JP2003174037A - 薄膜トランジスタ及びその製造方法、インバータ並びに電子機器 - Google Patents

薄膜トランジスタ及びその製造方法、インバータ並びに電子機器

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JP2003174037A
JP2003174037A JP2001374486A JP2001374486A JP2003174037A JP 2003174037 A JP2003174037 A JP 2003174037A JP 2001374486 A JP2001374486 A JP 2001374486A JP 2001374486 A JP2001374486 A JP 2001374486A JP 2003174037 A JP2003174037 A JP 2003174037A
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semiconductor thin
transistor
film transistor
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JP2001374486A
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Hiroshi Tanabe
浩 田邉
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NEC Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 レーザ結晶化技術を利用して高いキャリア移
動度と大きなオン電流とを同時に実現する。 【解決手段】 開示されている薄膜トランジスタは、レ
ーザ結晶化により形成された多結晶シリコン薄膜から成
る半導体薄膜3(3A、3B)を構成している結晶粒子
サイズの長さ方向は、インバータを構成しているCMO
Sトランジスタ25のP型MOSトランジスタ23及び
N型MOSトランジスタ24のチャネル領域4を走行す
るキャリアの走行方向に沿って揃えられている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、薄膜トランジス
タ及びその製造方法、インバータ並びに電子機器に係
り、詳しくは、多結晶半導体薄膜を用いた薄膜トランジ
スタ及びその製造方法、インバータ並びに電子機器に関
する。
【0002】
【従来の技術】非結晶(アモルファス)半導体薄膜、多
結晶半導体薄膜等の半導体薄膜を用いた薄膜トランジス
タ(Thin Film Transistor:TFT)が、液晶ディスプ
レイ装置のようなディスプレイ装置の駆動素子(スイッ
チング素子)として広く使用されている。このTFT
は、ガラス基板のような絶縁基板上に形成した上述のよ
うな半導体薄膜を活性領域として利用して、MOS型F
ET(Metal Oxide Semiconductor type Field Effect
Transistor)を製造するものであり、特性的に安定した
駆動素子を容易に製造することができる利点がある。
【0003】図16は、従来のTFTの構成を示す断面
図である。同TFTは、同図に示すように、ガラス基板
から成る絶縁基板51と、絶縁基板51上に基板コート
絶縁膜52を介して形成された多結晶シリコン薄膜から
成る半導体薄膜53と、半導体薄膜53の略中央部に形
成されたチャネル領域54と、半導体薄膜53の端部に
形成されてソース領域あるいはドレイン領域として動作
する一対の半導体領域55、56と、半導体領域55、
56とチャネル領域54との間に形成された高不純物濃
度領域及び低不純物濃度領域から成る一対のLDD(Lig
htly Doped Drain)領域57、58と、チャネル領域5
4上に二酸化シリコン膜(SiO2)から成るゲート絶
縁膜59を介して形成されたゲート電極60と、全体を
覆う二酸化シリコン膜から成る層間絶縁膜61と、一対
の半導体領域55、56からそれぞれ層間絶縁膜60の
表面に引き出された一対の電極62、63とから構成さ
れている。
【0004】上述のようなTFTを製造するには、絶縁
基板51上に基板コート絶縁膜52を介して活性領域と
しての役割を担う半導体薄膜53を形成することが必要
であるが、従来からTFTの製造方法として2つの技術
が知られている。その1つは、水素化アモルファスシリ
コン技術であり、絶縁基板上にプラズマCVD法等の成
膜手段によって非結晶シリコン薄膜を形成するものであ
る。この技術は、製造プロセスの最高温度が略300℃
である低温プロセスを利用することにより、基板材料と
して安価な低融点ガラス基板を使用できるので、コスト
ダウンを図ることができ、略1cm2/Vsecのキャリア移
動度を実現している。他の1つは、多結晶シリコンTF
T技術であり、高いキャリア移動度を得るために耐熱性
に優れた石英基板を絶縁基板として用いて、石英基板上
に熱CVD法のような成膜手段によって多結晶シリコン
薄膜を形成するものである。この多結晶シリコンTFT
技術は、製造プロセスの最高温度が略1000℃となる
高温プロセスを利用することにより、30〜100cm2
/Vsecのキャリア移動度を実現している。
【0005】このようにして製造されたTFTはいずれ
も、アクティブマトリックス型の液晶ディスプレイ装置
のようなディスプレイ装置に適用されて、ディスプレイ
を構成する各画素のスイッチングを行うスイッチング素
子として、ディスプレイパネルの周辺部に配置されたド
ライバ集積回路により駆動されるように構成されてい
る。このように各画素毎にスイッチング素子を接続した
アクティブマトリックス型の液晶ディスプレイ装置によ
れば、周辺ドライバ集積回路から液晶駆動用の電気信号
を供給するパッシブマトリックス型のそれと比較して、
クロストークが低減されるので良好な画像品質が得られ
る液晶ディスプレイ装置を提供することができる。
【0006】ここで、最近の液晶ディスプレイ装置に対
する小型化、高解像度化の要求により、TFTが形成さ
れる絶縁基板と周辺ドライバ集積回路との接続ピッチが
ますます狭小化してきている。この点で、上述した2つ
の技術のうち、特に多結晶シリコンTFT技術により形
成された多結晶シリコン薄膜を活性領域として利用する
液晶ディスプレイ装置によれば、30〜100cm2/Vse
cの高いキャリア移動度を得ることができるため、高速
動作が可能になるだけでなく、各画素を駆動するスイッ
チング素子と周辺ドライバ集積回路とを同時に同一絶縁
基板上に形成することができるので、上述の小型化、高
解像度化の要求を満足させることができるようになって
きている。
【0007】しかしながら、上述の多結晶シリコンTF
T技術では、多結晶シリコン薄膜を形成するために略1
000℃にも及ぶ高温プロセスを必要とするので、半導
体薄膜を形成する絶縁基板として安価な低融点ガラスを
使用できず、石英基板のように耐熱性に優れた高価な絶
縁基板を使用せざるを得なかった。したがって、より低
い温度で多結晶シリコン薄膜を形成できる技術が要望さ
れており、このような要望を満たす技術としてレーザ結
晶化技術が提供されるに至っている。このレーザ結晶化
技術は、エキシマレーザのようなレーザを利用して、予
め形成した非結晶シリコン薄膜にレーザビームによるエ
ネルギービームを照射して非結晶シリコン薄膜を部分的
に多結晶シリコン薄膜に改質させる技術であり、レーザ
ビームにより部分的な加熱を行って非結晶シリコンを多
結晶化するので、絶縁基板はほとんど加熱されないため
安価な低融点ガラスを用いることができるようになる。
【0008】図17は、上述したようなレーザ結晶化技
術に用いるパルスレーザ照射装置の構成を示すブロック
図である。同パルスレーザ照射装置は、パルスレーザ光
源65と、パルスレーザ光源65から発生されたパルス
レーザの光路70を直角方向に変換して絶縁基板72上
に形成された非結晶シリコン薄膜71に部分的に照射す
る複数のミラー66〜68と、空間的な光の強度の均一
化を行うためのビームホモジナイザ69と、絶縁基板7
2を保持してX−Yステージ73により移動する基板保
持装置74とから構成されている。以上のような構成に
おいて、絶縁基板72をX−Yステージ73によりX−
Y方向に移動して、パルスレーザ光源64からのレーザ
ビームを光路70に沿って非結晶シリコン薄膜71に照
射することにより、非結晶シリコン薄膜71の多結晶化
を行う。
【0009】ところで、上述したようなパルスレーザ照
射装置を用いて非結晶シリコン薄膜を改質させることに
より形成した多結晶シリコン薄膜は、多結晶を構成して
いる結晶粒子サイズが小さいため、このような多結晶シ
リコン薄膜を用いて製造したTFTでは、結晶粒界に存
在する多数トラップによりキャリアが捕獲されてしまう
欠点が生ずる。それゆえ、上記TFTは、通常のLSI
(Large Scale Integration:大規模集積回路)を構成
している単結晶半導体を用いたMOS型FETに比較し
て、キャリア移動度が小さく、かつオン電流が小さくな
るという問題がある。
【0010】上述したようなレーザ結晶化技術により形
成した多結晶シリコン薄膜を用いて高いキャリア移動度
を得るようにしたTFTが、例えば特開2000−68
520号公報に開示されている。同薄膜トランジスタ
は、図18(c)に示すように、ガラス基板のような透
明絶縁基板201と、透明絶縁基板201上に形成され
た下層絶縁膜202と、熱伝導率が下層絶縁膜202よ
りも小さな材料から成る上層絶縁膜203と、多結晶シ
リコン薄膜210がレーザビーム照射により形成された
非結晶シリコン薄膜204とから構成されている。この
TFTは、図18(a)に示すような、x、y方向のエ
ネルギ密度分布を有するレーザビームを、予め形成した
非結晶シリコン薄膜204に照射することにより多結晶
シリコン薄膜210を形成する。この際、上層絶縁膜2
03の熱伝導率が下層絶縁膜202よりも小さいので、
図18(b)に示すような温度分布に基づいて、非結晶
シリコン薄膜204の結晶化は上層絶縁膜203との間
の領域から始まり、上層絶縁膜203上の領域に向けて
結晶が成長するので、上層絶縁膜203の間の領域では
結晶粒の大きな大結晶粒領域210bが形成される一
方、上層絶縁膜203の上方の領域では小結晶粒領域2
10aが形成される。このように、TFTを形成する多
結晶シリコン薄膜の結晶粒を大きくすることにより、高
いキャリア移動度を実現している。
【0011】また、レーザ結晶化技術により形成した多
結晶シリコン薄膜を用いてオン抵抗を低くするようにし
たTFTが、例えば特開平11−121753号公報に
開示されている。同薄膜トランジスタは、図19(a)
の平面図及び図19(b)の断面図に示すように、絶縁
基板101上の多結晶シリコン薄膜104はシリコン結
晶粒106から構成されて、多結晶シリコン薄膜104
の上部には層間絶縁膜109内にゲート電極105が設
けられて、ゲート電極105に合わせて多結晶シリコン
薄膜104にはソース及びドレインとなる不純物領域1
07、108が形成されている。ここで、シリコン結晶
粒106はソースとドレイン間を流れるチャネル電流と
平行な向きにのみ結晶粒を大きくして、ばらつきを最小
限に抑えながらオン抵抗を下げるようにしている。ま
た、チャネル電流と平行な向きの結晶粒の長さD1をゲ
ート長Lよりも長く形成することにより、チャネル電流
に対する結晶粒の効果を適切に抑制するようにしてい
る。このFETは、図20(a)の平面図及び図20
(b)の断面図に示すように、非結晶シリコン薄膜10
3に対してライン状のエキシマレーザ102をスキャン
することにより多結晶化する。図20(c)は、エキシ
マレーザ102のエネルギー強度(縦軸)とスキャン方
向(横軸)との関係を示している。このように、TFT
を形成する多結晶シリコン薄膜の結晶粒を、チャネル電
流と平行な向きに大きく形成することにより、オン抵抗
を下げる(オン電流を大きくする)ようにしている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】ところで、特開200
0−68520号公報記載の従来の薄膜トランジスタで
は高いキャリア移動度のみを実現している一方、特開平
11−121753号公報記載の従来の薄膜トランジス
タでは大きなオン電流のみを実現しているので、いずれ
においても同時に高いキャリア移動度と大きなオン電流
とを実現することができない、という問題がある。すな
わち、特開2000−68520号公報記載の従来の薄
膜トランジスタでは高いキャリア移動度を実現すること
を主眼としてなされ、一方、特開平11−121753
号公報記載の従来の薄膜トランジスタでは大きなオン電
流を実現することを主眼としてなされているので、レー
ザ結晶化技術をともに利用しているものの、高いキャリ
ア移動度と大きなオン電流とを同時に実現することがで
きない。
【0013】この発明は、上述の事情に鑑みてなされた
もので、レーザ結晶化技術を利用して高いキャリア移動
度と大きなオン電流とを同時に実現することができるよ
うにした薄膜トランジスタ及びその製造方法、インバー
タ並びに電子機器を提供することを目的としている。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1記載の発明は、絶縁基板上に形成された半
導体薄膜にエネルギービームを照射することにより改質
される結晶性半導体薄膜を活性領域として利用する薄膜
トランジスタに係り、上記結晶性半導体薄膜を構成して
いる結晶粒子サイズの長さ方向が、チャネル領域を走行
するキャリアの走行方向に沿って揃えられていることを
特徴としている。
【0015】また、請求項2記載の発明は、絶縁基板上
に形成された非結晶半導体薄膜にレーザビームを照射す
ることにより改質される多結晶性半導体薄膜を活性領域
として利用する薄膜トランジスタに係り、上記多結晶性
半導体薄膜を構成している結晶粒子サイズの長さ方向
が、チャネル領域を走行するキャリアの走行方向に沿っ
て揃えられていることを特徴としている。
【0016】また、請求項3記載の発明は、絶縁基板上
に形成された半導体薄膜にエネルギービームを照射する
ことにより改質される結晶性半導体薄膜を活性領域とし
て利用する薄膜トランジスタの製造方法に係り、上記絶
縁基板上に上記半導体薄膜を形成する半導体薄膜形成工
程と、上記半導体薄膜の任意の領域に上記エネルギービ
ームを照射することにより上記半導体薄膜を結晶性半導
体薄膜に改質させて、該結晶性半導体薄膜を構成してい
る結晶粒子サイズの長さ方向を、後工程によって形成さ
れるチャネル領域を走行するキャリヤの走行方向に沿っ
て揃えさせるエネルギービーム照射工程とを含むことを
特徴としている。
【0017】また、請求項4記載の発明は、絶縁基板上
に形成された非結晶半導体薄膜にレーザビームを照射す
ることにより改質される多結晶性半導体薄膜を活性領域
として利用する薄膜トランジスタの製造方法に係り、上
記絶縁基板上に上記非結晶半導体薄膜を形成する非結晶
半導体薄膜形成工程と、上記非結晶半導体薄膜の任意の
領域に上記レーザビームを照射することにより上記非結
晶半導体薄膜を多結晶半導体薄膜に改質させて、該多結
晶半導体薄膜を構成している結晶粒子サイズの長さ方向
を、後工程によって形成されるチャネル領域を走行する
キャリヤの走行方向に沿って揃えさせるレーザビーム照
射工程とを含むことを特徴としている。
【0018】また、請求項5記載の発明は、請求項4記
載の薄膜トランジスタの製造方法に係り、上記レーザビ
ーム照射工程において、上記レーザビームを上記多結晶
半導体薄膜の上記チャネル領域を走行するキャリアの走
行方向に沿って照射することを特徴としている。
【0019】また、請求項6記載の発明は、請求項5記
載の薄膜トランジスタの製造方法に係り、上記レーザビ
ームを1パルス以上照射することを特徴としている。
【0020】また、請求項7記載の発明は、請求項1又
は2記載の上記薄膜トランジスタにより構成されるイン
バータを特徴としている。
【0021】また、請求項8記載の発明は、請求項7記
載のインバータに係り、上記薄膜トランジスタがP型M
ISトランジスタとN型MISトランジスタとから成
り、該P型MISトランジスタと上記N型MISトラン
ジスタとを組み合わせたCMISトランジスタから構成
されることを特徴としている。
【0022】また、請求項9記載の発明は、上記請求項
1又は2記載の上記薄膜トランジスタにより構成される
電子機器を特徴としている。
【0023】また、請求項10記載の発明は、上記請求
項7又は8記載の上記薄膜トランジスタにより構成され
る電子機器を特徴としている。
【0024】発明の前提 まず、この発明の完成のきっかけとなった実験結果につ
いて説明する。この出願に係る発明者は、レーザ結晶化
技術において非結晶半導体薄膜に対して照射するエキシ
マレーザによるレーザビームの集光範囲を所定範囲に絞
ることにより、後述するようにビーム端を起点とした結
晶成長が生じることを見い出した。例えばエキシマレー
ザによるレーザビームを、この集光範囲を、特に一方向
に沿って3μm〜10μmにまで小さく絞って非結晶半
導体薄膜に照射することにより、ビーム端を起点とした
結晶成長が生じて、図9(a)のSEM(ScanningElect
ron Microscope)写真、このSEM写真のD部分を拡大
して示す図9(b)の拡大写真から明らかなように、幅
Wが略5μm、長さMが略100μmにわたる面積(但
し、長さMの寸法は一部のみを示す)の多結晶領域Eを
形成することができた。ここで、多結晶領域Eは、結晶
粒界を強調するためにセコエッチ(Seccoetching)処理
を施した後、SEM写真撮影を行った。エキシマレーザ
のビーム端の照射強度が低いために、多結晶化は溶融し
きい値をぎりぎり越えた部分(両端部)から開始して、
ビーム端の照射強度が高い中心部に向かって進展する。
その結果、図9(b)の拡大写真に示すように、その横
長の結晶は概ね端部から中心部へ向かう方向に長辺部が
倣うように配置されていることがわかった。
【0025】図9に示したように、ビーム端から中心部
まで到達する単一粒に比べるとやや小さい結晶粒子の存
在も見られるが、横長の形状を示す結晶粒子が大部分を
占めている。したがって、結晶粒子サイズの長さ方向
を、チャネル領域を走行するキャリアの走行方向に沿っ
て横長方向に揃えることで、従来のTFTに比較して、
高いキャリア移動度と大きなオン電流とを同時に実現す
ることができるようになる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、上述の実
験結果に基づいて、この発明の実施の形態について説明
する。説明は実施例を用いて具体的に行う。 ◇第1実施例 図1は、この発明の第1実施例である薄膜トランジスタ
の構成を示す断面図、図2及び図3は同薄膜トランジス
タの製造方法を工程順に示す工程図、図4乃至図8は同
薄膜トランジスタの製造方法の主要部を説明する図、ま
た、図9は、この発明の前提となったレーザビーム照射
により形成された多結晶シリコン薄膜を示すSEM写真
である。この例の薄膜トランジスタは、図1に示すよう
に、ガラス基板から成る絶縁基板1と、絶縁基板1上に
基板カバー絶縁膜2を介して形成された多結晶シリコン
薄膜から成る半導体薄膜3と、半導体薄膜3の略中央部
に形成されたチャネル領域4と、半導体薄膜3の端部に
形成されてソース領域あるいはドレイン領域として動作
する一対の半導体領域5、6と、チャネル領域4上に積
層された二酸化シリコン膜から成る第1のゲート絶縁膜
7及び第2のゲート絶縁膜8と、第2のゲート絶縁膜8
上に形成された高濃度半導体層9と金属層10との積層
体から成るゲート電極11と、全体を覆う二酸化シリコ
ン膜から成る層間絶縁膜12と、一対の半導体領域5、
6からそれぞれ層間絶縁膜12の表面に引き出された一
対の電極13、14とから構成されている。ここで、半
導体薄膜3を構成している結晶粒子サイズの長さ方向
は、チャネル領域4を走行するキャリアの走行方向に沿
って揃えられている。この例の薄膜トランジスタは、P
型MOSトランジスタあるいはN型MOSトランジスタ
から成る。
【0027】次に、図2及び図3を参照して、同薄膜ト
ランジスタの製造方法を工程順に説明する。一例とし
て、薄膜トランジスタはP型MOSトランジスタとN型
MOSトランジスタとから成り、両トランジスタを組み
合わせたC(Complementary)型MOSトランジスタに
よりインバータを構成する例で説明する。まず、図2
(a)に示すように、洗浄により有機物、金属、微粒子
等を除去した膜厚が0.5〜1.1mmのガラス基板か
ら成る絶縁基板1を用いて、LPCVD(Low Pressure
Chemical Vapor Deposition:減圧化学的気相成長)法
により、シランと酸素ガスとを原料として用いて、略4
50℃(基板温度)で熱処理して、膜厚が略1μmの二
酸化シリコン膜から成る基板カバー絶縁膜2を形成す
る。LPCVD法を用いることにより、基板保持領域を
除き基板外表面を全体をカバーすることも可能である。
あるいは、TEOS(Tetraethoxysilane:テトラエトキ
シシラン)と酸素ガスを原料としたプラズマCVD法、
TEOSとオゾンを原料とし常圧CVD法、あるいは堆
積領域とプラズマ生成領域が分離されたリモートプラズ
マCVD法等を利用することも可能であり、基板材料
(アルカリ金属濃度を極力低減したガラス、表面を研磨
加工した石英ガラス等)が含む半導体デバイスに有害な
不純物の拡散防止ができる材料が基板カバー絶縁膜とし
て有効となる。
【0028】次に、基板カバー絶縁膜2上に、LPCV
D法によりジシランガスを原料ガスとして用いて、略5
00℃で熱処理して膜厚が略75nmの非結晶シリコン
薄膜から成る半導体薄膜15を形成する。この場合、非
結晶シリコン薄膜中に含まれる水素原子濃度は略1原子
%以下となるので、レーザビーム照射工程での水素放出
による膜荒れ等を防ぐことができる。あるいは、周知の
プラズマCVD法により、基板温度、水素/シラン流量
比、水素/4フッ化シラン流量比等を調整することによ
って、同様に水素原子濃度が低い非結晶シリコン薄膜を
形成することができる。
【0029】次に、基板1を有機物、金属、微粒子、表
面酸化膜等を除去するための洗浄工程を経た後、図2
(b)に示すように、前述の実験結果に基づいて、レー
ザ結晶化技術を利用して多結晶シリコン薄膜を形成す
る。すなわち、非結晶シリコン薄膜から成る半導体薄膜
15に対してエキシマレーザによるレーザビーム16を
照射して、非結晶シリコン薄膜を多結晶シリコン薄膜か
ら成る半導体薄膜3に改質させる。レーザ結晶化は、基
板1を半導体薄膜形成装置内に配置した後、99.99
99%以上の高純度の窒素を用いて、700Torr以上の
圧力の雰囲気内でレーザビーム16を照射して行う。レ
ーザビーム16の照射は1パルス以上照射して行う。
【0030】ここで、レーザビーム照射は、一例とし
て、図4に示すように、非結晶シリコン薄膜から成る半
導体薄膜15の表面の横方向Xに沿った2個所(第1の
個所17A及び第2の個所17B)にそれぞれ、図示左
側に示したような強度分布(第1の強度分布18A及び
第2の強度分布18B)で行って、第1の多結晶シリコ
ン薄膜から成る第1の半導体薄膜3A、第2の多結晶シ
リコン薄膜から成る第2の半導体薄膜3Bを形成する。
レーザビーム16の強度分布18A、18Bはいずれ
も、横方向Xと直交する縦方向Yに沿って、端部から中
央部に向かって強度(エネルギー)が大きくなるように
設定されている。なお、符号19は、結晶粒界を示して
いる。また、レーザビーム照射により形成された多結晶
シリコン薄膜から成る半導体薄膜3以外の領域は、非結
晶シリコン薄膜から成る半導体薄膜15がそのまま存在
している。
【0031】次に、図2(c)に示すように、ガスを排
気した後に基板搬送室を介して、基板1をプラズマCV
D室に搬送して、ゲート絶縁膜を形成する。これには、
まず、プラズマCVD法により、シラン、ヘリウム、酸
素ガスを原料として用いて、略350℃で熱処理して、
膜厚が略10nmの二酸化シリコン膜から成る第1のゲ
ート絶縁膜7を形成する。この後必要に応じて、水素プ
ラズマ処理、アニール処理を行う。ここまでが、前述し
た実験結果に基づいて処理される。
【0032】次に、図3(d)に示すように、フォトリ
ソグラフィ技術を利用してエッチング法により、多結晶
シリコン薄膜から成る半導体薄膜3及び第1のゲート絶
縁膜7から成る積層膜のアイランド20を形成する。す
なわち、このアイランド20の形成は、図5に示すよう
に、アイランド20の形成予定領域をレジストパターン
21でマスクしてエッチングを行った後、レジストパタ
ーン21を除去することにより、図6に示すように、ア
イランド20を残すことができる。そのエッチングに
は、多結晶シリコン薄膜(半導体薄膜3)に比べて二酸
化シリコン膜(第1のゲート絶縁膜7)のエッチングレ
ートが高いエッチング条件を選択することが望ましい。
このようなエッチングを行うことにより、アイランド2
0のパターン断面の端部20Aが階段状あるいはテーパ
状になるように形成されるので、ゲートリークを防いで
信頼性の高い薄膜トランジスタを製造することができる
ようになる。
【0033】次に、図3(e)に示すように、第1のゲ
ート絶縁膜7上に第2のゲート絶縁膜8を形成する。こ
れには、有機物、金属、微粒子等を除去するための洗浄
を行った後、LPCVD法により、シランと酸素ガスと
を原料として用いて、略450℃で熱処理して、全面に
膜厚が略30nmの二酸化シリコン膜から成る第2のゲ
ート絶縁膜8を形成する。あるいは、上述のLPCVD
法に代えて、TEOSと酸素ガスを原料としたプラズマ
CVD法、TEOSとオゾンを原料として常圧CVD
法、プラズマCVD法等を利用することも可能である。
【0034】次に、図3(e)に示すように、第2のゲ
ート絶縁膜8上に高濃度半導体層9を形成する。これに
は、プラズマCVD法あるいはLPCVD法により、全
面に膜厚が略80nmの結晶性のリンドープドシリコン
から成る高濃度(n+)半導体層を形成した後、フォト
リソグラフィ技術を利用してエッチング法により不要部
を除去して、所望のパターンの高濃度半導体層9を形成
する。
【0035】次に、図3(e)に示すように、高濃度半
導体層9をマスクとして、多結晶シリコン薄膜から成る
半導体薄膜3に所望の不純物をイオン注入してソース領
域あるいはドレイン領域として動作する半導体領域5、
6を形成する。これには、P型MOSトランジスタを形
成すべき多結晶シリコン領域(図4の第2の個所17
B)にはP型不純物をイオン注入する一方、N型MOS
トランジスタを形成すべき多結晶シリコン領域(図4の
第1の個所17A)にはN型不純物をイオン注入して、
それぞれの個所17A、17Bに半導体領域5、6を形
成する。不純物のイオン注入は、注入される不純物イオ
ンの質量分離を行わないイオンドーピング、プラズマド
ーピング、レーザドーピング等を必要に応じて選択する
ことができる。
【0036】 次に、図3(f)に示すように、高濃度
半導体層9上に金属層10を形成する。これには、プラ
ズマCVD法あるいはLPCVD法により、全面に略1
10nmのタングステンシリサイド膜から成る金属層を
形成した後、フォトリソグラフィ技術を利用してエッチ
ング法により不要部を除去して、所望のパターンの金属
層10を形成する。以上により、高濃度半導体層9及び
金属層10の積層膜から成るゲート電極11を形成す
る。ゲート電極11の直下の半導体領域3はチャネル領
域4となる。
【0037】次に、図1に示したように、層間絶縁膜1
2、電極13、14を形成して、薄膜トランジスタを完
成させる。これには、まず、CVD法により、全面に二
酸化シリコン膜から成る層間絶縁膜12を形成した後、
フォトリソグラフィ技術を利用してエッチング法によ
り、層間絶縁膜12にコンタクトホール22を開口す
る。次に、アルミニウム、銅、これらをベースとした合
金、タングステン、モリブデン等の高融点金属から成る
抵抗の低い金属膜をコンタクトホール22内に形成し
て、半導体領域5、6にそれぞれ接続する電極13、1
4を形成する。ここで、層間絶縁膜12としては、膜の
平坦化が図れるTEOS系酸化膜やシリカ系塗布膜、有
機系塗布膜を用いることができる。
【0038】図7は、上述のような薄膜トランジスタに
より形成したP型MOSトランジスタ23とN型MOS
トランジスタ24とを組み合わせて構成したCMOSト
ランジスタ25から成るインバータを示している。ま
た、図8は、上述した一連の製造工程によるパターンを
同一紙面上に重ねて示している。図8から明らかなよう
に、レーザ結晶化により形成された多結晶シリコン薄膜
から成る半導体薄膜3(3A、3B)を構成している結
晶粒子サイズの長さ方向は、インバータを構成している
CMOSトランジスタ25のP型MOSトランジスタ2
3及びN型MOSトランジスタ24のチャネル領域4を
走行するキャリアの走行方向に沿って揃えられている。
このような構成によって、多結晶シリコン薄膜を構成し
ている結晶粒子サイズを大きくすることができるので、
結晶粒界に存在する多数トラップによりキャリアが捕獲
されてしまうことを軽減することができる。
【0039】このように、この例の薄膜トランジスタに
よれば、レーザ結晶化により形成された多結晶シリコン
薄膜から成る半導体薄膜3(3A、3B)を構成してい
る結晶粒子サイズの長さ方向は、インバータを構成して
いるCMOSトランジスタ25のP型MOSトランジス
タ23及びN型MOSトランジスタ24のチャネル領域
4を走行するキャリアの走行方向に沿って揃えられてい
るので、多結晶シリコン薄膜を構成している結晶粒子サ
イズを大きくすることができる。また、この例の薄膜ト
ランジスタの製造方法によれば、非結晶シリコン薄膜か
ら成る半導体薄膜15の任意の領域にレーザビーム16
を照射することにより非結晶シリコン薄膜から成る半導
体薄膜15を多結晶シリコン薄膜から成る半導体薄膜3
に改質させて、多結晶半導体薄膜を構成している結晶粒
子サイズの長さ方向を、後工程によって形成されるチャ
ネル領域4を走行するキャリヤの走行方向に沿って揃え
させるようにしたので、多結晶シリコン薄膜を構成して
いる結晶粒子サイズを容易に大きくすることができる。
したがって、レーザ結晶化技術を利用して高いキャリア
移動度と大きなオン電流とを同時に実現することができ
る。
【0040】◇第2実施例 図10は、この発明の第2実施例である薄膜トランジス
タの構成を示す断面図、図11は同薄膜トランジスタの
製造方法の主要部を示す工程図である。この第2実施例
の薄膜トランジスタの構成が上述の第1実施例のそれと
大きく異なるところは、ゲート絶縁膜の構成を変更する
ようにした点である。すなわち、この例の薄膜トランジ
スタは、図10に示すように、ゲート絶縁膜を構成する
第1のゲート絶縁膜7及び第2のゲート絶縁膜8は、チ
ャネル領域4の上部にのみ形成されている。この例の薄
膜トランジスタを製造するには、第1の実施例の薄膜ト
ランジスタの製造方法における図3(e)工程の代わり
に、図11に示したように、ゲート電極11をエッチン
グにより形成する際に、同時に第1のゲート絶縁膜7及
び第2のゲート絶縁膜8の不要部をエッチングすればよ
い。これ以外は、上述した第1実施例と略同様である。
それゆえ、同一の番号を伏してその説明を省略する。
【0041】このように、この例の構成によれば、第1
実施例と比較してゲート絶縁膜の構成が異なるだけなの
で、第1実施例において述べたのと略同様な効果を得る
ことができる。
【0042】◇第3実施例 図12は、この発明の第3実施例である薄膜トランジス
タの製造方法の主要部を説明する図である。この第3実
施例の薄膜トランジスタの製造方法が上述の第1実施例
のそれと大きく異なるところは、レーザビーム照射を半
導体薄膜の表面の横方向Xに沿った1個所で行うように
した点である。すなわち、この例の薄膜トランジスタの
製造方法は、非結晶シリコン薄膜から成る半導体薄膜1
5の表面の横方向Xに沿った1個所17Cに、図示左側
に示したような強度分布18Cで行って、多結晶シリコ
ン薄膜から成る半導体薄膜3Cを形成した。レーザビー
ム16の強度分布18Cは、横方向Xと直交する縦方向
Yに沿って、端部から中央部に向かって強度(エネルギ
ー)が大きくなるように設定されている。これ以外は、
上述した第1実施例と略同様である。それゆえ、同一の
番号を伏してその説明を省略する。
【0043】このように、この例の構成によれば、第1
実施例と比較してレーザビーム照射方法が異なるだけな
ので、第1実施例において述べたのと略同様な効果を得
ることができる。
【0044】◇第4実施例 この発明の第4実施例は、予めアライメントマークを形
成して、このアライメントマークを基準にレーザビーム
照射を行うようにしたものである。以下、この例の薄膜
トランジスタの製造方法について工程順に説明する。な
お、この例の説明は、図2及び図3を参照して行った第
1の実施例に準じて行う。まず、洗浄により有機物、金
属、微粒子等を除去したガラス基板から成る絶縁基板上
に、基板カバー絶縁膜及びタングステンシリサイド膜を
順次に形成する。次に、フォトリソグラフィ技術を利用
してエッチング法により、両膜の不要部を除去して絶縁
基板上にアライメントマークを形成する。次に、アライ
メントマーク上に二酸化シリコン薄膜等から成るマーク
保護膜を形成する。
【0045】次に、アライメントマークを基準にレーザ
ビーム照射を行って、非結晶シリコン薄膜から成る半導
体薄膜を多結晶シリコン薄膜から成る半導体薄膜に改質
する。この後は、そのアライメントマークや、多結晶シ
リコン薄膜をパターニングして形成した新たなアライメ
ントマークを基準に、後工程のアライメントを行う。こ
の例によれば、アライメントマークを形成してこのアラ
イメントマークを基準にレーザビーム照射を行うので、
レーザビーム照射を正確にかつ効率的に行うことができ
る。
【0046】この例の変形例として、レーザビーム照射
と同時にアライメントマークを形成する薄膜トランジス
タの製造方法について工程順に説明する。まず、非結晶
シリコン薄膜から成る半導体薄膜に対してレーザビーム
照射を行うと同時に、照射/非照射の相違に基づく改質
の度合いの相違を利用して、アライメントマークをシリ
コン薄膜上に形成する。
【0047】次に、そのアライメントマークを利用して
フォトリソグラフィ時の目合わせを行った後、エッチン
グ工程を経て、多結晶シリコン薄膜から成る半導体薄膜
及び第1のゲート絶縁膜の積層膜のアイランドを形成す
る。このような変形例によっても、第4実施例と略同様
な効果を得ることができる。
【0048】◇第5実施例 図13は、この発明の第5
実施例であるメモリの構成を示す図である。 この例の
メモリは、図13に示すように、2n×2mビットのスト
レージセル35と、2n語の中から2mビットの一語を指
定する行デコータ29と、アクセスされている行の2m
ビットの中から2kビットを指定する列デコーダ33
と、データ線27と、行アドレス28と、増幅器/ドラ
イバ30と、ビット線31と、列アドレス32と、ワー
ド線34とから構成されている。ここで、各構成要素は
この発明による薄膜トランジスタあるいはインバータが
用いられている。
【0049】このように、この例の構成によれば、高い
キャリア移動度と大きなオン電流とを同時に実現する薄
膜トランジスタによってメモリが構成されているので、
高速で駆動能力の高いメモリを得ることができる。
【0050】◇第6実施例 図14は、この発明の第6実施例であるプロジェクタの
構成を示す図である。この例のプロジェクタは、図14
に示すように、ハロゲンランプ36と、ハロゲンランプ
36により生成された光が入力されるダイクロイックミ
ラー37と、ダイクロイックミラー37からの光が入力
される赤成分38R、緑成分38G及び青成分38Bを
有するライトバルブ38と、ライトバルブ38からの映
像が投影レンズ39を介して投影されるスクリーン40
とから構成されている。ここで、各構成要素はこの発明
による薄膜トランジスタあるいはインバータが用いられ
ている。
【0051】このように、この例の構成によれば、高い
キャリア移動度と大きなオン電流とを同時に実現する薄
膜トランジスタによってプロジェクタが構成されている
ので、高性能で動作するプロジェクタを得ることができ
る。
【0052】◇第7実施例 図15は、この発明の第7実施例である液晶ディスプレ
イ装置の構成を示す図である。この例の液晶ディスプレ
イ装置は、図15に示すように、データドライバ41
と、ゲートドライバ42と、アクティブマトリックスア
レイ43と、アクティブマトリックスアレイ43に接続
された画素44と、液晶ディスプレイ45と、外部から
データを入力してデータドライバ41を介して液晶ディ
スプレイ45に表示させるデータ入力線46とから構成
されている。ここで、各構成要素はこの発明による薄膜
トランジスタあるいはインバータが用いられている。
【0053】このように、この例の構成によれば、高い
キャリア移動度と大きなオン電流とを同時に実現する薄
膜トランジスタによって液晶ディスプレイが構成されて
いるので、高性能で動作する液晶ディスプレイ装置を得
ることができる。
【0054】以上、この発明の実施例を図面により詳述
してきたが、具体的な構成はこの実施例に限られるもの
ではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変
更などがあってもこの発明に含まれる。例えば、薄膜ト
ランジスタを構成するFETはMOS型トランジスタに
限らず、ゲート絶縁膜として窒化膜などの酸化膜以外の
絶縁膜を用いたMISトランジスタにも適用することが
できる。また、絶縁基板、ゲート絶縁膜、層間絶縁膜等
の絶縁材料は一例を示したものであり、これらに限らず
同様な機能を有するものであれば、同様に用いることが
できる。また、この発明は、リーク電流低減あるいはソ
ース、ドレイン耐圧確保を目的としたLDD構造、マル
チゲート構造等にも適用することができる。
【0055】
【発明の効果】以上説明したように、この発明の薄膜ト
ランジスタによれば、レーザ結晶化により形成された半
導体薄膜を構成している結晶粒子サイズの長さ方向は、
チャネル領域を走行するキャリアの走行方向に沿って揃
えられているので、結晶粒子サイズを大きくすることが
できる。また、この例の薄膜トランジスタの製造方法に
よれば、半導体薄膜の任意の領域にエネルギビームを照
射することにより半導体薄膜を改質させて、半導体薄膜
を構成している結晶粒子サイズの長さ方向を、後工程に
よって形成されるチャネル領域を走行するキャリヤの走
行方向に沿って揃えさせるようにしたので、結晶粒子サ
イズを容易に大きくすることができる。したがって、レ
ーザ結晶化技術を利用して高いキャリア移動度と大きな
オン電流とを同時に実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1実施例である薄膜トランジスタ
の構成を示す断面図である。
【図2】同薄膜トランジスタの製造方法を工程順に示す
工程図である。
【図3】同薄膜トランジスタの製造方法を工程順に示す
工程図である。
【図4】同薄膜トランジスタの製造方法の主要部を説明
する図である。
【図5】同薄膜トランジスタの製造方法の主要部を説明
する図である。
【図6】同薄膜トランジスタの製造方法の主要部を説明
する図である。
【図7】同薄膜トランジスタの製造方法の主要部を説明
する図である。
【図8】同薄膜トランジスタの製造方法の主要部を説明
する図である。
【図9】この発明の前提となったレーザビーム照射によ
り形成された多結晶シリコン薄膜を示すSEM写真であ
る。
【図10】この発明の第2実施例である薄膜トランジス
タの構成を示す断面図である。
【図11】同薄膜トランジスタの製造方法の主要部を示
す工程図である。
【図12】この発明の第3実施例である薄膜トランジス
タの製造方法の主要部を説明する図である。
【図13】この発明の第5実施例であるメモリの構成を
示す図である。
【図14】この発明の第6実施例であるプロジェクタの
構成を示す図である。
【図15】この発明の第7実施例である液晶ディスプレ
イ装置の構成を示す図である。
【図16】従来の薄膜トランジスタの構成を示す断面図
である。
【図17】同薄膜トランジスタを製造するためのレーザ
結晶化技術に用いるパルスレーザ照射装置の構成を示す
ブロック図である。
【図18】従来のTFTの構成を示す図である。
【図19】従来のTFTの構成を示す図である。
【図20】従来のTFTの構成を示す図である。
【符号の説明】
1 絶縁基板(ガラス基板) 2 基板カバー絶縁膜 3、3A、3B、3C 半導体薄膜(多結晶半導体
薄膜) 4 チャネル領域 5、6 半導体領域(ソース領域あるいはドレイン
領域) 7 第1のゲート絶縁膜 8 第2のゲート絶縁膜 9 高濃度半導体層 10 金属層 11 ゲート電極 12 層間絶縁膜 13、14 電極 15 半導体薄膜(非結晶半導体薄膜) 16 レーザビーム 17A、17B、17C 個所 18A、18B、18C 強度分布 19 結晶粒界 20 アイランド 20A アイランドの端部 21 レジストパターン 22 コンタクトホール 23 P型MOSトランジスタ 24 N型MOSトランジスタ 25 CMOSトランジスタ 27 データ線 28 行アドレス 29 行デコーダ 30 増幅器/ドライバ 31 ビット線 32 列アドレス 33 列デコーダ 34 ワード線 35 ストレージセル 36 ハロゲンランプ 37 ダイクロイックミラー 38 ライトバルブ 38R 赤成分 38G 緑成分 38B 青成分 39 投影レンズ 40 スクリーン 41 データドライバ 42 ゲートドライバ 43 アクティブマトリックスアレイ 44 画素 45 液晶ディスプレイ 46 データ入力線
フロントページの続き Fターム(参考) 2H092 JA25 KA04 KA05 KA10 MA07 MA08 MA26 MA27 MA30 NA22 NA24 PA01 5F052 AA02 BA01 BA18 BB07 DA02 DB02 JA01 5F110 AA07 BB02 BB04 CC02 DD02 DD03 DD13 DD18 EE05 EE08 EE14 EE45 FF02 FF09 FF30 FF32 FF35 FF36 GG02 GG13 GG16 GG25 GG45 GG47 GG57 HJ12 HJ13 HJ18 HK05 PP03 PP06 PP13 PP24

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁基板上に形成された半導体薄膜にエ
    ネルギービームを照射することにより改質される結晶性
    半導体薄膜を活性領域として利用する薄膜トランジスタ
    であって、 前記結晶性半導体薄膜を構成している結晶粒子サイズの
    長さ方向が、チャネル領域を走行するキャリアの走行方
    向に沿って揃えられていることを特徴とする薄膜トラン
    ジスタ。
  2. 【請求項2】 絶縁基板上に形成された非結晶半導体薄
    膜にレーザビームを照射することにより改質される多結
    晶性半導体薄膜を活性領域として利用する薄膜トランジ
    スタであって、 前記多結晶性半導体薄膜を構成している結晶粒子サイズ
    の長さ方向が、チャネル領域を走行するキャリアの走行
    方向に沿って揃えられていることを特徴とする薄膜トラ
    ンジスタ。
  3. 【請求項3】 絶縁基板上に形成された半導体薄膜にエ
    ネルギービームを照射することにより改質される結晶性
    半導体薄膜を活性領域として利用する薄膜トランジスタ
    の製造方法であって、 前記絶縁基板上に前記半導体薄膜を形成する半導体薄膜
    形成工程と、 前記半導体薄膜の任意の領域に前記エネルギービームを
    照射することにより前記半導体薄膜を結晶性半導体薄膜
    に改質させて、該結晶性半導体薄膜を構成している結晶
    粒子サイズの長さ方向を、後工程によって形成されるチ
    ャネル領域を走行するキャリヤの走行方向に沿って揃え
    させるエネルギービーム照射工程とを含むことを特徴と
    する薄膜トランジスタの製造方法。
  4. 【請求項4】 絶縁基板上に形成された非結晶半導体薄
    膜にレーザビームを照射することにより改質される多結
    晶性半導体薄膜を活性領域として利用する薄膜トランジ
    スタの製造方法であって、 前記絶縁基板上に前記非結晶半導体薄膜を形成する非結
    晶半導体薄膜形成工程と、 前記非結晶半導体薄膜の任意の領域に前記レーザビーム
    を照射することにより前記非結晶半導体薄膜を多結晶半
    導体薄膜に改質させて、該多結晶半導体薄膜を構成して
    いる結晶粒子サイズの長さ方向を、後工程によって形成
    されるチャネル領域を走行するキャリヤの走行方向に沿
    って揃えさせるレーザビーム照射工程とを含むことを特
    徴とする薄膜トランジスタの製造方法。
  5. 【請求項5】 前記レーザビーム照射工程において、前
    記レーザビームを前記多結晶半導体薄膜の前記チャネル
    領域を走行するキャリアの走行方向に沿って照射するこ
    とを特徴とする請求項4記載の薄膜トランジスタの製造
    方法。
  6. 【請求項6】 前記レーザビームを1パルス以上照射す
    ることを特徴とする請求項5記載の薄膜トランジスタの
    製造方法。
  7. 【請求項7】 前記請求項1又は2記載の前記薄膜トラ
    ンジスタにより構成されることを特徴とするインバー
    タ。
  8. 【請求項8】 前記薄膜トランジスタがP型MISトラ
    ンジスタとN型MISトランジスタとから成り、該P型
    MISトランジスタと前記N型MISトランジスタとを
    組み合わせたCMISトランジスタから構成されること
    を特徴とする請求項7記載のインバータ。
  9. 【請求項9】 前記請求項1又は2記載の前記薄膜トラ
    ンジスタにより構成されることを特徴とする電子機器。
  10. 【請求項10】 前記請求項7又は8記載の前記インバ
    ータにより構成されることを特徴とする電子機器。
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