JP4389359B2 - 薄膜トランジスタ及びその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、メモリ、CPU等の半導体デバイス、若しくはディスプレイ、センサ、プリンティングデバイス等の機能機器の構成素子として用いられる絶縁体上に形成された薄膜トランジスタ及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えばガラス、石英等の絶縁性基板上に形成される薄膜トランジスタ(TFT)の代表例としては水素化アモルファスシリコンTFT及び多結晶シリコンTFTがある。
【0003】
この内、水素化アモルファスシリコンTFTは、その製造プロセスにおける最高温度が約300℃程度であるので、絶縁性基板として安価な低軟化点ガラス基板を用いることができる。また、移動度としては1cm /V・sec程度のキャリア移動度を実現している。
【0004】
この水素化アモルファスシリコンTFTは、アクティブマトリクス型液晶ディスプレイ(以下、「アクティブマトリクス型LCD」という)における各画素のスイッチングトランジスタとして用いられ、画面周辺に配設されたドライバ集積回路(IC、単結晶シリコン基板上に形成されたLSI等)によって駆動される。この場合、水素化アモルファスシリコンTFTは各画素毎に配設されている。これにより、このアクティブマトリクス型LCDは、周辺ドライバ集積回路から液晶駆動用の電気信号を送るパッシブマトリクス型LCDに比べて、クロストーク等が低減され良好な画像品質を得ることができるという特徴を有している。
【0005】
次に、多結晶シリコンTFTは、絶縁性基板として例えば石英基板を用い、且つ、LSIの製造プロセスと同等の約1000℃程度の高温プロセスを用いることによって、キャリア移動度30〜100cm /V・secの性能を得ることができる。
【0006】
ここで、この多結晶シリコンTFTを液晶ディスプレイに適用した場合について示す。この多結晶シリコンTFTは、上述したようにLSIの製造プロセスと同等の約1000℃程度の高温プロセスにて形成されると共に高いキャリア移動度を実現することができる。これにより、各画素を駆動する多結晶シリコンTFT並びに周辺駆動回路部(例えばLSI)を同一の絶縁性基板上に且つ同時に形成することができ、上述したアクティブマトリクス型LCDに比べて液晶ディスプレイの小型化を図ることが容易になる。
【0007】
具体的には、アクティブマトリクス型LCDにおいては、基板と周辺ドライバ集積回路との接続にタブ接続若しくはワイヤボンディング法が用いられている。この為、アクティブマトリクス型LCDは、その小型化若しくは高解像度化を図るにつれて基板と周辺ドライバ集積回路との接続ピッチが狭小化し、これらの接続を図り難くなってしまう。これに対して多結晶シリコンTFTを用いた液晶ディスプレイでは、上述したように多結晶シリコンTFT並びに周辺駆動回路部を同一の絶縁性基板上に且つ同時に形成することができるので、その小型化が容易となる。
【0008】
即ち、この多結晶シリコンTFTは、液晶ディスプレイの製造プロセスにおける製造原価の低減,並びに小型化に寄与することができる。例えば、このような多結晶シリコンTFTを用いた液晶ディスプレイとしては、液晶プロジェクタに用いられる液晶ライトバルブがある。この液晶ライトバルブでは、解像度1000dpi(dot per inch)相当の駆動回路一体型表示素子が実現されている。
【0009】
しかしながら、この多結晶シリコンTFTは上述したように約1000℃程度の高温プロセスにて製造されているので、アクティブマトリクス型LCDにて用いることのできた安価な低軟化点ガラス基板を使用することができず、高価な石英基板を使用せざるを得ない。即ち、安価な低軟化点ガラス基板と多結晶シリコンTFTとを用いた液晶ディスプレイを形成し難いという問題があった。そこで、低軟化点ガラス基板を使用する為に多結晶シリコンTFTの製造プロセスにおける温度の低減が必要となり、その温度低減手段としてエキシマレーザ結晶化技術を応用した多結晶シリコン膜の低温形成技術が研究開発されている。
【0010】
また、ゲート電極を形成する際には、例えばこのゲート電極にスパッタAl膜を用いることによってプロセス温度の低温化を図っている。このようにして低軟化点ガラス基板の使用を可能にしているが、ここで新たな問題が生じている。具体的には、製造プロセス全体のプロセス温度の低温化が進展するに伴なってゲート絶縁膜に対する熱処理温度も低下せざるを得ず、ゲート絶縁膜の品質が低下してしまう。これにより、ゲート絶縁膜とゲート電極(Al)とが反応し易くなるので、更にTFT素子サイズの微細化,低電圧駆動化に伴なってゲート絶縁膜の薄膜化が図られているので、ゲート絶縁膜の信頼性が大幅に低下してしまうという問題があった。
【0011】
ここで、この問題の解決を図ることのできる特開平11−307777号公報にて開示されている薄膜トランジスタがある。この薄膜トランジスタは、絶縁性基板上に形成されたソース・ドレイン領域を有する結晶化シリコン薄膜と、この結晶化シリコン薄膜のチャネル領域の上部にゲート絶縁膜を介して形成された微結晶シリコン薄膜と、この微結晶シリコン薄膜上にスパッタ法を用いて形成されたゲート金属とを備えている。この場合、ソース・ドレイン領域は、ゲート電極をマスクとし、イオン注入法若しくはイオンドーピング法を用いて自己整合的に形成される。また、微結晶シリコン薄膜は、プラズマCVD法を用いて形成されている。このように、300℃程度の低い成膜温度で抵抗の低いリンドープ層を得ることができるプラズマCVD法にて形成された微結晶シリコン薄膜を用いることによって上記問題を解決することができる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ゲート電極の下層には微結晶シリコン薄膜、即ち結晶性材料が用いられている為、ソース・ドレイン領域の形成の際に注入若しくは導入されるイオンがチャネリングを起こし、このイオンがより深層まで到達してしまう恐れがある。具体的には、イオンがゲート電極を突き抜けてゲート絶縁膜中や結晶化シリコン薄膜中に到達しトランジスタ特性を劣化させてしまう恐れがあるという問題があった。
【0013】
【発明の目的】
本発明は、かかる従来例の有する問題を改善し、イオンのチャネリングに起因するトランジスタ特性の劣化を抑制することのできる薄膜トランジスタを提供することを、その目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る薄膜トランジスタは、基板上に形成されたソース・ドレイン領域及びチャネル領域を有する結晶化シリコン膜と、この結晶化シリコン膜上に形成されたゲート絶縁膜と、このゲート絶縁膜上に形成されたゲート電極とを備える、という構造から成る。ここで、ゲート電極に非晶質層及び結晶質層を設けている。
【0015】
また、本発明に係る薄膜トランジスタの製造方法は、基板上にソース・ドレイン領域用の結晶化シリコン膜を形成する工程と、この結晶化シリコン膜上に、ゲート絶縁膜を形成する工程と、このゲート絶縁膜上に、ゲート電極を形成する工程とを有している薄膜トランジスタの製造方法について示すものである。この場合、ゲート電極の形成工程にて、ゲート電極の構成要素としての非晶質層及び結晶質層を形成する工程を備えている。
【0016】
このように薄膜トランジスタを形成することによって、イオン注入法,若しくはイオンドーピング法を用い且つゲート電極をマスクとして自己整合的にソース・ドレイン領域を形成する場合に、従来例にて懸念された注入される,若しくは導入されるイオンのチャネリングによる弊害を抑制することができる。
【0017】
また、非晶質層はゲート絶縁膜の表面上に設け、この非晶質層上に結晶質層を設けてもよい。ここで、ゲート電極について詳述すると、非晶質層を非晶質材料で形成すると共に、結晶質層を結晶性材料で形成してもよい。その製造方法として、例えばゲート絶縁膜上に非晶質層を形成する場合にあっては、前述した非晶質層の形成工程にてゲート絶縁膜上に非晶質材料を積層する。そして、前述した結晶質層の形成工程にて、この非晶質材料上に結晶性材料を積層する。この場合、非晶質材料及び結晶性材料としては、リン,砒素又はボロン等の不純物がドープされたシリコン薄膜を用いることができる。これにより、上述したようにイオンのチャネリングによる弊害を抑制することができる。
【0018】
更に、非晶質層として非晶質材料を形成し、しかる後、この非晶質材料にレーザー光を照射することによって、非晶質材料の表面が結晶質層となるゲート電極を形成してもよい。このようにゲート電極を形成することによってもイオンのチャネリングによる弊害を抑制することができる。
【0019】
また、ゲート電極の構成要素としてシリコン薄膜を形成し、このシリコン薄膜が非晶質層及び結晶質層を備えてもよい。その製造方法として、シリコン薄膜の形成工程にて、このシリコン薄膜の成膜時間を制御する。例えばゲート絶縁膜上にシリコン薄膜を形成する場合にあっては、ゲート絶縁膜との界面近傍が非晶質層となり且つこのシリコン薄膜の堆積の進行に伴なって結晶性が変化して非晶質層上が結晶質層となるよう成膜時間を制御する。この際、結晶質層中の結晶成分がゲート絶縁膜から離れるに従って増加する。このようにシリコン薄膜を形成することによってもイオンのチャネリングによる弊害を抑制することができる。
【0020】
更に、シリコン薄膜を形成した後300℃以上のアニールを行い、しかる後水素導入処理を行うことによって、シリコン薄膜の表面を保護することができる。
【0021】
次に、上述したが如く形成されたシリコン薄膜をパターニングした後、このシリコン薄膜をマスクとして結晶化シリコン薄膜にソース・ドレイン領域を形成する。そして、所定の照射強度のレーザー光を照射する。これにより、シリコン薄膜及び結晶化シリコン薄膜を低抵抗化すると同時に、ソース・ドレイン領域を活性化することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
本発明の第一実施形態を図1に基づいて説明する。この図1に示す符号10は薄膜トランジスタを示す符号である。
【0023】
この薄膜トランジスタ10は、図1に示すように絶縁性基板1上に形成されたソース・ドレイン領域2a及びチャネル領域2bを有する結晶化シリコン薄膜2と、この結晶化シリコン薄膜2上に形成された例えばシリコン酸化膜から成るゲート絶縁膜3と、このゲート絶縁膜3上に形成されたゲート電極4とを備えている。
【0024】
ここで、絶縁性基板1としてはガラス基板が用いられる。更に、結晶化シリコン薄膜2はノンドープ(不純物無添加)膜で形成され、ソース・ドレイン領域2aはイオン注入法,若しくはイオンドーピング法を用い、価電子制御を目的としてリン,ボロン,砒素等の高濃度不純物を注入,若しくは導入して形成される。
【0025】
また、ゲート電極4は、チャネル領域2bの上方に形成された下層ゲートシリコン5(非晶質層)と、この下層ゲートシリコン5上に形成された上層ゲートシリコン(結晶質層)6と、この上層ゲートシリコン6上に形成されたゲート金属7とを備えている。この内、下層ゲートシリコン5としては予めリンがドープされた非晶質シリコン(非晶質材料)が、上層ゲートシリコン6としては同様にリンがドープされた結晶性シリコン(結晶性材料)が用いられている。
【0026】
このように、非晶質材料であるゲート絶縁膜3上に非晶質材料である下層ゲートシリコン5が形成されているので、ソース・ドレイン領域2aを形成する際に従来例の如きチャネリングを防止することができ、トランジスタ特性の劣化を抑制することができる。
【0027】
本実施形態においては、絶縁性基板1としてガラス基板を用いているが、ガラス基板上に後述する基板カバー膜を積層したものを,若しくはシリコン基板上に熱酸化膜が形成されたものを用いることもできる。また、結晶化シリコン薄膜2は、しきい値制御を目的とした低濃度不純物としてのリン,若しくはボロン等が導入されたものを用いることもできる。
【0028】
次に、本発明の第二実施形態を図2(a),(b)に基づいて説明する。この図2(a),(b)に示す符号20は薄膜トランジスタを示す符号である。
【0029】
この薄膜トランジスタ20は、図2(a)に示すように絶縁性基板11上に形成されたソース・ドレイン領域12a及びチャネル領域12bを有する結晶化シリコン薄膜12と、この結晶化シリコン薄膜12上に形成された例えばシリコン酸化膜から成るゲート絶縁膜13と、このゲート絶縁膜13上であり且つチャネル領域12bの上方に形成されたゲート電極14とを備えている。
【0030】
更に、このゲート電極14は、その凹凸部分に形成された層間分離絶縁膜18と、この層間分離絶縁膜18及びゲート絶縁膜13に形成されたコンタクトホール17に埋設されたアルミニウムから成る図2(a),(b)に示す金属配線19とを備えている。これにより、配線抵抗の低減を図ることができる。
【0031】
ここで、ゲート電極14は、チャネル領域12bの上方に形成された下層ゲートシリコン(非晶質層)15と、この下層ゲートシリコン15上に形成された上層ゲートシリコン(結晶質層)16とを備えている。この内、下層ゲートシリコン15としては予めリンがドープされた非晶質シリコン(非晶質材料)が、上層ゲートシリコン16としては同様にリンがドープされた結晶性シリコン(結晶性材料)が用いられる。
【0032】
また、絶縁性基板11は第一実施形態と同様のものが用いられ、結晶化シリコン薄膜12及びソース・ドレイン領域12aは、第一実施形態と同様に形成されている。
【0033】
このように、非晶質材料であるゲート絶縁膜13上に非晶質材料である下層ゲートシリコン15が形成されているので、第一実施形態と同様にソース・ドレイン領域12aを形成する際に従来例の如きチャネリングを防止することができ、トランジスタ特性の劣化を抑制することができる。
【0034】
本実施形態においては、金属配線19としてアルミニウムを用いているが、これに代えて銅,タングステン,モリブデン,チタン等の金属、これらをベースとした合金、若しくは複数種の金属の積層体を用いることもできる。
【0035】
ここで、上述した第一及び第二実施形態にて、上層ゲートシリコン6,16としての結晶性シリコンを形成せずとも各実施形態と同様の効果を得ることができる。例えば、下層ゲートシリコン5,15としての非晶質シリコンにレーザー光を照射することによって非晶質シリコンの表面を結晶質層にすればよい。
【0036】
以上のように、各実施形態にて例示した薄膜トランジスタ10,20を構成することによって従来例の課題を解決することができるが、以下に示すような構成を採ることによっても同様に課題の解決を図ることができる。
【0037】
先ず、非晶質材料から成るゲート絶縁膜上に形成されたシリコン薄膜の膜厚とその抵抗率との関係について示す。この為の試料としては、シリコン薄膜を平行平板型のRFプラズマCVD装置を用いてガラス基板(非晶質基板)上に形成したものを用いる。これにより、ゲート絶縁膜上にシリコン薄膜形成した場合と同等の結果を得ることができる。
【0038】
リンをガスドープしたシリコン薄膜の形成条件は、
基板温度 320℃
シラン流量 20sccm
水素流量 1000sccm
ホスフィン(水素希釈0.5%)流量 40sccm
ガス圧力 50Pa
RF電力密度 128mW/cm2(連続放電)
典型的な成膜速度 37A/min
である。
【0039】
この形成条件に基づきシリコン薄膜の成膜時間を制御して膜厚の異なる三種類(40.7nm,68.5nm,104.6nm)の試料を作製する。そして、各膜厚に対するシート抵抗を測定し、このシート抵抗を抵抗率に換算する。その結果(各膜厚とシート抵抗又は抵抗率との関係)を図3に示す。この図3により膜厚が厚くなるに従って抵抗率が低下していることが判る。このことから、膜厚方向に抵抗率の分布が生じていることが示唆される。
【0040】
以上の結果を踏まえて分光エリプソメトリ測定を行い、Bruggemanの有効媒質近似(Effective Medium Approximation)を用いて膜厚方向に対する構造変化を解析した。
【0041】
この解析には上述した三種類の試料を用いる。ここで、膜厚40.7nm,68.5nm,104.6nmのシリコン薄膜の表面には各々膜厚3.4nm,9.2nm,12.7nmの表面酸化膜を形成する。そして、膜厚40.7nmの試料の解析結果を図4(a)に、膜厚68.5nm試料の解析結果を図4(b)に、膜厚104.6nmの試料の解析結果を図4(c)に示す。これらの測定,解析上の誤差は、ボイド成分を導入することで調整されている。
【0042】
膜厚40.7nmのシリコン薄膜において、図4(a)に示すように下層(ガラス基板側)13.1nmのゲートシリコン層ではアモルファスシリコン成分が100%であり、上層27.6nmのゲートシリコン層では結晶性シリコン成分が14%に上昇していることが判る。
【0043】
次に、膜厚68.5nmのシリコン薄膜において、図4(b)に示すように下層27.1nmのゲートシリコン層では結晶性シリコン成分が観測されずアモルファスシリコン成分が79%に減少している。また、上層41.4nmのゲートシリコン層では結晶性シリコン成分が49%に増加していることが判る。
【0044】
同様に、膜厚104.6nmのシリコン薄膜において、図4(c)に示すように下層42.1nmのゲートシリコン層では結晶性シリコン成分が観測されずアモルファスシリコン成分が70%に減少している。また、上層62.5nmのゲートシリコン層では結晶性シリコン成分が60%に増加していることが判る。
【0045】
ここで、膜厚40.7nmのシリコン薄膜の解析結果にて、下層13.1nmのゲートシリコン層は100%のアモルファスシリコン成分で構成されている為、他の二種類のシリコン薄膜においても100%のアモルファスシリコン成分で構成される層は13nm程度であると推察される。例えば、膜厚104.6nmのシリコン薄膜について説明すると、その下層42.1nmにおけるガラス基板から約13nmの層は100%のアモルファスシリコン成分で構成され、その上部約29nmの層は徐々に結晶成分が増加していると考えられる。
【0046】
このことから、シリコン薄膜の成膜時間を制御することによってその下層を非晶質層に、上層を結晶質層に形成することができる。この結果に基づいて本発明の薄膜トランジスタにおける他の実施形態(第三及び第四実施形態)を後述する。
【0047】
また、プラズマCVD法を用いて形成されたシリコン薄膜から成るゲート電極層は、第一及び第二実施形態に示すようにゲート金属(金属配線)を用いることによってLCDのような大型デバイスにおいてもその配線抵抗を低減できる。しかしながら、より高い駆動能力が求められゲート絶縁膜の薄膜化やチャネル長の微細化が図られる場合にあっては、ゲート電極層にもより低い抵抗が要求される。この場合、600℃から1000℃程度の熱処理を施すことで結晶の結晶化が促進され、これによりゲート電極の低抵抗化を実現することができるが、これでは基板に安価な低軟化点ガラス(例えば800℃以上で軟化するガラス)を用いることができなくなってしまう。
【0048】
この為、以下のような解析結果に基づいて、より高い駆動能力が求められゲート絶縁膜の薄膜化やチャネル長の微細化が図られる場合にあっても基板に安価な低軟化点ガラス等を用いることのできる本発明の実施形態(第三及び第四実施形態)を示す。
【0049】
ここで、三種類の膜厚(45nm,72nm,102nm)のシリコン薄膜から成る試料を用いて、エキシマレーザ光の照射強度とシリコン薄膜のシート抵抗値との関係を図5に示す。これら各シリコン薄膜はプラズマCVD法を用いて形成され、基板温度を室温に保ったままエキシマレーザ光の照射による再結晶化を図りシリコン薄膜のシート抵抗値を測定した。その結果、図5に示すようにエキシマレーザ光の照射強度の増大に伴なってシリコン薄膜のシート抵抗値が低下することが判る。この場合、エキシマレーザ光の照射強度を大きくしていくと、過大なエネルギーの投入により膜がアブレーションする。しかしながら、膜厚102nmのシリコン薄膜では、照射強度を230mJ/cm とするとシート抵抗値が300オーム/□まで低下することが判る。
【0050】
次に、エキシマレーザ光の照射強度とシリコン薄膜又はソース・ドレイン領域のシート抵抗値との関係を図6及び図7に示す。図6はシリコン薄膜及びソース・ドレイン領域の膜厚を各々50nmに、図7はこれらの膜厚を各々75nmに形成したものである。
【0051】
各試料は、LPCVD法を用いて形成されたソース・ドレイン領域を有するアモルファスシリコン層と、このアモルファスシリコン層上にプラズマCVD法を用いて形成されたシリコン薄膜(ゲートシリコン層)とを備えている。ここで、ソース・ドレイン領域は、ホスフィンガスを原料としたリンイオンがイオンドーピング法により導入されて形成される。この場合、ドーピング時の注入レンジは膜厚の略中央に設定されているが、質量分離されていない為、複数原子から成るリンイオン,リン及び水素の結合イオン,或いは水素イオン等も含まれている。
【0052】
図6及び図7に示すように、エキシマレーザ光の照射強度が130〜200mJ/cm ではゲートシリコン層及びソース・ドレイン領域は各々同等の抵抗値を示している。これにより、例えばエキシマレーザ光の照射強度を130〜200mJ/cm に設定することによって各シリコン層の低抵抗化,並びにソース・ドレイン領域の活性化を同時に行うことができることが判明した。
【0053】
ここで、本発明の薄膜トランジスタの第三実施形態を図8に基づいて説明する。この図8に示す符号30は本実施形態の薄膜トランジスタを示す符号である。
【0054】
この薄膜トランジスタ30は、図8に示すように絶縁性基板21上に形成されたソース・ドレイン領域22a及びチャネル領域22bを有する結晶化シリコン薄膜22と、この結晶化シリコン薄膜22上に形成された第一ゲート絶縁膜23Aと、この基板の凹凸部分を被覆するように形成された第二ゲート絶縁膜23Bと、この第二ゲート絶縁膜23B上に形成されたゲート電極24とを備えている。更に、この薄膜トランジスタ30は、その凹凸部分に形成された層間分離絶縁膜28と、この層間分離絶縁膜28及び第二ゲート絶縁膜23Bに形成されたコンタクトホール27に埋設された金属配線29とを備えている。
【0055】
この内、絶縁性基板21としてはガラス基板21a上にCVD酸化膜から成る基板カバー膜21bを積層したものが用いられる。また、第一及び第二ゲート絶縁膜23A,23Bはシリコン酸化膜若しくは窒化膜で形成される。
【0056】
ここで、ゲート電極24は、第二ゲート絶縁膜23Bの表面上であり且つチャネル領域22bの上方に形成されたn シリコン膜(シリコン薄膜)25Aから成るゲートシリコン層25と、このゲートシリコン層25上に形成されたゲート金属27とを備えている。このゲートシリコン層25は80nmの膜厚に形成されており、その下層部分(第二ゲート絶縁膜23B上から約13nmの部分)は非晶質層に、上層部分(ゲートシリコン層25の下層部分を除いた部分)は結晶質層になっている。
【0057】
このように、非晶質材料である第一及び第二ゲート絶縁膜23A,23B上に非晶質層を有するゲートシリコン層25が形成されているので、ソース・ドレイン領域22aを形成する際に従来例の如きチャネリングを防止することができ、トランジスタ特性の劣化を抑制することができる。
【0058】
ここで、本実施形態における薄膜トランジスタ30の製造方法について図9及び図10に基づいて説明する。この図9及び図10は、図9(a)から図9(e),図10(f)から図10(h)の順に進行するその製造工程を示す図である。
【0059】
先ず、有機物,金属,並びに微粒子等を洗浄することによって除去されたガラス基板21a上に、CVD酸化膜から成る基板カバー膜21bを積層することによって図9(a)に示す絶縁性基板21が形成される。そして、この絶縁性基板21上にシリコン薄膜22Aが形成され、その後、有機物,金属,微粒子,並びに表面酸化膜等を除去する為の洗浄工程を経て薄膜形成装置(図示略)に導入される。
【0060】
ここで、基板カバー膜21bとしては、基板材料(アルカリ金属濃度を極力低減したガラス,表面を研磨加工した石英・ガラス等)に含まれる半導体デバイスに有害な不純物の拡散を防止することができるものが有効である。具体的に本実施形態の基板カバー膜21bとしては酸化シリコン膜が用いられる。この酸化シリコン膜は、シランと酸素を原料ガスとし、LPCVD(減圧化学的気相成長)法を用いて基板温度450℃でガラス基板21a上に1μmの膜厚に形成される。このように、LPCVD法を用いることによってガラス基板21aの保持領域(例えば図9(a)に示すガラス基板21aの下面部分)を除いた表面全体をカバーすることもできる(図示略)。
【0061】
この場合、基板カバー膜21b(酸化シリコン膜)は、TEOS(テトラエトキシシラン)と酸素ガスを原料としたプラズマCVD,若しくはTEOSとオゾンを原料とした常圧CVD等を用いて形成することもできる。
【0062】
続いて、シリコン薄膜22Aは、ジシランガスを原料とし、LPCVD法を用いて基板温度500℃で75nmの膜厚に形成される。これにより、シリコン薄膜22A中に含まれる水素原子濃度が1原子%以下となる為、後述するレーザ光L1の照射工程での水素放出によるシリコン薄膜22Aの荒れ等を防止することができる。
【0063】
この場合、シリコン薄膜22Aを形成する際にプラズマCVD法を用いることもできる。このようにプラズマCVD法を用いても、絶縁性基板21の温度,水素/シラン流量比,並びに水素/四フッ化シラン流量比等を調整することによって水素原子濃度の低いシリコン薄膜22Aを形成することができ、LPCVD法を用いた場合と同様の効果を得ることができる。
【0064】
次に、図9(b)に示すようにレーザ光L1が照射され、シリコン薄膜22Aが結晶化シリコン薄膜22に改質される。この場合、レーザ結晶化は99.9999%以上の高純度窒素700Torr(1Torr=1.333×10 Pa)以上の雰囲気で行われ、レーザ光L1の照射が完了した後、酸素ガスが導入される。
【0065】
ここで、酸素ガスの導入前に水素プラズマ処理を行うことによって、結晶化シリコン薄膜22中に存在するダングリングボンドのパッシベーションを行うことができる。この水素プラズマ処理は、第一及び第二ゲート絶縁膜23A,23B,ゲート電極24,若しくは金属配線29等を形成した後の段階でも行うことができる。但し、350℃以上の製造工程を経るような場合はその工程よりも後に行い、水素パッシベーション後は製造プロセスの温度を350℃以下に保つことが望ましい。
【0066】
続いて、ガスが排気された後、基板搬送室(図示略)を介してプラズマCVD室(図示略)に搬送される。そして、結晶化シリコン薄膜22上に酸化シリコン膜から成る図9(c)に示す第一ゲート絶縁膜23Aが形成される。この酸化シリコン膜は、シラン,ヘリウム,並びに酸素を原料ガスとし、プラズマCVD法を用いて基板温度350℃で10nmの膜厚に形成される。その後、必要に応じて水素プラズマ処理や加熱アニールが行われる。
【0067】
次に、フォトリソグラフィ並びにエッチング技術を用いて図9(d)に示すように結晶化シリコン薄膜22と第一ゲート絶縁膜23Aとから成る積層膜のアイランドが形成される。この場合、結晶化シリコン薄膜22に比べて第一ゲート絶縁膜23Aのエッチングレートが高いエッチング条件を選択することが望ましい。即ち、図9(d)に示すように結晶化シリコン薄膜22と第一ゲート絶縁膜23Aとが階段状(若しくはテーパ状)になるようエッチングを施すことが望ましい。これにより、ゲートリークを防止することができ、信頼性の高い薄膜トランジスタ30を提供することが可能となる。
【0068】
続いて、有機物,金属,並びに微粒子等を除去する為の洗浄工程を経て、上述したアイランドを被覆するように酸化シリコン膜から成る図9(e)に示す第二ゲート絶縁膜23Bが形成される。この酸化シリコン膜は、シランと酸素を原料ガスとし、LPCVD法を用いて基板温度450℃で30nmの膜厚に形成される。この場合、酸化シリコン膜は、TEOSと酸素ガスを原料としたプラズマCVD法,若しくはTEOSとオゾンを原料とした常圧CVD法を用いて形成することもできる。
【0069】
そして、第二ゲート絶縁膜23B上にプラズマCVD法を用いて図9(e)に示す80nmの膜厚から成るn シリコン膜25Aが形成される。その後、このn シリコン膜25Aは、後にチャネル領域22bとなる部分の上方のn シリコン膜25Aを残すようにパターニングが施される。これにより、図10(f)に示すゲートシリコン層25が形成される。
【0070】
続いて、ゲートシリコン層25をマスクとして不純物イオンが注入されソース・ドレイン領域22aが形成される。この場合、注入される不純物イオンの質量分離を行わないイオンドーピング法,イオン注入法,プラズマドーピング法,若しくはレーザドーピング法等を用いて形成される。
【0071】
ここで、CMOS型回路を形成する場合は、フォトリソグラフィを併用してn 領域が必要なn型チャネル保護膜TFT,若しくはp領域を要するp型チャネル保護膜TFTを作り分ける。
【0072】
次に、エキシマレーザ光L2を再度照射する。これにより、ゲートシリコン層25及び結晶化シリコン薄膜22が低抵抗化されると同時に、ソース・ドレイン領域22aが活性化される。この場合、第一及び第二ゲート絶縁膜23A,23Bの膜厚によってその表面でのエキシマレーザ光L2の反射率が変化する為、ゲートシリコン層25及び結晶化シリコン薄膜22が所望の抵抗値を得られるようにエキシマレーザ光L2の照射強度を調整することが望ましい。例えば、この照射強度は、所望の抵抗値,照射強度特性から決定すればよい。
【0073】
また、LPCVD法を用いてn シリコン膜25Aを形成することによって、より高い照射強度のエキシマレーザ光L2を照射することができ、これにより、ゲート電極24の更なる低抵抗化を図ることができる。ここで、プラズマCVD法を用いて形成されたn シリコン膜25Aはアブレーションしきい強度が小さい為、LPCVD法を用いて形成されたn シリコン膜25Aに比べて低抵抗化を図り難い。この為、本実施形態においてはn シリコン膜25AがプラズマCVD法を用いて形成されているが、更なるゲート電極24の低抵抗化が求められるような場合は、よりアブレーション開始強度の高いシリコン材料、例えばLPCVD法を用いて形成されたn シリコン膜25Aを用いればよい。
【0074】
次に、第二ゲート絶縁膜23B及びゲートシリコン層25を被覆するようにタングステンシリサイド膜が110nmの膜厚に堆積された後、ゲートシリコン層25の上部のタングステンシリサイド膜を残すようにパターニングが施され図10(g)に示すようにゲート金属26が形成される。
【0075】
ここで、前工程においてエキシマレーザ光L2の照射を行わない場合は、ゲート金属26が形成された後に550℃の熱処理を施してソース・ドレイン領域22aの活性化を行う。この場合、熱処理温度は400℃〜600℃程度の範囲で適宜選択すればよい。
【0076】
次に、この凹凸部分に層間分離絶縁膜28が堆積された後、フォトリソグラフィ並びにエッチング技術によって図10(h)に示すコンタクトホール27が形成される。そして、その凹凸部分に金属(アルミニウム)が堆積された後、フォトリソグラフィ並びにエッチング技術によって金属配線29が形成される。
【0077】
ここで、層間分離絶縁膜28としては膜の平坦化を図ることのできるTEOS系酸化膜が用いられる。この場合、TEOS系酸化膜に代えてシリカ系塗布膜,若しくは有機塗布膜を用いることもできる。また、金属配線29としてはアルミニウムに代えて銅,アルミニウム又は銅をベースとした合金,若しくはタングステン又はモリブデン等の高融点金属を用いることもできる。
【0078】
以上のような製造工程を経ることによって、性能,信頼性の高い薄膜トランジスタ30を形成することができる。
【0079】
次に、本発明の薄膜トランジスタの第四実施形態を図11に基づいて説明する。この図11に示す符号40は本実施形態の薄膜トランジスタを示す符号である。
【0080】
この薄膜トランジスタ40は、図11に示すように絶縁性基板31上に形成されたソース・ドレイン領域32a及びチャネル領域32bを有する結晶化シリコン薄膜32と、この結晶化シリコン薄膜32上であり且つチャネル領域32bの上部に形成された第一ゲート絶縁膜33Aと、この第一ゲート絶縁膜33A上に形成された第二ゲート絶縁膜33Bと、この第二ゲート絶縁膜33B上に形成されたn シリコン膜(シリコン薄膜)35Aから成るゲート電極34とを備えている。更に、この薄膜トランジスタ40は、その凹凸部分に形成された層間分離絶縁膜38と、この層間分離絶縁膜38に形成されたコンタクトホール37に埋設された金属配線39とを備えている。
【0081】
この内、絶縁性基板31としてはガラス基板31a上にCVD酸化膜から成る基板カバー膜31bを積層したものが用いられる。また、第一及び第二ゲート絶縁膜33A,33Bはシリコン酸化膜若しくは窒化膜で形成される。
【0082】
ここで、n シリコン膜35Aは80nmの膜厚に形成されており、第三実施形態と同様にその下層部分(第二ゲート絶縁膜33B上から約13nmの部分)は非晶質層に、上層部分(n シリコン膜35Aの下層部分を除いた部分)は結晶質層になっている。
【0083】
このように、非晶質材料である第一及び第二ゲート絶縁膜33A,33B上に非晶質層を有するゲート電極34が形成されているので、ソース・ドレイン領域32aを形成する際に従来例の如きチャネリングを防止することができ、トランジスタ特性の劣化を抑制することができる。
【0084】
ここで、本実施形態における薄膜トランジスタ40の製造方法について図9及び図12に基づいて説明する。この図9及び図12は、図9(a)から図9(e),図12(f),図12(g)の順に進行するその製造工程を示す図である。
【0085】
この薄膜トランジスタ40は、途中まで第三実施形態の薄膜トランジスタ30の製造工程と同様の工程(図9(a)から図9(e)までの工程)を経て形成される。この為、ここではそれ以降の製造工程(図12(f)及び図12(g)の工程)について以下に説明する。尚、この場合、図9(a)から図9(e)おける符号21を31に、符号21aを31aに、符号21bを31bに、符号22Aを32Aに、符号22を32に、符号23Aを33Aに、符号23Bを33Bに、符号25Aを35Aに置き換える。
【0086】
図9(e)に示すn シリコン膜35Aが形成された後、図12(f)に示すように、後にチャネル領域32bとなる部分の上方の第一及び第二ゲート絶縁膜33A,33B,並びにn シリコン膜35Aを残すようにパターニングが施される。これにより、図12(f)に示すゲート電極34が形成される。
【0087】
その後、ゲート電極34をマスクとし不純物イオンが注入されソース・ドレイン領域32aが形成される。この場合、注入される不純物イオンの質量分離を行わないイオンドーピング法,イオン注入法,プラズマドーピング法,若しくはレーザドーピング法等を用いて形成される。
【0088】
ここで、第三実施形態と同様にCMOS型回路を形成する場合は、フォトリソグラフィを併用してn 領域が必要なn型チャネル保護膜TFT,若しくはp領域を要するp型チャネル保護膜TFTを作り分ける。
【0089】
次に、エキシマレーザ光L2を再度照射する。これにより、ゲート電極34及び結晶化シリコン薄膜22が低抵抗化されると同時に、ソース・ドレイン領域32aが活性化される。
【0090】
続いて、この凹凸部分に層間分離絶縁膜38が堆積された後、フォトリソグラフィ並びにエッチング技術によって図12(g)に示すコンタクトホール37が形成される。そして、その凹凸部分に金属(アルミニウム)が堆積された後、フォトリソグラフィ並びにエッチング技術によって金属配線39が形成される。
【0091】
ここで、層間分離絶縁膜38としては膜の平坦化を図ることのできるTEOS系酸化膜が用いられる。この場合、TEOS系酸化膜に代えてシリカ系塗布膜,若しくは有機塗布膜を用いることもできる。また、金属配線39としてはアルミニウムに代えて銅,アルミニウム又は銅をベースとした合金,若しくはタングステン又はモリブデン等の高融点金属を用いることもできる。
【0092】
以上のような製造工程を経ることによって、性能,信頼性の高い薄膜トランジスタ40を形成することができる。
【0093】
次に、前述した各実施形態の薄膜トランジスタを用いた2 ×2 ビットのストレージセルMEM2から成るメモリアレイを図13に例示する。このメモリは、行デコーダMEM5が2 語の中から2 ビットの一語を指定し、列デコーダMEM4がアクセスされている行の2 ビットの内から2 ビットを指定する。そして、外部インターフェース(図示略)との間をワード線MEM1、ビット線MEM3、増幅器/ドライバMEM6、列アドレスMEM7、行アドレスMEM8によってデータMEM9が転送されるものである。
【0094】
続いて、前述した各実施形態の薄膜トランジスタを用いた液晶ライトバルブ(液晶ディスプレイLCV5)を図14に、この液晶ライトバルブを応用したプロジェクタを図15に例示する。
【0095】
液晶(画素LCV4)は、図14に示すように周辺駆動回路データドライバLCV1、ゲートドライバLCV2によってアクティブマトリクスアレイLCV3に接続されて駆動される。そして、映像信号データLCV6が外部から入力され、各画素LCV4に表示される。
【0096】
図15に示すプロジェクタLCV7は、ハロゲンランプLCV8にて生成された光がダイクロイックミラーLCV9を介してライトバルブLCV10に入射し、その映像が投影レンズLCV14を介してスクリーンLCV15に投影されるものである。ここで、ライトバルブLCV10としては、光の赤成分LCV11、緑成分LCV12、青成分LCV13に対応したものが各々用いられる。
【0097】
尚、本発明の薄膜トランジスタは、他にアモルファスシリコンフォトダイオードの駆動に用いることも可能である。この場合、イメージセンサはアモルファスシリコンフォトダイオードと、主走査方向を制御する薄膜トランジスタで構成されるシフトレジスタと、読み出しスイッチとで構成される。光源、イメージセンサ、ファイバーアレイプレートを積層し、イメージセンサ背面から証明された原稿表面画像を、ファイバーアレイプレートを用いて画像読み取りする。ローラー及びエンコーダーによって副走査方向への移動位置読み取りがなされ、読み出した画像信号はプリント基板上に形成された外部回路を介してコンピュータ、記録装置に接続され携帯型スキャナが形成される。ここでは携帯型スキャナを例示したが、フラットベッド型スキャナ、ファクシミリ、若しくはデジタル複写機等のイメージセンサ、或いは2次元センサにも本発明の薄膜トランジスタを適用可能である。
【0098】
【発明の効果】
本発明に係る薄膜トランジスタは、ゲート電極に非晶質層を設けている。この為、イオン注入法,若しくはイオンドーピング法を用い且つゲート電極をマスクとして自己整合的にソース・ドレイン領域を形成する場合に、注入される,若しくは導入されるイオンのチャネリングによる弊害を抑制することができる。これにより、イオンがより深くに到達し、即ちゲート電極を突き抜けてゲート絶縁膜中や結晶化シリコン薄膜中に到達し欠陥を生成することを防止することができ、製造プロセスにおけるチャネリングの弊害を考慮した素子設計が可能になる。
【0099】
更に、非晶質材料であるゲート絶縁膜上へゲート電極を形成する際に、ゲート絶縁膜上に非晶質材料を,若しくはゲート絶縁膜との界面に非晶質層を備えたシリコン薄膜を設けているので、ゲート電極を安定して形成することができる。
【0100】
また、ゲート電極としてのシリコン薄膜をパターニングした後、このシリコン薄膜をマスクとして結晶化シリコン薄膜にソース・ドレイン領域を形成する。そして、所定の照射強度のレーザー光を照射することによって、シリコン薄膜及び結晶化シリコン薄膜を低抵抗化すると同時に、ソース・ドレイン領域を活性化することができるという、従来にない優れた薄膜トランジスタを得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る薄膜トランジスタの第一実施形態を示す図である。
【図2】図2(a)は本発明に係る薄膜トランジスタの第二実施形態を示す図であって、図2(b)は図2(a)における矢印A−A線の断面図である。
【図3】膜厚の異なる各シリコン薄膜におけるシート抵抗又は抵抗率を示す表である。
【図4】シリコン薄膜の上層並びに下層における成分を示す表であって、図4(a)は膜厚40.7nm、図4(b)は膜厚68.5nm、図4(c)は膜厚104.6nmのシリコン薄膜について示す表である。
【図5】膜厚の異なる各シリコン薄膜におけるエキシマレーザ光の照射強度とシリコン薄膜のシート抵抗値との関係を示す表である。
【図6】50nmの膜厚から成るシリコン薄膜及びソース・ドレイン領域におけるエキシマレーザ光の照射強度とシリコン薄膜又はソース・ドレイン領域のシート抵抗値との関係を示す表である。
【図7】75nmの膜厚から成るシリコン薄膜及びソース・ドレイン領域におけるエキシマレーザ光の照射強度とシリコン薄膜又はソース・ドレイン領域のシート抵抗値との関係を示す表である。
【図8】本発明に係る薄膜トランジスタの第三実施形態を示す図である。
【図9】図9(a)から図9(e)は本実施形態の薄膜トランジスタの製造工程を示す図であって、図9(a)から図9(e)の順に進行するその製造工程を示す図である。
【図10】図10(f)から図10(h)は本実施形態の薄膜トランジスタの製造工程を示す図であって、図9(e)の続きの工程を示すと共に図10(f)から図10(h)の順に進行するその製造工程を示す図である。
【図11】本発明に係る薄膜トランジスタの第四実施形態を示す図である。
【図12】図12(f)及び図12(g)は本実施形態の薄膜トランジスタの製造工程を示す図であって、図9(e)の続きの工程を示すと共に図12(f),図12(g)の順に進行するその製造工程を示す図である。
【図13】本発明に係る薄膜トランジスタをメモリに適用した場合を例示する図である。
【図14】本発明に係る薄膜トランジスタを液晶表示素子に適用した場合を例示する図である。
【図15】本発明に係る薄膜トランジスタをプロジェクタに適用した場合を例示する図である。
【符号の説明】
1,11,21,31 絶縁性基板
2,12,22,32 結晶化シリコン薄膜
2a,12a,22a,32a ソース・ドレイン領域
2b,12b,22b,32b チャネル領域
3,13 ゲート絶縁膜
4,14,24,34 ゲート電極
5,15 下層ゲートシリコン(非晶質層)
6,16 上層ゲートシリコン(結晶質層)
10,20,30,40 薄膜トランジスタ
23A,33A 第一ゲート絶縁膜
23B,33B 第二ゲート絶縁膜
25A,35A n シリコン膜(シリコン薄膜)

Claims (6)

  1. 基板上に形成されたソース・ドレイン領域及びチャネル領域を有する結晶化シリコン膜と、当該結晶化シリコン膜上に形成されたゲート絶縁膜と、当該ゲート絶縁膜上に形成されたゲート電極とを備える薄膜トランジスタであって、
    前記ゲート電極、非晶質層及び結晶質層から成るシリコン薄膜を有し、
    前記シリコン薄膜は、前記非晶質層と前記結晶質層とで同じ成膜条件で形成され、
    前記非晶質層と前記結晶質層とは、前記シリコン薄膜の成膜時間によって、当該非晶質層が前記ゲート絶縁膜側になり且つ当該記結晶質層が当該非晶質層上になるように形成された、
    ことを特徴とした薄膜トランジスタ。
  2. 前記結晶質層中の結晶成分が、前記ゲート絶縁膜から離れるに従って増加することを特徴とした請求項1記載の薄膜トランジスタ。
  3. 基板上に、ソース・ドレイン領域用の結晶化シリコン膜を形成する工程と、
    この結晶化シリコン膜上に、ゲート絶縁膜を形成する工程と、
    このゲート絶縁膜上に、ゲート電極を形成する工程とを有する薄膜トランジスタの製造方法であって、
    前記ゲート電極の形成工程にて、当該ゲート電極の構成要素としての非晶質層及び結晶質層から成るシリコン薄膜を形成する工程を有し、
    このシリコン薄膜の形成工程にて、当該シリコン薄膜の成膜条件を前記非晶質層と前記結晶質層とで同じにするとともに、当該シリコン薄膜の前記ゲート絶縁膜側が当該非晶質層となり且つ当該非晶質層上が当該結晶質層となるよう当該シリコン薄膜の成膜時間を制御する
    ことを特徴とした薄膜トランジスタの製造方法。
  4. 前記シリコン薄膜を形成した後300℃以上のアニールを行い、しかる後水素導入処理を行うことを特徴とした請求項3記載の薄膜トランジスタの製造方法。
  5. 前記シリコン薄膜をパターニングした後、当該シリコン薄膜をマスクとして前記ソース・ドレイン領域を形成し、しかる後所定の照射強度のレーザー光を照射することを特徴とした請求項3又は4記載の薄膜トランジスタの製造方法。
  6. 前記シリコン薄膜を、前記ゲート絶縁膜上に形成することを特徴とした請求項3,4又は5記載の薄膜トランジスタの製造方法。
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