JPH06163401A - 多結晶シリコン層の形成方法およびそれを用いた多結晶シリコン薄膜トランジスタ - Google Patents

多結晶シリコン層の形成方法およびそれを用いた多結晶シリコン薄膜トランジスタ

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JPH06163401A
JPH06163401A JP26956292A JP26956292A JPH06163401A JP H06163401 A JPH06163401 A JP H06163401A JP 26956292 A JP26956292 A JP 26956292A JP 26956292 A JP26956292 A JP 26956292A JP H06163401 A JPH06163401 A JP H06163401A
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silicon thin
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邦雄 増茂
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Abstract

(57)【要約】 【目的】多結晶シリコンTFTの製造方法において、プ
ロセス温度を低温化する。 【構成】非晶質シリコン薄膜をその製膜後300℃以上
450℃以下かつ製膜温度より高温で熱処理する。 【効果】最高プロセス温度を100℃程度下げることが
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は画像表示装置等の駆動に
使用される多結晶シリコン薄膜トランジスタ等の多結晶
シリコン半導体装置の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年平面ディスプレイ等の画像表示素子
への応用を目的とした薄膜トランジスタ(TFT)の開
発が活発に行われている。ディスプレイの大型化・高精
細化、さらには周辺駆動回路のTFT化に対応するため
動作速度の速い多結晶シリコンTFTが期待されてい
る。しかし一般に多結晶シリコン膜の製膜温度は600
℃周辺と高く、画像表示素子に求められる大面積化・低
価格化が難しいという問題がある。
【0003】そのため、レーザーアニール法による低温
プロセスで非晶質シリコンから多結晶シリコンを形成す
る方法が研究されている。例えば、特開昭60−833
21号、または雑誌、固体物理:16[2](昭56−
2)の47〜53頁等の記載のようにシリコンの溶融再
結晶による単結晶化あるいは多結晶化はいわゆるSOI
(Silicon On Insulator)技術と
して多くの研究例があった。
【0004】これに対し、特開昭62−104117号
に開示された高速走査レーザーアニール法においては、
500℃以下のプロセス温度で多結晶シリコン薄膜を形
成し、溶融再結晶法では不可能な低コストガラス基板の
使用が可能にされた。
【0005】この高速走査レーザーアニール法によっ
て、一般的なレーザーアニール法では適用が困難とされ
ていた逆スタガー型の素子構造、つまりシリコン膜の下
層に金属配線が設けられており、金属配線がレーザーア
ニール時の温度上昇等の影響を受けてしまうような素子
構造の場合でも、多結晶シリコンTFTを製造すること
ができるようになった。
【0006】しかし、液晶表示素子の大型化がますます
望まれ、また液晶表示装置の製造技術の進歩にともない
非晶質シリコンTFTの製造に用いるガラス基板の面積
はさらに大きくなっている。高精細の大型表示素子を製
造するには、微小な画素寸法に応じて製造時の寸法ばら
つきを抑制することが必要であり、一般的な半導体集積
回路の製造と同等以上の技術が必要とされる。非晶質シ
リコンTFTにとって代わるべく開発が進められている
高性能の多結晶シリコンTFTにおいては、その多結晶
シリコン薄膜の形成が鍵であり、プロセス温度のさらな
る低温化が要求されるようになってきている。
【0007】ここで、前述した高速走査レーザーアニー
ル法について概説する。この方法は連続発振レーザー光
を用い、その光ビームを非晶質シリコン膜に高速で照射
するものである。照射時の走査速度が、ビームスポット
径×5000/秒以上で可能となる。
【0008】この走査速度の条件について、本発明の実
施例である図1〜2を参照しながら説明する。非晶質シ
リコン薄膜3をレーザーアニールする際、そのレーザー
パワーを小さい値から増加させると、完全な溶融状態に
ならずに非晶質シリコン薄膜が結晶化し始め多結晶シリ
コン層が得られる。この時の値を第1のレーザーパワー
閾値と呼ぶ。
【0009】これは非晶質シリコン薄膜3に過渡的なエ
ネルギー衝撃を与えることで、多結晶化が生じ始めてい
ると考えられる。非晶質シリコン薄膜3の膜厚方向にお
いても、ほぼ一様に多結晶化が起こり得る。また、原子
のプロフィールを擾乱せずに微小領域ごとにアニールを
達成していると考えられる。
【0010】さらにレーザーパワーを増加させると、つ
いに非晶質シリコン薄膜3は微小領域ごとでの多結晶化
というプロセスを通り越して、照射された領域のほぼ全
面で完全溶融状態に至る。これを第2のレーザーパワー
閾値と呼ぶ。この場合、非晶質シリコン薄膜3はその状
態が変わり、ガラス基板1上で凝集状態を示し、均質な
膜状を呈しない。
【0011】光ビームをビームスポット径×5000/
秒以上の高速で走査することで、上記の第1のレーザー
パワー閾値と第2のレーザーパワー閾値との間で、十分
なレーザーパワーの有効幅を取ることができるようにな
りレーザーアニールの制御が容易になる。
【0012】低速でレーザーアニールする場合、そのレ
ーザーパワーが小さいときは、透光性が少し変化するの
みで多結晶化が起こらない。また、レーザーパワーをわ
ずかに大きくするだけで一気に溶融状態に遷移してしま
うことになる。そのため低速でのレーザーアニールは完
全溶融の手法しかとりにくくなる。
【0013】これに対して、高速走査レーザーアニール
法では、第1のレーザーパワー閾値と第2のレーザーパ
ワー閾値との間でレーザーパワーを選択でき、非晶質シ
リコン薄膜3の多結晶化を制御できる。具体的には、光
ビームの走査速度がビームスポット径×数万/秒以上の
範囲で望ましい性能が得られる。
【0014】特に、ビームスポット径×(200000
〜400000)/秒の走査速度を用いれば、対角10
インチで640×400程度の画素数のパネルをほぼ1
分内の時間でアニール処理することもできる。そして、
このような高速走査の光ビームアニールを用いているた
め非晶質シリコンを完全な溶融状態に至らしめることな
く多結晶化せしめるところに製造上の特長がある。つぎ
に、プロセス全体について説明する。
【0015】まず、ガラス基板上にパッシベーション膜
2および非晶質シリコン薄膜3を基板温度450℃で形
成した。このときレーザーアニールなどの際のシリコン
膜表面の荒れや剥離を防ぐために非晶質シリコン薄膜3
中の水素濃度を約10原子%以下にする必要があり、非
晶質シリコン薄膜3を基板温度450℃以上の温度でも
って形成するか、300℃程度で製膜した非晶質シリコ
ン薄膜3を450℃以上の温度で熱処理することにより
水素濃度が約10原子%以下の非晶質シリコン薄膜3を
得ていた。
【0016】そして出力13Wのアルゴンイオンレーザ
ーの出力光ビームを約50μm径に集光し、約11m/
秒の速度で前記非晶質シリコン薄膜3上を走査照射し、
非晶質シリコンの多結晶化を行った(ビームスポット径
×220000/秒の走査速度)。ここで、ビームスポ
ット径は、照射面においてレーザーパワーの約87%以
上が内包される大きさを示す。さらに、形成された多結
晶シリコン層30の膜質改善のため光ビームアニール後
の熱処理を行った(ポスト光ビームアニール)。そし
て、通常のTFT製造プロセスにより多結晶シリコンT
FTを形成した。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述した非晶
質シリコン薄膜の製膜工程あるいは熱処理工程が全プロ
セス中で最高温度に達する工程であり、TFT製造プロ
セスの低温化を妨げていた。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明は、絶縁基板上に
形成された非晶質シリコン薄膜に、連続発振レーザー光
などの光ビームを照射せしめ、前記光ビームの走査速度
をビームスポット径×5000/秒以上として光ビーム
アニールを行い、前記非晶質シリコン薄膜を完全な溶融
状態に至らしめることなく多結晶化する多結晶シリコン
層の形成方法において、該非晶質シリコン薄膜は製膜後
300℃以上450℃以下かつ製膜温度より高温で熱処
理されたことを特徴とする多結晶シリコン層の形成方法
を提供する。
【0019】以下にコプレーナ構造の多結晶シリコンT
FTを例にとって図1〜3にしたがって本発明を説明す
る。
【0020】まず、ガラス、セラミック等の基板1上に
プラズマCVD、スパッタリング、減圧CVD、常圧C
VD等により酸化シリコン、窒化シリコン(SiNx
x=1.2〜1.6)、シリコンオキシナイトライド
(SiOXy :x=0〜2、y=0〜1.8)、酸化
タンタル等の単層または多層膜からなるパッシベーショ
ン膜2(膜厚:50〜1000nm)を形成した。さら
に、非晶質シリコン薄膜3( 膜厚:10〜500nm)
を形成した。
【0021】TFT(薄膜トランジスタ)の閾値電圧を
制御するため、非晶質シリコン薄膜3の中にホウ素
(B)あるいはリン(P)などの不純物を数十から数百
ppm程度膜厚方向に均一あるいは不均一に含有せしめ
た。
【0022】この非晶質シリコン薄膜3を300℃以上
450℃以下、かつ非晶質シリコン薄膜3の製膜温度よ
り高温で熱処理した。そして、上述した高速走査レーザ
ーアニール法によって、非晶質シリコン薄膜3をビーム
アニ−ルし、完全な溶融状態に至らしめることなく多結
晶化を行った(図1)。光ビーム6には高出力の連続発
振アルゴンイオンレーザーを用いた。
【0023】例えば、製膜温度を300℃とした非晶質
シリコン薄膜3は約13%の水素原子を含有しているた
め、表面の荒れや剥離を起こさないレーザーアニール条
件範囲が極めて狭くなる。それに対して製膜温度を20
0℃とした非晶質シリコン薄膜3は約18%の水素原子
を含有し、そのままでは製膜温度を300℃とした場合
と同様に、表面の荒れや剥離を起こさないレーザーアニ
ール条件範囲は極めて狭い。
【0024】この200℃で製膜した非晶質シリコン薄
膜3は、300℃で熱処理することにより、その水素濃
度が約17%となる。水素濃度の含有値はほとんど変わ
らないが、レーザーアニール条件範囲は十分広く取れる
ことを見いだした。つまりレーザーアニール可能な非晶
質シリコン薄膜3を得るためには製膜温度や熱処理温度
を高くして水素濃度を減少させるよりも、むしろ製膜温
度を下げることにより高温の熱処理過程なしで良好な結
果を得ることができることを見いだした。
【0025】ただし、300℃より低い温度での熱処理
では、レーザーアニール後において、多結晶シリコン全
体には表面の荒れや剥離を起こさなくても多結晶シリコ
ン領域周辺部に荒れを生じるため好ましくない。
【0026】ここでレーザーアニール前に行った熱処理
後の非晶質シリコン薄膜3中の水素含有量は必ずしも約
10原子%以下ではなかったがレーザーアニールの際の
非晶質シリコン薄膜3の表面の荒れや剥離が起こらない
レーザーアニール条件を十分広くとることができた。重
要なのは水素濃度の含有量(%)ではなく、非晶質シリ
コン薄膜3の製膜後の熱履歴であることがわかった。
【0027】レーザーアニール後、さらにフォトリソグ
ラフィーにより形成された多結晶シリコン層30をパタ
ーン化して形成し、その上にプラズマCVD、スパッタ
リング、減圧CVD、常圧CVD等により酸化シリコン
膜、窒化シリコン膜、シリコンオキシナイトライド膜、
酸化タンタル膜等の単層または多層膜からなるゲート絶
縁膜4( 膜厚:100〜500nm)を形成した。
【0028】さらに、真空蒸着法、スパッタリング法等
によりクロム(Cr)、タンタル(Ta)、アルミニウ
ム(Al)等の単層または多層膜からなるゲート電極5
を形成し、イオン注入法によりゲート電極5をマスクと
して多結晶シリコン層30のソースまたはドレインとな
る領域に、リン(P)、ホウ素(B)、ヒ素(As)等
の不純物イオンをドーピングした。
【0029】必要に応じ不純物イオン活性化のための熱
処理を行った後、層間絶縁膜8を堆積し、ソースおよび
ドレインの上にコンタクトホールを形成し、その上にソ
ースまたはドレインに接続される電極層9を形成した
(図2)。
【0030】上述した非晶質シリコン薄膜3の製膜後の
熱処理は単独の工程として行うことができた。また、非
晶質シリコン薄膜3上に反射防止膜等を形成する場合は
反射防止膜等を300℃以上450℃以下かつ非晶質シ
リコンの製膜温度より高温で製膜することにより非晶質
シリコン薄膜3に対しての熱処理を兼ねることも可能で
あった。
【0031】以上コプレーナ型多結晶シリコンTFTの
場合を例にとって説明したが、TFTの構造は逆スタガ
ー型やスタガー型等の他の構造のTFT素子であっても
適用可能であるし、太陽電池などの他の多結晶シリコン
デバイスにも応用できる。
【0032】
【実施例】
(実施例1)以下、図1〜2を参照しながら本発明の実
施例1の説明を行う。実施例1はプロセスの低温化を最
優先の目的としており、最高温度300℃で多結晶シリ
コンTFTを形成したものである。
【0033】ガラス基板(コーニング7059)1上に
プラズマCVD法により200nm厚の酸化シリコンの
パッシベーション膜2および100nm厚の非晶質シリ
コン薄膜3を基板温度200℃で形成した。300℃で
30分間熱処理した後、13Wのアルゴンイオンレーザ
ー光を約50μm径に集光し、約11m/秒の速度で走
査照射し(ビームスポット径×220000/秒の走査
速度)、非晶質シリコン薄膜3の多結晶化を行った。
【0034】フォトリソグラフィーにより、多結晶シリ
コン層30を島状にパターン化し、その上にプラズマC
VD法によりおよそ200nmの厚みの窒化シリコンか
らなるゲート絶縁膜4を300℃にて堆積し、さらにゲ
ート電極材料としてクロムを150nmの厚みになるよ
うに電子線加熱蒸着法により300℃で蒸着した。
【0035】さらにフォトリソグラフィーによりゲート
電極5をパターン形成した。ゲート絶縁膜4をエッチン
グした後、イオン注入法によりゲート電極5をマスクに
して多結晶シリコン層30の島のソース31、またはド
レイン32となる部分に、Pイオンを加速電圧10k
V、ドーズ量2×1015個/cm2 の条件でドーピング
した。
【0036】不純物イオン活性化のための熱処理を30
0℃の温度で1時間行った後、層間絶縁膜8を堆積し、
ソース31、およびドレイン32の上にコンタクトホー
ルを形成し、その上に電極層9を形成した。
【0037】(実施例2)以下、図2〜3を参照しなが
ら本発明の実施例2を説明する。本実施例はTFTの電
気特性を改善するため最高温度を350℃とした。ま
た、非晶質シリコン製膜後の熱処理を反射防止膜の製膜
と兼ねた場合の実施例である。ここで非晶質シリコンの
製膜温度を300℃としたのは200℃の場合と比べ、
プラズマCVDの製膜室内での微粒子発生が低減され、
歩留および装置の稼働率が向上するからである。
【0038】ガラス基板(コーニング7059)1上に
プラズマCVD法により200nm厚の酸化シリコンの
パッシベーション膜2および100nm厚の非晶質シリ
コン薄膜3を基板温度300℃で形成し、さらに50n
m厚の窒化シリコンによる反射防止膜10を基板温度3
50℃で形成した。
【0039】8Wのアルゴンイオンレーザー光を約50
μm径に集光し、約11m/秒の速度で走査照射し(ビ
ームスポット径×220000/秒)、非晶質シリコン
薄膜3の多結晶化を行った(図3)。反射防止膜10を
除去した後、フォトリソグラフィーにより多結晶シリコ
ン層30を島状にパターン化して形成し、その上にプラ
ズマCVD法により200nmの厚みの窒化シリコンの
ゲート絶縁膜4を350℃にて堆積し、さらにゲート材
料としてクロムを150nmの厚みで電子線加熱蒸着法
により300℃で蒸着した。
【0040】フォトリソグラフィーによりゲート電極5
をパターン形成した。ゲート絶縁膜4をエッチングした
後、イオン注入法によりゲート電極5をマスクとして多
結晶シリコン層30の島のソース31またはドレイン3
2となる部分に、Pイオンを加速電圧10kV、ドーズ
量2×1015個/cm2 の条件でドーピングした。不純
物イオン活性化のための熱処理を350℃の温度で1時
間行った後、層間絶縁膜8、および透明導電体膜11を
堆積し、透明導電体膜11を表示電極の形にパターン化
し、さらにソース31またはドレイン32の上にコンタ
クトホールを形成し、その上に電極層9を形成した。
【0041】(実施例3)図4〜5を参照しながら本発
明の実施例3の説明を行う。実施例3はアルミニウムを
ゲートの電極材料として用いているため、プロセスの最
高温度を300℃で形成した逆スタガー型の多結晶シリ
コンTFTである。
【0042】ガラス基板1上にアルミニウムを50nm
の厚みで電子線加熱蒸着法により蒸着し、フォトリソグ
ラフィーによりゲート電極5のパターンを形成し、その
上にプラズマCVD法により窒化シリコン200nmか
らなるゲート絶縁膜4、および100nmの厚みの非晶
質シリコン薄膜3を製膜温度200℃で積層し、さらに
窒化シリコン50nmからなる反射防止膜10を製膜温
度300℃で製膜し、非晶質シリコン薄膜3の膜生成後
の熱処理を兼ねた。
【0043】10Wのアルゴンイオンレーザー光を約5
0μm径に集光し、約13m/秒の速度で走査照射し
(ビームスポット径×260000/秒)。非晶質シリ
コン薄膜3の多結晶化を行った。このようにして多結晶
シリコン層30を形成した(図4)。
【0044】反射防止膜10を除去した後、ポジ型フォ
トレジスト(東京応化製OFPR−800)を塗布し、
基板裏面より露光し現像することにより、自己整合的に
ゲート電極5と同一パターンのフォトレジスト層を形成
した。イオン注入法によりフォトレジスト層のパターン
をマスクに多結晶シリコン層30のソースおよびドレイ
ンの領域となる部分に、Pイオンを加速電圧10kV、
ドーズ量2×1015個/cm2 の条件でドーピングし
た。
【0045】フォトレジスト層を酸素プラズマにより除
去した後、不純物イオンの活性化のための熱処理を30
0℃・1時間で行った。フォトリソグラフィーにより多
結晶シリコン層30を島状にパターン化し、その上にプ
ラズマCVD法によりシリコンオキシナイトライドを2
00nmの厚みで形成して層間絶縁膜8を堆積し、ソー
ス・ドレイン領域上にコンタクトホールを形成し、その
上に電極9を形成した(図5)。
【0046】本発明による、プロセス中での熱履歴の最
高温度が350℃という方法で製造された多結晶シリコ
ンTFT(薄膜トランジスタ)と従来の方法により最高
温度が450℃に達する方法で製造された多結晶シリコ
ンTFTのドレイン電流−ゲート電圧の特性を測定した
が同等以上の特性が得られた。
【0047】表示技術の国際会議SID’91(Soc
iety for Information Disp
lay)のダイジェスト(663〜666頁)によれ
ば、現在液晶表示装置製造に最も一般的に用いられてい
るコーニング7059ガラスの熱収縮は1時間処理の場
合、300℃で3ppm、350℃で6ppm、400
℃で15ppm、450℃で40ppmとなっている。
【0048】例えば1辺の寸法長が300mmのガラス
基板では、10ppm収縮すると3μmのパターンずれ
を起こすことになる。使用基板サイズと設計ルールにも
よるが、多結晶シリコンTFTの製造プロセス温度を低
温化することの効果はきわめて大きい。
【0049】
【発明の効果】本発明の製造方法によれば、従来の製造
プロセス中で最高温度であった非晶質シリコン薄膜3の
製膜温度およびそれに対する熱処理温度を下げることが
できるようになったため、全プロセス中の最高温度を1
00℃以上低温化することができた。そして、非晶質シ
リコンTFTと同等のプロセス温度条件で高性能な多結
晶シリコンTFTを製造することが可能となった。
【0050】従来は金属配線上にレーザーアニール可能
な非晶質シリコン薄膜3を形成するために450℃程度
の温度に達するため金属配線の材料として耐熱性のよい
ものが必要になるという制約があった。例えば低コスト
であり電気抵抗が低いが、耐熱性が低く、300数10
℃でヒロック(膜表面の局所的な異常隆起)を発生する
ためアルミニウムはなかなか使用することができなかっ
た。
【0051】しかし、上述の高速走査レーザーアニール
法および本発明を用いることにより、逆スタガー型等、
レーザーアニール時にシリコンの下層に金属配線がある
ような構造の多結晶シリコンTFTをより低温プロセス
で形成することができた。
【0052】また逆スタガー型の場合、多結晶シリコン
層30に接するゲート絶縁膜4(通常300〜350℃
で製膜される)が不必要に熱処理されTFTの電気特性
の最適化に制約を与えるという問題点もあったが、本発
明によれば300℃前後の熱処理でもレーザーアニール
可能な非晶質シリコン薄膜3を形成することができるた
めこれらの問題を解決することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1での、光ビームアニール状態
を示す模式図。
【図2】本発明により完成したTFTの一部断面図。
【図3】実施例2において光ビームアニール状態を示す
模式図。
【図4】実施例3での、逆スタガー型のTFT製造プロ
セス途中での断面図。
【図5】逆スタガー型のTFTの断面図。
【符号の説明】
1:基板 2:パッシベーション膜 3:非晶質シリコン薄膜 4:ゲート絶縁膜 5:ゲート電極 6:光ビーム 11:透明導電体膜 30:多結晶シリコン層

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】絶縁基板上に形成された非晶質シリコン薄
    膜に、連続発振レーザー光などの光ビームを照射せし
    め、前記光ビームの走査速度をビームスポット径×50
    00/秒以上として光ビームアニールを行い、前記非晶
    質シリコン薄膜を完全な溶融状態に至らしめることなく
    多結晶化する多結晶シリコン層の形成方法において、該
    非晶質シリコン薄膜は製膜後300℃以上450℃以下
    かつ製膜温度より高温で熱処理されたことを特徴とする
    多結晶シリコン層の形成方法。
  2. 【請求項2】請求項1の形成方法を用いて形成された多
    結晶シリコン層を用いて形成された多結晶シリコン薄膜
    トランジスタ。
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