電性付与材とを混合機を用いて混合中に、水分散重合体(A)を噴霧することにより、混合物を分散させる方法も挙げられる。これらの方法を採ることにより、容易に均一な組成物を得ることができる。水分散重合体(A)は、上記の乳化重合法等によって容易に得ることができ、必要に応じて濃縮、希釈などにより固形分濃度を調整することができる。また、溶液重合などにより溶剤中で重合体(A)を得て、これを転相法などによって水に分散することによっても得ることができる。
本発明の組成物は、重合体(A)からなる電気二重層キャパシタ用バインダーおよび電極活物質を溶媒中で混合して分散液を得て、この分散液を造粒することにより得ることもできる。
造粒する方法としては、特に制限はなく、噴霧乾燥造粒法、転動層造粒法、圧縮型造粒法、撹拌型造粒法、押出し造粒法、破砕型造粒法、流動層造粒法、流動層多機能型造粒法、および溶融造粒法などが挙げられる。中でも噴霧乾燥造粒法、転動層造粒法、撹拌型造粒法、流動層造粒法および流動層多機能型造粒法を使用すると均一性の高い球状の粒子を得られるため好ましく、噴霧乾燥造粒法がより好ましい。
噴霧乾燥造粒法は、電極活物質と、本発明のバインダーと、必要に応じてその他の成分とを溶媒中で混合して分散液を得、該分散液を噴霧乾燥機を使用してアトマイザから噴霧する造粒法である。噴霧された分散液が乾燥塔内部で乾燥することで、分散液中に含まれる電極活物質、バインダーおよびその他の成分からなる球状の粒子を得ることができるので好ましい。分散液の調製に使用できる溶媒としては、前記「電気二重層キャパシタ用組成物」において記載した、本発明の組成物が含有していてもよい「溶媒」と同様のものを用いることができ、水が好ましい。
これらの溶媒は、それぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができ、その使用量は固形分濃度が通常1〜50質量%、好ましくは5〜50質量%、より好ましくは10〜30質量%の範囲となるように調整される。固形分濃度がこの範囲にあるときに、バインダーの分散性が高度に高められ好適である。
これらの溶媒と共に、分散剤を使用しても良い。本発明に使用できる分散剤は、電極活物質、バインダー等の均一分散性を向上させる作用を有する。結着力はあってもなくても良い。溶媒が水の場合に使用する水溶性分散剤としては、前記「電気二重層キャパシタ用組成物」において「増粘剤」として記載した化合物や、キチン、キトサン誘導体などを挙げることができる。また、溶媒が有機溶剤の場合に使用する有機溶媒溶解性分散剤としては、前記「電気二重層キャパシタ用組成物」において「非水溶性ポリマー」として記載した化合物を挙げることができる。
これらの分散剤は、溶媒の種類に応じて適宜選択されるが、好ましくは水溶性分散剤であり、より好ましくは、セルロース系ポリマーおよびこれらのアンモニウム塩ならびにアルカリ金属塩である。
これらの分散剤は、それぞれ単独であるいは2種以上を組み合わせて使用できる。分散剤の配合量は、格別な限定はないが、電極活物質100質量部に対して0〜50質量部、好ましくは0.1〜10質量部、より好ましくは0.5〜5質量部の範囲である。
前記分散液の調製に使用される混合方法には、特に制限はないが、例えば、ボールミル、サンドミル、顔料分散機、らい潰機、超音波分散機、ホモジナイザー、プラネタリーミキサーなどの混合機器を使用することができる。混合条件は混合物の種類によって適宜選択されるが、通常、混合温度は室温〜80℃で行われ、混合時間は10分〜数時間である。
得られた分散液を噴霧する方法は、特に限定はなく、例えば、一般的に利用されているスプレー乾燥機(スプレードライヤとも言う)を用いることができる。スプレー乾燥機は、微粉化部、乾燥部、および粉末回収部からなる。微粉化部は、分散液を微小の液滴状に微粉化し、乾燥部内部に噴霧する装置(アトマイザ)を備えている。アトマイザの種類は、大きく分けて回転円盤方式とスプレー方式に分けられどちらも好ましく使用できる。回転円盤方式は、高速回転する円盤のほぼ中央に原液を導入し、原液が円盤を離れる際、分散液が微小の液滴となる。円盤の回転速度は円盤の大きさにもよるが、通常5,000〜30,000rpm、好ましくは15,000〜30,000rpmである。スプレー方式は、加圧により分散液をノズルから微小の液滴状に噴霧する。噴霧される分散液の温度は、通常20〜250℃程度である。乾燥部は内部を熱風が流通しており、熱風によってアトマイザにより微小化された分散液の液滴中の溶媒が蒸発して取り除かれ、分散液に含まれる固形分が乾燥して球形の粒子になる。熱風の温度は、通常80〜300℃、好ましくは100〜200℃である。得られた球形の粒子は、粉末回収部で回収される。この方法で得られる粒子は、電極活物質、バインダーのバランスがよく、ほぼ均一な球形状と粒子径を持つ粒子となる。また、分散液が乾燥することで凝集し、電極材料のかさ密度が向上する。
転動層造粒法、撹拌型造粒法、流動層造粒法および流動層多機能型造粒法は、強制的に流動させた電極活物質にバインダーを散布し造粒を行う方法である。それぞれの方法では、電極活物質を流動させる方法が異なり、転動層造粒法では、回転ドラムあるいは回転皿型などの回転容器内部で電極活物質および必要に応じてその他の成分を転動させる。撹拌型造粒法では、容器内に設けられた撹拌翼などで強制的に原料粉体に流動運動を与える。流動層造粒法は、下から吹き上げる流体中に粉体を浮遊懸濁させた状態に保つ方法で、流動層多機能型造粒法は、流動層造粒法に転動、撹拌作用を併用させる方法である。流動している電極活物質へバインダーを散布する方法は、特に制限はないが、好ましくはバインダーを含む分散液を噴霧する方法である。このようにして凝集造粒された本発明の電気二重層キャパシタ用組成物を得ることができる。電極活物質を含む流動層の温度は、通常室温〜100℃、分散液は通常50〜250℃で散布される。
これらの造粒方法では、導電性付与材、分散剤などのその他の成分を使用する場合、電極活物質と共に流動していても、バインダーと共に電極活物質に散布されても良い。その他の成分を電極活物質と共に流動させる場合は、電極活物質の表面に導電性付与材などのその他の成分を予め付着させておくと、比重の異なる材料同士が均一に分散することができるため好ましい。導電性付与材等を電極活物質の表面に付着させる方法としては、例えば、電極活物質と導電性付与材等とを、圧縮力やせん断力などの機械的外力を加えつつ混合するメカノケミカル処理がある。メカノケミカル処理を行う装置としては、加圧ニーダーや二本ロール等の混練機;回転ボールミルやハイブリダイゼーションシステム(奈良機械製作所社製)等の高速衝撃式乾式粉体複合化装置;メカノフュージョンシステム(ホソカワミクロン社製)などの圧縮せん断式乾式粉体複合化装置;等を使用することができる。また、その他の成分をバインダーと共に散布する場合は、例えばバインダー、導電性付与材および分散剤を溶媒中で均一に混合し、得られた分散液を、電極活物質の流動層に噴霧し造粒を行うことができる。
これらの方法により造粒された電気二重層キャパシタ用組成物とすることで、電極活物質とバインダーとの分散性が向上する。分散性が向上することで、電気二重層キャパシタ用電極に含まれるバインダーの量を少なくできるため、内部抵抗が低く、高静電容量のキャパシタを製造可能な、電気二重層キャパシタ用電極を製造できる。
(3)電気二重層キャパシタ用電極
本発明の電気二重層キャパシタ用電極は、本発明の組成物が集電体上に積層されてなるものである。
集電体は、導電性を有しかつ電気化学的に耐久性のある材料であれば特に制限されないが、耐熱性を有するとの観点から、アルミニウム、チタン、タンタル、ステンレス鋼、金、白金などの金属材料が好ましく、アルミニウムおよび白金が特に好ましい。集電体の形状は特に制限されないが、通常、厚さ0.001〜0.5mm程度のシート状のものを用いる。
本発明の電気二重層キャパシタ用電極は、電気二重層キャパシタ用組成物を湿式成形または乾式成形することにより製造することができる。湿式成形では、集電体に、水を含有する前記本発明の組成物を塗布し、乾燥することにより製造する塗布法が好ましく利用できる。組成物の集電体への塗布方法は特に制限されない。例えば、ドクターブレード法、ディップ法、リバースロール法、ダイレクトロール法、グラビア法、エクストルージョン法、ハケ塗り法などの方法が挙げられる。組成物の粘度は、塗工機の種類や塗工ラインの形状によっても異なるが、通常100〜100,000mPa・s、好ましくは、1,000〜50,000mPa・s、より好ましくは5,000〜20,000mPa・sである。
組成物の塗布量も特に制限されないが、集電体上の乾燥塗膜(以下、この塗膜のことを「電極層」ということがある。)の厚さが、好ましくは0.005〜5mm、より好ましくは0.01〜2mmになる量である。乾燥方法としては例えば温風、熱風、低湿風による乾燥法、真空乾燥、(遠)赤外線や電子線などの照射による乾燥法が挙げられる。乾燥温度は、通常150〜250℃である。さらに、乾燥後にプレスして電極層中の活物質密度を上げることができる。プレス方法は、金型プレスやロールプレスなどの方法が挙げられる。
乾式成形により電極を製造する方法は、乾燥工程が不要であり、製造コストを抑えることができるので好ましい。乾式成形としては、本発明の組成物を金型に充填、または平面状に均一に散布し、圧力を加えることで組成物の再配列、変形、破壊により緻密化を行い電極層を成形する加圧成形;成形機から押し出されるとき組成物がペースト状になることからペースト押出しとも呼ばれる、フィルム、シートなどのようなエンドレスの長尺物として電極層を連続成形する押出成形;等が挙げられる。これらの中でも、簡略な設備で行えることから、加圧成形を使用することが好ましい。
本発明の組成物を使用して加圧成形を行うには、例えばフィーダーにて造粒した本発明の組成物を集電体上に散布し、加圧装置を使用し加圧成形を行うことができる。また、集電体上にフィーダーを用いて定量的に組成物を供給し、ローラー等で加圧して電極層を連続的に成形することも可能である。粉体を使用する場合でも、成形時には、水やアルコール等の少量の成形助剤を加えてもよい。成形時の温度は、通常0〜200℃の範囲で、重合体(A)が有する2つ以上のガラス転移温度のうち、最も高いガラス転移温度より20℃以上高い温度で行われるのが好ましい。
成形した電極の厚みのばらつきをなくし、電極層の密度を上げて高容量化をはかるために、加圧成形の後に必要に応じてさらに後加圧を行っても良い。後加圧の方法は、ロールによるプレス工程が一般的である。プレス工程では、2本の円柱状のロールをせまい間隔で平行に上下にならべ、それぞれを反対方向に回転させて、その間に電極をかみこませ加圧する。ロールは加熱または冷却等、温度調節しても良い。
(4)電気二重層キャパシタ
本発明の電気二重層キャパシタは、上記の電気二重層キャパシタ用電極、電解液、およびセパレータを有するものである。電気二重層キャパシタは、この電極と、電解液、セパレータ等の部品を用いて、常法に従って製造することができる。具体的には、例えば、電気二重層キャパシタ用電極を適切な大きさに切断し、次いでセパレータを介して電極を重ね合わせ、これをキャパシタ形状に巻く、折るなどして容器に入れ、容器に電解液を注入して封口して製造できる。
電解液は、特に限定されないが、電解質を有機溶媒に溶解した非水電解液が好ましい。電解質としては、従来より公知のものがいずれも使用でき、テトラエチルアンモニウムテトラフルオロボレート、トリエチルモノメチルアンモニウムテトラフルオロボレート、テトラエチルアンモニウムヘキサフルオロフォスフェートなどが挙げられる。
これらの電解質を溶解させる溶媒(電解液溶媒)も、一般的に電解液溶媒として用いられるものであれば特に限定されない。具体的には、プロピレンカーボート、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネートなどのカーボネート類;γ−ブチロラクトンなどのラクトン類;スルホラン類;アセトニトリルなどのニトリル類;が挙げられ、これらは単独または二種以上の混合溶媒として使用することができる。中でも、カーボネート類が好ましい。電解液の濃度は通常0.5モル/L以上、好ましくは0.8モル/L以上である。
セパレータとしては、例えば、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィン製の微孔膜;またはポリオレフィンやレーヨン製の不織布;一般に電解コンデンサ紙と呼ばれるパルプを主原料とする多孔質膜;などを用いることができる。また、セパレータに代えて固体電解質またはゲル電解質を用いてもよい。
以下、実施例および比較例を示し、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、本実施例における部および%は、特に断りがない限り質量基準である。
(バインダーを含む水分散重合体の作製)
実施例1
メカニカルスターラーおよびコンデンサーを装着した反応器に、窒素雰囲気下、脱イオン水674.9部、28%ラウリル硫酸ソーダ水溶液7.1部、およびトリポリリン酸ナトリウム0.8部を仕込み、撹拌しながら75℃に加熱した。2.44%過硫酸アンモニウム水溶液82部を反応器に添加し、次いで、表1に記載の単量体(1−1)を2時間かけて一定の速度で反応器に添加し、重合転化率が98%になるまで反応させた。得られた重合体について、以下に示す方法により粒子径(第一段粒子径)を測定した。
続けて単量体(1−2)を反応器に2時間かけて一定の速度で添加し、添加終了後、反応温度を80℃に保って3時間反応を継続させて、重合体(1A)からなるバインダーを含む水分散重合体(1A)得た。全単量体に対する重合転化率は99%であり、重合体(1A)の組成比は、単量体仕込み比と一致していた。得られた重合体(1A)について、以下に示す方法により粒子径(最終粒子径)を測定した。水分散重合体(1A)の固形分濃度は40%であった。重合体(1A)について、以下に示す方法によりガラス転移温度(Tg)を測定した。結果を表1に示す。
実施例2、実施例3、比較例1
単量体(1−1)に代えて、表1に示す単量体(2−1)、(3−1)または(4−1)を、単量体(1−2)に代えて、単量体(2−2)、(3−2)または(4−2)をそれぞれ用いた他は実施例1と同様にして、固形分濃度40%の水分散重合体(2A)、(3A)および(4A)を得た。以下に示す方法により、それぞれのガラス転移温度および粒子径(第一段粒子径および最終粒子径)を測定した。結果を表1に示す。
比較例2
メカニカルスターラーおよびコンデンサーを装着した反応器に、窒素雰囲気下、脱イオン水674.9部、28%ラウリル硫酸ソーダ水溶液7.1部、およびトリポリリン酸ナトリウム0.8部を仕込み、撹拌しながら75℃に加熱した。2.44%過硫酸アンモニウム水溶液82部を反応器に添加し、次いで表1記載の単量体(5−1)を2時間かけて一定の速度で反応器に添加し、重合転化率が98%になるまで反応させ、固形分濃度40%の水分散重合体(1B)を得た。また、単量体(5−1)に代えて表1記載の単量体(5−2)を用いた他は水分散重合体(1B)の製造と同様にして、固形分濃度40%の水分散重合体(2B)を得た。次いで、得られた水分散重合体(1B)および水分散重合体(2B)を質量比で1:1となるように混合し重合体(1B)および重合体(2B)を含む水分散重合体(1B+2B)を得た。以下に示す方法により、それぞれのガラス転移温度および粒子径(第一段粒子径および最終粒子径)を測定した。結果を表1に示す。
(重合体および水分散重合体の評価方法)
作製した上記の重合体および水分散重合体について、以下の方法により試験および評価を行った。
<重合体の組成>
重合体の各単量体単位含有量(組成比)を、H−および13C−NMR測定により求めた。
<重合体の粒子径>
透過型電子顕微鏡写真で無作為に選んだ重合体粒子100個の径を測定し、その算術平均値として算出される個数平均粒子径として求めた。
<重合体のガラス転移温度>
示差走査型熱量計(DSC)を用いて毎分5℃で昇温して測定した。
<水分散重合体の評価:CV値(電気化学的安定性)>
アセチレンブラック(デンカブラック粉状:電気化学工業社製)と、水分散重合体と、カルボキシメチルセルロースアンモニウム塩(CMCダイセルDN−10L:ダイセル化学工業社製)とを、固形分質量比でアセチレンブラック:水分散重合体:カルボキシメチルセルロースアンモニウム塩=70:28:2となるように混合し、均一な組成物を得た。該組成物をアルミニウム箔(厚さ20μm)にドクターブレード法によって均一に塗布し、120℃で40分間乾燥し、さらに0.6kPa、120℃で2時間減圧乾燥し、次いで2軸のロールプレスによって圧縮して、電極を得た。この電極を切断して0.5cm×0.5cmの矩形電極を得、この矩形電極のアルミニウム箔部にステンレス鋼製ワイヤーを溶接し、120℃で2時間真空乾燥し、電解液との接触を防止するためにステンレス鋼製ワイヤーをテフロン(登録商標)シールテープで被覆して、作用極を得た。
一方、ステンレス鋼製ワイヤーが溶接されたニッケルメッシュを、3cm×1.5cmのリチウム箔で包み、電解液との接触を防止するためにステンレス鋼製ワイヤーをテフロン(登録商標)シールテープで被覆して、対極を得た。さらに、ステンレス鋼製ワイヤーが溶接されたニッケルメッシュを、1cm×1cmのリチウム箔で包み、電解液との接触を防止するためにステンレス鋼製ワイヤーをテフロン(登録商標)シールテープで被覆して、参照極を得た。
前記作用極、対極、および参照極を用いて、三極式ビーカーセルを形成し、60℃において、電圧範囲3Vから5V、掃印速度5mV/秒で掃印を繰り返し、CV値を測定した。電解液は、テトラエチルアンモニウムテトラフルオロボレートをプロピレンカーボネートに1モル/リットルの濃度で溶解させた溶液を用いた。セルの組み立てと測定は、アルゴンで置換された真空グローブボックスにて実施した。データは、2サイクル目の4.6Vでの電流値を読み取り、比較例1の電流値を100とした時のそれぞれの相対値を表1に示す。電流値が大きいほど耐酸化性が小さく、電気化学的安定性が悪いことを示す。
Figure 0004432906
(電極の作製)
実施例4
電極活物質として比表面積2000m/g、平均粒径5μmの高純度活性炭粉末100部と、導電性付与材としてケッチェンブラック(ケッチェンブラックインターナショナル社製)1.5部及びアセチレンブラック(デンカブラック粉状:電気化学工業社製)3部とを混合し、それを実施例1にて作製した水分散重合体(1A)12.5部に加え、さらに増粘剤としてカルボキシメチルセルロースアンモニウム塩(CMCダイセルDN−10L)2部を添加した。全固形分の濃度が43%となるように水を加え、プラネタリーミキサーを用いて60分間混合した。その後、固形分濃度が41%になるように水で希釈してさらに10分間混合し、均一な組成物を得た。この組成物を厚さ20μmのアルミニウム箔にドクターブレードを用いて塗布し、80℃にて30分間、送風乾燥機で乾燥した。その後、ロールプレス機を用いてプレスを行い、厚さ80μm、電極層の密度0.6g/cmの電極を得た。この電極について以下の基準により評価した。評価結果を表2に示す。
実施例5
実施例2にて作製した水分散重合体(2A)を用いた他は、実施例4と同様にして、厚さ80μm、電極層の密度0.6g/cmの電極を得た。この電極について以下の基準により評価した。評価結果を表2に示す。
実施例6
実施例3にて作製した水分散重合体(3A)を用いた他は、実施例4と同様にして、厚さ80μm、電極層の密度0.6g/cmの電極を得た。この電極について以下の基準により評価した。評価結果を表2に示す。
比較例3
比較例1にて作製した水分散重合体(4A)を用いた他は、実施例4と同様にして、厚さ80μm、電極層の密度0.6g/cmの電極を得た。この電極について以下の基準により評価した。評価結果を表2に示す。
比較例4
比較例2にて作製した水分散重合体(1B+2B)を用いた他は、実施例4と同様にして、厚さ80μm、電極層の密度0.6g/cmの電極を得た。この電極について以下の基準により評価した。評価結果を表2に示す。
実施例7
アセチレンブラック(デンカブラック粉状:電気化学工業社製)100部、10%カルボキシメチルセルロース水溶液(セロゲン7H;第一工業製薬製)40部をニーダーにて混練したものを水で希釈して、導電性付与剤分散体を得た。
比表面積2000m/g、平均粒径5μmの高純度活性炭粉末75部、上記の導電性付与剤分散体16.7部、カルボキシ変性スチレン−ブタジエン共重合体ゴムラテックス(固形分濃度40%;粒子径0.12μm)12.5部、実施例1で作成した水分散重合体(1A)をスプレー乾燥して得られた粉末15部をニーダーにて混合し、減圧下に乾燥し、粉末状混合物を得た。ここで、スプレー乾燥とは、分散液を噴霧することにより、固形分を乾燥させる方法である。
得られた粉末状混合物を、厚みが40μmのアルミニウム集電体上に散布し、ブレードを使用して集電体上の粒子の厚みを均一にならした後、バッチ式加圧成形機(卓上型テストプレス2−S型;テスター産業社製)を使用し、150℃、圧力0.2MPaで1分間加圧成形を行い、厚さ150μmの電極を得た。この電極について以下の基準により評価した。評価結果を表3に示す。
実施例8
電極活物質として比表面積が2000m/gで平均粒径が5μmの活性炭粉末100部、結着剤として実施例1で得た水分散重合体(1A)15部、導電材として平均粒径0.7μmのアセチレンブラック(デンカブラック粉状;電気化学工業製)5部、分散剤としてカルボキシメチルセルロースを5%含む水溶液(DN−800H;ダイセル化学工業社製)40部、及び水を加えてプラネタリーミキサーで混合して混合液を得た。この混合液(I)をさらに固形分濃度が21%となるように水で調整し、スプレー乾燥機(OC−16;大河原化工機社製)を使用し、回転円盤方式のアトマイザ(直径65mm)の回転数20,000rpm、熱風温度150℃、粒子回収出口の温度が90℃でスプレー造粒を行い、球形の電極材料を得た。
得られた電極材料を、厚みが40μmのアルミニウム集電体上に散布し、ブレードを使用して集電体上の粒子の厚みを均一にならした後、バッチ式加圧成形機(卓上型テストプレス2−S型;テスター産業社製)を使用し、150℃、圧力0.2MPaで1分間加圧成形を行い、厚さ150μmの電極を得た。この電極について以下の基準により評価した。評価結果を表3に示す。
比較例5
実施例1で作製した水分散重合体(1A)に代えて、比較例1で作成した水分散重合体(4A)を用いた他は、実施例7と同様にして、電極材料を得た。
得られた電極材料を、厚みが40μmのアルミニウム集電体上に散布し、ブレードを使用して集電体上の粒子の厚みを均一にならした後、バッチ式加圧成形機(卓上型テストプレス2−S型;テスター産業社製)を使用し、150℃、圧力0.2MPaで1分間加圧成形を行い、厚さ150μmの電極を得た。この電極について以下の基準により評価した。評価結果を表3に示す。
(電極の評価方法)
<剥離強度>
得られた電極を幅2.5cm×長さ10cmの矩形に切り、電極層面を上にして固定する。電極層の表面に粘着テープを貼り付け、粘着テープを50mm/分の速度で180°方向に引き、電極層が剥離したときの強度(N/cm)を測定した。10回の測定値の平均値を求めた。この値が大きいほど剥離強度が高く、電極活物質が集電体から剥離しにくいことを示す。比較例3の剥離強度を100とした時のそれぞれの相対値により示す。
<耐熱性>
得られた電極を、減圧度0.1MPaにおける減圧下、200℃で、50時間放置し、上記と同様に剥離強度を測定した。減圧高温下に放置する前の比較例3の剥離強度を100とした時のそれぞれの相対値により示す。
<柔軟性(1)>
実施例4〜6および比較例3〜4の電極については、耐熱性を評価するために作成した減圧高温下に放置後の電極を、幅3cm×長さ9cmの矩形に切り出し、それの電極層側の面を下にして机上に置き、長さ方向の中央(端部から4.5cmの位置)、集電体側の面に直径3mmのステンレス鋼製の棒を幅方向に横たえて置いた。このステンレス鋼製の棒を中心にして電極層が外側になるように矩形電極を180°折り曲げ、折り曲げた部分の電極層にひび割れまたは剥がれが起きるか否かを観察した。電極層にひび割れまたは剥がれが生じていないことは、電極が柔軟性に優れていることを示している。この試験を10枚の矩形電極について行い、以下の基準で評価した。
○:10枚のいずれにもひび割れまたは剥がれが全く生じていない。
×:1枚以上に1箇所以上のひび割れまたは剥がれが生じた。
<柔軟性(2)>
実施例7、実施例8、および比較例5の電極については、JIS K5600−5−1に記載の方法に準じて柔軟性を測定した。試験装置はタイプ1の装置を用い、円筒状マンドレルの直径を32、25、20、16、12、10mmと変えて試験を行い、ルーペで電極を観察し、割れもしくは剥がれが起こる最大のマンドレル直径を測定した。
(電気二重層キャパシタの作成)
上記の実施例4〜8および比較例3〜5において得られた電極から、直径12mmの電極を2枚打ち抜き、2枚の電極を対向させ、厚さ35μmのレーヨン不織布からなるセパレータを挟んだ。これにプロピレンカーボネートに1.8mol/リットルの濃度でトリエチレンモノメチルアンモニウムテトラフロロボーレートを溶解した電解液を減圧下で含浸させ、コインセルCR2032型の電気二重層キャパシタを作成した。それぞれの電極を用いて作製したキャパシタについて、以下の基準により評価した。評価結果を表2、3に示す。
(電気二重層キャパシタの評価方法)
<静電容量、内部抵抗>
得られた電気二重層キャパシタを、25℃において、2.7Vまで10mAで定電流充電後、電流が0.5mAになるまで定電圧充電を行った。その後0Vまで、10mAで定電流放電を行い、エネルギー換算法により放電時の静電容量を求め、集電体を除いた2枚の電極層の質量で除して、電極層の単位質量あたりの静電容量を求めた。また、内部抵抗は、社団法人電子情報技術産業協会が定める規格RC−2377の計算方法に従って放電時の電圧降下値から算出した。
Figure 0004432906
Figure 0004432906

Claims (11)

  1. 一般式(1):CH =CR −COOR で表されるアクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステル単量体単位を50質量%以上、及び多官能不飽和単量体単位を0.5〜10質量%含み、かつガラス転移温度を2つ以上有する重合体(A)からなる電気二重層キャパシタ用バインダー。
  2. 前記重合体(A)が複合体である、請求項1に記載の電気二重層キャパシタ用バインダー。
  3. 前記複合体が、アクリレート系単量体を含む単量体混合物を段階的に重合させ得られるコアシェル構造を持つ微粒子である請求項2に記載の電気二重層キャパシタ用バインダー。
  4. 請求項1に記載のバインダーと、電極活物質とを含有してなる電気二重層キャパシタ用組成物。
  5. さらに導電性付与材を含有する請求項4に記載の電気二重層キャパシタ用組成物。
  6. さらに水を含有する請求項4に記載の電気二重層キャパシタ用組成物。
  7. 請求項4に記載の電気二重層キャパシタ用組成物を製造する方法であって、前記重合体(A)からなる電気二重層キャパシタ用バインダーおよび電極活物質を溶媒中で混合して分散液を得、該分散液を噴霧乾燥造粒することを特徴とする、電気二重層キャパシタ用組成物の製造方法。
  8. 請求項4に記載の電気二重層キャパシタ用組成物が集電体上に積層されてなる電気二重層キャパシタ用電極。
  9. 請求項8に記載の電気二重層キャパシタ用電極を製造する方法であって、前記重合体(A)からなる電気二重層キャパシタ用バインダー、電極活物質および水を含有してなる電気二重層キャパシタ用組成物を集電体に塗布し、乾燥することにより、集電体上に電極層を形成する工程を有することを特徴とする、電気二重層キャパシタ用電極の製造方法。
  10. 請求項8に記載の電気二重層キャパシタ用電極を製造する方法であって、前記重合体(A)からなる電気二重層キャパシタ用バインダーおよび電極活物質を含有してなる電気二重層キャパシタ用組成物を乾式成形することにより、集電体上に電極層を形成する工程を有することを特徴とする、電気二重層キャパシタ用電極の製造方法。
  11. 請求項8に記載の電極、電解液、およびセパレータを備えた電気二重層キャパシタ。
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