JP2000082821A - 半導体装置の製造方法及び液晶ディスプレイ - Google Patents

半導体装置の製造方法及び液晶ディスプレイ

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JP2000082821A
JP2000082821A JP11240190A JP24019099A JP2000082821A JP 2000082821 A JP2000082821 A JP 2000082821A JP 11240190 A JP11240190 A JP 11240190A JP 24019099 A JP24019099 A JP 24019099A JP 2000082821 A JP2000082821 A JP 2000082821A
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film
silicon film
polycrystalline silicon
amorphous silicon
substrate
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JP11240190A
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English (en)
Inventor
Kiichi Hirano
貴一 平野
Naoya Sotani
直哉 曽谷
Toshifumi Yamaji
敏文 山路
Yoshihiro Morimoto
佳宏 森本
Kiyoshi Yoneda
清 米田
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Sanyo Electric Co Ltd
Original Assignee
Sanyo Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた特性の多結晶シリコン膜を備えた半導
体装置のスループットを向上させること。 【解決手段】 ガラス基板1上に絶縁性薄膜1aを形成
し、この絶縁性薄膜1aの上に非晶質シリコン膜を形成
し、この非晶質シリコン膜をレーザーアニールして多結
晶シリコン膜2を形成し、この多結晶シリコン膜2の上
に、ゲート絶縁膜3を介してゲート電極を形成し、前記
多結晶シリコン膜2に、ソース/ドレインとなる不純物
領域6を形成し、前記不純物領域6をRTA法を用いて
急速加熱することにより活性化する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、薄膜トランジスタ
(Thin Film Transistor)等の半導体装置の製造方法及び
液晶ディスプレイ(LCD:Liqid Crystal Display)に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、アクティブマトリクス方式LCD
の画素駆動素子(画素駆動用トランジスタ)として、透
明絶縁基板上に形成された多結晶シリコン膜を能動層に
用いた薄膜トランジスタ(以下、多結晶シリコンTFT
という)の開発が進められている。
【0003】多結晶シリコンTFTは、非晶質シリコン
膜を能動層に用いた薄膜トランジスタに比べ、移動度が
大きく駆動能力が高いという利点がある。そのため、多
結晶シリコンTFTを用いれば、高性能なLCDを実現
できる上に、画素部(表示部)だけでなく周辺駆動回路
(ドライバ部)までを同一基板上に一体に形成すること
ができる。
【0004】このような多結晶シリコンTFTにおい
て、能動層としての多結晶シリコン膜の形成方法として
は、基板上に直接多結晶シリコン膜を堆積させる方法や
基板上に非晶質シリコン膜を形成した後に、これを多結
晶化する方法等がある。このうち、多結晶シリコン膜を
直接基板に堆積させる方法は、例えば、CVD法を用
い、高温下で堆積させるという比較的簡単な工程であ
る。
【0005】また、非晶質シリコン膜を堆積した後にこ
れを多結晶化するには、固相成長法が一般的である。こ
の固相成長法は、非晶質シリコン膜に熱処理を行うこと
により、固体のままで多結晶化させて多結晶シリコン膜
を得る方法である。この固相成長法の一例を図31及び
図32に基づいて説明する。
【0006】工程A(図31参照):絶縁基板(例えば
石英ガラス)61上に、通常の減圧CVD法を用いて非
晶質シリコン膜を形成し、更に、窒素(N2)雰囲気
中、温度900℃程度で熱処理を行うことにより、前記
非晶質シリコン膜を固相成長させて多結晶シリコン膜6
2を形成する。
【0007】前記多結晶シリコン膜62を薄膜トランジ
スタの能動層として用いるために、フォトリソグラフィ
技術、RIE法によるドライエッチング技術により前記
多結晶シリコン膜62を所定形状に加工する。
【0008】前記多結晶シリコン膜62の上に、減圧C
VD法を用いて、ゲート絶縁膜63としてのシリコン酸
化膜を堆積する。
【0009】工程B(図32参照):前記ゲート絶縁膜
63上に、減圧CVD法により多結晶シリコン膜を堆積
した後、この多結晶シリコン膜に不純物を注入し、更に
熱処理を行って不純物を活性化させる。
【0010】次に、常圧CVD法により、この多結晶シ
リコン膜の上にシリコン酸化膜64を堆積した後、フォ
トリソグラフィ技術、RIE法によるドライエッチング
技術を用いて、前記多結晶シリコン膜及びシリコン酸化
膜64を所定形状に加工する。前記多結晶シリコン膜は
ゲート電極65として使用する。
【0011】次に、自己整合技術により、ゲート電極6
5及びシリコン酸化膜64をマスクとして、多結晶シリ
コン膜62に不純物を注入し、ソース・ドレイン領域6
6を形成する。
【0012】このような方法は、固相成長や不純物活性
化の時に900℃程度の高い温度を使用することから、
高温プロセスと呼ばれており、耐熱性の高い基板(例え
ば、石英基板)を用いた場合には、処理時間が短く済む
という利点がある。
【0013】しかしながら、前記耐熱性の高い基板は高
価であり、比較的安価なガラス基板を用いた場合には、
基板に熱歪みが生じて好ましくなく、近年では、低温プ
ロセスを用いた開発が盛んである。
【0014】特に、駆動デバイスであるTFTにおいて
は、高性能化が必須であり、このために、低温プロセス
を用いたTFTの構成材料の高品質化をはじめとする様
々なアプローチがなされている。
【0015】例えば、デバイス特性を左右する活性層材
料の高品質化技術として、非晶質シリコン膜を出発材料
とし、エキシマレーザーアニール法によって、多結晶シ
リコン薄膜を形成する技術が開発されている。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】従来例にあっては、以
下の通りの問題点を有する。
【0017】(1)レーザーアニールは、ビーム走査を
何度も繰り返して行う必要があるため、結晶化プロセス
に時間がかかるという問題があるが、従来例にあって
は、熱源としてレーザービームのみを使用するものであ
るので、多結晶化プロセスに加え、例えば、不純物領域
の活性化にも時間のかかるレーザーアニールを行わなけ
ればならず、総プロセス時間が長くなり、TFTデバイ
スおよびTFTを使用したLCDデバイスのスループッ
トが低下する。
【0018】(2)非晶質シリコン膜の結晶化や不純物
の活性化の熱処理のために、基板中の不純物が、上層の
非晶質シリコン膜(又は多結晶シリコン膜)に拡散して
しまう。
【0019】本発明は、半導体装置の製造方法及び液晶
ディスプレイに関し、斯かる問題点を解決するものであ
る。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の局面によ
る半導体装置の製造方法は、基板上に絶縁膜を形成する
工程と、この絶縁膜の上に非晶質シリコン膜を形成する
工程と、この非晶質シリコン膜をレーザーアニールして
多結晶シリコン膜を形成する工程と、前記多結晶シリコ
ン膜に、不純物領域を形成する工程と、前記不純物領域
をRTA法を用いて急速加熱することにより活性化する
工程と、を含むことをその要旨とする。
【0021】このように、非晶質シリコン膜の結晶化を
レーザーアニールを用いて行い、不純物領域の活性化を
RTA法を用いて行うことにより、結晶化と活性化とを
いずれもレーザーアニール法で行うことに比べて、製造
時間が短くなる。特にこの場合、レーザーアニールによ
り品質の高い多結晶シリコン膜が得られ、且つRTAに
より不純物領域を短時間で活性化できる。
【0022】また、基板と非晶質シリコン膜との間に
は、絶縁膜を形成しているので、非晶質シリコン膜の結
晶化や不純物の活性化の熱処理の際に、基板中の不純物
が非晶質シリコン膜又は多結晶シリコン膜中に拡散する
ことを防止する。
【0023】本発明の第2の局面による半導体装置の製
造方法は、基板上に絶縁膜を形成する工程と、この絶縁
膜の上に非晶質シリコン膜を形成する工程と、この非晶
質シリコン膜をレーザーアニールして多結晶シリコン膜
を形成する工程と、前記多結晶シリコン膜に、不純物領
域を形成する工程と、前記不純物領域を、ランプを熱源
として急速加熱することにより活性化する工程と、を含
むことをその要旨とする。
【0024】このように、非晶質シリコン膜の結晶化を
レーザーアニールを用いて行い、不純物領域の活性化を
ランプを熱源として急速加熱することにより行うこと
で、結晶化と活性化とをいずれもレーザーアニール法で
行うことに比べて、製造時間が短くなる。特にこの場
合、レーザーアニールにより品質の高い多結晶シリコン
膜が得られ、且つランプを熱源とした急速加熱により不
純物領域を短時間で活性化できる。
【0025】また、基板と非晶質シリコン膜との間に
は、絶縁膜を形成しているので、非晶質シリコン膜の結
晶化や不純物の活性化の熱処理の際に、基板中の不純物
が非晶質シリコン膜又は多結晶シリコン膜中に拡散する
ことを防止する。
【0026】上記の場合において、前記絶縁膜の厚みを
1000Å〜6000Åの範囲に設定することが望まし
い。こうすることで、熱処理の際の基板からの不純物の
拡散を、より効果的に防止することができる。
【0027】また、上記の場合において、前記多結晶シ
リコン膜に不純物領域を形成する工程の前に、ゲート電
極を形成する工程を行うことが望ましい。
【0028】また、前記RTA法に用いる熱源として、
ランプからの光照射熱を用いることが望ましい。
【0029】また、前記ランプとして、キセノンアーク
ランプを用いることが望ましい。
【0030】また、本発明の第3の局面による液晶ディ
スプレイは、上記第1又は第2の局面による半導体装置
の製造方法によって製造した薄膜トランジスタを画素駆
動用素子として用いることをその要旨とする。こうする
ことにより、優れた液晶ディスプレイを短時間で製造す
ることができる。
【0031】また、本発明の第4の局面による液晶ディ
スプレイは、上記第1又は第2の局面による半導体装置
の製造方法によって製造した薄膜トランジスタを画素駆
動用素子及び周辺駆動回路用素子として用いることをそ
の要旨とする。こうすることにより、優れた液晶ディス
プレイを短時間で製造することができる。
【0032】
【発明の実施の形態】(第1実施形態)本発明を具体化
した第1の実施形態を図1乃至図18に従って説明す
る。
【0033】工程1(図1参照):石英ガラスや無アル
カリガラスなどの基板1上に、SiO2やSiNなどの
絶縁性薄膜1aをCVD法やスパッタ法などにより形成
する。具体的には、基板1としてコーニング社製705
9を使用し、その表面上に常圧又は減圧CVD法によ
り、形成温度350℃で、膜厚3000〜5000Åの
SiO2膜を形成する。
【0034】このSiO2膜の膜厚は、後工程の熱処理
やビーム照射などで基板1中の不純物がこのSiO2
を通過して上層へ拡散しない程度の厚みが必要で、10
00〜6000Åの範囲が適切で、2000〜6000
Åにしたときに拡散防止効果が良好で、その中でも30
00〜5000Åの場合がもっとも適している。
【0035】また、絶縁性薄膜1aとしてSiNを用い
た場合の膜厚としては、1000〜5000Åの範囲が
適切で、2000〜5000Åにしたときに拡散防止効
果が良好で、その中でも2000〜3000Åの場合が
もっとも適している。
【0036】工程2(図2参照):前記絶縁性薄膜1a
の上に、非晶質シリコン膜2a(膜厚500Å)を形成
する。この非晶質シリコン膜2aをTFTの能動層とし
て用いた場合、この能動層が厚すぎると、多結晶シリコ
ンTFTのオフ電流が増大し、薄すぎるとオン電流が減
少するため、このときの非晶質シリコン膜2aの膜厚
は、400〜800Åの範囲が適切で、500〜700
Åにしたときに特性が良好で、その中でも500〜60
0Åの場合がもっとも適している。
【0037】前記非晶質シリコン膜2aの形成方法には
以下のものがある。
【0038】減圧CVDを用いる方法:減圧CVD法
でシリコン膜を形成するには、モノシラン(SiH4
又はジシラン(Si26)の熱分解を用いる。モノシラ
ンを用いた場合、処理温度が550℃以下では非晶質、
620℃以上では多結晶となる。そして、550〜62
0℃では微結晶を含む非晶質が多くなり、温度が低くな
るほど非晶質に近づいて微結晶が少なくなる。従って、
温度条件を変えるだけで、非晶質シリコン膜2a中の微
結晶の量を調整することができる。
【0039】プラズマCVD法を用いる方法:プラズ
マCVD法で非晶質シリコン膜を形成するには、プラズ
マ中でのモノシランまたはジシランの熱分解を用いる。
【0040】実際の工程では、前記の方法を採用し、
使用ガス:モノシラン、温度:350℃の条件で、微結
晶を含まない非晶質シリコン膜を形成している。
【0041】工程3(図3参照):前記非晶質シリコン
膜2aの表面に、波長λ=248nmのKrFエキシマ
レーザービームを照射、走査してアニール処理を行い、
非晶質シリコン膜2aを溶融再結晶化して、多結晶シリ
コン薄膜2を形成する。
【0042】この時のレーザー条件は、アニール雰囲
気:1×10-4Pa以下、基板温度:室温〜600℃、
照射エネルギー密度:100〜500mJ/cm2、走
査速度:1〜10mm/sec(実際には、0.1〜1
00mm/secの範囲の速度で走査可能)である。
【0043】前記レーザービームとしては、波長λ=3
08nmのXeClエキシマレーザーを使用してもよ
い。この時のレーザー条件は、アニール雰囲気:1×1
-4Pa以下、基板温度:室温〜600℃、照射エネル
ギー密度:100〜500mJ/cm2、走査速度:1
〜10mm/sec(実際には、0.1〜100mm/
secの範囲の速度で走査可能)である。
【0044】また、波長λ=193nmのArFエキシ
マレーザーを使用してもよい。この場合のレーザー条件
は、アニール雰囲気:1×10-4Pa以下、基板温度:
室温〜600℃、照射エネルギー密度:100〜500
mJ/cm2、走査速度:1〜10mm/secであ
る。
【0045】いずれのレーザービームを用いても、照射
エネルギー密度及び照射回数に比例して、多結晶シリコ
ンの粒径は大きくなるので、所望の大きさの粒径が得ら
れるように、エネルギー密度を調整すればよい。
【0046】本実施形態では、このエキシマレーザーア
ニールに、高スループットレーザー照射法を用いる。即
ち、図29において、101はKrFエキシマレーザ
ー、102はこのレーザー101からのレーザービーム
を反射する反射鏡、103は反射鏡102からのレーザ
ービームを所定の状態に加工し、基板1に照射するレー
ザービーム制御光学系である。
【0047】このような構成において、高スループット
レーザー照射法とは、レーザービーム制御光学系103
によってシート状(150mm×0.5mm)に加工さ
れたレーザービームを、複数パルスの重ね合わせにより
照射する方法で、ステージ走査とパルスレーザ照射を完
全に同期させ、きわめて高精度な重複でレーザーを照射
することによりスループットを高めるものである。
【0048】工程4(図4参照):前記多結晶シリコン
膜2を薄膜トランジスタの能動層として用いるために、
フォトリソグラフィ技術、RIE法によるドライエッチ
ング技術により前記多結晶シリコン膜2を所定形状に加
工する。
【0049】そして、前記多結晶シリコン膜2の上に、
ロードロック式減圧CVD装置を用いた減圧CVD法に
より、ゲート絶縁膜としてのLTO膜(Low Temperatur
e Oxide:シリコン酸化膜)3(膜厚1000Å)を形
成する。
【0050】工程5(図5参照):前記ゲート絶縁膜3
の上に、減圧CVD法により非晶質シリコン膜(膜厚2
000Å)4aを堆積する。この非晶質シリコン膜4a
は、その形成時に不純物(N型ならヒ素やリン、P型な
らボロン)がドープされているが、ノンドープ状態で堆
積し、その後に不純物を注入してもよい。
【0051】次に、スパッタ法を用い、前記非晶質シリ
コン膜4aの上にタングステンシリサイド(WSix
膜4b(膜厚1000Å)を形成する。スパッタ法で
は、Wシリサイドの合金ターゲットを使用する。Wシリ
サイド(WSiX)の化学量論的組成はX=2である
が、合金ターゲットの組成はX>2に設定する。これは
Wシリサイド膜4bの組成がX=2に近いと、その後の
熱処理時に非常に大きな引っ張り応力が生じ、Wシリサ
イド膜4bにクラックが発生したり、剥離したりする恐
れがあるためである。但し、Wシリサイドの抵抗値はX
=2の場合に最も低くなるため、クラックや剥離が生じ
ない程度にXの上限を設定する必要がある。
【0052】そして、常圧CVD法により、前記Wシリ
サイド膜4bの上にシリコン酸化膜5を堆積した後、フ
ォトリソグラフィ技術、RIE法によるドライエッチン
グ技術を用いて、前記多結晶シリコン膜4a、Wシリサ
イド膜4b及びシリコン酸化膜5を所定形状に加工す
る。前記非晶質シリコン膜4aは、前記Wシリサイド膜
4bとともにポリサイド構造のゲート電極4として使用
する。
【0053】工程6(図6参照):自己整合技術によ
り、ゲート電極4及びシリコン酸化膜5をマスクとし
て、多結晶シリコン膜2に不純物を注入し、ソース/ド
レイン領域6を形成する。
【0054】工程7(図7参照):前記ゲート絶縁膜3
及びシリコン酸化膜5の上に、常圧CVD法によりシリ
コン酸化膜を堆積し、これを異方性全面エッチバックす
ることにより、前記ゲート電極4及びシリコン酸化膜5
の側方にサイドウォール7を形成する。更に、このサイ
ドウォール7及びシリコン酸化膜5をレジスト8で覆
い、再び自己整合技術により、レジスト8をマスクとし
て多結晶シリコン膜2に不純物を注入して、LDD(Lig
htly Doped Drain)構造を形成する。
【0055】工程8(図8参照):この状態で、RTA
(Rapid Thermal Annealing)法による急速加熱を行
う。
【0056】即ち、図30において、105はシート状
のアニール光を発する光源であり、キセノン(Xe)ア
ークランプ106とそれを包む反射鏡107を1組とし
て、これを上下に相対向させることにより構成してい
る。108、108は基板1を搬送するためのローラ
ー、109は予熱用のプリヒーター、110は加熱後の
基板が急激に冷却されてひび割れしないようにするため
の補助ヒーターである。
【0057】このような構成において、基板1をプリヒ
ーター106で予熱した後、シート状のアニール光源1
05を通して、熱処理する。
【0058】この時のRTAの条件は、熱源:Xeアー
クランプ、温度:700〜950℃(パイロメータ)、
雰囲気:N2、時間:1〜3秒である。RTA法による
加熱は、高温を用いるが、きわめて短時間で終えること
ができるので、基板1が変形する心配はない。
【0059】尚、基板1に対し、急激に高い温度を加え
ることが心配な場合は、RTAを複数回に分けて行って
もよい。即ち、各回の時間は1〜3秒とし、回を重ねる
毎に温度を、初回:400℃〜最終回:700〜950
℃というように段階的に上昇させる。
【0060】前記Xeアークランプの光熱は、多結晶部
よりも非晶質部やシリサイド部に強く吸収されるため、
必要な部分のみを重点的に加熱することが可能になり、
(ゲート)配線の低抵抗化や不純物の活性化に適してい
る。
【0061】そして、この急速加熱により、前記ソース
/ドレイン領域6の不純物が活性化するとともに前記非
晶質シリコン膜4aが多結晶化され、更には、この多結
晶シリコン膜4aとWシリサイド膜4bとによるポリサ
イド構造のゲート電極4のシート抵抗が、約20〜22
Ω/□にまで下がる。
【0062】また、活性化処理を行ったソース/ドレイ
ン領域6のシート抵抗も、n型で1〜1.5kΩ/□、
p型で1〜1.2kΩ/□と、高温プロセスで用いられ
る拡散炉による高温熱処理と同等のものとなる。
【0063】この工程により、薄膜トランジスタ(TF
T:Thin Film Transistor)Aが形成される。
【0064】工程9(図9参照):レジスト8除去後、
デバイスの全面に、プラズマ酸化膜(膜厚2000Å)
と常圧CVD法によるシリコン酸化膜(膜厚2000
Å)との積層構造から成る層間絶縁膜9を形成する。層
間絶縁膜9を常圧CVD法によるシリコン酸化膜だけで
形成すると、堆積膜厚が不均一になって、オーバーハン
グが形成され、後工程で使用するAlなどが除去されず
に残りやすく、絶縁不良が発生する危惧がある。一方、
本実施形態のように、プラズマ酸化膜を堆積した後に常
圧でシリコン酸化膜を堆積する方法にあっては、シリコ
ン酸化膜の成長レートが安定し、その堆積膜厚が均一に
なる。
【0065】特に、プラズマ酸化膜は、基板表面の凹凸
に合わせて均一な膜厚で堆積されるので、層間絶縁膜と
しての総膜厚が均一に安定する。
【0066】プラズマ酸化膜の堆積条件は、堆積温度:
390℃、RF出力:500W、SiH4流量:500
sccm、酸素流量:1500sccm、圧力:9to
rrとし、シリコン酸化膜の堆積条件は、堆積温度:4
00℃、キャリアN2ガス流量:3000ccとする。
【0067】続いて、電気炉により、水素(H2)雰囲
気中、温度450℃で12時間加熱し、更に、水素プラ
ズマ処理を施す。このような水素化処理を行うことで、
多結晶シリコン膜の結晶欠陥部分に水素原子が結合し、
結晶構造が安定化して、電界効果移動度が高まる。
【0068】その後、フォトリソグラフィ技術、RIE
法によるドライエッチング技術を用いて、前記層間絶縁
膜9に、前記ソース・ドレイン領域6とコンタクトする
コンタクトホール10を形成する。
【0069】工程10(図10参照):マグネトロンス
パッタ法により、Ti/Al−Si合金/Tiの積層構
造からなる配線層を堆積し、フォトリソグラフィ技術、
RIE法によるドライエッチング技術を用いて、ソース
・ドレイン電極11として加工する。
【0070】工程11(図11参照):CVD法によ
り、デバイスの全面に保護膜としてのシリコン酸化膜1
2(シリコン窒化膜でもよい)を薄く堆積させる。
【0071】工程12(図12参照):デバイス全面
に、SOG(Spin On Glass)膜13を3回にわたって
塗布し、デバイス表面の凹凸を平坦化する。
【0072】工程13(図13参照):前記SOG膜1
3はレジストの剥離性が悪く、また水分を吸収しやすい
ので、この保護膜として、CVD法により、SOG膜1
3の上に更にシリコン酸化膜14(シリコン窒化膜でも
よい)を薄く堆積させる。
【0073】工程14(図14参照):フォトリソグラ
フィ技術、RIE法によるドライエッチング技術を用い
て、前記シリコン酸化膜12/SOG膜13/シリコン
酸化膜14に、前記ソース・ドレイン電極11に通じる
コンタクトホール15を形成し、デバイスの全面に、画
素電極としてのITO膜16をスパッタ蒸着させる。
【0074】工程15(図15参照):最後に、ITO
膜16を電極形状に加工すべく、ITO膜16の上にレ
ジストパターンを形成した後、まず、臭化水素ガス(H
Br)を用いたRIE法によりITO膜16をエッチン
グし、シリコン酸化膜14が露出しはじめた時点で、ガ
スを塩素ガス(Cl2)に切り替え、そのまま最後まで
エッチングを継続する。
【0075】工程16(図16参照):このようにLC
Dの片側TFT基板を形成した後は、表面に共通電極1
7が形成された透明絶縁基板18を相対向させ、各基板
1、18の間に液晶を封入して液晶層19を形成するこ
とにより、LCDの画素部を完成させる。
【0076】図17は本実施形態におけるアクティブマ
トリクス方式LCDのブロック構成図である。
【0077】画素部20には各走査線(ゲート配線)G1
・・・Gn,Gn+1・・・Gmと各データ線(ドレイン配線)D1・・・D
n,Dn+1・・・Dmとが配置されている。各ゲート配線と各ド
レイン配線とはそれぞれ直交し、その直交部分に画素2
1が設けられている。そして、各ゲート配線は、ゲート
ドライバ22に接続され、ゲート信号(走査信号)が印
加されるようになっている。また、各ドレイン配線は、
ドレインドライバ(データドライバ)23に接続され、
データ信号(ビデオ信号)が印加されるようになってい
る。これらのドライバ22、23によって周辺駆動回路
24が構成されている。
【0078】そして、各ドライバ22、23のうち少な
くともいずれか一方を画素部20と同一基板上に形成し
たLCDは、一般にドライバ一体型(ドライバ内蔵型)
LCDと呼ばれている。尚、ゲートドライバ22が、画
素部20の両端に設けられている場合もある。また、ド
レインドライバ23が、画素部20の両側に設けられて
いる場合もある。
【0079】この周辺駆動回路24のスイッチング用素
子にも前記多結晶シリコンTFT(A)と同等の製造方
法で作成した多結晶シリコンTFTを用いており、多結
晶シリコンTFT(A)の作製に並行して、同一基板上
に形成される。尚、この周辺駆動回路24用の多結晶シ
リコンTFTは、LDD構造ではなく、通常のシングル
ドレイン構造を採用している(もちろん、LDD構造で
あってもよい)。
【0080】また、この周辺駆動回路24の多結晶シリ
コンTFTは、CMOS構造に形成することにより、各
ドライバ22、23としての寸法の縮小化を実現してい
る。
【0081】図18にゲート配線Gnとドレイン配線Dn
との直交部分に設けられている画素21の等価回路を示
す。
【0082】画素21は、画素駆動素子としてのTFT
(前記薄膜トランジスタAと同様)、液晶セルLC、補
助容量Csから構成される。ゲート配線GnにはTFTの
ゲートが接続され、ドレイン配線DnにはTFTのドレ
インが接続されている。そして、TFTのソースには、
液晶セルLCの表示電極(画素電極)と補助容量(蓄積
容量又は付加容量)Csとが接続されている。
【0083】この液晶セルLCと補助容量Csとによ
り、信号蓄積素子が構成される。液晶セルLCの共通電
極(表示電極の反対側の電極)には電圧Vcomが印加さ
れている。一方、補助容量Csにおいて、TFTのソー
スと接続される側の反対側の電極には定電圧VRが印加
されている。この液晶セルLCの共通電極は、文字通り
全ての画素21に対して共通した電極となっている。そ
して、液晶セルLCの表示電極と共通電極との間には静
電容量が形成されている。尚、補助容量Csにおいて、
TFTのソースと接続される側の反対側の電極は、隣の
ゲート配線Gn+1と接続されている場合もある。
【0084】このように構成された画素21において、
ゲート配線Gnを正電圧にしてTFTのゲートに正電圧
を印加すると、TFTがオンとなる。すると、ドレイン
配線Dnに印加されたデータ信号で、液晶セルLCの静
電容量と補助容量Csとが充電される。反対に、ゲート
配線Gnを負電圧にしてTFTのゲートに負電圧を印加
すると、TFTがオフとなり、その時点でドレイン配線
Dnに印加されていた電圧が、液晶セルLCの静電容量
と補助容量Csとによって保持される。このように、画
素21へ書き込みたいデータ信号をドレイン配線に与え
てゲート配線の電圧を制御することにより、画素21に
任意のデータ信号を保持させておくことができる。その
画素21の保持しているデータ信号に応じて液晶セルL
Cの透過率が変化し、画像が表示される。
【0085】ここで、画素21の特性として重要なもの
に、書き込み特性と保持特性とがある。書き込み特性に
対して要求されるのは、画素部20の仕様から定められ
た単位時間内に、信号蓄積素子(液晶セルLC及び補助
容量Cs)に対して所望のビデオ信号電圧を十分に書き
込むことができるかどうかという点である。また、保持
特性に対して要求されるのは、信号蓄積素子に一旦書き
込んだビデオ信号電圧を必要な時間だけ保持することが
できるかどうかという点である。
【0086】補助容量Csが設けられているのは、信号
蓄積素子の静電容量を増大させて書き込み特性及び保持
特性を向上させるためである。すなわち、液晶セルLC
は、その構造上、静電容量の増大には限界がある。そこ
で、補助容量Csによって液晶セルLCの静電容量の不
足分を補うわけである。 (第2実施形態)次に、本発明を具体化した第2の実施
形態を図19〜図28に基づいて説明する。但し、第1
実施形態で説明した個所と同等の個所には同じ符号を用
い説明を省略する。また、この第2実施形態は、第1実
施形態の工程1〜工程8に対応する工程が異なるので、
ここではその部分のみを説明する。
【0087】工程(1)(図19参照):基板1上に、W
シリサイド膜51を形成する。
【0088】工程(2)(図20参照):前記Wシリサイ
ド膜51を、トランジスタの能動層としての多結晶シリ
コンと同じパターンに加工する。
【0089】工程(3)(図21参照):前記基板1及び
Wシリサイド膜51を覆うように、SiO2やSiNな
どの絶縁性薄膜1aをCVD法やスパッタ法などにより
形成する。
【0090】工程(4)(図22参照):前記絶縁性薄膜
1aの上に、非晶質シリコン膜2aを形成する。
【0091】工程(5)(図23参照):前記非晶質シリ
コン膜2aの表面にKrFエキシマレーザービームを走
査してアニール処理を行い、非晶質シリコン膜2aを溶
融再結晶化して、多結晶シリコン薄膜2を形成する。
【0092】尚、レーザービームとして、XeClエキ
シマレーザーやArFエキシマレーザーを使用してもよ
い。
【0093】工程(6)(図24参照):前記多結晶シリ
コン膜2を薄膜トランジスタの能動層として用いるため
に、フォトリソグラフィ技術、RIE法によるドライエ
ッチング技術により前記多結晶シリコン膜2を所定形状
に加工する。
【0094】そして、前記多結晶シリコン膜2の上に、
ゲート絶縁膜としてのLTO膜3を形成する。
【0095】工程(7)(図25参照):前記ゲート絶縁
膜3の上に、非晶質シリコン膜4aを堆積する。
【0096】次に、前記非晶質シリコン膜4aの上にW
シリサイド膜4bを形成する。
【0097】そして、前記Wシリサイド膜4bの上にシ
リコン酸化膜5を堆積した後、フォトリソグラフィ技
術、RIE法によるドライエッチング技術を用いて、前
記多結晶シリコン膜4a、Wシリサイド膜4b及びシリ
コン酸化膜5を所定形状に加工する。前記非晶質シリコ
ン膜4aは、前記Wシリサイド膜4bとともにポリサイ
ド構造のゲート電極4として使用する。
【0098】工程(8)(図26参照):前記ゲート絶縁
膜3及びシリコン酸化膜5の上に、常圧CVD法により
シリコン酸化膜を堆積し、これを異方性全面エッチバッ
クすることにより、前記ゲート電極4及びシリコン酸化
膜5の側方にサイドウォール7を形成する。
【0099】そして、自己整合技術により、サイドウォ
ール7をマスクとして、多結晶シリコン膜2に、加速電
圧:80KeV、ドーズ量3×1013cm-2の条件で、
リン(P)イオンを不純物として注入し、低濃度の不純
物領域6aを形成する。
【0100】工程(9)(図27参照):前記サイドウォ
ール7及びシリコン酸化膜5をレジスト8で覆い、再び
自己整合技術により、レジスト8をマスクとして多結晶
シリコン膜2に、加速電圧:80KeV、ドーズ量1×
1015cm-2の条件で、リン(P)イオンを不純物とし
て注入し、高濃度の不純物領域6bを形成することによ
り、LDD(Lightly Doped Drain)構造のソース/ド
レイン領域6を形成する。
【0101】工程(10)(図28参照):この状態で、第
1実施形態と同様のRTA法による急速加熱を行う。
【0102】Xeアークランプの光熱は、多結晶部より
も非晶質部やシリサイド部に強く吸収されるため、必要
な部分のみを重点的に加熱することが可能になり、(ゲ
ート)配線の低抵抗化や不純物の活性化に適している。
【0103】特に、本実施形態では、多結晶シリコン膜
2に対応して、その下方にWシリサイド膜51を形成し
ている。このWシリサイド膜51は、RTAの熱を吸収
する作用があり、熱を吸収したWシリサイド膜51から
の放射熱によっても前記多結晶シリコン膜2の不純物の
活性化が行われる。
【0104】即ち、多結晶シリコン膜2を、Xeアーク
ランプによる熱とWシリサイド膜51からの放射熱とに
より、直接及び間接的に加熱することにより、多結晶シ
リコン膜2全体を均一に加熱し、活性化がバラツクこと
なく良好に行われるようにする。
【0105】Wシリサイド膜51の大きさは、基本的
に、多結晶シリコン膜2と同じか又はそれ以上であれば
よいが、面内でのパターンの大きさに対応した面積とな
るように調整すれば、なお好ましい。
【0106】即ち、集積化半導体デバイスでは、パター
ンの疎密が基板上に発生するため、各トランジスタに均
等にWシリサイド膜2を設けたのでは、場所によって単
位面積当りの熱吸収率が異なり、均一な熱処理が行え
ず、また、Wシリサイド膜51が集中する場所での温度
が非常に高くなって基板1が変形する場合がある。
【0107】そこで、下層に配置した熱吸収膜の単位面
積当りの密度を、その上層に形成されるパターンに係わ
らずほぼ一定となるようにすれば、RTAで活性化する
ときの温度分布の偏りを解消することができる。具体的
にドライバー一体型のLCDパネルでは、ドライバ部に
比べて画素部のトランジスタの密度が高いので、ドライ
バ部のトランジスタに対応するWシリサイド膜51の大
きさを、画素部のそれに比べて大きくしてやることで、
基板1全体の温度分布がほぼ均一になる。
【0108】LCDパネルにあっては、回路の面積の約
10%がWシリサイド膜51となるように調整すること
が好ましい。
【0109】この工程により、多結晶シリコンTFT
(TFT:Thin Film Transistor)(A)が形成され
る。
【0110】以上の実施形態により製造した多結晶シリ
コンTFTにあっては、いわゆる低温プロセスで行うこ
とができ、しかも、良質の多結晶シリコン膜を能動層と
して使用している。
【0111】本発明者の実験によれば、nチャネルのM
OS型多結晶シリコンTFTでの移動度μnが200c
2/V・S以上、pチャネルのMOS型多結晶シリコ
ンTFTでの移動度μpが150cm2/V・S以上
と、高い性能のトランジスタを実現できることが分かっ
た。
【0112】このような高性能TFTにあっては、例え
ば、μn=50cm2/V・S、μp=20cm2/V・
Sが要求されるNTSCテレビ信号表示用LCDパネル
にも十分に適用可能であり、μn=50cm2/V・
S、μp=20cm2/V・S、しきい値電圧:2V
(nチャネル)、−5V(pチャネル)、S値(Sub-th
reshold swing):0.2V/decade、オン・オ
フ比:1×107の特性を得ることができる。
【0113】また、移動度が高いぶん、TFTの駆動能
力が向上するので、TFTのサイズを小さくすることが
でき、従来能動層として非晶質シリコンを用いたトラン
ジスタのサイズ(W/L=34/10μm)に比べて、
1/8以下のサイズ(W/L=8/5μm)に縮小する
ことができる。更には、高品質の能動層であるので、ト
ランジスタOFF時のリーク電流も少なく、そのぶん補
助容量の面積も1/3以下に縮小することができる。
【0114】具体的には、サイズ2.4型で、画素ピッ
チ:50.0(H)μm×1500(V)μm、画素
数:23万ドット(320×3(RGB)×240)
と、従来型のパネルに比べて3倍以上の高密度画素を有
しながらも、55%という高開口率(従来比:1.5
倍)のものを得ることができ、高輝度化を実現できる。
【0115】以上の実施形態は以下のように変更しても
よく、その場合でも同様の作用、効果を得ることができ
る。
【0116】(1)条件にもよるが基板1として、通常
のガラス板なども使用可能である。
【0117】(2)工程2や工程(4)において、非晶質
シリコン膜を減圧CVD法により、例えば、モノシラン
ガスを用い、温度580℃で堆積させる。これにより、
非晶質シリコン膜2aは微結晶を含んだ膜となる。
【0118】微結晶を含んだ非晶質シリコン膜を固相成
長法により多結晶化することにより、結晶粒径が小さく
なるぶん移動度は若干低下するが、結晶成長を短時間で
終えることができる。
【0119】(3)工程2や工程(4)において、非晶質
シリコン膜2aを減圧CVD法、プラズマCVD法によ
らず、常圧CVD法、光励起CVD法、蒸着法、EB(E
lectron Beam)蒸着法、MBE(Molecular Beam Epitax
y)法、スパッタ法からなるグループの内のいずれか一つ
の方法によって形成する。
【0120】(4)多結晶シリコン膜2のチャネル領域
に相当する部分に不純物をドーピングして多結晶シリコ
ンTFTのしきい値電圧(Vth)を制御する。固相成長
法で形成した多結晶シリコンTFTにおいては、Nチャ
ネルトランジスタではディプレッション方向にしきい値
電圧がシフトし、Pチャネルトランジスタではエンハン
スメント方向にしきい値電圧がシフトする傾向にある。
また、水素化処理を行った場合には、その傾向がより顕
著となる。このしきい値電圧のシフトを抑えるには、チ
ャネル領域に不純物をドーピングすればよい。
【0121】(5)工程5、工程(1)、工程(7)におい
て、スパッタ法以外のPVD方法(真空蒸着法、イオン
プレーティング法、イオンビームデポジション法、クラ
スターイオンビーム法など)を用いて、Wシリサイド膜
4b、51を形成する。この場合にも、前記したスパッ
タ法の場合と同様な理由により、Wシリサイド(WSi
X)の組成をX>2に設定する。
【0122】(6)工程5、工程(1)、工程(7)におい
て、CVD法を用いてWシリサイド膜4b、51を形成
する。そのソースガスとしては、六フッ化タングステン
(WF 6)とシラン(SiH4)を用いればよい。成膜温
度は、350〜450℃前後とする。この場合にも、前
記したスパッタ法の場合と同様な理由により、Wシリサ
イド(WSiX)の組成をX>2に設定する。CVD法
はPVD法に比べ、段差被覆性が優れているため、Wシ
リサイド膜4bの膜厚をより均一にすることができる。
【0123】(7)ゲート電極に用いるWシリサイドに
代わるものとして、MoSi2、TiSi2、TaS
2、CoSi2などの高融点金属シリサイド、その他、
W、Mo、Co、Cr、Ti、Taなどの高融点金属を
用いてもよい。
【0124】(8)工程9において、プラズマ酸化膜に
代えて、TEOS(Tetra Ethyl Ortho Silicate又はTet
ra-ethoxy-silane)を用いたプラズマTEOS酸化膜を
用いてもよく、また、シリコン酸化膜に代えて、常圧オ
ゾンTEOS酸化膜を用いてもよい。
【0125】プラズマTEOS酸化膜の堆積条件は、堆
積温度:390℃、RF出力:500W、TEOS流
量:500sccm、酸素流量:600sccm、圧
力:9torrとし、常圧オゾンTEOS酸化膜の堆積
条件は、堆積温度:400℃、RF出力:オゾン濃度:
約5wt%、TEOSキャリアN2ガス流量:3000
ccとする。
【0126】(9)上記(8)の工程の後、プラズマT
EOS酸化膜を、アンモニア(NH 3)ガスを用いてプ
ラズマ処理することにより窒素イオンに晒し、その表面
を窒化してから常圧オゾンTEOS酸化膜を堆積する
と、シリコン酸化膜の成長レートがより安定する。この
時の窒化処理条件は、温度:360℃、RF出力:50
0W、アンモニア流量:100〜500sccm、N2
流量:0〜400sccmである。尚、この窒化処理に
おいて、アンモニアの代わりに窒素を用いてもよい。
【0127】(10)Wシリサイド膜51に代えて、非
結晶質シリコン膜や多結晶シリコン膜などの半導体膜を
用いる。これらのシリコン膜には不純物がドープされて
いてもよい。このように、導電性膜又は半導体膜を用い
ることにより、この熱吸収膜に電圧を印加することで、
TFTを、LSIに用いられるMOSトランジスタのよ
うに4端子デバイスとして動作させて、しきい値電圧を
コントロールできると共に、ガラス基板を用いた場合に
は、基板内のイオンを静電的にシールドするため、ガラ
ス基板内のイオンによるトランジスタの特性劣化及び可
動イオンが形成する電位によるTFTへの悪影響を防止
することができる。
【0128】(11)Wシリサイド膜51に代えて、M
oSi2、TiSi2、TaSi2、CoSi2などの高融
点金属シリサイド、その他、W、Mo、Co、Cr、T
i、Taなどの高融点金属を用いてもよい。更には、使
用温度が低い場合には(約450℃以下)、AlやAu
などのいわゆる低融点金属を用いてもよい。
【0129】Wシリサイド膜も含めて、これらの金属膜
は、光を通さない性質を有しているので、以下の通りの
効果を有する。
【0130】(a)光の散乱を防止すると共に液晶セル
に斜めから入ろうとする不要な光を遮るので、LCDデ
バイスとしてコントラストが高くなる。
【0131】(b)TFTに入ろうとする光を遮るの
で、光によるリーク電流を減少させてTFTとしての特
性を向上させると共に光によるTFT自身の劣化を防止
する。
【0132】(12)プレーナ型だけでなく、逆プレー
ナ型、スタガ型、逆スタガ型などあらゆる構造の多結晶
シリコンTFTに適用する。
【0133】(13)多結晶シリコンTFTだけでな
く、絶縁ゲート型半導体素子全般に適用する。また、太
陽電池や光センサなどの光電変換素子、バイポーラトラ
ンジスタ、静電誘導型トランジスタ(SIT:Static In
duction Transistor)などの多結晶シリコン膜を用いる
あらゆる半導体装置に適用する。
【0134】
【発明の効果】本発明にあっては、以下の通りの優れた
効果を奏する。
【0135】(1)低温プロセスが可能で、安価な基板
を使用でき、半導体装置や液晶ディスプレイの製造コス
トを削減できる。
【0136】(2)良質な多結晶シリコン膜を短時間で
得ることができ、半導体装置や液晶ディスプレイの製造
におけるスループットが向上する。
【0137】(3)基板からの不純物の拡散を防止し
て、良質な多結晶シリコン膜を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を具体化した第1実施形態の製造工程を
説明するための断面図である。
【図2】本発明を具体化した第1実施形態の製造工程を
説明するための断面図である。
【図3】本発明を具体化した第1実施形態の製造工程を
説明するための断面図である。
【図4】本発明を具体化した第1実施形態の製造工程を
説明するための断面図である。
【図5】本発明を具体化した第1実施形態の製造工程を
説明するための断面図である。
【図6】本発明を具体化した第1実施形態の製造工程を
説明するための断面図である。
【図7】本発明を具体化した第1実施形態の製造工程を
説明するための断面図である。
【図8】本発明を具体化した第1実施形態の製造工程を
説明するための断面図である。
【図9】本発明を具体化した第1実施形態の製造工程を
説明するための断面図である。
【図10】本発明を具体化した第1実施形態の製造工程
を説明するための断面図である。
【図11】本発明を具体化した第1実施形態の製造工程
を説明するための断面図である。
【図12】本発明を具体化した第1実施形態の製造工程
を説明するための断面図である。
【図13】本発明を具体化した第1実施形態の製造工程
を説明するための断面図である。
【図14】本発明を具体化した第1実施形態の製造工程
を説明するための断面図である。
【図15】本発明を具体化した第1実施形態の製造工程
を説明するための断面図である。
【図16】本発明を具体化した第1実施形態の製造工程
を説明するための断面図である。
【図17】アクティブマトリクス方式LCDのブロック
構成図である。
【図18】画素の等価回路図である。
【図19】本発明を具体化した第2実施形態の製造工程
を説明するための断面図である。
【図20】本発明を具体化した第2実施形態の製造工程
を説明するための断面図である。
【図21】本発明を具体化した第2実施形態の製造工程
を説明するための断面図である。
【図22】本発明を具体化した第2実施形態の製造工程
を説明するための断面図である。
【図23】本発明を具体化した第2実施形態の製造工程
を説明するための断面図である。
【図24】本発明を具体化した第2実施形態の製造工程
を説明するための断面図である。
【図25】本発明を具体化した第2実施形態の製造工程
を説明するための断面図である。
【図26】本発明を具体化した第2実施形態の製造工程
を説明するための断面図である。
【図27】本発明を具体化した第2実施形態の製造工程
を説明するための断面図である。
【図28】本発明を具体化した第2実施形態の製造工程
を説明するための断面図である。
【図29】エキシマレーザーアニール装置の構成図であ
る。
【図30】RTA装置の構成図である。
【図31】従来例の製造工程を説明するための断面図で
ある。
【図32】従来例の製造工程を説明するための断面図で
ある。
【符号の説明】
1 絶縁基板 2a 非晶質シリコン膜 2 多結晶シリコン膜 3 ゲート絶縁膜 4a 多結晶シリコン膜(非晶質シリコン膜) 4b Wシリサイド膜 4 ゲート電極 6 不純物領域
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 29/78 627G (72)発明者 山路 敏文 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三 洋電機株式会社内 (72)発明者 森本 佳宏 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三 洋電機株式会社内 (72)発明者 米田 清 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三 洋電機株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に絶縁膜を形成する工程と、 この絶縁膜の上に非晶質シリコン膜を形成する工程と、 この非晶質シリコン膜をレーザーアニールして多結晶シ
    リコン膜を形成する工程と、 前記多結晶シリコン膜に、不純物領域を形成する工程
    と、 前記不純物領域をRTA(Rapid Thermal Annealing)
    法を用いて急速加熱することにより活性化する工程と、
    を含むことを特徴とした半導体装置の製造方法。
  2. 【請求項2】 基板上に絶縁膜を形成する工程と、 この絶縁膜の上に非晶質シリコン膜を形成する工程と、 この非晶質シリコン膜をレーザーアニールして多結晶シ
    リコン膜を形成する工程と、 前記多結晶シリコン膜に、不純物領域を形成する工程
    と、 前記不純物領域を、ランプを熱源として急速加熱するこ
    とにより活性化する工程と、を含むことを特徴とした半
    導体装置の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記絶縁膜の厚みを1000Å〜600
    0Åの範囲に設定したことを特徴とする請求項1又は2
    に記載の半導体装置の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記多結晶シリコン膜に不純物領域を形
    成する工程の前に、ゲート電極を形成する工程を行うこ
    とを特徴とした請求項1又は2に記載の半導体装置の製
    造方法。
  5. 【請求項5】 前記RTA法に用いる熱源として、ラン
    プからの光照射熱を用いることを特徴とした請求項1に
    記載の半導体装置の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記ランプとして、キセノンアークラン
    プを用いることを特徴とした請求項2又は5に記載の半
    導体装置の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至6のいずれか1項に記載の
    半導体装置の製造方法によって製造した薄膜トランジス
    タを画素駆動用素子として用いることを特徴とした液晶
    ディスプレイ。
  8. 【請求項8】 請求項1乃至6のいずれか1項に記載の
    半導体装置の製造方法によって製造した薄膜トランジス
    タを画素駆動用素子及び周辺駆動回路用素子として用い
    ることを特徴とした液晶ディスプレイ。
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